JP5861406B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、乾燥路面や湿潤路面での操縦安定性、および乗り心地性を高次元で両立する空気入りタイヤに関するものである。
近年では、車両の性能向上に伴い、従来、乾燥路面や湿潤路面での操縦安定性、および乗り心地性を高次元で両立する空気入りタイヤの開発が望まれている。一般に、乾燥路面での操縦安定性を向上するには、リブやブロックの剛性を向上させることが知られている。しかし、リブやブロックの剛性を高めると乗り心地性が低下する傾向となる。また、リブやブロックの剛性を向上させると主溝が比較的細くなり、排水性が低下するため、湿潤路面での操縦安定性が低下する傾向となる。
従来、特許文献1に記載の空気入りタイヤは、転がり抵抗を低減するようにしたものである。この空気入りタイヤは、主溝のうちショルダー側の最外側に位置する主溝の溝壁を、子午断面において主溝の開口幅の中心を通る法線に対して左右非対称に形成し、溝壁のうちタイヤ外側に位置する溝壁のみを溝底側でタイヤ内側に向けて突出する突出面に形成するとともに、該突出面の横断面形状を同一のリブまたはブロックのタイヤ周方向に対して変化しないようにしている。
また、特許文献2に記載の空気入りタイヤは、主溝への石噛みを低減するようにしたものである。この空気入りタイヤでは、センター主溝およびショルダー主溝は、溝長さ方向と直角な溝断面における溝壁面が、溝底からトレッド踏面側に垂直または溝幅を増加させる向きの傾斜で延びる基部と、基部のタイヤ半径方向外端からトレッド踏面まで基部よりも緩やかな傾斜で延びる緩斜面部とからなるとともに、センター主溝の緩斜面部のタイヤ半径方向高さが、ショルダー主溝の緩斜面部のタイヤ半径方向高さよりも大であり、かつセンター主溝の溝底かつ溝壁面から隔たる位置に石噛み防止用の突起を溝長さ方向に隔設している。
また、特許文献3に記載の空気入りタイヤは、耐摩耗性を改善しつつ、耐石噛み性と溝底クラックの防止を向上し、かつ摩耗時の制動性、駆動性を確保するようにしたものである。この空気入りタイヤでは、タイヤ中央領域に位置する主溝は、主溝の少なくとも一方の溝壁に接合し溝底から***し段差状をなす***領域をタイヤ周方向に連続して設けるとともに、タイヤ中央領域の主溝の両外方に位置する主溝は、溝底中央部から溝壁に接合することなく溝長手方向に沿って連続して***する該タイヤのトレッド踏面より低い突条を設け、かつ主溝の溝壁の傾斜角度が主溝部分のトレッド踏面に引いた接線の法線に対して平行乃至タイヤ内径側で主溝の溝幅が狭くなる方向に5[°]以内の角度で傾斜している。
また、特許文献4に記載の空気入りタイヤ(タイヤ)は、溝内の流体抵抗を低減し、ウエット性能を向上するようにしたものである。この空気入りタイヤは、主溝の溝壁に主溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、小溝の溝深さを0.01〜0.5[mm]の範囲内、小溝のピッチを0.01〜0.5[mm]の範囲内に設定している。
特開2011−37315号公報 特開2008−296795号公報 特開2008−126931号公報 特開2002−219906号公報
上述した特許文献1〜特許文献3に記載の空気入りタイヤは、主溝の溝底を狭めるように凸部が形成されているため、摩耗後に排水性が低下した場合、湿潤路面での操縦安定性が低下するおそれがある。また、上述した特許文献4に記載の空気入りタイヤは、主溝の溝壁に、主溝の長手方向に延びる小溝を複数設けたことで、リブやブロックの剛性が低下する傾向となるため、乾燥路面での操縦安定性が低下するおそれがある。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、乾燥路面や湿潤路面での操縦安定性、および乗り心地性を高次元で両立するとともに、摩耗後の湿潤路面での操縦安定性の著しい低下を防ぐことのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延在する主溝を複数設け、当該主溝によってトレッド面に複数の陸部が区画形成された空気入りタイヤにおいて、前記主溝のタイヤ幅方向内側の溝壁について、トレッド面から溝底までの溝壁高さの40[%]以上60[%]以下の位置を境に、トレッド面側で溝内に突出する内壁凸部、および溝底側で溝内から窪む内壁凹部を設けるとともに、前記主溝のタイヤ幅方向外側の溝壁について、トレッド面から溝底までの溝壁高さの40[%]以上60[%]以下の位置を境に、トレッド面側で溝内から窪む外壁凹部、および溝底側で溝内に突出する外壁凸部を設けることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、主溝のタイヤ幅方向内側の陸部について、内壁凹部によって剛性を低くすることで乗り心地性を向上することができる。また、主溝のタイヤ幅方向外側の陸部について、外壁凸部によって剛性を高くすることで乾燥路面での操縦安定性を向上することができる。さらに、主溝の子午断面の断面積は、溝壁を平坦とした仮想線で囲まれる断面積と比較して同等であり、主溝の排水性を損なうものではないため、湿潤路面での操縦安定性を維持することができる。しかも、内壁凸部と外壁凸部との関係、および内壁凹部と外壁凹部との関係は、タイヤ径方向で逆位相の配置とされているため、陸部の摩耗後であっても、溝壁を平坦とした仮想線で囲まれる場合と同等に主溝の溝底を狭めることはなく、主溝の排水性を損なうものではないため、摩耗後の湿潤路面での操縦安定性を維持することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記主溝の子午断面において、前記溝壁を平坦とした仮想線に基づき、前記内壁凸部の断面積S1と前記外壁凸部の断面積S4とが0.7≦S1/S4≦1.3の関係とされ、前記内壁凹部の断面積S2と前記外壁凹部の断面積S3とが0.7≦S2/S3≦1.3の関係とされており、かつ各前記断面積S1,S2,S3,S4が0.8≦(S1+S2)/(S3+S4)≦1.2の関係とされることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、タイヤ幅方向内側の内壁凸部と、タイヤ幅方向外側の外壁凸部との関係、タイヤ幅方向内側の内壁凹部と、タイヤ幅方向外側の外壁凹部との関係、およびタイヤ幅方向内側の内壁凸部,内壁凹部と、タイヤ幅方向外側の外壁凹部,外壁凸部との関係を上記範囲としたことにより、タイヤ幅方向内側の溝壁とタイヤ幅方向外側の溝壁との凹凸の断面積がタイヤ径方向においてほぼ同等となるため、陸部の摩耗に伴う湿潤路面での操縦安定性を維持することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記内壁凸部と前記内壁凹部との境の溝壁角度、および前記外壁凹部と前記外壁凸部との境の溝壁角度が、前記主溝の開口の中心を通過する溝壁高さ方向の中心線に対し、平行乃至外側に広がることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、成型時に金型からの抜けを苦慮することがなく、成形性が良好となるように溝壁に凹凸を設けることが可能である。
また、本発明の空気入りタイヤは、少なくともタイヤ幅方向最外側に設けられる各主溝に対し、前記内壁凸部、前記内壁凹部、前記外壁凹部および前記外壁凸部を設けることを特徴とする。
操縦安定性は、タイヤ幅方向最外側(ショルダー側)の陸部が大きく作用する。従って、タイヤ幅方向最外側に設けられた主溝の溝壁に凹凸を設けることで、操縦安定性を向上する効果を顕著に得ることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、乾燥路面や湿潤路面での操縦安定性、および乗り心地性を高次元で両立するとともに、摩耗後の湿潤路面での操縦安定性の著しい低下を防ぐことができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、主溝の子午断面拡大図である。 図3は、主溝の子午断面拡大図である。 図4は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図5−1は、本発明の実施例に係る従来例の空気入りタイヤの主溝形状を示す概略図である。 図5−2は、本発明の実施例に係る比較例1の空気入りタイヤの主溝形状を示す概略図である。 図5−3は、本発明の実施例に係る比較例2の空気入りタイヤの主溝形状を示す概略図である。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本実施の形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまりタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施の形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施の形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すようにトレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なストレート主溝である複数(本実施の形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22によりタイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。また、図には明示しないが、トレッド面21は、各陸部23において、主溝22に交差するラグ溝が設けられていてもよい。陸部23は、ラグ溝によってタイヤ周方向で複数のブロックに分割される。また、ラグ溝は、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側でタイヤ幅方向外側に開口して形成されている。なお、ラグ溝は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態の何れであってもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度が90(±5)[°]でタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向に複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20[°]〜30[°])で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に平行(±5[°])でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示せず)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、あるいは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
図2および図3は、主溝の子午断面拡大図である。上述のように構成された空気入りタイヤ1について、図2および図3に示すように、主溝22は、タイヤ幅方向内側の溝壁22aについて、トレッド面21から溝底22cまでの溝壁高さH1の40[%]以上60[%]以下の位置を境界部A1とし、この境界部A1を境に、トレッド面21側の高さH1aの範囲で溝内に突出する内壁凸部9aが設けられている。さらに、主溝22は、前記境界部A1を境に、溝底22c側の高さH1bの範囲で溝内から窪む内壁凹部10aが設けられている。この内壁凸部9aおよび内壁凹部10aは、主溝22とともにタイヤ周方向に延在して設けられている。
一方、主溝22は、タイヤ幅方向外側の溝壁22bについて、トレッド面21から溝底22cまでの溝壁高さH2の40[%]以上60[%]以下の位置を境界部A2とし、この境界部A2を境に、トレッド面21側の高さH2aの範囲で溝内に突出する外壁凹部10bが設けられている。さらに、主溝22は、前記境界部A2を境に、溝底22c側の高さH2bの範囲で溝内から窪む外壁凸部9bが設けられている。この外壁凹部10bおよび外壁凸部9bは、主溝22とともにタイヤ周方向に延在して設けられている。
ここで、溝壁高さH1は、子午断面において、主溝22のタイヤ幅方向内側の陸部23のトレッド面21と、主溝22の溝底22cをタイヤ幅方向に延長した仮想線V1との間で、トレッド面21における法線の寸法として得られる。そして、内壁凸部9aの高さH1aは、溝壁高さH1の境界部A1からトレッド面21側の寸法であり、内壁凹部10aの高さH1bは、溝壁高さH1の境界部A1から溝底22c側の寸法である。また、溝壁高さH2は、子午断面において、主溝22のタイヤ幅方向外側の陸部23のトレッド面21と、主溝22の溝底22cをタイヤ幅方向に延長した仮想線V1との間で、トレッド面21における法線の寸法として得られる。そして、外壁凹部10bの高さH2aは、溝壁高さH2の境界部A2からトレッド面21側の寸法であり、外壁凸部9bの高さH2bは、溝壁高さH2の境界部A2から溝底22c側の寸法である。なお、溝壁高さH1と溝壁高さH2とは、タイヤ幅方向内側の陸部23のトレッド面21のタイヤ径方向位置と、タイヤ幅方向外側の陸部23のトレッド面21のタイヤ径方向位置とが同じであれば同一となるが、各陸部23のトレッド面21のタイヤ径方向位置が異なれば相違する。
このように、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2にタイヤ周方向に延在する主溝22を複数設け、当該主溝22によってトレッド面21に複数の陸部23(リブやブロック)が区画形成され、主溝22のタイヤ幅方向内側の溝壁22aについて、トレッド面21から溝底22cまでの溝壁高さH1の40[%]以上60[%]以下の位置(境界部A1)を境に、トレッド面21側で溝内に突出する内壁凸部9a、および溝底22c側で溝内から窪む内壁凹部10aを設けるとともに、主溝22のタイヤ幅方向外側の溝壁22bについて、トレッド面21から溝底22cまでの溝壁高さH2の40[%]以上60[%]以下の位置(境界部A2)を境に、トレッド面21側で溝内から窪む外壁凹部10b、および溝底22c側で溝内に突出する外壁凸部9bを設けるものである。
この空気入りタイヤ1によれば、主溝22のタイヤ幅方向内側の陸部23について、内壁凹部10aによって剛性を低くすることで乗り心地性を向上することが可能になる。また、主溝22のタイヤ幅方向外側の陸部23について、外壁凸部9bによって剛性を高くすることで乾燥路面での操縦安定性を向上することが可能になる。さらに、主溝22の子午断面の断面積(または主溝22の容積)は、溝壁を平坦とした仮想線V2で囲まれる断面積(または容積)と比較して同等であり、主溝22の排水性を損なうものではないため、湿潤路面での操縦安定性を維持することが可能である。しかも、内壁凸部9aと外壁凸部9bとの関係、および内壁凹部10aと外壁凹部10bとの関係は、タイヤ径方向で逆位相の配置とされているため、陸部23の摩耗後であっても、溝壁を平坦とした仮想線V2で囲まれる場合と比較して主溝22の溝底22cを狭めることはなく、主溝22の排水性を損なうものではないため、摩耗後の湿潤路面での操縦安定性を維持することが可能である。なお、タイヤ幅方向の内側および外側で極度に陸部23の剛性変化が偏らないようにするうえで、境界部A1,A2の位置は、トレッド面21から溝底22cまでの溝壁高さH1,H2の45[%]以上55[%]以下とすることが好ましい。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、主溝22の子午断面において、溝壁22a,22bを平坦とした仮想線V2に基づき、内壁凸部9aの断面積S1と外壁凸部9bの断面積S4とが0.7≦S1/S4≦1.3の関係とされ、内壁凹部10aの断面積S2と外壁凹部10bの断面積S3とが0.7≦S2/S3≦1.3の関係とされており、かつ各断面積S1,S2,S3,S4が0.8≦(S1+S2)/(S3+S4)≦1.2の関係とされることが好ましい。
この空気入りタイヤ1によれば、タイヤ幅方向内側の内壁凸部9aと、タイヤ幅方向外側の外壁凸部9bとの関係、タイヤ幅方向内側の内壁凹部10aと、タイヤ幅方向外側の外壁凹部10bとの関係、およびタイヤ幅方向内側の内壁凸部9a,内壁凹部10aと、タイヤ幅方向外側の外壁凹部10b,外壁凸部9bとの関係を上記範囲としたことにより、タイヤ幅方向内側の溝壁22aとタイヤ幅方向外側の溝壁22bとの凹凸の断面積がタイヤ径方向においてほぼ同等となるため、陸部23の摩耗に伴う湿潤路面での操縦安定性を維持することが可能になる。なお、各断面積S1,S2,S3,S4の関係を上記範囲とするにあたり、境界部A1,A2の位置は、トレッド面21から溝底22cまでの溝壁高さH1,H2の45[%]以上55[%]以下とすることが好ましい。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、内壁凸部9aと内壁凹部10aとの境の溝壁角度θ1、および外壁凹部10bと外壁凸部9bとの境の溝壁角度θ2が、主溝22の開口の中心を通過する溝壁高さ方向の中心線Cに対し、平行乃至外側に広がることが好ましい。なお、開口の中心は、トレッド面21を延長して主溝22の開口を跨ぐ仮想線V3について、当該仮想線V3に対して各溝壁を平坦とした仮想線V2が交差する各交点の中心であり、この中心を通過する仮想線V3の法線が中心線Cである。
この空気入りタイヤ1によれば、成型時に金型からの抜けを苦慮することがなく、成形性が良好となるように溝壁22a,22bに凹凸を設けることが可能である。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、少なくともタイヤ幅方向最外側に設けられる各主溝22に対し、内壁凸部9a、内壁凹部10a、外壁凹部10bおよび外壁凸部9bを設けることが好ましい。
操縦安定性は、タイヤ幅方向最外側(ショルダー側)の陸部23が大きく作用する。従って、タイヤ幅方向最外側に設けられた主溝22の溝壁22a,22bに凹凸を設けることで、操縦安定性を向上する効果を顕著に得ることが可能である。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、乾燥路面での操縦安定性(DRY操縦安定性)、湿潤路面での操縦安定性(WET操縦安定性)、50%摩耗時の湿潤路面での操縦安定性(50%摩耗時WET操縦安定性)、および乗り心地性に関する性能試験が行われた(図4参照)。
この性能試験では、タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを、15×6Jのリムにリム組みし、230[kPa]の内圧を充填した。そして、この空気入りタイヤを試験車両(排気量1.8リットルの普通乗用車)に装着した。
乾燥路面での操縦安定性の評価方法は、上記試験車両にて乾燥試験コースを走行し、レーンチェンジ時およびコーナリング時における操舵性ならびに直進時における安定性について、熟練のテストドライバー1名による官能評価によって行う。この官能評価は、従来例の空気入りタイヤを基準(3)とし、0.125刻みで上下に5段階の評価を行う。この評価は、数値が大きいほど、操縦安定性が優れていることを示している。
湿潤路面での操縦安定性、および50%摩耗時の湿潤路面での操縦安定性の評価方法は、上記試験車両にて水深3[mm]の湿潤試験コースを走行し、レーンチェンジ時およびコーナリング時における操舵性ならびに直進時における安定性について、熟練のテストドライバー1名による官能評価によって行う。この官能評価は、従来例の空気入りタイヤを基準(3)とし、0.125刻みで上下に5段階の評価を行う。この評価は、数値が大きいほど、操縦安定性が優れていることを示している。
乗り心地性の評価方法は、上記試験車両にて凹凸を有する直線試験コースを50[km/h]で走行した乗り心地性について、熟練のテストドライバー1名による官能評価によって行う。この官能評価は、従来例の空気入りタイヤを基準(3)とし、0.125刻みで上下に5段階の評価を行う。この評価は、数値が大きいほど、乗り心地性が優れていることを示している。
図5−1は、本実施例に係る従来例の空気入りタイヤの主溝形状を示す概略図であり、図5−2は、本実施例に係る比較例1の空気入りタイヤの主溝形状を示す概略図であり、図5−3は、本実施例に係る比較例2の空気入りタイヤの主溝形状を示す概略図である。すなわち、図4における従来例は、図5−1に示す主溝形状であり、溝壁が平坦に形成されている。図4における比較例1は、図5−2に示す主溝形状であり、タイヤ幅方向外側の溝壁の溝底側に凸部が形成されている。図4における比較例2は、図5−3に示す溝形状であり、タイヤ幅方向の両溝壁の溝底側に凸部が形成されている。また、従来例、比較例1、および比較例2の空気入りタイヤは、トレッド部に4本の主溝をタイヤ幅方向で均等に配置し、各主溝について従来例、比較例1、および比較例2の主溝形状としている。
一方、図4において、実施例1〜実施例9の空気入りタイヤは、図2に示す主溝形状である。また、実施例1〜実施例9の空気入りタイヤは、トレッド部に4本の主溝をタイヤ幅方向で均等に配置し、各主溝について実施例1〜実施例9の主溝形状としている。そして、実施例1〜実施例4の空気入りタイヤは、主溝のタイヤ幅方向内側の溝壁について、トレッド面から溝底までの溝壁高さの40[%]以上60[%]以下の位置を境に、トレッド面側で溝内に突出する内壁凸部、および溝底側で溝内から窪む内壁凹部を設けるとともに、主溝のタイヤ幅方向外側の溝壁について、トレッド面から溝底までの溝壁高さの40[%]以上60[%]以下の位置を境に、トレッド面側で溝内から窪む外壁凹部、および溝底側で溝内に突出する外壁凸部を設けたものである。また、実施例5〜実施例9の空気入りタイヤは、内壁凸部の断面積S1、内壁凹部の断面積S2、外壁凹部の断面積S3、および外壁凸部の断面積S4の関係を規定したものである。
そして、図4の試験結果に示すように、実施例1〜実施例9の空気入りタイヤは、乾燥路面での操縦安定性(DRY操縦安定性)、湿潤路面での操縦安定性(WET操縦安定性)、50%摩耗時の湿潤路面での操縦安定性(50%摩耗WET操縦安定性)、および乗り心地性が改善されていることが分かる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
21 トレッド面
22 主溝
22a,22b 溝壁
22c 溝底
23 陸部
9a 内壁凸部
9b 外壁凸部
10a 内壁凹部
10b 外壁凹部
A1,A2 境界部
C 主溝の中心線
S1 内壁凸部の断面積
S2 内壁凹部の断面積
S3 外壁凹部の断面積
S4 外壁凸部の断面積
V1,V2 仮想線
θ1,θ2 境界部の溝壁角度

Claims (4)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に延在する主溝を複数設け、当該主溝によってトレッド面に複数の陸部が区画形成された空気入りタイヤにおいて、
    前記主溝のタイヤ幅方向内側の溝壁について、トレッド面から溝底までの溝壁高さの40[%]以上60[%]以下の位置を境に、トレッド面側で溝内に突出する内壁凸部、および溝底側で溝内から窪む内壁凹部を設けるとともに、前記主溝のタイヤ幅方向外側の溝壁について、トレッド面から溝底までの溝壁高さの40[%]以上60[%]以下の位置を境に、トレッド面側で溝内から窪む外壁凹部、および溝底側で溝内に突出する外壁凸部を設け、前記内壁凸部と前記外壁凹部とがタイヤ幅方向で対向し、前記内壁凹部と前記外壁凸部とがタイヤ幅方向で対向して配置されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記主溝の子午断面において、前記溝壁を平坦とした仮想線に基づき、前記内壁凸部の断面積S1と前記外壁凸部の断面積S4とが0.7≦S1/S4≦1.3の関係とされ、前記内壁凹部の断面積S2と前記外壁凹部の断面積S3とが0.7≦S2/S3≦1.3の関係とされており、かつ各前記断面積S1,S2,S3,S4が0.8≦(S1+S2)/(S3+S4)≦1.2の関係とされることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記内壁凸部と前記内壁凹部との境からタイヤ径方向外側の溝壁角度、および前記外壁凹部と前記外壁凸部との境からタイヤ径方向外側の溝壁角度が、前記主溝の開口の中心を通過する溝壁高さ方向の中心線に対し、平行乃至外側に広がることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 少なくともタイヤ幅方向最外側に設けられる各主溝に対し、前記内壁凸部、前記内壁凹部、前記外壁凹部および前記外壁凸部を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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