JP5849910B2 - カーテンシールドエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
ところで、上記したカーテンシールドエアバッグ装置にあっては、膨張展開したバッグ袋体の支持を十分なものとするために、バッグ袋体をアシストグリップのブラケットに引っ掛けるようにすることが考えられている。このようにバッグ袋体をアシストグリップのブラケットに引っ掛けるようにしておくと、膨張展開したバッグ袋体は、このブラケットにより吊り下げられて支持されることとなる。なお、このブラケットは、車両のフレームに対して固定されているため、この吊り下げられる支持力は十分に得られる。
他方、上記したバッグ袋体が膨張展開した場合には、この膨張展開されたバッグ袋体が所望の正規位置に配置されるようにしておきたい。このため、バッグ袋体に設けられる引掛け部は、ブラケットから適切に支持されるように、ブラケットに対しての隙間を無くすようにしておきたい。
第1の発明に係るカーテンシールドエアバッグ装置によれば、膨張展開した際のバッグ袋体の上部には引掛け部が設けられており、バッグ袋体は、引掛け部の引っ掛けによってブラケットに吊下げ可能にされている。これによって、引掛け部の引っ掛けによってブラケットにバッグ袋体を吊り下げて支持することができる。したがって、バッグ袋体を螺子固定に用いていた螺子固定部材等を無くすことができて部品点数を削減でき、カーテンシールドエアバッグ装置の設置費用を安価にすることができる。また、バッグ袋体を螺子固定させるための螺子固定作業も削減できて、設置作業の簡単化も図ることができる。
また、輪状の引掛け部は、ブラケットの突出形状に対して遊びを有して挿通可能に形成されているので、複数のブラケットのそれぞれが挿し通される複数の引掛け部のそれぞれは、挿し通されるそれぞれをブラケットの突出形状に対して相対的に動かすことができるようになっている。これによって、複数のブラケットのそれぞれを複数の引掛け部のそれぞれに挿し通すにあたって、それぞれの挿し通しに応じてそれぞれの引掛け部の位置をそれぞれの挿し通すブラケットに対して動かすことができる。したがって、引掛け部それぞれの挿し通しに関しての動きの干渉を無くすことができて、組み付ける際の作業性を良好に維持することができる。
これらをもって、複数の引掛け部に対して複数のブラケットのそれぞれを挿し通す際、お互いの配置位置に関する遊びを確保するようにして組み付ける際の作業性を良好に維持することができつつ、バッグ袋体が膨張展開した際に、このバッグ袋体が正規位置に配置されるようにバッグ袋体の膨張展開をガイドすることができる。
第3の発明に係るカーテンシールドエアバッグ装置は、前記第1または前記第2の発明に係るカーテンシールドエアバッグ装置において、前記ブラケットからの支持を受けるプロテクタを備え、前記プロテクタは、前記バッグ袋体の膨張展開の際に生ずる該バッグ袋体の膨張展開の反動力を支持することを特徴とする。この第3の発明に係るカーテンシールドエアバッグ装置によれば、ブラケットからの支持を受けるプロテクタは、バッグ袋体の膨張展開の際に生ずるバッグ袋体の膨張展開の反動力を支持する。これによって、バッグ袋体の膨張展開をプロテクタで受けて、バッグ袋体が所定の膨張展開となるように、より精確にガイドすることができる。
第2の発明に係るカーテンシールドエアバッグ装置によれば、カーテンシールドエアバッグ装置を設置するにあたり、位置決め作業等の設置作業を省略できて、設置作業の簡単化を図ることができる。
第3の発明に係るカーテンシールドエアバッグ装置によれば、バッグ袋体が所定の膨張展開となるように、より精確にガイドすることができる。
天井モジュール30は、車両の天井をなすように車体フレーム10に組み付けられる。この天井モジュール30は、概略、天井モジュール本体31と、カーテンエアバッグ40とを備える。このため、天井モジュール本体31のサイド部分には、カーテンエアバッグ40が組み付けられている。言い換えれば、カーテンエアバッグ40は、車体フレーム10に組み付けられる天井モジュール30の一部として天井モジュール本体31に組み込まれている。この天井モジュール本体31は、従前の天井モジュールとして構成されるものであり、成形天井32に対して不図示のモジュール部品(例えば、オーバーヘッドコンソール、ルームランプ等)が装備されている。この天井モジュール30を車体フレーム10に組み付けた後には、サンバイザー(不図示)、内装モール(不図示)、アシストグリップ35等が組み付けられる。
図4の分離斜視図は、図3の引掛け部62個所を拡大して示している。図5の組付け斜視図は、図4の引掛け部62組付け状態を示している。ルーフサイドレール15には、アシストグリップ35の配設個所に応じて、グリップブラケット20が設けられている。具体的には、図3に示すように、ルーフサイドレール15の片側にはアシストグリップ35が3個所で配設されるように設定されている。このグリップブラケット20は、アシストグリップ35を2点で支持するように、ルーフサイドレール15に対して並列して2つずつ設けられている。このようにして、ルーフサイドレール15に設けられるグリップブラケット20は、3つのアシストグリップ35の個数に応じて対をなす6個所にて設けられている。このグリップブラケット20は、本発明に係るブラケットに相当する。
グリップブラケット20は、図4に示すように、脚部21と、保持部23と、係止孔25と、係合支持部27とを備える。脚部21,21は、一側の端部22,22がルーフサイドレール15にスポット溶接されて、他側を車室内に向けて突き出させるように延びる構成となっている。保持部23には、アシストグリップ35の係止凸部38を係止させる係止孔25が設けられている。また、この係止孔25の上側には、抜け止めの返し形状を有する係合支持部27が設けられている。このグリップブラケット20は、脚部21にて後に説明するカーテンエアバッグ40の引掛け部62に挿通させることが可能な突出形状を有している。この脚部21,21による突出形状によって、後述する引掛け部62を引っ掛ける構造が確保されている。
カーテンエアバッグ40は、各図で示すように、概略、プロテクタ41と、バッグ袋体61と、インフレータ65(図3参照)とを備える。なお、バッグ袋体61は、袋状に形成されて内部に膨張流体が流入されるように形成されている。図示されるバッグ袋体61は、膨張展開する前の状態の巻き取られた状態となっている。インフレータ65は、このバッグ袋体61に流入させる膨張流体を生成する。
プロテクタ41は、図1に示すように、機能として、保持部42と、螺子固定部45と、引掛け支持部51とを備える。保持部42は、バッグ袋体61を保持するバッグ保持部421と、インフレータ65とを保持するインフレータ保持部422とを備える。これらのバッグ保持部421とインフレータ保持部422とには、適宜の螺子孔を有する螺子固定部45が設けられている。具体的に言えば、Aピラー12に対してはA螺子固定部451が螺子固定されるようになっており、Bピラー13に対してはB螺子固定部452が螺子固定されるようになっており、Cピラー14に対してはC螺子固定部453が螺子固定されるようになっている。このように保持部42と螺子固定部45とを有するプロテクタ41は、バッグ袋体61とインフレータ65とを保持した状態で、Aピラー12,Bピラー13,Cピラー14に対して、不図示の螺子部材を介して螺子固定される。
次に、引掛け保持部52について説明する。前後に2つ並べられる引掛け保持部52のそれぞれは、組付け部57により対称にされる構造を有する。このため、このように2つ並べられる引掛け保持部52は、互いが同一の構造にて形成されるため、図示では同一構造について同一符号を付している。この引掛け保持部52は、バッグ袋体61に一体で取り付けられる引掛け部62を保持する。この引掛け保持部52は、概略、把持部54と連通孔55とが設けられることにより構成される。把持部54は、引掛け部62の上端縁を把持するように構成される。この把持部54は、ヒンジ部541と、挟み板部542と、係止部543とにより構成される。すなわち、挟み板部542は、ヒンジ部541にて折り返されることにより引掛け部62を板状部材53と挟み込む。係止部543は、挟み板部542に対してヒンジ部541とは反対側に設けられている。係止部543は、板状部材53に対して嵌合する構造を有することにより係止する構造を有する。このようにして引掛け部62を挟み込んだ挟み板部542は、係止部543を係止させることにより、挟み板部542と板状部材53とによる引掛け部62の挟み込み状態を保持する。引掛け保持部52に設けられる連通孔55は、引掛け部62に設けられる引掛け孔63と連通する孔形状を有している。この連通孔55には、引掛け部62の引掛け孔63と同様、グリップブラケット20が挿し込まれる。
また、連通孔55の周縁の上側の部分は、この連通孔55に挿し込まれたグリップブラケット20のうちの係合支持部27が係止する。また、この連通孔55に挿し込まれたグリップブラケット20は、引掛け部62を保持する引掛け支持部51を支持する。つまり、グリップブラケット20は、プロテクタ41(引掛け支持部51)を含むカーテンエアバッグ40を支持することとなる。
組付け部57は、上記した引掛け保持部52をなす板状部材53に対して設けられている。この組付け部57は、天井モジュール本体31に向けて当接可能に車室内に向けて突き出す形状を有している。図6に示すように、組付け部57には、鋲部材59が係合する係合孔58が設けられている。組付け部57に天井モジュール本体31の成形天井32を挟み込むようにした状態で、鋲部材59を係合孔58に係合させる。このようにして、組付け部57により、引掛け支持部51は、天井モジュール本体31と一体化して留められる。なお、この天井モジュール本体31には、この鋲部材59を挿通させる適宜の挿通孔が設けられている。また、組付け部57は、対をなすグリップブラケット20,20同士の間に配置される。
この引掛け部62は、輪状をなすことにより、上記したグリップブラケット20の突出形状を遊びを有して挿通可能に形成される引掛け孔63が形成される。この引掛け孔63の孔形状の大きさは、上記したグリップブラケット20の突出形状が挿し込まれた際に、このグリップブラケット20の突出形状と引掛け孔63との間に遊びが設けられる大きさに設定されている。具体的には、引掛け孔63の開口形状は、グリップブラケット20の突出形状に対応した矩形の形状を有して形成されている。なお、この引掛け孔63をなす引掛け部62の外周縁も、矩形の形状を有して形成されている。このようにグリップブラケット20の突出形状を引掛け孔63に挿通させて、引掛け部62をグリップブラケット20に引っ掛けることとなると、バッグ袋体61はグリップブラケット20に吊り下げられることとなる。なお、この際、この引掛け部62を保持する引掛け保持部52の連通孔55にも、グリップブラケット20が挿通されているため、この引掛け保持部52もグリップブラケット20もブラケット20に引っ掛かることとなる。
具体的には、この膨出部64は、引掛け部62の下部において、外形が舌形状をなしつつ、膨張流体が流入可能な袋状にて設けられている。この膨出部64は、膨張流体が流入する前は単なる舌形状の外形をなしている。しかし、この膨出部64に膨張流体が流入すると、この膨出部64は、上側に向けて張り出すように膨らむこととなる。このように膨張した膨出部64は、上記したグリップブラケット20の脚部21に対して密着するように当接する。そうすると、この膨出部64は、グリップブラケット20から支持力を受けることができる。つまり、このようにグリップブラケット20から支持力を受ける膨出部64は、膨出部64以外のバッグ袋体61の膨張展開を支持することができるようになっている。
なお、上記した引掛け部62は、バッグ袋体61とは別の布状素材を数枚重ねて縫われることにより形成されるものであった。しかしながら、この引掛け部62は、バッグ袋体61の一部で構成されるものであってもよい。すなわち、この引掛け部62にあっても、バッグ袋体61と内部が連通する構成であってもよい。具体的に言えば、この引掛け部62にあっても、バッグ袋体61の内部と連通するバッグ袋体61の一部として袋状に形成されるものであってもよい。このように引掛け部62を形成した場合には、バッグ袋体61の内部に膨張流体が流入されるとともに、引掛け部62の内部にも膨張流体が流入することとなる。つまり、この引掛け部62も、バッグ袋体61と同様に膨張展開する。なお、この引掛け部62は、バッグ袋体61よりもインフレータ65に近接配置されている。このため、インフレータ65からの膨張流体は、バッグ袋体61に流入するよりも前に引掛け部62に流入され、バッグ袋体61よりも引掛け部62の方が先に膨張展開する。このように引掛け部62の方が先に膨張展開することとなると、引掛け部62はグリップブラケット20に密着することができて、グリップブラケット20からの支持を受ける。これによって、引掛け部62は、グリップブラケット20からの支持を受けながら、この後のバッグ袋体61の膨張展開をガイドすることができる。
このため、アシストグリップ35の係止凸部38は、グリップブラケット20の係止孔25に対して係止することとなる。この際、このアシストグリップ35は、天井モジュール本体31の成形天井32を挟み込むようにした状態で、グリップブラケット20の係止孔25に対して係止することにより、この天井モジュール本体31を車体フレーム10に組み付けた状態としている。なお、この天井モジュール本体に組み付けられるカーテンエアバッグ40の引掛け保持部52は、このグリップブラケット20にて支持されることとなる。これと同時に、この引掛け保持部52により保持される引掛け部62も、グリップブラケット20にて支持される。
ここで、引掛け部62の内周の下部に位置する部位には、膨張流体の流入によってバッグ袋体61の膨張展開と一緒に膨張する膨出部64が設けられている。この膨出部64は、このバッグ袋体61の膨張展開とともに、上側に膨らみ出るようにして張り出される。このように膨張した膨出部64は、上記したグリップブラケット20の脚部21に対して密着するように当接する。そうすると、この膨出部64を介して、バッグ袋体61は、グリップブラケット20からの支持が受けられるようになる。このようにグリップブラケット20から支持力を受ける膨出部64は、膨出部64以外のバッグ袋体61の膨張展開を支持することができる。これによって、正規位置にならうようにバッグ袋体61の膨張展開をガイドすることができる。
11 フロントピラー
12 Aピラー
13 Bピラー
14 Cピラー
15 ルーフサイドレール
20 グリップブラケット
21 脚部
22 端部
23 保持部
25 係止孔
27 係合支持部
30 天井モジュール
31 天井モジュール本体
32 成形天井
35 アシストグリップ
36 グリップ本体
37 回動軸
38 係止凸部
40 カーテンエアバッグ
41 プロテクタ
42 保持部
421 バッグ保持部
422 インフレータ保持部
45 螺子固定部
451 A螺子固定部
452 B螺子固定部
453 C螺子固定部
51 引掛け支持部
52 引掛け保持部
53 板状部材
531,532 折り曲げ部
533,534 支持突出片
535 ガイドリブ
54 把持部
541 ヒンジ部
542 挟み板部
543 係止部
55 連通孔
57 組付け部
58 係合孔
59 鋲部材
61 バッグ袋体
62 引掛け部
63 引掛け孔
64 膨出部
65 インフレータ
Claims (3)
- 自動車等の車両に設置されるカーテンシールドエアバッグ装置であって、
該カーテンシールドエアバッグ装置は、袋状に形成されて内部に膨張流体が流入されるバッグ袋体と、該バッグ袋体に流入させる膨張流体を生成するインフレータとを備え、
膨張展開した際の前記バッグ袋体の上部には、車体フレームに固定されるブラケットの突出形状を遊びを有して挿通可能に形成される輪状の引掛け部が設けられており、
前記バッグ袋体は、前記引掛け部を前記ブラケットの突出形状を挿通させて引っ掛けることにより該ブラケットに吊下げ可能に構成されており、
前記引掛け部の内周の少なくとも一部分には、前記膨張流体の流入によって前記バッグ袋体の膨張展開と一緒に膨張する膨出部が設けられており、
前記膨出部は、膨張により前記ブラケットと密着して該ブラケットからの支持が受けられるようになっていることを特徴とするカーテンシールドエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のカーテンシールドエアバッグ装置において、
前記カーテンシールドエアバッグ装置は、前記車体フレームに組み付けられる天井モジュールの一部として該天井モジュール本体に組み込まれることを特徴とするカーテンシールドエアバッグ装置。 - 請求項1または請求項2に記載のカーテンシールドエアバッグ装置において、
前記ブラケットからの支持を受けるプロテクタを備え、
前記プロテクタは、前記バッグ袋体の膨張展開の際に生ずる該バッグ袋体の膨張展開の反動力を支持することを特徴とするカーテンシールドエアバッグ装置。
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