JP5766433B2 - 炭酸及び/又はアルコール含有飲料 - Google Patents
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Description
具体的には、十分なコク味が付与され、かつ炭酸やアルコール特有の清涼感、キレ味やフレーバーリリースに優れた飲料に関する。
また、本発明は、糖類含量を2.5w/v%以下に低減した場合であっても、糖類含量が2.5w/v%よりも高い飲料と、遜色ない十分なコク味が付与された炭酸及び/又はアルコール含有飲料に関する。
更に本発明は、高甘味度甘味料を含有した炭酸及び/又はアルコール含有飲料において、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きを改善する方法に関する。
例えば、特許文献2に開示されたサイクロデキストリンは、環状構造中に物質を包接する機能を有するため、炭酸及び/又はアルコールを含有する飲料のフレーバーリリースが悪化するといった課題を抱えていた。実際、特許文献2においても、サイクロデキストリンの添加により、酸味、苦味や渋味のカドがとれ、のど越しがマイルドとなること、つまり炭酸特有の清涼感やキレが損なわれることが開示されている。
特に、近年人気を博している低カロリー飲料は、糖類含量を低減しているため、どうしても水っぽく薄い味となりやすい。しかし、糖類含量を低減することにより、炭酸及び/又はアルコール含有飲料のフレーバーリリースは良好となるが、従来のデキストリンを用いた場合、十分なコク味を付与するために必要な添加量を加えると、かえってフレーバーリリースが悪化するといった課題を抱えていた。
かかる課題に鑑み、本発明では、特に、糖類含量が2.5w/v%以下に低減された、炭酸及び/又はアルコール含有飲料であっても、特有の清涼感、キレやフレーバーリリースを損なうことなく、十分なコク味が付与された飲料を提供することを目的とする。
項1.馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを含有する、炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
項2.飲料における上記デキストリン含量が0.2質量%未満である、項1に記載の炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
項3.糖類含量が2.5w/v%以下である、項1又は2に記載の炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
項4.更に、高甘味度甘味料を含有する、項1〜3のいずれかに記載の炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
項5.高甘味度甘味料がスクラロース及び/又はアセスルファムカリウムである、項4に記載の炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
項6.馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを添加することを特徴とする、炭酸及び/又はアルコール含有飲料のコク味増強方法。
項7.高甘味度甘味料を含有する炭酸及び/又はアルコール含有飲料に、馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを添加することを特徴とする、高甘味度甘味料が有する甘味の後引き改善方法。
本発明の炭酸及び/又はアルコール含有飲料は、従来技術に比べて、好ましくは、特に低添加量のデキストリンを用いることを特徴とする。例えば、特許文献1の実施例1〜2に開示されたシクロデキストリンの添加量は1%、特許文献2に係る発明のデキストリンの添加量は0.5〜5質量%、特許文献3では0.5〜1.5質量%、特許文献4では1%以上と、従来技術では0.5%以上のデキストリンを使用することが通常であった。
一方、本発明では、特許文献2の実施例1において、1%の添加量でも効果がないとされていたDEが2以上5未満のデキストリンであっても、馬鈴薯由来のデキストリンを用いることにより、0.2質量%未満と極めて低添加量にも関わらず、十分なコク味を炭酸及び/又はアルコール含有飲料に付与でき、更には清涼感、キレやフレーバーリリースも良好である、炭酸及び/又はアルコール含有飲料を提供できることを見出して至った発明である。
特に、アルコールを含有する飲料では、好ましくは飲料中のアルコール含量が1度以上、好ましくは1〜20度であることが望ましい。
例えば、炭酸を含有する飲料では、次の方法が挙けられる。砂糖、液糖などの糖類を水で溶解し、これに果汁、香料、酸味料、着色料、苦味料などを加え、混合して調合シロップを作る。このシロップを所定の濃度になるよう水で希釈し炭酸ガスを圧入し容器に充填され、殺菌される。アルコールを含有する飲料では、水に砂糖、液糖などの糖類、アルコール(原料用アルコール、果実酒、ブランデー等)、果汁、香料、酸味料、着色料、苦味料などを加えて混和し、必要に応じて殺菌、充填される。
表1の処方に基づいて炭酸飲料(レモン味)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、甘味料、クエン酸、クエン酸三ナトリウム及び香料を添加し、イオン交換水にて20部まで加水し、濃縮シロップを調製した。調製した濃縮シロップに炭酸水80部を加え容器に充填後、殺菌して炭酸飲料を調製した。
(砂糖の200倍の甘味度を有する)
(1)コク味増強効果:コク味増強効果が高いものを5、効果がないものを1として5段階で評価した。
(2)清涼感やキレが良好なものを5、清涼感がない、キレが悪いものを1として5段階で評価した。
(3)フレーバーリリースが良好なものを5、悪いものを1として5段階で評価した。
(4)甘味の後引き改善効果が高いものを5、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きを感じるものを1として5段階で評価した。
一方、DEが2以上5未満のデキストリンであっても、コーン由来のデキストリン(比較例3)や、先行文献に開示された各種デキストリンを用いた場合は、コク味の増強効果が不十分である上、炭酸飲料特有の清涼感やキレ、フレーバーリリースも失われ、薄い味の炭酸飲料となってしまった。更には従来のデキストリンを用いた場合は、高甘味度甘味料の甘味の後引きを改善することもできなかった(比較例2〜7)。
表4の処方に基づいて炭酸飲料(ラムネ飲料)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、果糖ぶどう糖液糖、高甘味度甘味料製剤、クエン酸、クエン酸三ナトリウム及び香料を添加し、水にて20部まで加水し、濃縮シロップを調製した。調製した濃縮シロップに炭酸水80部を加え容器に充填後、殺菌して炭酸飲料を調製した(糖類含量3.75%)。
得られた炭酸飲料について、実験例1と同様にパネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表5に示す。
表6の処方に基づいて炭酸飲料(コーラ)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、果糖ぶどう糖液糖、高甘味度甘味料製剤、リン酸、クエン酸三ナトリウム、色素及び香料を添加し、イオン交換水にて20部まで加水し、濃縮シロップを調製した。調製した濃縮シロップに炭酸水80部を加え容器に充填後、殺菌して炭酸飲料を調製した(糖類含量3.75%)。
得られた炭酸飲料について、実験例1と同様にパネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表7に示す。
表8の処方に基づいて、炭酸含有アルコール飲料(レモンチューハイ)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、濃縮還元レモン透明果汁、各種甘味料、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、香料及び焼酎を添加し、イオン交換水にて32部まで加水した。更に、炭酸水68部を加え、容器に充填後、殺菌して、炭酸含有アルコール飲料(レモンチューハイ)を調製した。
一方、DEが2以上5未満のデキストリンであっても、コーン由来のデキストリン(比較例15)や、先行文献に開示された各種デキストリンを用いた場合は、コク味の増強効果が不十分である上、アルコール飲料の清涼感やキレ、フレーバーリリースも失われ、薄い味の炭酸含有アルコール飲料となってしまった。更には従来のデキストリンを用いた場合は、高甘味度甘味料の甘味の後引きを改善することもできなかった(比較例13〜18)。
表11の処方に基づいてアルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した。
具体的には水に、脱脂粉乳、酸乳飲料用安定剤、エリスリトール及び各種デキストリンを溶解した後、高甘味度甘味料製剤、クエン酸及びクエン酸三ナトリウムを添加し、イオン交換水にて90部まで加水した。更に、ウォッカを10部加え、容器に充填後、殺菌してアルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した(糖類含量1.5%)。
表13の処方に基づいてアルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した。
具体的には水に、脱脂粉乳、酸乳飲料用安定剤及び各種デキストリンを溶解した後、高甘味度甘味料製剤、クエン酸、果糖ぶどう糖液糖、果汁、香料、着色料及び焼酎を添加し、イオン交換水にて100部まで加水し、容器に充填後、殺菌し、アルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した(糖類含量2.25%)。
Claims (6)
- 馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを含有する、炭酸及び/又はアルコール含有飲料であって、飲料に対する前記デキストリン含量が0.2質量%未満である、炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
- 前記飲料の糖類含量が2.5w/v%以下である、請求項1に記載の炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
- 更に、高甘味度甘味料を含有する、請求項1又は2に記載の炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
- 前記高甘味度甘味料がスクラロース及び/又はアセスルファムカリウムである、請求項3に記載の炭酸及び/又はアルコール含有飲料。
- 馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを添加することを特徴とする、炭酸及び/又はアルコール含有飲料のコク味増強方法であって、飲料に対する前記デキストリンの添加量が0.2質量%未満である、炭酸及び/又はアルコール含有飲料のコク味増強方法。
- 高甘味度甘味料を含有する炭酸及び/又はアルコール含有飲料に対して、馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを添加することを特徴とする、高甘味度甘味料が有する甘味の後引き改善方法であって、飲料に対する前記デキストリンの添加量が0.2質量%未満である、高甘味度甘味料が有する甘味の後引き改善方法。
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