JP5758303B2 - ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ - Google Patents

ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP5758303B2
JP5758303B2 JP2011545140A JP2011545140A JP5758303B2 JP 5758303 B2 JP5758303 B2 JP 5758303B2 JP 2011545140 A JP2011545140 A JP 2011545140A JP 2011545140 A JP2011545140 A JP 2011545140A JP 5758303 B2 JP5758303 B2 JP 5758303B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thread groove
fixing member
cylindrical fixing
divided piece
divided
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011545140A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011070856A1 (ja
Inventor
三輪田 透
透 三輪田
坂口 祐幸
祐幸 坂口
好伸 大立
好伸 大立
靖 前島
靖 前島
勉 高阿田
勉 高阿田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EDWARDSJAPAN LIMITED
Original Assignee
EDWARDSJAPAN LIMITED
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EDWARDSJAPAN LIMITED filed Critical EDWARDSJAPAN LIMITED
Priority to JP2011545140A priority Critical patent/JP5758303B2/ja
Publication of JPWO2011070856A1 publication Critical patent/JPWO2011070856A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5758303B2 publication Critical patent/JP5758303B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/60Mounting; Assembling; Disassembling
    • F04D29/64Mounting; Assembling; Disassembling of axial pumps
    • F04D29/644Mounting; Assembling; Disassembling of axial pumps especially adapted for elastic fluid pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D19/00Axial-flow pumps
    • F04D19/02Multi-stage pumps
    • F04D19/04Multi-stage pumps specially adapted to the production of a high vacuum, e.g. molecular pumps
    • F04D19/044Holweck-type pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/40Casings; Connections of working fluid
    • F04D29/52Casings; Connections of working fluid for axial pumps
    • F04D29/54Fluid-guiding means, e.g. diffusers
    • F04D29/541Specially adapted for elastic fluid pumps

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Non-Positive Displacement Air Blowers (AREA)

Description

本発明は、真空ポンプを構成するネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプに関し、特に、真空ポンプ内のロータが破壊した時に発生するトルク(以下「破壊トルク」という)に対する真空ポンプの強度を維持しつつそのコストダウンを図ったり、ネジ溝排気部の回転部材の回転軸心方向で幅、深さの変化量、リード角等が変化する複雑な形状のネジ溝をネジ溝排気部の筒形固定部材側に容易に作製することができ、かかるネジ溝の採用によって真空ポンプ全体の排気性能・圧縮性能の向上を図ったりするのに好適なものである。
近年の半導体製造装置におけるウエハの大口径化に伴い、同装置で使用される真空ポンプには、大流量ガスの排気および低い到達圧力、高い排気性能等が要求されている。
かかる要求を満たす真空ポンプとしては、翼排気部とネジ溝排気部を組み合わせた複合翼型真空ポンプが知られている(同型の真空ポンプについては、例えば、特許文献1の図6参照)。
上記翼排気部は、回転翼と固定翼を交互に多段に配置した構造になっていて、高速回転する回転翼で気体分子に下向き方向の運動量を与える動作と、その下向き方向の運動量を与えられた気体分子が固定翼で次段の回転翼側へ送り込まれる動作とが繰り返し多段に行われることによって、上流の気体分子を下流のネジ溝排気部へ移送・排気するようになっている。
上記ネジ溝排気部は、回転部材とこの回転部材の外周を囲むように配置された筒形固定部材とを有し、その筒形固定部材の内周面にネジ溝を設けることによって筒形固定部材と回転部材の間に螺旋状のネジ溝排気通路を形成した構造になっている。そして、上記のように翼排気部から移送されてきた気体分子がネジ溝排気通路に入り、ネジ溝と回転部材の外周面でのドラッグ効果によって当該気体分子を圧縮・排気するようになっている。
しかしながら、上記従来のネジ溝排気部によると、ネジ溝は筒形固定部材の内周面に設けられることから、回転部材の回転軸心方向で幅、深さ、リード角等が変化する複雑な形状のネジ溝を形成することは困難であり、かかる形状のネジ溝の採用によって真空ポンプ全体の排気性能・圧縮性能の向上を図ることはできなかった。
また、上記従来のネジ溝排気部の筒形固定部材は、真空ポンプ内部で破壊が生じたときにその破片を受け止めることで破壊トルクを低減する役割も果たしている。このため、強度の低い鋳物だけでネジ溝排気部の筒形固定部材全体を作製することはできない。破壊トルクに対する真空ポンプの強度を確保するため、この種の筒形固定部材としては、強度の高い材料、例えば鍛造加工や押出/引抜き加工で作られた材料から削りだした高価な切削加工品を採用しなければならず、ネジ溝排気部の筒形固定部材が真空ポンプ全体のコスト高を招く要因になっている。
特開2002−115691号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、破壊トルクに対する真空ポンプの強度を維持しつつそのコストダウンを図ったり、ネジ溝排気部の回転部材の回転軸心方向で幅、深さ、リード角等が変化する複雑な形状のネジ溝をネジ溝排気部の筒形固定部材側に容易に作製することができ、かかるネジ溝の採用によって真空ポンプ全体の排気性能・圧縮性能の向上を図ったりするのに好適な、ネジ溝排気ポンプ部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、ネジ溝排気部の回転部材の外周を囲むように配置された筒形固定部材であって、上記筒形固定部材と上記回転部材との間に気体を排気するための螺旋状のネジ溝排気通路が備えられており、上記筒形固定部材は、上記回転部材の回転軸心方向で2以上の分割片に分割され、排気口側の前記分割片が鋳物で形成され、吸気口側の前記分割片が切削品で形成されていることを特徴とする。
上記筒形固定部材の分割片はそれぞれ異なる材料で形成されるように構成してもよい。
上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記筒形固定部材に設けられていて、上記筒形固定部材の一の分割片と他の分割片では上記ネジ溝のリード角が異なっている構成を採用することもできる。
上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記筒形固定部材に設けられていて、上記筒形固定部材の一の分割片と他の分割片では上記ネジ溝の条数が異なっている構成を採用することもできる。
上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記筒形固定部材に設けられていて、上記筒形固定部材の一の分割片と他の分割片では上記ネジ溝の幅が異なっている構成を採用することもできる。
上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記筒形固定部材に設けられていて、上記筒形固定部材の一の分割片と他の分割片では上記ネジ溝の深さの変化量が異なっている構成を採用することもできる。
上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記筒形固定部材に設けられていて、上記筒形固定部材の一の分割片と他の分割片ではネジ溝の溝上端から回転部材までの距離を変えることによって筒形固定部材と回転部材とのギャップが異なっている構成を採用することもできる。
上記筒形固定部材は、その上面に回転軸心方向に形成された溝を有している構成を採用することができる。
上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記各分割片に設けられていて、上記筒形固定部材は、一の分割片のネジ溝と他の分割片のネジ溝とを連続するように連結させるネジ溝位置合せ手段を備えるように構成してもよい。
上記ネジ溝位置合せ手段は、一の分割片の分割面に立設した係合ピンと、その分割面に接合される他の分割片の分割面に穿設した係合孔とからなるとともに、上記係合孔に上記係合ピンが挿入嵌合するように構成してもよい。
上記係合孔は、上記分割片の上下端面を貫通する貫通孔からなり、その貫通孔の一端に上記係合ピンが挿入嵌合する一方、該貫通孔の他端は上記係合ピンの位置を確認する確認窓として機能するように構成してもよい。
上記ネジ溝位置合せ手段は、一の分割片の分割面に形成した第1の段差部と、その分割面に接合される他の分割片の分割面に形成した第2の段差部とからなるとともに、上記両段差部が互いに接合するように構成することもできる。
また、上記ネジ溝位置合せ手段は、一の分割片の分割面に形成した係合凹部と、その分割面に接合される他の分割片の分割面に形成した係合凸部とからなるとともに、上記係合凸部が上記係合凹部に係合するように構成してもよい。
前記本発明においては、一の分割片を他の分割片の上に設置する作業用の取っ手が、当該一の分割片に着脱自在に取り付けられる構成を採用することができる。
上記筒形固定部材は、その下端部がポンプベースで支持されていて、上記2以上の分割片のうち最下部に位置する分割片は、上記ポンプベースの加工によって該ポンプベースと一体に設けられるように構成してもよい。
また、上記筒形固定部材は、上記分割片とその外側に位置する部材との隙間に生成物が入り込まないようにするための生成物混入防止手段として、2以上の分割片のうち最上部に位置する分割片の上端外周部に蓋部を備える構成を採用することができる。
前記本発明においては、上記分割片の外周部に補強部材が取り付けられる構成を採用することもできる。
本発明にあっては、ネジ溝排気部の筒形固定部材の具体的な構成として、かかる筒形固定部材がネジ溝排気部の回転部材の回転軸心方向で2以上の分割片に分割される構造を採用したため、以下(1)または(2)の作用効果などが奏し得られる。
(1) それぞれの分割片を必要強度に応じた異なる材料で形成する、例えば、特に強度が必要とされる部位の分割片は鍛造加工や押出/引抜き加工で作られた材料から削りだした比較的高価な加工品とし、あまり強度が必要とされない部位の分割片は安価な鋳物で作製したものとすることによって、真空ポンプの強度を維持しつつそのコストダウンを図ることができる。
(2) 分割片ごとに個別にネジ溝加工を施すことによって、ネジ溝排気部の筒形固定部材の内周面に、リード角、条数、幅、深さの変化量、または回転部材とのギャップ等が回転部材の回転軸心方向で変化する複雑な形状のネジ溝を高度な生産設備がなくても製作でき、かかるネジ溝の採用によって真空ポンプ全体の排気性能・圧縮性能の向上を図るのに好適である。
本発明の一実施形態であるネジ溝排気部の筒形固定部材を適用した真空ポンプの断面図。 図1中のA部拡大図。 ネジ溝排気ステータ(ネジ溝排気部の筒形固定部材)の平面図。 図3のE−E断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(分割片ごとにネジ溝のリード角が異なるタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(分割片ごとにネジ溝の条数が異なるタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(分割片ごとにネジ溝の幅が異なるタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(分割片ごとにネジ溝の深さの変化量が異なるタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(分割片ごとにロータとのギャップが異なるタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(生成物堆積用の溝を備えたタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(係合ピンと係合孔(閉じた孔)によるネジ溝位置合せ手段を備えたタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(係合ピンと係合孔(貫通孔)によるネジ溝位置合せ手段を備えたタイプ)の断面図。 図2の矢印B方向から見たネジ溝排気部の他の実施形態(段差部によるネジ溝位置合せ手段を備えたタイプ)の側面図。 図2の矢印B方向から見たネジ溝排気部の他の実施形態(係合凸部と係合凹部によるネジ溝位置合せ手段を備えたタイプ)の側面図。 図2の矢印B方向から見たネジ溝排気部の他の実施形態(作業用の取っ手を採用したタイプ)の側面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(下側の分割片をポンプベースと一体に設けたタイプ)を採用した真空ポンプの断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(蓋部を採用したタイプ)の断面図。 ネジ溝排気部の他の実施形態(補強部材を採用したタイプ)の断面図。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるネジ溝排気部の筒形固定部材を適用した真空ポンプの断面図、図2は図1中のA部拡大図、図3はネジ溝排気ステータ(ネジ溝排気部の固定部材)の平面図、図4は図3のE−E断面図である。
図1の真空ポンプPは、例えば半導体製造装置や液晶ディスプレイパネル製造装置における真空装置の一部として使用され、真空チャンバ内の圧力を所定の真空度とするものである。
同図の真空ポンプPは、外装ケース1内に、回転翼13と固定翼14により気体を排気する翼排気部Ptと、螺旋状のネジ溝排気通路Sを通じて気体を排気するネジ溝排気部Psと、これらを駆動する駆動系と、を有している。
<外装ケースの詳細>
外装ケース1は、筒状のポンプケース1Aと有底筒状のポンプベース1Bとをその筒軸方向にボルトで一体に連結した有底円筒形になっている。ポンプケース1Aの上端部側はガス吸気口2として開口しており、ポンプベース1Bの下端部側面にはガス排気口3を設けてある。
ガス吸気口2は、ポンプケース1A上縁のフランジ1Cに設けた図示しないボルトによって、例えば半導体製造装置のプロセスチャンバ等、高真空となる図示しない真空容器に接続される。ガス排気口3は、図示しない補助ポンプに連通するように接続される。
<支持駆動系の詳細>
ポンプケース1A内の中央部には各種電装品を内蔵する円筒状のステータコラム4が設けられており、ステータコラム4はその下端側がポンプベース1B上にネジ止め固定される形態で立設してある。
ステータコラム4の内側にはロータ軸5が設けられており、ロータ軸5は、その上端部がガス吸気口2の方向を向き、その下端部がポンプベース1Bの方向を向くように配置してある。また、ロータ軸5の上端部はステータコラム4の円筒上端面から上方に突出するように設けてある。
ステータコラム4の外側にはロータ6が設けられている。ロータ6は、ポンプケース1A内に収容され、かつ、ステータコラム4の外周を囲むような円筒形状になっている。また、このロータ6は先に説明したロータ軸5に一体化されている。ロータ6とロータ軸5の一体化構造の一例として、図1の真空ポンプPでは、ロータ6の上端部内側にボス孔7付フランジ8を設けるとともに、ロータ軸5の上端部外周に段部9を形成している。そして、その段部9より上のロータ軸5上端部が上記フランジ8のボス孔7に嵌め込まれ、フランジ8と段部9がネジ止め固定されることによって、ロータ6とロータ軸5は一体化している。
上記ロータ軸5とロータ6からなる回転体は、ラジアル磁気軸受10とアキシャル磁気軸受11により径方向と軸方向が回転可能に支持され、この状態でロータ軸5を軸心として駆動モータ12により回転駆動される。
駆動モータ12は、固定子12Aと回転子12Bとからなる構造であって、ロータ軸5の略中央付近に設けられている。かかる駆動モータ12の固定子12Aはステータコラム4の内側に設置しており、同駆動モータ12の回転子12Bはロータ軸5の外周面側に一体に装着してある。
ラジアル磁気軸受10は、駆動モータ12の上下に1組ずつ合計2組配置され、アキシャル磁気軸受11はロータ軸5の下端部側に1組配置されている。
2組のラジアル磁気軸受10、10は、それぞれ、ロータ軸5の外周面に取り付けたラジアル電磁石ターゲット10A、これに対向するステータコラム4内側面に設置した複数のラジアル電磁石10Bおよびラジアル方向変位センサ10Cを有している。ラジアル電磁石ターゲット10Aは高透磁率材料の鋼板を積層した積層鋼板からなり、ラジアル電磁石10Bはラジアル電磁石ターゲット10Aを通じてロータ軸5を径方向に磁力で吸引する。ラジアル方向変位センサ10Cはロータ軸5の径方向変位を検出する。そして、ラジアル方向変位センサ10Cでの検出値(ロータ軸の径方向変位)に基づきラジアル電磁石10Bの励磁電流を制御することによって、ロータ軸5とロータ6からなる回転体は径方向所定位置に磁力で浮上支持される。
アキシャル磁気軸受11は、ロータ軸5の下端部外周に取り付けた円盤形状のアーマチュアディスク11Aと、アーマチュアディスク11Aを挟んで上下に対向するアキシャル電磁石11Bと、ロータ軸5の下端面から少し離れた位置に設置したアキシャル方向変位センサ11Cとを有している。
アーマチュアディスク11Aは透磁率の高い材料からなり、上下のアキシャル電磁石11Bはアーマチュアディスク11Aをその上下方向から磁力で吸引するようになっている。アキシャル方向変位センサ11Cはロータ軸5の軸方向変位を検出する。そして、アキシャル方向変位センサ11Cでの検出値(ロータ軸の軸方向変位)に基づき上下のアキシャル電磁石11Bの励磁電流を制御することによって、ロータ軸5とロータ6からなる回転体は軸方向所定位置に磁力で浮上支持される。
<翼排気部Ptの詳細構成>
図1の真空ポンプPでは、ロータ6の略上半分が翼排気部Ptとして機能するようになっている。以下、この翼排気部Ptを詳細に説明する。
ロータ6の略上半分の外周面には回転翼13が一体に複数設けられている。これらの回転翼13は、ロータ6の回転軸心若しくは外装ケース1の軸心(以下「ポンプ軸心」という)を中心として放射状に並んでいる。一方、ポンプケース1Aの内周面側には固定翼14が複数設けられており、これらの固定翼14は、ポンプ軸心を中心として放射状に並んで配置されている。そして、上記回転翼13と固定翼14とがポンプ軸心に沿って交互に多段に配置されることによって翼排気部Ptを形成している。
いずれの回転翼13も、ロータ6の外径加工部と一体的に切削加工で切り出し形成したブレード状の切削加工品であって、気体分子の排気に最適な角度で傾斜している。いずれの固定翼14もまた、気体分子の排気に最適な角度で傾斜している。
<翼排気部Ptの排気動作>
駆動モータ12の起動により、ロータ軸5、ロータ6および複数の回転翼13が一体に高速回転し、最上段の回転翼13がガス吸気口2から入射した気体分子に下向き方向の運動量を付与する。この下向き方向の運動量を有する気体分子が固定翼14によって次段の回転翼13側へ送り込まれる。以上のような気体分子への運動量の付与と送り込み動作とが繰り返し多段に行われることにより、ガス吸気口2側の気体分子はネジ溝排気部Psの上流(より詳しくは後述するネジ溝排気通路Sの上流入口19A)に順次移行するように排気される。
<ネジ溝排気部Psの詳細構成>
図1の真空ポンプPにおいては、ロータ6の略下半分がネジ溝排気部Psとして機能する。以下このネジ溝排気部Psを詳細に説明する。
ロータ6の略下半分は、ネジ溝排気部Psの回転部材として回転する部分であって、ネジ溝排気部Psの筒形固定部材である筒状のネジ溝排気部ステータ18内に収容されることにより、図2のように所定のギャップGを介してネジ溝排気部ステータ18と対向するように配置してある。ギャップGは、約0.7mmである。
ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)は、その内周部に、深さが下方に向けて小径化したテーパコーン形状に変化するネジ溝19を形成し、その下端部がポンプベース1Bで支持されるようになっている。
本ネジ溝排気部Psでは、上記ネジ溝排気部ステータ18の内周面にネジ溝19を形成することで、かかるネジ溝19とこれに対向するロータ6の略下半分の外周面とで螺旋状のネジ溝排気通路Sが形成されるように構成してある。図示は省略するが、ロータ6の略下半分の外周面に上記ネジ溝を形成することで、かかるネジ溝とこれに対向するネジ溝排気部ステータ18の内周面とで螺旋状のネジ溝排気通路を形成してもよい。
更に、本ネジ溝排気部Psのネジ溝排気部ステータ18は、ロータ6(ネジ溝排気部Psの回転部材)の回転軸心方向で2つの分割片18A、18Bに分割されていて、それぞれの分割片18A、18Bをボルト等の締結手段又は焼きばめ等の接合手段によって一体に連結した構造になっている。ネジ溝排気部ステータ18の分割により、その内周面に形成したネジ溝19も同様の方向に分割されており、分割されたネジ溝19が各分割片18A、18Bに設けられている。なお、ネジ溝排気部ステータ18は本例の2分割に限定されることはなく、3分割、4分割など、2以上に分割することができる。また、2つの分割片18A、18Bの連結部には凹凸の嵌め合いD等、公知の嵌合構造を採用することができる。
本真空ポンプPにおいては、上記ネジ溝排気部Psの一実施形態として、ネジ溝排気部ステータ18を構成する2つの分割片18A、18Bをそれぞれ異なる材料で形成してある(図4参照)。具体的には、ロータ6の重心から近くて該ロータ6が破壊した時の影響を受け易い上側の分割片18Aは強度の高い材料、具体的には鍛造加工や押出/引抜き加工で作られた材料から削りだした比較的高価な切削加工品とするが、かかる影響を受け難い下側の分割片18Bについては安価な鋳物品とすることによって、真空ポンプの強度を維持しつつそのコストダウンを図った。
本真空ポンプPでは、上述のネジ溝排気部ステータ18の内周面にネジ溝19を形成する一方、ネジ溝19と対向するロータ6の略下半分の外周面を平滑な円筒面に形成することによって、ネジ溝排気部ステータ18(筒形固定部材)とロータ6(回転部材)との間に螺旋状のネジ溝排気通路Sが形成されるように構成してある。なお、ネジ溝排気部Psでは図3のようにネジ溝19を5条設けたが、その条数は必要に応じて適宜変更することができる。
ネジ溝排気通路Sは、ネジ溝排気部ステータ18の上端から下端にかけて螺旋状に設けられている。そして、ネジ溝排気通路Sの上流入口19Aは、最下段の回転翼13と固定翼14との間の微小隙間に連通し、同ネジ溝排気通路Sの下流出口19B側は、ガス排気口3側に連通するように構成してある。また、本ネジ溝排気部Psでは、ネジ溝19とロータ6の外周面でのドラッグ効果により気体を圧縮しながら移送するため、ネジ溝19の深さは、ネジ溝排気通路Sの上流入口19A側で最も深く、その下流出口19B側で最も浅くなるように設定してある。
<ネジ溝排気部の排気動作>
前述の通り駆動モータ12の起動によりロータ軸5、ロータ6および複数の回転翼13が一体に高速回転すると、前述した翼排気部Ptの排気動作によりネジ溝排気通路Sの上流入口19Aに到達した気体分子は、ネジ溝排気通路S内に入り、ロータ6の外周面とネジ溝19でのドラッグ効果によって遷移流から粘性流に圧縮されながらガス排気口3に向って移行し、最終的に図示しない補助ポンプを通じて外部へ排気される。
<ネジ溝排気部の他の実施形態>
図5から図18は、ネジ溝排気部Psの他の実施形態の説明図である。
図5のネジ溝排気部Psは、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)を図1の実施形態と同様に2つの分割片18A、18Bに分割し、それぞれの分割片18A、18Bにネジ溝19が設けられている。そして、上側の分割片18Aと下側の分割片18Bではネジ溝19のリード角θが30度と15度のように異なる構成を採用している。なお、ネジ溝19のリード角θは上記例に限定されることはなく、必要に応じて適宜変更することができる。
図6のネジ溝排気部Psは、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)を図1の実施形態と同様に2つの分割片18A、18Bに分割し、それぞれの分割片18A、18Bにネジ溝19が設けられていて、上側の分割片18Aと下側の分割片18Bではネジ溝19の条数が異なるように構成している。
図7のネジ溝排気部Psは、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)を図1の実施形態と同様に2つの分割片18A、18Bに分割し、それぞれの分割片18A、18Bにネジ溝19が設けられていて、上側の分割片18Aと下側の分割片18Bではネジ溝19の幅がL1、L2のように異なる構成を採用している。
図8のネジ溝排気部Psは、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)を図1の実施形態と同様に2つの分割片18A、18Bに分割し、それぞれの分割片18A、18Bにネジ溝190、191が設けられていて、上側の分割片18Aと下側の分割片18Bでネジ溝19の深さの変化量がそれぞれ異なるように構成している。図8では、上側の分割片18Aではネジ溝190が同じ勾配で浅くなるように変化し、下側の分割片18Bではネジ溝191の深さが変化しない(変化量=0)形態を採用しているが、この例に限定されることはない。図示は省略するが、上側の分割片18Aのネジ溝190に比べて、下側の分割片18Bのネジ溝191の方が、緩やかな勾配で浅くなるように変化する形態を採用することもできる。
図9のネジ溝排気部Psは、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)を図1の実施形態と同様に2つの分割片18A、18Bに分割し、それぞれの分割片18A、18Bにネジ溝19が設けられていて、上側の分割片18Aと下側の分割片18Bではネジ溝19の溝上端からロータ6までの距離を変えることによって、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)とロータ6(ネジ溝排気部Psの回転部材)とのギャップがG1、G2のように異なる形態を採用している。図9では、圧力の高い下側の分割片18Bの方が比較的生成物が堆積しやすいことから、かかるギャップはG1<G2としている。ギャップG1は約0.7mm、ギャップG2は約1mmである。
図10のネジ溝排気部Psは、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)の上面に回転軸心方向に形成された溝20を設け、この溝20の中にポンプ内部で排気するガスが圧力の高い部分などで固化する等によって生じてしまう生成物を堆積させることによって、ネジ溝排気部ステータ18の上面に生成物が堆積した際の回転翼13との接触防止を図ったものである。この図10の例では、ネジ溝排気部ステータ18を2つの分割片18A、18Bに分割しているので、上記溝20は上側の分割片18Aの上面に設けている。なお、図示は省略するが、ネジ溝排気部ステータ18を3つ又はそれ以上の数の分割片に分割するなら、かかる溝20は回転翼13に最も近い最上部の分割片の上面に設けられる。
以上説明したネジ溝排気部ステータ18の分割構造では、それぞれの分割片18A、18Bに設けられているネジ溝19を連続するように連結する必要がある。ネジ溝19が途中で途切れていると、ネジ溝排気通路Sの上流入口19Aから下流出口19Bに至るまでの間で、上述したドラッグ効果によるガスの圧縮・排気動作を行うことができないからである。この一方、ネジ溝19は分割片18A、18Bの内周面に形成されていて、ネジ溝19の連結部は作業者にとって見え難い位置にあるので、ネジ溝19の連結作業は大変である。
そこで、以上説明したネジ溝排気部ステータ18の分割構造を採用する場合は、図11から図14のいずれかに示すネジ溝位置合せ手段21を採用することが好ましい。これらのネジ溝位置合せ手段21は、いずれも、上側の分割片18Aのネジ溝19と下側の分割片18Bのネジ溝19とを連続するように配置させる手段であり、その具体的な構成は以下の通りである。
図11のネジ溝位置合せ手段21は、下側の分割片18Bの分割面に立設したテーパピンからなる係合ピン21Aと、その分割面に接合される上側の分割片18Aの分割面に穿設した係合孔21Bとからなるとともに、係合孔21Bに係合ピン21Aが挿入嵌合することによって、両分割片18A、18Bのネジ溝19の位置合せが行われるようにしたものである。なお、図11の例では、係合ピン21Aを係合孔21Bに挿入し易くするために、係合孔21Bの縁部に面取り加工を施してある。
更に、他の実施形態として、上記係合ピン21Aを上側の分割片18Aの分割面に立設し、かつ、上記係合孔21Bをその分割面に接合される下側の分割片18Bに穿設する構成も採用し得る。また、上記のような係合ピン21Aと係合孔21Bのセットは複数セット設けてもよい。それを2セット設けた場合は、上下の分割片18A、18Bの径方向位置も決まるので、先に説明した嵌め合いDを省略することも可能である。この場合はいずれか一方の係合ピン21Aが折れた場合に備えて、後述の図13に示す段差部21D、21Eの接合構造、又は図14に示す係合凸部21Fと係合凹部21Gの係合構造を採用するのが望ましい。
上記係合孔21Bの形態は、先に説明した図11のように閉じた孔でもよいが、図12のように上側の分割片18Aの上下端面を貫通する貫通孔とすることができる。この場合は、その貫通孔の下端に係合ピン21Aが挿入嵌合する一方、当該貫通孔の上端は係合ピン21Aの位置を確認する確認窓21Cとして機能する。
以上のように係合孔21Bの一例として図12のような貫通孔を採用した場合は、係合孔21Bに係合ピン21Aを挿入嵌合させることによって上側の分割片18Aと下側の分割片18Bとでネジ溝19の位置合せを行う際に、作業者は確認窓21Cから係合ピン21Aの位置を確認できるので、その位置合せ作業は容易になる。
図13のネジ溝位置合せ手段21は、上側の分割片18Aの分割面に形成した第1の段差部21Dと、その分割面に接合される下側の分割片18Bの分割面に形成した第2の段差部21Eとからなるとともに、これらの両段差部21D、21Eが少なくとも2箇所にあって互いに噛み合って接合することにより、両分割片18A、18Bのネジ溝19の位置合せが行われるようにしたものである。図は省略するが、段差部21D、21Eは傾斜しても良い。
図14のネジ溝位置合せ手段21は、上側の分割片18Aの分割面に形成した係合凸部21Fと、その分割面に接合される下側の分割片18Bの分割面に形成した係合凹部21Gとからなるとともに、このような係合凸部21Fと係合凹部21Gが少なくとも1箇所にあって互いに噛み合って係合することにより、両分割片18A、18Bのネジ溝19の位置合わせが行われるようにしたものである。
以上説明したネジ溝排気部ステータ18の分割構造では、上側の分割片18Aを下側の分割片18Bの上に設置する作業を行うが、その作業にあたり、図15に示す作業用の取っ手22を使用することで、設置の作業性向上が図れる。
上記取っ手22はボルト22Aの頭部にリング形状の把持部22Bを設けた形態(アイボルト形状)になっている。そして、上側の分割片18Aの上面には図示しないネジ孔が形成されており、このネジ孔に取っ手22のボルト22Aをネジ込むことによって、本取っ手22は上側の分割片18Aに着脱自在に取り付けられる。そして、上記のような設置の作業が済んだら、本取っ手22は上側の分割片18Aから取り外され、次の設置作業で再使用される。なお、取っ手22を上側の分割片18Aに取り付ける手段については、上記ボルト22A以外の他の手段を採用してもよい。
以上説明したネジ溝排気部Psは、いずれもそのネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの筒形固定部材)が2つの分割片18A、18Bに分割されていて、下側の分割片18Bがポンプベース1Bで支持されるようになっている(図1等を参照)。この構造において、下側の分割片18Bについては、ポンプベース1Bの加工によって、図16のようにポンプベース1Bと一体に設けることができる。なお、図示は省略するが、ネジ溝排気部ステータ18を3つ又はそれ以上の数の分割片に分割した場合には、最下部に位置する分割片がポンプベース1Bと一体に設けられる。
以上のようなポンプベース1Bと分割片18Bとの一体構成によると、部品点数の削減を図れる。また、ポンプベース1Bと下側の分割片18Bには熱伝達の障害になる接合面がないので、ポンプベース1Bに内蔵した図示しない水冷管によって、ネジ溝排気部ステータ18全体を効率よく冷却することが可能になる。
以上説明したネジ溝排気部Psについては、例えば図17のように上側の分割片18Aの外周部を切り欠くことによって上側の分割片18Aが破壊トルクによって屈曲変形し易くなるように構成することができる。この場合、分割片18Aとその外側に位置する部材(図17の例ではポンプベース1B)との間にできる隙間30に生成物が入り込み、隙間30が埋まってしまうおそれがある。そして、隙間30が埋まることにより、分割片18Aが変形しづらくなる。前記隙間30は前記分割片18A外周部を切り欠くことによって生じるものである。
上記のような不具合を解決するために、図17のネジ溝排気部Psでは、隙間30に生成物が入り込まないようにするための生成物混入防止手段として、上側の分割片18Aの上端外周部に蓋部40を設けている。なお、図示は省略するが、ネジ溝排気部ステータ18を3つ又はそれ以上の数の分割片に分割した場合は、少なくとも最上部に位置する分割片の外周部が切り欠かれて屈曲変形し易くなるように構成するとともに、最上部に位置する分割片の上端外周部に上記のような蓋部40が設けられる。
ところで、蓋部40の強度が高すぎると、上側の分割片18Aの屈曲変形による効果が損なわれるので、蓋部40はその厚みをできる限り薄くすること等によって低強度に構成することが好ましい。
蓋部40の具体的な構成としては、例えば、図17のように薄板を上側の分割片18Aの上端面にネジ等の固定部材40Aで取り付け固定する構成など、上側の分割片18Aとは別部品にしてもよい。また、先に述べたように上側の分割片18Aの外周部を切り欠く際に蓋部40となるべき部位を図18のように残しておくことによって、蓋部40は上側の分割片18Aと一体の部品として構成してもよい。なお、図17は下側の分割片18Bがポンプベース1Bと一体化した構造において蓋部40を採用した例であるが、かかる蓋部40は下側の分割片18Bがポンプベース1Bと一体化していない構造例(図1等参照)でも採用し得る。
ところで、上記のような隙間30によって上側の分割片18Aは屈曲変形し易くなると同時に比較的弱い力で破断し易くなる。弱い力で容易に破断してしまうと、上側の分割片18Aの屈曲変形による効果を十分に発揮することができない。このため、図18のネジ溝排気部Psでは、上側の分割片18Aの外周部、具体的には隙間30を形成した部位にはCFRP等の高強度部材を補強部材50として取り付けてある。なお、図18は下側の分割片18Bがポンプベース1Bと一体化した構造例において補強部材50を採用した例であるが、かかる補強部材50は下側の分割片18Bがポンプベース1Bと一体化していない構造(図1等参照)でも採用し得る。
以上説明した図5から図18のネジ溝排気部Psにおいてそれぞれの分割片18A、18Bを図4のように異なる材料で形成してもよい。また、図5から図9のような複雑な形状のネジ溝19、190、191を必要に応じて適宜組み合わせることによって、より複雑な形状のネジ溝を採用することもできる。
以上説明したすべての実施形態では、ネジ溝排気部ステータ18(ネジ溝排気部Psの固定部材)の具体的な構成として、かかるネジ溝排気部ステータ18がロータ6(ネジ溝排気部Psの回転部材)の回転軸心方向で2以上の分割片18A、18Bに分割される構造を採用したため、以下(1)または(2)の作用効果などが奏し得られる。
(1) それぞれの分割片を必要強度に応じた異なる材料で形成する、例えば、特に強度が必要とされる部位の分割片は鍛造加工や押出/引抜き加工で作られた材料から削りだした比較的高価な加工品とし、あまり強度が必要とされない部位の分割片は安価な鋳物で作製したものとすることによって、真空ポンプの強度を維持しつつそのコストダウンを図ることができる。
(2) 分割片ごとに個別にネジ溝加工を施すことによって、ネジ溝排気部ステータ18の内周面に、リード角θ、条数、幅L1、L2、深さの変化量、またはロータ6とのギャップ等がロータ6の回転軸心方向で変化する複雑な形状のネジ溝を高度な生産設備がなくても製作でき、かかるネジ溝の採用によって真空ポンプ全体の排気性能・圧縮性能の向上を図ることができる。
1 外装ケース
1A ポンプケース
1B ポンプベース
1C フランジ
2 ガス吸気口
3 ガス排気口
4 ステータコラム
5 ロータ軸
6 ロータ
7 ボス孔
8 フランジ
9 段部
10 ラジアル磁気軸受
10A ラジアル電磁石ターゲット
10B ラジアル電磁石
10C ラジアル方向変位センサ
11 アキシャル磁気軸受
11A アーマチュアディスク
11B アキシャル電磁石
11C アキシャル方向変位センサ
12 駆動モータ
12A 固定子
12B 回転子
13 回転翼
14 固定翼
18 ネジ溝排気部ステータ
18A、18B 分割片
19、190、191 ネジ溝
19A ネジ溝排気通路の上流入口
19B ネジ溝排気通路の下流出口
20 生成物堆積用の溝
21 ネジ溝位置合せ手段
21A 係合ピン
21B 係合孔
21C 確認窓
21D 第1の段差部
21E 第2の段差部
21F 係合凸部
21G 係合凹部
22 取っ手
22A ボルト
22B 把持部
30 分割片とその外側に位置する部材との隙間
40 蓋部
50 補強部材
D 嵌め合い
G、G1、G2 ロータとネジ溝排気部ステータとのギャップ
L1、L2 ネジ溝の溝幅
P 真空ポンプ
Pt 翼排気部
Ps ネジ溝排気部
S ネジ溝排気通路
θ ネジ溝のリード角

Claims (18)

  1. ネジ溝排気部の回転部材の外周を囲むように配置された筒形固定部材であって、
    上記筒形固定部材と上記回転部材との間に気体を排気するための螺旋状のネジ溝排気通路が備えられており、上記筒形固定部材は、上記回転部材の回転軸心方向で2以上の分割片に分割され、排気口側の前記分割片が鋳物で形成され、吸気口側の前記分割片が切削品で形成されていること
    を特徴とするネジ溝排気部の筒形固定部材。
  2. 上記筒形固定部材の分割片はそれぞれ異なる材料で形成されること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  3. 上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記各分割片に設けられていて、
    上記一の分割片と他の分割片ではネジ溝のリード角が異なっていること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  4. 上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記各分割片に設けられていて、
    上記一の分割片と他の分割片ではネジ溝の条数が異なっていること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  5. 上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記各分割片に設けられていて、
    上記一の分割片と他の分割片ではネジ溝の幅が異なっていること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  6. 上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記各分割片に設けられていて、
    上記一の分割片と他の分割片ではネジ溝の深さの変化量が異なっていること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  7. 上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記各分割片に設けられていて、
    上記一の分割片と他の分割片ではネジ溝の溝上端から回転部材までの距離を変えること
    によって筒形固定部材と回転部材とのギャップが異なっていること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  8. 上記筒形固定部材は、その上面に回転軸心方向に形成された溝を有していること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  9. 上記ネジ溝排気通路を形成するためのネジ溝が上記各分割片に設けられていて、
    上記筒形固定部材は、
    一の分割片のネジ溝と他の分割片のネジ溝とを連続するように連結させるネジ溝位置合せ手段を備えること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  10. 上記ネジ溝位置合せ手段は、
    一の分割片の分割面に立設した係合ピンと、その分割面に接合される他の分割片の分割面に穿設した係合孔とからなるとともに、上記係合孔に上記係合ピンが挿入嵌合するようになっていること
    を特徴とする請求項9に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  11. 上記係合孔は、上記分割片の上下端面を貫通する貫通孔からなり、その貫通孔の一端に上記係合ピンが挿入嵌合する一方、該貫通孔の他端は上記係合ピンの位置を確認する確認窓として機能すること
    を特徴とする請求項10に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  12. 上記ネジ溝位置合せ手段は、
    一の分割片の分割面に形成した第1の段差部と、その分割面に接合される他の分割片の分割面に形成した第2の段差部とからなるとともに、上記両段差部が互いに接合するようになっていること
    を特徴とする請求項9に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  13. 上記ネジ溝位置合せ手段は、
    一の分割片の分割面に形成した係合凹部と、その分割面に接合される他の分割片の分割面に形成した係合凸部とからなるとともに、上記係合凸部が上記係合凹部に係合するようになっていること
    を特徴とする請求項9に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  14. 一の分割片を他の分割片の上に設置する作業用の取っ手が、当該一の分割片に着脱自在に取り付けられること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  15. 上記筒形固定部材は、その下端部がポンプベースで支持されていて、
    上記2以上の分割片のうち最下部に位置する分割片は、上記ポンプベースの加工によって該ポンプベースと一体に設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  16. 上記筒形固定部材は、
    上記分割片とその外側に位置する部材との隙間に生成物が入り込まないようにするための生成物混入防止手段として、2以上の分割片のうち最上部に位置する分割片の上端外周部に蓋部を備えること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  17. 上記分割片の外周部に補強部材が取り付けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のネジ溝排気部の筒形固定部材。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載されたネジ溝排気部の筒形固定部材を使用した真空ポンプ。
JP2011545140A 2009-12-11 2010-10-19 ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ Active JP5758303B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011545140A JP5758303B2 (ja) 2009-12-11 2010-10-19 ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009281985 2009-12-11
JP2009281985 2009-12-11
JP2011545140A JP5758303B2 (ja) 2009-12-11 2010-10-19 ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ
PCT/JP2010/068313 WO2011070856A1 (ja) 2009-12-11 2010-10-19 ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011070856A1 JPWO2011070856A1 (ja) 2013-04-22
JP5758303B2 true JP5758303B2 (ja) 2015-08-05

Family

ID=44145409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011545140A Active JP5758303B2 (ja) 2009-12-11 2010-10-19 ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5758303B2 (ja)
KR (1) KR101773632B1 (ja)
CN (1) CN102667169B (ja)
WO (1) WO2011070856A1 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5878876B2 (ja) 2010-12-10 2016-03-08 エドワーズ株式会社 真空ポンプ
EP2722527B1 (en) * 2011-06-17 2019-05-22 Edwards Japan Limited Vacuum pump and rotor therefor
DE102011118661A1 (de) * 2011-11-16 2013-05-16 Pfeiffer Vacuum Gmbh Reibungsvakuumpumpe
JP6077804B2 (ja) * 2012-09-06 2017-02-08 エドワーズ株式会社 固定側部材及び真空ポンプ
DE102013207269A1 (de) * 2013-04-22 2014-10-23 Pfeiffer Vacuum Gmbh Statorelement für eine Holweckpumpstufe, Vakuumpumpe mit einer Holweckpumpstufe und Verfahren zur Herstellung eines Statorelements für eine Holweckpumpstufe
JP6174398B2 (ja) * 2013-07-05 2017-08-02 エドワーズ株式会社 真空ポンプ
KR102185479B1 (ko) * 2013-09-30 2020-12-02 에드워즈 가부시키가이샤 나사 홈 펌프 기구, 상기 나사 홈 펌프 기구를 이용한 진공 펌프, 및 상기 나사 홈 펌프 기구에 이용되는 로터, 외주측 스테이터 및 내주측 스테이터
JP6331491B2 (ja) * 2013-12-27 2018-05-30 株式会社島津製作所 真空ポンプ
JP2016166594A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 株式会社島津製作所 真空ポンプ
JP6390479B2 (ja) * 2015-03-18 2018-09-19 株式会社島津製作所 ターボ分子ポンプ
JP6413926B2 (ja) * 2015-05-20 2018-10-31 株式会社島津製作所 真空ポンプおよび質量分析装置
JP6692635B2 (ja) * 2015-12-09 2020-05-13 エドワーズ株式会社 連結型ネジ溝スペーサ、および真空ポンプ
CN105909538B (zh) * 2016-06-28 2018-06-26 东北大学 一种采用分段式结构牵引级的复合分子泵
JP7098882B2 (ja) * 2017-04-03 2022-07-12 株式会社島津製作所 真空ポンプ
EP3657021B1 (de) * 2018-11-21 2020-11-11 Pfeiffer Vacuum Gmbh Vakuumpumpe
JP2020186687A (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 エドワーズ株式会社 真空ポンプとそのネジ溝ポンプ部の固定部品
EP3670924B1 (de) * 2019-11-19 2021-11-17 Pfeiffer Vacuum Gmbh Vakuumpumpe und verfahren zur herstellung einer solchen
CN112160919A (zh) * 2020-09-28 2021-01-01 东北大学 涡轮分子泵和包括该分子泵的复合分子泵
EP4194700A1 (de) * 2023-04-18 2023-06-14 Pfeiffer Vacuum Technology AG Vakuumpumpe mit einer holweck-pumpstufe mit veränderlicher holweck-geometrie
EP4273405A1 (de) * 2023-09-20 2023-11-08 Pfeiffer Vacuum Technology AG Vakuumpumpe mit einer holweck-pumpstufe mit veränderlicher holweck-geometrie

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5183280A (ja) * 1975-01-18 1976-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Choenshinbunrikyokaitendoondobunpuseigyogatabunshihonpu
JPH03138484A (ja) * 1989-07-20 1991-06-12 Leybold Ag 鐘状ロータを備えた摩擦ポンプ
JPH0673395U (ja) * 1993-03-19 1994-10-18 セイコー精機株式会社 排気ポンプ
JPH08511071A (ja) * 1993-05-03 1996-11-19 ライボルト アクチエンゲゼルシヤフト 異なる構成のポンプ区分を備えた摩擦真空ポンプ
JP2001032789A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Anelva Corp 分子ポンプ
JP2002155891A (ja) * 2000-11-22 2002-05-31 Seiko Instruments Inc 真空ポンプ
JP2004003501A (ja) * 2003-06-27 2004-01-08 Hitachi Koki Co Ltd ドライターボ真空ポンプ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3728154C2 (de) * 1987-08-24 1996-04-18 Balzers Pfeiffer Gmbh Mehrstufige Molekularpumpe
JP2000291586A (ja) * 1999-03-31 2000-10-17 Seiko Seiki Co Ltd 真空ポンプ
JP2003172290A (ja) * 2001-12-07 2003-06-20 Boc Edwards Technologies Ltd 真空ポンプ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5183280A (ja) * 1975-01-18 1976-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Choenshinbunrikyokaitendoondobunpuseigyogatabunshihonpu
JPH03138484A (ja) * 1989-07-20 1991-06-12 Leybold Ag 鐘状ロータを備えた摩擦ポンプ
JPH0673395U (ja) * 1993-03-19 1994-10-18 セイコー精機株式会社 排気ポンプ
JPH08511071A (ja) * 1993-05-03 1996-11-19 ライボルト アクチエンゲゼルシヤフト 異なる構成のポンプ区分を備えた摩擦真空ポンプ
JP2001032789A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Anelva Corp 分子ポンプ
JP2002155891A (ja) * 2000-11-22 2002-05-31 Seiko Instruments Inc 真空ポンプ
JP2004003501A (ja) * 2003-06-27 2004-01-08 Hitachi Koki Co Ltd ドライターボ真空ポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
KR20120115204A (ko) 2012-10-17
KR101773632B1 (ko) 2017-08-31
CN102667169A (zh) 2012-09-12
WO2011070856A1 (ja) 2011-06-16
CN102667169B (zh) 2016-03-02
JPWO2011070856A1 (ja) 2013-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5758303B2 (ja) ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ
JP5763660B2 (ja) 排気ポンプ
KR101839162B1 (ko) 배기 펌프
KR102106658B1 (ko) 로터, 및, 이 로터를 구비한 진공 펌프
WO2012105116A1 (ja) 真空ポンプの回転体と、これに対向設置する固定部材、及び、これらを備えた真空ポンプ
JP5897005B2 (ja) 真空ポンプとそのロータ
EP2653728B1 (en) Fixed blade assembly usable in exhaust pump, and exhaust pump provided with same
JP6758865B2 (ja) 真空ポンプ
JP2006090231A (ja) ターボ分子ポンプ固定翼の製造方法および真空ポンプ
JP5704157B2 (ja) 真空ポンプ
WO2008012565A1 (en) Molecular drag pumping mechanism

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5758303

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250