JP5787049B2 - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質型燃料電池に関する。
固体電解質型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に酸化剤(空気、酸素等)を供給して、比較的高温で動作する燃料電池である。
このSOFCにおいては、酸化物イオン導電性固体電解質を通過した酸素イオンと燃料との反応によって水蒸気又は二酸化炭素を生成し、電気エネルギー及び熱エネルギーが発生する。電気エネルギーは、SOFC外部に取り出されて、各種電気的用途に使用される。一方、熱エネルギーは、燃料、SOFC及び酸化剤等の温度を上昇させるために使用される。
燃料電池セルは、長期間に亘る使用により劣化していくことが知られている。燃料電池セルの劣化に伴い、発電電圧値の低下や、電気抵抗の部分的な増加による局所的な温度上昇が現象として現れる。燃料電池セルの劣化原因の一つは、燃料電池セル内の電流発生部分の有効な領域(面積)の減少と考えられている。これにより、有効な面積が減少すると、燃料電池セルの発電電圧値が低下していく。この状態で燃料電池セルから同じように電流を引き出すと、単位面積当たりの引き出し電流が過剰になるため、燃料電池セルの負担が大きくなる。これにより、さらに燃料電池セルの劣化が促進される。
特開2004−265671号公報(特許文献1)に記載された燃料電池では、発電電圧値の低下に応じて、燃料電池から引き出す電流の上限電流値を低下させるように構成されている。特許文献1の燃料電池では、発電電圧値の低下に応じた上限電流値の制限により、燃料電池セルの負担が低減されるので、燃料電池セルの劣化を抑制することができる。
特開2004−265671号公報
しかしながら、特許文献1の燃料電池は、燃料電池セルの劣化抑制により耐用年数を延長することはできるが、燃料電池セルの電力供給能力を最大限に使用するという観点からは改良の余地があった。
従って、本発明は、燃料電池セルの電力供給能力を最大限に発揮させつつ、燃料電池セルの耐用年数を延長することが可能な固体電解質型燃料電池を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の固体電解質型燃料電池セルに燃料と酸化剤ガスを供給して発電を行う固体電解質型燃料電池であって、固体電解質型燃料電池セルを有する燃料電池モジュールと、この燃料電池モジュールに燃料を供給する燃料供給手段と、燃料電池モジュールに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料電池モジュールによる発電電圧値を検出する電圧値検出手段と、燃料電池モジュールによる出力電流値を検出する電流値検出手段と、前記燃料供給手段から供給される燃料供給量を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、発電電圧値が小さいほど上限電流値を小さい値に設定し、出力電流値が上限電流値を超えないように燃料電池モジュールの出力電力を制御する電流制限制御を実行し、制御手段は、燃料電池モジュールの劣化判定を行い、この劣化判定に基づいて、劣化により低下した発電電圧値を回復させるように燃料供給手段を制御して燃料供給量を増量補正する劣化対応制御を実行するように構成されており、制御手段は、劣化判定に基づいて、前記電流制限制御で用いる各発電電圧値に対する上限電流値を、劣化判定時に使用していた上限電流値よりも小さい値に変更する劣化抑制制御を実行し、制御手段は、劣化抑制制御を固体電解質型燃料電池の製品寿命内で複数回実行するように構成されており、劣化抑制制御は、前半期の劣化抑制制御の方が後半期の劣化抑制制御より、上限電流値の減少補正量が小さくなるように設定されることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、発電電圧値が小さいほど上限電流値を小さい値に設定し、燃料電池モジュールからの出力電流値が設定された上限電流値を超えないように制御する電流制限制御が実行される。これにより、燃料電池モジュールの劣化に応じて過剰な電流の取り出しを制限することができるので、燃料電池セルの耐久性を向上させることができる。
また、本発明では、劣化の進行が大きくなると、劣化対応制御により発電電圧値を回復させることで、再び大きな制限値の上限電流値での使用状態に回復、言い換えると最大出力の抑制に繋がる電流制限に安易にかかることを回避することができる。これにより、燃料電池セルの電力供給性能を長期に渡って最大限に使用することが可能となる。
このように、本発明では、上限電流値を用いた電流制限制御と、燃料増量補正による劣化対応制御を一つの制御で行うことができるので、簡単な制御の構成により、燃料電池セルの電力供給性能を最大限まで使用しつつ、燃料電池セルの耐久年数を大きく向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、劣化抑制制御により、劣化の進行に応じて、上限電流値がより小さい値に変更され、出力電流値の上限値がより制限される。これにより、劣化の進行に応じて燃料電池モジュールからの過剰な電流取り出しを制限することができ、燃料電池セルの劣化進行を抑制して、燃料電池セルの耐久性をより向上させることができる。また、燃料電池セルの劣化は、固体電解質型燃料電池の運転時間が経過するにしたがって進行する。よって、本発明では、劣化の進行が大きい後半期に実行される劣化抑制制御よりも、劣化の進行が軽微な前半期に実行される劣化抑制制御における上限電流値からの減少補正量を小さく設定している。これにより、本発明では、燃料電池セルの劣化の進行度合に合わせて、簡単な制御で燃料電池セルの耐久年数の延長と発電性能維持の両立を的確に図ることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、劣化判定により、所定の劣化度が検出されるまでは、劣化対応制御を実行することなく電流制限制御を実行し、所定の劣化度が検出された場合に、劣化対応制御を実行する。
このように構成された本発明によれば、電流制限制御と劣化対応制御とを、同じ制御パラメータである劣化度に基づいて実行できるので、制御が容易となる。また、劣化度が大きくなった場合に劣化対応制御を実行する構成であるので、燃料電池セルの温度上昇を伴う燃料増量補正の頻度を抑制することで、燃料電池セルの過剰な負担を軽減しつつ、燃料電池セルの劣化進行を抑制して、燃料電池セルの耐久性をより向上させることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、劣化対応制御の実行に伴って、各発電電圧値における上限電流値を、固体電解質型燃料電池の使用を開始したときに設定されていた上限電流値である基準上限電流値まで、又は、この基準上限電流値よりも小さな電流値まで戻す。
このように構成された本発明によれば、劣化対応制御により発電電圧値が回復することにより、上限電流値を基準上限電流値まで戻すことができる。しかしながら、劣化の進行度合によっては、上限電流値を基準上限電流値よりも小さな電流値まで戻すように、制限的な補正を加える。これにより、本発明では、簡単な制御により、劣化度に応じて燃料電池セルの電力供給性能を最大限に使用しつつ、燃料電池セルへの負担をより軽減し、耐用年数の延長を図ることができる。
本発明において、好ましくは、後半期において、高電圧側の発電電圧値における減少補正量が、低電圧側の発電電圧値における減少補正量よりも大きくなるように設定される劣化抑制制御を含む。
このように構成された本発明によれば、劣化の進行が大きい後半期においては、さらに劣化が進行すると、高電圧側の発電電圧値に対する上限電流値の減少幅を低電圧側よりも大きくすることで、高電圧側での上限電流値がより大きく制限されるので、燃料電池セルの負荷をより低減して、さらなる劣化を抑制することができきる。
本発明において、好ましくは、記制御手段は、劣化対応制御を固体電解質型燃料電池の製品寿命内で複数回実行するように構成されており、後半期に実行される劣化対応制御における燃料供給量の増加補正量が、前半期に実行される劣化対応制御における燃料供給量の増加補正量よりも大きく設定される。
固体電解質型燃料電池の運転時間が経過するにしたがって、燃料電池セルの劣化が進行する。よって、本発明では、前半期に実行される劣化対応制御での増加補正量よりも、後半期に実行される劣化対応制御での増加補正量の方を大きく設定している。これにより、本発明では、燃料電池セルの劣化の進行度合に合わせて、劣化の抑制と発電性能確保を図りつつ、燃料電池セルの電力供給性能を最大限まで使用することが可能となる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、劣化抑制制御を所定回数実行するまでは、劣化対応制御を実行しない。
このように構成された本発明によれば、燃料電池モジュールの劣化が大幅には進行していない時点では、劣化対応制御を実行せずに劣化抑制制御を実行して劣化の進行を抑制する。これにより、燃料電池へ燃料増による負担をかけることなく、また、燃料増による燃料利用率の低下を招くことなく、燃料電池セルの耐久年数の延長を図ることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、劣化判定に基づいて、第1の劣化度が検出されるまでは、劣化対応制御及び劣化抑制制御を実行せずに電流制限制御を実行し、第1の劣化度が検出された場合には、劣化対応制御を実行し、その後、第1の劣化度よりも劣化度が大きい第2の劣化度が検出された場合には、劣化抑制制御を実行する。
このように構成された本発明によれば、劣化がある程度進行するまでは電流制限制御のみで劣化の進行を抑制し、それでも劣化がある程度まで進行した場合には、劣化対応制御による燃料増により発電電圧値を回復させ、この状態でさらに劣化が進行した場合に、劣化抑制制御により上限値を小さい値に変更することで更なる劣化を抑制する。これにより、劣化の進行度合に応じて劣化の進行を抑制する制御を行うことにより、燃料利用率の低下を抑えると共に、燃料電池セルの電力供給性能を最大限まで使用しながら、燃料電池セルの耐久年数の延長を図ることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、第2の劣化度が検出された後に、第2の劣化度よりも劣化度が大きい第3の劣化度が検出された場合は、劣化対応制御を実行せず、電流制限制御を行う。
このように構成された本発明によれば、劣化が相当程度まで進行した場合は、劣化対応制御の燃料増による負担をかけることなく、電流制限制御を実行することで、燃料電池セルの耐久年数の延長を図ることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、第3の劣化度が検出された後は、劣化判定に基づいて、劣化抑制制御を更に実行するが、劣化対応制御を実行しない。
このように構成された本発明によれば、第3の劣化度が検出された後においては、劣化対応制御を実行することなく、劣化抑制制御を実行することで、燃料電池セルの耐久年数の延長を図ることができる。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の固体電解質型燃料電池セルに燃料と酸化剤ガスを供給して発電を行う固体電解質型燃料電池であって、固体電解質型燃料電池セルを有する燃料電池モジュールと、この燃料電池モジュールに燃料を供給する燃料供給手段と、燃料電池モジュールに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料電池モジュールによる発電電圧値を検出する電圧値検出手段と、燃料電池モジュールによる出力電流値を検出する電流値検出手段と、燃料供給手段から供給される燃料供給量を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、発電電圧値が小さいほど上限電流値を小さい値に設定し、出力電流値が上限電流値を超えないように燃料電池モジュールの出力電力を制御する電流制限制御を実行し、制御手段は、燃料電池モジュールの劣化判定を行い、この劣化判定に基づいて、電流制限制御で用いる各発電電圧値に対する上限電流値を、劣化判定時に使用していた上限電流値よりも小さい値に変更する劣化抑制制御を実行し、制御手段は、劣化抑制制御を固体電解質型燃料電池の製品寿命内で複数回実行するように構成されており、劣化抑制制御は、前半期の劣化抑制制御の方が後半期の劣化抑制制御より、上限電流値の減少補正量が小さくなるように設定されることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、発電電圧値が小さいほど上限電流値を小さい値に設定し、燃料電池モジュールからの出力電流値が設定された上限電流値を超えないように制御する電流制限制御が実行される。これにより、燃料電池モジュールの劣化に応じて過剰な電流の取り出しを制限することができるので、燃料電池セルの耐久性を向上させることができる。
また、本発明では、劣化抑制制御により、劣化の進行に応じて、上限電流値がより小さい値に変更され、出力電流値の上限値がより制限される。これにより、劣化の進行に応じて燃料電池モジュールからの過剰な電流取り出しを制限することができ、燃料電池セルの劣化進行を抑制して、燃料電池セルの耐久性をより向上させることができる。
このように、本発明では、上限電流値を用いた電流制限制御と、上限電流値自体の制限的な変更を行う劣化抑制制御とを行うことにより、燃料電池セルの耐久年数を大きく向上させることが可能となる。
また、燃料電池セルの劣化は、固体電解質型燃料電池の運転時間が経過するにしたがって進行する。よって、本発明では、劣化の進行が大きい後半期に実行される劣化抑制制御よりも、劣化の進行が軽微な前半期に実行される劣化抑制制御における上限電流値からの減少補正量を小さく設定している。これにより、本発明では、燃料電池セルの劣化の進行度合に合わせて、簡単な制御で燃料電池セルの耐久年数の延長と発電性能維持の両立を的確に図ることができる。
本発明の固体電解質型燃料電池によれば、燃料電池セルの電力供給能力を最大限に発揮させつつ、燃料電池セルの耐用年数を延長することができる。
本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池モジュールを示す正面断面図である。 図2のIII-III線に沿って断面図である。 本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セル単体を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。 本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の起動時の動作を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の運転停止時の動作を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の運転時の動作を示すタイムチャートである。 制御部に入力される要求発電量と、要求発電量を生成するために必要な燃料供給量の関係の一例を示すグラフである。 要求発電量の変更に対する燃料供給量の時間的変化の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による燃料電池モジュールの出力動作点を示すグラフである。 本発明の一実施形態による電流制限ラインを示すグラフである。 本発明の一実施形態による劣化制御の処理フローである。 本発明の他の実施形態による劣化制御の処理フローである。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材(図示せず但し断熱材は必須の構成ではなく、なくても良いものである。)を介して密封空間8が形成されている。なお、断熱材は設けないようにしても良い。この密閉空間8の下方部分である発電室10には、燃料ガスと酸化剤(空気)とにより発電反応を行う燃料電池セル集合体12が配置されている。この燃料電池セル集合体12は、10個の燃料電池セルスタック14(図5参照)を備え、この燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16(図4参照)から構成されている。このように、燃料電池セル集合体12は、160本の燃料電池セルユニット16を有し、これらの燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されている。
燃料電池モジュール2の密封空間8の上述した発電室10の上方には、燃焼室18が形成され、この燃焼室18で、発電反応に使用されなかった残余の燃料ガスと残余の酸化剤(空気)とが燃焼し、排気ガスを生成するようになっている。
また、この燃焼室18の上方には、燃料ガスを改質する改質器20が配置され、前記残余ガスの燃焼熱によって改質器20を改質反応が可能な温度となるように加熱している。さらに、この改質器20の上方には、燃焼熱を受けて空気を加熱するための空気用熱交換器22が配置されている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この貯水タンクから供給される水の流量を調整する水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された燃料ガスを遮断するガス遮断弁32と、燃料ガスから硫黄を除去するための脱硫器36と、燃料ガスの流量を調整する燃料流量調整ユニット38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)を備えている。さらに、補機ユニット4は、空気供給源40から供給される酸化剤である空気を遮断する電磁弁42と、空気の流量を調整する改質用空気流量調整ユニット44及び発電用空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)と、改質器20に供給される改質用空気を加熱する第1ヒータ46と、発電室に供給される発電用空気を加熱する第2ヒータ48とを備えている。これらの第1ヒータ46と第2ヒータ48は、起動時の昇温を効率よく行うために設けられているが、省略しても良い。
次に、燃料電池モジュール2には、排気ガスが供給される温水製造装置50が接続されている。この温水製造装置50には、水供給源24から水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。
また、燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図2及び図3により、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池モジュールの内部構造を説明する。図2は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図3は、図2のIII-III線に沿って断面図である。
図2及び図3に示すように、燃料電池モジュール2のハウジング6内の密閉空間8には、上述したように、下方から順に、燃料電池セル集合体12、改質器20、空気用熱交換器22が配置されている。
改質器20は、その上流端側に純水を導入するための純水導入管60と改質される燃料ガスと改質用空気を導入するための被改質ガス導入管62が取り付けられ、また、改質器20の内部には、上流側から順に、蒸発部20aと改質部20bを形成され、改質部20bには改質触媒が充填されている。この改質器20に導入された水蒸気(純水)が混合された燃料ガス及び空気は、改質器20内に充填された改質触媒により改質される。改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したものや、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したものが適宜用いられる。
この改質器20の下流端側には、燃料ガス供給管64が接続され、この燃料ガス供給管64は、下方に延び、さらに、燃料電池セル集合体12の下方に形成されたマニホールド66内で水平に延びている。燃料ガス供給管64の水平部64aの下方面には、複数の燃料供給孔64bが形成されており、この燃料供給孔64bから、改質された燃料ガスがマニホールド66内に供給される。
このマニホールド66の上方には、上述した燃料電池セルスタック14を支持するための貫通孔を備えた下支持板68が取り付けられており、マニホールド66内の燃料ガスが、燃料電池セルユニット16内に供給される。
次に、改質器20の上方には、空気用熱交換器22が設けられている。この空気用熱交換器22は、上流側に空気集約室70、下流側に2つの空気分配室72を備え、これらの空気集約室70と空気分配室72は、6個の空気流路管74により接続されている。ここで、図3に示すように、3個の空気流路管74が一組(74a,74b,74c,74d,74e,74f)となっており、空気集約室70内の空気が各組の空気流路管74からそれぞれの空気分配室72へ流入する。
空気用熱交換器22の6個の空気流路管74内を流れる空気は、燃焼室18で燃焼して上昇する排気ガスにより予熱される。
空気分配室72のそれぞれには、空気導入管76が接続され、この空気導入管76は、下方に延び、その下端側が、発電室10の下方空間に連通し、発電室10に余熱された空気を導入する。
次に、マニホールド66の下方には、排気ガス室78が形成されている。また、図3に示すように、ハウジング6の長手方向に沿った面である前面6aと後面6bの内側には、上下方向に延びる排気ガス通路80が形成され、この排気ガス室通路80の上端側は、空気用熱交換器22が配置された空間と連通し、下端側は、排気ガス室78と連通している。また、排気ガス室78の下面のほぼ中央には、排気ガス排出管82が接続され、この排気ガス排出管82の下流端は、図1に示す上述した温水製造装置50に接続されている。
図2に示すように、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置83が、燃焼室18に設けられている。
次に図4により燃料電池セルユニット16について説明する。図4は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。
図4に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えている。
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
燃料電池セル16の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極層90の上部90aは、電解質層94と外側電極層92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備えている。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極層90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極層90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極層90と電気的に接続されている。内側電極端子86の中心部には、内側電極層90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路98が形成されている。
内側電極層90は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレードとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
電解質層94は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
外側電極層92は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
次に図5により燃料電池セルスタック14について説明する。図5は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。
図5に示すように、燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16を備え、これらの燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれ、セラミック製の下支持板68及び上支持板100により支持されている。これらの下支持板68及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴68a及び100aがそれぞれ形成されている。
さらに、燃料電池セルユニット16には、集電体102及び外部端子104が取り付けられている。この集電体102は、燃料極である内側電極層90に取り付けられた内側電極端子86と電気的に接続される燃料極用接続部102aと、空気極である外側電極層92の外周面全体と電気的に接続される空気極用接続部102bとにより一体的に形成されている。空気極用接続部102bは、外側電極層92の表面を上下方向に延びる鉛直部102cと、この鉛直部102cから外側電極層92の表面に沿って水平方向に延びる多数の水平部102dとから形成されている。また、燃料極用接続部102aは、空気極用接続部102bの鉛直部102cから燃料電池セルユニット16の上下方向に位置する内側電極端子86に向って斜め上方又は斜め下方に向って直線的に延びている。
さらに、燃料電池セルスタック14の端(図5では左端の奥側及び手前側)に位置する2個の燃料電池セルユニット16の上側端及び下側端の内側電極端子86には、それぞれ外部端子104が接続されている。これらの外部端子104は、隣接する燃料電池セルスタック14の端にある燃料電池セルユニット16の外部端子104(図示せず)に接続され、上述したように、160本の燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されるようになっている。
次に図6により本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)に取り付けられたセンサ類等について説明する。図6は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を示すブロック図である。
図6に示すように、固体電解質型燃料電池1は、制御部110を備え、この制御部110には、使用者が操作するための「ON」や「OFF」等の操作ボタンを備えた操作装置112、発電出力値(ワット数)等の種々のデータを表示するための表示装置114、及び、異常状態のとき等に警報(ワーニング)を発する報知装置116が接続されている。なお、この報知装置116は、遠隔地にある管理センタに接続され、この管理センタに異常状態を通知するようなものであっても良い。
次に、制御部110には、以下に説明する種々のセンサからの信号が入力されるようになっている。
先ず、可燃ガス検出センサ120は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4に取り付けられている。
CO検出センサ122は、本来排気ガス通路80等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4を覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。
貯湯状態検出センサ124は、図示しない給湯器におけるお湯の温度や水量を検知するためのものである。
電力状態検出センサ126は、燃料電池モジュール2、インバータ54及び分電盤(図示せず)の電流及び電圧等を検知するための複数のセンサである。
発電用空気流量検出センサ128は、発電室10に供給される発電用空気の流量を検出するためのものである。
改質用空気流量センサ130は、改質器20に供給される改質用空気の流量を検出するためのものである。
燃料流量センサ132は、改質器20に供給される燃料ガスの流量を検出するためのものである。
水流量センサ134は、改質器20に供給される純水(水蒸気)の流量を検出するためのものである。
水位センサ136は、純水タンク26の水位を検出するためのものである。
圧力センサ138は、改質器20の外部の上流側の圧力を検出するためのものである。
排気温度センサ140は、温水製造装置50に流入する排気ガスの温度を検出するためのものである。
発電室温度センサ142は、図3に示すように、燃料電池セル集合体12の近傍の前面側と背面側に設けられ、燃料電池セルスタック14の近傍の温度を検出して、燃料電池セルスタック14(即ち燃料電池セル84自体)の温度を推定するためのものである。
燃焼室温度センサ144は、燃焼室18の温度を検出するためのものである。
排気ガス室温度センサ146は、排気ガス室78の排気ガスの温度を検出するためのものである。
改質器温度センサ148は、改質器20の温度を検出するためのものであり、改質器20の入口温度と出口温度から改質器20の温度を算出する。
外気温度センサ150は、固体電解質型燃料電池(SOFC)が屋外に配置された場合、外気の温度を検出するためのものである。また、外気の湿度等を測定するセンサを設けるようにしても良い。
これらのセンサ類からの信号は、制御部110に送られ、制御部110は、これらの信号によるデータに基づき、水流量調整ユニット28、燃料流量調整ユニット38、改質用空気流量調整ユニット44、発電用空気流量調整ユニット45に、制御信号を送り、これらのユニットにおける各流量を制御するようになっている。
また、制御ユニット110は、インバータ54に、制御信号を送り、電力供給量を制御するようになっている。
次に図7により本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)による起動時の動作を説明する。図7は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の起動時の動作を示すタイムチャートである。
最初は、燃料電池モジュール2を温めるために、無負荷状態で、即ち、燃料電池モジュール2を含む回路を開いた状態で、運転を開始する。このとき、回路に電流が流れないので、燃料電池モジュール2は発電を行わない。
先ず、改質用空気流量調整ユニット44から改質用空気を第1ヒータ46を経由して燃料電池モジュール2の改質器20へ供給する。また、同時に、発電用空気流量調整ユニット45から発電用空気を第2ヒータ48を経由して燃料電池モジュール2の空気用熱交換器22へ供給し、この発電用空気が、発電室10及び燃焼室18に到達する。
この直ぐ後、燃料流量調整ユニット38からも燃料ガスが供給され、改質用空気が混合された燃料ガスが、改質器20及び燃料電池セルスタック14、燃料電池セルユニット16を通過して、燃焼室18に到達する。
次に、点火装置83により着火して、燃焼室18にある燃料ガスと空気(改質用空気及び発電用空気)とを燃焼させる。この燃料ガスと空気との燃焼により排気ガスが生じ、この排気ガスにより、発電室10が暖められ、また、排気ガスが燃料電池モジュール2の密封空間8内を上昇する際、改質器20内の改質用空気を含む燃料ガスを暖めると共に、空気熱交換器22内の発電用空気も暖める。
このとき、燃料流量調整ユニット38及び改質用空気流量調整ユニット44により、改質用空気が混合された燃料ガスが改質器20に供給されているので、改質器20において、式(1)に示す部分酸化改質反応POXが進行する。この部分酸化改質反応POXは、発熱反応であるので、起動性が良好となる。また、この昇温した燃料ガスが燃料ガス供給管64により燃料電池セルスタック14の下方に供給され、これにより、燃料電池セルスタック14が下方から加熱され、また、燃焼室18も燃料ガスと空気が燃焼して昇温されているので、燃料電池セルスタック14は、上方からも加熱され、この結果、燃料電池セルスタック14は、上下方向において、ほぼ均等に昇温可能となっている。この部分酸化改質反応POXが進行しても、燃焼室18では継続して燃料ガスと空気との燃焼反応が持続される。
mn+xO2 → aCO2+bCO+cH2 (1)
部分酸化改質反応POXの開始後、改質器温度センサ148により改質器20が所定温度(例えば、600℃)になったことを検知したとき、水流量調整ユニット28、燃料流量調整ユニット38及び改質用空気流量調整ユニット44により、燃料ガスと改質用空気と水蒸気とを予め混合したガスを改質器20に供給する。このとき、改質器20においては、上述した部分酸化改質反応POXと後述する水蒸気改質反応SRとが併用されたオートサーマル改質反応ATRが進行する。このオートサーマル改質反応ATRは、熱的に内部バランスが取れるので、改質器20内では熱的に自立した状態で反応が進行する。即ち、酸素(空気)が多い場合には部分酸化改質反応POXによる発熱が支配的となり、水蒸気が多い場合には水蒸気改質反応SRによる吸熱反応が支配的となる。この段階では、既に起動の初期段階は過ぎており、発電室10内がある程度の温度まで昇温されているので、吸熱反応が支配的であっても大幅な温度低下を引き起こすことはない。また、オートサーマル改質反応ATRが進行中も、燃焼室18では燃焼反応が継続して行われている。
式(2)に示すオートサーマル改質反応ATRの開始後、改質器温度センサ146により改質器20が所定温度(例えば、700℃)になったことを検知したとき、改質用空気流量調整ユニット44による改質用空気の供給を停止すると共に、水流量調整ユニット28による水蒸気の供給を増加させる。これにより、改質器20には、空気を含まず燃料ガスと水蒸気のみを含むガスが供給され、改質器20において、式(3)の水蒸気改質反応SRが進行する。
mn+xO2+yH2O → aCO2+bCO+cH2 (2)
mn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
この水蒸気改質反応SRは吸熱反応であるので、燃焼室18からの燃焼熱と熱バランスをとりながら反応が進行する。この段階では、燃料電池モジュール2の起動の最終段階であるため、発電室10内が十分高温に昇温されているので、吸熱反応が進行しても、発電室10が大幅な温度低下を招くこともない。また、水蒸気改質反応SRが進行しても、燃焼室18では継続して燃焼反応が進行する。
このようにして、燃料電池モジュール2は、点火装置83により点火した後、部分酸化改質反応POX、オートサーマル改質反応ATR、水蒸気改質反応SRが、順次進行することにより、発電室10内の温度が徐々に上昇する。次に、発電室10内及び燃料電池セル84の温度が燃料電池モジュール2を安定的に作動させる定格温度よりも低い所定の発電温度に達したら、燃料電池モジュール2を含む回路を閉じ、燃料電池モジュール2による発電を開始し、それにより、回路に電流が流れる。燃料電池モジュール2の発電により、燃料電池セル84自体も発熱し、燃料電池セル84の温度も上昇する。この結果、燃料電池モジュール2を作動させる定格温度、例えば、600℃〜800℃になる。
この後、定格温度を維持するために、燃料電池セル84で消費される燃料ガス及び空気の量よりも多い燃料ガス及び空気を供給し、燃焼室18での燃焼を継続させる。なお、発電中は、改質効率の高い水蒸気改質反応SRで発電が進行する。
次に、図8により本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の運転停止時の動作を説明する。図8は、本実施形態により固体電解質型燃料電池(SOFC)の運転停止時の動作を示すタイムチャートである。
図8に示すように、燃料電池モジュール2の運転停止を行う場合には、先ず、燃料流量調整ユニット38及び水流量調整ユニット28を操作して、燃料ガス及び水蒸気の改質器20への供給量を減少させる。
また、燃料電池モジュール2の運転停止を行う場合には、燃料ガス及び水蒸気の改質器20への供給量を減少させると同時に、発電用空気流量調整ユニット45による発電用空気の燃料電池モジュール2内への供給量を増大させて、燃料電池セル集合体12及び改質器20を空気により冷却し、これらの温度を低下させる。その後、発電室温度が所定温度、例えば、400℃まで低下したとき、燃料ガス及び水蒸気の改質器20への供給を停止し、改質器20の水蒸気改質反応SRを終了する。この発電用空気の供給は、改質器20の温度が所定温度、例えば、200℃まで低下するまで、継続し、この所定温度となったとき、発電用空気流量調整ユニット45からの発電用空気の供給を停止する。
このように、本実施形態においては、燃料電池モジュール2の運転停止を行うとき、改質器20による水蒸気改質反応SRと発電用空気による冷却とを併用しているので、比較的短時間に、燃料電池モジュールの運転を停止させることができる。
次に、図9乃至図14を参照して、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池1の作用を説明する。
まず、図9乃至図12を参照して、固体電解質型燃料電池1の通常運転動作を説明する。図9は、本実施形態の固体電解質型燃料電池の運転時の動作を示すタイムチャートである。図10は、制御部110に入力される要求発電量と、要求発電量を生成するために必要な燃料供給量の関係の一例を示すグラフである。図11は、要求発電量の変更に対する燃料供給量の時間的変化の一例を示すグラフである。図12は、本実施形態による燃料電池モジュールの出力動作点を示すグラフである。
図9において、固体電解質型燃料電池1は、インバータ54(図6)からの要求発電量に応じた電力を出力するように負荷追従運転を行っている。即ち、図6に示すように、制御手段である制御部110は、インバータ54からの要求発電量に応じて、燃料供給手段である燃料流量調整ユニット38、酸化剤ガス供給手段である発電用空気流量調整ユニット45、及び水供給手段である水流量調整ユニット28に信号を送り、必要な流量の燃料、空気、水を燃料電池モジュール2に供給している。これにより、図9に示すように、インバータ54からの要求発電量に追従するように固体電解質型燃料電池1の出力電力が変化する。
制御部110は、インバータ54からの要求発電量に応じて、図10に一例を示すグラフによって燃料供給量を決定する。そして、制御部110は、決定した燃料供給量が燃料電池モジュール2に供給されるように燃料流量調整ユニット38を制御する。固体電解質型燃料電池1の使用開始後、制御部110は、基本燃料供給量を規定する曲線F0に従って、要求発電量に対する燃料供給量を決定する。図10に示すように、燃料供給量は、要求発電量の増大に伴って単調に増加するように決定されるが、要求発電量約200W未満では燃料供給量はほぼ一定値にされる。
また、要求発電量が変更された場合には、図11に示すように、燃料供給量は増減される。図11に示すように、時刻t10において、要求発電量が500Wから700Wに変更されると、必要な燃料供給量は、500Wの電力出力に対応する供給量から700Wに対応する供給量に変化される。これにより、制御部110は、燃料供給量が700Wに対応する供給量まで増加するように燃料流量調整ユニット38を制御する。
同様に、時刻t11において、要求発電量が700Wから500Wに変更されると、制御部110は、500Wに対応する供給量まで燃料供給量が減少するように燃料流量調整ユニット38を制御する。
なお、図10及び図11は、燃料供給量に関するものであるが、空気供給量、水供給量も、要求発電量に応じて、同様に変更される。
図12は、燃料電池モジュール2の出力特性を示している。燃料電池モジュール2の出力電力は、出力電圧値(発電電圧値)と出力電流値(引き出し電流値)で特定される出力動作点で表される。
劣化がない状態では、燃料電池モジュール2の出力動作点は、図12の曲線P1上を移動する。すなわち、制御部110が、曲線F0(図10)に基づいて要求発電量に対する燃料供給量を決定すると、劣化がない状態では、曲線P1(図12)上の動作点で特定される出力電力をインバータ54に対して供給可能である。
例えば、要求発電量が590W〜700Wの間では、動作点は、曲線P1上で曲線Q1との交点(動作点R1),曲線Q3との交点(動作点R2)との間を移動する。要求発電量が700W(定格電力)の場合、制御部110は、曲線Q1(変換効率90%)と交差する動作点R1(約116V、約6.7A)で特定される電力を、燃料電池モジュール2から出力させるように、インバータ54を制御することができる。
なお、図12の曲線Q1,Q2,Q3は、それぞれ出力電力が700W,630W,590W(それぞれ変換効率90%)となる曲線を示している。
一方、燃料電池モジュール2が劣化してくると、曲線F0に基づいて決定される燃料供給量で燃料を供給しても、要求発電量が得られなくなる。すなわち、劣化時には、要求発電量と燃料供給量との関係が、図10中で上側に仮想的にシフトする。
図12の曲線P2及びP3は、劣化状態における燃料電池モジュール2の出力を示している。劣化状態では同じ作動条件(燃料供給量、空気流量、水流量等)で燃料電池モジュール2を作動させた場合、より劣化していない状態と比較すると、発電電圧値が低下する。したがって、図12において、曲線P1よりも曲線P2及びP3は下側に位置する。また、曲線P3の方が、曲線P2よりも劣化が進行した状態を示している。曲線P3よりもさらに劣化が進行すると、曲線P3よりも下側に位置する曲線(図示せず)に動作点が移動する。
例えば、曲線P2に相当する劣化が生じている状態では、制御部110は、曲線F0(図10)に基づいて、要求発電量に対する燃料供給量を決定しても、曲線P2(図12)上の動作点で決定される発電電圧値及び引き出し電流値による出力電力しかインバータ54に対して供給できなくなる。
したがって、要求発電量が590W〜700Wの間では、動作点は、曲線P2上で曲線Q1との交点(動作点R3),曲線Q3との交点(動作点R4)との間を動く。例えば、要求発電量が700Wの場合、制御部110は、曲線Q1(変換効率90%)と交差する動作点R3(約105V、約7.6A)で燃料電池モジュール2から出力させるように、インバータ54を制御する。動作点R3では、動作点R1と比べて、より小さい電圧値及びより大きい電流値となる。すなわち、劣化が進行すると、同じ電力を出力するための引き出し電流は、より大きな電流値となる。
また、図12には、曲線P3と曲線Q1との交点が動作点R5で示され、曲線P3と曲線Q3との交点が動作点R6で示されている。
また、本実施形態では、制御部110は、曲線F0に基づいて燃料供給量を供給するが、後述する劣化対応制御に基づいて、基準となる曲線F0による燃料供給量よりも、燃料供給量を増量補正していく。図10の曲線F1は基準値(曲線F0)に対して3%だけ増量補正された補正曲線を示している。同様に、曲線F2は曲線F1よりもさらに3%だけ増量補正されている。隣り合う曲線F2,F3,F4,F5,F6,F7,・・・の間では、それぞれ5%ずつ増量補正されている。制御部110は、曲線F0と共に、曲線F1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,・・・をメモリに記憶している。
次に、図13及び図14を参照して、固体電解質型燃料電池1の劣化制御処理を説明する。図13は、図12に、本実施形態の固体電解質型燃料電池における電流制限ラインを付加したものである。図14は、劣化制御の処理フローである。
燃料電池モジュール2では、図12に示したように、劣化の進行度合及び要求発電量に応じて、曲線P1,P2,P3,・・・上を出力動作点が移動する。そして、上述のように、劣化が進行すると発電電圧値が低下していくので、要求発電量を確保するには出力電流を大きくしなければならない。しかしながら、出力電流が過剰に大きくなると燃料電池セルユニット16の負担が大きくなり、燃料電池セルユニット16における内部劣化が進行してしまう。
したがって、本実施形態では、図13に示すように、電流制限ラインL1〜L5を設けている。制御部110は、これら電流制限ラインL1〜L5をメモリに記憶している。これら電流制限ラインL1〜L5は、各発電電圧値において引き出し可能な電流の最大値である上限電流値を規定したものである。制御部110は、後述するように劣化の進行度合に応じていずれかの電流制限ラインを使用する。
電流制限ラインL1は、各発電電圧値における基準上限電流値を規定している。基準上限電流値は、固体電解質型燃料電池1の製造時に設定された基準となる上限電流値であり、使用を開始したときに設定されているものである。
また、電流制限ラインL2〜L5は、各発電電圧値における、劣化度に応じた上限電流値をそれぞれ規定している。
本実施形態では、制御部110は、電流制限制御を実行する。すなわち、図13から分かるように、制御部110は、電流制限ラインL1〜L5により、所定の電圧以上において、発電電圧値が小さいほど上限電流値を小さい値に設定している。そして、制御部110は、燃料電池モジュール2から取り出される出力電流の検出電流値を、電流値検出手段である電力状態検出センサ126から受け取り、受け取った検出電流値が、現在使用している電流制限ラインで規定される上限電流値を超えないように、インバータ54を制御する。制御部110は、この電流制限制御を固体電解質型燃料電池1の運転時には常に実行している。
なお、本実施形態では、理解の容易のため、電流制限ラインL1〜L5の間隔を広く設定しているが、これら電流制限ラインの間隔をより狭く設定することが可能である。また、本実施形態では、5本の電流制限ラインを設定しているが、1本以上の任意の数に設定してもよい。
電流制限ラインL1は、曲線P1上の動作点R7で曲線P1と交差するが、この動作点R7は、定格電力(700W)よりも大きな出力電力に対応する動作点である。したがって、燃料電池モジュール2が曲線P1上の動作点で動作している場合は、定格電力以下の運転では、取り出し電流は制限を受けない。
一方、電流制限ラインL1は、曲線P2上の動作点R3で曲線P2と交差するが、この動作点R3は、定格電力(700W)に対応する動作点である。したがって、燃料電池モジュール2が曲線P2上の動作点で動作している場合は、定格運転時のみ動作点R3で電流制限ラインL1により制限を受ける。このとき、取り出し電流は約7.6Aに制限される。
また、電流制限ラインL1は、曲線P3上の動作点R8で曲線P3と交差するが、この動作点R8は、630Wの出力電力に対応する動作点である。したがって、燃料電池モジュール2が曲線P3上の動作点で動作している場合は、630W以上の発電量が要求されると取り出し電流が制限を受ける。よって、曲線P3に対応する劣化状態では、630Wよりも大きな電力を出力することができず、このとき、取り出し電流の最大値は約7Aに制限される。
また、本実施形態では、発電電圧値が閾値電圧値(例えば、100V)以下になることで、劣化検出されるように構成されており、電流制限ラインL1は、発電電圧値が閾値電圧値以下では、出力電流値が一定値(7A)に設定されている。
このように、電流制限ラインL1(及びL2〜L5)は、劣化が進行して発電電圧値が低下するほど、取り出し電流の上限値が小さくなるように設定されている。これにより、劣化に伴って燃料電池セルユニット16内で過剰な電流が流れることが防止され、更なる劣化を抑制することができる。
また、電流制限ラインL2,L3は、制御部110が、発電電圧値の低下に基づいて燃料電池モジュール2の劣化が検出された場合に、後述する劣化抑制制御により、電流制限ラインL1に代えて順次に用いられるものであり、それぞれ取り出し電流の上限値を規定している。
電流制限ラインL1からL2に変更される場合、取り出し電流の上限値は、例えば、曲線P1に相当する無劣化状態では約0.2Aだけ減少補正され、曲線P3に相当する劣化状態では約0.3Aだけ減少補正され、発電電圧値110Vでは約0.3Aだけ減少補正される。また、電流制限ラインL2からL3に変更される場合、取り出し電流の上限値は、曲線P1に相当する無劣化状態では約0.4Aだけ減少補正され、曲線P3に相当する劣化状態では約0.7Aだけ減少補正され、発電電圧値110Vでは約0.9Aだけ減少補正される。
このように、本実施形態では、電流制限ラインL1からL2への変更と、電流制限ラインL2からL3への変更とを比較して分かるように、複数回実行される劣化抑制制御における変更前の上限電流値から変更後の上限電流値への電流値の減少補正量は、後半期に実行される劣化抑制制御(例えば、L2からL3)での減少補正量よりも、後半期より以前の前半期に実行される劣化抑制制御(例えば、L1からL2)での減少補正量の方が小さくなるように設定される。すなわち、本実施形態では、劣化が進行するほど減少補正量を大きくすることで、更なる劣化を確実に抑制するように構成されている。
また、電流制限ラインL4,L5は、相当程度に劣化が進行した場合に、電流制限ラインL3に代えて順次に用いられるものであり、それぞれ取り出し電流の上限値を規定する。
電流制限ラインL3から電流制限ラインL4に変更される場合、取り出し電流の上限値は、例えば、曲線P1に相当する劣化状態では約1Aだけ減少補正され、曲線P3に相当する劣化状態では約0.9Aだけ減少補正される。また、発電電圧値110Vでは約1.8Aだけ減少補正され、発電電圧値105Vでは約1.6Aだけ減少補正される。
また、電流制限ラインL4から電流制限ラインL5に変更される場合、取り出し電流の上限値は、曲線P1及び曲線P3に相当する劣化状態で約1Aだけ減少補正される。また、発電電圧値110Vでは約2.0Aだけ減少補正され、発電電圧値105Vでは約2.0Aだけ減少補正される。
本実施形態では、相当程度に劣化が進行した場合には、電流制限ラインL3から電流制限ラインL4に変更されるが、このとき、高電圧側の発電電圧値に対する取り出し電流の上限値の減少補正量を、低電圧側の発電電圧値に対する減少補正量よりも大きく設定している。これにより、各発電電圧値に対する取り出し電流の上限値のうちの最大値をより小さな値に制限することができ、燃料電池モジュール2の耐用年数を延長することが可能となる。
本実施形態では、図14のフローチャートを参照して以下に説明するように、制御部110は、劣化の進行度合に応じて、電流制限ラインを変更すると共に、燃料供給量の増量補正を行うように構成されている。この燃料供給量の増量補正は、劣化によって低下した発電電圧値を回復させるためのものであり、具体的には、制御部110は、燃料供給量と要求発電量との関係を、図10の曲線F0から曲線F1,F2,F3,・・・に順次に変更する。
次に、図14を参照して、本発明の実施形態による劣化制御の処理フローを説明する。図14に示す劣化制御処理は、固体電解質型燃料電池1の運転が開始されてから、製品寿命が尽きて廃棄されるまで繰り返し行われる。制御部110は、この劣化制御処理を所定時間毎(例えば、1時間毎)に繰り返すように構成されている。
なお、固体電解質型燃料電池1の使用開始時には、制限電流ラインとしてL1(基準上限電流値)が設定され、後述する劣化判定数及び劣化対応数がゼロに設定されており、制御部110はこれらをメモリに記憶している。
まず、制御部110は、燃料電池モジュール2の発電機能についての劣化判定制御(ステップS1,S2)を行う。具体的には、制御部110は、電圧値検出手段である電力状態検出センサ126から、燃料電池モジュール2の発電電圧値を受け取り、この発電電圧値が閾値電圧値(例えば100V)より小さいか否かを判定する(ステップS1)。
発電電圧値が閾値電圧値以上である場合(ステップS1;No)、劣化がこの処理の実行時点での許容範囲内であるので、制御部110は、劣化判定数をインクリメントすることなく処理を終了する。
一方、発電電圧値が閾値電圧値より小さい場合(ステップS1;Yes)、この処理の実行時点での許容範囲を超える劣化が検出されたので、制御部110は、劣化判定数を1だけインクリメントし、ステップS2へ移行する。
なお、本実施形態では、劣化判定制御(ステップS1)を閾値電圧値と発電電圧値との比較によって行っているが、発電電圧値に基づいて劣化を判定することができれば任意の方法を採用してもよい。
例えば、本実施形態では、劣化判定制御において、燃料電池モジュール2の劣化の進行度合にかかわらず、閾値電圧値を固定値に設定することで処理を簡単化しているが、劣化の進行度合に応じて閾値電圧値を変更してもよい。例えば、電流制限ラインL1,L3,L3,・・・を使用している状態では、それぞれ閾値電圧値として100V,102V,104,・・・を使用してもよい。
また、他の劣化判定制御として、図13に示された発電電圧値と取り出し電流値との関係を表すデータに基づいて、実際の発電電圧値と取り出し電流値により規定される出力動作点から、劣化判定を行うように構成してもよい。この場合、曲線P1からの電圧低下量に応じて劣化判定を行うことができる。例えば、測定した出力動作点の電流値と同じ電流値を有する曲線P1の動作点を特定し、この動作点の電圧値と、測定した出力動作点の発電電圧値とを比較して、電圧低下量を算出することができる。そして、この電圧低下量が、所定の閾値よりも大きい場合に、劣化を検出することができる。
さらには、劣化判定制御として、発電温度センサ142等により、燃料電池モジュール2内の温度を測定し、この温度に基づいて、燃料電池モジュール2の劣化を判定してもよい。
ステップS2では、制御部110は、劣化判定数が2であるか否かを判定する(ステップS2)。
劣化判定数が2でない場合(ステップS2;No)、劣化の誤検出の可能性があるので、制御部110は、劣化判定数をゼロリセットすることなく処理を終了する。
一方、劣化判定数が2である場合(ステップS2;Yes)、制御部110は、実質的な劣化が検出されたので(劣化検出数は2)、劣化判定数をゼロリセットし、ステップS3へ移行する。固体電解質型燃料電池1の使用開始時には、劣化判定数はゼロであるので、発電電圧値が閾値電圧値を2回、下回った場合に、ステップS3へ移行する。本実施形態では、許容範囲を超える劣化が2回検出された場合に、劣化であると判定されるので、劣化の誤検出を防止することができる。なお、2回目の劣化が検出されるのは、固体電解質型燃料電池1の使用開始から数年以上(例えば、10年)経過した時点である。
ステップS3では、制御部110は、劣化対応数がゼロであるか否かを判定する(ステップS3)。
劣化対応数がゼロである場合(ステップS3;Yes)、すなわち使用開始から実質的な劣化が検出された場合(一例として第1の劣化度の検出に相当)、制御部110は、劣化対応制御を実行し(ステップS4)、処理を終了する。
ステップS4で実行される劣化対応制御では、燃料供給量が3%増量補正され、劣化対応数が1だけインクリメントされる。ステップS4の燃料供給量の増量補正では、制御部110は、燃料供給量を図10の曲線F0から曲線F1に変更する。燃料供給量が増量補正されると、発電室10内の温度が上昇するので、この温度上昇により発電電圧値が運転開始当初の発電電圧値に向けて回復される。これにより、電流制限ライン1を用いた電流制限制御により制限されていた上限電流値が、発電電圧値の回復に伴って回復する。
そして、劣化により低下していた発電電圧値の回復により、燃料電池モジュール2の出力動作点は、曲線P1又はその付近まで回復し、定格運転(700W)を確保することができる。例えば、曲線P2に対応する劣化状態よりも劣化が進行していた場合は、再び、定格運転が可能になる。
なお、初回の劣化対応制御の実施までは定格運転が確保されるように、ステップS1及びS2とは別の劣化判定制御を付加してもよい。そして、この別の劣化判定制御により、ステップS1及びS2の劣化判定制御よりも劣化度合の小さく、定格運転を実施ができる限界に相当する劣化が検出された場合に、初回の劣化対応制御を実行するように構成することで、定格運転を確保できる期間を延ばすことができる。
一方、劣化対応数が1以上である場合(ステップS3;No)、すなわち使用開始から4回目以上の劣化が検出された場合、制御部110は、現在の電流制限ラインとしてL3が設定されているか否かを判定する(ステップS5)。
電流制限ラインL3が設定されていない場合(ステップS5;No)、制御部110は、現在の電流制限ラインとしてL4又はL5が設定されているか否かを判定する(ステップS6)。
電流制限ラインL4又はL5が設定されていない場合(ステップS6;No)、そのとき使用されている電流制限ラインはL1又はL2である。この場合、制御部110は、劣化抑制制御として、現在の電流制限ラインを、より制限された電流制限ラインへ変更し(ステップS7)、処理を終了する。なお、ステップS7の実行直前に検出された劣化度が、一例として第2の劣化度の検出に相当する。ステップS7では、具体的には、電流制限ラインがL1の場合はL2へ変更され、L2の場合はL3へ変更される。
このように、本実施形態では、ステップS1、S2、S5〜S7の処理において、劣化が検出されることに基づいて、電流制限ラインをより制限されたものへ変更することで、更なる劣化を抑制するように構成されている。
なお、劣化判定制御により劣化が検出された場合、制御部110は、後に検出された劣化の方が劣化度が大きいと判定する。したがって、制御部110は、より制限的な電流制限ラインが使用されているときの方が、劣化度が大きいと判定し、また、劣化対応制御の実行回数が多くなるほど、劣化度がより大きいと判定する。
一方、ステップS5において、電流制限ラインとしてL3が設定されている場合(ステップS3;Yes)、制御部110は、劣化対応数が1以下であるか否かを判定する(ステップS8)。固体電解質型燃料電池1の使用開始時には、劣化対応数はゼロであり、ステップS4で最初の劣化対応制御が実行されると劣化対応数は1になっている。
劣化対応数が1の場合(ステップS8;Yes)、制御部110は、劣化対応制御を実行し(ステップS9)、処理を終了する。
ステップS9で実行される劣化対応制御では、燃料供給量が3%増量補正され、劣化対応数が1だけインクリメントされる。また、燃料増量補正による発電電圧値の回復に伴い、電流制限ラインが、電流制限ラインL3から、基準上限電流値を規定する電流制限ラインL1(一例として第1の上限電流値に相当)に戻される。
ステップS9の燃料供給量の増量補正では、制御部110は、図10の曲線F1が使用されていたので、燃料供給量を曲線F2に変更する。
運転開始からステップS9の劣化対応制御が実行されるまでには、初回の劣化対応制御(ステップS4)により発電電圧値の回復が図られ、更なる劣化の進行に応じて、劣化の進行を抑制すべく劣化抑制制御(ステップS7)により電流制限ラインがL1からL2を経てL3に変更されている。
このような状態において、さらに劣化が検出されたので、2回目の劣化対応制御(ステップS9)による燃料供給量の増量補正により、燃料電池モジュール2の発電電圧値の回復が図られる。
すなわち、電流制限ラインL3を、L3よりも制限的な電流制限ラインに変更すると、燃料電池モジュール2からの出力電力がさらに制限されてしまう。よって、本実施形態では、ある程度の劣化が進行した段階で、燃料供給量を増量補正し、発電電圧値の回復を図っている。
そして、発電電圧値の回復により、燃料電池モジュール2の出力動作点は、曲線P1付近まで再び回復する。これにより、燃料電池モジュール2からの出力電力が回復し、制御部110は電流制限ラインをL1まで戻すことができる。なお、出力動作点が曲線P2以上に回復すれば、再び定格電力が供給可能となる。
以下、燃料供給量が補正され曲線F2が使用されている状態で、さらにステップS1〜S7が繰り返され、電流制限ラインがL1からL2を経てL3に変更されると、ステップS5からステップS8へ移行する。このとき、劣化対応数が2であるので(ステップS8;No)、ステップS8からステップS10(劣化対応制御)へ移行する。
ステップS10を行う段階では、劣化がある程度進行していると考えられる。そこで、ステップS9より後に実行されるステップS10では、ステップS9とは異なり、燃料供給量の補正量が大きく設定される。これにより、本実施形態では、複数回実行される劣化対応制御において、前半期に実行される劣化対応制御(例えば、ステップS4,S9)よりも後半期に実行される劣化対応制御(例えば、ステップS10,S12)の方が、燃料補正量が大きく設定される。
具体的には、ステップS10で実行される劣化対応制御では、燃料供給量が5%増量補正され、劣化対応数が1だけインクリメントされる。よって、ステップS10では、制御部110は、図10の曲線F2が使用されている場合には(劣化対応数=2)、燃料供給量を曲線F3に変更し、曲線F3が使用されている場合には(劣化対応数=3)、燃料供給量を曲線F4に変更し、曲線F4が使用されている場合には(劣化対応数=4)、燃料供給量を曲線F5に変更し、曲線F5が使用されている場合には(劣化対応数=5)、燃料供給量を曲線F6に変更する。
なお、本実施形態では、ステップS9及びS10において、劣化対応制御による燃料供給量の増量補正を計6回実施するが、これはステップS9及びS10でそれぞれ任意の回数(1回、2回、・・・)実施するように変更することができる。また、ステップS10では、燃料供給量の補正量が一定であるが、劣化対応数が増えるにしたがって、燃料供給量の補正量を徐々に大きくしていってもよい。
しかしながら、劣化がある程度進行しているので、ステップS10では、ステップS9とは異なり、電流制限ラインが、基準上限電流値を規定する電流制限ラインL1ではなく、より小さな電流値を規定する電流制限ラインL2に戻される。
ステップS9を実施後に、さらに劣化が進行して電流制限ラインがL1からL2を経てL3に変更されている状態で、さらに大きな劣化が検出された場合には、上限電流値を基準上限電流値(一例として第1の上限電流値に相当)よりも小さな電流値である電流制限ラインL2(一例として第2の上限電流値に相当)まで戻すように抑制側に補正を加えることで、簡単な制御により、燃料電池セルへの負担をより軽減して、耐用年数の延長を図ることができる。
燃料供給量が増量補正されると、発電電圧値の回復により、燃料電池モジュール2の出力動作点が、曲線P1或いは曲線P2付近まで回復する。しかしながら、この状態で電流制限ラインL1を使用すると、取り出し電流値が比較的高い状態となる場合がある。よって、本実施形態では、劣化がある程度進行している場合には、抑制側に補正を加えて、電流制限ラインをL1ではなくL2に戻すことで、取り出し電流値を低く抑え、燃料電池モジュール2への負担をより軽減して、更なる劣化を抑制している。
ステップS10からステップS11に移行すると、制御部110は、劣化対応数が6であるか否かを判定する(ステップS11)。
劣化対応数が5以下(実際は3〜5)の場合(ステップS11;No)、制御部110は、処理を終了する。
ステップS10が繰り返される毎に、劣化対応数が増加するので、劣化対応数が6になるまでは、ステップS1〜S7、S8、S10、S11が繰り返される。
これにより、燃料を増量補正して発電電圧値を回復させ(ステップS10)、この状態で、劣化が判定される毎に(ステップS1,S2)、電流制限ラインをL2からL3へ変更する(ステップS7)。これを繰り返すことにより、燃料電池モジュール2の電力供給能力を最大限に使用しつつ、耐用年数を延長することができる。
一方、ステップS11で劣化対応数が6であった場合(ステップS11;Yes)、制御部110は、最終の劣化対応制御、及び劣化抑制制御を実施し(ステップS12)、処理を終了する。
ステップS12を実施するまでに、劣化対応制御(ステップS9、S10)により、合計26%の燃料増量補正を実施している。この燃料増量補正に応じて発電室10内の温度が上昇しているので、ステップS12で最終の燃料増量補正が実施される。
ステップS12では、最終の劣化対応制御として、燃料供給量が5%増量補正され、劣化対応数が1だけインクリメントされる。
また、ステップS12では、劣化抑制制御として、電流制限ラインがL4に変更される。電流制限ラインL4に設定されることで、低電圧側よりも高電圧側で取り出し電流値がより大きく減少補正されるので、取り出し電流値の最大値がより低く設定される。
電流制限ラインL4が使用されることにより、燃料電池モジュール2の出力電力が制限されるが、燃料電池モジュール2の耐用年数を延ばすことが可能となる。
この後、ステップS1及びS2で劣化が検出されると、ステップS3を経て、ステップS6が実行される。ステップS6では、制御部110は、現在の電流制限ラインがL4又はL5であるか否かを判定する(ステップS6)。
電流制限ラインがL4又はL5であるので(ステップS6;Yes)、制御部110は、発電電圧値が第2の閾値電圧値(例えば、90V)より小さいか否かを判定する(ステップS13;劣化判定制御)。
発電電圧値が第2の閾値電圧値以上である場合(ステップS13;No)、制御部110は、発電電圧値が第3の閾値電圧値(例えば、95V)より小さいか否かを判定する(ステップS14;劣化判定制御)。第3の閾値電圧値は、第1の閾値電圧値(100V)と第2の閾値電圧値(90V)の間に設定されている。
発電電圧値が第3の閾値電圧値以上である場合(ステップS14;No)、制御部110は、処理を終了し、燃料電池モジュール2を現状のままの運転条件で運転を継続する。
一方、発電電圧値が第3の閾値電圧値より小さい場合(ステップS14;Yes)、制御部110は、更に大きな劣化が進行していると判断し(一例として第3の劣化度の検出に相当)、最終劣化抑制制御として、劣化対応数を1だけインクリメントし、最終の劣化抑制制御として、電流制限ラインをL5に設定し(ステップS15)、処理を終了する。電流制限ラインL5が使用されることにより、さらに上限電流値が制限されるので、燃料電池モジュール2の劣化がさらに抑制される。なお、この場合、劣化対応制御は実行されない。
なお、電流制限ラインL5に設定された後、さらに所定の劣化度(例えば、発電電圧値<93V,92V,91V,・・・)が検出された場合に、劣化抑制制御をさらに実行して、より制限的な電流制限ライン(L6,L7,L8,・・・)に変更するように構成してもよい。
また、ステップS13において、発電電圧値が第2の閾値電圧値(90V)より小さい場合(ステップS13;Yes)、燃料電池モジュール2が使用限界にあるので、制御部110は、異常対応処理を実行して(ステップS16)、処理を終了する。異常対応処理では、例えば、固体電解質型燃料電池1の運転を停止する。
このように、劣化が相当程度進行した段階では、燃料供給量を増量補正することなく、取り出し電流値をより制限し、小さい出力電力を供給する態様で使用を継続することで、燃料電池モジュール2の耐用年数の延長を図ることができる。そして、発電電圧値が第2の閾値電圧値よりも小さくなった場合には、製品寿命が尽きたものとして、異常対応処理が行われる。
なお、本実施形態では、初回の劣化対応制御を実行した後、複数回の劣化抑制制御を実行し、その後、劣化対応制御と劣化抑制制御を複数回繰り返し、最終段階では、劣化対応制御を実行することなく、劣化抑制制御を実行するように構成されているが、これに限らず、劣化対応制御及び劣化抑制制御を任意の順番で組み合わせて実行するように構成することができる。
本実施形態の固体電解質型燃料電池1では、劣化判定制御に基づいて、電流制限ラインを変更する劣化抑制制御と、発電電圧値を回復させる劣化対応制御を組み合わせて実行することにより、燃料電池モジュール2の耐用年数の延長を図りつつ、電力供給能力を最大限に使用することができる。
次に、図15に本発明の他の実施形態による劣化制御の処理フローを示す。
図14の実施形態では、電流制限ラインL1が使用されている状態で劣化が検出された場合に、ステップS4による初回の劣化対応制御が実行されるように構成されている。このため、この劣化対応制御での燃料増量補正により、劣化抑制制御を実行する前に、燃料効率が低下する。また、固体電解質型燃料電池1に、劣化対応制御による燃料増量補正を実行する性能的な余裕が少ない場合には、劣化対応制御の実行回数を少なくすることが望ましい。
そこで、図15に示す他の実施形態では、図14のステップS3及びS4が省略されている。このため、他の実施形態では、初回及び2回目の劣化対応制御がステップS9で実行される。したがって、制限ラインの変更による劣化抑制制御が所定回数実行されるまでは、劣化対応制御が実行されない。なお、他の処理ステップは、図14と同じであるので説明を省略する。
1 固体電解質型燃料電池
2 燃料電池モジュール
10 発電室
12 燃料電池セル集合体
14 燃料電池セルスタック
16 燃料電池セルユニット(固体電解質型燃料電池セル)
18 燃焼室
20 改質器
28 水流量調整ユニット
38 燃料流量調整ユニット(燃料供給手段)
44 改質用空気流量調整ユニット
45 発電用空気流量調整ユニット(酸化剤ガス供給手段)
54 インバータ
84 燃料電池セル
110 制御部
126 電力状態検出センサ(電圧値検出手段、電流値検出手段)

Claims (10)

  1. 複数の固体電解質型燃料電池セルに燃料と酸化剤ガスを供給して発電を行う固体電解質型燃料電池であって、
    前記固体電解質型燃料電池セルを有する燃料電池モジュールと、
    この燃料電池モジュールに燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記燃料電池モジュールに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池モジュールによる発電電圧値を検出する電圧値検出手段と、
    前記燃料電池モジュールによる出力電流値を検出する電流値検出手段と、
    前記燃料供給手段から供給される燃料供給量を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記発電電圧値が小さいほど上限電流値を小さい値に設定し、前記出力電流値が前記上限電流値を超えないように前記燃料電池モジュールの出力電力を制御する電流制限制御を実行し、
    前記制御手段は、前記燃料電池モジュールの劣化判定を行い、この劣化判定に基づいて、劣化により低下した発電電圧値を回復させるように前記燃料供給手段を制御して燃料供給量を増量補正する劣化対応制御を実行するように構成されており、
    前記制御手段は、前記劣化判定に基づいて、前記電流制限制御で用いる各発電電圧値に対する前記上限電流値を、前記劣化判定時に使用していた上限電流値よりも小さい値に変更する劣化抑制制御を実行し、
    前記制御手段は、前記劣化抑制制御を前記固体電解質型燃料電池の製品寿命内で複数回実行するように構成されており、
    前記劣化抑制制御は、前半期の劣化抑制制御の方が後半期の劣化抑制制御より、前記上限電流値の減少補正量が小さくなるように設定されることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. 前記制御手段は、前記劣化判定により、所定の劣化度が検出されるまでは、前記劣化対応制御を実行することなく前記電流制限制御を実行し、前記所定の劣化度が検出された場合に、前記劣化対応制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  3. 前記制御手段は、前記劣化対応制御の実行に伴って、各発電電圧値における前記上限電流値を、前記固体電解質型燃料電池の使用を開始したときに設定されていた上限電流値である基準上限電流値まで、又は、この基準上限電流値よりも小さな電流値まで戻すことを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  4. 前記後半期において、高電圧側の発電電圧値における減少補正量が、低電圧側の発電電圧値における減少補正量よりも大きくなるように設定される劣化抑制制御を含むことを特徴とする請求項に記載の固体電解質型燃料電池。
  5. 前記制御手段は、前記劣化対応制御を前記固体電解質型燃料電池の製品寿命内で複数回実行するように構成されており、後半期に実行される前記劣化対応制御における燃料供給量の増加補正量が、前半期に実行される前記劣化対応制御における燃料供給量の増加補正量よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  6. 前記制御手段は、前記劣化抑制制御を所定回数実行するまでは、前記劣化対応制御を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  7. 前記制御手段は、前記劣化判定に基づいて、第1の劣化度が検出されるまでは、前記劣化対応制御及び前記劣化抑制制御を実行せずに前記電流制限制御を実行し、前記第1の劣化度が検出された場合には、前記劣化対応制御を実行し、その後、前記第1の劣化度よりも劣化度が大きい第2の劣化度が検出された場合には、前記劣化抑制制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  8. 前記制御手段は、前記第2の劣化度が検出された後に、前記第2の劣化度よりも劣化度が大きい第3の劣化度が検出された場合は、前記劣化対応制御を実行せず、前記電流制限制御を行うことを特徴とする請求項に記載の固体電解質型燃料電池。
  9. 前記制御手段は、前記第3の劣化度が検出された後は、前記劣化判定に基づいて、前記劣化抑制制御を更に実行するが、前記劣化対応制御を実行しないことを特徴とする請求項に記載の固体電解質型燃料電池。
  10. 複数の固体電解質型燃料電池セルに燃料と酸化剤ガスを供給して発電を行う固体電解質型燃料電池であって、
    前記固体電解質型燃料電池セルを有する燃料電池モジュールと、
    この燃料電池モジュールに燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記燃料電池モジュールに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池モジュールによる発電電圧値を検出する電圧値検出手段と、
    前記燃料電池モジュールによる出力電流値を検出する電流値検出手段と、
    前記燃料供給手段から供給される燃料供給量を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記発電電圧値が小さいほど上限電流値を小さい値に設定し、前記出力電流値が前記上限電流値を超えないように前記燃料電池モジュールの出力電力を制御する電流制限制御を実行し、
    前記制御手段は、前記燃料電池モジュールの劣化判定を行い、この劣化判定に基づいて、前記電流制限制御で用いる各発電電圧値に対する前記上限電流値を、前記劣化判定時に使用していた上限電流値よりも小さい値に変更する劣化抑制制御を実行し、
    前記制御手段は、前記劣化抑制制御を前記固体電解質型燃料電池の製品寿命内で複数回実行するように構成されており、
    前記劣化抑制制御は、前半期の劣化抑制制御の方が後半期の劣化抑制制御より、前記上限電流値の減少補正量が小さくなるように設定されることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
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