JP2010115938A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回時の車両の不安定化を抑制できるブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】実ヨーレートと規範ヨーレートとの偏差を正規化した正規化ヨーレートが正規化ヨーレート偏差閾値ThAを超えている場合には車両が不安定化していると想定し、補助ブレーキを作動させないようにする補助ブレーキ制御を行う。これにより、補助ブレーキを作動させるためにリターダ作動スイッチや排気ブレーキ作動スイッチが押下されていたとしても、路面μ値が低い場合に旋回するときに補助ブレーキが作動しないようにできるため、車両が不安定になることを抑制できる。そして、このような動作が制動時に限らず実行されるようにしているため、的確に旋回時に車両が不安定になることを防ぐことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、サービスブレーキとは別に設けられた排気ブレーキやリターダなどの補助ブレーキを備えた車両におけるブレーキ制御装置に関するものである。
従来より、ブレーキペダル操作に伴って制動力を発生させるサービスブレーキとは別に、排気ブレーキやリターダなどの補助ブレーキ装置が備えられた車両がある。一般的に、車両重量が大きい車両では、サービスブレーキの長時間の使用によって摩擦熱が発生し、制動力が低下してしまうことから、補助ブレーキが備えられている。このような補助ブレーキを制御するための補助ブレーキ制御装置として、特許文献1に開示されたものがある。
この特許文献1に開示された補助ブレーキ制御装置では、補助ブレーキが作動しているときに走行路面が圧雪路面などのように路面摩擦係数(以下、路面μ値という)が低い路面になると、車輪がロックして車両が不安定な状態になるため、車輪のスリップを検出し、スリップが大きくなると補助ブレーキの作動を禁止することで、車両が不安定な状態になることを抑制している。
特開平8−48232号公報
しかしながら、路面μ値が低い場合に補助ブレーキを作動させたまま旋回すると、ステアリング角に対応した理想的な旋回状態よりも内側に切れ込んでしまうオーバステア状態となり、車両が不安定になる。このような旋回による車両の不安定化は制動時に限らず発生するため、上述した特許文献1のように制動時にのみ補助ブレーキの作動を禁止したとしても旋回時に車両が不安定になることを防ぐことはできない。
本発明は上記点に鑑みて、旋回時の車両の不安定化を抑制できるブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ヨーレート偏差演算手段(120)にて、規範ヨーレート演算手段(110)で演算した規範ヨーレートと実ヨーレート演算手段(100)で演算した実ヨーレートとの差で表されるヨーレート偏差を演算すると共に、このヨーレート偏差とヨーレート偏差閾値演算手段(130)にて演算された車両が不安定状態であることを示す閾値となるヨーレート偏差閾値(ThA)とを判定手段(140)にて比較することにより車両が不安定状態であることを判定し、判定手段(140)にて車両が不安定状態であると判定されたときに、補助ブレーキ制限手段(150)にて補助ブレーキの作動を制限することを特徴としている。
このように、ヨーレート偏差とヨーレート偏差閾値(ThA)とを比較し、車両が不安定化していると想定される場合には、補助ブレーキの作動を制限する。これにより、補助ブレーキを作動させるためにリターダ作動スイッチや排気ブレーキ作動スイッチが押下されていたとしても、路面μ値が低い場合に旋回するときに補助ブレーキの作動が制限されるため、オーバステア状態になって車両が不安定になることを抑制できる。
例えば、請求項2に記載したように、ヨーレート偏差演算手段(120)にて、規範ヨーレートから実ヨーレートを引いて求められる差に対して、右旋回と左旋回とで正負の符号が異なる係数(A)を掛けることにより符号を統一した正規化ヨーレート偏差を演算すると共に、ヨーレート偏差閾値演算手段(130)にて、ヨーレート偏差閾値として、正規化ヨーレート偏差に対応した車両がオーバステア状態と想定される正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)を演算し、判定手段(140)にて、正規化ヨーレート偏差を正規化ヨーレート偏差閾値と比較することにより、車両が不安定状態であることを判定することができる。
また、請求項3に記載したように、判定手段(140)にて、正規化ヨーレート偏差の絶対値が正規化ヨーレート偏差閾値を超えるか否かにより、車両が不安定状態であることを判定することもできる。
さらに、請求項4に記載したように、ヨーレート偏差閾値演算手段(130)にて、ヨーレート偏差閾値として、車両がオーバステア状態と想定される正規化ヨーレート偏差閾値を第1正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)として演算すると共に、車両がアンダーステア状態と想定される第2正規化ヨーレート偏差閾値(ThB)を演算し、判定手段(140)にて、正規化ヨーレート偏差を第1正規化ヨーレート偏差閾値と比較すると共に第2正規化ヨーレート偏差閾値と比較することにより、車両が不安定状態であることを判定することもできる。
このように、正規化ヨーレート偏差をヨーレート偏差閾値(ThA)と比較するだけでなく、ヨーレート偏差閾値(ThB)とも比較することにより、オーバステア状態における車両の不安定化も抑制することが可能となる。
なお、正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)は一定値であっても構わないが、請求項5に記載したように、ヨーレート偏差閾値演算手段(130)にて、正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)の絶対値が車速に応じて小さくなる値となるように正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)を演算すると好ましい。このようにすれば、車速が大きくなるほど車両が不安定化し易くなるのに対応した正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)を演算することができる。
請求項6に記載の発明では、スリップ率演算手段(230)にて、車速と各車輪における車輪速度の偏差として表されるスリップ率を演算すると共に、スリップ率閾値演算手段(240)にて、ヨーレート偏差に基づいて、車両が不安定状態であることを示す閾値となるスリップ率閾値(ThC)を演算し、判定手段(250)にて、スリップ率演算手段(230)で演算したスリップ率をスリップ率閾値演算手段(240)で演算したスリップ率閾値(ThC)とを比較することにより車両が不安定状態であることを判定すると、補助ブレーキ制限手段(260)にて、補助ブレーキの作動を制限することを特徴としている。
このように、各車輪のスリップ率を正規化ヨーレート偏差に基づいて設定されるスリップ率閾値(ThC)と比較することによっても、車両が不安定化していることを判別することができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
例えば、請求項7に記載したように、スリップ率閾値演算手段(240)では、スリップ率閾値(ThC)を正規化ヨーレート偏差の絶対値が大きくなる程小さくなる値として演算することができる。
以上説明した補助ブレーキの作動の制限は、制動力が減衰されるように制限を行うことを意味しており、例えば、請求項8に記載したように、補助ブレーキ制限手段(150、260)は、判定手段(140、250)にて車両が不安定状態であると判定されたときに補助ブレーキの作動を禁止することにより補助ブレーキの作動を制限することができる。
また、請求項9に記載したように、請求項1に記載のブレーキ制御装置を車両姿勢制御を行うブレーキ制御装置として用いることもできる。その場合、請求項9に記載したように、ヨーレート偏差が予め決められた姿勢制御閾値より大きいことを検出して車輪のうちの一部に制動力を与えることで車両の姿勢を制御する車両姿勢制御手段をさらに備え、姿勢制御閾値よりも前記ヨーレート偏差閾値が小さい値となるようにすることができる。
このようにすれば、車両姿勢制御手段による補助ブレーキ作動中の車両姿勢制御、例えば横滑り防止制御(ESC(Electronic Stability Control))の制御頻度をヨーレート偏差が大きいほど小さくでき、横滑り防止制御の作動により突然ブレーキが掛かるというドライバへの唐突感を抑え、フィーリングを向上することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるブレーキ制御を実現する制駆動力制御装置が搭載されたシステム全体の概略構成を示した図である。ここでは、エンジン1が前方に搭載され、後輪RR、RL側を駆動輪とするFR車両に対して本発明の一実施形態となる制駆動力制御装置を適用した場合について説明するが、前輪FR、FL側を駆動輪とするFF車両等、他の形態の車両についても同様に適用可能である。
図1に示されるように、FR車両の駆動系は、エンジン1、トランスミッション2、プロペラシャフト3、デファレンシャル4およびドライブシャフト5にて構成され、これらを通じて駆動輪となる後輪RR、RLに駆動力が付与されるようになっている。具体的には、アクセルペダル6の操作量に基づいて発生させられたエンジン出力(エンジントルク)がトランスミッション2に伝えられ、トランスミッション2で設定されたギア位置に応じたギア比で変換されたのち、プロペラシャフト3に駆動力が伝達される。そして、プロペラシャフト3に対し、デファレンシャル4を介して接続されたドライブシャフト5を通じて、後輪RR、RLに駆動力を付与する。
また、制動系は、サービスブレーキおよび補助ブレーキにて構成されており、サービスブレーキは、各車輪FR〜RLそれぞれに対して備えられたブレーキ制御用アクチュエータ10FR、10FL、10RR、10RLにて構成され、補助ブレーキは、リターダ14や排気ブレーキ15にて構成されている。
ブレーキ制御用アクチュエータ10FR〜10RLは、例えばホイールシリンダ(以下、W/Cという)11FR、11FL、11RR、11RLを自動加圧できるブレーキシステムとして構成される。そして、ブレーキ制御用アクチュエータ10FR〜10RLを制御することにより各車輪FR〜RLに対して制動力を付与する。
ブレーキ制御用アクチュエータ10FR〜10RLとしては、電気的にW/C圧を発生させるブレーキバイワイヤなどの電動ブレーキシステムと油圧によりW/C圧を発生させる油圧ブレーキシステムのいずれも採用できるが、いずれも公知のものであるので、ここではブレーキ制御用アクチュエータ10FR〜10RLの具体的な構造については省略する。ただし、以下の説明では、ブレーキ制御用アクチュエータ10FR〜10RLが電動ブレーキシステムで構成されている場合を例に挙げて説明を行う。
このようなブレーキ制御用アクチュエータ10FR〜10RLでは、図示しない電動モータに対して流す電流の電流値を示す指示電流値を変更することにより、W/C11FR〜11RLのうち制御対象輪と対応するものを加圧したり、減圧したりすることにより、キャリパ12FR、12FL、12RR、12RLによるディスクロータ13FR、13FL、13RR、13RLの挟持力が調整されることで、各車輪FR〜RLに発生させられる制動力が制御できるようになっている。
リターダ14は、ドライブシャフト5に伝わる駆動力を減衰することで制動力を付与しする。例えば、リターダ14は、流体式リターダにて構成され、ステータとロータの間にエンジンオイルなどの流体を入れ、この流体をプロペラシャフトにて攪拌させるときの抵抗によって制動力を得る。なお、リターダ14としては、流体式リターダの他、駆動系に設けた発電機を作動させることにより制動力を得る電磁式リターダや、電磁式リターダの発電機に備えられる固定子を電磁石から永久磁石に変えた形式の永久磁石式リターダなど、他の形式のものが用いられていても良い。
排気ブレーキ15は、エキゾーストパイプ途中のバルブ15aを締めることでエンジン内の排気圧力を高め、制動力を付与する。ここでは排気ブレーキ15とリターダ14とを分けて記載しているが、排気ブレーキ15も広義にはリターダ14の一種として含めることもできる。なお、本実施形態では、リターダ14と排気ブレーキ15の両方を備えたものを記載しているが、勿論いずれか一方のみが備えられるものであっても良い。
そして、本システムでは、駆動系を制御するためのエンジンコントローラ(以下、エンジンECUという)20、制動系を制御するためのブレーキコントローラ(以下、ブレーキECUという)30およびリターダコントローラ(以下、リターダECU)40が備えられている。
エンジンECU20は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従った各種演算や処理を実行することでエンジン出力(エンジントルク)を制御し、後輪RR、RLに発生させられる駆動力を制御する。例えば、エンジンECU20は、アクセルペダル6の操作が行われているか否かを示すアクセルペダルスイッチ6aの検出信号を入力し、この検出信号に基づいて加速中であるか否かの判定を行ったり、エンジン出力を演算したりする。そして、このエンジンECU20からエンジン1に対して制御信号を出力することにより、燃料噴射量の調整などを行い、エンジン出力を制御する。
また、エンジンECU20は、排気ブレーキ15の作動についても制御する。エンジンECU20には、図示しない排気ブレーキ作動スイッチが押下されたことが入力され、排気ブレーキ作動スイッチが押下されると、アクセルペダル6がオフ(操作が解除)されているときにエキゾーストパイプ途中のバルブ15aを締め、排気ブレーキ15を作動させる。
ブレーキECU30は、CPU、ROM、RAM、I/O、カウンタなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従った各種演算や処理を実行することにより、ブレーキペダル7の操作量(ストローク量もしくは踏力)に応じた制動力を各車輪FR〜RLに対して発生させたり、横滑り防止制御を含むブレーキ制御を行うためのスリップ率の演算等を行う。
例えば、ブレーキECU30は、ブレーキペダル7の操作量を示すブレーキ操作量センサ(例えば、ストロークセンサや踏力センサ)7aの検出信号やブレーキペダル7の操作が行われているか否かを示すブレーキペダルスイッチ7bの検出信号を入力し、これらの検出信号に基づいてブレーキ操作量の演算や制動中であるか否かの判定を行ったり、各車輪FR〜RLに備えられた車輪速度センサ8FR、8FL、8RR、8RLからの検出信号を受け取り、各車輪速度を求めると共に、求めた各車輪速度に基づいて推定車体速度(以下、単に車速という)を演算したり、車速と各車輪速度の偏差として表されるスリップ率を演算したりする。そして、制動時にスリップ率が所定のしきい値を超えると、その車輪に対してアンチスキッド制御(以下、ABS制御という)を実行する。
また、ブレーキECU30には、横加速度(以下、横Gという)センサ9a、ヨーレートセンサ9b、操舵角センサ9cからの検出信号が入力され、これら各検出信号に基づいて、横Gが演算されると共に、実際のヨーレート(旋回角速度、以下、実ヨーレートという)および操舵角という各物理量が求められる。さらに、ブレーキECU30では、求めた各物理量に基づいて更に重力成分の影響等の外乱要因が含まれていない目標となる規範ヨーレート(目標ヨーレート)を求め、実ヨーレートと規範ヨーレートとの差もしくはこれらの比等が所定のしきい値を超えると、操舵角から判別される旋回方向に基づいて制御対象輪を特定して横滑り防止制御を実行する。規範ヨーレートは、操舵角および車速に基づいて求める手法(例えば、特開平5−105055号公報など参照)によって演算される。この規範ヨーレートの演算手法については周知となっているため、ここでは詳細については省略する。また、規範ヨーレートの演算手法としては、操舵角および車速に基づいて求める手法の他、例えば操舵トルクと車速に基づいて求める手法(例えば、特開2003−81117号公報など参照)など他の公知となっている手法を用いることもできる。
そして、ブレーキECU30は、ABS制御時や横滑り防止制御時には、制御対象輪と対応するブレーキ制御用アクチュエータ10FR〜10RLに対して制御信号を出力する。これにより、各W/C11FR〜11RLに発生させられるW/C圧を制御し、各車輪FR〜RLに発生させられる制動力を制御することで、ABS制御や横滑り防止制御等のブレーキ制御を実行する。
リターダECU40は、CPU、ROM、RAM、I/O、カウンタなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従ってリターダ14を作動させる。具体的には、リターダECU40には、図示しないリターダ作動スイッチが押下されたことが入力され、リターダ作動スイッチが押下されると、エンジンECU20からアクセルペダル6がオフされたことを示す信号が入力され、アクセルペダル6がオフされたときにリターダ14を作動させるという補助ブレーキ制御を行う。
このようにして、ブレーキ制御を実現する制駆動力制御装置が備えられたシステムが構成されている。続いて、本実施形態の制駆動力制御装置が行う制御について説明するが、エンジンECU20で行われるエンジン制御については基本的には従来と同様であり、ブレーキECU30におけるブレーキ制御のうちABS制御、横滑り制御および補助ブレーキ制御の一般的な動作については従来と同様であるため、ここでは補助ブレーキ制御のうち本発明の特徴となる許可判定処理についてのみ説明する。
図2は、補助ブレーキ制御の許可判定処理の詳細を示したフローチャートである。この処理は、例えば、図示しないイグニッションスイッチがオフからオンに切替えられたとき、もしくは、イグニッションスイッチがオンの状態においてリターダ14もしくは排気ブレーキ15を作動させるためにリターダ作動スイッチや排気ブレーキ作動スイッチが押下されたときに、ブレーキECU30において所定の制御周期毎に実行される。そして、この処理によって補助ブレーキを実行することが許可されたときは補助ブレーキが実行され、禁止されると補助ブレーキが通常作動させられるときにも実行することが禁止される。
まず、ステップ100では、本処理に用いられる各種センサ8FR〜8RL、9a〜9cの検出信号を入力し、これらに基づいて、車輪速度、車速、横G、実ヨーレートおよび操舵角を演算する。
次に、ステップ110では、ステップ100で演算した車速、旋回角速度に基づいて規範ヨーレートを演算する。ここでいう規範ヨーレートとは、上述したように重力成分の影響等が含まれていない理想的なヨーレートのことであり、操舵角や車速から求められる。具体的には、操舵角センサ9cの検出信号に基づいて求めた操舵角や車速から周知の手法によって目標ヨーレートを推定する。
続く、ステップ120では、正規化ヨーレート偏差を演算する。正規化ヨーレート偏差とは、規範ヨーレートと実ヨーレートとの差を正規化した値を示す。本実施形態の場合、規範ヨーレートをYr・st、実ヨーレートをYrとして、これらの差(Yr・st−Yr)に対して旋回方向に対応する係数Aを掛けた値(=A×(Yr・st−Yr))として求めている。なお、本実施形態では、係数Aは、右旋回の場合には1、左旋回の場合は−1とされ、旋回方向による符号の逆転を解消するために用いられている。すなわち、検出されたヨーレートが右旋回のためにステアリングを切り込んだ時に発生する場合を正、左旋回のためにステアリングを切り込んだときに発生する場合を負として、オーバステア状態になったときの正規化ヨーレート偏差が負の値となるように係数Aを設定している。この係数Aは、操舵角センサ9cの検出信号に基づいて旋回方向を検出することにより決定される。
さらに、ステップ130において、正規化ヨーレート偏差閾値ThAを演算する。正規化ヨーレート偏差閾値ThAは、車両が不安定化すると想定される大きさの正規化ヨーレート偏差が発生していることを判定するための閾値である。車両は車速が大きくなるとヨーレート偏差が小さな値であっても不安定になり易い。そして、本実施形態の場合、オーバステア状態の時には正規化ヨーレート偏差が負の値となることから、正規化ヨーレート偏差閾値ThAは、車速が大きくなるほど負の値が小さくなる(絶対値が小さくなる)ような値に設定される。
本実施形態の場合、例えば、図3に示す車速と正規化ヨーレート偏差閾値ThAとの関係を示したマップに記載したように、車速が大きくなるほど正規化ヨーレート偏差閾値ThAが大きく(負の値が小さく)なるようにしている。そして、車速がある程度高速となったとき、および、ある程度低速になったときには正規化ヨーレート偏差閾値ThAを一定値として設定している。ここで設定される一定値については、車両に依存して決まる値であり、車輪にスリップが発生していないグリップ領域において、誤って正規化ヨーレート偏差が正規化ヨーレート偏差閾値ThAを下回ったと判定されないようにするために設定してある。
そして、ステップ140において、正規化ヨーレート偏差が正規化ヨーレート偏差閾値ThAよりも小さいか否かを判定する。これにより、車両が不安定化すると想定される大きさの正規化ヨーレート偏差が発生していることを判定することができる。ここで肯定判定されれば、ステップ150に進んで補助ブレーキ禁止要求を出し、否定判定されれば、ステップ160に進んで補助ブレーキ許可要求を出す。このように、補助ブレーキ禁止要求もしくは補助ブレーキ許可要求が出されると、ブレーキECU30からエンジンECU20に対してその旨を示す信号を出力される。これにより、エンジンECU20では、アクセルペダル6がオフされているときに作動させるリターダ14もしくは排気ブレーキ15をリターダ作動スイッチや排気ブレーキ作動スイッチが押下されていても作動させないようにする。
以上説明したように、本実施形態では、実ヨーレートと規範ヨーレートとの偏差を正規化した正規化ヨーレートが正規化ヨーレート偏差閾値ThAを超えている場合には車両が不安定化していると想定し、補助ブレーキを作動させないようにする補助ブレーキ制御を行う。
これにより、補助ブレーキを作動させるためにリターダ作動スイッチや排気ブレーキ作動スイッチが押下されていたとしても、路面μ値が低い場合に旋回するときに補助ブレーキが作動しないようにできるため、オーバステア状態になって車両が不安定になることを抑制できる。そして、このような動作が制動時に限らず実行されるようにしているため、的確に旋回時に車両が不安定になることを防ぐことができる。さらに、このように車両の不安定化を防ぐことが出来ると共に、横滑り防止制御等の車両姿勢を安定化させるための制御が介入されることを抑制できるため、ドライバに対するドライビングフィーリングの向上を図ることも可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して車両が不安定と判定する判定手法を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
具体的には、本実施形態では、上述した図2のステップ130において正規化ヨーレート偏差閾値ThAを図4に示す車速と正規化ヨーレート偏差閾値ThAとの関係を示したマップに基づいて求める。この図では、車速が大きくなるほど正規化ヨーレート偏差閾値ThAが小さくなるようにしている。そして、車速がある程度高速となったとき、および、ある程度低速になったときには正規化ヨーレート偏差閾値ThAを一定値として設定している。すなわち、図3とは正負を逆にしたマップとしている。
そして、図2のステップ140において、正規化ヨーレート偏差が正規化ヨーレート偏差閾値ThAよりも小さいか否かを判定する代わりに、正規化ヨーレート偏差の絶対値がヨーレート偏差閾値ThAよりも大きいか否かを判定することにより、車両が不安定化か否かを判定する。すなわち、ヨーレート偏差は、規範ヨーレートをYr・st、実ヨーレートをYrとしたときに、これらの差(Yr・st−Yr)として表される値であるが、旋回方向が左方向か右方向かに応じて、さらには、規範ヨーレートと実ヨーレートのいずれが大きいかに応じて正負の符号が異なったものとなる。このため、正規化ヨーレート偏差の絶対値を取ることで必ず正の値となるようにし、その値が正規化ヨーレート偏差閾値ThAを超える場合に、補助ブレーキ禁止要求が出されるようにすればよい。
なお、このようにヨーレート偏差の絶対値を取る場合には、規範ヨーレートが実ヨーレートよりも小さな値となるような場合、つまりステアリング角に対応した理想的な旋回状態よりも外側に車両がはみ出してしまうアンダーステア状態においてもステップ140の判定において肯定判定されることがあり得る。しかしながら、アンダーステア状態についても、後々オーバステア状態に移行する可能性が高く、またオーバステア状態も車両が不安定な状態になっている一例であるため、この場合にも補助ブレーキの作動を禁止するのが好ましい。このため、オーバステア状態の際に上記の判定において肯定判定されたとしても問題は無い。
このように、正規化ヨーレート偏差の絶対値がヨーレート偏差閾値ThAよりも大きいか否かを判定することにより、車両が不安定化か否かを判定するようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して車両が不安定と判定する判定手法を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
具体的には、本実施形態では、上述した図2のステップ130において図3に基づいて正規化ヨーレート偏差閾値ThAを求めるのに加え、もう一つの正規化ヨーレート偏差閾値ThBを求める。図5は、車速と正規化ヨーレート偏差閾値ThBとの関係を示したマップである。この図に示すように、車速が大きくなるほど正規化ヨーレート偏差閾値ThBが小さくなるようにしている。そして、車速がある程度高速となったとき、および、ある程度低速になったときには正規化ヨーレート偏差閾値ThBを一定値として設定している。すなわち、図3とは正負を逆にしたマップとしている。
上述したように、アンダーステア状態も車両が不安定化している状態であるため、補助ブレーキの作動を禁止するのが好ましい。そして、同じ旋回方向である場合、アンダーステア状態は、オーバステア状態に対して正負の符号が逆転することから、アンダーステア状態を判定するときの閾値として、正規化ヨーレート偏差閾値ThBを設定している。
したがって、図2のステップ140において、正規化ヨーレート偏差が正規化ヨーレート偏差閾値ThAよりも小さいか否かを判定するのに加え、正規化ヨーレート偏差が正規化ヨーレート偏差閾値ThBよりも大きいか否かを判定する。そして、正規化ヨーレート偏差が正規化ヨーレート偏差閾値ThAより小さい、もしくは、正規化ヨーレート偏差閾値ThBよりも大きい場合には、補助ブレーキ禁止要求が出されるようにする。
このように、正規化ヨーレート偏差がヨーレート偏差閾値ThAよりも小さいか否かだけでなく、正規化ヨーレート偏差がヨーレート偏差閾値ThBよりも大きいか否かも判定することによって、オーバステア状態における車両の不安定化も抑制することが可能となる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して車両が不安定と判定する判定手法を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図6は、本実施形態における補助ブレーキ制御の許可判定処理の詳細を示したフローチャートである。この処理も、例えば、図示しないイグニッションスイッチがオフからオンに切替えられたとき、もしくは、イグニッションスイッチがオンの状態においてリターダ14もしくは排気ブレーキ15を作動させるためにリターダ作動スイッチや排気ブレーキ作動スイッチが押下されたときに、ブレーキECU30において所定の制御周期毎に実行される。そして、この処理によって補助ブレーキを実行することが許可されたときは補助ブレーキが実行され、禁止されると補助ブレーキが通常作動させられるときにも実行することが禁止される。
まず、ステップ200〜220において、上述した図2のステップ100〜120と同様の処理を行う。次に、ステップ230において、スリップ率演算を行う。スリップ率は、各車輪ごとに求められ、車速と各車輪速度の偏差として表され、車速と車輪速度との差を車速で割った値として求められる。続いて、ステップ240において、ステップ220で演算した正規化ヨーレート偏差からスリップ率閾値ThCを演算する。
スリップ率閾値ThCは、車両が不安定化すると想定される大きさのスリップ率が発生していることを判定するための閾値である。車両はヨーレート偏差の絶対値が大きくなるとスリップ率が小さな値であっても不安定になり易い。このため、正規化ヨーレートの絶対値が大きくなるほど(正規化ヨーレートの正の値が大きくなるほど、もしくは、負の値が小さくなるほど)小さな値となるようにスリップ率閾値ThCを設定する。
本実施形態の場合、例えば、図7に示す正規化ヨーレート偏差とスリップ率閾値ThCとの関係を示したマップに記載したように、正規化ヨーレート偏差が正の値に大きくなるほど、もしくは、負の値に小さくなるほど、スリップ率閾値ThCが小さくなるようにしている。そして、正規化ヨーレート偏差の絶対値がある程度小さいときとなったとき、および、ある程度大きいときときにはスリップ率閾値ThCを一定値として設定している。ここで設定される一定値については、車両に依存して決まる値であり、車輪にスリップが発生していないグリップ領域において、誤ってスリップ率がスリップ率閾値ThCを超えたと判定されないようにするために設定してある。
そして、ステップ250において、各車輪のスリップ率がスリップ率閾値ThCよりも大きいか否かを判定する。これにより、車両が不安定化すると想定される大きさのスリップ率が発生していることを判定することができる。ここで各車輪のうち1つの車輪についてでも肯定判定されれば、ステップ260に進んで補助ブレーキ禁止要求を出し、すべての車輪について否定判定されれば、ステップ270に進んで補助ブレーキ許可要求を出す。
このように、各車輪のスリップ率が正規化ヨーレート偏差に基づいて設定されるスリップ率閾値ThCを超えるか否かを判定することによっても、車両が不安定化していることを判別することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
上記第1〜第3実施形態では、ヨーレート偏差の正負の符号が右旋回時と左旋回時とで異なるため、その符号を統一するために、係数Aを掛けた正規化ヨーレート偏差としている。しかしながら、これは一例を示したに過ぎず、単にヨーレート偏差を求め、このヨーレート偏差をそれに対応するヨーレート偏差閾値と比較するようにしても、第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、係数Aを掛けていない場合には、右旋回時と左旋回時とでヨーレート偏差の正負の符号が異なってくるため、ヨーレート偏差閾値を正負それぞれに対して設定する必要がある。
上記第1〜第4実施形態では、車両が不安定化している状態であれば補助ブレーキの作動を禁止することで、補助ブレーキの作動を制限する制御を行ったが、補助ブレーキにより付与される制動力が減衰されるように補助ブレーキの作動を制限するようにしても良い。例えば、車両が不安定化している状態と判定されたときに、一時的に補助ブレーキを禁止してから再び補助ブレーキの作動を許可するようにしても良いし、所定周期で断続的に補助ブレーキを禁止するようにしても良い。また、補助ブレーキにより発生させるべきブレーキトルクをブレーキECU30からエンジンECU20に伝え、例えば排気ブレーキ15におけるバルブ15aの開閉角度を調整するなどにより、補助ブレーキの作動を制限するようにしても良い。
また、上記第1〜第4実施形態では、補助ブレーキ制御の許可判定処理を横滑り防止制御とは別の処理として行ったが、横滑り防止制御において、実ヨーレートや規範ヨーレートの演算などの処理が行われているため、横滑り防止制御の一処理として補助ブレーキ制御の許可判定処理を行うこともできる。
また、上記各実施形態に記載したように、上記した制駆動力制御装置にて横滑り防止制御等の車両姿勢制御を行っている。例えば、制駆動力制御装置に備えられるブレーキECU30に車両姿勢制御手段を備え、ヨーレート偏差が予め決められた姿勢制御閾値より大きいことを検出して車輪のうちの一部に制動力を与えることで車両の姿勢を制御している。この場合において、車両姿勢制御を行う際の姿勢制御閾値とヨーレート偏差閾値とが相関関係を持つ値となるようにすることもできる。例えば、姿勢制御閾値よりも前記ヨーレート偏差閾値が小さい値となるようにすることができる。
このようにすれば、車両姿勢制御手段による補助ブレーキ作動中の車両姿勢制御、例えば横滑り防止制御の制御頻度をヨーレート偏差が大きいほど小さくでき、横滑り防止制御の作動により突然ブレーキが掛かるというドライバへの唐突感を抑え、フィーリングを向上することができる。
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。例えば、ステップ100、200の処理を実行する部分が実ヨーレート演算手段、ステップ110、210の処理を実行する部分が規範ヨーレート演算手段、ステップ120、220の処理を実行する部分がヨーレート偏差演算手段、ステップ130の処理を実行する部分がヨーレート偏差閾値演算手段、ステップ230の処理を実行する部分がスリップ率演算手段、ステップ240の処理を実行する部分がスリップ率閾値演算手段。ステップ140、250の処理を実行する部分が判定手段、ステップ150、260の処理を実行する部分が補助ブレーキ制限手段に相当する。
本発明の第1実施形態にかかるブレーキ制御を実現する制駆動力制御装置が搭載されたシステム全体の概略構成を示す図である。 補助ブレーキ制御の許可判定処理の詳細を示したフローチャートである。 車速と正規化ヨーレート偏差閾値ThAとの関係を示したマップである。 本発明の第2実施形態で説明する車速と正規化ヨーレート偏差閾値ThAとの関係を示したマップである。 本発明の第3実施形態で説明する車速と正規化ヨーレート偏差閾値ThBとの関係を示したマップである。 本発明の第4実施形態で説明する補助ブレーキ制御の許可判定処理の詳細を示したフローチャートである。 正規化ヨーレート偏差とスリップ率閾値ThCとの関係を示したマップである。
符号の説明
1…エンジン、2…トランスミッション、3…プロペラシャフト、4…デファレンシャル、5…ドライブシャフト、6…アクセルペダル、7…ブレーキペダル、8FR〜8RL…車輪速度センサ、9a…横Gセンサ、9b…ヨーレートセンサ、9c…操舵角センサ、10FR〜10RL…ブレーキ制御用アクチュエータ、14…リターダ、15…排気ブレーキ、15a…バルブ、20…エンジンECU、30…ブレーキECU、40…リターダECU

Claims (9)

  1. 車両に備えられたヨーレートセンサ(9b)の検出信号に基づいて演算される実際のヨーレートである実ヨーレートを演算する実ヨーレート演算手段(100)と、
    前記車両におけるステアリングの操作に応じた検出信号を出力する操舵角センサ(9c)の該検出信号に基づいて操舵角を求め、該操舵角に応じた目標ヨーレートである規範ヨーレートを演算する規範ヨーレート演算手段(110)と、
    前記規範ヨーレート演算手段(110)で演算した規範ヨーレートと前記実ヨーレート演算手段(100)で演算した実ヨーレートとの差で表されるヨーレート偏差を演算するヨーレート偏差演算手段(120)と、
    前記車両が不安定状態であることを示す閾値となるヨーレート偏差閾値(ThA)を演算するヨーレート偏差閾値演算手段(130)と、
    前記ヨーレート偏差演算手段(120)で演算したヨーレート偏差を前記ヨーレート偏差閾値演算手段(130)で演算したヨーレート偏差閾値とを比較することにより、前記車両が不安定状態であることを判定する判定手段(140)と、
    前記判定手段(140)にて前記車両が不安定状態であると判定されたときに補助ブレーキの作動を制限する補助ブレーキ制限手段(150)と、を有することを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記ヨーレート偏差演算手段(120)は、前記規範ヨーレートから前記実ヨーレートを引いて求められる差に対して、右旋回と左旋回とで正負の符号が異なる係数(A)を掛けることにより符号を統一した正規化ヨーレート偏差を演算し、
    前記ヨーレート偏差閾値演算手段(130)は、前記ヨーレート偏差閾値として、前記正規化ヨーレート偏差に対応した前記車両がオーバステア状態と想定される正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)を演算し、
    前記判定手段(140)は、前記正規化ヨーレート偏差を前記正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)と比較することにより、前記車両が不安定状態であることを判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記ヨーレート偏差演算手段(120)は、前記規範ヨーレートから前記実ヨーレートを引いて求められる差に対して、右旋回と左旋回とで正負の符号が異なる係数(A)を掛けることにより符号を統一した正規化ヨーレート偏差を演算し、
    前記ヨーレート偏差閾値演算手段(130)は、前記ヨーレート偏差閾値として、前記正規化ヨーレート偏差に対応した前記車両がオーバステア状態と想定される正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)を演算し、
    前記判定手段(140)は、前記正規化ヨーレート偏差の絶対値が前記正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)を超えるか否かにより、前記車両が不安定状態であることを判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記ヨーレート偏差閾値演算手段(130)は、前記ヨーレート偏差閾値として、前記車両がオーバステア状態と想定される正規化ヨーレート偏差閾値を第1正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)として演算すると共に、前記車両がアンダーステア状態と想定される第2正規化ヨーレート偏差閾値(ThB)を演算し、
    前記判定手段(140)は、前記正規化ヨーレート偏差を前記第1正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)と比較すると共に前記第2正規化ヨーレート偏差閾値(ThB)と比較することにより、前記車両が不安定状態であることを判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  5. 前記ヨーレート偏差閾値演算手段(130)は、前記正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)の絶対値が車速に応じて小さくなる値となるように前記正規化ヨーレート偏差閾値(ThA)を演算することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
  6. 車両に備えられたヨーレートセンサ(9b)の検出信号に基づいて演算される実際のヨーレートである実ヨーレートを演算する実ヨーレート演算手段(200)と、
    前記車両におけるステアリングの操作に応じた検出信号を出力する操舵角センサ(9c)の該検出信号に基づいて操舵角を求め、該操舵角に応じた目標ヨーレートである規範ヨーレートを演算する規範ヨーレート演算手段(210)と、
    前記規範ヨーレート演算手段(210)で演算した規範ヨーレートと前記実ヨーレート演算手段(200)で演算した実ヨーレートとの差で表されるヨーレート偏差を演算するヨーレート偏差演算手段(220)と、
    車速と各車輪における車輪速度の偏差として表されるスリップ率を演算するスリップ率演算手段(230)と、
    前記ヨーレート偏差に基づいて、前記車両が不安定状態であることを示す閾値となるスリップ率閾値(ThC)を演算するスリップ率閾値演算手段(240)と、
    前記スリップ率演算手段(230)で演算したスリップ率を前記スリップ率閾値演算手段(240)で演算したスリップ率閾値(ThC)とを比較することにより、前記車両が不安定状態であることを判定する判定手段(250)と、
    前記判定手段(250)にて前記車両が不安定状態であると判定されたときに補助ブレーキの作動を制限する補助ブレーキ制限手段(260)と、を有することを特徴とするブレーキ制御装置。
  7. 前記スリップ率閾値演算手段(240)では、前記スリップ率閾値(ThC)を前記正規化ヨーレート偏差の絶対値が大きくなる程小さくなる値として演算することを特徴とする請求項6に記載のブレーキ制御装置。
  8. 前記補助ブレーキ制限手段(150、260)は、前記判定手段(140、250)にて前記車両が不安定状態であると判定されたときに前記補助ブレーキの作動を禁止することにより前記補助ブレーキの作動を制限することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
  9. 請求項1に記載のブレーキ制御装置を用いて車両姿勢制御を行うブレーキ制御装置であって、
    前記ヨーレート偏差が予め決められた姿勢制御閾値より大きいことを検出して車輪のうちの一部に制動力を与えることで車両の姿勢を制御する車両姿勢制御手段をさらに備え、前記姿勢制御閾値よりも前記ヨーレート偏差閾値が小さい値であることを特徴とするブレーキ制御装置。
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