JP5783261B2 - 骨格部材 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前部で車両前後方向に延びる骨格部材に関する。
従来、衝突により車両の前側から荷重が作用した際に、車両後方へ荷重を伝達する骨格部材として、特許文献1が知られている。特許文献1の骨格部材は、車両前後方向に座屈点を設けて、衝突時の変形をコントロールしている。具体的には、骨格部材は、エンジン等のパワートレインユニットの車幅方向横側に形成された座屈点と、それより後側に形成された座屈点と、を有している。骨格部材は、各座屈点で変形することで、衝撃を吸収している。
特開2010−221991号公報
上述の骨格部材は、前側の座屈点で屈曲することで、車幅方向内側へ変形し、当該位置にてパワートレインユニットと干渉する。骨格部材の前部付近(前側の座屈点よりもバンパレインフォースメント側)が圧縮変形するような力が作用し、骨格部材を車両後方へ押込むような力が弱まってしまう。これにより、骨格部材の衝撃吸収量が減少する。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、十分な衝撃吸収量を確保できる骨格部材を提供することを目的とする。
骨格部材は、車両の前部で車両前後方向に延びる骨格部材であって、車両前方からの荷重によって変形を誘発する変形誘発部が、車両前後方向に沿って骨格部材の複数箇所に形成され、複数の変形誘発部は、車両前後方向に沿って、骨格部材のアウタ側とインナ側とに交互に形成され、変形誘発部間の距離は、車両後方ほど大きくなることを特徴とする。
前突により車両前方から荷重がかかったとき、骨格部材は、エンジン等のパワートレインユニットの付近にて、インナ側へ向かって変形し、パワートレインユニットと干渉する。このとき、骨格部材は、変形誘発部間の距離が小さい前部で変形して後退する。すなわち、パワートレインユニットと干渉した部分より前側の部分での変形量を確保できる。また、当該変形により、骨格部材の後側の部分に、当該骨格部材を車両後方へ向かって押込むような力が伝達される。従って、パワートレインユニットと干渉した部分より後側の部分での変形量も大きくすることができる。以上により、十分な衝撃吸収量が確保される。
変形誘発部は、骨格部材の前部、中間部、及び後部にそれぞれ形成され、中間部、前部、後部の順で変形を誘発する。中間部での変形により衝撃を吸収した後、前部での変形により骨格部材を後退させる。これにより、後部に荷重を伝達できる。
変形誘発部は、骨格部材の他の部分に比して強度が低く、荷重によって座屈する脆弱部によって構成される。アウタ側に形成された脆弱部が座屈することで、骨格部材は当該部分にてインナ側へ折れ曲がる。インナ側に形成された脆弱部が座屈することで、骨格部材は当該部分にてアウタ側へ折れ曲がる。
変形誘発部は、車両前方からの荷重によって折れ曲がる折り曲げ部によって構成される。アウタ側に形成された折り曲げ部により、骨格部材は当該部分にてインナ側へ折れ曲がる。インナ側に形成された折り曲げ部により、骨格部材は当該部分にてアウタ側へ折れ曲がる。
車両前方から順番に、第1の変形誘発部、第2の変形誘発部、第3の変形誘発部が前記骨格部材に形成され、第3の変形誘発部は、車幅方向においてパワートレインユニットと隣り合う位置に配置され、第1の変形誘発部は骨格部材のアウタ側に形成され、当該第1の変形誘発部の位置で、骨格部材はインナ側へ向かって折れ曲がり、第1の変形誘発部は骨格部材のインナ側に形成され、当該第2の変形誘発部の位置で、骨格部材はアウタ側へ向かって折れ曲がり、第3の変形誘発部は骨格部材のアウタ側に形成され、当該第3の変形誘発部の位置で、骨格部材はインナ側へ向かって折れ曲がり、第1の変形誘発部と第2の変形誘発部との間の、車両前後方向における距離は、第2の変形誘発部と第3の変形誘発部との間の、車両前後方向における距離よりも小さい。
前突により車両前側から荷重がかかったとき、骨格部材は、エンジン等のパワートレインユニットの付近の第3の変形誘発部の位置にて、インナ側へ向かって変形し、パワートレインユニットと干渉する。このとき、骨格部材は、変形誘発部間の距離が小さい第1の変形誘発部及び第2の変形誘発部で変形して後退する。すなわち、当該部分での変形量を確保できる。また、第1の変形誘発部、第2の変形誘発部がインナ側とアウタ側で交互に形成されているため、安定した変形モードとなる。また、当該変形により、骨格部材の後側の部分に、当該骨格部材を車両後方へ向かって押込むような力が伝達される。従って、第3の変形誘発部より後側の部分での変形量も大きくすることができる。以上により、十分な衝撃吸収量が確保される。
骨格部材は、車両の前部で車両前後方向に延びる骨格部材であって、車両前後方向における前側領域よりも後側領域の強度が高く、前側領域には車両前方からの荷重によって折り曲げ変形を誘発する前側変形誘発部が形成され、後側領域には車両前方からの荷重によって折り曲げ変形を誘発する後側変形誘発部が形成される。
前突により車両前側から荷重がかかったとき、骨格部材は、エンジン等のパワートレインユニットの付近の後側変形誘発部にて、インナ側へ向かって変形し、パワートレインユニットと干渉する。このとき、骨格部材は、強度が低い前側変形誘発部で変形して後退する。すなわち、当該部分での変形量を確保できる。また、当該変形により、骨格部材の後側の部分に、当該骨格部材を車両後方へ向かって押込むような力が伝達される。従って、パワートレインユニットと干渉した後側変形誘発部よりも後側の部分での変形量も大きくすることができる。以上により、十分な衝撃吸収量が確保される。
前側変形誘発部は、アウタ側とインナ側にそれぞれ形成される折り曲げ部を有し、後側変形誘発部は、後側領域を補強する補強部材に設けられた折り曲げ部を有する。骨格部材は、当該補強部材に設けられた折り曲げ部にて、折り曲げ変形する。
前側変形誘発部における、アウタ側の折り曲げ部とインナ側の折り曲げ部との間の距離は、骨格部材の断面幅に設定される。このように、前側変形誘発部での折り曲げ部間の距離を小さくすることで、後側変形誘発部で折り曲げ変形を発生させた後に、前側変形誘発部の折り曲げ変形を発生させることができる。
骨格部材は、車両の前部で車両前後方向に延びる骨格部材であって、車両前後方向におけるパワートレインユニットより前側の部分には、アウタ側とインナ側のそれぞれに、車両前方からの荷重によって折り曲げ変形を誘発する前側変形誘発部が形成されている。
前突により車両前側から荷重がかかったとき、骨格部材は、パワートレインユニットの付近にて、インナ側へ向かって変形し、パワートレインユニットと干渉する。このとき、骨格部材は、パワートレインユニットより前側の部分で変形して後退する。すなわち、当該部分での変形量を確保できる。また、当該変形により、骨格部材の後側の部分に、当該骨格部材を車両後方へ向かって押込むような力が伝達される。従って、パワートレインユニットと干渉した部分より後側の部分での変形量も大きくすることができる。以上により、十分な衝撃吸収量が確保される。
本発明によれば、十分な衝撃吸収量を確保できる。
第1実施形態に係るフロントサイドメンバの一部を示す斜視図である。 各変形誘発部での変形の順序を説明するためのモデル図である。 各変形誘発部での変形の順序を示した概略図である。 比較例に係るフロントサイドメンバの一部を示す斜視図である。 実施形態に係るフロントサイドメンバと比較例に係るフロントサイドメンバの変形の様子を示す斜視図である。 実施形態に係るフロントサイドメンバと比較例に係るフロントサイドメンバの変形の様子を示す平面図である。 実施形態に係るフロントサイドメンバと比較例に係るフロントサイドメンバの変形の様子を示す平面図である。 第2実施形態に係るフロントサイドメンバの一部を示す斜視図である。 平板状態のフロントサイドメンバインナを示す図である。 第3実施形態に係るフロントサイドメンバの一部を示す斜視図である。 図10のフロントサイドメンバアウタ及びリインホースメントの構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明に係る骨格部材の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
フロントサイドメンバ1は、車両の前部において車両前後方向に延びる骨格部材である。フロントサイドメンバ1は、車幅方向に一対設けられており、前端部でバンパレインフォースメントの車幅方向の両端部をそれぞれ支持している。フロントサイドメンバ1は、衝突によってバンパレインフォースメントに荷重が入力されたときに、当該荷重を吸収すると共に、車体の後側へ荷重を伝達する機能を有する。図1には、一対のうち一方のフロントサイドメンバ1のみが示されている。また、フロントサイドメンバ全体に比して部材の板厚は小さいため、図中では各部材の板厚が省略されている。なお、図中では理解のため、フランジ部などが互いに僅かに離間しているが、実際の構造では、二枚の部材は互いに接触して接合される。
フロントサイドメンバ1は、横断面が略矩形状に形成されており、車幅方向のアウタ側の側壁1aと、車幅方向のインナ側の側壁1bと、上壁1cと、下壁1dと、を有している。また、フロントサイドメンバ1は、車両前後方向に沿って、前部FAと、中間部MAと、後部RAとを有している。なお、本実施形態では、中間部MAは、エンジン等を含むパワートレインユニットPTU(図3や図7を参照)と車幅方向に隣り合う領域を指すものとする。前部FAは、中間部MAより車両前側の領域である。前部FAは、車両前後方向において、パワートレインユニットPTUよりも前側の領域である。後部RAは、中間部MAより車両後側の領域である。
フロントサイドメンバ1の中間部MAには、断面積が減少する断面減少部5が形成されている。この断面減少部5は、車両上下方向から見て、フロントサイドメンバ1のアウタ側が、インナ側に湾曲することによって構成されている。具体的に、断面減少部5では、フロントサイドメンバ1のアウタ側の側壁1aが車両上下方向から見て円弧を描くように湾曲している。断面減少部5では、フロントサイドメンバ1のインナ側の側壁1bは、湾曲することなく、真直ぐに延びている。
図1に示すように、フロントサイドメンバ1は、フロントサイドメンバアウタ2と、フロントサイドメンバインナ3とを互いに接続することによって構成されている。フロントサイドメンバアウタ2は、車両前後方向に延びる部材である。フロントサイドメンバアウタ2は、フロントサイドメンバ1のアウタ側の部材であり、主に、フロントサイドメンバ1のアウタ側の側壁1aを構成する。フロントサイドメンバインナ3は、車両前後方向に延びる部材である。フロントサイドメンバインナ3は、フロントサイドメンバ1のインナ側の部材であり、主に、フロントサイドメンバ1のインナ側の側壁1bと、上壁1cと、下壁1dと、を構成する。
フロントサイドメンバアウタ2は、側壁部11と、フランジ部12と、フランジ部13を備えている。側壁部11は、フロントサイドメンバ1のアウタ側の側壁1aを構成している。フランジ部12は、側壁部11の上側の縁部に形成され、フロントサイドメンバインナ3のフランジ部24と接合される。フランジ部13は、側壁部11の下側の縁部に形成され、フロントサイドメンバインナ3のフランジ部26と接合される。例えば、フロントサイドメンバアウタ2の側壁部11、フランジ部12、フランジ部13は、長尺な平板を折り曲げ加工やプレス加工などをすることによって形成される。
フロントサイドメンバインナ3は、側壁部21と、上壁部22と、下壁部23と、フランジ部24と、フランジ部26と、を備えている。側壁部21は、フロントサイドメンバ1のインナ側の側壁1bを構成している。上壁部22は、フロントサイドメンバ1の上壁1cを構成している。下壁部23は、フロントサイドメンバ1の下壁1dを構成している。フランジ部24は、上壁部22のアウタ側の縁部に形成され、フロントサイドメンバアウタ2のフランジ部12と接合される。フランジ部26は、下壁部23のアウタ側の縁部に形成され、フロントサイドメンバアウタ2のフランジ部13と接合される。例えば、フロントサイドメンバインナ3の側壁部21、上壁部22、下壁部23、フランジ部24、フランジ部26は、長尺な平板を折り曲げ加工やプレス加工などをすることによって形成される。
フロントサイドメンバ1の前部FAでは、上側のフランジ部12及びフランジ部24は、水平に広がった状態で、車両前後方向に延びている。すなわち、フランジ部12は、側壁部11の上縁から水平に屈曲している。フランジ部24は、上壁部22のアウタ側の縁部から真直ぐ水平に延びている。フロントサイドメンバ1の中間部MA及び後部RAでは、上側のフランジ部12及びフランジ部24は、鉛直に広がった状態で、車両前後方向に延びている。すなわち、フランジ部12は、側壁部11の上縁から真直ぐ上方に延びている。フランジ部24は、上壁部22のアウタ側の縁部から上方に屈曲している。フロントサイドメンバ1の前部FA、中間部MA、後部RAでは、下側のフランジ部13及びフランジ部26は、鉛直に広がった状態で、車両前後方向に延びている。すなわち、フランジ部13は、側壁部11の下縁から真直ぐ下方に延びている。フランジ部26は、下壁部23のアウタ側の縁部から下方に屈曲している。
断面減少部5では、フロントサイドメンバアウタ2の側壁部11、フランジ部12、フランジ部13は、車両上下方向から見て円弧を描くように湾曲している。フロントサイドメンバインナ3のフランジ部24、フランジ部26も、当該形状に対応するように湾曲している。フロントサイドメンバインナ3の上壁部22及び下壁部23のインナ側の縁部も、当該形状に対応するように湾曲している。
フロントサイドメンバ1には、車両前方からの荷重によって変形を誘発する変形誘発部30A,30B,30C,30D,30Eが、車両前後方向に沿って形成されている。変形誘発部30A,30B,30C,30D,30Eは、フロントサイドメンバ1の水平方向の折り曲げ変形を誘発する(すなわち、車両上下方向に延びる軸線周りの折り曲げ変形)。フロントサイドメンバ1には、車両前方から順番に、変形誘発部30A、変形誘発部30B、変形誘発部30C、変形誘発部30D、変形誘発部30Eが形成される(図3を参照)。変形誘発部30A,30Bは、フロントサイドメンバ1の前部FAに形成される。変形誘発部30Cは、フロントサイドメンバ1の中間部MAに形成される。変形誘発部30D,30Eは、フロントサイドメンバ1の後部RAに形成される。
また、変形誘発部30A,30B,30C,30D,30Eは、車両前後方向に沿って、フロントサイドメンバ1のアウタ側とインナ側とに交互に形成される。変形誘発部30Aは、フロントサイドメンバ1のアウタ側に形成される。変形誘発部30Bは、フロントサイドメンバ1のインナ側に形成される。変形誘発部30Cは,フロントサイドメンバ1のアウタ側に形成される。変形誘発部30Dは、フロントサイドメンバ1のインナ側に形成される。変形誘発部30Eは、フロントサイドメンバ1のアウタ側に形成される。これによって、フロントサイドメンバ1はアウタ側とインナ側で交互に変形する。すなわち、フロントサイドメンバ1は、変形誘発部30Aの位置でインナ側へ向かって折れ曲がり、変形誘発部30Bの位置でアウタ側へ向かって折れ曲がり、変形誘発部30Cの位置でインナ側へ向かって折れ曲がり、変形誘発部30Dの位置でアウタ側へ向かって折れ曲がり、変形誘発部30Eの位置でインナ側へ向かって折れ曲がる。なお、「インナ側へ向かって折れ曲がる」とは、フロントサイドメンバ1のインナ側の側壁1bが山を形成し、アウタ側の側壁1aが谷を形成するように、インナ側へ凸となるように折れ曲がることである。「アウタ側へ向かって折れ曲がる」とは、フロントサイドメンバ1のアウタ側の側壁1aが山を形成し、インナ側の側壁1bが谷を形成するように、アウタ側へ凸となるように折れ曲がることである。
変形誘発部30A,30B,30C,30D,30Eは、荷重によって座屈する脆弱部40A,40B,40C,40D,40Eによって構成されている。脆弱部40A,40B,40C,40D,40Eは、他の部分(フロントサイドメンバ1のうち、脆弱部40A,40B,40C,40D,40Eを除いた部分)に比して座屈に対する強度が低い。脆弱部40A,40B,40C,40D,40Eの座屈強度は、他の部分に比して20%以上低く設定されていることが好ましい。例えば、フロントサイドメンバ1の材料として超ハイテン材料やテーラードブランク材を用いる。脆弱部40A,40B,40C,40D,40Eは、フロントサイドメンバ1における該当部分を熱処理(焼き鈍し)して強度を低下させることにより、形成される。あるいは、部分的な低強度材料の使用によって強度を低下させる。なお、脆弱部40D,40Eの座屈強度は、脆弱部40A,40B,40Cの座屈強度より高く設定されている。これにより、変形誘発部30D,30Eは、変形誘発部30A,30B,30Cが変形した後に変形する。
変形誘発部30Aを構成する脆弱部40Aは、フロントサイドメンバ1のインナ側に比してアウタ側を座屈し易くする。具体的に、脆弱部40Aは、フロントサイドメンバアウタ2に形成される側部41と、フロントサイドメンバインナ3に形成される上部42及び下部43と、によって構成される。フロントサイドメンバアウタ2には、一定の幅(車両前後方向の大きさ)にて、フランジ部12、側壁部11、フランジ部13にわたって、矩形状の側部41が形成される。フロントサイドメンバインナ3には、上壁部22のインナ側の縁部に頂点部を有し、フランジ部24の外縁部に底辺部を有するような三角形状の上部42が形成される。また、フロントサイドメンバインナ3には、下壁部23のインナ側の縁部に頂点部を有し、フランジ部26の外縁部に底辺部を有するような三角形状の下部43が形成される。上部42及び下部43の底辺部は、側部41と同位置に配置され、側部41の幅(車両前後方向の大きさ)と略同じ大きさに形成される。これにより、脆弱部40Aは、フロントサイドメンバ1のアウタ側の側壁1aに矩形状に構成された部分と、上壁1c及び下壁1dに三角形状に構成された部分と、を有する。上壁1c及び下壁1dの三角形は、弱くするアウタ側に底辺部が配置されるように、形成される。変形誘発部30Cを構成する脆弱部40C及び変形誘発部30Eを構成する脆弱部40Eは、脆弱部40Aと同趣旨の構成を有する。なお、後部RAの変形誘発部30Eは、折り曲げ変形可能な構成(例えばアウタ側にビードなどの折り曲げ部を設ける)であれば、脆弱部40Eの座屈による変形構造でなくともよい。
変形誘発部30Bを構成する脆弱部40Bは、フロントサイドメンバ1のアウタ側に比してインナ側を座屈し易くする。具体的に、脆弱部40Bは、フロントサイドメンバインナ3に形成される側部46、上部47及び下部48によって構成される。フロントサイドメンバインナ3には、一定の幅(車両前後方向の大きさ)にて、側壁部21の車両上下方向にわたって、矩形状の側部46が形成される。フロントサイドメンバインナ3には、上壁部22のアウタ側の縁部(またはフランジ部24の外縁部でもよい)に頂点部を有し、上壁部22のインナ側の縁部に底辺部を有するような三角形状の上部47が形成される。また、フロントサイドメンバインナ3には、下壁部23のアウタ側の縁部(またはフランジ部26の外縁部でもよい)に頂点部を有し、下壁部23のインナ側の縁部に底辺部を有するような三角形状の下部48が形成される。上部47及び下部48の底辺部は、側部46と同位置に配置され、側部46の幅(車両前後方向の大きさ)と略同じ大きさに形成される。これにより、脆弱部40Bは、フロントサイドメンバ1のインナ側の側壁1bに矩形状に構成された部分と、上壁1c及び下壁1dに三角形状に構成された部分と、を有する。上壁1c及び下壁1dの三角形は、弱くするインナ側に底辺部が配置されるように、形成される。変形誘発部30Dを構成する脆弱部40Dは、脆弱部40Bと同趣旨の構成を有する。なお、後部RAの変形誘発部30Dは、折り曲げ変形可能な構成(例えばインナ側にビードなどの折り曲げ部を設ける)であれば、脆弱部40Dの座屈による変形構造でなくともよい。
フロントサイドメンバ1に車両前方から荷重が作用すると、変形誘発部30A,30C,30Eでは、脆弱部40の側部41が座屈して潰れると共に、上部42及び下部43の底辺部側が座屈して潰れる。これにより、フロントサイドメンバ1は、変形誘発部30A,30C,30Eの位置で、インナ側に向かって折れ曲がる。また、変形誘発部30B,30Dでは、脆弱部40の側部46が座屈して潰れると共に、上部47及び下部48の底辺部側が座屈して潰れる。これにより、フロントサイドメンバ1は、変形誘発部30B,30Dの位置で、アウタ側に向かって折れ曲がる。以上により、図3や図6(a)に示すように、フロントサイドメンバ1は、水平面内でジグザグ状に変形する。フロントサイドメンバ1は、車両の前部FAでも折れ曲がり変形することで、安定した変形モードを実現できる。
各変形誘発部30A,30B,30C,30D,30Eのうち、車両前後方向に隣り合う変形誘発部同士の間の距離は、車両後方ほど大きくなっている。すなわち、変形誘発部30Cと変形誘発部30Bとの間の距離L2は、変形誘発部30Bと変形誘発部30Aとの間の距離L1よりも大きい。変形誘発部30Dと変形誘発部30Cとの間の距離L3は、変形誘発部30Cと変形誘発部30Bとの間の距離L2よりも大きい。変形誘発部30Eと変形誘発部30Dとの間の距離L4は、変形誘発部30Dと変形誘発部30Cとの間の距離L3よりも大きい。なお、各距離は、一の変形誘発部の車両前後方向の中央位置と、隣の変形誘発部の車両前後方向の中央位置との間の距離である。
具体的には、変形誘発部30Bと変形誘発部30Aとの間の距離L1は、フロントサイドメンバ1の断面幅LDと同じ大きさに設定されることが好ましい。変形誘発部30Cと変形誘発部30Bとの間の距離L2は、距離L1の3倍以上の距離に設定されることが好ましい。または、本実施形態のようにフロントサイドメンバ1が断面減少部5を有している場合は、最大減少位置(断面幅が一番小さくなる位置)に変形誘発部30Cが設けられることが好ましい。
次に、上述のように構成されたフロントサイドメンバ1の変形について説明する。
変形誘発部30Cと変形誘発部30Bとの間の距離L2は、変形誘発部30Bと変形誘発部30Aとの間の距離L1よりも大きい。従って、フロントサイドメンバ1に車両前方から荷重が作用したとき、変形誘発部30Cと変形誘発部30Bが先に変形し、その後で変形誘発部30Aが変形する。図2(a)のモデル図に示すように、フロントサイドメンバ1に荷重Fが作用すると、変形誘発部30A及び変形誘発部30Cにはインナ側へ折り曲げようとする力SFが作用し、変形誘発部30Bにはアウタ側へ折り曲げようとする力SFが作用する。各変形誘発部30A,30B,30Cに作用する力SFの大きさは、いずれも同じである。しかし、変形誘発部30Cと変形誘発部30Bとの間の距離L2は、変形誘発部30Bと変形誘発部30Aとの間の距離L1よりも大きい。従って、変形誘発部30Bを基準とした場合、距離L2が大きい変形誘発部30C側のモーメントM2は、距離L1が小さい変形誘発部30A側のモーメントM1よりも大きくなる。以上より、変形誘発部30Cと変形誘発部30Bが先に変形し、その後で変形誘発部30Aが変形する。
フロントサイドメンバ1全体で見たとき、図3に示すような順序で変形する。図3(a)に示すように、フロントサイドメンバ1の前端には、バンパレインフォースメント50が、クラッシュボックス51を介して連結されている。図3(b)に示すように、バンパレインフォースメント50に荷重が入力されると、まずはクラッシュボックス51が潰れる。
次に、図3(c)に示すように、変形誘発部30Bと変形誘発部30Cが変形する。すなわち、フロントサイドメンバ1が、変形誘発部30Cの位置でインナ側に向かって折れ曲がり、変形誘発部30Bの位置でアウタ側に向かって折れ曲がる。前述の理由により、変形誘発部30B,30Cは、変形誘発部30Aより先に変形する。このとき、変形誘発部30Cは、折れ曲がり変形によってインナ側へ移動することで、パワートレインユニットPTUの側面と衝突する。
次に、図3(d)に示すように、変形誘発部30Aが変形する。すなわち、フロントサイドメンバ1が、変形誘発部30Aの位置でインナ側に向かって折れ曲がる。また、変形誘発部30Bでも引き続き変形する。これにより、バンパレインフォースメント50はスムーズに車両後方へ移動する。また、フロントサイドメンバ1を後方へ押込むような力が、後部RAへ伝達される。なお、変形誘発部30D,30Eは、座屈に対する強度が変形誘発部30A,30B,30Cに比して高く設定されている。従って、変形誘発部30A,30B,30Cでの変形が、変形誘発部30D,30Eでの変形よりも早く起こる。
次に、図3(e)に示すように、変形誘発部30Dと変形誘発部30Eが変形する。すなわち、フロントサイドメンバ1が、変形誘発部30Dの位置でアウタ側に向かって折れ曲がり、変形誘発部30Eの位置でインナ側に向かって折れ曲がる。また、変形誘発部30Cも引き続き変形する。なお、変形誘発部30Cは、パワートレインユニットPTUの干渉後も、車両後方へ移動する。各種変形誘発部で変形が進み、最終的に図3(f)に示すような状態となる。
比較例に係る構造として、図4に示すフロントサイドメンバ400が挙げられる。フロントサイドメンバ400は、断面減少部5を有しているが、本実施形態のような変形誘発部30A,30B,30Cを有していない。このような構造により、比較例に係るフロントサイドメンバ400は、図5(b)及び図6(b)に示すように、バンパレインフォースメント50に荷重が作用したとき、断面減少部5の部分でインナ側へ折れ曲がる(本実施形態の変形誘発部30Cと略同じ位置で変形する)。一方、フロントサイドメンバ400は、バンパレインフォースメント50との接続部分52で変形するが、車両前部では折れ曲がることなく突っ張る。このように比較例に係るフロントサイドメンバ400は、接続部分52の角度変化が大きくなり、不安定な変形モードにて変形する。なお、図5(b)及び図6(b)では、フロントサイドメンバ40の変形モードを明確にするため、クラッシュボックス51は省略している。
図7(b)は、比較例に係るフロントサイドメンバ400の変形の様子をより詳細に示している。図7(b)に示すように、フロントサイドメンバ400は、断面減少部5で折れ曲がり、パワートレインユニットPTUと干渉する。このとき、折れたフロントサイドメンバ400がパワートレインユニットPTUと干渉する一方、フロントサイドメンバ400の前部は突っ張って折れない。従って、フロントサイドメンバ400がパワートレインユニットPTUをインナ側へ押すような力が作用する一方で、フロントサイドメンバ400を車両後方へ押込む力は弱くなる。従って、フロントサイドメンバ400の後部の変形(変形誘発部30D,30Eでの変形)が阻害されてしまい、衝撃吸収量が少なくなる。また、フロントサイドメンバ400の変形が、不安定なものとなってしまう。図6(b)に示すように、フロントサイドメンバ400は、変形のストローク(初期のバンパレインフォースメント50と、変形後のバンパレインフォースメント50との間の距離)を大きくすることができない。
本実施形態に係るフロントサイドメンバ1は、図5(a)及び図6(a)に示すように、変形誘発部30Cでインナ側へ折れ曲がるのみならず、バンパレインフォースメント50の近傍にて、変形誘発部30Bでアウタ側へ折れ曲がり、変形誘発部30Aでインナ側へ折れ曲がる。このとき、変形誘発部30Bと変形誘発部30Cとの距離L2が、変形誘発部30Aと変形誘発部30Bとの距離L1より大きいため、変形誘発部30Cでの変形が、変形誘発部30Aでの変形より先に起きる。フロントサイドメンバ1は、前部側において三箇所でジグザグ状の折り曲げ変形することにより、多関節化によって当該部分での変形量が増え、エネルギー吸収量が大きくなる。また、フロントサイドメンバ1とバンパレインフォースメント50との接続部分52は、比較例のように大きく角度変化することなく、位置を保ったままで安定的に車両後方へそのまま移動できる。
図7(a)は、本実施形態に係るフロントサイドメンバ1の変形の様子をより詳細に示している。図7(a)に示すように、フロントサイドメンバ1は、変形誘発部30C(断面減少部5)で折れ曲がり、パワートレインユニットPTUと干渉する。このとき、折れたフロントサイドメンバ400がパワートレインユニットPTUと干渉する一方、フロントサイドメンバ1の前部は、変形誘発部30B及び変形誘発部30Aにて折れ曲がる。従って、フロントサイドメンバ1は、変形誘発部30CにてパワートレインユニットPTUと干渉した後も、変形誘発部30A,30Bでの変形により、安定的に車両後方へ押込む力が伝達され(変形誘発部30Cは、変形例のようにパワートレインユニットPTUを車幅方向内側へ押込まない)、変形誘発部30D及び変形誘発部30Eにてしっかりと変形する。このように、変形誘発部30A,30Bで変形することに加え、変形誘発部30D,30Eでの変形量もしっかりと確保できる。従って、衝撃吸収量が増加する。また、フロントサイドメンバ1の変形が、安定したものとなる。図6(a)に示すように、フロントサイドメンバ1は、変形のストローク(初期のバンパレインフォースメント50と、変形後のバンパレインフォースメント50との間の距離)を、比較例に比して大きくすることができる。これにより、フロントサイドメンバ1は、衝突時の衝撃吸収量を十分に確保することで、後側の車体構造の強度を高くすることにより車重が重くなることを防止できる。また、変形の多関節化により変形モードを安定させることができる。
以上のように、前突により車両前方から荷重がかかったとき、フロントサイドメンバ1は、エンジン等のパワートレインユニットPTUの付近の変形誘発部30Cにて、インナ側へ向かって変形し、パワートレインユニットPTUと干渉する。このとき、フロントサイドメンバ1は、変形誘発部間の距離が小さい前部で変形して後退する。すなわち、当該部分での変形量を確保できる。また、当該変形により、フロントサイドメンバ1の後側の部分に、当該フロントサイドメンバ1を車両後方へ向かって押込むような力が伝達される。従って、パワートレインユニットPTUと干渉した部分より後側の部分での変形量も大きくすることができる。以上により、十分な衝撃吸収量が確保される。
[第2実施形態]
図8及び図9を参照して、第2実施形態に係るフロントサイドメンバ100について説明する。第2実施形態に係るフロントサイドメンバ100は、別部材を用いて脆弱部140を形成している点で、第1実施形態に係るフロントサイドメンバ1と主に相違している。
図8に示すように、フロントサイドメンバ100の脆弱部140A,140B,140Cは、他の部分の材料に比して強度の低い部材を取り付けることによって、構成されている。脆弱部140A,140B,140Cの位置・形状・大きさは、第1実施形態のフロントサイドメンバ1の脆弱部40A,40B,40Cと略同じである。変形誘発部30A,30B,30Cは、当該脆弱部140A,140B,140Cによって構成されている。なお、変形誘発部30D,30Eも、別部材による脆弱部によって構成されてよい。
脆弱部140A,140B,140Cは、例えばテーラードブランク溶接によって形成される。すなわち、フロントサイドメンバアウタ2とフロントサイドメンバインナ3の該当部分が切り取られる。脆弱部140A,140B,140Cは、当該切り取り部分に、強度の低い別部材を溶接することによって構成される。別部材として、フロントサイドメンバアウタ2とフロントサイドメンバインナ3の材料よりも強度が弱い材料からなる部材、または、フロントサイドメンバアウタ2とフロントサイドメンバインナ3の板厚よりも薄い板厚からなる部材を採用することができる。
例えば、図9(a)に示すように、平板状態のフロントサイドメンバインナ3の該当部分を切り取り、当該部分に別部材142,143,145を溶接する。また、図9(b)に示すような構成としてもよい。図9(b)の例では、三角形の別部材142,143が接続部146で接続されている。これにより、別部材142,143,146を一枚のピースとすることができる。これにより、テーラードブランク溶接のための細切れ数を少なくできるため、製造が容易になる。
以上のような第2実施形態に係るフロントサイドメンバ100は、第1実施形態に係るフロントサイドメンバ1と同様の作用・効果を得ることができる。
[第3実施形態]
図10及び図11を参照して、第3実施形態に係るフロントサイドメンバ200について説明する。第3実施形態に係るフロントサイドメンバ200は、折り曲げ部240によって変形誘発部30を形成している点、中間部MA及び後部RAが補強されている点で、第1実施形態に係るフロントサイドメンバ1と主に相違している。
図10及び図11に示すように、第3実施形態に係るフロントサイドメンバ200は、フロントサイドメンバアウタ2及びフロントサイドメンバインナ3に加え、リインホース210を有している。また、変形誘発部30A,30B,30Cは、折り曲げ部240A,240B,240Cによって構成されている。
リインホース210は、フロントサイドメンバ200の中間部MA及び後部RAを補強する部材であり、当該領域において、フロントサイドメンバ200の内部に設けられる。リインホース210は、フロントサイドメンバインナ3の内面と略一致するような形状を有している。具体的には、リインホース210は、側壁部21を補強する側部221、上壁部22を補強する上壁部222、下壁部23を補強する下部223、フランジ部24,26を補強するフランジ部224,226を有している。リインホース210は、前端部に、上壁部222及び下部223が車両前方に突出する突出部222a,223aを有している。突出部222a,223aは、上壁部222及び下部223のアウタ側を突出させることにより構成されている。上壁部222及び下部223のインナ側は突出していない。なお、リインホース210の前端部(突出部222a,223aを含む)には、内側へ折り曲げることでフランジ部230が形成されている。以上のような構成により、フロントサイドメンバ200は、車両前後方向における前側領域(主に前部FAを含んでいる)と、前側領域よりも強度が高い後側領域(主に中間部MA及び後部RAを含んでいる)を有する。後側領域は、リインホース210で補強される部分である。前側領域と後側領域の境界部分では、アウタ側は突出部222a,223aで補強され、インナ側は補強されていない。
変形誘発部30A及び変形誘発部30Bは、補強されていない前側領域に形成される。変形誘発部30Aは、アウタ側に設けられた折り曲げ部240Aによって構成される。折り曲げ部240Aは、フロントサイドメンバアウタ2の側壁部11に形成される縦ビード241によって構成される。縦ビード241は、インナ側へ窪んだ形状を有しており、車両上下方向に渡って形成されている。当該折り曲げ部240Aにより、フロントサイドメンバ200は、インナ側へ折り曲がり易くなる。変形誘発部30Bは、インナ側に設けられた折り曲げ部240Bによって構成される。折り曲げ部240Bは、フロントサイドメンバインナ3に形成されるビード242によって構成される。ビード242は、フロントサイドメンバインナ3の側壁部21と上壁部22との間の角部と、側壁部21と下壁部23との間の角部に形成されている。ビード242は、アウタ側へ窪んだ形状を有している。ビード242は、前側領域と後側領域の境界部分付近であって、リインホース210で補強されていない部分に形成されている。すなわち、ビード242は、フロントサイドメンバ200の前側領域のうち、リインホース210の前端部の前方に配置されている。このように、急に強度が変化する位置にビード242が形成されることで、折り曲げ部240Bで折れ曲がり易くなる。当該折り曲げ部240Bにより、フロントサイドメンバ200は、アウタ側へ折り曲がり易くなる。
変形誘発部30Cは、補強されている後側領域に形成される。変形誘発部30Cは、リインホース210のアウタ側に設けられた折り曲げ部240Cによって構成される。折り曲げ部240Cは、リインホース210の上壁部222のアウタ側に形成された急激な段差部244によって構成されている。リインホース210の上壁部222は、前端部から車両後方へ向かうに従って、フロントサイドメンバインナ3の上壁部22から下方へ離間する。そして、上壁部222は、折り曲げ部240の位置において、急激に上方へ向かって屈曲され、段差部244が形成される。段差部244は、アウタ側のみが急激に屈曲されており、インナ側は変化がない。従って、段差部244は、アウタ側に底辺を有し、インナ側に頂点を有する三角形状を有する。インナ側には、緩やかな段差部246が形成されている。段差部246は、インナ側に底辺を有し、アウタ側に頂点を有する三角形状を有する。段差部246の底辺は、段差部244の底辺よりも長く、傾斜が緩やかである。上壁部222は、段差部244,246よりも車両後方では、上壁部22と重なる。当該折り曲げ部240Cにより、フロントサイドメンバ200は、インナ側へ折り曲がり易くなる。
なお、変形誘発部30D,30Eも折り曲げ部によって構成されている。ただし、変形誘発部30D,30Eのみ第1,2実施形態のような脆弱部によって構成してもよい。
変形誘発部30A,30B,30C,30D,30Eのお互いの寸法関係(距離L1、L2などの関係)は、第1,2実施形態における寸法関係と同様である。従って、第3実施形態に係るフロントサイドメンバ200も、図3、図5〜7に示すような変形の順序、変形の態様、変形モードにて変形する。従って、第3実施形態に係るフロントサイドメンバ200は、第1,2実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
上述のような構成により、フロントサイドメンバ200では、補強されていない前側領域には、車両前方からの荷重によって折り曲げ変形を誘発する前側変形誘発部が形成され、強度が高い後側領域には、車両前方からの荷重によって折り曲げ変形を誘発する後側変形誘発部が形成される。前側変形誘発部は、変形誘発部30A,30Bによって構成される。後側変形誘発部は、変形誘発部30Cによって構成される。すなわち、前側変形誘発部は、アウタ側とインナ側にそれぞれ形成される折り曲げ部240A,240Bを有し、後側変形誘発部は、後側領域を補強するリインホース210に設けられた折り曲げ部240Cを有する。
前突により車両前側から荷重がかかったとき、フロントサイドメンバ200は、パワートレインユニットPTUの付近の変形誘発部30C(後側変形誘発部)にて、インナ側へ向かって変形し、パワートレインユニットPTUと干渉する。このとき、フロントサイドメンバ200は、強度が低い変形誘発部30A,30B(前側変形誘発部)で変形して後退する。すなわち、当該部分での変形量を確保できる。また、当該変形により、フロントサイドメンバ200の後側の部分に、当該フロントサイドメンバ200を車両後方へ向かって押込むような力が伝達される。従って、パワートレインユニットPTUと干渉した変形誘発部30C(後側変形誘発部)よりも後側の部分での変形量も大きくすることができる。以上により、十分な衝撃吸収量が確保される。また、変形の多関節化により変形モードを安定させることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、各変形誘発部は、脆弱部40、脆弱部140、折り曲げ部240のいずれか一種類によってそれぞれ構成されていた。しかし、一の変形誘発部と他の変形誘発部とで、異なる種類が適用されていてもよい。すなわち、一本のフロントサイドメンバに対して、脆弱部40、脆弱部140、折り曲げ部240の二種類以上が混在している構造を採用してもよい。
また、一本のフロントサイドメンバに対して5つの変形誘発部が形成されていたが、特に限定されず、これより多くても少なくてもよい。また、パワートレインユニットPUTの位置も特に限定されない。
変形誘発部の種類、脆弱部の形状は、上述の実施形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、種々の構成を採用することができる。
本発明は、車両の前部で車両前後方向に延びる骨格部材に利用可能である。
1,100,200…フロントサイドメンバ(骨格部材)、30A…変形誘発部(第1の変形誘発部、前側変形誘発部)、30B…変形誘発部(第2の変形誘発部、前側変形誘発部)、30C…変形誘発部(第3の変形誘発部、後側変形誘発部)、30D,30E…変形誘発部、40A,40B,40C,140A,140B,140C…脆弱部、240A,240B,240C…折り曲げ部、210…リインホース(補強部材)、PTU…パワートレインユニット。

Claims (1)

  1. 車両前方から順番に、第1の変形誘発部、第2の変形誘発部、第3の変形誘発部が骨格部材に形成され、
    前記第3の変形誘発部は、車幅方向においてパワートレインユニットと隣り合う位置に配置され、
    前記第1の変形誘発部は前記骨格部材のアウタ側に形成され、当該第1の変形誘発部の位置で、前記骨格部材はインナ側へ向かって折れ曲がり、
    前記第2の変形誘発部は前記骨格部材のインナ側に形成され、当該第2の変形誘発部の位置で、前記骨格部材はアウタ側へ向かって折れ曲がり、
    前記第3の変形誘発部は前記骨格部材のアウタ側に形成され、当該第3の変形誘発部の位置で、前記骨格部材はインナ側へ向かって折れ曲がり、
    前記第1の変形誘発部と前記第2の変形誘発部との間の、車両前後方向における距離は、前記第2の変形誘発部と前記第3の変形誘発部との間の、前記車両前後方向における距離よりも小さいことを特徴とする骨格部材。
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