JP5748766B2 - 基材へのグラフェンの広範囲析出およびそれを含む製品 - Google Patents

基材へのグラフェンの広範囲析出およびそれを含む製品 Download PDF

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Description

本出願は、2009年8月7日に出願された出願番号12/461,343、同12/461,346、同12/461,347及び同12/461,349それぞれの内容を全て参照として援用する。
本発明の特定の実施形態例は、グラフェンを含む薄膜に関するものである。より具体的には、本発明の特定の実施形態例は、ガラス基材及び/又は他の基材への直接的な又は間接的なグラフェンの広範囲析出、並びに/或いはそれを含む製品に関する。これは、特定の実施形態例では、多環式芳香族前駆体を熱分解することによって達成され得る。本発明の特定の実施形態例は、有利なことに、グラフェンシートをリフトオフして移動させる必要がない。
インジウムスズ酸化物(TIO)膜及びフッ素ドーピングされたスズ酸化物(FTO又はSnO:F)膜は、光電子デバイスでは窓電極として広く用いられている。これらの透明導電性酸化物類(transparent conductive oxides:TCO類)は、様々な用途で素晴らしい成果をもたらしている。しかし残念なことに、ITOやFTOの使用は、多くの理由から問題が深刻化してきている。前記問題としては、例えば、地球上でのインジウム元素の入手可能な量に限界があること、酸又は塩基存在下でのTCOの不安定性、そのイオン導電性膜からイオンが拡散し易いこと、近赤外域(例えば、ハイパワースペクトル(high-rich spectrum))においてその透明性が限られていること、FTOの構造欠陥に由来するFTOデバイスのリーク電流の高さ、等が挙げられる。ITOの脆性及び高い析出温度がその用途を制限することもある。また、SnO;Fの表面粗さが、(一部の用途において)深刻なアーク放電問題を引き起こす可能性もある。
したがって、当該技術分野では、安定性に優れており、透明性が高く、しかも良好な導電性を有する、平滑でパターン形成可能な電極材料が必要であると考えられる。
安定性に優れており、透明性が高く、しかも良好な導電性を有する新規電極材料について研究を続けている。本研究の一態様は、このような従来のTCO類の実行可能な代替物を特定することを対象としている。この観点から、本発明の発明者らは、実行可能な炭素系透明導電性膜(TCC)、具体的にはグラフェンを開発した。
グラフェンという用語は、一般に、例えばグラフェン単層又はSGLを含む、最高n層のグラフェン膜まで展開可能な1層以上のグラフェン原子層を意味する(例えば、nは、約10程度であってよい)。電子工学の技術動向が回路素子をナノメートルスケールまで縮小しようとしているときに、マンチェスター大学(University of Manchester)においてグラフェンについての最近の発見と(結晶黒鉛を劈開することによる)単離が成された。この点で、グラフェンは、予期せぬことに、標準的な電子材料では遭遇しなかった、新しい光電子特性の新天地に導かれた。このことは、線形分散関係(E対K)から発生したものであり、グラフェン内に、静止質量がゼロでかつ相対論的粒子のように動く電荷担体を生じさせる。炭素原子の周りを動いている、相対論に似た特性の非局在化電子は、グラフェンのハニカム格子の周期的ポテンシャルとの相互作用によって生じるものであり、これが、エネルギーが低いときに(E<1.2eV)光の実行速度νF≒c/300=10ms−1を使って(2+1)次元ディラック方程式で正確に表される新たな準粒子を生み出す。そのため、グラフェンの研究では、確立された(プロトンを取り扱う)量子電磁力学(QED)法を活用することができ、その結果、前記効果がグラフェンでは300倍に拡大されるという更に有利な特徴がもたらされる。例えば、普遍的な総合定数αが、真空では1/137であるのに対し、グラフェンでは約2である。K.S.ノボセロフ(K.S.Novoselov)著、「カーボン原子薄膜における電界効果(Electrical Field Effect in Atomically Thin Carbon Films)」、Science、第306巻、666〜69頁(2004年)を参照のこと。
(少なくとも)ほんの原子1個分の厚さであるにもかかわらず、グラフェンは化学的に及び熱的に安定であり(ただし、グラフェンは、300℃で表面が酸化され得る)、その結果、上手く組み立てられたグラフェンをベースとする素子は、周囲条件に持ちこたえることができる。バルク状グラフェンをマイクロメカニカル劈開することで、先ず、高品質グラフェンシートを製造した。同じ技術を微調整することで、現在では、最高100μmの大きさの高品質グラフェン結晶が供給されている。マイクロエレクトロニクスにおける大抵の研究目的には、この大きさで十分である。結果として、主に大学でこれまでに開発された大抵の技術は微細試料に集中しており、また、スケールアップすることよりもむしろ、デバイスの作製や特性評価に集中していた。
現在の研究動向の大部分とは異なり、適用可能なTCCとしてのグラフェンの可能性を全面的に実現するためには、基材(例えば、ガラス基材又はプラスチック基材)上に高品質の材料を広範囲析出することが最も重要である。今までは、大抵の大規模グラフェン製造方法は、ウェット系化学物質を用いてバルク状グラファイトを落屑することに依存しており、高秩序の熱分解グラファイト(highly ordered pyrolytic graphite:HOPG)と化学落屑から始まる。周知のように、HOPGは、c軸の角拡散が1度未満の、高秩序形態の熱分解グラファイトであり、通常、3300゜Kでの応力焼き鈍しによって製造される。HOPGは、一般に反射型で導電性である点で純粋な金属と非常によく似た作用をするが、脆く、しかも層状になっている。この方法で製造されたグラフェンは、濾してから表面に付着される。ただし、落屑過程には欠点がある。例えば、落屑されたグラフェンは、折れ曲がり易いのでしわになり、小片で存在するので堆積する場合はコラージュ/ステッチ法に依存し、多くのグラフェン膜上では固有制御に欠ける、等。こうして製造された材料は、層間物質が混入している場合が多いため、電子特性が低品位である。
炭素相の状態図を詳細に分析することで、グラファイトやダイアモンドだけでなく、例えば炭素ナノチューブ(CNT)等の他の同素体を製造するのにも適したプロセスウィンドウ条件が分かる。ナノチューブの触媒蒸着は、気相から1000℃程度の温度において様々な方法(a variety of groups)で行われる。
前記の従来の研究分野及び従来技術とは対照的に、本出願の譲受人は、以前、ヘテロエピタキシャル成長された(hetero-epitaxially grown:HEG)単結晶グラファイト(nは約15程度)及びそれを高電子グレード(high electronic grade:HEG)グラフェン(n<約3)に転換することに関する拡張可能な方法について記載した。例えば、出願番号12/461,343、同12/461,346、同12/461,347及び同12/461,349を参照し、これらの内容をそれぞれ全て参照として本明細書で援用する。本出願の譲受人はまた、例えば、様々な用途において遍在的に用いられる金属酸化物窓電極(例えば、固体太陽電池が挙げられる)の代替物として、(可視スペクトル及び赤外スペクトル領域の両方に関して)透明な導電性グラフェン超薄膜中でのHEGグラフェンの使用についても記載している。先に述べた成長法は、ガラスに適した(glass-friendly)十分に低い温度で行われる触媒駆動型(catalytically driven)ヘテロエピタキシャルCVD法を基盤としていた。例えば、熱力学原理だけでなく、動力学原理によっても、気相から種晶層上に約700℃未満の温度でHEGグラフェン膜を結晶させることができる。
このような以前の既述における特定の実施形態では、水素原子を使用していた。これは、基材上の非晶質炭素質汚染物質の除去に有効でしかも低いプロセス温度で実行可能なラジカルであることが分かっている。これは、通常はエッチング手順で剥離される酸化物及び他の被覆層を除去するのにも非常に役立つ。
これに対し、本発明の特定の実施形態例は、ガラス基材及び/又は他の基材上への直接的な又は間接的なグラフェンの広範囲析出を提供するものである。前記方法は、多環式芳香族前駆体を熱分解することによって達成され得る。より具体的には、本発明の特定の実施形態例は、グラフェンを超分子種からヘテロエピタキシャル成長させることを含む。有利なことに、特定の実施形態例では、グラフェンが、リフトオフ法を必要とせずに基材上に形成され得る。
本発明の特定の実施形態例では、被覆物品の製造方法が提供される。被覆しようとする表面を有する基材を供給する。自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする表面に配置する。前駆体分子を含む前駆体を供給する。この場合、前駆体分子は、多環式芳香族炭化水素(PAH)及びディスコチック分子である。前駆体を溶解して溶液とする。この溶液を、上にSAMテンプレートを配置した基材に適用する。前駆体分子を、SAMテンプレートに光化学的に付着させる。基材を少なくとも450℃まで(可能性としては900℃程度まで)徐々に加熱することで、不活性ガス及び/又は炭化水素を含む又はこれらから成る雰囲気中でグラフェン含有膜が形成される。
本発明の特定の実施形態例では、被覆物品の製造方法が提供される。被覆しようとする表面を有する基材を供給する。自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする表面に配置する。SAMテンプレートが配置された基材に溶液を適用する。ここで、溶液には、前駆体分子を含む前駆体が含有されており、そして前駆体分子は、多環式芳香族炭化水素(PAH)分子である。前駆体分子にUVエネルギーを照射することでSAMテンプレートに付着させる。基材を少なくとも450℃まで加熱することで、グラフェン含有膜が形成される。SAMテンプレート及び/又は前駆体分子は、アルキル基を1つ以上含むことで、光化学的に付着させる前又は後に前駆体分子のc軸が基材とほぼ垂直になることを確実にする。
本発明の特定の実施形態例では、電子デバイスの製造方法が提供される。被覆しようとする表面を有する基材を供給する。自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする表面に配置する。前駆体分子を含む前駆体を供給する。ここで、前駆体分子は、多環式芳香族炭化水素(PAH)及びディスコチック分子である。前駆体を溶解して溶液とする。この溶液を、SAMテンプレートが配置された基材に適用する。前駆体分子を、SAMテンプレートに光化学的に付着させる。基材を少なくとも450℃まで加熱することで、グラフェン含有膜が形成される。グラフェン含有膜の付いた基材を、電子デバイスに組む込む。
本発明の特定の実施形態例では、電子デバイスの製造方法が提供される。被覆しようとする表面を有する基材を供給する。自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする表面に配置する。SAMテンプレートが配置された基材に溶液を適用する。ここで、溶液には、前駆体分子を含有する前駆体が含まれており、そして前駆体分子は、多環式芳香族炭化水素(PAH)分子である。前駆体分子にUVエネルギーを照射することでSAMテンプレートに付着させる。基材を少なくとも450℃まで加熱することで、グラフェン含有膜が形成される。このグラフェン含有膜の付いた基材を、電子デバイスに組み込む。SAMテンプレート及び/又は前駆体分子は、アルキル基を1つ以上含むことで、光化学的に付着させる前又は後に前駆体分子のc軸が基材とほぼ垂直になることを確実にする。
本発明の特定の実施形態例では、被覆物品の製造方法が提供される。被覆しようとする表面を有する基材を供給する。被覆しようとする表面に、単分子層テンプレートを配置する。キャリアガス及び前駆体分子を含む気体流を、単分子層テンプレートが配置された基材の近位に供給する。ここで、前駆体分子は、多環式芳香族炭化水素(PAH)分子である。前駆体分子にUVエネルギーを照射することで、前駆体分子を単分子層テンプレートに付着させる。単分子層テンプレート及び前記前駆体分子を有する前記基材を加熱することで、グラフェン含有膜が形成される。単分子層テンプレート及び/又は前駆体分子は、アルキル基を1つ以上含むことで、光化学的に付着させる前に及び/又はその後に前駆体分子のc軸が基材とほぼ垂直になることを確実にする。
本明細書に記載する特徴、態様、利点及び実施形態例を組み合わせて、更に追加的な実施形態を達成してもよい。
前記及び他の特徴及び利点は、以下の代表的な実施態様例の詳細な説明を図面と併せて参照することで、より詳細にかつ更に完全に理解される可能性がある。
図1は、特定の実施形態例の方法全体を表す高水準フローチャートである。 図2は、特定の実施形態例の触媒成長法の代表的な概念図であり、特定の実施形態例による炭化水素ガスの導入、炭素の溶解、及び急冷によってもたらされ得る結果を表している。 図3は、特定の実施形態例による第1のグラフェンドーピング方法例を表すフローチャートである。 図4は、特定の実施形態例による第2のグラフェンドーピング方法例を表すフローチャートである。 図5は、特定の実施形態例による第3のグラフェンドーピング方法例を表す代表的な概念図である。 図6は、特定の実施形態例によるグラフェンのドーピングに関与する、温度対時間を表すグラフである。 図7は、特定の実施形態例によるグラフェンの取り外し又は剥離に有用な積層体例である。 図8は、特定の実施形態例によってグラフェンをターゲットガラス基材に析出させるのに用いてよい積層装置の代表的な概念図である。 図9は、特定の実施形態例によって高電子グレード(HEG)グラフェンを析出するのに好適な反応装置の断面概念図である。 図10は、実施形態例による、ある代表的な触媒CDV成長法、リフトオフ法及び移動方法を表す、プロセスフロー例である。 図11は、特定の実施形態例によって製造されたグラフェン試料の画像である。 図12は、特定の実施形態例によってグラフェンをベースとする膜を組み込んだ、太陽光発電デバイスの断面概念図である。 図13は、特定の実施形態例によってグラフェンをベースとする膜を組み込んだ、タッチスクリーンの断面概念図である。 図14は、特定の実施形態例による導電性データ/バスライン(bus line)の形成方法例を表すフローチャートである。 図15は、特定の実施形態例による導電性データ/バスライン形成方法の概念図である。 図16は、PAH及びディスコチックの両者の前駆体例である。 図17は、様々な数Nの六方晶炭素又は六重項を有するPAH分子の例を表す。図17中、N=10、17及び18を示す。 図18は、六方晶炭素又は六重項の数Nを変えた場合の、炭素分子及びPAH分子のLUMO−HOMO間のエネルギー差の変化を表している。 図19は、特定の実施形態例によって成長したグラフェン膜のラマンスペクトル及びG’バンドのピークを表す。 図20(a)及び図20(b)は、HBCまでの考えられる1つの経路を表す。 図21は、HBC−PhC12分子を表す。
本発明の特定の実施形態例は、単結晶グラファイトをヘテロエピタキシャル成長させ、そしてそれを高電子グレード(HEG)グラフェン(n<約3)に転換する拡張可能な方法に関する。特定の実施形態例はまた、(可視スペクトル及び赤外スペクトル領域の両方に関して)透明な導電性グラフェン超薄膜におけるHEGグラフェンの使用であって、例えば様々な用途においてより遍在的に用いられる金属酸化物窓電極(例えば、固体太陽電池が挙げられる)の代替物としてのHEGグラフェンの使用にも関する。この特定の実施形態例の成長法は、ガラスに適した(glass-friendly)十分に低い温度で行う触媒駆動型(catalytically driven)ヘテロエピタキシャルCVD法に基づいている。例えば、熱力学原理に加えて動力学原理によっても、気相から種晶層上に(例えば、約600℃未満の温度で)HEGグラフェン膜を結晶化させることができる。
図1は、特定の実施形態例の方法全体を表す高水準フローチャートである。図1に示すように、特定の実施形態例の方法全体は、次の4つの基本工程の1つに属するものに分類され得る。好適な裏面支持体へのグラフェンの結晶化(工程S101)、裏面支持体からのグラフェンの取り外し又は剥離(工程S103)、ターゲット基材又は表面へのグラフェンの移動(工程S105)及び前記ターゲット基材又は表面の製品への組み込み(工程S107)。以降に更に詳しく説明するように、工程S107で言及される製品は、中間製品であっても最終製品であってもよいと考えられる。
[グラフェンの結晶化法例]
特定の実施形態例のグラフェン結晶化法は、炭化水素ガスを分解し、そして炭素原子をよく知られたハニカム構造に広範囲(例えば、約1メートル以上の面積)にわたって、例えば表面触媒経路を利用して、再構築することを含むと考えてよい。特定の実施形態例のグラフェン結晶化法は、高温中圧で行われる。この方法例の実例的な詳細を以下に詳述する。
特定の実施形態の触媒成長法は、ヘテロエピタキシャル領域にグラファイトを成長させるのに用いられてきた方法と多少関連している。グラフェン結晶化用の触媒を、好適な裏面支持体に配置する。裏面支持体は、高温(例えば、約1000℃以下の温度)に耐え得るいかなる好適な材料であってもよく、例えば特定のセラミックス又はガラス製品、ジルコニウム含有材料、窒化アルミニウム材料、シリコンウェハ等であってよい。裏面支持体に直接的に又は間接的に薄膜を配置することで、その表面が結晶化プロセス前には実質上非汚染であるようにする。本発明の発明者は、触媒層の結晶構造が実質上単一配向性である(例えば、しわがほとんど形成されない)ときに、グラフェンの結晶化が進むことを発見した。この点において、小さな粒子は、そのモザイク構造が最終的にはグラフェン膜へ移動するので、あまり効果がないことが分かった。いずれにしても、触媒層、少なくともその実質的な部分の結晶構造が単一配向性であれば、結晶構造の具体的な配向はグラフェンの結晶化にはほとんど無意味であることが分かった。実際、触媒中に粒界がほとんどない(又は少ない)と、成長したグラフェンでは配向が同じになる又は類似することが分かり、また、高電子グレード(HEG)のグラフェンを提供することも分かった。
触媒層自体は、例えばスパッター法、燃焼蒸着(combustion vapor deposition:CVD)法、火炎熱分解(flame pyrolysis)等のように任意の好適な方法で裏面支持体に配置されてよい。触媒層自体には、どのような好適な金属又は金属含有物質が含まれていてもよい。例えば、触媒層には、例として、ニッケル、コバルト、鉄、パーマロイ(例えば、ニッケル鉄合金、通常は約20%の鉄及び80%のニッケルから構成されたもの)、ニッケルとクロムとの合金、銅、及びこれらの組み合わせ等の金属が含まれていてよい。当然、他の金属を特定の実施形態例に関して用いてもよい。本発明者は、グラフェンの結晶化にとってニッケル触媒層又はニッケル含有触媒層が特に有利であること、そしてニッケルとクロムの合金がなお更に有利であることを発見した。更に本発明者は、ニッケル−クロム層(ニクロム又NiCr層と呼ばれることもある)中のクロムの量を最適化すると、大きな結晶の形成を促進することも発見した。特に、NiCr層中のCrは3〜15%が好ましく、NiCr層中のCrは5〜12%であることが更に好ましく、また、NiCr層中のCrは7〜10%であることがなお更に好ましい。金属薄膜中にバナジウムが存在すると、大きな結晶の成長を促進するのに有利であることが分かった。触媒層は、相対的に厚くても薄くてもよい。例えば、この薄膜は、厚さ50〜1000nm、より好ましくは厚さ75〜750nm、更に好ましくは厚さ100〜500nmであってよい。「大きな結晶の成長」には、特定の実施例では、主軸に沿った長さが約数十ミクロンの結晶がふくまれていてよく、更に大きくてもよい場合もある。
触媒薄膜を裏面支持体に配置したら、触媒薄膜を配置した裏面支持体が入っているチャンバーに炭化水素ガス(例えば、Cガス、CHガス等)を導入する。炭化水素ガスは、約5〜150mTorr、更に好ましくは10〜100mTorrの範囲の圧力で導入されてよい。一般に、圧力が高いほど、グラフェンの成長は速くなる。その後、裏面支持体及び/又はチャンバーの全体を加熱して、炭化水素ガスを溶解又は「分解(crack open)」させる。例えば、裏面支持体の温度は、600〜1200℃、更に好ましくは700〜1000℃、なお好ましくは800〜900℃まで上げてよい。この加熱は、任意の好適な方法で、例えば短波長赤外線(IR)ヒーター等によって行われてよい。加熱は、アルゴン、窒素、窒素と水素との混合物等の気体を含む環境下で行われてもよく、又は他の好適な環境下で行われてもよい。すなわち、特定の実施形態例では、炭化水素ガスの加熱を、他の気体を含む環境下で行ってもよい。特定の実施形態例では、純粋な炭化水素ガス(例えば、Cを含むもの)を使用することが好ましい場合があるが、炭化水素ガスと別の不活性ガス若しくは他の気体との混合物(例えば、Ar混合CH)を用いることが好ましい場合もある。
グラフェンは、前記又は他の好適な環境下で成長する。成長を停止するため、及び触媒の表面(例えば、触媒の、埋めこまれている側とは相反する表面)へのグラフェンの成長を確実にするのを助長するために、特定の実施形態例では、急冷プロセス(quenching process)を利用する。急冷は、例えばアルゴン、窒素、これらの組み合わせ等の不活性ガスを用いて行われてよい。触媒層の表面でのグラフェンの成長を促進するためには、急冷をかなり迅速に行う必要がある。特に、急冷が速すぎたり遅すぎたりすると、グラフェンが触媒層の表面で成長不足となる又は成長しないことが分かった。一般には、裏面支持体及び/又は基材の温度を約900℃から700℃(以下)まで下げるように数分間急冷すると、例えば化学吸着によって、良好なグラフェン成長が促進されることが分かった。こういった点で、図2は、特定の実施形態における触媒成長法の代表的な概念図であって、特定の実施形態例による炭化水素ガスの導入と、炭素溶解と、急冷によって起こり得る結果を表している。
グラフェンの成長過程は、正確な膜厚の関係t=n×SLGを与える。ここで、nは個々の工程数に関与する。グラフェンが生成したかどうかを極めて速やかに確認して、膜の表面全体のn値を求めることは、一回の測定で膜の質と均一性を測定することにおおむね相当する。グラフェンシートは、原子間力と走査型電子顕微鏡で確認できるが、これらの方法は手間がかかり、しかもグラフェンを汚染する可能性もある。そこで、特定の実施形態例では、位相コントラスト法を用いて、ターゲットである触媒表面上でのグラフェンの可視性を高めている。これは、金属触媒膜の析出表面全体でのn値のどのような変化も割り出す目的で行われてもよい。この方法は、グラフェン上に材料をスピンコーティングすることでグラフェンのコントラストが実質的に向上し得ることに依存している。例えば、一般に仕様されているUV硬化性レジスト(例えば、PMMA)は、グラフェン/金属/裏面支持体上に、例えば膜を視認性良く連続させるのに十分な厚さ(例としては、約1ミクロン厚)で、スピンコート、スクリーン印刷、グラビア塗布、又は別の方法で配置されてよい。以下に更に詳述するように、ポリマーレジストを含有させることで、グラフェンを最終表面へ移動する前にグラフェンがリフトオフ処理し易くなる可能性もある。すなわち、ポリマーレジストは、グラフェン形成が完了したことを表示するだけでなく、以下に詳述するように金属層を裏面支持体から取り外す又は別の方法で剥離するときに高弾性グラフェンの支えにもなる可能性がある。
膜が(故意に又は非意図的に)厚く成長し過ぎた場合は、膜を、例えば水素原子(H)を利用してエッチングしてもよい。この方法は、いくつもの状況例で有利な場合がある。例えば、非常に速く成長する、予想外に成長する、不均一に成長する等の場合、Hを用いてこのような問題を是正することができる。他の例としては、グラフェンが十分に成長するのを確実にするために、グラファイトを生成してもよく、グラファンを析出させてもよく、また、例えばHを用いて、グラファンを所望のn層のHEGグラフェンが得られるまで選択的にエッチバックしてもよい。更に他の例としては、Hを用いてグラフェンを選択的にエッチングすることで、導電性領域及び非導電性領域を生成してもよい。これは、例えば、適切なマスクを適用してエッチングを行ってから、マスクを取り外すことで達成され得る。
グラフェンの理論研究から、キャリア移動度が200,000cm/(V・s)超であり得ることが分かった。気相処理したヘテロエピタキシャル成長グラフェンは、3×10−6Ω−cm程度の抵抗試験測定値を示すが、これは銀薄膜よりも優れている。前記グラフェン膜のシート抵抗は、約150オーム/平方であることが分かった。変更可能な因子の1つは、最低抵抗及びシート抵抗を得るのに必要なグラフェン膜の数であって、グラフェンの所望の厚さは、目標とする用途に応じて変更可能であると考えられる。一般に、大抵の用途に適したグラフェンは、n=1〜15のグラフェン、更に好ましくはn=1〜10のグラフェン、なお更に好ましくはn=1〜5のグラフェンであってよく、n=2〜3のグラフェンである場合もある。n=1のグラフェン膜の透過率の低下は、約2.3〜2.6%であることが分かった。この透過率の低下は、一般に、例えば紫外域から可視域まで、更にはIR域にまで及ぶ、実質上全スペクトル領域に亘って線形であることが分かった。また、透過率の低下は、nが逐次増加する毎に実質上線形であることも分かった。
[ドーピング方法例]
150オーム/平方のシート抵抗は、特定の応用例には適当であり得るが、他の応用例ではシート抵抗を更に低下させることが望ましい場合もあると考えられる。例えば、特定の応用例では10〜20オーム/平方のシート抵抗が望ましい場合もあると考えられる。本発明の本発明者は、グラフェンをドーピング処理することでシート抵抗を低下できることを見出した。
この観点では、1原子膜層の厚さしかないグラフェンは、サブミクロン単位のバリスティック伝導を発現し、また、可動性をほとんど失うことなく多量に(n≧2の場合、ゲート電圧、分子吸着質又はインターカレートのいずれかによって)ドーピングされる可能性がある。本発明の発明者は、グラフェンには、ドナー及びアクセプタで区別されるだけでなく、一般に2種類の異なるドーパント、すなわち常磁性ドーパント及び非磁性ドーパントが含まれていることを見出した。従来の半導体とは異なり、後者の不純物が通常はかなり弱いドーパントとして働くのに対し、常磁性の不純物は強いドーピングを引き起こす。電子正孔が対称な場合の状態密度(density of states:DOS)はグラフェンのディラック点付近で線形に焼失していくので、スピン偏極を伴わない局在化状態の不純物は、疑ギャップの中心(center)にピン止めされる。したがって、グラフェン中の不純物の状態は、一般的な半導体中の不純物とは大きく異なるものであり、DOSの価数や伝導帯が全く相違しており、しかも不純物準位が、通常、疑ギャップの中心(middle)から遠く離れた位置にある。フェルミ準位から数十分の1電子ボルト離れた特定のドナー(又はアクセプタ)準位を持つことが求められる強いドーピング効果は期待できないけれども、不純物が局在性磁気モーメントを有するのであれば、そのエネルギー準位がHund則に従った交換によってほぼ対照的に***し、約1eVとなり、それによって、グラフェン中に存在するもの等のディラック様のスペクトルを持つ2次元系の電子構造に対して不純物の強いドーピング効果を発揮するのに適した状況が展開される。この論理(line of reasoning)を指針として用いることで常磁性の単一分子及び反磁性の二量体系の両者を形成する分子を選択して、グラフェンをドープし、そしてその導電率を10S/cmから10S/cmまで、場合によっては更に10s/cmまで増加させてもよい。
特定の実施形態例と関連して用いるのに適したドーパント例としては、窒素、ホウ素、リン、フッ素、リチウム、カリウム、アンモニウム等が挙げられる。硫黄系ドーパント(例えば、二酸化硫黄、硫酸、過酸化水素等)も同様に、特定の実施形態例に関連して用いてもよい。例えば、ガラス基材中に含まれている亜硫酸塩類をガラスから滲出させ、それによってグラフェンをベースとする膜にドーピングしてもよい。グラフェンのドーピング方法の幾つかの例を以下に更に詳細に記載する。
図3は、特定の実施形態例による第1のグラフェンドーピング方法例を示すフローチャートである。図3の方法例には、基本的に、グラフェンにドーピング材料をイオンビーム注入することが含まれる。この方法例では、例えば上述と同様にして、グラフェンを金属触媒上に成長させる(工程S301)。グラフェンが上に形成された触媒を、ドーパントとして使用される材料を含む気体(ドーパントガスという場合もある)に暴露させる(工程S303)。次に、グラフェンが上に形成された触媒とドーパントガスとを入れたチャンバー内でプラズマを励起する(S305)。その後、イオンビームを利用してドーパントをグラフェンに注入する(S307)。この種のドーピング処理に適したイオンビーム技術の例は、例えば米国特許第6,602,371号、同第6,808,606号、並びに米国再発行特許第38,358号及び米国出願公開番号2008/0199702に開示されており、これらそれぞれを参照として本明細書で援用する。イオンビームの出力は、約10〜200ev、更に好ましくは20〜50ev、なお更に好ましくは20〜40evであってよい。
図4は、特定の実施形態例による第2のグラフェンドーピング方法例を示すフローチャートである。図4の方法例は、基本的に、固体状態ドーパントをターゲット受容基材に予め注入する工程と、その後の、グラフェンを受容基材へ適応したときに前記固体状態ドーパントをグラフェンへ移動させる工程と、を含んでいる。この方法例では、例えば上述と同様にして、グラフェンを金属触媒上に成長させる(工程S401)。受容基材は、固体状態ドーパントが中に取り込まれるように前もって調製する(工程S403)。例えば、固体状態ドーパントは、ガラス形成時に溶融によって取り込まれてもよい。ガラス溶融物中には、原子濃度が約1〜10%、更に好ましくは1〜5%、なお更に好ましくは2〜3%のドーパントが含まれていてよい。グラフェンは、例えば以下に詳述される方法例のうちの1つを用いて受容基材に適用する(工程S405)。その後、受容基材中の固体状態ドーパントをグラフェンへ移動させる。グラフェン析出時に用いられる熱によって、ドーパントが、形成されたグラフェン膜の方へ移動する。同様に、追加ドーピングされた膜類をガラスに載せてもよく、そしてその中のドーパントを、例えば熱拡散によって前記膜類から移動させることで、ドーピングされたグラフェン(n≧2)膜を1層形成してもよい。
特定の実施形態例では、イオンビームを用いて、ドーパントをガラスに直接注入してもよい。イオンビーム出力は、約10〜1000ev、更に好ましくは20〜500ev、なお更に好ましくは20〜100evであってよい。中間層にドーピングし、それを用いてグラフェンに不純物を与える場合、イオンビームは、約10〜200ev、更に好ましくは20〜50ev、なお更に好ましくは20〜40evで操作してもよい。
図5は、特定の実施形態例による第3のグラフェンドーピング方法例を表す代表的な概念図である。図5の方法例は、基本的に、固体状態ドーパント507を金属触媒層503に予め注入する工程と、その後の、グラフェンが形成されたときに前記固体状態ドーパント507を触媒層503へ移動させることで、ドーピングされたグラフェン509を触媒層503の表面に形成する工程と、を含む。より具体的には、この方法例では、触媒層503を裏面支持体505に配置する。触媒層503には、固体状態ドーパント507が中に含まれている。すなわち、触媒は、固体状態ドーパント原子をそのバルク内部に有している(例えば、約1〜10%、更に好ましくは約1〜5%、そして最も好ましくは約1〜3%)。炭化水素ガス501を、形成した触媒層503のすぐ近くに高温で導入する。触媒層503中の固体状態ドーパント507を、グラフェンの結晶化が生じた時に例えばこの高温によってその外表面へ移動させる。ドーパントが前記表面に達する速度は、触媒の厚さと温度の関数であることが分かった。結晶化を急冷によって停止すると、最終的にドーピングされたグラフェン509が触媒層503’の表面に形成される。ドーピングされたグラフェン509の形成後、触媒層503’の中には固体状態ドーパントがほとんど(又は全く)含まれていない。この方法例の利点の1つは、金属の表面温度、析出させるための気体種の分圧及び滞留時間、並びに急冷速度過程で用いられる反応性ラジカルを慎重に変更することで超薄膜の成長を制御できることに関する。
前記ドーピング方法例は、単独で用いてもよく、並びに/又はお互い及び/若しくは追加の技術と様々に組み合わせて及びそれらとのサブコンビネーションにして用いてもよいと考えられる。特定の実施形態例では、例えば特定の方法例を一回用いることにより、特定の技術を繰り返し用いることにより、又は複数の方法の組み合わせをそれぞれ1回以上用いることにより、単一のドーパント材料又は複数のドーパント材料が含まれ得ることも分かるであろう。例えば、特定の実施形態例ではd型ドーパントとn型ドーパントが考えられる。
図6は、特定の実施形態例によるグラフェンのドーピングに関与する、温度対時間を表すグラフである。上述の通り、冷却は、例えば不活性ガスを用いて行ってよい。一般に、また上述と同様に、特定の実施形態例における高温は約900℃であってよく、低温は約700℃であってよく、そして冷却は数分間行ってよい。グラフェンをドーピングするかどうかに関わらず、図6に示したのと同じ加熱/冷却プロファイルを使用してよい。
[グラフェンの取り外し/剥離方法例及び移動方法例]
グラフェンをこのようにしてエピタキシャル成長した後、それを金属触媒及び/又は裏面支持体から取り外し又は剥離してから、例えば基材に配置して中間産物又は最終製品に組み込んでもよい。特定の実施形態例によってエピタキシャル膜を成長させた基材から当該エピタキシャル膜を外すために様々な手順が行われてよい。図7は、特定の実施形態例のグラフェンの取り外し又は剥離方法に有用な積層体例である。図7を参照すると、特定の実施形態例では、任意の剥離層701を、裏面支持体505と触媒層503との間に供給してよい。この剥離層701は、例としては酸化亜鉛(例えば、ZnO又は他の好適な化学量論のもの)の層であってもよく、前記酸化亜鉛を含んでいてもよい。グラフェン析出後、グラフェン509/金属触媒層503/剥離層701から成る積層体をコーティングした基材505は、例えばスピンコーティングで適用されたかメニスカス流動によって分配された、厚いポリマーオーバーコート(例えば、数ミクロン厚の)層703等を受容してよく、前記層703は硬化されていてもよい。先に示唆したように、この高分子層703は、リフトオフ及び/又は剥離中にグラフェン509用の骨格又は支持物として働いて、非常に柔軟なグラフェン膜を保持し続けることができると同時に、グラフェン膜が巻き上がる、グラフェン膜にしわがよる又は別の方法でグラフェン膜が変形する可能性をも軽減できる。
また、先に示唆した通り、位相コントラストによってグラフェンを可視化する高分子として及びリフトオフ前及び/又はリフトオフ中の支持体として、PMMAを使用してもよい。ただし、相を支持している間及び特定の実施形態例に関連して移動相を剥離している間に、機械的性質及び化学的性質がグラフェンと適合し得る様々なポリマー類を使用してもよい。リフトオフ作業は、主要なエピタキシャル成長における分岐と同時に、例えばグラファイトから化学剥離可能なグラフェン膜を用いて実験することで行われてもよい。
高分子層を配置した後、剥離層を化学的に誘導してグラフェン/金属を母材(mother substrate)から剥離してもよい。例えば、酸化亜鉛剥離層の場合、食用酢で洗浄することで、グラフェンの剥離が引き起こされる場合がある。酸化亜鉛剥離層の使用も好都合である。というのも、本発明の発明者は、金属触媒層が剥離層と一緒にグラフェンから剥離されることを発見したためである。このことは、酸化亜鉛剥離層と、触媒層内の粒子でできたその相互結合(inter-linkages)とが合わさって引き起こした組織化(texturing)の成果であると考えられる。これは触媒層を後で除去する必要性も軽減する(また、必要性を無くすことさえもある)と考えられる。
特定のリフトオフ/剥離方法及び移動方法では、原則的に、元の基材を、再利用可能なエピタキシャル成長用基材と考えている。そのため、前記実施形態例では、金属触媒薄膜を選択エッチングによってアンダーカットして、エピタキシャル成長した(最上部にポリマーを有する)グラフェンから除去することが好ましい場合がある。したがって、特定の実施形態例では、触媒層は、剥離層が使用されているかどうかに関わらず、エッチングされ得る。好適なエッチャントとしては、例えば、塩酸やリン酸等のような酸類が挙げられる。
最終受容ガラス基材の表面は、グラフェン膜を受容できるように作製され得る。例えば、ラングミュアー・ブロジェット膜(例としては、ラングミュアブロジェット酸で作製された膜)をガラス基材に適用してもよい。或いは又は更に、最終受容基材は、例えばシリコーン系ポリマー等のようなグラフェンと相性の良い平滑な層で被覆することで、後にグラフェンを受容できる状態にしてもよい。このことは、静電結合を確実にするのに役立つ可能性があり、結果として、移動中にグラフェンを優先的に移動することができる。更に又は或いは、ターゲット基材にUV光を当てることで、例えばターゲット基材の表面エネルギーを増加させ、そして結果としてグラフェンを更に受容し易くしてもよい。
特定の実施形態例では、グラフェンは、全体印刷処理(blanket stamping)及び/又は圧延処理によって基材に適用されてもよい。前記処理によれば、グラフェンを金属キャリア上に予め成長させて、金属キャリアに化学吸着させ、それを接触圧によって受容体であるガラスに転写させる。一例としては、例えば図8に示すように、1本以上のラミネーションローラによってグラフェンを基材に適用してもよい。これに関し、図8には、上部ローラ及び下部ローラ803a及び803bが表されており、これらによって圧力を加えて、グラフェン509と高分子層703をターゲット基材801に積層させる。上述のように、ターゲット基材801上にシリコン含有層又は他のグラフェンと相性の良い層があることで、積層が容易になる。高分子層703は最も外側の層として適用され、そしてグラフェン509の方がターゲット基材801の近くにある(或いはターゲット基材801に直接付着している)と考えられる。特定の実施形態例では、基材上に層を1層以上形成してから、グラフェンを適用してもよい。
グラフェンをターゲット基材に配置した後、高分子層は取り除いてもよい。特定の実施形態例では、ポリマーは適切な溶媒を用いて溶解してもよい。PMMA等の感光性材料を使用する場合、それはUV露光によって除去してもよい。当然、他の除去技術を利用することも可能である。
特定に実施形態では、グラフェンをターゲット基材に適用した後、例えば前記エッチャント例のうちの1つを用いて触媒薄膜をエッチングしてもよいと考えられる。更に、エッチャントの選択は、グラフェンの下部の層の有無に基づいてよい。
特定の実施形態例では、グラフェンの下部の金属触媒薄膜をもっと直接的に電気化学的に陽極酸化処理する。このような実施形態例では、グラフェン自体がカソードとして機能する可能性があり、その場合、その下部の金属は、元の基材にまだ結合したままで、陽極酸化処理されて透明酸化物となる。このような実施形態例を用いると、基本的に1工程でリフトオフ処理と移動処理を行うことにより、ポリマーオーバーコートの使用を省くことができる。ただし、電気化学手段による陽極酸化処理は、グラフェンの電子物性に影響を及ぼす可能性があるため、それを補正しなければならない場合がある。特定の実施形態例では、グラフェンの下部の触媒層を別の方法で酸化して透明にしてもよい。例えば、導電性酸化物を用いて、グラフェンをベースとする膜を基材、半導体又は他の層に「結合(link)」してもよい。その際、コバルト、クロム・コバルト合金、ニッケル・クロム・コバルト合金等を酸化してもよい。特定の実施形態例では、これにより、グラフェンをリフトオフする必要性や、グラフェンの移動、操作及びその他の処理を容易にする必要性も同様に軽減され得る。
また、特定の実施形態例では、グラフェンを接着剤又はテープ状の物質を用いて採取してもよい。接着剤は、ターゲット基材に配置してもよい。グラフェンは、例えば圧力を加えることでテープ等よりも基材とより強く接着させてから、ターゲット基材へ移動してもよい。
[反応装置の設計例]
シャワーヘッド型反応装置は、一般に、穿孔性又は多孔質の平面を用いて、反応物質である気体を第2の平行平面加熱表面全体にほぼ均一に分配する。このような構造は、本明細書に記載のヘテロエピタキシャル技術の例を用いてグラフェンを成長させるのに使用してよい。また、シャワーヘッド型反応装置は、大型四角形の非常に平滑なガラス又はセラミック基材を加工するのにも都合がよい。図9はシャワーヘッド型反応装置の基本概略図であって、プレナム(plenum)構造部が拡大されている。すなわち、図9は、特定の実施形態例による高電子グレード(HEG)グラフェンの析出に好適な反応装置の断面概念図である。反応装置には、幾つかの入口と出口が付いた本体部901が収容されている。より詳細には、ガス注入口903が、反応装置の本体部901最上部の水平方向中央付近に設けられている。ガス注入口903は、1つ以上の供給源から気体を受け取ることができるので、例えば炭化水素ガス、ヘテロエピタキシャル成長時に環境を形成するのに用いられる1又は複数の気体、急冷用気体等を含む多様な気体を備えていてもよい。気体の流れと流量を、例えばシャワーヘッド907のプレナム構造を参照しながら、以下に更に詳細に説明する。複数の排気口905は、反応装置の本体部901の下部に設けてよい。図9の実施形態例では、2つの排気口905が反応装置の本体部901の両末端部付近に設けられており、これにより、例えばガス注入口903から供給された気体が、通常は本体部901のほぼ全体を流れて排出される。特定の実施形態例では、更に多くの又はより少ない数の排気口905を設けてよいと考えられる(例えば、反応装置の本体部901の水平中心付近や反応装置の本体部901の最上部に又はその側部等に追加の排気口905を設けてもよい)。
特定の実施形態において、裏面支持体909は、洗浄されていてもよく、また、ロードロック機能によって反応装置へ導入する前に(例えば、物理的気相成長法若しくはPVD、スパッタリング、CVD、又は火炎熱分解法等によって)その上に触媒薄膜を配置してもよい。サセプタ(subsector)構造に関して、裏面支持体基材909の表面は、(例えば、RTAヒーター、短波長IRヒーター、又は基材及び/若しくは層を誘導加熱することができるが、必ずしもチャンバー全体を加熱するものではない、他の好適なヒーターを用いて)制御可能な温度レベルまで均一に急速加熱してもよく、これにより、(i)金属膜を結晶化及び活性化し、そして(ii)実質上均一でかつ制御可能な厚さのグラフェンを気相前駆体からその表面に優先的に析出することができる。ヒーターは、パラメータである触媒の析出速度/(温度*厚さ)比をもたらすように制御可能であってよい。裏面支持体基材909は、反応装置内をRの方向へ移動するものであってもよく、又はシャワーヘッド907の下に固定されていてもよい。シャワーヘッド907は、例えば1つ以上の冷媒注入口/出口913から出入りする冷媒又は気体を用いて冷却してもよい。つまり、図9拡大図に示すように、プレナム構造には、シャワーヘッド907の裏に複数の開口部を備えていてもよく、この場合、前記開口部はそれぞれほんの数ミリメートルである。
裏面支持体基材909の移動中に天井側の隙間Hc又はシャワーヘッド907の裏と上部表面との間の高さを変えると、いくつか影響が生じる可能性がある。例えば、チャンバーの容積や、ひいては表面対溶液の比率を変えることで、気体の滞留時間、消費時間及び動径速度が影響を受ける場合がある。滞留時間の変化は、気相反応物質の広がりに大きく影響することが分かった。図9に示すように稼働するシャワーヘッドの配置(冷却された表面の下に高温の表面があるもの)は、高圧(例えば、数百Torr)で稼働した場合にベナール型自然対流(Benard variety natural convection)を生じる可能性があるが、このような傾向は、レイリー数(自由対流又は自然対流としても知られる浮力駆動流(buoyancy driven flow)に関する無次元数であり、レイリー数が流体の臨界点を超えた場合、熱伝導は主に対流方式である)によって前記高さに大きく左右される。よって、天井側の隙間Hcは、単なるハードウェアの交換によってや基材電極を調節可能に取り付けること等によって変動し、その結果、グラフェンのヘテロエピタキシャル成長に影響を及ぼす可能性がある。
図9の実施形態例は、必ずしも、反応装置内でのプラズマの稼働を意図するものではない。というのも、結晶膜の成長メカニズムが、(通常は触媒上でのみ生じる)表面吸着によるヘテロエピタキシーに起因するためである。プラズマ相からの成長は、主に非晶質膜を生成することが分かっており、しかもマクロ粒子を形成させる又は粉塵を生成することも分かっており、結果として、膜質をひどく低下させて、1対10原子層膜に悪影響をもたらすピンホールが生じさせる可能性がある。この代わりに、特定の実施形態例は、グラファイト(単結晶グラファイト)を作製する工程と、それをエッチングして(例えば、特定のn値の)グラファンとする工程と、そのグラファンをグラフェン(例えば、HEGグラフェン)に変換する工程と、を含み得る。当然、その場終点法(in-situ end-point technique)をフィードバックパラメータとして実行してもよい。
特定の実施形態例では、イオンビーム供給源を、インラインだが図9の反応装置の外部に配置して、例えば前記方法例によるドーピング処理を行ってもよい。また一方、特定の実施形態例では、イオンビーム供給源を、反応装置の本体部内に配置してもよい。
[プロセスフロー例]
図10は、実施形態例による、ある代表的な触媒CDV成長法、リフトオフ法及び移動方法を表す、プロセスフロー例である。図10に示すプロセス例は、例えば従来のガラス検査法を用いて裏面支持体ガラスを検査して(工程S1002)洗浄したときに(工程S1004)開始する。次いで、裏面支持体ガラスを、イオンビームd除去やプラズマ灰化等を用いてクリーニングしてよい(工程S1006)。触媒を、例えばPVDを利用して裏面支持体に析出する(工程S1008)。本発明の特定に実施形態例では、クリーニング処理工程S1006は、グラフェン塗工機/反応装置内で行ってよいことに留意する。すなわち、特定の実施形態例では、上に金属触媒薄膜を形成した又は形成していない裏面支持体ガラスは、例えば金属触媒層を塗工機/反応装置の内部で析出するのか又は塗工機/反応装置の前に析出するのかに応じて、工程1006の前にグラフェン塗工機/反応装置に装填され得る。次に、n層のグラフェンを触媒蒸着してよい(工程S1010)。水素原子(H)エッチングしてよい。特定の実施形態例では、水素原子(H)を導入してグラフェンをエッチングしてもよく、また場合により、例えば目標とする用途に応じて、グラフェンをドーピング処理してもよい(工程S1012)。グラフェン形成の終点は、例えばグラフェンが十分に析出したかどうか及び/又はHエッチングが十分になされたかどうかを確かめることで検出される(工程S1014)。グラフェン形成を停止するために急速冷却プロセスを用い、そしてグラフェンが中に形成された裏面支持体ガラスを、反応装置/塗工機から取り出す(工程S1016)。場合により、この時点で目視検査を行ってもよい。
グラフェンを形成した後、グラフェンを移動するのに有用なポリマーを、例えばスピンコーティング法、ブレードコーティング法又は他のコーティング法でグラフェン上に配置してよい(工程S1018)。場合により、この生成物を検査して、例えば不可欠な色の変化が生じたかどうかを確かめてもよい。色の変化が生じていれば、ポリマーを(例えば、熱、UV光等を用いて)硬化し、その後、再度検査してよい(工程S1020)。金属触媒をアンダーエッチングするか又は別の方法で剥離することで(工程S1022)、例えばグラフェンをリフトオフする(工程S1024)準備を進めてもよい。
リフトオフを行った後、場合により、ポリマーとグラフェンを検査し、次いで洗浄処理することで、例えば残っているアンダーエッチャント及び/又は非硬化ポリマーを除去してよい(工程S1026)。この時点で、別の任意の検査処理を行ってもよい。界面活性剤を適用し(工程S1028)、少なくともポリマー中にピンを配置して(工程S1030)、例えば前記ピンを用いて膜を裏返す(工程S1032)。これでリフトオフ処理が完了して、グラフェンは、受容基材へ移動できる状態となる。
受容基材の準備は、例えばクリーンルームで行う(工程S1034)。受容基材の表面を、例えばそれにUVを露光してその表面エネルギーを高めることで官能化し、そこにグラフェンと相性の良いコーティング等を適用してもよい(工程S1036)。その後、グラフェン/ポリマー膜をホスト基材へ移動させてよい(工程S1038)。
移動が完了したら、グラフェンとポリマーが付着した受容基材をモジュールに送り込んでポリマーを除去してよい(工程S1040)。これは、ポリマーをUV光、熱、化学物質等に暴露することで行ってよい。グラフェンと少なくとも部分的に溶解したポリマーとが付いた基材は、その後洗浄し(工程S1042)、任意に過剰の水又は他の物質を蒸発させて乾燥させる(工程S1044)。必要に応じて、このポリマー除去処理を繰り返してもよい。
ポリマーの除去後、例えば標準的な4点プローブを用いて、基材上のグラフェンのシート抵抗を測定する(工程S1046)。光透過率(例えば、Tvis等)を測定してもよい(工程S1048)。中間産物又は最終製品が品質基準を満たすのであれば、それらを梱包してよい(工程S1050)。
前記技術を用いて、膜試料を調製した。膜試料は、15500S/cmの高い導電率と、500〜3000nmの波長において80%超の透明度を示した。更に、前記膜は、化学的安定性及び熱的安定性に優れていることが分かった。図11は、特定の実施形態例によって製造されたグラフェン試料の画像である。図11の画像では、ヘテロエピタキシャル成長したグラフェンがパーマロイ薄膜からリフトオフされた部分がハイライト表示されている。
[リフトオフ処理を伴わない、ガラスへの直接的な又は間接的なグラフェンの析出例]
先に詳述した通り、高品質のグラフェンは、触媒CVD法を用いてエピタキシャル成長することができる。しかし、前記方法は、一般に、グラフェンシートを金属触媒薄膜(thin metallic film catalyst)からリフトオフ処理する必要があった。前記方法には、得られた膜の導電率に時々影響を及ぼし得る問題点があり、その問題点には、例えば金属エッチング中に生じるグラフェン膜の損傷や、移動中に生じるグラフェンのしわ等が含まれる。シートにおけるしわ及び変形の密集状態にときどき影響を及し得る要因の1つは、金属触媒と成長したグラフェンとの間の熱膨張中に、特にグラフェンを形成するときに多くの場合用いられる急速冷却中に生じる位置ずれ(potential mismatch)に関係している。グラフェン膜にしわ欠陥が生じる可能性は、高い光電子品質の材料の大量生産方法を開発する際の障壁となる場合がある。そのため、当該技術分野では、いずれかの適切な特定の基材(例えば、金属、半導体及び/又はガラス基材等)の上にグラフェンを成長させる必要があると考えられる。
特定の実施形態例は、リフトオフ処理の必要性を無くした代替技術を提供する。更に詳しくは、本発明の特定の実施形態例には、グラフェンを超分子種(本質的に複数の芳香環を有するもの)からヘテロエピタキシャル成長する工程が含まれている。この点に関し、特定の実施形態例では、グラフェンを、基材上で自己組織化する超分子から成長させてもよく、そして前記系を適切な雰囲気の中で(例としては、不活性雰囲気中で、不活性ガス存在下で、例えばアセチレンを含む不活性な炭化水素混合物中で、等)非常にゆっくりと加熱することで高品質グラフェンを製造してもよい。前記方法には、例えば室温からわずかに400℃を上回る温度まで低速で昇温した後、それよりも迅速に約800℃程度まで昇温することを含んでいてよい。このプロセス例は、有利なことに、迅速な熱消光(thermal quenching)、リフトオフ及び移動に関する必要性を軽減し得る。特定の実施形態例では、例えば高度に制御可能な長波長IRランプを用いて低速の昇温を遂行した後、短波長IRランプで活性化することで、600℃超まで温度を上げてもよい。いずれの場合も、このような実施形態例は、大きな分子種に属する特定の前駆体についての本発明者の実験に依存しており、前記大きな分子種とは、多環式芳香族炭化水素類(PAH類)とディスコチック分子の両者である。PAHおよびディスコチック分子の両者の前記前駆体例の一つを、図16に示す。C96PAH分子及びC34PAH分子(例えば、C96〜C12PAH分子及びC34〜C12PAH分子)並びこれらの誘導体を、本発明の特定の実施形態例と関連して使用することを発見した。
多環式芳香族炭化水素類(polycyclic aromatic hydrocarbons)(多核炭化水素類(polynuclear hydrocarbons)と呼ぶ場合もある)は、炭素原子対が該分子内の環同士で共有されている場合、2つ以上の芳香族単環又は芳香族縮合環を有している。「PAH」という用語は一般に、炭素原子と水素原子を含む化合物を意味するが、より広義の用語である「多環式芳香化合物(polycyclic aromatic compounds)」には、アルキル置換誘導体及び官能化誘導体、例えば、ニトロPAH及びヒドロキシPAH、並びに芳香族構造内にヘテロ原子を1つ以上含有する複素環類似物も含まれる。PAH類には、感光性、耐熱性、導電性、耐食性及び生理作用等の多様な機能を示す様々な組み合わせが存在する。最も単純な例は、2つのベンゼン環が隣り合ったナフタレン、及び2つのベンゼン環が連結したビフェニルである。PAH類は、合成生成物中には見当たらず、しかも生体細胞の成長には不必要なものである。PAHの一般的特徴としては、高融点及び高沸点(これらは固体である)、低い蒸気圧、並びに非常に低い水溶性が挙げられ、分子量が増加するにつれて水溶性は低下するが、耐酸化性、耐還元性及び耐気化性(resistance to vaporization)は増進する。蒸気圧は、分子量が増加するにつれて低下する傾向がある。PAH類は、極めて親油性であり、有機溶媒に対して易溶性である。環基を2つ又は3つ有する低分子量PAH類、例えばナフタレン類、フルオレン類、フェナントレン類及びアントラセン類には毒性があり、この毒性は、分子量が増加するにつれて低下する傾向がある。PAH類は、工業目的では化学合成されないが、濃縮コールタール製品から(又は石炭炭化水素類の熱分解によって)単離された後、続く蒸留と結晶化の繰り返しによって精製される。
周知のように、「ディスコチック」という用語は、円柱状に積み重ね可能な、平たい円板状分子を意味する。
リフトオフ処理の必要性を省いた方法例について以下に更に詳細に説明するが、今なおボトムアップ式の方法であると考えられる。しかし、このような方法例は、アセチレンよりも複雑な分子を対象としている。ある実施例では、前記分子のコアはグラフェンの副分類分子とみなされる場合がある。前記分子は、コアである芳香族領域間の大きなπ−π相互作用によって自己組織化して、1次元的な円柱状超分子構造(又は実質上1次元的な、ほぼ円柱状の超分子構造)となる。適切な溶媒を用いてPAH類を先ず溶解して、例えば単純なラングミュアー・ブロジェット法を利用することでガラス上にPAHが析出され得る。周知のように、ラングミュアー・ブロジェット成膜法(Langmuir-Blodgett deposition)によれば、一般に、固体を液体に浸漬することで、液体の表面から材料が固体上に析出される。一般に、浸漬する又は水面から現れる(emersion)工程毎に単分子層が均一に吸着される。いずれの場合も、前記分子が、その後、グラフェンと同種の非常に規則正しい層へ容易に組織化される。真空圧下でかつ不活性ガス(Ar、He等)及び/又は他の気体の下で逐次加熱処理すると、グラフェンがガラス基材上に直接的に又は間接的に形成され得る。すなわち、特定の実施形態例においてグラフェンは、リフトオフ処理を必要とせずにガラス基材上に形成され得ると考えられる。
ソーダ石灰ガラスの場合、酸化ケイ素(例えば、SiO又は他の好適な化学量論のもの)を含む下地層を、例えばMSVD等の方法でガラス上に析出してもよい。この析出は、上にクリーンな約50nm厚の酸化ケイ素下地層を熱成長させたSiウェハ上でも実行できる。いずれの場合も、PAHを、シラン−ベンゾフェノン誘導体の固定化された自己組織化単分子層(self-assembled monolayer:SAM)に光化学的に付着させることにより、PAH単分子層が形成された。その後、基材を750℃まで加熱した。最終製品には、主に二分子層から構成されたグラフェン膜が含まれおり、前記膜には、予想されたラマンフィンガープリントが発現したことに加え、シート抵抗が、例えば基材、使用したPAH種、並びに不活性ガスの種類及び温度プロファイルに応じて10〜200オーム/平方の範囲であることも分かった。ガラス上の前記膜の光透過率Tvisは、82〜87.1%の範囲であった。形成された膜のシート抵抗は、50オーム/平方〜120オーム/平方の範囲であった。
様々な酸化下地層が本発明の様々な実施形態例に関連して使用され得ると考えられる。例えば、酸化ケイ素、酸化亜鉛及び/又は遷移金属酸化物の下地層又はこれらを含む下地層が、特定の実施形態例に関連して使用され得る。
特定の実施形態例の方法は、触媒、急速加熱及び急冷並びに/又はアセチレンガスを必要としない可能性があるという点で有益である。それどころか、前記超分子は、有利なことに、約750℃まで加熱するとグラフェンを形成する構造に自己組織化され得る。グラフェンの成長開始温度は必ずしも750℃ではないことと考えられる。実際、シミュレーションからは、PAH類の単分子層が存在すれば、約450℃程度の温度でも、不活性ガス雰囲気下でグラフェン形成が開始する可能性があることが明らかである。SAMテンプレートを付けた表面を準備し、そのガラス表面にPAH分子を固定することで、結果として前記PAH分子のc軸がガラスと垂直となる又はほぼ垂直となる(これは、前記分子が横ばい状態である又は実質上横ばい状態であることを表す)方法をそれとなく知っていることは、この結果を達成しようとする場合に有益である。以下に詳細な説明を提示する。言い換えれば、SAMテンプレートとPAH分子の両者を析出する設備(equipment)は既に存在すると考えられる。特定の実施形態例では、加熱は、真空圧下又は不活性雰囲気下で行ってもよく、また、前駆体が十分高純度に製造できるのであれば、このような方法は、現存する製造ラインに役立てるのが有益である。特定の実施形態例に関連して使用できる設備例及びプロセス条件例を以下に挙げる。
特定の実施形態例では、シラン−ベンゾフェノンをPAH用の固定テンプレートとして用いてよい。この広義の分類のPAH分子は、ラマン研究所(Raman Institute)のS.チャンドラセカール(S. Chandrasekhar)によって1977年に初めて合成されたものであり(S.チャンドラセカール著、Liquid Crystals、ケンブリッジ大学出版(Cambridge University Press)(1922年)を参照し、この内容全てを参照として本明細書に援用する)、コレージュ・ド・フランス(College de France)の研究者らによって研究されてきた(例えば、F.ロンデレッツ(F. Rondelez)、D.コッペル(D. Koppel)、B.K.サダシバ(B. K. Sadashiva)著、Journale de Physique、43巻、9頁(1982年)及びF.ロンデレッツら著、Journale de Physique、48巻、1225〜1234頁(1987年)を参照し、これらをそれぞれ参照として本明細書に援用する)。図17に、様々な数(N)の六方晶炭素又は六重項を有するPAH分子例を表す。図17中、N=10、17及び18を示す。図17からは、前記分子の末端部にアルキル基Rが含まれていることが分かるであろう。R基は、基材とのアンカーとして働くことで、PAH分子をc軸に対して垂直な又はほぼ垂直な定位置に配向させる。
芳香族分子ペリレン(C2012)は平面形状をしており、低温では、どちらかと言えば大きな固有電荷担体移動度を有している。ペリレンは、様々な金属基材、半導体基材及び絶縁基材上に単分子層型でも多分子層型でも成長できることを確かめた。基材は、イオンビームを用いてクリーンな状態にし、そして大抵の場合、様々な金属、半導体及び絶縁体の高度に組織化された薄膜でコーティングした。例えば、前記材料を、Siの(110)と(111)の両者だけでなく、高度に構造化されたCu(111)上にも成長させた。これに関するある驚くべき予想外の実験結果は、平面な有機ペリレン分子が、基材とほぼ又は完全に平行に配向されたπ平面と一体になって、単分子型だけでなく多分子型でも成長することが分かったことであった。この状況はまた、成長がエピタキシャル型であってしかも多層成長モードで進行することが分かった点で、驚くべきことでもありかつ予想外でもある。Cu(110)基材に関しては、例えばHREELS(高分解能電子エネルギー損失分光法)、LEED(低速電子線回折)及びSTM(走査型トンネル顕微鏡)を用いて高秩序の単分子層を確認した。この初期の研究は、HBC及びHBC誘導体を用いたグラフェンの化学的経路による成長可能性についての研究を促進するのに役立った。
例えば、ペンタセン及びペリレン等のポリアセン類の固体基材上での成長を考えた場合、グラファイト平面で最も大きな分子セグメントであって、昇華を利用して横ばい状態に析出できるものを見つけ出すことが好ましい。ヘキサペリヘキサベンゾコロネン(C4218)、すなわちHBCがこの対象となる。これは、有機エレクトロニクスに利用される固体基材に芳香族分子を有機分子線ビームエピタキシー法で成長させるのに適した最も大きな分子のうちの1つである。先行研究では、これを、新たに切断した熱分解グラファイト(0001)基材の上及び二硫化モリブデン(MoS)表面の上に析出させると、横ばい状態で成長して高秩序の膜を形成できることが分かった。この成長モードは、少なくとも10nmの厚さまで継続することが確認されており、バルクHBCにおいて知られているものとは異なる構造を有する、高秩序の多分子膜の形成を導くことから、非常に優れている。
更に厚い膜厚では、ストランスキー・クラスタノフ(Stransky−Krastanov)分子成長モードが報告されており、バルク結晶構造への転移が認められる。興味深いことに、多結晶Au基材又は酸化処理済Si(100)表面上に析出させると、高度に配向されたHBC層を形成せず、それどころか、結果からは、HBCの非常に無秩序な配列であることが示唆された。一方がグラファイト及びMoS上でかつ他方が金属表面上での、この成長モードにおける見掛け上の差は、UHV条件下で調製されたクリーンな特定の基材上で析出を行うと取り除かれる。一般に、クリーンな金属上では、基材と平行に配向したHBC分子平面を有する高秩序の単分子層の形成が認められる[Au(199)Au(111)]。更に析出すると、Au(111)基材上及びCu(111)基材上には、高度に配向したHBC吸着層が厚さ2nmまで成長するが、その環平面は基材と平行に配置されいることが分かった。膜の厚さが約2nmを超えると、配向は消失するとされていた。しかし、HBCは化学修飾することで溶解できるようなると考えれば、スピンコーティング法又はラングミュアー・ブロジェット法(以下に更に詳細に説明する)によって薄膜を析出することは可能であった。アルキル鎖がHBCに結合している場合、幾つかの例では、いわゆるディスコチック相と呼ばれる円柱状構造を形成させる液晶の性質が確認された。この円柱状構造の配置は、例えば副相である水のpH値を含む特定の作製条件を変更することで達成される可能性がある。
液晶ヘキサベンゾコロネン系材料の構築は、特定の実施形態例では、アルキルを6重に置換したヘキサベンゾコロネン誘導体を生成するように合成を改良し、溶解性及び「加工性」等の特性が改善された分子材料を設計開発し、そして生成された分子を有機太陽電池等の光電子デバイスへ組み込むことによって行える場合もある。
新たな合成プロトコルでは、多種多様な置換HBC誘導体生成する反応順序の一番最後にアリール−アリールカップリング及びアリール−アルキルカップリングを生じさせることができた。HBCコアとそれにぶら下がっている(pending)アルキル鎖との間に、例えばHBC−PhC12のようにフェニルスペーサを導入することで、例えば室温における溶解性及び液晶性が向上するといった、多数の有益な効果が得られ、それらが、有機分子デバイスを作製するのに必要な様々な基材に高秩序の膜を確実に形成するのに役立った。
E.クラール(E. Clar)(Aromatic Sextet、1972年を参照のこと)によれば、PAH中に含まれる六重項が多いほど、材料の熱的安定性は向上する。クラールによれば、これらは「超対称性ベンゼノイド(super-benzenoid)」である。コールタール由来のトリフェニレンは非常に安定である。HBCを生成し得る一経路は、例えば図20(a)及び20(b)に示しており、また、HBC−PhC12分子は、図21に示す。
ここで、単分子層例を基材に形成する特定の方法例について簡単に説明する。C96(及び/又はHBC、すなわちヘキサベンゾコロネン)単分子層は、クロロシランベンゾフェノン誘導体を半導体基材と共有結合することでアンカーテンプレートとして作製された。光化学反応性ベンゾフェノン官能基を用いて、所望のPAH分子を表面に共有結合させた。PAH分子中のアルキル鎖の存在は、照射時にベンゾフェノンとの共有結合を生じさせるのに役立つ。そのため、特定の実施形態例には、アルキル鎖を含有する材料を、ベンゾフェノンと共有結合するための原料として含んでいてよい。ベンゾフェノン誘導体は、化学的安定性、340〜360nmの光での活性化容易性及び時には高特異性C−H結合と優先的に反応するが、それ以外では未反応のC−H結合と優先的に反応することという理由から、ガラス基材とC96との間のリンカーとして選択された。溶媒(例えば、水)及び求核試薬の存在下であっても、未反応C−H結合との反応性は維持していた。更に、表面との光化学結合を伴う方法では、非結合C96又はHBC分子を非常に容易に洗い流すこともできた。約350nmの光を照射すると、ベンゾフェノンは遷移を生じ、1個の電子が酸素の非結合sp様のn軌道からカルボニル炭素の反結合性π軌道へ移動する。言うまでもないが、照射されるUVエネルギーは任意の好適な波長であってよいが、前記材料を使用する場合は、所望の光化学結合を生じさせるのに、一般に約320〜380nmの波長で十分である。
ここでは、テンプレートを基材に固定する方法例について更に詳細に説明する。特に、クロロシランベンゾフェノン(CSBP)をSiO表面に固定する方法例をまず説明する。CSBPは、以下の及び/又は同様の方法例を用いてSiO表面又は任意のガラス表面に容易に付着され得る。一例としては、CSBPをトルエンで希釈して、トリエチルアミンを数滴加える。後者は、生成されるHCとの結合に寄与し、更には反応を触媒する可能性もある。このプロセスは、ガラス基材を前記混合物中に単に浸けたり、ディップコーティングすること等によって実行されてよい。次に、基材をクロロホルムですすいで、N含有雰囲気下で乾燥させてよい。表面エネルギー測定値を用いて、CSBPによる表面被覆率を定量化した。これで、表面は、PAH分子と結合する用意が整う。
ここでは、PAHをテンプレートに光化学結合する方法例について更に詳細に説明する。先に示唆した通り、PAHとテンプレートとの光化学結合には、PAH自体の調製が含まれる。特定の実施形態例では、これにはディールズ・アルダー付加環化が含まれており、これにより、例えばPAH分子が合成され得る。完成したC96PAHは、カラムクロマトグラフィーで精製した。様々な濃度のC96溶液をクロロホルム又はドデカンで調製した。言うまでもないが、予め混合した又は予め調製したPAH含有溶液を、特定の実施形態例に関連して供給してもよいと考え得る。
ここではヘキサベンゾコロネン(HBC)合成に関する実例の詳細を示す。先に示唆した通り、PAHは様々な方法で、すなわちディールズ・アルダー付加環化を第1段階として行った後、形成されたPAH前駆体を脱水素環化することにより、製造されてよい。実施例では、親油性シクロペンジエノンを親水性ジフェニルアセチレンとディールズ・アルダー付加環化によって結合させ、この反応の最終生成物を酸化的環化することで、HBCを得た。
つぎに、C96−C12の調製に関する詳細例を示す。ある実施例では、1,3,5−トリエチルベンゼンと3,4−ビス(4−ドデシルフェニル)−2−5ジフェニルシクロペンタジエノンをキシレンに溶解し、170℃において不活性雰囲気下で15〜20時間加熱した。溶媒を真空圧下で除去し、残渣をシリカゲルによるクロマトグラフィー(エーテル/ジクロロメタン)で精製することで、C96−C12が生成された。次に、C96前駆体をジクロロメタンに溶解して、FeClを滴下した。溶液にアルゴンを通気させることで、形成したHClを除去した。最終生成物は、純度約60%のC96であった。これは、上述と同様にしてカラムクロマトグラフィーで精製した。
調製した時点で、PAHは、析出して基材と光結合できる状態にある。この点において、C96薄膜は、基材のCSBP変性された表面にスピンキャスティング及びスピンコーティングして形成した。様々な回転速度又はディップコーティング速度を用い(特定の実施形態例では、最適速度を例えばPAH前駆体、テンプレート、基材、析出環境等に応じて実験的に導き出してもよく)、そしてその後で溶媒を蒸発させた。次に、試料をホットプレート上に1分間置いて、余分な又は本質的に重要でない溶媒を除去した。表面に365nmのUVを照射した。UVによって、ベンゾフェノンのnからπへの遷移が促進され、それにより、C96のアルキル鎖中で反応が生じる。照射後、余剰の分子を洗い流した。C96のドデカン(又はクロロホルム)溶液は、分子濃度10 −2 〜10 −6 で調製した。ドデカンから生成された膜は、非常に平坦なPAHとなり、基材上に均一に位置していた。この結果は、溶媒のアルキル鎖がPAH分子のπ−π開始相互作用を無秩序にしてPAH分子を表面に平坦なまま留置するのであれば、溶媒と前記分子との間の相互作用と関係があると推測される。他の可能性は、ドデカンがクロロホルムよりも濡れ性が良いことである。
様々な数の炭素原子及び/又は芳香族六重項を含む分子が、本発明の異なる実施形態例と関連して使用できると考えられる。このような場合、光化学結合の詳細は変更が可能であり、例えば必要とされる波長及び/又はエネルギーを変更してもよい。例えば、図18には、六方晶炭素又は六重項の数Nを変えた場合の、炭素分子及びPAH分子のLUMO−HOMO間のエネルギー差の変化を表している。周知のように、HOMO及びLUMOはそれぞれ、最高被占分子軌道(highest occupied molecular orbital)及び最低空分子軌道(lowest unoccupied molecular orbital)の頭文語である。HOMO−LUMO間のエネルギー差はバンドギャップと呼ばれ、分子の励起測度となる場合もある。
次に、熱を用いてグラフェンを作製する方法について説明する。使用可能な熱源の一例は、LABVIEWmxiDACを用いて制御される真空チャンバー内に配置された、二ケイ化モリブデン(moly-silicide)プレート型ヒーター(例えば、直径10.16センチメートル(4インチ)である。到達最高温度は1250℃であり、昇温速度は、5℃/分から50℃/分まで制御可能である。場合によっては、熱分解の開始が約550℃で生じることが確認されており、グラフェン形成は、700℃をわずかに上回る温度で実行された。
3組の実験では、グラフェン膜を、Ar、He及びCガスの下、0.5Torrで成長させた。一流れの実験では、膜を、不活性ガス雰囲気下で室温から50℃/分の速度で600℃程度の温度まで加熱した。グラフェン膜は容易に得られ、そしてラマン結果によれば、グラフェン形成開始は、Ar雰囲気下では約450℃又は475℃で生じることが明らかである。
後者の場合、Cガスは、グラフェン層の補修(又は少なくとも、グラフェン層の質の改善)及び低いシート抵抗の提供に有効であると考えられる。例えば加熱をAr及びCを両方含む雰囲気下で行うと、膜の電気的特性や質が、驚くべきことにかつ予想外に向上することが分かった。本実施例の成長過程では、触媒を用いなかった。
熱分解に関して、アルゴン補助熱還元を利用したある実施例では、基材を先ず100℃で2時間加熱した。次に、これを、選択された高温(約600〜1000℃の範囲であってよい)まで又は前記高温において30分間加熱した。この場合、昇温速度は、流量100sccmのAr雰囲気下では2℃/分であった。補修に役立つ場合があるアセチレン補助熱還元を利用したある実施例では、上述と同様に、基材を先ず100℃で2時間加熱した後、選択温度(約600〜1000℃の範囲であってよい)まで又は前記温度において30分間加熱した。この場合、昇温速度は、流量100sccmのAr雰囲気下では2〜30℃/分であった。加熱プロセス中、Cガス及びArガスはそれぞれ、流量30sccm及び100sccmで10分間流し込んだ。
図19は、どちらも特定の実施形態例に従って成長させたグラフェン膜のラマンスペクトル及びG’バンドのピークを表している。ただし、特定の実施形態例では、触媒及び/又はドーパントを使用して膜特性を更に変更してもよいと考えられる。周知のように、GバンドのピークとD’バンドのピークは、形成された膜が確かにグラフェンであるかどうかを表すのに使用され得る。Gバンド及びD’バンドは、規則正しいハニカム構造のC−Csp混成軌道に関するものである。ピーク(FWHMが、2685cm−1を中心に約25cm−1であるもの)の狭さは、質の高さにも関係する。一方、Dバンド(1350cm−1)のピーク減少は、炭素欠陥に関連するspが、ジョバン・イヴォン(Jobin-Yvon)製ラマン分光計の検出限界よりもかなり低いという証拠を示している。Dバンド(1300から1400cm−1に現れるもの)は、欠陥やしわの影響を非常に受け易く、極めて清浄な、しわ又は欠陥の無い領域を表している。G’バンドのピークは、グラフェン層の数に関する指標として使用される場合もあり、また、ある領域から別の領域へのG’ラインのシフトによって、膜のnが4程度であり得ることも分かる。
液体系の前駆体を利用する特定の実施形態例について説明してきたが、別の実施形態例では、気体状の前駆体を含んでいてもよい。例えば、特定の実施形態例では、キャリアガスと前駆体分子(これは、PAH及び/又はディスコチック分子、例えば前記分子のうちの1種であってよい)を含む気体流を、被覆しようとする基材であって、例えば既に上に単分子層テンプレートが配置された基材の近傍に供給してもよい。前駆体分子は、例えばUV照射によってテンプレートと結合し得る。低圧の気体流から分子を蒸発させるのは比較的容易であり得ると考えられる。実際、本出願の発明者は、次のことを発見した。
HBCは昇華によって析出可能である。前記分子は十分に大きいので、機能性分子側鎖基を付加することができ、前記分子類を利用する上で非常に重要なものにしている。HBCのヘキサアルキル置換誘導体を有機溶媒中で柱状の中間相へと自己組織化すると、電荷担体移動度が非常に高い1次元伝導体(例えば、分子ナノワイヤー)が生じることが確認された。
ある実施例の場合、HBC分子は、真空圧下でクヌーセン(Knudsesn)セルを用いて約620Kにおいて蒸発させた。次いで、分子を基材にコーティングし、約600℃の温度で更に熱分解した。このデバイスは、制御された方式でHBC分子を噴出させることができ、それにより、例えばMoS薄膜で被覆された基材全体に吸着可能なn層のグラフェンが形成される。基材は、HBC分子の析出前は、極めて清浄であることが好ましい。また、特定の実施形態例では電子ビーム蒸着を用いてもよいと考えられる。
ただし、恐らくより一般的に、620Kの昇華温度では、温度が10K上がるとフラックスが約一桁増加する。分子線蒸着によって高温のるつぼから蒸発させ得る分子の大きさは、通常、限られている。一般に、分子の昇華温度は、ファンデルワールス力で軽く結合しているだけの場合、分子量につれて高くなる。HBC分子は見掛け上、この一般則に当てはまらない。というもの、HBC分子は、グラファイトのように層状に成長するためである。π−π相互作用は、標準的なファンデルワールス分散まで徐々に増加し、その結果、分子平面間の昇華温度も高くなる。分子を昇華させるのに必要な温度が、分子内結合の開裂温度よりも高い場合、分子は断片となって蒸発する。しかし、先に示唆したように、これは見掛け上、HBC及びその両親媒性誘導体では生じない。
特定の実施形態例では、ガラスに接合しかつUV照射によってPAHが結合される固定剤が使用されると考えられる。例えば、特定の実施形態例では、ジクロロシランベンゾフェノン(CSBP)をこのような固定剤の一つとして用いてよい。一般に、固定剤は、ガラス、シリカ、金属、プラスチック又は他の基材に付着されてよく、これら基材は、例えば固定剤を取り付ける好適な下地層を持っていなくてもよく(cleaned)、及び/又は前記下地層で被覆されていてもよい。PAHは溶媒と混合されてもよい。例えば、特定の実施例では、HBC−C12又はC96−12は、1.5〜3mg・ml−1の濃度でドデカンに溶解されていてよい。溶媒としてドデカンを用いる場合は、例えば10−6、10−5又は10−3の分子濃度で供給されてよい。いずれにしても、湿式法を用いる場合、溶液はホウケイ酸ガラス、シリコンウェハ、石英又は他の基材に、スピンコーティングされも、ディップコーティングされても、ロール塗布されても、カーテンコーティングされても、噴霧されてもよく、又は別の方法で供給されてもよい。当然、PAH前駆体は気体流で導入されてよく、また、その後、基材の表面に蒸発されても、昇華されても、又は別の方法で供給されてもよい。光結合、例えばUV照射によるものを利用して、PAHを固定剤の選択領域に及び/又はパターンに従って付着させてもよい。PAHを熱分解することで、例えばグラフェンを1回に1層成長させてもよく、これは不活性(例えば、Ar、Ne又は他の好適な気体)環境下で行われてよく、不活性環境にはアセチレン又は他の炭化水素ガスが含まれていても、含まれていなくてもよい。いずれにしても、この方法では、前記テンプレートがグラフェン成長の調整に適した配置構造(例えば、その熱力学特性による)を自然に有しているという本発明者の認識だけでなく、特定のPAH分子が既にグラフェンテンプレートを含んでいるという発明者の認識をも活用している。本明細書に記載の方法は、PAH分子が特定の実施形態例では「パッチワーク状に」配置されて、グラフェンを広範囲にわたって、例えば個々のPAH分子よりも大きな面積で成長させ得るように展開される。


当然、前記及び/又は他の同様の方法を真空圧下で行えば、例えばCSBP又は他の固定用テンプレートの必要性が軽減される可能性がある。したがって、本発明のすべての実施形態でCSBP等の固定用テンプレートが必要であるとは限らないと考えられる。
本明細書に記載の方法例を用いて、グラフェンを1層ごと直接的に又は間接的に基材(例えば、ガラス基材及び/又はシリコン基材等)上に成長させてもよいと考えられる。つまり、本明細書に記載の方法例を用いて、グラフェンをベースとする膜のN回の制御成長を、例えば工程段階を繰り返すことによって展開してもよい。
本明細書に記載の方法例を用いて、パターニングされたグラフェンをベースとする膜を製造してもよい。例えば、SAMテンプレートを、所望のパターンに従ってガラス基材に供給してもよい。このことは、例えばマスクを用いることや、SAMテンプレートを選択除去すること等によって促進してもよい。更に又は或いは、光化学活性化(例えば、UV光の照射)は、PAH分子をSAMテンプレートに所定のパターンで、例えばUV光源を制御することでUV光が好適なマスクを介して(例としては、好適なフォトレジストを用いること)到達する領域を制限すること等によって、付着させるためだけに制御されてもよい。また、エッチングを用いることで、グラフェンをベースとする膜を、例えばSAMテンプレートを一部除去することや、形成されたグラフェンをベースとする膜の一部を除去すること等によって、パターニングするのに役立ててもよい。前記方法によれば、例えばトランジスタ等の電子デバイスを構築できる可能性があると考えられる。
先に示唆したように、安定性に優れており、透明性が高く、しかも良好な導電性を有する新規電極材料に関する研究を行っており、TCO類の代替品を探すという極めて重要な目標を持っている。インジウムスズ酸化物(ITO)コーティング及びフッ素−スズ酸化物(FTO)コーティングは、窓電極として光電子デバイスに広く用いられている。非常によい成果を挙げているにも関わらず、前記TCO類は、地球上でのインジウム元素の入手可能な量に限界があること、酸又は塩基存在下での不安定性、イオン導電性膜からイオン拡散し易いこと、近赤外域(例えば、ハイパワースペクトル(high-rich spectrum))でのその限られた透明性、FTO構造欠陥が原因で生じるFTOデバイスの高いリーク電流、等の理由から、ますます問題になってきていると考えられる。そこで、以下の章では、例えばITO及び/又はFTO等のTCO類がグラフェンをベースとする膜で置換又は補完され得る、グラフェンを含む幾つかの用途例について特定する。
[グラフェンを含む用途例]
先に示唆したように、グラフェンをベースとする膜は、多種多様な用途及び/又は電子デバイスに使用され得る。このような用途例及び/又は電子デバイス例では、ITO及び/又は他の導電性膜を、グラフェンをベースとする膜で置き換えるだけでよい。デバイスをグラフェンから作製するには、一般に、金属、ITO等の縮退半導体、及び/又は特にアモルファスシリコン及びCdTeのような太陽電池用半導体等と接触させる工程が必要である。
バンドギャップがゼロでありしかもブリルアンゾーンのK点での状態密度がゼロである(vanishing density of states)にもかかわらず、支持体を持たないグラフェンは、金属的挙動を表す。しかし、金属基材、半導体基材又は絶縁基材に吸着されると、その電気特性が変わる可能性がある。これを補うために、更に又は或いは、用途例及び/又は電子デバイス例では、グラフェンをベースとする膜を、それと隣接する半導体層によってドーピング処理してもよい。すなわち、特定の実施形態例において、グラフェンをベースとする膜がn型半導体層と隣接している場合は、グラフェンをベースとする膜をn型ドーパントでドーピング処理してよい。同様に、特定の実施形態例において、グラフェンをベースとする膜がp型半導体層と隣接している場合は、グラフェンをベースとする膜をp型ドーパントでドーピング処理してもよい。当然、円錐形先端部に関するグラフェンのフェルミ準位のシフトは、例えば、密度汎関数理論(density functional theory:DFT)を用いてモデル化されてよい。バンドギャップ計算によれば、金属/グラフェン界面を2つの広い分類、つまり化学吸着と物理吸着に分けることができることが分かる。後者の場合、上向き(下向き)のシフトは、電子(正孔)が金属からグラフェンに供与されることを意味する。こうすることで、グラフェンとの接点として使用すべき金属又はTCOを、用途に応じて予測することが可能である。
グラフェンをベースとする膜を1層以上使用できる第1の電子デバイス例は、太陽光発電デバイスである。このようなデバイス例は、前面電極又は裏面電極を備えていてよい。このようなデバイスでは、グラフェンをベースとする膜は、通常は内部に使用されるITOと置き換えるだけでよい。光起電力素子(Photovoltaic devices)は、例えば、米国特許第6,784,361号、同第6,288,325号、同第6,613,603号及び同第6,123,824号、米国出願公開番号2008/0169021、同2009/0032098、同2008/0308147及び同2009/0020157、並びに出願番号12/285,374、同12/285,890及び同12/457,006に開示されており、これら開示内容を参照として本明細書で援用する。
或いは又は更に、ドーピング処理されたグラフェンをベースとする膜は、隣接する半導体層と適合するようにその内部に含まれていてもよい。例えば、図12は、特定の実施形態例によってグラフェンをベースとする膜を組み込んだ、太陽光発電デバイスの断面概念図である。図12の実施形態例には、ガラス基材1202が示されている。例えば、限定されないが、ガラス基材1202は、米国特許出願第11/049,292及び/又は同11/122,218のいずれかに記載のガラスであってよく、これらの開示内容を参照として本明細書で援用する。ガラス基材は、場合により、ナノ構造化することによって、例えば太陽電池の効率を高めてもよい。反射防止(anti-reflective:AR)コーティング1204をガラス基材1202の外表面に設けて、例えば透過率を高めてもよい。反射防止コーティング1204は、単層反射防止(singe-layer anti-reflective:SLAR)コーティングであってもよく(例えば、酸化ケイ素反射防止コーティング)、又は多層反射防止(multi-layer anti-reflective:MLAR)コーティングであってもよい。このようなARコーティングは、任意の好適な方法を用いて形成され得る。
1層以上の吸収層1206は、例えば図12の実施形態例に示すような裏面電極デバイスの場合、ガラス基材1202の、ARコーティング1204を有する側とは反対側に設けてよい。吸収層1206は、第1半導体と第2半導体との間に挟持されていてよい。図12の実施形態例では、吸収層1206は、n型半導体1208(ガラス基材1202に近い方)とp型半導体1210(ガラス基材1202から遠い方)との間に挟持されている。裏面接点1212(例えば、アルミニウム又は他の好適な材料)を設けてもよい。半導体1208とガラス基材1202の間に及び/又は半導体1210と裏面接点1212との間には、ITO又は1若しくは複数の他の導電性材料を設けるよりも、第1及び第2のグラフェンをベースとする膜1214及び1216を設けてもよい。グラフェンをベースとする膜1214及び1216はそれぞれ、隣接する半導体層類1208及び1210と適合するようにドーピング処理されてよい。したがって、図12の実施形態例では、グラフェンをベースとする膜1214はn型ドーパントでドーピング処理されていてよく、また、グラフェンをベースとする膜1216はp型ドーパントでドーピング処理されていてよい。
グラフェンを直接構造化するのは困難なため、ガラス基材1202と第1のグラフェンをベースとする膜1214との間に任意の層1218を設けてもよい。しかい、グラフェンは柔軟性に非常に優れているので、一般には、配置されている表面になじむであろう。したがって、任意の層1218を構造化することで、結果として前記層の構造が、一般に共形的なグラフェンをベースとする膜1214に「伝播」されるか又は別の方法で反映され得る可能性がある。これに関連して、構造化された任意の層1218は、亜鉛ドーピングした酸化スズ(ZTO)を含んでいてもよい。特定の実施形態例では、半導体1208及び1210の一方又は両方を、導電性高分子材料で置換してもよいことに留意する。
グラフェンが近赤外域及び中赤外域で基本的に透明であるとは、最も透過し易い長波長放射線が単一接合型太陽電池及びタンデム接合型太陽電池の両方のi−層に侵入して、キャリアを前記太陽電池に深く送り込む可能性があることを意味する。これは、グラフェンをベースとする膜は、既に効率が数%程度向上しているので、裏面接点を構造化する必要が求められない可能性があることを表している。
スクリーン印刷法、蒸着法及び焼結法並びに高温でのCdCl2処理は、CdS/CdTe太陽電池ヘテロ接合において現在用いられている。前記電池は、高い曲線因子を有している(FF>0.8)。しかし、直列抵抗Rsは、効率を制限するアーティファクトである。Rsには、CdS層のシート抵抗から配分された部分と、CdTe及びその最上部のグラファイト系接点と関連する別個成分とがある。1層以上のグラフェンをベースとする膜の使用は、Rsへのこれら両方の寄与を軽減するのに役立つ可能性がある。前面接点と裏面接点の両方が配置されたこのようなソーラー構造物にグラフェンを取り入れることで、実質的な効率向上が達成され得る。
特定の実施形態例は、単一接合型太陽電池を対象とするものであってよいが、特定の実施形態例は、タンデム型太陽電池を対象とするものであってもよいと考えられる。特定の実施形態例は、CdS太陽電池、CdTe太陽電池、CIS/CIGS太陽電池、アモルファスSi太陽電池及び/又は他の種類の太陽電池であってよい。
1層以上のグラフェンをベースとする膜が組み込まれていてよい他の実施形態例は、タッチパネルディスプレイである。例えば、タッチパネルディスプレイは、ITO又は他の導電層を含む、容量性又は抵抗性タッチパネルディスプレイであってよい。例えば、米国特許第7,436,393号、同第7,372,510号、同第7,215,331号、同第6,204,897号、同第6,177,918号及び同第5,650,597号、並びに特許出願番号12/292,406を参照し、これらの開示内容を参照として本明細書で援用する。ITO及び/又は他の導電層を前記タッチパネルにおいて置き換えてもよいグラフェンをベースとする膜で置き換えてもよい。例えば、図13は、特定の実施形態例によってグラフェンをベースとする膜を組み込んだ、タッチスクリーンの断面概念図である。図13には、基盤となるディスプレイ1302が含まれており、これは、特定の実施形態例ではLCD、プラズマ又は他のフラットパネルディスプレイであってよい。光学的に透明な接着剤1304で、ディスプレイ1302を薄いガラス板1306に結合している。変形可能なPET箔1308は、図13の実施形態例では最上層として設けられている。PET箔1308は、複数のピラースペーサ1310及びエッジシール1312によって薄いガラス基材1306の上部表面との間に隙間を空けて配置されている。第1及び第2のグラフェンをベースとする膜1314及び1316はそれぞれ、ディスプレイ1302に近い方のPET箔1308の表面及びPET箔1308と対向している薄いガラス基材1306の表面に設けられてよい。グラフェンをベースとする膜1314及び1316の一方又は両方に、例えばイオンビームエッチング及び/又はレーザエッチングによってパターニング処理を行ってよい。PET箔上のグラフェンをベースとする膜は、PET箔自体を利用して、その成長位置から中間製品へ移動されてよいことに留意する。すなわち、グラフェンをリフトオフするとき及び/又はグラフェンを移動するときに、フォトレジスト又は他の材料の代わりにPET箔を利用してもよい。
グラフェンをベースとする膜における約500オーム/平方未満のシート抵抗は、図13に示したのと同様の実施形態の条件を満たしており、グラフェンをベースとする膜では、約300オーム/平方未満のシート抵抗が有利である。
ディスプレイ1302に通常含まれているITOを、1層以上のグラフェンをベースとする膜で置き換えてよいと考えられる。例えば、ディスプレイ1302がLCDディスプレイである場合、グラフェンをベースとする膜を、共通電極としてカラーフィルター基材上に設けてもよく、及び/又はパターン化電極として、いわゆるTFT基材上に設けてもよい。当然、グラフェンをベースとする膜であって、ドーピング処理済又は未処理のものを、TFTそれぞれの設計及び製造と関連して使用してもよい。同様の配置を、プラズマ及び/又は他のプラットパネルディスプレイ(plat panel displays)に関して展開してもよい。
また、グラフェンをベースとする膜を用いて、導電性データ/バスライン(bus line)、バスバー(bus bar)及び/又はアンテナ等を作製してもよい。このような構造物は、ガラス基材、シリコンウェハ等の上に形成/適用され得る。図14は、特定の実施形態例による導電性データ/バスラインの形成方法例を表すフローチャートである。工程S1401では、グラフェンをベースとする膜を適当な基材上に形成する。任意工程である工程S1403では、グラフェンをベースとする膜の上に保護層を設けてよい。工程1405では、グラフェンをベースとする膜を選択的に除去又はパターニングする。この除去又はパターニングは、レーザエッチングによって行われてよい。このような場合、レーザの分解能が十分に高ければ、保護層の必要性が軽減される可能性がある。或いは又は更に、イオンビーム/プラズマ照射処理によってエッチングを行ってもよい。上述と同様に、Hを、例えば熱フィラメントと共に用いてもよい。イオンビーム/プラズマ処理をエッチングに用いる場合は、保護層が適切であることもある。例えば、フォトレジスト材料を用いて重要なグラフェン領域を保護してもよい。このようなフォトレジストは、例えば、工程S1403においてスピンコーティング等で適用してよい。このような場合、もう一つの任意工程であるS1407において、任意保護層を除去する。例えば、UV露光を適切なフォトレジストと共に使用してもよい。図示していない1つ以上の工程では、中間製品又は最終製品に導電性グラフェン系パターンがまだ形成されていない場合は、導電性グラフェン系パターンを中間製品又は最終製品へ、例えば任意の適切な方法(例えば、上記方法等)を利用して移動してもよい。
特定の実施形態例ではグラフェンをベースとする膜のエッチング又は除去について説明してきたが、特定の実施形態例では、グラフェンをベースとする膜の導電性を変更するだけでもよい。このような場合、一部又は全部のグラフェンが除去されないこともある。ただし、導電性の変更は適切に行われているので、適切なパターン化領域のみが導電性を有し得る。
図15は、特定の実施形態例による導電性データ/バスライン形成方法の概念図である。図15に示すように、グラフェンの導電性は、イオンビーム照射によって選択的に変更される。フォトレジストを好適なパターンで適用することで、例えば所望の位置のグラフェンをベースとする膜は保護されているが、他の部分のグラフェンをベースとする膜はイオンビーム/プラズマに暴露されたままとなる。
様々な試料を析出してエッチングした後の移動度データを下記の表に示す。
Figure 0005748766
前記方法及び/又は他の方法におけるグラフェンのパターニング処理は、いくつもの理由から有益な場合があると考えられる。例えば、前記膜は大抵、透明である。そのため、パターンが見えない、「継ぎ目のない(seamless)」アンテナを形成することも可能である。車両の窓(例えば、霜取り、アンテナ用途、電力供給部品等を目的として)、フラットパネル(例えば、LCD、プラズマ及び/又は他の)ディスプレイ装置、天窓、冷蔵庫/冷凍庫のドア/窓等に組み込むことが可能なバスバーに関しても、同様の成果が得られる場合がある。これはまた、前記製品に含まれていることが多い黒フリット(black frits)の必要性を軽減するのにも有利な可能性がある。更に、グラフェンをベースとする膜は、エレクトロクロミック素子においてITOの代わりに使用してもよい。
先に示したように、本明細書では特定の用途例/デバイス例について説明してきたが、グラフェンをベースとする導電層を、ITOや酸化亜鉛等のような他の透明導電性コーティング類(TCC類)の代わりに又はそれらに加えて使用することも可能である。
本明細書で使用するとき、「上に(on)」や「で支持されている(supported by)」などの用語は、特に明記していない場合、2つの構成要素が互いに直接隣接していることを表すものではないと解釈すべきである。つまり、間に層が1層以上あった場合でも、第1層は、第2層の「上に」ある又は第2層「で支持されている」とされる場合がある。
本発明は、現在最も実用的でかつ好ましい実施形態であると考えられるものについて説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の概念及び範囲に含まれる様々な改良点及び同等の配置をも網羅するものであると考えるべきである。

Claims (25)

  1. 被覆しようとする表面を有する基材を供給する工程と、
    自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする前記表面に配置する工程と、
    多環式芳香族炭化水素(PAH)及びディスコチック分子である前駆体分子を含む前駆体を供給する工程と、
    前記前駆体を溶解して溶液とする工程と、
    前記溶液を、上に前記SAMテンプレートを配置した前記基材に適用する工程と、
    前記前駆体分子を前記SAMテンプレートに光化学的に付着させる工程と、
    前記基材を少なくとも450℃まで加熱することでグラフェン含有膜を形成する工程と
    を含む被覆物品の製造方法。
  2. 前記基材がガラス基材である、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  3. 前記基材がシリコンウェハである、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  4. 被覆しようとする前記表面に、前記SAMテンプレートを配置する前に酸化ケイ素を含む層を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  5. 前記SAMテンプレートがシランベンゾフェノン誘導体である、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  6. 前記SAMテンプレートがクロロシランベンゾフェノン(CSBP)である、請求項5に記載の被覆物品の製造方法。
  7. 前記SAMテンプレート及び/又は前記前駆体分子がアルキル基を1つ以上含む、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  8. 前記前駆体分子がC96及び/又はHBCである、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  9. 前記溶液をカラムクロマトグラフィーで精製する工程を更に含む、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  10. 前記溶液をクロロホルム及び/又はドデカンで調製する工程を更に含む、請求項9に記載の被覆物品の製造方法。
  11. 前駆体分子のc軸が、前記光化学的に付着させる前に及び/又はその後に前記基材と垂直になる、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  12. 前記光化学的に付着させることが、前記基材にUVエネルギーを照射することを含む、
    請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  13. 前記UVエネルギーの波長が320〜380nmである、請求項12に記載の被覆物品の製造方法。
  14. 前記加熱が、真空圧下で行われる、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  15. 前記加熱が、不活性ガスを含む環境下で行われる、請求項1に記載の被覆物品の製造方法。
  16. 前記加熱が、Arガス及びCガスを含む環境下で行われる、請求項15に記載の被覆物品の製造方法。
  17. 被覆しようとする表面を有する基材を供給する工程と、
    自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする前記表面に配置する工程と、
    上に前記SAMテンプレートを配置した基材に溶液を適用する工程であって、前記溶液は、多環式芳香族炭化水素(PAH)分子である前駆体分子を含有する前駆体を含む工程と、
    前記前駆体分子にUVエネルギーを照射することで前記SAMテンプレートに付着させる工程と、
    前記基材を少なくとも450℃まで加熱することで、グラフェン含有膜を形成する工程と
    を含み、前記SAMテンプレート及び/又は1若しくは複数の前記前駆体分子は、光化学的な前記付着の前又は後に前記前駆体分子のc軸が基材と垂直になることを確実にする一つ又は複数のアルキル基を含む
    被覆物品の製造方法。
  18. 前記SAMテンプレートを配置する前に、被覆しようとする前記表面に酸化ケイ素を含む層を形成する工程を更に含む、請求項17に記載の被覆物品の製造方法。
  19. 前記SAMテンプレートが、シランベンゾフェノン誘導体である、請求項17に記載の被覆物品の製造方法。
  20. 前記前駆体分子がC96及び/又はHBCである、請求項17に記載の被覆物品の製造方法。
  21. 前記加熱が、真空圧下で行われる、請求項17に記載の被覆物品の製造方法。
  22. 前記加熱が、不活性ガスを含む環境下で行われる、請求項17に記載の被覆物品の製造方法。
  23. 被覆しようとする表面を有する基材を供給する工程と、
    自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする前記表面に配置する工程と、
    多環式芳香族炭化水素(PAH)及びディスコチック分子である前駆体分子を含む前駆体を供給する工程と、
    前記前駆体を溶解して溶液を形成する工程と、
    前記溶液を、上に前記SAMテンプレートを配置した基材に適用する工程と、
    前記前駆体分子を前記SAMテンプレートに光化学的に付着させる工程と、
    前記基材を少なくとも450℃まで加熱することで、前記基材上にグラフェン含有膜を形成する工程と、
    前記グラフェン含有膜を有する前記基材を、前記電子デバイスに組込む工程と、
    を含む、電子デバイスの製造方法。
  24. 被覆しようとする表面を有する基材を供給する工程と、
    自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを、被覆しようとする前記表面に配置する工程と、
    上に前記SAMテンプレートを配置した前記基材に溶液を適用する工程であって、前記溶液は、多環式芳香族炭化水素(PAH)分子である前駆体分子を含有する前駆体を含む工程と、
    前記前駆体分子にUVエネルギーを照射することで前記SAMテンプレートに付着させる工程と、
    前記基材を少なくとも450℃まで加熱することで、グラフェン含有膜を形成する工程と、
    前記グラフェン含有膜の付いた前記基材を、前記電子デバイスに組込む工程と、
    を含み、前記SAMテンプレート及び/又は1若しくは複数の前記前駆体分子は、光化学的な前記付着の前又は後に前記前駆体分子のc軸が基材と垂直になることを確実にする一つ又は複数のアルキル基を含む
    電子デバイスの製造方法。
  25. 被覆しようとする表面を有する基材を供給する工程と、
    被覆しようとする前記表面に、自己組織化単分子膜(SAM)テンプレートを配置する工程と、
    キャリアガス及び前駆体分子を含む気体流を、上に前記SAMテンプレートを配置した前記基材の近位に供給する工程であって、前記前駆体分子は、多環式芳香族炭化水素(PAH)及びディスコチック分子である工程と、
    前記前駆体分子にUVエネルギーを照射することで前記SAMテンプレートに付着させる工程と、
    前記SAMテンプレート及び前記前駆体分子を有する前記基材を加熱することで、グラフェン含有膜を形成する工程と、
    を含み、前記SAMテンプレート及び/又は1若しくは複数の前記前駆体分子は、光化学的な前記付着の前又は後に前記前駆体分子のc軸が基材と垂直になることを確実にする一つ又は複数のアルキル基を含む
    被覆物品の製造方法。
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