JP5875140B2 - ジャトロファ油の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジャトロファ油の精製方法に関する。
ジャトロファの種子を圧搾して得たジャトロファ油には、粉砕された種子殻等の搾油粕が混入している場合がある。この搾油粕をジャトロファ油から除去する方法としては、例えば、ジャトロファ油を放置して搾油粕を沈殿させた後、上澄みをフィルタを用いてろ過することが知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開2010−249054号公報
しかしながら、前述した方法を用いて、ジャトロファ油から搾油粕を除去する場合、ジャトロファ油の粘性が水や軽油等に比べて高いため、搾油粕が沈殿するまでに要する時間や、ジャトロファ油がフィルタを通過するのに要する時間が膨大となる虞がある。また、ジャトロファ油をろ過する作業は、フィルタの目詰まり等を防止するため、数回に分けて行う必要がある。さらに、ジャトロファ油を燃料油として用いるためには、ジャトロファ油中に含まれるリンも除去する必要がある。よって、前述した方法を用いて、ジャトロファ油から搾油粕を除去した後、さらにリンを除去してジャトロファ油を精製するためには、膨大な時間及び手間がかかるという問題があった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ジャトロファ油に含まれる搾油粕をジャトロファ油から除去する時間を短縮でき且つ搾油粕とともにリンも除去できるジャトロファ油の精製方法を提供することにある。
前記課題を解決するための発明は、ジャトロファの種子を圧搾してジャトロファ油を得る第1工程と、前記ジャトロファ油を加熱する第2工程と、加熱された前記ジャトロファ油を水とともに攪拌する第3工程と、攪拌された前記ジャトロファ油及び前記水を放置し、油層と水層とに分離する第4工程と、前記水層に含まれる、前記種子の圧搾によって生じた搾油粕と、リンとを、前記水とともに除去する第5工程と、前記搾油粕と、前記リンと、前記水とが除去された前記ジャトロファ油を加熱する第6工程と、加熱された前記ジャトロファ油を水とともに攪拌する第7工程と、攪拌された前記ジャトロファ油を及び前記水を放置し、油層と水層とに分離する第8工程と、前記水層に含まれるリンを、前記水とともに除去する第9工程と、を備えたことを特徴とするジャトロファ油の精製方法である。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、ジャトロファ油に含まれる搾油粕をジャトロファ油から除去する時間を短縮でき且つ搾油粕とともにリンも除去できるジャトロファ油の精製方法を提供することができる。
本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法を説明するためのフローチャートである。 本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法を説明するための模式図である。 60度混合粗油についての沈殿確認試験の結果を示す図である。 70度混合粗油についての沈殿確認試験の結果を示す図である。 30度に加熱した粗油についての沈殿確認試験の結果を示す図である。 リン除去確認試験の結果を示すグラフである。
===ジャトロファ油の精製方法について===
図1及び図2を参照しつつ、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法について説明する。尚、図1は、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法を説明するためのフローチャートである。また、図2は、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法を説明するための模式図である。
図1に示すように、この精製方法では、ジャトロファの種子を圧搾してジャトロファ油を得る第1工程(S1)と、第1工程で得られたジャトロファ油(粗油)を加熱する第2工程(S2)と、第2工程で加熱された粗油を水とともに攪拌する第3工程(S3)と、第3工程で攪拌された粗油及び水を放置し、油層と水層とに分離する第4工程(S4)と、第4工程で分離された水層を除去する第5工程(S5)と、リン除去工程(S6〜S9)とを行う。
先ず、図2を参照しつつ、第1工程乃至第5工程について説明する。第1工程では、搾油機1によって、不図示の種子タンクから送られたジャトロファの種子に圧力をかけて、ジャトロファ油を搾り取る。これによって、ジャトロファ油(粗油)と、ジャトロファ油が搾り取られた後の種子殻等からなる搾油残渣とが得られる。本実施形態では、粗油に混入している微細な種子殻等を搾油粕と称する。
第2工程では、例えばヒータ等を備える加熱装置2によって、粗油を例えば60度以上90度以下の範囲内の所定温度となるように、より望ましくは70度の温度となるように加熱する。第3工程では、加熱された粗油と、粗油に対し例えば略20重量%となる水とを、攪拌装置3によって攪拌する。第4工程では、攪拌された粗油及び水を、分離装置4に投入して一定時間放置し、油層(上層)と水層(下層)とに分離する。この際、比重等から粗油に含まれていた搾油粕は沈殿し、水層に含まれることになる。また、粗油に含まれていたリンは、水溶性であることから、水層に含まれることになる。つまり、油層は、搾油粕及びリンが除去されたジャトロファ油(第1精製油)からなる。第5工程では、分離装置4によって、油層のみを取り出し、水層を除去する。例えば、分離装置4は、底部に開閉弁を有し、この開閉弁を開放することで、下層である水層を抜き取ることができる。これによって、粗油に含まれていた搾油粕及びリンを除去して、第1精製油を得ることができる。
尚、第3工程において、粗油の温度を例えば60度以上90度以下の範囲内の所定温度となるように、より望ましくは70度となるように加熱することとした。また、第4工程において、粗油と、粗油に対し例えば略20重量%となる水とを攪拌することとした。これによって、効率よく粗油に含まれている搾油粕及びリンを水層に移行させて粗油から除去できる。しかし、第3工程において加熱される粗油の温度及び、第4工程において粗油と混合される水の重量の割合は、前述した範囲に限られるものではなく、粗油から搾油粕及びリンを除去できる範囲であればよい。
次に、図1を参照しつつ、リン除去工程について説明する。リン除去工程は、第1乃至第5工程によって得られた第1精製油に更にリンが含まれる場合に、このリンを除去するための工程である。本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第1乃至第5工程において、粗油から搾油粕とともにリンが除去された第1精製油に対して、リン除去工程を行う。このため、リン除去工程において、リンの除去を効率よく行うことができる。
本実施形態にかかるリン除去工程では、第1精製油を加熱する第6工程(S6)と、第6工程で加熱された第1精製油を水とともに攪拌する第7工程(S7)と、第7工程で攪拌された第1精製油及び水を放置し、油層と水層とに分離する第8工程(S8)と、第7工程で分離された水層を除去する第9工程(S9)とを行う。
第6工程では、第2工程における粗油と同様に、第1精製油を例えば60度以上90度以下の範囲内の所定温度となるように、より望ましくは70度の温度となるように加熱する。第7工程では、加熱された第1精製油と、第1精製油に対し例えば略5重量%となる水とを、攪拌装置3と同様の攪拌装置によって攪拌する。第8工程では、攪拌された第1精製油及び水を、分離装置4と同様の分離装置に投入して一定時間放置し、油層(上層)と水層(下層)とに分離する。この際、第1精製油に含まれていたリンは、水溶性であることから、水層に含まれることになる。つまり、油層は、第1精製油から更にリンが除去された第2精製油からなる。第9工程では、第5工程と同様に、油層のみを取り出し、水層を除去する。これによって、第2精製油を得ることができる。
尚、第2精製油にリンが含まれている場合、第1精製油と同様に、第2精製油に対して第6工程乃至第9工程を行うことで、第2精製油からさらにリンが除去された第3精製油を得ることができる。同様に、第3精製油に対して第6工程乃至第9工程を行うことで、第3精製油からさらにリンが除去された第4精製油を得ることができる。このように、第6工程乃至第9工程は、ジャトロファ油中のリンが除去されて、所定の濃度よりも低くなるまで繰り返し行われる。尚、前述したように第1乃至第5工程や、第6乃至第9工程において、搾油粕やリンが除去された第1乃至第4精製油等のジャトロファ油を精製油と総称する。
本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、粗油から搾油粕及びリンを除去する第2工程乃至第5工程と、精製油からリンを除去する第6工程乃至第9工程とが、ほぼ同様の工程からなる。このため、ジャトロファ油に含まれる搾油粕及びリンを効率よく除去できる。さらに、第1乃至第5工程によって得られた第1精製油に搾油粕が含まれていた場合であっても、第6乃至第9工程において、この搾油粕をリンとともに除去できる。
尚、第6工程において、精製油の温度を例えば60度以上90度以下の範囲内の所定温度となるように、より望ましくは70度となるように加熱することとした。また、第7工程において、精製油と、精製油に対し例えば略5重量%となる水とを攪拌することとした。これによって、効率よく粗油に含まれているリンを水層に移行させて粗油から除去できる。しかし、第6工程において加熱される精製油の温度及び、第7工程において精製油と混合される水の重量の割合は、前述した範囲に限られるものではなく、精製油からリンを除去できる範囲であればよい。
===沈殿確認試験について===
本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第2工程において加熱され、第3工程において水と攪拌された粗油に含まれる搾油粕を、第4工程において沈殿させて水層側に分離することで、第5工程において水及びリンともに粗油中から除去する。このため、粗油から搾油粕を除去するのに要する時間は、搾油粕が沈殿するのに要する時間に主に影響される。そこで、搾油粕の沈殿時間と、粗油の温度との関係等を確認するため、搾油粕の沈殿確認試験を行った。尚、この沈殿確認試験は、粗油に対して16重量%(wet)の割合で搾油粕を含む粗油を用いて行った。
具体的には、沈殿確認試験では、先ず、粗油を60度に加熱し、加熱した粗油と、粗油に対して5重量%となる水とを攪拌した。次に、この60度に加熱され、水と攪拌混合された粗油(60度混合粗油)200mlをメスシリンダに注入した。このとき、搾油粕は、メスシリンダ内において、60度混合粗油中に分散している。尚、メスシリンダに注入された200mlの60度混合粗油は、メスシリンダの底からの高さ(以下、単に高さと称する)が180mmとなる。
次に、メスシリンダに注入された60度混合粗油を放置して、搾油粕の沈殿時間を測定した。尚、搾油粕は、粗油に対して16重量%の割合で含まれている。このため、搾油粕がメスシリンダ内を沈降し、搾油粕の高さが略32.4mmとなったとき、搾油粕が沈殿したとみなすことができる。つまり、60度混合粗油を放置してから、搾油粕の高さが略32.4mmとなるまでの時間を沈殿時間とした。
また、この沈殿確認試験では、粗油を70度に加熱し、加熱した粗油と、粗油に対して5重量%となる水とを攪拌混合し、70度混合粗油を作成した。そして、70度混合粗油についても、60度混合粗油と同様に沈殿時間を測定した。さらに、比較用として、30度に加熱したのみの粗油についても、60度混合粗油と同様に沈殿時間を測定した。
===沈殿確認試験の結果について===
図3乃至図5を参照しつつ、沈殿確認試験の結果について説明する。図3は、60度混合粗油についての沈殿確認試験の結果である。図4は、70度混合粗油についての沈殿確認試験の結果である。図5は、30度に加熱した粗油について比較用の沈殿確認試験の結果である。尚、図3乃至図5は夫々、メスシリンダ内における搾油粕の沈降の様子と、時間との関係を示している。図3に示すメスシリンダ内における60度混合粗油では、濃度の濃い部分が搾油粕の存在箇所となっている。これは、図4に示される70度混合粗油及び図5に示される30度に加熱した粗油についても同様である。
図3に示すように、60度混合粗油では、搾油粕の沈殿時間は略6時間であった。図4に示すように、70度混合粗油では、搾油粕の沈殿時間は1時間30分〜2時間であった。図5に示すように、30度に加熱したのみの粗油では、搾油粕の沈殿時間は略9日間であった。よって、粗油を、30度よりも高い温度(例えば60度以上)に加熱した後に、水と攪拌することで、搾油粕の沈殿時間を大幅に短縮できることが確認された。さらに、加熱する粗油の温度を70度とすることで、より沈殿時間を短縮できることが確認された。
以上の沈殿確認試験の結果より、例えば、ジャトロファ油を放置して搾油粕を自然沈殿させた後に上澄みをフィルタでろ過することで、ジャトロファ油から搾油粕を除去する場合等に比べて、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法は、搾油粕の沈殿時間を短縮できる点及びフィルタを介さない点で、搾油粕を除去する時間を大幅に短縮できる。また、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第2工程において粗油を70度に加熱することで、第4工程において搾油粕をより迅速に沈殿させて水層側に分離できるため、ジャトロファ油から搾油粕を除去する時間をより短縮できる。
===リン除去確認試験について===
本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法において、リンの除去作用を確認するため、リン除去確認試験を行った。このリン除去確認試験では、粗油から第1乃至第4精製油を得て、粗油及び第1乃至第4精製油に含まれるリンの濃度を夫々測定した。
具体的には、リン除去確認試験では、先ず、粗油5gをサンプリングして、粗油に含まれるリンの濃度を分光光度計によって測定した。次に、粗油120gをビーカに注入し、粗油の温度が60度となるように、ヒータによって加熱した。尚、粗油を効率よく加熱するため、粗油の加熱は、マグネチックスターラによって400rpmの回転速度で攪拌しながら行った。
次に、ビーカに粗油に対して20重量%となる水を加え、同様に粗油及び水を400rpmの回転速度で30分間攪拌した。その後、攪拌によって混合された粗油及び水を、分液漏斗に移して30分間放置することで、油層と水層とに分離した。尚、粗油及び水についての攪拌と放置は、粗油及び水の温度を60度に維持したまま行った。次に、分液漏斗のコックを開き、水層を除去することで、第1精製油を得た。この第1精製油5gをサンプリングし、前述した粗油と同様に、第1精製油に含まれるリンの濃度を測定した。
次に、得られた第1精製油をビーカに注入し、前述した粗油と同様に、第1精製油の温度が60度となるように加熱した。次に、ビーカに第1精製油に対して5重量%となる水を加え、第1精製油及び水を前述した粗油と同様に30分間攪拌した。その後、攪拌によって混合された第1精製油及び水を、前述した粗油と同様に分液漏斗に移して30分間放置することで、油層と水層とに分離した。次に、分液漏斗のコックを開き、水層を除去して、第2精製油を得た。この第2精製油5gをサンプリングし、前述した粗油と同様に、第2精製油に含まれるリンの濃度を測定した。
以下、第1精製油から第2精製油を得た手順と同様の手順で、第3精製油、第4精製油を得て、夫々に含まれるリンの濃度を測定した。
また、このリン除去確認試験では、前述した第1精製油乃至第4精製油を得る過程において、ヒータによって加熱する温度を70度として、同様に第1精製油乃至第4精製油を得て、夫々に含まれるリンの濃度を測定した。さらに、このリン除去確認試験では、比較用として、ヒータによって加熱する温度を70度として得られた第4精製油について、室温で4日間放置した後に再度リンの濃度を測定した。
===リン除去確認試験の結果について===
図6を参照しつつ、リン除去確認試験の結果について説明する。図6では、粗油に含まれるリン濃度(ppm)を斜線の棒グラフで示した。また図6では、60度に加熱して水と攪拌した、粗油及び第1乃至第3精製油から夫々得られた第1乃至第4精製油(以下、第1乃至第4精製油Aと称する)に含まれるリンの濃度を夫々黒塗りの棒グラフで示した。また、図6では、70度に加熱して水と攪拌した、粗油及び第1乃至第3精製油から夫々得られた第1乃至第4精製油(以下、第1乃至第4精製油Bと称する)及び4日間放置した後の第4精製油Bに含まれるリンの濃度を夫々白塗りの棒グラフで示した。
図6に斜線で示す棒グラフから、粗油に含まれるリンの濃度は1260.09ppmであった。
図6に黒塗りで示す棒グラフから、第1精製油Aに含まれるリン濃度は263.58ppmであった。つまり、第1精製油Aでは、粗油からのリンの除去率(以下、リン除去率と称する)が79.1%であった。第2精製油Aに含まれるリンの濃度は71.69ppmであり、リン除去率は94.3%であった。第3精製油Aに含まれるリンの濃度は49.14ppmであり、リン除去率は96.1%であった。第4精製油Aに含まれるリンの濃度は30.25ppmであり、リン除去率は97.6%であった。
図6に白塗りで示す棒グラフから、第1精製油Bに含まれるリン濃度は211.97ppmであり、リン除去率は83.2%であった。第2精製油Bに含まれるリンの濃度は41.2ppmであり、リン除去率は96.7%であった。第3精製油Bに含まれるリンの濃度は21.75ppmであり、リン除去率は98.3%であった。第4精製油Bに含まれるリンの濃度は12.7ppmであり、リン除去率は99.0%であった。4日間放置した後の第4精製油Bに含まれるリンの濃度は3.57ppmであり、リン除去率は99.7%であった。
以上のリン除去確認試験の結果より、第1精製油A及び第1精製油Bのリン除去率から、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第1工程から第5工程を行うことで、粗油に含まれるリンの略8割を搾油粕とともに除去できることが確認された。
また、第2乃至第4精製油A及び第2乃至第4精製油Bのリン除去率から、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第1工程から第5工程を行った後に、第6工程から第9工程を行うことで、粗油に含まれるリンを9割以上除去できることが確認された。さらに、第6工程から第9工程を繰り返し行うことで、粗油に含まれるリンのほぼ10割を除去できることが確認された。
また、第1精製油Aのリン除去率と第1精製油Bのリン除去率とを比較した結果、第1精製油Bの方がリン除去率が高いことが確認された。同様に、第2乃至第4精製油B夫々についても、第2乃至第4精製油A夫々よりもリン除去率が高いことが確認された。これより、第2工程において粗油を加熱する温度及び第6工程において精製油を加熱する温度を70度とすることで、リンをより効率よく除去できることがわかった。
また、室温で4日間放置した第4精製油Bのリン除去率から、搾油粕及びリンを除去したジャトロファ油をさらに放置することで、リンの除去率を高められることが確認された。
===搾油粕及びリンの除去作用について===
以上より、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第1乃至第5工程を行うことで、ジャトロファ油に含まれる搾油粕を迅速に除去できるとともに、ジャトロファ油に含まれるリンも除去できる。
また、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第1乃至第5工程において、搾油粕とともにリンを除去した第1精製油に対して、リン除去工程を行うため、ジャトロファ油に含まれるリンを効率よく除去できる。
また、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、粗油から搾油粕及びリンを除去する第2乃至第5工程と、リン除去工程である第6乃至第9工程とがほぼ同じ工程からなるため、搾油粕及びリンを効率よく除去できる。さらに、第1乃至第5工程によって得られた第1精製油に搾油粕が含まれていた場合であっても、第6乃至第9工程において、この搾油粕をリンとともに除去できる。これによって、ジャトロファ油からより確実に搾油粕を除去できる。
また、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第3工程において、粗油の温度を例えば60度以上90度以下の範囲内の所定温度となるように、より望ましくは70度となるように加熱することによって、沈殿確認試験からも確認されたように、搾油粕の沈殿時間を短縮することができる。このため、ジャトロファ油から搾油粕を除去する時間を大幅に短縮できる。また、リン除去確認試験からも確認されたように、リンの除去率を高めることができる。
また、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第4工程において、粗油と、この粗油に対し略20重量%となる水とを攪拌することとし、第7工程において、精製油と、この精製油に対し略5重量%となる水とを攪拌することとした。これによって、粗油に含まれている搾油粕及びリンを効率よく水層に移行させて除去すること、精製油に含まれているリンを効率よく除去することができる。
また、本実施形態にかかるジャトロファ油の精製方法では、第6工程において、精製油の温度を例えば60度以上90度以下の範囲内の所定温度となるように、より望ましくは70度となるように加熱することで、リン除去確認試験からも確認されたように、リンをより効率よく除去することができる。
===その他の実施形態について===
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、粗油と攪拌する水の割合及び精製油と攪拌する水の割合は、ジャトロファ油に含まれる搾油粕の量やリンの量に応じて、ジャトロファ油から搾油粕及びリンを効率よく除去できる範囲で夫々選定されればよい。
1…搾油機,2…加熱装置,3…攪拌装置,4…分離装置

Claims (5)

  1. ジャトロファの種子を圧搾してジャトロファ油を得る第1工程と、
    前記ジャトロファ油を加熱する第2工程と、
    加熱された前記ジャトロファ油を水とともに攪拌する第3工程と、
    攪拌された前記ジャトロファ油及び前記水を放置し、油層と水層とに分離する第4工程と、
    前記水層に含まれる、前記種子の圧搾によって生じた搾油粕と、リンとを、前記水とともに除去する第5工程と、
    前記搾油粕と、前記リンと、前記水とが除去された前記ジャトロファ油を加熱する第6工程と、
    加熱された前記ジャトロファ油を水とともに攪拌する第7工程と、
    攪拌された前記ジャトロファ油を及び前記水を放置し、油層と水層とに分離する第8工程と、
    前記水層に含まれるリンを、前記水とともに除去する第9工程と、
    を備えたことを特徴とするジャトロファ油の精製方法。
  2. 前記第2工程は、前記ジャトロファ油を60度以上90度以下の範囲の所定温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載のジャトロファ油の精製方法。
  3. 前記第3工程は、前記ジャトロファ油に対して略20重量%となる前記水と前記ジャトロファ油とを攪拌することを特徴とする請求項1又は2に記載のジャトロファ油の精製方法。
  4. 前記第6工程は、前記ジャトロファ油を60度以上90度以下の範囲の所定温度に加熱することを特徴とする請求項乃至の何れかに記載のジャトロファ油の精製方法。
  5. 前記第7工程は、前記ジャトロファ油に対して略5重量%となる前記水と前記ジャトロファ油とを攪拌することを特徴とする請求項乃至の何れかに記載のジャトロファ油の精製方法。
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