JP5729303B2 - 光変調器モジュール及び光信号の変調方法 - Google Patents

光変調器モジュール及び光信号の変調方法 Download PDF

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Description

本発明は光変調器モジュール及び光信号の変調方法に関し、特にマッハツェンダ型光変調器モジュール及びマッハツェンダ型光変調器モジュールにおける光信号の変調方法に関する。
インターネットや映像配信等の広帯域マルチメディア通信サービスの爆発的な需要増加に伴い、幹線系やメトロ系ではより長距離大容量かつ高信頼な高密度波長多重光ファイバ通信システムの導入が進んでいる。また、加入者系においても、光ファイバアクセスサービスの普及が急速に進んでいる。こうした光ファイバを使用した通信システムでは、光伝送路である光ファイバの敷設コスト低減や、光ファイバ1本当たりの伝送帯域利用効率を高めることが重要である。このため、複数の異なる波長の信号光を多重化して伝送する、波長多重技術が広く用いられている。
波長多重光ファイバ通信システム向け光送信機には、高速光変調が可能で、その信号光波長依存性が小さく、さらに長距離信号伝送時の受信光波形劣化を招く不要な光位相変調成分(変調方式が光強度変調方式の場合)または光強度変調成分(変調方式が光位相変調方式の場合)が極力抑えられた光変調器が要求される。こうした用途には、光導波路型マッハツェンダ(以下MZ:Mach−Zehnder)干渉計に同じく光導波路型の光位相変調器を組み込んだ、MZ光強度変調器が実用的である。現在実用化されているMZ光強度変調器は、印加された電場強度に比例して屈折率が変化する電気光学結晶の代表的な存在であるニオブ酸リチウム(LiNbO3、以下LN)からなる基板表面にチタンを内拡散した、いわゆるプレーナ光導波路回路をベースとするものである。同一のLN基板上に、光導波路型光位相変調器領域及び光導波路型光合分波器領域をモノリシック光集積してMZ干渉計を構成し、さらに光導波路型光位相変調器へ電場を印加するための電極を設けた構造が一般的である。
また、1波長チャンネル当りの伝送容量拡大にあたっては、課題となるスペクトル利用効率および光ファイバの波長分散や偏波モード分散に対する耐性の観点から、通常の2値光強度変調方式に比べて光変調スペクトル帯域幅がより狭い、多値光変調信号方式が有利である。この多値光変調信号方式は、特に今後の需要増加が見込まれる40Gb/sを越える幹線系光ファイバ通信システムでは主流になると考えられる。現在、こうした用途向けに、上述のMZ光強度変調器2個と光合分波器を組み合わせたモノリシック集積多値光変調器が開発されている。現在商用化されているLNベースのMZ光変調器は、その大きさ(電極長:約5cm、モジュール長: 約10〜15cm)や駆動電圧振幅(約5Vp−p)に依然として課題がある。しかし、高速長距離光伝送特性の面でこれを凌ぐ実用的な光変調器が未だ存在しないので、幹線系光ファイバ通信システム用途を中心に、光送信機ユニット等で広く用いられている。
こうした光変調器を用いて、特に変調電気信号の周波数が1GHzを超えるような高周波領域で高速光変調を行う場合、変調電気信号の伝搬波長が、LNベースの光変調器の光位相変調器領域へ電場を印加する手段である電極の長さに対して同程度以下にまで短くなる。このため、この電極の電位分布は、信号光伝搬軸方向で均一と見なすことはできない。よって、光変調特性を正しく見積もるためには、この電極自体を分布定数線路として、また、伝搬させる変調電気信号を進行波として、それぞれ取り扱う必要がある。この場合、光位相変調器領域を伝搬する被変調光信号と変調電気信号との実効的な相互作用長をできるだけ稼ぐために、被変調光信号の位相速度voと変調電気信号の位相速度vmとを可能な限り近づける(位相速度整合させる)工夫を施した、いわゆる進行波型電極構造が必要となる。
光源素子を実現するうえで有用なガリウム砒素(GaAs)やインジウム燐(InP)などのIII−V族化合物半導体を用いて光導波路型の半導体光位相変調器や半導体MZ光変調器を実現する際には、信号光に対する(複素)屈折率が電場強度で変化する媒質をアンドープのコア層として、これをp型/n型それぞれの導電性を有するクラッド層で上下から挟み込んだ、いわゆるp−i−n型ダイオード構造の単一モード光導波路を構成して、これに逆方向バイアス電圧を印加する手法が広く用いられる。
例えば、光ファイバ通信システムで主に用いられる1550nm近傍の波長帯にて実用的なp−i−n型ダイオード構造の単一モード光導波路に、ストライプ状の電極を設ける場合を例として考える。この光導波路を変調電気信号に対する伝送線路として取り扱おうとすると、クラッド層には一般的にn型半導体に比べて導電率の低いp型半導体を用いざるを得ない。そのため、変調電気信号が感じるこの伝送線路の(複素)特性インピーダンス(の絶対値)は20Ω程度となり、マイクロ波回路の代表的な特性インピーダンス(50Ω)の1/2以下にまで低下してしまう。その結果、駆動回路が出力する変調電気信号を伝送線路としての光変調器へ励振する際に、インピーダンス不整合に起因した反射等よる変調周波数帯域の制約や駆動電圧の増加を招く。また、変調電気信号が感じる実効的な複素屈折率n(=c/v、c:自由空間中での光速)も、同じ理由から平均して7前後となり、被変調光信号の実効屈折率no(=c/v、InPの場合には約3.5)との間に約2倍もの差が生じてしまう。
こうした被変調光信号と変調電気信号との間の速度不整合は、両者間の実効的な相互作用長を制約する。そのため、インピーダンス不整合がある場合と同様に、変調周波数帯域の制約や駆動電流の増加を招くという難点がある。このように、p−i−n型ダイオード構造を適用した光導波路型の光位相変調器や電界吸収型光強度変調器において進行波型電極構造を採用する場合には、動作電圧低減や広帯域化を図る上で問題が生じる。
これらの問題に対して、半導体光変調器の積層構造や電極構造を変えることによって、位相速度整合とインピーダンス整合とを両立させようする試みが報告されている。例えば、積層構造をn−SI−i−n型(SI:半絶縁性半導体)などのp型半導体層を用いない積層構造とすることにより、信号光伝搬軸に沿った一様な積層構造を維持したまま、上述の位相速度整合とインピーダンス整合の両立を図る試みが報告されている(非特許文献1)。
また、例えばp−i−n構造の積層構造からなる低インピーダンス領域(変調電気信号の位相速度が遅く、特性インピーダンスが低い領域)と、例えばSI−i−n構造の積層構造からなる高インピーダンス領域(変調電気信号の位相速度が速く、特性インピーダンスが高い領域)と、を変調電気信号の伝搬波長に比べて十分短いある周期で交互に配置する構造が提案されている(非特許文献2)。これによれば、両領域の位相速度及び特性インピーダンスをそれぞれ重み付け平均することで、見かけの位相速度整合とインピーダンス整合との両立が実現できるとしている。
さらに、光変調器の電極を分割した、分割電極構造を有する光変調器が提案されている(特許文献1〜3)。その他にも、変調器に並んだ各分割電極の長さが、ある単位長さの2のべき乗倍である構造が提案されている(特許文献4〜7)。
特開平05−257102号公報 特開平01−237517号公報 特開平02−170142号公報 特開平01−185613号公報 特開平02−168227号公報 特開平03−179939号公報 特開平05−289033号公報
都築健、外6名、「低電圧駆動40Gbit/s半導体マッハツェンダ変調器」、電子情報通信学会技術研究報告、2005年、OPE2005−95 秋山傑、外1名、「容量装荷型進行波電極を有するInP系高速マッハ・ツェンダ変調器」、電子情報通信学会総合大会、2006年、CBS−2−5
一般に、進行波型光変調器の信号光伝搬軸に沿って伝搬する変調電気信号の振幅の包絡線は、図11に示すように指数関数的に減少する。よって、進行波型光変調器の後端に近い領域ほど、光変調動作への寄与は必然的に小さくなる。そのため、たとえ上述の位相速度整合とインピーダンス整合が両立されることにより光変調器長を無限に長く伸ばせたとしても、ある長さを超えた部分は実質的に光変調動作にはほとんど寄与しない。従って、進行波型光変調器の実効的な光変調度はある値で飽和してしまう。光変調度が飽和に達する実効光変調器長Leffは、進行波型電極構造の長手軸に沿って伝搬する変調電気信号の振幅の減衰定数をαとすると、その逆数(1/α)で与えられる。図12は、進行波型電極構造を伝搬する変調電気信号の減衰定数と実効光変調器長Leffとの関係を示すグラフである。
問題は、この減衰定数αの大きさである。進行波型電極に用いられる導電性媒質の導体損は、一般に周波数の1/2乗に比例して増加する。また、光導波路の誘電体損も周波数とともに増加するため、変調周波数が高くなるほど進行波電極の減衰定数は増加する。よって、進行波型電極後端では、変調電気信号に含まれる高周波成分ほど振幅が減少してしまう。これにより、変調電気信号の歪が生じるので、光変調波形にその影響が現れ、光ファイバ中を長距離伝搬させた後の光伝送波形劣化を招くなどの課題が懸念される。こうした進行波型電極での変調電気信号の減衰の影響を抑えるために光変調器を短尺化する場合には、駆動に必要な変調電気信号の振幅の増大は避けられない。比較的高い(2〜8V程度)電圧振幅と数10Gb/sの高速動作とが両立可能なICプロセスは、現在のところGaAsやInP等の化合物半導体を用いたものに限られる。仮に、化合物半導体ベースの駆動回路を用いたとしても、電圧振幅の増加に伴う信頼性劣化はやはり懸念される。現在、40Gb/s級の光ファイバ通信システムが商用化の段階にあるが、こうしたミリ波帯にまで及ぶ高周波域では、減衰定数に占める導体損や誘電体損の割合は支配的であり、変調電気信号の減衰に起因する、進行波型光変調器における特性劣化は今後大きな課題になると考えられる。
このように、導波路型光変調器の広帯域化と駆動電圧低減を目的として考案された進行波型電極構造ではあるが、その効果は上述のように変調電気信号の減衰で必然的に制約されてしまう。この制約は、変調電気信号の減衰対策が特に盛り込まれていない非特許文献1及び非特許文献2で提案されている手法でも同様である。言い換えれば、もし変調電気信号の減衰を抑えるか、またあるいは実効的に減衰を抑えたと同等の効果をもたらす何らかの工夫を電極構造やその駆動回路に施すことができれば、導波路型光変調器の広帯域化と駆動電圧低減は両立可能なことを示唆している。
また、上述の多値光変調方式のうち、帯域利用効率が高いと期待される直交周波数分割多重(以下、OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)変調方式や、直交振幅変調(以下、QAM:Quadrature Amplitude Modulation)方式は、光信号の振幅および位相(あるいは実部と虚部)の双方の組み合わせを複数ビットの変調データと対応させるもので、光変調信号は複素光変調信号となる。つまり、光変調符号の帯域利用効率を上げるということは、信号光の振幅および位相それぞれの設定レベルを多段階にすることである。これはすなわち、こうした複素光変調信号を上述の多値光変調器を用いて生成するにあたっては、その変調電気信号の振幅を任意に設定できなければならないことを意味する。こうした任意振幅のアナログ電気信号を擬似的に発生させる手段としては、その設定分解能に応じたビット数のディジタル−アナログ・コンバータ(以下、DAC:Digital−to−Analog Converter)を用いるのが一般的である。しかし、その変換速度は、内部回路構成等にも依存するが、研究開発レベルでも数GHz程度にとどまる。また、高速なDACほど分解能(ビット数)は荒くなる(減少する)傾向にある。DACの分解能は、数100psec程度のセトリングタイムを実現できるものでは、たかだか4〜6ビット(16〜64段間)程度というのが現状である。加えて、出力可能な最大電圧(あるいは最大電流)振幅も、数GHzクラスの応答速度に対応可能なものでは1V以上のものを期待するのは難しい。
一方、多値光変調方式を導入までして伝送容量拡大を目指すような幹線系光ファイバ通信システムは、1波長チャンネル当りのデータ伝送速度自体が40Gb/sを超えるものを主な対象としている。このような伝送速度に追従して、多値光変調器を駆動できるほど高速なDACを実現すること自体が非常に難しい。また、多値光変調器の駆動に十分な電圧振幅(通常、3.3〜7V前後)を稼ぐためには、DACから出力されるアナログ電気信号を線形に、つまりできるだけ歪が少なく増幅する駆動回路が必要である。しかし、これも同様に数10GHzで高速に変化するアナログ電気信号に忠実に線形増幅することは、増幅素子自体の特性改善や回路上の工夫を施したとしても容易ではない。
特許文献1〜3の例では、各分割電極を駆動する信号を1つの駆動回路の出力電気信号を1:N分岐素子で生成する構成であるが、こうした分岐素子はもともと周波数応答特性を平坦に保ったまま均等に電力分割することが難しく、さらにその分岐電力の出力端子間ばらつきまで重畳されてしまう等の難点がある。また、駆動回路の出力電圧振幅については、N分割による電力減少に加え過剰損失も発生するため、低減どころか逆にこうした減少分を補償するだけ出力振幅を大幅に増加させる必要もあるため、駆動回路の設計および信頼性の面からも不利である。さらに、分割された電極毎に信号光の伝搬に応じた擬似位相整合は可能だが、これら各電極には単に同一の変調電気信号が入力されるだけの構成であるため、多値光変調符号の生成は難しい。
また、特許文献4及び特許文献5の例では、4相の光位相変調光を静的には生成できるが、被変調光信号の伝搬に応じて各分割電極間へ印加される変調電気信号の位相差関係が不明で、高速での動作が疑われる。特許文献6及び特許文献7の例では、分割された各光変調器領域を駆動する変調電気信号の位相補正については開示しているが、時系列データ入力信号をあるパラメータに応じて動的に演算処理し、分割された光位相変調器領域毎に適切な電圧振幅の変調電気信号を印加できるかどうかについては不明である。
よって、特許文献1〜7の例は、いずれも次世代の100Gb/sを超える大容量光ファイバ通信システムの基幹部品である、超高速・低駆動電圧で状況に応じて光変調特性を動的再構成可能な多値光変調器を実現するにあたって解決しなければならない課題を包含しており、実用的ではない。
こうした理由から、次世代光ファイバ通信システムに適用することができる、高速多値光変調が可能な多値光変調モジュールは、未だ開発されるに至っていない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ディジタル信号を入力することにより、進行波構造動作に要する位相速度整合及びインピーダンス整合を維持しつつ任意の多値光変調信号を発生させることが可能な、小型、広帯域及び低駆動電圧の光変調器モジュールを提供することである。
本発明の一態様である光変調器モジュールは、入力される光信号を変調する光変調器と、縦続接続されるm(2≦m、mは整数)個の個別駆動回路と、を少なくとも備え、前記光変調器は、前記光信号を導波させる光導波路と、前記光導波路上に並んで配置される、少なくともm個の導波路型光位相変調器領域と、を少なくとも備え、i(1≦i≦m、iは整数)番目の前記個別駆動回路は、ディジタル入力信号を同期信号に同期して増幅した信号を、i番目の前記導波路型光位相変調器領域に出力する駆動回路と、前記同期信号から分岐された信号に対して少なくとも遅延を与えて出力する移相回路と、を少なくとも備え、j(2≦j≦m、jは整数)番目の前記個別駆動回路には、(j−1)番目の前記個別駆動回路の前記移相回路から出力された信号が前記同期信号として入力されるものである。
本発明の一態様である光信号の変調方法は、縦続接続されるm(2≦m、mは整数)個の個別駆動回路のうち、i(1≦i≦m、iは整数)番目の前記個別駆動回路により、ディジタル入力信号を同期信号に同期して増幅した信号を生成させ、光変調器の光導波路上に少なくともm個形成された導波路型光位相変調器領域のうち、i番目の前記導波路型光位相変調器領域に、前記増幅した信号を駆動回路により出力し、前記同期信号から分岐した信号に対して少なくとも遅延を与えた信号を、移相回路により出力し、j(2≦j≦m、jは整数)番目の前記個別駆動回路には、(j−1)番目の前記個別駆動回路の前記移相回路から出力された信号を前記同期信号として入力するものである。
本発明によれば、ディジタル信号を入力するだけで任意の多値光変調信号を発生させることが可能な、小型、広帯域及び低駆動電圧の光変調器モジュールを提供することができる。
実施の形態1にかかるディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールの構成図である。 実施の形態1にかかるディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールの変形例の構成図である。 実施の形態2にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの構成図である。 実施の形態3にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの構成図である。 実施例4にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの構成図である。 実施の形態4にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの構成図である。 実施の形態5にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの構成図である。 実施の形態6にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの個別駆動回路の構造を示す構造図である。 実施の形態7にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの構成図である。 実施の形態7にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの変調光信号スペクトルを表したグラフである。 実施の形態7にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの変調光信号スペクトルを表したグラフである。 実施の形態7にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールの変調光信号スペクトルを表したグラフである。 通常の進行波型電極構造を有する光変調器における電極での変調電気信号の減衰を示すグラフである。 通常の進行波型電極構造を伝搬する変調電気信号の減衰定数と実効光変調器長Leffとの関係を示すグラフである。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールである、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100の構成図である。以下、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100の構成について説明する。図1に示すように、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100は、ディジタル分割電極構造光変調器1及び2つの集積回路2aにより構成される。
ディジタル分割電極構造光変調器1は、2本の単一モードの半導体光導波路11及び2入力2出力の光合分波器12を有するMZ干渉計構造を有する。図1に示すように、左側から信号光Inputが入力され、右側から出力信号Outputとモニタ出力Monitorが出力される。MZ干渉計における1対の遅延経路となる2本の半導体光導波路11のそれぞれには、ディジタル分割電極構造光位相変調器13が形成されている。
半導体光導波路11は、コア層及びコア層を上下から挟み込むクラッド層を有する。半導体光導波路11では、コア層(図示せず)に電場を印加することにより、あるいは電流を注入することにより、コア層を伝搬する信号光が感じる屈折率を変化させることができる。また、半導体光導波路11には、ディジタル分割電極構造光変調器1の両劈開端面近傍にて水平テーパ構造スポットサイズ変換器(図示せず)が設けられ、両劈開端面には低反射膜(図示せず)が形成されている。
ディジタル分割電極構造光位相変調器13は、半導体光導波路11の微小区間を画すようにn個(n>2、nは整数)の導波路型光位相変調器領域14に分割されている。例えば、ディジタル分割電極構造光位相変調器13は2のべき乗個、すなわちn=2個(h>2、hは整数)の導波路型光位相変調器領域14に分割できる。図1は、h=3の場合ついて示している。互いに隣接する導波路型光位相変調器領域14の間は、例えばヘリウムやチタンなどの導電性を阻止する元素が半導体にイオン注入されることにより、電気的に分離されている。
集積回路2aは、m(m≦n、mは整数)個の個別駆動回路21及びm個の終端器22により構成される。図1では、m=(2−1)個の場合について示している。個別駆動回路21は、分岐23、駆動回路24及び移相回路25により構成される回路ブロックである。分岐23は、入力されたクロック信号CLKを2分割する1入力2出力の分岐である。
駆動回路24は、分割されたクロック信号CLKの一方に同期して、識別したディジタル入力信号D〜Dをそれぞれ対応する導波路型光位相変調器領域14へ出力する。駆動回路24の出力段は遅延、振幅調整、バイアス調整及び波形整形の機能を有し、これらの機能を外部からの電気信号(図1の信号C〜C)で制御することができる。駆動回路24のこれらの機能は、例えば図1に示すように、D−フリップフロップ回路(D−FF回路)を応用することで実現可能である。
移相回路25は、分割されたクロック信号CLKの他方を、後段の個別駆動回路21へ出力する。移相回路25は、同様に、遅延、振幅調整及び波形整形の機能を有し、駆動回路24と同様に、これらの機能を外部からの電気信号で制御できる。
入力側から数えて1番目の導波路型光位相変調器領域14には、被変調光信号の位相のオフセットを調整するためのオフセット信号Offsetが入力される。また、入力側から数えてi番目(2≦i≦m=2−1、iは自然数)の個別駆動回路21の信号出力と、(i+1)番目の導波路型光位相変調器領域14と、はそれぞれ駆動信号配線3によって接続されている。
入力側から数えて最後段の個別駆動回路21には、各個別駆動回路21を伝達されてきたクロック信号を終端する終端器26が、接地電位との間に接続されている。
駆動信号配線3と共通グラウンド(図示せず)との間には、信号出力の反射による波形歪や帯域劣化を抑えるため、終端器22が接続されている。なお、終端器22のインピーダンスは、接続される個別駆動回路21の出力インピーダンスと整合されている。
光合分波器12と、光合分波器12と隣接する導波路型光位相変調器領域14と、の間を滑らかに繋ぐ半導体光導波路11aは、電位VFIXの電位固定手段4に接続されている。これにより、光合分波器12及び半導体光導波路11aは外部定電圧源へ接続され、駆動信号の大小に関わらず一定電位に保たれる。これは、光合分波器12及び半導体光導波路11aに漏れ出した変調信号成分により、光合分波器12及び半導体光導波路11aが光変調へと寄与してしまい、変調周波数応答特性が低周波域で増加する現象を抑えるためである。
次に、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100の動作について説明する。ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100に入力されるクロック信号CLKは、まず分岐23で2分割される。分割されたクロック信号CLKの一方は、個別駆動回路21のクロック信号入力へ導かれる。個別駆動回路21は、この分割されたクロック信号CLKに同期して、ディジタル入力信号D〜Dを論理識別し、その結果に応じて該導波路型光位相変調器領域14を駆動する。
また、分割されたクロック信号CLKの他方は、移相回路25を介して、次段の個別駆動回路21へと導かれる。これを繰り返すことにより、(2h−1)個の個別駆動回路21は、それぞれに接続された導波路型光位相変調器領域14を順番に駆動することが可能になる。
なお、クロック信号CLKが移相回路25を1段通過するのに要する時間が、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100に入力される被変調光信号が導波路型光位相変調器領域14を1段通過するのに要する時間と等しくなるように、移相回路25の遅延が調整される。または、それぞれの駆動信号配線3の遅延時間が一定となるように、駆動回路24の遅延が調整される。例えば、i番目の個別駆動回路21における移相回路25の遅延は、(i−1)番目の導波路型光位相変調器領域14及びi番目の導波路型光位相変調器領域14のそれぞれの中間点を結ぶ距離を、信号光が通過する時刻の差にほぼ等しくすることにより実現される。これにより、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100での擬似進行波動作が実現される。よって、位相速度整合とインピーダンス整合という、導波路型光変調器の積層構造設計から見て互いに相反する制約を1つ減らせることとなり、向上した設計自由度を位相速度・インピーダンス整合とは別の設計項目へ振り向けることが可能となる。
本構成では、複数の導波路型光位相変調器領域14のそれぞれに対して、対応する個別駆動回路21が設けられている。そのため、特に変調周波数が高くなった際に、既存の光変調器において懸念される、光位相変調器領域の後端へ向かうにつれて変調電気信号の振幅が低下する課題も克服できる。これにより、被変調光信号の減衰がシステム構成上許される範囲内で光変調器領域を多段縦続接続することができるので、進行波型光変調器の実効光変調器長1/αの制約を越えて光変調器を長尺化できるようになる。
また、分割された光変調器領域1段あたりの光変調度を比較的小さく抑えられるので、駆動電圧の低減を図ることが可能となる。よって、広帯域化との両立が難しく信頼性の面でも課題の多い大振幅の駆動回路が不要となる。これは、個別駆動回路の出力段に用いられるトランジスタの出力電流を比較的小さく抑えることに繋がり、動作速度の向上、駆動信号波形歪の抑制、さらには高信頼化の観点からも有利である。
このように分割された導波路型光位相変調器領域14の容量が小さく、それぞれ集中定数回路素子(集中定数型光変調器)と見なせ、かつ個別駆動回路21と導波路型光位相変調器領域14とを接続する配線が、変調電気信号の周波数における伝搬波長に比べて十分短い場合、終端抵抗の値およびその形成位置そのものの自由度も拡大できる。抵抗値に関しては例えば、周波数帯域の所要が50GHzで一方50Ω終端時のCR積から見積られる周波数帯域がもし100GHzという具合に2倍の余裕を持って設定できる場合、終端器の抵抗値を2倍の100Ωにすると、駆動回路の出力段トランジスタの出力電流を同一とすれば出力電圧振幅を2倍にすることができる。また、駆動電圧を同一に保ったまま駆動電流を1/2に抑えることも可能になる。前者は、出力段トランジスタの動作電流密度を下げて高信頼化に繋がり、後者は出力段トランジスタを小型化して素子容量低減による高速動作に繋がり、動作速度の余裕度をこれらのいずれかに振り向けることも可能である。さらに、終端器でのジュール損失(すなわち発熱)は駆動電流の2乗および抵抗に比例するため、駆動電流の半減で発熱量は1/2に抑えられる。これは、駆動回路を構成する素子にとって信頼性上好ましいことは言うまでもない。また、高周波特性の面では有利だが温度特性への懸念から、通常は見送らざるを得なかった、終端器を駆動ICや光変調器の上に直接形成(いわゆるオンチップ終端)する形態とすることができ、高周波特性改善の点からも有利と考えられる。一方、終端器も実効的に集中定数回路素子のように取り扱えるようになるため、個別駆動回路上や光変調器上あるいはこれらの中間のいずれに終端器を配置しても、この位置が周波数応答特性に与える影響は実用上支障の無い程度に抑えられ、結果として回路構成の観点からモジュール実装形態の自由度を高めることができる。
また、入力側から数えて、例えばi番目の導波路型光位相変調器領域14で光位相変調を行うか否かについては、これに接続されているi番目の個別駆動回路21に入力されるディジタル入力信号Dにより指定する。この場合、それぞれの導波路型光位相変調器領域14が同一長であり、それぞれの導波路型光位相変調器領域14で被変調光信号が受ける移相量も等しいとすると、被変調光信号が受ける全移相量は、ディジタル入力信号Dにて光位相変調を行うよう指定した導波路型光位相変調器領域14の個数に比例する。
また、k番目(1≦k≦n、kは整数)のディジタル入力信号Dkで、これらのうち2(k−1)個の個別駆動回路21を同一論理でグループ駆動することにより、(n−1)本のディジタル入力信号により、被変調光信号の全移相量を離散的に指定できる。これにより、ディジタル−アナログ変換器において、アナログ電気信号出力を光の位相に置き換えることに相当する機能を実現することができる。
ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100のように、上述のディジタル分割電極構造光位相変調器13が、MZ干渉計の1対の遅延経路のそれぞれに形成される構成では、被変調光信号の複素振幅の組み合わせを22n通り指定できる。これによれば、アナログ電気信号を直接印加すること無く、ディジタル信号により多値光変調を実現することが可能である。なお、例えば、図1の入力側から数えて1番目の導波路型光位相変調器領域14のように、駆動する必要のない導波路型光位相変調器領域14の電極に別途電圧信号を印加することで、移相量のオフセット調整を行うことが可能である。
なお、このように分割された各電極(光変調器領域)がそれぞれ集中定数回路素子(集中定数型光変調器)と見なせる場合には、一般にその変調周波数帯域の目安はこれら各光変調器領域の容量と終端抵抗の積(CR積)で与えられる。本発明では、分割数にほぼ反比例してこの容量が減少することから、分割された各光変調器領域は比較的容易に100GHzを超える変調周波数帯域を実現できると考えられ、高速動作の観点から有利である。
さらにまた、上述のとおり駆動電圧振幅の低減が図れるので、CMOS−IC(Complementary Metal Oxide Semiconductor ― Integrated Circuit)やSiGe−HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)−ICなどの、低電圧振幅ではあるが量産性・高均一性・高集積性に優れる半導体プロセス技術により駆動回路を製造することが可能となる。よって、高速ではあるものの、駆動電圧が高く、量産性や集積性に劣る既存のGaAsやInPなどのIII−V族化合物半導体ベースの駆動回路を用いる場合に比べて、小型化・低コスト化・低消費電力化など観点から有利である。また、光源素子を集積して部品点数を削減することにより、さらなる低コスト化に繋げることも可能である。
加えて、本構成により駆動電圧振幅が低減できると、半導体光変調器の基本変調原理であるFranz−Keldysh効果や量子閉じ込めStark効果といった現象が示す、印加電場に対する非線形な(複素)屈折率変化が比較的小さい(より線形な)領域で動作させることが可能になる。これにより、LNベースの光変調器に比べて波長チャーピングが大きく、光ファイバ伝送特性の観点から不利とされる化合物半導体ベースの半導体光変調器素子を用いても、LNベースの光変調器と比べて遜色ない特性を実現できる。
すなわち、本構成によれば、光位相変調器領域を分割してこれらを個別に駆動する手段を設けている。これにより、通常の進行波電極構造において、これを伝搬する変調電気信号が減衰してしまう現象を実効的に抑制することができる。よって、本構成によれば、進行波型光変調器が本質的に抱える、高速光変調時の光変調効率の飽和という課題を解決することができる。
さらに、本構成によれば導波路型光位相変調器領域をn個に分割することにより、それぞれの寄生容量もほぼ1/nに減少する。これにより、導波路型光位相変調器領域1段あたりの変調周波数帯域が大幅に向上する。よって、高速光変調を行うのに有利である。また、本構成は、分割された各導波路型光位相変調器領域での変調電気信号の損失の問題を事実上無視できる構造である。そのため、上述のとおり光(位相)変調に寄与する位相変調器領域の全長を長くすることが可能である。従って、これに反比例して各導波路型光位相変調器領域が担う1段あたり移相量を得るのに必要な駆動電圧を低減できるので、低電圧駆動を行うのに有利である。
なお、分割電極構造光位相変調器は、これを通過する信号光に対してある離散的な移相をディジタル制御で与える機能を実現できるが、単独では信号光の振幅の絶対値までは制御できない。その場合には、MZ干渉計の1対の遅延経路のそれぞれにこの分割電極構造光位相変調器を組み込んだ分割電極構造MZ多値光変調器とすることで、複素平面上の半径1の円内の任意の複素光振幅を生成可能となる。また、無線通信などで広く用いられているI−Q直交変調(I:In−Phase, Q:Quadrature−Phase)を光に対して行うI−Q光変調器を構成するにあたっては、この分割電極構造MZ多値光変調器を2個1組用意し、同一の光源から出力された被変調光信号を2分岐してそれぞれをIチャンネル、Qチャンネルの変調電気信号で光変調し、それぞれの変調信号光を互いにπ/4の位相差で合波させれば良い。
また、図2は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100の構成転換例であるディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール101の構成図である。ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール101は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100における集積回路2aを集積回路2bに置き換えたものである。集積回路2bは、入力側から数えて1番目の導波路型光位相変調器領域14にも個別駆動回路21が接続されている。このディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール101でも、入力側から数えて1番目の個別駆動回路21を適宜操作することにより、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100と同様に、被変調光信号の位相のオフセットを調整することが可能である。
実施例1
実施例1は、実施の形態1にかかるディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100についての動作検証例である。
本実施例では、ディジタル分割電極構造光変調器1の半導体光導波路11はFeドープInP半絶縁性基板(図示せず)上に形成されている。FeドープInP半絶縁性基板上には、コア層及びコア層を上下から挟み込むクラッド層が形成されている。コア層は、アンドープAlGaInAs多重量子井戸層(井戸層数12、井戸層厚10nm、障壁層厚8nm、遷移波長1400nm)と、アンドープAlGaInAs多重量子井戸層の上下に形成されたアンドープInGaAsP光閉じ込め層(波長組成1300nm、厚さ20nm)とにより構成され、いわゆる分離閉じ込めヘテロ構造を有する(いずれも図示せず)。また、クラッド層は、p型およびn型のInPからなる。半導体光導波路11は、アンドープAlGaInAs多重量子井戸層に電場が印加されると、量子閉じ込めStark効果を通じて、ここを伝搬する1550nm帯の信号光が感じる(複素)屈折率が変化する性質を有する。光合分波器12は、半導体光導波路11と同様の積層構造を有する、2入力2出力のMMI(Multi Mode Interference)合分波器である。
複数個存在する個別駆動回路21は、SiGe−HBTプロセスを用いて、まとめて同一半導体基板上にモノリシック集積されており、50Gb/sを超えるクロック信号CLKに追従して動作することができる。駆動信号配線3はストリップ線路により構成され、その特性インピーダンスは50Ωである。終端器22の抵抗値は、50Ωである。
それぞれの導波路型光位相変調器領域14は、直列抵抗5Ω、素子容量は0.07pF以下で、単体での周波数応答帯域は55GHzであった。なお、駆動する必要のない導波路型光位相変調器領域14は、その電極に別途電圧信号を印加することにより、移相量のオフセット調整に用いた。それぞれの導波路型光位相変調器領域14を振幅0.7Vppの電気信号で駆動することにより、TE(Transverse Electric)基本モードで入射された波長1550nmの被変調光信号に対して、π/16の位相変化を与えることができた。
さらに、被変調光信号が導波路型光位相変調器領域14を1段通過するのに要する時間およびクロック信号が個別駆動回路21を1段通過するのに要する時間が一致するように、移相回路25の遅延を調整した。これにより、実効的な変調周波数応答帯域が50GHzを超える擬似進行波動作を実現した。その結果、本構成により、良好なアイ開口を有する実用的な50Gb/s−NRZ(Non Return to Zero)光変調特性を実現した。
実施の形態2
次に、実施の形態2にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200について説明する。図3は、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200の構造図である。図3に示すように、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100における集積回路2aを、集積回路2cに置き換えたものである。集積回路2cは、集積回路2aと比べて、駆動したい導波路型光位相変調器領域を2(m−1)段ずつ選択できるように、ディジタル入力信号の入力インターフェースが変更されている。
2段目の導波路型光位相変調器領域14と接続される個別駆動回路のD端子には、たとえばオフセット信号Offsetが入力される。そして、以降の段には、ディジタル入力信号D〜Dが入力される。
前述のOFDMやQAM、あるいは光PSK(phase shift keying)変調またはDPSK(Differential phase shift keying)や、光QPSK(Quadrature phase shift keying)変調またはDQPSK(Differential quadrature phase shift keying)では、被変調光信号に与える移相量を、π/2(n−1)毎に制御できると都合が良い場合がある。このため、分割された導波路型光位相変調器領域14を、1段分、2段分、4段分、・・2(n−1)段分とグループに区分し、グループごとにまとめて駆動できるように、駆動回路のディジタルデータ入力の前段に、1入力2(n−1)出力のファンアウトが設けられている。その他の構成は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100と同様であるので、説明を省略する。
これは、MZ干渉計の一対の遅延経路に組み込まれた1本のディジタル分割電極光位相変調器に注目すると、前述のようにちょうど電子回路におけるディジタル−アナログ変換器のアナログ電気出力を信号光の位相に対応させた場合と同様の動作を実現するものである。
続いて、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200の動作について説明する。ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200は、k番目のディジタル入力信号Dで、これらのうち2(k−1)個の個別駆動回路21を同一論理でグループ駆動することにより、k本のディジタル入力信号で被変調光信号の全移相量を離散的に指定できる。これは、ディジタル−アナログ変換器において、アナログ電気信号出力を光の位相の置き換えたのと同じ働きを実現するものである。
本構成によれば、このグループ駆動の組合せを2進数に置き換える機能を実現することができる。これにより、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200を利用する際には、グループ駆動したい導波路型光位相変調器領域14の具体的な位置と数を意識することなく、π/2(n−1)の移相量の組合せにだけ着目して、ディジタル的に多値光変調を実現することが可能となる。
なお、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100と同様に、駆動する必要のない導波路型光位相変調器領域14の電極へ電圧信号を別途印加することにより、移相量のオフセット調整を行うことができる。
実施例2
実施例2は、実施の形態2にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200についての動作検証例である。実施例2におけるディジタル分割電極構造光変調器1及び個別駆動回路21の構成は、前述の実施例1と同様である。
本構成において、25Gb/sのクロック入力信号に合わせてディジタル分割電極多値光変調器のデータ入力端子2本のそれぞれに、独立な25Gb/s−NRZのディジタル電気信号を入力したところ、波長1550nmの信号光に対して位相誤差と振幅誤差が理想的に抑制された、良好な25GBaud/s(1Baud=2bit相当)の光QPSK変調を実現した。
実施の形態3
次に、実施の形態3にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300について説明する。図4は、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300の構造図である。図4に示すように、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100における集積回路2aを、集積回路2dに置き換えたものである。
集積回路2dでは、ディジタル分割電極構造光位相変調器13は、例えば256個の導波路型光位相変調器領域14に分割されている。個別駆動回路21は、それぞれ演算回路5と接続されている。演算回路5には例えば8本のディジタル入力信号D〜Dが入力され、これらに基づく演算結果に応じて、ディジタル分割電極構造光位相変調器13に設けられた256個の導波路型光位相変調器領域14を駆動するディジタル信号を生成する。その他については、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100と同様であるので説明を省略する。
続いて、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300の動作について説明する。ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300では、演算回路5が、予めプログラムされているパラメータと入力されるディジタル入力信号に基づき、各導波路型光位相変調器領域14を制御する。ここでいうパラメータとは、例えば、被変調光信号の強度・波長・環境温度依存性やこれらの経時変化、光ファイバの伝送特性の経路・距離依存性(波長分散、偏波分散など)、製造ばらつきによる該導波路型光位相変調器領域の光変調特性、光受信器側の受信感度など、本ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールモジュールが実際に使用される環境・条件下において光ファイバ伝送特性を左右するこれら物理量の補正係数であるか、様々な多値光変調符号を生成する際の演算アルゴリズムで用いられる各多値光変調方式に固有の係数である。
本構成では、ディジタル処理を行う演算回路5を設けていることにより、アナログ回路を用いることなく、上述のような処理(光信号強度・波長依存性や環境温度依存性、素子の光変調特性ばらつき、およびこれらの経時変化等の補償、あるいは多値光変調符号化の変更)の切り替えができる。すなわち、ハードウェアの変更や調整を伴うことなく、演算回路5へ入力するパラメータをソフトウェア的に書き換えるだけで上述の処理を実現することができる。
従って、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300を適用した光ファイバ通信システムの製造・出荷時における検査・調整作業の大半を自動化することが可能となる。さらに、通常なら製造検査工程において特性規格外れ等でふるい落とされてしまっていた特性不良品でも、こうした不具合を補償する演算パラメータを予め抽出してファームウェアとして提供することにより、所要を満足する合格品として救済する道を拓くことが可能となる。
また、光変調符号毎に異なる品種の駆動回路(論理演算回路も含む)を用意する必要がない。そのため、1品種で多様な用途に適用することが可能であり、棚卸しコストの大幅な圧縮、品種が絞り込まれることによる量産効果などの、大幅なコスト低減が期待できる。
さらに、実使用時の運用形態変更(光ネットワークの伝送経路や波長の切り替えなど)に伴う最適動作状態への調整(最適な光変調波形を生成するために従来なら必要であった面倒な電圧振幅調整などの作業)にも柔軟かつ効率的に対応ができるので、運用コストの低減も期待できる。
すなわち、本構成によれば、製造・検査・運用までを含む包括的なコスト削減効果を期待することができるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールやこれを適用した光ファイバ通信システムを実現することが可能である。
なお、量産性や集積性に優れるCMOS−ICやSiGe−HBT−ICでは、動作速度の制約から、10Gb/sを超えるディジタル入力信号を演算によって高速に生成するような回路の実現は技術的に難しかった。しかし、現在50Gb/s級の高速ディジタル信号を扱うディジタル信号処理プロセッサ(以下、DSP:Digital Signal Processor)の開発が進められており、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300が行う演算処理を、10Gb/s以上の速度で処理できるICも実現できるレベルにある。従って、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300は、上述の動作を十分高速に行うことが可能である。
実施例3
実施例3は、実施の形態3にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300についての動作検証例である。本実施例に係るディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300は、基幹系光ファイバ通信システムへの実用化が進められつつある(差動)直交位相偏移変調((D)QPSK)、直交周波数分割多重方式(OFDM)や直交振幅変調方式(QAM)のような多値光変調において、多値光変調(シンボル)に1対1で対応する複素光振幅を、ディジタル入力信号から生成する機能を有するものである。
演算回路5は、8本のディジタル信号入力を備える。演算回路5には、高速DSPを用いた。この高速DSPは、ゲート長45nmのCMOSプロセスで製造されたものであり、16ビットデータの積和演算を毎秒500億回処理できる。また、演算により生成された256本のディジタル出力信号を、振幅調整と波形整形も行いながらある一定の遅延をかけて順次256本の端子へ出力する機能も有する。導波路型光位相変調器領域14は、演算回路5が生成した256本のディジタル出力信号(0.4Vpp)で直接駆動できる。その他については、前述の実施例1と同様であるので、説明を省略する。
本構成において、演算回路5に与える演算パラメータをプログラムで書き換えることにより、ハードウェアの交換やアナログ電子回路の調整等を行うことなく、100Gb/s−光QPSK変調、100Gb/s−光DQPSK変調、100Gb/s−光OFDM変調及び100Gb/s−光QAM変調などを自由に行うことができた。
また、ディジタル分割電極構造光位相変調器13の光変調特性の光強度依存性・波長依存性・動作温度依存性を抽出して、演算回路5へ与える演算パラメータを導出した。これに基づいて、動作条件・環境の変化に応じて演算パラメータを動的に書き換えたところ、25℃〜85℃の広い温度範囲にわたって、被変調光信号の光強度依存性や波長依存性が実用上無視できる程度に抑制できた。従って、非温調動作を通じた消費電力低減にも有効であることを確認した。
実施例4
実施例4は、実施の形態3にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールを、ディジタル分割電極構造半導体直交多値光変調器とCMOS−ICにて動作検証したものである。図5は、本実施例に係るディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301の構成図である。ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301は、図5に示すように、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300におけるディジタル分割電極構造光変調器1を、ディジタル分割電極構造光変調器6に置き換えた。また、2つの集積回路を、4つの演算回路5に置き換えた。この演算回路5は、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300と、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301と、で共通である。
ディジタル分割電極構造光変調器6には、4つのディジタル分割電極構造光位相変調器13を設けた。また、その両端には、4出力4入力の光合分波器15を設けた。ディジタル分割電極構造光位相変調器13は、実施例3と同様に、256個の導波路型光位相変調器領域14に分割される。
すなわち、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301は、被変調光信号に対して多値光変調の基本となる光直交変調(光I/Q変調)を行うことができる。
このディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301により動作検証を行ったところ、実施例3に係るディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300と同様の機能を実現できた。
なお、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301では、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300と異なり、光直交変調(光I/Q変調)を行うことができる。これにより、変調信号光の複素振幅の実部および虚部を独立にディジタル入力信号と対応させることができるため、無線通信で培われた多値変調技術の知見を多値光変調へと応用する観点から、有用である。
実施の形態4
次に、実施の形態4にかかるディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール400について説明する。図6は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール400の構造図である。図6に示すように、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール400は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100におけるディジタル分割電極構造光変調器1及び集積回路2aを、ディジタル分割電極構造光変調器7及び集積回路2eに置き換えたものである。
ディジタル分割電極構造光変調器7は、2本の単一モードの半導体光導波路11及び2入力2出力の光合分波器12を有するMZ干渉計構造を有する。MZ干渉計における1対の遅延経路となる2本の半導体光導波路11のそれぞれには、ディジタル分割電極構造光位相変調器16が形成されている。
ディジタル分割電極構造光位相変調器16は、半導体光導波路11の微小区間を画すように、n個の導波路型光位相変調器領域A〜Aに分割されている。ここで、入力側からi番目の導波路型光位相変調器領域Aは、1つ前の(i−1)番目の導波路型光位相変調器領域A(i−1)と比べて、その導波方向における長さは2倍である。つまり、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール400における導波路型光位相変調器領域は、出力側へ行くにしたがって、その導波方向における長さが、2のべき乗倍で増加する。なお、図1は、n=4の場合ついて示している。
集積回路2eは、例えば(n−1)個の個別駆動回路21及び(n−1)個の終端器22により構成される。図1では、n=4なので、個別駆動回路21及び終端器22は3個ずつ設けられている。その他の構成は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100と同様であるので、説明を省略する。
続いて、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール400の動作について説明する。ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール400は、導波路型光位相変調器の導波方向における長さを、ある単位長さの2のべき乗倍とすることによって、図3に示すディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200のデータ入力段にファンアウトを設けることにより、2のべき乗個の個別駆動回路(導波路型光位相変調器領域)を同一データで駆動していたのと、同様の動作を行うことができる。
よって、被変調光信号が受ける総移相量を、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200と同一に維持しつつ、個別駆動回路21及び駆動信号配線の設置数を、2個からm個に削減することができる。
本構成においては、個々の導波路型光位相変調器領域の光変調周波数帯域はそれぞれの長さに依存することが考えられるため、各導波路型光位相変調器領域を透過する間に被変調光信号が受ける移相の周波数特性にも長さ依存性が現れることが予想される。そうした場合、この長さ依存性を補償するために個別駆動回路毎に周波数特性を最適調整する回路上の工夫が必要な場合も生じ得る。また、導波路型光位相変調器領域の長さの上限も変調電気信号の変調速度で制約される。
こうした理由から、本実施の形態の構成は、非変調光信号へ与えるべき総移相量の状態数が少ない(例えば0°、90°180°、270°の4値だけなど)場合や、微細化が進むことによって個別駆動回路の面積に比べて無視できなった電極パッド面積を、その数を減らすことで集積回路のチップサイズを抑え低価格化を図りたい場合、また1シンボルあたりの多重度(帯域利用効率)が高くそれゆえ光変調速度自体を比較的抑えやすい光OFDMや光QAMなどの多値光変調信号を生成したい場合などに有効である。
本構成によれば、アナログ量、つまり電圧振幅が一定ではない駆動信号を印加することなく、各導波路型光位相変調器領域に一定振幅のディジタル駆動信号を印加するだけで、導波路型光位相変調器領域毎に2のベキ乗倍の移相を入力信号光に与えることが可能となる。信号光の複素振幅は重ね合わせの原理に従うため、多値光変調に必要な光信号の全移相は、各導波路型光位相変調器領域を構成する光導波路に単に被変調光信号を通過させるだけで、光領域で簡単に加算して行くことが可能である。その際、ディジタル駆動信号を印加する導波路型光位相変調器領域を適宜選択する手段が設けられていれば、必要となる全移相を外部からプログラムしているのと同じ働きを実現できる。
このように、アナログ電気信号を出力する代わりにディジタル電気信号だけを出力する同一の駆動回路を複数集積したり、かつこの駆動回路からディジタル電気信号を出力する/しないという選択をプログラムしたり、これら駆動回路がディジタル電気信号を出力するタイミングを一定の同期信号に従って制御したりする回路は、上述のCMOSやSiGe−HBTプロセスを応用したICとの親和性も極めて高い。そのため、駆動回路そのものの小型・低電力化・低コスト化、さらには多機能化も期待できる。
こうした特徴を活かして、例えば光変調器モジュールの固有の温度特性や、変調光波形調整、光変調特性の波長依存性の補正、誤り訂正符号の付加、光変調器素子自体の製造ばらつきを、演算で静的・動的に補正することも可能になる。これにより、素子の歩留まり改善や最適駆動条件の調整作業の自動化、実使用下での特性調整、機能のアップグレードなどがプログラム変更一つで容易に実現できることに繋がり、コスト低減や可拡張性の観点からも有利である。
実施例5
実施例5は、実施の形態4にかかるディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールを、ディジタル分割電極構造半導体多値光変調器とCMOS−ICにて動作検証したものである。実施例5では、図6に示すディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール400において、ディジタル分割電極構造半導体多値光変調器の導波路型光移相変調器領域の長さを、入力側からそれぞれ100μm、200μ、400μmと、単位長さ100μmの2のべき乗倍の長さの組み合わせとしたものである。これにより、実施例1または実施例2と比較して、個別駆動回路21の数を7個から3個へ削減できた。よって、駆動信号配線3の数と終端器22の数も、同様に7個から3個へ削減できた。そのため、実施例2におけるような、各個別駆動回路のデータ入力前段に設けられていたファンアウトは省くことができた。また、積層構造については、多重量子井戸構造の波長組成を変えることにより、遷移波長を1430nmとした。これらの工夫により、集積回路2eのチップサイズは、実施例2の集積回路2cと比べて1/2に抑えることができた。
本実施例では、多重量子井戸層の波長組成を1430nmとして、実施例2に係る1550nmよりも長波に設定した。これにより、印加電圧に対して波長1550nmの信号光が感じる屈折率変化の割合を、実施例2のそれに比べて2倍とした。よって、実施例2にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200において実現可能な変調特性と、同一の変調特性を実現できた。
実施の形態5
次に、実施の形態5にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500について説明する。図7は、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500の構造図である。図7に示すように、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100における集積回路2aを、集積回路2fに置き換えたものである。その他の構成は、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100と同様であるので説明を省略する。
集積回路2fは、集積回路2aにおける移相回路25を、1本の伝送線路27で置き換えた構成を有する。集積回路2fのその他の構成は、集積回路2aと同様であるので、説明を省略する。
続いて、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500の動作について説明する。例えば、ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100において、互いに隣接する個別駆動回路21間の遅延時間を規定している移相回路25に能動素子を用いた場合、遅延時間を電気的に可変調整できる利点がある。一方、この遅延時間に、製造プロセス等に起因した製造ロット間ばらつきや基板面内ばらつきが現れる恐れがある。また、遅延時間に温度依存性が現れる恐れもある。その結果、光変調特性へ悪影響を及ぼすことが懸念される。
一方、本構成では、単純な伝送線路27を用いているので、移相回路に能動素子を含まない構成を有している。この場合、遅延時間は、伝送線路27の長さを同期信号の伝搬速度で除した値となる。本構成では、この伝送線路自体の伝搬速度(遅延時間)を電気的に制御することはできないものの、伝搬速度(遅延時間)の動作温度依存性および製造プロセスに起因したばらつきの影響を、両方共に実用上無視できる程度に抑えられることが期待できる。伝送線路27での伝搬速度は、その断面構造にも依存するが概ね10fsec/μmであり、遅延時間はこの伝送線路の長さに比例する。このため、伝送線路27の長さを0.1μm精度でレイアウト設計すれば、遅延時間のばらつきを約1fsecに収めることができる。これは、能動回路の動作速度のばらつきに比べて約2桁小さく、実用上無視できる程度に小さい。
実際の構成は、(N−1)個縦続接続された伝送線路間に分岐回路を挿入した構成としてもよい。また、分岐回路の設計が容易にするため、(N−1)個の伝送線路の全てを、継ぎ目の無いように1本に繋げる。そして、ある間隔毎に高入力インピーダンスのバッファ回路をシャント接続して、同期信号(クロック信号)を取り出す構成としても良い。なお、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500の基本動作は、前述のディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール100のそれと基本的に同一であるので、説明を省略する。
なお、本構成では移相回路(伝送線路27)の遅延時間を電気的に制御することは出来ないが、こうした制御機能が備わっている方が実用的であることは言うまでもない。この制御機能は、個別駆動回路21に与える同期信号(クロック信号)の位相を変化させることにより比較的容易に実現できる。そのためには、変調電気信号の同期信号(クロック信号)の位相に対して遅延時間のずれ幅に比例した位相だけ異なる、各個別駆動回路21専用のクロック信号を別途生成する必要がある。その手段としては、例えば位相補間回路(Phase Interpolator)を応用して電圧可変位相シフタを構成し、クロック信号の位相を電気的に制御すれば良い。こうした位相補間回路は、駆動回路と同一半導体基板上へモノリシック集積が可能なことは言うまでもない。
実施例6
実施例6は、実施の形態5にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールを、ディジタル分割電極構造半導体多値光変調器とCMOS−ICにて動作検証したものである。実施例6では、図7に示すディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500において、移相回路(伝送線路27)がCMOS−IC上にモノリシック集積されたマイクロストリップ線路で構成されている。なお、移相回路を成す伝送線路としては、マイクロストリップ線路以外にも、コプレーナ導波路等のマイクロ波回路で広く用いられている伝送線路であれば適用可能である。伝送線路27には、それぞれの個別駆動回路21に適切な遅延時間でクロック信号を与えられるよう、入力端から伝送線路27へ励振されたクロック信号がこの遅延時間に到着する位置に、高入力インピーダンスのバッファ回路29がシャント接続されている。なお、このバッファ回路29には、電圧可変位相補間器(図示せず)が内蔵されており、この移相量を電気的に制御できる。
本実施例では、移相回路(伝送線路27)の遅延時間の温度依存性を、0℃〜85℃と広い温度範囲にわたって、±0.05%以内と実用上無視できる程度に小さく抑えることができた。また、動作温度に応じて導波路型光位相変調器領域14の光変調特性が示す温度特性を補償するために、ディジタル分割電極構造半導体多値光変調器の直近の温度を監視して、その駆動電圧振幅ならびにバイアス電圧を適切に制御した。これにより、実施例2にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール200において実現可能な変調特性と同等の変調特性を、0℃〜85℃と広い温度範囲にわたって実現できた。
実施の形態6
次に、実施の形態6にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール600について説明する。図8は、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500の個別駆動回路21の構造を示す構造図である。この個別駆動回路21は、図8に示すように、出力段がm(mは、3以上の整数)個の微小駆動回路FF1〜FFmに分割され、微小駆動回路FF1〜FFmの出力電圧振幅を合成(加算)できる構成を有する。これにより、見かけ上、個別駆動回路21の変調電圧振幅を多値化することができる。
個別駆動回路21は、伝送線路27に接続されたm個の微小駆動回路FF1〜FFmと、加算回路28と、を有する。
それぞれの微小駆動回路FF1〜FFmは、クロック信号CLK及びディジタル入力信号d1〜dmに応じて、加算回路28へ出力信号を出力する。
加算回路28は、トランジスタQa1〜Qam、トランジスタQb1〜Qbm、抵抗R1〜R4及び電流源I1〜Imを有する。トランジスタQa1〜Qamのドレインは、出力端子OUTと接続される。トランジスタQb1〜Qbmのドレインは、抵抗R1及びR3を介して、グランドと接続される。トランジスタQaq(qは、1≦q≦mの整数)のゲートは、微小駆動回路FFqの一方の出力と接続される。トランジスタQbqのゲートは、微小駆動回路FFqの他方の出力と接続される。トランジスタQaq及びトランジスタQbqのソースは、電流源Iqを介して、グランドと接続される。また、抵抗R2及びR4は、出力端子OUTとグランドとの間に接続される。
続いて、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール600の動作について説明する。基本動作については、個別駆動回路21が変調電圧振幅を2値ではなく多値で出力できることを除けば、前述のディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500のそれと基本的に同一である。そのため、ディジタル分割電極構造多値光変調器そのものの説明は省略する。
ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール500の場合、光変調信号の多値度や多重度を上げるためには、縦続接続された導波路型光位相変調器領域14の数(分割数)を増やし、多値光変調レベル(変調光信号の振幅および位相)の状態数を増やせば良い。しかし、その分割数の上限は、この光変調器および駆動回路を成すICのサイズやその電極パッドサイズによって制約される。例えば、このICの一辺の長さを5mm、電極パッドの周期を100μmと仮定した場合、ICの一辺に配置できる電極パッドの数は50個未満となる。また、個別駆動回路21の駆動信号出力用電極パッドの間に適度な数の電源用電極パッドを配置する必要もあるため、導波路型光位相変調器領域14の駆動用に割り当てられる実用的な電極数の上限は30個程度にまで制約される。電極パッドをIC外周に沿って複数配列すれば、個別駆動回路の駆動信号出力用に割り当てられる電極パッド数を増やすこと自体は可能であるが、回路や電極配線のレイアウトの観点から実用的な範囲は2〜4列程度までと考えられる。結果として、導波路型光位相変調器領域14の数(分割数)は64〜128程度に止まると見積もられる。将来、光OFDMなどの多重光変調方式が本格的に実用化されるにあたっては、これより多い状態数を実現できることが望ましい。しかしながら、導波路型光位相変調器領域14の数(分割数)だけでは、こうした可拡張性の所要を満たすことが難しいと懸念される。
一方、本構成によれば、個別駆動回路21の駆動信号の出力電圧振幅を、2値ではなくm値に設定できる。この場合、変調光信号の多値度(多重度)は、この出力電圧振幅の多値度mと導波路型光位相変調器領域14の数(分割数)Nとの積で与えられる。これにより、個別駆動回路21の駆動信号出力用として割り当てられる現実的な電極パッド数の上限を超える多値度(多重度)を有する多値(多重)光変調も可能となる。
出力電圧振幅の多値化手段としては、例えば、電流モードロジック回路(CML)を基本としてm個の定電流源を並列接続し、j番目の定電流源(1≦j≦m、jは自然数)をj番目の微小駆動回路の出力でオン/オフ制御する電流スイッチ回路などを利用できる。その場合、個別駆動回路21の出力端子OUTに現れる電圧振幅は、(終端抵抗)×(並列接続されたオン状態の定電流源の電流和)で与えられる。m個の定電流源の振幅を全て同一とした構成は、出力電圧振幅の多値度は(m+1)値に止まるが、上述の電流スイッチ回路の周波数応答特性を均一に保ちやすいことから高速動作には有利と考えられる。
一方、m個の定電流源の電流振幅を、ある単位電流の2のベキ乗倍に設定して、電流加算型D/Aコンバータとしても機能させれば、2のm乗の多値度の出力電圧振幅が得られる。これは、回路規模を抑える上で有利であるが、最高動作周波数は電流振幅が、最大の定電流源が接続された経路をオン/オフする電流スイッチ回路の周波数応答特性に律速される。ただし、個別駆動回路21の出力電圧振幅の多値度が2のm乗倍になれば、実際の変調速度は2値ディジタル変調の場合に比べて1/(m−1)に低減できる。そのため、上述の周波数応答特性の律速の課題は実用上支障とはならないと考えられる。なお、定電流源の振幅は製造プロセスに起因して若干ばらつく可能性もある。その対策としては、定電流源の振幅設定を電気的に微調整できる機能を設ければ良い。また、その手段として、全ての定電流源の振幅微調整端子にD/Aコンバータをそれぞれ接続し、ディジタル信号によってその制御信号をプログラム設定できるようにすればよい。これにより、製造プロセスに起因した定電流源の振幅ばらつきや素子の経時劣化にも対応できて実用的である。
実施例7
実施例7は、実施の形態6にかかるディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールを、ディジタル分割電極構造半導体多値光変調器とCMOS−ICにて動作検証したものである。実施例7では、各個別駆動回路21のD−フリップフロップ回路の出力に、7個の定電流源および7個の電流スイッチ回路を接続されている。また、これら7個の定電流源にはそれぞれ独立の振幅設定用D/Aコンバータ(図示せず)が接続され、外部からのディジタル信号で制御できる機能を備える。
本実施例では、7個の定電流源の振幅を全て1.6mAに設定した場合、個別駆動回路の出力電圧振幅の多値度は7+1=8値で、その最大値は1.6mA×7×50Ω=560mVである。また、多値光変調信号の多値度は、個別駆動回路21の出力電圧振幅の多値度(7+1=8値)と導波路型光位相変調器領域14の段数(255段)の積(=2,040レベル)となる。また、7個の定電流源の振幅を、0.1mA、0.2mA・・・6.4mAと2のべき乗倍の関係に設定した場合、個別駆動回路21の出力電圧振幅の多値度は2=128値で、その最大値は12.7mA×50Ω=635mVである。同様に、多値光変調信号の多値度は、個別駆動回路21の出力電圧振幅の多値度(27=128値)と導波路型光位相変調器領域14の段数(255段)の積(=32,640レベル)となる。本構成により、理想的な16光変調動作を実現できた。なお、この個別駆動回路21の構成は、光直交変調方式向けのディジタル分割電極多値光変調器へ応用できることは言うまでもない。
実施の形態7
次に、実施の形態7にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール700について説明する。図9は、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール700の構造を示す構造図である。ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール700は、実施例4にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301のディジタル分割電極構造光変調器6を、ディジタル分割電極構造光変調器6bに置き換えた構成を有する。ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール700のその他の構成は、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301と同様であるので、説明を省略する。
ディジタル分割電極構造光変調器6bは、ディジタル分割電極構造光変調器6における4入力4出力の光合分波器15を、2入力2出力の光合分波器17を3個組み合わせて実現したものである。また、出力側の光合分波器17のうち、Iチャンネル〜Qチャンネルの変調光信号を合成する直前の光導波路部分に、光移相手段18が配置される。また、光移相手段18は、制御電極V90と接続される。また、変調光信号の出力のスペクトルを監視する機構(図示せず)を設けている。その他の構成は、ディジタル分割電極構造光変調器6と同様であるので、説明を省略する。
また、図10A〜Cは、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール700の変調光信号スペクトルを表したグラフである。図10Aは、Iチャンネルの変調光信号スペクトルである。図10BbはQチャンネルの変調光信号スペクトルである。図10Cは、I/Qチャンネル合成後の変調光信号スペクトルである。
続いて、ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール700の動作について説明する。光変調の基本動作については、光変調動作を監視して最適な状態に制御するための工夫を施したことを除けば、前述のディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301の同一である。多値(多重)光変調を実現するにあたっては、前述のように無線通信において実用化が先行している、直交変調方式(I/Q変調方式)を応用することが期待される。
一般に、直交変調方式では、ある周波数(波長)の被変調信号(キャリア信号)をIチャンネル、Qチャンネルの2系統に分岐してそれぞれを独立な外部信号で変調し、これらを互いに90度位相をずらして(直交させて)合波する。その際、互いに直交したIチャンネル/Qチャンネルの変調信号を受信端にて理想的に分離するためには、Iチャンネル/Qチャンネル間の直交性が保たれていることが極めて重要である。本構成のディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュールでは、I/Qチャンネルを駆動するそれぞれの変調電気信号のスペクトル成分より低い周波数fI、fQ(fI≠fQ)を、それぞれI/Qチャンネルの光変調信号スペクトル成分に独立に重畳する機能を備える。その手段としては、変調データを予めディジタル処理して、周波数fI、fQの光変調スペクトル成分が現れるように変調データを加工(プリコーディング)してもよい。または、複数ある導波路型光位相変調器領域14の少なくとも1つあるいはMZ干渉計の2本の経路間の位相差調整用の光位相変調器領域14を周波数fI、fQの電気信号で直接駆動しても良い。
本構成では、Iチャンネル/Qチャンネルそれぞれのディジタル分割多値光変調器の変調光信号出力を独立に取り出すことができる(図9のMonitor I及びMonitor Q)。本構成では、これらに含まれるそれぞれ周波数fI、fQの低周波重畳成分の振幅が最大となるように、それぞれIチャンネル及びQチャンネルの変調電圧振幅ならびにバイアス電圧を最適制御する。これにより、Iチャンネル/Qチャンネルそれぞれのディジタル分割多値光変調器に、理想的なプッシュ=プル動作をさせることが可能である。
このようにして、周波数fI、fQ(fI≠fQ)の光変調信号成分を予め重畳させておくと、I/Qチャンネルをある位相関係で合波した後の変調光信号スペクトルには、fI、fQに加え、これらの和周波成分fI+fQ、差周波成分fI−fQの4つの周波数成分が現れる。Iチャンネル/Qチャンネル間で理想的な直交状態が保たれるよう、これらを合波する際の互いの位相関係を最適制御した場合には、これら和周波成分fI+fQおよび差周波成分fI−fQは完全消失する。このため、Iチャンネル/Qチャンネル間の直交性を理想的に保つためには、少なくとも和周波成分fI+fQおよび差周波成分fI−fQの少なくとも一方のスペクトル成分を監視して、これが極小となるように制御電極V90へ印加する電気信号を制御して、光移相手段18における移相量へフィードバックすれば良い。なお、この原理自体は、単に光直交変調方式(光I/Q変調方式)のみならず、同一波長で直線偏光の2つの異なる変調光信号をそれぞれの偏光を互いに直交させて合波させる方式(光偏波合成、偏光合成)において、互いの偏光間の直交状態を監視・制御する手段へも応用可能である。
実施例8
実施例8は、実施の形態7にかかるディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール700を、2系統のディジタル分割電極構造半導体多値光変調器(Iチャネル用、Qチャネル用)と光移相器、光合分波器からなる光直交変調器、ならびにCMOS−ICにて動作検証したものである。実施例8では、Iチャンネル/Qチャンネルそれぞれに与える32Gb/sの変調データを、ディジタル信号処理によってそれぞれ2kHz,3kHzの変調成分が重畳されるようにプリコーディングした。Iチャンネル/Qチャンネルそれぞれの変調光信号は互いに90度の位相差を設けるための光移相器を介して2入力2出力の光合波器で合成される。ここから出力される2本の変調光出力信号のうち、一方はモジュール外部へ光ファイバ(図示せず)を介して出力される。もう一方は、変調光信号の光強度ならびにI/Q両チャンネル間の直交状態を監視するため、受光手段(図示せず)へ接続されている。この受光手段は、光信号を電気信号変換し、上述の2kHz、3kHzの低周波重畳成分の差周波(1kHz)成分を抽出する帯域通過フィルタを備えている。なお、この帯域通過フィルタは、アナログ電気回路で構成しても良いし、ディジタルフィルタでも良い。この差周波成分が極小となるように光移相器へ印加する電圧を制御することにより、I/Q両チャンネル間の位相差を90±0.1度以内と、両チャンネル間の干渉が実用上無視できる程度の理想的な直交状態を保つことができた。なお、変調光信号成分に含まれる5kHzの和周波成分を監視対象としても、基本的に全く同じ制御を実現できることは言うまでもない。また、例えば本ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールを2台用いて2偏波直交合成を行うにあたっては、2台目のディジタル分割電極構造多値光変調器モジュールのIチャンネル/Qチャンネルに重畳する低周波成分の周波数をたとえば6kHz、10kHzとすればよい。これにより、差周波が4kHz、和周波が16kHzとなって、1台目と2台目の全低周波成分が互いに重複しなくなる。そのため、1台目と2台目それぞれのI/Q直交状態の監視が容易になる。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、導波路型光位相変調器の設置数は、上記実施の形態及び実施例に限定されるものでなく、任意の数とすることができる。
例えば、駆動信号配線3は、ストリップ線路の他にも金(Au)バンプを用いてIC上に直接実装してもよい。個別駆動回路及び演算回路等の各回路ブロックは、同一半導体基板上にモノリシック集積されてもよい。
本発明では、導波路型光位相変調器領域を駆動する電圧振幅を、分割数を増やして低く抑えることが可能なため、無反射終端器を個別駆動回路とともに同一の半導体基板上に形成してもよい。さらに、本発明は化合物半導体に限らず、シリコン(Si)光導波路をベースとして作製されてもよい。さらにその場合には、駆動回路と光変調器を同一半導体基板上にモノリシック集積しても良い。同様に、本発明は前述のLNに代表されるPockels効果あるいはさらに高次の電気光学効果を有する電気光学結晶や有機化合物などをベースとして作製された導波路型多値光変調器に対しても適用可能である。なお、その場合には、印加電圧振幅に対する屈折率変化が上述の半導体に比べてより大きい場合にメリットがある。
また、図4のディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール300では、オフセット信号Offsetが入力される端子を外部へと引き出した構成について記載しているが、演算回路5から、D/Aコンバータを介して最適な電圧を印加できるようにしても良い。
さらに、実施例4のディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール301における一対の光合分波器15は、より内部残留反射の抑制効果が期待される5入力5出力の合分波器に置き換えてもよい。但し、この場合には、入出力各5本の端子のそれぞれ中央の端子計2箇所を無反射終端することが必要である。
実施の形態4では、入力側から順に導波路型光位相変調器領域の長さは2のべき乗倍を増加させているが、各導波路型光位相変調器領域の長さがそれぞれ異なり、かつ、ある単位長さの2のべき乗倍であれば、任意の順序で配置してもよい。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年10月9日に出願された日本出願特願2009−235014を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明にかかる光変調器モジュール及び光信号の変調方法は、波長多重光ファイバ通信システム向け光送信機に提供することができる。
1、6、6b、7 ディジタル分割電極構造光変調器
2a〜2f 集積回路
3 駆動信号配線
4 電位固定手段
5 演算回路
11、11a 半導体光導波路
12、15、17 光合分波器
13、16 ディジタル分割電極構造光位相変調器
14 導波路型光位相変調器領域
18 光位相回路
21 個別駆動回路
22、26 終端器
23 分岐
24 駆動回路
25 移相回路
27 伝送線路
28 加算回路
29 バッファ
100、101、400 ディジタル分割電極構造多値光変調器モジュール
200、300、301、400、500、600、700 ディジタル分割電極構造プログラマブル多値光変調器モジュール
導波路型光位相変調器領域
CLK クロック信号
FF1〜FFm 微小駆動回路
I1〜Im 電流源
Qa1〜Qam、Qb1〜Qbm トランジスタ
R1〜R4 抵抗

Claims (26)

  1. 入力される光信号を変調する光変調器と、
    縦続接続されるm(2≦m、mは整数)個の個別駆動回路と、を少なくとも備え、
    前記光変調器は、
    前記光信号を導波させる光導波路と、
    前記光導波路上に並んで配置される、少なくともm個の導波路型光位相変調器領域と、を少なくとも備え、
    i(1≦i≦m、iは整数)番目の前記個別駆動回路は、
    期信号に同期して波形整形したディジタル入力信号を、i番目の前記導波路型光位相変調器領域に出力する駆動回路と、
    前記同期信号から分岐された信号に対して少なくとも遅延を与えて出力する移相回路と、を少なくとも備え、
    j(2≦j≦m、jは整数)番目の前記個別駆動回路には、(j−1)番目の前記個別駆動回路の前記移相回路から出力された信号が前記同期信号として入力される、
    光変調器モジュール。
  2. 前記移相回路は、
    前記同期信号から分岐された前記信号に対して振幅調整及び波形整形を更に行う、
    請求項1に記載の光変調器モジュール。
  3. 前記導波路型光位相変調器領域と前記個別駆動回路とを接続するm本の駆動信号配線と、
    接地電位と前記m本の駆動信号配線のそれぞれとの間に接続されたm個の第1の終端器と、をさらに備える、
    請求項1又は2に記載の光変調器モジュール。
  4. 前記m個の個別駆動回路は、同一半導体基板上にモノリシック集積される、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  5. 前記m個の個別駆動回路及び前記m個の第1の終端器は、同一半導体基板上にモノリシック集積される、
    請求項3に記載の光変調器モジュール。
  6. 前記光変調器及び前記m個の第1の終端器は、同一半導体基板上にモノリシック集積される、
    請求項3に記載の光変調器モジュール。
  7. m番目の前記個別駆動回路の前記移相回路の出力と接地電位との間に接続された第2の終端器をさらに備える、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  8. 前記導波路型光位相変調器領域の長さはそれぞれ同一である、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  9. 1本のディジタル信号を複製することにより2(1≦k≦m、kは整数)本の前記ディジタル入力信号が生成され、
    前記2本のディジタル入力信号が、2個の前記導波路型光位相変調器領域にそれぞれ入力される、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  10. i番目の前記導波路型光位相変調器領域の長さは、ある単位長さの2倍である、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  11. 前記導波路型光位相変調器領域の長さはそれぞれ異なり、かつ、ある単位長さの2のべき乗倍である、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  12. 前記導波路型光位相変調器領域のそれぞれには、同一の振幅を有する駆動電圧が印加される、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  13. 前記移相回路は、前記同期信号から分岐された信号に対して、外部から入力される電気信号により制御される遅延を与える、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  14. i番目の前記個別駆動回路における移相回路の遅延は、(i−1)番目の導波路型光位相変調器領域及びi番目の導波路型光位相変調器領域のそれぞれの中間点を結ぶ距離を信号光が通過する時刻の差にほぼ等しい、
    請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  15. 前記導波路型光位相変調器領域は、半導体のフランツ=ケルディッシュ効果(Franz=Keldysh effect)、量子閉じ込めシュタルク効果(quantum confined Stark effect)又は電気光学結晶のポッケルス効果(Pockels effect)を応用したものである、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  16. 前記導波路型光位相変調器領域は、f入力g出力(f、gは2以上の整数)光分波器とg入力f出力光合波器とを光学的に接続するg本の前記光導波路に設けられる、
    請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  17. 前記f入力g出力光分波器及び前記g入力f出力光分波器と、前記f入力g出力光分波器及び前記g入力f出力光分波器とに隣接する前記導波路型光位相変調器領域と、を光学的に結合する結合手段に接続された電位固定手段をさらに備える、
    請求項16に記載の光変調器モジュール。
  18. 前記f入力g出力光分波器は、2入力2出力の光分波器であり、
    前記g入力f出力光合波器は、2入力2出力の第1の光合波器であり、
    前記2入力2出力の光分波器、前記第1の光合波器、及び前記2入力2出力の光分波器と前記第1の光合波器との間の2本の前記光導波路は、マッハツェンダ型干渉計を構成する、
    請求項16又は17に記載の光変調器モジュール。
  19. 並列配置された第1のマッハツェンダ型干渉計及び第2のマッハツェンダ型干渉計の2つの前記マッハツェンダ型干渉計と、
    一方の入力が第1のマッハツェンダ型干渉計のQチャンネル出力と光学的に接続され、他方の入力が第2のマッハツェンダ型干渉計のIチャンネル出力と光接続された、2入力2出力の第2の光合波器と、
    第1のマッハツェンダ型干渉計のQチャンネル出力又は第2のマッハツェンダ型干渉計のIチャンネル出力と、前記第2の光合波器の入力と、の間に挿入された電位固定手段と、をさらに備える、
    請求項18に記載の光変調器モジュール。
  20. 第1のマッハツェンダ型干渉計のQチャンネル出力から出力される第1の光信号に、当該第1の光信号よりも低い周波数成分fIを重畳する手段と、
    第2のマッハツェンダ型干渉計のIチャンネル出力から出力される第2の光信号に、当該第2の光信号よりも低い周波数成分fQを重畳する手段と、
    前記第2の光合波器からの出力光信号から、周波数fI、fQ、fI+fQ及びfI−fQの低周波変調成分を抽出する手段と、
    抽出されたfI+fQ又はfI−fQの低周波変調成分が最小となるように、前記第1の光信号と前記第2の光信号との間の位相差を制御する手段と、をさらに備える、
    請求項19に記載の光変調器モジュール。
  21. 設定された演算パラメータに応じて、p本(2≦p、pは整数)の時系列ディジタル入力信号からm本の時系列ディジタル入力信号を生成する演算回路をさらに備え、
    前記n個の個別駆動回路のそれぞれには、前記m本の時系列ディジタル入力信号のいずれか1つが入力される、
    請求項1乃至20のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  22. 算パラメータを外部から動的に書き換える機能を有する、
    請求項1乃至21のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  23. 前記移相回路は伝送線路により構成される、
    請求項1乃至22のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  24. 入力されたクロック信号を可変させる手段を備える、
    請求項1乃至23のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  25. 前記個別駆動回路は、当該前記個別駆動回路の出力電圧の振幅を多値化する手段を備える、
    請求項1乃至24のいずれか一項に記載の光変調器モジュール。
  26. 縦続接続されるm(2≦m、mは整数)個の個別駆動回路のうち、i(1≦i≦m、iは整数)番目の前記個別駆動回路に設けられた駆動回路により、同期信号に同期して波形整形したディジタル信号を生成させ、
    光変調器の光導波路上に少なくともm個並んで配置された導波路型光位相変調器領域のうち、i番目の前記導波路型光位相変調器領域に、前記ディジタル信号を供給し、
    前記同期信号から分岐した信号に対して少なくとも遅延を与えた信号を、i番目の前記個別駆動回路に設けられた移相回路により出力し、
    j(2≦j≦m、jは整数)番目の前記個別駆動回路には、(j−1)番目の前記個別駆動回路の前記移相回路から出力された信号を前記同期信号として入力する、
    光信号の変調方法。
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