JP5795792B2 - 周波数変調噛合特性を有する逆歯チェーンスプロケット - Google Patents

周波数変調噛合特性を有する逆歯チェーンスプロケット Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年4月6日に出願された米国特許仮出願第61/321,245号の出願日からの優先権およびその利益を主張するものであり、この米国特許仮出願のすべての開示は参照により本明細書に援用されるものとする。
本発明は、周波数変調噛合特性を有する逆歯チェーンスプロケットに関する。
チェーンとスプロケットの噛合現象による衝撃が、自動車エンジンのチェーン駆動システムに付随する主要なノイズ源であることはずっと以前から知られており、この衝撃は、係合に際し、チェーンリンクがスパンから離れスプロケット歯と衝突するときに発生する。内側歯面が係合するような構造をした逆歯チェーンは、リンク列の先行内側歯面が歯の係合歯面と初期噛合接触する瞬間にスプロケット歯との噛合サイクルが始まり、前方のリンク列がスプロケットラップの弦の着座位置に関節状に折れ曲がって、その同じ歯と外側歯面が噛合衝撃する瞬間に終了する。したがって、スプロケット歯の噛合サイクルは隣接するリンク列を含み、サイクルは初期噛合接触角θで始まり、完全噛合係合接触角φで終了する。最初の内側歯面チェーン−スプロケット噛合衝撃は噛合現象中での主要なノイズ原因であり、外側歯面噛合への移行時の第2の噛合衝撃もまた、程度は下がるが全体のノイズレベルへ寄与している。この噛合による衝撃は、チェーンがスプロケットと噛合する周波数に概ね等しい周波数で反復される。チェーンドライブのノイズレベルは、噛合の周波数を変調することで効果的に低減できることが知られており、そしてそれはさまざまな方法で実現することができる。ただしそのいずれもがチェーンとスプロケットの噛合の衝撃リズムを変えることでそれを実現している。
一つの例示的実施形態によれば、スプロケットはそれぞれの歯中心に対して画定される複数の歯からなる本体を含む。歯中心は外周上に等間隔に離間して配置される。複数の歯のそれぞれは係合歯面と離脱歯面とを備えている。この複数の歯の外周上の連続するそれぞれの対は互いにそれぞれの歯溝で離間し、それぞれの歯溝は、外周上の連続する歯の1つの係合歯面と、外周上の連続するもう一方の歯の離脱歯面と、歯溝のその係合歯面と離脱歯面との間にある歯底面とで、少なくとも部分的に画定される。各歯溝の係合歯面は、歯溝中心線に対する各歯溝の離脱歯面の鏡像として画定され、この歯溝中心線は各歯溝を二等分し、各歯溝がその歯溝中心線に対して対称的に画定されるようになっている。複数の歯は、タイプAの標準歯、タイプBの標準歯、タイプAの緩和型歯、タイプBの緩和型歯からなり、ここで、
タイプAの標準歯のそれぞれは、その係合歯面および離脱歯面は、非緩和型の完全材料歯面で画定され、
タイプBの標準歯のそれぞれは、その係合歯面および離脱歯面は、歯中心に関して相互に非対称に画定され、ここで、その係合歯面は非緩和型の完全材料歯面で画定され、かつその離脱歯面は、タイプAの各標準歯の離脱歯面の非緩和型完全材料歯面に比べて、歯中心に関して負にオフセットされた、歯面緩和型の歯面によって画定され、
タイプAの緩和型歯のそれぞれは、その係合歯面および離脱歯面は、歯中心に関して相互に非対称に画定され、ここで、その離脱歯面は非緩和型の完全材料歯面で画定され、かつその係合歯面は、タイプAの各標準歯の係合歯面の非緩和型完全材料歯面に比べて歯中心に関して負にオフセットされた、歯面緩和型の歯面によって画定され、
タイプBの緩和型歯のそれぞれは、その係合歯面および離脱歯面は、タイプAの各標準型歯の係合歯面と離脱歯面のそれぞれの非緩和型完全材料歯面に比べて歯中心に関して負にオフセットされた歯面緩和型材料歯面で画定される。
本開発の別の態様によれば、逆歯チェーン駆動システムが、関連する内側歯面係合の逆歯チェーンと噛合するように適合されたスプロケットを含む。このスプロケットは、各歯中心に関して画定された複数の歯を含んでいる。歯中心は、回転軸を中心とする外周上に均等に離間して配置され、それぞれの歯は係合歯面と離脱歯面とを含んでいる。逆歯チェーンはスプロケットと係合し、スプロケットと内側歯面係合する構造のリンク列を複数含んでおり、各リンク列の前方内側歯面が先行するリンク列の後方外側歯面よりも外側に突き出ている。それぞれの列の前方内側歯面は、一つのスプロケット歯の係合歯面と初期噛合接触をするように配置されている。スプロケット歯の少なくともあるものは標準歯であり、他の歯は歯面緩和型の歯であるが、歯が標準型か歯面緩和型かを決定するのは係合歯面である(係合歯面が標準(緩和されていない)であれば標準歯とみなされ、係合歯面が標準係合歯面に比べて緩和されていればその歯は歯面緩和型歯とみなされる)。第1の歯の係合歯面と、歯溝を共有する隣接の第2の歯の離脱歯面は歯面緩和されていて、第2の歯の離脱歯面は第1の歯の係合歯面の鏡像となっている。標準歯の係合歯面とその歯中心とに比べると、歯面緩和型歯の係合歯面は、それぞれの歯中心に対して負にオフセットされている。歯面緩和型歯の前方にある歯底面は、標準歯の前方にある歯底面に比べて嵩上げされている(半径方向外側にある)。
本開発の別の態様によれば、チェーンとスプロケット歯の間の噛合衝撃をずらしたり変調するために、歯面緩和型歯がランダム(不規則)、または反復パターンを含む規則パターンでスプロケットの必要な全てのスプロケット歯に対して組み込まれる。
歯面緩和型係合歯面によって部分的に画定されるスプロケットの歯溝のそれぞれは、歯溝中心線に関して対称的に画定され、これによってスプロケットが双方向性となる。すなわちどちらの方向に回転しても、噛合衝撃に対する所望の周波数変調も実質的に同様に機能する。
本開発の別の態様によれば、好適な最小および最大の歯面オフセット幅が画定される。最小の歯面緩和オフセットは、初期噛合衝撃をスプロケット回転角で0.5度だけ変調する大きさであり、最大の歯面緩和オフセットは、初期噛合衝撃時の接線から測った弦運動を制限する関数として決定され、実際の弦運動の限界値は0.75×CMTHEORで定義される。ここでCMTHEORは最大理論弦運動である。
本開発の別の態様によれば、歯面緩和型歯がすべてが同じオフセット量とは限らない。
本開発の別の態様によれば、歯面緩和型歯の一部またはすべては、歯面緩和のない通常の歯の圧力角とは異なる圧力角を持っていてもよい。
本発明はさまざまな部品および部品の配置からなっており、その好適な実施形態を添付の図面で示す。
本発明により形成されたスプロケットと噛合する通常の逆歯チェーン(分かり易くするためにガイドリンクのいくつかは取り外してある)を備えるチェーン駆動システムの部分正面図である。 通常のスプロケット歯の係合歯面との初期噛合接触する瞬間の噛合の位置関係を示す、図1の逆歯チェーンの部分拡大図である。 図1Aと同様であるが、スプロケットが回転して新しい位置となり、噛合チェーンリンク列が内側歯面接触をし、同時に先行のチェーン列が第1の歯の係合歯面と外側歯面接触をしている図である。ここで、手前側のリンクプレートは同時噛合接触をはっきり示すために取り外してある。 図1に示す逆歯チェーンの内側リンクプレートの第1列と第2列の拡大図である。 図1の逆歯チェーンの平面図である。 スプロケットに対する弦上昇を示す図である。 3つの歯の反復パターンを示した、図1のスプロケット全体の正面図である。 隣接する通常の歯を仮想線で重ねて示した、図4に示すスプロケットの歯面緩和型歯の拡大図である。 通常のスプロケット歯T2の係合歯面との初期噛合接触の瞬間の逆歯チェーンを示す、図1のチェーン駆動システムの部分拡大図である。 図5Aのチェーン駆動システムにおいて、スプロケットが回転して新しい位置に移動した状態を示す部分正面図である。ここでは、噛合するチェーンリンク列が内側歯面で接触し、それと同時に、チェーンの先行列が歯T2の係合歯面と外側歯面で接触している。 図5Aと同様に、同じスプロケットおよびチェーンシステムを示す図である。ただしここでは、本発明による歯面緩和型のスプロケット歯T1との初期噛合接触の瞬間のチェーンを示している。 図5Bと同様に、図6Aのシステムにおいて、スプロケットが回転して新しい位置に移動した状態を示す図である。ただしここでは、噛合するチェーンリンク列が歯T1と内側歯面接触をすると同時に、チェーンの先行する列が歯T1の前方の歯溝の歯底面と歯底接触をしている。 リンク列が回転してスプロケットと完全係合する際の、前方のチェーンリンクのトウ(toe)がスプロケット歯溝の歯底面と噛合する関係を示す、図6Bの拡大部分正面図である。 図6Cの部分拡大図であり、歯T1の係合歯面に対する後方歯面のリンクプレート空隙と、完全噛合接触時の歯底面のチェーンリンクのトウに対する位置関係を示す図である。 別の実施形態によって形成された完全なスプロケットの全体を表す正面図である。 小さい圧力角で形成された隣接の通常歯の輪郭を仮想線で重ねて示した、図4に示すスプロケットの隣接する通常歯の拡大図である。 歯面緩和型歯の構築に利用される隣接する通常歯を仮想線で重ねて示した、図7に示すスプロケットの歯面緩和型歯の拡大図である。 スプロケット回転角度に対する噛合チェーンリンク列の噛合衝撃と弦運動で表した、図5A、5B、6A、6Bの噛合運動のグラフである。
図1は本開発により形成された逆歯チェーン駆動システム100を示す。このシステム100は、駆動スプロケット150および表示されていない他の少なくとも1つのスプロケットと噛合する、通常の内側歯面係合型の逆歯チェーン10を含んでいる。スプロケットは、図示した例では回転軸Xを中心に時計方向に回転する。スプロケット150は本発明に従って形成され、歯面はインボリュート形である。ただし歯面はインボリュート形の代わりに円弧形を含んでいてもよく、及び/又は、本発明の全体の範囲及び意図から逸脱することなく1つまたは複数の平坦部を含んでいるか、平坦部で画定されてもよい。
スプロケット150は複数の歯T(T1、T2、T3など)を含み、そのそれぞれは係合歯面(EまたはE’)と離脱歯面(DEまたはDE’)を歯中心TCの相対向する側に持っている。所与のスプロケット歯Tに関しては、スプロケット150の回転方向の前側に、係合歯面E、E’があり、後側に離脱歯面DE、DE’がある。スプロケット150には全部でN個の歯があり、歯中心TCは互いに角度αだけ離れている。ここでα=360/Nである。歯Tの係合歯面E、E’と離脱歯面DE、DE’が相互に対称的に画定されている場合には、歯中心TCが歯Tを二等分する。その他の場合には、歯Tは歯中心TCに対して非対称的に画定されている。外径ODおよび歯底円直径RDが、歯面の外側および内側の半径限界を決める。
図2Aは、チェーン10の第1と第2のリンク列L(特に列L4、L5)を示す(ガイドリンクはその下にある内部リンクプレートを見せるために取り外されている)。各列Lの通常型内側リンクプレート30は、ある半径及び/又は他の面で画定される先端37で相互に接続されている、内側歯面Fiと外側歯面Foによってそれぞれ画定されるトウ(toe)38を備えている。図示した実施形態において、外側歯面Foは直線側面となっており、内側歯面Fiは凸型の弧となっていて、両者が股部(crotch)34で繋がっている。特にそれぞれのリンク30の内側歯面Fiは半径RFiで画定され、好ましくは当該のトウ38の先端37へ、また反対の端部は股部34へ、なだらかに繋がる。チェーン10が図2Aに示すように真直ぐに引っ張られている場合(それが使用時にスパンから移動してスプロケット150に係合するときの公称の方向である)、内側歯面Fiが隣接して重なり合っている先行リンク列の外側歯面Foよりも突出高さλだけ外側に突出している。これによって列Lの内側歯面Fiが、噛合開始時にスプロケット歯Tの係合歯面E、E’と初期噛合接触することが可能となる。図2Bはチェーン10のいくつかの列Lの平面図であり、挟み込まれた内部リンク30の列L1、L2、L3、L4、L5などを有する標準のチェーンレースを示しており、連続する列がピボットピン40またはロッカージョイントによって枢動可能に相互連結されている(「ピン」という用語は単純なピンやロッカージョイントまたは連続するリンク列Lを枢動可能に結合する任意の構造を含むことが意図されている)。列方向に積層された内部リンク30を有するそのほかの内部リンクレースもまた一般に使用される。各ピン40にはピン中心Cがあり、連続するピン中心をC1、C2、C3などで示して、相互に区別する。ピン中心Cはチェーンリンクのピッチ間隔Pで離間しており、それぞれのピン中心Cは、チェーンの隣接するリンク列Lが相互に関節状に折れ曲がる軸によって、またはその軸に一致して、画定される。
再び図1を参照すると、チェーン10はトート(張り)ストランド内の接線TL(チェーンピン40の中心Cにおける)に実質的に沿って駆動スプロケット150に近づき、列Lのチェーン内側リンク30が係合歯面E、E’と衝突するときに噛合が起きる。チェーン10が移動してスプロケットラップ内に入り、スプロケット150と完全に噛合すると、ピン40の中心は円形通路に沿って移動し、これがピッチ直径PDを画定する。
図3Aと図3Bは、通常のスプロケットに対する弦上昇を示す。弦上昇CRは通常、チェーンが角度α/2だけ移動する際のチェーンピン中心C(もしくは別のタイプのチェーン継手の中心)の垂直方向変位として定義される。ここで、
CR=r−r=r[1−cos(180°/N)]
であり、rは、弦半径、すなわちスプロケット中心から、チェーンのピッチ長さにも等しい、長さPのスプロケットピッチ弦までの距離であり、rは、スプロケットのピッチ半径の理論値、すなわちピッチ直径PDの半分であり、Nはスプロケット歯の数であり、
αはスプロケット歯角度、すなわち360°/Nである。図3Aは、スプロケットと噛合した瞬間の第1の位置におけるチェーンピン中心Cを示し、そこでは、接線TLとスプロケットピッチ直径PDとに同時に整列している。当技術分野で周知であり、本明細書において使われるように、接線TLは、噛合するチェーンピン中心がそれに沿ってスプロケットに近づく、理論的な直線経路である。ここで示すように、接線TLは水平方向に位置し、その場合は、接線TLは上死点、すなわちピッチ直径PD上の12時の位置においてピッチ直径PDに対する接線となる。つまり、チェーンピン中心Cがピッチ直径PD上に中心を置いて配置され、かつ同一のピン中心Cが、接線TLに直交しスプロケットの回転軸を通る半径方向参照線上にも中心を置くように配置された位置において、接線TLはピッチ直径PDに接する(接線がここに示すように水平方向であれば、参照線は、垂直である)。図3Bは、スプロケットが角度α/2だけ回転した後の、同じピン中心Cの位置を示し、ここでは、ピン中心Cがスプロケットラップの周りの移動を続けた結果、横方向に距離CRだけ変位したことがわかる。このピン中心の垂直変位は、上流のチェーンスパンとその接線TLに対応する変位をもたらす。チェーンのピン中心Cが弦上昇および弦下降を経ながら移動する際の、この横方向の変位は、フリーなチェーンスパンの望ましくない振動を誘起する。この弦上昇CRは、本明細書では代わりに理論的弦運動CMTHEORと呼ぶ。
図1Aに示すように、チェーン10のリンク列L5は、スプロケット150のスプロケット歯T5と噛合開始しようとしている。通常、各列Lの前面に見える1つのチェーンリンクプレート30についてのみ参照しているが、当業者であれば、ここでの議論は各列Lの複数のリンクプレート30に当てはまることが理解されるであろう。連続するピン中心Cは、C1、C2、C3、C4などのように番号付けして、互いに識別できるようにした。
リンク列L5は、対応するスプロケット歯T5と初期噛合接触をする瞬間を示しており、すなわち、チェーンリンクプレート30の前方内側歯面Fiとスプロケット歯T5の係合歯面Eとが、係合歯面E上の初期接触位置ICにおいて初期接触をする瞬間である。歯T5をここでは標準歯と呼び、その係合歯面Eは標準形をしている(緩和型ではない)。この初期接触ICの瞬間において、初期接触角θは、スプロケット150の回転軸を起点とし接線TLに対して直交する第1の半径方向参照線REF1と、回転軸Xを起点としスプロケット歯T5の歯中心TCを通る第2の半径方向参照線TC5とのなす角度として定義される。リンク列L5が初期噛合衝撃ICをする瞬間においては、先行するリンク列L6はチェーンスパンを出て、「浮遊状態」に入る。すなわち列L6のリンクプレート30はスプロケット150とは直接接触せず、噛合している列L5と、先行するスプロケット歯T6と完全噛合接触している先行列L7との間で宙吊りの状態となる。リンク列L6は、その噛合サイクルが完結して、その後方外側歯面Foが地点OFにおいてスプロケット歯T5と完全噛合接触する位置へ移行するまで、この宙吊り状態を保持する(図1B参照)。図1Bに示すように、噛合サイクルには「同時噛合接触」と呼ばれるポイントがあり、そこでは連続するリンク列L5とL6が同じスプロケット歯T5に同時に接触している。すなわち先行リンク列L6の後方外側歯面Foが関節状に折れ曲がって地点OFにおいて係合歯面Eと完全噛合接触する瞬間には、列L5の前方内側歯面Fiが地点IFで係合歯面Eにまだ接触している。スプロケット150がさらに回転すると、噛合リンク列L5の前方内側歯面Fiが係合歯面Eから離れてゆく。
リンク列L5が初期噛合衝撃する瞬間(図1Aを再び参照)より前に、列L5がスプロケット歯T5との噛合衝撃ICに向かって関節的に折れ曲がる際に、チェーンスパンはピン中心C6を中心とした回転を効果的に行うことに留意されたい。従って、ピン中心C6は「制御ピン中心」と呼ぶことができる。制御ピン中心C6は、噛合リンク列L5の前方ピン中心C5に対して直近の先行(下流)ピン中心Cである(制御ピン中心C6はまた、(チェーン移動方向に関して)直近の完全噛合リンク列L7の後方ピン中心でもある)。このようにして、以下の関係が規定される。
−初期接触角θが上記のように定義される。
−噛合接触角τは、接線TLと、制御ピン中心C6と初期接触位置ICとの両方を通る初期接触参照線80とがなす角度として定義される。
−初期接触参照線80は、制御ピン中心C6と、初期接触位置ICとの間のレバーアーム長Dを定義する。
−リンクプレートの入口角βは、初期接触参照線80と、内側歯面半径RFiの弧の中心89と初期接触位置ICとを通る内側歯面参照線84との間の角度で定義される(ここで、内側歯面参照線84は、スプロケット歯T1の係合歯面Eのインボリュート曲線(または円弧部分あるいはその他の曲面)に対して垂直となる)。
−噛合衝撃角σは、接線TLと内側歯面参照線84とのなす角度で定義される。すなわち、σ=τ+βとなる。
引き続き図1Aを参照すると、チェーン−スプロケットの噛合衝撃は、噛合リンク列L5とスプロケット歯T5の初期接触位置ICにおける速度差により発生する。そして、スプロケット歯が初期噛合衝撃の瞬間にチェーンスパンから噛合リンク列L5を受け止める際の、関連する衝撃エネルギーEは、次式で与えられる。
=C×m×D×ω×cos(90−β)
ここで、Cは定数、mは1つの噛合リンク列L5の質量に等しく、Dは制御ピン中心C6から初期接触位置ICまでの距離、ωはスプロケットの角速度、βはリンクプレートの噛合入口角である。噛合衝撃とそれに付随するノイズレベルは、速度差を小さくすることで低減可能であり、それは噛合入口角βを低減することで達成される。
さらに、衝撃エネルギーEの式は、噛合リンク列L5の質量のみを含み、チェーン張力Tは考慮されていない。このチェーン張力は、生じる噛合衝撃エネルギーEと付随する全ノイズレベルを増大させる。チェーン張力Tは、噛合開始時にスプロケット歯T5に作用し、リンク衝撃力Fに反対向きで等しい歯の衝撃反力Fは、噛合衝撃角σの大きさと共に変化する。ここで、
=F/cosσ
であり、Fは、水平方向の合力がゼロであることを満足するためにTと等しい。図1Aにおいては、噛合衝撃角σとその成分角は、接線TLに平行で初期接触位置ICを通り、力ベクトルFに一致する、参照線82に対する角度として示されていることに留意されたい。スプロケット歯T5は、歯T5の前方(下流側)にある次のいくつかの歯と共にチェーン張力Tの荷重分布を分担し、初期噛合接触の開始時に歯T1の位置ICにおいて最大の反力Fを生じることに留意されたい。歯T5の前方のいくつかの歯に掛かる、チェーン張力荷重の残りの部分は、噛合ノイズレベルには影響を与えないので、本発明の考慮の対象外とする。以上まとめると、リンク衝撃力ベクトルFは、初期噛合接触時に噛合衝撃位置ICに作用し、全噛合衝撃エネルギーEとそれに関連するノイズレベルを増大させる。
図1Bは図1Aに類似しているが、スプロケット150がさらに回転して噛合サイクルが進み、先行リンク列L6の後方外側歯面Foがスプロケット歯T5の係合歯面Eと外側歯面接触位置OFにおいて接触し、同時に、リンク列L5の前方内側歯面Fiも係合歯面Eと位置IFにおいて接触している。前述したように、歯T5がリンク列L5の前方内側歯面Fiとの内側歯面のみでの接触から、先行リンク列L6の後方外側歯面Foと外側歯面接触点OFにおいて外側歯面とも接触するように移行することは、「移行点」と称されて、標準歯T5の噛合サイクルの終了も規定する。なぜなら、リンク列L6はこの後前方ピン中心C6も後方ピン中心C5もピッチ直径PD上に位置して完全に噛合し、リンク列L6はこの後完全に噛合した位置となって弦位置に着座し、スプロケット150のラップ内にあるものとみなされる。移行角φは第1の半径方向参照線REF1と、歯T5の歯中心TCを通る第2の半径方向参照線TC5との間の角度として定義される。このようにして、以下の関係が規定される。
−移行角φが定義される。
−移行接触角τ’は、接線TLと、外側歯面接触位置OFと制御中心C6(これは移行現象に関しては、位置OFにおいて後方外側歯面接触に移行しようするリンク列の前方ピン中心である)の両方を通る移行接触参照線90とのなす角度として定義される。
−移行接触参照線90は、制御ピン中心C6と外側歯面接触位置OFとの間のレバーアーム長D’を定義する。
−リンクプレート移行角β’は、移行接触参照線90と、後方外側歯面Foに対して垂直に延びる外側歯面参照線94とのなす角度として定義される。ここで、外側歯面参照線94は、スプロケット歯T5の係合歯面Eのインボリュート曲線(または円弧部分あるいはその他の曲面)に対して垂直となる。
−移行衝撃角σ’は、接線TLと外側歯面参照線94とのなす角度で定義される。ここでは、σ’=τ’+β’となる。
図1Bに示すように、結果として得られるリンクプレート移行角β’と移行衝撃角σ’は、位置OFにおける後方外側歯面Foの移行衝撃に関するリンク衝撃力F’とそれによる衝撃エネルギーEとを決定づける。ここで、図1Aの特徴に対応する図1Bの特徴は、対応する参照符合に(’)を付して表されており、そのすべてを必ずしもこれ以上議論しないことに注意されたい。移行衝撃角σ’とその成分は、外側歯面接触位置OFを通り接線TLに平行な参照線92(これは力ベクトルF’に一致)からの角度として示されている。これらの、位置OFにおける後方外側歯面Foの移行衝撃は、位置ICにおける前方内側歯面Fiの初期噛合衝撃に比べるとノイズと振動に対する寄与は小さいと考えられる。しかし、移行衝撃角σ’とその成分、すなわちリンクプレート移行角β’と移行接触角τ’とを制御することは、システム100のノイズと振動の更なる最小化のために望ましいと考えられる。
図4は図1のスプロケット150の全体を示す正面図であり、歯T1,T2,T3の3つの歯の反復パターンを示している。これはスプロケットの外周の周りに連続して反復される。外周上の連続する歯T(すなわち、T1、T2、T3など)のそれぞれの対はそれぞれ歯溝160、170によって離間している。図4Aに歯T1とT2に関して示すように、任意の対象とする歯T(図4AではT1)に関して、離脱歯面DEまたは先行スプロケット歯T(図4AではT2)の離脱歯面DE’は、当該スプロケット歯Tの係合歯面EまたはE’の歯中心線に関する鏡像の形となっている。図4Aの仮想線は、歯T1が通常の、すなわち非緩和型の完全材料係合歯面Eを持つ標準スプロケット歯である場合、先行する歯T2は通常の、すなわち非緩和型の離脱歯面DEを持ち、標準歯溝160が、スプロケットの回転軸Xを通って歯溝160を二等分する歯溝中心線TSCの周りに画定されることを示している。標準歯溝160は標準歯底面R(これも仮想線で示す)を含み、それによって部分的に画定される。これがスプロケット150の最小の歯底直径RDを画定する。これとは別に、図4Aの実線は、歯T1が負にオフセット、つまりその歯中心TCに対して量FRだけ緩和された係合歯面E’を持つ歯面緩和型のスプロケット歯である場合、先行する歯T2も同様に、負にオフセット、つまりその歯中心TCに対して量FRだけ緩和された離脱歯面DE’を持つことを示しており、こうして緩和型歯溝170が歯溝中心線TSCの周りに画定される。緩和型歯溝170は嵩上げされた歯底面R’(これも実線によって表示)を含み、それによって部分的に画定される。この歯底面R’は嵩上げされていて、標準の歯溝160の歯底面Rより相対的に半径方向外側に位置する。そして、嵩上げされた歯底面R’は、以下に詳細を述べる理由によって歯溝中心線TSCを中心に対称的に画定されている。このようにそれぞれの歯溝160、170は、外周上の連続する歯の1つの係合歯面E、E’、外周上の連続するもう一方の歯の離脱歯面DE、DE’、およびその歯溝の係合歯面と離脱歯面の間にある歯底面R、R’によって、少なくとも部分的に画定される。本明細書で使用されるように、それぞれの歯溝160、170は、第1の歯T1の係合歯面E、E’、第2の歯T2の離脱歯面DE、DE’、および第1の歯T1の係合歯面E、E’と第2の歯T2の離脱歯面DE、DE’との間にある歯底面R、R’を含む、あるいはそれらで構成されるといえる。それぞれの歯溝160、170を画定する、外周上の連続すなわち隣接する歯のことを、本明細書では連続または隣接する歯の「対」と呼ぶこともある。
スプロケット150に関する上記の要件により、スプロケット150のそれぞれの歯Tは以下の4つのタイプのいずれかとなる。
−タイプAの標準歯:通常の非緩和型の完全材料係合歯面Eと、離脱歯面歯面DEを持つ、歯中心TCに関して対称的に画定される歯。
−タイプBの標準歯:通常の非緩和型の完全材料係合歯面Eと歯面緩和型の離脱歯面DE’を持つ、歯中心TCに関して非対称的に画定される歯。
−タイプAの緩和型歯:歯面緩和型の係合歯面E’と通常の非緩和型の完全材料離脱歯面DEを持つ、歯中心TCに関して非対称的に画定される歯。
−タイプBの緩和型歯:歯面緩和型の係合歯面E’と歯面緩和型の離脱歯面奪DE’を持つ、歯中心TCに関して対称的に画定される歯。
本明細書で言う「標準」という用語は、通常すなわち従来技術ということを意味するものではなく、完全材料(非緩和型)係合歯面を、単に負にオフセットされた(緩和型)係合歯面とは区別するために使用されている。「負にオフセット」という表現は、歯面緩和型歯面E’、DE’が完全材料非緩和型歯面E、DEよりも、歯中心TCにより近く画定または配置されていることを意味している。
少なくとも標準歯溝160の係合歯面Eと離脱歯面DEとの対称性、および係合歯面E’と離脱歯面DE’と緩和型歯溝170の歯底面R’との対称性は、スプロケット150の双方向性を可能として、いずれの回転方向に対しても、及び/又は所与の回転方向にいずれの側が向いていても、同じ機能を果たすことが可能である。
図5Aは、図1のチェーン駆動システムの部分拡大図であり、標準のスプロケット歯の係合歯面と初期噛合接触する瞬間の逆歯チェーンを示す。図1Aの噛合リンク列L5と歯T5に関する角度θに関して説明したように、ここで、初期噛合角θ2が噛合リンク列L2と前述の標準歯T2に関して定義される。
図5Bは、スプロケット150が噛合リンク列L2と標準歯T2に関する移行点まで回転した、図5Aのシステムを示している。ここで、噛合チェーンリンク列L2は内側歯面接触IFをし、同時にチェーンの先行列L3が標準歯T2の係合歯面Eと外側歯面接触OFをしている。図1Bにおいてリンク列L5、L6と歯T5に関して角度φを記述したように、移行角φ2がリンク列L2とL3と歯T2に関して定義される。
図6Aは図5Aと同様であるが、チェーン10のリンク列L1が歯面緩和型歯T1と初期噛合接触をする瞬間を示している。初期接触角θ1は噛合リンク列L1と歯面緩和型歯T1とに関して定義される。図5Aの初期接触角θ2を図6Aに重ねて表示してあり、θ2がθ1よりΔθだけ大きいことが分かる。したがってスプロケット150は、歯面緩和型歯T1と初期噛合接触ICをするためにはΔθだけ余分に回転する必要があり、これが実効的には標準歯形状に関する噛合周波数を変調させる役目をする。
図6Bは図5Bと同様であるが、リンク列L1、L2が歯面緩和型歯T1との移行点となるまで回転したスプロケット150を示す。したがって、噛合チェーンリンク列L1が係合歯面E’と内側歯面接触IFをし、同時に、先行チェーン列L2が折れ曲がって嵩上げされた歯底面R’と位置RCで歯底接触をしている。前述したように、リンク列L1、L2と歯面緩和型歯T1とに関して、移行角φ1が定義される。図5Bの移行角φ2を図6Bに重ねて表示してあり、φ1がφ2よりΔφだけ大きいことが分かる。したがってスプロケット150は、標準歯T2に対しては歯面緩和型歯T1に比べてΔφだけ余分に回転して移行点に到達する。これがシステム100へのさらなる変調を与える。
上記のことより当業者には以下のことが理解されるであろう。
−スプロケット回転の観点から見ると,噛合リンク列が標準歯と初期接触ICをする場合に比べて、噛合リンク列が歯面緩和型歯と初期接触ICする方が遅くなる。
−初期接触ICからのスプロケット回転で考えると、噛合リンク列が移行点に到達するのは、歯面緩和型歯の場合が標準歯の場合よりも早くなる。
歯T1のような歯面緩和型歯に関する移行点は、前述したT5のような標準歯に関して説明されたものとは必然的に異なる方法で定義されることに注意されたい。図6Dは、図6Bの拡大図であり、噛合リンク列L1を取り外して示している。図6Dは以下のことを示している。係合歯面E’は歯中心に対して負にオフセットされた歯面緩和型歯面であるので、噛合リンク列L1に先行するリンク列L2の後方外側歯面Foは係合歯面E’とは決して接触しない。そして先行列L2の後方外側歯面Foと歯面緩和型歯の係合歯面E’との間に歯面空隙FCが画定される。先行リンク列L2が噛合サイクルを完結させ、後方ピン中心C1がピッチ直径PD上に配置されてラップ内に適切に配置されるためには、リンク30の後方トウ37が歯底面R’と位置RCでスプロケット150と歯底接触しなければならない。これが、歯T1のような歯面緩和型歯の係合歯面E’に隣接する位置にある歯底面R’が、歯T5のような標準歯に隣接して位置する歯底面Rにくらべて、嵩上げされて半径方向の外側に配置されなければならない理由である。リンク列L2の後方トウ37がRCで歯底R’と接触すると、リンク列L2の噛合サイクルは完結する。そしてその前方ピン中心C2と後方ピン中心C1の両方がピッチ直径PD上に配置される。歯面緩和型歯T1の移行点はこうして先行リンク列L2の後方トウ37が位置RCで歯底接触する最初の瞬間として定義され、このとき図6Bに示すように、噛合リンク列L1の前方内側歯面Fiは歯T1の係合歯面Eと位置IFにおいてまだ接触している。こうして、前述したように、移行角φ1が、第1の半径方向参照線REF1と、噛合歯T1の歯中心TCを通る第2の半径方向参照線TC1との間に画定される。
図6Cは図6Bの部分拡大正面図であって、先行リンク列L2の後方トウ37が位置RCで嵩上げされた歯底面R’と歯底接触した後にリンク列L1が回転してスプロケットと完全係合する際の、噛合リンク列L1の前方トウ37と嵩上げされた歯底面R’との噛合関係を示している。移行地点における噛合リンク列L1の位置が実線で示されている。リンク列L1が回転して完全係合するときの歯底面R’に対する噛合リンク列L1の相対的な位置を仮想線で示している。図6Cに実線で示した移行点において、噛合リンク列L1の前方トウ37は歯底面R’に近接しており(図6CのRCのすぐ左)、スプロケットの回転とともに、ピン中心C1を中心とし、RCに接する円弧139上を動く。先行リンク列L2の後方トウ37と嵩上げされた歯底面R’とが位置RCにおいて歯底接触をすることにより、ピン中心C1はピッチ直径PD上に配置されている。前方トウ37は歯底面R’に対して相対的に移動するので、ピン中心C1をピッチ直径PDに対して望まれない形で外側に動かす可能性のあるカム作用を、歯底面R’に対して行わないということは重要である。このように歯底面R’は、歯底面の円弧中心173を中心とする半径によって画定される円弧部分で形成される。弧中心173は、歯溝を二等分する歯溝中心線TSC上に乗っている。弧中心173とピン中心C1と歯底接触位置RCとは一つの直線上に乗っており(図6Dも参照)、これによってスプロケット150が回転するとき、噛合リンク列L1がピン中心C1の周りを枢動して、噛合リンク列L1の前方トウ37が位置RCで歯底面R’に接するようになる。こうして、前方トウ37が歯底面R’上を円弧運動することで、ピン中心C1をピッチ直径PDに対して半径方向外側に強制移動させないようにする。前述したように、スプロケットを双方向性とするために、歯底面R’は歯溝中心線TSCに対して対称的となっている(そして、歯溝の係合歯面E’と離脱歯面DE’も相互に対称的になっている)。
図7は別の実施形態によって形成されたスプロケット250の正面図である。ススプロケット250の、スプロケット150と同じ特徴は、同じ参照符合で記した。スプロケット150に比べて変更された特徴は、スプロケット150に使用されている参照番号よりも100大きい番号で記した。スプロケット250には前述したような連続する標準歯で画定される歯溝160が含まれる。スプロケット250にはまた歯溝270も含まれる。これは前述の歯溝170に対応し、そこでは係合歯面E’’と離脱歯面DE’’は歯面緩和型である。係合歯面E’’と離脱歯面DE’’が歯溝170の係合歯面E’と離脱歯面DE’よりも小さい圧力角になっているという点で、歯溝270は前述の歯溝170とは異なっている。スプロケット250もまた双方向性を持っており、歯溝160の係合歯面Eと離脱歯面DEとが互いに鏡像となっているように、歯溝270の係合歯面E’’と離脱歯面DE’’とは互いに鏡像となっており、また歯溝270の嵩上げされた歯底面R’’は歯溝中心線TSCに関して対称的に画定されている。上記のように、簡単に言うとそれぞれの歯溝160、270は、第1の歯T1の係合歯面E、E’’と、第2の歯T2の離脱歯面DE、DE’’と、第1の歯T1の係合歯面E、E’’と第2の歯T2の離脱歯面DE、DE’’との間にある歯底面R、R’’と、を含むあるいはそれらで構成されているといえる。
通常のスプロケットに関して一般的に言えば、係合歯面および離脱歯面のインボリュート形状は基準円から生成され、その基準円は次の様に定義される。
基準円=PDxCOS(PA)
ここで、PD=スプロケットピッチ直径、PA=歯の圧力角である。更に、ピッチ直径PDそのものは以下のように定義される。
PD=P/SIN(180/N)
ここで、P=ピッチ、N=スプロケットの歯の数である。
インボリュート歯形はラジアル歯形、すなわち1つまたは複数の円弧で近似することができ、ラジアル歯形の圧力角PAは、同様に決定することができる。いずれにせよ、大きな圧力角で画定される係合歯面に比べて、小さい圧力角で画定される係合歯面ほどより急峻となる(スプロケットの回転軸を起点とするラジアル線により近くなる)。こうして、前述の初期接触位置ICのような係合歯面上の所与の位置に関して、初期接触位置ICにおける係合歯面に接する参照線は、それ自身と、係合歯面とそのすぐ下流(前方)離脱歯面との間のラジアル参照線との間にある角度を画定する。この角度は、圧力角が減少すると小さくなり、圧力角が増加すると大きくなる。
圧力角を小さくした歯溝270を設計する一つの方法は、標準歯溝160(図8の実線で示す)から始めて、仮想線E260で示すように係合歯面Eの圧力角を下げてゆくことである。その結果、係合歯面E260は標準係合歯面Eに比べてより急峻となる。すなわち、係合歯面E260は、係合歯面Eに比べると、歯溝中心線TSCとの間の角度がより小さくなる。歯溝160の離脱歯面は、DE260で示すように、低減された圧力角を持つ係合歯面E260を歯溝中心線に関する鏡像にして画定される。そして係合歯面E260、離脱歯面DE260のいずれもそれぞれの内側端部において歯底面Rに接して、小さい圧力角をもつ歯溝260を画定する。ここで図8Aも参照すると、スプロケット250の最終的な歯面緩和型歯溝270は、中間的な歯溝260の係合歯面E260と離脱歯面DE260を歯面緩和量FRだけ緩和して画定され、図に仮想線で示すような低減された圧力角を持つ歯面緩和型係合歯面E’’および低減された圧力角を持つ歯面緩和型離脱歯面DE’’が形成される。上記のように、各歯溝270の係合歯面E’’と離脱歯面DE’’は互いに鏡像関係となっており、歯底面R’’は歯溝中心線TSC上にある弧中心273を中心とする半径274によって嵩上げされて、歯溝中心線TSCに関して対称に画定される。嵩上げされた歯底面は嵩上げされた歯底面直径RD’’を画定し、係合歯面E’’と離脱歯面DE’’の内側端部に接している。図6Cに関連して述べたように、完全噛合リンク列の後方トウ37はRC’点において歯底面接触をし、完全噛合リンク列の後方ピン中心Cは弧中心273と歯底接触位置RC’とに整列して、噛合リンク列の前方トウ37が嵩上げされた歯底面R’’に対してカム動作することを防止している。スプロケット250の場合には、上記の圧力角変化は、スプロケット250のタイプAの標準歯およびタイプBの緩和型歯がそれぞれの歯中心TCに関して非対称になる可能性がある。これはそれらの歯の係合歯面と離脱歯面が、両方とも非緩和型で完全材料歯面であっても(タイプAの標準歯の場合)、あるいは両方とも緩和型で負にオフセットされた歯面であっても(タイプBの緩和型歯の場合)、そうであることに留意されたい。
噛合衝撃並びにそれに付随するノイズレベルの大きさは、噛合入口角βを低減することにより減少させることができる。表1はリンクプレート入口角β(および噛合衝撃角σ)の変化(低減)を示している。これは標準歯溝160に対比した歯溝270と、歯面緩和型歯溝170(歯面緩和オフセット量FR=0.045mm)に対して達成することができる。
Figure 0005795792
図9はシステム100に関して、スプロケット回転角度に対する噛合チェーンリンク列の弦運動で表した、図5A、5B、6A、6Bの噛合運動のグラフである。図9では歯面緩和量FRを0.045mmとした。理論上の接線TLは、ピッチ直径PDに接する接線TLの条件を表し、したがって、噛合弦運動が0mmの位置にある。理論上の弦運動線CMTHEORは、チェーンピン中心の理論上の最大弦運動(上昇/下降)を表し、−0.202mmの所にある。システム100においては、ピン中心Cが位置CMICにおいて接線TLから最大で−0.073mmだけ外れる経路に沿って移動することが分かる。このずれはCMTHEORの36.2%に過ぎない。CMICは、歯面緩和型歯の初期接触ICの瞬間における噛合ピン中心Cの接線TLからの相対位置に対応している。表2は歯面緩和量FRの最小値及び最大値を示す(チェーン10は7.7ピッチで、スプロケット歯数が30であるとする)。
Figure 0005795792
歯面緩和オフセット量FRの最小値は、初期噛合衝撃をスプロケット回転角でθ2−θ1=Δθ=0.5度だけ変調する大きさであり、歯面緩和オフセット量の最大値は、初期噛合衝撃時の接線から測った弦運動を制限する関数として決定され、実際の弦運動の限界値は0.75×CMTHEORで定義される。ここでCMTHEORは理論上の最大弦運動である。それぞれの歯面緩和型歯は、同一のオフセット量つまり歯面緩和量を持ってもよいし、あるいは歯面緩和型歯の一部またはすべてが相互に異なる大きさの歯面緩和量つまりオフセットを持ってもよいが、それぞれの歯の係合歯面と離脱歯面160、170または160、270は相互に対称的に画定されている、ということに留意することが重要である。
これまでの説明から当業者であれば、2つ(もしくはそれより多数)の異なる歯形をスプロケットの全スプロケット歯にランダム(不規則)に、あるいは決まったパターンで組み込むことで、チェーンとスプロケット歯との間の初期噛合による衝撃を変調することができ、また移行点における噛合衝撃も変調できることが分かるであろう。そうして、このスプロケットでは従来の逆歯スプロケットに比べて騒音および振動が改善される。歯溝TSが対称的であるので、スプロケットは機能を変更することなく双方向に回転することができる。
本発明を好適な実施形態を参照して説明した。本発明の属する技術分野の当業者は修正および変更を思いつくであろうが、本発明はそのような修正および変更のすべてを包含するものとして解釈されることが意図されている。

Claims (16)

  1. それぞれの歯中心に相対して画定される複数の歯からなる本体を備え、前記歯中心は外周上に等間隔に配置され、前記複数の歯のそれぞれは係合歯面と離脱歯面とを含む、スプロケットであって、
    前記複数の歯の外周上の連続するそれぞれの対は、各歯溝で互いに離間され、前記歯溝のそれぞれは前記外周上で連続する歯の1つの係合歯面と、前記外周上で連続するもう一方の歯の離脱歯面と、前記歯溝の係合歯面と離脱歯面との間にある歯底面とで、少なくとも部分的に画定され、
    各歯溝における係合歯面は、前記歯溝を二等分する半径方向の歯溝中心線に対して各歯溝の前記離脱歯面の鏡像として画定され、
    前記複数の歯は、タイプAの標準歯、タイプBの標準歯、タイプAの緩和型歯、タイプBの緩和型歯からなり、
    前記タイプAの標準歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、非緩和型の完全材料歯面で画定され、
    前記タイプBの標準歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記歯中心に関して相互に非対称に画定され、ここで、前記係合歯面は非緩和型の完全材料歯面で画定され、かつ前記離脱歯面は、前記タイプAの標準歯の前記離脱歯面の非緩和型完全材料歯面に比べて、歯中心に関して負にオフセットされた、歯面緩和型の歯面によって画定され、
    前記タイプAの緩和型歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記歯中心に関して相互に非対称に画定され、ここで、前記離脱歯面は非緩和型の完全材料歯面で画定され、かつ前記係合歯面は、前記タイプAの標準歯のそれぞれの前記係合歯面の非緩和型完全材料歯面に比べて、歯中心に関して負にオフセットされた、歯面緩和型の歯面によって画定され、
    前記タイプBの緩和型歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記タイプAの標準型歯の前記係合歯面と前記離脱歯面とのそれぞれの前記非緩和型完全材料歯面に比べて前記中心線に対して負にオフセットされた歯面緩和型材料歯面で画定される、スプロケット。
  2. 前記タイプAの緩和型歯の係合歯面は歯面緩和型圧力角で画定され、前記タイプAの標準歯の係合歯面は標準圧力角で画定され、前記歯面緩和型圧力角は、前記標準圧力角よりも小さい、請求項1に記載のスプロケット。
  3. 前記タイプBの緩和型歯の係合歯面は歯面緩和型圧力角で画定され、前記タイプBの標準歯の係合歯面は標準圧力角で画定され、前記歯面緩和型圧力角は、前記標準圧力角よりも小さい、請求項1に記載のスプロケット。
  4. 前記スプロケットの前記歯面緩和型係合歯面の第1の群は、それぞれの歯中心に対して第1の負のオフセット量だけ負にオフセットされ、前記スプロケットの前記歯面緩和型係合歯面の第2の群は、それぞれの歯中心に対して前記第1の負のオフセット量よりも大きな第2の負のオフセット量だけ負にオフセットされている、請求項2に記載のスプロケット。
  5. 前記スプロケットの前記歯面緩和型係合歯面の第1の群は、それぞれの歯中心に対して第1の負のオフセット量だけ負にオフセットされ、前記スプロケットの前記歯面緩和型係合歯面の第2の群は、それぞれの歯中心に対して前記第1の負のオフセット量よりも大きな第2の負のオフセット量だけ負にオフセットされている、請求項1に記載のスプロケット。
  6. 歯面緩和型輪郭を持つ係合歯面と歯面緩和型輪郭を持つ離脱歯面との間に画定される前記歯溝のそれぞれに位置する歯底面のそれぞれは、非緩和型輪郭を持つ係合歯面と非緩和型輪郭を持つ離脱歯面との間に画定される前記歯溝のそれぞれに位置する歯底面のそれぞれに比べて半径方向外側に配置された、嵩上げされた歯底面を備える、請求項1に記載のスプロケット。
  7. 前記嵩上げされた歯底面のそれぞれは、歯溝中心線上にある歯底円弧中心を中心とする半径によって画定される円弧を含む、請求項6に記載のスプロケット。
  8. 前記スプロケットに噛合する逆歯チェーンをさらに備え、前記スプロケットと前記スプロケットに噛合する逆歯チェーンは前記スプロケットの時計方向回転と反時計方向回転とで等しい噛合運動特性で双方向に動作する、請求項6に記載のスプロケット。
  9. 前記逆歯チェーンはそれぞれが前記スプロケットと内側歯面噛合する構造となった複数のリンク列を備え、各リンク列の前方内側歯面は先行リンク列の後方外側歯面よりも外側に突出して、前記チェーンの各噛合リンク列の前方内側歯面が前記スプロケット歯の一つの係合歯面と内側歯面接触をする、請求項8に記載のスプロケット。
  10. 前記逆歯チェーンが前記タイプA緩和型歯の一つまたは前記タイプB緩和型歯の一つと完全に噛合する際、前記タイプA緩和型歯の一つまたは前記タイプB緩和型歯の一つに先行する歯溝にある前記歯底面に前記逆歯チェーンが接触する、請求項9に記載のスプロケット。
  11. 前記逆歯チェーンは、接線に沿って前記スプロケットに近づき噛合するように適合された自由スパンを含み、
    前記自由スパンからの前記チェーンの個々の噛合リンク列の前方内側歯面は、前記チェーンと前記スプロケットとの間の初期接触の際に前記スプロケット歯の係合歯面と内側歯面接触をし、
    (i)第1の初期接触角θ1が、前記チェーンと、前記タイプAの緩和型歯または前記タイプBの緩和型歯のうちの一つとの間の初期接触の瞬間に画定され、
    (ii)第2の初期接触角θ2が、前記チェーンと、前記タイプAの標準歯または前記タイプBの標準歯のうちの一つとの間の初期接触の瞬間に画定され、
    前記第1および第2の初期接触角θ1、θ2は、第1の参照線と第2の参照線との間で画定され、(i)前記第1の参照線は前記スプロケットの回転軸を通って、前記接線に直交して延伸し、(ii)前記第2の参照線は前記回転軸を通って、前記チェーンが内側歯面初期接触をする前記歯の歯中心を通過し、ここでθ2>θ1である、請求項9に記載のスプロケット。
  12. 前記スプロケットの前記歯面緩和型係合歯面は、それぞれの歯中心に対して、少なくともθ2−θ1>0.5度となる大きさの負のオフセット量だけそれぞれの歯中心から負にオフセットされている、請求項11に記載のスプロケット。
  13. 前記チェーンの自由スパンは、前記スプロケットと噛合する際に前記接線に対して実際に弦運動CMICを示し、前記スプロケットの前記歯面緩和型係合歯面は、それぞれの歯中心に対してCMIC≦0.75×CMTHEORとなる大きさだけ負にオフセットされており、ここでCMTHEORは前記接線に対する前記チェーンの前記自由スパンの理論的最大弦運動である、請求項12に記載のスプロケット。
  14. それぞれのタイプA標準歯の前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記タイプA標準歯の各歯中心に関して対称的に画定される、請求項1に記載のスプロケット。
  15. それぞれのタイプB緩和型歯の前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記タイプB緩和型歯の各歯中心に関して対称的に画定される、請求項1に記載のスプロケット。
  16. スプロケットと、
    前記スプロケットと噛合する内側歯面係合逆歯チェーンと、
    を備える逆歯チェーン駆動システムであって、
    前記スプロケットは、前記スプロケットの回転軸を中心とする外周上に等間隔に配置されたそれぞれの歯中心に対して画定され、それぞれが係合歯面と離脱歯面とを有する複数の歯を含み、
    前記逆歯チェーンは、それぞれが前記スプロケットと内側歯面噛合する構造となった複数のリンク列を備え、前記チェーンが前記スプロケットに近づく際には、各リンク列の前方内側歯面は先行リンク列の後方外側歯面に対して外側に突出して、前記各列の前方内側歯面が前記スプロケット歯の1つの前記噛合歯面と初期噛合接触をするようになっており、
    前記スプロケット歯の少なくともあるものは標準歯であり、残りの歯が歯面緩和型歯であって、前記標準歯のそれぞれは完全材料係合歯面からなり、前記歯面緩和型歯のそれぞれは、その各歯中心に向かって前記標準歯の一つの前記完全材料係合歯面と比べて負のオフセットをした緩和型係合歯面からなっており、
    前記スプロケットの外周上の連続する各一対の歯の間に歯溝が画定され、各歯溝は第1の歯の係合歯面と、第2の歯の離脱歯面と、前記第1の歯の係合歯面と前記第2の歯の離脱歯面との間にある歯底面とからなり、各歯面緩和型歯に先行する前記歯底面は、各標準歯に先行する前記歯底面に比較して半径方向外側に位置しており、前記逆歯チェーン駆動システムは、
    各歯溝の前記第1の歯の係合歯面と前記第2の歯の離脱歯面とは歯溝中心線に関して対称的に画定されているとともに、
    前記標準歯は、タイプAの標準歯、及びタイプBの標準歯からなり、
    前記緩和型歯は、タイプAの緩和型歯、及びタイプBの緩和型歯からなり、
    前記タイプAの標準歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、非緩和型の完全材料歯面で画定され、
    前記タイプBの標準歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記歯中心に関して相互に非対称に画定され、ここで、前記係合歯面は非緩和型の完全材料歯面で画定され、かつ前記離脱歯面は、前記タイプAの標準歯の前記離脱歯面の非緩和型完全材料歯面に比べて、歯中心に関して負にオフセットされた、歯面緩和型の歯面によって画定され、
    前記タイプAの緩和型歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記歯中心に関して相互に非対称に画定され、ここで、前記離脱歯面は非緩和型の完全材料歯面で画定され、かつ前記係合歯面は、前記タイプAの標準歯のそれぞれの前記係合歯面の非緩和型完全材料歯面に比べて、歯中心に関して負にオフセットされた、歯面緩和型の歯面によって画定され、
    前記タイプBの緩和型歯のそれぞれに関して、前記係合歯面および前記離脱歯面は、前記タイプAの標準型歯の前記係合歯面と前記離脱歯面とのそれぞれの前記非緩和型完全材料歯面に比べて前記中心線に対して負にオフセットされた歯面緩和型材料歯面で画定されることを特徴とする逆歯チェーン駆動システム。
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