JP5953767B2 - ガラス微粒子堆積体の製造方法及びガラス母材の製造方法 - Google Patents

ガラス微粒子堆積体の製造方法及びガラス母材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、VAD法(気相軸付け法)、OVD法(外付け法)、MMD法(多バーナー多層付け法)などによりガラス微粒子を出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積体の製造方法及びこのガラス微粒子堆積体を加熱して透明化するガラス母材の製造方法に関する。
従来のガラス母材の製造方法としては、OVD法やVAD法等によりガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程と、このガラス微粒子堆積体を加熱して透明なガラス母材を作製する透明化工程とを含む製造方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1の製造方法は、ガラス原料を加熱し気化させてガラス原料ガスを減圧下で配管によりガラス微粒子形成用バーナーまで導くことで、例えば、配管の温度を55℃として、耐熱温度70℃程度の塩化ビニル系の材料からなる配管の使用を可能とするものである。
特許文献2の製造方法は、ガラス微粒子堆積の開始に先立って所定時間だけガラス原料ガスを廃棄した後にガラス微粒子の堆積を開始し、その原料ガス廃棄量、配管の容積、配管内の圧力および配管の温度が所定の関係を満たすようにしている。それにより、ガラス母材中の気泡や白濁の発生の回避を図っている。配管温度は、82℃または85℃とされている。
特許文献3の製造方法は、ガラス微粒子堆積体の表面に発生する凹凸を抑制する手段として、原料ガスを供給する原料ガス発生装置からバーナーまでの導管をヒータおよび断熱材を用いて全長にわたって90℃以上に保持するものである。
また、特許文献4には、原料収率を挙げる手段として、バーナー火炎の先端に設置するフードの内周にガスを導入し、火炎の広がりを抑える手法が記載されている。
特開2004−161555号公報 特開2006−342031号公報 特開2003−165737号公報 特開平7−144927号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載のガラス母材の製造方法では、ガラス原料ガス供給量に対するガラス微粒子堆積量の割合に限界があった。すなわち、生成されたガラス微粒子を出発ロッドやガラス微粒子堆積体に効率良く付着させることが難しかった。
本発明の目的は、生成されたガラス微粒子の出発ロッドやガラス微粒子堆積体への付着効率を向上させることができるガラス微粒子堆積体の製造方法及びガラス母材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、原料容器内に容れられた液体のガラス原料を加熱し気化させてガラス原料ガスとし、
前記ガラス原料ガスを前記原料容器から配管によりガラス微粒子生成用バーナーまで導き、前記ガラス微粒子生成用バーナーから前記ガラス原料ガスを噴出させ、
噴出させた前記ガラス原料ガスの火炎分解反応(熱分解反応、火炎加水分解反応、熱酸化反応など)により生成したガラス微粒子を反応容器内の出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体とする堆積工程を含むガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記堆積工程では、前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管の少なくとも一部を発熱体により100℃以上の温度に制御すると共に、前記ガラス微粒子生成用バーナーにおける前記配管側の端部から長手方向の1/3以下の領域を発熱体により100℃以上の温度に制御することを特徴としている。
また、前記堆積工程では、前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管の少なくとも一部及び、前記ガラス微粒子生成用バーナーにおける前記配管側の端部から長手方向の1/3以下の領域を発熱体により150℃以上の温度に制御することが好ましい。より好ましくは260℃以上、更に好ましくは300℃以上の温度に制御する。
また、本発明に係るガラス母材の製造方法は、上記ガラス微粒子堆積体の製造方法によって製造したガラス微粒子堆積体を、加熱して透明化する透明化工程を経てガラス母材にすることを特徴としている。
また、前記堆積工程におけるガラス微粒子の堆積を、VAD法、OVD法、MMD法の何れかにより行うことが好ましい。
本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法及びガラス母材の製造方法によれば、原料容器からガラス微粒子生成用バーナーまでの配管の少なくとも一部を発熱体により100℃以上の温度に制御すると共に、前記ガラス微粒子生成用バーナーにおける前記配管側の端部から長手方向の1/3以下の領域を発熱体により100℃以上の温度に制御することで、ガラス微粒子生成用バーナー内での原料ガス温度の低下を防ぐことができる。
ガラス微粒子生成用バーナー内を流れる原料ガスの温度を高温化することにより、バーナー火炎内で原料ガスの火炎加水分解反応が促進され、火炎内で生成されるガラス微粒子数が多くなり、ガラス微粒子の外径も大きくなる。また、粒子径が大きくなることで乱流拡散による凝集(粒子間の結合)が促進される。これらの効果により、ガラス微粒子の慣性力が増加し、ガラス微粒子が火炎ガスの流れから離脱し易くなり、出発ロッドやガラス微粒子堆積体へのガラス微粒子の付着効率を向上させることができる。
本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法を実施する製造装置の一例の構成図である。 ガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積する際の挙動を説明する模式図である。 ガス供給配管内の長手方向の一部における原料ガスの温度を、レイノルズ数を変えて比較したグラフである。 ガス供給配管内及びガラス微粒子生成用バーナー内の長手方向の一部における原料ガスの温度変化を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態であるガラス微粒子堆積体の製造方法及びガラス母材の製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下ではVAD法を例に説明するが、本発明は、VAD法には限定されない。OVD法やMMD法などの他のガラス微粒子堆積体の製造方法に対しても、適用できる。
図1に示すように、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を実施する製造装置10は、VAD法によりガラス微粒子の堆積を行うものであり、反応容器11の上方から内部に支持棒12が吊り下げられ、支持棒12の下端に出発ロッド13が取り付けられている。反応容器11の側面には、排気管21が取り付けられている。
支持棒12は、上端部が昇降回転装置15により把持されており、昇降回転装置15によって回転と共に昇降される。昇降回転装置15は、ガラス微粒子堆積体14の外径が均一となるように制御装置16によって上昇速度を制御される。反応容器11の下方にはガラス微粒子生成用バーナーであるクラッド用バーナー18が配置されている。クラッド用バーナー18は、出発ロッド13に向けてガラス微粒子20を噴出し、ガラス微粒子堆積体14を形成する。また、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14に付着しなかった反応容器11内のガラス微粒子20は、排気管21を通じて排気される。
クラッド用バーナー18には、ガス供給装置19により原料ガス及び火炎形成用ガスが供給される。このクラッド用バーナー18は、例えば8重管などの多重管バーナーである。なお、図1中において、火炎形成用ガスを供給するガス供給装置の図示は省略されている。
クラッド用バーナー18には、原料ガスとしてSiCl、火炎形成ガスとしてH、O、バーナーシールガスとしてNなどを投入する。このクラッド用バーナー18の酸水素火炎内で、火炎加水分解反応によりガラス微粒子20を生成し、ガラス微粒子20を出発ロッド13に堆積させて、所定外径のガラス微粒子堆積体14を作製する。
ガス供給装置19は、液体原料28を貯留する原料容器22、原料ガスの供給流量を制御するMFC23、原料ガスをクラッド用バーナー18へ導くガス供給配管25、原料容器22及びMFC23及びガス供給配管25の一部を所定温度以上に保つ温調ブース24からなる。
原料容器22内の液体原料28は、温調ブース24内で沸点以上の温度に制御され、原料容器22内で気化し、MFC23によりクラッド用バーナー18へ供給される原料ガスの供給量が制御される。なお、MFC23による原料ガス供給量の制御は、制御装置16からの指令値に基づき行われる。
本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法は、温調ブース24からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25の少なくとも一部を発熱体であるテープヒータ26により100℃以上の温度に制御すると共に、クラッド用バーナー18におけるガス供給配管25側の端部から長手方向の1/3以下の領域Aを、発熱体により100℃以上の温度に制御する。発熱体として、例えばテープヒータが用いられる。
なお、バーナー火炎内での原料ガスの火炎加水分解反応を促進するためには、ガス供給配管25におけるクラッド用バーナー18との接続箇所を含む少なくとも一部を100℃以上となるように制御すれば良いが、配管全体を100℃以上となるように制御しても良い。
また、ガス供給配管25の温度制御領域及び、クラッド用バーナー18におけるガス供給配管25側の端部から長手方向の1/3以下の領域Aの温度は、150℃以上となるように制御することが好ましく、より好ましくは260℃以上、更に好ましくは300℃以上となるように制御する。
このようにすることで、原料容器22からクラッド用バーナー18を通じてバーナー火炎内に噴出する原料ガスの温度が高まり、バーナー火炎内での原料ガスの火炎加水分解反応を促進することができる。
バーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進されると、火炎内で生成されるガラス微粒子の数が多くなる。また、ガラス微粒子の成長が進むため、ガラス微粒子の外径も大きくなる。さらに、粒子径が大きくなると、乱流拡散による凝集(粒子間の結合)が促進される。これらの効果により、バーナー火炎内におけるガラス微粒子の慣性力が増加し、ガラス微粒子が火炎ガスの流れから離脱し易くなり(図2参照)、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率を向上させることができる。
ガス供給配管25の材質については、ガス供給配管25を200℃未満の温度で保持する場合は、ガス供給配管25の材質はフッ素樹脂(テフロン(登録商標))などでもよいが、200℃以上の温度で保持する場合は、ガス供給配管25の材質は耐熱性に優れたSUS等の金属製のものが好ましい。また、温調ブース24からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25及びクラッド用バーナー18におけるガス供給配管25側の端部から長手方向の1/3以下の領域Aの外周には発熱体であるテープヒータ26が巻き付けられている。テープヒータ26は、金属発熱体やカーボン製繊維状面発熱体の極細撚線を保護材で覆ったフレキシブルなヒータである。このテープヒータ26が通電されることでガス供給配管25やクラッド用バーナー18が加熱される。
また、ガス供給配管25及びクラッド用バーナー18内を流れる原料ガスのレイノルズ数(Re数)が、2000以上、好ましくは4000以上、さらに好ましくは8000以上となるように、ガス供給配管25の内径を設計する。これにより、ガス供給配管25内での原料ガスの流れが乱流化され、原料ガスはガス供給配管25内で効率的に加熱されて温度が上昇し易くなる。ガス供給配管25の全長を140℃の一定値に加熱した場合のガス供給配管25内を流れる原料ガスの温度を図3に示す。図3から、Re数が高くなる程、ガス供給配管25内を流れる原料ガスは加熱され易くなることが分かる。
なお、テープヒータ26を巻いた箇所の外周には、断熱材である断熱テープ27が巻回されている方が好ましい。断熱テープ27が巻回されていると消費電力を低く抑えることができる。
また、ガス供給配管25及びクラッド用バーナー18の長手方向における温度分布は、原料容器22からクラッド用バーナー18に向かって温度が高くなるように制御することが好ましい。これにより、原料容器22からクラッド用バーナー18に向かって流れる原料ガスの流速が加速するため、火炎内で生成されるガラス微粒子20は乱流拡散により凝集(粒子間結合)し、結合した粒子群は火炎ガス流Gから離脱し易くなり、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率をさらに向上させることができる。具体的には、ガス供給配管25の温度勾配を5℃/m以上、好ましくは15℃/m以上、更に好ましくは25℃/m以上とすることで、ガラス微粒子20の付着効率を高めることができる。
ガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造手順を説明する。
(堆積工程)
図1に示すように、支持棒12を昇降回転装置15に取り付け、支持棒12の下端に取り付けられている出発ロッド13を反応容器11内に納める。次に、昇降回転装置15によって出発ロッド13を回転させながら、クラッド用バーナー18により形成した酸水素火炎内で原料ガスを火炎加水分解反応によりガラス微粒子20に化学変化させて、出発ロッド13にガラス微粒子20を堆積させる。
このとき、温調ブース24からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25におけるクラッド用バーナー18との接続箇所を含む少なくとも一部と、クラッド用バーナー18におけるガス供給配管25側の端部から長手方向の1/3以下の領域Aは、テープヒータ26により100℃以上の温度となるように制御される。
バーナー火炎内における火炎加水分解反応をさらに促進するためには、ガス供給配管25及び、クラッド用バーナー18におけるガス供給配管25側の端部から長手方向の1/3以下の領域Aを150℃以上、好ましくは260℃以上、更に好ましくは300℃以上の温度となるように制御する。このようにすることでクラッド用バーナー18の火炎内で生成されるガラス微粒子20の出発ロッド13及びガラス微粒子堆積体14への付着効率を上げることができる。
出発ロッド13上にガラス微粒子20の堆積したガラス微粒子堆積体14は、昇降回転装置15によってガラス微粒子堆積体14の下端部の成長速度に合わせて、引き上げられる。
(透明化工程)
次に、得られるガラス微粒子堆積体14を不活性ガスと塩素ガスの混合雰囲気中で1100℃に加熱した後、He雰囲気中にて1550℃に加熱して透明ガラス化を行う。このようなガラス母材の製造を繰り返し行う。
火炎ガス流Gの中でのガラス微粒子20の挙動について簡単に説明する。
図2に示すように、クラッド用バーナー18で形成される、SiCl等の原料ガスを含んだ火炎ガス流Gは、ガラス微粒子堆積体14に当って、その流れる方向が急激にガラス微粒子堆積体14の外周方向に曲がることになる。
一方、火炎ガス流G内で生成されるガラス微粒子20は、火炎ガス流Gに沿って流れ、その慣性力はガラス微粒子20のストークス数で決定する。ストークス数は粒子径の2乗及び粒子の流速に比例し、ストークス数が高くなると、ガラス微粒子20の慣性力が上がり、ガラス微粒子20の直進性が上がる。
火炎ガス流Gがガラス微粒子堆積体14に当たって、その流れる方向がガラス微粒子堆積体14の外周方向に急変すると、慣性力の大きいガラス微粒子20Aは直進性が高いため、そのままガラス微粒子堆積体14に衝突する。しかし、慣性力の小さいガラス微粒子20Bは火炎ガス流Gに沿って流れるため、ガラス微粒子堆積体14の外周方向を流れ去る。従って、如何にしてガラス微粒子20の慣性力を高めるかが肝要となる。
上述したように温調ブース24からクラッド用バーナー18までのガス供給配管25の少なくとも一部及びクラッド用バーナー18におけるガス供給配管25側の端部から長手方向の1/3以下の領域Aを、発熱体であるテープヒータ26により100℃以上の温度となるように制御する。
また、クラッド用バーナー18の加熱範囲はガス供給配管25側の端部から長手方向の1/3以下の範囲を加熱すればよい。1/3より広い範囲を加熱しても、バーナー内を流れる原料ガス温度をさらに上げる効果はない。なぜならば、バーナーで形成される火炎からの輻射熱により、クラッド用バーナー18のガス供給配管25側の端部から1/3以外の範囲では、温度が十分に上がっているためである。最適な加熱範囲はバーナー構造及び反応容器の構造などで決定されるが、クラッド用バーナー18のガス供給配管25側の端部から1/3以下の領域を加熱すれば、概ねどのような設備構造であっても、バーナー内を流れる原料ガス温度を高温に保つ効果がある。
これにより、クラッド用バーナー18から噴出される原料ガスは、バーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進される。
バーナー火炎内で火炎加水分解反応が促進されると、火炎内で生成されるガラス微粒子20の数が多くなる。また、ガラス微粒子の成長が進むため、ガラス微粒子の外径も大きくなる。さらに、粒子径が大きくなることで乱流拡散による凝集(粒子間の結合)が促進される。これらの効果により、バーナー火炎内におけるガラス微粒子20の慣性力が増加し、ガラス微粒子20が火炎ガスの流れから離脱し易くなり、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率を向上させることができる。
また、ガス供給配管25内及びクラッド用バーナー18内を流れる原料ガスの温度が上昇すると、原料ガスの体積が膨張し、バーナー火炎内で生成されるガラス微粒子20の流速も上昇する。上述したように、火炎ガス流Gに沿って流れるガラス微粒子20の慣性力はストークス数で決定される。ストークス数は粒子の流速に比例するため、クラッド用バーナー18内の原料ガス温度が上昇し、ガラス微粒子20の流速が上がると、ガラス微粒子20の慣性力が増加する。これらの効果により、出発ロッド13やガラス微粒子堆積体14へのガラス微粒子20の付着効率を向上させることができる。
次に、本発明のガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法の一実施例を説明する。実施例、比較例とも、下記のような材料を使用してガラス微粒子堆積体を製造する。
・出発ロッド;直径20mm、長さ1000mmの石英ガラス
・クラッド用バーナーへの投入ガス;原料ガス…SiCl(1〜7SLM)、火炎形成ガス…H(100〜150SLM)、O(100〜150SLM)、バーナーシールガス…N(20〜30SLM)
VAD法によりガラス微粒子の堆積を行う。得られるガラス微粒子堆積体を不活性ガスと塩素ガスとの混合雰囲気中で1100℃に加熱した後、He雰囲気中で1550℃に加熱して透明ガラス化を行う。
前述した堆積工程において、配管温度A(℃)及びバーナー温度B(℃)を適宜選択し、ガラス微粒子の原料収率X(%)を評価する。なお、原料収率Xは、投入するSiClガスが100%SiOに化学反応する場合のSiO質量に対し、実際に出発ロッド及びガラス微粒子堆積体に堆積するガラス微粒子の質量比とする。また、配管温度Aはバーナー近傍におけるガス供給配管の外周温度とする。バーナー温度Bはクラッド用バーナーにおけるガス供給配管側の端部から長手方向の1/3の位置における外周温度とする。実施例1〜5では、クラッド用バーナーにおけるガス供給配管側の端部から長手方向の1/3までの領域を加熱し、実施例6では、クラッド用バーナーにおけるガス供給配管側の端部から長手方向の1/8までの領域を加熱する。
その結果、表1に示すような結果を得る。
Figure 0005953767
表1から明らかなように、配管温度A及びバーナー温度Bが100℃以上となる実施例1〜6は、原料収率Xが55%以上となり、配管温度A及びバーナー温度Bが大きいほど原料収率Xが高くなる。特に配管温度とバーナー温度が300℃、つまり配管温度とバーナー温度が原料ガスであるSiClの標準沸点より242.4℃高くなる実施例4は、原料収率Xが67%となる。また、実施例5はガス供給配管及びクラッド用バーナーの長手方向の温度勾配を原料容器側からクラッド用バーナー側に向かって70℃/mの傾きで上げて、バーナー温度を330℃、つまりバーナー温度が原料ガスであるSiCl4の標準沸点より272.4℃高い例である。ガス供給配管及びクラッド用バーナーの長手方向で温度勾配を付ける効果で、ガラス微粒子の火炎内における乱流拡散が促進されて、原料収率Xは69%まで跳ね上がる。また、実施例6は配管温度を300℃とし、バーナーの加熱範囲を1/8として、バーナーにおけるガス供給配管側の端部から長手方向の1/3の位置における外周温度を290℃としている。実施例4と実施例6を比べると、バーナーの加熱範囲を1/3から1/8に狭くする事で、原料収率Xはやや低化するが、ほぼ同等の原料収率となることがわかる。
これに対して、バーナーを加熱しない比較例1〜3ではバーナー温度Bが100℃未満となり、原料収率Xが50%以下に低下する。特に配管温度が80℃で、バーナー温度が65℃となる比較例3では、原料収率Xが47%まで低下する。なお、実施例1〜6及び比較例1〜3において、バーナー温度Bはバーナーに投入される原料ガス温度とほぼ等しくなる。
図4は、ガス供給配管内及びガラス微粒子生成用バーナー内の長手方向の一部における原料ガスの温度変化を示すグラフである。破線のデータはガス供給配管全長を200℃に加熱しているが、バーナーは加熱していない場合である。この場合、原料ガス温度はバーナー内で低下していることがわかる。一方、実線のデータはガス供給配管の全長及びバーナーにおけるガス供給配管側の端部から長手方向の1/3の領域を200℃に加熱している。この場合、バーナー内を流れる原料ガス温度は低下しないことがわかる。
なお、本発明のガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。例えば、本実施形態では、堆積工程においてVAD法によりガラス微粒子堆積体を製造する場合を一例に説明したが、その他OVD法やMMD法などの火炎分解反応を利用する全てのガラス微粒子堆積体及びガラス母材の製造方法に有効である。
また、本実施形態では原料ガスとして、SiClのみを使用したが、SiClとGeClを使用するコアガラス合成の場合も原料収率を向上させる効果がある。また、SiCl以外の原料ガスでも同様の効果がある。
その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
10…製造装置、11…反応容器、12…支持棒、13…出発ロッド、14…ガラス微粒子堆積体、15…昇降回転装置、16…制御装置、18…クラッド用バーナー、19…ガス供給装置、20…ガラス微粒子、22…原料容器、23…MFC、24…温調ブース、25…ガス供給配管、26…テープヒータ(発熱体)、27…断熱テープ

Claims (6)

  1. 原料容器内に容れられた液体のガラス原料を加熱し気化させてガラス原料ガスとし、
    前記ガラス原料ガスを前記原料容器から配管によりガラス微粒子生成用バーナーまで導き、前記ガラス微粒子生成用バーナーから前記ガラス原料ガスを噴出させ、
    噴出させた前記ガラス原料ガスの火炎分解反応により生成したガラス微粒子を反応容器内の出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体とする堆積工程を含むガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    前記堆積工程では、前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管の少なくとも一部を発熱体により150℃以上の温度に制御すると共に、前記ガラス微粒子生成用バーナーにおける前記配管側の端部から長手方向の1/3以下の領域のみを発熱体により150℃以上の温度に制御することを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    前記ガラス原料ガスは、1種類のみであることを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    前記堆積工程では、前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管の少なくとも一部を発熱体により260℃以上の温度に制御すると共に、前記ガラス微粒子生成用バーナーにおける前記配管側の端部から長手方向の1/3以下の領域のみを発熱体により260℃以上の温度に制御することを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    前記堆積工程では、前記原料容器から前記ガラス微粒子生成用バーナーまでの前記配管の少なくとも一部を発熱体により300℃以上の温度に制御すると共に、前記ガラス微粒子生成用バーナーにおける前記配管側の端部から長手方向の1/3以下の領域のみを発熱体により300℃以上の温度に制御することを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法によって製造したガラス微粒子堆積体を、加熱して透明化する透明化工程を経てガラス母材にすることを特徴とするガラス母材の製造方法。
  6. 請求項5に記載のガラス母材の製造方法であって、
    前記堆積工程におけるガラス微粒子の堆積を、VAD法、OVD法、MMD法の何れかにより行うことを特徴とするガラス母材の製造方法。
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