以下、本発明の一実施形態に係る通信装置、情報処理装置、ファクシミリ装置、ファクス通信システム、データ作成プログラム、ファクス送信制御プログラム、及びファクス送信プログラムについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るファクス通信システムを示す図である。
本発明の一実施形態に係るファクス通信システム10は、画像形成装置1と、情報処理装置2と、通信装置3とを備える。この画像形成装置1は、ファクシミリ装置の一例である。
通信装置3は、タブレット端末、スマートフォン、又はパーソナルコンピューター等である。通信装置3は、インターネット通信機能を有し、ウェブサーバー5との間でデータの送受信が可能な構成を有する。また、通信装置3については、制御ユニット300(図2)部分が、ファクス通信システム10の構成要素になるとしてもよい。
操作者は、通信装置3を操作して、通信装置3にインストールされているアプリケーション等により、画像形成装置1によるファクス送信の対象とする送付状及び原稿の文書データを、例えば送付状の予め定められた位置に送信相手先のファクス番号(送信相手先情報)を記載した上で作成する。操作者は、当該文書データの作成後、通信装置3を操作して、通信装置3に、当該文書データを、画像形成装置1によりファクス送信を行わせる送信対象データとして、ウェブサーバー5に送信させる。当該ウェブサーバー5への送信対象データの送信方式は特に限定されないが、本実施形態では、通信装置3のメーラー機能による電子メール形式である。通信装置3は、送信対象データを電子メール形式として、ファクス送信を行わせる画像形成装置1に対応付けられたメールアドレスを指定して、メールサーバーとしてのウェブサーバー5に送信する。
ウェブサーバー5は、通信装置3及び情報処理装置2との間での通信を可能にする構成を有する。すなわち、ウェブサーバー5は、インターネットを介して、通信装置3と情報処理装置2との間でのデータ送受信を可能にする。本実施形態では、ウェブサーバー5は、上記メールアドレスが附随する送信対象データを、メール形式により通信装置3から受信すると、内蔵するHDD等の記憶領域に当該送信対象データを保存する。
画像形成装置1及び情報処理装置2は、事務所や企業等の職場環境内に設置されている。
情報処理装置2は、LAN等のネットワークにより画像形成装置1に通信可能に接続すると共に、ルーター6を介して、インターネット上のウェブサーバー5と通信可能に接続している。なお、画像形成装置1、情報処理装置2及びルーター6が設置される上記職場環境内と、インターネットで接続される外部環境との間には、ファイヤーウォール7が設定されている。
情報処理装置2は、ウェブサーバー5にアクセスして、上記メールアドレス及び送信対象データを取得する。本実施形態では、情報処理装置2は、具備しているメーラーにより、予め定められた一定期間毎に、ウェブサーバー5にアクセスして、画像形成装置1について予め設定されている固有のメールアドレスを有する送信対象データがウェブサーバー5の記憶部にメール形式で記憶されているか否かを判断し、当該メールアドレスを有する送信対象データが当該記憶部に記憶されていれば、当該送信対象データをメール形式で取得する。
情報処理装置2は、更に、取得した送信対象データを解析し、当該送信対象データに含まれる送信相手先情報としてのファクス番号を抽出する。例えば、情報処理装置2は、送信対象データである送付状としての文書データ中に含まれている送信相手先情報としてのファクス番号を抽出する。更に、情報処理装置2は、当該取得した送信対象データを、画像形成装置1で適用されている印刷フォーマットのデータ形式(例えば、PDL等のプリンター言語)に変換する。情報処理装置2は、当該抽出したファクス番号と当該変換したデータとを画像形成装置1に送信する。
画像形成装置1は、上述したように、ファクシミリ装置の一例である。本実施形態では、画像形成装置1を、プリンター,コピー,ファクス等の複数機能を備えたいわゆる複合機として説明する。画像形成装置1は、LAN等による通信機能を備え、当該通信機能により、情報処理装置2との間でデータ送受信を行う。画像形成装置1は、例えば公衆電話回線を通じて、外部のファクシミリ装置F1,F2…に対して、ファクス送信を行う機能を有する。なお、画像形成装置1に限られず、ファクシミリ通信機能を備える電子機器を、当該ファクシミリ装置として用いることができる。
画像形成装置1は、情報処理装置2から上記ファクス番号及び送信対象データを受信すると、当該ファクス番号の示す外部のファクシミリ装置F1,F2…に、公衆回線81を介して、当該送信対象データをファクス送信する。
このようにして、ファクス通信システム10は、通信装置3で作成した送付状及び原稿を含む送信対象データを、通信装置3からウェブサーバー5を介して情報処理装置2に送り、情報処理装置2において、画像形成装置1でのファクス送信に必要な上記処理を当該送信対象データに対して行うことで、通信装置3から送る当該送信対象データを画像形成装置1がファクス送信する。
次に、通信装置3の構成を説明する。図2は通信装置3の概略構成を示すブロック図である。
通信装置3は、制御ユニット300と、ROM312と、RAM313と、メモリー314と、表示部315と、通話機能部317と、通信インターフェイス318と、入力部319とを備える。これら各部は、互いに信号線(CPUバス等)によりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
制御ユニット300は、CPU等からなる。ROM312は、通信装置3の基本動作についての動作プログラムを記憶する。RAM313は、制御ユニット300の動作領域等として使用される。
メモリー314は、各種データやプログラムを記憶するための記憶媒体である。メモリー314には、本発明の一実施形態に係るデータ作成プログラムが記憶(インストール)されている。本実施形態では、メモリー314は、後述するように、関連情報記憶部3141、及び送信相手先情報記憶部3142として機能する。
制御ユニット300は、データ作成プログラムに従って動作することで、制御部301(制御部301による機能のうち、ファクス送信の対象とする送信対象データの作成及び送信に関する機能)、送信対象設定部302、送信相手先受付部303、送信部304、結果受信部305、検出部306、及び算出部307として機能する。但し、制御ユニット300の当該制御部301、送信対象設定部302、送信相手先受付部303、送信部304、結果受信部305、検出部306、及び算出部307は、上記データ作成プログラムに従った動作によらずに、それぞれハード回路により構成されてもよい。
また、結果受信部305、及び算出部307は、下記に示す実施形態において、以下に示す実施形態において必要となる限りで、本発明の一実施形態に係る通信装置3の構成要素となる。
上記データ作成プログラムは、画像形成装置1によるファクス送信の対象とする送付状及び原稿を作成し、或いは、当該送付状及び原稿を指定し、当該送付状及び原稿等からなるデータをウェブサーバー5に送信してここから画像形成装置1に取得させるプログラムである。
制御部301は、通信装置3が備える各部の動作制御を司る。
送信対象設定部302は、予め定められた画像形成装置(本実施形態では画像形成装置1が送信対象設定部302に予め記憶されている)によるファクス送信の対象とする送信対象データを、入力部319の操作で入力される操作者からの指示に基づいて設定する。例えば、送信対象設定部302は、通信装置3に装備されている文書作成アプリケーションにより作成されてメモリー314に記憶されている送付状や原稿の文書データの中から、入力部319の操作で操作者により指定された文書データを送信対象データとして受け付ける。なお、本実施形態では、入力部319は、表示部315の表示画面部分に設けられたタッチパネル機能により操作者からの指示を受け付ける。
また、送信対象設定部302は、送信対象データとして用いられる送付状のひな型のデータを記憶しており、入力部319の操作により操作者から指定されるひな型、又は検出部306によって検出されるひな型を用いて送付状を作成する。この送付状のひな型は、予め定められた入力項目、例えば、送付状名、発信者名、発信社会社名、送信対象データを送信する相手先の宛先名称、送信相手先ファクス番号、及び送信相手先電話番号等の予め定められた入力項目を有し、操作者からの指示、又は後述する処理の下で、送信対象設定部302にが各入力項目に情報を挿入して送付状を作成する。なお、上記に示した各入力項目の内容は、単なる例示であり、入力項目の内容を上記に限定する趣旨ではない。
本実施形態では、送信対象設定部302は、上記入力項目として挿入する情報と、更に送信相手先受付部303に受け付けられた送信相手先情報としてのファクス番号(入力項目の1つとして解してもよい)とを含ませた上で当該送付状としての文書データを作成する。
送信相手先受付部303は、操作者から、画像形成装置1によるファクス送信相手先を示す送信相手先情報としてのファクス番号を受け付ける。
送信部304は、上記ファクス番号を含む送付状及び原稿からなる送信対象データをウェブサーバー5に送信する。送信部304は、メーラー機能を有し、電子メール形式により当該送信対象データをウェブサーバー5に送信する。送信部304は、当該送信対象データの配信先が画像形成装置1であることを示す画像形成装置1固有のメールアドレスと共に、上記送信対象データをウェブサーバー5に送信する。すなわち、上記画像形成装置1固有のメールアドレスは、通信装置3がウェブサーバー5に対して、画像形成装置1へ上記送信対象データを配信させる配信指示となる。
結果受信部305は、画像形成装置1におけるファクス送信結果を示す送信結果情報を、ウェブサーバー5を介して画像形成装置1から受信する。結果受信部305は、当該受信した送信結果を送信履歴(送信成功、送信失敗、中断等を示す)として、当該送信結果が示すファクス送信の送信対象となった送信対象データ及びその送信相手先情報と共にメモリー314の一部領域に保存させる。
また、メモリー314の一部領域には、送信部304により、送信部304が過去の送信に用いた送信対象データ及びその送信相手先情報としてのファクス番号、送信日等の送信相手先情報及びその送信対象データの送信に関する各種の情報が送信履歴として記憶される。
上記メモリー314の一部領域に保存される上記送信履歴は、送信相手先情報から見た場合に、各送信相手先情報の関連情報として用いられる。メモリー314における上記各一部領域はそれぞれ関連情報記憶部3141となる。
また、メモリー314の一部領域には、操作者による指定に従って、送信相手先情報として用いることが可能なファクス番号が記憶されている。メモリー314の当該一部領域は、送信相手先情報記憶部3142となる。当該送信相手先情報としては、例えば、スマートフォン等の通信装置3に記憶されている所謂アドレス帳に含まれるファクス番号が用いられる。
検出部306は、送信相手先受付部303に受付けられた送信相手先情報としてのファクス番号についての上記関連情報に基づいて、当該ファクス番号に用いられた過去の送付状及びその入力項目に該当する情報を検出する。なお、本実施形態では、検出部306は、当該送付状として、上記入力項目が記載された送付状、又は送付状ひな型のいずれを検出してもよいが、本実施形態では、検出部306は、当該送付状として送付状ひな型を検出するものとして説明する。送信対象設定部302は、検出部306により検出された送付状ひな型をファクス送信の対象とする送信対象データとし、検出部306により検出された入力項目に該当する情報を、当該送付状ひな型の入力項目に挿入した上で送付状を作成し、当該作成した送付状を、送信相手先受付部303に受付けられたファクス番号を用いた送信における送信対象データとして設定する。
算出部307は、検出部306が検出した上記送付状ひな型が複数である場合に、送信対象設定部302が、当該複数の送付状ひな型から、ファクス送信の対象とする1つの送付状ひな型を選択するために用いる値、すなわち推奨レベルを算出する。算出部307による当該推奨レベル算出の詳細は後述する。
なお、ウェブサーバー5は、一般的なメールサーバーであり、相手先を振り分けるメール転送エージェント(MTA)、振り分けられたメールをサーバー内のユーザーや別のサーバーへ配送するメール配送エージェント(MDA)の機能を実行する。
次に、情報処理装置2の構成を説明する。図3は情報処理装置2の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、情報処理装置2の機能のうち、ファクス送信制御に関するものを説明する。
情報処理装置2は、制御ユニット200と、ネットワークインターフェイス206と、HDD207とを備える。
制御ユニット200は、CPU、ROM、RAM等からなる。制御ユニット200は、HDD207に記憶されているファクス送信制御プログラムに従って動作することにより、制御部201(制御部201による機能のうち、ファクス送信制御に関する機能)、データ取得部202、変換部203、データ送信部204、及び送信結果受信部205として機能する。但し、制御ユニット200の当該、制御部201、データ取得部202、変換部203、データ送信部204、及び送信結果受信部205は、上記ファクス送信制御プログラムに従った動作によらずに、それぞれハード回路により構成されてもよい。
なお、送信結果受信部205は、以下に示す実施形態において必要となる限りで、本発明の一実施形態に係る通信装置3の構成要素となる。
制御部201は、情報処理装置2の全体的な動作制御を司る。
データ取得部202は、ウェブサーバー5から、画像形成装置1においてファクス送信の対象とする送信対象データを取得する。すなわち、データ取得部202は、予め設定された時間毎に、ルーター6及びインターネットを介して、ウェブサーバー5にアクセスして、画像形成装置1固有の上記メールアドレスが付されたメールを送信対象データとして取得する。
また、データ取得部202は、上記送信対象データの一部をなす送付状の文書データから送信相手先情報としてのファクス番号を抽出する。例えば、データ取得部202は、送付状である文書データにおいて、予め定められたキーワード、例えば、「宛先番号」等を検出し、その後に続く予め定められた桁数の数字をファクス番号として抽出する。
変換部203は、上記送信対象データを画像形成装置1で適用される印刷フォーマットからなるデータ形式に変換する。
データ送信部204は、上記抽出された送信相手先情報としてのファクス番号と、変換部203による上記印刷フォーマットへの変換後の送信対象データとを、ネットワークインターフェイス206を介して画像形成装置1に送信する。また、データ送信部204は、送信結果受信部205により画像形成装置1から受信されたファクス送信結果を、ウェブサーバー5を介して通信装置3に送信する。データ送信部204は、特許請求の範囲における結果送信部の一例でもある。
送信結果受信部205は、ウェブサーバー5を介して、画像形成装置1から、データ送信部204により画像形成装置1に送信した送信対象データについてのファクス送信結果を受信する。
ネットワークインターフェイス206は、インターネットを介したウェブサーバー5との通信、及びLANを介した画像形成装置1との通信時に、これらの通信に必要な処理を行う。
HDD207は、上記ファクス送信制御プログラムと、上記ウェブサーバー5から受信したメール形式の送信対象データを記憶する。
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図4は、画像形成装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。
画像形成装置1は、装置各部の機能を制御する制御ユニット100と、上記の画像読取部110と、画像読取部110によって読み取られた原稿画像のデータ等を一時的に記憶する画像メモリー120と、画像形成部130と、操作部20と、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部150とを備える。操作部20は、操作者からの各種動作実行指示の入力を受け付ける。
また、画像形成装置1は、ネットワークインターフェイス160と、ファクシミリ通信部140と、HDD170と、画像メモリー120と、画像処理部190とを備える。
ファクシミリ通信部140は、ファクシミリ通信に必要な各種機能を実行し、公衆回線81を通じて外部のファクシミリ装置F1,F2…から画像データを送受信する。
HDD170は、情報処理装置2から受信されたファクス送信の送信対象データ及びその送信相手先を示すファクス番号、画像読取部110による読取で得られた画像テータ等を記憶する。なお、当該情報処理装置2から受信されたファクス送信の送信対象データ及びその送信相手先を示すファクス番号は、画像メモリー120に保存してもよい。
ネットワークインターフェイス160は、LAN(Local Area Network)を介して、情報処理装置2から、ファクシミリ通信部140によるファクス送信の対象となる送信対象データ及びそのファクス番号等を受信する。
画像処理部190は、画像読取部110が読み取った画像のデータについて、編集/加工(符号/復号処理、拡大/縮小処理、圧縮/伸長処理)処理等を行う。
制御ユニット100は、CPUと、画像形成動作を制御する制御プログラム等の装置各部の動作プログラムを記憶したROM、各種データを格納して作業領域として機能するRAM、各種制御用パラメータの設定値を記憶する不揮発性メモリー等のメモリーを備え、ROMに記憶された動作プログラムが当該CPUにより実行されることにより、装置各部の動作を司る。
制御ユニット100は、制御部101と、情報受信部102と、データ変換部103と、通信部104とを備える。
例えば、制御ユニット100は、HDD170に記憶されているファクス送信プログラムに従って動作することで、上記制御部(制御部101による機能のうち、当該ファクス送信に関する制御を行う機能部分)101と、情報受信部102と、データ変換部103と、通信部104として機能する。なお、制御ユニット100は、ハード的な回路により、上記制御部101と、情報受信部102と、データ変換部103と、通信部104とを備えるものとしてもよい。
制御部101は、画像形成装置1に備えられる各機構を制御し、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。また、制御部101は、後述するファクス送信に必要となる各動作の制御を行う。
情報受信部102は、予め定められて適用している印刷フォーマットのデータ形式に変換されてファクシミリ通信部140によるファクス送信の対象とする送信対象データと、当該ファクス送信の送信相手先を示す送信相手先情報としてのファクス番号とを、ネットワークインターフェイス160を介して情報処理装置2から受信する。
データ変換部103は、情報受信部102により受信された送信対象データを、ファクシミリ通信部140によるファクス送信が可能なデータ形式、例えばラスタデータに変換する。上記ファクシミリ通信部140は、データ変換部103が変換したデータ形式からなる送信対象データを、上記ファクス番号の示す外部ファクシミリ装置に対してファクス送信する。
通信部104は、ファクシミリ通信部140による上記送信対象データのファクス送信後、ファクシミリ通信部140から当該ファクス送信の結果を取得し、この送信結果を、ネットワークインターフェイス160を介して情報処理装置2に送信する。
次に、通信装置3におけるファクス送信用文書の作成及び送信処理の概要を説明する。図5は通信装置3におけるファクス送信用文書の作成及び送信処理の概要を示すフローチャートである。図6及び図7は通信装置3における表示部315の表示画面の一例を示す図である。
操作者による通信装置3の入力部319の操作により、ファクス送信用文書作成及び送信処理の開始指示が入力されると(S1でYES)、制御部301は、表示部315に、ファクス送信文書作成用の初期設定画面を表示させる(S2)。
例えば、図6に示すように、初期設定画面D1は、宛先入力を受け付けるための画像im1、送付状の作成指示を受け付けるための画像im2と、原稿の作成指示を受け付けるための画像im3と、入力された宛名情報を操作者に確認させるための画像im4とを表示する。
ここで、操作者による上記画像im1の押下操作で、タッチパネル機能により、宛先、すなわち、送信相手先情報としてのファクス番号が入力されて設定され(S3)、操作者による上記画像im2,im3の操作で送信対象としての送付状及び原稿が受け付けられ、これらが送信対象データとして設定されると(S4)、制御部301は、表示部315に、図7に例を示すような、送信対象として確定した送付状及び原稿に関する情報を操作者に確認させる確認画面D2を表示部315に表示させる(S5)。なお、後述する操作者による操作で入力される送信相手先情報としてのファクス番号は送付状となる文書データに書き込まれる。
この確認画面D2は、送信対象データとなる原稿に関する情報、送付状に関する情報を示す画像im5を有している。また、確認画面D2は、通信装置3により送信する当該送信対象データが画像形成装置1によるファクス送信の対象となることを示すための画像im6を有する。この画像im6の近傍には、画像形成装置1からウェブサーバー5等を介して受信した情報に基づいて、画像形成装置1の動作状態を示す画像im7が配置されている。さらに、この画像形成装置1を介して送信する相手先がファクシミリ装置であることを操作者に示すための画像im8が表示される。さらに、確認画面D2は、画像形成装置1によるファクス送信の送信相手先となる送信相手先の名称及びファクス番号を示す画像im9を有する。
これにより、操作者は、ウェブサーバー5に対して上記設定した送信対象データを送信する前に、当該送信対象データの内容に誤りがあるか否かを確認可能となる。
この確認画面D2は、更に、操作者から当該送信対象データのウェブサーバー5を介した画像形成装置1側への送信実行指示を受け付けるための送信ボタンim10と、当該画像im5〜im9により示されている設定内容をキャンセルして、宛先や送付状及び原稿を再度設定可能な状態に戻すための「戻る」ボタンim11を有する。
また、操作者が、上記送信ボタンim10を押下する等の操作を行うことで、タッチパネル機能により、この時点で設定されている送信対象データの送信指示が入力部319に受け付けられると(S6でYES)、送信部304が、通信インターフェイス318を介して、送信相手先情報としてのファクス番号を含む送信対象データを、ウェブサーバー5に送信する(S7)。換言すると、送信部304は、ファクス番号を含む送信対象データを、ウェブサーバー5を介して画像形成装置1に向けて送信する。
以上が、ファクス通信システム10により画像形成装置1にファクス送信させる際に行う通信装置3による処理の概要である。以下には、ファクス通信システム10によりファクス送信時に行う処理を、通信装置3,情報処理装置2,及び画像形成装置1について別個に説明する。
次に、通信装置3での上記ファクス送信用の文書作成及び送信処理における送信相手先情報設定処理を説明する。図8は、送信相手先情報設定処理を示すフローチャートである。図9及び図10は、通信装置3における表示部の表示画面の一例を示す図である。
例えば、上記図6に示した初期設定画面D1における宛先入力用の画像im1の四角部分im12を押下する等により、操作者から送信相手先情報を手入力で設定する旨の指示が入力されると(S11でYES)、制御部301は、表示部315に、図9に例を示すように、操作者による表示部315の表示画面へのタッチ操作によりタッチパネル機能でファクス番号の入力を受け付けるためのキーボード画像im13を表示させる(S12)。
ここで、操作者によるキーボード画像im13のタッチ操作により、ファクス番号が入力されると(S17でYES)、送信相手先受付部303に当該ファクス番号が受け付けられて送信相手先情報として設定される(S18)。
なお、制御部301は、通信装置3のメモリー314に記憶されているアドレス帳の参照、又は過去に入力されたファクス番号のログから、操作者により上記のようにしてファクス番号が1桁入力される度に、候補となるファクス番号、すなわち、入力済みの当該ファクス番号に部分一致するファクス番号を示す画像im14を、初期設定画面D1における四角部分im12の近傍位置に表示させる。所望のファクス番号が画像im14に表示された時点で操作者により、当該所望のファクス番号の表示部分が押下され、この後に、リターンキーを示す画像im15が押下されると、送信相手先受付部303に、当該所望のファクス番号が送信相手先情報として受け付けられる。
また、上記図6に示した初期設定画面D1における宛先入力用の画像im1のアドレス帳画像im16を押下する等により、操作者から送信相手先情報としてのファクス番号をアドレス帳から指定する指示が入力されると(S11でNO,S13でYES)、制御部301は、表示部315に、図10に例を示すように、アドレス帳に記憶されている各連絡先のリストを示す画像im17を有する宛先選択画面D3を表示部315に表示させる(S14)。なお、アドレス帳からファクス番号を指定する指示が操作者により入力されない場合は(S13でNO)、処理は終了する。
ここで、操作者が、画像im17の示す宛先リストのうち、送信相手先としたい宛先を表示する画像部分、例えば、「○×産業」を示す画像im18を押下すると、当該画像im18に対応付けられている宛先としての例えば「○×産業」が入力され(S15でYES)、宛先「○×産業」に対応付けてアドレス帳に記憶されている各番号を示す表示画像im19を、送信相手先候補として、制御部301が表示部315に表示させる(S16)。
操作者が、当該候補の中から、送信相手先とする所望の番号を示す例えば表示部分im190を押下すると(S17でYES)、当該押下された表示部分im190に対応付けられている番号が入力され、当該番号を送信相手先受付部303が受け付け、送信相手先情報とするファクス番号として設定する(S18)。なお、制御部301は、この後、表示部315の表示画面を初期設定画面D1に切り換える。
次に、通信装置3での上記ファクス送信用の文書作成及び送信処理における送付状設定処理の第1実施形態を説明する。図11は送付状設定処理の第1実施形態を示すフローチャートである。図12は通信装置3における表示部の表示画面の一例を示す図である。
上記送信相手先情報とするファクス番号の設定後(S201)、例えば、上記図6に示した初期設定画面D1における送付状の作成指示を受け付けるための画像im2を押下する等により、操作者から送付状設定の指示が入力されると(S202でYES)、検出部306は、関連情報記憶部3141に記憶されている上記関連情報であって、上記S201で設定されているファクス番号についての関連情報から、当該ファクス番号を用いた過去の送信で送信対象とした送付状ひな型を検出する(S203)。
さらに、検出部306は、送付状ひな型の入力項目に対応する情報を上記関連情報から検出する(S204)。続いて、送信対象設定部302は、上記検出された送付状ひな型に、その入力項目として、当該検出された情報を挿入する(S205)。なお、検出部306が上記関連情報を検索しても、当該入力項目に対応する情報を検出できなかった場合は、S205の処理は行われない。
この後、制御部301は、図12に例を示すように、入力項目に、上記検出された情報を挿入した状態の送付状イメージ図からなる表示画面D8を表示部315に表示させる(S206)。この表示画面D8は、当該表示中の送付状を送信対象として確定させる指示を操作者から受け付けるための「確定」ボタンim40と、手入力で送付状を設定する指示を操作者から受け付けるための「手入力」ボタンim41と、当該表示中の送付状を送信対象とせずにキャンセルする指示を操作者から受け付けるための「キャンセル」ボタンim43を有している。
上記表示画面D8が表示されている状態で、操作者による「確定」ボタンim40へのタッチ操作がされる等により、当該表示中の送付状、すなわち、S203で検出された送付状ひな型であって、S204で検出された情報が入力項目として挿入されてなる送付状を、送信対象データとして確定させる指示が入力されると(S207で「確定」)、送信対象設定部302が、当該表示中の送付状が送信対象データとして設定する(S208)。
一方、上記表示画面D8が表示されている状態で、操作者による「手入力」ボタンim41へのタッチ操作がされる等により、送付状を手入力で設定する旨の指示が入力されると(S207で「手入力」)、送付状を手入力で設定する処理に移行する(S209)。
また、一方、上記表示画面D8が表示されている状態で、操作者による「キャンセル」ボタンim43へのタッチ操作がされる等により、表示中の送付状を送信対象とせずにキャンセルする指示が入力されると(S207で「キャンセル」)、当該表示中の送付状を送信対象データとして設定することなく、また、上記送付状を手入力で設定するための処理に移行することなく、送付状設定処理を終了する。
この第1実施形態によれば、検出部306が、送信相手先受付部303に受付けられた送信相手先情報としてのファクス番号について用いられた過去の送付状ひな型及びその入力項目に該当する情報を、関連情報記憶部3141に記憶されている関連情報から検出し、送信対象設定部302が、検出部306によって検出された送付状ひな型をファクス送信の対象として設定し、上記検出された情報を当該送付状ひな型の入力項目に挿入することで、送信対象データとしての送付状を作成するので、操作者が自ら送付状を作成する操作を通信装置3の入力部319に行わなくても、送信相手先情報としてのファクス番号を入力すれば、このファクス番号の送信に過去に用いられた送付状が、送信対象として設定される。このため、操作者が外出先で通信装置3を操作して当該ファクス送信の対象とする送付状等の送信対象データを作成する際の作業が容易になる。
次に、上記送付状設定処理の第2実施形態を説明する。図13は送付状設定処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の説明においては、上記第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
第2実施形態として示す処理は、上記送信相手先情報とするファクス番号の設定後(S211)に、検出部306が、当該ファクス番号について関連情報記憶部3141に記憶されている関連情報から、当該ファイル番号を用いた過去の送信で送信対象とされた送付状ひな型を複数検出した場合の処理である。
検出部306がファイル番号を用いた過去の送信で送信対象とされた送付状ひな型を複数検出したとき(S213)、算出部307は、当該検出された各送付状ひな型が、予め定められた期間内(例えば、当該ファクス番号を用いた送信過去10回。このように回数を用いてもよいし、また、24時間、7日間、等の時間や日数を単位としてもよい)における使用頻度を、関連情報記憶部3141に記憶されている当該ファクス番号の送信履歴に基づいて算出する(S214)。
例えば、算出部307は、上記ファクス番号について関連情報記憶部3141に記憶されている送信履歴が、当該ファクス番号を用いた過去の送信で送信対象とされた送付状ひな型が、送付状ひな型A、送付状ひな型B、送付状ひな型Cの3つである場合は、上記予め定められた期間としての過去10回におけるそれぞれの使用回数を使用頻度として算出する。例えば、算出部307は、送付状ひな型Aが1回(使用頻度1/10)、送付状ひな型Bが2回(使用頻度2/10)、送付状ひな型Cが7回(使用頻度7/10)として、使用頻度を算出する。
そして、算出部307によって算出された上記使用頻度が最も高い送付状ひな型を検出し(S215)、更に、送付状ひな型の入力項目に対応する情報を上記関連情報から検出する(S216)。送信対象設定部302は、その入力項目として、検出部306により検出された当該情報を挿入する(S217)。
以降は、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
この第2実施形態によれば、送信相手先受付部303に送信相手先情報として受け付けられたファクス番号を用いた送信で過去に用いられたとして、検出部306によって検出される複数の送付状についての各使用頻度を算出部307が上記送信履歴に基づいてそれぞれに算出し、送信対象設定部302は、算出部307によって算出された使用頻度が最も高い送付状を、ファクス送信の対象として設定するので、上記ファクス番号を用いた送信で使用される可能性が高い送付状を的確に判別して、操作者に提示することが可能になる。
次に、上記送付状設定処理の第3実施形態を説明する。図14は送付状設定処理の第3実施形態を示すフローチャートである。なお、第3施形態の説明においては、上記第1又は第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。
第3実施形態では、算出部307は、各送付状ひな型の使用頻度の算出(S234)に加えて、上記送信相手先受付部303に受け付けられた送信相手先情報としてのファクス番号を用いた送信で送信対象とされた各送付状ひな型の累積使用回数に基づいて、当該各送付状ひな型が選択される確率である第1の選択確率を上記送信履歴から算出し(S235)、更に、上記ファクス番号についての宛先名称を送信相手先情報記憶部3142から読み出し、当該宛先名称と共に過去の送信で用いられた各送付状ひな型の累積使用回数に基づいて、当該各送付状ひな型が選択される確率である第2の選択確率を上記送信履歴から算出する(S236)。
続いて、算出部307は、上記各送付状ひな型の使用頻度、第1の選択確率、及び第2の選択確率を用い、予め定められた式に基づいて、上記各送付状ひな型の推奨レベルを算出する(S237)。
例えば、上記各送付状ひな型の使用頻度x、第1の選択確率y、第2の選択確率zとするとき、算出部307は、推奨レベル=0.1×x+0.8×y+0.1×zという重み付き平均式を用いて、各送付状ひな型についての推奨レベルを算出する。当該ファクス番号を用いた過去の送信で送信対象とされた送付状ひな型が、送付状ひな型A、送付状ひな型B、送付状ひな型Cである場合に、(1)各送付状ひな型の使用頻度xは、上記と同様に送付状ひな型Aが1回(使用頻度1/10)、送付状ひな型Bが2回(使用頻度2/10)、送付状ひな型Cが7回(使用頻度7/10)であり、(2)各送付状ひな型の第1の選択確率yが、送付状ひな型Aが10回(使用頻度10/100)、送付状ひな型Bが70回(使用頻度70/100)、送付状ひな型Cが20回(使用頻度20/100)であり、(3)各送付状ひな型の第2の選択確率zが、送付状ひな型Aが20回(使用頻度20/100)、送付状ひな型Bが30回(使用頻度30/100)、送付状ひな型Cが50回(使用頻度50/100)であるとする。
このとき、算出部307は、送付状ひな型Aの推奨レベル=0.1×0.1+0.8×0.1+0.1×0.5=0.14と算出し、送付状ひな型Bの推奨レベル=0.1×0.2+0.8×0.7+0.1×0.3=0.61と算出し、送付状ひな型Cの推奨レベル=0.1×0.7+0.8×0.2+0.1×0.5=0.28と算出する。
続いて、検出部306は、上記算出された推奨レベルが最も高い送付状ひな型を検出する(S238)。例えば、検出部306は、推奨レベルが最高値0.61の送付状ひな型Bを検出する。検出部306は、更に、送付状ひな型の入力項目に対応する情報を上記関連情報から検出する(S239)。送信対象設定部302は、当該検出された送付状ひな型に、その入力項目として、検出部306により検出された当該情報を挿入して、送付状を作成する(S240)。以降は、上記第1及び第2実施形態と同様の処理が行われる。
この第3実施形態では、検出部306は、上記重み付け平均式を用いて算出された各送付状の推奨レベルを用いて、上記ファクス番号を用いた送信で使用される可能性が高い送付状を更に的確に判別して、操作者に提示することが可能になる。
なお、算出部307は、検出された上記全ての送付状ひな型について、当該重み付け平均式を用いた推奨レベルの算出を行うことなく、例えば、閾値を0.5と設定しておき、この閾値を超える推奨レベルの送付状が見つかったときに算出を中断し、検出部306は、当該閾値を超える推奨レベルを有する上記送付状として検出するようにしてもよい。例えば、上記と同様の例を用い、送付状A、送付状B、送付状Cの順に推奨レベルを算出する場合、送付状Aの推奨レベル=0.14と算出し、送付状Bの推奨レベル=0.61と算出した時点で、当該送付状Bの推奨レベル=0.61が閾値0.5に達しているため、算出部307はこの時点で送付状についての推奨レベルの算出を中止し、検出部306は、推奨レベル=0.61の送付状Bを検出する。この場合、上記ファクス番号を用いた送信で使用される可能性が高い送付状を早期に判定できる。
次に、上記送付状を手入力で設定するための処理を説明する。図15は送付状を手入力で設定するための処理を示すフローチャートである。図16及び図17は通信装置3における表示部の表示画面の一例を示す図である。
上記図11に示した送付状設定処理のS207において、送付状を手入力で設定する旨の指示が入力されると(S207で「手入力」)、制御部301は、表示部315に、図16に例を示すような、送付状設定画面D4を表示させる(S22)。
例えば、制御部301は、送信対象設定部302が保有している送付状の各テンプレートの名称リストを示す画像im20を表示させる。ここで、操作者が、画像im20のうち、今回のファクス送信に用いるひな型のテンプレートを示す名称の表示部分im21を押下すると、当該表示部分im21が示すひな型、ここでは「△○テンプレート」の指定が入力され(S23でYES)、ひな型「△○テンプレート」の内容を、制御部301が表示部315に表示させる(S24)。
また、制御部301は、送付状設定画面D4に、「履歴」画像im22を表示させている。この「履歴」画像im22が操作者により押下された場合は、制御部301は、図17に例を示すように、送付状設定第2画面D5として、メモリー314に既に記憶されている各送信履歴を示す送信履歴リスト画像im23を有する送付状設定第2画面D5を表示部315に表示させる。
なお、S23において、ひな型「△○テンプレート」の指定が入力されなかった場合(S23でNO)は、S24は行われず、後述するS25の処理に進む。
ここで、操作者が、送信履歴リスト画像im23のうち、今回のファクス送信に用いる送信相手先を示す表示部分im24を押下すると(S23でNO,S25でYES)、当該表示部分im24が表示する送信履歴の示す送信相手先及び送付状の指定が入力され、当該内容を示す画像im25を、表示部315に表示させる(S26)。制御部301は、画像im25として、宛先名を示す宛先名画像im26、宛先番号を示す宛先番号画像im27、送付状コメントを示すコメント画像im28を表示させる。
なお、送信対象設定部302は、送付状設定第2画面D5及び画像im25の表示中は、宛先名称、宛先番号(ファクス番号)、及びコメントの入力を受け付けない。制御部301は、送付状設定第2画面D5に「復元」画像im32を表示させており、操作者により当該「復元」画像im32が押下されたときに、宛先名称、宛先番号(ファクス番号)、又はコメントの入力画面を表示させ、この入力画面の表示時に、送信対象設定部302が操作者から宛先名称、宛先番号(ファクス番号)、又はコメントの入力を受け付ける。これにより、過去の送信履歴が示す送付状内容と、今回新たに入力又は作成した送付状内容を、操作者が混同してしまう状態をなくすことができる。
上記S24におけるテンプレートの内容表示、又はS26における送信履歴に基づく送付状内容の表示の後、制御部301が表示部315に表示させている完了ボタンim29が操作者により押下されると(S27でYES)、この時点でその内容が表示部315に表示されている送付状を送信対象として確定させる確定指示が送信対象設定部302に受け付けられ、送信対象設定部302は、当該確定指示が示す内容の送付状を、今回のファクス送信に用いる送信対象データとして設定する(S28)。そして、処理は終了する。このように、操作者は、上記送信履歴の表示に基づいた操作により送付状を設定可能となるので、送信対象データとする送付状を設定する作業が容易になる。なお、制御部301は、この後、表示部315の表示画面を初期設定画面D1に切り換える。
なお、上記S24におけるテンプレートの内容表示、又はS26における送信履歴に基づく送付状内容の表示の後に、操作者が完了ボタンim29を押下せず、送付状を送信対象データとして確定させる指示が入力されない場合は(S27でNO)、ここまでの設定がキャンセルされて、処理は終了する。
なお、送信対象設定部302は、送信相手先受付部303に受け付けられている送信相手先情報としてのファクス番号を送付状の文書データに含ませておく。
次に、通信装置3での上記ファクス送信用の文書作成及び送信処理における原稿設定処理を説明する。図18は原稿設定処理を示すフローチャートである。図19は通信装置3における表示部の表示画面の一例を示す図である。
例えば、上記図6に示した初期設定画面D1における送付状の作成指示を受け付けるための画像im3を押下する等により、操作者から原稿設定の指示が入力されると(S31でYES)、制御部301は、表示部315に、図19に例を示すような、原稿設定画面D6を表示させる(S32)。
例えば、制御部301は、送信対象設定部302に指定されているフォルダー(メモリー314内に作成されている)に記憶されている各文書データのフ名称リストを示す画像im30を表示させる。制御部301は、文書データ例えば「原稿ABC」の指定が入力されるまでは、表示部315に、上記原稿設定画面D6を表示させ、(S32,S33でNO)、操作者が、画像im30のうち、今回のファクス送信に用いる原稿の文書データを示す名称の表示部分im31を押下すると、当該表示部分im31が示す文書データ、ここでは文書データ「原稿ABC」の指定が入力され(S33でYES)、文書データ「原稿ABC」の内容を、制御部301が表示部315に表示させる(S34)。
ここで、操作者により、完了ボタンim29が押下されると(S35でYES)、送信対象設定部302は、当該表示されている文書データを送信対象データとしての原稿として設定する(S36)。制御部301は、この後、表示部315の表示画面を初期設定画面D1に切り換える。そして、処理は終了する。
なお、画像im30のうち、操作者が別の文書データを示す名称の表示部分を押下すると、制御部301は、当該押下された表示部分に対応する文書データを、送信対象とする原稿の候補として表示部315に表示させ、処理はS33に移る。
また、操作者により、完了ボタンim29が押下されず、原稿が送信対象データとして確定されない場合は(S35でNO)、処理は終了する。
上記フォルダー内に記憶されている各文書データは、例えば、通信装置3にインストールされている文書作成アプリケーションにより作成されるものである。
なお、上記のようにして送付状及び原稿が設定されると、送信対象設定部302は、これら送付状及び原稿を例えばPDF等の予め定められたデータ形式に変換して統一する。以下には、送付状及び原稿はPDF形式に変換されるものとして説明する。
次に、通信装置3での上記ファクス送信用の文書作成及び送信処理における送信対象データの送信処理を説明する。図20は送信処理を示すフローチャートである。図21及び図22は通信装置3における表示部の表示画面の一例を示す図である。
通信装置3において、上記のようにして、送信相手先情報としてのファクス番号、送信対象データとしての送付状及び原稿の設定が終了して、制御部301が、表示部315に、図6に示した初期設定画面D1を表示させているときに、当該初期設定画面D1に表示されている「送信」ボタンim39を操作者が押下すると、この時点で設定されているファクス番号、送付状及び原稿を送信する指示が送信部304に受け付けられる(S41でYES)。
上記送信指示により、上記ファクス番号、送付状及び原稿が、ウェブサーバー5を介して画像形成装置1に向けて送信する送信対象データとして確定すると、制御部301は、図7に示した確認画面D2を表示部315に表示させる(S42)。この確認画面D2の表示により、操作者は、当該送信対象データの送信が実際に実行される前に、ファクス番号、送付状及び原稿を再度確認することが可能である。
ここで、確認画面D2内の「送信」送信ボタンim10が操作者により押下され、これに基づいて送信部304に、上記ファクス番号、送付状及び原稿を送信対象データとして送信する指示の入力が入力部319に受け付けられると(S43でYES)、送信部304は、当該送信対象データを、ウェブサーバー5を介して画像形成装置1に向けて送信する(S44)。すなわち、送信部304は、当該送信対象データを、そのメーラー機能により、画像形成装置1が固有のメールアドレスをメール送信先に指定したメール形式で、メールサーバーとしてのウェブサーバー5に送信する。なお、当該送信対象データのメール送信先としての画像形成装置1及び画像形成装置1が固有のメールアドレスは、送信部304が予め記憶している。また、送信部304は、PDF形式に変換された送信対象データをウェブサーバー5に送信する。
なお、制御部301は、上記ファクス番号、送付状及び原稿を送信対象データとして送信する指示の入力が入力部319に受け付けられるまでは、表示部315に上記確認画面D2を表示させておく(S42,S43でNO)。
当該送信対象データの送信処理中、制御部301は、表示部315に、図21に例を示すような送信状況表示画面D7を表示させる(S45。)送信状況表示画面D7は、上記送信対象データを送信中である旨を示す画像を有する。制御部301は、送信状況表示画面D7として、上記送信対象データを画像形成装置1が上記ファクス番号の示す相手先に対してファクス送信することを明示する画像im33を表示させる。更に、制御部301は、送信状況表示画面D7に、画像形成装置1からファクシミリ装置にファクス送信がされることを示す画像im34を表示させる。これにより、操作者に対して、送信対象データの送信先は画像形成装置1であり、画像形成装置1によりファクス送信が行われることを認識させる。
上記のように制御部301が送信状況表示画面D7を表示部315に表示させている状態で、結果受信部305は、画像形成装置1から、当該送信対象データのファクス送信の結果を示す送信結果がウェブサーバー5を介してメール形式で届くのを待機する(S45,S46でNO)。結果受信部305が当該送信結果を受信すると(S46でYES)、制御部301は、送信結果が示す内容、例えば、送信成功又は送信失敗を、この次に実行可能な処理を示す画像と共に表示部315に表示させる(S47)。
例えば、送信結果が送信失敗であるときは、図2に例を示すように、送信状況表示画面D7に、送信失敗を示す画像im37と共に、「リトライ」ボタンim35及び「戻る」ボタンim36を表示させる。この「リトライ」ボタンim35は、同様の送信内容で再度ファクス送信を実行するリトライ処理を実行可能であることを示し、当該リトライ処理の実行指示を操作者から受け付けるための画像である。また、「戻る」ボタンim36は、ファクス番号、送付状、及び原稿の再設定処理が実行可能であることを示し、当該再設定処理の実行指示を操作者から受け付けるための画像である。
このとき、操作者により「リトライ」ボタンim35又は「戻る」ボタンim36が押下されると、各ボタンに対応付けられた処理に移行する。また、送信成功の場合は、制御部301は、送信状況表示画面D7に、送信成功を示す画像im38を表示し、これと共に、次のファクス送信設定を行うための送信相手先、送付状、原稿の新たな設定処理を実行する指示を受け付けるための「新規開始」ボタンim39を表示させる。これにより、画像形成装置1によるファクス送信後、迅速に次にすべき処理を把握して実行することが可能になる。
なお、(1)送信失敗を示す画像im37、「リトライ」ボタンim35及び「戻る」ボタンim36と、(2)送信成功を示す画像im38及び「新規開始」ボタンim39とは、制御部301により(1)又は(2)が選択的に表示される。
また、制御部301は、上記受信された送信結果を、上記ファクス送信の対象とした送信対象データの画像形成装置1によるファクス送信の送信履歴として、当該送信対象データと共に、メモリー(記憶部)314に記憶させておくる。これにより、後に、同様の送信相手先にファクス送信を通信装置3から画像形成装置1に行わせる場合に、メモリー314に記憶されている送信履歴及び送信対象データを用いて画像形成装置1にファクス送信を行わせることが可能になる。
このように、本実施形態に係る通信装置3によれば、当該通信装置3において、画像形成装置1によるファクス送信の対象とするファクス番号、送付状、及び原稿を設定し、この通信装置3から、当該ファクス番号を送信相手先情報として含む送信対象データを、画像形成装置1固有のメールアドレスと共にウェブサーバー5に送信して、ウェブサーバー5から当該送信対象データを画像形成装置1に送信することで、画像形成装置1に当該送信対象データをファクス送信の対象として受信させることが可能になる。これにより、画像形成装置1は、当該送信対象データをファクス送信の対象としてファクス送信を実行することが可能となる。
例えば、操作者は、画像形成装置1を直接操作しなくても、当該画像形成装置1にファクス送信を行わせることが可能になるため、画像形成装置1を用いたファクス通信の利便性が向上する。また、ファクス送信サービスを提供するウェブ上のサーバーを利用しなくても、上記通信装置3で設定した送信対象データを送信相手先にファクス送信することが可能であるため、操作者が、画像形成装置1の設置されていない場所においてファクス送信を行うために要するコストを可及的に抑制することができる。
次に、ファクス通信システム10によるファクス送信処理における情報処理装置2の処理を説明する。図23は情報処理装置2による処理を示すフローチャートである。
上記のようにして、通信装置3から送信された送信対象データは、メールサーバーとしてのウェブサーバー5が受信し、ウェブサーバー5によって、当該送信対象データの送信先として指定されているメールアドレスに配信される。情報処理装置2は、ウェブサーバー5にアクセスして、画像形成装置1固有のメールアドレスを有する電子メールをウェブサーバー5から取得する。
すなわち、情報処理装置2が、そのデータ取得部202により、ネットワークインターフェイス206を介してウェブサーバー5にアクセスし、画像形成装置1固有のメールアドレスが指定されている送信対象データをメール形式でウェブサーバー5から取得すると(S51でYES)、当該データ取得部202は、当該送信対象データを解析して、含まれている送信相手先情報を抽出する(S52)。
続いて、変換部203は、ウェブサーバー5から取得された送信対象データを、画像形成装置1で適用されている印刷フォーマットのデータ形式に変換する(S53)。データ送信部204は、データ変換後の送信対象データと、S52において抽出した送信相手先情報としてのファクス番号とを、ネットワークインターフェイス206を介して、画像形成装置1に送信する(S54)。
この画像形成装置1への送信対象データの送信後、データ取得部202は、画像形成装置1から、当該送信対象データについてのファクス送信の送信結果が送られてくるのを待機する(S55)。データ取得部202が画像形成装置1から当該送信結果を受信すると(S55でYES)、データ送信部204は、この送信結果を、ウェブサーバー5を介して通信装置3にメール形式で送信する(S56)。
本実施形態に係る情報処理装置2によれば、データ取得部202が、ウェブサーバー5から取得した送信対象データから送信相手先情報としてのファクス番号を抽出し、変換部203が当該送信対象データを、画像形成装置1で適用されている印刷フォーマットのデータ形式に変換し、データ送信部204が、当該ファクス番号及び送信対象データを画像形成装置1に送信するので、画像形成装置1がファクス送信を行うために必要な送信相手情報と、ファクス送信に適したデータと画像形成装置1に提供され、画像形成装置1における公衆回線を通じた当該送信対象データのファクス送信を可能にすることができる。
次に、ファクス通信システム10によるファクス送信処理における画像形成装置1の処理を説明する。図24は画像形成装置による処理を示すフローチャートである。
画像形成装置1は、情報処理装置2から上記印刷フォーマットに変換された送信対象データを、ネットワークインターフェイス160を介して情報受信部102が受信すると(S61でYES)、データ変換部103が、当該送信対象データをファクス送信が可能な例えばラスタデータ形式に変換する(S62)。ファクシミリ通信部140は、当該ラスタデータとされた送信対象データを、当該送信対象データと共に情報処理装置2から送られてきた送信相手先情報としてのファクス番号に、公衆回線を介してファクス送信する(S63)。
さらに、通信部104は、当該送信対象データのファクス送信後、ファクシミリ通信部140から当該ファクス送信の結果を取得し(S64)、この送信結果を、ネットワークインターフェイス160を介して情報処理装置2に送信する(S65)。なお、情報処理装置2は、メーラー機能により、メール形式で当該送信結果を、ウェブサーバー5を介して通信装置3に向けて送信する。これにより、当該送信結果を受信した通信装置3では、当該送信結果を用いて各ファクス送信の送信履歴をメモリー314に蓄積し、また、当該送信履歴をこの送信に用いた送信対象データと共に記憶させることにより、過去に用いた送信対象データとしての送付状、原稿の呼出及び設定が容易になる。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、情報処理装置2及び画像形成装置1を別個の装置により構成しているが、ファクシミリ装置の一例としての当該画像形成装置1が情報処理装置2の構成を備えるようにしてもよい。
上記実施形態において図1乃至図24を用いて示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の構成及び処理はこれに限定されるものではない。