JP5764399B2 - 車体上部構造 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、ルーフ側部に配置されるルーフサイドレールと、このルーフサイドレールの前端部から前部下方に向かって延出するフロントピラーとが、略閉断面の筒状部材を三次元曲げ成形することによって略一定断面の連続したフレーム部材(例えば、実施形態の上部フレーム10)として形成され、このフレーム部材上のルーフサイドレール領域(例えば、実施形態のルーフサイド領域10a)は、車両設置状態で断面が略逆三角形状になるように形成され、当該ルーフサイドレール領域の上面には、ルーフパネル(例えば、実施形態のルーフパネル50)の車幅方向の端部の接合フランジ(例えば、実施形態の接合フランジ50a)と、当該ルーフサイドレール領域の車幅方向外側の外面を覆うサイドアウタパネル(例えば、実施形態のサイドアウタパネル51)の上端部の接合フランジ(例えば、実施形態の接合フランジ51a)がそれぞれ接合され、前記フレーム部材上のルーフサイドレール領域の車幅方向内側の側面に、前記ルーフパネルを車幅方向に亙って支持するルーフレール(例えば、実施形態のルーフレール13A,13B,13C)の端部が接合され、前記フレーム部材のルーフサイドレール領域に、下方に延出する延出フランジ(例えば、実施形態の延出フランジ32)が設けられ、この延出フランジに高さ補足用のブラケット(例えば、実施形態の高さ補足用のブラケット46)の一端が結合され、前記サイドアウタパネルの下端のドア開口用トリムの取付フランジ(例えば、実施形態の取付フランジ47)に、前記高さ補足用のブラケットの他端が結合されていることを特徴とするものである。
さらに、この発明によれば、フレーム部材上のルーフサイドレール領域が、車両設置状態で断面が略逆三角形状になるように形成され、そのルーフサイドレール領域の上面に、ルーフパネルの車幅方向の端部の接合フランジと、サイドアウタパネルの上端部の接合フランジがそれぞれ接合され、ルーフサイドレール領域の車幅方向内側の側面にルーフレールの端部が接合されているため、ルーフサイドレール領域をルーフパネルに近接した充分に高い位置に配置して、ルーフレールに大きな屈曲部を生じさせずに、ルーフサイドレール領域に入力された側方からの衝撃荷重をルーフレールによって効率良く受け止めることができる。したがって、多くの補強部材の追加を必要としない軽量な骨格構造でありながら、車体の側方からの衝撃荷重に対して充分な強度を維持することができる。
また、この発明によれば、フレーム部材のルーフサイドレール領域が断面略逆三角形状に形成されることから、ルーフパネルとサイドアウタパネルとで形成する車体側部の角部に沿ってフレーム部材を配置して、車室内空間を充分に大きく確保しつつ車体上部を補強することができる。
さらに、請求項1に係る発明によれば、フレーム部材のルーフサイドレール領域には、下方に延出する延出フランジが設けられ、この延出フランジに高さ補足用のブラケットの一端が結合されるため、高さ補足用のブラケットの設置数を減らしてもドア開口用トリムの取付フランジに対する充分な拘束力を維持することができる。
最初に、図1〜図6に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係る車両1の骨格部を示す斜視図である。
この実施形態の車両1はセダンタイプの車両であり、車室2の前後にエンジンルーム3とトランクルーム4が設けられ、車室2内には前席スペースと後席スペースが確保されている。
左右のフロントサイドフレーム15の後端部は、車幅方向に延出して左右のフロントピラーロア18を連結するダッシュボードロア・クロスメンバ20と、車室2の下方で車体前後方向に延出するフロントフロアフレーム21の前縁部に結合されている。また、各フロントサイドフレーム15の後端部よりの側面はアウトリガー22を介してサイドシル11の前端部に結合されている。なお、図1中23は、エンジンルーム3の前部上端側において左右のアッパメンバ19を連結する略コ字状のフロントバルクヘッドアッパであり、24は、フロントバルクヘッドアッパ23に結合されてラジエータ収納部を形成するフロントバルクヘッドロアである。また、車両1の前部下方まで延出した左右のアッパメンバ19の前端部は、連結部材25を介してフロントサイドフレーム15の前端部側面に結合されている。
上部フレーム10は、ロールフォーム成形によって略閉断面形状の筒状部材が形成された後、その筒状部材が三次元曲げ成形によって所定の湾曲形状に造形されている。上部フレーム10は、具体的には、延出フランジ32が突設された略逆三角形状の閉断面形状とされ、延出フランジ32が車体下方に向き、断面の逆三角形状の一辺を成す側辺が車幅方向内側に向くよう組み付けられる。
ルーフレール13A,13B,13Cは、ルーフパネル50を車幅方向に亙って支持する部材であり、図6に示すように、前壁と後壁の上端に支持フランジ13a,13bが延設された上向きに開口のハット型の断面形状に形成されている。各支持フランジ13a,13bの上面にはルーフパネル50が接合されるようになっている。また、ルーフレール13A,13B,13Cの軸方向の両端部には、底壁と前壁、後壁をそれぞれ延長して折り曲げた側部結合フランジ13c,13d,13eが設けられている。
なお、この実施形態においては、ルーフレール13A,13B,13Cの軸方向の各端部の上面とルーフサイドレール領域10aの上面44に、別体の補強板49を跨らせて接合しているが、ルーフサイドレール領域10aの上端の車幅方向内側の端部にフランジ部を一体に形成し、そのフランジ部をルーフレール13A,13B,13Cの軸方向の端部の上面に接合するようにしても良い。
なお、ルーフサイドレール領域10aの下端に延出フランジ47を設けずに、ルーフサイドレール領域10aの略閉断面の本体部に高さ補足用のブラケット46の上端部を直接結合することも可能であるが、この実施形態のようにルーフサイドレール領域10aの下端に延出フランジ47を設けて、その延出フランジ47に高さ補足用のブラケット46の一端部を結合する場合には、高さ補足用のブラケット46の設置数を減らしても取付フランジ47に対する充分な拘束力を維持することができる。
図7は、この実施形態に係る車両101の骨格部を示す斜視図である。
この実施形態の車両101はワゴンタイプの車両であり、車室2の前方にエンジンルーム3が設けられ、車室2内には、前席スペースと後席スペースが確保されるとともに、後席スペースのさらに後方に荷室5が確保されている。
上部フレーム110は、第1の実施形態と同様に、ロールフォーム成形によって略閉断面形状の筒状部材が形成された後、その筒状部材が三次元曲げ成形によって所定の湾曲形状に造形されている。
上部フレーム110は、その断面が略逆三角形状に形成され、その下端に下方に向かって突出する延出フランジ32が設けられている。そして、上部フレーム110のルーフサイドレール領域110aは、上面44が略水平に形成され、その上面44の内側の端部から外側下方に向かって傾斜した車幅方向内側の側面43に、第1の実施形態と同様にしてルーフレール13A,13Bが結合されている。ルーフサイドレール領域110aに対する各ルーフレール13A,13Bの結合部構造は、第1の実施形態の図5,図6に示すものと同様となっている。
図7,図10に示すように、上部フレーム110のルーフサイドレール領域110aの後端部は、車体後部に逆U字状に湾曲して設けられた車体後部フレーム70に突き当てられ、図示しないフランジ部で車体後部フレーム70の前面に溶接固定されている。
したがって、この車両101の場合も、車体重量の増加や製品コストの高騰を招くことなく、車体の前後方向からの衝撃荷重と側方からの衝撃荷重に対して充分な強度を維持することができる。
10…上部フレーム(フレーム部材)
10a,110a…ルーフサイド領域
10b,110b…フロントピラー領域
10c…リヤピラー領域
13A,13B,13C…ルーフレール
13a,13b…支持フランジ
13c,13d,13e…側部結合フランジ
32…延出フランジ
46…高さ補足用のブラケット
47…取付フランジ
48…モジュール
49…補強板
50…ルーフパネル
50a…接合フランジ
51…サイドアウタパネル
51a…接合フランジ
70…車体後部フレーム
Claims (6)
- ルーフ側部に配置されるルーフサイドレールと、このルーフサイドレールの前端部から前部下方に向かって延出するフロントピラーとが、略閉断面の筒状部材を三次元曲げ成形することによって略一定断面の連続したフレーム部材として形成され、
このフレーム部材上のルーフサイドレール領域は、車両設置状態で断面が略逆三角形状になるように形成され、当該ルーフサイドレール領域の上面には、ルーフパネルの車幅方向の端部の接合フランジと、当該ルーフサイドレール領域の車幅方向外側の外面を覆うサイドアウタパネルの上端部の接合フランジがそれぞれ接合され、
前記フレーム部材上のルーフサイドレール領域の車幅方向内側の側面に、前記ルーフパネルを車幅方向に亙って支持するルーフレールの端部が接合され、
前記フレーム部材のルーフサイドレール領域に、下方に延出する延出フランジが設けられ、この延出フランジに高さ補足用のブラケットの一端が結合され、前記サイドアウタパネルの下端のドア開口用トリムの取付フランジに、前記高さ補足用のブラケットの他端が結合されていることを特徴とする車体上部構造。 - 前記フレーム部材上のルーフサイドレール領域と前記サイドアウタパネルの取付フランジとの間に、サイドカーテンエアバッグのモジュールが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体上部構造。
- 前記ルーフパネルの車幅方向の端部と前記サイドアウタパネルの上端部は、それぞれ前記接合フランジに隣接する部位が段差状に折り曲げられ、両者の端縁が凹形状を形成するようにして前記接合フランジが前記フレーム部材のルーフサイドレール領域の上面に結合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体上部構造。
- 前記フレーム部材は、前記ルーフサイドレール領域の後端部から後部下方に向かって延出するリヤピラー領域が一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体上部構造。
- 前記フレーム部材は、前記ルーフサイドレール領域の後端部が、車体後部に逆U字状に湾曲して設けられた車体後部フレームに結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体上部構造。
- 前記ルーフレールは、前壁と後壁の上端に支持フランジが延設された上向きに開口のハット型の断面形状に形成され、前記前後の支持フランジで前記ルーフパネルを支持するとともに、
車幅方向の両端部に、底壁と前記前壁と後壁をそれぞれ延長して折り曲げた側部結合フランジが設けられ、この側部結合フランジに、前記フレーム部材のルーフサイドレール領域の車幅方向内側の側面が結合され、
前記ルーフレールの車幅方向両端の上面には、前記フレーム部材のルーフサイドレール領域の上面に結合された補強板、または、ルーフサイドレール領域の上部から延出したフランジ部が結合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車体上部構造。
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