JP5834653B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関する。
不飽和結合を有するポリエステル樹脂、及び、光重合開始剤を含有するポリエステルトナーにおいて、定着後の画像を紫外乃至可視領域の波長を有する光で照射することにより架橋に伴う硬化反応が進行し、画像保存性が向上するトナーが提案されている。
具体的には、高温下における印字のオフセットが抑制された堅牢な画像が得られるトナー組成物を提供するため、非晶質樹脂、結晶質樹脂、およびそれらの混合物からなる群より選択される不飽和ポリマ樹脂と、任意成分の着色剤と、任意成分のワックスと、任意成分の凝集剤と、前記不飽和ポリマ樹脂の架橋を開始させることが可能な光重合開始剤と、を含むトナー粒子を含有する、エマルションアグリゲーショントナー組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、熱衝撃に暴露された後の熱クラッキングに抵抗性を有し、引っ掻きを伴わない(without scratching)、加熱、太陽光、加圧および、研磨剤(abrasives)に耐えることができ、上書きが可能であり、印字のオフセットに抵抗性を有するような、トナーベースの印刷物のためのオーバープリント組成物を提供するため、少なくとも1種のオリゴマーと、少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の光重合開始剤と、少なくとも1種の界面活性剤と、を含む、放射線硬化性オーバープリント組成物であって、オーバープリント組成物でコーティングした印刷物を硬化させれば、前記コートされた印刷物を、熱衝撃の後に熱クラッキングを実質的に示さないようにすることが可能である、放射線硬化性オーバープリント組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、光重合開始剤を配合しない紫外線硬化型インクと組み合わせて使用して、この紫外線硬化型インク層の特定箇所を硬化するために使用できる、光重合成分を含まない電子写真方式で用いられるトナーを提供するため、電子写真方式で用いられるトナーであって、光重合開始剤とバインダ樹脂成分を主成分とすることを特徴とする光重合開始剤含有トナーが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、定着強度が高く、長期にわたって印刷物の画質劣化がない静電荷像現像用トナーを提供するため、ラジカル重合性の不飽和結合を有する結着樹脂からなるトナーであり、紫外線を照射することによる架橋反応でTHF不溶成分を増加させることを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、トナーを非接触で容易に定着でき、印刷回数をさらに増やして鮮明な画像を高速に印刷できるトナーを提供するため、被印刷体に転写し定着させる樹脂組成物を主成分とするトナーであって、前記樹脂組成物が、エネルギー線照射により硬化するエネルギー線硬化型樹脂組成物であることを特徴とするトナーが開示されている(例えば、特許文献5参照)。
また、高速での画像形成が可能であるとともに、記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れ、かつ、定着ムラの無い液体現像剤、およびかかる液体現像剤を用いた画像形成方法を提供するため、トナー粒子と、エポキシ変性化合物およびアクリル変性化合物を含む絶縁性液体と、カチオン型光重合開始剤と、ラジカル型光重合開始剤とを含むことを特徴とする液体現像剤が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
また、高速での画像形成が可能であるとともに、記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れた液体現像剤を提供するため、トナー粒子と、主としてエポキシ変性化合物で構成された絶縁性液体と、カチオン型光重合開始剤とを含むことを特徴とする液体現像剤が開示されている(例えば、特許文献7参照)。
特開2008−203853号公報 特開2006−011379号公報 特開2004−151145号公報 特開2002−365846号公報 特開2000−284527号公報 特開2009−237164号公報 特開2009−258591号公報
本発明は、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有しない場合に比較して、強度の高い画像が形成される静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
即ち、請求項1に係る発明は、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上40モル%以下であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上40モル%以下であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有する静電荷像現像用トナーである。
請求項2に係る発明は、前記アルケニルコハク酸由来の繰り返し単位が、ドデセニルコハク酸由来の繰り返し単位である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項3に係る発明は、前記光重合開始剤が、融解温度が60℃以上のアルキルフェノン系化合物及び融解温度が60℃以上のアシルフォスフィンオキサイド系化合物の少なくとも一方である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項4に係る発明は、前記アルキルフェノン系化合物が、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンであり、前記アシルフォスフィンオキサイド系化合物が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドである請求項3に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項5に係る発明は、前記光重合開始剤の25℃の水への溶解度が、0.1質量%未満である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項7に係る発明は、トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
請求項8に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジである。
請求項9に係る発明は、感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記感光体上に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写した前記トナー像を前記被転写体上に定着する定着手段と、前記被転写体上に定着した前記トナー像に光を照射する光照射手段と、を有する画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有しない場合に比較して、強度の高い画像が形成される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、アルケニルコハク酸由来の繰り返し単位がドデセニルコハク酸由来の繰り返し単位ではない場合に比較して、画像強度がさらに向上する。
請求項3に係る発明によれば、光重合開始剤が、融解温度が60℃以上のアルキルフェノン系化合物及び融解温度が60℃以上のアシルフォスフィンオキサイド系化合物のいずれでもない場合に比較して、画像強度がさらに向上する。
請求項4に係る発明によれば、アルキルフェノン系化合物が、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンではなく、前記アシルフォスフィンオキサイド系化合物が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドではない場合に比較して、画像強度がさらに向上する。
請求項5に係る発明によれば、光重合開始剤の25℃の水への溶解度が、0.1質量%以上である場合に比較して、乳化凝集法によりトナーを製造した場合に、画像強度の低下を抑制することができる。
請求項6に係る発明によれば、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有しない場合に比較して、強度の高い画像が形成される静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤が提供される。
請求項7に係る発明によれば、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有しない場合に比較して、強度の高い画像が形成される静電荷像現像用トナーの供給を容易にするトナーカートリッジが提供される。
請求項8に係る発明によれば、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有しない場合に比較して、強度の高い画像が形成される静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性が高められる。
請求項9に係る発明によれば、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有する静電荷像現像用トナー、及び、被転写体上に定着したトナー像に光を照射する光照射手段の少なくとも一方を用いない場合に比較して、強度の高い画像が形成される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)は、ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であるポリエステル樹脂(以下、特定のポリエステル樹脂と称することがある。)と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有する。
本実施形態のトナーは、必要に応じて着色剤、離型剤、外添剤その他の成分を含有してもよい。
本実施形態で用いられる特定のポリエステル樹脂は、酸成分由来の繰り返し単位としてフマル酸由来の繰り返し単位とアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位とを含有する。フマル酸及びアルケニルコハク酸には重合可能な炭素−炭素二重結合(不飽和結合)が含まれることから、特定のポリエステル樹脂はその主鎖及びアルケニルコハク酸由来の側鎖に重合可能な不飽和結合を有することとなる。本実施形態のトナーは特定のポリエステル樹脂と共に光重合開始剤を含有することから、光照射により特定のポリエステル樹脂に含まれる不飽和結合間で重合反応が生じ、特定のポリエステル樹脂が硬化する。
ここで、硬化反応に用いられる樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、の4種類に大別される。これらのうち、不飽和ポリエステル樹脂はその他3種類の樹脂系とは異なり、反応性および物性調整性の理由から架橋を促進させる作用を有する多官能モノマーを用いることが困難な場合がある。
このため、不飽和ポリエステルは主鎖の不飽和結合のみを利用して架橋反応を起こし、硬化作用を付与するのが一般的である。具体的には、ポリエステル樹脂の構成モノマーにフマル酸などを用いることにより、主鎖に不飽和結合を導入する方法が提案されている。
しかし、主鎖の不飽和結合のみで硬化させた場合には、架橋密度が上がりにくいため、トナー画像の画像強度を向上させることが困難な場合があった。
なお、ポリエステル樹脂を結着樹脂として含むトナーは、その他3種類の樹脂系を結着樹脂として含むトナーに比較して、定着性、特に画像の可撓性の点で優れる。
本実施形態で用いられる特定のポリエステル樹脂は、主鎖の不飽和結合に加えて側鎖にも不飽和結合を有することから架橋密度が上がりやすい。そのため、本実施形態のトナーを用いることで強度の高い画像が形成される。
−特定のポリエステル樹脂−
本実施形態のトナーは結着樹脂として特定のポリエステル樹脂を含有する。本実施形態で用いられる特定のポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が45℃以上であり、酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上であり、酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上である。
特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度は、45℃以上とされる。特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度が45℃未満であると、トナーの熱保管性の問題を生ずることがある。特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度は50℃以上が好ましい。また、定着性(最低定着温度)の理由から特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度は65℃以下が好ましい。
特定のポリエステル樹脂は、例えば、主として酸成分とアルコール成分との縮重合により得られる。酸成分とアルコール成分とが縮重合することで生ずる該酸成分の残基が酸成分由来の繰り返し単位に該当する。
特定のポリエステル樹脂における酸成分由来の繰り返し単位に占める、フマル酸由来の繰り返し単位の割合及びアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合は、共に10モル%以上となるように調整される。
フマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%未満であると、主鎖骨格に由来する架橋形成の不足に起因した画像強度不足の問題を生ずることがある。また、アルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%未満であると、側鎖に由来する架橋形成の不足に起因した画像強度不足の問題を生ずることがある。
酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合は、25モル%以上が好ましい。また、酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合は、25モル%以上が好ましい。
酸成分由来の繰り返し単位に占める、フマル酸由来の繰り返し単位の割合とアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合との比は特に限定されるものではないが、例えば、これらのモル比(フマル酸由来の繰り返し単位:アルケニルコハク酸由来の繰り返し単位)として5:1乃至1:5が好ましく4:1乃至1:4がさらに好ましい。
フマル酸由来の繰り返し単位の割合及びアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合の上限は特に限定されず、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が45℃以上となるように設定されるが、例えば、酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合は、40モル%以下が好ましく、酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合は、40モル%以下が好ましい。
本実施形態において、アルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の元となるアルケニルコハク酸としては、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸等が挙げられる。
本実施形態においては、アルケニルコハク酸由来の繰り返し単位として、ドデセニルコハク酸由来の繰り返し単位が好ましい。これは、酸成分であるドデセニルコハク酸の反応が好ましく進行すると共に入手容易であることによる。
本実施形態においては、特定のポリエステル樹脂を合成する際に酸成分として少なくともフマル酸とアルケニルコハク酸とが用いられるが、特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度の調整のため、必要に応じてその他の酸成分を併用してもよい。その他の酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;マレイン酸、コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。また、良好なる定着性を確保することを目的として、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用してもよい。
本実施形態において使用可能なアルコール成分の例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これらアルコール成分は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらアルコール成分の中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、より良好なる定着性を確保することを目的として、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)を併用してもよい。
なお、酸成分とアルコール成分との重縮合によって得られた特定のポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、および/またはモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、および/またはカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等が挙げられる。モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどが挙げられる。
特定のポリエステル樹脂の酸価は、5mgKOH/g以上25mgKOH/g以下が好ましい。5mgKOH/g以上あれば、トナーの紙への親和性がよく、帯電性も良い。また、後述する乳化凝集法によりトナーを製造した場合に、乳化粒子を作製し易く、また乳化凝集法の凝集工程における凝集速度や融合工程における形状変化速度が著しく速くなることを抑えることができるため、粒度制御や形状制御を行い易い。また、ポリエステル樹脂の酸価が25mgKOH/g以内であれば、帯電の環境依存性に悪影響を及ぼさない。また乳化凝集法でのトナー製造における凝集工程での凝集速度や融合工程での形状変化速度が著しく遅くなることを抑えることができるため、生産性の低下を防止することができる。
ポリエステル樹脂の酸価は、6mgKOH/g以上23mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
特定のポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000以上1000000以下であることが好ましく、更に好ましくは7000以上500000以下であり、数平均分子量(Mn)は2000以上100000以下であることが好ましく、分子量分布Mw/Mnが1.5以上100以下であることが好ましく、更に好ましくは2以上60以下である。
本実施形態に用いられる特定のポリエステル樹脂は酸成分とアルコール成分とを常法に従って縮合反応させることによって製造してもよい。例えば、上記酸成分とアルコール成分、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150℃以上250℃以下で加熱し、副次的に生成する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、予め定められた酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物が取得される。
酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、高分子量化するためには通常1/1程度が好ましい。
ポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01質量%以上1.00質量%以下の範囲で使用される。
本実施形態においては、特定のポリエステル樹脂と共に、その他の樹脂を結着樹脂として併用してもよい。本実施形態のトナーに用いられるその他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。
これらその他の樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でもビニル系樹脂を用いてもよい。
ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合により樹脂粒子分散液が容易に調製される点で有利である。前記ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマーが挙げられる。
本実施形態のトナー中における特定のポリエステル樹脂の含有量は、50質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がさらに好ましい。
−光重合開始剤−
本実施形態のトナーは光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下含有する。光重合開始剤の含有量が0.5質量%未満であると、トナー画像の硬化が不十分で画像強度が確保できないことがある。また、光重合開始剤の含有量が10質量%を超えると、帯電性悪化および熱保管性悪化の問題を生ずることがある。
光重合開始剤の含有量は、2質量%以上8質量%以下が好ましい。
本実施形態で用いられる光重合開始剤は、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。ラジカル重合開始剤を用いることで、特定のポリエステル樹脂に含まれる不飽和結合間の重合反応が効果的に促進される。
光重合開始剤の25℃の水への溶解度は0.1質量%未満が好ましい。25℃の水への溶解度が0.1質量%未満であれば、後述する乳化凝集法によりトナーを製造した場合に、光重合開始剤が水相に移動しにくくなり、トナー中に光重合開始剤を含有させることが可能となり、画像強度を増加させることが出来るようになる。
光重合開始剤の種類は特に限定されるものではなく、アルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ジアゾニウム系化合物、スルホニウム塩系化合物、ヨードニウム塩系化合物、セレニウム塩系化合物等の通常の光重合開始剤が使用できる。
これらの中でも、融解温度が60℃以上のアルキルフェノン系化合物及び融解温度が60℃以上のアシルフォスフィンオキサイド系化合物の少なくとも一方を用いることが好ましい。光重合開始剤の融解温度が60℃以上であれば、後述する乳化凝集法によりトナーを製造した場合に、凝集粒子を作成する段階における樹脂粒子等の凝集制御が容易になる。また、光重合開始剤としてアルキルフェノン系化合物及びアシルフォスフィンオキサイド系化合物の少なくとも一方を用いることで、トナーの画像強度を向上させることができる。
アルキルフェノン系化合物の具体例としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等が挙げられ、これらの中でも、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ベンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられ、これらの中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンは365nm付近から短波長側に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドは435nm付近から短波長側に、吸収をもつ。ここで、光照射手段により照射される光は波長が短いほど散乱しやすいため、照射光のうち、短波長の光はトナー画像内部に進入しにくく、長波長の光はトナー画像内部に進入しやすい。そのため、より長波長側に吸収を持つビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドはトナー画像内部を硬化しやすく、より短波長側に吸収を持つ2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンはトナー画像の表面を硬化しやすい。そこで、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンとビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドとを併用することで、トナー画像の内部及び表面を硬化することが可能となる。
−着色剤−
本実施形態のトナーは必要に応じて着色剤を含有してもよい。
着色剤は、染料であっても顔料であっても構わないが、耐光性や耐水性の観点から顔料であることが好ましい。
例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用される。
本実施形態のトナーにおける、着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましい。
必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
−離型剤−
本実施形態のトナーは、必要に応じて離型剤を含有してもよい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の融解温度は、50℃以上100℃以下が望ましく、60℃以上95℃以下がより望ましい。
トナー中の離型剤の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。離型剤の含有量が0.5質量%以上あれば、特にオイルレス定着の場合における剥離不良が防止される。離型剤の含有量が15質量%以下であれば、トナーの流動性の悪化が防止されるので、画質および画像形成の信頼性が保たれる。
−その他の添加剤−
本実施形態のトナーには、上記したような成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加してもよい。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
無機粒子としては、種々の目的のために添加されるが、トナーにおける粘弾性調整のために添加されてもよい。この粘弾性調整により、画像光沢度や紙への染み込みが調整される。無機粒子は、例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用してもよいが、発色性やOHP透過性等の透明性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましく用いられる。また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
−外添剤−
本実施形態のトナーには無機粒子や有機粒子で構成される外添剤を添加してもよい。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン(チタニア)、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ粒子や酸化チタン粒子であってもよく、疎水化処理された粒子であってもよい。
無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。前記無機粒子の1次粒径としては、1nm以上200nm未満が好ましく、その添加量としては、トナー100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下であってもよい。
また、有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用される。有機粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
−トナーの諸物性−
トナーの融解温度は、特に限定されるものではないが、45℃以上110℃以下の範囲内であってもよく、60℃以上90℃以下の範囲内であってもよい。
融解温度が、トナーの保存時や画像とした後に曝される一般的な高温環境下の下限温度に相当する45℃未満であると、ブロッキングを起こしやすくなる場合がある。トナーは、融解温度を境にして粘度が低下するために、融解温度以上の温度環境下で保存されるとブロッキングを起こしてしまうためである。一方、融解温度が110℃を超える場合には、低温定着が困難となる場合がある。
この融解温度はJIS K−7121に基いて入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求められる。
本実施形態のトナーの体積平均粒径としては、1μm以上20μm以下であってもよく、2μm以上8μm以下であってもよく、また、個数平均粒径としては、1μm以上20μm以下であってもよく、2μm以上8μm以下であってもよい。
ここで、体積平均粒径および個数平均粒径は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として界面活性剤、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下の範囲で加える。これを電解液100mlないし150mlの中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2μm以上50μm以下の範囲にある粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
このようにして測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を累積体積粒径D16v、累積数粒径D16p、累積50%となる粒径を累積体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を累積体積粒径D84v、累積数粒径D84pと定義する。
ここで、体積平均粒径は累積体積平均粒径D50vとして求められ、個数平均粒径は累積数平均粒径D50pとして求められる。
本実施形態のトナーは、形状係数SF1が115以上140以下の範囲の球状であることが好ましい。
トナーの形状は、球状トナーが現像性、転写性の点では有利であるが、クリーニング性の面では不定形に比べ劣ることがある。トナーが上記範囲の形状であることにより、転写効率、画像の緻密性が向上し、高画質な画像形成が行われ、また、感光体表面のクリーニング性が高まる。
上記形状係数SF1は、120以上138以下の範囲であることがより好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
<トナーの製造方法>
本実施形態のトナーの製造方法は特に限定されず、公知である混練・粉砕製法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によって作製される。これらの方法の中でも、コアシェル構造のトナーを作成容易な乳化凝集法が好ましい。以下、乳化凝集法による本実施形態のトナーの製造方法について詳しく説明する。
乳化凝集法においては、トナーを構成する各材料を水系分散液に分散させた分散液(樹脂粒子分散液等)を準備する(乳化工程)。続いて、樹脂粒子分散液や、その他必要に応じて用いられる各種の分散液(着色剤分散液や離型剤分散液等)を混合して原料分散液を準備する。
次に、原料分散液中で、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、凝集粒子を融合する融合工程とを経て、トナー粒子を得る。なお、コア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層とを有するいわゆるコアシェル構造型のトナーを作製する場合には、凝集粒子形成工程を終えた後の原料分散液に、樹脂粒子分散液を添加して(トナー化した際にコア粒子となる)凝集粒子表面に樹脂粒子を付着させて(トナー化した際にシェル層となる)被覆層を形成する被覆層形成工程を実施し、その後に融合工程を実施する。なお、被覆層形成工程に用いる樹脂成分は、コア粒子を構成する樹脂成分と同一であっても異なっていてもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
−乳化工程−
凝集粒子形成工程に用いる原料分散液を準備するために、乳化工程では、トナーを構成する主要な材料を、水系媒体中に分散させた乳化分散液を調整する。以下、樹脂粒子分散液や、着色剤分散液、離型剤分散液等について説明する。
−樹脂粒子分散液−
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径は、0.01μm以上1μm以下であってもよく、0.03μm以上0.8μm以下であってもよく、0.03μm以上0.6μmであってもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易くなる場合がある。一方、体積平均粒径が上記範囲内であれば前記欠点がない上、トナー間の組成偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
なお、樹脂粒子等、原料分散液中に含まれる粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定される。
樹脂粒子分散液やその他の分散液に用いられる分散媒としては、水系媒体であってもよい。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておいてもよい。
界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用されてもよい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等のイオン性界面活性剤が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、中和によりアニオン型となり得る官能基を含有しているため自己水分散性をもっており、親水性となり得る官能基の一部又は全部が塩基で中和された、水性媒体の作用下で安定した水分散体を形成する。
ポリエステル樹脂において中和により親水性基と成り得る官能基はカルボキシル基やスルホン酸基等の酸性基である為、中和剤としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−nプロピルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン等のアミン類等が挙げられ、これらから選ばれるところの1種または2種以上を使用してもよい。これらの中和剤を添加することによって、乳化の際のpHを中性に調節し、得られるポリエステル樹脂分散液の加水分解が防止される。
ポリエステル樹脂を用いて樹脂粒子分散液を調整する場合は、転相乳化法を利用してもよい。なお、ポリエステル樹脂以外の結着樹脂を用いて樹脂粒子分散液を調整する場合にも転相乳化法を利用してもよい。転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散安定化する方法である。
この転相乳化に用いられる有機溶剤としては例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が例示される。これらの溶剤は単一でも、また2種以上を併用して使用してもよい。
転相乳化に用いる有機溶媒の溶媒量に関しては、樹脂の物性により所望の分散粒径を得るための溶媒量が異なるため、一概に決定することは困難である。しかし、本実施形態において、錫化合物触媒の樹脂中の含有量が通常のポリエステル樹脂に対して多量である場合には、樹脂重量に対する溶媒量は比較的多くてもよい。溶媒量が少ない場合には乳化性が不十分となり、樹脂粒子の粒径の大径化や粒度分布のブロード化等が発生する場合がある。
また、この転相乳化の際に分散粒子の安定化や水系媒体の増粘防止を目的として、分散剤を添加してもよい。該分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの等の水溶性高分子、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。これらの分散剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。分散剤は、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下添加してもよい。
転相乳化の際の乳化温度は、有機溶剤の沸点以下でかつ、結着樹脂の融解温度あるいはガラス転移温度以上であればよい。乳化温度が結着樹脂の融解温度あるいはガラス転移温度未満の場合、樹脂粒子分散液を調整することが困難となる。なお、有機溶剤の沸点以上で乳化する場合は、加圧密閉された装置で乳化を行えば良い。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量は通常、5質量%以上50質量%以下であってもよく、10質量%以上40質量%以下であってもよい。含有量が前記範囲外にあると、樹脂粒子の粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
−着色剤分散液−
着色剤分散液を調整する際の分散方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用してもよく、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用して着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用して着色剤の有機溶剤分散液を調製したりしてもよい。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いてもよい。
また、原料分散液を調整する際に、着色剤分散液は、その他の粒子を分散させた分散液と共に一度に混合してもよいし、分割して多段回で添加混合してもよい。
着色剤分散液に含まれる着色剤の含有量は通常、5質量%以上50質量%以下であってもよく10質量%以上40質量%以下であってもよい。含有量が前記範囲外にあると、着色剤粒子の粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
−離型剤分散液−
離型剤分散液は、離型剤を水中にイオン性界面活性剤等と共に分散し、離型剤の融解温度以上に加熱し、ホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて強い剪断力を印加することにより調製される。これにより、体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を分散させる。また、離型剤分散液における分散媒としては、結着樹脂に用いる分散媒と同様のものを用いてもよい。
なお、結着樹脂や着色剤等を分散媒と混合して、乳化・分散させる装置としては、公知のものが利用でき、例えばホモミキサー(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニー)などの連続式乳化分散機等が利用される。
なお、目的に応じて、結着樹脂分散液に、既述した離型剤、内添剤、帯電制御剤、無機粉体等の成分を分散させておいても良い。
また、結着樹脂、着色剤、離型剤以外のその他の成分の分散液を調整する場合、この分散液中に分散する粒子の体積平均粒径としては、通常1μm以下であればよく、0.01μm以上0.5μm以下であってもよい。体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招きやすくなる場合がある。一方、体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり性能や信頼性のばらつきが小さくなる点で有利である。
−凝集粒子形成工程−
凝集粒子形成工程においては、樹脂粒子分散液の他に、通常は着色剤分散液及び離型剤分散液を加え、必要に応じて添加されるその他の分散液を少なくとも混合して得られた原料分散液に対して、凝集剤を更に添加して加熱し、これらの粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。なお、樹脂粒子が結晶性ポリエステル等の結晶性樹脂である場合には、結晶性樹脂の融解温度付近(±20℃)の温度で、且つ、融解温度以下の温度にて加熱し、これらの粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
凝集粒子を形成する際に、原料分散液中に光重合開始剤が添加されてもよい。
凝集粒子の形成は、回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温で凝集剤を添加し、原料分散液のpHを酸性にすることによってなされる。また、加熱による急凝集を抑える為に、室温で攪拌混合している段階でpH調整を行ない、必要に応じて分散安定剤を添加してもよい。
なお、本実施形態において「室温」とは25℃をいう。
凝集粒子形成工程に用いられる凝集剤は、原料分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、すなわち無機金属塩の他、2価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上する。
また、凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
ここで、無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
また、キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。非水溶性のキレート剤では、原料分散液中への分散性に乏しく、トナー中において凝集剤に起因する金属イオンの捕捉が充分になされなくなる場合がある。
キレート剤としては、公知の水溶性キレート剤であれば特に限定されないが、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などを好適に用いてもよい。
キレート剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下の範囲内であってもよく、0.1質量部以上3.0質量部未満であってもよい。キレート剤の添加量が0.01質量部未満であるとキレート剤添加の効果が発現しなくなる場合がある。一方、5.0質量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼす他、トナーの粘弾性も劇的に変化するため、低温定着性や画像光沢性に悪影響を与える場合がある。
なお、キレート剤は、凝集粒子形成工程や被覆層形成工程の実施中や実施前後において添加されるものであるが、添加に際して原料分散液の温度調整は必要なく、室温のまま加えてもよいし、凝集粒子形成工程や被覆層形成工程での槽内温度に調節した上で加えてもよい。
−被覆層形成工程−
凝集粒子形成工程を経た後には、必要であれば被覆層形成工程を実施してもよい。被覆層形成工程では、上記した凝集粒子形成工程を経て形成された凝集粒子の表面に、被覆層形成用の樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成する。これにより、いわゆるコアシェル構造を有するトナーが得られる。
被覆層の形成は、凝集粒子形成工程において凝集粒子(コア粒子)を形成した原料分散液中に、通常、樹脂粒子分散液を追添加することにより行われる。
なお、被覆層形成工程を終えた後は、融合工程が実施されるが、被覆層形成工程と融合工程とを交互に繰り返し実施することにより、被覆層を多段階に分けて形成してもよい。
−融合工程−
凝集粒子形成工程、あるいは、凝集粒子形成工程および被覆層形成工程を経た後に実施される融合工程では、これらの工程を経て形成された凝集粒子を含む懸濁液のpHを6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
そして、凝集の進行を停止させた後、加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。結着樹脂の融解温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させてもよい。
−洗浄、乾燥工程等−
凝集粒子の融合工程を終了した後、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は塩酸、硫酸、硝酸等の強酸の水溶液でトナー粒子に付着した分散剤を除去後、ろ液が中性になるまでイオン交換水などで洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点からスプレードライ乾燥、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が用いられる。
乾燥工程では、トナー粒子の乾燥後の含水分率を1.0質量%以下に調整してもよく、0.5質量%以下に調整してもよい。
また、乾燥後のトナー粒子には、既述した種々の外添剤を必要に応じて添加してもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」と称することがある。)は、本実施形態のトナーを含むものであれば特に限定されず一成分現像剤あるいは二成分現像剤のいずれであってもよい。二成分現像剤として用いる場合にはトナーと、キャリアとを混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であってもよい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上500μm以下であり、30μm以上100μm以下であってもよい。
またキャリアの芯材の表面を樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
前記二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲であってもよく、3:100乃至20:100程度の範囲であってもよい。
<画像形成装置>
次に、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを用いた本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記感光体上に形成された前記静電荷像を本実施形態の現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写した前記トナー像を前記被転写体上に定着する定着手段と、前記被転写体上に定着した前記トナー像に光を照射する光照射手段と、を有するものである。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本実施形態の現像剤を収容する本実施形態に係るプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Y上に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Y上に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。
現像効率、画像粒状性、階調再現性等の観点から、直流成分に交流成分を重畳させたバイアス電位(現像バイアス)を現像剤保持体に付与してもよい。具体的には、現像剤保持体直流印加電圧Vdcを−300乃至−700Vとしたとき、現像剤保持体交流電圧ピーク幅Vp−pを0.5乃至2.0kVの範囲としてもよい。
イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写位置へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
次いで、記録紙P上へ定着されたトナー像に対して、光照射手段32から光が照射される。これにより、トナー像を構成する特定のポリエステル樹脂に含まれる不飽和結合が光重合開始剤の作用により重合反応を生じ、特定のポリエステル樹脂が硬化する。重合反応を促進するためにはトナー像に光が照射される際のトナー像の粘度は低いことが好ましい。そのため、定着装置28による定着後速やかに光照射手段32からトナー像に光が照射されることが望ましい。
光照射手段32により照射される光の波長としては、トナー中に含まれる光重合開始剤が重合反応を生じさせることのできる波長が選択され、例えば、280nm以上440nm以下とされる。
また、光照射手段32としては、光重合開始剤による重合反応を生じさせることのできる波長の光を照射可能であれば特に限定されず、例えば、メタルハライドランプ(波長範囲:200nm以上600nm以下)、もしくは、LED−UVであれば選択波長は365/375/385nmのいずれかが挙げられる。
トナー像を転写する被転写体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、現像装置111とともに、感光体107、帯電ローラ108、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、光照射手段120と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
図2で示すプロセスカートリッジ200では、感光体107、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態に係る静電荷像現像用トナーとしたものである。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを収めたトナーカートリッジを利用することにより、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーが容易に現像装置に供給される。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準であり、また「部」は「質量部」である。
(ポリエステル樹脂1の合成)
テレフタル酸2260部、ドデセニルコハク酸428部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物3950部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物1580部、及びエステル化触媒を、230℃、101.3kPaにて12時間反応させ、さら10kPaにて0.5時間反応させた。190℃まで冷却してフマル酸185部を添加し、210℃まで3時間かけて昇温した後、7.5kPaにて所望の軟化点まで反応させ、ポリエステル樹脂1を得た。
(ポリエステル樹脂2の合成)
ポリエステル樹脂1の合成において、テレフタル酸1860部、ドデセニルコハク酸1070部、とした以外は同様の方法で、ポリエステル樹脂2を得た。
(ポリエステル樹脂3の合成)
ポリエステル樹脂1の合成において、テレフタル酸1460部、ドデセニルコハク酸1710部、とした以外は同様の方法で、ポリエステル樹脂3を得た。
(ポリエステル樹脂4の合成)
ポリエステル樹脂1の合成において、テレフタル酸1460部、フマル酸740部、とした以外は同様の方法で、ポリエステル樹脂4を得た。
(ポリエステル樹脂5の合成)
ポリエステル樹脂1の合成において、テレフタル酸1460部、フマル酸460部、ドデセニルコハク酸1070部とした以外は同様の方法で、ポリエステル樹脂5を得た。
(ポリエステル樹脂6の合成)
ポリエステル樹脂1の合成において、ドデセニルコハク酸を用いず、テレフタル酸2520部、フマル酸185部、とした以外は同様の方法で、ポリエステル樹脂6を得た。
(ポリエステル樹脂7の合成)
ポリエステル樹脂1の合成において、フマル酸を用いず、テレフタル酸2120部、ドデセニルコハク酸860部、とした以外は同様の方法で、ポリエステル樹脂7を得た。
(ポリエステル樹脂8の合成)
ポリエステル樹脂1の合成において、フマル酸およびドデセニルコハク酸を用いず、テレフタル酸2790部、とした以外は同様の方法で、ポリエステル樹脂8を得た。
(ポリエステル樹脂分散液1の調製)
ポリエステル樹脂1を350部と、メチルエチルケトン175部と、イソプロピルアルコール61.8部、10%アンモニア水溶液12.3部とをセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、40℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度8部/minで滴下した。液が均一に白濁した後、送液速度12部/minに上げて転相させ、送液量が1050部になったところで滴下を止めた。その後減圧下で溶剤除去を行い、ポリエステル樹脂分散液1を得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は166nm、樹脂粒子の固形分濃度は41.7%であった。
(ポリエステル樹脂分散液2乃至8の調製)
ポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂2乃至8に変更した以外は「ポリエステル樹脂分散液1の調製」と同様にしてポリエステル樹脂分散液2乃至8を調製した。
得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、ポリエステル樹脂分散液2では171nm、ポリエステル樹脂分散液3では169nm、ポリエステル樹脂分散液4では165nm、ポリエステル樹脂分散液5では169nm、ポリエステル樹脂分散液6では158nm、ポリエステル樹脂分散液7では166nm、ポリエステル樹脂分散液8では165nmであった。また、樹脂粒子の固形分濃度は、ポリエステル樹脂分散液2では41.8%、ポリエステル樹脂分散液3では41.1%、ポリエステル樹脂分散液4では40.8%、ポリエステル樹脂分散液5では41.2%、ポリエステル樹脂分散液6では41.0%、ポリエステル樹脂分散液7では42.0%、ポリエステル樹脂分散液8では41.5%であった。
(離型剤分散液の調製)
・ユニシッド350(東洋アドレ社製):50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:170部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が0.18μmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:31%)を調製した。
−着色剤分散液の調製−
・カーボンブラック #25(三菱化学社製):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK):15部
・イオン交換水:900部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間程度分散した。これにより、着色剤分散液を得た。なお、着色剤分散液における着色剤の濃度は25%に調整した。
−トナー1の作製−
・ポリエステル樹脂分散液1 320部
・着色剤分散液 60部
・アニオン性界面活性剤(Dowfax2A1 20%水溶液) 15部
・離型剤分散液 80部
・Irgacure−651 8部
pHメーター、攪拌羽、温度計を具備した重合釜に、上記原料のうち、ポリエステル樹脂分散液1、アニオン性界面活性剤及びイオン交換水250部を入れ、130rpmで15分間攪拌しながら、界面活性剤をポリエステル樹脂分散液になじませた。これに着色剤分散液、離型剤分散液、及び、Irgacure−651(アルキルフェノン系光重合開始剤、融解温度67℃、25℃の水への溶解度0.01%)を加え混合した後、この原料混合物に0.3Mの硝酸水溶液を加えて、pHを4.8に調製した。ついで、ウルトラタラックスにより3000rpmでせん断力を加えながら、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液13部を滴下した。この凝集剤滴下の途中で、原料混合物の粘度が増大するので、粘度上昇した時点で、滴下速度を緩め、凝集剤が一箇所に偏らないようにした。凝集剤の滴下が終了したら、さらに回転数5000rpmに上げて5分間攪拌し、凝集剤と原料混合物を充分混合した。
ついで上記原料混合物をマントルヒーターにて25℃に加温しながら500rpmで攪拌した。10分攪拌後、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて一次粒径が形成するのを確認した後、凝集粒子を成長させるために0.1℃/分で43℃まで昇温した。凝集粒子の成長はコールターマルチサイザーを用いて随時確認するが、その凝集速度によって、凝集温度や攪拌の回転数を変えた。
一方、凝集粒子被覆用として、ポリエステル樹脂分散液1の180部に対し、イオン交換水118部、アニオン性界面活性剤(Dowfax2A1 20%水溶液)8.2部を加えて混合し、予めpH3.8に調製し、被覆用樹脂粒子分散液とした。上記凝集工程で凝集粒子が5.2μmに成長したところで、予め調製した被覆用樹脂粒子分散液を加え、攪拌しながら20分間保持した。その後、被覆した凝集粒子の成長を停止させるために、EDTAを1.5部添加した後、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を加え、原料混合物のpHを7.6に制御した。ついで、凝集粒子を融合させるために、pHを7.6に調整しながら昇温速度1℃/minで85℃まで昇温した。85℃に達してからは、融合を進めるためにpHを7.6もしくはそれ未満に調整し、光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、粒径の成長を停止させる為に、氷水を注入して降温速度10℃/分で急冷した。
ついで、得られた粒子を洗浄する目的で、15μmメッシュで一度篩分した。その後、固形分に対しておよそ10倍量のイオン交換水(30℃)を加え、20分攪拌した後、一旦濾過を行った。さらにろ紙上に残った固形分をスラリーに分散して、30℃のイオン交換水で4回繰り返し洗浄を行い、乾燥させ、体積平均粒径5.8μmのトナー粒子1を得た。
上記作製したトナー粒子1:100部に対し、チタニア粉末(綜研化学社製)を1.2部添加し、攪拌混合機にて外添してトナー1を得た。
トナー1の体積平均粒径は5.8μmであった。
−トナー2の作製−
トナー1の作製において、Irgacure−651の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー2を得た。
−トナー3の作製−
トナー1の作製において、Irgacure−651の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー3を得た。
−トナー4の作製−
トナー1の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液2を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー4を得た。
−トナー5の作製−
トナー4の作製において、Irgacure−651の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー5を得た。
−トナー6の作製−
トナー4の作製において、Irgacure−651の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー6を得た。
−トナー7の作製−
トナー1の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液3を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー7を得た。
−トナー8の作製−
トナー7の作製において、Irgacure−651の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー8を得た。
−トナー9の作製−
トナー7の作製において、Irgacure−651の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー9を得た。
−トナー10の作製−
トナー1の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液4を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー10を得た。
−トナー11の作製−
トナー10の作製において、Irgacure−651の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー11を得た。
−トナー12の作製−
トナー10の作製において、Irgacure−651の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー12を得た。
−トナー13の作製−
トナー1の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液5を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー13を得た。
−トナー14の作製−
トナー13の作製において、Irgacure−651の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー14を得た。
−トナー15の作製−
トナー13の作製において、Irgacure−651の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー15を得た。
−トナー16の作製−
トナー1の作製において、Irgacure−651に替えてIrgacure−819(アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、融解温度130℃、25℃の水への溶解度0.01質量%未満)の添加量を8部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー16を得た。
−トナー17の作製−
トナー16の作製において、Irgacure−819の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー17を得た。
−トナー18の作製−
トナー16の作製において、Irgacure−819の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー18を得た。
−トナー19の作製−
トナー16の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液2を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー19を得た。
−トナー20の作製−
トナー19の作製において、Irgacure−819の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー20を得た。
−トナー21の作製−
トナー19の作製において、Irgacure−819の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー21を得た。
−トナー22の作製−
トナー16の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液3を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー22を得た。
−トナー23の作製−
トナー22の作製において、Irgacure−819の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー23を得た。
−トナー24の作製−
トナー22の作製において、Irgacure−819の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー24を得た。
−トナー25の作製−
トナー16の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液4を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー25を得た。
−トナー26の作製−
トナー25の作製において、Irgacure−819の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー26を得た。
−トナー27の作製−
トナー25の作製において、Irgacure−819の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー27を得た。
−トナー28の作製−
トナー16の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液5を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー28を得た。
−トナー29の作製−
トナー28の作製において、Irgacure−819の添加量を19部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー29を得た。
−トナー30の作製−
トナー28の作製において、Irgacure−819の添加量を32部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー30を得た。
−トナー31の作製−
トナー1の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液6を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー31を得た。
−トナー32の作製−
トナー16の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液6を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー32を得た。
−トナー33の作製−
トナー1の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液7を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー33を得た。
−トナー34の作製−
トナー16の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液7を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー34を得た。
−トナー35の作製−
トナー1の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液8を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー35を得た。
−トナー36の作製−
トナー16の作製において、ポリエステル樹脂分散液1に替えてポリエステル樹脂分散液8を用いた他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.8μmのトナー36を得た。
−トナー37の作製−
トナー1の作製において、Irgacure−651の添加量を44部とした他は同様の作業を行い、トナーの作製を試みたものの、融合が進行しなかったため、評価は行わなかった。
−トナー38の作製−
トナー1の作製において、Irgacure−651の添加量を2部とした他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.9μmのトナー38を得た。
−トナー39の作製−
ポリエステル樹脂1 208.5部
カーボンブラック #25 15部
ユニシッド350(東洋アドレ社製) 24.8部
Irgacure−651 21.6部
以上を混合し、エクストルーダー型混錬機に入れ、内部の温度が120±5℃になるように設定をし、120rpmで混練を行った。なお、内部の温度は過剰に上昇しないように上記混合物には予め水を添加した。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて約5.4μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナー1と同様の方法で外添剤を添加し、体積平均粒径が5.9μmのトナー39を得た。
−トナー40の作製−
トナー1の作製において、Irgacure−651を添加しなかった他は同様の作業を行い、体積平均粒径5.9μmのトナー40を得た。
<実施例1>
ポリメチルメタアクリレート樹脂(Mw:80000、綜研化学社製)を1%コートした体積平均粒径が35μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5%になるようにトナー1を秤量し、ボールミルで5分間攪拌、混合して現像剤1を作製した。
画像形成装置には、光源としてマリオネットワーク社製メタルハライド1000W(スピードキングI)を用い、定着後のトナー像に主波長365nmの光を照射することが可能となるように改造した富士ゼロックス社製カラー複写機DocuCentreII−C3300を用いた。
この改造機を用いて、トナー載り量を15.0g/m、プロセススピードを250mm/sの条件にて画像形成を行った。得られたトナー画像に対して、スチールウールによる擦り試験を実施した。
擦り試験は、スチールウール(ボンスターロールパット:日本スチールウール社製)を用い、250gの荷重でトナー画像表面を10往復させた。スチールウールで擦る前と後における光沢度をグロスメーター(BYK−GARDERGMBH社製グロス測定機micro−TRI−glossグロスメーター)で測定した。60°の角度における光沢度を指標とした。スチールウールで擦る前後の光沢度差を表1に示す。
<実施例2乃至32、比較例1乃至8>
トナー1に替えてトナー2乃至40(トナー37を除く)を用いた以外は実施例1と同様にして評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005834653
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
32、120 光照射手段
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

Claims (9)

  1. ガラス転移温度が45℃以上であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるフマル酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上40モル%以下であり酸成分由来の繰り返し単位に占めるアルケニルコハク酸由来の繰り返し単位の割合が10モル%以上40モル%以下であるポリエステル樹脂と、光重合開始剤を0.5質量%以上10質量%以下と、を含有する静電荷像現像用トナー。
  2. 前記アルケニルコハク酸由来の繰り返し単位が、ドデセニルコハク酸由来の繰り返し単位である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記光重合開始剤が、融解温度が60℃以上のアルキルフェノン系化合物及び融解温度が60℃以上のアシルフォスフィンオキサイド系化合物の少なくとも一方である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記アルキルフェノン系化合物が、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンであり、前記アシルフォスフィンオキサイド系化合物が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドである請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記光重合開始剤の25℃の水への溶解度が、0.1質量%未満である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  7. トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジ。
  8. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジ。
  9. 感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記感光体上に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写した前記トナー像を前記被転写体上に定着する定着手段と、前記被転写体上に定着した前記トナー像に光を照射する光照射手段と、を有する画像形成装置。
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