JP5733778B2 - プライマー層用ポリイミド樹脂及びそれを用いた積層板 - Google Patents
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Description
従来これらプリント配線板の製造には、銅箔の片面に微細な銅粒子を付着させる等の粗化処理を施すことにより、表面に凹凸が形成された銅箔が用いられてきた。粗化処理銅箔を用いた場合、張り合わせの際に銅箔表面の凹凸形状がプリプレグ等の基材樹脂内に埋まり込むことによってアンカー効果が得られるため、銅箔と基材樹脂との高い密着性が得られる。
近年、銅箔と基材樹脂である非熱可塑性ポリイミドフィルムの密着性を向上させる目的で、熱可塑性ポリイミドをプライマー層として用いる手法が検討されている(特許文献1、2及び3)。しかしながら、これらの多くは基材樹脂である非熱可塑性のポリイミドフィルムに熱可塑性ポリイミドのワニスを塗布して銅箔と熱圧着するラミネート法を用いており、初期ピール強度、耐熱ピール強度及び耐湿熱後ピール強度の全ての接着強度を満足するものは得られていない。また、該ワニスを用いたラミネート法は、寸法安定性が低くなる傾向にあり、しかも、非熱可塑性ポリイミドフィルムのガス透過性が低い場合には、ポリイミドフィルムと該ワニスとの界面で残留溶剤や分解物に由来する発泡が起こりやすいため、ガス透過性の高いポリイミドフィルムを基材に用いる必要があった。
(1)表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)と該金属箔(a)上にキャスト法により形成されるポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂層(b)との間の接着性を確保するためのプライマー層用ポリイミド樹脂であって、下記式(1)
(2)末端官能基がアミノ基または酸無水物基である、前項(1)に記載のプライマー層用ポリイミド樹脂(A)、
(3)前項(1)または(2)に記載のプライマー層用ポリイミド樹脂(A)を有機溶剤に溶解してなるポリイミド樹脂ワニス、
(4)表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)、該金属箔(a)上にキャスト法により形成されるポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂層(b)及び前項(1)または(2)に記載のプライマー層用ポリイミド樹脂(A)の層を有するフレキシブルプリント配線板用積層板、
(5)表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)が、メッキ層を備えていても良い銅箔であることを特徴とする前項(4)に記載のフレキシブルプリント配線板用積層板、
(6)キャスト法により形成されるポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂層(b)が、金属箔(a)上に設けられたプライマー層上にポリアミック酸樹脂を塗布後、該ポリアミック酸樹脂を熱閉環させて得られたポリイミド樹脂層であることを特徴とする前項(4)または(5)に記載のフレキシブルプリント配線板用積層板、
(7)前項(4)〜(6)のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板用積層板を用いて作られるフレキシブルプリント配線板、
(8)表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)上に、前項(3)記載のポリイミド樹脂ワニスを塗布した後に有機溶剤を乾燥させてプライマー層用ポリイミド樹脂(A)からなるプライマー層を設ける工程、該プライマー層上にポリアミック酸樹脂をキャスト法により塗布する工程、及び加熱によりポリアミック酸樹脂をイミド化してポリイミド樹脂層(b)を設ける工程を含むフレキシブルプリント配線板用積層板の製造方法、
に関する。
尚、式(1)にはポリイミド樹脂(A)の末端構造は記載されていないが、テトラカルボン酸二無水物に対してジアミン成分を過剰に用いた場合は式(1)の両末端がアミノ基となり、テトラカルボン酸二無水物を過剰に用いた場合は両末端が酸無水物基となる。
乾燥時の熱源は熱風でも遠赤外線ヒーターでもよいが、気化した溶媒の滞留防止および樹脂内部まで加熱を施せる点で、熱風と遠赤外線ヒーターとを併用することが好ましい。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)19.71g(0.067モル)及びHAB(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、日本化薬株式会社製、分子量216.24)10.22g(0.047モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてγ−ブチロラクトン55.59gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物としてODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)33.57g(0.11モル)、溶剤としてγ−ブチロラクトン62.34g、触媒としてピリジン1.71g及び脱水剤としてトルエン26.58gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、ポリイミド樹脂(A)を34質量%含有する本発明のポリイミド樹脂ワニス(A−1)を175g得た。ポリイミド樹脂ワニス(A−1)中のポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は10,800、重量平均分子量は39,900であり(いずれもゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元に、ポリスチレン換算で算出した、以下同じ)、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、630.27g/eq.であった。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)17.96g(0.061モル)及びBAFA(1,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、日本化薬株式会社製、分子量366.26)19.51g(0.053モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてγ−ブチロラクトン69.58gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物としてODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物 マナック株式会社製、分子量310.22)33.57g(0.11モル)、溶剤としてγ−ブチロラクトン62.34g、触媒としてピリジン1.71g及び脱水剤としてトルエン28.52gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、ポリイミド樹脂(A)を34質量%含有する本発明のポリイミド樹脂ワニス(A−2)を175g得た。ポリイミド樹脂ワニス(A−2)中のポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は10,600、重量平均分子量は44,300であり、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、630.27g/eq.であった。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)19.54g(0.067モル)及びADPE(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、日本化薬株式会社製、分子量232.24)11.11g(0.048モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてγ−ブチロラクトン56.93gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物としてODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)33.57g(0.11モル)、溶剤としてγ−ブチロラクトン62.34g、触媒としてピリジン1.71g及び脱水剤としてトルエン26.77gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、ポリイミド樹脂(A)を34質量%含有する本発明のポリイミド樹脂ワニス(A−3)を176g得た。ポリイミド樹脂ワニス(A−3)中のポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は10,100、重量平均分子量は40,300であり、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、630.27g/eq.であった。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)18.49g(0.063モル)及びAHPB(1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、日本純良薬品株式会社製、分子量324.33)16.68g(0.051モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてγ−ブチロラクトン65.33gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物としてODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)33.57g(0.11モル)、溶剤としてγ−ブチロラクトン62.34g、触媒としてピリジン1.71g及び脱水剤としてトルエン27.93gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、ポリイミド樹脂(A)を34質量%含有する本発明のポリイミド樹脂ワニス(A−4)を176g得た。ポリイミド樹脂ワニス(A−4)中のポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は14,800、重量平均分子量は57,400であり、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、630.27g/eq.であった。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)30.02g(0.103モル)及びHAB(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、日本化薬株式会社製、分子量216.24)4.85g(0.022モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン64.76gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)36.62g(0.118モル)、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン68.00g、触媒としてピリジン1.87g及び脱水剤としてトルエン28.66gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、ポリイミド樹脂(A)を34質量%含有する本発明のポリイミド樹脂ワニス(A−5)を195g得た。ポリイミド樹脂ワニス(A−5)中のポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は11,000、重量平均分子量は38,300であり、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、1,500g/eq.であった。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)7.41g(0.025モル)及びHAB(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、日本化薬株式会社製、分子量216.24)24.14g(0.112モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン58.58gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物としてODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)40.08g(0.129モル)、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン74.44g、触媒としてピリジン2.04g及び脱水剤としてトルエン28.72gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、ポリイミド樹脂(A)を34質量%含有する本発明のポリイミド樹脂ワニス(A−6)を195g得た。ポリイミド樹脂ワニス(A−6)中のポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は12,200、重量平均分子量は49,800であり、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、300g/eq.であった。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)35.71g(0.122モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてγ−ブチロラクトン66.31gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物としてODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)35.75g(0.115モル)、溶剤としてγ−ブチロラクトン66.39g、触媒としてピリジン1.82g及び脱水剤としてトルエン28.54gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、比較用ポリイミド樹脂を34質量%含有する比較用のポリイミド樹脂ワニス(B−1)を195g得た。ポリイミド樹脂ワニス(B−1)中の比較用ポリイミド樹脂の数平均分子量は10,900、重量平均分子量は38,200であった。尚、該比較用ポリイミド樹脂中には、水酸基は存在しない。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてBAPP(2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、和歌山精化工業株式会社製、分子量410.51)25.00g(0.061モル)及びHAB(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、日本化薬株式会社製、分子量216.24)11.58g(0.054モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてγ−ブチロラクトン67.93gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物としてBTDA(3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ダイセル化学工業株式会社製、分子量322.23)34.79g(0.108モル)、溶剤としてγ−ブチロラクトン64.60g、触媒としてピリジン1.71g及び脱水剤としてトルエン28.50gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、比較用ポリイミド樹脂を34質量%含有する比較用のポリイミド樹脂ワニス(B−2)を175g得た。ポリイミド樹脂ワニス(B−2)中の比較用ポリイミド樹脂の数平均分子量は14,000、重量平均分子量は42,600であり、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、630.27g/eq.であった。
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)17.29g(0.059モル)及びABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)13.08g(0.047モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン56.41gを加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)32.18g(0.104モル)、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン59.77g、触媒としてピリジン1.64g及び脱水剤としてトルエン26.23gを添加して反応器内を180℃まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に2時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、比較用ポリイミド樹脂を34質量%含有する比較用ポリイミド樹脂ワニス(B−3)を173g得た。ポリイミド樹脂ワニス(B−3)中の比較用ポリイミド樹脂の数平均分子量は17,600、重量平均分子量は91,000であり、原料の仕込み量から算出した理論水酸基当量は、630.27g/eq.であった。
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた各樹脂ワニス(A−1)〜(A−6)及び(B−1)〜(B−3)を、乾燥後の膜厚が20μmになるようにオートマチックアプリケーター(株式会社安田精機製作所製)を用いてPETフィルム上に塗布し、塗膜を130℃で30分間乾燥した。その後、PETフィルムから剥離して得られた樹脂膜を、SUS製の型枠にイミドテープで固定して200℃で1時間追加乾燥させ、残存溶剤を完全に除去することで本発明のポリイミド樹脂(A)及び比較用ポリイミド樹脂のフィルムを得た。得られたフィルムについて、パーキンエルマー社製TMA7(Thrmomechanical Analyzer)を用いて、4mm幅に切ったフィルムを200mNの加重で引っ張りながら50℃から350℃まで加熱し、線膨張係数の変移温度(ガラス転移温度、Tg)及び50〜150℃間の線膨張係数(CTE)を測定した。結果を表1及び表2に示した。
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた各樹脂ワニス(A−1)〜(A−6)及び(B−1)〜(B−3)を、乾燥後の膜厚が2μmになるようにオートマチックアプリケーター(株式会社安田精機製作所製)を用いて表面粗さ(Rz)が2μm以下である厚さ18μmの圧延銅箔上に塗布し、塗膜を130℃で10分間乾燥することで本発明のポリイミド樹脂(A)及び比較用ポリイミド樹脂からなるプライマー層の設けられた銅箔を得た。次いで、KAYAFLEX KPI−120(商品名、日本化薬株式会社製、ポリアミック酸樹脂ワニス)を、イミド化後の膜厚が25μmになるようにキャスト法によりこれらプライマー層上に塗布し、塗膜を130℃で10分間乾燥した後、更に350℃で2時間イミド化を行うことで、実施例7〜12及び比較例4〜6のフレキシブルプリント配線板用積層板を得た。
また、プライマー層を形成せず、銅箔上に直接KAYAFLEX KPI−120(商品名、日本化薬株式会社製、ポリアミック酸樹脂ワニス)を塗布したこと以外は実施例7〜12と同様の操作を行うことで、比較例7のフレキシブルプリント配線板用積層板を得た。
実施例7〜12及び比較例4〜8で得られたフレキシブルプリント配線板用積層板を用いて、下記の評価を行った。
実施例7〜12及び比較例4〜8で得られたフレキシブルプリント配線板用積層板の銅箔側に、マスキングテープ(商品名 クリアーラインテープ No.557、ニチバン株式会社製、)を貼り付けた後、40℃に加熱したエッチング液(塩化第二鉄水溶液45°ボーメ)中で30分間エッチングを行い、マスキングテープを剥離することで10mm幅の銅箔パターンを形成した。次いで、ボンディングシートを用いてポリイミド樹脂層側を補強板に貼り付け、カッターナイフを用いて10mm幅の銅箔の端部をポリイミド樹脂から剥がし、テンシロン試験機(AアンドD:オリエンテック製)を用いて180°方向での銅箔とポリイミド樹脂層との剥離強度を測定し、これを常態ピール強度とした。また、該積層板を150℃で168時間保持した後の剥離強度を耐熱ピール強度、40℃、95%RHで96時間保持した後の剥離強度を耐湿熱ピール強度とした。結果を表1及び表2に示した。
実施例7〜12及び比較例4〜8で得られたフレキシブルプリント配線板用積層板の外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。結果を表1及び表2に示した。
○ 発泡がなく外観上問題なし
× 発泡があり外観上問題有り
実施例7〜12及び比較例4〜8で得られたフレキシブルプリント配線板用積層板の外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。結果を表1及び表2に示した。
○ 目視により銅箔の酸化が見られない
× 目視により銅箔の酸化による変色が確認される
実施例7〜12及び比較例4〜8で得られたフレキシブルプリント配線板用積層板を260℃のハンダ浴に浮かべて外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。結果を表1及び表2に示した。
○ 外観の変化なし
× 膨れ、変色等の外観異常が見られる
Claims (8)
- 表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)と該金属箔(a)上にキャスト法により形成されるポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂層(b)との間の接着性を確保するためのプライマー層用ポリイミド樹脂であって、下記式(1)
(式(1)中、
R1は下記式(2)
で表される4価の芳香族基からなり、
R2は下記式(3)
で表される基と、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン及び9,9’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンからなる群から選ばれる1種以上のアミノフェノール類から誘導される2価の芳香族基、であり、nは繰り返し数を表す。)
で表されるプライマー層用ポリイミド樹脂(A)。 - 末端官能基がアミノ基または酸無水物基である、請求項1に記載のプライマー層用ポリイミド樹脂(A)。
- 請求項1また2に記載のプライマー層用ポリイミド樹脂(A)を有機溶剤に溶解してなるポリイミド樹脂ワニス。
- 表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)、該金属箔(a)上にキャスト法により形成されるポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂層(b)及び請求項1または2に記載のプライマー層用ポリイミド樹脂(A)の層を有するフレキシブルプリント配線板用積層板。
- 表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)が、メッキ層を備えていても良い銅箔であることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルプリント配線板用積層板。
- キャスト法により形成されるポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂層(b)が、金属箔(a)上に設けられたプライマー層上にポリアミック酸樹脂を塗布後、該ポリアミック酸樹脂を熱閉環させて得られたポリイミド樹脂層であることを特徴とする請求項4または5に記載のフレキシブルプリント配線板用積層板。
- 請求項4〜6のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板用積層板を用いて作られるフレキシブルプリント配線板。
- 表面粗さ(Rz)が2μm以下である金属箔(a)上に、請求項3記載のポリイミド樹脂ワニスを塗布した後に有機溶剤を乾燥させてプライマー層用ポリイミド樹脂(A)からなるプライマー層を設ける工程、該プライマー層上にポリアミック酸樹脂をキャスト法により塗布する工程、及び加熱によりポリアミック酸樹脂をイミド化してポリイミド樹脂層(b)を設ける工程を含むフレキシブルプリント配線板用積層板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2009140099A JP5733778B2 (ja) | 2009-06-11 | 2009-06-11 | プライマー層用ポリイミド樹脂及びそれを用いた積層板 |
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