JP5726517B2 - 金型離型回復用ゴム系組成物 - Google Patents
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Description
そこで、これらの状況を回避するためにクリーニングの実施が必要となるが、クリーニングした後は、金型表面がきれいになる反面、金型表面の離型剤も取り去られるため、クリーニング直後に封止成形を再開すると、極端に金型離型性が悪くなるという問題があった。
そのためクリーニング材の使用後に、金型離型回復樹脂組成物を成形し、金型表面に金型離型回復樹脂組成物中の離型剤を移行させ、離型性を回復させる必要があった。
これら金型清掃用樹脂としては、トランスファタイプとコンプレッションタイプの2つのタイプに大別でき、トランスファタイプには、メラミン系樹脂成形材料が使用され、コンプレッションタイプには、メラミン系樹脂成形材料並びにゴム系組成物が使用されている。
近年、集積回路等(IC・LSIと略記する)の高集積化、薄型化、表面実装化に伴い、成形品の形状、構造の多様化が進んでおり、このため、半導体封止材料の高流動化や環境対応化が計られている。
このため、高流動化タイプのエポキシ封止材では、エアベント部分での樹脂詰まりが発生しやすく、これらの詰まりが発生するとエア抜けが悪く樹脂が流れなくなるために、キャビティ部に未充填が発生し不良となることから連続成形が困難になる。そこで、これらの状況を回避するためにクリーニングの実施が必要となるが、トランスファタイプのクリーニング材では、前述の理由で樹脂が正常に流れないために、エアベントに詰まった樹脂を除去することは難しかった。
上記問題点を解決するため、作業性(離型性)、成形性に優れ、離型回復工程後の金型離型性が長時間持続し、封止成形品の連続成形回数が多い離型回復用ゴム系組成物が求められている。
(1)硬化性樹脂の成形工程で発生する金型表面の汚れを取り除いた後に、金型表面に離型性を付与する樹脂組成物において、
基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、且つ金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤とを含有し、
上記金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤との割合が90:10〜30:70であり、
上記未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が50〜100秒の値の範囲にある未加硫ゴムであることを特徴とするコンプレッションタイプ金型離型回復用ゴム系組成物。(以下、第1の金型離型回復用ゴム系組成物という)
(2)硬化性樹脂の成形工程で発生する金型表面の汚れを取り除いた後に、金型表面に離型性を付与する樹脂組成物において、
基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、且つ金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤とを含有し、
上記金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤との割合が90:10〜30:70であり、
上記未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒の値の範囲にある未加硫ゴムであることを特徴とするコンプレッションタイプ金型離型回復用ゴム系組成物。(以下、第2の金型離型回復用ゴム系組成物という)
(3)硬化性樹脂の成形工程で発生する金型表面の汚れを取り除いた後に、金型表面に離型性を付与する樹脂組成物において、
基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、且つ金属石鹸系離型剤、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤を含有し、
上記金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤との割合が90:10〜30:70であり、
上記未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒の値の範囲にある未加硫ゴムであることを特徴とするコンプレッションタイプ金型離型回復用ゴム系組成物。(以下、第3の金型離型回復用ゴム系組成物という)
本発明において使用する未加硫ゴムは、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとを混合併用するものである。
エチレン−プロピレンゴム(以下、EPMと略記することがある)とは、通常のエチレン−プロピレンゴム(EPM)とエチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下、EPDMと略記することがある)の双方を含む趣旨である。
上記ポリエンモノマーとしては、ジシクロペンタジエン、5−シクロオクタジエン、1,7−シクロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、2−メチルペンタジエン−1,4、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、メチル−テトラヒドロインデン、1,4−ヘキサジエン等があげられる。このようなターポリマー中の各モノマーの共重合割合は、好ましくはエチレンが30〜80モル%、ポリエンモノマーが0.1〜2モル%で残りがα−オレフィンである。より好ましくはエチレンが30〜60モル%である。そして、上記ターポリマーであるEPDMとしては、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜70のものを用いるのが好ましい。
エチレン−プロピレンゴムが90重量部を超えて配合されると、金型離型性が悪くなるので好ましくない。ブタジエンゴムが50重量部を超えて配合されると、金型離型性は良くなるが、加硫後の成形物が硬くて脆くなることによりチッピングが発生しやすくなるので好ましくない。
上記未加硫ゴムは、加硫硬化した後の引張強度が3〜10MPa、好ましくは5〜8MPaのものである。引張強度が3MPa以下になると、チッピングが発生するので好ましくない。
上記未加硫ゴムは、加硫硬化した後のゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、好ましくはA70〜90のものである。ゴム硬度がこの範囲を逸脱すると、チッピングやボイドが発生するので好ましくない。
上記未加硫ゴムは、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が50〜100秒、好ましくは70〜100秒のものである。tc (90)の値が該範囲内であれば、加硫速度が速すぎることがなく、キャビティの隅々まで樹脂を充填させることが出来るため、スティッキング等の不具合を発生することなく離型回復を実施することが出来る。
金属石鹸系離型剤の例としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛等を例示できる。有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス、脂肪酸アミド系離型剤としては、リコワックスOP(クラリアントジャパン株式会社製 モンタン酸部分ケン化エステル)、ロキシオールG−78(コグニスジャパン株式会社製 高分子複合エステル)、リコルブH−4(クラリアントジャパン株式会社製 変性炭化水素系ワックス)、ロキシオールVPN881(コグニスジャパン株式会社製 鉱油系合成ワックス)、脂肪酸アマイドS(花王株式会社製 脂肪酸アミド)、カオーワックスEB−P(花王株式会社製 脂肪酸アミド)、アルフローHT−50(日本油脂株式会社製 脂肪酸アミド)等を例示できる。
金属石鹸系離型剤と、その他の離型剤(有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス、脂肪酸アミド系離型剤)との割合は、90:10〜30:70が好ましい。その他の離型剤の割合が過剰になると、連続成形性が悪くなるので好ましくない。
金属石鹸系離型剤及びその他の離型剤(有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス、脂肪酸アミド系離型剤)の総添加量は、未加硫ゴム100重量部に対して、0.5〜30重量部が好ましい。
離型剤の量が不足すると、金型離型性が低下し、離型剤の量が多すぎると金型離型性は良いが、金型離型回復用ゴム系組成物が溶融した際の流動性が著しく低下して成形性が悪くなる他、離型回復工程後のダミーショット回数が増加するため好ましくない。
洗浄剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N,N-ジ-n- ブチルエタノールアミン等のアミン類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、イミダゾール類及びイミダゾリン類があげられる。上記洗浄剤の使用量は、未加硫ゴム100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。この他にも界面活性剤等の洗浄助剤を用いることができる。
本発明の第2の金型離型回復用ゴム系組成物は、基材樹脂として使用する未加硫ゴムが、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒、好ましくは250〜350秒の未加硫ゴムである点を除き、本発明の第1の金型離型回復用ゴム系組成物と同じである。
上記tc (90)の値の調整は、ジエンの種類や量、過酸化物の種類や量、加硫促進剤の種類や量、共架橋剤の種類や量等により適宜調整することが出来る。
本発明の第3の金型離型回復用ゴム系組成物は、離型剤が、金属石鹸系離型剤、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤である点を除き、本発明の第2の金型離型回復用ゴム系組成物と同じである。
実施例及び比較例にて記載の各種物性評価の試験方法は以下の通りである。
〔伸び及び引張強度〕
JIS K6251における引張強さ及び切断時伸びの測定方法に準拠して測定する。
〈試験片の作製条件〉
37T自動プレス機を用い、金型温度175℃、成形圧10MPa(ゲージ圧)、成形時間5分にて未加硫試料を成形する。成形した試験片サイズは80×160×2mmのシート状で、これを3号ダンベルにて打ち抜いて測定用の試験片とした。
JIS K6253『加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法』に準拠した方法で測定する。
前述の試験片作製条件にて得られた80×160×2mm試験片を3枚重ねにし、ゴム硬度に応じたタイプのデュロメータを用いてデュロメータ硬さを測定した。
JIS K6300−2『振動式加硫試験機による加硫特性の求め方』に準拠した方法を用い、金型温度175℃にて90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)を測定した。
金型の初期化
金型離型回復用用ゴム系組成物の試験を行うに際し、試験前の金型表面状態を定常にする必要があるため、市販のメラミン樹脂系金型クリーニング材(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレットECR−CL)を用いてトランスファ成形により5ショットのクリーニングを実施し、さらに市販のメラミン樹脂系金型クリーニング材(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレットECR−SW7320)を用いてコンプレッション成形により2ショットのクリーニングを実施して金型洗浄を行った。
〈成形条件〉
金型:実施例1〜8ではQFPを用いた。
実施例9〜12ではPDIP−8L(8ポット−96キャビティ)を用いた。
金型温度:175℃/175℃
硬化時間:ECR−CL 300秒
SW7320 180秒
離型回復試験
金型初期化のための清掃終了後、金型離型回復用用ゴム系組成物をコンプレッション成形により硬化時間200秒で3ショット成形した。その後、市販のビフェニル系エポキシ樹脂成形材料(住友ベークライト株式会社製 EME−7351T)を用いて成形を実施し、離型性及び連続成形性を評価した。
〈成形条件〉
金型:QFP又はPDIP−8L
金型温度:175℃/175℃
硬化時間:100秒
3000mlのジャケット付き加圧型ニーダー中にEPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]を1050gとBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gを添加し、冷却しながら約3分間加圧混練すると、EPDMとBRの混合生地はモチ状になり、その温度は約80℃となった。次いで、ポリオキシアルキレンデシルエーテル系界面活性剤45g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して3重量部)、ステアリン酸15g(同1重量部)、ホワイトカーボン630g(同42重量部)、プロセスオイル [商品名PW−380;出光興産株式会社製] 45g(同3重量部)、炭酸カルシウム75g(同5重量部)、酸化チタン75g(同5重量部)、酸化亜鉛75g(同5重量部)、ステアリン酸亜鉛60g(同4重量部)及びリコワックスOP(クラリアントジャパン株式会社製 モンタン酸部分ケン化エステル)85g(同5.7重量部)を加えて約3分間混練した。最後に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン48g(同3.2重量部)を加えて引続き約1分間混練した。この間の混練物温度は100℃を超えないように調節した。得られた混練物を速やかに加圧ロールに通し、シート状に加工すると共に25℃以下に冷却することにより、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Aを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Aの特性値及び離型回復試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Aは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例1において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]900g及びBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gに変更し、プロセスオイル [商品名PW−380;出光興産株式会社製] の配合量を45g(同3重量部)から75g(同5重量部)に変更し、リコワックスOP 85g(同5.7重量部)の替わりに、ロキシオールG−78(コグニスジャパン株式会社製 高分子複合エステル)85g(同5.7重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Bを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Bの特性値及び離型回復試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Bは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例1において、ステアリン酸亜鉛60g(同4重量部)の替わりに、ステアリン酸カルシウム60g(同4重量部)を用い、リコワックスOP 85g(同5.7重量部)の替わりに、リコルブH−4(クラリアントジャパン株式会社製 変性炭化水素)85g(同5.7重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Cを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Cの特性値及び離型回復試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Cは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例1において、基材樹脂を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]825g及びBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]675gに変更し、ステアリン酸亜鉛60g(同4重量部)の替わりに、ステアリン酸カルシウム60g(同4重量部)を用い、リコワックスOP 85g(同5.7重量部)の替わりに、脂肪酸アマイドS(花王株式会社製 脂肪酸アミド)85g(同5.7重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Dを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Dの特性値及び離型回復試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Dは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例1において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]600g及びBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]900gに変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Eを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Eの特性値及び離型回復試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Eは、ボイドが発生し、連続成形性も不良であった。
3000mlのジャケット付き加圧型ニーダー中にEPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]を1050gとBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gを添加し、冷却しながら約3分間加圧混練すると、EPDMとBRの混合生地はモチ状になり、その温度は約80℃となった。次いで、ポリオキシアルキレンデシルエーテル系界面活性剤45g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して3重量部)、ステアリン酸15g(同1重量部)、ホワイトカーボン600g(同40重量部)、プロセスオイル [商品名PW−380;出光興産株式会社製] 45g(同3重量部)、炭酸カルシウム75g(同5重量部)、酸化チタン75g(同5重量部)、酸化亜鉛75g(同5重量部)、ステアリン酸亜鉛60g(同4重量部)及びリコワックスOP(クラリアントジャパン株式会社製 モンタン酸部分ケン化エステル)85g(同5.7重量部)を加えて約3分間混練した。最後にジクミルパーオキサイド48g(同3.2重量部)を加えて引続き約1分間混練した。この間の混練物温度は110℃を超えないように調節した。得られた混練物を速やかに加圧ロールに通し、シート状に加工すると共に25℃以下に冷却することにより、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Fを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Fの特性値及び離型回復試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Fは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例5において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]900g及びBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gに変更し、プロセスオイル [商品名PW−380;出光興産株式会社製] の配合量を45g(同3重量部)から75g(同5重量部)に変更し、リコワックスOP 85g(同5.7重量部)の替わりに、ロキシオールG−78(コグニスジャパン株式会社製 高分子複合エステル)85g(同5.7重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Gを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Gの特性値及び離型回復試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Gは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例5において、ジクミルパーオキサイド48g(同3.2重量部)の替わりに、ジクミルパーオキサイド28g(同1.9重量部)及びn-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート20g(同1.3重量部)を用い、ステアリン酸亜鉛60g(同4重量部)の替わりに、ステアリン酸カルシウム60g(同4重量部)を用い、リコワックスOP 85g(同5.7重量部)の替わりに、リコルブH−4(クラリアントジャパン株式会社製 変性炭化水素)85g(同5.7重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Hを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Hの特性値及び離型回復試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Hは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例5において、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gの替わりに、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 35、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gを用い、ジクミルパーオキサイド48g(同3.2重量部)の替わりに、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン13g(同0.9重量部)及びジクミルパーオキサイド35g(同2.3重量部)を用い、ステアリン酸亜鉛60g(同4重量部)の替わりに、ステアリン酸カルシウム60g(同4重量部)を用い、リコワックスOP 85g(同5.7重量部)の替わりに、脂肪酸アマイドS(花王株式会社製 脂肪酸アミド)85g(同5.7重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Iを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Iの特性値及び離型回復試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Iは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例5において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]450g及びBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]1050gに変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Jを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Jの特性値及び離型回復試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Jは、ボイドが発生し、連続成形性も不良であった。
3000mlのジャケット付き加圧型ニーダー中にEPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]を900gとBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gを添加し、冷却しながら約3分間加圧混練すると、EPDMとBRの混合生地はモチ状になり、その温度は約80℃となった。次いで、ポリオキシアルキレンデシルエーテル系界面活性剤45g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して3重量部)、ステアリン酸15g(同1重量部)、ホワイトカーボン900g(同60重量部)、酸化チタン75g(同5重量部)、カーボンブラック1.5g(同0.1重量部)、ステアリン酸亜鉛225g(同15重量部)、ロキシオールG−78(コグニスジャパン株式会社製 高分子複合エステル)150g(同10重量部)及びリコルブH−4(クラリアントジャパン株式会社製 変性炭化水素)150g(同10重量部)を加えて約3分間混練した。最後にジクミルパーオキサイド18g(同1.2重量部)を加えて引続き約1分間混練した。この間の混練物温度は110℃を超えないように調節した。得られた混練物を速やかに加圧ロールに通し、シート状に加工すると共に25℃以下に冷却することにより、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Kを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Kの特性値及び離型回復試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Kは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例9において、ホワイトカーボンの配合量を900g(同60重量部)から1050g(同70重量部)に変更し、ステアリン酸亜鉛225g(同15重量部)の替わりに、ステアリン酸カルシウム225g(同15重量部)を用い、ロキシオールG−78の配合量を150g(同10重量部)から225g(同15重量部)に変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Lを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Lの特性値及び離型回復試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Lは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例9において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]1050g及びBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gに変更し、ステアリン酸亜鉛225g(同15重量部)の替わりに、ステアリン酸カルシウム150g(同10重量部)を用い、ロキシオールG−78の配合量を150g(同10重量部)から105g(同7重量部)に変更し、リコルブH−4 150g(同10重量部)の替わりに、脂肪酸アマイドS(花王株式会社製 脂肪酸アミド)45g(同3重量部)を用い、ジクミルパーオキサイドの配合量を18g(同1.2重量部)から30g(同2重量部)に変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Mを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Mの特性値及び離型回復試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Mは良好な成形性及び離型回復性を示した。
実施例9において、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gの替わりに、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 35、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gを用い、ホワイトカーボンの配合量を900g(同60重量部)から1050g(同70重量部)に変更し、ステアリン酸亜鉛225g(同15重量部)の替わりに、ステアリン酸亜鉛105g(同7重量部)及びステアリン酸カルシウム195g(同13重量部)を用い、ロキシオールG−78の配合量を150g(同10重量部)から300g(同20重量部)に変更し、ジクミルパーオキサイド18g(同1.2重量部)の替わりに、ジクミルパーオキサイド35g(同2.3重量部)及び1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン13g(同0.9重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Nを得た。
得られたシート状金型離型回復用用ゴム系組成物Nの特性値及び離型回復試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型離型回復用用ゴム系組成物Nは良好な成形性及び離型回復性を示した。
Claims (8)
- 硬化性樹脂の成形工程で発生する金型表面の汚れを取り除いた後に、金型表面に離型性を付与する樹脂組成物において、
基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、且つ金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤とを含有し、
上記金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤との割合が90:10〜30:70であり、
上記未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc(90)が50〜100秒の値の範囲にある未加硫ゴムであることを特徴とするコンプレッションタイプ金型離型回復用ゴム系組成物。 - 硬化性樹脂の成形工程で発生する金型表面の汚れを取り除いた後に、金型表面に離型性を付与する樹脂組成物において、
基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、且つ金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤とを含有し、
上記金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤との割合が90:10〜30:70であり、
上記未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc(90)が200〜400秒の値の範囲にある未加硫ゴムであることを特徴とするコンプレッションタイプ金型離型回復用ゴム系組成物。 - 硬化性樹脂の成形工程で発生する金型表面の汚れを取り除いた後に、金型表面に離型性を付与する樹脂組成物において、
基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、且つ金属石鹸系離型剤、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤を含有し、
上記金属石鹸系離型剤と、有機脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス離型剤及び脂肪酸アミド系離型剤の中から選ばれた少なくとも1種の離型剤との割合が90:10〜30:70であり、
上記未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc(90)が200〜400秒の値の範囲にある未加硫ゴムであることを特徴とするコンプレッションタイプ金型離型回復用ゴム系組成物。 - 上記有機脂肪酸エステル系離型剤が、モンタン酸部分ケン化エステル又は高分子複合エステルである、請求項1〜3の何れかに記載の金型離型回復用ゴム系組成物。
- 上記合成ワックスが、変性炭化水素系ワックス又は鉱油系合成ワックスである、請求項1〜3の何れかに記載の金型離型回復用ゴム系組成物。
- 更に、充填剤、洗浄剤、洗浄助剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、顔料の少なくとも1種を含有する、請求項1〜3の何れかに記載の金型離型回復用ゴム系組成物。
- 前記離型剤の総添加量が、前記未加硫ゴム100重量部に対して、0.5〜30重量部 である、請求項1〜3の何れかに記載の金型離型回復用ゴム系組成物。
- 請求項1〜7の何れかに記載の金型離型回復用ゴム系組成物を用いた金型離型回復方法。
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