JP5824221B2 - 消耗電極アーク溶接制御方法 - Google Patents

消耗電極アーク溶接制御方法 Download PDF

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本発明は、溶接電源の外部特性の傾斜を所定値に制御すると共に、溶接電流と電流設定値とが等しくなるように溶接ワイヤの送給速度をフィードバック制御して溶接する消耗電極アーク溶接制御方法に関するものである。
消耗電極アーク溶接では、溶接ワイヤを一定速度で送給し、溶接ワイヤと母材との間にアークを発生させて溶接が行われる。この消耗電極アーク溶接には、炭酸ガスアーク溶接法、マグ溶接法、ミグ溶接法、パルスアーク溶接法、交流パルスアーク溶接法等の種々な溶接法がある。消耗電極アーク溶接では、外部特性が定電圧特性である溶接電源が使用される。これは、定電圧特性には、アーク長を一定値に維持する自己制御作用(アーク長制御作用)と呼ばれる作用があるためである。以下、この溶接電源の外部特性について説明する(例えば、特許文献1参照)。
図3は、溶接電源の外部特性を例示する図である。横軸はアークを通電する溶接電流Iw(A)を示し、縦軸は溶接電源の出力電圧E(V)を示す。出力電圧Eは、図1で後述するように、高周波変圧器の2次側出力を整流したパルス状電圧を、インバータ回路の制御周期ごとに平均化した値である。外部特性L1、L2は、溶接電流Iwと出力電圧Eとの関係を示すものであり、一般的に右肩下がりの直線となる。同図に示すように、外部特性L1及びL2は、電流基準値Ir(A)と電圧基準値Er(V)との交点Pを通る傾斜設定値Kr(V/A)の直線となる。したがって、外部特性は、以下の式で表すことができる。
E=Kr×(Iw−Ir)+Er …(1)式
例えば、外部特性L1は、傾斜設定値Kr=−0.03V/Aの場合である。外部特性L2は、傾斜設定値Kr=−0.1V/Aの場合である。この外部特性の傾斜設定値Krは、−0.01〜−−0.1V/A程度の範囲で溶接条件に応じて適正値に設定される。この範囲の傾斜を有する外部特性を定電圧特性と呼んでいる。傾斜設定値Krを変化させた方が良い溶接条件としては、溶接法、溶接速度等がある。例えば、炭酸ガスアーク溶接法、マグ溶接法又はミグ溶接法の場合には、−0.01〜−0.05V/Aの範囲で設定されることが多い。他方、パルスアーク溶接法又は交流パルスアーク溶接法の場合には、−0.05〜−0.1V/A程度の範囲で設定されることが多い。このように溶接条件に応じて傾斜設定値Krを変化させる理由は、以下のとおりである。すなわち、傾斜設定値Krによって、上述したアーク長制御系のゲイン(利得)が決まるので、アーク長制御系の過渡応答性及び定常安定性が変化するためである。溶接条件に応じて傾斜設定値Krを適正化すると、アーク長制御系の過渡応答性及び定常安定性が良好になる。
ところで、消耗電極アーク溶接では、給電チップ・母材間距離(トーチ高さ)を一定値に保持して溶接を行うのが基本である。この一定値の給電チップ・母材間距離は、溶接電流値(送給速度)に応じてその適正値が異なっている。例えば、溶接電流値が150Aのときは15mm程度であり、200Aのときは20mm程度であり、250Aのときは25mm程度である。この溶接電流値に応じた適正値である給電チップ・母材間距離を基準値と呼ぶことにする。給電チップ・母材間距離を一定に保持するのは、溶接電流値が約180A未満の小電流域では、給電チップ・母材間距離が変動すると、アーク状態が不安定になるからである。また、溶接電流値が約180A以上の中・大電流域では、給電チップ・母材間距離が変動しても、アーク状態は比較的安定した状態であるが、溶接電流値が変化するために、母材の溶け込み深さが変動して溶接品質が悪くなるからである。中・大電流域の溶接では、深い開先を溶接したり、多層盛り溶接を行なうことも多いために、給電チップ・母材間距離を一定値に保持することが困難な場合も生じる。このような場合においても、溶け込み深さを略一定に維持して良好な溶接品質を得ることができる従来技術(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
この従来技術では、溶接電流値が予め定めた溶接電流設定値と等しくなるように溶接ワイヤの送給速度をフィードバック制御によって可変している。ここで、溶接電流値は、溶接電流の瞬時値をカットオフ周波数1〜10Hz程度のローパスフィルタに通した値である。すなわち、給電チップ・母材間距離が基準値よりも長くなると、溶接電流値は減少する。溶接電流値が減少すると溶接電流設定値よりも小さくなるので、フィードバック制御によって送給速度が速くなる。この結果、溶接電流値は増加して溶接電流設定値と等しくなる。給電チップ・母材間距離が基準値よりも短くなったときも、同様にして、溶接電流値は溶接電流設定値を維持することになる。したがって、従来技術では、給電チップ・母材間距離が変動しても、溶接電流値を一定値に維持することができるので、溶け込み深さを安定化することができる。この従来技術の送給制御方法を、溶け込み制御又は電流一定化制御と一般的に呼ぶ場合もある。したがって、以下の説明においては、上述した送給制御方法を電流一定化制御と記載する場合もある。
特開2008−142730号公報 特開平7−51854号公報
消耗電極アーク溶接において、溶接電圧を調整してアーク長を比較的長く設定すると、溶接ワイヤと母材との間に短絡が発生しない溶接状態となる。そして、溶接電圧を小さくしていくと、アーク長は次第に短くなり、溶接ワイヤと母材との間に短絡が発生するようになる。さらに溶接電圧を小さくしていくと、アーク長もより一層短くなり、短絡回数が多くなる。継手形状、溶接姿勢等に応じて適正なアーク長に設定して溶接する必要がある。このために、短絡が発生しないアーク長、短絡が少し発生するアーク長又は短絡が多く発生するアーク長のいずれの状態でも溶接を行うことになる。
上述した電流一定化制御では、給電チップ・母材間距離及び送給速度が変化する溶接であるので、アーク長が変動しやすい溶接状態となる。さらには、上述したアーク長設定の長短によってこのアーク長の変動状態が異なる。アーク長の過渡的な変動が小さいほど、溶接状態は安定化することになる。アーク長の過渡的な変動を小さくするためには、上述したように、外部特性の傾斜を適正化する必要がある。しかし、短絡が発生しない比較的長いアーク長に設定したときに傾斜を適正化すると、短絡が発生する比較的短いアーク長に設定したときはアーク長の過渡的な変動が大きくなるという問題があった。逆に、短絡が発生する比較的短いアーク長に設定したときに傾斜を適正化すると、短絡が発生しない比較的長いアーク長に設定したときはアーク長の定常安定性が悪くなるという問題があった。
そこで、本発明では、電流一定化制御において、アーク長の長短の設定に関わりなくアーク長の過渡的な変動が小さく、かつ、定常安定性も良好である消耗電極アーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接電源の外部特性の傾斜を所定値に制御すると共に、溶接電流と予め定めた溶接電流設定値とが等しくなるように溶接ワイヤの送給速度をフィードバック制御して溶接する消耗電極アーク溶接制御方法において、
単位時間当たりの短絡回数を検出し、この短絡回数検出値Ndを入力として予め定めた傾斜設定関数によって前記外部特性の傾斜を設定し、
前記傾斜設定関数は、前記短絡回数検出値Ndが大きくなるほど傾斜の絶対値が小さくなるように設定する関数である、
ことを特徴とする消耗電極アーク溶接制御方法である。
請求項2の発明は、前記短絡回数の検出を、アークスタート時点から1回だけ行う、
ことを特徴とする請求項1記載の消耗電極アーク溶接制御方法である。
請求項3の発明は、前記短絡回数の検出を、所定周期ごとに行う、
ことを特徴とする請求項1記載の消耗電極アーク溶接制御方法である。
請求項4の発明は、前記傾斜設定関数は、前記短絡回数検出値NdがNd=0のとき予め定めた第1傾斜に設定し、Nd>0のとき前記第1傾斜よりも絶対値が小さな値の予め定めた第2傾斜に設定する関数である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する消耗電極アーク溶接制御方法である。

本発明によれば、短絡回数の検出値に応じて外部特性の傾斜を適正化している。このために、アーク長設定の長短に関わりなく、電流一定化制御におけるアーク長制御系の過渡応答性及び定常安定性を良好にすることができる。この結果、給電チップ・母材間距離が変化して送給速度が変化しても、アーク長の過渡的な変動を小さくすることができるので、良好な溶接品質を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 図1の傾斜設定回路KRに内蔵された傾斜設定関数の一例を示す図である。 従来技術において、溶接電源の外部特性を例示する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態では、溶接電源の外部特性の傾斜を所定値に制御すると共に、溶接電流と溶接電流設定値とが等しくなるように溶接ワイヤの送給速度をフィードバック制御し、単位時間当たりの短絡回数を検出し、この短絡回数検出値を入力として傾斜設定関数によって外部特性の傾斜を設定するものである。以下、この実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図は、溶接法が炭酸ガスアーク溶接法、マグ溶接法又はミグ溶接法の場合に使用される溶接電源の場合である。以下、同図を参照して、各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、出力電圧E及び溶接電流Iwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流回路、整流されたリップルのある直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を高周波交流(50〜150kHz)に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流回路、上記の誤差増幅信号Eaを入力としてPWM変調制御に基づいて上記のインバータ回路のブリッジ用トランジスタを駆動するための駆動回路を備えている。直流リアクトルDCLは、上記の出力電圧Eを平滑する。溶接ワイヤ1は、送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を通って送給され、母材2との間にアーク3が発生する。溶接ワイヤ1と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
溶接電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、溶接電圧検出信号Vdを出力する。短絡判別回路SDは、この溶接電圧検出信号Vdを入力として、この値が短絡判別値(15V程度)以下のときは短絡状態にあると判別してHighレベルになる短絡判別信号Sdを出力する。
短絡回数検出回路NDは、上記の短絡判別信号Sdを入力として、所定周期ごとに単位時間当たりの短絡回数を算出して、短絡回数検出信号Ndを出力する。所定周期は、例えば1〜5秒程度に設定される。アーク長の設定が溶接中に複数回変化するような場合には、この所定周期を短く設定すると、アーク長変化時の短絡回数の変化を正確に検出することができる。短絡回数の変化を正確に検出することができると、後述するように、電流一定化制御におけるアーク長制御の過渡応答性及び定常安定性を向上させることができる。また、短絡回数の検出をアークスタート後に1回だけ行うようにしても良い。これは、1回の溶接中にはアーク長の設定が変化しない場合である。アークスタート後に溶接状態が安定した時点で短絡回数を検出すれば良い。上記の単位時間は、例えば1秒間である。但し、短絡回数の検出時間(計測時間)は、0.5〜3秒程度に設定し、その検出回数を1秒間に換算すれば良い。したがって、短絡回数検出信号Ndの値は、0以上の実数となる。短絡回数を周期ごとに検出して、その移動平均値を算出して、上記の短絡回数検出信号Ndとしても良い。
電圧基準値設定回路ERは、予め定めた電圧基準値信号Erを出力する。電流基準値設定回路IRは、予め定めた電流基準値信号Irを出力する。傾斜設定回路KRは、上記の短絡回数検出信号Ndを入力として、予め定めた傾斜設定関数によって傾斜設定信号Krを出力する。この傾斜設定関数については、図2で後述する。
溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。外部特性形成回路ECRは、上記の電圧基準値信号Er、上記の電流基準値信号Ir、上記の傾斜設定信号Kr及びこの溶接電流検出信号Idを入力として、上述した(1)式に基づいてEcr=Kr×(Id−Ir)+Erを演算して、出力電圧制御設定信号Ecrを出力する。この回路によって、図3で上述した所望の外部特性を形成するために、溶接電流検出信号Idに対応した出力電圧制御設定信号Ecrを出力している。
出力電圧検出回路EDは、高周波変圧器の2次側出力を整流したパルス状電圧である上記の出力電圧Eを検出し、この検出値をインバータ回路の制御周期ごとに平均化して、出力電圧検出信号Edを出力する。誤差増幅回路EAは、上記の出力電圧制御設定信号Ecrとこの出力電圧検出信号Edとの誤差を増幅して、誤差増幅信号Eaを出力する。上記の外部特性形成回路ECR及びこの誤差増幅回路EAによって、傾斜設定値Krの外部特性を形成することができる。
溶接電流設定回路IWRは、予め定めた溶接電流設定信号Iwrを出力する。溶接電流フィルタ回路IFTは、上記の溶接電流検出信号Idを入力として、カットオフ周波数1〜10Hz程度のローパスフィルタを通して、溶接電流フィルタ信号Iftを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の溶接電流設定信号Iwrと上記の溶接電流フィルタ信号Iftとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。送給速度設定回路FRは、この電流誤差増幅信号Eiを積分して、送給速度設定信号Frを出力する。積分は溶接中行われて、Fr=Fr0+∫Ei・dtとなる。ここで、Fr0は初期値である。この初期値Fr0は、6〜10m/min程度の範囲で適正値に設定される。上記の溶接電流設定信号Iwrの値、溶接ワイヤの材質、直径、及び基準給電チップ・母材間距離が定まると送給速度がきまるので、この送給速度を初期値Fr0としても良い。送給制御回路FCは、この送給速度設定信号Frを入力として、この設定値に相当する送給速度で溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。上記の電流誤差増幅回路EI、上記の送給速度設定回路FR、上記の送給制御回路FC及び上記の送給モータWMによって、電流一定化制御が行われる。
図2は、上述した傾斜設定回路KRに内蔵されている傾斜設定関数の一例を示す図である。横軸は短絡回数検出信号Nd(回/秒)を示し、縦軸は傾斜設定信号Kr(V/A)を示す。横軸は0〜20回/秒の範囲を示している。縦軸は、一番上が0.0V/Aを示し、一番下が−0.06V/Aを示している。以下、同図を参照して説明する。
同図に示すように、傾斜設定関数は、Nd=0のときKr=−0.05となり、直線状に増加してNd=1のときKr=−0.03となり、さらに直線状に増加してNd=10のときKr=−0.02となり、Ndが10〜20の範囲ではKr=−0.02のままとなる。同図では関数が折れ線となり直線状に増加する場合であるが、曲線状に増加するようにしても良い。また、Nd=0のときKr=第1傾斜とし、Nd>0のときKr=第2傾斜として、ステップ状に変化するようにしても良い。ここで、第1傾斜<第2傾斜であり、絶対値では|第1傾斜|>|第2傾斜|である。例えば、第1傾斜は−0.05であり、第2傾斜は−0.02である。すなわち、傾斜設定関数は、短絡回数検出信号Ndの値が大きくなると、傾斜設定信号Krの値も大きくなる(絶対値が小さくなる)ようにすれば良い。この傾斜設定関数は、溶接法、溶接ワイヤの材質、直径、溶接電流設定信号Iwrの値等に応じて実験によって適正値に設定される。
上述したように、短絡回数検出値が大きくなるほど外部特性の傾斜の絶対値を小さくすることによって、電流一定化制御におけるアーク長制御系の過渡応答性及び定常安定性が良好になる理由は、以下のとおりである。電圧基準値信号Erの値を調整して溶接電圧Vwを変化させて定常のアーク長が比較的長くなるようにすると、短絡が発生しないアーク状態になるために単位時間当たりの短絡回数は0回/秒となる。電圧基準値信号Erを小さくして溶接電圧Vwを小さくしアーク長を短くすると、短絡が発生するようになり、単位時間当たりの短絡回数は数回/秒となる。さらに、電圧基準値信号Erを小さくして溶接電圧Vwを小さくしアーク長をさらに短くすると、短絡が発生する頻度が高まり、単位時間当たりの短絡回数は十数回/秒となる。すなわち、単位時間当たりの短絡回数によって、アーク長の設定状態を検出することができる。したがって、単位時間当たりの短絡回数を検出し、この短絡回数検出値に応じて外部特性の傾斜を最適化すれば、アーク長設定の長短に関わり無く電流一定化制御におけるアーク長制御系の過渡応答性及び定常安定性を良好にすることができる。
ところで、アーク長は、上述したように、電圧基準値信号Erの値によって設定している。しかし、同一の電圧基準値信号Erの値であっても、溶接速度、継手形状、溶接姿勢等が異なるとアーク長が異なる値となる。したがって、アーク長を電圧基準値信号Erの値によって検出することは困難である。このために、本実施の形態では、アーク長の検出を単位時間当たりの短絡回数によって行っている。
上述した実施の形態によれば、短絡回数の検出値に応じて外部特性の傾斜を適正化している。このために、アーク長設定の長短に関わりなく、電流一定化制御におけるアーク長制御系の過渡応答性及び定常安定性を良好にすることができる。この結果、給電チップ・母材間距離が変化して送給速度が変化しても、アーク長の過渡的な変動を小さくすることができるので、良好な溶接品質を得ることができる。
上述した実施の形態では、炭酸ガスアーク溶接法、マグ溶接法及びミグ溶接法の場合を例示したが、本発明は、パルスアーク溶接法及び交流パルスアーク溶接法にも適用することができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DCL 直流リアクトル
E 出力電圧
EA 誤差増幅回路
Ea 誤差増幅信号
ECR 外部特性形成回路
Ecr 出力電圧制御設定信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
ER 電圧基準値設定回路
Er 電圧基準値(信号)
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fr0 初期値
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
IFT 溶接電流フィルタ回路
Ift 溶接電流フィルタ信号
IR 電流基準値設定回路
Ir 電流基準値(信号)
Iw 溶接電流
IWR 溶接電流設定回路
Iwr 溶接電流設定信号
KR 傾斜設定回路
Kr 傾斜設定(値/信号)
L1、L2 外部特性
ND 短絡回数検出回路
Nd 短絡回数検出(値/信号)
P 交点
PM 電源主回路
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
VD 溶接電圧検出回路
vd 溶接電圧検出信号
Vw 溶接電圧
WM 送給モータ

Claims (4)

  1. 溶接電源の外部特性の傾斜を所定値に制御すると共に、溶接電流と予め定めた溶接電流設定値とが等しくなるように溶接ワイヤの送給速度をフィードバック制御して溶接する消耗電極アーク溶接制御方法において、
    単位時間当たりの短絡回数を検出し、この短絡回数検出値Ndを入力として予め定めた傾斜設定関数によって前記外部特性の傾斜を設定し、
    前記傾斜設定関数は、前記短絡回数検出値Ndが大きくなるほど傾斜の絶対値が小さくなるように設定する関数である、
    ことを特徴とする消耗電極アーク溶接制御方法。
  2. 前記短絡回数の検出を、アークスタート時点から1回だけ行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の消耗電極アーク溶接制御方法。
  3. 前記短絡回数の検出を、所定周期ごとに行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の消耗電極アーク溶接制御方法。
  4. 前記傾斜設定関数は、前記短絡回数検出値NdがNd=0のとき予め定めた第1傾斜に設定し、Nd>0のとき前記第1傾斜よりも絶対値が小さな値の予め定めた第2傾斜に設定する関数である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する消耗電極アーク溶接制御方法。
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