JP5709394B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体の同一領域に対する記録手段の複数回の相対移動或は複数の記録素子群の相対移動によって同一領域に画像を記録するために、同一領域に対応する多値画像データを処理する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
インクジェット記録装置において記録される画像の濃度むらやスジを軽減するための技術として、記録媒体の同一領域に対する記録ヘッドの複数回の記録走査によって上記同一領域に記録すべき画像を完成させるマルチパス記録方式が知られている。しかしながら、マルチパス記録方式を採用したとしても、記録媒体の搬送量の変動などによって、先行する記録走査でのドット記録位置と後続の記録走査でのドット記録位置にズレが生じる場合がある。このようなズレはドット被覆率の変動を招き、これが原因で濃度変動や濃度むら等の画像弊害が生じる。
このような画像弊害を軽減するための技術として、2値化前の多値の画像データの段階で画像データを異なる記録走査に対応するように分割し、分割後の多値画像データを夫々独立(無相関)に2値化する方法が知られている(特許文献1)。図9(A)は、この特許文献1の方法によって処理された画像データに基づいて記録されるドットの配置状態を示した図である。図において、黒丸1501は第1の記録走査で記録されるドット、白丸1502は第2の記録走査で記録されるドット、グレーの丸1503は第1の記録走査と第2の記録走査によって重ねて記録されるドットである。
このようなドット配置によれば、第1の記録走査で記録されるドット群と第2の記録走査で記録されるドット群が、主走査方向または副走査方向にずれたとしても、記録媒体に対するドットの被覆率は然程変動しない。その理由は、第1の記録走査で記録されるドットと第2の記録走査で記録されるドットが重なる部分も新たに現れるが、本来重ねて記録されるべき2つのドットが重ならなくなる部分も存在するからである。
特開2000−103088号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いて積極的にドットを重ね合わせると、粒状感や濃度不足を悪化させる場合がある。例えば、粒状感が目立ちやすいハイライト部分では、図9(B)に示すように、数少ないドット(1701、1702)が互いに一定の距離を保ちながら均等に分散しているのが好ましい。しかし、特許文献1に記載の構成では、図9(C)に示すように、ドットが重なる箇所(1603)や隣接して記録される箇所(1601、1602)が所々発生してしまうので、これらドットの塊が目立って粒状感を悪化させてしまうのである。また、最高濃度値が重視される高濃度領域では、あまり多くのドットが重ね合うと白紙領域が露出し、これが濃度不足を招致してしまう。よって、ドットが重なる箇所の割合(ドット重複率)は、出力画像の濃度むら、粒状感および濃度不足のいずれもが弊害とならない程度(範囲)に調整することが望まれる。
特に、近年のように同色でサイズの異なる複数のドットを用いて画像を記録する場合には、夫々のサイズのドットが各濃度領域でどの程度の割合で使用されるかによって、濃度むらや粒状感の目立ち方、また濃度不足の程度は異なる。つまり、濃度むらの抑制、粒状感の低減、濃度不足回避のいずれをどの程度優先すべきかが、夫々のドットサイズに応じて異なる。従って、複数サイズのドットを使用する場合には、ドットのサイズに応じてドット重複率を適切に調整することが望まれる。
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、複数のプレーン間で何ら相関性を持たせることなく、それぞれのプレーンの量子化処理を独立に行っているので、ドット重複率は使用する量子化処理方法に依存して決まってしまう。つまり、ドット重複率をドットのサイズに応じて異ならせることはもちろん、ドット重複率を目的の範囲に調整することも不可能であった。結果、出力画像においては、全ての濃度領域で、濃度むら、粒状感および濃度不足が弊害とならないような画像を出力することは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。よって、その目的とするところは、複数サイズのドットを用いて画像を形成する場合に、全てのドットサイズにおいて、濃度むらが抑制され、粒状感や濃度不足が弊害とならない画像を出力することが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、前記生成手段により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化手段と、を備え、前記生成手段は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数のドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏り方を前記複数サイズのドットそれぞれで異ならせることを特徴とする。
また、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、前記生成手段により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化手段と、を備え、前記複数サイズのドットそれぞれについての前記複数回の相対移動に対応する前記複数の多値データは、前記複数回の相対移動のうちの少なくとも1回の相対移動に対応した第1の多値データと、前記複数回の相対移動のうちの他の少なくとも1回の相対移動に対応した第2の多値データを含み、前記量子化手段は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の多値データに基づいて前記第2の多値データを量子化処理すると共に前記第2の多値データに基づいて前記第1の多値データを量子化処理することを特徴とする。
また、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記生成手段により生成された前記複数の多値データそれぞれに量子化処理を行うことによって前記複数回の相対移動に対応した複数のL値(Lは3以上の整数)の量子化データを生成する第1の量子化手段と、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の量子化手段によって生成された前記複数のL値の量子化データそれぞれに前記L値の量子化データの階調に応じて前記画素領域に対して記録するドットの数および位置を定めたドットパターンを用いて量子化処理を行うことによって、前記複数回の相対移動に対応した2値の量子化データを生成する第2の量子化手段と、を有することを特徴とする。
また、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理手段を備え、前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理手段は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも小さくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする。
また、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理手段を備え、前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい中ドットと該中ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理手段は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも大きくなり、且つ前記中ドットの前記割合が前記大ドットの前記割合よりも更に大きくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする。
また、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理手段を備え、前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい中ドットと該中ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理手段は、前記小ドットの前記割合が前記大ドットの前記割合よりも大きくなり、且つ前記中ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも更に大きくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする。
また、同じ色の同じサイズのドットを記録する複数の記録素子群を複数サイズのドットに対応して備えた記録手段と、記録媒体と、の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数の記録素子群に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、前記生成手段により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化手段と、を備え、前記生成手段および前記量子化手段の少なくとも一方は、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数の記録素子群によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数の記録素子群によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数の多値データの生成および前記複数の多値データの量子化の少なくとも一方を行うことを特徴とする。
また、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得工程と、前記取得工程により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成工程と、前記生成工程により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化工程と、を有し、前記生成工程は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録されるべき総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるべきドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数のドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏り方を前記複数サイズのドットそれぞれで異ならせることを特徴とする。
また、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得工程と、前記取得工程により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成工程と、前記生成工程により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化工程と、を有し、前記複数サイズのドットそれぞれについての前記複数回の相対移動に対応する前記複数の多値データは、前記複数回の相対移動のうちの少なくとも1回の相対移動に対応した第1の多値データと、前記複数回の相対移動のうちの他の少なくとも1回の相対移動に対応した第2の多値データを含み、前記量子化工程は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の多値データに基づいて前記第2の多値データを量子化処理すると共に前記第2の多値データに基づいて前記第1の多値データを量子化処理することを特徴とする。
さらに、同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理工程を有し、前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理工程は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも小さくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする。
さらにまた、同じ色の同じサイズのドットを記録する複数の記録素子群を複数サイズのドットに対応して備えた記録手段と記録媒体との相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手工程と、前記取得工程により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数の記録素子群に対応する複数の多値データの生成を行う生成工程と、前記生成工程により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化工程と、を有し、前記生成工程および前記量子化工程の少なくとも一方は、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数の記録素子群によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数の記録素子群によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数の多値データの生成および前記複数の多値データの量子化の少なくとも一方を行うことを特徴とする。
本発明によれば、複数回の相対移動(あるいは複数の記録素子群)により記録されるドットの重複率を、ドットのサイズに応じて適切に制御して画像を出力することが可能となる。これにより、全ての濃度領域において、濃度むら、粒状感および濃度不足のいずれもが回避された良好な画像を出力することが可能となる。
(A)は本発明の画像処理として機能するフォトダイレクトプリンタ装置の概観斜視図であり、(B)はプリンタエンジン部の記録部の概要を示す斜視図である。 本発明実施形態に係るPDプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における画像処理を説明するためのブロック図である。 (A)〜(H)は、ドット重複率を説明するための図である。 本発明で適用可能なマスクの一例を示す図である。 本発明の実施形態における分配率とドット重複率の関係を示す図である。 画像処理の具体例をイメージ化した図である。 (A)及び(B)は、誤差拡散マトリクスの例を示す図である。 (A)〜(C)は、ドットの分散状態を説明するための図である。 量子化処理の工程を説明する為のフローチャートである。 (A)〜(C)は、記録ヘッドの吐出口配列状態を説明する為の図である。 第3実施形態における画像処理を説明するためのブロック図である。 (A)〜(H)は、量子化処理の結果と入力値と対応関係を示す図である。 量子化(3値化)処理の結果と入力値との対応関係を示す図である。 第4実施形態における画像処理を説明するためのブロック図である。 インデックスパターンとドット重複率の関係を説明するための図である。 大ドットと小ドットの多値データ生成の様子を説明する為の図である。 (A)及び(B)は、ドット径とドット重複率の関係を示した図である。 (A)及び(B)は、ドット径とドット重複率の関係を示した図である。 第5の実施形態における画像処理を説明するためのブロック図である。 第6の実施形態における画像処理を説明するためのブロック図である。 (A)〜(D)は、3つのサイズのドットを使用する場合の、各ドットサイズに分配される多値濃度データの例を説明するための図である。
以下で説明する実施形態は、インクジェット記録装置を例にしているが、本発明は、インクジェット記録装置に限られるものではない。ドットを記録するための記録手段と記録媒体との相対移動中に、記録手段によって記録媒体に画像を記録する方式の装置であれば、インクジェット記録装置以外の装置でも適用可能である。
また、記録手段と記録媒体との「相対移動(或は相対走査)」とは、記録媒体に対して記録手段が相対的に移動(走査)する動作、或は、記録手段に対して記録媒体が相対的に移動(搬送)する動作を指す。なお、記録手段とは、1つ以上の記録素子群(ノズル列)或は1つ以上の記録ヘッドを指す。
以下で説明する画像処理装置では、記録媒体の同一領域(所定領域)に対する記録手段の複数回の相対移動或は複数の記録素子群の相対移動によって上記同一領域に画像を記録するためのデータ処理を行う。ここで、「同一領域(所定領域)」とは、ミクロ的には「1つの画素領域」を指し、マクロ的には「1回の相対移動で記録可能な領域」を指す。「画素領域(単に「画素」と呼ぶ場合もある)」とは、多値画像データによって階調表現可能な最小単位の領域を指す。一方、「1回の相対移動で記録可能な領域」とは、1回の相対移動中に記録手段が通過する記録媒体上の領域、或はこの領域よりも小なる領域(例えば、1ラスター領域)を指す。
<記録装置の概要説明>
図1(A)は、本発明の画像処理として機能するフォトダイレクトプリンタ装置(以下、PDプリンタ)1000の概観斜視図である。PDプリンタ1000は、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して印刷する機能、メモリカード等の記憶媒体に記憶されている画像を直接読取って印刷する機能、またデジタルカメラやPDA等からの画像を受信して印刷する機能を有している。
図において、1004は記録済みの用紙を積載可能な排出トレイであり、1003は、本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジ或いはインクタンク等の交換を行う際に、ユーザが開閉することが可能なアクセスカバーである。上ケース1002に設けられた操作パネル1010には、印刷に関する条件(例えば、記録媒体の種類、画像品位等)を各種設定するためのメニュー項目が表示され、ユーザは出力する画像の種類や用途に応じてこれら項目を設定することが出来る。1007は記録媒体を装置本体内へと自動的に給送する自動給送部、1009はメモリカードを装着可能なアダプタが挿入されるカードスロット、1012はデジタルカメラを接続するためのUSB端子である。PD装置1000の後面には、PCを接続するためのUSBコネクタが設けられている。
<制御部電気仕様概要>
図2は本発明の実施の形態に係るPDプリンタ1000の制御に係る主要部の構成を示すブロック図である。図において、3000は制御部(制御基板)を示し、3001は画像処理ASIC(専用カスタムLSI)を示している。3002はDSP(デジタル信号処理プロセッサ)で、内部にCPUを有し、後述する各種制御処理及び、各種画像処理等を担当している。3003はメモリで、DSP3002のCPUの制御プログラムを記憶するプログラムメモリ3003a、及び実行時のプログラムを記憶するRAMエリア、画像データなどを記憶するワークメモリとして機能するメモリエリアを有している。3004はプリンタエンジンで、ここでは、複数色のカラーインクを用いてカラー画像を印刷するインクジェットプリンタのプリンタエンジンが搭載されている。3005はデジタルカメラ(DSC)3012を接続するためのポートとしてのUSBコネクタである。3006はビューワ1011を接続するためのコネクタである。3008はUSBハブ(USB HUB)で、PDプリンタ1000がPC3010からの画像データに基づいて印刷を行う際には、PC3010からのデータをそのままスルーし、USB3021を介してプリンタエンジン3004に出力する。これにより、接続されているPC3010は、プリンタエンジン3004と直接、データや信号のやり取りを行って印刷を実行することができる(一般的なPCプリンタとして機能する)。3009は電源コネクタで、電源3019により、商用ACから変換された直流電圧を入力している。PC3010は一般的なパーソナルコンピュータ、3011は前述したメモリカード(PCカード)、3012はデジタルカメラ(DSC)である。なお、この制御部3000とプリンタエンジン3004との間の信号のやり取りは、前述したUSB3021又はIEEE1284バス3022を介して行われる。
<記録部の概要>
図1(B)は、本発明の実施の形態に係るシリアル型のインクジェット記録装置のプリンタエンジン部の記録部の概要を示す斜視図である。記録媒体Pは、自動給送部1007によって搬送経路上に配置された搬送ローラ5001とこれに従動するピンチローラ5002とのニップ部に給送される。その後、記録媒体Pは、搬送ローラ5001の回転によって、プラテン5003上に案内、支持されながら図中矢印A方向(副走査方向)に搬送される。ピンチローラ5002は、不図示のバネ等の押圧手段により、搬送ローラ5001に対して弾性的に付勢されている。これら搬送ローラ5001及びピンチローラ5002が記録媒体搬送方向の上流側にある第1搬送手段の構成要素をなす。
プラテン5003は、インクジェット形態の記録ヘッド5004の吐出口が形成された面(吐出面)と対向する記録位置に設けられ、記録媒体Pの裏面を支持することで、記録媒体Pの表面と吐出面との距離を一定の距離に維持する。プラテン5003上に搬送されて記録が行われた記録媒体Pは、回転する排出ローラ5005とこれに従動する回転体である拍車5006との間に挟まれてA方向に搬送され、プラテン5003から排紙トレイ1004に排出される。排出ローラ5005及び拍車5006が記録媒体搬送方向の下流側にある第2搬送手段の構成要素をなす。
記録ヘッド5004は、その吐出口面をプラテン5003ないし記録媒体Pに対向させた姿勢で、キャリッジ5008に着脱可能に搭載されている。キャリッジ5008は、キャリッジモータE0001の駆動力により2本のガイドレール5009及び5010に沿って往復移動され、その移動の過程で記録ヘッド5004は記録信号に応じたインク吐出動作を実行する。キャリッジ5008が移動する方向は、記録媒体が搬送される方向(矢印A方向)と交差する方向であり、主走査方向と呼ばれる。これに対し、記録媒体搬送方向は副走査方向と呼ばれている。キャリッジ5008及び記録ヘッド5004の主走査(記録を伴う移動)と、記録媒体の搬送(副走査)とを交互に繰り返すことにより、記録媒体Pに対する記録が行われる。
図11(A)は、記録ヘッド5004を吐出口形成面から観察した場合の概略図である。図中、51および58は第1および第2シアンノズル列(記録素子群)であり、52および57は第1および第2マゼンタノズル列である。53および56は第1および第2イエローノズル列であり、54および55は第1および第2ブラックノズル列である。各ノズル列の副走査方向における幅はdであり、1回の走査によってdの幅の記録が可能となっている。ノズル列51〜58は、相対的に大きなインク滴を吐出し記録媒体に大ドットを記録するノズルと、相対的に小さなインク滴を吐出し記録媒体に小ドットを記録するノズルとが、副走査方向に交互に配置している。例えば第1シアンノズル列51では、大ドット用ノズルc1と小ドット用ノズルsc1とが交互に配置し、第2シアンノズル列58では、大ドット用ノズルc2と小ドット用ノズルsc2とが交互に配置している。また、これら同色のインクを吐出する2つのノズル列については、大ドット用のノズルと小ドット用のノズルの副走査方向への配列順序が互い違いになっている。
更に、本実施形態の記録装置はマルチパス記録を実行するので、記録ヘッド5004が1回の記録走査で記録可能な領域に対して、複数回の記録走査によって段階的に画像が形成される。この時、各記録走査の間に記録ヘッド5004の幅dよりも小さな量の搬送動作を行うことにより、個々のノズルのばらつきに起因する濃度むらやすじを更に低減することが出来る。
<ドット重複率の制御と濃度むら及び粒状感の関係>
背景技術の項で述べたように、異なる走査や異なる記録素子群で記録されるドット同士がずれて重なると、画像の濃度変動が生じ、これが濃度むらとして知覚される。そこで本発明では、同じ位置(同じ画素や同じサブ画素)に重複して記録すべきドットを予め幾つか用意し、記録位置ずれが生じた際に、隣り合うドットが互いに重なり合い白紙領域を増加させる一方、重複したドットが互いに離れ白紙領域を減少させるようにする。これにより、記録位置ずれによる白紙領域の増と減、即ち濃度の増と減が相殺し合い、画像全体としての濃度変化を抑制することが期待できる。但し、図9(C)でも説明したように、重複したドットを予め用意することは、粒状感を悪化させることにも繋がる。つまり、予め用意する重複ドット数の調整において、上述した濃度むらと粒状感とはトレードオフの関係にあると言える。
しかしながら、上記濃度変化についても粒状感や濃度不足についても、夫々ある程度の許容範囲(人間の視覚特性上、視認されにくい範囲)を有している。よって、この許容範囲内に両者を抑える程度にドット重複率を調整することが出来れば、弊害の目立たない画像を出力することが期待できる。但し、上記許容範囲は、例えばインクの種類や記録媒体の種類、濃度データ値など様々な条件に応じて変化し、適切なドット重複率が常に一定とは限らない。特に本実施形態のように大ドットと小ドットのような複数サイズのドットを用いて記録する場合には、ドットのサイズによって適切なドット重複率も異なる。よって、ドットのサイズに応じて、ドットの重複率を制御可能な構成を備えることが望まれる。
ここで「ドット重複率」について説明する。「ドット重複率」とは、図4や図16に示す様に、K(Kは1以上の整数)個の画素で構成される単位領域に記録されるべき総ドット数の内、異なる走査或は異なる記録素子群によって同じ画素に重複して記録されるべきドット(重複ドット)数の割合である。なお、同じ画素とは、図4の場合には同じ画素位置を指し、図16の場合にはサブ画素位置を指す。
以下、図4を用いて4画素(主走査方向)×3画素(副走査方向)で構成される単位領域に対応した第1プレーンと第2プレーンのドット重複率について説明する。なお「第1プレ−ン」とは第1走査或は第1ノズル群に対応した2値データの集合を表し、「第2プレ−ン」とは第2走査或は第2ノズル群に対応した2値データの集合を表す。また、「1」はドットの記録を示すデータを表し「0」はドットの非記録を示すデータを表す。
図4(A)〜(E)では、第1プレーンの「1」の個数が“4”で、第2プレ−ンの「1」の個数も“4”であるため、4画素×3画素で構成される単位領域に記録されるべき総ドット数は“8”となる。一方、同じ画素位置に対応する、第1プレーンと第2プレーンの「1」の個数が、同じ画素に重ねて記録されるべきドット(重なりドット)の数となる。この定義によれば、重なりドット数は、図4(A)の場合に“0”、図4(B)の場合には“2”、図4(C)の場合には“4”、図4(D)の場合には“6”、図4(E)の場合には“8”となる。従って、図4(H)に示すように、図4(A)〜(E)のドット重複率は、夫々、0%、25%、50%、75%、100%となる。さらに、図4(F)は、第1プレーンの記録ドット数“4”で、第2プレ−ンの記録ドット数が“3”で、総ドット数が“7”で、重なりドット数が“6”で、ドット重複率が86%の場合を示している。また、図4(G)は、第1プレーンの記録ドット数“4”で、第2プレ−ンの記録ドット数が“2”で、総ドット数が“6”で、重なりドット数が“2”で、ドット重複率が33%の場合を示している。このように本明細書における「ドット重複率」は、異なる走査或は異なる記録素子群に対応したドットデータを仮想的に重ねた場合のドットデータの重複率である。
以下、本発明におけるドット重複率を制御するための具体的な画像処理方法について、複数の実施形態を例に説明する。
(第1の実施形態)
図3は、2回の記録走査によって記録媒体の同一領域の画像を完成させるマルチパス記録を行う場合の画像処理を説明するためのブロック図である。本実施形態において、多値画像データ入力部(61)、色変換/ドットサイズ別データ分配部(62)、画像データ分割部(64−1、64−2)および量子化処理部(66−1〜4)は、制御部3000に備えられている。
外部機器から、多値画像データ入力部61によって、RGBの多値の画像データ(256値)が入力される。この入力画像データ(多値のRGBデータ)は、画素毎に、色変換/ドットサイズ別データ分配部62によって、インク色(CMYK)に対応した大ドット用と小ドット用の2組の多値画像データ(多値濃度データ)に変換される。色変換/ドットサイズ別データ分配部62には、RGB値と、大ドット用CMYK値(CL,ML,YL,KL)及び小ドット用CMYK値(CS,MS,YS,KS)とが、一対一で対応付けられた3次元のルックアップテーブル(LUT)が用意されている。そして、このLUTを用いることにより、RGBデータが、大ドット用多値データ(CL,ML,YL,KL)と小ドット用多値データ(CS,MS,YS,KS)のようなドットサイズ別多値データに一括して変換される。テーブル格子点値から外れる入力値に対しては、近傍の格子点の出力値から補間によって出力値を算出してもよい。
図17(A)は、大ドット用と小ドット用の2組の多値データの生成の様子を説明するための図である。図において、横軸は1つの画素に与えられるある1色の濃度データを示し0〜255の信号値を有する。一方、縦軸は横軸で示される濃度データに対し、大ドット用および小ドット用それぞれに分配される多値データ(色変換ドットサイズ別データ分配部62から出力されるデータ)を示している。このように本実施形態の色変換/ドットサイズ別データ分配部62は、画素に対応する入力画像データ(濃度データ)に基づいて、大ドット用の多値濃度データ(CL,ML,YL,KL)と小ドット用の多値濃度データ(CS,MS,YS,KS)を生成する。
一般に、大ドットと小ドットを用いる記録装置では、図17(A)に示すようなグラフ形状で多値データの分配を行うことが多い。このような分配であれば、粒状感が懸念される低階調領域では小ドットによって粒状感を低く抑えることが出来、より高い濃度が要求される高濃度領域では大ドットの使用によって最高濃度を高めることができる。
但し、本実施形態の色変換/ドットサイズ別データ分配部62に実際に入力される入力画像データは、図17(A)の横軸に示すような各画素に対する濃度データ(CMYK)ではなく、各画素に対する輝度データ(RGB)である。よって、本実施形態の色変換/ドットサイズ別データ分配部62で参照するLUTは、RGB値から想定される濃度データ(横軸)と、大ドット用および小ドット用の多値データ(縦軸)が図17(A)で示す関係を満足するように、構成されている。つまり、入力画像データであるRGB値と、大ドット用の多値データ(CL,ML,YL,KL)及び小ドット用の多値データ(CS,MS,YS,KS)が1対1で対応付けられるような3次元LUTが用意されている。
以下の処理は、CMYKの夫々について独立に並行して行われるので、これ以後の説明はブラック(K)のみについて行う。色変換/ドットサイズ別データ分配部62で生成された大ドット用多値データ(KL)63−1及び小ドット用多値データ(KS)63−2は、それぞれ大ドット用画像データ分割部64−1及び小ドット用画像データ分割部64−2に送られる。そして、大ドット用多値データ(KL)63−1は、所定の分配率に従って大ドット第1走査用多値データ(KL1)65−1と、大ドット第2走査用多値データ(KL2)65−2に分割(変換処理)される。また、小ドット用の多値データ(KS)63−2は、上記所定の分配率とは異なる小ドット用の分配率に従って小ドット第1走査用多値データ(KS1)65−3と、小ドット第2走査用多値データ(KS2)65−4に分割(変換処理)される。このように、本実施形態では、大ドット用画像データ分割部64−1と小ドット用画像データ分割部64−2で分割する際の分配率を異ならせることによって、大ドットと小ドットとでドット重複率を異ならせる。大ドットと小ドットでドット重複率を異ならせるための詳しい変換方法と仕組みについては後述する。
大ドット用画像データ分割部64−1および小ドット用画像データ分割部64−2で生成された4種類の多値データ65−1〜4は、夫々の量子化処理部(66−1〜4)において2値化処理(量子化処理)が行われる。量子化処理部66−1では、大ドット第1走査用多値データ65−1(KL1)に対し2値化処理(量子化処理)が行われ、大ドット第1走査用2値データ67−1(KL1´)が生成される。量子化処理部66−2では、大ドット第2走査用多値データ65−2(KL2)に対し2値化処理(量子化処理)が行われ、大ドット第2走査用2値データ67−2(KL2´)が生成される。量子化処理部66−3では、小ドット第1走査用多値データ65−3(KS1)に対し2値化処理(量子化処理)が行われ、小ドット第1走査用2値データ67−3(KS1´)が生成される。量子化処理部66−4では、小ドット第2走査用多値データ65−4(KS2)に対し2値化処理(量子化処理)が行われ、小ドット第2走査用2値データ67−4(KS2´)が生成される。本実施形態において、これら4つの量子化処理部66−1〜4で採用される量子化方式は、一般的な誤差拡散方式とする。
この際、等しいドットサイズについては、2回の走査でドットが記録される画素と一方の走査でのみドットが記録される画素とを適度に混在させるため、2つの誤差拡散処理で異なる拡散マトリクスを採用することが好ましい。例えば量子化処理部66−1及び量子化処理部66−3では図8(A)で示した拡散マトリクスを用い、量子化処理部66−2及び量子化処理部66−4では同図(B)で示した拡散マトリクスを用いてもよい。
以上の様な量子化処理の結果、KL1´とKL2´の両方が1である画素には大ドットが重複して記録され、KL1´とKL2´の両方が0である画素には大ドットが記録されない。又、KL1´とKL2´のどちらか一方が1である画素には、大ドットが1つだけ記録される。小ドットについても同じである。
量子化処理部66−1〜4によって、2値の画像データKL1´、KL2´、KS1´およびKS2´が得られると、これらデータはそれぞれ、IEEE1284バス3022を介して図3で示したプリンタエンジン3004に送られる。
プリンタエンジン3004において、大ドット用の2値データKL1´(67−1)は、大ドット第1走査用バッファ68−1に格納され、その後ノズル列54或いは55のいずれかの、対応する大ドット用ノズルk1或いはk2によって、第1走査で記録される。大ドット用の2値データKL2´(67−2)は、大ドット第2走査用バッファ68−2に格納され、その後ノズル列54或いは55のいずれかの、対応する大ドット用ノズルk1あるいはk2によって、第2走査で記録される。また、小ドット用の2値データKS1´(67−3)は、小ドット第1走査用バッファ68−3に格納され、その後ノズル列54或いは55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1或いはsk2によって、第1走査で記録される。さらに、小ドット用の2値データKS2´(67−4)は、小ドット第2走査用バッファ68−4に格納され、その後ノズル列54或いは55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1或いはsk2によって、第2走査で記録される。
以下、本実施形態の特徴的なドット重複率を制御するための処理方法を説明する。表1は、本実施形態の画像データ分割部(64−1或いは64−2)による第1走査用および第2走査用の多値データへの分配率と、それぞれの多値データに対し一般的な誤差拡散処理を施した場合の、第1走査と第2走査でのドット重複率を示している。
表1において記録率(%)とは、単位面積当たりに記録される1色のインクのドット数に相当し、単位面積当たりにドットが記録されていない状態を0%、単位面積当たりに最大数のドットが記録されている状態を100%としている。従って、例えば記録率60%とは、大ドットの多値データ63−1あるいは小ドットの多値データ63−2の最大値(255)に対し60%の値(153)に相当する数のドットが単位面積に記録されている状態を指す。表1では、この様なドット記録率を0〜100%の10段階で示している。
分配率(%)とは、記録率によって決まる多値データを第1走査及び第2走査へ分配する割合を示し、分配率の合計は100%となっている。例えば、大ドットの多値データ値(KL=100)を第1走査用の多値データ(KL1=80)と第2走査用の多値データ(KL2=20)に分配する際、分配率は(KL1:KL2=80:20)となる。表1では、この様な分配率を6段階で示している。そして、分配率と記録率の夫々に対応し、一般的な誤差拡散法によって2値化処理した結果のドット重複率を各欄に示している。
Figure 0005709394
図6は、表1をグラフに示した図であり、横軸は記録率、縦軸はドット重複率を示している。表1に示した6段階の分配率の夫々について、記録率に対するドット重複率が傾きの異なる直線で示されている。例えば、第1記録走査の分配率が100%、第2記録走査の分配率が0%である場合、全多値データは第1記録走査のみによって記録される。この場合、ドットが重なり合うことはなく、記録率が上昇してもドット重複率は0%のままである。第2記録走査の分配率を徐々に上げていくと、記録率に対するドット重複率の傾きは徐々に上がる。そして、分配率が第1記録走査と第2記録走査で50%ずつである場合、記録率に対するドット重複率の傾きは最も大きくなり、記録率が100%のときにドット重複率は50%となる。従って、表1や図6に示すような分配率とドット重複率の関係を予め取得しておけば、分配率を調整することにより所望のドット重複率を実現することが出来る。
ここで、本実施形態の記録装置では、図17(A)を参照するに、中濃度領域から高濃度領域のように紙面が比較的多くのドットで埋め尽くされる濃度領域において、ドットの重複率の変化がドットの被覆率に影響を与えやすく、濃度むらが目立ちやすいとする。よって、中濃度領域から高濃度領域でより多く使用される大ドットのドット重複率を比較的高く設定する。一方、ドットが離散的に記録される低濃度領域において、ドットの重複による粒状感の方がドットの重複状態の変化による濃度むらよりも目立ち易いとする。よって、低濃度領域でより多く使用される小ドットのドット重複率を、比較的低く設定する。すなわち、本実施形態において、大ドットのドット重複率は小ドットのドット重複率よりも高く設定する。そして、そのために、大ドット用画像データ分割部64−1および小ドット用画像データ分割部64−2とで、異なる分配率に従ったデータ分割を行う。具体的には、大ドット用画像データ分割部64−1における分配率の偏りを、小ドット用画像データ分割部64−2における分配率の偏りよりも小さく設定する。例えば、再度図6を参照するに、大ドットの分配率を50%:50%とし、小ドットの分配率を80%:20%とすることにより、どの記録率であっても、大ドットのドット重複率を小ドットのドット重複率よりも高く保つことが出来る。
以上の構成によれは、濃度むらが懸念される中濃度領域〜高濃度領域で多く記録される大ドットのドット重複率を、粒状性が懸念される低濃度領域〜中濃度領域で多く記録される小ドットよりも高く設定することが出来る。結果、低濃度領域〜高濃度領域に渡る全濃度領域において、濃度むらも粒状感も低減された良好な画像を出力することが出来る。
ところで、本実施形態は、必ずしも、図3に示したように、色変換/ドットサイズ別データ分配部62にて多値の輝度データ(RGB)を大ドット用の多値データと小ドット用の多値データに3次元LUTを用いて一括変換する必要はない。輝度データRGBを濃度データCMYKに色変換する処理と、濃度データCMYKを大ドットと小ドットに対応した複数の多値データに変換する処理とを独立に設けても構わない。
また、表1では、第1走査と第2走査の分配率の和が100%になるようにそれぞれの分配率が定められているが、画像処理の都合や絶対濃度の向上を目的として、第1走査の分配率の和と第2走査の分配率の和を100%以上や100%未満にしても構わない。
図7は、図3に示した画像処理の具体例をイメージ化した図である。ここでは、4画素×4画素の計16画素に対応した入力画像データ140を処理する場合について図3に対応付けて説明する。符号A〜Pは、各画素に対応する入力画像データ140のRGB値の組合せを示している。符号AL〜PLは、各画素に対応した大ドット用の多値データ141のCMYK値の組合せを示している。符号AS〜PSは、各画素に対応した小ドット用の多値データ142のCMYK値の組合せを示している。また、符号AL1〜PL1は、各画素に対応した大ドット第1走査用多値データ143のCMYK値の組合せを示し、符号AL2〜PL2は、各画素に対応した大ドット第2走査用多値データ144のCMYK値の組合せを示している。さらに、符号AS1〜PS1は、各画素に対応した小ドット第1走査用多値データ145のCMYK値の組合せを示し、符号AS2〜PS2は、各画素に対応した小ドット第2走査用多値データ146のCMYK値の組合せを示している。
図において、大ドット用の多値データ141が図3の大ドット用多値データ63−1に相当し、小ドット用多値データ142が小ドット用の多値データ63−2に相当する。また、大ドット第1走査用多値データ143が大ドット第1走査用多値データ65−1に相当し、大ドット第2走査用多値データ144が大ドット第2走査用多値データ65−2に相当する。更に、大ドットの第1走査用の量子化データ147が2値データ67−1に相当し、大ドットの第2走査用の量子化データ148が2値データ67−2に相当する。小ドットについても同様である。
まず、入力画像データ140(RGBデータ)が、色変換/ドットサイズ別データ分配部62に入力される。すると、色変換/ドットサイズ別データ分配部62では、3次元のLUTによって、入力画像データ140(RGBデータ)が、画素毎に、大ドット用の多値データ141(CMYKデータ)と小ドット用の多値データ142(CMYKデータ)に変換される。これ以降の処理は、簡単のため1色(K)のみについてのみ説明する。
大ドット用多値データ(141)は、大ドット用画像データ分割部64−1に入力され、50:50のような偏りの少ない分配率に従って、画素毎に、大ドット第1走査用の多値データ(143)と大ドット第2走査用の多値データ(144)に変換される。一方、小ドット用多値データ(142)は、小ドット用画像データ分割部64−2に入力され、80:20のような偏りの大きな分配率に従って、画素毎に、小ドット第1走査用の多値データ(145)と小ドット第2走査用の多値データ(146)に変換される。
その後、大ドット第1走査用の多値画像データ(143)は第1の量子化処理部66−1に入力され、誤差拡散処理が施されて、大ドット第1走査用の量子化データ(147)が生成される。また、大ドット第2走査用の多値画像データ(144)は第2の量子化処理部66−2に入力され、誤差拡散処理が施されて、大ドット第2走査用の量子化データ(148)が生成される。一方、小ドット第1走査用の多値画像データ(145)は第3の量子化処理部66−3に入力され、誤差拡散処理が施されて、小ドット第1走査用の量子化データ(149)が生成される。また、小ドット第2走査用の多値画像データ(146)は第4の量子化処理部66−4に入力され、誤差拡散処理が施されて、小ドット第2走査用の量子化データ(150)が生成される。量子化処理部66−1及び66−3では、図8(A)で示される誤差拡散マトリクスAを用いた誤差拡散処理が行われ、量子化処理部66−2及び66−4では、図8(B)で示される誤差拡散マトリクスBを用いた誤差拡散処理が行われる。
図7において、大ドットおよび小ドットの第1走査用および第2走査用の量子化データ(147〜150)のうち、「1」のデータはドットの記録(インクの吐出)を示すデータであり、「0」のデータはドットの非記録(インクの非吐出)を示すデータである。50:50のような偏りの少ない分配率に従って分配処理が行われた大ドットでは、第1走査用多値データ(147)と第2走査用多値データ(148)で、ドットの記録を示すデータ「1」の数がほぼ等しいことが判る。また、同じ画素に重複して記録される大ドットの数(6)が、記録される大ドットの数(12)のほぼ半分、すなわちドット重複率が50%であることが判る。一方、80:20のような偏りの大きい分配率に従って分配処理が行われた小ドットでは、第1走査用多値データ(149)と第2走査用多値データ(150)で、ドットの記録を示すデータ「1」の数に偏りがあることがわかる。そして、同じ画素に重複して記録される小ドットの数は極めて少ない(本例では0)。すなわちドット重複率が0%に近いことが判る。
以上説明した本実施形態によれば、大ドットと小ドットの夫々に適したドット重複率を実現するために、大ドットと小ドット夫々に応じた分配率に従って、異なる走査に対応した複数の多値データを生成し、夫々の多値データに対して2値化処理を実行する。これにより、記録位置ずれによる濃度変動に起因した濃度むらがより懸念される大ドットのドット重複率を、記録位置ずれによる濃度変動よりも粒状感の悪化が懸念される小ドットのドット重複率よりも高く設定することが出来る。つまり、粒状感よりも濃度むらの方が目立ちやすい大ドットと濃度むらよりも粒状感が懸念される小ドットとでドット重複率を異ならせることにより、全濃度領域で良好な画像を出力することが可能となる。
(第2の実施形態)
大きさが異なる2種類のドットを使用する場合において、必ずしも、第1の実施形態のように、小ドットで粒状感が懸念され、大ドットで濃度むらが目立ちやすい状況ばかりではない。一般には、白紙領域が丁度埋め尽くされる程度の濃度領域(被覆率が100%近傍の濃度領域)において、被覆率がプレーン間のずれに対し最も敏感になり、この濃度領域での記録位置ずれが最も濃度むらに影響を与える。そして、この濃度領域が例えば図17のどの濃度データ領域に相当するかは、記録解像度とドット径の相対関係に依存するのであって、例えばインクの種類や記録媒体の種類などの様々な条件によって変動する。従って、大ドットと小ドットを使用するシステムにおいて、必ずしも大ドットの方が小ドットよりも濃度むらが目立ちやすいとは限らない。例えば、小ドットであっても記録解像度の1画素に対して十分な大きさを有する場合は、小ドットのみが使用される領域で白紙領域が丁度埋め尽くされる濃度領域が存在し、プレーン間のずれによる濃度むらの変動が当該領域で最も目立つ場合もある。
本実施形態は、このような状況にある場合のドット重複率の制御方法について説明する。具体的には、図17を参照するに、小ドットのみが使用される濃度データが128未満の領域でプレーン間のずれによる濃度むらの変動が最も目立ちやすいので、小ドットのドット重複率を比較的高く設定する。一方、既にドットが埋め尽くされている高濃度領域で使用される大ドットについては、プレーン間のずれによる濃度変動よりも、重複ドットの存在に伴う白紙領域の露出による濃度不足が懸念されるので、ドット重複率を比較的低く設定する。すなわち、本実施形態では、図18(B)に示すように、大ドットのドット重複率を小ドットのドット重複率よりも低く設定する。
本実施形態は、大ドットと小ドットにおけるこのようなドット重複率の関係を実現するために、図3を参照するに、大ドット用画像データ分割部64−1における分配率の偏りを、小ドット用画像データ分割部64−2における分配率の偏りよりも大きく設定する。例えば、再度図6を参照するに、小ドットの分配率を50%:50%とし、大ドットの分配率を80%:20%とする。これにより、どの記録率であっても、大ドットのドット重複率を小ドットのドット重複率よりも低く保つことが出来る。
以上説明した様に本実施形態においても、大ドットと小ドットの夫々に適したドット重複率を実現するために、大ドットと小ドット夫々に応じた分配率に従って、異なる走査に対応した複数の多値データを生成し、夫々の多値データに対して2値化処理を実行する。これにより、記録位置ずれによる濃度変動に起因した濃度むらが懸念される小ドットのドット重複率を、記録位置ずれによる濃度変動よりも濃度不足が懸念される大ドットのドット重複率よりも高く設定することが出来る。つまり、濃度むらの方が目立ちやすい小ドットと濃度むらよりも濃度不足が懸念される大ドットとでドット重複率を異ならせることにより、全濃度領域で良好な画像を出力することが可能となる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、大ドット或いは小ドットのドット重複率を制御するために、色変換/画像データ分割部における分配率を調整する方法を説明した。本実施形態では、色変換/画像データ分割部によって生成された複数の多値濃度データを量子化する際の量子化処理に特徴を持たせることによって、ドット重複率を制御する。この際、色変換/画像データ分割部と量子化処理部の協働によってドット重複率を制御してもよい。
図12は、2回の記録走査によって記録媒体の同一領域の画像を完成させるマルチパス記録を行う場合の画像処理を説明するためのブロック図である。ここでは、デジタルカメラ3012等の画像入力機器から入力された画像データに対し、図のブロック21〜26までの処理を図2で説明した制御部3000で行うものとする。
外部機器から、多値画像データ入力部21によって、RGBの多値の画像データ(256値)が入力される。この入力画像データ(多値のRGBデータ)は、色変換/ドットサイズ別データ分配部22によって、大ドット用の多値データ(CL,ML,YL,KL)と小ドット用の多値データ(CS,MS,YS,KS)に一括して変換される。色変換/ドットサイズ別データ分配部22の構成は上記実施形態と同様である。以下の処理は、各色が独立して行われるので、これ以後の説明はブラック(K)のみについて行う。
色変換/ドットサイズ別データ分配部22で生成された大ドット用多値データ(KL)23−1及び小ドット用多値データ(KS)23−2は、それぞれ大ドット用画像データ分割部24−1および小ドット用画像データ分割部24−2に送られる。そして、大ドット用多値データ(KL)23−1は大ドットの第1走査用の多値データ(KL1)25−1と第2走査用の多値データ(KL2)25−2へデータ分割(変換処理)される。また、小ドット用の多値データ(KS)23−2は、小ドットの第1走査用の多値データ(KS1)25−3と第2走査用の多値データ(KS2)25−4へ分割(変換処理)される。本実施形態において、大ドット用画像データ分割部24−1及び小ドット用画像データ分割部24−2における分配率は、一律に50:50であればよい。但し、上記実施形態の様に、ドット重複率を制御する為に分配率を調整する方法も併用し、大ドットと小ドットで異なる分配率に従って、データを分割してもよい。
大ドット用の量子化処理部26−1では、大ドット第1走査用多値データ25−1(KL1)と第2走査用の多値データ25−2(KL2)のそれぞれに対し2値化処理(量子化処理)が行われる。すなわち、各多値データは0または1のどちらかに変換(量子化)されて、大ドット第1走査用の2値データ(KL1´)27−1および大ドット第2走査用の2値データ(KL2´)27−2となる。この際、KL1´とKL2´の両方が1である画素には大ドットが重複して記録され、KL1´とKL2´の両方が0である画素には大ドットが記録されない。また、KL1´とKL2´のどちらか一方が1である画素には、大ドットが1つだけ記録される。小ドット用の量子化処理部26−2についても同様である。本実施形態では、この大ドット用の量子化処理部26−1と小ドット用の量子化処理部26−2における量子化方法を異ならせることによって、大ドットと小ドットとでドット重複率を異ならせる。以下に、本実施形態の量子化処理方法について説明する。
大ドット用の量子化処理部26−1あるいは小ドット用の量子化処理部26−2において実行される処理工程を、図10のフローチャートを用いて説明する。大ドット用であれ小ドット用であれ、これ以降で説明するフローチャートにおいて、量子化される2つの対象すなわち2つの入力多値データは、K1およびK2と示し、0〜255の値を有している。すなわち、K1およびK2は、大ドットであれば上記KL1およびKL2に相当し、小ドットであれば上記KS1およびKS2に相当する。また、K1errおよびK2errは、既に量子化処理が終了した周辺の画素から発生した累積誤差値で、K1ttlおよびK2ttlは入力多値データと累積誤差値を合計した値である。更にフローチャートにおけるK1´およびK2´は、第1記録走査用と第2記録走査用の2値の量子化データを示し、大ドットであれば上記KL1´およびKL2´に相当し、小ドットであれば上記KS1´およびKS2´に相当する。
本処理では、2値の量子化データであるK1´やK2´の値を決定する際に用いる閾値(量子化パラメータ)が、K1ttlやK2ttlの値に応じて異なるようになっている。そのためにK1ttlやK2ttlの値に応じて閾値が一義的に決まるようなテーブルが予め用意されている。ここで、K1´を決定する際にK1ttlと比較するための閾値をK1table[K2ttl]とし、K2´を決定する際にK2ttlと比較するための閾値をK2table[K1ttl]とする。K1table[K2ttl]はK2ttlの値によって定まる値であり、K2table[K1ttl]はK1ttlの値によって定まる値である。
本処理が開始されると、まず、S21によりK1ttlおよびK2ttlを算出する。次いで、S22において、下記表2に示されるような閾値テーブルを参照することにより、S21で求めたK1ttlおよびK2ttlから、2つの閾値K1table[K2ttl]及びK2table[K1ttl]を取得する。閾値K1table[K2ttl]は、表2の閾値テーブルの「参照値」としてK2ttlを用いることによって一義的に求められる。閾値K2table[K1ttl]は、表2の閾値テーブルの「参照値」としてK1ttlを用いることによって一義的に求められる。
続くS23〜S25においてK1´の値を決定し、S26〜S28においてK2´を決定する。具体的には、S23において、S21で算出したK1ttlがS22で取得した閾値K1table[K2ttl]以上であるか否かを判定する。K1ttlが閾値以上であると判定された場合にはK1´=1とし、この出力値(K1´=1)に応じて累積誤差値K1err(=K1ttl−255)を算出して更新する(S25)。一方、K1ttlが閾値未満であると判定された場合にはK1´=0とし、この出力値(K1´=0)に応じて累積誤差値K1err(=K1ttl)を算出して更新する(S24)。
次いで、S26において、S21で算出したK2ttlがS22で取得した閾値K2table[K1ttl]以上であるか否かを判定する。K2ttlが閾値以上であると判定された場合にはK2´=1とし、この出力値(K1´=1)に応じて累積誤差値K2err(=K2ttl−255)を算出して更新する(S28)。一方、K2ttlが閾値未満であると判定された場合にはK2´=0とし、この出力値(K2´=0)に応じて累積誤差値K2err(=K2ttl)を算出して更新する(S27)。
その後、S29において、上記のように更新された累積誤差値K1errおよびK2errを、図8(A)或いは(B)に示す誤差拡散マトリクスに従って、未だ量子化処理が終了していない周辺画素に拡散する。本実施形態では、累積誤差値K1errを周辺画素に拡散するために図8(A)に示す誤差拡散マトリクスを用い、累積誤差値K2errを周辺画素に拡散するために図8(B)に示す誤差拡散マトリクスを用いる。
このように本実施形態では、第1走査に対応した第1の多値データ(K1ttl)に量子化処理を行うのに用いる閾値(量子化パラメータ)を、第2走査に対応した第2の多値データ(K2ttl)に基づいて決定している。同様に、第2走査に対応した第2の多値データ(K2ttl)に量子化処理を行うのに用いる閾値(量子化パラメータ)を、第1走査に対応した第1の多値データ(K1ttl)に基づいて決定している。つまり、2回の走査のうちの一方の走査に対応した多値データと他方の走査に対応した多値データの両方に基づいて、一方の走査に対応した多値データの量子化処理も、他方の走査に対応した多値データの量子化処理も実行する。これにより、例えば、一方の走査でドットが記録される画素には、他方の走査では同じサイズのドットが極力記録されないようしたり、反対に積極的に記録したり出来るため、粒状感の悪化や濃度不足とバランスを取りながら、濃度むらを抑制することが出来る。
図13(A)は、上記図10のフローチャートに従って、下記表2の閾値テーブルの図13(A)の欄に記述される閾値を用いて量子化処理(2値化処理)を行った結果を入力値(K1ttl及びK2ttl)と対応付けて説明するための図である。K1ttl及びK2ttlは共に0〜255の値を取り得、閾値テーブルの図13(A)の欄に示されるように閾値128を境に記録(1)及び非記録(0)が決定される。図中のポイント221は全くドットを記録しない領域(K1´=0且つK2´=0)と、2つのドットが重なる領域(K1´=1且つK2´=1)の境界点となる。
図13(B)は、上記図10のフローチャートに従って下記表2の閾値テーブルの図13(B)の欄に記述される閾値を用いて量子化処理(2値化処理)を行った結果を、入力値(K1ttl及びK2ttl)と対応付けて説明するための図である。ポイント231は、全くドットを記録しない領域(K1´=0且つK2´=0)と1ドットのみを生ずる領域(K1´=1且つK2´=0、或はK1´=0且つK2´=1)との境界である。ポイント232は、2つのドットを重複して記録する領域(K1´=1且つK2´=1)と1ドットのみを生ずる領域(K1´=1且つK2´=0、或はK1´=0且つK2´=1)との境界である。ポイント231と232がある程度の距離を置いて離れていることにより、図13(A)の場合に比べ、どちらか一方のドットが記録される領域が増え、両方のドットが記録される領域が減少している。つまり、図13(B)の場合は、同図(A)の場合よりもドット重複率が低減され、粒状性を低く抑えるのに有利である。図13(A)の様にドット重複率が急峻に変化するポイントが存在すると、階調の僅かな変化によって濃度むらが発生する場合が有り得るが、図13(B)の場合には階調の変化に応じてドット重複率も滑らかに変化していくので、その様な濃度むらも起こり難い。
このように、量子化処理を行う際の閾値は記録後のドット重複率に影響を与える。よって、大ドットと小ドットでこれら閾値を異ならせることにより、大ドットと小ドットとでドット重複率を調整することが可能となる。例えば、図13(B)に示す量子化処理を小ドット用の量子化処理26−2に採用することにより、小ドットが多く使用される低濃度領域で粒状感を低く抑えることができる。また、例えば、図13(E)に示す量子化処理を大ドット用の量子化処理26−1に採用することにより、大ドットが使用される中濃度〜高濃度領域で濃度変動を低く抑えることができる。反対に、図13(B)に示す量子化処理を大ドット用の量子化処理26−2に採用することにより、大ドットが多く使用される高濃度領域で濃度不足を回避することができる。また、例えば、図13(E)に示す量子化処理を小ドット用の量子化処理26−1に採用することにより、小ドットが使用される低〜中濃度領域で濃度変動を低く抑えることができる。
以下に、異なるドット重複率を実現するための幾つかの閾値例を図13(C)〜図18(G)を用いて説明する。本実施形態では、このような様々な量子化処理の中から最も適切なドット重複率が得られる量子化処理を、大ドット用の量子化処理27−1および小ドット用の量子化処理27−2のそれぞれに、選択的に採用すればよい。なお、なお、図13(C)〜(G)は、上述した図13(A)及び(B)と同様、下記表2に示される閾値テーブルに記述される閾値を用いて量子化した結果(K1´及びK2´)と入力値(K1ttl及びK2ttl)との対応関係を示した図である。
図13(C)は、ドット重複率を図13(A)と同図(B)の間の値にするようにした場合を示す図である。ポイント241は図13(A)のポイント221と同図(B)のポイント231の中間点に定められている。また、ポイント242は図13(A)のポイント221と同図(B)のポイント232の中間点に定められている。
図13(D)は、同図(B)の場合よりもドット重複率を更に低減するようにした図である。ポイント251は図13(A)のポイント221と同図(B)のポイント231を3:2に外分する点に定められている。また、ポイント252は図13(A)のポイント221と同図(B)のポイント232を3:2に外分する点に定められている。
図13(E)は、同図(A)の場合よりもドット重複率を増加させる場合を示している。図13(E)によれば、全くドットを記録しない領域(K1´=0且つK2´=0)から2つのドットを重複して記録する領域(K1´=1且つK2´=1)への遷移が生じ易くなり、ドット重複率を増加させる事が出来る。図13(F)は、ドット重複率を同図(A)と(E)の間の値にするようにした場合を示す図である。図13(G)は同図(E)の場合よりも更にドット重複率を増加させるようにした場合を示している。
次に、下記表2に示される閾値テーブルを用いた量子化処理の方法について具体的に説明する。表2は、図13(A)〜(G)に示した処理結果を実現するために、図10で説明したフローチャートのS22において閾値を取得するための閾値テーブルである。
ここでは、入力値(K1ttl、K2ttl)が(100、120)で、且つ、閾値テーブルの図13(B)の欄に記述される閾値を用いる場合について説明する。まず、図14のS22では、表2に示される閾値テーブルと、K2ttl(参照値)に基づいて、閾値K1table[K2ttl]を求める。参照値(K2ttl)が「120」であれば、閾値K1table[K2ttl]は「120」となる。同様に、閾値テーブルとK1ttl(参照値)に基づいて、閾値K2table[K1ttl]を求める。参照値(K1ttl)が「100」であれば、閾値K2table[K1ttl]は「101」となる。次いで、図10のS23において、K1ttlと閾値K1table[K2ttl]を比較判定し、この場合、K1ttl(=100)<閾値K1table[K2ttl](=120)であるため、K1´=0(S24)となる。同様に、図10のS26において、K2ttlと閾値K2table[K1ttl]を比較判定し、この場合、K2ttl(=120)≧閾値K2table[K1ttl](=101)であるため、K2´=1(S28)となる。この結果、図13(B)に示されるように、(K1ttl、K2ttl)=(100、120)の場合には、(K1´、K2´)=(0、1)となる。
以上のような量子化処理によれば、2回の走査に対応した多値データの両方に基づいて、2回の走査夫々に対応した多値データを量子化することで、2回の走査間でのドット重複率を制御している。これにより、一方の走査で記録されるドットと他方の走査で記録されるドットの重複率を大ドットと小ドットの夫々で好適な範囲内に収めることが可能となる。そして、例えば、小ドットを多く使用する低濃度領域で粒状感を抑えながら大ドットを多く使用する中濃度〜高濃度領域で濃度むらを抑えることが出来る。又、例えば、小ドットを多く使用する低〜中濃度領域で濃度むらを抑えながら大ドットを多く使用する高濃度領域で濃度不足を回避することが出来る。すなわち、ドットの大きさに応じてドット重複率を調整することにより、低濃度領域〜高濃度領域に渡る全階調領域において、弊害の目立たない良好な画像を出力することが可能となる。なお、表2では参照値を4おきに示しているが、実際のテーブルにはこの間の値についても(例えば、1〜3)閾値が用意されている。但し、参照値については表2に示したように飛び飛びの値が用意され、その他の値の変換については値の近い参照値から補間処理して求めてもよい。
Figure 0005709394
再び、図12に戻る。大ドット量子化処理部26−1によって、大ドットに適したドット重複率を実現する2値データKL1´およびKL2´が得られると、これらデータはそれぞれ、IEEE1284バス3022を介して図3で示したプリンタエンジン3004に送られる。また、小ドット量子化処理部26−2によって、小ドットに適したドット重複率を実現する2値データKS1´およびKS2´が得られると、これらデータもそれぞれ、IEEE1284バス3022を介して図3で示したプリンタエンジン3004に送られる。以後の処理はプリンタエンジン3004で実行される。
プリンタエンジン3004において、大ドット用の2値データKL1´(27−1)は、大ドット第1走査用バッファ28−1に格納され、その後ノズル列54および55のいずれかの、対応する大ドット用ノズルk1或いはk2によって、第1走査で記録される。大ドット用の2値データKL2´(27−2)は、大ドット第2走査用バッファ28−2に格納され、その後ノズル列54および55のいずれかの、対応する大ドット用ノズルk1又はk2によって、第2走査で記録される。また、小ドット用の2値データKS1´(27−3)は、小ドット第1走査用バッファ28−3に格納され、その後ノズル列54および55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1或いはsk2によって、第1走査で記録される。小ドット用の2値データKS2´(27−4)は、小ドット第2走査用バッファ28−4に格納され、その後ノズル列54および55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1或いはsk2によって、第2走査で記録される。
以上説明した処理によれば、図13(A)〜(G)で示す複数の閾値テーブルの中から適切な閾値テーブルを大ドットと小ドットで独立に選択し、夫々に適したドット重複率を実現することが出来る。その結果、低濃度領域から高濃度領域に渡る全濃度領域において、粒状感、濃度不足、濃度むらの弊害を抑えた良好な画像を出力することが可能となる。
ところで、量子化の方法は、必ずしも上述したような構成、すなわち閾値と比較することによって記録(1)と非記録(0)が決定される構成でなくてもよい。例えば、2プレーンの場合には、K1ttlおよびK2ttlの両方を参照値とすることによってK1´やK2´が 一義的に記録(1)または非記録(0)に変換されるようなテーブルを用意することも出来る。テーブルの詳細は省略するが、このような多次元のテーブルを利用する場合には、よりシンプルな制御で、且つ、ドット重複率をより自由度の高い状態で制御出来るというメリットが得られる。一方、表2に示したような1次元の閾値テーブルを利用する場合には、より少ないメモリ容量でテーブルを作成することが出来る。また、K1ttlおよびK2ttlの和を参照値とした1次元の閾値テーブルを利用することも出来る。更には、全くテーブルを用いずに分岐と演算のみで2値化(量子化)処理を行うことも可能である。この場合、演算に用いられる何らかの係数が、所望のドット重複率を実現する値に設定されていれば、本実施例の効果を得ることが可能となる。このような場合、上述したテーブルを用意する場合に比べて、更にメモリ容量を小さくする事が出来る。
(第4の実施形態)
近年では、主な画像処理は記録解像度よりも低い(粗い)解像度で行い、256階調の多値の画像データをより低い階調のL(Lは3以上)値の多値データに変換した状態で、記録装置のプリンタエンジンに送信する形態が有用されている。この場合、プリンタエンジンでは、受信した低い階調のL値の多値データを、記録解像度に対応した2値データに変換するためのドットパターン(インデックスパターン)をメモリに備えている。以下では、L値化として3値化の例を説明するが、Lの値は3以上の様々な値を取り得ることはいうまでもない。
図15は、本実施形態における、2回の記録走査によって同一領域(例えば、画素領域)の画像を完成させるマルチパス記録を行う場合の画像処理を説明するためのブロック図である。多値画像データ入力部41〜大ドット用画像データ分割部44−1あるいは小ドット用画像データ分割部44−2までの処理は、図3や図12と等しい処理である。これ以降の処理は、各色について独立且つ並行に行われるので、これ以後の説明はブラック(K)のみについて行う。
大ドット用多値データ(KL)43−1は、大ドット用画像データ分割部44−1によって、大ドットの第1走査用の多値データ(KL1)45−1と第2走査用の多値データ(KL2)45−2へデータ分割(変換処理)される。また、小ドット用の多値データ(KS)43−2は、小ドット用画像データ分割部44−2によって、小ドットの第1走査用の多値データ(KS1)45−3と第2走査用の多値データ(KS2)45−4へ分割(変換処理)される。この際、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、第1走査と第2走査とで分配率に所定の偏りを持たせた状態でCMYKデータを分配(生成)してもよいし、均等にCMYKデータを分配(生成)してもよい。
大ドット第1走査用多値データ(KL1)と大ドット第2走査用多値データ(KL2)は、大ドット用量子化処理部46−1に入力され、3値の大ドット第1走査用量子化データ(KL1´)と大ドット第2走査用量子化データ(KL2´)に変換される。具体的には、第2の実施形態の大ドット量子化処理部26−1で行う量子化処理と同様、まず注目画素の2つの多値データK1およびK2(即ちKL1およびKL2)に周辺の誤差を累積したK1ttlおよびK2ttlを得る。その後、第1走査用の多値データ(K1即ちKL1)を量子化する際に用いる閾値を、K2ttlに基づいて決定し、第2走査用の多値データ(K2即ちKL2)を量子化する際に用いる閾値を、K1ttlに基づいて決定する。本実施形態の場合、3値に量子化するため、2つの閾値すなわち第1の閾値とこれよりも大きな第2の閾値を用意する。そして、注目画素における入力多値データと累積誤差値を合計した値(合計値:K1ttlやK2ttl)と第1および第2の閾値との大小関係によって、出力値を決定する。すなわち、合計値が第2の閾値以上の場合には出力値は「2」となり、合計値が第一閾値以上で且つ第二閾値未満の場合には出力値は「1」となり、合計値が第1の閾値未満の場合には出力値は「0」となる。
このように、K2ttlに基づいて決定された閾値に基づいて、第1走査用の多値データ(K1)を量子化して第1走査用の量子化データ(K1´)KL1´を得る。同様に、K1ttlに基づいて決定された閾値を用いて、第2走査用の多値データ(K2)を量子化することで第2走査用の量子化データ(K2´)KL2´を得る。第1の閾値と第2の閾値の決定方法としては、2値化の例と同様、第1の閾値テーブルと第2の閾値テーブルを同一の参照値を用いてそれぞれ決定すればよい。以上の処理は、小ドット量子化処理部46−2についても同様である。
図14は、量子化処理部46−1あるいは46−2における量子化(3値化)処理の結果(K1及びK2)と入力値(K1ttl及びK2ttl)との対応関係を、図13と同様に示す図である。図において、K1´とK2´の値は、1回目の記録走査及び2回目の記録走査の夫々で注目画素に記録されるドット数を示している。ここでは、K2ttlを量子化するために用いる第1の閾値を太点線で示し、第2の閾値を太破線で示している。
例えば、K1´とK2´の両方が2である注目画素には、1回目の記録走査と2回目の記録走査で2個ずつドットが記録される。また、K1´が1で且つK2´が2である注目画素には、1回目の記録走査で1個ドットが記録され且つ2回目の記録走査で2個ドットが記録される。また、K1´とK2´の両方が0である注目画素にはドットが記録されない。
ここでは図14の例しか示していないが、本実施形態においても、上述したような第1の閾値テーブルと第2の閾値テーブルを大ドット用と小ドット用で独立に用意する。これにより、大ドット用の量子化処理46−1と小ドット用の量子化処理46−2とで量子化後の結果を異ならせ、大ドットと小ドットとでドット重複率をそれぞれ適切に調整することが出来る。
再び図15を参照する。大ドット用量子化処理部46−1において量子化された3値の画像データ(量子化データ)KL1´およびKL2´は、プリンタエンジン3004に送信され、大ドット用インデックス展開処理部48−1においてインデックス処理が行われる。また、小ドット用量子化処理部46−2において量子化された3値の画像データ(量子化データ)KS1´およびKS2´は、プリンタエンジン3004に送信され、小ドット用インデックス展開処理部48−2においてインデックス処理が行われる。インデックス展開処理は、L(Lは3以上の整数)値の量子化データを2値化するものであり、量子化処理の一部として捉えることができる。大ドット用および小ドット用のインデックス展開処理の詳細は後述する。
大ドット用インデックス展開処理部48−1によって、3値の画像データKL1´は第1走査用の2値データKL1″(49−1)に変換され、3値の画像データKL2´は第2走査用の2値データKL2″(49−2)に変換される。その後、大ドット用の2値データKL1″は、大ドット第1走査用バッファ50−1に格納され、ノズル列54および55のいずれかの、対応する大ドット用ノズルk1あるいはk2によって、第1走査で記録される。また、大ドット用の2値データKL2″は、大ドット第2走査用バッファ50−2に格納され、ノズル列54および55のいずれかの、対応する大ドット用ノズルk1あるいはk2によって、第2走査で記録される。また、小ドット用の2値データKS1″(49−3)は、小ドット第1走査用バッファ50−3に格納され、ノズル列54および55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1あるいはsk2によって、第1走査で記録される。さらに、小ドット用の2値データKS2″(49−4)は、小ドット第2走査用バッファ50−4に格納され、ノズル列54および55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1あるいはsk2によって、第2走査で記録される。
図15は、本実施形態におけるインデックス展開処理およびインデックスパターン(ドットパターン)の例を説明するための図である。本図では、大ドット用であれ小ドット用であれ、2値化される2つの対象すなわち2つの入力多値データは、K1´およびK2´と示している。すなわち、K1´およびK2´は、大ドットであれば上記KL1´およびKL2´に相当し、小ドットであれば上記KS1´およびKS2´に相当する。
本実施形態のインデックス展開処理部48−1あるいは48−2では、1画素に対応する3値の画像データ(K1´、K2´)が、2サブ画素×2サブ画素に対応する2値の画像データ(ドットパターン)に変換される。詳しくは、0〜2のいずれかの値を有する3値の画像データK1´は、第1走査用のドットパターンに変換される。同様に、0〜2のいずれかの値を有する3値の画像データK2´は、第2走査用のドットパターンに変換される。そして、これら第1走査用のドットパターンと第2走査用のドットパターンを重ね合わせたパターン(図中の最も右側に示される「記録媒体上でのドットパターン」)が画素に記録されることになる。なお、第1および第2の走査用のドットパターンに関して、斜線部分はサブ画素へのドットの記録を示すデータ(「1」のデータ)を意味しており、白部分はサブ画素へのドットの非記録を示すデータ(「0」のデータ)を意味している。また、記録媒体上でのドットパターンに関し、黒部分はサブ画素に2ドット記録されることを意味し、斜線部分はサブ画素に1ドット記録されることを意味し、白部分はサブ画素にドットが記録されないことを意味している。
ここで、画素に対応する3値以上の画像データをm×nのサブ画素に対応する2値のドットパターンに変換するような画像処理を採用した場合の、ドット重複率について図16を用いて説明する。このような場合の「ドット重複率」とは、複数のサブ画素で構成される1画素領域に記録されるべき総ドット数のうち、異なる走査(あるいは異なる記録素子群)で画素領域内の同じサブ画素位置に重複して記録されるドット数の割合を指す。具体的に説明すると、K1´とK2´の両方が0の場合、第1記録走査でも第2記録走査でもドットは記録されずドット重複率は0である。K1´とK2´のどちらか一方が0の場合、一方の走査でだけドットが記録されるので、ドット重複率は0%のままである。K1´とK2´の両方が1の場合、2サブ画素×2サブ画素の左上のサブ画素に2つのドットが重複して記録されるため、ドット重複率は100%(=2÷2×100)となる。また、どちらか一方が1で他方が2の場合、2サブ画素×2サブ画素のうち左下のサブ画素に2つのドットが重複して記録され、左上のサブ画素に1ドットだけ記録されるため、ドット重複率は67%(=2÷3×100)となる。更に、K1´とK2´の両方が2の場合、サブ画素でドットが重ならないのでドット重複率は0%となる。つまり、図16に示した様な各レベルに1対1で対応するインデックスパターン(ドットパターン)を予め用意しておけば、図14に示した量子化処理でK1´とK2´の組み合わせが決まることにより、画素領域のドットの重複率も一義的に定まる。
次に、本実施形態におけるドット重複率と濃度領域との関係について図16を用いて説明する。図16の例では、1画素に最大4ドットまで記録可能となっている。従って、記録率100%とは、1画素内に4ドットが記録された状態をいう。図16の例では、K1´=0且つK2´=0の場合は記録率0%、K1´=1(or0)でK2´=0(or1)の場合は記録率25%、K1´=1且つK2´=1の場合は記録率50%となっている。また、K1´=1(or2)でK2´=2(or1)の場合は記録率75%、K1´=2でK2´=2の場合は記録率100%となっている。そして、記録率0%および25%の低濃度領域ではドット重複率が0%となっており、記録率50%の中濃度領域ではドット重複率が100%となっており、記録率75%および100%の高濃度領域では夫々ドット重複率が67%および0%となっている。
このように、インクデックスパターンでは、予め用意しておく第1走査用ドットパターンと第2走査用ドットパターンにおける記録ドットの位置や数を異ならせることにより、各階調における重複率を調整することが出来る。更に、このような第1走査用ドットパターンと第2走査用ドットパターンを、大ドット用インデックス展開処理部48−1と小ドット用インデックス展開処理部48−2とで別々に用意することにより、大ドットと小ドットのドット重複率を異ならせることが出来る。本実施形態では、量子化処理部(46−1、46−2)における閾値テーブルを異ならせることでも大ドットと小ドットのドット重複率を調整することが出来るが、この様なインデックスパターンを異ならせることでもドット重複率を調整することが出来る。例えば中〜高濃度領域で使用する大ドットについては、図16のように、濃度むらが懸念される中レベル(K1´=K2´=1)でのドット重複率を高く設定し、濃度不足が懸念される高レベル(K1´=K2´=2)でのドット重複率を低く設定することが出来る。同時に、低〜中濃度領域で使用する小ドットについては、図16とは異なるインデックスパターンを用いることによって、高レベル(K1´=K2´=2)でのドット重複率を高くし、中レベル(K1´=K2´=1)でのドット重複率を低くすることが出来る。つまり、複数の異なるインデックスパターンを用意することによって、ドット径に応じた適切なドット重複率を実現することが出来る。
以上説明した様に本実施形態によれば、量子化処理部によって低階調化された後の多値データを、記録解像度に対応した2値データに変換する際に用いるドットパターンを、大ドットと小ドットとで別々に用意する。これにより、大ドット小ドットそれぞれについて、階調レベルごとに適切なドット重複率を実現することが可能となり、全階調領域で、濃度むらの無い粒状性も濃度不足も低減された高品位な画像を出力すること可能となる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、大ドットでは画像データ分割部や量子化処理部によってドットット重複率を適切に調整しながらも、小ドットではこれら特徴的な処理は行わず、ドット重複率を0にする方法を説明する。
図20は、本実施形態における、2回の記録走査によって同一領域(例えば、画素領域)の画像を完成させるマルチパス記録を行う場合の画像処理を説明するためのブロック図である。多値画像データ入力部71および色変換/ドットサイズデータ分割部72の処理は、図3や図12と等しい処理である。また、大ドットに関する以下の処理についても、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。小ドットについて、以後の説明はブラック(K)のみについて行う。
色変換/ドットサイズデータ分割部72によって生成された小ドット用多値データ73−2(KS)は、第1走査と第2走査に分割されることなく、小ドット量子化処理部76−3にそのまま入力され、従来の一般的な誤差拡散法による量子化処理が施される。量子化処理の結果、個々の画素は小ドットを記録する(1)或いは記録しない(0)の2値データにKS´に変換される。その後、この画像データKS´はIEEE1284バス3022を介してプリンタエンジン3004に送られる。プリンタエンジン3004において、小ドット2値の画像データKS´(77)は、小ドット2値データ分割処理部78によって、第1走査用の2値データと第2走査用の2値データに分割される。
小ドット2値データ分割処理部78では、予めメモリに記憶されているマスクを利用して分割処理が実行される。マスクとは、個々の画素に対して2値画像データの記録の許容(1)または非許容(0)が予め定められたデータの集合体であり、2値画像データと画素毎に論理積演算することで、上記2値画像データを分割することが出来る。2値の画像データをN分割する場合、N個のマスクが用いられるのが一般である。2値の画像データを2つの走査のために2分割する本実施形態では、図5に示すような二つのマスク1801、1802が使用される。黒で示される部分が画像データの記録を許容するデータ(1:画像データをマスクしないデータ)であり、白で示される部分は画像データの記録を許容しないデータ(0:画像データをマスクするデータ)である。ここでは、マスク1801は第1走査用の2値データを生成するために利用され、マスク1802は第2走査用の2値データを生成するために利用される。これら2つのマスクは互いに補完の関係を有しているため、これらマスクで分割された2値データ同士は互いに重なることがない。従って、小ドットおいては、異なる走査によって記録されるドット同士が紙面上で重なる確率が抑えられ、大ドットよりもドット重複率を低くし、粒状感を抑制することが出来る。
マスクを利用した分割処理後、小ドット第1走査用2値データ(79−3)は、小ドット第1走査用バッファ80−3に格納され、ノズル列54或いは55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1或いはsk2によって、第1走査で記録される。さらに、小ドット第2走査用2値データ(79−4)は、小ドット第2走査用バッファ80−4に格納され、ノズル列54或いは55のいずれかの、対応する小ドット用ノズルsk1或いはsk2によって、第2走査で記録される。
以上説明した本実施形態によれば、大ドットについては、異なる走査に対応した2値画像データを重ねた場合に、ドット同士が重なる箇所(両方のプレーンに‘‘1’’が存在する画素)がある程度存在するため、濃度変動に強い画像を得ることができる。その一方で、小ドットについては、ドット同士が重なる箇所は存在しないため、ドット同士の重なりが原因で生じる粒状感の悪化は招致されない。これにより、小ドットを多く使用する低濃度領域から大ドットを多く使用する中濃度〜高濃度領域に渡る全濃度領域において、粒状感や濃度むらの弊害を抑えた良好な画像を出力することが可能となる。
なお、以上説明した第5の実施形態では、小ドットよりも大ドットの濃度むらが目立ち、小ドットについては濃度むらよりも粒状感の低減が重視される場合を説明した。しかし、大ドットよりも小ドットの方が濃度むらが目立つような場合には、上記関係を逆転させてもよい。いずれにせよ、比較的濃度むらが問題となり難いドット径については、必要以上に2値化処理の負担を大きくすることもなく、新たに粒状感や濃度不足の懸念を発生することも無いので、本実施形態のように、分割する前に量子化を行う方が好ましい。
(第6の実施形態)
本実施形態では、大ドット、中ドットおよび小ドットの3つのサイズのドットで画像を記録する場合の画像処理について説明する。
図22(A)は、3つのサイズのドットを使用して画像を記録する場合の、大、中、小のドットサイズそれぞれに分配される多値濃度データの様子を説明するための図である。一般に、大、中、小ドットを用いる記録装置では、図22(A)に示すようなグラフの形状で、各ドットサイズへの多値データの分配が行われることが多い。
図21は、本実施形態の一連の画像処理を図3と同様に説明するためのブロック図である。本実施形態の色変換/ドットサイズ別データ分配部82は、図22(A)に示す配分に基づいて、画素に対応する入力画像データを、大ドット用多値データ83−1、中ドット用多値データ83−2及び小ドット用多値データ83−3の3つの多値データに分配する。すなわち、本実施形態の色変換/ドットサイズ別データ分配部82によって、大ドット用の多値データ(CL,ML,YL,KL)と、中ドット用の多値データ(CM,MM,YM,KM)および小ドット用の多値データ(CS,MS,YS,KS)が生成される。その後、各ドットサイズの多値データは、大ドット用画像分割部84−1、中ドット用画像データ分割部84−2及び小ドット用画像データ分割部84−3にそれぞれ入力され、第1走査と第2走査への分割処理が施される。このとき、大ドット用画像分割部84−1、中ドット用画像データ分割部84−2及び小ドット用画像データ分割部84−3では、大ドット、中ドットおよび小ドットの夫々に適したドット重複率を実現するために、分配率を異ならせている。ドットサイズ別に行われるこれ以降の画像処理は図3で説明した第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
再度図22(A)を参照するに、本実施形態において、ドットの重複状態の変化が紙面におけるドットの被覆率に影響しやすく濃度むらが問題となりやすい中濃度領域から高濃度領域では、中ドットが最も多く使用されている。よって、本実施形態における中ドットは、小ドットや大ドットよりもドット重複率を高く設定しておくことが望まれる。一方、濃度むらよりも粒状感の方が画像弊害となり易い低濃度領域では、小ドットが最も多く使用されている。よって、小ドットは中ドットよりもドット重複率を低く設定しておくことが望まれる。さらに、最高濃度の向上が重視される高濃度領域では、ドット同士が重なることにより被覆率の低下を回避することが望まれる。よって、この濃度領域で多く使用される大ドットは、中ドットよりもドット重複率を低く設定しておくことが望まれる。
図19(A)は、小ドットと中ドットと大ドットにおけるこのような関係を、図18(A)の大ドットと小ドットのグラフを基準として示した図である。図において、大ドットと小ドットについては、図18(A)と等しいドット重複率を有している。そして、中ドットについてはこれら2つのドットよりもさらにドット重複率を高く設定した、図のP3で示したドット重複率を有するようにしている。
一方、図19(B)は、小ドットと中ドットと大ドットにおける上記関係を、図18(B)の大ドットと小ドットのグラフを基準として示した図である。図において、大ドットと小ドットについては、図18(B)と等しいドット重複率を有している。そして、中ドットについてはこれら2つのドットよりもさらにドット重複率を高く設定した、図のP3´で示したドット重複率を有するようにしている。
本実施形態は、このようなドットサイズに応じたドット重複率を実現するために、大ドット用画像データ分割部84−1、中ドット用画像データ分割部84−2および小ドット用画像データ分割部84−3のそれぞれで、異なる分配率に従ったデータ分割を行う。具体的には、例えば、図19(A)のP3に示すドット重複率の関係を実現するのであれば、画像データを分割する際の分配率の偏りを、中ドット、大ドット、小ドットの順に大きく設定する。これにより、大ドットのドット重複率を小ドットのドット重複率よりも大きくしつつ、中ドットのドット重複率をこれらよりも更に大きく設定することが出来る。また、図19(B)のP3´に示すドット重複率の関係を実現するのであれば、画像データを分割する際の分配率の偏りを、中ドット、小ドット、大ドットの順に大きく設定する。これにより、小ドットのドット重複率を大ドットのドット重複率よりも大きくしつつ、中ドットのドット重複率をこれらよりもさらに大きく設定することが出来る。
但し、ドット径の絶対値や記録媒体の種類などに応じて、中ドットのドット重複率が必ずしも大ドットや小ドットよりも大きいことが好ましいとは限らない。例えば、3つのドットサイズに分配される多値濃度データが図22(B)に示す状態であった場合、すなわち中濃度領域での中ドットの使用領域が図22(A)に比べてさらに広い場合は、中ドットのドット重複率をさらに高めることが望まれる。この場合、中ドットのドット重複率は図19(A)のP4や同図(B)のP4´で示す位置に調整すればよい。
また、3つのドットサイズに分配される多値濃度データが図22(C)に示す状態であった場合、すなわち中濃度領域での中ドットの使用率が図22(A)に比べて十分に低い場合は、中ドットのドット重複率を大ドットや小ドットよりも低くすることが望まれる。すなわち、中ドットのドット重複率を図19(A)のP1や同図(B)のP1´で示す位置に調整すればよい。
更に、各ドットサイズに分配される多値データが図22(D)に示す状態の場合、即ち中濃度領域での中ドットの使用率が図22(A)に比べれば低く同図(C)に比べれば高い場合は、中ドットのドット重複率を大ドットと小ドットの間に設定するのが望ましい。すなわち、中ドットのドット重複率を図19(A)のP2や同図(B)のP2´で示す位置に調整すればよい。
いずれの場合であっても、粒状感低減や濃度不足の回避あるいは濃度むらの抑制のどちらをどの程度優先すべきかは、ドットサイズの絶対値や相対値あるいは記録媒体とのコントラストによって変化する。夫々の場合に応じて各ドットサイズについて最適なドット重複率が設定され、当該ドット重複率を実現するような分配率に従って各ドットサイズの画像データが分割されれば、本実施形態の効果を得ることが出来る。
以上説明したように本実施形態によれば、大ドット、中ドットおよび小ドットを用いて画像を記録する場合において、低濃度領域〜高濃度領域に渡る全濃度領域において、濃度むらも粒状感も濃度不足も低減された良好な画像を出力することが可能となる。
(第6の実施形態の変形例)
大、中、小のドットを用いた第6の実施形態と同様の効果は、第3や第4の実施形態と同様の方法、即ちドットサイズ別に量子化処理のパラメータを異ならせる方法であっても、得ることが出来る。例えば、図13(D)の閾値テーブルを小ドットで採用し、同図(B)の閾値テーブルを大ドットで採用し、同図(C)の閾値テーブルを中ドットで採用すれば、図19(A)の黒丸(P3)で示したドット重複率の相対関係を実現することが出来る。また、図13(D)の閾値テーブルを大ドットで採用し、同図(B)の閾値テーブルを小ドットで採用し、同図(C)の閾値テーブルを中ドットで採用すれば、図19(B)の黒丸(P3´)で示したドット重複率の相対関係を実現することが出来る。
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態では、図11(A)に示したように、1つのチップに異なるサイズのドットが配列して1つのノズル列を形成する記録ヘッドを例に説明してきたが、本発明で使用可能な記録ヘッドはこれに限らない。
図11(B)は、本発明で使用可能な記録ヘッドの他の例を示す図である。本例の記録ヘッドは、大ドットを記録するノズル列(チップ)と小ドットを記録するノズル列(チップ)が異なった全10個のチップで構成されている。このような記録ヘッドであっても、大ドットおよび小ドットの各バッファに格納された2値データが、それぞれ適切なノズル列の適切な記録走査で記録されるように転送処理されれば、上記実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、図11(C)は、本発明で使用可能な記録ヘッドの更に別の例を示す図である。この記録ヘッドでは、主走査方向に配列する同じ画素ラインに対し、同じインクで同じサイズのドットを記録可能な複数のノズル列が用意されている。このような記録ヘッドを用いる場合、上記実施形態で説明した各バッファに格納された2値データは、さらに複数のノズル列に対応付けて分割される必要がある。このような分割処理は、例えば第5の実施形態における、小ドット2値データ分割処理部78での処理と同様であっても構わない。すなわち、互いに補完の関係にある2種類のマスクパターンと論理積演算を行うことによって、2値データを2つのノズル列に分割することが出来る。
また、上記本実施形態では、2回の相対移動で同一領域(例えば、画素領域)の記録を完成させる、いわゆる2パス記録の例を説明したが、本発明は2パス記録に限定されるものではない。本発明は、3パス以上のMパス記録(Mは2以上の整数)について広く適用可能である。N個のドットサイズでMパス記録を行う場合、まず、入力画像データ(RGB)から、ドットサイズ別のN個の多値濃度データを生成する。その後、個々の多値データそれぞれからM回の相対移動に対応したM組の多値データを生成する。次いで、これらN×M組の多値濃度データを夫々量子化してN個のドットサイズとM回の相対移動に対応したN×M組の量子化データを生成する。その後、上記N×M組の量子化データに従って、N個のドットサイズそれぞれによるM回の相対移動中に、同一領域の画像を記録すればよい。Mパス記録で、第3や第4の実施形態で説明したドット重複率の制御を行う場合、閾値テーブルは図13や図14で示した2次元ではなく、K1ttl〜KMttlを座標軸とするM次元で示されることになる。
また、3パス以上のMパス記録モードでは、M組の多値データを生成することは必須ではなく、Mよりも少ないP(Pは2以上の整数)組の多値データを生成する形態であってもよい。この場合、まずMよりも少ないP組の画像データを生成し、その後P組の濃度データを量子化してP組の量子化データを得る。その後、P組の量子化データの内の少なくとも1組の量子化データを分割してMパス分のM組の量子化データを得ることが出来る。
また、上記実施形態では、CMYKの4色のインクを用いる形態について説明したが、使用可能なインク色の種類数はこれに限られるものではない。上記4色のインクに、淡シアン(Lc)や淡マゼンタインク(Lm)を加えたり、レッドインク(R)やブルーインク(B)等の特色インクを加えたりしてもよい。反対に、本発明は単色インクが使用されるモノカラーモードにも適用可能である。更には、本発明は、カラープリンタのみならず、モノクロプリンタにも適用可能である。
以上の実施形態では、量子化までの画像処理を制御部3000で、それ以降の処理をプリンタエンジン3004で実行する構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものでもない。上述したような一連の処理が実行されるのであれば、ハードウエア、ソフトウエアを問わず、いずれの処理手段によって実行される形態であっても本発明の範疇である。
以上の実施形態では、画像処理機能を有する制御部3000を備えた記録装置(画像形成装置)を例に、本発明の特徴的な画像処理を実行する画像処理装置を説明してきたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。本発明の特徴的な画像処理が、プリンタドライバがインストールされたホスト装置(例えば、図3のPC3010)で実行され、量子化処理後あるいは分割処理後の画像データが記録装置に入力されるような構成であっても構わない。このような場合、記録装置に接続されるホスト装置(外部機器)が、本発明の画像処理装置に該当する。
本発明は、上述した画像処理の機能を実現するためのコンピュータ可読プログラムを構成するプログラムコード、又はそれを記憶した記憶媒体によっても実現される。この場合、ホスト装置や画像形成装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が上記プログラムコードを読出し実行することによって上述した画像処理が実現されることになる。この様に、上述した画像処理をコンピュータに実行させるための、コンピュータにより読み取り可能なプログラム、あるいは、そのプログラムを記憶した記憶媒体も本発明に含まれる。
21 多値画像データ入力部
22 色変換/画像データ分割部
25 量子化処理部

Claims (22)

  1. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、
    前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、
    前記生成手段により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化手段と、を備え、
    前記生成手段は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数のドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏り方を前記複数サイズのドットそれぞれで異ならせることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記生成手段は、前記複数サイズのドットのうちの第1のドットに対応するドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏りが、前記複数サイズのドットのうちの、前記第1のドットよりも径が小さい第2のドットに対応するドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏りよりも小さくなるように、前記複数の多値データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、
    前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、
    前記生成手段により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化手段と、を備え、
    前記複数サイズのドットそれぞれについての前記複数回の相対移動に対応する前記複数の多値データは、前記複数回の相対移動のうちの少なくとも1回の相対移動に対応した第1の多値データと、前記複数回の相対移動のうちの他の少なくとも1回の相対移動に対応した第2の多値データを含み、
    前記量子化手段は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の多値データに基づいて前記第2の多値データを量子化処理すると共に前記第2の多値データに基づいて前記第1の多値データを量子化処理することを特徴とする画像処理装置。
  4. 前記量子化処理は誤差拡散処理であり、
    前記量子化手段は、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の多値データに誤差拡散処理を行う場合に用いる閾値を前記第2の多値データに基づいて決定し、決定された閾値を用いて前記第1の多値データを量子化し、且つ、前記第2の多値データに誤差拡散処理を行う場合に用いる閾値を前記第1の多値データに基づいて決定し、決定された閾値を用いて前記第2の多値データを量子化することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、
    前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、
    前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記生成手段により生成された前記複数の多値データそれぞれに量子化処理を行うことによって前記複数回の相対移動に対応した複数のL値(Lは3以上の整数)の量子化データを生成する第1の量子化手段と、
    同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の量子化手段によって生成された前記複数のL値の量子化データそれぞれ前記L値の量子化データの階調に応じて前記画素領域に対して記録するドットの数および位置を定めたドットパターンを用いて量子化処理を行うことによって、前記複数回の相対移動に対応した2値の量子化データを生成する第2の量子化手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記生成手段および前記量子化手段の少なくとも一方は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも大きくなるように前記複数の多値データの生成および前記複数の多値データの量子化の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記取得手段は、前記入力画像データが第1の濃度を示す場合には前記小ドットに対応する前記ドットサイズ別多値データの値が前記大ドットに対応する前記ドットサイズ別多値データの値よりも大きくなり、且つ、前記入力画像データが前記第1の濃度よりも高い第2の濃度を示す場合には前記大ドットに対応する前記ドットサイズ別多値データの値が前記小ドットに対応する前記ドットサイズ別多値データの値よりも大きくなるように、前記複数のドットサイズ別多値データを取得することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、
    同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理手段を備え、
    前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理手段は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも小さくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする画像処理装置。
  9. 前記処理手段は、前記入力画像データが第1の濃度を示す場合には前記小ドットに対応するドットサイズ別多値データの値が前記大ドットに対応する前記ドットサイズ別多値データの値よりも大きくなり、且つ、前記入力画像データが前記第1の濃度よりも高い第2の濃度を示す場合には前記大ドットに対応する前記ドットサイズ別多値データの値が前記小ドットに対応する前記ドットサイズ別多値データの値よりも大きくなるように、前記複数のドットサイズ別多値データを取得することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、
    同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理手段を備え、
    前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい中ドットと該中ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理手段は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも大きくなり、且つ前記中ドットの前記割合が前記大ドットの前記割合よりも更に大きくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする画像処理装置。
  11. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、
    同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理手段を備え、
    前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい中ドットと該中ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理手段は、前記小ドットの前記割合が前記大ドットの前記割合よりも大きくなり、且つ前記中ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも更に大きくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする画像処理装置。
  12. 同じ色の同じサイズのドットを記録する複数の記録素子群を複数サイズのドットに対応して備えた記録手段と、記録媒体と、の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理装置であって、
    前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数の記録素子群に対応する複数の多値データの生成を行う生成手段と、
    前記生成手段により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化手段と、を備え、
    前記生成手段および前記量子化手段の少なくとも一方は、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数の記録素子群によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数の記録素子群によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数の多値データの生成および前記複数の多値データの量子化の少なくとも一方を行うことを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記生成手段は、前記複数サイズのドットそれぞれで前記割合を異ならせるために、前記複数のドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏りが前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように前記複数の多値データを生成することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記生成手段は、前記複数サイズのドットのうちの第1のドットに対応するドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏りが、前記複数サイズのドットのうちの、前記第1のドットよりも径が小さい第2のドットに対応するドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏りよりも小さくなるように、前記複数の多値データを生成することを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記複数サイズのドットそれぞれについての前記複数の記録素子群に対応する前記複数の多値データは、前記複数の記録素子群のうちの少なくとも1つの記録素子群に対応した第1の多値データと、前記複数の記録素子群のうちの他の少なくとも1つの記録素子群に対応した第2の多値データを含み、
    前記量子化手段は、前記複数サイズのドットそれぞれで前記割合が異なるように、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の多値データに基づいて前記第2の多値データを量子化処理すると共に前記第2の多値データに基づいて前記第1の多値データを量子化処理することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  16. 前記量子化処理は誤差拡散処理であり、
    前記量子化手段は、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の多値データに誤差拡散処理を行う場合に用いる閾値を前記第2の多値データに基づいて決定し、決定された閾値を用いて前記第1の多値データを量子化し、且つ、前記第2の多値データに誤差拡散処理を行う場合に用いる閾値を前記第1の多値データに基づいて決定し、決定された閾値を用いて前記第2の多値データを量子化することを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  17. コンピュータを、請求項1乃至16のいずれかに記載の画像処理装置として機能させることを特徴とするコンピュータ可読プログラム。
  18. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、
    前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成工程と、
    前記生成工程により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化工程と、を有し、
    前記生成工程は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録されるべき総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるべきドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数のドットサイズ別多値データから生成された前記複数の多値データの値の比の偏り方を前記複数サイズのドットそれぞれで異ならせることを特徴とする画像処理方法。
  19. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、
    前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数回の相対移動に対応する複数の多値データの生成を行う生成工程と、
    前記生成工程により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化工程と、を有し、
    前記複数サイズのドットそれぞれについての前記複数回の相対移動に対応する前記複数の多値データは、前記複数回の相対移動のうちの少なくとも1回の相対移動に対応した第1の多値データと、前記複数回の相対移動のうちの他の少なくとも1回の相対移動に対応した第2の多値データを含み、
    前記量子化工程は、同じ色の同じサイズのドットについての前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数サイズのドットそれぞれについて、前記第1の多値データに基づいて前記第2の多値データを量子化処理すると共に前記第2の多値データに基づいて前記第1の多値データを量子化処理することを特徴とする画像処理方法。
  20. 前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記生成工程および前記量子化工程の少なくとも一方は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも大きくなるように前記複数の多値データの生成および前記複数の多値データの量子化の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項18または19に記載の画像処理方法。
  21. 同じ色の複数サイズのドットを記録するための記録手段と記録媒体との複数回の相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、
    同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数回の相対移動によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数回の相対移動によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記入力画像データを処理するための処理工程を有し、
    前記複数サイズのドットには、小ドットと該小ドットよりも径の大きい大ドットが含まれ、前記処理工程は、前記大ドットの前記割合が前記小ドットの前記割合よりも小さくなるように前記入力画像データを処理することを特徴とする画像処理方法。
  22. 同じ色の同じサイズのドットを記録する複数の記録素子群を複数サイズのドットに対応して備えた記録手段と記録媒体との相対移動によって記録媒体の画素領域に記録を行うために、当該画素領域に対応する入力画像データを処理するための画像処理方法であって、
    前記入力画像データに基づく同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれに対応する複数のドットサイズ別多値データを取得する取得手工程と、
    前記取得工程により取得された前記複数のドットサイズ別多値データのそれぞれに基づいて前記複数の記録素子群に対応する複数の多値データの生成を行う生成工程と、
    前記生成工程により生成された前記複数サイズのドットそれぞれに対応する前記複数の多値データそれぞれについて量子化を行う量子化工程と、を有し、
    前記生成工程および前記量子化工程の少なくとも一方は、同じ色の同じサイズのドットについての、前記複数の記録素子群によって前記画素領域に記録される総ドット数に対する前記複数の記録素子群によって前記画素領域内の同じ位置に重複して記録されるドット数の割合が、同じ色の前記複数サイズのドットそれぞれで異なるように、前記複数の多値データの生成および前記複数の多値データの量子化の少なくとも一方を行うことを特徴とする画像処理方法。
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