JP5731996B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板上に順次成長された分布ブラッグ反射鏡および活性層を備えた面発光型の半導体発光素子に関するものである。
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD:laser diode)などの半導体発光素子において、発光効率を上げるために分布ブラッグ反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflector)を備えた構成とすることがある(特許文献1、2等)。面発光型の半導体発光素子の場合、一般には、発光層の上下層に備えられたDBRは、共鳴を強めあう構造として特定波長の反射率を高めて、発光効率を大きくすることに寄与する。DBRは、相対的に高い屈折率を有する層(高屈折率層)と相対的に低い屈折率を有する層(低屈折率層)とが交互に積層した多層膜から構成されるものであり、DBRの反射波長はDBRを構成する膜の膜厚に非常に敏感である。したがって、DBRを備えた半導体発光素子の発光効率は、発光波長がずれた時の発光光量(発光効率)の変化も多大である。すなわち、DBRによる発光効率の増大と、波長ずれによる発光効率の変化の大きさはトレードオフの関係となっている。
一方、半導体発光素子の発光スペクトルは、環境温度変化が大きく、温度が高くなると長波長側に発光波長がずれることが知られている。例えば、GaAs-AlAs系のLEDでは、使用環境の温度が約40℃上昇すると約10nm長波長側に波長シフトが生じる。そのため、DBRを備えた半導体発光素子においては、環境温度の変化により発光量が大きく変化するという問題がある。
特許文献2、3等には、この環境温度変化による発光効率の変動の問題を解決する方法が提案されている。
特許文献2では、活性層下に、活性層から発生する光スペクトルの長波長側および短波長側の光をそれぞれ反射する複数の多層膜反射層を設けることにより、実効的に光スペクトルを広帯域として、環境温度の変化による波長シフトの影響を低減する素子構造が提案されている。
また、特許文献3では、活性層の上層に、第1多層膜層および第2多層膜層と、2つの多層膜の間に挟まれて設けられたスペーサ層とからなるノッチフィルタを備えることにより、環境温度の変化による波長シフトの影響を低減する素子構造が提案されている。
一方、複数の半導体発光素子が1次元あるいは2次元状に配列されてなる露光装置がプリンタやスキャナなどの露光ヘッドに用いられており、このようなアレイ状露光装置においては、配列された複数の半導体発光素子間で光量の均一性が求められる。ここで、光量とは、発光素子の発光波長帯域に亘って積分した光の強度である。
露光装置に用いられる複数の半導体発光素子においても、環境温度の変化による波長シフトにより個々の半導体発光素子の光量は変化する。さらに素子毎にその光量変化の仕方が異なるという現象がみられ、このために環境温度の変化により露光装置に用いられている複数の半導体発光素子間の光量の均一性が保てないという問題がある。
特許文献4には、活性層を挟み下層に反射層、上層に反射層から複数の距離の凹凸を有する面を備えることにより、発光素子の光量の温度変化を抑制した発光装置が提案されている。
特開平6−196681号公報 特開2009−70929号公報 特開2003−332615号公報 特開2010−219220号公報
一般に、半導体発光素子は、ウエハ上に各層が積層された後に多数のチップに分離形成されるものであり、1枚のウエハから多数の半導体発光素子が作製される。ウエハ上に成膜される積層膜の膜厚は設計値通りにウエハ一面で均一なことが理想であるが、現実的には均一な膜形成は困難であり、膜厚にはばらつきが生じる。その結果として、1枚のウエハにおいて設計値からやや膜厚が小さい部分や大きい部分が生じ、多数のチップに分離された際に、チップ毎に膜厚にばらつきが生じることとなる。基本的にDBR全体が薄くなる方向へ膜厚がずれるほど反射波長が短波長側にずれる。この膜厚のばらつきによるDBRの反射波長のばらつきが発光波長に対する発光光量の差を生じさせ、また、環境温度変化による光量の変化がチップ毎に異なるという現象を生じさせていると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、DBRによる光量増加効果を得つつ、成膜時の膜厚ずれや、環境温度変化によるスペクトルシフトに対する光量変化が抑制され、一枚のウエハから同時に作製される素子間の光量のばらつきが抑えられた半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明の半導体発光素子は、少なくとも基板と、該基板上に設けられた下部分布ブラッグ反射層と、下部分布ブラッグ反射層上に設けられた発光層とを備え、所定の発光ピーク波長λの発光光を出力する半導体発光素子であって、
下部分布ブラッグ反射層中に、mλ/2nの厚みを有する位相変化層(ここで、nは該位相変化層の屈折率、mは1以上の整数である。)が少なくとも1層備えられていることを特徴とするものである。
ここで、mλ/2nの厚みの位相変化層とは、同一の屈折率を有する連続した部分であるが、その中に15nm程度以下であれば、異なる屈折率層を備えていてもよい。
なお、mλ/2nの厚みの定義には±10%の範囲を含むものとする。すなわち、位相変化層の厚みはmλ/2n×0.9〜mλ/2n×1.1の範囲であればよい。
特には、下部分布ブラッグ反射層中に、位相変化層を2層備えていることが好ましい。
下部分布ブラッグ反射層は、厚みaの低屈折率層と厚みbの高屈折率層とが交互に2ペア以上積層されてなるものを基本とし、該下部分布ブラッグ反射層を構成する複数の前記低屈折率層および前記高屈折率層のいずれかを厚みmλ/2nとして前記位相変化層とすることが好ましい。
本発明の半導体発光素子は、発光層の上層側に分布ブラッグ反射層を有さず、該発光層の上層側に反射防止層を備えた構成であることが好ましい。
発光層の上層側に分布ブラッグ反射層を有さず、該発光層の上層側に反射防止層を備えた構成であるとき、下部分布ブラッグ反射層中に位相変化層を2層備え、2層のうちの一方が、下部分布ブラッグ反射層を構成するペアのうち最も発光層側に配置されているペアを構成する低屈折率層および高屈折率層のいずれか一方からなり、2層のうちの他方が、下部分布ブラッグ反射層を発光層側を0、基板側を1として割合で分けたときに、下部分布ブラッグ反射層中の0.24〜0.46もしくは0.66〜0.82の範囲に存在していることが好ましく、2層のうちの他方が、下部分布ブラッグ反射層中の0.27〜0.39の範囲に存在していることが特に好ましい。
本発明の半導体発光素子は、発光層の上層に上部分布ブラッグ反射層を備えた構成であってもよい。
発光層の上層に上部分布ブラッグ反射層を備えた構成であるとき、下部分布ブラッグ反射層中に位相変化層を2層備え、2層のうちの一方が、下部分布ブラッグ反射層を構成するペアのうち最も発光層側に配置されているペアを構成する低屈折率層および高屈折率層のいずれか一方からなり、2層のうちの他方が、下部分布ブラッグ反射層を発光層側を0、基板側を1として割合で分けたときに、下部分布ブラッグ反射層中の0.22〜0.33の範囲に存在していることが好ましい。
本発明の半導体発光素子は、面発光型の発光ダイオードとして好ましく用いることができる。
本発明の半導体発光素子は、少なくとも基板と、該基板上に設けられた下部分布ブラッグ反射層と、下部分布ブラッグ反射層上に設けられた発光層とを備え、所定の発光ピーク波長λの発光光を出力する半導体発光素子において、下部分布ブラッグ反射層中に、mλ/2nの厚みを有する位相変化層が少なくとも1層備えられていることにより、下部分布ブラッグ反射層の反射帯域を広帯域化することができ、これにより、環境温度が変化した際の発光量の変化を抑制することができる。
したがって、DBRによる光量増加効果を得つつ、成膜時の膜厚ずれや、環境温度変化によるスペクトルシフトに対する光量変化が抑制され、一枚のウエハから同時に作製される素子間の光量のばらつきが抑えることができる。
実施形態の半導体発光素子1の断面模式図 実施形態の半導体発光素子について下部DBR層における位相変換層挿入位置を説明する断面模式図 設計変更例の半導体発光素子2の断面模式図 設計変更例の半導体発光素子について下部DBR層における位相変換層挿入位置を説明する断面模式図 自然発光光のスペクトルを示す図 ウエハ上に成膜した場合の膜厚のばらつきを模式的に示した断面図および平面図 シミュレーション1のLEDの層構成を示す図 平均発光倍率および温度特性ばらつきのλ/2n層の挿入位置による変化を示すグラフ 位相変化層の挿入位置毎の下部DBR反射スペクトルを示すグラフ 平均発光倍率および温度特性ばらつきの2層目の位相変化層の挿入位置による変化を示すグラフ シミュレーション3のLEDの層構成を示す図 平均発光倍率および温度特性ばらつきの層厚みによる変化を示すグラフ シミュレーション4のLEDの上部層構成を示す図 上部DBR層を備えたLEDについて、平均発光倍率および温度特性ばらつきの2層目の位相変化層の挿入位置による変化を示すグラフ シミュレーション5のLEDの層構成を示す図 位相変化層中に中間層を挿入した場合の平均発光倍率および温度特性ばらつきの中間層の層厚みによる変化を示すグラフ 実施例1のLEDの共振器スペクトルを示すグラフ 実施例1のLEDの自然発光スペクトル、下部DBR層および上部AR層による反射率スペクトルを示すグラフ 実施例2のLEDの層構成を示す図 実施例2のLEDの共振器スペクトルを示すグラフ 比較例1のLEDの共振器スペクトルを示すグラフ 比較例2のLEDの共振器スペクトルを示すグラフ
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体発光素子1の断面模式図および一部拡大図である。
本半導体発光素子1は、p型基板10上に、下部分布ブラック反射層30(以下、下部DBR層30とする。)、p型ドープ層13、発光層20、n型ドープ層15、コンタクト層17および反射防止層18を備えた面発光型の半導体発光素子である。図中矢印で発光光の光路を模式的に示すように、発光層20で生じた光は下部DBR層30で反射され、反射防止層18を透過して面発光する。
各層の組成は特に限定されないが、例えば、基板10としてp型GaAs、下部DBR層30としてAlGaAs系半導体多層膜、p型ドープ層13としてp型AlGaAs、発光層20としてAlGaAs、n型ドープ層15としてn型AlGaAs、コンタクト層としてn型GaAs、反射防止層18としてSiOXもしくはSiNXを用いることができる。なお、AlGaAs半導体層は、AlとGaの組成比を変化させることにより、各機能層とすることができる。なお、反射防止層は1層で形成されていてもよいし複数層で形成されていてもよい。反射防止層が1層からなる場合には、反射を抑制したい波長λに対して、λ(2L−1)/4n(ここで、nは反射防止層の屈折率、Lは1以上の整数)とする。
図1の一部拡大図に示すように、下部DBR層30は、相対的に低い屈折率を有する低屈折率層31と相対的に高い屈折率を有する高屈折率層32とが交互に積層されてなる多層膜である。一般的なDBR層の基本構造は、厚みaの低屈折率層31と厚みbの高屈折率層32とのペアを2組以上(合計4層以上)含む多層膜構造であり、発光波長域の光を効率的に反射するように構成されている。低屈折率層と高屈折率層の各厚みa、bは一般にそれぞれλ/4n(ここでλは所望の反射中心波長、nはそれぞれの層の屈折率である。)近傍である。
本実施形態においては、下部DBR層30中に厚みがmλ/2nの位相変化層33を備えていることを特徴とする。λは発光ピーク波長であり、nは位相変化層の発振ピーク波長に対する屈折率、mは1以上の整数である。本実施形態においては、位相変化層33は低屈折率層組成から構成されている。
なお、半導体発光素子を作製する場合の各層の成膜工程においては、膜厚に設計値から最大で±10%程度の誤差が生じ得る。したがって、本明細書における膜厚は、それぞれ±10%の厚み誤差を許容するものとする。
また、半導体発光素子において発光量向上を図る場合には、一般には下部DBR層に加えて、発光層の上層に上部DBR層を備えて、上下DBR層間で共鳴を生じさせる構造とするのが一般的であるが、本実施形態の半導体発光素子は上部DBR層を備えない構成である。
上記構成の素子は一般に、ウエハ上にMOCVD法等の成膜方法により各層が順次成膜された後に、チップ化されて製造される。ウエハ上への成膜時には、各半導体膜が均一な膜厚で形成されることが理想ではあるが、既述の通り現実には、ウエハ上において厚みにばらつきが生じる。この厚みのばらつきは材料の種類や成膜法によって様々であるが、±10%程度のばらつきが生じうる。DBRは膜厚に非常に敏感であることから、ウエハ上における膜厚のばらつきは、チップ化されて形成される素子毎の温度特性にばらつきを生じる原因となる。しかしながら、本実施形態の構成の素子であれば、製造時に膜厚のばらつきが生じた場合にも、DBRによる光量の増大効果を維持しつつ、1枚のウエハから得られた複数の素子間で、温度特性ばらつきが非常に抑制されたものを作製することができる。
上記実施形態においては、下部DBR層30中にmλ/2nの厚みを有する位相変化層33を2層備えるものとしたが、1層のみであっても、位相変化層を備えないDBR層と比較すると温度特性ばらつきを抑制する効果を得ることができる(後記シミュレーション1参照。)。
位相変化層33を備えることにより、下部DBR層の反射帯域を広げることができ、結果として発光量の増強効果を維持しつつ、温度変化に対する光量変動を抑制することができると考えられる。
しかしながら、下部DBR層30中に位相変化層33を2層備えれば、温度特性ばらつきを抑制する効果がより顕著なものとなるため、より好ましい。
下部DBR層30中に2層の位相変化層を備える場合、1層目の位相変化層33は、図2に下部DBR層30の模式断面図を示すように、最も発光層20寄りのペア中に配置することが好ましい。そして、図2に示すように第1層目の位相変化層33が配置された状態の下部DBR層の厚みを発光層側を0、基板側を1としたときに、2層目の位相変化層33を、0.24〜0.46もしくは0.66〜0.82の範囲、特には0.27〜0.39に位置させることにより、より温度特性ばらつきを抑制する効果を得ることができる(後記シミュレーション2参照。)。なお、これらの割合の範囲に一部でも重なっている層の厚みをmλ/2nとすればよい。
図3は上記実施形態の設計変更例の半導体発光素子2を示す断面模式図である。ここでは、発光層20の上方に上部DBR層35を備えている。下部DBR層30の構成は上記とほぼ同様であり、同様に光量増強効果を得つつ、温度特性ばらつきを抑制するという効果を得ることができる。
但し、本構成において、下部DBR層30中に2層の位相変化層を備える場合の好ましい配置の範囲が上述の実施形態とは異なる。1層目の位相変化層33は、図4に下部DBR層30の模式断面図を示すように、最も発光層20寄りの2ペア中に配置することが好ましい。一方、2層目の位相変化層は、図4に示すように第1層目の位相変化層が配置された状態の下部DBR層の厚みを発光層側を0、基板側を1としたときに、0.22〜0.33の範囲に配置されていることが好ましい(後記シミュレーション4参照。)。
DBR層と発光層とは、同一組成系であることが製造上の煩雑さを防ぐために好ましい。位相変化層は基本のDBR層を構成する層の組成とは全く異なる組成から構成してもよいが、基本のDBR層を構成する高屈折率層あるいは低屈折率層の組成を用いることが製造工程の容易化の点から好ましい。なお、上記実施形態では低屈折率層の厚みを変化させるものとしたが、高屈折率層の厚みを変化させても同様の効果を得ることができる。
また、位相変化層を複数層備えた構成とする場合、実際の作製に当たっては、異なる組成の層および/または異なる膜厚の位相変化層を形成するためには、それぞれの組成と膜厚に対して条件出しをしなければならないため、開発コストの上昇を伴うこととなる。したがって、位相変化層を複数層形成する場合には、同一組成の層から構成するものとし、また、位相変化層を一方で厚みはλ/2nが最適であるため(後記シミュレーション3参照)、同じ厚さ(λ/2n)とするのが好ましい。
なお、上記実施形態において説明した、mλ/2nの厚みを有する位相変化層は、その内部に15nm程度までの極薄い層が挿入されていても構わない(後記シミュレーション5参照)。15nm程度までの薄い層であれば内部に挟みこまれていても位相変化層としての機能を損なうことなく、温度特性ばらつき抑制の効果を十分に得ることができる。
以下、DBRによる発光量増強効果を維持しつつ、周囲の環境温度変化および作製上の膜厚のばらつきによる半導体発光素子の光量の温度変化(温度特性)を抑制するための本発明の構成の効果および好ましい構成を見出すに至ったシミュレーションおよび実施例、比較例について説明する。
<シミュレーション手法>
まず、シミュレーション手法について説明する。
以下の検討においては、常温で780nmに発光ピーク波長を有するGaAs−AlAs系の発光素子について検討した。ここで用いたGaAs−AlAs系の発光素子の自然発光スペクトルを図5に示す。常温から約40℃温度が上昇したときには、この自然発光スペクトルが10nm長波側にシフトするもの(図5中破線で示す。)とした。自然発光スペクトルとは発光層で発光した光のスペクトルそのものであり、DBRの影響を受けないスペクトルである。
実際の成膜時においては、ウエハ上での厚みずれは材料の種類や成膜法によって様々であるが、最大で±10.0%程度の厚みずれが生じ得る。一方で、成膜条件や対象とする材料の工夫等によりこの厚みずれは±2.5%程度まで抑えることができる。そこで、以下のシミュレーションにおいては、厚みのずれが±2.5%であると仮定した。
図6に模式断面図を示すように1枚のウエハ上に形成された±2.5%の範囲で膜厚が異なる5つの素子を仮定して温度特性のばらつき、および平均発光倍率をシミュレーションにより求め、これらに基づいてLED構造を評価した。膜厚の異なる5つの素子として、図6の平面図に模式的に示す1〜5の位置に対応する、基準厚みより2.50%薄くなった素子1、基準厚みより1.25%薄くなった素子2、基準厚みの素子3、基準厚みより1.25%厚くなった素子4、基準厚みより2.50%厚くなった素子5を仮定した。
温度特性のばらつきは以下のように求めた。
まず、各素子構造から共振器スペクトルRi(λ)を求める(iは素子番号でありi=1,2,3,4,5である。以下において同様とする。)。
共振器スペクトルは、発光層から全ての波長で同じ強度の光が発光した場合に素子から出力される光のスペクトルであり、発光層の発光スペクトルとは無関係に定まるものである。ここでは、共振器スペクトルを、吸収のある多層膜の内部発光計算を用いたシミュレーションにより求めた。具体的には、『光学薄膜の基礎理論』(小檜山光信著、オプトロニクス社)などを参考に外部入射の多層膜計算を行い、発光層内の位相差を別途計算することで内部発光を計算した。なお、同様の計算は、FLUXiM AG社のSETFOSのような内部発光計算ソフトウェアで再現することもできる。
次に、共振器スペクトルRi(λ)と自然発光スペクトルS(λ)を掛け合わせて、波長について積分し、各素子について発光量Pi(i=1,2,3,4,5)を求める。
Pi∝∫(S(λ)×Ri(λ))dλ
環境温度が40℃上昇したとき、常温の自然発光スペクトルがそのまま長波長側に10nmシフトするものとし、10nm長波長側にシフトしたスペクトルS'(λ)を用いて、各素子について発光量Pi’を求める。
S'(λ)=S(λ−10nm)
Pi’∝∫(S'(λ)×Ri(λ))dλ
次に、PiとPi’の差分をとり、温度に対する発光量の変化量を求める。ここでは、40℃の環境温度変化に対応する変化量であるので、そこから1℃当たりの光量変化(単位:/℃)を求める。
dPi/dT=(Pi'-Pi)/40
2)上記のようにして、5つの素子1〜5について、それぞれ単位温度当たりの光量変化dPi/dT(i=1,2,3,4,5)を求め、そのうちの最大値(Max(dPi/dT))と最小値(Min(dPi/dT))を抽出する。この最大値と最小値との差を温度特性のばらつき(温特ばらつき)δとする。
δ=Max(dPi/dT)−Min(dPi/dT)
DBR層による平均発光倍率は以下のように求めた。
DBR層を備えていないLEDについての発光光強度P0を求め、5つの素子1〜5についての発光倍率Pi/P0を求め、5つの素子の発光倍率の平均値を平均発光倍率Mとする。なお、以下において、平均発光倍率を単に発光倍率をいうことがある。
∝∫(S(λ))dλ
Pi/P=∫(S(λ)×Ri(λ))dλ/∫(S(λ))dλ
M=[ΣPi/P0]/5
以下のシミュレーションにおいては、GaAs基板を用い、下部DBR層、AlGaAs系の発光層を備えた素子を仮定した。DBR層は相対的に高い屈折率を有するAl0.3Ga0.7Asと、相対的に低い屈折率を有するAl0.9Ga0.1Asとを交互に積層してなる多層膜からなるものとした。高屈折率層および低屈折率層の各1層ずつを1ペアとし、下部DBR層は19.5ペアを基本とした。
<シミュレーション1>
図1に示す構造の発光ダイオード(LED)であって、図7の表に具体的に示す層構成のLEDについて検討した。図7の表の各層がLEDにおけるどの機能層に相当するかについては図1に用いた符号を付して詳細な説明を省略する(以下において層構成を表で示す場合は同様とする。)。本検討のLEDは、GaAs基板10上に下部DBR層30、n型ドープ層(Al280)13、発光層(active)20、p型ドープ層(Al280)15、コンタクト層17および反射防止層(SiN)18を備えている。発光層20の厚みは発光層の屈折率naとしたときλ/2na(=108nm)である。なお図7の表中において、AlxGa1-xAs層についてはAlに続く数値x×1000で示している(以下において、同様である。)。例えば、Al900はAl0.9Ga0.1As低屈折率層であり、Al300はAl0.3Ga0.7As高屈折率層を示す。
図7の表に示す通り、下部DBR層30中のAl0.9Ga0.1As低屈折率層31に、最も活性層に近い側から順次番号(No.)を振り、Al0.9Ga0.1As低屈折率層31のいずれか1層の厚みをλ/2nの光学長を持つ厚み(=0.124μm)に変化させたときの平均発光倍率と温度特性のばらつきをシミュレーションにより求めた。低屈折率層31のうち最も発光層20側がNo.1、最も基板10側がNo.20である。なお、発光倍率の基準とする素子構造には、表の中の下部DBR層30をすべてなくして、その代わりにAl0.9Ga0.1As層のみを備えた構造を用いた。結果を表1に示す。
表1の結果を図8のグラフに示す。ここで挿入位置は、下部DBR層の最も発光層側の面を0、基板との界面を1としたときのλ/2nに変換した層の基板側の面の位置の割合で示している。
λ/2n層の挿入位置により温度特性のばらつきが大きく変化していることが分かる。1層のみの場合には、0.24〜0.35、0.55〜0.87の範囲で温度特性ばらつきが0.45%/℃以下となる。
<シミュレーション2>
次に、図7に示す層構成のLEDの下部DBR層30について、下部DBR層中のAl0.9Ga0.1As低屈折率層31のうち、最も発光層20に近い層No.1の厚みをλ/2n(=0.124μm)とし、さらにNo.2〜20のいずれかの厚みをλ/2n(=0.124μm)に変化させ2層目の位相変化層とした場合について、内部発光多層膜シミュレーションにより分析を行った。なお、1層目の位相変化層をNo.1に配置することにより、発光層に反射される光の位相をうまく調整する役割を有することが期待される。
下部DBR層中のNo.2,4,6,8,11および16の層を2層目の位相変化層とした場合について、下部DBR反射率のスペクトルを図9に示す。
また、下部DBR層中のNo.2〜20のいずれかを2層目の位相変化層とした時の、DBR反射設計中心波長(775nm)に対する反射率は表2に示す通りである。
図9に示すように、位相変化層の挿入位置によって、特に中央波長(設計中心波長)の反射率が低くなると同時に、反射率の帯域が広がることがわかる。また、DBRの中心位置(本例では、No.10と11の間にある。)に対称な挿入位置でスペクトル形状がほぼ同じ形状になる(例えば、図9において、No.6とNo.16とは略同一のスペクトルを示している)。
2層目の位相変化層を下部DBR層中に挿入することによって、2層目の位相変化層の上側のDBR層による反射波と下側のDBR層による反射波の位相が互いに打ち消しあいの関係となり、上下のDBR層の数を同じにすることで、DBR設計波長での反射波はほぼ完全に打ち消しあい反射波が生じなくなり、中心位置以外に挿入した場合も、同様の現象で設計波長での反射が低減すると考えられる。一方で、DBR設計波長からずれた波長においては、もともとDBRによって打ち消しあいの関係で反射波がなくなっていたところが、位相変化層を挿入したことにより打ち消しあいの関係が弱くなり、ある程度反射するようになる。このように下部DBR層中に挿入された位相変化層が、反射スペクトルの広帯域化にも寄与していると考えられる。
次に、下部DBR層中のAl0.9Ga0.1As低屈折率層のうち、最も発光層に近い層No.1の厚みをλ/2n(=0.124μm)とし、さらにNo.2〜20のいずれかの厚みをλ/2n(=0.124μm)に変化させた場合について、それぞれ平均発光倍率と温度特性ばらつきを求めた。結果を表3に示す。
図10に、表3をグラフにして示す。
既述の通り、下部DBR層の反射率のみの検討ではDBR中心を対称に上下で差は現れなかったが、全体の発光を考えると、発光層界面の反射などとの共振器を形成するために上下で差が現れた。ここでは、2層目の位相変化層を、発光層側を0、基板側を1として割合で示すと0.24〜0.46もしくは0.66〜0.82の範囲に配置すると温度特性のばらつきを0.2%/℃以下にできることが明らかになった。また、0.27〜0.39の範囲とすることにより温度特性のばらつきを0.1%/℃以下とすることができ、特に好ましいことが分かった。
<シミュレーション3>
次に、図11の表に示す層構成のLEDにおいて、下部DBR層30中のAl0.9Ga0.1As低屈折率層31のうち、No.1およびNo.7の厚みtを4nm〜292nmの範囲で12nmおきに変化させた場合について、それぞれ平均発光倍率と温度特性ばらつきを求めた。図11には、No.7の厚みt=0の場合とt=λ/2nの場合とについてNo.6〜No.8の層構成の模式断面図を併せて示している。結果を表4に示す。
図12に、表4をグラフにして示す。図12に示す通り、温度特性ばらつきも光量倍率も膜厚の変化に対して周期的に変化することが明らかになった。温度特性ばらつきが極小値を示すのは、光学膜厚がほぼ0,λ/2n(=124nm),λ/nに一致するときであることが明らかになった。周期的に変化していることから、t=mλ/2nにおいて温度特性ばらつきは略極小値を示すものと一般化可能と考えられる。tが0のとき(m=0のとき)は、図11中に例を示すように、No.7の層はなくなり上下の高屈折率層32によりほぼλ/2nの層が形成されることになるため、温度特性ばらつきの抑制については同様の効果が得られたと考えられる。本例においては、m=0のとき高屈折率層32が略λ/2nであり位相変化層を構成しているといえる。なお、No.1、No.7の層厚tが0のとき(m=0)の発光倍率はtがλ/2n(m=1)あるいはλ/n(m=2)のときと比較して小さい。これはm=0は、実効的にDBRの層数を減らすことと等価であるためと考えられる。なお、mが2以上では、ほとんど効果は変わらず膜厚が大きくなる分コストアップすることを考慮すると、層厚tとしては、λ/2n(m=1)のときが特に好ましい。
<シミュレーション4>
図3に示す構造の発光ダイオード(LED)であって、発光層20より上層の層構成として図13の表に具体的に示す層構成を有するLEDについて検討した。発光層20より下層側の層構成はシミュレーション2のLEDと同一とした。図13の表の各層がLEDにおけるどの機能層に相当するかについては図3に用いた符号を付して詳細な説明を省略する。シミュレーション2と同様に、下部DBR層中のAl0.9Ga0.1As低屈折率層31のうち、最も発光層20に近い層No.1の厚みをλ/2n(=0.124μm)とし、さらにNo.2〜20のいずれかの厚みをλ/2n(=0.124μm)に変化させ2層目の位相変化層とした場合について、平均発光倍率と温度特性ばらつきを求めた。結果を表5に示す。
図14に、表5をグラフにして示す。
本シミュレーションにより、上部DBR層35を備えた素子構成においては、2層目の位相変化層を、発光層側を0、基板側を1として割合で示したとき0.22〜0.33の範囲に配置すると温度特性のばらつきを0.2%/℃以下にできることが明らかになった。
<シミュレーション5>
次に、図15の表に示す層構成のLEDについて検討した。本シミュレーション5では、シミュレーション3、図11に示した下部DBR層30においてNo.1およびNo.7の低屈折率層の厚みがλ/2n(=124nm)の位相変化層である構造を基本とし、No.7の低屈折率層の厚み方向中央位置にAl0.3Ga0.7As層34を挿入した構成について検討した。図15に模式的に示す通り、No.7の層をλ/4n(=62nm)ずつに分けて、その間に挿入したAl0.3Ga0.7As層34挿入した構成について、その層厚を5nm〜80nmの間で5nmずつ変化させた場合の平均発光倍率と温度特性ばらつきについて求めた。結果を表6に示す。
図16に表6をグラフとして示す。
中間に挿入する層34の層厚Sが大きくなるほど温特のばらつきは大きくなり、層34の上下層と光学的な長さがほぼ等しくなる56nm付近で温特ばらつきの大きさが最大となる。一方で、層厚Sが15nm以下の厚みであれば、温特ばらつきを0.2%/℃以下にすることができることが明らかになった。すなわち、mλ/2nの厚みを有する位相変化層中に挿入層を備えても15nm以下であれば、十分に発光増強効果と温度特性のばらつき抑制効果を両立することができる。
以上のシミュレーションは、AlGaAs系半導体発光素子について行っているが、下部DBR層内に位相変化層を備えることによる温度特性ばらつき抑制効果は組成に拘わらず同様の傾向を示すと考えられる。
以下、本発明の半導体発光素子の実施例および比較例について説明する。
以下の実施例および比較例について、それぞれ上述のシミュレーション手法により平均光量ばらつきおよび温度特性ばらつきを求めた。
[実施例1]
実施例1は、シミュレーション2の図11に示す層構成において、No.1、No.7の低屈折率層の厚みtをλ/2nの厚みにしたLEDとした。この素子についてシミュレーションにより求められた共振器スペクトルを図17に示す。また、自然発光スペクトルおよび下部DBR層による発光ピーク波長に対する反射率、上部AR層による発光ピーク波長に対する反射率を図18に示す。
[実施例2]
実施例2は、図19に示す層構成のLEDとした。本素子は、下部DBR層において、No.1、No.7の低屈折率層の下層の高屈折率層32を位相変化層としてλ/2n(=116nm)の膜厚に変化させたものである。本素子についてシミュレーションにより求められた共振器スペクトルを図20に示す。
[実施例3]
実施例3は、シミュレーション5の図15に示す層構成において、No.7の低屈折率層中に挿入した層34の厚みSを10nmとしたLEDとした。
[比較例1]
比較例1は、発光層20およびその下層は図7の表に示す層構成であり、発光層20より上層は図13に示す上部DBR層35を備えた層構成のLEDとした。すなわち、本素子は、19.5ペアの層からなる下部DBR層30、5ペアの層からなる上部DBR層35を備え、mλ/2nの位相変化層を備えていない素子である。本素子についてシミュレーションにより求められた共振器スペクトルを図21に示す。
[比較例2]
比較例1は、図7の表に示す層構成とした。すなわち、本素子は、19.5ペアの層からなる下部DBR層を備え、発光層の上層にはDBR層を備えずAR構造を備えた素子であり、mλ/2nの位相変化層を備えていない素子である。本素子についてシミュレーションにより求められた共振器スペクトルを図22に示す。
実施例1〜3、比較例1および2についての平均発光倍率および温度特性のばらつきを上記シミュレーション手法により求めた結果を表7に示す。
表7に示す通り、実施例1は、発光層の上下にDBR層を備えた従来の素子構成(比較例1)に対して、温度特性のばらつきが1/20以下であり、非常に高い温度特性のばらつき抑制効果を示すものであった。実施例1、2は、いずれも0.1%/℃以下の非常に高い温度特性のばらつき抑制効果を得ることができ、これは、λ/2nの厚みにする層は、低屈折率層であっても高屈折率層であってもよいことを示すものである。
本発明の半導体発光素子は、同一ウエハ上に作製された互いに膜厚にばらつきを有する複数のLEDを用い、この光量を一定する必要があるLEDアレイ露光装置などに適用される場合に極めて大きい効果を発揮する。
1、2 半導体発光素子
10 基板
13 p型ドープ層
15 n型ドープ
17 n型コンタクト層
18 反射防止層
20 発光層
30 下部分布ブラッグ反射層
31 低屈折率層
32 高屈折率層
33 位相変化層
35 上部分布ブラッグ反射層

Claims (7)

  1. 少なくとも基板と、該基板上に設けられた下部分布ブラッグ反射層と、前記下部分布ブラッグ反射層上に設けられた発光層とを備え、所定の発光ピーク波長λの発光光を出力する半導体発光素子であって、
    前記下部分布ブラッグ反射層中に、mλ/2nの厚みを有する位相変化層(ここで、nは該位相変化層の屈折率、mは1以上の整数である。)が少なくとも1層備えられており、
    前記発光層の上層側に分布ブラッグ反射層を有さず、該発光層の上層側に反射防止層を備えていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記下部分布ブラッグ反射層中に、前記位相変化層を2層備えていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記下部分布ブラッグ反射層中に前記位相変化層を2層備え、
    該2層のうちの一方が、前記下部分布ブラッグ反射層を構成する前記ペアのうち最も前記発光層側に配置されているペアを構成する前記低屈折率層および前記高屈折率層のいずれか一方からなり、
    前記2層のうちの他方が、前記下部分布ブラッグ反射層を前記発光層側を0、基板側を1として割合で分けたときに、該下部分布ブラッグ反射層中の0.24〜0.46もしくは0.66〜0.82の範囲に存在していることを特徴とする請求項記載の半導体発光素子
  4. 前記2層のうちの他方が、前記下部分布ブラッグ反射層中の0.27〜0.39の範囲に存在していることを特徴とする請求項記載の半導体発光素子。
  5. 少なくとも基板と、該基板上に設けられた下部分布ブラッグ反射層と、前記下部分布ブラッグ反射層上に設けられた発光層とを備え、所定の発光ピーク波長λの発光光を出力する半導体発光素子であって、
    前記発光層の上層に上部分布ブラッグ反射層を備えており、
    前記下部分布ブラッグ反射層中に、mλ/2nの厚みを有する位相変化層(ここで、nは該位相変化層の屈折率、mは1以上の整数である。)を2層備えており、
    該2層のうちの一方が、前記下部分布ブラッグ反射層を構成する前記ペアのうち最も前記発光層側に配置されているペアを構成する前記低屈折率層および前記高屈折率層のいずれか一方からなり、
    前記2層のうちの他方が、前記下部分布ブラッグ反射層を前記発光層側を0、基板側を1として割合で分けたときに、該下部分布ブラッグ反射層中の0.22〜0.33の範囲に存在していることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 前記下部分布ブラッグ反射層が、厚みaの低屈折率層と厚みbの高屈折率層とが交互に2ペア以上積層されてなるものを基本とし、該下部分布ブラッグ反射層を構成する複数の前記低屈折率層および前記高屈折率層のいずれかが前記厚みaもしくはbとは異なる前記mλ/2nの厚みをする前記位相変化層を構成していることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の半導体発光素子。
  7. 面発光型の発光ダイオードであることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載半導体発光素子。
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