JP4683451B2 - サイレントチェーン伝動機構 - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯数の相異なるスプロケット間で動力を伝達するサイレントチェーン伝動機構に関するものであって、特に、4サイクルエンジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸を駆動するようなサイレントチェーン伝動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10に示すような4サイクルエンジンのクランク軸から吸気バルブ、排気バルブ、バランサなどを駆動する場合に用いられるサイレントチェーン伝動機構は、バルブ駆動用クランク軸スプロケット11a、吸気バルブ用カム軸スプロケット12a、排気バルブ用カム軸スプロケット12b、バルブ駆動用サイレントチェーン20a、サイレントチェーン20aに張力を与えるテンショナTとテンショナレバーL、サイレントチェーン20aの振れを押さえるチェーンガイドG、バランサ駆動用クランク軸スプロケット11b、バランサ軸スプロケット13a、13b、バランサ駆動用サイレントチェーン20b、反転用歯車14a、14bなどで構成されている。
【0003】
このような吸気バルブと排気バルブは、カム軸スプロケット12の歯数をバルブ駆動用クランク軸スプロケット11aの歯数の2倍に設定した減速伝動機構において、クランク軸が2回転すると、それぞれ1回作動するようになっている。
【0004】
また、バランサ軸は、バランサ軸スプロケット13の歯数をバランサ駆動用クランク軸スプロケット11bの歯数の1/2に設定した増速伝動機構において、クランク軸の高次不釣り合いを相殺するため、クランク軸が1回転すると2回転するようになっており、かつ、反転用歯車14によって互いに逆方向に回転するようになっている。
【0005】
そして、このようなサイレントチェーン伝動機構に用いるバルブ駆動用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bは、チェーン張力を加えて直線状に張ったときにリンクプレートが有する内側フランクの中央膨出部が直線状の外側フランクよりはみ出しており、それぞれのスプロケットに対して内側フランクの中央膨出部が一時的に接触した後に外側フランクで巻き付き着座して動力伝達するものであり、両者は、形状構造において同一のサイレントチェーン20を使用している。
【0006】
他方、クランク軸スプロケット11、カム軸スプロケット12、バランサ軸スプロケット13には、直線状の外側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形を有するホブカッターによって、夫々の歯数に応じて外側フランクで正多角形状に巻き付き着座するような転位量で歯切りされたインボリュート歯が形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、このように構成された従来のサイレントチェーン伝動機構の基本的な作動状態を歯数の相異なるそれぞれのスプロケット11a、11b、12、13のいずれか一つのスプロケット(以下、スプロケット10という。)に注目して説明すると、以下のとおりである。
【0008】
従来のサイレントチェーン伝動機構は、サイレントチェーン20がこれらのスプロケット10に巻き付いた時に、外側フランクはスプロケット10の1歯おきにスプロケット歯面に着座して正多角形状の巻き付き形態を呈する一方、内側フランクの中央膨出部が直線状の外側フランクよりはみ出している。
このために、スプロケット10に進入する内側フランクの中央膨出部がスプロケット歯面と接触して、外側フランクがスプロケット歯面に巻き付き着座する前にスプロケットに進入するサイレントチェーン20を一時的に持ち上げることによって、チェーンがスプロケットに巻き付く際に生じるスプロケット10の正多角形運動に伴うサイレントチェーン20の上下動、いわゆる、コーダルアクションを抑制しようとしている。
【0009】
ここで、チェーン・ピッチをP、スプロケット歯数をzとするとき、ピッチ円半径Rc、すなわち、チェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座した時の連結ピン中心からスプロケット中心までの距離は、
Rc=P/2sin(π/z)
また、着座高さV、すなわち、チェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座した時のチェーン・ピッチ線からスプロケット中心までの距離は、
V=P/2tan(π/z)
のような幾何学的関係が成り立つ。
したがって、正多角形運動の大きさ、すなわち、正多角形運動量Δは、スプロケットが半ピッチ角(π/z)回転する毎に、スプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さがRcとVの間で変動することによって生ずるものであり、その大きさは、
Δ=Rc−V
で表わされる。
【0010】
しかしながら、正多角形運動の大きさはスプロケットの歯数によって異なるので、クランク軸スプロケット11aとカム軸スプロケット12との歯数、あるいは、クランク軸スプロケット11bとバランサ軸スプロケット13との歯数が大きく異なっている場合は、それぞれのスプロケット10に生じるコーダルアクションの大きさも大きく異なる。
【0011】
したがって、前述したようなリンク歯の内側フランクがその中央膨出部を有しているサイレントチェーン20を使用した場合には、スプロケット10に進入するチェーンを持ち上げる高さが一定であるため、クランク軸スプロケット11a、または、11b、カム軸スプロケット12、バランサ軸スプロケット13のいずれか一つにおいてコーダルアクションを抑制することはできるが、全てのスプロケット10においてコーダルアクションを共に抑制することはきわめて困難である。
【0012】
したがって、このようなサイレントチェーン伝動機構では、クランク軸スプロケット11a、11b、カム軸スプロケット12、若しくは、バランサ軸スプロケット13のいずれか一つにおいてコーダルアクションが抑制されたとしても、サイレントチェーン伝動機構全体としてみるとコーダルアクションに伴う振動と騒音を低減したことにはならなず、また、リンク歯の内側フランクに膨出させた中央部がスプロケット歯面と衝突して、いわゆる、ビーティングモーションを引き起こし、新たな振動・騒音やチェーンの張力変動を生じるという厄介な問題があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、4サイクルエンジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸を駆動する場合に用いられるような、歯数の相異なるスプロケット間で動力を伝達するサイレントチェーン伝動機構において、スプロケット歯数の大小に係わらずに外側フランクをそれぞれの歯数に応じて正多角形状に巻き付き着座させて全ての歯数のスプロケットにおけるサイレントチェーンのコーダルアクションとビーティングモーションを完全に解消して振動と騒音を低減するとともに、噛み合い速度の変動によって引き起こされるサイレントチェーンの張力変動を抑制して優れた耐久性を発揮するサイレントチェーン伝動機構を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対のリンク歯と一対の連結ピン穴とを有するリンクプレートをチェーン幅方向に重ね合わせ、連結ピンでチェーン長手方向に多数連結してなる無端状のサイレントチェーンが、歯数の相異なるスプロケットに対して前記一対のリンク歯に形成された内側フランクで噛み合い進入し、前記一対のリンク歯に形成された外側フランクで巻き付き着座して、動力伝達するサイレントチェーン伝動機構において、前記歯数の相異なるスプロケットが、前記サイレントチェーンの内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形を有するホブカッターを用いて、夫々の歯数に応じてスプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さと、スプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径とが一致するような転位量で、歯切りされた相異なるスプロケット歯形を有していると共に、前記サイレントチェーンの外側フランクが、最小歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線状歯先部と、最大歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧状歯元部と、前記直線状歯先部と円弧状歯元部の双方に隣接する円弧状中間部とで輪郭形成されていることによって、前記課題を解決した。
【0015】
ここで、本発明における「噛み合い高さ」とは、スプロケットに噛み合い進入するリンクプレートのチェーン・ピッチ線からスプロケット中心までの相互間隔を意味し、また、この「チェーン・ピッチ線」とは、リンクプレートの一対の連結ピン穴に挿通された一対の連結ピンの中心を相互に結ぶ直線を意味する。
【0016】
本発明における「ピッチ円半径」とは、チェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座した時の連結ピン中心からスプロケット中心までの距離を意味し、チェーン・ピッチをP、スプロケット歯数をzとするとき、ピッチ円半径Rcは
Rc=P/2sin(π/z)
で表される。
チェーン・ピッチPは、リンクプレートの連結ピン穴に挿通された一対の連結ピンの中心間隔として定義される。
【0017】
なお、本発明に採用する「歯数の相異なるスプロケット」は、サイレントチェーンに噛み合い得る歯数を有するスプロケットであれば、同じ歯数もしくは異なる歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケットを組み合わせて採用しても構わない。
また、これらのスプロケットの歯切り加工時に切り下げが生じないためには、少なくとも16枚以上のスプロケット歯を有するスプロケットであることが望ましい。
【0018】
そして、本発明でチェーン長手方向に多数連結する「リンクプレート」は、全て同一の歯面形状を有する内側フランクと外側フランクを採用しており、チェーンを直線状に張った時に隣り合うリンクプレートのそれぞれ対応する内側フランクの相互間隔と外側フランクの相互間隔は、チェーン・ピッチPとそれぞれ等しくなっている。
【0019】
また、本発明における「内側フランク」は、スプロケットに噛み合い進入するチェーンとスプロケットとが一般的に良く知られたラックとピニオンとの噛み合い関係を呈するために、チェーンを直線状に張った時に多数の内側フランクが台形状連続歯型のラックを構成し得る概ね直線状の歯面形状を有していると良い。
【0020】
他方、本発明における「外側フランク」は、後に詳述するように、チェーンを直線状に張った時に隣り合うリンクプレートの概ね直線状の内側フランクよりも歯先側に向かってすぼまった概ねS字形曲線状の歯面形状を呈しており、チェーン張力によって直線状に引っ張られた状態では、隣り合うリンクプレートの内側フランクの内側に隠れるようになっている。
【0021】
【作用】
本発明のサイレントチェーン伝動機構は、4サイクルエンジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸を駆動するような、歯数の相異なるスプロケットに対して動力伝達するものであって、その最も特徴とする作用は、以下のとおりである。
【0022】
本発明のサイレントチェーン伝動機構は、歯数の相異なるスプロケットが、内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形を有するホブカッターを用いて、夫々の歯数に応じてスプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さと、スプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径とが一致するような転位量で、歯切りされた相異なるスプロケット歯形を有していることによって、スプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さはスプロケットの歯数にかかわらず、常にスプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径に等しく一定に保たれている。
このため、リンク歯に形成された内側フランクとスプロケット歯面はあたかもラック・ピニオンの如き噛み合い動作を奏し、従来のようなサイレントチェーンがスプロケットに巻き付く際に生じる正多角形運動に伴う上下動、いわゆる、コーダルアクションや噛み合い速度の変動を発生しない。
【0023】
本発明のサイレントチェーン伝動機構は、外側フランクの直線状歯先部が、最小歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線で輪郭形成された歯面形状を有していることによって、最小歯数のスプロケットにおいてサイレントチェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座することができる。
【0024】
また、外側フランクの円弧状歯元部が、最大歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧で輪郭形成された歯面形状を有していることによって、最大歯数のスプロケットにおいてサイレントチェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座することができる。
【0025】
さらに、外側フランクの円弧状中間部が、直線状歯先部と円弧状歯元部の双方に隣接する円弧で輪郭形成された歯面形状を有していることによって、最小歯数と最大歯数の間の任意の歯数を有するスプロケットに、それぞれの歯数に応じてサイレントチェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座することができる。
【0026】
したがって、スプロケットの歯数にかかわらず、内側フランクでスプロケットに噛み合い進入した着座直前の連結ピン中心の位置と、外側フランクでスプロケットに巻き付き着座した直後の連結ピン中心の位置が完全に一致しているので、従来のような外側フランクがスプロケットに着座する際に生じる衝突、いわゆる、ビーティングモーションを発生しない。
【0027】
すなわち、本発明のサイレントチェーン伝動機構は、同じ歯数もしくは異なる歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケットを組み合わせて伝動機構を構成しても、サイレントチェーンがスプロケットに噛み合い進入してから巻き付き着座し終わるまでの間、伝動機構を構成する全てのスプロケットにおけるサイレントチェーンのコーダルアクションとビーティングモーションを完全に解消することができるので、伝動機構全体として、これらのコーダルアクションとビーティングモーションによって引き起こされるサイレントチェーン伝動機構の振動と騒音を低減するとともに、噛み合い速度の変動によって引き起こされるサイレントチェーンの張力変動を抑制する。
【0028】
なお、本発明のサイレントチェーン伝動機構が、歯数が同一である複数個のスプロケットを備えた伝動機構である場合は、当然に、サイレントチェーンのコーダルアクションとビーティングモーションが解消される。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の一実施例である歯数の相異なる複数個のスプロケットを備えたサイレントチェーン伝動機構を、図面に基づいて説明する。
【0030】
まず、本実施例におけるサイレントチェーン伝動機構は、図10に示された従来例と同様に自動車エンジンの吸気バルブと排気バルブをクランク軸の2回転につき1回転作動させるためにバルブ駆動用サイレントチェーン20aによって動力伝達されるバルブ駆動用クランク軸スプロケット11a、吸気バルブ・カム軸スプロケット12a、排気バルブ・カム軸スプロケット12bを備えた減速伝動機構と、バランサをクランク軸の1回転につき2回転させるためにバランサ駆動用サイレントチェーン20bによって動力伝達されるバランサ駆動用クランク軸スプロケット11b、バランサ軸スプロケット13a、13bを備えた増速伝動機構とを組み合わせたものから構成されており、前記バルブ駆動用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bとは、これらの形状構造において同一のサイレントチェーン20を使用している。
【0031】
そこで、本実施例のサイレントチェーン伝動機構で用いたサイレントチェーン20について以下のとおり詳説する。
なお、図1は、サイレントチェーンのリンクプレートの外形を示す図であり、図2は、サイレントチェーンの編成状態を示す図である。
【0032】
本実施例に用いたサイレントチェーン20は、一対のリンク歯と一対の連結ピン穴とを有するリンクプレート23a、23b、23c、・・・をチェーン幅方向に重ね合わせ、連結ピン22a、22b、22c、・・・でチェーン長手方向に無端状に多数連結してなるものであって、離間配置された複数個のスプロケット10に対して内側フランクで噛み合い進入した後に外側フランクで巻き付き着座して動力伝達するようになっている。
【0033】
図1に示すように、前記サイレントチェーン20の内側フランクは、チェーン・ピッチ線から内側フランク・ピッチ線までの相互間隔をHc、内側フランク・圧力角 をαcとして輪郭形成された直線状歯面を有している。
ここで、前記直線状歯面の上限は、概ね、連結ピンの中心Cから直線状歯面を形成する直線Mに降ろした垂線の足Hまでとし、相対する内側フランクの直線状歯面の上限と円弧状に接続されている。
また、前記直線状歯面の下限は、後述する外側フランクの下限とこれに接続する円弧部によって必然的に決定される。
【0034】
なお、ここで意味する「内側フランク・ピッチ線」とは、内側フランクとの交点同士の距離がチェーン・ピッチの1/2となるような位置でチェーン・ピッチ線に平行な直線のことである。
また、「内側フランク・圧力角」とは、内側フランク直線の傾き角度のことである。
【0035】
他方、前記サイレントチェーン20の外側フランクは、最小歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線状歯先部と、最大歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧状歯元部と、前記直線状歯先部と円弧状歯元部の双方に隣接する円弧状中間部で輪郭形成された歯面形状を有している。
【0036】
ここで、この外側フランクは、以下のような具体的な決定手順によって輪郭形成されている。
【0037】
すなわち、図3に示すように、チェーン・ピッチをP、スプロケット歯数をzとするとき、着座高さV、すなわち、チェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座した時のチェーン・ピッチ線からスプロケット中心までの距離は、
V=P/2tan(π/z)
で表される。
【0038】
そこで、図3に示すように、最小歯数のスプロケット10aと最大歯数のスプロケット10bそれぞれの着座高さVにリンクプレート23を配置する。
つぎに、図5に示すように、リンクプレート23上に最小歯数のスプロケット10aにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線状歯先部Lと、最大歯数のスプロケット10bにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧状歯元部R1と、これらの直線状歯先部Lと円弧状歯元部R1の双方に隣接する円弧状中間部R2を描き、この輪郭を外側フランクの歯面形状として採用するものである。
【0039】
ここで、図4は、外側フランクの歯面形状、および、スプロケットの歯形曲線と外側フランクの歯面形状との関係を示すものであり、図5は、外側フランクの輪郭決定手順を示す図である。
なお、図4および図5に示したzは、スプロケット歯数でる。
外側フランクの歯面形状は、図5において、以下に述べるような手順で輪郭決定する。
【0040】
まず、図5において、外側フランクの直線状歯先部Lは、最小歯数z1のスプロケット10aにリンクプレート23が着座高さVで着座した時に、このスプロケット歯形に接するように描かれている。
また、外側フランクの直線状歯先部Lの下限は、概ね、遠い方の連結ピンの中心C1から直線状歯先部Lに降ろした垂線の足Kまでとして、相対する内側フランクの直線状歯面を形成する直線Mと円弧状に接続されており、内側フランクの直線状歯面の下限は、これによって必然的に決定される。
また、これによって、リンクプレート歯先の円弧部とスプロケットの歯面との干渉が避けられる。
外側フランクの直線状歯先部Lの傾き角度αfは、内側フランクの直線状歯面を形成する直線Mの傾き角度αcと異なる角度であっても良い。
【0041】
つぎに、前記外側フランクの円弧状歯元部R1は、最大歯数z2のスプロケット10bにリンクプレート23が着座高さVで着座した時に、このスプロケット歯形に接し、かつ、一端がリンクプレート23肩部の曲線に接するように描かれている。
ここで、リンクプレート23肩部の曲線は、一例として、近い方の連結ピンの中心C2から、サイレントチェーン20を直線状に張った時に隣接するリンクプレートの内側フランクの直線状歯面を形成する直線Mに接するような半径Rsの円弧であっても良い。
【0042】
そして、外側フランクの円弧状中間部R2は、一端が前記直線状歯先部Lに接し、かつ、他端が前記円弧状歯元部R1に接するように描かれている。
【0043】
このようにして輪郭決定された外側フランクは、サイレントチェーン20を直線状に張った時に隣接するリンクプレートの内側フランクの直線状歯面を形成する直線Mよりも歯先側に向かってすぼまった概ねS字形曲線状の歯面形状を呈している。
【0044】
そこで、図5における最小歯数z1のスプロケット10aと最大歯数z2のスプロケット10bの歯形曲線を見ると、サイレントチェーン20の外側フランクは、最小歯数のスプロケット10aと最大歯数のスプロケット10bのいずれの歯形にも接触するので、いずれのスプロケットにも着座高さVで正多角形状に着座することができる。
【0045】
また、図4における最小歯数z1と最大歯数z2の間のスプロケット歯形曲線群を見ると、何れかの曲線が他の曲線を完全に覆い隠すことはなく、また、何れの曲線も外側フランクの歯面形状に極めて接近しているので、サイレントチェーン20の外側フランクは、実質上、いかなる歯数を有するスプロケットにも着座高さVで正多角形状に着座することができる。
【0046】
また、このように輪郭形成された外側フランクの歯面形状が、チェーンを直線状に張った時に隣り合うリンクプレートの概ね直線状の内側フランクよりも歯先側に向かってすぼまったS字形曲線状の歯面形状を呈していることから、図2に示すように、チェーン張力によって直線状に引っ張られた状態においては、外側フランクは内側フランクの陰に隠れるような状態になるので、サイレントチェーン20がスプロケット10に進入する時に、外側フランクが内側フランクの噛み合いを妨げることはない。
【0047】
以上のようにして輪郭形成された一対のリンク歯を有するリンクプレートは、図2に示すように、全て同一形状のものを採用しており、隣り合うリンクプレートにおいてそれぞれ対応する内側フランクの相互間隔は、前述したチェーン・ピッチと等しくなっている。
【0048】
次に、本実施例のサイレントチェーン伝動機構で用いたスプロケットについて、以下のとおり詳説する。
なお、図6は、ホブカッターの外形を示す図であり、図7は、スプロケット歯切り加工の概念を示す図である
まず、図6に示すように、クランク軸スプロケット11、カム軸スプロケット12、バランサ軸スプロケット13を歯切り加工するホブカッターは、サイレントチェーン20のリンク歯に形成された直線状内側フランクを連続した形状と概ね相似な台形歯形を有しており、いずれのスプロケット11、12、13に対しても同一のホブカッターで歯切りすることができる。
【0049】
すなわち、ホブカッターのピッチと圧力角は、チェーン・ピッチP、リンクプレートの内側フランク・圧力角αcにそれぞれ等しく、デデンダムHdはリンクプレートの内側フランク・ピッチ線から内側フランクの歯底までの距離よりも正多角形運動量Δだけ小さく、また、アデンダムHaは内側フランク・ピッチ線からリンク歯先までの距離よりも正多角形運動量Δだけ大きく形成されている。
ここで、正多角形運動量Δは、スプロケットが半ピッチ角(π/z)回転する毎に、スプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さがRcとVの間で変動することによって生ずるものであり、その大きさは、
Δ=Rc−V
=(P/2)[1/sin(π/z)−1/2tan(π/z)]
で表わされる。
上式から明らかなように、正多角形運動量Δはスプロケット歯数zによって異なり、スプロケット歯数が小さいほど正多角形運動量は大きい。
したがって、デデンダムHd、および、アデンダムHaを決定する際には、対象とするサイレントチェーン伝動機構において起こり得る最大の正多角形運動量、すなわち、最小歯数z1のスプロケット10aにおける正多角形運動量
Δ1=(P/2)[1/sin(π/z1)−1/2tan(π/z1)]
を採用する。
これによって、いずれのスプロケット11、12、13に対してもスプロケットの歯先と内側フランク上端の円弧部との干渉、あるいは、スプロケットの歯底とリンクプレート歯先の円弧部との干渉が避けられるので、全てのスプロケットは同一のホブカッターで歯切りすることができる。
【0050】
そして、図7に示すように、クランク軸、カム軸、バランサ軸の歯数が相異なるそれぞれのスプロケット11、12、13は、内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形を有するホブカッターを用いて、それぞれのスプロケット歯数に応じて、スプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さと、スプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径とが一致するような転位量Xで歯切りされるので、それぞれのスプロケットには、ピッチP、圧力角αc、デデンダムHd、アデンダムHaからなる同一のホブカッターを用いて、スプロケット歯数毎に相異なるスプロケット歯形が形成される。
【0051】
ここで、これらのスプロケット歯数毎に相異なるスプロケットの歯切り加工時の転位量は、以下のような具体的算出方法によって決定される。
すなわち、図7に示すように、ホブのピッチをP、スプロケット歯数をz、スプロケット10の歯切りピッチ円直径をDpとすれば、周知のように
Dp=P×z/π
である。
ここに、歯切りピッチ線は、スプロケット中心からDp/2だけ離れた直線であり、転位量Xは、歯切りピッチ線からホブの歯形中心線までの距離として定義される。
【0052】
一方、チェーン・ピッチをP、スプロケット歯数をzとするとき、サイレントチェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付き着座した時の連結ピン中心からスプロケット中心までの距離、すなわち、ピッチ円半径Rcは
Rc=P/2sin(π/z)
で表される。
そこで、歯切り加工時の転位量は、チェーンの内側フランク・ピッチ線とホブの歯形中心線とが一致し、かつ、スプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さとスプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径とが一致するよう設定すれば、容易に求めることができる。
【0053】
すなわち、チェーン・ピッチ線から内側フランク・ピッチ線までの相互間隔をHc、転位量をXとすると、図7から明らかなように
X=Hc−[Rc−Dp/2]
となり、それぞれのスプロケット歯数に応じて歯切り加工時の転位量が一義的に定まる。
【0054】
したがって、歯数の相異なるそれぞれのスプロケット11、12、13は、スプロケット歯数毎に異なったスプロケット歯形で内側フランクと噛み合いながら、スプロケットに進入するサイレントチェーン20の噛み合い高さを、明らかに、チェーンのピッチ円半径に等しく保つことができる。
【0055】
このように構成された本実施例のサイレントチェーン伝動機構の基本的な作動状態を、歯数の相異なるそれぞれのスプロケット11、12、13のいずれか一つのスプロケット(以下、スプロケット10という。)に注目して説明すると、以下のとおりである。
【0056】
図8は、リンクプレート23aがスプロケット10に着座した瞬間、すなわち、スプロケット10の中心と連結ピン22aとスプロケット10に進入するサイレントチェーンとが直角を成す場合の噛み合い状態を示す。
なお、図中の22a、22b、22c・・・は、サイレントチェーンを構成する連結ピンであり、23a、23b、23c・・・は、サイレントチェーンを構成するリンクプレートである。
【0057】
まず、リンクプレート23aは、外側フランクの形状が、最小歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線状歯先部Lと、最大歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧状歯元部R1と、これらの直線状歯先部Lと円弧状歯元部R1の双方に隣接する円弧状中間部R2で輪郭形成されているので、最小歯数から最大歯数までの全てのスプロケット10において、サイレントチェーン20は正多角形状に巻き付き着座することができる。
【0058】
また、リンクプレート23bに後続するチェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張られた状態となっているため、噛み合い高さはピッチ円半径に一致する。
【0059】
したがって、このリンクプレート23bに後続するチェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張られた状態において、外側フランクが内側フランクの輪郭よりも内側に隠れているため、スプロケット10をピニオンとした場合に多数の内側フランクで構成された台形状連続歯型のラックと見做すことができ、スプロケット10に進入するチェーンとスプロケット10とは、一般的に良く知られたラックとピニオンとの噛み合い関係を呈する。
【0060】
次に、図9は、図8の噛み合い状態からスプロケット10がピッチ角の1/2だけ回転してリンクプレートがピッチの1/2だけ進んだ状態を示す。
【0061】
そこで、リンクプレート23cは、内側フランクでスプロケット10の歯面と噛み合っており、スプロケット10歯数の相異なるスプロケットが、スプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さと、スプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径とが一致するような転位量に設定して歯切りされているから、スプロケット10の中心からリンクプレート23cのチェーン・ピッチ線までの距離、いわゆる、噛み合い高さは、当然ピッチ円半径と一致する。
【0062】
また、リンクプレート23cに後続するチェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張られた状態において、外側フランクが内側フランクの輪郭よりも内側に隠れているため、スプロケット10をピニオンとした場合に多数の内側フランクで構成された台形状連続歯型のラックと見做すことができ、スプロケット10に進入するチェーンとスプロケット10とは、一般的に良く知られたラックとピニオンとの噛み合い関係を呈する。
【0063】
すなわち、図9において、リンクプレート23cの内側フランクがスプロケット10に噛み合い始めてから、連結ピン22bが連結ピン22aの存在していた位置まで1ピッチ進む間、スプロケット中心からリンクプレート23cのチェーン・ピッチ線までの距離、いわゆる、噛み合い高さは、常にピッチ円半径と等しく保たれる。
【0064】
このリンクプレート23cが1ピッチ進む間、リンクプレート23bの内側フランクは、連結ピン22aを中心とする屈曲運動によってスプロケット10から離れ、他方、リンクプレート23bの外側フランクは、まだ、スプロケット10と接触しないので、リンクプレート23bは、連結ピン22aと連結ピン22bに支持されてスプロケット10に滑らかに噛み込んでいく。
【0065】
したがって、カム軸スプロケット12がクランク軸スプロケット11aに対して2倍の歯数を備え、あるいは、バランサ軸スプロケット13がクランク軸スプロケット11bに対して1/2の歯数を備えている場合であっても、スプロケットの歯数にかかわらずスプロケット10に進入するサイレントチェーン20のチェーン・ピッチ線は常にピッチ円半径と等しい高さにあり、スプロケットに進入するサイレントチェーンの噛み合い高さが、スプロケットに巻き付く際に生じ得る正多角形運動の最高点となるように、常に一定に保たれる。
このため、チェーンの内側フランクとスプロケット歯面は、あたかもラック・ピニオンの如き噛み合い動作を奏し、従来のようなサイレントチェーンがスプロケットに巻き付く際に生じる正多角形運動に伴う上下動、いわゆる、コーダルアクションが解消され、また、サイレントチェーンの噛み合い速度の変動が発生しない。
【0066】
また、本実施例のサイレントチェーン伝動機構は、外側フランクが最小歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線状歯先部Lと、最大歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧状歯元部R1と、これらの直線状歯先部Lと円弧状歯元部R1の双方に隣接する円弧状中間部R2で輪郭形成された歯面形状を有していることによって、カム軸スプロケット12がクランク軸スプロケット11aに対して2倍の歯数を備え、あるいは、バランサ軸スプロケット13がクランク軸スプロケット11bに対して1/2の歯数を備えている場合であっても、外側フランクがそれぞれの歯数に応じて正多角形状に巻き付き着座することができる。
このため、内側フランクでスプロケットに噛み合い進入した着座直前の連結ピン中心の位置と、外側フランクでスプロケットに巻き付き着座した直後の連結ピン中心の位置がスプロケット歯数の大小に係わらず一致し、全てのスプロケット11、12、13においてサイレントチェーン20の外側フランクがスプロケットに着座する際に生じる衝突、いわゆる、ビーティングモーションが解消される。
【0067】
以上のようにして得られた本実施例のサイレントチェーン伝動機構は、従来のサイレントチェーン伝動機構と比較すると、伝動機構を構成する全てのスプロケット11、12、13において、サイレントチェーン20がスプロケット11、12、13に噛み合い始めてから着座し終わるまでの噛み合い動作の全過程でスプロケット中心からチェーン・ピッチ線までの距離を一定に維持するため、伝動機構全体としてサイレントチェーン20のコーダルアクションとビーティングモーションを解消することができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明のサイレントチェーン伝動機構は、4サイクルエンジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸を駆動するような、歯数の相異なるスプロケットに対して動力伝達するものであって、以下のような特有の効果を奏することができる。
すなわち、
(1)歯数の相異なるスプロケットが、内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形を有するホブカッターを用いて、夫々の歯数に応じてスプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さと、スプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径とが一致するような転位量で、歯切りされた相異なるスプロケット歯形を有していることによって、スプロケットの歯数にかかわらず、スプロケットに進入するサイレントチェーンの噛み合い高さが、ピッチ円半径とが一致するように常に一定に保たれるため、チェーンの内側フランクとスプロケット歯面は、あたかもラック・ピニオンの如き噛み合い動作を奏し、従来のようなサイレントチェーンがスプロケットに巻き付く際に生じる正多角形運動に伴う上下動、いわゆる、コーダルアクションや噛み合い速度の変動を発生しない。
【0069】
(2)外側フランクが、最小歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線状歯先部と、最大歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧状歯元部と、これらの直線状歯先部と円弧状歯元部の双方に隣接する円弧状中間部とで輪郭形成されていることによって、スプロケット歯数の大小に係わらず、外側フランクはそれぞれの歯数に応じて正多角形状に巻き付き着座するため、内側フランクでスプロケットに噛み合い進入した着座直前の連結ピン中心の位置と、外側フランクでスプロケットに巻き付き着座した直後の連結ピン中心の位置がスプロケット歯数の大小に係わらず一致し、従来のような外側フランクがスプロケットに着座する際に生じる衝突、いわゆる、ビーティングモーションを発生しない。
【0070】
(3)したがって、同じ歯数もしくは異なる歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケットを組み合わせて伝動機構を構成しても、サイレントチェーンがスプロケットに噛み合い進入してから巻き付き着座し終わるまでの間、伝動機構を構成する全てのスプロケットにおけるサイレントチェーンのコーダルアクションとビーティングモーションを完全に解消するので、伝動機構全体として、これらのコーダルアクションとビーティングモーションによって引き起こされるサイレントチェーン伝動機構の振動と騒音を低減するとともに、噛み合い速度の変動によって引き起こされるサイレントチェーンの張力変動を抑制して優れた耐久性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に採用したリンクプレートの外形図。
【図2】 本発明に採用したサイレントチェーンの編成状態図。
【図3】 本発明における外側フランク形成方法の概念図。
【図4】 歯数の異なるスプロケットの歯形を投影した部分図。
【図5】 外側フランクの輪郭決定手順を示した図。
【図6】 スプロケット歯切りに用いるホブカッターの一部断面図。
【図7】 本発明におけるスプロケット歯切り加工の概念図。
【図8】 本発明における噛み合い状態図。
【図9】 図8の噛み合い状態からピッチ角の半分回転した時の噛み合い状態図。
【図10】 従来のサイレントチェーン伝動機構の全体概要図。
【符号の説明】
10 ・・・・ スプロケット
10a ・・・ 最小歯数のスプロケット
10b ・・・ 最大歯数のスプロケット
11a ・・・ カム軸駆動用クランク軸スプロケット
11b ・・・ バランサ軸駆動用クランク軸スプロケット
12 ・・・・ カム軸スプロケット
13 ・・・・ バランサ軸スプロケット
20 ・・・・ サイレントチェーン
20a ・・・ カム軸駆動用サイレントチェーン
20b ・・・ バランサ軸駆動用サイレントチェーン
22a,22b,22c ・・・ 連結ピン
23a,23b,23c ・・・ リンクプレート
αc ・・・・ 内側フランクの圧力角
αf ・・・・ 外側フランクの圧力角
P ・・・・・ チェーン・ピッチ
z ・・・・・ スプロケットの歯数
z1 ・・・・ スプロケットの最小歯数
z2 ・・・・ スプロケットの最大歯数
Rc ・・・・ スプロケットに巻き付けた時のスプロケット中心から連結ピンまでの中心間隔
V ・・・・・ スプロケットに巻き付けた時のスプロケット中心からチェーン・ピッチ線までの相互間隔
Dp ・・・・ スプロケットのピッチ円直径
Hc ・・・・ チェーン・ピッチ線から内側フランク・ピッチ線までの相互間隔
X ・・・・・ 転位量

Claims (1)

  1. 一対のリンク歯と一対の連結ピン穴とを有するリンクプレートをチェーン幅方向に重ね合わせ、連結ピンでチェーン長手方向に多数連結してなる無端状のサイレントチェーンが、歯数の相異なるスプロケットに対して前記一対のリンク歯に形成された内側フランクで噛み合い進入し、前記一対のリンク歯に形成された外側フランクで巻き付き着座して、動力伝達するサイレントチェーン伝動機構において、
    前記歯数の相異なるスプロケットが、前記サイレントチェーンの内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形を有するホブカッターを用いて、夫々の歯数に応じてスプロケットに進入するチェーンの噛み合い高さと、スプロケットに巻き付き着座したチェーンのピッチ円半径とが一致するような転位量で、歯切りされた相異なるスプロケット歯形を有しているとともに、
    前記サイレントチェーンの外側フランクが、最小歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する直線状歯先部と、最大歯数のスプロケットにチェーンが巻き付き着座した時にスプロケット歯形に接する円弧状歯元部と、前記直線状歯先部と円弧状歯元部の双方に隣接する円弧状中間部とで輪郭形成されていることを特徴とするサイレントチェーン伝動機構。
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