JP5888456B2 - 車両端部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両端部構造に関する。
特許文献1には、サイドメンバの前端部に設けたサブサイドメンバを車幅方向内側に向けて折曲変形させてパワーユニットに干渉させる技術が開示されている。そして、微小ラップ衝突時にサブサイドメンバを折曲変形させてパワーユニットに干渉させることで、車両前後方向の衝突荷重を車両幅方向内側方向に変換し、車両の車両幅方向内側への移動を誘起・促進して車両の変形量を低減させている。
しかし、上記先行技術では、微小ラップ衝突時にサイドメンバが潰れきってから車両前部のパワーユニットに干渉して車両幅方向内側に移動させる力が発生する。よって、微小ラップ衝突時の衝突初期から車両の車両幅方向内側への移動を誘起・促進させて衝突性能を向上させる点において、改善の余地が有る。
なお、その他関連する技術が特許文献2〜特許文献4に開示されている。
特開2004−066932号公報 特開2008−213739号公報 特開2009−137359号公報 特開2011−051361号公報
本発明は、上記事実を考慮し、微小ラップ衝突時の衝突初期から車両を車両幅方向内側に移動させて衝突性能を向上させることができる車両端部構造を提供することが課題である。
請求項1に記載の車両端部構造は、車両の前端部又は後端部に車両幅方向に沿って配置されたバンパリインフォースと、車両幅方向の両側部に車両前後方向に沿ってそれぞれ配置されたサイドメンバと、前記バンパリインフォースと前記サイドメンバとの間に設けられ、前記サイドメンバよりも軸圧縮強度が低いクラッシュボックスと、前記クラッシュボックスの車両幅方向外側に設けられ、前記サイドメンバ側に近づくに従って車両幅方向内側に傾斜した側壁部を有し、前記バンパリインフォースと前記クラッシュボックスにおける前記サイドメンバとの接合部とに連結された連結部材と、を備え、車両幅方向外側方向の荷重が前記連結部材に作用すると、前記連結部材と前記クラッシュボックスにおける前記サイドメンバとの接合部との連結を解除する解除手段が設けられている。
請求項1に記載の車両端部構造では、連結部材には、車両幅方向内側に傾斜している傾斜部が形成されている。よって、微少ラップ衝突時においては、連結部材にはクラッシュボックスのパンパリインフォースとの接合部位を回転中心とする車両上下方向の軸回りの回転モーメントが発生する。この回転モーメントによって連結部材がクラッシュボックスに接触し、車両幅方向内側への移動が規制される。よって、車両の先端部で車両幅方向内側方向の力が反力として発生する。つまり、微小ラップ衝突時の衝突初期から車両幅方向内側への力が発生し、これにより微小ラップ衝突時の衝突初期から車両の車両幅方向内側への移動が誘起・促進される。
したがって、微小ラップ衝突時の衝突初期から車両が車両幅方向内側に移動するので、衝突初期において車両が移動しない場合と比較し、車両幅方向内側への移動量が大きくなり、衝突性能が向上する。
また、フルラップ衝突時において、車両幅方向外側方向の荷重が連結部材に作用すると、解除手段によって連結部材とクラッシュボックスにおけるサイドメンバとの接合部との連結が解除される。よって、クラッシュボックスの圧壊が連結部材によって拘束されないので、クラッシュボックスのクラッシュストロークが確保される。
請求項1に記載の発明によれば、微小ラップ衝突時の衝突初期から車両の車両幅方向内側への移動を誘起・促進させて衝突性能を向上させることができる。
本発明の第一実施形態の車両端部構造が適用された車両前部を模式的に示す平面図である。 本発明の第一実施形態の車両端部構造が適用された車両前部の左側要部を車両左側斜め後方側から見た場合の斜視図である。 本発明の第一実施形態の車両端部構造が適用された車両前部の左側要部における連結部材が連結される前の状態を車両左側斜め前方側から見た場合の分解斜視図である。 図2のA−A線に沿った縦断面図である。 本発明の第一実施形態の車両端部構造が適用された車両前部に衝突物が微小ラップ衝突した状態を説明するための平面図である。 本発明の第一実施形態の車両端部構造が適用された車両前部に衝突物がフルラップ衝突した状態を説明するための平面図である。 (A)はフルラップ衝突時のボルト締結力(軸力)と衝突物の荷重との関係及び条件を説明する説明図であり、(B)はフルラップ衝突時の一方(片側)のボルト締結力(軸力)と衝突物の荷重との関係及び条件を説明する説明図であり、(C)は連結部材のフランジ部にかかる力fの計算式である。 (A)はサイドメンバの車両上下方向の振動を説明するための側面図であり、(B)は振動モードを示す模式図である。 サイドメンバの車両幅方向の振動を説明するための平面図である。 サイドメンバの振動レベルと周波数との関係を示すグラフである。 本発明の第二実施形態の車両端部構造が適用された車両前部の左側要部を車両左側斜め後方側から見た場合の斜視図である。 図11に示す連結部材の斜視図である。 図11のA−A線に沿った縦断面図である。 本発明の第二実施形態の車両端部構造が適用された車両前部に衝突物がフルラップ衝突した状態を説明するための平面図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の車両端部構造について、図1〜図10を用いて説明する。なお、各図における矢印UPは車両上下方向上側を示し、矢印FRは車両前後方向前側を示し、矢印OUTは、車両幅方向外側を示している。また、図2〜図5は車両幅方向の左側のみを図示しているが、図示していない右側も左側と左右対称である以外は同様の構成である。
図1に示すように、車両10の車両前後方向の中央部には、車室としてのキャビン11が設けられおり、キャビン11の車両前方側には、エンジン等のパワーユニットが設けられたエンジルーム13が設けられている。
車両10の前端部には、閉断面構造のバンパリインフォース(フロントバンパリインフォースメント)12が、車両幅方向を長手方向として配置されている。バンパリインフォース12は、平面視において、車両幅方向の中央部分が車両前方側に膨出した(突き出た)ラウンド形状とされている。また、バンパリインフォース12の車両前方側には、図示しないフロントバンパカバーが取り付けられている。
車両10の車両幅方向の両側部には、左右一対の閉断面構造のサイドメンバ(フロントサイドメンバ)14が車両前後方向を長手方向として配置されている。サイドメンバ14の後部は、平面視において、それぞれ車幅方向内側へ湾曲している。また、サイドメンバ14の前端部は、バンパリインフォース12に対して車両後方側に所定距離だけ離間した位置(オフセットした位置)に配置されている。
そして、サイドメンバ14の前端部とバンパリインフォース12の後面12Bとの間に、左右一対のクラッシュボックス30が設けられている。クラッシュボックス30の前端部はバンパリインフォース12に結合され、後端部はサイドメンバ14の前端部に結合されている。また、クラッシュボックス30の車両幅方向に沿った断面は略矩形状とされ、壁面には車両幅方向に沿ったビード32が複数形成されている(図2も参照)。なお、クラッシュボックス30は、サイドメンバ14よりも車両前後方向に沿った軸圧縮強度が低い。
図1及び図2に示すように、サイドメンバ14の前端部分には、矩形平板状のフランジ部16が設けられている。一方、クラッシュボックス30に後端部分には、矩形平板状のフランジ部36が設けられている。そして、サイドメンバ14のフランジ部16とクラッシュボックス30のフランジ部36とが重ね合わされた状態でボルト締結されることで、クラッシュボックス30とサイドメンバ14とが結合さている。なお、図1〜図3に示すように、クラッシュボックス30のフランジ部36は、サイドメンバ14のフランジ部16よりも大きく、フランジ部36よりも車両幅方向外側に延在する延在部34を有している。
図1〜図4に示すように、クラッシュボックス30の車両幅方外側には、クラッシュボックス30と間隔をあけて、左右一対の連結部材50が設けられている。図3及び図4に示すように、連結部材50は、上壁部52、下壁部54、及び側壁部56を含んで構成され、車両幅方向内側が開口された形状とされている。
上壁部52と下壁部54とは、車両上下方向に間隔をあけて設けられている。また、図2〜図4に示すように、上壁部52及び下壁部54は、平面視において、同形状の略直角三角形状とされ、車両前方側を底辺、車両幅方向外側が斜辺となるように配置されている(図1も参照)。なお、上壁部52には、車両幅方向に沿ったビード53が複数形成されている。また、同様に下壁部54にも車両幅方向に沿ったビード53が複数形成されている(図4参照)。
図2及び図3に示すように、連結部材50の車両幅方向外側を構成する側壁部56は、上壁部52と下壁部54との車両幅方向外側端部(略直角三角の斜辺)との間を繋ぐように設けられており、車両後方側(サイドメンバ14側)に向かうに従って車両幅方向内側に傾斜している(図1も参照)。この側壁部56の車両上下方向の中間部分には、車両幅方向内側に凸とされた断面矩形状のビード58が車両前後方向に沿って形成されている。図4に示すように、断面矩形状のビード58は、縦壁部(底面部)60と上下に対向して配置された横壁部62,64とで構成されている。よって、連結部材50におけるビード58が形成された部位の車両幅方向に沿った断面形状は、略横W字形状となっている。
また、図2〜図4に示すように、縦壁部60は、クラッシュボックス30の車両幅方向外側の側面部30Aに平行且つ対向して配置されている。よって、図2及び図3に示すように、ビード58は車両前方側から車両後方側に向かうに従って徐々に浅くなっている。
図3に示すように、連結部材50の上壁部52の前端部からは車両前方側に向かってフランジ部72が延在し、下壁部54の前端部からは車両前方側に向かってフランジ部74が延在している。図2に示すように、上側のフランジ部72がバンパリインフォース12の上面12Aとボルト締結されると共に、図示されていないが下側のフランジ部74がバンパリインフォース12の下面とボルト締結されることによって、連結部材50がバンパリインフォース12に連結されている。
図2及び図3に示すように、連結部材50の後端部には、車両幅方向外側に向かって延在するフランジ部76が形成されている。このフランジ部76は、クラッシュボックス30のフランジ部36の延在部34にボルト締結されている。図3に示すように、連結部材50のフランジ部76には締結孔77が形成され、クラッシュボックス30のフランジ部36の延在部34には車両幅方向外側が開放された略U字形状の切込部37が形成されている。そして、連結部材50のフランジ部76とクラッシュボックス30のフランジ部36の延在部34とが重ね合わされた状態で、締結孔77と切込部37とにボルト20(図2参照)が挿通され、ボルト締結されることによって、連結部材50がクラッシュボックス30の後端部に連結されている。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、平面視において、衝突物Sがバンパリインフォース12におけるクラッシュボックス30の図心よりも車両幅方向外側に衝突するような微小ラップ衝突の場合について説明する。
連結部材50の車両幅方向外側を構成する側壁部56は、上壁部52と下壁部54との車両幅方向外側端部(略直角三角の斜辺)との間を繋ぐように設けられており、車両後方側(サイドメンバ14側)に向かうに従って車両幅方向内側に傾斜している。よって、図5に示すように、衝突物Sがバンパリインフォース12の車両幅方向外側の端部に車両前方側から衝突すると、連結部材50には、クラッシュボックス30の先端部分を回転中心とする車両上下方向の軸回りの回転モーメントMが発生する。この回転モーメントMによって連結部材50はクラッシュボックス30に接触し、車両幅方向内側への移動が規制される。更に、連結部材50がバンパリインフォース12とクラッシュボックス30のフランジ部36の延在部34との間に挟まれて固定されると共に、衝突物Sの側面が車両方向外側に移動すると、連結部材50が衝突物Sとクラッシュボックス30との間に挟まれた状態となる。
このように、連結部材50を介して、クラッシュボックス30に車両幅方向内側方向(左右方向)の力Fが反力として発生する。つまり、車両10の先端部に車両幅方向内側方向の力Fが発生する。これにより、微小ラップ衝突時の衝突初期から車両10の車両幅方向内側への移動が誘起・促進される。よって、微小ラップ衝突時の衝突初期から車両10が車両幅方向内側に移動するので、衝突初期において車両が移動しない場合と比較し、衝突物Sがキャビン11にラップする時刻における移動量が大きくなる。別の観点から説明すると、車両10の先端部で車両10が車両幅方向内側に移動し始めるので、衝突物Sがキャビン11にラップする位置における移動量が大きくなり、衝突物Sとキャビン11との衝突が回避されやすくなる。したがって、衝突性能が向上する。
また、微小ラップ衝突時の衝突初期から(車両10の先端部で)車両幅方向の移動を始めるので、衝突後の速度が保たれまま、車両10が車両幅方向内側に移動して、衝突物Sから離れていく。よって、車両10が変形することによる衝突エネルギーの吸収量が小さくても、衝突性能が確保される。
なお、図4に示すように、連結部材50の側壁部56には、断面矩形状のビード58が形成されているので、連結部材50の剛性が向上している。特に、上壁部52及び下壁部54に加え横壁部62,64が形成されることによって、車両幅方向の剛性が効果的に向上している。したがって、ビード58が形成されていない構成と比較し、車両幅方向内側方向の力Fを大きくすることがでる。よって、車両10の車両幅方向内側の移動を大きくすることでき、より衝突性能が向上する。
つぎに、平面視において、衝突物Sがバンパリインフォース12とのラップ代が大きいフルラップ衝突の場合について説明する。
フルラップ衝突時では、バンパリインフォース12は車両幅方向両端部が車両前方側に開くように変形する。特に、バンパリインフォース12が車両幅方向の中央部分が車両前方側に膨出した(突き出た)ラウンド形状(図1参照)の場合は、まず衝突物Sは膨出した車両幅方向中央部分に衝突し、その後車両幅方向外側に衝突していく。よって、図1に示すように衝突前はラウンド形状であったバンパリインフォース12は、図6に示すように車両幅方向に沿って略真っ直ぐの形状になる。したがって、バンパリインフォース12は、より大きく且つより確実に、車両幅方向両端部が車両前方側に開くように変形する。これにより、連結部材50は、後端部、すなわちフランジ部76が車両幅方向外側に開くように変形する。
図2及び図3に示すように、クラッシュボックス30のフランジ部36の延在部34には車両幅方向外側が開放された略U字形状の切込部37が形成されている。よって、変形力がボルト20の締付力を越えると、切込部37からボルト20(図2参照)が抜け、連結部材50とクラッシュボックス30との連結が解除される。
よって、クラッシュボックス30が、連結部材50によって拘束されることなく、車両前後方向に圧壊するので、クラッシュボックス30のクラッシュストロークが確保される。したがって、クラッシュボックス30によって十分に衝突エネルギーが吸収される。
このように、微小ラップ衝突時には、車両10の先端部に連結部材50を配置して、クラッシュボックス30に当接さることで、衝突初期から車両幅方向内側方向の力を発生させ車両10を車両幅方向に移動させている。一方、フルラップ衝突時には、連結部材50の連結を解除することで、車両10の先端部に連結部材50を配置してもクラッシュボックス30の圧壊を拘束することなくクラッシュストロークを確保し衝突エネルギーを十分に吸収させている。
また、軽衝突時においては、連結部材50が圧縮変形することで衝突エネルギーが吸収される。そして、圧縮変形した連結部材50を交換することで修理対応が可能であり、リペアビリティが確保される。
つぎに、フルラップ衝突時のボルト20によるボルト締結力と連結部材50の連結解除との条件について説明する。
図7(A)には、ボルト締結力(軸力)と衝突物Sの荷重との関係及び条件が図示されている。そして、図7(B)には、左右の一方(片側)のボルト締結力(軸力)と衝突物Sの荷重との関係及び条件が図示されている(本図では右側が図示されている)。なお、図中のlは連結部材50の車両前後方向の長さを示し、wはバンパリインフォース12の車両幅方向中心位置とクラッシュボックス30の接合位置との距離を示し、F0は衝突物Sから受ける荷重を示し、Mは回転モーメントを示し、fは連結部材50のフランジ部76にかかる車両幅方向外側の力を示している。また、図7(C)に示す数式によって連結部材50のフランジ部76にかかる車両幅方向外側の力fが計算される。
そして、「片側のボルト締結力(軸力)と摩擦係数μとの積の総和(=Q)」よりも、連結部材50のフランジ部76にかかる車両幅方向外側の力f(図7(C)参照)が大きくなると、連結部材50の連結が解除される。つまり、Q>fとなると、連結部材50の連結が解除される。
つぎに、サイドメンバ14の振動によるキャビン11(図1参照)内の騒音(こもり音やロードノイズ)について説明する。
まず、図8(A)に示す連結部材50が設けられていない構成の場合を考える。
図8(A)及び図8(B)に示すように、バンパリインフォース12を質量としてクラッシュボックス30の車両上下方向の剛性をバネとしてモデル化して計算する。このモデル化した計算から、こもり音の原因となるサイドメンバ14への図示していないエンジンマウント(エンジン振動)からの車両上下方向の荷重の入力によって、車両上下方向の共振がサイドメンバ14に発生することが判る。
また、図9に示すように、バンパリインフォース12を質量としクラッシュボックス30の車両幅方向の剛性をバネとしてモデル化して計算する。このモデル化した計算から。ロードノイズの原因となるサイドメンバ14への図示していないサスペンションからの車両幅方向の入力によって、車両幅方向の共振がサイドメンバ14に発生することが判る。
そして、このようにサイドメンバ14の共振が発生してサイドメンバ14の振動が大きくなると、キャビン11(図1参照)内の騒音(こもり音やロードノイズ)を悪化させる要因になる。
一般的に、エンジンマウント(エンジン振動)やロードノイズのサスペンションからのサイドメンバ14への荷重の入力は、周波数が高くなるに従って小さくなる。よって、図10のグラフAのように、サイドメンバ14に発生する共振周波数(P1)は、できるだけ高い周波数となるように設定されている。
しかし、単純に連結部材を新たにバンパリインォースに接合して設けると、バンパリインフォース12に新たに質量が加わることになる。よって、図8(A)に示す連結部材50が設けられていない構成の場合は、図10のグラフAの振動モードであるのに対して、連結部材を新たにバンパリインフォースに接合して設けることによって、図10のグラフBのように、サイドメンバ14に発生する共振周波数(P2)が低くなると共に、振動レベルが大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図1や図2等に示すように、連結部材50をバンパリインフォース12とクラッシュボックス30の後端のフランジ部36とに連結することで、クラッシュボックス30が連結部材50によって補剛され、これによりクラッシュボックス30の剛性が向上する。また、連結部材50の剛性もクラッシュボックス30と同様にバネとしてモデル化することができる。
したがって、連結部材50をバンパリインフォース12とクラッシュボックス30の後端のフランジ部36とに連結することで、図10のグラフCのように、サイドメンバ14に発生する共振周波数(P3)が高くなると共に振動レベルが低下する。よって、エンジンマウント(エンジン振動)やロードノイズのサスペンションからのサイドメンバ14への荷重の入力が小さくなると共に、サイドメンバ14の共振によるキャビン11(図1参照)内の騒音(こもり音やロードノイズ)が抑制される。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態の車両端部構造について、図11〜図14を用いて説明する。なお、各図における矢印UPは車両上下方向上側を示し、矢印FRは車両前後方向前側を示し、矢印OUTは、車両幅方向外側を示している。また、各図は車両幅方向の左側のみが図示しているが、図示していない右側も左側と左右対称である以外は同様の構成である。更に、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図11に示すように、左右一対のクラッシュボックス31に後端部分には、矩形平板状のフランジ部33が設けられている。また、フランジ部33の車両幅方向外側の延在部35は、車両前方側に屈曲して延在している。延在部35は、若干車両幅方向外側に傾斜している(図14も参照)。クラッシュボックス31は、第一実施形態のクラッシュボックス30(図2等を参照)と後端のフランジ部の構造が異なるだけで、他は同様の構成である。そして、サイドメンバ14のフランジ部16とクラッシュボックス31のフランジ部33とが重ね合わされた状態でボルト締結されることで、クラッシュボックス31とサイドメンバ14とが結合さている。
クラッシュボックス31の車両幅方外側には、クラッシュボックス31と間隔をあけて、左右一対の連結部材80が設けられている。図12及び図13に示すように、連結部材80は、上壁部82、下壁部84、及び側壁部86を含んで構成され、車両幅方向内側が開口された形状とされている。
上壁部82と下壁部84とは、車両上下方向に間隔をあけて設けられている。また、図11及び図12に示すように、上壁部82及び下壁部84は、平面視において、同形状の略直角三角形状とされ、車両前方側を底辺、車両幅方向外側が斜辺となるように配置されている。
図11〜図13に示すように、上壁部82の側端部から車両上側に向かって縦壁部81が延在し、下壁部84の側端部から車両上側に縦壁部85が延在している。図13に示すように、これら縦壁部81、85は、車両幅方向の同位置に車両前後方向に沿って形成され、クラッシュボックス31の側面部30Aに平行且つ対向して配置されている。
図11及び図12に示すように、連結部材80の車両幅方向外側を構成する側壁部86は、上壁部82と下壁部84との車両幅方向外側端部(略直角三角の斜辺)との間を繋ぐように設けられており、車両後方側(サイドメンバ14側)に向かうに従って車両幅方向内側に傾斜している。この側壁部86の車両上下方向の中間部分には、車両幅方向内側に凸とされた断面矩形状のビード88が車両前後方向に沿って形成されている。図13に示すように、断面矩形状のビード88は、縦壁部(底面部)90と上下に対向して配置された横壁部92,94とで構成されている。また、縦壁部90は、前述した縦壁部81、85と車両幅方向の同位置に車両前後方向に沿って形成され、クラッシュボックス31の側面部30Aに平行且つ対向して配置されている。
よって、連結部材80におけるビード88が形成された部位の車両幅方向に沿った断面形状は、車両幅方向内側を開口側として配置された断面ハット形状の断面構造が上下に二つ並んだ構成となっている。また、図11及び図12に示すように、ビード88は車両前方側から車両後方側に向かうに従って徐々に浅くなっている。
また、図11〜図14に示すように、上壁部82と縦壁部81とに跨って車両幅方向に沿ったビード83が形成され、下壁部84と縦壁部85とに跨って車両幅方向に沿ったビード83が形成されている(図13参照)。
図11及び図12に示すように、連結部材80の上壁部82の前端部からは車両上方側にフランジ部102が延在し、図12示すように下壁部84の前端部からも車両下方側にフランジ部104が延在している(図13も参照)。図11に示すように、上側のフランジ部102がバンパリインフォース12の後面12Bとボルト締結されると共に、図示されていない下側のフランジ部104も後面12Bとボルト締結されることによって、連結部材80がバンパリインフォース12に連結されている。
図11及び図12に示すように、連結部材80の後端部には、車両幅方向内側に斜めに延在するフランジ部106が形成されている。連結部材80のフランジ部106には、車両後方外側が開放された略U字形状の切込部107が形成されている。クラッシュボックス31のフランジ部33の延在部35には図示されていない締結孔が形成されている。そして、図11に示すように、連結部材80のフランジ部106がクラッシュボックス31のフランジ部33の延在部35の外側に重ね合わされた状態で、切込部107と締結孔にボルト20が挿通され、ボルト締結されることによって、連結部材80がクラッシュボックス31の後端部に連結されている。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、平面視において、衝突物Sがバンパリインフォース12におけるクラッシュボックス30の図心よりも車両幅方向外側に衝突するような微小ラップ衝突の場合について説明する。
本実施形態においても第一実施形態と同様に、衝突物Sがバンパリインフォース12の車両幅方向外側の端部に車両前方側から衝突すると、連結部材80には、クラッシュボックス31の先端部分を回転中心とする車両上下方向の軸回りの回転モーメントが発生し、連結部材80はクラッシュボックス31に接触し、車両幅方向内側への移動が規制される。更に、連結部材80がバンパリインフォース12とクラッシュボックス31のフランジ部33との間に挟まれて固定される共に、衝突物Sの側面が車両方向外側に移動すると、連結部材80が衝突物Sとクラッシュボックス31との間に挟まれた状態となる(図5を参照)。
したがって、微小ラップ衝突においては、第一実施形態と同様に微小ラップ衝突時の衝突初期から車両10が車両幅方向内側に移動するので、衝突初期において車両が移動しない場合と比較し、衝突物Sがキャビン11にラップする時刻における移動量が大きくなり、衝突性能が向上する。
図13に示すように、連結部材80の側壁部86には、断面矩形状のビード88が形成されているので剛性が向上している。特に、横壁部92,94によって車両幅方向の剛性が効果的に向上している。更に、縦壁部81,85が形成されているので、縦壁部90のみの場合と比較し、クラッシュボックス31の側面部30Aに当接して荷重を伝達する荷重伝達面積が大きくなる。したがって、ビード58及び縦壁部81,85が形成されていない構成と比較し、車両幅方向内側方向の力Fを大きくすることがでる。よって、車両10の車両幅方向内側の移動を大きくすることでき、より衝突性能が向上する
つぎに、平面視において、衝突物Sがバンパリインフォース12とのラップ代が大きいフルラップ衝突の場合について説明する。
図14に示すように、フルラップ衝突時においても第一実施形態と同様に、バンパリインフォース12は、車両幅方向両端部が車両前方側に開くように変形する。これにより、連結部材80は、後端部、すなわちフランジ部106が車両幅方向外側に開くように変形する。
また、連結部材80のフランジ部106には車両後方側が開放された略U字形状の切込部107が形成されている。よって、変形がボルト20の締付力を越えると、切込部107からボルト20(図2参照)が抜け、連結部材80とクラッシュボックス31との連結が解除される。
よって、クラッシュボックス31が、連結部材80によって拘束されることなく、車両前後方向に圧壊するので、クラッシュボックス31のクラッシュストロークが確保される。したがって、クラッシュボックス31によって十分に衝突エネルギーが吸収される。
このように、微小ラップ衝突時には、車両10の先端部に連結部材80を配置することで衝突初期から車両幅方向内側方向の力を発生させ車両10を車両幅方向に移動させている。一方、フルラップ衝突時には、連結部材80の連結を解除することで、車両10の先端部に連結部材80を配置してもクラッシュボックス31の圧壊を拘束することなくクラッシュストロークを確保し衝突エネルギーを十分に吸収させている。
また、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、図10のグラフCのように、サイドメンバ14に発生する共振周波数(P3)が高くなると共に振動レベルが低下する。よって、エンジンマウントエンジン振動やロードノイズのサスペンションからのサイドメンバ14への荷重の入力が小さくなると共に、サイドメンバ14の共振によるキャビン11(図1参照)内の騒音(こもり音やロードノイズ)が抑制される。
なお、本実施形態では、連結部材80のフランジ部106に略U字形状の切込部107を形成したが、これに限定されない。クラッシュボックス31のフランジ部33の延在部35に略U字形状の切込部を形成してもよいし、クラッシュボックス側と連結部材側との両方に形成してもよい。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、車両の前端部に本発明を適用したが、これに限定されない。車両の後端部に本発明を適用することもてきる。
また、例えば、上記実施形態では、解除手段は、クラッシュボックス側及び連結部材側の少なくとも一方のフランジ部に形成した略U字形状の切込部であったが、これに限定されない。車両幅方向外側に所定の以上の荷重(力)が連結部材に作用すると、連結部材とクラッシュボックスにおけるサイドメンバとの接合部との連結を解除することが可能であれば、どのような構成であってもよい。
また、上記実施形態では、クラッシュボックスのフランジ部は、サイドメンバのフランジ部よりも大きく、車両幅方向外側に延在する延在部を有し、この延在部に連結部材の後端部が接合されていたが、これに限定されない。サイドメンバのフランジ部が、クラッシュボックスのフランジ部よりも大きく、クラッシュボックスのフランジ部よりも車両幅方向外側に延在する延在部を有し、このサイドメンバの延在部に連結部材の後端部が接合されていてもよい。
また、上記実施形態では、クラッシュボックス30、31では、車両幅方向内側が開口された形状とされていたが、これに限定されない。車両幅方向外側が開口された形状のクラッシュボックスであってもよい。
また、例えば、ビード58,88が形成されていない構成であってもよい。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
10 車両
12 バンパリインフォース
14 サイドメンバ
30 クラッシュボックス
31 クラッシュボックス
50 連結部材
56 側壁部
58 ビード
76 フランジ部(接合部)
80 連結部材
86 側壁部
88 ビード
37 切込部(解除手段)
106 フランジ部(接合部)
107 切込部(解除手段)

Claims (1)

  1. 車両の前端部又は後端部に車両幅方向に沿って配置されたバンパリインフォースと、
    車両幅方向の両側部に車両前後方向に沿ってそれぞれ配置されたサイドメンバと、
    前記バンパリインフォースと前記サイドメンバとの間に設けられ、前記サイドメンバよりも軸圧縮強度が低いクラッシュボックスと、
    前記クラッシュボックスの車両幅方向外側に設けられ、前記サイドメンバ側に近づくに従って車両幅方向内側に傾斜した側壁部を有し、前記バンパリインフォースと前記クラッシュボックスにおける前記サイドメンバとの接合部とに連結された連結部材と、
    を備え、
    車両幅方向外側方向の荷重が前記連結部材に作用すると、前記連結部材と前記クラッシュボックスにおける前記サイドメンバとの接合部との連結を解除する解除手段が設けられている車両端部構造。
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