JP2004003501A - ドライターボ真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数が少なく、コンパクトで製作・管理を容易にすることにより、コスト低減ができ、しかも製作上の諸要因による性能のばらつきを小さくしたドライターボ真空ポンプを提供する。
【解決手段】円周流ポンプ4bと遠心ポンプ4aの少なくとも1段の羽根車を一体に形成するとともに、ステータ2及びモータケーシング10にリブを設け、潤滑および冷却油用の連通路22,22a,25,26a,26b,27a,27bをリブ内部に形成する。さらに、ステータ2の段間壁の羽根車と対向する面の形状を平板状として、普通鋳造で製作可能とした。
【選択図】 図1
【解決手段】円周流ポンプ4bと遠心ポンプ4aの少なくとも1段の羽根車を一体に形成するとともに、ステータ2及びモータケーシング10にリブを設け、潤滑および冷却油用の連通路22,22a,25,26a,26b,27a,27bをリブ内部に形成する。さらに、ステータ2の段間壁の羽根車と対向する面の形状を平板状として、普通鋳造で製作可能とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気口の圧力が大気圧であるドライターボ真空ポンプに係り、特に半導体や食品、薬品などの製造装置に用いられ、清浄な真空を作り出すのに好適なドライターボ真空ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の排気口の圧力を大気圧としたドライターボ真空ポンプは、特公平3−7039号公報に記載されているように、円周流ポンプ段の機械加工が困難であるので円周流ポンプ段を精密鋳造し、機械加工で製作した遠心ポンプ段とねじ等を用いて締結し、羽根車段を構成していた。そして、羽根車を精密鋳造で製作することについては、特開昭63−61798号公報に詳しい。◆また、真空ポンプのステータについては、特開昭62−258186号公報に記載されているように、ステータ段間壁の羽根車に対向する部分に凹部がある形状となっていた。
【特許文献1】
特公平3−7039号公報
【特許文献2】
特開昭63−61798号公報
【特許文献3】
特開昭62−258186号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の特公平3−7039号公報に記載のものは、円周流ポンプ段に遠心ポンプ段を取り付ける作業が必要であり、組立時に羽根車の同心度の確保、面触れの防止等の作業を必要とし組立性がよくなかった。そして、複数部品を組み合わせる結果、各部品の寸法公差が累積され、羽根車とステータ間の細隙の寸法の管理および確保が難しく、真空ポンプに要求される性能の確保が困難であった。
【0004】
また、特開昭63−61798号公報に記載の方法は、羽根車の製法が鋳造法であるため寸法精度が悪く、製品の性能にバラツキが生じるという問題があった。さらに、内部欠陥を皆無にすることは難しく鋳造作業後の加工途中で欠陥の露呈が発生して廃却にせざるを得ないなど部品としての歩留まりが悪かった。◆さらにまた、特開昭62−258186号公報に記載の羽根車形状を鋳物で作るには、ロストワックスによる鋳造方式を用いざるを得ず、素材段階での費用がかさむという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、部品点数を少なくし、コンパクトで製作および管理が容易なドライターボ真空ポンプを提供することにある。◆また、本発明の他の目的は、製作上の諸要因による性能のばらつきを小さくしたドライターボ真空ポンプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記ステータを半割れ構造とし、各々の半割れ部に冷却ジャケット部を設け、各半割れ部のジャケット部間を連通する連通路を各半割れ部に形成したものである。
【0007】
吸気口と排気口を備えたハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、上記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータと、この多段の円周流ポンプを駆動するモータロータ及びモータステータとを有するモータと、このモータステータを収容するモータケーシングとを備えたドライターボ真空ポンプにおいて、前記モータケーシング内に油溜め部を、前記ステータの外周側に冷却ジャケットを、前記モータケーシングの外周側にモータ冷却ジャケットを、それぞれ設け、前記油溜め部と前記モータ冷却ジャケットと前記冷却ジャケットとを順次連通し、冷却油の循環路を形成したものである。
【0008】
好ましくは、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記多段円周流ポンプと前記遠心ポンプの少なくとも1段を一体に形成したものである。◆そして、好ましくは前記円周流羽根車は心板と該心板に間隔をおいて配置された複数枚の羽根とからなり、この羽根間の溝底面の半径方向断面形状を階段状又は断続的な直線群で形成したものである。
【0009】
また、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、上記ハウジング内に該円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記多段の円周流ポンプ段の少なくとも隣合う2段のステータ部分の内径が実質的に同じであり、このステータに設けられた各段を仕切る段間壁の羽根車に対向する部分を平板状としたものである。
【0010】
◆好ましくは、上記いずれかのドライターボ真空ポンプにおいて、ステータの段間壁の羽根車に対向する部分を平板状にし、普通鋳造で製作可能な形状としたものである。◆また好ましくは、モータケーシング内に油溜め部を設け、この油溜め部とケーシングの冷却ジャケット部を、モータケーシングの外周部に設けたリブ内に形成した連通路と、ステータの外周部に設けたリブに形成した連通路とを連通したものである。
【0011】
さらに、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記多段円周流ポンプと前記遠心ポンプの少なくとも1段を一体に形成し、前記回転軸を支持する軸受の中の上部軸受を保持するホルダと前記ステータ間にスペーサを設けたものである。
【0012】
従来精密鋳造であった円周流羽根車を多軸数値制御加工機を用いて機械加工できる形状とすることにより、円周流ポンプと遠心ポンプの少なくとも一段を一体に機械加工することが可能となる。これにより、円周流ポンプと遠心ポンプの組立工程を削減でき作業性が向上する。また、一体体加工できるので加工精度を向上することができ、羽根車とステータとの細隙寸法の管理が容易となり、性能のばらつきの小さいポンプを提供することができる。◆さらに、ステータの段間壁の羽根車に対向する部分の形状を平板状としたので、鋳型の抜けが容易となり普通鋳造で製作可能になる。これにより、従来のロストワックスによる精密鋳造方式より素材費を約1/10に低減できる。◆また、モータケーシングとステータに冷却用のジャケットを設け、このジャケットに給油およびジャケットから排油するための冷却流路を、モータケーシングとステータ内に設けることにより、冷却油配管を必要とせず、外部配管作業を大幅に削減でき作業性が向上するとともに、設置後の保守点検をも容易にする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施例を示した図で、上下方向に軸配置されたシャフト3の中間部及び下端部を転がり軸受7a、及び7bで支承し、その軸受間に高周波モータロータ8aが圧入されている。このシャフト3の上部側に多段の円周流羽根車からなる円周流ポンプ4bと遠心流羽根車からなる遠心ポンプ4aの少なくとも1段を一体化したポンプロータ(以下単にロータと称す)1を圧入し締結する。そしてこのロータ1に対向してロータ1と同軸に隙間をもってポンプステータ(以下単にステータと称す)2が配置され、ステータ2の上部にはポンプの吸気口6が形成された吸込みケーシング5が機密性をもって取り付けられている。そして、ステータ2の外周部であって羽根車の外周側の真空ポンプ作用を行なう部分に対応した位置に、ポンプ作用により生じた熱を取り去るための冷却ジャケット9が形成されている。
【0014】
一方、モータロータ8aの外径側でモータロータに対向して配置されたモータステータ8bが、モータケーシング10に保持されている。モータステータ8bとモータロータ8aが対向する部分の外径側に位置するモータケーシング10の部分にモータを冷却するための冷却流路、すなわち冷却ジャケット11が形成されている。なお、この図1ではモータ部とポンプ部で周方向断面位置を変化させている。
【0015】
次にこのように構成した本発明の一実施例の動作について説明する。◆図示しない制御装置の指令に基づいて、高周波モータロータ8a及び高周波モータステータ8bとからなるモータがシャフト3及びロータ1を高速駆動すると、吸気口6から吸入された気体は、遠心ポンプ段4a及び円周流ポンプ段4bを経るに連れ順次圧縮され、排気口12から排気される。図2は円周流ポンプ段の横断面図で渦流ポンプの各段では、各段に設けられた吸入口13から気体が流入し、高速で回転する円周流羽根車14により気体に周方向の速度成分が付加される。そして、遠心力により円周流羽根車14から半径方向に排出され、通風路15内で減速して圧力回復し、再度円周流羽根車14に流入する。気体は通風路15を通り抜ける間に上記作用を繰り返して、円周流羽根車14からエネルギーを得、通風路15内をらせん状に流れて吐出口16から次の段へ流入する。この作用を複数段で行なうことにより、高い圧縮比を得ることができ、その結果、気体を大気へ直接排気することが可能となる。
【0016】
図3ないし図6に上記実施例に用いる円周流羽根車の一実施例を示す。円周流羽根車は心板の外径側に複数の羽根が放射状に配置されていて、羽根間には溝部が形成されている。そして、その羽根厚さはほぼ一様になっている。図3および図4に示すように、円周流羽根車の羽根間の溝底面の半径方向形状は、断続的な直線群または階段状となっている。そして、図5に示すように円周流羽根車の羽根間の溝底面の円周方向形状は複数の円弧で形成されている。さらに、図6に示すように円周流羽根車の羽根の心板側内径部を弧状に形成している。このように円周流羽根車の形状を構成することにより、円周流羽根車の加工を数値制御加工機を用いて行なうことが可能となる。
【0017】
これにより、円周流羽根車の寸法精度が向上し、性能のばらつきが小さくなる。さらに、円周流ポンプと遠心ポンプとを一体化できるので組立の作業性も向上する。また、鋳物に比べ機械加工で製作したロータの方が鋳造欠陥等に起因するアンバランス量が少なく、バランス調整作業を短縮できる利点もある。また円周流羽根車の反心板側の羽根端部は図5に示すように回転方向(矢印で示す)に傾斜させることにより圧縮比を10%〜30%向上することができる。
【0018】
なお、上記実施例では羽根間の溝底面の半径方向形状を直線群または階段状に、周方向形状を複数の円弧で、さらに心板側内径部を弧状に形成したが、これらは全てを満足する必要はなく、機械加工が可能となる形状であれば、そのいずれかの構成であっても良い。
【0019】
また、本実施例ではエンドミルを用いた加工を前提としているが、エンドミル以外の工具によっても同様の加工ができるのであれば本発明に含まれる。
【0020】
図7に、図1に示したステータ2の一実施例を示す。本実施例では、円周流ポンプ段は8段のポンプからなり、その上から1〜6段の内径が同径であり、また7及び8段の内径が同径となっている。そして、ステータの段間に形成される段間壁18の羽根車に対向する部分は平板状になっている。段間壁18を平板形状にすることにより、鋳造時に鋳型を容易に取り外すことができ、素材の製作方法を従来の精密鋳造方式から普通鋳造方式とすることにより、材料費を1/10程度に低減できる。なお、図8に示すように、ステータ2の段間壁18の一部には、円周流羽根車の周方向羽根ピッチ以上、すなわち、羽根が2枚以上入る長さをもった堰止め部17を設け、各段で圧縮された気体が、ポンプの中で再循環したり、内部漏れを生ずること無く、次段へ流入するようになっている。そして、堰止め部17の周方向位置を図7に示すように上流側から下流側へ順次ずらした構造になっており、これによりスラスト力の周方向分布の均一化とステータ2の軸方向寸法の低減が可能になる。
【0021】
図9に、本発明の給油系統の一実施例を示す。本実施例において、潤滑油は軸受の潤滑・冷却という機能と、ポンプ本体及びモータの冷却という2つを機能を有し、そのため、流路系統が2系統形成されている。まず、軸受への潤滑・冷却系統について説明する。オイルポンプ20によりモータケーシング10に供給された油は、モータケーシングの側部に設けたオイルフィルタ21収容部に収容されたオイルフィルタ21によりろ過され、モータケーシング内で分岐され、一方はモータケーシング10に設けた連通路22を通って上軸受7aに供給され、他方はモータケーシング10に別途設けた連通路23を通って下軸受7bに供給される。各連通路22,23の途中にはオイリフィス22a,23aが組込まれており、このオリフィスによって各軸受への給油量が調整できる構造となっている。各軸受を潤滑及び冷却した油は、モータケーシング内のシャフト近傍の空間および軸受下部に形成された空間を下降し、モータケーシング10内のオイルタンク部24に戻る。
【0022】
次に、モータ及びポンプ本体の冷却系統について説明する。オイルポンプ20によりモータケーシング10に供給された油は、今度はオイルフィルタ21を通らず、モータケーシング内に設けた連通路25を通ってモータ冷却用の冷却ジャケット11に供給され、モータを冷却した後、通連路26a、26bを通ってステータ2の冷却ジャケット9に供給される。ポンプ段を冷却した油は連通路27a、27bを通ってモータケーシング内のオイルタンク部24に戻る。オイルタンク部に戻ってきた油は図示していないオイルクーラによって温度コントロールされ、オイルポンプ20によって、再びモータケーシング10に供給され、以後この循環を繰り返す。
【0023】
上記潤滑油での冷却状態を更に詳しく説明するために、図10及び図11にステータ2に形成した冷却ジャケット9の一実施例を示す。ステータ2は冷却ジャケット部では略矩形に形成され、その矩形の角部とステータ段間壁よりやや外径のステータ壁面で形成された部分を利用して冷却ジャケット9を構成する。この空間の出口部28にパッキン等を介して、ジャケットカバー28a、28bをねじ止めする構造となっている。ステータ2は半割れ構造であり、両ジャケット(半割れ部)間を連通する穴29を両ジャケットに設けている。これにより、一方のジャケットに連通路26bから供給された油が、もう一方のジャケットに流入できる構造となっている。連通路26b、27aはステータ2の外周に設けたリブ内に具備されている。これにより、外部配管を省くことができ、作業性の向上と運搬および稼働中での配管不良を防止できる。◆図12および図13に、モータケーシングの冷却ジャケット11及び各連通路の一実施例を示す。モータケーシングの外周側には、連通路用にリブ41、42、43が形成されており、この内部には連通路22、26b、27bが形成されている。このモータケーシングの冷却ジャケットもステータの場合と同様に外部配管を省くことができ、作業性が向上する。
【0024】
図14に本発明の他の実施例を示す。外ケース30は、ステータ2及び吸込ケーシング5の外周を覆う円筒形状をしており、ステータの外周に配設したOリング31で上部を支持し、下端側をフランジ状に折り曲げ、その折曲げた部分をボルトで固定している。この構造により外ケース30が着脱自在となり作業性が向上する。又、軸受ホルダ32と半割れのホルダスペーサ33を別部品とした。これにより、ロータ1とステータ2のギャップ調整作業において必要なカラー34の長さの調整において、従来必要であったロータ1のシャフト3からの取り外し作業が不要となった。そして、上記ギャップ調整はホルダスペーサ33の厚みを調整するだけでよく、ロータ1とシャフト3の分解および再組立が不要となり、ポンプ1台につき6時間程度の組立時間の短縮が図れた。
【0025】
図15は、本発明のドライ真空ポンプを搭載した装置の一実施例であり、ポンプ本体35、ポンプ用制御装置36及びその他補機関係機器を架台37に取付け、カバー38で覆いパッケージ化してある。パッケージ化することにより、ユーザがポンプ本体35とポンプ用制御装置36間の配線作業をしなくて済む。また、電源、給排水、および軸封ガスのユーティリティを接続するだけで、すぐにポンプを起動することができる。
【0026】
図16および図17は本発明のドライ真空ポンプの変形例を示したもので、排気ようりょうを変化させる場合である。排気容量を小さくする時には一体形に形成した遠心ポンプ段と円周流ポンプ段との上部に付加した遠心ポンプ段を取外し、排気容量を大きくする時には一体形に形成した遠心ポンプ段の上部にさらに取外し自在の遠心ポンプ段を追加し、この遠心ポンプ段のステータまたはステータの上部に吸込みケーシング5を取り付けるようになっている。これにより、遠心ポンプ段の段数を増減するだけでその他の部分は変更することなく排気容量を1000l/minから9000l/minまで変化させることが可能となり、部品の共通化が図れ、素材費、組立費の低減が図れる。
【0027】
本実施例によれば、円周流ポンプ段と遠心ポンプ段の少なくとも一段を一体化したので、寸法管理が容易になるとともに、性能のバラツキや性能の向上が可能となった。◆また、外部配管を大幅に削減できたことにより組立に要する時間を従来の約半分に削減するとともに、運搬稼働時の配管系の信頼性を向上することができる。◆さらに、ステータの製作方法を従来の精密鋳造方式から普通鋳造方式を可能にしたことにより、ステータの製作コストを従来の約1/10と大幅にコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図。
【図2】図1に示した実施例の横断面図。
【図3】本発明の一実施例の円周流羽根車の縦断面詳細図。
【図4】本発明の一実施例の円周流羽根車の縦断面詳細図。
【図5】図3および図4に示した実施例の外周からの視図。
【図6】円周流羽根車の正面図。
【図7】本発明の一実施例のステータの正面図。
【図8】本発明の一実施例のステータ堰止め部の外周からの視図。
【図9】本発明の一実施例の潤滑油系統を示す縦断面図。
【図10】本発明の一実施例のステータの横断面図。
【図11】本発明の一実施例のステータの側面図。
【図12】本発明の一実施例のモータケーシングの横断面図。
【図13】本発明の一実施例のモータケーシングの横断面図。
【図14】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図15】本発明の一実施例のドライターボ真空ポンプを搭載したパッケージ型真空排気装置の縦断面図。
【図16】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図17】本発明のさらに他の実施例の縦断面図。
【符号の説明】
1…ロータ、2…ステータ、3…シャフト、4a…遠心ポンプ、4b…円周流ポンプ、5…吸込みケーシング、6…給気口、7a、7b…軸受、8a…モータロータ、8b…モータステータ、9…冷却ジャケット、10…モータケーシング、11…冷却ジャケット、12…排気口、14…円周流羽根車、17…堰止め部、18…段間壁、20…オイルポンプ、21…オイルフィルタ、22、23…連通路、24…オイルタンク部、25…連通路、26a、26b、27a、27b…連通路、32…軸受ホルダ、33…ホルダスペーサ、35…ポンプ本体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気口の圧力が大気圧であるドライターボ真空ポンプに係り、特に半導体や食品、薬品などの製造装置に用いられ、清浄な真空を作り出すのに好適なドライターボ真空ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の排気口の圧力を大気圧としたドライターボ真空ポンプは、特公平3−7039号公報に記載されているように、円周流ポンプ段の機械加工が困難であるので円周流ポンプ段を精密鋳造し、機械加工で製作した遠心ポンプ段とねじ等を用いて締結し、羽根車段を構成していた。そして、羽根車を精密鋳造で製作することについては、特開昭63−61798号公報に詳しい。◆また、真空ポンプのステータについては、特開昭62−258186号公報に記載されているように、ステータ段間壁の羽根車に対向する部分に凹部がある形状となっていた。
【特許文献1】
特公平3−7039号公報
【特許文献2】
特開昭63−61798号公報
【特許文献3】
特開昭62−258186号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の特公平3−7039号公報に記載のものは、円周流ポンプ段に遠心ポンプ段を取り付ける作業が必要であり、組立時に羽根車の同心度の確保、面触れの防止等の作業を必要とし組立性がよくなかった。そして、複数部品を組み合わせる結果、各部品の寸法公差が累積され、羽根車とステータ間の細隙の寸法の管理および確保が難しく、真空ポンプに要求される性能の確保が困難であった。
【0004】
また、特開昭63−61798号公報に記載の方法は、羽根車の製法が鋳造法であるため寸法精度が悪く、製品の性能にバラツキが生じるという問題があった。さらに、内部欠陥を皆無にすることは難しく鋳造作業後の加工途中で欠陥の露呈が発生して廃却にせざるを得ないなど部品としての歩留まりが悪かった。◆さらにまた、特開昭62−258186号公報に記載の羽根車形状を鋳物で作るには、ロストワックスによる鋳造方式を用いざるを得ず、素材段階での費用がかさむという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、部品点数を少なくし、コンパクトで製作および管理が容易なドライターボ真空ポンプを提供することにある。◆また、本発明の他の目的は、製作上の諸要因による性能のばらつきを小さくしたドライターボ真空ポンプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記ステータを半割れ構造とし、各々の半割れ部に冷却ジャケット部を設け、各半割れ部のジャケット部間を連通する連通路を各半割れ部に形成したものである。
【0007】
吸気口と排気口を備えたハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、上記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータと、この多段の円周流ポンプを駆動するモータロータ及びモータステータとを有するモータと、このモータステータを収容するモータケーシングとを備えたドライターボ真空ポンプにおいて、前記モータケーシング内に油溜め部を、前記ステータの外周側に冷却ジャケットを、前記モータケーシングの外周側にモータ冷却ジャケットを、それぞれ設け、前記油溜め部と前記モータ冷却ジャケットと前記冷却ジャケットとを順次連通し、冷却油の循環路を形成したものである。
【0008】
好ましくは、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記多段円周流ポンプと前記遠心ポンプの少なくとも1段を一体に形成したものである。◆そして、好ましくは前記円周流羽根車は心板と該心板に間隔をおいて配置された複数枚の羽根とからなり、この羽根間の溝底面の半径方向断面形状を階段状又は断続的な直線群で形成したものである。
【0009】
また、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、上記ハウジング内に該円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記多段の円周流ポンプ段の少なくとも隣合う2段のステータ部分の内径が実質的に同じであり、このステータに設けられた各段を仕切る段間壁の羽根車に対向する部分を平板状としたものである。
【0010】
◆好ましくは、上記いずれかのドライターボ真空ポンプにおいて、ステータの段間壁の羽根車に対向する部分を平板状にし、普通鋳造で製作可能な形状としたものである。◆また好ましくは、モータケーシング内に油溜め部を設け、この油溜め部とケーシングの冷却ジャケット部を、モータケーシングの外周部に設けたリブ内に形成した連通路と、ステータの外周部に設けたリブに形成した連通路とを連通したものである。
【0011】
さらに、吸気口及び排気口を有するハウジングと、ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、この円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設され、前記吸気口から吸入した気体を排気口から大気に排気するドライターボ真空ポンプにおいて、前記多段円周流ポンプと前記遠心ポンプの少なくとも1段を一体に形成し、前記回転軸を支持する軸受の中の上部軸受を保持するホルダと前記ステータ間にスペーサを設けたものである。
【0012】
従来精密鋳造であった円周流羽根車を多軸数値制御加工機を用いて機械加工できる形状とすることにより、円周流ポンプと遠心ポンプの少なくとも一段を一体に機械加工することが可能となる。これにより、円周流ポンプと遠心ポンプの組立工程を削減でき作業性が向上する。また、一体体加工できるので加工精度を向上することができ、羽根車とステータとの細隙寸法の管理が容易となり、性能のばらつきの小さいポンプを提供することができる。◆さらに、ステータの段間壁の羽根車に対向する部分の形状を平板状としたので、鋳型の抜けが容易となり普通鋳造で製作可能になる。これにより、従来のロストワックスによる精密鋳造方式より素材費を約1/10に低減できる。◆また、モータケーシングとステータに冷却用のジャケットを設け、このジャケットに給油およびジャケットから排油するための冷却流路を、モータケーシングとステータ内に設けることにより、冷却油配管を必要とせず、外部配管作業を大幅に削減でき作業性が向上するとともに、設置後の保守点検をも容易にする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施例を示した図で、上下方向に軸配置されたシャフト3の中間部及び下端部を転がり軸受7a、及び7bで支承し、その軸受間に高周波モータロータ8aが圧入されている。このシャフト3の上部側に多段の円周流羽根車からなる円周流ポンプ4bと遠心流羽根車からなる遠心ポンプ4aの少なくとも1段を一体化したポンプロータ(以下単にロータと称す)1を圧入し締結する。そしてこのロータ1に対向してロータ1と同軸に隙間をもってポンプステータ(以下単にステータと称す)2が配置され、ステータ2の上部にはポンプの吸気口6が形成された吸込みケーシング5が機密性をもって取り付けられている。そして、ステータ2の外周部であって羽根車の外周側の真空ポンプ作用を行なう部分に対応した位置に、ポンプ作用により生じた熱を取り去るための冷却ジャケット9が形成されている。
【0014】
一方、モータロータ8aの外径側でモータロータに対向して配置されたモータステータ8bが、モータケーシング10に保持されている。モータステータ8bとモータロータ8aが対向する部分の外径側に位置するモータケーシング10の部分にモータを冷却するための冷却流路、すなわち冷却ジャケット11が形成されている。なお、この図1ではモータ部とポンプ部で周方向断面位置を変化させている。
【0015】
次にこのように構成した本発明の一実施例の動作について説明する。◆図示しない制御装置の指令に基づいて、高周波モータロータ8a及び高周波モータステータ8bとからなるモータがシャフト3及びロータ1を高速駆動すると、吸気口6から吸入された気体は、遠心ポンプ段4a及び円周流ポンプ段4bを経るに連れ順次圧縮され、排気口12から排気される。図2は円周流ポンプ段の横断面図で渦流ポンプの各段では、各段に設けられた吸入口13から気体が流入し、高速で回転する円周流羽根車14により気体に周方向の速度成分が付加される。そして、遠心力により円周流羽根車14から半径方向に排出され、通風路15内で減速して圧力回復し、再度円周流羽根車14に流入する。気体は通風路15を通り抜ける間に上記作用を繰り返して、円周流羽根車14からエネルギーを得、通風路15内をらせん状に流れて吐出口16から次の段へ流入する。この作用を複数段で行なうことにより、高い圧縮比を得ることができ、その結果、気体を大気へ直接排気することが可能となる。
【0016】
図3ないし図6に上記実施例に用いる円周流羽根車の一実施例を示す。円周流羽根車は心板の外径側に複数の羽根が放射状に配置されていて、羽根間には溝部が形成されている。そして、その羽根厚さはほぼ一様になっている。図3および図4に示すように、円周流羽根車の羽根間の溝底面の半径方向形状は、断続的な直線群または階段状となっている。そして、図5に示すように円周流羽根車の羽根間の溝底面の円周方向形状は複数の円弧で形成されている。さらに、図6に示すように円周流羽根車の羽根の心板側内径部を弧状に形成している。このように円周流羽根車の形状を構成することにより、円周流羽根車の加工を数値制御加工機を用いて行なうことが可能となる。
【0017】
これにより、円周流羽根車の寸法精度が向上し、性能のばらつきが小さくなる。さらに、円周流ポンプと遠心ポンプとを一体化できるので組立の作業性も向上する。また、鋳物に比べ機械加工で製作したロータの方が鋳造欠陥等に起因するアンバランス量が少なく、バランス調整作業を短縮できる利点もある。また円周流羽根車の反心板側の羽根端部は図5に示すように回転方向(矢印で示す)に傾斜させることにより圧縮比を10%〜30%向上することができる。
【0018】
なお、上記実施例では羽根間の溝底面の半径方向形状を直線群または階段状に、周方向形状を複数の円弧で、さらに心板側内径部を弧状に形成したが、これらは全てを満足する必要はなく、機械加工が可能となる形状であれば、そのいずれかの構成であっても良い。
【0019】
また、本実施例ではエンドミルを用いた加工を前提としているが、エンドミル以外の工具によっても同様の加工ができるのであれば本発明に含まれる。
【0020】
図7に、図1に示したステータ2の一実施例を示す。本実施例では、円周流ポンプ段は8段のポンプからなり、その上から1〜6段の内径が同径であり、また7及び8段の内径が同径となっている。そして、ステータの段間に形成される段間壁18の羽根車に対向する部分は平板状になっている。段間壁18を平板形状にすることにより、鋳造時に鋳型を容易に取り外すことができ、素材の製作方法を従来の精密鋳造方式から普通鋳造方式とすることにより、材料費を1/10程度に低減できる。なお、図8に示すように、ステータ2の段間壁18の一部には、円周流羽根車の周方向羽根ピッチ以上、すなわち、羽根が2枚以上入る長さをもった堰止め部17を設け、各段で圧縮された気体が、ポンプの中で再循環したり、内部漏れを生ずること無く、次段へ流入するようになっている。そして、堰止め部17の周方向位置を図7に示すように上流側から下流側へ順次ずらした構造になっており、これによりスラスト力の周方向分布の均一化とステータ2の軸方向寸法の低減が可能になる。
【0021】
図9に、本発明の給油系統の一実施例を示す。本実施例において、潤滑油は軸受の潤滑・冷却という機能と、ポンプ本体及びモータの冷却という2つを機能を有し、そのため、流路系統が2系統形成されている。まず、軸受への潤滑・冷却系統について説明する。オイルポンプ20によりモータケーシング10に供給された油は、モータケーシングの側部に設けたオイルフィルタ21収容部に収容されたオイルフィルタ21によりろ過され、モータケーシング内で分岐され、一方はモータケーシング10に設けた連通路22を通って上軸受7aに供給され、他方はモータケーシング10に別途設けた連通路23を通って下軸受7bに供給される。各連通路22,23の途中にはオイリフィス22a,23aが組込まれており、このオリフィスによって各軸受への給油量が調整できる構造となっている。各軸受を潤滑及び冷却した油は、モータケーシング内のシャフト近傍の空間および軸受下部に形成された空間を下降し、モータケーシング10内のオイルタンク部24に戻る。
【0022】
次に、モータ及びポンプ本体の冷却系統について説明する。オイルポンプ20によりモータケーシング10に供給された油は、今度はオイルフィルタ21を通らず、モータケーシング内に設けた連通路25を通ってモータ冷却用の冷却ジャケット11に供給され、モータを冷却した後、通連路26a、26bを通ってステータ2の冷却ジャケット9に供給される。ポンプ段を冷却した油は連通路27a、27bを通ってモータケーシング内のオイルタンク部24に戻る。オイルタンク部に戻ってきた油は図示していないオイルクーラによって温度コントロールされ、オイルポンプ20によって、再びモータケーシング10に供給され、以後この循環を繰り返す。
【0023】
上記潤滑油での冷却状態を更に詳しく説明するために、図10及び図11にステータ2に形成した冷却ジャケット9の一実施例を示す。ステータ2は冷却ジャケット部では略矩形に形成され、その矩形の角部とステータ段間壁よりやや外径のステータ壁面で形成された部分を利用して冷却ジャケット9を構成する。この空間の出口部28にパッキン等を介して、ジャケットカバー28a、28bをねじ止めする構造となっている。ステータ2は半割れ構造であり、両ジャケット(半割れ部)間を連通する穴29を両ジャケットに設けている。これにより、一方のジャケットに連通路26bから供給された油が、もう一方のジャケットに流入できる構造となっている。連通路26b、27aはステータ2の外周に設けたリブ内に具備されている。これにより、外部配管を省くことができ、作業性の向上と運搬および稼働中での配管不良を防止できる。◆図12および図13に、モータケーシングの冷却ジャケット11及び各連通路の一実施例を示す。モータケーシングの外周側には、連通路用にリブ41、42、43が形成されており、この内部には連通路22、26b、27bが形成されている。このモータケーシングの冷却ジャケットもステータの場合と同様に外部配管を省くことができ、作業性が向上する。
【0024】
図14に本発明の他の実施例を示す。外ケース30は、ステータ2及び吸込ケーシング5の外周を覆う円筒形状をしており、ステータの外周に配設したOリング31で上部を支持し、下端側をフランジ状に折り曲げ、その折曲げた部分をボルトで固定している。この構造により外ケース30が着脱自在となり作業性が向上する。又、軸受ホルダ32と半割れのホルダスペーサ33を別部品とした。これにより、ロータ1とステータ2のギャップ調整作業において必要なカラー34の長さの調整において、従来必要であったロータ1のシャフト3からの取り外し作業が不要となった。そして、上記ギャップ調整はホルダスペーサ33の厚みを調整するだけでよく、ロータ1とシャフト3の分解および再組立が不要となり、ポンプ1台につき6時間程度の組立時間の短縮が図れた。
【0025】
図15は、本発明のドライ真空ポンプを搭載した装置の一実施例であり、ポンプ本体35、ポンプ用制御装置36及びその他補機関係機器を架台37に取付け、カバー38で覆いパッケージ化してある。パッケージ化することにより、ユーザがポンプ本体35とポンプ用制御装置36間の配線作業をしなくて済む。また、電源、給排水、および軸封ガスのユーティリティを接続するだけで、すぐにポンプを起動することができる。
【0026】
図16および図17は本発明のドライ真空ポンプの変形例を示したもので、排気ようりょうを変化させる場合である。排気容量を小さくする時には一体形に形成した遠心ポンプ段と円周流ポンプ段との上部に付加した遠心ポンプ段を取外し、排気容量を大きくする時には一体形に形成した遠心ポンプ段の上部にさらに取外し自在の遠心ポンプ段を追加し、この遠心ポンプ段のステータまたはステータの上部に吸込みケーシング5を取り付けるようになっている。これにより、遠心ポンプ段の段数を増減するだけでその他の部分は変更することなく排気容量を1000l/minから9000l/minまで変化させることが可能となり、部品の共通化が図れ、素材費、組立費の低減が図れる。
【0027】
本実施例によれば、円周流ポンプ段と遠心ポンプ段の少なくとも一段を一体化したので、寸法管理が容易になるとともに、性能のバラツキや性能の向上が可能となった。◆また、外部配管を大幅に削減できたことにより組立に要する時間を従来の約半分に削減するとともに、運搬稼働時の配管系の信頼性を向上することができる。◆さらに、ステータの製作方法を従来の精密鋳造方式から普通鋳造方式を可能にしたことにより、ステータの製作コストを従来の約1/10と大幅にコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図。
【図2】図1に示した実施例の横断面図。
【図3】本発明の一実施例の円周流羽根車の縦断面詳細図。
【図4】本発明の一実施例の円周流羽根車の縦断面詳細図。
【図5】図3および図4に示した実施例の外周からの視図。
【図6】円周流羽根車の正面図。
【図7】本発明の一実施例のステータの正面図。
【図8】本発明の一実施例のステータ堰止め部の外周からの視図。
【図9】本発明の一実施例の潤滑油系統を示す縦断面図。
【図10】本発明の一実施例のステータの横断面図。
【図11】本発明の一実施例のステータの側面図。
【図12】本発明の一実施例のモータケーシングの横断面図。
【図13】本発明の一実施例のモータケーシングの横断面図。
【図14】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図15】本発明の一実施例のドライターボ真空ポンプを搭載したパッケージ型真空排気装置の縦断面図。
【図16】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図17】本発明のさらに他の実施例の縦断面図。
【符号の説明】
1…ロータ、2…ステータ、3…シャフト、4a…遠心ポンプ、4b…円周流ポンプ、5…吸込みケーシング、6…給気口、7a、7b…軸受、8a…モータロータ、8b…モータステータ、9…冷却ジャケット、10…モータケーシング、11…冷却ジャケット、12…排気口、14…円周流羽根車、17…堰止め部、18…段間壁、20…オイルポンプ、21…オイルフィルタ、22、23…連通路、24…オイルタンク部、25…連通路、26a、26b、27a、27b…連通路、32…軸受ホルダ、33…ホルダスペーサ、35…ポンプ本体。
Claims (3)
- 吸気口と排気口を有するハウジングと、該ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、該回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に該多段の円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータとを有し、前記円周流ポンプの吸気口側に遠心ポンプが配設されたドライターボ真空ポンプにおいて、
前記ステータを半割れ構造とし、各々の半割れ部に冷却ジャケット部を設け、各半割れ部のジャケット部間を連通する連通路を各半割れ部に形成したことを特徴とするドライターボ真空ポンプ。 - 吸気口と排気口を備えたハウジングと、該ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、該回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に該円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータと、前記多段の円周流ポンプを駆動するモータロータ及びモータステータとを有するモータと、このモータステータを収容するモータケーシングとを備えたドライターボ真空ポンプにおいて、
前記多段円周流ポンプと前記遠心ポンプの少なくとも1段を一体に形成し、前記モータケーシングの外周側にフィルタを、前記モータケーシング内に油溜め部をそれぞれ設け、該油溜め部と前記フィルタとを連通する連通路をモータケーシングに設けたことを特徴とするドライターボ真空ポンプ。 - 吸気口と排気口を備えたハウジングと、該ハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、該回転軸に支持された多段の円周流羽根車と、前記ハウジング内に該円周流羽根車とともに多段の円周流ポンプを形成するステータと、前記多段の円周流ポンプを駆動するモータロータ及びモータステータとを有するモータと、このモータステータを収容するモータケーシングとを備えたドライターボ真空ポンプにおいて、
前記モータケーシング内に油溜め部を、前記ステータの外周側に冷却ジャケットを、前記モータケーシングの外周側にモータ冷却ジャケットを、それぞれ設け、前記油溜め部と前記モータ冷却ジャケットとを前記冷却ジャケットと順次連通し油循環路を形成したことを特徴とするドライターボ真空ポンプ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5758303B2 (ja) * | 2009-12-11 | 2015-08-05 | エドワーズ株式会社 | ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ |
-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003184467A patent/JP2004003501A/ja active Pending
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JP5758303B2 (ja) * | 2009-12-11 | 2015-08-05 | エドワーズ株式会社 | ネジ溝排気部の筒形固定部材と、これを使用した真空ポンプ |
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