JP2013072969A - 画像形成方法、画像形成装置、静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置、静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した画像形成方法を提供すること。
【解決手段】有色トナー画像を記録媒体上に形成する第1画像形成工程と、静電荷像現像用透明トナーによる透明トナー画像を記録媒体上の有色トナー画像上に形成する第2画像形成工程と、記録媒体上の有色トナー画像及び透明トナー画像を定着する定着工程と、を有し、静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDcとし、静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDtとしたとき、下記式(A1):18≦Dt≦30及び(A2):2.5≦Dt/Dc≦9の関係を満たし、静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlcとし、静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAltとしたとき、下記式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0の関係を満たす画像形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成方法、画像形成装置、静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真法などにより、静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電および露光工程により潜像保持体(感光体)表面に画像情報を静電潜像として形成し、トナーを含む現像剤を用いて、感光体表面にトナー像を現像し、このトナー像を、用紙などの記録媒体(被転写体)に転写する転写工程、さらに、トナー像を記録媒体表面に定着させる定着工程を経て画像として可視化される。
この電子写真法には、有色トナーの他に、透明トナーを用いて、画像面内の光沢差を補正したり、転写紙面上での光沢を制御したり、画像濃度とトナー付着量の補正を行う試みがなされている(例えば、特許文献1〜3)。
その他、例えば、紙同士の付着性を軽減させるために、透明トナーで記録媒体(被転写体)の端部に凸部を形成する技術も知られている(例えば特許文献4)。
また、例えば、透明トナーを用いレンズ状の画像を形成する技術も知られている(例えば特許文献5)。
特開2002−236396号公報 特開2005−99122号公報 特開2005−274614号公報 特開平10−301339号公報 特表2010−533318号公報
本発明の課題は、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した画像形成方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結着樹脂と着色剤とアルミニウムとを含む静電荷像現像用有色トナーによる有色トナー画像を記録媒体上に形成する第1画像形成工程と、
結着樹脂とアルミニウムとを含む静電荷像現像用透明トナーによる透明トナー画像を前記記録媒体上の前記有色トナー画像上に形成する第2画像形成工程と、
前記記録媒体上の前記有色トナー画像及び前記透明トナー画像を定着する定着工程と、
を有し、
前記静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDc(μm)とし、前記静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDt(μm)としたとき、下記式(A1)及び(A2)の関係を満たし、
前記静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlc(atom%)とし、前記静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAlt(atom%)としたとき、下記式(B1)の関係を満たす画像形成方法。
・式(A1):18≦Dt≦30
・式(A2):2.5≦Dt/Dc≦9
・式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0
請求項2に係る発明は、
前記静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項1に記載の画像形成方法。
請求項3に係る発明は、
結着樹脂と着色剤とアルミニウムとを含む静電荷像現像用有色トナーを有する第1静電荷像現像剤が収容された第1現像装置を備え、前記静電荷像現像用有色トナーによる有色トナー画像を記録媒体上に形成する第1画像形成手段と、
結着樹脂とアルミニウムとを含む静電荷像現像用透明トナーを有する第2静電荷像現像剤が収容された第2現像装置を備え、前記静電荷像現像用透明トナーによる透明トナー画像を前記記録媒体上の前記有色トナー画像上に形成する第2画像形成手段と、
前記記録媒体上の前記有色トナー画像及び前記透明トナー画像を定着する定着手段と、
を備え、
前記静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDc(μm)とし、前記静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDt(μm)としたとき、下記式(A1)及び(A2)の関係を満たし、
前記静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlc(atom%)とし、前記静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAlt(atom%)としたとき、下記式(B1)の関係を満たす画像形成装置。
・式(A1):18≦Dt≦30
・式(A2):2.5≦Dt/Dc≦9
・式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0
請求項4に係る発明は、
前記静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項3に記載の画像形成装置。
請求項5に係る発明は、
結着樹脂と着色剤とアルミニウムとを含む静電荷像現像用有色トナーと、
結着樹脂とアルミニウムとを含む静電荷像現像用透明トナーと、
を有し、
前記静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDc(μm)とし、前記静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDt(μm)としたとき、下記式(A1)及び(A2)の関係を満たし、
前記静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlc(atom%)とし、前記静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAlt(atom%)としたとき、下記式(B1)の関係を満たす静電荷像現像用トナーセット。
・式(A1):18≦Dt≦30
・式(A2):2.5≦Dt/Dc≦9
・式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0
請求項6に係る発明は、
前記静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項5に記載の静電荷像現像用トナーセット。
請求項7に係る発明は、
請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーを含む第1静電荷像現像剤と、請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用透明トナーを含む第2静電荷像現像剤と、を有する静電荷像現像剤セット。
請求項8に係る発明は、
請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーを収容した第1トナーカートリッジと、請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用透明トナーを収容した第2トナーカートリッジと、を有し、
画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジセット。
請求項9に係る発明は、
請求項7に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第1静電荷像現像剤を収容した第1現像装置と、請求項7に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第2静電荷像現像剤を収容した第2現像装置と、を備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
請求項1に係る発明によれば、静電荷像現像用有色トナー及び静電荷像現像用透明トナーが上記式(A1)、(A2)及び(A3)の関係を満たさない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した画像形成方法を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂がポリエステル樹脂でない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した画像形成方法を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、静電荷像現像用有色トナー及び静電荷像現像用透明トナーが上記式(A1)、(A2)及び(A3)の関係を満たさない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した画像形成装置を提供できる。
請求項4に係る発明によれば、静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂がポリエステル樹脂でない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した画像形成方装置を提供できる。
請求項5に係る発明によれば、静電荷像現像用有色トナー及び静電荷像現像用透明トナーが上記式(A1)、(A2)及び(A3)の関係を満たさない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した静電荷像現像用トナーセットを提供できる。
請求項6に係る発明によれば、静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂がポリエステル樹脂でない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した静電荷像現像用トナーセットを提供できる。
請求項7に係る発明によれば、静電荷像現像用有色トナー及び静電荷像現像用透明トナーが上記式(A1)、(A2)及び(A3)の関係を満たさない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現した静電荷像現像剤セットを提供できる。
請求項8、9に係る発明によれば、静電荷像現像用有色トナー及び静電荷像現像用透明トナーが上記式(A1)、(A2)及び(A3)の関係を満たさない場合に比べ、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成を実現したトナーカートリッジセット、プロセスカートリッジを提供できる。
本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明一例である実施形態について詳細に説明する。
(静電荷像現像用トナーセット)
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセット(以下、「トナーセット」と称する)は、結着樹脂と着色剤とアルミニウムとを含む静電荷像現像用有色トナー(以下、単に「有色トナー」と称する)と、結着樹脂とアルミニウムとを含む静電荷像現像用透明トナー(以下、単に「透明トナー」と称する)と、を有する。
なお、有色トナーとは、有色トナー画像に用いられるトナーであり、着色剤を含み、有彩色を呈するトナーである。
一方、透明トナーとは、盛り上げ画像を形成する目的で、有色トナー画像上に形成する透明トナー画像に用いられるトナーであり、具体的には、着色剤を含まない又は着色剤を含んでも着色剤の含有量が0.01質量%以下である無色のトナーである。
そして、本実施形態に係るトナーセットは、静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDc(μm)とし、静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDt(μm)としたとき、下記式(A1)及び(A2)の関係を満たし、静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlc(atom%)とし、静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAlt(atom%)としたとき、下記式(B1)の関係を満たす。
・式(A1):18≦Dt≦30
・式(A2):2.5≦Dt/Dc≦9
・式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0
本実施形態に係るトナーセットでは、上記構成とすることにより、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成が実現される。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
まず、近年、オンデマンドで印刷物を作成できる電子写真方式が商業印刷分野で利用されはじめたことにより、従来印刷分野で行われていた特殊な効果が得られる画像を得ることが求められている。その1つに、例えば、有色画像上に画像厚み20μmから100μm程度の透明樹脂層を形成し、視覚的・触覚的に強調された印象を与える盛り上げ画像を印刷する盛り上げ印刷と呼ばれる手法がある。
盛り上げ印刷において、盛り上げ画像を視覚的・触覚的に強調するには、記録媒体の画像形成面に対して画像の段差をつけると共に、画像の段差の勾配角度が大きいことが重要となる。
しかしながら、電子写真方式の画像形成方法により、つまり、有色トナーによる有色トナー画像上に透明トナーによる透明トナー画像を形成し、これを定着することにより、盛り上げ印刷を実現しようとすると、有色トナー画像上に透明トナーが多く乗り難く、その結果、透明トナー定着画像が薄くなり易く、画像の段差をつけ難いのが現状である。
そこで、本実施形態では、上記式(A1)及び(A2)を満たすように、有色トナーに比べ、粒径の大きい透明トナーを用いる。これにより、多量の透明トナーが有色トナー画像上に載り易くなり、この状態で定着すると、有色トナー定着画像上に厚みある透明トナー定着画像が形成され、その結果、透明トナー定着画像のない箇所に比べて、大きな段差を有する盛り上げ印刷画像が得られると考えられる。
一方、有色トナー画像上に多量の透明トナーが載った状態で転写や定着を行うと、転写時又は定着時の圧力によって、画像端部での崩れが発生しやすく、画像の段差の勾配角度が失われ易くなると考えられる。
そこで、本実施形態では、上記式(A1)及び(A2)を満たすように、有色トナーと透明トナーとの粒径差(粒径比)を調整することにより、転写時又は定着時の圧力によって、画像端部での崩れが発生し難くなり、画像の段差の勾配角度が失われ難くなるとと考えられる。
また、有色トナー画像上に多量の透明トナーが載った状態で定着を行うと、有色トナーよりも上層に形成される透明トナーは、優先的に定着時の熱を受けるため、有色トナーよりも溶融が進み粘度が低くなって、流れやすくなり、その結果、画像の段差の勾配角度が失われ易くなると考えられる。
そこで、本実施形態では、上記式(B1)を満たすように、有色トナーに比べ、アルミニウム含有量が多い透明トナーを用いる。これにより、トナー中での結着樹脂とアルミニウムとのイオン架橋の度合いが、有色トナーに比べ透明トナーの方が高くなることから、有色トナー画像上に多量の透明トナーが載った状態で定着が行われて、透明トナーが定着時の熱を優先的に受けても、溶融が進み難くなり、粘度低下による流動が抑制され、その結果、画像の段差の勾配角度が失われ難くなると考えられる。
以上から、本実施形態に係るトナーセットでは、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成が実現されると考えられる。
また、本実施形態に係るトナーセットでは、上記式(B1)を満たすように、有色トナーと透明トナーとのアルミニウム含有量差(含有比)を調整することにより、有色トナー定着画像と透明トナー定着画像との光沢差が少なくなり、自然な盛り上げ印刷画像の形成も実現されると考えられる。
特に、本実施形態に係るトナーセットにおいて、透明トナーの結着樹脂としてポリエステル樹脂を採用とすることにより、他の樹脂に比べ、アルミニウムと強いイオン架橋体を形成し易いことから、透明トナーが定着時の熱を優先的に受けても、溶融が進み難くなり、粘度低下による流動が抑制され、その結果、画像の段差の勾配角度が失われ難くなると考えられ、その結果、視覚的及び蝕感的に強調された印象を与える盛り上げ画像の形成が実現され易くなる。
以下、本実施形態に係るトナーセットについて詳細に説明する。
本実施形態に係るトナーセットは、下記式(A1)の関係を満たすが、望ましくは、下記式(A1−2)の関係、より望ましくは下記式(A1−3)の関係を満たすことがよい。
・式(A1): 18≦Dt≦30
・式(A1−2):20≦Dt≦29
・式(A1−3):22≦Dt≦28
本実施形態に係るトナーセットは、下記式(A2)の関係を満たすが、望ましくは、下記式(A2−2)の関係、より望ましくは下記式(A2−3)の関係を満たすことがよい。
・式(A2) :2.5≦Dt/Dc≦9
・式(A2−2):3.0≦Dt/Dc≦8.0
・式(A2−3):3.5≦Dt/Dc≦7.0
本実施形態に係るトナーセットは、下記式(A3)の関係を満たすことがよく、望ましくは、下記式(A3−2)の関係、より望ましくは下記式(A3−3)の関係を満たすことがよい。
・式(A3) :3≦Dc≦10
・式(A3−2):3.2≦Dc≦9
・式(A3−3):3.4≦Dc≦8
本実施形態に係るトナーセットでは、上記式(A1)及び(A2)の関係を満たすこと、望ましくはさらに上記関係式(A3)の関係を満たすことにより、多量の透明トナーが有色トナー画像上に載り易くなり、また、転写時又は定着時の圧力によって、画像端部での崩れが発生し難くなる。
ここで、各トナーの体積平均粒径は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)測定装置を用いて、トナー粒子の体積平均粒径として測定される値である。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。
なお、測定された粒度分布について、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、個数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、体積について累積16%となる粒径をD16v、個数について累積16%となる粒径をD16p、体積について累積50%となる粒径をD50v、個数について累積50%となる粒径をD50p、体積について累積84%となる粒径をD84v、個数について累積84%となる粒径をD84pと定義する。
そして、体積平均粒径とはD50vを指す。
一方、本実施形態に係るトナーセットは、下記式(B1)の関係を満たすが、望ましくは、下記式(B1−2)の関係、より望ましくは下記式(B1−3)の関係を満たすことがよい。
・式(B1) :1.2≦Alt/Alc≦4.0
・式(B1−2):1.5≦Alt/Alc≦3.5
・式(B1−3):1.8≦Alt/Alc≦3.0
また、本実施形態に係るトナーセットは、下記式(B2)の関係を満たすことがよく、望ましくは、下記式(B2−2)の関係、より望ましくは下記式(B2−3)の関係を満たすことがよい。
・式(B2) :0.003≦Alc≦0.01
・式(B2−2):0.004≦Alc≦0.009
・式(B2−3):0.005≦Alc≦0.008
また、本実施形態に係るトナーセットは、下記式(B3)の関係を満たすことがよく、望ましくは、下記式(B3−2)の関係、より望ましくは下記式(B3−3)の関係を満たすことがよい。
・式(B3) :0.004≦Alt≦0.04
・式(B3−2):0.006≦Alt≦0.035
・式(B3−3):0.008≦Alt≦0.03
本実施形態に係るトナーセットでは、上記式(B1)の関係を満たすこと、望ましくはさらに上記関係式(B2)及び(B3)の関係を満たすことにより、透明トナーが定着時の熱を優先的に受けても、溶融が進み難くなり、粘度低下による流動が抑制され、また、有色トナー定着画像と透明トナー定着画像との光沢差が少なくなる。
ここで、各トナーのアルミニウム含有量は、蛍光X線によるトナーの全構成原子量に対するアルミニウムの量であり、次のようにして測定された値である。
まず、トナー6gを加圧成型器で10t、1分間の加圧条件下で圧縮成型する前処理を行って試料を得る。その後、試料に対して、(株)リガク製の走査型蛍光X線分析装置「ZSX PrimusII」を使用し、全元素分析法にて全元素中の目的とする金属元素(アルミニウム)の組成比(atom%)を測定する。
なお、測定条件は、管電圧60KV、管電流50mA、測定時間40deg/minとする。
次に、有色トナー及び透明トナーの構成成分について詳細に説明する。
有色トナーは、例えば、有色トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を有して構成される。そして、有色トナー粒子は、例えば、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、アルミニウムと、必要に応じて、離型剤等のその他添加剤と、を含んで構成される。
一方、透明トナーは、例えば、透明トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を有して構成される。そして、透明トナー粒子は、少なくとも結着樹脂と、アルミニウムと、必要に応じて、離型剤等のその他添加剤と、を含んで構成される。
なお、有色トナーと透明トナーとは、着色剤の有無又はその含有量、粒径、アルミニウム含有量以外は、同じ構成であってもよいことから、以下、有色トナーと透明トナーとを「トナー」と称して説明する。
結着樹脂について説明する。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、さらにはこれらの混合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合樹脂、又は、これらと前記ビニル樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂は、例えば、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を、単独又は適宜組み合わせて公知の方法により得られる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとの中から好適なものを選択して組合せ、例えば、エステル交換法又は重縮合法等、従来公知の方法を用いて合成することで得られる。
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂及びこれらの共重合樹脂を結着樹脂として使用する場合、重量平均分子量Mwが20,000以上100,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上30,000以下の範囲のものを使用することが望ましい。他方、ポリエステル樹脂を結着樹脂として使用する場合は、重量平均分子量Mwが5,000以上40,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上10,000以下の範囲のものを使用することが望ましい。
着色剤について説明する。
着色剤としては、公知の着色剤から、目的とするトナーの色に応じて選択される。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾール化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同50、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げれる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが挙げられる。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック)、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、チタンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等がある。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。
アルミニウムについて説明する。
アルミニウムの供給源(トナーに添加剤として含ませる化合物)としては、例えば、凝集・合一法によりトナー粒子を作製する際に添加する凝集剤が挙げられる。
アルミニウムを含む凝集剤としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等が挙げられる。なお、これら凝集剤を凝集剤用途ではなく、単なる添加剤として添加してもよい。
アルミニウムの含有量は、上記式(B1)を満たすように調整される。
離型剤について説明する。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、保存性の観点から、50℃以上であることが望ましく、60℃以上であることがより望ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが望ましく、100℃以下であることがより望ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上15質量部以下が望ましく、2質量部以上12質量部以下がより望ましく、3質量部以上10質量部以下がさらにより望ましい。
その他添加剤について説明する。
その他の内添剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等が挙げられる。
トナー粒子の特性について説明する。
トナー粒子は、単層構造であっても、芯部と前記芯部を被覆する被覆層とで構成される構造(所謂コア/シェル構造)であってもよい。
外添剤について説明する。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられ、具体的には、例えば、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤は、表面が疎水化処理されていてもよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部程度である。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部以上2.5質量部以下がよい。
以下、有色トナーの製造方法について説明する。
まず、有色トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、有色トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、以下の通りである。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含む有色トナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
また、アルミニウムの供給源として、凝集剤を適用した有色トナー粒子を得る方法について説明するが、これに限られるものではない。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、ポリエステル樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、ポリエステル樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用されてもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、ポリエステル樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法が挙げられる。また、用いる樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散するポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下の範囲が挙げられ、0.08μm以上0.8μm以下であってもよく、0.1μm以上0.6μmであってもよい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定される。以下、他に断りがないかぎり、粒子の体積平均粒径は同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれるポリエステル樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が挙げられ、10質量%以上40質量%以下であってもよい。
なお、樹脂粒子分散と同様にして、例えば、着色剤分散液、離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とする有色トナー粒子の径に近い径を持つ、ポリエステル樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加してた後、ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などが挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、ポリエステル樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下の範囲内が挙げられ、0.1質量部以上3.0質量部未満であってもよい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えばポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、有色トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、有色トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造の有色トナー粒子を形成する工程と、を経て、有色トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成された有色トナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態の有色トナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが望ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が望ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が望ましく用いられる。
そして、有色トナーは、例えば、得られた乾燥状態の有色トナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダーやヘンシュルミキサー、レディーゲミキサーなどによっておこなうことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機などを使って有色トナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
続いて、透明トナーの製造方法について説明する。
まず、透明トナー粒子の製造方法としては、結着樹脂中にアルミニウムを導入しやすいことから、水系媒体中で製造されることがよい。中でも、透明トナーの製造方法として、粒径形状の制御性、環境負荷や安全性に優れることから、凝集合一法による製造方法がよい。
以下、透明トナー粒子の製造方法として凝集合一法を利用した場合について説明する。
凝集合一法による透明トナー粒子は、結着樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加、加熱して原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子が形成された原料分散液を冷却する冷却工程、前記冷却された凝集粒子の成長を停止する停止工程、前記停止工程によって粒径の成長が停止した凝集粒子を加熱することによって融合する融合工程とを経て作製されることがよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、有色トナー粒子の製造と同様にして、透明トナー粒子の製造でも樹脂粒子分散液工程を行う。但し、有色トナー粒子と異なり、着色剤粒子分散液を準備する必要なない。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と、離型剤微粒子分散液と、を混合して得られた混合分散液に凝集剤を添加し、結着樹脂のガラス転移温度近辺の温度にて加熱することにより、各々の成分からなる粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
凝集粒子の形成は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温で凝集剤を添加することにより行う。
凝集剤としては、2価以上の電荷を有する化合物がよく、その化合物の具体例としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
但し、結着樹脂中にアルミニウムを導入しイオン架橋を形成できること、凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮し、凝集剤としては、特にアルミニウム系凝集剤がよい。
アルミニウム系凝集剤として具体的には、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機酸の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合は凝集系全体の3重量%以下程度、二価の場合は1重量%以下程度、三価の場合は0.5重量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が望ましいため、価数の多い化合物を用いることが望ましい。
凝集工程における加熱温度は、添加される離型剤の量、凝集剤の量などによって上下するので一概には決定できないが、カラートナーに比較して粒径を大きく成長させる必要があるため、結着樹脂のガラス転移温度と同等か、わずかに超える程度まで上昇させることが望ましい。大まかな目安としては、結着樹脂のガラス転移温度を基準として、0℃以上+10℃以下の範囲内がよい。
−冷却工程−
次に、凝集粒子の粒径が所定の範囲まで成長したところで、凝集粒子分散液(凝集粒子を含む原料分散液)の冷却を行うことが望ましい。
後述する停止工程により凝集粒子の粒径の成長を停止させるが、冷却工程を入れずに停止工程を実施すると凝集粒子がばらけ、目的とする粒径が得られないことがある。これは、ガラス転移温度と同等もしくはそれ以上の温度であると結着樹脂の分子運動が激しいため、凝集剤による凝集力が働かなくなると分子の運動エネルギーの方が大きくなってしまうことによると考えられる。
冷却工程における冷却後温度の目安としては、結着樹脂のガラス転移温度を基準として、−20℃以上−10℃以下の範囲内が望ましい。また、冷却速度は、結着樹脂の種類/量により異なるが、概ね−1℃/min以上である。
−停止工程−
冷却工程により得られた凝集粒子に、有機金属イオン封鎖剤を添加して、該凝集粒子の凝集を停止させる停止工程を有することがよい。停止工程において、有機金属イオン封鎖剤を凝集粒子に添加することによって金属イオンの働きを封鎖し、凝集粒子の粒径の成長を速やかに停止させることができるのみならず、本発明のトナーに必要なアルミをトナー中に残すことができる。
これは、以下のように推察される。すなわち、本発明の凝集粒子は通常用いられるトナーにおける凝集粒子に比較して大きい粒径であり、かつ前記凝集工程において、結着樹脂のガラス転移温度を超える温度で凝集させているため、凝集粒子内部の分子の絡み合いが増加している。そこに有機金属イオン封鎖剤を添加すると、それらがもつ分子サイズによって、凝集粒子の内部には十分に作用せず表面に優先的に作用する。結果、凝集粒子の粒径成長を停止しながら、内部にアルミニウムが残り易い。
有機金属イオン封鎖剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、グルコナール、グルコン酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウム、ニトロトリアセテート(NTA)塩、GLDA(市販されているL グルタミン酸N,N二酢酸)、フミン酸及びフルビン酸、マルトール及びエチルマルトール、ペタ酢酸及びテトラ酢酸、COOH及びOHの両方の官能性を含む多くの水溶性ポリマー類(高分子電解質)が挙げられ、特にEDTA及びそのNa塩等のアルカリ金属塩が好適に挙げられる。
有機金属イオン封鎖剤の添加量は、材料種によって変わるが、概ねトナー粒子の質量に対して0.01%以上5.00%以下がよく、望ましくは0.10%以上3.00%以下である。0.01%未満の場合は、金属イオン封鎖剤としての機能が不充分な場合があり、5%を超える場合は、凝集粒子のばらけ、結着樹脂中のアルミ量不足等の不具合が生じる場合がある。
−融合・合一工程−
次に、有色トナー粒子の製造と同様にして、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えばポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、透明トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て透明トナー粒子が得られる。
なお、有色トナー粒子の製造と同様に、透明トナー粒子の製造でも、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態の有色トナー粒子を得る。また、透明トナー粒子の製造でも、コア/シェル構造の透明トナー粒子を製造してもよい。
そして、有色トナーの製造と同様にして、得られた透明トナー粒子に外添剤を添加し、透明トナーが得られる。
(静電荷像現像剤セット)
本実施形態に係る静電荷像現像剤セットは、本実施形態に係るトナーセットのうち、有色トナーを含む第1静電荷像現像剤と、透明トナーを含む第2静電荷像現像剤と、を有するものである。
各静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア、樹脂分散型キャリア等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
(画像形成方法、画像形成装置、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ)
本実施形態に係る画像形成方法は、本実施形態に係るトナーセットのうち有色トナーによる有色トナー画像を記録媒体上に形成する第1画像形成工程と、本実施形態に係るトナーセットのうち透明トナーによる透明トナー画像を前記記録媒体上の前記有色トナー画像上に形成する第2画像形成工程と、記録媒体上の有色トナー画像及び透明トナー画像を定着する定着工程と、を有する。
そして、本実施形態に係る画像形成方法を実現する本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係るトナーセットのうち有色トナーを有する第1静電荷像現像剤が収容された第1現像装置を備え、静電荷像現像用有色トナーによる有色トナー画像を記録媒体上に形成する第1画像形成手段と、本実施形態に係るトナーセットのうち透明トナーを有する第2静電荷像現像剤が収容された第2現像装置を備え、静電荷像現像用透明トナーによる透明トナー画像を記録媒体上の有色トナー画像上に形成する第2画像形成手段と、記録媒体上の有色トナー画像及び透明トナー画像を定着する定着手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、これらの第1及び第2画像形成手段として、それぞれ、例えば、潜像保持体と、静電荷像現像剤が収容され、潜像保持体に形成された静電潜像を各トナー画像(有色トナー画像、透明トナー画像)として現像する各現像装置と、潜像保持体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写装置と、必要に応じて潜像保持体の転写残留分をクリーニングするクリーニング装置等のその他の装置と、を備える。
そして、第1画像形成手段には、現像装置として、有色トナーを有する第1静電荷像現像剤が収容され、潜像保持体に形成された静電潜像を有色トナー画像として現像する第1現像装置を備える。一方、第2画像形成手段には、現像装置として、透明トナーを有する第2静電荷像現像剤が収容され、潜像保持体に形成された静電潜像を透明トナー画像として現像する第2現像装置を備える。
第1及び第2画像形成手段は、例えば、像保持体や、転写装置、クリーニング装置等を共用した構成としてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、潜像保持体上に保持された各トナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す画像形成装置や、各色毎の現像手段を備えた複数の潜像保持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型画像形成装置等であってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、本実施形態に係る静電潜像現像剤を収容した現像手段を含む部分が画像形成装置に対して脱着するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、また、現像手段に供給する補充用のトナーとして本実施形態に係る静電潜像現像用白色トナーを収容する部分が画像形成装置に対して脱着するカートリッジ構造(トナーカートリッジ)であってもよい。
つまり、本実施形態に係るトナーセットのうち有色トナーを収容した第1トナーカートリッジと、本実施形態に係るトナーセットのうち透明トナーを収容した第2トナーカートリッジと、を有し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジセットが本実施形態に係る画像形成装置に備えられていてもよい。
また、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち第1静電荷像現像剤を収容した第1現像装置と、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち第2静電荷像現像剤を収容した第2現像装置と、を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジが本実施形態に係る画像形成装置に備えられていてもよい。
以下に、図面を参照しながら本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、潜像保持体としての感光体が複数、即ち画像形成ユニット(画像形成手段)が複数設けられたタンデム型の構成に係るものである。つまり、図1に示す画像形成装置は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する4つの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kと、透明画像を形成する画像形成ユニット50Tが、間隔をおいて並列的に(タンデム状に)配置されている。
ここで、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50K、50Tは、収容されている現像剤中のトナーの色を除き同様の構成を有しているため、ここではイエロー画像を形成する画像形成ユニット50Yについて代表して説明する。
なお、画像形成ユニット50Yと同様の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、透明(T)を付した参照符号を付すことにより、各画像形成ユニット50M、50C、50K、50Tの説明を省略する。
イエローの画像形成ユニット50Yは、潜像保持体としての感光体11Yを備えており、この感光体11Yは、図示の矢印A方向に沿って図示しない駆動手段によって予め定められたプロセススピードで回転駆動されるようになっている。感光体11Yとしては、例えば、赤外領域に感度を持つ有機感光体が用いられる。
感光体11Yの上部には、帯電ロール(帯電手段)18Yが設けられており、帯電ロール18Yには、不図示の電源により予め定められた電圧が印加され、感光体11Yの表面が予め定められた電位に帯電される。
感光体11Yの周囲には、帯電ロール18Yよりも感光体11Yの回転方向下流側に、感光体11Yの表面を露光して静電潜像を形成する露光装置(潜像形成手段)19Yが配置されている。なお、ここでは露光装置19Yとして、スペースの関係上、小型化が可能なLEDアレイを用いているが、これに限定されるものではなく、他のレーザービーム等による潜像形成手段を用いても勿論問題無い。
また、感光体11Yの周囲には、露光装置19Yよりも感光体11Yの回転方向下流側に、イエロー色の現像剤を保持する現像剤保持体を備える現像装置(現像手段)20Yが配置されており、感光体11Y表面に形成された静電潜像を、イエロー色のトナーによって顕像化し、感光体11Y表面にトナー画像を形成する構成になっている。
感光体11Yの下方には、感光体11Y表面に形成されたトナー画像を一次転写する中間転写ベルト(中間転写体)33が、5つの感光体11T,11Y,11M,11C,11Kの下方に渡るように配置されている。この中間転写ベルト33は、一次転写ロール17Yによって感光体11Yの表面に押し付けられている。また、中間転写ベルト33は、駆動ロール12、支持ロール13およびバイアスロール14の3つのロールによって張架され、感光体11Yのプロセススピードと等しい移動速度で、矢印B方向に周動されるようになっている。中間転写ベルト33表面には、上記のようにして一次転写されたイエローのトナー画像に先立ち透明トナー画像が一次転写され、次にイエローのトナー画像が一次転写され、更にマゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー画像が順次一次転写され、積層される。
また、感光体11Yの周囲には、一次転写ロール17Yよりも感光体11Yの回転方向(矢印A方向)下流側に、感光体11Yの表面に残留したトナーやリトランスファーしたトナーを清掃するためのクリーニング装置15Yが配置されている。クリーニング装置15Yにおけるクリーニングブレードは、感光体11Yの表面にカウンター方向に圧接するように取り付けられている。
中間転写ベルト33を張架するバイアスロール14には、中間転写ベルト33を介して二次転写ロール(二次転写手段)34が圧接されている。中間転写ベルト33表面に一次転写され積層されたトナー画像は、バイアスロール14と二次転写ロール34との圧接部において、図示しない用紙カセットから給紙される記録紙(被転写体)P表面に、静電的に転写される。この際、中間転写ベルト33上に転写、積層されたトナー画像は透明トナー画像が一番下(中間転写ベルト33に接する位置)になっているため、記録紙P表面に転写されたトナー画像では、透明トナー画像が一番上になる。
また、二次転写ロール34の下流には、記録紙P上に多重転写されたトナー画像を、熱及び圧力によって記録紙P表面に定着して、永久像とするための定着器(定着手段)35が配置されている。
尚、本実施形態に用いられる定着器としては、例えば、表面にフッ素樹脂成分やシリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料を用い、ベルト形状を有する定着ベルト、及び、表面にフッ素樹脂成分やシリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料を用い、円筒状の定着ロールが挙げられる。
次に、透明、イエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する各画像形成ユニット50T、50Y,50M,50C,50Kの動作について説明する。各画像形成ユニット50T、50Y,50M,50C,50Kの動作は、それぞれ同様であるため、イエローの画像形成ユニット50Yの動作を、その代表として説明する。
イエローの現像ユニット50Yにおいて、感光体11Yは、矢印A方向に予め定められたプロセススピードで回転する。帯電ロール18Yにより、感光体11Yの表面は予め定められた電位にマイナス帯電される。その後、感光体11Yの表面は、露光装置19Yによって露光され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。続いて、現像装置20Yによりマイナス帯電されたトナーが反転現像され、感光体11Yの表面に形成された静電潜像は感光体11Y表面に可視像化され、トナー画像が形成される。その後、感光体11Y表面のトナー画像は、一次転写ロール17Yにより中間転写ベルト33表面に一次転写される。一次転写後、感光体11Yは、その表面に残留したトナー等の転写残留成分がクリーニング装置15Yのクリーニングブレードにより掻き取られ、清掃され、次の画像形成工程に備える。
以上の動作が各画像形成ユニット50T,50Y,50M,50C,50Kで行われ、各感光体11T,11Y,11M,11C,11K表面に可視像化されたトナー画像が、次々と中間転写ベルト33表面に多重転写されていく。カラーモード時は、透明、イエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの順に各色のトナー画像が多重転写されるが、二色、三色モード時のときもこの順番で、必要な色のトナー画像のみが単独または多重転写されることになる。その後、中間転写ベルト33表面に単独または多重転写されたトナー画像は、二次転写ロール34により、図示しない用紙カセットから搬送されてきた記録紙P表面に二次転写され、続いて、定着器35において加熱・加圧されることにより定着される。二次転写後に中間転写ベルト33表面に残留したトナーは、中間転写ベルト33用のクリーニングブレードで構成さえたベルトクリーナ16により清掃される。
なお、イエローの画像形成ユニット50Yは、イエロー色の静電潜像現像剤を保持する現像剤保持体を含む現像装置20Yと感光体11Yと帯電ロール18Yとクリーニング装置15Yとが一体となって画像形成装置本体から着脱するプロセスカートリッジとして構成されている。また、画像形成ユニット50K、50C、50M、及び50Tも画像形成ユニット50Yと同様にプロセスカートリッジとして構成されている。
また、トナーカートリッジ40Y、40M、40C、40K及び40Tは、各色のトナーが収容され、画像形成装置に着脱するカートリッジであり、それぞれの色に対応した現像装置と、図示しないトナー供給管で接続されている。そして、各トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジの交換がなされる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」とは、特に断りがない限り、「質量部」を意味する。
[ポリエステル樹脂の合成]
(ポリエステル樹脂(1))
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80モル部と、エチレングリコール10モル部と、シクロヘキサンジオール10モル部と、テレフタル酸80モル部と、イソフタル酸10モル部と、n−ドデセニルコハク酸10モル部を原料に、触媒としてジブチル錫オキサイドを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150から230℃で約12時間共縮重合反応させ、その後、210から250℃で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂(1)を合成した。
得られたポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は、17,200であった。また、ポリエステル樹脂(1)の酸価は12.4mgKOH/gであった。
さらに、ポリエステル樹脂(1)のガラス転移温度を、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定し、JIS規格(JIS K−7121参照)により解析して得た。
その結果、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移温度(Tg)は59℃であった。
[ポリエステル樹脂分散液の調整]
(ポリエステル樹脂分散液(A1))
・ポリエステル樹脂(1) 100質量部
・酢酸エチル 70質量部
・イソプロピルアルコール 15質量部
5Lのセパラブルフラスコに上記酢酸エチルと上記イソプロピルアルコールとの混合溶媒を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、完全に溶解させて油相を得た。
この攪拌されている油相に10質量%アンモニア水溶液を合計で3.5質量部となるようにスポイトで徐々に滴下し、更にイオン交換水230質量部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、「ポリエステル樹脂(1)」を含む「ポリエステル樹脂分散液(A1)」を得た。この分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径は182nmであった。なお、分散液の樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して20質量%とした。
[着色剤分散液の調製]
(着色剤分散液(B1))
・シアン顔料 1000質量部
(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン))
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 15質量部
・イオン交換水 9000質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間ほど分散して、着色剤(顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(顔料)粒子の体積平均粒径は0.16μm、固形分濃度は20%であった。
[離型剤分散液の調製]
(離型剤分散液(C1))
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP−9、融点:75℃):50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):0.5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、離型剤を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。離型剤粒子の体積平均粒径は0.23μmであった。
[有色トナーの作製]
(有色トナー(C1))
・ポリエステル樹脂分散液(A1) 267質量部
・着色剤分散液(B2) 25質量部
・離型剤分散液(C1) 40質量部
・アニオン性界面活性剤(TeycaPower) 2.0質量部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)を用い、ホモジナイザーの回転数を4000rpmにして、せん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75質量部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、攪拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターにて加熱し始め、42℃にて凝集粒子の成長を促進させた。この際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて原料分散液のpHを3.2以上3.8以下の範囲に調整した。原料分散液を上記pH範囲に保持して2時間ほど放置し、凝集粒子を形成した。この凝集粒子の体積平均粒子径は4.9μmであった。
次に、原料分散液にポリエステル樹脂分散液(A1)100質量部を追添加し、前記凝集粒子の表面にポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子を付着させた。さらに、原料分散液を44℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIを用いて、粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩4水和物を前記スラリー中固形分(トナー母粒子分)の2.0%添加、その後1Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを7.5にした後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱、85℃のまま3時間攪拌しながら放置した。その後、多管式熱交換機を使用(熱媒は5℃の冷水)し、 30℃/minの冷却速度となる様に流量を調整し30℃まで急冷却した。
得られた原料分散液には、トナー粒子が形成されていた。
次に、原料分散液をろ過し、得られた固液分離後のトナー粒子を、トナー粒子固形分量に対して20倍量の30℃のイオン交換水中に分散して水洗を行った。
そして、この水洗を10回繰り返した後、ループ型気流式乾燥機を用いてサイクロン捕集での乾燥、分級を行い、有色トナー粒子(C1)を得た。
次に、得られた有色トナー粒子(1)100質量部に、フュームドシリカ(体積平均粒子径140nm、HMDS処理)を1.5質量部加え、20Lのヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽先端周速10m/sで20分間ブレンドを行い外添した。さらに、酸化チタン粒子(体積平均粒子径20nm)を1.3質量部を加え、20Lヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽先端周速55m/sで15分ブレンドを行い外添した。
その後45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、有色トナー(C1)を作製した。
(有色トナー(C2))
有色トナーC1の製造において、42℃での凝集粒子の成長時間を2時間から3時間に変更した以外は、有色トナー(C1)と同様にして、有色トナー(C2)を得た。
(有色トナー(C3))
有色トナーC1の製造において、凝集剤滴下後のホモジナイザーの回転数を6000rpmに、凝集粒子の成長促進温度を42℃から35℃に変更した以外は、有色トナー(C1)と同様にして、有色トナー(C3)を得た。
(有色トナー(C4))
有色トナーC1の製造において、凝集粒子の成長促進温度を42℃から46℃に変更した以外は、有色トナー(C1)と同様にして、有色トナー(C4)を得た。
(有色トナー(C5))
有色トナーC3の製造において、凝集粒子の成長促進温度を35℃から38℃に変更した以外は、有色トナー(C3)と同様にして、有色トナー(C5)を得た。
(有色トナー(C6))
有色トナーC1の製造において、42℃での凝集粒子の成長時間を2時間から2時間50分に変更した以外は、有色トナー(C1)と同様にして、有色トナー(C6)を得た。
(有色トナー(C7))
有色トナーC3の製造において、凝集粒子の成長促進温度を35℃から34.5℃に変更した以外は、有色トナー(C3)と同様にして、有色トナー(C7)を得た。
(有色トナー(C8))
有色トナーC1の製造において、凝集粒子の成長促進温度を42℃から47℃に変更した以外は、有色トナー(C1)と同様にして、有色トナー(C8)を得た。

(有色トナー(C9))
有色トナーC3の製造において、凝集粒子の成長促進温度を35℃から38.5℃に変更した以外は、有色トナー(C3)と同様にして、有色トナー(C9)を得た。
なお、得られた有色トナーの特性について、表1に一覧にして示す。
[透明トナーの作製]
(透明トナー(T1))
・ポリエステル樹脂分散液(A1) 293質量部
・離型剤分散液(C1) 40質量部
・アニオン性界面活性剤(TeycaPower) 2.0質量部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)を用い、ホモジナイザーの回転数を4000rpmにして、せん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75質量部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、攪拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターにて加熱し始め、62℃にて凝集粒子の成長を促進させた。この際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて原料分散液のpHを3.2以上3.8以下の範囲に調整した。原料分散液を上記pH範囲に保持して1時間ほど放置し、凝集粒子を形成した。この凝集粒子の体積平均粒子径は22.0μmであった。
次に、原料分散液にポリエステル樹脂分散液(A1)30質量部を追添加し、前記凝集粒子の表面にポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子を付着させた。さらに、風冷にて1℃/minの冷却速度で原料分散液を45℃に冷却し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIを用いて、粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩4水和物を前記スラリー中固形分(トナー母粒子分)の2.0%添加、その後1Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを7.5にした後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱、85℃のまま3時間攪拌しながら放置した。その後、多管式熱交換機を使用(熱媒は5℃の冷水)し、 30℃/minの冷却速度となる様に流量を調整し30℃まで急冷却した。
得られた原料分散液には、トナー粒子が形成されていた。
次に、原料分散液をろ過し、得られた固液分離後のトナー粒子を、トナー粒子固形分量に対して20倍量の30℃のイオン交換水中に分散して水洗を行った。
そして、この水洗を10回繰り返した後、ループ型気流式乾燥機を用いてサイクロン捕集での乾燥、分級を行い、透明トナー粒子(T1)を得た。
次に、得られた透明トナー粒子(T1)100質量部に、フュームドシリカ(体積平均粒子径140nm、HMDS処理)を0.4質量部加え、20Lのヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽先端周速10m/sで20分間ブレンドを行い外添した。さらに、酸化チタン粒子(体積平均粒子径20nm)を0.2質量部を加え、20Lヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽先端周速55m/sで15分ブレンドを行い外添した。
その後106μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、透明トナー(T1)を作製した。
(透明トナー(T2))
透明トナーT1の製造において、凝集粒子の成長促進温度を62℃から60℃に変更した以外は、透明トナー(T1)と同様にして、透明トナー(T2)を得た。
(透明トナー(T3))
透明トナーT1の製造において、凝集粒子の成長促進温度を62℃から65℃に変更した以外は、透明トナー(T1)と同様にして、透明トナー(T3)を得た。
(透明トナー(T4))
透明トナーT1の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から3.5%に変更した以外は、透明トナー(T1)と同様にして、透明トナー(T4)を得た。
(透明トナー(T5))
透明トナーT1の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から1.0%に変更した以外は、透明トナー(T1)と同様にして、透明トナー(T5)を得た。
(透明トナー(T6))
透明トナーT2の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から3.5%に変更した以外は、透明トナー(T2)と同様にして、透明トナー(T6)を得た。
(透明トナー(T7))
透明トナーT2の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から1.0%に変更した以外は、透明トナー(T2)と同様にして、透明トナー(T7)を得た。
(透明トナー(T8))
透明トナーT3の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から3.5%に変更した以外は、透明トナー(T3)と同様にして、透明トナー(T8)を得た。
(透明トナー(T9))
透明トナーT3の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から1.0%に変更した以外は、透明トナー(T3)と同様にして、透明トナー(T9)を得た。
(透明トナー(T10))
透明トナーT1の製造において、凝集粒子の成長促進温度を62℃から58.5℃に変更した以外は、透明トナー(T1)と同様にして、透明トナー(T10)を得た。
(透明トナー(T11))
透明トナーT1の製造において、凝集粒子の成長促進温度を62℃から67℃に変更した以外は、透明トナー(T1)と同様にして、透明トナー(T11)を得た。
(透明トナー(T12))
透明トナーT10の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から4.0%に変更した以外は、透明トナー(T10)と同様にして、透明トナー(T12)を得た。
(透明トナー(T13))
透明トナーT11の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から4.0%に変更した以外は、透明トナー(T11)と同様にして、透明トナー(T13)を得た。
(透明トナー(T14))
透明トナーT10の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から0.5%に変更した以外は、透明トナー(T10)と同様にして、透明トナー(T14)を得た。
(透明トナー(T15))
透明トナーT11の製造において、エチレンジアミン4酢酸・4Na塩水和物の添加量を2.0%から0.5%に変更した以外は、透明トナー(T11)と同様にして、透明トナー(T15)を得た。
(透明トナー(T16))
・スチレン :280質量部
・nブチルアクリレート :120質量部
・アクリル酸 :5質量部
・ドデカンチオール :8質量部
上記組成の成分を混合し、溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)7質量部およびアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC)11質量部をイオン交換水500質量部に溶解した溶液に、フラスコ中で分散し、乳化し10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬社製)3質量部をイオン交換水に溶解した溶液50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その後、反応液を室温まで冷却し、ガラス転移点61℃、重量平均分子量が15000である樹脂粒子を分散させてなるスチレンアクリル樹脂分散液(1)を調製した。
そして、透明トナーT1の製造において、ポリエステル樹脂分散液(1)からスチレンアクリル樹脂分散液(1)に変更した以外は、透明トナー(T1)と同様にして、透明トナー(T16)を得た。
なお、得られた透明トナーの特性について、表1に一覧にして示す。
[実施例1〜16、比較例1〜12]
表1に従って、有色トナーと、透明トナーと、を組み合わせたトナーセットを各実施例、各比較例とした。
各例のトナーセットの各トナーの体積平均粒径、アルミニウム量の関係について、表1に示す。
[評価]
−現像剤セットの作製−
各例のトナーセットの各有色トナー8質量部に対して下記キャリア(1)92質量部を、各透明トナー8質量部に対して下記キャリア(2)92質量部を、それぞれVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後、孔径212μmのメッシュで篩分して、各現像剤を作製し、現像剤セットを準備した。
−キャリア(1)の製造−
・フェライト粒子(平均粒径;35μm) 100質量部
・トルエン 14質量部
・メタクリル酸メチル−メタクリル酸パーフルオロオクチルエチル共重合体(共重合比8:2)、Mw76000 1.6質量部
サンドミルを用いてこれらを分散させたものを、さらに10分間スターラーで撹拌し、被膜層形成液を調合した。次に、この被膜層形成液とフェライト粒子(35μm)とを真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被膜層を形成してキャリア(1)を得た。
−キャリア(2)の製造−
・フェライト粒子(平均粒径;100μm) 100質量部
・トルエン 14質量部
・メタクリル酸メチル−メタクリル酸パーフルオロオクチルエチル共重合体(共重合比8:2)、Mw76000 0.4質量部
サンドミルを用いてこれらを分散させたものを、さらに10分間スターラーで撹拌し、被膜層形成液を調合した。次に、この被膜層形成液とフェライト粒子(100μm)とを真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被膜層を形成してキャリア(2)を得た。
−実機評価−
画像形成装置として、富士ゼロックス社製「Color 1000 Press」改造機(現像機内に現像剤が無くても1つでも現像機内に現像剤が入っている状態であれば出力可能なように改造した改造機)を準備し、得られた現像剤セットの各現像剤を各色毎の現像機に、得られたトナーセットの各トナーを各色毎のトナーカートリッジに入れた。
そして、この画像形成装置を用いて、5×5cmのベタの有色トナーのみのベタ画像と共に、有色トナーのベタ画像上に透明トナーのベタ画像を形成した後、定着し、有色トナー定着画像上に透明トナー定着画像が形成された盛り上げ画像を形成した。
−画像の段差、段差の勾配角度、及びグロス差の測定−
得られた盛り上げ画像について、表面粗さ計(Surfcom)で、非画像部から画像部へ、画像をスキャンし、高さプロファイルを作製した(縦倍率500倍、横倍率20倍)。
そして、非画像部の高さをゼロとした時、画像高さが3μmとなった点をX1、画像高さが最大になった点をX2とした時、X2−X1の高さの差を画像の段差とし、X2とX1の移動距離と高さから求められる勾配を段差の勾配角度とし算出した。また、株式会社東洋精機製作所製の携帯型光沢計により、有色トナーのベタ画像部と透明トナーによる盛り上げ画像部の60°グロスを測定し、グロス差とした。なお、画像の段差、段差の勾配角度、及びグロス差は、1画像につき、5箇所測定し、最大と最小を除いた3点の平均値を値とした。
〜画像段差〜
◎:25μm以上
○:21μm以上25μm未満
△:15μm以上21μm未満
×:15μm未満
〜段差の勾配角度〜
◎:65°以上
○:50°以上65°未満
△:40°以上50°未満
×:40°未満
〜グロス差〜
◎:10未満
○:10以上15未満
△:15以上25未満
×:25以上
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、画像の段差が高く、段差の勾配角度が大きい盛り上げ画像が形成されることがわかる。
11 感光体
12 駆動ロール
13 支持ロール
14 バイアスロール
15 クリーニング装置
16 ベルトクリーナ
17 一次転写ロール
18 帯電ロール
19 露光装置
20 現像装置
34 二次転写ロール
35 定着器
40 トナーカートリッジ
50 画像形成ユニット
P 記録紙

Claims (9)

  1. 結着樹脂と着色剤とアルミニウムとを含む静電荷像現像用有色トナーによる有色トナー画像を記録媒体上に形成する第1画像形成工程と、
    結着樹脂とアルミニウムとを含む静電荷像現像用透明トナーによる透明トナー画像を前記記録媒体上の前記有色トナー画像上に形成する第2画像形成工程と、
    前記記録媒体上の前記有色トナー画像及び前記透明トナー画像を定着する定着工程と、
    を有し、
    前記静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDc(μm)とし、前記静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDt(μm)としたとき、下記式(A1)及び(A2)の関係を満たし、
    前記静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlc(atom%)とし、前記静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAlt(atom%)としたとき、下記式(B1)の関係を満たす画像形成方法。
    ・式(A1):18≦Dt≦30
    ・式(A2):2.5≦Dt/Dc≦9
    ・式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0
  2. 前記静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 結着樹脂と着色剤とアルミニウムとを含む静電荷像現像用有色トナーを有する第1静電荷像現像剤が収容された第1現像装置を備え、前記静電荷像現像用有色トナーによる有色トナー画像を記録媒体上に形成する第1画像形成手段と、
    結着樹脂とアルミニウムとを含む静電荷像現像用透明トナーを有する第2静電荷像現像剤が収容された第2現像装置を備え、前記静電荷像現像用透明トナーによる透明トナー画像を前記記録媒体上の前記有色トナー画像上に形成する第2画像形成手段と、
    前記記録媒体上の前記有色トナー画像及び前記透明トナー画像を定着する定着手段と、
    を備え、
    前記静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDc(μm)とし、前記静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDt(μm)としたとき、下記式(A1)及び(A2)の関係を満たし、
    前記静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlc(atom%)とし、前記静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAlt(atom%)としたとき、下記式(B1)の関係を満たす画像形成装置。
    ・式(A1):18≦Dt≦30
    ・式(A2):2.5≦Dt/Dc≦9
    ・式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0
  4. 前記静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 結着樹脂と着色剤とアルミニウムとを含む静電荷像現像用有色トナーと、
    結着樹脂とアルミニウムとを含む静電荷像現像用透明トナーと、
    を有し、
    前記静電荷像現像用有色トナーの体積平均粒径をDc(μm)とし、前記静電荷像現像用透明トナーの体積平均粒径をDt(μm)としたとき、下記式(A1)及び(A2)の関係を満たし、
    前記静電荷像現像用有色トナーのアルミニウム含有量をAlc(atom%)とし、前記静電荷像現像用透明トナーのアルミニウム含有量をAlt(atom%)としたとき、下記式(B1)の関係を満たす静電荷像現像用トナーセット。
    ・式(A1):18≦Dt≦30
    ・式(A2):2.5≦Dt/Dc≦9
    ・式(B1):1.2≦Alt/Alc≦4.0
  6. 前記静電荷像現像用透明トナーの結着樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項5に記載の静電荷像現像用トナーセット。
  7. 請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーを含む第1静電荷像現像剤と、請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用透明トナーを含む第2静電荷像現像剤と、を有する静電荷像現像剤セット。
  8. 請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーを収容した第1トナーカートリッジと、請求項5又は4に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用透明トナーを収容した第2トナーカートリッジと、を有し、
    画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジセット。
  9. 請求項7に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第1静電荷像現像剤を収容した第1現像装置と、請求項7に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第2静電荷像現像剤を収容した第2現像装置と、を備え、
    画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
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