JP6390479B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、生成物堆積が生じやすいガスの排気に適したターボ分子ポンプに関する。
従来、半導体製造装置や液晶製造装置等のチャンバ排気にはターボ分子ポンプ等の真空ポンプが用いられている。近年、半導体製造装置や液晶製造装置のエッチングプロセスにおいて、真空ポンプへの生成物の堆積が発生して、真空ポンプのロータが生成物と接触するというトラブルの増加や、装置稼働後に短期間でオーバーホールが必要となるなどの問題が生じている。
生成物の凝固及び堆積はその蒸気圧に依存しており、より低圧で、より高温な環境においては凝固及び堆積が抑制される傾向がある。そのため、固定翼および回転翼で構成されるタービン翼ポンプ部と、円筒状のロータおよびステータを有するネジ溝ポンプ部とを備えるターボ分子ポンプにおいては、ポンプ内において相対的に圧力の高いネジ溝ポンプ部やポンプ排気口等で堆積量が多くなる傾向がある。そのため、この部分の堆積抑制対策として、ネジ溝ポンプ部のステータおよび排気口が設けられたベースの周囲や排気口にヒータを取り付ける構造や、ネジ溝ポンプ部のステータをヒータで直接加熱する構造(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特開2011−80407号公報
ところで、ネジ溝ポンプ部よりも排気上流側に設けられたタービン翼ポンプ部においても、例えば、回転翼と対向するスペーサ内周面において、生成物の付着および堆積が発生する。スペーサ内周面に生成物が堆積すると、その生成物と回転翼先端とが接触するおそれがある。
本発明の第1の態様によるターボ分子ポンプは、環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、前記スペーサは、貫通溝又は非貫通溝によって径方向に互いに隔てられた内周部及び外周部と、前記内周部と前記外周部とを径方向に連結し、ポンプ軸方向の長さが前記貫通溝又は前記非貫通溝の前記ポンプ軸方向の長さ以下である連結部とを有し、前記内周部から前記外周部への熱移動が前記連結部を通して行われることにより、前記内周部から前記外周部への熱移動を抑制するよう構成されている
本発明の第2の態様によるターボ分子ポンプは、環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、前記スペーサには、該スペーサの内周側から外周側への熱移動を抑制する熱抵抗部が設けられ、前記熱抵抗部は、径の異なる環状の非貫通溝が前記スペーサの表裏面に交互に形成されたラビリンス構造を有している。
本発明の第3の態様によるターボ分子ポンプは、環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、前記スペーサは、アルミ系の材料で形成され、前記スペーサの内周面のみにアルマイト処理が施され、前記スペーサの前記内周面以外の領域にはアルマイト処理が施されていないことで、前記スペーサの前記内周面が、前記スペーサの前記内周面以外の領域よりも熱伝導率が小さく設定されており、前記スペーサの内周側から外周側への熱移動を抑制するように構成されている。
本発明の第4の態様によるターボ分子ポンプは、環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、前記スペーサには、該スペーサの内周側から外周側への熱移動を抑制する熱抵抗部が設けられ、前記スペーサは、環状の外周部と、前記外周部の内周側に固定され、前記外周部よりも熱伝導率の小さな材料で形成された環状の前記熱抵抗部とを備える。
本発明によれば、スペーサ内周面への生成物の堆積を抑制することができる。
図1は、本発明に係るターボ分子ポンプの第1の実施の形態を示す図である。 図2は、スペーサの一例を示す図である。 図3は、積層状態における固定翼およびスペーサを示す図である。 図4は、本発明に係るターボ分子ポンプの第2の実施の形態を説明する図である。 図5は、本発明に係るターボ分子ポンプの第3の実施の形態を説明する図である。 図6は、積層状態における固定翼およびスペーサを示す図である。 図7は、本発明に係るターボ分子ポンプの第4の実施の形態を説明する図である。 図8は、本発明に係るターボ分子ポンプの第5の実施の形態を説明する図である。 図9は、スペーサの変形例を示す図である。 図10は、第5の実施の形態の他の例を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明に係るターボ分子ポンプの第1の実施の形態を示す断面図である。ターボ分子ポンプ1は、複数段の回転翼12およびロータ円筒部13が形成されたロータ10を備える。ロータ10にはロータシャフト11が固定されている。ロータシャフト11はラジアル磁気軸受32およびアキシャル磁気軸受33により支持され、モータ34によって回転駆動される。
磁気軸受32,33が非動作時には、ロータシャフト11はメカニカルベアリング35a,35bによって支持される。ラジアル磁気軸受32,アキシャル磁気軸受33,モータ34およびメカニカルベアリング35bは、ハウジング20に固定されるベース30に収納されている。なお、本実施の形態では、ハウジング20とベース30とが別体であるが、ハウジング20とベース30とが一体に形成されるような構成であっても良い。
ポンプケーシング23の内側には、複数段の回転翼12に対応して複数段の固定翼21がポンプ軸方向に配置されている。各段の回転翼12および固定翼21には、周方向に配置された複数のタービン翼が設けられている。複数段の固定翼21は、環状のスペーサ29を介してそれぞれ積層されている。その積層体はハウジング20上に配置される。ターボ分子ポンプ1において、複数段の回転翼12および固定翼21はタービン翼ポンプ部TPを構成している。図1に示す例では、図示下側から数えて1段目から4段目までのスペーサ29に、スペーサ29の内周側から外周側への熱移動を抑制する熱抵抗部290が設けられている。ただし、熱抵抗部290は、全てのスペーサ29に設けても良いし、任意のスペーサ29に選択的に設けても良い。
なお、本実施の形態では、熱抵抗部290が設けられている下から1〜4段目までのスペーサを符号29Bで表し、熱抵抗部290が設けられていない5〜7段目までのスペーサを符号29Aで表すことにする。
ロータ円筒部13の外周側には、円筒形状のステータ22が隙間を介して配置されている。ステータ22は、ボルト222によってハウジング20に固定されている。ロータ円筒部13の外周面またはステータ22の内周面のいずれか一方にはネジ溝が形成されており、ロータ円筒部13とステータ22とでネジ溝ポンプ部SPを構成している。なお、図1に示す例では、ステータ22にネジ溝が形成されている。
ロータ10が高速回転されると、ポンプケーシング23の吸気口230から流入したガスはタービン翼ポンプ部TP(回転翼12および固定翼21)により排気された後、ネジ溝ポンプ部SP(ロータ円筒部13およびステータ22)によりさらに圧縮される。そして、最終的には、ハウジング20に設けられた排気管26から排出される。排気管26には、バックポンプ(不図示)が接続される。
生成物が堆積しやすいガスを用いるプロセスの排気を行う場合、ポンプ内のネジ溝ポンプ部SPに生成物が堆積しやすい。そのため、ハウジング20に加熱用のヒータ200および冷却液パイプ223を設け、ヒータのオンオフと冷却液のオンオフとを制御して、ステータ22を所定温度に維持するようにしている。
(熱抵抗部の説明)
図2は、スペーサ29Bの一例を示す図である。図2(a)はスペーサ29Bの平面図であり、図2(b)はA1−A1断面図である。また、図3(a)は積層された固定翼21およびスペーサ29Bの拡大図である。図3においては、図示上側が吸気口側になる。
図2に示すように、スペーサ29Bの半径r1から半径r2までの環状領域が熱抵抗部290である。熱抵抗部290には、周方向に形成された円弧状の貫通溝290aと、その貫通溝290aと隣接する貫通溝290aとの間の連結部290bとが設けられている。スペーサ29Bの表面295側(図示上面側)には係合部293が突出し、裏面296側には係合溝294が形成されている。図3(a)に示すように固定翼21とスペーサ29Bとを交互に積層すると、下側のスペーサ29Bの係合部293が、上側のスペーサ29Bの係合溝294に係合する。
図3(a)に示すように、固定翼21には、円弧状プレートを成すリブ部211が外周側に設けられている。固定翼21に設けられた複数のタービン翼210は、リブ部211によって支持されている。リブ部211は、下側のスペーサ29Bの表面295と、上側のスペーサ29Bの裏面296との間に挟持される。
ターボ分子ポンプによってガスを排気すると、ガス排気に伴うポンプ発熱によってロータ温度が上昇する。その結果、回転翼12の温度は固定翼21の温度よりも高くなり、輻射熱Qとして回転翼12から固定翼21に熱が流入する。スペーサ29Aのように熱抵抗部を設けない場合には、スペーサ29Aの内周面から入射した熱は、スペーサ29Aの外側へと移動し、さらに積層体を下側へと移動してハウジング20に放熱される。
上述のように、本実施の形態では、生成物が堆積しやすい排気下流側のスペーサ29(具体的には、下から1段目から4段目までのスペーサ29B)に熱抵抗部290を設けた。熱抵抗部290は、スペーサ29Bの内周部291と外周部292との間に介在する。そのため、スペーサ29Bの内周側から外周側への熱移動が抑制され、内周部291と外周部292との間の温度差は、熱抵抗部290を設けない場合(熱抵抗部290の領域に貫通溝290aを形成しない場合)に比べてより大きくなる。その結果、スペーサ29Bの内周面の温度が従来よりも高くなり、スペーサ内周面への生成物堆積が抑制される。
例えば、内周部291の熱抵抗をRth1(℃/W)、熱抵抗部290の熱抵抗をRth0とし、熱流量をQ(W)とした場合、熱抵抗部290と外周部292との境界の温度とスペーサ内周面の温度との差ΔT1は、ΔT1=(Rth1+Rth0)×Qとなる。一方、貫通溝290aを形成しない従来のスペーサの場合の温度差ΔT2は、ΔT2=(Rth1+Rth2)×Qとなる。Rth2は、貫通溝290aを設けない場合の同位置における熱抵抗である。ΔT1=ΔT2+(Rth0−Rth2)×Qなので、熱抵抗部290を設けた場合、スペーサ内周面の温度は(Rth0−Rth2)×Qだけ高くなることになる。
図2に示すスペーサ29Bの場合、熱抵抗部290として空隙である貫通溝290aが設けられ、熱抵抗部290を介した内周部291から外周部292への熱伝達は、主に、断面積の小さな連結部290bを通して行われる。その結果、半径r1から半径r2までの熱抵抗は、貫通溝290aを設けない従来の構成に比べて大きくなり、スペーサ内周面(内周部291の内周面)の温度は従来よりも高くなる。
図3(b)は、スペーサ29Bの変形例を示す図である。変形例では、内周部291の表面295および裏面296に凹部295a,295bを形成した。その他の形状は図3(a)に示したスペーサ29Bと同様である。なお、凹部295a,295bは貫通溝290aおよび連結部290bの一部にもかかっている。
図3(a)に示す構造の場合には、内周部291の表裏面がリブ部211に接触している。そのため、リブ部211を介して、「内周部291→リブ部211→外周部292」のように破線矢印で示すような熱移動が避けられない。一方、図3(b)に示すスペーサ29Bの場合には、凹部295a,295bを形成して、内周部291の表裏面がリブ部211に接触しないような構成としたので、「内周部291→リブ部211→外周部292」という熱移動を防止することができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、図3(a)に示したように、スペーサ29Bは固定翼21のリブ部211のみを挟持する構成とした。しかし、図9(a)に示すスペーサ29Cのように、裏面296の一部が固定翼21のタービン翼210に対向するような構成の場合、その対向部分に貫通溝290aを形成するとポンプ排気性能への影響が懸念される。
そこで、図9(a)に示す例のように、貫通溝290a内に充填材(例えば、樹脂充填材)790を充填することで、ガスが貫通溝290aを流通してポンプ排気性能が悪化するのを、防止することができる。この場合、充填材790の材料には、スペーサ29Bを構成する材料よりも熱伝導率が小さな材料を選択する。そうすることで、半径r1〜r2の領域を熱抵抗部として機能させることができ、スペーサ29Cの内周面の温度を従来よりも高く保持することができる。
また、貫通溝290aに充填材790を充填する代わりに、図9(b)に示すように、リング状の遮蔽材890をスペーサ29Cと固定翼21との間に介在させるようにしても良い。この場合も、遮蔽材890の熱伝導率をスペーサ29Cの熱伝導率よりも小さく設定するのが好ましい。
−第2の実施の形態−
図4は、本発明に係るターボ分子ポンプの第2の実施の形態を説明する図である。図4は第1の実施の形態の図2に対応する図であり、図4(a)はスペーサ29Bの平面図、図4(b)はA2−A2断面図である。第2の実施の形態では、スペーサ29Bの半径r1から半径r2までの環状領域が熱抵抗部390である。熱抵抗部390は、リング状の非貫通溝390aと溝底面を構成する連結部390bとを備えている。スペーサ29Bの表面295および裏面296には、内周部291と固定翼21のリブ部211とが非接触となるように、凹部295a,296aが形成されている。
第2の実施の形態では、熱抵抗部390として非貫通溝390aを設けたことにより、内周部291と外周部292とは断面積の小さな連結部390bによってのみ連結されている。その結果、熱抵抗部290を介した内周部291から外周部292への熱伝達は、主に、断面積の小さな連結部390bを通して行われる。その結果、内周部291の内周面の温度を従来よりも高く保つことができ、生成物の堆積が抑制される。
なお、図4に示す例では、図3(b)の場合と同様に表裏面295,296に凹部295a,296aを形成しているので、内周部291の表裏面がリブ部211に接触しない。その結果、リブ部211を介した「内周部291→リブ部211→外周部292」という熱移動を防止することができる。もちろん、図3(a)の場合と同様に内周部291の表裏面がリブ部211に接触する構造であっても、内周部291の内周面の温度を従来よりも高く保つことができ、生成物の堆積を抑制することができる。
−第3の実施の形態−
図5,6は、本発明に係るターボ分子ポンプの第3の実施の形態を説明する図である。図5は第1の実施の形態の図2に対応する図であり、図5(a)はスペーサ29Bの平面図、図5(b)はA3−A3断面図である。スペーサ29Bの半径r1から半径r2までの環状領域が熱抵抗部490である。熱抵抗部490は、半径の異なる3つのリング状非貫通溝490a〜490cを備えたラビリンス構造を有している。非貫通溝490aおよび490cは表面295の側に設けられており、非貫通溝490bは裏面296の側に設けられている。その他の構成は、図2に示したスペーサ29Bと同様である。なお、非貫通溝の数は3つに限定されない。
図6(a)は、固定翼21をスペーサ29Bで挟持した状態における断面を示す図である。固定翼21のリブ部211は、上下に配置されたスペーサ29Bの裏面296および表面295の間に挟持される。スペーサ29Bの内周部291と外周部292とを接続している熱抵抗部490はラビリンス構造となっているので、第2の実施の形態(図4参照)のように非貫通溝390aを1箇所設ける場合に比べて熱伝達経路の経路長がより長くなる。そのため、熱抵抗部490を挟んだ内周部291と外周部292との温度差がより大きくなり、図4の場合に比べてスペーサ内周面の温度をより高温とすることができる。その結果、スペーサ内周面への生成物の堆積を抑制する効果がより高くなる。
図6(b)は、スペーサ29Bの表裏面295,296に凹部295a,296bを設けた場合を示す図である。凹部295a,296bを設けることにより、内周部291および熱抵抗部490はリブ部211と非接触状態となるので、リブ部211を介した「内周部291→リブ部211→外周部292」という熱移動を防止することができる。その結果、図6(a)の場合と比べて、スペーサ内周面の温度をより高めることができる。
−第4の実施の形態−
図7は、本発明に係るターボ分子ポンプの第4の実施の形態を説明する図である。図7(a)は、固定翼21をスペーサ29Bで挟持した状態における断面を示す図である。スペーサ29には一般的にアルミ合金が用いられるが、第4の実施の形態では、アルミ合金で形成されたスペーサ29Bの内周面にアルマイト処理を施した。符号590で示す部分は、アルマイト処理層を示す。アルマイト処理層590は、アルミ合金の部分に比べて熱伝導率が小さいので、熱抵抗部として機能する。すなわち、アルマイト処理層590を設けることにより、スペーサ内周面の温度がアルマイト処理層590を設けない場合に比べて高くなる。その結果、スペーサ内周面への生成物堆積を抑制することができる。
図7(b)は、スペーサ29Bの表裏面295,296に凹部295a,296bを設けた場合を示す。凹部295a,296bを設けることにより、アルマイト処理層590はリブ部211と非接触状態となる。その結果、リブ部211を介した「アルマイト処理層590→リブ部211→スペーサ外周部(アルミ合金部分)」という熱移動を防止することができる。その結果、図7(a)の場合と比べて、スペーサ内周面の温度をより高くすることができ、生成物の堆積を抑制する効果が向上する。
−第5の実施の形態−
図8,10は、本発明に係るターボ分子ポンプの第5の実施の形態を説明する図である。第5の実施の形態では、スペーサ29Bの内周部691と外周部692とを個別に形成して、熱抵抗部を形成するような構成とした。図8においては、内周部691を、外周部692よりも熱伝導率の小さな材料が形成した。例えば、外周部692がアルミ合金である場合には、内周部691をステンレス鋼とする。もちろん、金属以外の材料を用いても構わない。内周部691は、ボルト693によって外周部692に固定されている。
この場合、回転翼12と対向する内周部691が外周部692よりも熱伝導率の小さな材料で形成されているので、内周部691が熱抵抗部として機能する。その結果、内周部691が外周部692と一体で形成される従来の場合と比較して、スペーサ内周面(すなわち、内周部691の内周面)の温度をより高くすることができ、スペーサ内周面への生成物の堆積を抑制することができる。
なお、図8に示す例では、内周部691の厚さ寸法は、内周部691の上面691aが外周部692の上面692aよりも窪んだ状態となり、内周部691の底面691bが外周部692の底面692bよりも窪んだ状態となるように設定されている。リブ部211は、上側のスペーサ29Bの外周部692と下側のスペーサ29Bの外周部692とで挟持される。そのため、内周部691の上面691aおよび底面691bとリブ部211とが接触せず、破線矢印で示すような、「内周部691→リブ部211→外周部692」という熱移動を防止することができる。その結果、上面691aおよび底面691bとリブ部211とが接触する構成の場合よりも、スペーサ内周面の温度をより高く保つことができる。もちろん、内周部691の上面691aおよび底面691bがリブ部211と接触していても構わない。
図10は、内周部691および外周部692を同一材料(例えば、アルミ合金)で形成した場合を示す例である。図10に示す構成では、内周部691と外周部692との間の接続構造を工夫することにより、内周部691と外周部692との間の熱抵抗を大きくするようにした。具体的には、内周部691と外周部692との間に隙間695a,695bを形成し、内周部691と外周部692との間の接触面積を小さくした。これらの隙間695a,695bが熱抵抗部として機能することで、内周部691と外周部692との間の熱抵抗が大きくなる。その結果、内周部691の内周面の温度を従来よりも高くすることができる。
以上説明したように、ターボ分子ポンプ1は、例えば、図3に示すように、環状のスペーサ29Bを介して積層された複数の固定翼21と、複数の固定翼21に対して回転する複数の回転翼12と、を備え、スペーサ29Bには、図2に示すように、スペーサ29Bの内周側(内周部291)から外周側(外周部292)への熱移動を抑制する熱抵抗部290(貫通溝290aおよび連結部290b)が設けられている。その結果、熱抵抗部290を設けない構成のスペーサに比べてスペーサ内周面の温度が高くなり、スペーサ内周面への生成物の堆積を抑制することができる。
熱抵抗部としては、図2に示すように貫通溝290aが形成された熱抵抗部290であっても良いし、図4に示すように非貫通溝390aが形成された熱抵抗部390であっても良い。また、図5に示すように、径の異なる環状の非貫通溝490a〜490cがスペーサ29Bの表裏面に交互に形成されたラビリンス構造を、熱抵抗部490として備えるようにしても良い。
さらにまた、図7に示すように、スペーサ29Bをアルミ系(例えば、アルミ合金)の材料で形成し、スペーサ29Bの内周面にアルマイト処理層590を形成して熱抵抗部としても良い。
また、図8に示すように、スペーサ29Bは、環状の外周部692と、外周部692の内周側に固定され、外周部692よりも熱伝導率の小さな材料で形成された環状の内周部691とを備え、その内周部691を熱抵抗部として機能させる構成であっても良い。
なお、上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態ではタービン翼ポンプ部TPとネジ溝ポンプ部SPとを備えたターボ分子ポンプを例に説明したが、タービン翼ポンプ部TPのみを備えたターボ分子ポンプにも適用できる。
1…ターボ分子ポンプ、10…ロータ、12…回転翼、13…ロータ円筒部、21…固定翼、22…ステータ、29,29A,29B,29C…スペーサ、290,390,490…熱抵抗部、290a…貫通溝、290b,390b…連結部、291,691…内周部、292,692…外周部、390a,490a,490b,490c…非貫通溝、590…アルマイト処理層、790…充填材、890…遮蔽材、SP…ネジ溝ポンプ部、TP…タービン翼ポンプ部

Claims (4)

  1. 環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、
    前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、
    前記スペーサは、
    貫通溝又は非貫通溝によって径方向に互いに隔てられた内周部及び外周部と、
    前記内周部と前記外周部とを径方向に連結し、ポンプ軸方向の長さが前記貫通溝又は前記非貫通溝の前記ポンプ軸方向の長さ以下である連結部とを有し、
    前記内周部から前記外周部への熱移動が前記連結部を通して行われることにより、前記内周部から前記外周部への熱移動を抑制するよう構成されている、ターボ分子ポンプ。
  2. 環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、
    前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、
    前記スペーサには、該スペーサの内周側から外周側への熱移動を抑制する熱抵抗部が設けられ、
    前記熱抵抗部は、径の異なる環状の非貫通溝が前記スペーサの表裏面に交互に形成されたラビリンス構造を有している、ターボ分子ポンプ。
  3. 環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、
    前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、
    前記スペーサは、アルミ系の材料で形成され、
    前記スペーサの内周面のみにアルマイト処理が施され、前記スペーサの前記内周面以外の領域にはアルマイト処理が施されていないことで、前記スペーサの前記内周面が、前記スペーサの前記内周面以外の領域よりも熱伝導率が小さく設定されており、前記スペーサの内周側から外周側への熱移動を抑制するように構成されている、ターボ分子ポンプ。
  4. 環状のスペーサを介して積層された複数の固定翼と、
    前記複数の固定翼に対して回転する複数の回転翼と、を備え、
    前記スペーサには、該スペーサの内周側から外周側への熱移動を抑制する熱抵抗部が設けられ、
    前記スペーサは、
    環状の外周部と、
    前記外周部の内周側に固定され、前記外周部よりも熱伝導率の小さな材料で形成された環状の前記熱抵抗部とを備える、ターボ分子ポンプ。
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