JP6413926B2 - 真空ポンプおよび質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空ポンプおよび質量分析装置に関する。
ターボ分子ポンプ等の真空ポンプは、清浄な高真空環境を生成できるポンプとして種々の装置に用いられている。例えば、質量分析器においては、四重極ロッドや検出器における真空度は、イオン源における真空度よりも5倍から10倍程度高く設定される。そのため、そのような装置に対して一台の真空ポンプで対応できるように、複数の排気口を備える真空ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の真空ポンプでは、第1および第2のターボ分子ステージとホルベック(Holweck)ステージとを備え、第1ターボ分子ステージに流入可能な第1吸気口と、第1ターボ分子ステージと第2ターボ分子ステージとの間に流入可能な第2吸気口と、ホルベックステージに流入可能な第3吸気口とを備えている。ホルベックステージのステータ側には、前記第3吸気口と連通する貫通孔が形成されている。
特開2003−129990号公報
ところで、ホルベックステージのステータには複数の螺旋溝が形成されており、それらは同一の形状を有している。しかしながら、特許文献1に記載の真空ポンプでは、前記貫通孔は複数の螺旋溝の内の一部の螺旋溝のみに貫通しているので、螺旋溝毎に気体の流量が異なることになる。その結果、ホルベックステージの吸気側圧力が高くなり、ポンプ全体の排気性能の悪化を招くことになる。
本発明の好ましい実施形態による真空ポンプは、第1ポンプステージと、前記第1ポンプステージよりもポンプ下流側に設けられ、ネジ溝とネジ山とが内周面周方向に交互に複数形成された円筒状ステータ、および、前記円筒状ステータの内周側に設けられた円筒状ロータを有する第2ポンプステージと、前記第1ポンプステージよりも上流側に設けられた第1吸気口と、前記第1ポンプステージよりも下流側に設けられ、前記第2ポンプステージに連通する第2吸気口と、を備える真空ポンプであって、前記円筒状ステータには、前記第2吸気口と一以上の前記ネジ溝とを連通する貫通孔が、前記円筒状ステータの外周面から内周面に貫通するように形成され、前記貫通孔が形成された第1のネジ溝の溝形状は、貫通孔が形成されてない第2のネジ溝の溝形状と異なり、より大流量に適した溝形状に設定されている。
さらに好ましい実施形態では、前記溝形状を表すパラメータはネジ溝の溝幅、溝角度および溝深さであって、前記第1のネジ溝の溝幅、溝角度および溝深さの少なくとも一つは、前記第1のネジ溝前記第2のネジ溝よりも大流量に適するように設定されている。
さらに好ましい実施形態では、前記第2のネジ溝の溝形状は、前記第1のネジ溝に対して周方向により近くに配置されている第2のネジ溝ほど流量が大きくなるように設定されている。
さらに好ましい実施形態では、前記円筒状ステータは、ステータ軸方向の前記貫通孔よりも上流側の領域では、前記第1のネジ溝の溝形状と前記第2のネジ溝の溝形状とは同一であり、ステータ軸方向の前記貫通孔よりも下流側の領域では、前記第1のネジ溝の溝形状と前記第2のネジ溝の溝形状とが異なっている。
本発明の好ましい実施形態による真空ポンプは、第1ポンプステージと、前記第1ポンプステージよりもポンプ下流側に設けられ、ネジ溝とネジ山とが内周面周方向に交互に複数形成された円筒状ステータ、および、前記円筒状ステータの内周側に設けられた円筒状ロータを有する第2ポンプステージと、前記第1ポンプステージよりも上流側に設けられた第1吸気口と、前記第1ポンプステージよりも下流側に設けられ、前記第2ポンプステージに連通する第2吸気口と、を備える真空ポンプであって、前記円筒状ステータには、前記第2吸気口と複数の前記ネジ溝とを連通する貫通孔が、前記円筒状ステータの外周面から内周面に貫通するように形成され、前記貫通孔が形成された第1のネジ溝が、貫通孔が形成されていない第2のネジ溝よりも大流量に適するように前記第1および第2のネジ溝のネジ条数が設定されている。
さらに好ましい実施形態では、前記第1のネジ溝のネジ条数は前記第2のネジ溝のネジ条数よりも少なく設定されている
本発明の好ましい実施形態による質量分析装置は、上記の真空ポンプと、第1の分析ユニットと、前記第1の分析ユニットよりも高い圧力領域で動作する第2の分析ユニットと、前記第1の分析ユニットが収納され、前記真空ポンプの第1吸気口が接続される第1排気口を有する第1チャンバと、前記第2の分析ユニットが収納され、前記真空ポンプの第2吸気口が接続される第2排気口を有する第2チャンバと、を備える。
本発明によれば、複数の吸気口を有する真空ポンプの排気性能の向上を図ることができる。
図1は、本発明に係る真空ポンプの一実施の形態を示す外観斜視図である。 図2は、真空ポンプの断面図である。 図3は、図2のA1−A1断面図である。 図4は、第1ネジステータの内周面側の構造を示す展開図である。 図5は、図4のA2−A2断面を示す図である。 図6は、質量分析装置の一例を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明に係る真空ポンプの一実施の形態を示す外観斜視図である。真空ポンプ1は、第1ハウジング70と第2ハウジング80とを備えている。第1ハウジング70には、第1吸気口71、第2吸気口72および第3吸気口73が形成されたフランジ部75が設けられている。各吸気口71,72,73には、それぞれシールリングが装着されるシールリング溝71a,72a,73aが形成されている。第2ハウジング80には後述するようにモータが設けられ、第2ハウジング80の表面(真空ポンプ1の底面)には放熱フィン86が形成されている。
図2は、真空ポンプ1を軸方向に沿って断面した断面図である。また、図3は、図2のA1−A1断面図である。第1ハウジング70の内部には、第1タービンロータ20,第2タービンロータ30およびモータロータ90が固定されたシャフト10が設けられている。シャフト10は、永久磁石43,44を用いた磁気軸受とボールベアリング84とによって支持されている。モータロータ90の外周側に設けられたモータステータ91は、第2ハウジング80に保持されている。ボールベアリング84は、第2ハウジング80に固定されるベアリングホルダ83に保持されている。
永久磁石44は、シャフト10の図示右端部に形成された凹部内に固定されている。永久磁石44の内側に配置された永久磁石43は、磁石ホルダ40に保持されている。磁石ホルダ40はホルダ支持部41に固定され、そのホルダ支持部41は第1ハウジング70に固定されている。磁石ホルダ40には、ボールベアリング42が設けられている。ボールベアリング42は、永久磁石44と永久磁石43とが接触しないようにシャフト10の振れ回りを規制する規制部材として機能する。
第1タービンロータ20には、複数のタービン翼を備えた第1タービン翼段21が軸方向に複数段形成されている。複数の第1タービン翼段21に対して、複数のタービン翼を備えた第1固定翼段22が軸方向に交互に配置されている。これらの第1タービン翼段21と第1固定翼段22とにより、第1ターボ分子ポンプステージTP1が構成される。
第2タービンロータ30には、複数のタービン翼を備えた第2タービン翼段31が軸方向に複数段形成されている。複数の第2タービン翼段31に対して、複数のタービン翼を備えた第2固定翼段32が軸方向に交互に配置されている。これらの第2タービン翼段31と第2固定翼段32とにより、第2ターボ分子ポンプステージTP2が構成される。第1固定翼段22および第2固定翼段32の軸方向(図示左右方向)の位置決めは、スペーサ23,33,50によって行われる。
第2タービンロータ30の第2タービン翼段31よりもポンプ下流側(図示左側)には、円板部34が形成されている。円板部34には、第1円筒ロータ62と第2円筒ロータ63が固定されている。第2円筒ロータ63は、第1円筒ロータ62の内周側に配置される。第1円筒ロータ62の外周側には第1ネジステータ60が設けられ、第1円筒ロータ62と第2円筒ロータ63との間には第2ネジステータ61が設けられている。第1ネジステータ60には、第1ハウジング70の第3吸気口73と対向する位置に、貫通孔60aが形成されている。
図3に示すように、第1ネジステータ60の内周面、第2ネジステータ61の外周面と内周面、および、第2円筒ロータ63の内周面が対向する第2ハウジング80の対向面には、ネジ溝およびネジ山がそれぞれ形成されている。第1および第2円筒ロータ62,63と第1および第2ネジステータ60,61と、第2ハウジング80の対向面に形成されたネジ溝およびネジ山とにより、ホルベック(Holweck)ポンプステージHPが構成される。
図2の第1吸気口71から流入した気体は、第1ターボ分子ポンプステージTP1によって第1ターボ分子ポンプステージTP1の下流側に排気される。また、第2吸気口72から流入した気体、および、第1ターボ分子ポンプステージTP1により排気された気体は、第2ターボ分子ポンプステージTP2によって第2ターボ分子ポンプステージTP2の下流側に排気される。第2ターボ分子ポンプステージTP2により排気された気体、および、第3吸気口73から流入した気体は、ホルベックポンプステージHPによって排気される。ホルベックポンプステージHPにより排気された気体は、第2ハウジング80に形成された排気通路81,82を通過して、排気ポート85から排出される。吸気口71,72,73の圧力Pは、P(71)<P(72)<P(73)のように下流側ほど高くなる。
図4は、第1ネジステータ60の内周面側の構造を示す展開図である。また、図5(a)は、図4のA2−A2断面図を示したものである。図4の図示上側が吸気側(ポンプ上流側)で、図示下側が排気側(ポンプ下流側)である。第1ネジステータ60の内周面側には、ネジ溝とネジ山とが、周方向に交互に複数形成されている。図4に示す例では、8つのネジ溝601a〜601hと8つのネジ山602a〜602hとが交互に形成されている。貫通孔60aは、3つのネジ溝601c,601d,601eに亘って形成されている。なお、図4に示す例では、貫通孔60aはネジ山602d,602eを貫通していないが、貫通するような構成としても良い。
第1ネジステータ60の内周側に設けられた第1円筒ロータ62が矢印方向に回転することにより、ネジ溝601a〜601hに流入した気体は、ポンプ下流側(排気側)に排気される。ところで、貫通孔60aが形成されていないネジステータの場合には、吸気側から流入した気体は、各ネジ溝601a〜601hのそれぞれに対してほぼ均一に流入することになる。そのため、吸気側の圧力状態は、ネジ溝601a〜601hのいずれにおいてもほぼ同一となる。
一方、第1ネジステータ60のように貫通孔60aが形成され、第3吸気口73からの気体が貫通孔60aからも流入する構成の場合、ネジ溝601c〜601eの流量R1は、他のネジ溝601a,601b,601f〜601hの流量R2よりも大きくなる。一般的に第3吸気口73の圧力P(73)は第2吸気口72の圧力P(72)の10倍以上である。そのため、ホルベックポンプステージHPの吸気側圧力はネジ溝601c〜601eの吸気側圧力によって支配され、貫通孔60aが形成されていない場合に比べて、ホルベックポンプステージHPの吸気側圧力が高くなる。
そこで、本実施の形態では、以下に説明するように、貫通孔60aが形成されたネジ溝601c〜601eの溝形状を、貫通孔60aが形成されてないネジ溝601a,601b,601f〜601hの溝形状と異ならせ、より大流量に適した溝形状に設定するようにした。ところで、排気側の圧力は排気側の真空系によってほぼ決定され、いずれのネジ溝も排気側の圧力はほぼ同一となる。そして、より大流量に適した溝形状とは、排気する気体の流量についてはネジ溝601a,601b,601f〜601hに比べてネジ溝601c〜601eの方が大きいが、吸気側圧力についてはほぼ同程度となるように設定された溝形状を意味する。その結果、ホルベックポンプステージHPの吸気側圧力、すなわち、第3吸気口73の圧力P(73)の上昇を防止することができる。
図4のネジ溝601a〜601hについて説明する。各ネジ溝601a〜601hは、一点鎖線L1よりも吸気側(ポンプ上流側)のネジ溝部601aa〜601haと、一点鎖線L1よりも排気側(ポンプ下流側)のネジ溝部601ab〜601hbとで構成されている。一点鎖線L1は、貫通孔60aのポンプ下流側端部を通り、第1ネジステータ60の軸方向と直交する方向に延在する直線である。
貫通孔60aからネジ溝601c〜601eに流入した気体は、一部は吸気側へと逆流するが、殆どはネジ溝内を排気側へと排気される。そのため、流入した気体に対する排気性能は貫通孔60aよりも下流側のネジ溝の形状によって殆ど決まってくる。また、本実施の形態では、上述したようにネジ溝601c〜601eの溝形状を大流量に適した形状としているので、貫通孔60aよりもポンプ上流側への逆流が抑えられる。その結果、貫通孔60aよりも上流側においては、ネジ溝601a〜601hにおける排気条件はほぼ同一となる。そのため、貫通孔60aよりも上流側においては、ネジ溝601a〜601hの設定(溝形状)をほぼ同一とすることができる。
図4に示す例では、ネジ溝601a〜601hは、溝角度および溝深さが一定な螺旋溝としている。そして、一点鎖線L1よりも吸気側のネジ溝部601aa〜601haの溝形状を同一に設定している。すなわち、溝幅Wa、溝深さh(図5参照)、溝角度θaが同一とされている。一方、一点鎖線L1よりも排気側のネジ溝部601ab〜601hbについては、流量に応じて溝形状を異ならせている。
貫通孔60aの各ネジ溝601c〜601eにおける開口面積は、ネジ溝601dが最も大きく、ネジ溝601c,601eはほぼ同一面積でネジ溝601dよりも小面積となっている。そのため、一点鎖線L1よりも排気側においては、ネジ溝部601dbの流量Qdが最も大きく、次いで、ネジ溝部601cb,6001ebの流量Qc,Qe(Qc≒Qe)が大きい。一方、ネジ溝内の気体は、ネジ山の部分の微少隙間(ネジ山と第1円筒ロータ62との隙間)を介して隣接するネジ溝に漏れる。そのため、ネジ溝部601ab,601bb,601fb〜601hbの流量Qa,Qb,Qf〜Qhは、ネジ溝部601cb,601ebに近いネジ溝部ほど大きくなるものと考えられる。すなわち、Qb≒Qf>Qa≒Qg>Qhとなっている。
そこで、本実施形態では、一例として、ネジ溝部601ab〜601hbの溝角度を図4に示すように設定した。図4に示す溝角度θ1〜θ5は、各ネジ溝部の流量に応じてθ1<θ2<θ3<θ4<θ5のように設定されている。溝幅Wbおよび溝深さについては、全てのネジ溝部601ab〜601hbで同一とした。ここでは、溝角度が小さいほど流量が大きく、かつ、圧縮比が大きくなるという考え方に基づいて、溝角度θ1〜θ5を設定している。このように設定することで、ネジ溝601c〜601eは大流量に適した溝形状となり、ホルベックポンプステージHPの吸気側圧力の改善を図ることができる。
図4に示す例では、貫通孔60aが貫通しているネジ溝601c〜601eと貫通していないネジ溝601a,601b,601f〜601hとの間で、ネジ溝部の溝角度を異ならせて、ネジ溝601c〜601eを大流量に適した溝形状とした。しかしながら、溝角度に限らず、溝幅、溝深さ、ネジ条数のいずれか一つを調整することで、ネジ溝601c〜601eを大流量に適した溝形状とすることが可能である。例えば、溝幅または溝深さを大きくする、ネジ条数を減らすことで大流量化になるが、実際にはこれらの各条件の組み合わせが適宜に設定され得る。また、軸方向に沿ってネジ溝の形状(溝角度、溝幅、溝深さの少なくとも一つ)が変化する可変溝についても、上述した場合と同様の考え方を適用することができる。
また、貫通孔60aが貫通していないネジ溝601a,601b,601f〜601hについて、Qb≒Qf>Qa≒Qg>Qhのように、ネジ溝601c,601eに近いネジ溝ほど流量が大きくなるように溝形状を設定したが、同一の溝形状に設定しても良い。さらに、ネジ溝601c〜601eについても、同一の溝形状に設定しても構わない。
なお、図4に示す例では、ネジ溝部601ab〜601hbの軸方向領域を貫通孔60aの下端部までとしたが、貫通孔60aの上端部までとしても良い。いずれの場合も、貫通孔60aよりも上流側の領域では、ネジ溝部601aa〜601haの溝形状は同一であり、貫通孔60aよりも下流側の領域では、ネジ溝部601cb〜601ebの溝形状とネジ溝部601ab,601bb,601fb〜601hbの溝形状とが異なっている。
図4に示す例では、一点鎖線L1の上下で溝形状が不連続に変化している。そのため、製作しやすさを考慮して、第1ネジステータ60を、一点鎖線L1よりも上流側の部分と、一点鎖線L1よりも下流側の部分とに2分割して構成しても良い。
図6は、3つの吸気口71〜73を備える真空ポンプ1が搭載される質量分析装置100の一例を示す図である。図6は、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置の概略構成を示す模式図である。質量分析装置100は、イオン化室150と質量分析部110とを備えている。質量分析部110には、イオン化室150に隣接する第1中間室113と、第1中間室に隣接する第2中間室114と、第2中間室114に隣接する分析室115とがそれぞれ隔壁を介して設けられている。
真空ポンプ1の第1吸気口71は、分析室115の排気口131に接続される。真空ポンプ1の第2吸気口72は、第2中間室114の排気口132に接続される。真空ポンプ1の第3吸気口73は、第1中間室113の排気口133に接続される。このように、圧力領域の異なる3つの空間(第1中間室113、第2中間室114および分析室115)を一つの真空ポンプ1で排気する。
イオン化室150にはイオン化用スプレー151が設けられている。液体クロマトグラフ部LCで成分分離された液体試料は、配管152によりイオン化用スプレー151に供給される。図示していないがイオン化用スプレー151にはネブライズガスが供給され、液体試料はイオン化用スプレー151により噴霧される。イオン化用スプレー151の先端には高電圧が印加されており、噴霧の際にイオン化される。第1中間室113とイオン化室150との間にはヒータブロック112が設けられており、ヒータブロック112にはイオン化室150と第1中間室113とを連通する脱溶媒管120が設けられている。脱溶媒管120は、イオン化室150で生成されたイオンや試料の液滴が通過する際に、脱溶媒化およびイオン化を促進する機能を有している。
第1中間室113には、第1イオンレンズ121が設けられている。第2中間室114には、オクタポール123とフォーカスレンズ124とが設けられている。第2中間室114と分析室115との間の隔壁には、細孔を有する入口レンズ125が設けられている。分析室115には、第1四重極ロッド126と、第2四重極ロッド127と、検出器128とが設けられている。
イオン化室150で生成されたイオンは、脱溶媒管120、第1中間室113の第1イオンレンズ121、スキマー122、第2中間室114のオクタポール123及びフォーカスレンズ124、入口レンズ125を順に経て分析室115に送られ、四重極ロッド126、127により不要イオンが排出され、検出器128に到達した特定イオンのみが検出されることになる。
(1)以上説明したように、真空ポンプ1は、図2に示すように、複数の吸気口(第1吸気口71,第2吸気口72および第3吸気口73)を備え、円筒状の第1ネジステータ60には、第2吸気口72と3つのネジ溝601c,601d,601eと連通する貫通孔60aが、第1ネジステータ60の外周面から内周面に貫通するように形成され、貫通孔60aが形成されたネジ溝601c,601d,601eの溝形状は、貫通孔60aが形成されていない他のネジ溝601a,601b,601f〜601hの溝形状と異なり、より大流量に適した溝形状に設定されている。
このように、貫通孔60aが形成されたネジ溝601c,601d,601eの流量は、貫通孔60aが形成されていないネジ溝601a,601b,601f〜601hの流量よりも大きいので、貫通孔60aからネジ溝601c,601d,601eに気体が流入しても、ネジ溝601c,601d,601eの上流側の圧力への影響を抑えることができる。その結果、第3吸気口73における圧力低下を図ることができる。
(2)また、溝形状を表すパラメータはネジ溝の溝幅、溝角度、溝深さおよびネジ条数であって、ネジ溝601c,601d,601eの溝幅、溝角度、溝深さおよびネジ条数の少なくとも一つは、ネジ溝601c,601d,601eの流量がネジ溝601a,601b,601f〜601hの流量よりも大きくなるように設定されている。
例えば、図4に示す第1ネジステータ60の場合には、溝形状のパラメータである溝角度が異なっている。すなわち、一点鎖線L1よりも下流側では、ネジ溝601c,601d,601eの溝角度θ1,θ2は、ネジ溝601a,601b,601f〜601hの溝角度θ3〜θ5よりも小さく設定されている。そのため、ネジ溝601c,601d,601eの流量は、ネジ溝601a,601b,601f〜601hの流量よりも大きくなる。
(3)さらに、図4に示すように、ネジ溝601a,601b,601f〜601hの溝形状に関して、ネジ溝601c,601d,601eに対して周方向により近くに配置されているネジ溝ほど流量が大きくなるように設定するのが好ましい。上述したように、ネジ溝内の気体は、ネジ山の部分の微少隙間を介して隣接するネジ溝に漏れるので、流量の大きなネジ溝601c,601d,601eに近いネジ溝ほど、流量が大きくなる。そのため、ネジ溝601c,601d,601eに対して周方向により近くに配置されているネジ溝ほど流量が大きくなるように設定することで、ネジ溝601c,601d,601eだけでなく、ネジ溝601a,601b,601f〜601hに関しても溝形状の最適化が図れる。その結果、第3吸気口73のさらなる圧力低下を図ることができる。
(4)また、図4に示すように、貫通孔60aよりも下流側の領域において、上述のようにネジ溝601c,601d,601eの溝形状を大流量に適した溝形状に設定することで、上流側への逆流が抑えられる。そのため、貫通孔60aよりも上流側の領域では、ネジ溝601c,601d,601eの溝形状とネジ溝の溝形状601a,601b,601f〜601hとを同一としても良い。
(5)本実施の形態の質量分析装置では、例えば、図6に示すように、第1の分析ユニットであるオクタポール123およびフォーカスレンズ124が収納される第2中間室114の排気口132に、真空ポンプ1の第2吸気口72が接続され、第1の分析ユニットよりも高い圧力領域で動作する第1イオンレンズ121が収納される第1中間室113の排気口133に、真空ポンプ1の第3吸気口が接続される。そのため、複数のチャンバを1台の真空ポンプ1で排気することができ、質量分析装置100のコストダウンを図ることができる。
なお、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、実施形態では3つの吸気口を有する真空ポンプを例に説明したが、本発明は、第2ターボ分子ポンプステージTP2および第2吸気口72が無く、第1吸気口71と第3吸気口73のみを備える真空ポンプにも適用することができる。
1…真空ポンプ、10…シャフト、20…第1タービンロータ、21…第1タービン翼段、22…第1固定翼段、60a…貫通孔、30…第2タービンロータ、31…第2タービン翼段、32…第2固定翼段、60…第1ネジステータ、61…第2ネジステータ、62…第1円筒ロータ、63…第2円筒ロータ、70…第1ハウジング、71…第1吸気口、72…第2吸気口、73…第3吸気口、75…フランジ部、80…第2ハウジング、81,82…排気通路、601a〜601h…ネジ溝、602a〜602h…ネジ山、100…質量分析装置、110…質量分析部、113…第1中間室、114…第2中間室、115…分析室、121…第1イオンレンズ、123…オクタポール、124…フォーカスレンズ、131,132,133…排気口、150…イオン化室、HP…ホルベック(Holweck)ポンプステージ、TP1…第1ターボ分子ポンプステージ、TP2…第2ターボ分子ポンプステージ

Claims (7)

  1. 第1ポンプステージと、
    前記第1ポンプステージよりもポンプ下流側に設けられ、ネジ溝とネジ山とが内周面周方向に交互に複数形成された円筒状ステータ、および、前記円筒状ステータの内周側に設けられた円筒状ロータを有する第2ポンプステージと、
    前記第1ポンプステージよりも上流側に設けられた第1吸気口と、
    前記第1ポンプステージよりも下流側に設けられ、前記第2ポンプステージに連通する第2吸気口と、を備える真空ポンプであって、
    前記円筒状ステータには、前記第2吸気口と一以上の前記ネジ溝とを連通する貫通孔が、前記円筒状ステータの外周面から内周面に貫通するように形成され、
    前記貫通孔が形成された第1のネジ溝の溝形状は、貫通孔が形成されてない第2のネジ溝の溝形状と異なり、より大流量に適した溝形状に設定されている、真空ポンプ。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記溝形状を表すパラメータはネジ溝の溝幅、溝角度および溝深さであって、
    前記第1のネジ溝の溝幅、溝角度および溝深さの少なくとも一つは、前記第1のネジ溝前記第2のネジ溝よりも大流量に適するように設定されている、真空ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、
    前記第2のネジ溝の溝形状は、前記第1のネジ溝に対して周方向により近くに配置されている第2のネジ溝ほど流量が大きくなるように設定されている、真空ポンプ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記円筒状ステータは、
    ステータ軸方向の前記貫通孔よりも上流側の領域では、前記第1のネジ溝の溝形状と前記第2のネジ溝の溝形状とは同一であり、
    ステータ軸方向の前記貫通孔よりも下流側の領域では、前記第1のネジ溝の溝形状と前記第2のネジ溝の溝形状とが異なっている、真空ポンプ。
  5. 第1ポンプステージと、
    前記第1ポンプステージよりもポンプ下流側に設けられ、ネジ溝とネジ山とが内周面周方向に交互に複数形成された円筒状ステータ、および、前記円筒状ステータの内周側に設けられた円筒状ロータを有する第2ポンプステージと、
    前記第1ポンプステージよりも上流側に設けられた第1吸気口と、
    前記第1ポンプステージよりも下流側に設けられ、前記第2ポンプステージに連通する第2吸気口と、を備える真空ポンプであって、
    前記円筒状ステータには、前記第2吸気口と複数の前記ネジ溝とを連通する貫通孔が、前記円筒状ステータの外周面から内周面に貫通するように形成され、
    前記貫通孔が形成された第1のネジ溝が、貫通孔が形成されていない第2のネジ溝よりも大流量に適するように前記第1および第2のネジ溝のネジ条数が設定されている、真空ポンプ。
  6. 請求項5に記載の真空ポンプにおいて、
    前記第1のネジ溝のネジ条数は前記第2のネジ溝のネジ条数よりも少なく設定されている、真空ポンプ。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の真空ポンプと、
    第1の分析ユニットと、
    前記第1の分析ユニットよりも高い圧力領域で動作する第2の分析ユニットと、
    前記第1の分析ユニットが収納され、前記真空ポンプの第1吸気口が接続される第1排気口を有する第1チャンバと、
    前記第2の分析ユニットが収納され、前記真空ポンプの第2吸気口が接続される第2排気口を有する第2チャンバと、を備える質量分析装置。
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