JP2004172055A - 燃料電池の出力制御システム、出力制御方法および車両 - Google Patents

燃料電池の出力制御システム、出力制御方法および車両 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の出力を好適に制御することのできるシステムを提供する。
【解決手段】本発明による燃料電池の出力制御システムは、最低セル電圧が閾値Aよりも低い場合に(S14のY)、許可電力を制限して(S20)、燃料電池の出力制御の第1段階を行い、さらに最低セル電圧が閾値Bよりも低い場合に(S22のY)、S20で制限した許可電力をさらに制限して、出力制御の第2段階を実行する。第2段階では、最低セル電圧の変化に応じて、出力の制限率を動的に変化させ、燃料電池を保護しながら、発電効率を高いレベルで維持していく。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の出力制御の技術に関し、特に燃料電池の発電電圧に応じて出力を制御するシステムおよび方法、およびそのシステムを備えた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は水素と酸素を電気化学反応させて発電し、エネルギ効率および環境性に非常に優れている。近年、固体高分子型燃料電池や燐酸型燃料電池の研究開発がさかんに行われており、自動車や家庭用など様々な分野における利用が期待されている。これらの燃料電池は、多数の単セルを積層したスタック構造を有している。
【0003】
上記多数の単セルおのおのの安定した燃料電池の運転を実現するために、燃料電池の発電電圧をモニタし、出力電流を制限する技術がある。この技術には、燃料電池の発電電圧が所定値よりも小さくなると、負荷に供給する電流を制限して電池の損傷を未然に防止するものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、異常の早期発見を行うために、燃料電池の電圧の経時変化のパターンで運転状態を判別するものもある(例えば、特許文献2参照。)。また、燃料流量、水素濃度、酸化剤流量などから保護停止をかける制限電圧値を算出して、出力を制御するものもある(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−272736号公報
【特許文献2】
特開平9−245826号公報
【特許文献3】
特開平9−55219号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような技術では、一つの閾値により制限を行うため、安定した運転が難しい一方、パターン判定では複雑な制御が要求される。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池の出力を好適に制御するシステムを提供することにある。また本発明の目的は、燃料電池の出力を簡易な方法で木目細く段階的に制御するシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様は、燃料電池の発電電圧を検出する検出部と、発電電圧が閾値よりも低い場合、発電電圧を維持するよう燃料電池の出力を制限し、その後の検出部における検出結果に応じて、制限の度合いを調整して出力を制御する制御部とを備える燃料電池の出力制御システムを提供する。この出力制御システムによると、出力を制限した後の電圧変化に応じて、出力制限の度合いを調整するため、燃料電池を保護しながら、連続運転による高い発電効率を維持することが可能となる。
【0008】
制御部は、出力の制限後、発電電圧が上昇傾向にある場合に、出力の制限度合いを緩和してもよい。制御部は、発電電圧の上昇速度に応じて制限度合いの緩和速度を決定してもよく、また制限度合いを緩和する方向に出力を所定量ずつ変化させてもよい。また制御部は、出力の制限後、発電電圧が下降傾向にある場合に、出力の制限度合いを大きくしてもよい。制御部は、発電電圧の下降速度に応じて制限度合いの増加速度を決定してもよく、また制限度合いを大きくする方向に出力を所定量ずつ変化させてもよい。
【0009】
本発明の別の態様は、燃料電池の発電電圧を検出する検出部と、発電電圧が第1閾値を下回る場合、発電電圧を維持するよう燃料電池の出力を制限し、発電電圧が第1閾値よりも低い第2閾値を下回る場合には、検出部の検出結果により判明する発電電圧の変化に応じて出力を制限する制御部とを備える燃料電池の出力制御システムを提供する。この出力制御システムによると、第1閾値および第2閾値を用いて燃料電池の出力を段階的に制御し、連続運転しながら燃料電池の保護および発電効率維持という2つの要求を安定して実現することが可能となる。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、燃料電池の発電電圧を第1閾値と比較し、第1閾値を下回る場合には、第1閾値よりも低い第2閾値を発電電圧が上回るように、燃料電池が出力可能な許可電力を制限して設定し、この制限後、発電電圧が第2閾値を下回る場合には、制限した許可電力の値自体は変化させずに、その許可電力の値に係数をかけた電力値を用いて一時的に出力を制限する燃料電池の出力制御方法を提供する。この出力制御方法によると、発電電圧が第2閾値を下回る場合に、制限した許可電力の値を目標値とした一時的な出力の制御を行うことができる。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、燃料電池の発電電圧を第1閾値と比較し、第1閾値を下回る場合には要求電力に対して燃料電池の出力を制限し、発電電圧が第1閾値よりも低い第2閾値をさらに下回る場合には、発電電圧の変化に応じて出力を動的に調整する燃料電池の出力制御方法を提供する。この出力制御方法によると、第1閾値および第2閾値を用いて燃料電池の出力を段階的に制御し、連続運転しながら燃料電池の保護および発電効率維持という2つの要求を安定して実現することが可能となる。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、動力源である燃料電池と、燃料電池から出力される電力により駆動されるモータと、燃料電池の発電電圧を検出する検出部と、発電電圧が閾値よりも低い場合にモータへの出力を制限し、その後の検出部における検出結果に応じて、制限の度合いを調整して出力を制御する制御部とを備える車両を提供する。この車両は、燃料電池で駆動される燃料電池車であってもよく、また燃料電池とエンジンとで駆動されるハイブリッド車であってもよい。出力を制限した後の電圧変化に応じて、出力制限の度合いを調整するため、燃料電池を保護しながら、高い発電効率を維持することが可能となる。
以上の各構成を方法またはプログラムとして表現したものも、本発明として有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池システム10の概略構成を示す。この燃料電池システム10は車両に設けられて、燃料電池車の動力源を構成してもよい。燃料電池システム10の全体は、電子制御装置(以下、ECUと表記する)20により制御される。ECU20は、図示のごとく単一の構成として存在してもよいが、燃料電池22やモータ40などの運転制御にそれぞれ特化した複数のサブECUと、複数のサブECUを統括管理するメインECUとして存在してもよい。以下では制御機能を実現する構成を、統一的にECU20として表現する。ECU20は、CPU、RAM、ROMを備えて構成される。本実施の形態において、ECU20は、燃料電池22の出力を制御する出力制御装置としての機能を備える。
【0014】
燃料電池22は、水素タンク内の、または改質反応により生成される水素ガスと空気中に含まれる酸素とを電気化学反応させて発電し、車両走行時に電力をインバータ38に供給する。燃料電池22は、複数の単セルが積層されたスタック構造を有し、電気的には、多数の単セルが直列に配置されている。例えば固体高分子型の場合、単セルは、水素イオン伝導性の高い高分子膜を電解質膜として有し、さらに高分子膜を両側から挟み込む水素極および酸素極を有する。燃料電池22は、燐酸型、溶融炭酸塩型など他のタイプであってもよい。酸素供給部24は空気ブロワを用いて、酸素を含んだ空気を燃料電池22に供給する。水素供給部26は、改質器を用いてメタノールやガソリンから水素ガスを生成してもよく、また水素を水素吸蔵合金や高圧容器などに貯蔵しておいてもよい。水素供給部26は、生成または貯蔵した水素を燃料電池22に供給する。酸素および水素の供給量は、ECU20により制御される。電圧検出器28は、燃料電池22の単セルごとの発電電圧を検出し、検出結果はECU20に伝達される。
【0015】
単セル内の電解質膜は、温度および湿度を適切に調整することにより良好に機能する。温度制御用の構成として、ラジエータ30および循環ポンプ32が燃料電池22に設けられる。ECU20は、循環ポンプ32の回転数を調整して冷却水を循環させ、燃料電池22の電解質膜を適切な温度に制御する。他の温度制御用の構成としては、ラジエータ30に冷却用ファン(図示せず)を設け、ECU20が冷却用ファンの回転数を制御してもよい。また湿度を制御するために、酸素供給部24ないしは水素供給部26の一方または双方が、供給する水素ガスまたは酸素中に水分を混入させ加湿を行う。ECU20は水分の混入量を調整して、燃料電池22の電解質膜を適切な湿度に制御する。
【0016】
蓄電器34はニッケル水素電池などの二次電池やキャパシタなどであり、ECU20により充放電量を監視され、ECU20がDC/DCコンバータ36を制御することにより充放電量を管理される。この蓄電器34の充電状態を推定するために、ECU20は、インバータ38の両端電圧を測定する総電圧センサ60と、燃料電池22からインバータ38へ流れる電流を測定する電流センサ62、およびDC/DCコンバータ36からインバータ38へ流れる電流を測定する電流センサ64の出力を監視している。DC/DCコンバータ36は直流の電圧変換器であり、蓄電器34からの直流電圧を調整してインバータ38に出力する機能と、燃料電池22またはモータ40からの直流電圧を調整して蓄電器34に出力する機能とを有する。なおモータ40は、制動時に発電機として機能する。車両走行時、蓄電器34は、燃料電池22と協同してインバータ38に電力を供給する。
【0017】
ECU20は、インバータ38のスイッチングを制御して要求動力に応じた三相交流を生成し、モータ40に供給する。モータ40からの出力は、変速機48およびデファレンシャルギア50を介して駆動輪52および54に伝達される。
【0018】
車両運転時、アクセルポジションセンサ42はアクセルペダルのポジションを検出し、ブレーキポジションセンサ44はブレーキペダルのポジションを検出する。また車速センサ46は車両の速度を検出する。ECU20は、アクセルペダルポジション、ブレーキペダルポジションおよび車速などのパラメータに基づいて、車両を走行させるためにモータ40に供給するべき電力を導出する。ここでは、モータ40に対して出力要求される電力を「要求電力」と呼ぶ。
【0019】
ECU20は、燃料電池22に供給されている水素および酸素のガス量などから、燃料電池22が発電可能な電力を設定する。この発電可能な電力を「許可電力」と呼ぶ。ECU20は、要求電力と許可電力との関係から、モータ40に供給する電力を、燃料電池22と蓄電器34とで分担させる。すなわち、要求電力は本来、燃料電池22への要求電力と蓄電器34への要求電力の和であり、その分担は、ECU20が運転者の要求や各種電池のパラメータなどから定める。ただし、本実施の形態で制御される電力は、燃料電池22が分担すべき電力に関するものであり、以下「要求電力」といえば燃料電池22のそれを指すとする。なお、燃料電池22の一部の単セルの発電状態が悪いとき、許可電力が要求電力を下回る状況が発生しやすい。
【0020】
本実施の形態では、電圧検出器28が燃料電池22の単セルの発電電圧を検出し、ECU20が、この発電電圧に基づいて、燃料電池22の出力を制御する。単セルは直列に配置され、いずれかの単セルの状態が悪くなれば、その単セルによって全体の発電性能が決まる。したがって、ECU20は最も状態の悪い単セルに注目するものとし、発電電圧が最も低い単セルをもって、最も状態の悪い単セルとみなす。以下、その単セルの発電電圧を「最低セル電圧」と呼ぶ。
【0021】
図2は、本実施の形態における最低セル電圧に対応したECU20による制御領域を示す。最低セル電圧が第1の閾値である閾値A以上の「通常運転領域」では、全ての単セルが良好な状態にあり、燃料電池22が要求電力を出力することができる。
【0022】
最低セル電圧が第2の閾値である閾値Bから閾値Aの範囲にある「通常制限領域」では、一部の単セルが若干の不調をきたして、必要な出力を維持できず、燃料電池22が要求電力を出力できない状態にある。この通常制限領域では、不調の単セルに合わせて出力を下げるべく許可電力を制限して設定し、この制限値に応じて設定した目標値となるように最低セル電圧を制御する。許可電力を小さくすることにより燃料電池22の負荷を軽減して燃料電池22を保護するとともに、供給ガスを最大限に利用して、発電効率を高いレベルで維持することができる。通常制限領域では、閾値Bを最低セル電圧の最低目標値とし、最低セル電圧が閾値B以上となるように、出力電圧を維持する方針のもと、燃料電池22の出力を制御する。
【0023】
一例として、閾値Aを「燃料電池22の運転効率が比較的良いと考えられる値」に定め、閾値Bを「まだ燃料電池22の運転を停止するほどではないが、発電電圧がそれよりも急速に落ち込むとすれば運転を停止すべき予備警告値」に定めることが考えられる。すなわち、これらの閾値は、運転効率の面から定めてもよいし、発電電圧の振舞いまたはその予測をもとに定めてもよい。
【0024】
最低セル電圧が閾値Cから閾値Bの範囲にある「ガード補正領域」では、通常制限領域において、一部の単セルの状態が悪化し、最低セル電圧が閾値Bを下回った状態にある。この状態を長時間放置すると、燃料電池22が劣化または損傷する可能性があるため、制限した許可電力をさらに制限して燃料電池22の負荷を軽減し、湿度や温度を調整することにより不調セルの回復を待つ。このガード補正領域では、単セルの発電電圧から回復状況または悪化状況をモニタし、その動向に応じて制限の度合いを動的に変化させる。
【0025】
「通常制限領域」と「ガード補正領域」の違いは、前者においては、ECU20は燃料電池22の出力電圧が維持できるよう出力制限を行い、後者においては、ECU20は燃料電池22の出力電圧の変化に応じて出力制限を変化させる点にある。本実施の形態によれば、ガード補正領域に突入しても、不調な単セルの回復を促進しつつ、制限された範囲で発電ができるため、燃料電池22の保護と効率的な発電が両立できる。
つづいて、最低セル電圧が第3の閾値である閾値Cを下回る「発電停止領域」では、燃料電池22の保護のために発電を停止して、不調セルの回復をはかる。
【0026】
図3は、本実施の形態に係る燃料電池22の出力制御フローチャートを示す。この出力制御フローにおいてECU20は、燃料電池22の出力を制御する出力制御装置として機能する。
【0027】
まずECU20が、最低セル電圧と閾値Cとを比較する(S10)。最低セル電圧が閾値Cよりも低ければ(S10のN)、単セルの状態が発電停止領域にあることを判定して、出力を停止する(S12)。最低セル電圧が閾値C以上であれば(S10のY)、単セルが発電可能な状態にあることを判定する。
【0028】
次に、ECU20が、最低セル電圧と閾値Aとを比較する(S14)。最低セル電圧が閾値A以上であれば(S14のN)、単セルの状態が通常運転領域にあることを判定し、許可電力を要求電力に等しく設定し(S16)、この許可電力を燃料電池22から出力する(S18)。一方で、最低セル電圧が閾値Aよりも低ければ(S14のY)、ECU20は、要求電力に関係なく、最低セル電圧が閾値B以上となるように許可電力を制限して設定する(S20)。ECU20は、制限した許可電力に応じて、酸素および水素ガスの供給量を調整してもよい。この出力制御フローにおいて、S20のステップが出力制御の第1段階に相当する。
【0029】
許可電力を制限した後、最低セル電圧と閾値Bとを比較する(S22)。最低セル電圧が閾値B以上であれば(S22のN)、単セルの状態が通常制限領域にあることを判定して、S18において制限設定した許可電力を出力する(S18)。一方で、最低セル電圧が閾値Bよりも低ければ(S22のY)、ガード補正領域にあることを判定し、出力制御の第2段階に入る。例えば、単セルの状態が突然悪化した場合、S20の電力制限にもかかわらず、最低セル電圧が閾値Bを下回る状況が発生する。
【0030】
出力制御の第2段階では、まず制限率αが1であるか否かを判定する(S24)。制限率αは、第1段階の出力制御(S20)で制限した許可電力をさらに制限するために用いられるパラメータであり、出力の制限の度合いを示す。制限率αの初期値は1であり、出力の制限時には1未満の値をとる。したがって、初めてS24のステップを実行する場合、制限率αは1となる。
【0031】
制限率αが1である場合(S24のY)、すなわち単セルの状態が通常制限領域からガード補正領域に遷移した場合には、制限率αに1未満の値を設定し(S26)、出力をS20で制限した許可電力にαを乗算した値に設定する(S28)。具体的には、ECU20がインバータ38を制御して、燃料電池22からの出力をS20で制限した許可電力にαを乗算した値となるように絞り込む。
【0032】
一方で、出力制御の第2段階を既に実行中であれば、制限率αに1未満の値が設定されている(S24のN)。ECU20は、電圧検出器28による検出結果をもとに、最低セル電圧が上昇傾向にあるか否かを判定する(S30)。この判定のために、ECU20は図示しないメモリ等に最低セル電圧の値を記録していくものとする。最低セル電圧が上昇傾向にあれば(S30のY)、不調のセルが回復傾向にあると判定して、制限率αを大きくしていく(S32)。制限率αを大きくしていくことは、すなわち出力の制限度合いを緩和していくことに相当する。これにより、出力がS20で設定した許可電力に近づいていく。一方で、最低セル電圧が上昇傾向にない場合は(S30のN)、不調のセルの回復が進んでおらず、むしろ状態が悪化していると判定して、制限率αを小さくしていく(S34)。制限率αを小さくすることは、出力の制限度合いを大きくしていくことに相当する。S32またはS34で制限率αを設定すると、S20で設定した許可電力にαを乗算した電力を出力する(S28)。このように、出力制御の第2段階では、単セルの状態が突然悪化した場合でも、動的な出力制限を行うことにより電力供給を維持し続けることが可能となる。さらに、単セルの状態をモニタしながら出力制限の度合いを変化させるため、燃料電池22を保護しながら、優れた発電効率を実現することも可能となる。
【0033】
なお、一連の処理中もECU20は、刻々と要求電力を計算している。そのために、ECU20は、運転制御に関する所定の基本処理ルーチンにおける演算の後、図3の処理や別の処理ルーチンによる燃料電池22および蓄電器34の出力制限等を加味し、最適な要求電力を決定する。
【0034】
以上、本実施の形態によれば、燃料電池22を保護しつつ、発電効率を高めることができる。また、通常制限領域では、許可電力が直接操作される一方、ガード補正領域では許可電力の値自体は保存しておき、一時的なパラメータである制限率αが操作される。これによる効果もある。すなわち、通常制限領域で定まった許可電力は、当該領域から外れない上限の電力値と考えられるため、逆にいえば、発電効率が最も高い数字とみなせる。したがって、許可電力の値を保存しておくことにより、ガード補正領域から通常制限領域に復帰したとき、即座に発電効率の高い許可電力に制御を戻すことができる。
【0035】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。なお本発明はこの実施の形態に限定されることなく、そのさまざまな変形例もまた、本発明の態様として有効である。
例えば、ECU20は、燃料電池22の動作履歴、すなわち燃料電池22の運転がいつ通常運転領域、通常制限領域、ガード補正領域、発電停止領域のそれぞれにあったかをメモリ等の記録手段に記録してもよい。その場合、その情報は燃料電池22の保守点検等に利用できる。ECU20はまた、燃料電池22の運転が通常予想されるよりも長い時間、ガード補正領域や発電停止領域にあるとき、その旨を警告または報告する手段を有してもよい。その場合、燃料電池22の修理や交換のタイミングを早めに知ることができる。
【0036】
また、車両用システムとしては、モータ40を複数有してもよい。さらに、このシステムは、車両駆動用のモータ40のための電源ではなく、エンジン動力で走る車両の電気負荷、すなわちエアーコンディショナーやオーディオシステム用の電源のために利用されてもよく、その場合、ハイブリッド車やエコラン車のために用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によると、燃料電池22の出力を好適に制御することのできる出力制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態における最低セル電圧に対応したECUによる制御領域を示す図である。
【図3】実施の形態に係る燃料電池の出力制御フローチャートである。
【符号の説明】
10・・・燃料電池システム、20・・・ECU、22・・・燃料電池、24・・・酸素供給部、26・・・水素供給部、28・・・電圧検出器、30・・・ラジエータ、32・・・循環ポンプ、34・・・蓄電器、36・・・DC/DCコンバータ、38・・・インバータ、40・・・モータ。

Claims (7)

  1. 燃料電池の発電電圧を検出する検出部と、
    発電電圧が閾値よりも低い場合に、発電電圧を維持するよう燃料電池の出力を制限し、その後の前記検出部における検出結果に応じて、制限の度合いを調整して出力を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の出力制御システム。
  2. 前記制御部は、出力の制限後、発電電圧が上昇傾向にある場合に、出力の制限度合いを緩和していくことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の出力制御システム。
  3. 前記制御部は、出力の制限後、発電電圧が下降傾向にある場合に、出力の制限度合いを大きくしていくことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池の出力制御システム。
  4. 燃料電池の発電電圧を検出する検出部と、
    発電電圧が第1閾値を下回る場合、発電電圧を維持するよう燃料電池の出力を制限し、発電電圧が第1閾値よりも低い第2閾値を下回る場合には、前記検出部の検出結果により判明する発電電圧の変化に応じて出力を制限する制御部と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の出力制御システム。
  5. 燃料電池の発電電圧を第1閾値と比較し、第1閾値を下回る場合には、第1閾値よりも低い第2閾値を発電電圧が上回るように、燃料電池が出力可能な許可電力を制限して設定し、この制限後、発電電圧が第2閾値を下回る場合には、制限した許可電力の値自体は変化させずに、その許可電力の値に係数をかけた電力値を用いて一時的に出力を制限することを特徴とする燃料電池の出力制御方法。
  6. 燃料電池の発電電圧を第1閾値と比較し、第1閾値を下回る場合には要求電力に対して燃料電池の出力を制限し、発電電圧が第1閾値よりも低い第2閾値をさらに下回る場合には、発電電圧の変化に応じて出力を動的に調整することを特徴とする燃料電池の出力制御方法。
  7. 動力源である燃料電池と、
    前記燃料電池から出力される電力により駆動されるモータと、
    前記燃料電池の発電電圧を検出する検出部と、
    発電電圧が閾値よりも低い場合に前記モータへの出力を制限し、その後の前記検出部における検出結果に応じて、制限の度合いを調整して出力を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする車両。
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