JP5881311B2 - 竜田揚げ用まぶし粉及び竜田揚げの製造方法 - Google Patents

竜田揚げ用まぶし粉及び竜田揚げの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は竜田揚げ用まぶし粉及び竜田揚げの製造方法に関する。
竜田揚げとはから揚げの一種であり、から揚げが食材、粉、下味等の種類を問わないのに対して、竜田揚げは肉や魚に醤油、みりん、生姜等を用いて下味をつけて、片栗粉すなわち馬鈴薯澱粉をまぶし粉として付着させた後に油ちょうすることに特徴がある。一般的なから揚げの外観とは異なる粒状・塊状の白い粉を吹いたような外観を呈し、粉吹き感ともいうような独特な食感を呈する。この粉吹きは馬鈴薯澱粉を利用したときにのみ生じ、コーンスターチや小麦粉を同様にまぶしても粉吹きを生じないことが知られている。
一般に、馬鈴薯澱粉をまぶし粉に用いた竜田揚げには、調理後に食感の経時変化を起こしやすく、商品価値が低下し易いという問題がある。そこで、例えば、下記特許文献1には、膨潤抑制馬鈴薯澱粉を竜田揚げのまぶし粉に利用することで、経時変化耐性に優れた竜田揚げを得る技術が記載されている。
また、竜田揚げのような外観と食感を呈する唐揚げを提供する目的で、エーテル化架橋馬鈴薯澱粉やリン酸架橋タピオカ澱粉を水溶きタイプの唐揚げミックスとして利用する技術(特許文献2)等も知られている。
一方、から揚げ、豚カツ、牛カツ、ミンチカツ、チキンカツ、コロッケ、フリッター等の揚げ物一般においても、衣材に配合する澱粉を改良して食感等を改善しようとすることが試みられている。すなわち、衣材として使用する澱粉に架橋処理を施して食感を向上させる技術(特許文献3)、衣材として使用する澱粉に湿熱処理を施して食感を向上させる技術(特許文献4)、衣と具材のはがれを防止するために油脂で処理した膨潤抑制澱粉を揚げ物用衣材として利用する技術(特許文献5)等が知られている。
特開2009−72128号公報 特開2004−166514号公報 特開平9−215478号公報 特開2002−142700号公報 特開2004−113236号公報
しかしながら、上記特許文献1では膨潤抑制処理馬鈴薯澱粉を利用しているが、基本的に一期作である馬鈴薯は作付け量や天候によって収穫量が変化し易く、これを原料としている馬鈴薯澱粉は供給量や販売価格が不安定であることが課題であった。
また、上記特許文献2は水溶きタイプの衣材に適した澱粉を用いて竜田揚げ風の唐揚げを提供するものであるが、水溶きタイプの衣材では竜田揚げの特徴である粉吹きが十分に得られなかった。
また、上記特許文献3〜5には、衣材に配合される澱粉を改良してから揚げ、豚カツ、牛カツ、ミンチカツ、チキンカツ、コロッケ、フリッター等の食感の向上や具材のはがれの防止等を解決する技術が記載されているが、これらを単に適用するだけでは良好な粉吹きと食感の経時変化耐性にも優れた竜田揚げを得ることはできなかった。
従って本発明の目的は、供給量や販売価格が不安定である馬鈴薯澱粉を他の澱粉に代替しても竜田揚げの特徴である粉吹きが得られ、調理後の食感の経時変化耐性にも優れた竜田揚げを得ることができる竜田揚げ用まぶし粉及び竜田揚げの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究し、多期作であるキャッサバ芋を原料とする澱粉であり供給量や販売価格が安定なタピオカ澱粉に着眼して、これを微弱にエステル化したエステル化タピオカ澱粉を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであるエステル化タピオカ澱粉を含有する竜田揚げ用まぶし粉を提供するものである。
本発明の竜田揚げ用まぶし粉においては、前記エステル化タピオカ澱粉の加熱溶解度が15〜40%であることが好ましい。
また、前記エステル化タピオカ澱粉は、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉、リン酸架橋タピオカ澱粉、及びアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。
また、前記エステル化タピオカ澱粉は、アセチル基含量が0.1〜1質量%のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉及び/又はアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉であることが好ましい。
また、前記エステル化タピオカ澱粉は、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であることが好ましい。
また、更に馬鈴薯澱粉を含有し前記エステル化タピオカ澱粉と該馬鈴薯澱粉の質量比が3:97〜50:50であることが好ましい。
また、更に馬鈴薯澱粉を含有し前記エステル化タピオカ澱粉と該馬鈴薯澱粉の質量比が10:90〜40:60であることが好ましい。
一方、本発明のもう1つは、上記に記載の竜田揚げ用まぶし粉を具材にまぶして加熱調理することを特徴とする竜田揚げの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、供給量や販売価格が不安定である馬鈴薯澱粉を供給量や販売価格が安定であるタピオカ澱粉に代替しても竜田揚げの特徴である粉吹きが得られ、調理後の食感の経時変化耐性にも優れた竜田揚げを得ることができる。
澱粉の糊化物性を測定するアミログラフィー分析の一例を示す図表である。
本発明の竜田揚げ用まぶし粉は、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであるエステル化タピオカ澱粉を含有することを特徴としている。
ピーク粘度が上記範囲未満であり且つブレークダウンが上記範囲未満であると油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に抑制されて目的とする竜田揚げの粉吹きや食感が得られ難くなる傾向があり、ピーク粘度が上記範囲未満であり且つブレークダウンが上記範囲を超えると油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に促進されて目的とする竜田揚げの粉吹きや食感が得られ難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。
(アミログラフィー分析)
アミログラフィー分析は以下の方法に従って行うことができる。
固形分換算で6質量%の澱粉スラリーを調製し、測定開始温度を35℃で開始、1.5℃/分で95℃まで昇温、その後95℃を30分間維持の条件で澱粉の糊化物性を測定する。得られたアミログラム(温度−澱粉粘度曲線)から、95℃到達時までに記録された最大の粘度を読み取り、これをピーク粘度とする。また、ピーク粘度の発現以降に粘度が低下した際、95℃を30分間維持した時に記録された粘度を読み取り、これをボトム粘度とする。そしてピーク粘度とボトム粘度の差をブレークダウンとする。
図1にはアミログラフィー分析の一例を示す。図中実線のアミログラムが得られた場合、そのブレークダウンは図中Aで示される粘度差の値となる。また、図中点線のアミログラムが得られた場合、そのブレークダウンは図中Bで示される粘度差の値となる。
(エステル化タピオカ澱粉)
本発明に用いるエステル化タピオカ澱粉の原資澱粉はタピオカ澱粉である。タピオカ澱粉としては、ウルチ種、ワキシー種、ハイアミロース種のように、育種的手法もしくは遺伝子工学的手法において改良された品種が存在するが、これらは特に限定されるものではない。例えば、ウルチ種のタピオカ澱粉に加え、ワキシータピオカ澱粉等が挙げられる。
タピオカ澱粉のエステル化としては、アセチル化、アジピン酸エステル化、コハク酸エステル化、オクテニルコハク酸エステル化、脂肪酸エステル化、リン酸エステル化等が挙げられ、特に限定されない。これらのエステル化の2種以上が組み合わせて施されていてもよい。なお、アジピン酸エステル化、リン酸エステル化等によりジエステル化により架橋構造が付与されたものは架橋タピオカ澱粉とも称される。また、これらのエステル化と組み合わせて、本発明の効果を損なわない範囲で、エーテル化(ヒドロキシプロピル化)や酸化等といったエステル化以外の加工処理を施すことに制限はなく、湿熱処理、油脂加工、ボールミル処理、微粉砕処理、α化、加熱処理、温水処理、漂白処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理等の物理加工を施すことにも制限はない。
本発明に用いるエステル化タピオカ澱粉は、その加熱溶解度が15〜40%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。加熱溶解度が上記範囲未満であると油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に抑制されて目的とする竜田揚げの粉吹きや食感が得られ難くなる傾向があり、加熱溶解度が上記範囲を超えると油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に促進されて目的とする竜田揚げの粉吹きや食感が得られ難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。加熱溶解度は澱粉粒を糊化させた際に粒から溶出する成分の量であり、一般的には架橋構造の付与によって溶解度が低下し、アセチル基の付与によって上昇することが知られている。従って、澱粉に付加する置換基の種類や付加量によって加熱溶解度を調整することができる。
また、エステル化タピオカ澱粉として、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉、リン酸架橋タピオカ澱粉、又はアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を用いることが好ましい。これらの2種以上を併用してもよい。
エステル化タピオカ澱粉として、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉やアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を用いる場合、そのアセチル基含量は0.1〜1質量%であることが好ましく、0.2〜0.6質量%であることがより好ましい。アセチル基含量が上記範囲未満であると食感の経時的劣化の防止又は抑制が不十分となる傾向があり、アセチル基含量が上記範囲を超えると食感の経時的劣化の防止又は抑制は満足できるものの、油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に促進されて目的とする竜田揚げの粉吹きや食感が得られ難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。
また、エステル化タピオカ澱粉として、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いる場合、そのアジピン酸基含量は0.01質量%を超えないことが好ましい。アジピン酸基含量が上記範囲を超えると、油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行が過剰に抑制されて目的とする竜田揚げの粉吹きや食感が得られ難くなる傾向があるので好ましくない。
本発明に用いるエステル化タピオカ澱粉は、通常知られたエステル化剤を用いる方法で調製することが可能である。例えば、アセチル化剤として無水酢酸、酢酸ビニルモノマー等を用いてアセチル化されたタピオカ澱粉を調製することができる。また、アジピン酸エステル化やリン酸エステル化されたタピオカ澱粉は、アジピン酸、無水アジピン酸、無水酢酸・酢酸・アジピン酸・無水アジピン酸の平衡混合物、トリメタリン酸ナトリウム、オキシ塩化リン等を架橋剤として用いて調製することができる。ただし、上記の範囲に属するものを得て、後述の実施例で示されるように竜田揚げとして良好な粉吹きや食感を得るためには、エステル化され過ぎないように調製する必要がある。
以下には、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉、リン酸架橋タピオカ澱粉、及びアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉の調製法の一例を示す。
(アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、澱粉スラリーにアルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等)を添加してpH7〜10に調整する。次いで、無水酢酸にアジピン酸を溶解させて調製したアセチル化アジピン酸架橋反応液を添加する。このとき、アセチル化アジピン酸架橋反応液は、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として0.5〜6質量%となる量で添加することが好ましく、アジピン酸として0.005〜0.05質量%となる量で添加することが好ましい。そして、アセチル化アジピン酸架橋反応液は、澱粉スラリーのpHが保たれるように適宜アルカリ剤を添加しながら30〜180分間程度かけて徐々に添加することが好ましい。アセチル化アジピン酸架橋反応液の添加終了後に10分間程度pHを維持した後、塩酸等の酸を添加して澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得る。
(リン酸架橋タピオカ澱粉)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.1〜5質量%となる量で塩類(塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等)を添加した後に、アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等)を添加してpH9〜12に調整する。次いで、リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウム又はオキシ塩化リンを添加する。このとき、トリメタリン酸ナトリウムを用いる場合は澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.01〜0.07質量%となる量で添加することが好ましく、オキシ塩化リンを用いる場合は0.002〜0.02質量%となる量で添加することが好ましい。30〜120分間程度かけて反応させた後に、塩酸等の酸を添加して澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってリン酸架橋タピオカ澱粉を得る。
(アセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.1〜5質量%となる量で塩類(塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等)を添加した後に、アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等)を添加してpH9〜12に調整する。次いで、リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウム又はオキシ塩化リンを添加する。このとき、トリメタリン酸ナトリウムを用いる場合は澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.01〜0.07質量%となる量で添加することが好ましく、オキシ塩化リンを用いる場合は0.002〜0.02質量%となる量で添加することが好ましい。30〜120分間程度かけて反応させた後に、塩酸等の酸を添加して澱粉スラリーをpH7程度の中性に調整する。
上記の澱粉スラリーに対して、アセチル化剤として酢酸ビニルモノマー又は無水酢酸を添加する。
酢酸ビニルモノマーを用いる場合は、澱粉スラリーにアルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等)を添加してpH8〜11に調整し、次いで酢酸ビニルモノマーを添加する。このとき、酢酸ビニルモノマーは、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.5〜5質量%となる量で添加することが好ましい。10〜60分間程度かけて反応させた後に、塩酸等の酸を添加して澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得る。
一方、無水酢酸を用いる場合は、澱粉スラリーにアルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等)を添加してpH7〜10に調整し、次いで無水酢酸を添加する。このとき、無水酢酸は、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.5〜6質量%となる量で添加することが好ましい。そして、無水酢酸は、澱粉スラリーのpHが保たれるように適宜アルカリ剤を添加しながら30〜180分間程度かけて徐々に添加することが好ましい。無水酢酸の添加終了後に10分間程度pHを維持した後、塩酸等の酸を添加して澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得る。
以下には、本発明における、加熱溶解度、アセチル基含量、及びアジピン酸基含量の測定について説明する。
(加熱溶解度の測定)
加熱溶解度とは、澱粉を加熱糊化させた際に澱粉粒から溶出する糖量度合であり、以下の方法で算出される。
固形分換算の試料0.2gを蒸留水19.8mlに分散して、沸騰水浴中で30分間加熱を行った後、25℃水道水浴中で30分間冷却する。次いで、この液を遠心分離(3000rpm、10分間)して沈澱層と上層に分ける。この上層に含まれる全糖量をフェノール硫酸法で測定し、その容量に対する質量%濃度として加熱溶解度を算出する。
(アセチル基含量の測定)
アセチル基含量は以下の方法で求めることができる。
澱粉試料5.0gを精密に量り、水50ml(水可溶性の場合は100ml)に懸濁し、フェノールフタレイン試液数滴を加え、液が微紅色を呈するまで0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液を滴下後、0.45mol/l水酸化ナトリウム溶液25mlを正確に加え、温度が30℃以上にならないように注意しながら栓をして30分間激しく振り混ぜる。0.2mol/l塩酸で過量の水酸化ナトリウムを滴定する。終点は液の微紅色が消えるときとする。別に空試験を行い補正する。下記式(1)により遊離アセチル基含量を求め、更に乾燥物換算を行う。
アセチル基含量(%)=(e−f)×n×0.043×100/w…(1)
上記式(1)中、eは空試験滴定量(ml)を、fは試料滴定量(ml)を、nは0.2mol/l塩酸の力価を、wは試料乾燥物重量(g)を意味する。
(アジピン酸基含量の測定)
アジピン酸基含量は以下の方法で求めることができる。
澱粉試料約1gを精密に量り、共栓三角フラスコに入れ、水50mlを加え、更に内標準溶液1mlを正確に加え、よく振り混ぜて澱粉試料を分散させた後、4mol/l水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、5分間振とうする。内標準溶液には、グルタル酸0.10gを正確に量り、水を加えて溶かし、正確に100mlとしたものを用いる。三角フラスコを室温の水浴に入れ、塩酸20mlを注意しながら加える。冷後、内容物を分液漏斗に移し、三角フラスコを少量の水で洗い、洗液を分液漏斗に入れる。酢酸エチル100mlずつで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加えて時々振り混ぜながら10分間放置した後、ろ過する。容器およびろ紙上の残留物を酢酸エチル50mlで2回洗い、洗液をろ紙に合わせ、6.7kPaの減圧下、40℃以下で酢酸エチルを留去し、更に窒素気流で酢酸エチルを完全に除去する。酢酸エチルの留去はできるだけ速やかに行う。次いで、残留物にピリジン2mlおよびN,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセタミド1mlを加えて栓をし、残留物を溶解する。1時間放置後、2mlをガラス製バイアル瓶にとり、直ちに密封し、総アジピン酸測定用検液とする。
一方で、澱粉試料約5gを精密に量り、共栓三角フラスコに入れ、水100mlを加え、更に上記内標準溶液1mlを正確に加える。1時間振とう後、メンブレンフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、ろ液に塩酸1mlを加え、分液漏斗に移す。ただし、α化澱粉および水可溶澱粉の場合は、メンブレンフィルターでろ過せず、懸濁液に塩酸1mlを加え、分液漏斗に移す。以下、総アジピン酸測定用検液と同様に操作し、遊離アジピン酸測定用検液とする。
アジピン酸0.10gを正確に量り、温湯90mlに溶かし、室温まで冷却した後、正確に100mlとする。この液1ml、5ml、10mlおよび20mlを正確に量り、水を加えてそれぞれ正確に50mlとし、4濃度の標準原液とする。4個の共栓三角フラスコに、澱粉試料と同じ植物を基原とする未加工澱粉1.0gずつを量り、水50mlを加え、更に内標準溶液1mlを正確に加える。各フラスコに、濃度の異なる標準原液5mlを正確に加え、よく振り混ぜて澱粉を分散させた後、4mol/l水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、5分間振とうする。各フラスコを室温の水浴に入れ、塩酸20mlを注意しながら加える。冷後、内容物を分液漏斗に移す。以下、総アジピン酸測定用検液と同様に操作し、4濃度の標準液とする。
総アジピン酸測定用検液、遊離アジピン酸測定用検液および4種類の標準液をそれぞれ1μlずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行う。4種類の標準液のグルタル酸のピーク面積に対するアジピン酸のピーク面積比と標準液に含まれるアジピン酸の量から検量線を作成する。総アジピン酸測定用検液および遊離アジピン酸測定用検液のグルタル酸のピーク面積に対するアジピン酸のピーク面積比を求め、検量線より両検液中のアジピン酸の量(g)を求める。下記式(2)によりアジピン酸基含量を求める。
アジピン酸基含量=(CT/WT−CF/WF)×100 (質量%)…(2)
上記式(2)中、CTは総アジピン酸測定用検液中のアジピン酸の量(g)を、CFは遊離アジピン酸測定用検液中のアジピン酸の量(g)を、WTは総アジピン酸測定用検液中の乾燥物換算した澱粉試料の採取量(g)を、WFは遊離アジピン酸測定用検液中の乾燥物換算した澱粉試料の採取量(g)を意味する。
以下にガスクロマトグラフィーの操作条件を示す。
検出器:水素炎イオン化検出器
検出器温度:250℃
カラム:内径0.25mm、長さ15mのケイ酸ガラス製の細管に、ガスクロマトグラフィー用50%ジフェニル−50%ジメチルポリシロキサンを0.25μmの厚さで被覆したもの。
カラム温度:120℃で5分間保持、その後150℃まで毎分5℃で昇温する。
注入口温度:250℃
注入方式:スプリット(30:1)
キャリヤーガス:ヘリウム又は窒素、流量:アジピン酸の保持時間が約8分に、グルタル酸の保持時間が約5分になるように調整する。
(竜田揚げ)
本発明の竜田揚げ用まぶし粉は、上記エステル化タピオカ澱粉を含有して成るものであり、又は上記エステル化タピオカ澱粉に加えて更に馬鈴薯澱粉を含有して成るものである。まぶし粉とは、竜田揚げをつくる際に具材を加熱調理する前段階で具材にまぶす粉体のことを指し、打ち粉とも称されるものである。このまぶし粉をつけて油ちょう等の加熱調理を施すことにより竜田揚げが得られる。
馬鈴薯澱粉としては、未加工の馬鈴薯澱粉に加え、加工馬鈴薯澱粉(エステル化、エーテル化、酸化等)や物理加工馬鈴薯澱粉(湿熱処理、油脂加工、α化等)等を用いることができる。後述する試験例で示すように、馬鈴薯澱粉に上記エステル化タピオカ澱粉を併用して竜田揚げ用まぶし粉に用いる態様によれば、馬鈴薯澱粉をまぶし粉として用いたときに問題となる調理後の経時的な食感の劣化を、防止又は抑制することができる。この場合、上記エステル化タピオカ澱粉と馬鈴薯澱粉の質量比が3:97〜50:50であることが好ましく、10:90〜40:60であることがより好ましい。
本発明の竜田揚げ用まぶし粉には、上記エステル化タピオカ澱粉、又は上記エステル化タピオカ澱粉に加えて更に馬鈴薯澱粉を、その総量にして50〜100質量%含有するものとすることが好ましく、60〜90質量%含有するものとすることがより好ましい。
本発明の竜田揚げ用まぶし粉には、本発明の効果を損なわない範囲で副原料を含有するものとすることもできる。副原料としては、油脂、香辛料、調味料、乳化剤等が挙げられる。なかでも油脂を好ましくは2〜8質量%含有するものとすると、付着量の増加や食感の改良効果を有するので好ましい。油脂としては、例えば、アマニ油、エゴマ油、くるみ油、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、落花生油、オリーブ油、パーム油、やし油、牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油、魚油、またこれらの分別油、エステル交換油等の加工油脂等が挙げられる。
本発明の竜田揚げ用まぶし粉を用いた竜田揚げの調理は、通常知られた調理法に準じて行えばよく、例えば、肉、魚等の具材に醤油、みりん、食塩、砂糖、油脂、にんにくや生姜等の香辛料等を配合してなる調味液を用いて下味をつけて、本発明の竜田揚げ用まぶし粉を付着させた後に油ちょう等の加熱処理を施す等により、後述する実施例で示すような、良好な粉吹きが得られ、調理後の経時的な食感の劣化が防止又は抑制されている竜田揚げを得ることができる。
また、別の態様においては、小麦粉、澱粉、油脂、大豆蛋白、卵蛋白、乳化剤、香辛料、増粘多糖類等を配合してなるバッターを用いて、これを調味液で下味をつけた具材に更に付着させてから、本発明の竜田揚げ用まぶし粉を付着させてもよい。この態様によれば、まぶし粉の付きを良くし、外観の面でもより整った竜田揚げを得ることができる。
(作用機序)
本発明の作用機序について考察すると以下のとおりである。
竜田揚げの特徴的な外観や食感は、油ちょう時の馬鈴薯澱粉の粒の糊化や膨化の進行度合いに起因していると推測される。馬鈴薯澱粉以外の澱粉で竜田揚げの特徴的な外観や食感が得られ難い理由は、粒径や粒強度が馬鈴薯澱粉とは異なることで、油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行度合いが竜田揚げに適した領域外であるためと考えられる。本発明では、馬鈴薯澱粉とは粒径や粒強度が異なるタピオカ澱粉を用いつつも、微弱なエステル化の加工を施すことで、油ちょう時の粒の糊化や膨化の進行度合いが竜田揚げに適した領域内に調節されたものと考えられる。更に、微弱なエステル化の加工を施されたタピオカ澱粉は、馬鈴薯澱粉と比較して糊化や膨化した後の物性変化が起こり難いことから、食感の経時的劣化が防止又は抑制されたものと考えられる。
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す各種澱粉をまぶし粉に用いて調理した竜田揚げについて評価を行った。
各澱粉は以下のようにして調製し又は入手した。
(澱粉No.1)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、アルカリ剤(水酸化ナトリウム水溶液)を添加してpH8.5に調整した。次いで、無水酢酸にアジピン酸を溶解させて調製したアセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として1〜2質量%、アジピン酸として0.03質量%となる量で添加した。このときアセチル化アジピン酸架橋反応液は、澱粉スラリーのpHが保たれるように適宜アルカリ剤を添加しながら50〜100分間かけて徐々に添加した。アセチル化アジピン酸架橋反応液の添加終了後に10分間程度pHを維持した後に、塩酸で澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.2)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.02質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.3)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.01質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.4)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として3〜4質量%、アジピン酸として0.01質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.5)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.5質量%となる量で塩類(塩化カルシウム)を添加した後に、アルカリ剤(水酸化ナトリウム水溶液)を添加してpH10に調整した。次いで、リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.05質量%となる量で添加した。60分間反応後に塩酸で澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってリン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.6)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.03質量%となる量で添加した以外は澱粉No.5と同様にしてリン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.7)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.02質量%となる量で添加した以外は澱粉No.5と同様にしてリン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.8)
未加工のタピオカ澱粉に水を加えて40質量%の澱粉スラリーを調製し、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.5質量%となる量で塩類(塩化カルシウム)を添加した後に、アルカリ剤(水酸化ナトリウム水溶液)を添加してpH10に調整した。次いで、リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.05質量%となる量で添加し、60分間反応後に塩酸で澱粉スラリーをpH7に調整した。この澱粉スラリーに対して、アルカリ剤(炭酸ナトリウム水溶液)を添加してpH10に調整し、アセチル化剤として酢酸ビニルモノマーを澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が1〜2質量%となる量で添加した。30分間反応後に塩酸で澱粉スラリーを中和し、水洗浄・脱水・乾燥を行ってアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.9)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.03質量%となる量で添加した以外は澱粉No.8と同様にしてアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.10)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.02質量%となる量で添加した以外は澱粉No.8と同様にしてアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.11)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.03質量%となる量で添加し、アセチル化剤として酢酸ビニルモノマーを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が3〜4質量%となる量で添加した以外は澱粉No.8と同様にしてアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.12)
未加工の馬鈴薯澱粉である士幌町農業協同組合製の「マル特 士幌」を使用した。
(澱粉No.13)
未加工のタピオカ澱粉であるAsia Modified Starch Co., Ltd.製の「TAPIOCA STARCH」を使用した。
(澱粉No.14)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が無水酢酸として4〜5質量%、アジピン酸として0.1質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.15)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.08質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.16)
アセチル化アジピン酸架橋反応液を、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量がアジピン酸として0.004質量%となる量で添加した以外は澱粉No.1と同様にしてアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.17)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.08質量%となる量で添加した以外は澱粉No.5と同様にしてリン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.18)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.008質量%となる量で添加した以外は澱粉No.5と同様にしてリン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.19)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.08質量%となる量で添加した以外は澱粉No.8と同様にしてアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.20)
リン酸架橋剤としてトリメタリン酸ナトリウムを、澱粉スラリーの澱粉乾燥物重量に対する添加量が0.008質量%となる量で添加した以外は澱粉No.8と同様にしてアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
(澱粉No.21)
アセチル化タピオカ澱粉である日本食品化工株式会社製の「日食MT−01HL」を使用した。
(澱粉No.22)
ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉である Asia Modified Starch Co., Ltd. 製の「CLEARTEXT SA−1L」を使用した。
(澱粉No.23)
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉である Asia Modified Starch Co., Ltd.製の「CLEARTEXT SD-2」を使用した。
(澱粉No.24)
未加工のワキシーコーンスターチである日本食品化工株式会社製の「日食ワキシースターチY」を使用した。
(澱粉No.25)
リン酸架橋ワキシーコーンスターチである日本食品化工株式会社製の「日食ネオビスC−10」を使用した。
(澱粉No.26)
ウルチ米澱粉である上越スターチ株式会社製の「ファインスノウ」を使用した。
(澱粉No.27)
モチ米澱粉である上越スターチ株式会社製の「モチールB」を使用した。
(澱粉No.28)
リン酸架橋ウルチ米澱粉であるAsia Modified Starch Co., Ltd. 製の「Neovis R-400」を使用した。
(澱粉No.29)
リン酸架橋モチ米澱粉であるAsia Modified Starch Co., Ltd. 製の「Neovis G-800」を使用した。
(澱粉No.30)
アセチル化モチ米澱粉であるAsia Modified Starch Co., Ltd. 製の「MG-09」を使用した。
表1には、各澱粉について、アミログラフィー分析でのピーク粘度及びブレークダウン、加熱溶解度、アセチル基含量、アジピン酸基含量の測定結果を示す。なお、参考例に用いた馬鈴薯澱粉は、加熱溶解度の測定において遠心分離によって液を沈澱層と上層に分けることができなかったため、測定不能とした。
一般に澱粉粒に架橋構造を付与することで加熱による膨潤が抑制され、ピーク粘度が低下することが知られている。また、架橋構造により澱粉粒の崩壊が生じ難くなるため、ブレークダウンが生じ難くなる。すなわち、架橋構造を付与するとピーク粘度及びブレークダウンが抑制される。これに対して、上記澱粉No.1〜11(実施例1〜11)に調製した程度に微弱に架橋構造を付与したタピオカ澱粉では、表1に示すように、ピーク粘度が上昇しつつ、ブレークダウンが適度に抑制されたものを得ることができた。これはその架橋構造によって、加熱による膨潤の抑制を伴わずに、澱粉粒の崩壊を抑制できるためであると考えられた。
なお、架橋構造の程度との関係を測るため、アジピン酸基含量又はリン酸基含量にして測定しようとしても、それらの下限値は、用いた通常の測定方法では検出限界以下であった。これは上記効果が、極僅かな架橋構造の付与による効果であるためと考えられた。
[試験例1](竜田揚げ その1)
皮と脂をトリミングした鶏もも肉を20gに取り分け、表2の配合になるように調製した調味液とともにタンブリング容器に加えた。これを4℃に調整して、12rpmで30分間回転した後、6rpmで15分間回転→15分間静置のサイクルを5回繰り返し、その後4℃で一晩保存した。
以上の処理を施した鶏もも肉に、表3の配合になるように調製したバッターを鶏もも肉の質量に対しておよそ20質量%の割合でその表面に均一に付着させた。次いで、表1に示した各種澱粉をまぶし粉とし、バッターを均一に付着させた鶏もも肉に、鶏もも肉の質量に対しておよそ20質量%の割合でその表面に均一にまぶして付着させた。その後、予め175℃に調整した食用油を用いて50秒間油ちょうし、油ちょうしたものを3分間放冷した後に、更に175℃で2分間油ちょうすることで、竜田揚げを得た。
得られた竜田揚げについて、油ちょうした直後の竜田揚げと油ちょう直後から5時間経過した竜田揚げについて、外観及び食感の官能評価を行った。
具体的には、外観についての評価基準は、竜田揚げの特徴である粒状・塊状の白い粉を吹いたような外観を呈することに定め、5点満点(1〜5)での評価を行った。評点基準は、馬鈴薯澱粉のみをまぶし粉として使用した参考例の油ちょう直後の外観を5点とし、参考例の油ちょう直後と同等程度に全体に白い粉吹きを呈した場合を5点、参考例の油ちょう直後よりも少ないが白い粉吹きを呈した場合を4点、僅かに白い粉吹きを呈した場合を3点、白い粉吹きを殆ど呈さなかった場合を2点、白い粉吹きが全く認められずに竜田揚げ全体が茶色を呈した場合を1点とした。
また、食感についての評価基準は、竜田揚げの特徴であるホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈することに定め、5点満点(0〜5)での評価を行った。評点基準は、馬鈴薯澱粉のみをまぶし粉として使用した参考例の油ちょう直後の食感を5点とし、参考例の油ちょう直後と同等程度のホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈した場合を5点、参考例の油ちょう直後よりもやや弱いがホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈した場合を4点、参考例の油ちょう直後よりも弱いがホロホロとした粒状・塊状のある食感を呈した場合を3点、ホロホロとした粒状・塊状のある食感を殆ど呈さなかった場合を2点、硬くパリパリとしたクリスピーな食感ではあるが参考例の油ちょう直後とは異質な場合を1点、べた付いたモチ様の食感で参考例の油ちょう直後とは全く異質な場合を0点とした。
なお、上記の官能評価は8名のパネラーにより実施され、パネラーの評点の平均点を各竜田揚げの点数として採用した。
その結果を表4に示す。
表4に示すように、タピオカ澱粉をまぶし粉に用いた比較例1−1の試験区では竜田揚げとしての外観も食感も成さなかったのに対して、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのエステル化タピオカ澱粉をまぶし粉に用いた実施例1−1〜1−11の試験区では、外観も食感も評価が比較的良好であった。また、馬鈴薯澱粉をまぶし粉に用いた参考例では、調理後の経時的な食感の劣化が顕著であったが、実施例1−1〜1−11の試験区では、調理後の経時的な食感の劣化が防止されていた。
一方、実施例1−1〜1−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた場合でも、それぞれの加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例1−2〜1−4の試験区では、竜田揚げとしての良好な外観や食感が得られなかった。実施例1−5〜1−7の試験区と同じリン酸架橋タピオカ澱粉であって、上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例1−5、1−6の試験区や、実施例1−8〜1−11の試験区と同じアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉であって、上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例1−7、1−8の試験区でも、同様に、竜田揚げとしての良好な外観や食感が得られなかった。また、別種の加工によって上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないタピオカ澱粉を用いた比較例1−9〜1−11の試験区や、コーンスターチ、ウルチ米澱粉、モチ米等他の種類の澱粉やその加工澱粉を用いた比較例1−12〜1−18の試験区でも、竜田揚げとしての良好な外観や食感を呈するものを得ることはできなかった。
[試験例2](竜田揚げ その2)
表1に示した各種澱粉を、馬鈴薯澱粉に対して、質量比40:60(各種澱粉:馬鈴薯澱粉)の割合で混合してまぶし粉として用いた以外は、試験例1と同様にして竜田揚げを得てその官能評価を行った。
その結果を表5に示す。
表5に示すように、タピオカ澱粉を質量比40:60の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた比較例2−1の試験区では外観や食感が竜田揚げとして良好なものが得られなかったのに対して、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのエステル化タピオカ澱粉を質量比40:60の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた実施例2−1〜2−11の試験区では、外観も食感も評価が比較的良好であった。また、馬鈴薯澱粉をまぶし粉に用いた参考例では、調理後の経時的な食感の劣化が顕著であったが、実施例2−1〜2−11の試験区では、調理後の経時的な食感の劣化が防止されていた。
一方、実施例2−1〜2−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた場合でも、それぞれの加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例2−2〜2−4の試験区では、竜田揚げとしての良好な外観や食感が得られなかった。実施例2−5〜2−7の試験区と同じリン酸架橋タピオカ澱粉であって、上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例2−5、2−6の試験区や、実施例2−8〜2−11の試験区と同じアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉であって、上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例2−7、2−8の試験区でも、同様に、竜田揚げとしての良好な外観や食感が得られなかった。
[試験例3](竜田揚げ その3)
表1に示した各種澱粉を、馬鈴薯澱粉に対して、質量比10:90(各種澱粉:馬鈴薯澱粉)の割合で混合してまぶし粉として用いた以外は、試験例1と同様にして竜田揚げを得てその官能評価を行った。
その結果を表6に示す。
表6に示すように、馬鈴薯澱粉をまぶし粉に用いた参考例や、タピオカ澱粉を質量比10:90の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた比較例3−1の試験区では、調理後の経時的な食感の劣化が顕著であったのに対して、6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上であり且つブレークダウンが150〜500BUのエステル化タピオカ澱粉を質量比10:90の割合で馬鈴薯澱粉と混合してまぶし粉に用いた実施例3−1〜3−11の試験区では、外観や調理直後の食感が良好である上、食感の経時的な劣化も抑制された。
一方、実施例3−1〜3−4の試験区と同じアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉を用いた場合でも、それぞれの加工の程度によって上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例3−2〜3−4の試験区では、竜田揚げとしての食感の経時的な劣化を抑制する効果に乏しかった。実施例3−5〜3−7の試験区と同じリン酸架橋タピオカ澱粉であって、上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例3−5、3−6の試験区や、実施例3−8〜3−11の試験区と同じアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉であって、上記アミログラフィー分析における澱粉の粘度特性の範囲に入らないものを用いた比較例3−7、3−8の試験区でも、同様に、竜田揚げとしての良好な外観や食感が得られなかった。

Claims (6)

  1. 6質量%でのアミログラフィー分析においてピーク粘度が800BU以上で且つ該ピーク粘度からボトム粘度を差し引いたブレークダウンが150〜500BUであり、加熱溶解度が15〜40%であるエステル化タピオカ澱粉であって、下記(1)〜(3)からなる群から選ばれた1種又は2種以上である、該エステル化タピオカ澱粉を含有する竜田揚げ用まぶし粉。
    (1)アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉
    (2)リン酸架橋タピオカ澱粉
    (3)アセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉
  2. 前記エステル化タピオカ澱粉は、アセチル基含量が0.1〜1質量%のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉及び/又はアセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉である請求項1記載の竜田揚げ用まぶし粉。
  3. 前記エステル化タピオカ澱粉は、アジピン酸基含量が0.01質量%を超えないアセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉である請求項1又は2記載の竜田揚げ用まぶし粉。
  4. 更に馬鈴薯澱粉を含有し前記エステル化タピオカ澱粉と該馬鈴薯澱粉の質量比が3:97〜50:50である請求項1〜のいずれか1つに記載の竜田揚げ用まぶし粉。
  5. 更に馬鈴薯澱粉を含有し前記エステル化タピオカ澱粉と該馬鈴薯澱粉の質量比が10:90〜40:60である請求項1〜のいずれか1つに記載の竜田揚げ用まぶし粉。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載の竜田揚げ用まぶし粉を具材にまぶして加熱調理することを特徴とする竜田揚げの製造方法。
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