JP5737241B2 - ガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法 - Google Patents

ガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、VAD法(気相軸付け法)、OVD法(外付け法)、MMD法(多バーナー多層付け法)などによりガラス微粒子を出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積体の製造方法及びこのガラス微粒子堆積体を加熱して透明化するガラス母材の製造方法に関する。
従来のガラス母材の製造方法としては、OVD法やVAD法等によりガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程と、このガラス微粒子堆積体を加熱して透明なガラス母材を作製する透明化工程とを含む製造方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1の製造方法は、ガラス原料を加熱し気化させてガラス原料ガスを減圧下で配管によりガラス微粒子形成用バーナーまで導くことで、例えば、配管の温度を55℃として、耐熱温度70℃程度の塩化ビニル系の材料からなる配管の使用を可能とするものである。
特許文献2の製造方法は、ガラス微粒子堆積の開始に先立って所定時間だけガラス原料ガスを廃棄した後にガラス微粒子の堆積を開始し、その原料ガス廃棄量、配管の容積、配管内の圧力および配管の温度が所定の関係を満たすようにすることで、ガラス母材中の気泡や白濁の発生の回避を図るものである。配管温度は、82℃または85℃とされている。
特許文献3の製造方法は、ガラス微粒子堆積体の表面に発生する凹凸を抑制する手段として、原料ガスを供給する原料ガス発生装置からバーナーまでの導管をヒータおよび断熱材を用いて全長にわたって90℃以上に保持することが記載されているが、配管内を流れる原料ガスのレイノルズ数に関する記載はない。
また、特許文献4には、原料収率を挙げる手段として、バーナー火炎の先端に設置するフードの内周にガスを導入し、火炎の広がりを抑える手法が記載されている。
特開2004−161555号公報 特開2006−342031号公報 特開2003−165737号公報 特開平7−144927号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載のガラス母材の製造方法では、生成されたガラス微粒子を出発ロッドやガラス微粒子堆積体に効率良く付着させることが難しかった。すなわち、ガラス原料ガス供給量に対するガラス微粒子堆積量の割合には限界があった。
本発明の目的は、生成されたガラス微粒子の出発ロッドやガラス微粒子堆積体への付着効率を向上させることができるガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、原料容器内に容れられた液体のガラス原料を加熱し気化させてガラス原料ガスとし、該ガラス原料ガスを前記原料容器から配管によりガラス微粒子生成用バーナーまで導き、該ガラス微粒子生成用バーナーから前記ガラス原料ガスを噴出させ、該ガラス原料ガスの火炎分解反応(熱分解反応、火炎加水分解反応、熱酸化反応など)により生成したガラス微粒子を反応容器内の出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体とする堆積工程を含むガラス微粒子堆積体の製造方法において、前記堆積工程における前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管の少なくとも一部を発熱体により100℃以上の温度に制御すると共に、前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管内を流れるガラス原料ガスのレイノルズ数を2000以上とすることを特徴としている。
また、本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、前記堆積工程における前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管内を流れる前記ガラス原料ガスのレイノルズ数を4000以上、更に好ましくは8000以上とすることを特徴としている。
また、本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記ガラス微粒子堆積体の製造方法において製造したガラス微粒子堆積体を、加熱して透明化する透明化工程を経てガラス母材にすることを特徴としている。
また、本発明に係るガラス母材の製造方法は、前記堆積工程において、VAD法、OVD法、またはMMD法のいずれかによりガラス微粒子堆積体を製造し、前記透明化工程を経てガラス母材を製造することを特徴としている。
本発明に係るガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法によれば、原料容器からガラス微粒子生成用バーナーまでの配管の少なくとも一部を発熱体により100℃以上の温度に制御すると共に、原料容器からガラス微粒子生成用バーナーまでの配管内を流れるガラス原料ガスのレイノルズ数を2000以上とすることで、配管内でのガラス原料ガスの流れを乱流化し、配管内を流れる原料ガスを配管長より長い経路長を辿るようにして原料ガスの加熱時間を長くし、原料ガスの温度を上昇し易くすることができる。
原料ガスの温度を高温化することにより、バーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進され、火炎内で生成されるガラス微粒子数が多くなり、ガラス微粒子の外径も大きくなる。また、粒子径が大きくなることで乱流拡散による凝集(粒子間の結合)が促進される。これらの効果により、ガラス微粒子の慣性力が増加し、ガラス微粒子が火炎ガスの流れから離脱し易くなり、出発ロッドやガラス微粒子堆積体へのガラス微粒子の付着効率を向上させることができる。
本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法を説明する製造装置の構成図である。 ガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積する際の挙動を説明する模式図である。 ガス供給配管内の長手方向の一部における原料ガスの温度変化を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態であるガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下ではVAD法を例に説明するが、本発明は、VAD法には限定されない。OVD法やMMD法などの他のガラス微粒子堆積体の製造方法に対しても、適用できる。
図1に示すように、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を実施する製造装置10は、VAD法によりガラス微粒子の堆積を行うものであり、反応容器11の上方から内部に支持棒12を吊り下げ、支持棒12の下端に出発ロッド13を取り付けている。反応容器11の側面には、排気管21が取り付けられている。
支持棒12は、上端部が昇降回転装置15により把持されており、昇降回転装置15によって回転と共に昇降する。昇降回転装置15は、ガラス微粒子堆積体14の外径が均一となるように制御装置16によって上昇速度を制御される。反応容器11の下方にはガラス微粒子生成用バーナーであるクラッド用バーナー18を配置し、出発ロッド13に向けてガラス微粒子20を噴出し、ガラス微粒子堆積体14を形成する。また、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14に付着しなかった反応容器11内のガラス微粒子20は排気管21を通じて排気される。
クラッド用バーナー18には、原料ガス及び火炎形成用ガスをガス供給装置により供給する。このクラッド用バーナー18は、例えば8重管などの多重管バーナーである。なお、図1中において、火炎形成用ガスを供給するガス供給装置は省略している。
クラッド用バーナー18には、原料ガスとしてSiCl、火炎形成ガスとしてH、O、バーナーシールガスとしてNなどを投入する。このクラッド用バーナー18の酸水素火炎内で、火炎加水分解反応によりガラス微粒子20を生成し、ガラス微粒子20を出発ロッド13に堆積させて、所定外径のガラス微粒子堆積体14を作製する。
ガス供給装置19は、液体原料28を貯留する原料容器22、原料ガスの供給流量を制御するMFC23、原料ガスをクラッド用バーナー18へ導くガス供給配管25、原料容器22及びMFC23及びガス供給配管25の一部を所定温度以上に保つ温調ブース24からなる。
原料容器22内の液体原料28は、温調ブース24内で沸点以上の温度に制御され、原料容器22内で気化し、MFC23によりクラッド用バーナー18へ供給される原料ガスの供給量が制御される。なお、MFC23による原料ガス供給量の制御は、制御装置16からの指令値に基づき行われる。
本実施形態のガラス母材の製造方法は、温調ブース24からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25の少なくとも一部を発熱体であるテープヒータ26により100℃以上の温度に制御すると共に、原料容器22からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25内を流れる原料ガスのレイノルズ数Reを2000以上とする。一般的に、配管内を流れるガス流は、レイノルズ数2000未満では層流であり、2000から4000の間は遷移領域であり、4000以上になると乱流となる。なお、バーナー火炎内での原料ガスの火炎加水分解反応を促進するためには、ガス供給配管25の少なくとも一部を100℃以上に制御すれば良いが、配管の全体を100℃以上に制御しても良い。
ガス供給配管25内を流れる原料ガスのレイノルズ数Reは、配管内径をD、配管内の平均ガス流速をV、配管内ガスの動粘性係数をνとすると、次式で表される。
Re=DV/ν
なお、温度100℃でのSiClの動粘性係数νは約3.1×10−6(m/s)である。
上記レイノルズ数Reは、好ましくは4000以上、更に好ましくは8000以上にする。このようにすることで、原料容器22から出てクラッド用バーナー18に入るまでのガス供給配管25内を流れる原料ガスは、より乱流化する。ガス供給配管25内を流れる原料ガスの乱流強度が高まることで、原料ガスは配管長より長い経路長を辿って、クラッド用バーナー18に投入される。
そのため、原料ガスは、テープヒータ26によりガス供給配管25内で十分加熱されて温度が上昇する。これにより、バーナーから噴出される原料ガスはバーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進される。
バーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進されると、火炎内で生成されるガラス微粒子の数が多くなる。また、ガラス微粒子の成長が進むため、ガラス微粒子の外径も大きくなる。さらに、粒子径が大きくなると、乱流拡散による凝集(粒子間の結合)が促進される。これらの効果により、バーナー火炎内におけるガラス微粒子の慣性力が増加し、ガラス微粒子が火炎ガスの流れから離脱し易くなり(図2参照)、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率を向上させることができる。
ガス供給配管25の材質については、ガス供給配管25を200℃未満の温度で保持する場合は、ガス供給配管25の材質はフッ素樹脂(テフロン(登録商標))などでもよいが、200℃以上の温度で保持する場合は、ガス供給配管25の材質は耐熱性に優れたSUS等の金属製のものが好ましい。また、温調ブース24からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25の外周には発熱体であるテープヒータ26が巻き付けられている。テープヒータ26は、金属発熱体やカーボン製繊維状面発熱体の極細撚線を保護材で覆ったフレキシブルなヒータである。このテープヒータ26が通電されることでガス供給配管25が加熱される。
なお、テープヒータ26の外周には、断熱材である断熱テープ27が巻回されている方が好ましい。断熱テープ27が巻回されているとテープヒータ26の消費電力を低く抑えることができる。
また、ガス供給配管25の長手方向における温度分布は、原料容器22側からクラッド用バーナー18側に向かって温度が高くなるように制御することが好ましい。これにより、配管内を流れる原料ガスの流速が加速するため、火炎内で生成されるガラス微粒子20は乱流拡散により凝集(粒子間結合)し、結合した粒子群は火炎ガスの流れから離脱し易くなり、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率をさらに向上させることができる。具体的には、ガス供給配管25の温度勾配を5℃/m以上、好ましくは15℃/m以上、更に好ましくは25℃/m以上とすることで、ガラス微粒子20の付着効率を高めることができる。
ガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造手順を説明する。
(堆積工程)
図1に示すように、支持棒12を昇降回転装置15に取り付け、支持棒12の先端に取り付けられている出発ロッド13を反応容器11内に納める。次に、昇降回転装置15によって出発ロッド13を回転させながら、クラッド用バーナー18により形成した酸水素火炎内で原料ガスを火炎加水分解反応によりガラス微粒子20に化学変化させて、出発ロッド13にガラス微粒子20を堆積させる。
このとき、クラッド用バーナー18へ原料ガスを供給するガス供給配管25は、所望のレイノルズ数Reが得られるよう配管内径Dを設計する。また、ガス供給配管25の外周に巻き付けられたテープヒータ26に通電して、ガス供給配管25の少なくとも一部を100℃以上の温度に制御する。これにより配管内を流れる原料ガスの平均流速を制御して、所望のレイノルズ数Reが得られるようにする。
即ち、ガス供給配管25内を流れる原料ガスの流量を一定にした場合、ガス供給配管25の配管内径Dやガス供給配管25の温度を変えることで、配管内を流れる原料ガスのレイノルズ数Reを制御することができる。また、ガス供給配管25内を流れる原料ガスの温度が変わると原料ガスの動粘性係数も変化する。
出発ロッド13上にガラス微粒子20の堆積したガラス微粒子堆積体14は、昇降回転装置15によってガラス微粒子堆積体14の下端部の成長速度に合わせて、引き上げられる。
(透明化工程)
次に、得られるガラス微粒子堆積体14を不活性ガスと塩素ガスの混合雰囲気中で1100℃に加熱した後、He雰囲気中にて1550℃に加熱して透明ガラス化を行う。このようなガラス母材の製造を繰り返し行う。
火炎ガス流の中でのガラス微粒子20の挙動について簡単に説明する。
図2に示すように、クラッド用バーナー18で形成される、SiCl等の原料ガスを含んだ火炎ガス流Gは、ガラス微粒子堆積体14に当って、流れる方向が急激にガラス微粒子堆積体14の外周方向に曲がることになる。
一方、火炎ガス流G内で生成されるガラス微粒子20は、火炎ガス流Gに沿って流れ、その慣性力はガラス微粒子20のストークス数で決定する。ストークス数は粒子径の2乗及び粒子の流速に比例し、ストークス数が高くなると、ガラス微粒子20の慣性力が上がり、ガラス微粒子20の直進性が向上する。
火炎ガス流Gがガラス微粒子堆積体14に当たって、その流れる方向がガラス微粒子堆積体14の外周方向に急変すると、慣性力の大きいガラス微粒子20Aは直進性が高いため、そのままガラス微粒子堆積体14に衝突する。しかし、慣性力の小さいガラス微粒子20Bは火炎ガス流Gに沿って流れるため、ガラス微粒子堆積体14の外周方向を流れ去る。従って、如何にしてガラス微粒子20の慣性力を高めるかが肝要となる。
上述したように温調ブース24からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25の少なくとも一部を発熱体であるテープヒータ26により100℃以上の温度に制御すると共に、原料容器22からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25内を流れる原料ガスのレイノルズ数を2000以上、好ましくは4000以上、更に好ましくは8000以上とする。
これにより、ガス供給配管25内での原料ガスの流れが乱流化し、原料ガスはテープヒータ26によりガス供給配管25内で十分加熱されて温度が上昇する。その結果、バーナーから噴出される原料ガスはバーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進される。
バーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進されると、火炎内で生成されるガラス微粒子の数が多くなる。また、ガラス微粒子の成長が進むため、ガラス微粒子の外径も大きくなる。さらに、粒子径が大きくなることで乱流拡散による凝集(粒子間の結合)が促進される。これらの効果により、バーナー火炎内におけるガラス微粒子の慣性力が増加し、ガラス微粒子が火炎ガスの流れから離脱し易くなり、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率を向上させることができる。
また、ガス供給配管25内を流れる原料ガス温度が上昇すると、原料ガスの体積が膨張し、バーナー火炎内で生成されるガラス微粒子20の流速も上昇する。上述したように、火炎ガス流Gに沿って流れるガラス微粒子20の慣性力はストークス数で決定する。ストークス数は粒子の流速に比例するため、ガス供給配管25内の原料ガス温度が上昇し、ガラス微粒子20の流速が上がると、ガラス微粒子20の慣性力が増加する。これらの効果により、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率を向上させることができる。
次に、本発明のガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法の一実施例を説明する。実施例、比較例とも、下記のような材料を使用してガラス微粒子堆積体を製造する。
・出発ロッド;直径20mm、長さ1000mmの石英ガラス
・クラッド用バーナーへの投入ガス;原料ガス…SiCl(1〜3SLM)、火炎形成ガス…H(40〜70SLM)、O(40〜70SLM)、バーナーシールガス…N(8〜14SLM)
・原料容器とクラッド用バーナー間のガス供給配管;配管温度100℃、150℃、260℃、270℃、配管内径2.7〜19mm
VAD法によりガラス微粒子の堆積を行う。得られるガラス微粒子堆積体を不活性ガスと塩素ガスとの混合雰囲気中で1100℃に加熱した後、He雰囲気中で1550℃に加熱して透明ガラス化を行う。
前述した堆積工程において、ガス供給配管の配管内径D及び配管温度を適宜選択し、レイノルズ数Reを変化させ、原料ガス流量が3SLMになるときの配管内を流れる原料ガスのレイノルズ数Reと、ガラス微粒子の原料収率X(%)を評価する。なお、原料収率Xは、投入するSiClガスが100%SiOに化学反応する場合のSiO質量に対し、実際に出発ロッド及びガラス微粒子堆積体に堆積するガラス微粒子の質量比とする。
その結果、表1に示すような結果を得る。
Figure 0005737241
表1から明らかなように、レイノルズ数Reが2000以上となる実施例1〜6では、原料収率Xが28%以上となり、Reが大きいほど原料収率Xが高くなる。特にRe4008の場合は、原料収率Xが30%となり、Re8253の場合は、原料収率Xが31%となる。また、実施例4はガス供給配管温度が150℃、つまりガス供給配管温度が原料ガスであるSiClの標準沸点より92.4℃高い例であるが、Re数は10408となり、原料収率Xが32%まで向上する。さらに実施例5はガス供給配管温度が260℃、つまり配管温度が原料ガスであるSiClの標準沸点より202.4℃高い例であるが、Re数は11546となり、原料収率Xは35%まで上がる。さらに実施例6は、ガス供給配管の温度勾配を原料容器からバーナーに向かって50℃/mの傾きで上げて、バーナー近傍のガス供給配管の温度を270℃、つまりガス供給配管温度が原料ガスであるSiClの標準沸点より212.4℃高い例である。レイノルズ数Reは11554となり、ガス供給配管の長手方向で温度勾配を付ける効果で、ガラス微粒子の火炎内における乱流拡散が促進されて、原料収率Xは37%まで跳ね上がる。
これに対して、レイノルズ数Reが2000未満となる比較例1〜3では、原料収率Xが25%以下と低く、特にReが1500未満となる比較例3では、原料収率Xが23%であり、比較例1〜3では投入するSiClガスの約4分の1しか付着しないことが分かる。
なお、図3は、ガス供給配管の全長を140℃の一定値に加熱した場合のガス供給配管内を流れる原料ガスの温度を示したものである。この図から、レイノルズ数Reが1870(図中破線)の層流状態では、配管の長手方向に沿って緩やかに温度が上昇するが、レイノルズ数Reが2000(図中一点鎖線)や4000(図中二点鎖線)の乱流状態では、配管の上流側で急激に温度が上昇することが分かる。実施例1〜6はレイノルズ数Reが2000以上となっているので、実施例1〜5ではバーナーに投入される原料ガスの温度はガス供給配管の温度と等しくなり、実施例6ではバーナーに投入される原料ガスの温度はバーナー近傍のガス供給配管の温度と等しくなっている。
なお、本発明のガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。例えば、本実施形態では、堆積工程においてVAD法によりガラス微粒子堆積体を製造する場合を一例に説明したが、その他OVD法やMMD法などの火炎分解反応を利用する全てのガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法に有効である。
また、本実施形態では原料ガスとして、SiClのみを使用したが、SiClとGeClを使用するコアガラス合成の場合も原料収率を向上させる効果がある。また、SiCl以外の原料ガスでも同様の効果がある。
その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
10…製造装置、11…反応容器、12…支持棒、13…出発ロッド、14…ガラス微粒子堆積体、15…昇降回転装置、16…制御装置、18…クラッド用バーナー、19…ガス供給装置、20…ガラス微粒子、22…原料容器、23…MFC、24…温調ブース、25…ガス供給配管、26…テープヒータ(発熱体)、27…断熱テープ

Claims (5)

  1. 原料容器内に容れられた液体のガラス原料を加熱し気化させてガラス原料ガスとし、
    該ガラス原料ガスを前記原料容器から配管によりガラス微粒子生成用バーナーまで導き、該ガラス微粒子生成用バーナーから前記ガラス原料ガスを噴出させ、
    該ガラス原料ガスの火炎分解反応により生成したガラス微粒子を反応容器内の出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体とする堆積工程を含むガラス微粒子堆積体の製造方法において、
    前記堆積工程における前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管の少なくとも一部を発熱体により100℃以上の温度に制御すると共に、
    前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管内を流れるガラス原料ガスのレイノルズ数を2000以上とすることを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
    前記堆積工程における前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管内を流れる前記ガラス原料ガスのレイノルズ数を4000以上とすることを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
  3. 請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
    前記堆積工程における前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管内を流れる前記ガラス原料ガスのレイノルズ数を8000以上とすることを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法において製造したガラス微粒子堆積体を、加熱して透明化する透明化工程を経てガラス母材にすることを特徴とするガラス母材の製造方法。
  5. 請求項4に記載のガラス母材の製造方法において、
    前記堆積工程におけるガラス微粒子堆積方法が、VAD法、OVD法、MMD法のいずれかであることを特徴とするガラス母材の製造方法。
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