JP5713200B2 - クランプ装置及びクランプ方法 - Google Patents
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Description
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(3)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1〜3の各々に相当する。
本項に記載のクランプ装置によれば、クランプ動作可否判定手段によってクランプ動作可能であると判定された場合にのみ、ホールクランプのクランプ動作が開始されるように構成することにより、クランプ爪がクランプ穴の開口部に食い込むことによる製品外観面の破損(コバ欠け)を確実に防止することができる。
本項の態様において、検査手段は、ワークとワーク着座面との隙間を検査する。具体的には、検査手段は、ワークとワーク着座面との隙間が予め決定された隙間以下であること、すなわち、グリップのクランプ爪の下端位置とワーク底面(基準面)との間のグリップ挿入方向への距離(クリアランス)が予め決定された距離以上確保されていることを確認する。換言すると、検査手段は、グリップのクランプ爪がワークのクランプ穴の開口部(ワーク底面)に対向していないことを確認する。そして、クランプ動作可否判定手段は、検査手段によってクランプ爪の下端位置とワーク底面とがグリップ挿入方向において一致していないことが確認された場合のみ、ホールクランプがクランプ動作可能であると判定する。
本項の態様において、ワーク着座面は、ホールクランプ本体に形成されたワーク着座面を利用することができ、また、ホールクランプとは別個にクランプ装置の基台上に配設された基準部材に形成することも可能である。
また、本項に記載のクランプ装置によれば、検査手段は、各ホールクランプに対応して設けられる各第2圧力スイッチの出力信号に基づいてワークとワーク着座面との隙間(隙間の程度)を検査する。ここで、着座確認手段(第1圧力スイッチ)は、ホールクランプのクランプ不良を検知するためのものであり、この着座確認手段(第1圧力スイッチ)が既設である場合、第2圧力スイッチを着座確認手段の既設のエア回路に追加することで検査手段を構成することが可能であり、既存設備の簡単な改造だけで済むことから、低コストに実施することができる。
本項に記載のクランプ装置によれば、着座確認手段(第1圧力スイッチ)が既設である場合、既設の各第1エア供給路をバイパスさせることで各第2エア供給路を形成し、各第2エア供給路の圧力を対応する各第2圧力スイッチによって監視することにより検査手段を構成することができる。この場合、対応するホールクランプの第1圧力スイッチと第2圧力スイッチとは並列に配置される。
なお、第1圧力スイッチはワークとワーク着座面との密着を確認するためのものであるのに対し、第2圧力スイッチはワークとワーク着座面との隙間の程度を検査するためのものであるため、第2圧力スイッチの設定圧力は、第1圧力スイッチの設定圧力よりも低く設定される。
本項に記載のクランプ方法によれば、クランプ動作可否判定ステップにおいてクランプ動作可能であると判定された場合にのみ、ホールクランプのクランプ動作が開始されるので、クランプ爪がクランプ穴の開口部に食い込むことによる製品外観面の破損(コバ欠け)を確実に防止することができる。
本項の態様において、検査ステップでは、ワークとワーク着座面との隙間が検査される。具体的には、検査ステップでは、ワークとワーク着座面との隙間が予め決定された隙間以下であること、すなわち、グリップのクランプ爪の下端位置とワーク底面(基準面)との間のグリップ挿入方向への距離(クリアランス)が予め決定された距離以上確保されていることが確認される。換言すると、検査ステップでは、グリップのクランプ爪がワークのクランプ穴の開口部(ワーク底面)に対向していないことが確認される。そして、クランプ動作可否判定ステップでは、検査ステップにおいてクランプ爪の下端位置とワーク底面とがグリップ挿入方向において一致していないことが確認された場合のみ、ホールクランプがクランプ動作可能であると判定され、さらに、クランプ動作開始ステップでは、クランプ動作可否判定ステップにおいてホールクランプがクランプ動作可能であると判定された場合のみ、ホールクランプのクランプ動作が開始される。
本項の態様において、ワーク着座面は、ホールクランプ本体に形成されたワーク着座面を利用することができ、また、ホールクランプとは別個にクランプ装置の基台上に配設された基準部材とすることができる。
また、本項に記載のクランプ方法によれば、検査ステップでは、各ホールクランプに対応して設けられる各第2圧力スイッチの出力信号に基づいてワークとワーク着座面との隙間(隙間の程度)が検査される。ここで、第1圧力スイッチは、ホールクランプのクランプ不良を検知するためのものであり、この第1圧力スイッチが既設である場合、各第2圧力スイッチを既設のエア回路に追加することで検査ステップを実施するための構成を成し遂げることが可能であり、既存設備の簡単な改造だけで済むことから、低コストに実施することができる。
本実施形態のクランプ装置1は、例えば、マシニングセンタのマシンテーブルに取り付けられるワーク固定治具として使用される。図1に示されるように、クランプ装置1は、プレート2aを備える基台2を有する。プレート2a上には、4個のホールクランプ3と、各ホールクランプ3の近傍に配置される4個のリフタ4(例えば、油圧シリンダ)と、概してプレート2aの一方の対角線上に配置される2個の位置決めピン5と、概してプレート2aの他方の対角線上に配置される2個のガイドピン6と、が配設される。
クランプ装置1の初期状態、すなわち、クランプ装置1がワーク9を受け入れる前の時点(図4におけるT0)では、各リフタ4が上昇端に位置することが確認される。なお、各リフタ4の上昇端は、各リフタ4に取り付けられたシリンダスイッチの出力信号により確認することができる。また、初期状態T0では、各ホールクランプ3のワーク着座面12に形成されたエア噴出孔18からエアが大気中へ放出される、換言すると、ワーク着座面12の上方に十分な隙間がある状態であり、第1エア供給路20内の圧力は一定のレベル以下であることが要求される。
次に、図4におけるT1の時点で各リフタ4を下降させてワーク9を下降させる。これにより、ワーク9の各位置決め穴に対応する各位置決めピン5が嵌合されて、ワーク9はクランプ装置1に対して要求される位置決め精度で位置決めされる。同時に、ワーク9の各クランプ穴10には、対応する各ホールクランプ3のクランプ部11が挿入される。
各リフタ4を下降させることで、各ホールクランプ3のワーク着座面12とワーク底面9a(基準面)との間には隙間L(図3参照)が形成される。これにより、各エア噴出孔18から噴出されるエアの背圧が上昇して、この背圧の上昇に伴い、各第2エア供給路22内の圧力が上昇する。そして、隙間Lが予め決定された隙間L0以下である場合(L0≧L)、第2エア供給路22内の圧力が設定圧力P2に到達した時点で第2圧力スイッチ23がONの状態になる。換言すると、第2圧力スイッチ23がONの状態になることにより、ワーク着座面12とワーク底面9aとの隙間Lが予め決定された隙間L0以下であることが確認される。
そして、制御手段(クランプ動作可否判定手段)は、各ホールクランプ3に対応して設けられる各第2圧力スイッチ23の出力信号によって、各グリップ14のクランプ爪17の下端位置とワーク9の対応する各クランプ穴10の開口部(ワーク底面9a)とがグリップ挿入方向において一致していないことを認識することにより、全てのホールクランプ3がクランプ動作可能であると判定する。なお、制御手段は、タイマで設定された時間内に少なくとも1個の第2圧力スイッチ23の出力信号(ON状態)が得られない場合、ホールクランプ3がクランプ動作不可である、すなわち、ワーク9のセットミスであると判定する。
そして、制御手段は、図4におけるT2の時点で、各リフタ4が下降端に位置していることを確認するとともに、各ホールクランプ3がクランプ動作可能であることを確認すると、図4におけるT3の時点で、各ホールクランプ3を動作させる。すなわち、ワーク9の各クランプ穴10に挿入された各クランプ部11のロッド13を下降させて各クランプ部11のグリップ14を拡径させる。これにより、図2に示されるように、グリップ14のクランプ爪17がクランプ穴10の内壁に喰い込み、ワーク9は、各ホールクランプ3によって引き込まれてクランプされる。
そして、制御手段は、図4におけるT4の時点で、クランプ端を確認、すなわち、各ホールクランプ3のロッド13が予め決定された距離だけストロークしたことがシリンダスイッチ等により確認されると、図4におけるT5の時点で、第1圧力スイッチ21(着座確認手段)の出力信号に基づいて、ワーク底面9a(基準面)が全てのホールクランプ3のワーク着座面12に密着しているか否かが確認される。そして、全ての第1圧力スイッチ21がONの状態である、すなわち、ワーク底面9a(基準面)が全てのホールクランプ3のワーク着座面12に密着していることが確認されると、制御装置は、ワーク9が正常にクランプされたことを認知する。
本実施形態によれば、ワーク9の各クランプ穴10に対応する各ホールクランプ3のクランプ部11が挿入された後、各ホールクランプ3のクランプ動作の可否が判定されて、各ホールクランプ3に対してクランプ動作可能であると判定した場合、すなわち、各ワーク着座面12とワーク底面9aとの隙間Lが予め決定された隙間L0以下であることが確認された場合、換言すると、各クランプ部11のグリップ14のクランプ爪17の下端位置とワーク底面9aとの間のグリップ挿入方向のクリアランスCが予め決定された距離C0以上確保されている場合、つまり、各クランプ部11のグリップ14のクランプ爪17がワーク9のクランプ穴10の開口部(ワーク底面9a)に対向していないことが確認された場合、各クランプ部11のグリップ14が拡径されてワーク9がクランプされるので、ホールクランプ3のグリップ14のクランプ爪17がクランプ穴10の開口部に喰い込むことによるワークの破損(コバ欠け)を確実に防止することができる。
本実施形態では、ワーク着座面12が形成されたホールクランプ3を使用してクランプ装置1を構成したが、図5に示されるように、ワーク着座面12が形成されていないホールクランプ33を使用してクランプ装置31を構成することができる。この場合、リンククランプを使用したクランプ装置で実施されているように、エア噴出孔18が開口したワーク着座面12(ワーク9の高さ基準)を備える基準部材34を各ホールクランプ33の近傍に配設することにより、クランプ装置31を構成すればよい。この場合、第1エア供給路20(図3参照)は、各基準部材34のエア噴出孔18に対応して設けられ、第2エア供給路23は、各第1エア供給路20をバイパスさせることにより構成される。なお、図5において、図1に対応する構成については同一の符号を付してある。
Claims (3)
- ワークの底面に開口するクランプ穴に挿入されたグリップを拡径させてクランプ爪をクランプ穴に喰い込ませることによりワークがクランプされるホールクランプを備えるクランプ装置であって、
前記ワーク着座面に開口するエア噴出孔と、前記エア噴出孔へエアを供給するためのエア回路と、前記エア回路内の圧力を監視する第1圧力スイッチとを備えて、前記第1圧力スイッチの出力信号に基づいて前記ワーク着座面に対する前記ワークの着座を確認する着座確認手段と、
前記エア回路内の圧力を監視する第2圧力スイッチを前記第1圧力スイッチとは別個に備えて、前記グリップが前記クランプ穴に挿入された状態で、前記ワークとワーク着座面との隙間が予め決められた隙間以下であるかを前記第2圧力スイッチの出力信号に基づいて検査する検査手段と、
前記検査手段の検査結果に基づいて前記ホールクランプのクランプ動作の可否を判定するクランプ動作可否判定手段と、
を含むことを特徴とするクランプ装置。 - 前記第2圧力スイッチは、前記第1圧力スイッチによって圧力が監視される第1エア供給路をバイパスさせて設けられた第2エア供給路の圧力を監視することを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
- ワークの底面に開口するクランプ穴に挿入されたグリップを拡径させてクランプ爪をクランプ穴に喰い込ませることによりワークをクランプするホールクランプを使用したクランプ方法であって、
前記クランプ穴に前記グリップを挿入させる挿入ステップと、
前記クランプ穴に前記グリップが挿入された状態で、前記ワークとワーク着座面との隙間が予め決められた隙間以下であるかを検査する検査ステップと、
前記検査ステップの検査結果に基づいて前記ホールクランプの動作の可否を判定するクランプ動作可否判定ステップと、
前記クランプ動作可否判定ステップでクランプ動作可能と判定された場合に、前記ホールクランプのクランプ動作を開始するクランプ動作開始ステップと、
前記ワーク着座面に開口するエア噴出孔へエアを供給するためのエア回路内の圧力を監視する第1圧力スイッチの出力信号に基づいて前記ワーク着座面に対する前記ワークの着座を確認する着座確認ステップを含み、
前記検査ステップでは、前記エア回路内の圧力を監視する前記第1圧力スイッチとは別個の第2圧力スイッチの出力信号に基づいて前記ワークと前記ワーク着座面との隙間が検査されることを特徴とするクランプ方法。
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