JP7455267B1 - 紫外線発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな発光出力を得られる紫外線発光素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】 光取り出し面となる主面を有する透明基板と、前記透明基板上のAlN層と、前記AlN層上のn型半導体層と、前記n型半導体層上の量子井戸型発光層と、前記量子井戸型発光層直上のp側半導体層と、前記p側半導体層直上の反射電極と、を備える紫外線発光素子であって、前記透明基板の側面は粗面であり、前記p側半導体層の厚さL(nm)は、前記量子井戸型発光層による発光中心波長λ(nm)、前記p側半導体層の屈折率n、自然数k、前記量子井戸型発光層から前記p側半導体層内に向かう光の出射角θに対して、2L/cosθ=λ(2k+1)/2nであり、かつ、前記出射角θが、前記透明基板の主面と側面が平坦面であるとした場合に前記透明基板から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲内である、紫外線発光素子。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線発光素子及びその製造方法に関する。
窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を主な構成とする発光素子は、紫外線である250nm~360nm程度の光を発することが可能である。UVC(~280nm)やUVB(280nm~320nm)の発光中心波長を有する紫外線発光素子は、殺菌等に用いられることがあるため、これら波長域の紫外線発光素子の開発は特に盛んである。UVA(320nm~)の紫外線発光素子は、樹脂硬化や医療用、分析用として用いられる場合がある。
特許文献1には、240nm~320nmの深紫外光を発する紫外線発光素子が記載されている。この紫外線発光素子では、電子ブロック層は1nm~10nm、p型クラッド層は10nm~100nm、p型コンタクト層は500nmを超える厚さが好ましいとされている。そして、p型コンタクト層を厚くすることでp型コンタクト層の平坦性を向上できることが記載されている。
特許文献2には、窒化物半導体紫外線発光素子が記載されている。この紫外線発光素子では、活性層の表面は、井戸層の厚さ以上の平均粗さを持つくらいに粗い方が出力向上すると記載されている。また、半導体層の厚みに関し、電子ブロック層は15nm~30nm、p型クラッド層は500nm~600nm、p型コンタクト層は100nm~300nmであることが例示されている。
特許文献3には、配光角をより狭くすることが可能な紫外線発光素子を提供することが記載されている。
特許第6814902号公報 国際公開第2017/013729号 特開2015-119108号公報
従来、発光素子は軸上出力が高いことが好ましいとされ、特許文献3に記載のように、配光角をより狭くすることが望ましいと考えられていた。しかしながら、レンズ付きSMDなどを使用する装置によっては、発光素子の軸上以外の方向への発光も有効に利用できる場合があるため、発光素子は全方向の発光出力が大きければよい。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、大きな発光出力を得られる紫外線発光素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上述の課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下に述べる本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1) 光取り出し面となる主面を有する透明基板と、
前記透明基板上のAlN層と、
前記AlN層上のn型半導体層と、
前記n型半導体層上の量子井戸型発光層と、
前記量子井戸型発光層直上のp側半導体層と、
前記p側半導体層直上の反射電極と、を備える紫外線発光素子であって、
前記透明基板の側面は粗面であり、
前記p側半導体層の厚さL(nm)は、
前記量子井戸型発光層による発光中心波長λ(nm)、前記p側半導体層の屈折率n、自然数k、前記量子井戸型発光層から前記p側半導体層内に向かう光の出射角θに対して、下記式(1)
2L/cosθ=λ(2k+1)/2n・・・(1)
であり、かつ、
前記出射角θが、前記透明基板の主面と側面が平坦面であるとした場合に前記透明基板から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲内である、紫外線発光素子。
(2) 前記自然数kの値が1で、
前記出射角θが23.6°以上36.8°以下であり、
ファーフィールド測定による配光パターンの平均ピーク角度が24°以上37°以下である(1)に記載の紫外線発光素子。
(3) 前記p側半導体層は、
前記量子井戸型発光層上のp型電子ブロック層と、
前記p型電子ブロック層上のp型クラッド層と、
前記p型クラッド層上のp型コンタクト層と、を有し、
前記n型半導体層、前記p型電子ブロック層、前記p型クラッド層の各層は、水平方向における組成が均一である、(1)又は(2)に記載の紫外線発光素子。
(4)前記p型クラッド層の厚さを前記p型電子ブロック層の厚さで除した値が0.4以上である(1)又は(2)に記載の紫外線発光素子。
(5) 光取り出し面となる透明基板の主面と反対側の面上に
AlN層を形成する工程と、
前記AlN層の上にn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、
前記n型半導体層の上に量子井戸型発光層を形成する量子井戸型発光層形成工程と、
前記量子井戸型発光層の直上にp側半導体層を形成するp側半導体層形成工程と、
前記p側半導体層の直上に反射電極を形成する反射電極形成工程と、
前記透明基板を個片化する個片化工程と、
を含む紫外線発光素子の製造方法であって、
前記個片化工程では前記透明基板の側面を粗面にしており、
前記p側半導体層の厚さL(nm)が、前記量子井戸型発光層による発光中心波長λ(nm)、前記p側半導体層の屈折率n、自然数k、前記発光層から前記p側半導体層内に向かう光の出射角θに対して、下記式(1)
2L/cosθ=λ(2k+1)/2n・・・(1)
であり、かつ、
前記出射角θが、前記透明基板の主面と側面が平坦面であるとした場合に前記主面から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲内になるように前記p側半導体層を形成する、紫外線発光素子の製造方法。
(6)前記p側半導体層形成工程は、
前記量子井戸型発光層の上にp型電子ブロック層を形成するp型電子ブロック層形成工程と、
前記p型電子ブロック層の上にp型クラッド層を形成するp型クラッド層形成工程と、
前記p型クラッド層の上にp型コンタクト層を形成するp型コンタクト層形成工程と、を含む、(5)に記載の紫外線発光素子の製造方法。
本発明によれば、大きな発光出力を得られる紫外線発光素子及びその製造方法を提供することができる。
量子井戸型発光層から出た光の光路を示す概略図である。 ファーフィールド測定の概略図である。 本発明における紫外線発光素子の概略図である。 実施例1の紫外線発光素子におけるサファイア基板の側面の形状解析レーザ顕微鏡での撮影像である。 実施例のファーフィールド測定によって得られた配光パターンである。 比較例のファーフィールド測定によって得られた配光パターンである。
本発明の説明に先立ち、本明細書における図面における各層の厚さについて説明する。各層間の厚さの比率は、説明の便宜のため、図面上で見やすく変更して表示したものに過ぎず、実際の厚さの比率とは異なる。
<層の厚さ>
本明細書において、紫外線発光素子の各層の厚さは、TEM(透過電子顕微鏡)を用いて撮影した像に基づいて計測する。すなわち、各層の厚さは、紫外線発光素子の断面を撮影した像における各層厚さの平均値を用いる。なお、透明基板の厚さは、SEM(走査型電子顕微鏡)により計測した値を用いる。
<Al組成比の測定>
本明細書における「AlGaN」は、Al組成比をαとするとAlαGa1-αNであることを意味する。本発明におけるAlGaNのAl組成比αの値は、層断面に対するTEM-EDS(エネルギー分散型X線分光)測定の結果から特定する。Al組成比αは、規定がなければ0以上1以下の範囲内である。
また、本明細書において「GaN」「AlN」と表記する場合は、それぞれGa及びAlの組成比が1.0であることを意味する。なお、「GaN」「AlN」「AlGaN」は、インジウムを含め、組成式に記載されていない他のIII族元素の組成比が0.04以下(モル分率で4%以下)の微量含まれていてもよい。
<ドーパント濃度の測定>
本明細書におけるドーパント濃度は、SIMS(二次イオン質量分析)により測定した値を用いる。なお、アンドープとはMOCVD成長時にMgやSi等の特定のドーパントの原料ガスを意図的には供給しないことをいい、製造過程におけるC、H、Oのような不可避的な不純物が含まれていても良い。また、本明細書におけるi型とは、アンドープであって、キャリア密度が4×1016cm-3以下であることをいう。
(紫外線発光素子)
以下、本発明に係る紫外線発光素子(以下、発光素子と記載することがある)の詳細について説明する。本発明における紫外線発光素子は、光取り出し面を有する透明基板(以下、基板と記載することがある)と、この透明基板上のAlN層と、このAlN層上のn型半導体層と、このn型半導体層上の量子井戸型発光層(以下、発光層と記載することがある)と、この量子井戸型発光層直上のp側半導体層と、このp側半導体層直上の反射電極と、を備える。p側半導体層は、量子井戸型発光層上のp型電子ブロック層と、p型電子ブロック層上のp型クラッド層と、p型クラッド層上のp型コンタクト層と、を有してもよい。そして、このp側半導体層の厚さL(nm)は、量子井戸型発光層による発光中心波長λ(nm)、p側半導体層の屈折率n、自然数k、量子井戸型発光層からp側半導体層内に向かう光の出射角θに対して、2L/cosθ=λ(2k+1)/2nであり、かつ、出射角θが、透明基板の主面と側面が平坦面であるとした(平坦面であると仮定した)場合に透明基板から空気に対して光取り出しされない角度(すなわち、透明基板と空気の界面で全反射を起こす角度)となる範囲内である。
p側半導体層は、量子井戸型発光層上のp型電子ブロック層と、このp型電子ブロック層上のp型クラッド層と、このp型クラッド層上のp型コンタクト層を少なくとも有し、さらに他の構成を有してもよく、p型不純物の拡散抑制などを目的とした、アンドープの層(例えば後述のi型ガイド層)やn型ドーパント(たとえばSi)をドープされた層(Siだけがドープされた層やSiとp型ドーパント(たとえばMg)の両方がドープされた層)を含んでいて良いものとする。すなわち、量子井戸型発光層と反射電極との間に挟まれるすべての半導体層を総称してp側半導体層(p-side layers)と呼称する。なお、透明基板と量子井戸型発光層との間には、n型半導体層の他にもアンドープの層を含んでいてもよい。
まず、図1を用いて本発明に係る紫外線発光素子の開発の経緯について説明する。図1は、本発明に係る紫外線発光素子100における量子井戸型発光層4から出た光の経路を説明するための具体的態様を含む断面模式図である。この紫外線発光素子100は、上方から順に、透明基板1と、AlN層11と、n型半導体層3と、量子井戸型発光層4と、p型電子ブロック層6、p型クラッド層7、p型コンタクト層8を含むp側半導体層10と、反射電極91を順に有する。紫外線発光素子100は、透明基板1を光取り出し側とする。紫外線発光素子100においては、透明基板1の厚さが厚い方が側面を含めた光取り出し面積が増加するため、従来、透明基板1は厚い方が好ましいとされていた。また、p側半導体層10やn型半導体層3の厚さも厚い方が好ましいとされてきた。図1に量子井戸型発光層4から出た光の概略的な光路を図示する。量子井戸型発光層4から出た光は、透明基板1を通して直接外部に取り出される光路と、反射電極91により反射された後、透明基板1を通して外部に取り出される光路がある。
さて、透明基板1の主面と側面が平坦面である場合を考える。図1には、量子井戸型発光層4からp側半導体層10内に対して出射角θにて出射された光路1が、反射電極91により反射された後、透明基板1の主面において臨界角(例えばサファイアから空気に出るときの臨界角)で入射した場合を示している。この場合、出射角θより小さく垂直に近い角度で出射された光は透明基板1の主面から外部に光取り出しされ、出射角θより大きい角度で出射された光は臨界角より大きい角度で主面に到達するので主面で全反射して主面から光取り出しされない。すなわち、出射角がθ以上の光は、透明基板1の主面での光取り出しがされない。
また、図1には、量子井戸型発光層4からp側半導体層10内に対して出射角θにて出射された光路2が、反射電極91により反射された後、透明基板1の側面において臨界角(例えばサファイアから空気に出るときの臨界角)で入射した場合を示している。この場合、出射角θより小さい角度で出射された光は、透明基板1の側面での角度が臨界角より大きくなるため側面から外部に光取り出しされず、出射角θより大きい角度で出射された光は側面から光取り出しされる。すなわち、出射角がθ以下の光は、透明基板1の側面で光取り出しされない。
すなわち、主面と側面が平坦面であって透明基板1と外部との界面において臨界角による全反射が生じる場合、出射角がθ以上θ以下の間では透明基板1からの光取り出しが困難となる。なお、0°<θ<θ<90°である。透明基板1がサファイアであり、サファイアから空気に出るときの臨界角は、例えば波長340nmにおけるサファイアの屈折率を1.8とすれば、33.75°と計算される。
ここで、透明基板1やn型半導体層3の厚さを変化させても配光角ごとの光強度分布(配光パターンともいう)はほとんど変化しないものの、p側半導体層10の厚さを変化させると、配光パターンが大きく変わることに本発明者らは着目し、その変化について詳しく検討した。すると、量子井戸型発光層4から出射されてp側半導体層10内を通る光が反射電極91により(固定端)反射されて量子井戸型発光層4に戻ってくるまでの光路長d(nm)が、発光中心波長λ(nm)、p側半導体層10の屈折率n、自然数kとして、式(1)となるときに、p側半導体層10内における多重反射で共振することが知られている。
d=λ(2k+1)/2n ・・・(1)
ここで、光路長d(nm)は、p側半導体層10の厚さL(nm)と、発光層4からp側半導体層10内に向かう光の出射角θを用いて、式(2)で表される。
d=2L/cosθ ・・・(2)
これらの式(1)と(2)より、以下の式(3)が導出される。
2L/cosθ=λ(2k+1)/2n ・・・(3)
ここで、波長340nmにおけるAlGaNの代表的な屈折率としてp側半導体層10の屈折率nを2.5、発光中心波長λ=340nmとし、k=1であるとき、式(3)は、以下の式(4)で表される。
2L/cosθ=204nm ・・式(4)
この値となるp側半導体層10の厚さL(nm)と、発光層からp側半導体層10内に向かう光の出射角θの組み合わせ範囲で共振が生じるはずである。
図1において、屈折率が2.5のAlGaNから、屈折率が2.3のAlNを経由して、屈折率が1.8のサファイアと屈折率が1の空気の界面から光が取り出されるときの臨界角となるとした場合、光路1の量子井戸型発光層4からの出射角度θは、θ=23.6°と算出され、光路2の量子井戸型発光層4からの出射角度θは、θ=36.8°と算出される。
上記の式(4)にこれらの角度を代入すると、
θ=23.6°のとき、d=204nmとなるL=93.5nm
θ=36.8°のとき、d=204nmとなるL=81.7nm
となる。つまり、主面と側面が平坦面である場合は、p側半導体層10のLが93.5nmより厚ければ、θ1より小さい角度で共振が生じて主面からの光取り出しにおいて強い発光出力が生じるはずである。
しかしながら、実際のp側半導体層10の厚さL(nm)に対して、得られた発光出力と、配光パターンを鑑みると、p側半導体層10のLが81.7nm~93.5nmである場合は、p側半導体層10のLが81.7nm未満や93.5nm超である場合に比べて、発光出力は大きかった。すなわち、p側半導体層10内における多重反射で共振する光は、図1において、理論的には光の取り出しが出来ない出射角度θ範囲において共振が生じる場合に発光出力が大きくなる結果を生じていた。このような結果は、既知の垂直(膜厚)方向の干渉効果を利用して光出力を高めるとする確立された理論とは異なる結果である。
そこで、実施形態の発光素子を観察したところ、透明基板1の主面は、主面を直上から観察したときに主面と反対側が見える程度に平坦であるが、透明基板1の側面は、側面を横から観察したときに、他方の側面が見えない程度に粗面である。側面の粗面は、透明基板1を個片化する際に生じたものである。側面が粗面であるとすると、図1の光路2では、透明基板1の側面から外部に向かう光は乱反射して外部にとりだされる。粗面は、算術平均高さ(Sa)の平均値が2μm以上であることが好ましい。Saは、例えば形状解析レーザ顕微鏡(KEYENCE社製 VK-3000)を用いて透明基板1の側面の面粗さ測定を行い、ISO25178-2:2012に従う算術平均高さ(Sa)を測定して求めることができる。透明基板1の側面はM面でもA面でもよく、測定範囲は透明基板1の厚さに応じて設定すればよく、例えば300μm×300μmとすることができ、例えば4点の測定の平均値を算出すればよい。
そのため、p側半導体層10の厚さがL以上L以下の場合に、発光出力が高くなる理由は、p側半導体層10がこの厚さの範囲において、量子井戸型発光層4からの出射光の出射角度がθ1以上θ2以下の範囲、すなわち、主面と側面が平坦面であるならばサファイア基板から外部へ取り出されることが無い光が、p側半導体層10内において多重反射で共振し、粗な側面に到達して光が取り出された結果、発光出力が高くなっているのではないかと考えられる。
このように、透明基板1の粗面である側面から取り出される光成分が多くなる方が、紫外線発光素子100の全出力は大きくなると考えられる。そして、後述するように、発光出力の配光パターンは軸上方向から離れた位置にピークを有し、発光出力は軸上方向において相対的に出力の小さい特徴的な形状となる。逆に言えば、透明基板1の主表面と側面の光強度の関係が後述するような平均ピーク角度を有する配光パターンを有する紫外線発光素子とすれば、発光出力を向上させることができる。
<ファーフィールド測定による配光パターンの平均ピーク角度>
ここで、図2のファーフィールド測定の概略図を参照しつつ、ファーフィールド測定による配光パターンの平均ピーク角度について説明する。まず、ファーフィールド測定では、暗室内で、発光素子100の基板成長方向に沿った垂直軸の延長線上に配置された受光素子200の位置を配光角0°とする。そして、発光素子100に対して受光素子200の位置をマイナス90°から0°の位置を経由した後、プラス90°の位置まで公転させながら、それぞれの角度で受光素子200が受けた発光強度を測定、図示することで配光パターンを得る。このとき、受光素子200の受光部は直径3.9mmとし、発光素子100と受光素子200との間隔は100mmとし、発光素子100はフリップチップ方式で球状Auバンプを用いてAlN製サブマウントに実装した状態で測定することができる。
ファーフィールド測定により得られる発光素子100の配光パターンにおいて、マイナス側とプラス側のそれぞれにおいて、最も発光強度が大きい角度を、ピーク角度と称する。
そして、上面視で四角形である発光素子100の中心における基板成長方向に沿った垂直軸(z軸)を中心として発光素子100の主表面(xy面)を方位0°から45°ずつ3回回転させて合計4回の測定により4方位の配光パターンを得る(そのうち2回は四角形の発光素子100の主表面の辺とファーフィールド測定時の受光素子200の回転軸とが水平になるようにする)。そして、4方位の各配光パターンにおいて、マイナス側とプラス側のそれぞれにおいて最も発光強度の高かった角度を求めた合計8個のピーク角度の平均値を、平均ピーク角度とする。
本発明では、ファーフィールド測定による配光パターンの平均ピーク角度を24°以上37°以下とすることで、大幅に発光出力を向上させることができる。平均ピーク角度は27°以上36°以下とすることがより好ましく、30°以上35°以下とすることがさらに好ましい。上述のとおり、透明基板1の粗な側面から取り出される光成分が多くなるためである。
<組成均一性>
また、本発明において、n型半導体層3、p型電子ブロック層6、p型クラッド層7は、水平方向における組成が均一であることが好ましい。組成の分析は、断面の厚さ中央付近において、水平方向(透明基板表面と水平の方向)の2μm以上3μm以下の長さの範囲においてEDSによる連続組成分析により行う。ここで「水平方向における組成が均一である」とは、この分析範囲のAl組成比において計算されるバンドギャップの最大値と最小値の差を最大値で除した値((最大値-最小値)/最大値であり、以下、「水平方向の組成揺らぎの割合」という)が4.8%以下であることをいう。水平方向における組成が均一である方が、上述する光の共振は起こりやすいと考えられる。
次に、図3を参照して、本発明に係る紫外線発光素子100及びその製造方法を、具体的態様を交えて説明する。図3は、本発明に従う紫外線発光素子の製造方法により製造された紫外線発光素子の一例である。なお、各半導体層のエピタキシャル成長の方法としては、MOCVD法を採用しうる。各層のエピタキシャル成長にあたっては、トリメチルアルミニウムガス(TMAガス)、トリメチルガリウムガス(TMGガス)、及びアンモニアガス(NHガス)からなる原料ガスを用いることが好ましい。成長温度としては、Al組成比にもよるが、1000℃以上1400℃以下が好ましい。また、チャンバ内の成長圧力は、例えば10Torrから760Torrとすることができる。なお、成長温度及び成長圧力に応じて最適なIII族元素に対するV族元素のモル比(V/III比)が存在するため、原料ガスの流量を適宜設定することが好ましい。
(紫外線発光素子の製造方法)
引き続き図3を参照する。紫外線発光素子100の製造方法は、光取り出し面となる透明基板1の主面と反対側の面上にAlN層11を形成する工程と、AlN層11の上にn型半導体層3を形成するn型半導体層形成工程と、n型半導体層3の上に量子井戸型発光層4を形成する量子井戸型発光層形成工程と、量子井戸型発光層4の直上にp側半導体層10を形成するp側半導体層形成工程と、p側半導体層10の直上に反射電極91を形成する反射電極形成工程と、透明基板1を個片化する個片化工程と、を少なくとも含む。また、p側半導体層形成工程は、量子井戸型発光層4の上にp型電子ブロック層6を形成するp型電子ブロック層形成工程と、p型電子ブロック層6の上にp型クラッド層7を形成するp型クラッド層形成工程と、p型クラッド層7の上にp型コンタクト層8を形成するp型コンタクト層形成工程と、を含むことが好ましい。そして、p側半導体層10の厚さL(nm)が、量子井戸型発光層4による発光中心波長λ(nm)、p側半導体層10の屈折率n、自然数k、量子井戸型発光層4からp側半導体層10内に向かう光の出射角θに対して、2L/cosθ=λ(2k+1)/2nであり、かつ、出射角θが、透明基板1の主面と側面が平坦面であるとした場合に主面から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲内になるようにp側半導体層10を形成する。なお、本発明においては、透明基板1上にAlN層11を形成することが好ましい。また、紫外線発光素子100の製造方法は、透明基板1と、n型半導体層3との間にバッファ層2を形成することが好ましく、バッファ層2は基板から順に第一バッファ層21及び第二バッファ層22を有することも好ましい。さらに、発光層4の上にi型ガイド層5を形成することも好ましい。以下、各工程における構成を順次説明する。
<透明基板>
まず、透明基板1を用意する。透明基板1は、発光中心波長に対して透明であり、光取り出し面を有し、III族窒化物をエピタキシャル成長することが可能な公知の基板を用いることができる。例えば、サファイア基板、AlNバルク基板、またはAlGaN基板を使用できる。ここで、透明基板1は、反射電極91側とは反対側の主表面及び側面を光取り出し面とする。本発明では、透明基板1がサファイア基板である場合を例示して以下説明する。
透明基板1としてサファイア基板を用いる場合は、図3に示すように、透明基板1上にAlN層11を形成し、そのAlN層11を高温で熱処理することによってAlN層11の(10-12)面のX線ロッキングカーブの半値幅を400秒以下まで低転位化したAlNテンプレート基板を使用することがより好ましい。以下では、透明基板1上にAlN層11が形成されたものをAlNテンプレート基板と称する。
<バッファ層>
また、AlNテンプレート基板上にはバッファ層2を形成することが好ましい。バッファ層2は、透明基板1上のAlN層11とn型半導体層3との間に位置し、透明基板1及びAlN層11とn型半導体層3との間の格子定数差を緩和する層である。バッファ層2はAl組成比が一定の単一のAlGaN層、Al組成比の異なる複数のAlGaN層を積層させた層、又は、Al組成比傾斜層により構成されることが好ましい。また、バッファ層2は、アンドープとすることが好ましい。バッファ層2の厚さは、例えば500nm以上2000nm以下であることが好ましい。
バッファ層2は、それぞれAl組成比の異なるAlGaN層である第一バッファ層21と第二バッファ層22とを積層させた層であっても良い。
<n型半導体層>
n型半導体層3は、Al組成比xを有するAlGa1-xNにSiなどのn型ドーパントを含有してn型半導体として機能する層である。n型ドーパントの濃度は1×1018cm-3から5×1019cm-3程度であることが好ましい。n型半導体層形成工程の一例では、n型半導体層3はAlNテンプレート基板上にバッファ層2を形成した後に、バッファ層2における、AlNテンプレート基板に対向する側の面とは反対側の面側に形成される。
n型半導体層3のAl組成比xは0.20以上0.35以下であることが好ましい。Al組成比xは、後述の井戸層41のAl組成比wより大きく、w<xの関係を満たす。
n型半導体層3の層の厚さは、キャリアを供給するのに十分な厚さであればよく、例えば300nm以上3000nm以下であることが好ましい。
後述するように、露出したn型半導体層3上の一部には、n側電極92が形成される。変形例としては、n型半導体層3とn側電極92との間に、Al組成比がn型半導体層3よりも低い、Al組成比が0以上0.20以下のAlGaN層を有していても良い。
n型半導体層3上には、n型半導体層3と同じAl組成比を有するAlGaNに、Siなどのn型ドーパントを含有してn型半導体として機能する層であって、n型半導体層3よりも薄いn型ガイド層31を形成してもよい。
<量子井戸型発光層>
量子井戸型発光層4は、複数の井戸層41と複数の障壁層42(バリア層)とを有し、これらが交互に積層された層である。量子井戸型発光層4としては、例えばAlGaNからなる層を含む層が挙げられる。すなわち、量子井戸型発光層4は、発光中心波長に応じたAl組成比を有する井戸層41と、井戸層41を挟む障壁層42とを有し、井戸層41と障壁層42の組み合わせを1ペア以上繰り返す構成とすることができる。量子井戸型発光層4の両面は障壁層42である。量子井戸型発光層形成工程の一例では、量子井戸型発光層4は、n型半導体層3を形成した後に、n型半導体層3における、AlNテンプレート基板に対向する側の面とは反対側の面側に形成される。
本発明の井戸層41としては、例えばAl組成比wを有するAlGa1-wNからなる層が挙げられる。Al組成比wは、例えば、発光中心波長を300nm超えとする場合、w≦0.35とすることが好ましい。例えば、発光中心波長を320nm超えとする場合、w≦0.30とすることが好ましい。また、発光中心波長を331nm以上とする場合はw≦0.15とすることが好ましい。また、発光中心波長を349nm以下とする場合は0.07≦wとすることが好ましい。井戸層41の厚さは1nm以上5nm以下とすることが好ましい。井戸層41はアンドープであることが好ましい。
また、障壁層42としては、例えばAl組成比bを有するAlGa1-bNからなる層が挙げられる。障壁層42のAl組成比bは、上記井戸層41のAl組成比wに対して、w+0.05≦b≦w+0.30の範囲内とすることが好ましい。障壁層42の厚さは3nm以上20nm以下とすることが好ましい。障壁層42は、アンドープまたはSiなどのn型ドーパントを入れたn型であって良い。
本発明の紫外線発光素子100の発光中心波長は250nm以上360nm以下とすることが可能であり、300nm超え350nm未満とすることが好ましく、331nm以上349nm以下とすることがより好ましい。ここで、本発明の各発光中心波長を適用した場合の本発明における式(1)において求められるp側半導体層10の厚さLの計算値の例を表1に示す。AlGaNの代表的な屈折率としてp側半導体層10の屈折率nを2.5、k=1としたときの(共振が生じる)光路長dを用い、上記の図1における光路1と光路2の場合を、厚さの上限と下限としたものである。
Figure 0007455267000002
<i型ガイド層>
i型ガイド層5は、障壁層42のAl組成比bよりも高いAl組成比を有し、厚さが0.7nm以上1.3nm以下のi型層である。i型ガイド層5のAl組成比は、後述するp型電子ブロック層6のAl組成比yよりも高いことが好ましく、最も好ましくはAlNである。発光層形成工程の一例では、i型ガイド層5は、発光層4を形成した後に、発光層4における、AlNテンプレート基板に対向する側の面とは反対側の面側に形成される。
i型ガイド層5の製造方法は2種類存在する。一つの方法は、上記の厚さとAl組成を有するi型ガイド層5を直接形成する方法である。もう一つの方法は、上記の厚さ以上の厚さを有するAlGaN層を形成した後に、キャリアガスを窒素から水素に変える方法である。ここで、キャリアガスを窒素から水素に変える過程で、窒素分圧の減少から当該AlGaN層のGaが揮発してAl組成が上昇して結果として上記の厚さとAl組成を有するi型ガイド層5とすることができる。本発明では、いずれの方法も採用しうる。
<p型電子ブロック層>
p型電子ブロック層6としては、例えばAl組成比yを有するAlGa1-yNからなるp型半導体として機能する層が挙げられる。p型電子ブロック層6にドープされるp型ドーパント(p型不純物)は、例えばMgである。p型ドーパントの濃度は1×1018cm-3から5×1019cm-3程度であってよい。p型電子ブロック層6は、i型ガイド層5を形成した後に、i型ガイド層5における、AlNテンプレート基板に対向する側の面とは反対側の面側に形成することができる。
p型電子ブロック層6をAlGa1-yNとしたとき、Al組成比yは、0.35以上0.45以下であることが好ましく、厚さが11nm以上70nm以下であることが好ましい。このようなAl組成比y及び厚さを有することにより、p型電子ブロック層6は、その表面粗さの悪化を抑制しつつ、電子ブロック層としての役割を果たして発光出力の向上を実現することができる。発光出力の向上には後述のp型クラッド層7より薄いことがさらに好ましい。
Al組成比yが0.45を超える場合や、p型電子ブロック層6の厚さが70nmを超える場合では、p型電子ブロック層6及びp型コンタクト層8の表面粗さ、特に最大表面粗さが大幅に増加する恐れがある。Al組成比yが0.35未満の場合やp型電子ブロック層6の厚さが10nm以下又は70nm超の場合は、紫外線発光素子100の信頼性や発光出力が低下する恐れがある。
p型電子ブロック層6は、単一層で構成されても、複数層で構成されても良い。p型電子ブロック層6が複数層で構成される場合は、Al組成比の異なる層や、ドーパント濃度が異なる層、Siがドープされている層、SiとMgがコドープされている層を有していてもよい。
<p型クラッド層>
p型クラッド層7としては、例えばAl組成比zを有するAlGa1-zNからなるp型半導体として機能する層が挙げられる。p型クラッド層7をAlGa1-zNとしたとき、Al組成比zは0.17以上0.27以下であることが好ましい。p型クラッド層7にドープされるp型ドーパントは、例えばMgである。p型ドーパントの濃度は1×1018cm-3から5×1019cm-3程度であってよい。p型クラッド層形成工程の一例では、p型クラッド層7は、p型電子ブロック層6を形成した後に、p型電子ブロック層6における、AlNテンプレート基板に対向する側の面とは反対側の面側に形成される。
p型クラッド層7のAl組成比zはp型電子ブロック層6のAl組成比y未満(z<y)であることが好ましい。p型クラッド層7のAl組成比zはp型電子ブロック層6のAl組成比yの0.48倍以上0.6倍以下とすることが好ましい。また、Al組成比zは、n型半導体層3のAl組成比x以下(z≦x)であることも好ましい。Al組成比zは、前述の井戸層41のAl組成比wより大きい(w<z)。
p型クラッド層7の厚さは、前述の式(1)を満たすようにp側半導体層10内の他の層(例えばp型電子ブロック層6、i型ガイド層5及びp型コンタクト層8)の厚さに応じて設定する。
p型クラッド層7は、単一層で構成されても、複数層で構成されても、組成傾斜層で構成されても良い。クラッド層7が複数層で構成される場合は、Al組成比の異なる層や、ドーパント濃度が異なる層、Siがドープされている層、SiとMgがコドープされている層を有していてもよい。組成傾斜層で構成される場合は、電子ブロック層からp型コンタクト層8に向かって、p型クラッド層のAl組成比を漸減させても良い。漸減のさせ方は公知の方法で良く、膜厚に対して一定の割合であっても、変化させても良い。
p型クラッド層7の厚さをp型電子ブロック層6の厚さで除した値(以下、層厚比と記載する場合がある)は0.4以上であることが好ましい。発光出力の向上には0.5以上であることがより好ましく、1.0以上がさらに好ましい。層厚比の上限は8.0とすることができる。層厚比が0.4未満となると、p型クラッド層7の表面平坦性が悪化する傾向がある。
<p型コンタクト層>
p型コンタクト層8は、Al組成比cを有するAlGa1-cNからなるp型半導体として機能する層であり、Al組成比cが0.15以下であることが好ましく、最も好ましくはGaNである。p型コンタクト層8にドープされるp型ドーパントとしては、例えばMgが挙げられる。p型ドーパントの濃度は1×1019cm-3から5×1021cm-3程度であってよい。p型コンタクト層形成工程の一例では、p型コンタクト層8は、p型クラッド層7を形成した後に、p型クラッド層7における、AlNテンプレート基板に対向する側の面とは反対側の面側に形成される。
p型コンタクト層8の厚さは、15nm以下であることが好ましい。p型コンタクト層8の厚さは、より好ましくは、3nm以上10nm以下である。p型電子ブロック層6とp型クラッド層7とを上述のものとすることで、p型コンタクト層8をこのように薄い層としても、p型コンタクト層8の表面を平坦なものとすることができる。
p型コンタクト層8は、単一層で構成されても、複数層で構成されても良い。p型コンタクト層8が複数層で構成される場合は、Al組成比の異なる層や、ドーパント濃度が異なる層、Siがドープされている層、SiとMgがコドープされている層を有していてもよい。
このように形成される、量子井戸型発光層4と反射電極91との間のp側半導体層10の合計厚さは、発光中心波長が340nmである場合、85nm以上100nm以下であることが好ましい。ファーフィールド測定による配光パターンの平均ピーク角度を上述の範囲とするにあたって、p側半導体層10に向かう光が反射電極91により透明基板1側に戻ってくるときの光の発光素子100の側面からの光取り出しに、p側半導体層10の合計厚さが影響すると考えられるのは既述のとおりである。
p型コンタクト層8のp側の反射電極91を形成する側の最表面には、p型ドーパントの濃度が1×1020cm-3~5×1021cm-3程度である、p型ドーパント濃度の高い領域を有していることも好ましい。
<反射電極>
反射電極91としては、p型コンタクト層8に用いることが可能な公知の電極を選択すればよい。反射電極91は、発光中心波長の反射率が50%以上ある反射電極であることが好ましい。反射電極91としては、例えば、第一の金属(Ni)と第二の金属(Au、Rh)の組み合わせや、導電性の金属窒化物を用いることができる。反射電極91を反射電極とする場合は、反射電極91にRhを含有させることが好ましい。反射電極形成工程の一例では、p型コンタクト層8上(p型コンタクト層8における、AlNテンプレート基板に対向する側の面とは反対側の面上)の反射電極91を形成する。
<n型電極>
発光素子100をフリップチップ型の発光素子とする場合、図3に示すように、n型半導体層3よりも上にあるn型ガイド層31及び発光層4からp型コンタクト層8までの一部をドライエッチング法により除去して、n型半導体層3の一部を露出させ、露出したn型半導体層3上(本発明では、発光層4と同じ側の面上)の一部にn側電極92を形成してもよい。なお、変形例として、n型半導体層3の一部を露出させた後に、露出させたn型半導体層3上に、Al組成比がn型半導体層3よりも低く、そのAl組成比が0以上0.20以下のAlGaNからなり、n型ドーパントをドープした層を形成し、その上にn側電極92を形成しても良い。
n側電極92としては、p型コンタクト層8に用いることが可能な公知の電極を選択すればよい。n側電極92としては、例えば、第一の金属(Ti)と第二の金属(Al、Rh)の組み合わせや、導電性の金属酸化物を用いることができる。
このようして製造された図3に示す紫外線発光素子100は、光取り出し面を有する透明基板1上に、AlN層11、バッファ層2、Al組成比xを有するAlGa1-xNからなるn型半導体層3、n型ガイド層31、量子井戸型発光層4、i型ガイド層5、Al組成比yを有するAlGa1-yNからなるp型電子ブロック層6、Al組成比zを有するAlGa1-zNからなるp型クラッド層7及びp型コンタクト層8をこの順に備えている。
そして、発光素子100は、上記構成のほかに、p型コンタクト層8における、p型クラッド層7に対向する側の面とは反対側の面上に反射電極91(p側電極ともいう)を備え、n型半導体層3における、発光層4を形成した面とは別領域上に、n側電極92を備えていてもよい。
これまで、発光素子100の詳細について説明したが、側面が粗になるように個片化するのであればウエハから個片化する工程には任意の方法を適用することが出来る。ウエハから個々の発光素子100のチップに個片化するに際しては、分離予定位置における基板上の各層は、ドライエッチング等を用いて除去することが好ましい。その際、各層の側面にメサ(傾斜部)が生じても良い。発光素子100のチップサイズは1辺が200μmから2000μmの正方形、長方形や六角形とすることができる。基板の個片化においては、レーザースクライバまたはレーザーダイシングを使用することが好ましく、レーザー照射時に切断予定ラインに沿う方向と深さ方向においてレーザーの焦点位置を少しずつずらして多くの変質部を形成し、応力を加えて割ることで、切断面に露出する変質部による粗な側面を形成することが好ましい。基板は主面に対して垂直に切断されることが好ましい。個片化の前に研削等によって基板の厚さを調整しても良い。上述のとおり、個片化工程において透明基板1の側面は、側面を横から観察したときに、他方の側面が見えない程度に粗面化される。透明基板1の主面は、上面視したときに上記の電極等が透明基板1を通して観察される程度に平坦面である。
発光素子100の他の実施形態としては、垂直型の素子としても良い。光取り出し面を有する透明基板1として導電性の基板をエピタキシャル成長用基板として使用する方法により、垂直型の素子とすることが出来る。
なお、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以下、実施例により本発明に係る発光素子100を説明する。
(実施例1)
サファイア基板(直径2インチ、厚さ430μm、面方位(0001)、m軸方向オフ角θ:0.5°)を用意して、成長温度を1200℃とするMOCVD法により、上記サファイア基板上にウエハ中心部の膜厚600nmのAlN層を成長させた。その後、熱処理炉により窒素ガス雰囲気で1650℃で4時間加熱して、AlNテンプレート基板を得た。
AlNテンプレート基板のAlN層のX線回折装置(D8 DISCOVER AUTOWAFS;Bruker AXS社製、CuKα1線)による(10-12)のX線ロッキングカーブの半値幅は288秒であり、300秒以下であった。
AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、ウエハの中心部に対して5μm×5μmの矩形状の範囲における、AlNテンプレート基板の表面粗さを測定したところ、平均表面粗さ(Ra)は0.23nmであり、最大表面粗さ(Rmax)は3nmであった。
AlNテンプレート基板を得た後、MOCVD法により、上記AlNテンプレート基板上に、アンドープのAl0.40a0.60Nからなる厚さ30nmの第一バッファ層を形成し、次に、アンドープのAl0.25Ga0.75Nからなる厚さ1000nmの第二バッファ層を形成した。
続いて、Siドープした厚さ2400nmのn型半導体層を、上記第二バッファ層上に形成した。なお、SIMS分析の結果、n型半導体層のSi濃度は1.0×1019atoms/cmであった。
n型半導体層では、水平方向の組成揺らぎの割合が2.7%であり、組成が均一であった。
続いて、成長温度を1200℃から1100℃に変更した後、n型半導体層上に、SiドープのAl0.25Ga0.75Nからなる厚さ25nmのn型ガイド層を形成した。次いで、SiドープのAl0.25Ga0.75Nからなる厚さ12nmの障壁層と、アンドープのAl0.10Ga0.90Nからなる厚さ2.4nmの井戸層との形成を3回繰り返して量子井戸構造の発光層を形成した。
その後、発光層上(3回目の井戸層上)に、アンドープのAl0.25Ga0.75Nからなる厚さ3nmのi型ガイド層を形成した。その後、V族原料ガスの供給は継続したままIII族原料ガスの供給を停止し、キャリアガスとしての窒素ガスを停止してキャリアガスを水素ガスへ変更し、水素ガスの供給開始から1分後にIII族原料ガスの供給を開始して、MgドープのAl0.4Ga0.6Nからなる厚さ22nmのp型電子ブロック層を形成した。引き続き、MgドープのAl0.22Ga0.78Nからなる厚さ64nmのp型クラッド層を形成し、次いでMgドープのGaNからなる厚さ4nmのp型コンタクト層(p型GaNコンタクト層)を形成した。上記のキャリアガスの変更に伴い、i型ガイド層は、Ga成分が揮発して分解し、Al組成比がおよそ1である厚さ1.0nmのi型ガイド層に変質していた。また、p型ブロック層とp型クラッド層を合わせた合計膜厚は86nmであった。i型ガイド層及びp型コンタクト層を含めた発光層よりも上方のp側半導体層の合計厚さLは91nmであった。
SIMS分析の結果、p型電子ブロック層、p型クラッド層、p型コンタクト層のMg濃度は、それぞれ、1.0×1019atoms/cm、5.0×1019atoms/cm、2.0×1020atoms/cmであった。p型電子ブロック層及びp型クラッド層は、水平方向の組成揺らぎの割合がいずれも4.2%であり、組成が均一であった。
実施例1の各層のAl組成比、ドーパントの種類、及び厚さを表2に示す。表2に記載の厚さの測定値については、TEMによる測定結果に基づく。各層のAl組成比は、各層断面に対するTEM-EDS測定により特定している。
Figure 0007455267000003
更に、p型コンタクト層上にマスクを形成し、ドライエッチングによるメサエッチングを行って、n型半導体層の一部を露出させた。その後、p型コンタクト層上のマスクを除去した。
次いで、p型コンタクト層上に厚さ7nmのNi層及び厚さ50nmのRh層を形成して、p側電極としての反射電極とした。
また、上記のn型半導体層の露出した一部上に、n型電極として厚さ20nmのTi層及び厚さ150nmのAl層を形成し、n型電極とした。
p側電極及びn型電極の積層にはスパッタ法を用いた。p側電極及びn型電極の電極パターンの形成にはレジストを用いたリフトオフ法を使用した。
更に赤外線ランプアニール加熱装置を用いて550℃で10分間のコンタクトアニールを行った後、レーザースクライバを用いてチップサイズ1000μm×1000μmの矩形状の個々の素子に分離して実施例1にかかる紫外線発光素子を作製した。レーザースクライバでは、切断予定ラインに沿う方向と深さ方向にレーザーの焦点位置を少しずつずらして11本の点線状に変質部を形成しており、分離後のサファイア基板の側面は粗であった。サファイア基板の側面は主表面に対して垂直であり、素子分離後のサファイア基板の厚さは430μmであった。
分離後のサファイア基板の側面について、形状解析レーザ顕微鏡(KEYENCE社製 VK-X3000)を用いて表面の面粗さ測定を行い、その平均値を求めた。測定条件については、
・計測範囲300μm×300μm(側面の中心に計測範囲の中心に合わせて計測)
・レンズ倍率10倍
・画素数1024×768
とし、具体的な面粗さ測定装置の入力パラメータとしては以下のとおりとした。
・Sxp : p=2.5%
・Vvv : p=80.0%
・Vvc : p=10.0%,q=80.0%
・Vmp : p=10.0%
・Vmc : p=10.0%,q=80.0%
そして、ISO25178-2:2012に従って、算術平均高さ(Sa)を求めた。4つのサンプルを用いてレーザースクライバで切断された側面に対して測定を行い、計4点のSaの平均値は3.5μmであった。図4に分離後のサファイア基板の側面の、上記形状解析レーザ顕微鏡での撮影像を示す。
(実施例2)
実施例2では、p型ブロック層の厚さを54nmとし、p型クラッド層の厚さを29nmにした以外は、実施例1と同様の条件で発光素子を作製した。p型ブロック層とp型クラッド層を合わせた合計膜厚は83nmであった。i型ガイド層及びp型コンタクト層を含めたp側半導体層の合計厚さ(L)は88nmであった。
(実施例3)
実施例3では、p型ブロック層の厚さを38nmとし、p型クラッド層の厚さを41nmにした以外は、実施例1と同様の条件で発光素子を作製した。p型ブロック層とp型クラッド層を合わせた合計膜厚は79nmであった。i型ガイド層及びp型コンタクト層を含めたp側半導体層の合計厚さ(L)は84nmであった。
(比較例1)
比較例1では、p型ブロック層の厚さを11nm、p型クラッド層の厚さを53nmにした以外は、実施例1と同様の条件で発光素子を作製した。p型ブロック層とp型クラッド層を合わせた合計膜厚は64nmであった。i型ガイド層及びp型コンタクト層を含むp側半導体層の合計厚さ(L)は69nmであった。
(比較例2)
比較例2では、p型ブロック層の厚さを70nm、p型クラッド層の厚さを29nmにした以外は、実施例1と同様の条件で発光素子を作製した。p型ブロック層とp型クラッド層を合わせた合計膜厚は99nmであった。i型ガイド層及びp型コンタクト層を含むp側半導体層の合計厚さ(L)は104nmであった。
(比較例3)
比較例3では、p型ブロック層の厚さを22nm、p型クラッド層の厚さを41nmにした以外は、実施例1と同様の条件で発光素子を作製した。p型ブロック層とp型クラッド層を合わせた合計膜厚は63nmであった。i型ガイド層及びp型コンタクト層を含むp側半導体層の合計厚さ(L)は68nmであった。
(発光出力の評価)
実施例、比較例のそれぞれの発光素子は、フリップチップ方式で球状Auバンプを用いてAlN製サブマウント(サイズ2mm×2mm、厚さ0.2mm)に実装した。更にAlN製サブマウントにAl製ヒートシンクを接続した状態で、定電流電源装置を用いて350mAの通電を行い、その際の順方向電圧(Vf)を測定すると共に光取り出し面を有するサファイア基板側を積分球の中心に向けるように積分球内に挿入して全光束の発光出力(Po)の測定を行った。
発光出力(Po)について、実施例、比較例及び従来例のそれぞれのウエハの中心部分から5個の発光素子をサンプリングして測定する抜き取り測定を併せて行い、その平均値を算出した。この350mAでの発光出力の平均値を表3に示す。
(ピーク角度)
ファーフィールド測定手法の詳細は、図2を参照して前述したとおりである。ファーフィールド測定により得られた配光パターンのピーク角度と平均ピーク角度の値を表3に示す。また、実施例及び比較例で得られた発光素子のファーフィールド測定により得られた配光パターンを図5及び図6に示す。このとき、測定一回目のピーク角度をピーク角度1とし、ピーク角度1はさらに0°から90°の範囲におけるプラス側ピーク角度と、0°から-90°の範囲におけるマイナス側ピーク角度を含むものとする。同様にして測定2回目から測定4回目までのピーク角度2からピーク角度4を表3に示す。なお、4回の各配光パターンの測定において、ピーク角度がそれぞれ異なるのは、発光素子の電極形状が上記4回の回転に対して非対称であるためである。
Figure 0007455267000004
なお、実施例及び比較例に係る発光素子に対し、それぞれの発光中心波長λを分光器により測定したところ、いずれの発光素子の発光中心波長も340nm±5nmの範囲内であった。
また、実施例に係る発光素子はいずれも、比較例に係る発光素子に比べて発光出力の平均値が高い。すなわち、量子井戸型発光層と反射電極との間のp側半導体層の合計厚さ(L)が、量子井戸型発光層による発光中心波長λ(nm)、p側半導体層の屈折率n、自然数k、量子井戸型発光層からp側半導体層内に向かう光の出射角θに対して、2L/cosθ=λ(2k+1)/2nであり、かつ、出射角θが、透明基板の主面と側面が平坦面であるとした場合に透明基板から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲内である発光素子は、そうでない場合の発光素子と比べて発光出力が高くなることが確認された。また、実施例に係る発光素子のファーフィールド測定による配光パターンの平均ピーク角度は24°以上37°以下であり、出射角θが、透明基板の主面と側面が平坦面であるとした場合に透明基板から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲と概ね一致していた。このように、本発明によれば、大きな発光出力を得られる紫外線発光素子を提供することができるのである。
以上のようにして、大きな発光出力を得られる紫外線発光素子及びその製造方法を提供することができる。
本発明は、紫外線発光素子及びその製造方法に適用できる。
1 :透明基板
10 :p側半導体層
11 :AlN層
100 :紫外線発光素子
2 :バッファ層
21 :第一バッファ層
22 :第二バッファ層
3 :n型半導体層
31 :n型ガイド層
4 :量子井戸型発光層
41 :井戸層
42 :障壁層
5 :i型ガイド層
6 :p型電子ブロック層
7 :p型クラッド層
8 :p型コンタクト層
91 :反射電極
92 :n側電極
200 :受光素子

Claims (6)

  1. 光取り出し面となる主面を有する透明基板と、
    前記透明基板上のAlN層と、
    前記AlN層上のn型半導体層と、
    前記n型半導体層上の量子井戸型発光層と、
    前記量子井戸型発光層直上のp側半導体層と、
    前記p側半導体層直上の反射電極と、を備える紫外線発光素子であって、
    前記透明基板の側面は粗面であって、算術平均高さSaの平均値が2μm以上であり、
    前記p側半導体層の厚さL(nm)は、
    前記量子井戸型発光層による発光中心波長λ(nm)、前記p側半導体層の屈折率n、自然数k、前記量子井戸型発光層から前記p側半導体層内に向かう光の出射角θに対して、下記式(1)
    2L/cosθ=λ(2k+1)/2n・・・(1)
    であって前記自然数kの値が1であり、かつ、
    前記出射角θが、前記透明基板の主面と側面が平坦面であるとした場合に前記透明基板から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲内である、紫外線発光素子。
  2. 前記出射角θが23.6°以上36.8°以下であり、
    ファーフィールド測定による配光パターンの平均ピーク角度が24°以上37°以下である請求項1に記載の紫外線発光素子。
  3. 前記p側半導体層は、
    前記量子井戸型発光層上のp型電子ブロック層と、
    前記p型電子ブロック層上のp型クラッド層と、
    前記p型クラッド層上のp型コンタクト層と、を有し、
    前記n型半導体層、前記p型電子ブロック層、前記p型クラッド層の各層は、水平方向における組成が均一である、請求項1又は2に記載の紫外線発光素子。
  4. 前記p型クラッド層の厚さを前記p型電子ブロック層の厚さで除した値が0.4以上である請求項に記載の紫外線発光素子。
  5. 光取り出し面となる透明基板の主面と反対側の面上に
    AlN層を形成する工程と、
    前記AlN層の上にn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、
    前記n型半導体層の上に量子井戸型発光層を形成する量子井戸型発光層形成工程と、
    前記量子井戸型発光層の直上にp側半導体層を形成するp側半導体層形成工程と、
    前記p側半導体層の直上に反射電極を形成する反射電極形成工程と、
    前記透明基板を個片化する個片化工程と、
    を含む紫外線発光素子の製造方法であって、
    前記個片化工程では前記透明基板の側面を、算術平均高さSaの平均値が2μm以上の粗面にしており、
    前記p側半導体層の厚さL(nm)が、前記量子井戸型発光層による発光中心波長λ(nm)、前記p側半導体層の屈折率n、自然数k、前記量子井戸型発光層から前記p側半導体層内に向かう光の出射角θに対して、下記式(1)
    2L/cosθ=λ(2k+1)/2n・・・(1)
    であって前記自然数kの値が1であり、かつ、
    前記出射角θが、前記透明基板の主面と側面が平坦面であるとした場合に前記透明基板から空気に対して光取り出しされない角度となる範囲内になるように前記p側半導体層を形成する、紫外線発光素子の製造方法。
  6. 前記p側半導体層形成工程は、
    前記量子井戸型発光層の上にp型電子ブロック層を形成するp型電子ブロック層形成工程と、
    前記p型電子ブロック層の上にp型クラッド層を形成するp型クラッド層形成工程と、
    前記p型クラッド層の上にp型コンタクト層を形成するp型コンタクト層形成工程と、
    を含む、請求項5に記載の紫外線発光素子の製造方法。
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