JP2018052318A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2018052318A
JP2018052318A JP2016191173A JP2016191173A JP2018052318A JP 2018052318 A JP2018052318 A JP 2018052318A JP 2016191173 A JP2016191173 A JP 2016191173A JP 2016191173 A JP2016191173 A JP 2016191173A JP 2018052318 A JP2018052318 A JP 2018052318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
circumferential direction
maximum width
range
tire circumferential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016191173A
Other languages
English (en)
Inventor
範嚴 小山
Noriyoshi Koyama
範嚴 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2016191173A priority Critical patent/JP2018052318A/ja
Publication of JP2018052318A publication Critical patent/JP2018052318A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】ユニフォミティを向上させることのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】タイヤ幅方向に延びてトレッド面21の接地端Tと交差するショルダーラグ溝30Cと、角錐状の形状で形成されてタイヤサイド面41から突出する凸部80と、を備え、ショルダーラグ溝30Cにおける、内側端部31から接地端Tまでの範囲内での周方向端部35同士のタイヤ周方向における距離を当該ショルダーラグ溝30Cの最大幅WGとし、タイヤサイド面41におけるショルダーラグ溝30Cの最大幅WGのタイヤ周方向における範囲を最大幅範囲100とする場合に、凸部80は、角錐の頂点87のタイヤ周方向における位置が最大幅範囲100内に位置して複数がタイヤ径方向に並び、且つ、タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士で角錐の周方向底辺83同士を共有する凸部列90を構成する。【選択図】図6

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤの中には、装飾や冷却等を目的として、例えば特許文献1や特許文献2に記載された空気入りタイヤのように、サイドウォール部やバットレス部の表面に、多数の凸部を形成しているものがある。
特開2008−189165号公報 特開2010−132045号公報
ここで、空気入りタイヤには、濡れた路面の走行時におけるトレッド面と路面との間の水の排出等を目的として、トレッド面に溝が複数形成されている。例えば、トレッド面におけるショルダー部寄りの位置には、トレッド面と路面との間の水を、トレッド面の接地領域外に排出することができるように、トレッド面の接地端と交差するようにラグ溝が形成されるものが多くなっている。
しかしながら、ショルダー部付近にラグ溝を設けた場合、タイヤ周方向におけるラグ溝を配設した位置の剛性が低くなるため、剛性の均一性の観点では不利な条件となってしまう。即ち、ショルダー部付近にラグ溝が配設されることにより、タイヤ周方向上における位置によって剛性が不均一になるため、これに起因してユニフォミティが低下し、走行性能が低下したり乗り心地が悪化したりすることにつながる。特許文献1や特許文献2に記載された空気入りタイヤのように、サイドウォール部やバットレス部の表面に多数の凸部を設けた場合、装飾性や冷却性を確保することはできるものの、ラグ溝に起因するユニフォミティの低下を抑えるのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユニフォミティを向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面に形成され、タイヤ周方向に延びる周方向主溝と、前記トレッド面に形成され、タイヤ幅方向に延びて前記トレッド面の接地端と交差すると共に、タイヤ幅方向における内側端部が前記周方向主溝に開口するラグ溝と、タイヤ幅方向における両側に位置するタイヤサイド面に設けられ、角錐状の形状で形成されると共に底面が前記タイヤサイド面側に位置する向きで配設されて前記タイヤサイド面から突出する凸部と、を備え、前記ラグ溝における、前記内側端部から当該ラグ溝が交差する前記接地端までの範囲内でタイヤ周方向の両端に位置する部分同士のタイヤ周方向における距離を当該ラグ溝の最大幅とし、前記タイヤサイド面における、タイヤ幅方向の両側の前記接地端のうち当該タイヤサイド面が位置する側の前記接地端と交差する前記ラグ溝の前記最大幅のタイヤ周方向における範囲を最大幅範囲とする場合に、前記凸部は、角錐の頂点のタイヤ周方向における位置が前記最大幅範囲内に位置して複数がタイヤ径方向に並び、且つ、タイヤ径方向において隣り合う前記凸部同士で角錐の底辺同士を共有する凸部列を構成することを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝は、複数がタイヤ周方向に並んで配設されており、複数の前記ラグ溝は、タイヤ周方向において隣り合う前記ラグ溝同士のピッチが複数の大きさでタイヤ全周に亘って配設されており、前記凸部は、当該凸部の前記頂点をタイヤ周方向における範囲内に含む前記最大幅範囲に対応する前記ラグ溝の、隣り合う前記ラグ溝とのピッチが大きくなるに従って、タイヤ周方向における大きさが大きく、且つ、タイヤ径方向における大きさが大きくなって形成されることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記凸部は、タイヤ周方向における大きさ及びタイヤ径方向における大きさが、当該凸部の前記頂点をタイヤ周方向における範囲内に含む前記最大幅範囲に対応する前記最大幅の50%以上150%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、1つの前記凸部列を構成する複数の前記凸部は、高さが同一であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記凸部は、高さが0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記凸部は、前記最大幅範囲のタイヤ周方向における大きさが、タイヤ周方向において隣り合う前記最大幅範囲との間隔よりも大きい前記最大幅範囲内には配設されず、前記最大幅範囲のタイヤ周方向における大きさが、タイヤ周方向において隣り合う前記最大幅範囲との間隔以下の前記最大幅範囲内に配設されることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、ユニフォミティを向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA−A矢視図である。 図3は、図2のB部詳細図である。 図4は、図3に示す凸部列の斜視図である。 図5は、図3のC部詳細図である。 図6は、トレッド面とタイヤサイド面との展開図であり、凸部列が配設される位置についての説明図である。 図7は、図3のD−D矢視図である。 図8は、凸部が配設されない最大幅範囲の条件についての説明図である。 図9は、凸部が配設される最大幅範囲の条件についての説明図である。 図10は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、凸部が正方形の形状で形成される場合の説明図である。 図11は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、凸部の長手方向がタイヤ周方向に形成される場合の説明図である。 図12は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、凸部の一部が最大幅範囲から出ている場合の説明図である。 図13Aは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図13Bは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4及びビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その外周表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面は、主に走行時に路面と接触し得る面であって、トレッド面21として構成されている。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、且つ、タイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、例えば、ポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20°〜30°)で複数並設されたコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示省略)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなり、コードの角度はタイヤ周方向に対して±5°の範囲内になっている。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、或いは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。即ち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、例えば幅が10mm程度の帯状のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
トレッド部2のトレッド面21には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝22がタイヤ幅方向に並んで形成されている。周方向主溝22は4本形成されており、タイヤ赤道面CLを挟むようにタイヤ幅方向の中央に隣接して設けられた2本のセンター主溝22Aと、各センター主溝22Aのタイヤ幅方向外側にそれぞれ設けられたショルダー主溝22Bと、を有している。
また、トレッド面21は、4本の周方向主溝22により、1つのセンター陸部23Aと、2つのミドル陸部23Bと、2つのショルダー陸部23Cと、の5つの陸部23が画成されている。このうち、センター陸部23Aは、2本のセンター主溝22Aの間に設けられると共にタイヤ幅方向における両側が2本のセンター主溝22Aによって画成され、タイヤ赤道面CL上に配置される。また、ミドル陸部23Bは、センター主溝22Aと、当該センター主溝22Aのタイヤ幅方向外側で当該センター主溝22Aに対して隣り合うショルダー主溝22Bとによって画成され、センター陸部23Aのタイヤ幅方向における両側に配置される。また、ショルダー陸部23Cは、ショルダー主溝22Bを介してミドル陸部23Bのタイヤ幅方向外側に位置してミドル陸部23Bに隣り合い、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側に配置される。なお、周方向主溝22は、厳密にタイヤ周方向に沿って延在していなくてもよく、例えば、タイヤ周方向に向かいつつタイヤ幅方向に振幅していてもよい。
また、トレッド面21には、タイヤ幅方向に延びるラグ溝30が形成されている。本実施形態では、ショルダー陸部23Cに形成されるラグ溝30であるショルダーラグ溝30Cが、ラグ溝30として少なくとも設けられており、ショルダーラグ溝30Cは、複数がタイヤ幅方向に並んで配設されている。ショルダーラグ溝30Cは、タイヤ幅方向における内側端部31が、ショルダー陸部23Cを画成する周方向主溝22であるショルダー主溝22Bに接続されてショルダー主溝22Bに開口している。
ここでいう周方向主溝22は、1mm以上の溝幅を有し、4mm以上の溝深さを有し、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。周方向主溝22は、内部にトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を有する。トレッドウェアインジケータは、摩耗末期を示す。なお、周方向主溝22は、トレッドウェアインジケータの表示義務を有する周方向主溝22のみならず、トレッドウェアインジケータの表示義務を有する周方向主溝22よりも溝幅が狭い周方向細溝も含む。なお、トレッドウェアインジケータの表示義務を有する周方向主溝22は、一般に、6mm以上の溝幅を有し、7mm以上の溝深さを有する縦溝をいう。また、ラグ溝30は、2mm以上の溝幅を有し、3mm以上の溝深さを有し、少なくとも一部がタイヤ幅方向に延在する横溝をいう。ラグ溝30は、陸部23をタイヤ幅方向に貫通するオープン構造でもよいし、一方の端部が陸部23で終端するセミクローズド構造でもよいし、両方の端部が陸部23で終端するクローズド構造でもよい。
また、タイヤ幅方向に延びるショルダーラグ溝30Cは、トレッド面21の接地端Tと交差している。即ち、接地端Tは、タイヤ幅方向における位置がショルダー陸部23C上に位置しており、ショルダーラグ溝30Cは、タイヤ幅方向に延びてショルダー陸部23Cに形成されることにより、ショルダー陸部23C上に位置する接地端Tと交差する。
この場合における接地端Tとは、トレッド面21の接地領域におけるタイヤ幅方向の両最外端をいう。接地領域は、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧を充填すると共に正規荷重をかけたとき、この空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッド面21が乾燥した平坦な路面と接地する領域である。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
また、ラグ溝30は、ショルダー陸部23C以外に設けられていてもよく、例えば、センター陸部23Aに設けられたり、ミドル陸部23Bに設けられたりしてもよい。また、周方向主溝22は、4本以外の本数が設けられていてもよく、ラグ溝30も、周方向主溝22によって区画される陸部23に応じて、適宜設定されるのが好ましい。
図2は、図1のA−A矢視図である。図3は、図2のB部詳細図である。タイヤ幅方向における両側に位置するサイドウォール部4の表面であるタイヤサイド面41には、タイヤサイド面41から突出する凸部80が複数設けられている。各凸部80は、それぞれ角錐状の形状で形成されると共に、底面がタイヤサイド面41側に位置する向きで配設されている。また、凸部80は、複数がタイヤ周方向における位置がほぼ同じ位置で、トレッド面21のタイヤ幅方向外側端であるデザインエンドEからリムチェックラインRにかけてタイヤ径方向に並ぶことにより、凸部列90を構成している。凸部列90は、複数列がタイヤ周方向に並んで配設されている。複数の凸部列90は、タイヤ周方向における位置が、ショルダーラグ溝30Cのタイヤ周方向における位置の近傍となってそれぞれ配設されている。
ここで、デザインエンドEは、接地端Tのタイヤ幅方向外側であってトレッド部2のタイヤ幅方向最外側端をいい、トレッド部2において溝が形成されるタイヤ幅方向最外側端をいう。即ち、トレッド部2は、乾燥した平坦な路面において、接地端TよりもデザインエンドE側の領域は、通常路面に接地しない領域となる。また、リムチェックラインRとは、タイヤのリム組みが正常に行われているか否かを確認するためのラインであり、一般には、ビード部5の表側面において、リムフランジ(図示省略)よりもタイヤ径方向外方側であってリムフランジ近傍となる部分に沿ってタイヤ周方向に連続する環状の凸線として示されている。
図4は、図3に示す凸部列90の斜視図である。図5は、図3のC部詳細図である。凸部80は、それぞれ四角錐状に形成されている。つまり、各凸部80は、4つの底辺82と、4つの斜辺85とを有しており、1つの底辺82と2つの斜辺85とによって、三角形状の斜面86が形成されている。凸部80は、このように形成される斜面86を4つ有している。4つのそれぞれの斜面86における、底辺82と対向する部分に位置するそれぞれの頂点は、合致するように設けられている。4つ斜面86の頂点が合致することにより、凸部80の頂点87が形成されている。この凸部80の頂点87は、凸部80の形状である四角錐の頂点になっている。
凸部列90を構成する凸部80は、タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士で、四角錐の底辺82同士を共有している。具体的には、凸部80は、底辺82として、タイヤ周方向に延びる底辺82である周方向底辺83と、タイヤ径方向に延びる底辺82である径方向底辺84とを有している。つまり、各凸部80は、凸部80の平面視、或いはタイヤサイド面41の平面視において、4つの底辺82のうち互いに対向する2本の底辺82である周方向底辺83はタイヤ周方向に延び、互いに対向する別の2本の底辺82である径方向底辺84はタイヤ径方向に延びる向きで配設されている。タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士は、周方向底辺83と径方向底辺84とのうち、周方向底辺83同士を共有している。また、2本の周方向底辺83と2本の径方向底辺84と同士は、ほぼ同じ長さになっている。このため、凸部80は、平面視において略長方形の形状で形成されている。
なお、周方向底辺83は、タイヤ周方向に沿った円弧状の形状で形成されていてもよく、タイヤ周方向に沿った円弧に対する周方向底辺83が設けられる位置での接線となる直線状に形成されていてもよい。2本の周方向底辺83は、それぞれタイヤ周方向に沿った円弧状、またはタイヤ周方向に沿った円弧に対する接線となる直線状に形成されつつ、互いに略平行に形成されている。
また、径方向底辺84は、2本の径方向底辺84がそれぞれタイヤ径方向に沿って形成されることにより、2本の径方向底辺84同士で互いに他方に対する角度が若干異なっていてもよく、2本の径方向底辺84で互い平行に形成されていてもよい。2本の径方向底辺84が平行に形成される場合は、2本の径方向底辺84同士のタイヤ周方向における中央となる位置のタイヤ径方向に延びる仮想線に対して、それぞれ平行となって形成されるのが好ましい。
つまり、凸部80は、2本の径方向底辺84がそれぞれタイヤ径方向に沿って形成される場合は、タイヤ径方向周方向における外側から内側に向かうに従って径方向底辺84の距離が小さくなるため、周方向底辺83が円弧状に形成される場合は、平面視における形状が略扇状になり、周方向底辺83が直線状に形成される場合は、平面視における形状が略台形状になる。凸部80の平面視における形状は、これらのように長方形以外の形状でもよく、平面視において全体的に概ね長方形の形状で形成されていれば、詳細な形状は問わない。
凸部列90は、それぞれこれらの形状で形成される複数の凸部80が、タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士で周方向底辺83を共有しつつ、タイヤ径方向に並んで配設されている。また、凸部列90は、複数がそれぞれ、タイヤ周方向における少なくとも一部が、ショルダーラグ溝30Cのタイヤ周方向における少なくとも一部の位置と同じ位置となって配設されている。
図6は、トレッド面21とタイヤサイド面41との展開図であり、凸部列90が配設される位置についての説明図である。凸部列90は、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80のそれぞれ頂点87のタイヤ周方向における位置が、ショルダーラグ溝30Cの最大幅範囲100内に位置している。この場合におけるショルダーラグ溝30Cの最大幅範囲100は、タイヤサイド面41における、タイヤ幅方向の両側の接地端Tのうち当該タイヤサイド面41が位置する側の接地端Tと交差するショルダーラグ溝30Cのタイヤ周方向の最大幅WGの、タイヤ周方向における範囲になっている。
また、この場合におけるショルダーラグ溝30Cの最大幅WGは、ショルダーラグ溝30Cにおける、内側端部31から当該ショルダーラグ溝30Cが交差する接地端Tまでの範囲内で、タイヤ周方向の両端に位置する部分同士のタイヤ周方向における距離になっている。つまり、ショルダーラグ溝30Cの最大幅WGは、ショルダーラグ溝30Cにおける内側端部31から、当該ショルダーラグ溝30Cが交差する接地端Tまでタイヤ幅方向の範囲内での、ショルダーラグ溝30Cのタイヤ周方向における両端に位置する部分である周方向端部35同士のタイヤ周方向における距離になっている。このため、ショルダーラグ溝30Cが、タイヤ幅方向における接地端Tの外側まで延在する場合でも、ショルダーラグ溝30Cの最大幅WGの算出には、ショルダーラグ溝30Cにおける接地端Tのタイヤ幅方向外側の部分の形状は含まれない。
凸部列90は、凸部列90を構成する凸部80のそれぞれ頂点87が、最大幅範囲100内に位置するようにタイヤサイド面41に配設されており、本実施形態では、凸部80全体が、最大幅範囲100内に位置している。また、凸部列90は、タイヤサイド面41における最大幅範囲100内に形成されることにより、トレッド面21に形成される全てのショルダーラグ溝30Cに対応して設けられている。即ち、凸部列90は、タイヤ幅方向における両側に位置するそれぞれのタイヤサイド面41の複数の最大幅範囲100内に、それぞれ配設されている。
凸部列90を構成する凸部80は、タイヤ周方向における大きさWC(図5参照)及びタイヤ径方向における大きさLC(図5参照)が、当該凸部80の頂点87をタイヤ周方向における範囲内に含む最大幅範囲100に対応する最大幅WGの50%以上150%以下の範囲内になっている。また、凸部80は、タイヤ周方向における大きさWCよりも、タイヤ径方向における大きさLCの方が大きくなっている。このため、凸部80は、平面視における形状が、タイヤ径方向が長手方向側となる、略長方形の形状となっている。つまり、凸部80は、タイヤ周方向における大きさWCと、タイヤ径方向における大きさLCとのいずれもが、最大幅範囲100に対応する最大幅WGの50%以上150%以下の範囲内になっており、且つ、タイヤ周方向における大きさWCよりも、タイヤ径方向における大きさLCの方が大きくなっている。
また、トレッド面21に形成される複数のラグ溝30は、タイヤ周方向におけるピッチが、大きさが異なる複数のピッチで形成されている。このため、複数のショルダーラグ溝30Cも、タイヤ周方向において隣り合うショルダーラグ溝30C同士のピッチPL(図2参照)が、複数の大きさでタイヤ全周に亘って配設されている。
この場合におけるピッチとは、タイヤ周方向に沿って同一の、または類似するパターンが繰り返されるときの、パターン構成要素の最小単位のタイヤ周方向における長さをいう。つまり、タイヤ周方向に同一の、または類似するデザインの溝パターンが複数設けられている場合において、1つの溝パターンで空気入りタイヤ1のトレッド部2に規定される部分をピッチパターンいい、ピッチパターンは、タイヤ周方向に配置された2つのラグ溝30で区画される。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、このピッチパターンのタイヤ周方向における長さが、複数の種類の長さになっており、これにより、タイヤ周方向において隣り合うショルダーラグ溝30C同士のピッチPLも、互いに異なる複数の大きさになっている。
凸部列90を構成する凸部80は、当該凸部80の頂点87をタイヤ周方向における範囲内に含む最大幅範囲100に対応するショルダーラグ溝30Cの、隣り合うショルダーラグ溝30CとのピッチPLが大きくなるに従って、タイヤ周方向における大きさWCが大きく、且つ、タイヤ径方向における大きさLCが大きくなって形成されている。つまり、各凸部80は、隣り合うショルダーラグ溝30CとのピッチPLが大きいショルダーラグ溝30Cに対応する最大幅範囲100に頂点87が含まれる凸部80ほど、タイヤ周方向における大きさWCが大きく、タイヤ径方向における大きさLCが大きくなっている。
図7は、図3のD−D矢視図である。また、1つの凸部列90を構成する複数の凸部80は、高さHCが同一になっている。即ち、1つの凸部列90を構成する複数の凸部80は、タイヤサイド面41から、各凸部80における頂点87までの距離が、ほぼ同じ距離になっている。さらに、タイヤ周方向に複数が設けられる凸部列90同士においても、それぞれの凸部列90を構成する凸部80同士の高さHCが同一になっている。即ち、タイヤサイド面41に形成される複数の凸部80は、全て高さHCが同一になっている。
なお、この場合において、凸部80の高さHCが同一とは、高さHCを比較する凸部80同士の高さHCが、他方に対して互いに−10%以上10%以下の範囲内であることをいう。このため、凸部列90を構成する複数の凸部80は、高さHCが最も高い凸部80の高さHCと、高さが最も低い凸部80の高さHCとが、互い他方に対して−10%以上10%以下の範囲内になっている。
また、これらのように高さHCが同一に形成される複数の凸部80は、全て高さHCが0.5mm以上5.0mm以下の範囲内になっている。
これらのように構成される空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面21のうち下方に位置するトレッド面21が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面21と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、トレッド面21と路面との間の水が周方向主溝22やラグ溝30に入り込み、これらの溝でトレッド面21と路面との間の水を排水しながら走行する。特に、ショルダーラグ溝30Cは、接地端Tに交差するため、トレッド面21と路面との間の水を、接地領域のタイヤ幅方向における外側に排出することができる。これにより、トレッド面21は路面に接地し易くなり、トレッド面21と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
また、車両の走行時は、空気入りタイヤ1は車体の重量や、加減速、旋回に伴う荷重を受けるため、タイヤ径方向に大きな荷重が作用する。この荷重は、空気入りタイヤ1の内部に充填される空気によって主に受けるが、空気入りタイヤ1の内部の空気のみでなく、サイドウォール部4によっても受ける。即ち、サイドウォール部4は、リムホイール(図示省略)が嵌合されるビード部5と、路面に接地するトレッド面21を有するトレッド部2との間で荷重を伝達する。このため、サイドウォール部4には、車両の走行時には大きな荷重が作用し、サイドウォール部4は、タイヤ径方向に撓みながらこの荷重を受ける。
車両の走行時には、このようにサイドウォール部4は大きな荷重を受けるが、サイドウォール部4のタイヤ径方向における外端に隣接するトレッド面21のショルダー陸部23Cには、複数のショルダーラグ溝30Cが形成されている。即ち、サイドウォール部4は、タイヤ周方向における位置によって、タイヤ径方向における外側にショルダーラグ溝30Cが形成されている部分と、ショルダーラグ溝30Cが形成されていない部分とを有している。トレッド部2の剛性は、溝が形成されている部分は剛性が低くなるため、サイドウォール部4の剛性を、トレッド部2と合わせた剛性でみた場合、通常、ショルダーラグ溝30Cが形成されている部分は、ショルダーラグ溝30Cが形成されていない部分よりも剛性が低くなる。これにより、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向上における位置によって剛性が不均一になるため、ユニフォミティが低下し、操縦安定性等の走行性能が低下したり、乗り心地が悪化したりすることが考えられる。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤサイド面41における、ショルダーラグ溝30Cの最大幅WGのタイヤ周方向における範囲である最大幅範囲100に、凸部80がタイヤ径方向に並んだ凸部列90が配設されている。凸部列90は、それぞれが四角錐の形状で形成される複数の凸部80が、互いに隣接しながらタイヤ径方向に並ぶことにより形成されているため、凸部列90が形成される位置におけるタイヤサイド面41上のタイヤ径方向の剛性は、凸部列90が形成される位置のタイヤ径方向の剛性よりも高くなっている。即ち、タイヤ周方向における凸部列90が形成される位置では、タイヤ径方向におけるサイドウォール部4の剛性が、凸部列90が形成されていない位置での剛性よりも高くなっている。
このため、サイドウォール部4の剛性は、タイヤ周方向においてトレッド面21にショルダーラグ溝30Cが形成されていない位置よりも、ショルダーラグ溝30Cが形成されている位置の方が高くなっている。従って、トレッド部2の剛性とサイドウォール部4の剛性とを合わせてみた場合、ショルダーラグ溝30Cが形成されることによる剛性の低下を、凸部列90が形成されることによる剛性の向上によって補うことができ、剛性をタイヤ周方向上で均一にすることができる。この結果、ユニフォミティを向上させることができる。
また、凸部列90を構成する凸部80は、隣り合うショルダーラグ溝30CとのピッチPLが大きいショルダーラグ溝30Cに対応する最大幅範囲100に頂点87が含まれる凸部80ほど、タイヤ周方向における大きさWCが大きく、タイヤ径方向における大きさLCが大きくなっているため、より確実に剛性の均一化を図ることができる。つまり、隣り合うショルダーラグ溝30CとのピッチPLが大きい位置では、ショルダーラグ溝30Cの溝幅も大きくなるため、剛性が低くなり易くなる。このため、ピッチPLが大きいショルダーラグ溝30Cに対応する最大幅範囲100に配設される凸部80ほど、タイヤ周方向における大きさWCやタイヤ径方向における大きさLCを大きくすることにより、凸部80の剛性を大きくすることができ、剛性が低くなり易い位置の剛性を、凸部80によってより確実に確保することができる。この結果、より確実に剛性をタイヤ周方向上で均一にすることができ、より確実にユニフォミティを向上させることができる。
また、凸部列90を構成する凸部80は、タイヤ周方向における大きさWC及びタイヤ径方向における大きさLCが、当該凸部80の頂点87をタイヤ周方向における範囲内に含む最大幅範囲100に対応する最大幅WGの50%以上150%以下の範囲内になっているため、より確実にタイヤ周方向上での剛性の均一化を図ることができる。つまり、凸部80のタイヤ周方向における大きさWCやタイヤ径方向における大きさLCが、最大幅WGの50%未満である場合は、タイヤサイド面41に凸部80を設けても、剛性を向上させる効果が少ないため、ショルダーラグ溝30Cが形成されることによる剛性の低下を、凸部80によって補うことが困難になる可能性がある。この場合、凸部80を設けても、剛性をタイヤ周方向上で均一にすることが困難になる可能性がある。また、凸部80のタイヤ周方向における大きさWCやタイヤ径方向における大きさLCが、最大幅WGの150%を超える場合は、凸部80を設けた位置での剛性が高くなり過ぎ、ショルダーラグ溝30Cが形成されることによる剛性の低下以上に、剛性を高くしてしまう可能性がある。このため、この場合も、凸部80を設けても剛性をタイヤ周方向上で均一にすることが困難になる可能性がある。
これに対し、凸部80のタイヤ周方向における大きさWCやタイヤ径方向における大きさLCを、最大幅WGの50%以上150%以下とした場合は、ショルダーラグ溝30Cが形成されることによる低下する分の剛性を、凸部80によってより適切に補うことができる。この結果、より確実にユニフォミティを向上させることができる。
また、1つの凸部列90を構成する複数の凸部80は、高さHCが同一になっているため、凸部80の高さHCが互いに異なることに起因してタイヤ径方向上での剛性差が発生したり、応力集中が発生したりすることを抑制することができる。この結果、剛性差や応力集中に起因する故障を抑制することができ、耐久性を低下させることなく、ユニフォミティを向上させることができる。
また、凸部列90を構成する凸部80は、全て高さHCが0.5mm以上5.0mm以下の範囲内であるため、タイヤ周方向上での重量差を抑えつつ、より確実にタイヤ周方向上での剛性の均一化を図ることができる。つまり、凸部80の高さHCが0.5mm未満である場合は、タイヤサイド面41に凸部80を設けても、剛性を向上させる効果が少ないため、ショルダーラグ溝30Cが形成されることによる剛性の低下を、凸部80によって補うことが困難になる可能性がある。この場合、凸部80を設けても、剛性をタイヤ周方向上で均一にすることが困難になる可能性がある。また、凸部80の高さHCが5.0mmを超える場合は、凸部80の重量が大きくなり、タイヤ周方向における凸部80を設けた位置での重量が、他の位置と比較して大きくなり過ぎる可能性がある。この場合、タイヤ周方向における位置によってサイドウォール部4の重量が異なるため、ユニフォミティを効果的に向上させるのが困難になる可能性がある。これに対し、凸部80の高さHCを、0.5mm以上5.0mm以下の範囲内にした場合は、タイヤ周方向上での重量差を抑えつつ、ショルダーラグ溝30Cが形成されることによる低下する分の剛性を、凸部80によってより適切に補うことができる。この結果、より確実にユニフォミティを向上させることができる。
なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1は、凸部列90はタイヤサイド面41における全ての最大幅範囲100内に配設されることにより、全てのショルダーラグ溝30Cに対応しても設けられているが、凸部列90は、全てのショルダーラグ溝30Cに対応しても設けられていなくてもよい。
図8は、凸部80が配設されない最大幅範囲100の条件についての説明図である。図9は、凸部80が配設される最大幅範囲100の条件についての説明図である。凸部80は、最大幅範囲100のタイヤ周方向における大きさが、タイヤ周方向において隣り合う最大幅範囲100との間隔BRよりも大きい最大幅範囲100内には配設されなくてもよい。例えば、図8に示すように、ショルダーラグ溝30Cがタイヤ幅方向に延びつつ、タイヤ周方向に大きく湾曲する場合は、当該ショルダーラグ溝30Cのタイヤ周方向に両端に位置する周方向端部35同士の距離が大きくなるため、ショルダーラグ溝30Cの最大幅WGも大きくなる。このため、タイヤサイド面41における、この最大幅WGの範囲である最大幅範囲100も大きくなるが、この最大幅範囲100のタイヤ周方向における大きさ、即ち、最大幅WGが、タイヤ周方向において隣り合う最大幅範囲100との間隔BRよりも大きい場合には、当該最大幅範囲100内には、凸部80を配設しなくてもよい。
凸部80は、図9に示すように、最大幅範囲100のタイヤ周方向における大きさ、即ち、最大幅WGが、タイヤ周方向において隣り合う最大幅範囲100との間隔BR以下の最大幅範囲100内にのみ配設すればよい。ショルダーラグ溝30Cがタイヤ幅方向に延びつつ、タイヤ周方向に大きく湾曲したり傾斜したりする場合は、ショルダーラグ溝30Cが設けられることに起因するタイヤ周方向上の剛性差が小さくなるので、ショルダーラグ溝30Cの最大幅WGが、隣り合う最大幅範囲100との間隔BRよりも大きい場合には、最大幅範囲100内に凸部80を設けなくてもよい。
なお、最大幅範囲100のタイヤ周方向における大きさである最大幅WGが、タイヤ周方向における一方側で隣り合う最大幅範囲100との間隔BRより大きいが、タイヤ周方向における他方側で隣り合う最大幅範囲100との間隔BRよりも小さい場合には、その最大幅範囲100内には凸部80を配設するのが好ましい。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、凸部80は平面視において、タイヤ径方向側が長手方向となる略長方形の形状となって形成されているが、凸部80は、これ以外の形状で形成されていてもよい。図10は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、凸部80が正方形の形状で形成される場合の説明図である。図11は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、凸部80の長手方向がタイヤ周方向に形成される場合の説明図である。凸部80は、例えば、図10に示すように、タイヤ周方向における大きさWCとタイヤ径方向における大きさLCとが、ほぼ同じ大きさになることにより、平面視において略正方形の形状に形成されていてもよい。または、図11に示すように、タイヤ径方向における大きさLCよりも、タイヤ周方向における大きさWCの方が大きくなることにより、凸部80は、平面視における形状が、タイヤ周方向が長手方向側となる、略長方形の形状となって形成されていてもよい。凸部80は、ショルダーラグ溝30Cの大きさ等に基づいて、凸部列90に求められる剛性を実現できる形状であれば、各凸部80の形状は問わない。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1は、凸部列90を構成する凸部80全体が最大幅範囲100内に位置しているが、凸部80の全ての部分が、最大幅範囲100内に位置していなくてもよい。図12は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、凸部80の一部が最大幅範囲100から出ている場合の説明図である。凸部列90を構成する凸部80は、例えば、図12に示すように、各凸部80の一部が最大幅範囲100内に収まっておらず、最大幅範囲100の外に出ていてもよい。凸部80は、少なくとも頂点87が最大幅範囲100内に位置していればよい。凸部80は、頂点87が最大幅範囲100内に位置するように配設されることにより、ショルダーラグ溝30Cによって低下する剛性を補うことができる。
なお、このように凸部80の一部が最大幅範囲100の外に出る場合は、タイヤ周方向において隣り合う最大幅範囲100に配設される凸部80とは接触しないように配設される。即ち、異なる最大幅範囲100に配設される凸部80同士は、最大幅範囲100に対する配設位置や、最大幅WGに対する凸部80のタイヤ周方向における大きさWCに関わらず、必ずタイヤ周方向に離間して配設される。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、1つの最大幅範囲100に対して1つの凸部列90が配設されているが、1つの最大幅範囲100に対して複数の凸部列90が配設されていてもよい。この場合、少なくとも1つの凸部列90を構成する凸部80の頂点が、最大幅範囲100内に位置するように配設されていればよい。
〔実施例〕
図13A、図13Bは、空気入りタイヤ1の性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、空気入りタイヤ1のユニフォミティについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが245/40R18サイズの空気入りタイヤ1をJATMA標準リムのリムホイールにリム組みして、正規内圧を充填することにより行った。ユニフォミティの試験は、試験を行う空気入りタイヤ1において、タイヤユニフォミティJASO C607「自動車タイヤのユニフォミティ試験法」に規定の方法に準じてラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定する。そして、この測定結果に基づいて、後述する基準タイヤを100とした指数評価が行われる。この指数評価は、数値が大きいほど均一性がよく、ユニフォミティが優れていることを示している。
評価試験は、評価の基準となる空気入りタイヤである基準タイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜10との11種類の空気入りタイヤについて行った。これらの空気入りタイヤ1のうち、基準タイヤは、タイヤサイド面41に凸部80が設けられていない。これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜10は、全てタイヤサイド面41に凸部80が設けられている。また、実施例1〜10に係る空気入りタイヤ1は、ショルダーラグ溝30Cの最大幅WGに対する凸部80の底辺82の大きさWC、LCや、凸部80の高さHCが、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図13A、図13Bに示すように、実施例1〜10に係る空気入りタイヤ1は、基準タイヤと比較して高いユニフォミティ指数を得ることができ、ユニフォミティに優れることが分かった。つまり、実施例1〜10に係る空気入りタイヤ1は、ユニフォミティを向上させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 カーカス層
7 ベルト層
8 ベルト補強層
21 トレッド面
22 周方向主溝
23 陸部
30 ラグ溝
30C ショルダーラグ溝
31 内側端部
35 周方向端部
41 タイヤサイド面
80 凸部
82 底辺
83 周方向底辺
84 径方向底辺
85 斜辺
86 斜面
87 頂点
90 凸部列
100 最大幅範囲
CL タイヤ赤道面
T 接地端
WG 最大幅

Claims (6)

  1. トレッド面に形成され、タイヤ周方向に延びる周方向主溝と、
    前記トレッド面に形成され、タイヤ幅方向に延びて前記トレッド面の接地端と交差すると共に、タイヤ幅方向における内側端部が前記周方向主溝に開口するラグ溝と、
    タイヤ幅方向における両側に位置するタイヤサイド面に設けられ、角錐状の形状で形成されると共に底面が前記タイヤサイド面側に位置する向きで配設されて前記タイヤサイド面から突出する凸部と、
    を備え、
    前記ラグ溝における、前記内側端部から当該ラグ溝が交差する前記接地端までの範囲内でタイヤ周方向の両端に位置する部分同士のタイヤ周方向における距離を当該ラグ溝の最大幅とし、
    前記タイヤサイド面における、タイヤ幅方向の両側の前記接地端のうち当該タイヤサイド面が位置する側の前記接地端と交差する前記ラグ溝の前記最大幅のタイヤ周方向における範囲を最大幅範囲とする場合に、
    前記凸部は、角錐の頂点のタイヤ周方向における位置が前記最大幅範囲内に位置して複数がタイヤ径方向に並び、且つ、タイヤ径方向において隣り合う前記凸部同士で角錐の底辺同士を共有する凸部列を構成することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ラグ溝は、複数がタイヤ周方向に並んで配設されており、
    複数の前記ラグ溝は、タイヤ周方向において隣り合う前記ラグ溝同士のピッチが複数の大きさでタイヤ全周に亘って配設されており、
    前記凸部は、当該凸部の前記頂点をタイヤ周方向における範囲内に含む前記最大幅範囲に対応する前記ラグ溝の、隣り合う前記ラグ溝とのピッチが大きくなるに従って、タイヤ周方向における大きさが大きく、且つ、タイヤ径方向における大きさが大きくなって形成される請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記凸部は、タイヤ周方向における大きさ及びタイヤ径方向における大きさが、当該凸部の前記頂点をタイヤ周方向における範囲内に含む前記最大幅範囲に対応する前記最大幅の50%以上150%以下の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 1つの前記凸部列を構成する複数の前記凸部は、高さが同一である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凸部は、高さが0.5mm以上5.0mm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記凸部は、
    前記最大幅範囲のタイヤ周方向における大きさが、タイヤ周方向において隣り合う前記最大幅範囲との間隔よりも大きい前記最大幅範囲内には配設されず、
    前記最大幅範囲のタイヤ周方向における大きさが、タイヤ周方向において隣り合う前記最大幅範囲との間隔以下の前記最大幅範囲内に配設される請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
JP2016191173A 2016-09-29 2016-09-29 空気入りタイヤ Pending JP2018052318A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016191173A JP2018052318A (ja) 2016-09-29 2016-09-29 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016191173A JP2018052318A (ja) 2016-09-29 2016-09-29 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018052318A true JP2018052318A (ja) 2018-04-05

Family

ID=61835089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016191173A Pending JP2018052318A (ja) 2016-09-29 2016-09-29 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018052318A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020029120A (ja) * 2018-08-21 2020-02-27 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
CN113950418A (zh) * 2019-06-14 2022-01-18 株式会社普利司通 轮胎
EP4223562A1 (en) * 2022-02-03 2023-08-09 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020029120A (ja) * 2018-08-21 2020-02-27 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP7124553B2 (ja) 2018-08-21 2022-08-24 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
CN113950418A (zh) * 2019-06-14 2022-01-18 株式会社普利司通 轮胎
CN113950418B (zh) * 2019-06-14 2023-12-19 株式会社普利司通 轮胎
US11964513B2 (en) 2019-06-14 2024-04-23 Bridgestone Corporation Tire
EP4223562A1 (en) * 2022-02-03 2023-08-09 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5413500B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4984013B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5920532B2 (ja) 空気入りタイヤ
US11548321B2 (en) Pneumatic tire
JP6032240B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2019142509A1 (ja) 空気入りタイヤ
WO2015064248A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017024657A (ja) 空気入りタイヤ
JP2012144096A (ja) 空気入りタイヤ
JP2017024658A (ja) 空気入りタイヤ
JP6631003B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018052318A (ja) 空気入りタイヤ
JP2016155504A (ja) 空気入りタイヤ
JP7135331B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018079903A (ja) 空気入りタイヤ
WO2020196903A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6724317B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2013124046A (ja) 空気入りタイヤ
JP2018043553A (ja) 空気入りタイヤ
JP2019137340A (ja) 空気入りタイヤ
WO2020209114A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6874642B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6930130B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018154303A (ja) 空気入りタイヤ
JP6565559B2 (ja) 空気入りタイヤ