JP2007168153A - 印刷方法 - Google Patents

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文治 石本
Hiroichi Nunokawa
博一 布川
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Abstract

【課題】濃度の補正値に基づいて画像データの階調値を補正する場合に、濃度ムラの誘発を抑制可能な印刷方法を実現する。
【解決手段】濃度の階調値とドットの生成率との対応関係を複数サイズのドットについて規定した対応関係情報を参照することによって、画像データの濃度の階調値に対応する前記ドットの生成率を取得し、前記生成率に基づいて媒体に前記ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、既定の濃度の補正値に基づいて前記画像データの前記階調値の補正を行う場合に、前記複数サイズのうちのあるサイズのドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わるか否かの判定を行うステップと、前記判定の結果に基づいて前記対応関係情報を変更するステップと、を備えたことを特徴とする印刷方法。
【選択図】図28

Description

本発明は、媒体に画像を印刷する印刷方法に関する。
濃度の階調値を有する画像データに基づいて、紙等の媒体に複数サイズのドットを形成して画像を印刷する印刷装置の一つとして、所謂インクジェットプリンタが挙げられる。そして、その印刷の際には、ドット生成率テーブル(階調値とドットの生成率との対応関係を、ドットのサイズ毎に規定したもの)を参照することによって、前記画像データの濃度の階調値に対応するドットの生成率を取得し、当該生成率に基づいて前記ドットを媒体に形成して画像を印刷する(特許文献1を参照)。
特開2005−224977号公報
ところで、このような印刷装置において画像の濃度ムラを抑制する場合には、画像データ上において濃度ムラに対応する領域の階調値を補正することが行われる。例えば、媒体上の所定領域について目標濃度よりも濃く印刷する傾向のある印刷装置に対しては、前記所定領域に対応する階調値が補正後に小さくなるように、前記所定領域に対応させて予め補正値を設定しておく。すると、当該補正値によって前記階調値が小さく補正されるため、これに伴ってドットの生成率も小さくなり、その結果、媒体上の前記所定領域の濃度は、補正前よりも巨視的に淡くなって濃度ムラは抑制される。
しかしながら、この補正によって、あるサイズのドットの生成率が正値から零へと変わってしまう場合には、前記所定領域には、前記あるサイズのドットが全く形成されなくなり、その結果、ドット構成の点に関して、その周囲の領域との連続性を著しく欠いてしまい、前記所定領域が濃度ムラの如く見えてしまう虞があった。
すなわち、濃度ムラの抑制のために画像データの階調値の補正を行っているにもかかわらず、逆に濃度ムラを誘発してしまう虞があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、濃度の補正値に基づいて画像データの階調値を補正する場合に、濃度ムラの誘発を抑制可能な印刷方法を実現することにある。
上記課題を解決するための主たる発明は、
濃度の階調値とドットの生成率との対応関係を複数サイズのドットについて規定した対応関係情報を参照することによって、画像データの濃度の階調値に対応する前記ドットの生成率を取得し、前記生成率に基づいて媒体に前記ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
既定の濃度の補正値に基づいて前記画像データの前記階調値の補正を行う場合に、前記複数サイズのうちのあるサイズのドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わるか否かの判定を行うステップと、
前記判定の結果に基づいて前記対応関係情報を変更するステップと、を備えたことを特徴とする印刷方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
濃度の階調値とドットの生成率との対応関係を複数サイズのドットについて規定した対応関係情報を参照することによって、画像データの濃度の階調値に対応する前記ドットの生成率を取得し、前記生成率に基づいて媒体に前記ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
既定の濃度の補正値に基づいて前記画像データの前記階調値の補正を行う場合に、前記複数サイズのうちのあるサイズのドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わるか否かの判定を行うステップと、
前記判定の結果に基づいて前記対応関係情報を変更するステップと、を備えたことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、前記あるサイズのドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わる場合には、前記対応関係情報が変更される。よって、前記対応関係情報を予め適宜設定しておくことで、前記補正後の階調値についても、それに対応する前記生成率を正値に維持することが可能になる。つまり、補正後においても、前記あるサイズのドットは、所定の生成率で媒体上に形成されることになる。
従って、前記あるサイズのドットが形成されるべき媒体上の所定領域に、前記補正に伴って前記あるサイズのドットが全く形成されなくなることを防止し得る。その結果、ドット構成の点に関し、その周囲の領域との連続性を維持し得て、前記所定領域が濃度ムラの如く見えてしまうことを有効に防ぐことができる。
かかる印刷方法において、
前記複数サイズのドットは、小ドット、前記小ドットよりも大きい中ドット、及び、前記中ドットよりも大きい大ドットであり、
前記対応関係情報は、前記階調値と前記ドットの生成率との対応関係を、前記サイズ毎に規定するドット生成率テーブルであるのが望ましい。
このような印刷方法によれば、小、中、大ドットを用いて画像を印刷できるため、印刷の表現の幅を広げることができる。
かかる印刷方法において、
前記ドット生成率テーブルには、
零よりも大きく第1階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドットの生成率のみが正値であることと、
前記第1階調値よりも大きく第2階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドット及び前記中ドットの生成率のみが正値であることと、
前記第2階調値よりも大きい階調値の範囲では、前記大ドットの生成率が正値であることと、が規定されているようにしても良い。
かかる印刷方法において、
前記あるサイズのドットは、前記中ドットであるのが望ましい。
前記第1階調値は、通常、濃度ムラが視認され易い所謂中間調領域の階調値の範囲に含まれている。よって、前記補正によって中ドットが皆無になると、それに起因した濃度ムラが視認され易いが、上記印刷方法によれば、前記補正に伴って中ドットが皆無になることは防がれる。従って、ドット構成の点について、その周囲の領域との連続性を維持し得て、その結果、前記所定領域が濃度ムラの如く見えてしまうことを有効に防ぐことができる。
かかる印刷方法において、
前記ドット生成率テーブルとしては、常用される正規のドット生成率テーブル以外に、前記判定の結果が零である場合に、前記正規のドット生成率テーブルの代わりに使用される補助用のドット生成率テーブルが用意され、
前記補助用のドット生成率テーブルでは、前記正規のドット生成率テーブルの場合よりも前記第1階調値が小さい値に設定されているのが望ましい。
このような印刷方法によれば、前記正規のドット生成率テーブルよりも前記補助用のドット生成率テーブルの方が、前記第1階調値は小さい値に設定されている。そして、この第1階調値は、前記中ドットが生成されるべき最小の階調値を示している。
よって、正規のドット生成率テーブルにおける中ドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わる場合であっても、補助用のドット生成率テーブルを用いれば、中ドットの生成率を正値に維持することが可能となる。
その結果、前記補正に起因して媒体上における所定領域から前記中ドットが全く無くなってしまい、そのドットの構成が周囲の領域に比べて大きく異なってしまうことを有効に防止し得て、もって、前記補正に起因して前記所定領域が濃度ムラの如く見えてしまうことを有効に防ぐことができる。
かかる印刷方法において、
前記画像は、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、
前記画像データの階調値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に設定されており、
前記判定は、前記単位領域毎に行われるのが望ましい。
このような印刷方法によれば、前記判定は、前記単位領域毎に行われるので、前記あるサイズのドットが形成されるべき媒体上の所定領域に、前記補正に伴って前記あるサイズのドットが全く形成されなくなってしまうことを、より有効に防止可能となる。
かかる印刷方法において、
前記画像は、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、
前記列領域毎に、前記補正値が設定されているのが望ましい。
このような印刷方法によれば、列領域毎に補正値が設定されるので、より確実に濃度ムラを抑制可能となる。
かかる印刷方法において、
前記補正値は、所定濃度で印刷されたテストパターンから前記列領域毎に読み取られた濃度の読み取り値に基づいて設定されているのが望ましい。
このような印刷方法によれば、前記列領域毎の補正値は、所定濃度で印刷されたテストパターンから前記列領域毎に読み取られた濃度の読み取り値に基づいて設定されているので、前記列領域単位で生じ得る濃度ムラを有効に抑制可能となる。
かかる印刷方法において、
複数の単位領域において前記生成率がα%の場合には、前記複数の単位領域のうちのα%の単位領域に対して前記ドットが形成されるようにしても良い。
かかる印刷方法において、
前記画像は、複数の色のドットによって構成され、
前記画像データは、前記色毎に前記階調値を有し、
前記対応関係情報は、前記色毎に用意され、
同色の対応関係情報に基づいて、同一の前記単位領域に2つ以上のドットが重複形成されないように規制されているようにしても良い。
また、濃度の階調値とドットの生成率との対応関係を複数サイズのドットについて規定した対応関係情報を参照することによって、画像データの濃度の階調値に対応する前記ドットの生成率を取得し、前記生成率に基づいて媒体に前記ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
既定の濃度の補正値に基づいて前記画像データの前記階調値の補正を行う場合に、前記複数サイズのうちのあるサイズのドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わるか否かの判定を行うステップと、
前記判定の結果に基づいて前記対応関係情報を変更するステップと、を備え、
前記複数サイズのドットは、小ドット、前記小ドットよりも大きい中ドット、及び、前記中ドットよりも大きい大ドットであり、前記対応関係情報は、前記階調値と前記ドットの生成率との対応関係を、前記サイズ毎に規定するドット生成率テーブルであり、
前記ドット生成率テーブルには、零よりも大きく第1階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドットの生成率のみが正値であることと、前記第1階調値よりも大きく第2階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドット及び前記中ドットの生成率のみが正値であることと、前記第2階調値よりも大きい階調値の範囲では、前記大ドットの生成率が正値であることと、が規定されており、
前記あるサイズのドットは、前記中ドットであり、
前記ドット生成率テーブルとしては、常用される正規のドット生成率テーブル以外に、前記判定の結果が零である場合に、前記正規のドット生成率テーブルの代わりに使用される補助用のドット生成率テーブルが用意され、前記補助用のドット生成率テーブルでは、前記正規のドット生成率テーブルの場合よりも前記第1階調値が小さい値に設定されており、
前記画像は、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、前記画像データの階調値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に設定されており、前記判定は、前記単位領域毎に行われ、
前記画像は、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、前記列領域毎に、前記補正値が設定されており、
前記補正値は、所定濃度で印刷されたテストパターンから前記列領域毎に読み取られた濃度の読み取り値に基づいて設定されており、
複数の単位領域において前記生成率がα%の場合には、前記複数の単位領域のうちのα%の単位領域に対して前記ドットが形成され、
前記画像は、複数の色のドットによって構成され、前記画像データは、前記色毎に前記階調値を有し、前記対応関係情報は、前記色毎に用意され、同色の対応関係情報に基づいて、同一の前記単位領域に2つ以上のドットが重複形成されないように規制されていることを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、既述の全ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
===印刷システム100の全体構成について===
図1は印刷システム100の全体構成の説明図である。印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。ここでは、印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140と、スキャナ150とを有している。
プリンタ1は、紙、布、フィルム、OHP用紙等の媒体に画像を印刷する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるべく、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。また、コンピュータ110には、スキャナ150を制御しスキャナ150により読み取られた原稿5の画像データを受け取るためのスキャナドライバがインストールされている。
===プリンタ1について===
<プリンタ1の全体構成について>
図2はプリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図3Aはプリンタ1の全体構成の概略図であり、図3Bはプリンタ1の全体構成の断面図である。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
<搬送ユニット20について>
搬送ユニット20は、紙等の媒体を所定方向(以下、搬送方向という)に搬送するものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ1内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙を印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙を支持する。排紙ローラ25は、紙をプリンタ1の外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
<キャリッジユニット30について>
キャリッジユニット30は、後述のヘッド41を所定の方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能である。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータである。
<ヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40はヘッド41を有する。ヘッド41は複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41はキャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列が紙に形成される。
図4Aは、ヘッド41の下面におけるノズルの配列の説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yとが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するためのノズルを複数個備えている。各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙に形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)とピエゾ素子(不図示)が設けられており、ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張されて、ノズルからインク滴が吐出される。
図4Bは、前記ピエゾ素子を駆動するための駆動回路220の説明図である。この駆動回路220は、前述のコントローラ60が有するユニット制御回路64内に設けられており、同図のように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222とを備えている。ここでは、この駆動回路220がノズル群毎に各々設けられ、ノズル群毎に個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。
原駆動信号発生部221は、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の期間内(キャリッジ31が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原駆動信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
マスク回路222は、ヘッド41のノズル#1〜#180をそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。各マスク回路222には、原駆動信号発生部221から原駆動信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。この印刷信号PRT(i)は、印刷データに含まれる、画素に対応する画素データであって、一画素に対して2ビットの情報を有する2値信号である。その各ビットは、それぞれ第1パルスW1と第2パルスW2とに対応している。マスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原駆動信号ODRVを遮断したり通過させたりするためのゲートである。すなわち、印刷信号PRT(i)がレベル『0』のときには、原駆動信号ODRVのパルスを遮断する一方、印刷信号PRT(i)がレベル『1』のときには、原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて実駆動信号DRVとして、各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力する。各ピエゾ素子は、マスク回路222からの実駆動信号DRVに基づき駆動してインクの吐出を行う。
図4Cは、原駆動信号発生部221の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、実駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。同図に示すように、原駆動信号ODRVは、各画素区間T1,T2,T3,T4において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ41の移動区間と同じ意味である。
ここで、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ「10」に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小サイズのインク滴が吐出され、紙には小ドットが形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ「01」に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、紙には中ドットが形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ「11」に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルからは中サイズのインク滴と小サイズのインク滴とが連続して吐出され、紙には、中ドットと小ドットとが合体して大ドットが形成される。
以上説明したとおり、一画素区間における実駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいてヘッド41は、3種類のサイズのドットを形成し、また画素区間内にて吐出するインク量を調整することが可能である。なお、画素区間T4のように、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ「00」に対応しているときには、ノズルからはインク滴が吐出されず、紙にドットが形成されないのは言うまでもない。
<検出器群50について>
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。
<コントローラ60について>
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御部である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
===スキャナ150===
図5Aは、スキャナ150の縦断面図である。図5Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内する案内部材154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、主走査方向(図5Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出するラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の点線は、光の軌跡を示している。
原稿5の画像を読み取るとき、作業者は、上蓋151を開いて原稿5を原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ157を発光させた状態で読取キャリッジ153を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ158により原稿5の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ110のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ110は、原稿5の画像データを取得する。
===印刷処理===
<印刷処理について>
図6は、印刷時の動作のフロー図である。以下に説明される各動作は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙動作・搬送動作・ドット形成動作等を行う。
給紙動作(S002):給紙動作とは、印刷すべき紙をプリンタ1内に供給し、印刷可能な所定位置位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする動作である。コントローラ60は、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させ、紙を前記頭出し位置に位置決めする。
ドット形成動作(S003):ドット形成動作とは、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する動作である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させ、キャリッジ31の移動中に、印刷データに含まれる画素データに基づいてヘッド41からインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成される。
搬送動作(S004):搬送動作とは、紙をヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる動作である。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させて紙を、前記移動方向と直交する方向の搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先ほどのドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、次のドット形成動作時にドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う。すなわち、印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。
排紙動作(S006):印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることにより、その紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙動作を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<ドット列の形成について>
まず、通常印刷について説明する。通常印刷は、インターレース印刷と呼ばれる印刷方法により行われる。ここで、『インターレース印刷』とは、1回のパスで記録されるドット列間に、記録されないドット列が挟まれるような印刷を意味する。また、『パス』とはドット形成動作を指し、『パスn』とはn回目のドット形成動作を意味する。『ドット列』とは、移動方向に並ぶドットの列である。
図7A及び図7Bは、通常印刷の説明図である。図7Aは、パスn〜パスn+3におけるヘッド41の位置とドットの形成の様子を示し、図7Bは、パスn〜パスn+4におけるヘッド41の位置とドットの形成の様子を示している。
なお、図7A及び図7Bにあっては、説明の便宜上、ヘッド41の代わりに一つのノズル群のみを示し、更にノズル群のノズル数も少なくしている。また、ノズル群が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はノズル群(ヘッド41)と紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動される。また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並んで、ドット列が形成されることになる。もちろん、画素データに応じて、ドットが非形成のこともある。
同図において、黒丸で示されたノズルはインクを吐出可能なノズルであり、白丸で示されたノズルはインクを吐出不可なノズルである。また、同図において、黒丸で示されたドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されたドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。
このインターレース印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたドット列のすぐ上のドット列を記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。ここでは、N=7、k=4、F=7・Dである(D=1/720インチ)。
但し、この通常印刷のみでは、搬送方向に連続してドット列を形成できない箇所がある。そこで、先端印刷及び後端印刷と呼ばれる印刷方法が、通常印刷の前後に行われる。
図8は、先端印刷及び後端印刷の説明図である。最初の5回のパスが先端印刷であり、最後の5回のパスが後端印刷である。
先端印刷では、印刷画像の先端付近を印刷する際に、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて、紙が搬送される。また、先端印刷では、インクを吐出するノズルが一定していない。後端印刷では、先端印刷と同じように、画像の後端付近を印刷する際に、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて、紙が搬送される。また、後端印刷では、先端印刷と同じように、インクを吐出するノズルが一定していない。これにより、先頭ドット列から最終ドット列までの間に、搬送方向に連続して並ぶ複数のドット列を形成することができる。
通常印刷だけでドット列が形成される領域(中間領域)を「通常印刷領域」と呼ぶ。また、通常印刷領域よりも紙の先端側(搬送方向下流側)に位置する領域(下流側の端部領域)を「先端印刷領域」と呼ぶ。また、通常印刷領域よりも後端側(搬送方向上流側)に位置する領域(上流側の端部領域)を「後端印刷領域」と呼ぶ。先端印刷領域には、30本のドット列が形成される。同様に、後端印刷領域にも、30本のドット列が形成される。これに対し、通常印刷領域には、紙の大きさにもよるが、およそ数千本のドット列が形成される。
通常印刷領域の各列領域(ドット列が形成されるべき領域のことをいい、その定義等詳細については後述を参照)に割り当てられたノズルの並びには、搬送量に相当する所定数P(ここでは7個)の列領域毎に規則性がある。すなわち、列領域に割り当てられたノズルの並びは、7個の列領域を1周期として変化する。
例えば、図8の通常印刷領域の最初から7番目までの列領域には、それぞれ、ノズル♯3、ノズル♯5、ノズル♯7、ノズル♯2、ノズル♯4、ノズル♯6、ノズル♯8によってドット列が形成され、次の8番目以降の7個の列領域にも、これと同じ順序の各ノズルでドット列が形成されている。
一方、先端印刷領域及び後端印刷領域の各列領域に割り当てられるノズルの並びには、通常印刷領域のドット列と比べると、規則性を見出し難い。但し、先端印刷領域及び後端印刷領域の各列領域に割り当てられるノズルも、列領域毎に対応させて予め決まっている。例えば、先端印刷の実行の都度、図8に示すように、先端印刷領域における1番目から4番目までの列領域には、ノズル#2によりドット列が形成され、5番目の列領域にはノズル#3で、6番目の列領域にはノズル#2で、7番目及び8番目の列領域にはノズル#3で、9番目の列領域にはノズル#4でドット列が形成され(以下省略)、このノズルの並びが、先端印刷の実行の度に変わることはない。
===濃度ムラの補正===
<濃度ムラ(バンディング)について>
ここでは、説明の簡略化のため、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。なお、多色印刷の場合、以下に説明する濃度ムラの発生原因が色毎に生じている。
図9Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。キャリッジ31が移動方向に移動する間、各ノズルからインクが吐出され、紙にインクが着弾してドットが形成される。各ノズルは、移動中に断続的にインクを吐出するので、移動方向に沿ってドットの列(ドット列)が形成される。各ドット列は移動方向に沿う細長い画像片を形成し、多数の画像片が搬送方向に並ぶことによって、印刷画像が構成される。ここでは、説明の簡略化のため、ドット生成率が50%となるような一定濃度の画像を印刷するものとし、また、ドットのサイズも一種類であるものとする。
同図では、理想的にドットが形成されているので、各ドットは、紙上に架空に定められた単位領域に正確に形成され、ドット列は列領域に正確に形成される。
なお、ここで「単位領域」とは、紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、画像の最小構成単位である画素に対応する領域である。そして、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。例えば、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、単位領域は、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の領域になる。また、印刷解像度が360dpi×720dpiの場合、単位領域は、約70.56μm×35.28μm(≒1/360インチ×1/720インチ)の大きさの長方形状の領域になる。理想的にインク滴が吐出されると、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が媒体上に広がって、単位領域にドットが形成される。
また、「列領域」とは、移動方向に並ぶ複数の単位領域によって構成される領域を指し、図中では「列領域」を、点線に挟まれる領域として示している。例えば印刷解像度が720dpi×720dpiの場合、列領域は、搬送方向に30.28μm(≒1/720インチ)の幅の帯状の領域になる。移動方向に移動するノズルから理想的にインク滴が断続的に吐出されると、この列領域にドット列が形成され、これによって、各列領域には、その領域の着色に応じた濃度の複数の画素からなる画像片が形成される。
図9Bは、ノズルの加工精度のばらつきの影響の説明図である。ここでは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行方向のばらつきにより、2番目の列領域に形成されたドット列が、3番目の列領域側(搬送方向上流側)に寄って形成されている。また、5番目の列領域に向かって吐出されたインク滴のインク量が少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。
本来であれば同じ濃度の画像片が各列領域に形成されるべきであるにもかかわらず、加工精度のばらつきのため、列領域に応じて画像片に濃淡が発生する。例えば、2番目の列領域の画像片は比較的淡くなり、3番目の列領域の画像片は比較的濃くなる。また、5番目の列領域の画像片は、比較的淡くなる。
そして、このようなドット列からなる印刷画像を巨視的に見ると、キャリッジ31の移動方向に沿う縞状の濃度ムラが視認される。この濃度ムラは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
図9Cは、このような濃度ムラを抑制するための印刷方法を用いてドットが形成されたときの様子の説明図である。ここでは、濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データ(後記CMYK画素データ)の階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データの階調値を補正する。例えば、図中の2番目の列領域のドットの生成率が高くなり、3番目の列領域のドットの生成率が低くなり、5番目の列領域のドットの生成率が高くなるように、各列領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。これにより、各列領域のドット列のドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
ところで、図9Bにおいて、3番目の列領域に形成される画像片の濃度が濃くなる理由は、3番目の列領域にドット列を形成するノズルの影響によるものではなく、隣接する2番目の列領域にドット列を形成するノズルの影響によるものである。このため、3番目の列領域にドット列を形成するノズルが別の列領域にドット列を形成する場合、その列領域に形成される画像片が濃くなるとは限らない。つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接する画像片を形成するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付けた補正値では、濃度ムラを抑制することができない。そこで、このプリンタ1では、列領域毎に設定される補正値に基づいて画素データの階調値を補正している。
このために、プリンタ製造工場では、プリンタ1に補正用パターンを印刷させ、補正用パターンをスキャナ150で読み取り、補正用パターンにおける各列領域の濃度に基づいて、各列領域に対応する補正値をプリンタ1のメモリに記憶する。プリンタ1に記憶される補正値は、個々のプリンタ1における濃度ムラの特性を反映したものになる。
そして、プリンタ1を購入したユーザーの下において、プリンタドライバが、プリンタ1から補正値を読み取り、画素データの階調値を補正値に基づいて補正し、補正された階調値に基づいて印刷データを生成し、プリンタ1が印刷データに基づいて印刷を行う。
<プリンタ製造工場での処理について>
図10は、プリンタ1の製造後に行われる補正値設定処理のフロー図である。まず、作業者は、処理対象のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する(S101)。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150にも接続されており、予め、テストパターンをプリンタ1に印刷させるためのプリンタドライバと、スキャナ150を制御するためのスキャナドライバと、スキャナ150から読み取った補正用パターンの画像データに対して画像処理や解析等を行うための補正値設定プログラムがインストールされている。
次に、コンピュータ110のプリンタドライバは、プリンタ1にテストパターンを印刷させる(S102)。
図11はテストパターンの説明図であり、図12は、このテストパターンが備える補正用パターンの説明図である。このテストパターンは、例えば720×720dpiの印刷解像度で印刷され、色別に4つの補正用パターンを有している。各補正用パターンは、5種類の濃度の帯状パターンと、上罫線と、下罫線と、左罫線と、右罫線とにより構成されている。
帯状パターンは、それぞれ、搬送方向に亘って一定の階調値の画像データから生成されたものであり、左の帯状パターンから順に階調値76(濃度30%)、102(濃度40%)、128(濃度50%)、153(濃度60%)及び179(濃度70%)となり、順に濃い濃度のパターンになっている。なお、これらの5種類の階調値(濃度)を「指令階調値(指令濃度)」と呼び、記号でSa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)、Sd(=153)、Se(=179)と表す。
各帯状パターンは、先端印刷、通常印刷及び後端印刷により形成されるため、先端印刷領域のドット列と、通常印刷領域のドット列と、後端印刷領域のドット列とから構成されている。通常印刷では通常印刷領域に数千個のドット列が形成されるが、補正用パターンの印刷では、通常印刷領域には8周期分のドット列が形成される。ここでは説明の簡略化のため図8の印刷によって補正用パターンが印刷されるものとして、帯状パターンが、先端印刷領域の30個のドット列、通常印刷領域の56個(=7(個/周期)×8周期)のドット列、及び、後端印刷領域の30個のドット列の計116個のドット列により構成されるものとする。上罫線は、帯状パターンを構成する1番目のドット列(搬送方向最下流側のドット列)により形成される。下罫線は、帯状パターンを構成する最終ドット列(搬送方向最上流側のドット列)により形成される。
ちなみに、このテストパターンを印刷する際には、後述する補正値に基づいた階調値補正処理(図23のステップS250を参照)が行われないのは言うまでもない。
次に、作業者は、プリンタ1によりテストパターンが印刷された紙を、スキャナ150の原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉めて、テストパターンをスキャナ150にセットする。そして、コンピュータ110のスキャナドライバは、スキャナ150に補正用パターンを読み取らせる(S103)。以下、シアンの補正用パターンの読み取りについて説明する。なお、他の色の補正用パターンの読み取りも同様に行なわれる。
図13は、シアンの補正用パターンの読み取り範囲の説明図である。シアンの補正用パターンを囲む一点鎖線の範囲が、シアンの補正用パターンを読み取る際の読み取り範囲である。この範囲を特定するためのパラメータSX1、SY1、SW1及びSH1は、補正値設定プログラムによって予めスキャナドライバに設定されている。この範囲をスキャナ150に読み取らせれば、テストパターンが多少ずれてスキャナ150にセットされても、シアンの補正用パターンの全体を読み取ることができる。この処理により、図中の読み取り範囲の画像が、2880×2880dpiの読み取り解像度の長方形の画像データとしてコンピュータ110に読み取られる。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、画像データに含まれる補正用パターンの傾きθを検出し(S104)、画像データに対して傾きθに応じた回転処理を行う(S105)。
図14Aは、傾き検出の際の画像データの説明図である。図14Bは、上罫線の位置の検出の説明図である。図14Cは、回転処理後の画像データの説明図である。補正値設定プログラムは、読み取られた画像データの中から、左からKX1の画素であって上からKH個の画素の画素データと、左からKX2の画素であって上からKH個の画素の画素データと、を取り出す。このとき取り出される画素の中に上罫線が含まれ右罫線及び左罫線が含まれないように、パラメータKX1、KX2、KHが予め定められている。そして、補正値設定プログラムは、上罫線の位置を検出するため、取り出されたKH個の画素データの階調値の重心位置KY1、KY2をそれぞれ求める。そして、補正値設定プログラムは、パラメータKX1、KX2と、重心位置KY1、KY2とに基づいて、次式により補正用パターンの傾きθを算出し、算出された傾きθに基づいて、画像データの回転処理を行う。
θ = tan−1{(KY2−KY1)/(KX2−KX1)}
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、画像データの中から不要な画素をトリミングする(S106)。
図15Aは、トリミングの際の画像データの説明図である。図15Bは、上罫線でのトリミング位置の説明図である。ステップS104での処理と同様に、補正値設定プログラムは、回転処理された画像データの中から、左からKX1の画素であって上からKH個の画素の画素データと、左からKX2の画素であって上からKH個の画素の画素データと、を取り出す。そして、補正値設定プログラムは、上罫線の位置を検出するため、取り出されたKH個の画素データの階調値の重心位置KY1、KY2をそれぞれ求め、2つの重心位置の平均値を算出する。そして、重心位置から列領域の幅の1/2だけ上側の位置において最も近い画素の境界をトリミング位置に決定する。なお、ここでは、画像データの解像度が2880dpiであり、列領域の幅は720dpiであるので、列領域の幅の1/2は2画素分の幅に相当する。そして、補正値設定プログラムは、決定されたトリミング位置よりも上側の画素を切り取り、トリミングを行なう。
図15Cは、下罫線でのトリミング位置の説明図である。上罫線側とほぼ同様に、補正値設定プログラムは、回転処理された画像データの中から、左からKX1の画素であって下からKH個の画素の画素データと、左からKX2の画素であって下からKH個の画素の画素データと、を取り出し、下罫線の重心位置を算出する。そして、重心位置から列領域の幅の1/2だけ下側の位置において最も近い画素の境界をトリミング位置に決定する。そして、補正値設定プログラムは、トリミング位置よりも下側の画素を切り取り、トリミングを行なう。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、Y方向の画素数が116個(補正用パターンを構成するドット列の数と同数)になるように、トリミングされた画像データを解像度変換する(S107)。
図16は、解像度変換の説明図である。仮に、プリンタ1が720dpiの116個のドット列からなる補正用パターンを理想的に形成し、スキャナ150が補正用パターンを2880dpi(補正用パターンの4倍の解像度)で理想的に読み取れば、トリミング後の画像データのY方向の画素数は、464個(=116×4)になるはずである。しかし、実際には印刷時や読み取り時のズレの影響があって、画像データのY方向の画素数が464個にならないことがあり、ここでは、トリミング後の画像データのY方向の画素数は470個である。コンピュータ110の補正値設定プログラムは、この画像データに対して、116/470(=[補正用パターンを構成するドット列の数]/[トリミング後の画像データのY方向の画素数])の倍率で解像度変換(縮小処理)を行なう。ここでは解像度変換にバイキュービック法が用いられる。これにより、解像度変換後の画像データのY方向の画素数が116個になる。言い換えると、2880dpiの補正用パターンの画像データが、720dpiの補正用パターンの画像データに変換される。この結果、Y方向に並ぶ画素の数と列領域の数とが同数になり、X方向の画素列と列領域とが、一対一で対応することになる。例えば、一番上に位置するX方向の画素列は1番目の列領域に対応し、その下に位置する画素列は2番目の列領域に対応する。なお、この解像度変換ではY方向の画素数を116個にするのが目的なので、X方向の解像度変換(縮小処理)は行われなくても良い。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、各列領域における5種類の帯状パターンのそれぞれの濃度を測定する(S108)。以下、1番目の列領域における階調値76(濃度30%)で形成された左側の帯状パターンの濃度の測定について説明する。なお、他の列領域における測定も同様に行なわれる。また、他の帯状パターンの濃度の測定も同様に行なわれる。
図17Aは、左罫線の検出の際の画像データの説明図である。図17Bは、左罫線の位置の検出の説明図である。図17Cは、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。補正値設定プログラムは、解像度変換された画像データの中から、上からH2の画素であって、左からKX個の画素の画素データを取り出す。このとき取り出される画素の中に左罫線が含まれるように、パラメータKXが予め定められている。そして、補正値設定プログラムは、左罫線の位置を検出するため、取り出されたKX個の画素の画素データの階調値の重心位置を求める。この重心位置(左罫線の位置)からX2だけ右側に、幅W3の濃度30%の帯状パターンが存在していることは、補正用パターンの形状から既知になっている。そこで、補正値設定プログラムは、重心位置を基準にして、帯状パターンの左右W4の範囲を除いた点線の範囲の画素データを抽出し、この範囲の画素データの階調値の平均値を、1番目の列領域の濃度30%の測定値とする。なお、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度を測定する場合、図中の点線の範囲の1画素下の範囲の画素データを抽出する。このようにして、補正値設定プログラムは、5種類の帯状パターンの濃度を列領域毎にそれぞれ測定する。
図18は、シアンの5種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。このように、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、列領域毎に、5種類の帯状パターンの濃度の測定値を対応付けて、測定値テーブルを作成する。他の色についても、測定値テーブルが作成される。なお、以下の説明では、ある列領域について、階調値Sa〜Seの帯状パターンの測定値をそれぞれCa〜Ceとしている。
図19は、シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの測定値のグラフである。各帯状パターンは、それぞれに、階調値Sa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)で一様に形成されたにもかかわらず、列領域毎に濃淡が生じている。この列領域毎の濃淡差が、印刷画像の濃度ムラの原因である。
濃度ムラをなくすためには、各帯状パターンの測定値が一定になることが望ましい。そこで、階調値Sb(濃度40%)の帯状パターンの測定値を一定にするための処理について検討する。ここでは、階調値Sbの帯状パターンの全列領域の測定値の平均値Cbtを、濃度40%の目標値と定める。この目標値Cbtよりも測定値が淡い列領域j1では、濃度の測定値が目標値Cbtに近づくためには、階調値を濃くする方へ補正すればよいと考えられる。一方、目標値Cbtよりも測定値が濃い列領域j2では、濃度の測定値が目標Cbtに近づくためには、階調値を淡くする方へ補正すればよいと考えられる。
そこで、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、列領域に対応する補正値を算出する(S109)。ここでは、ある列領域における指令階調値Sbに対する補正値の算出について説明する。以下に説明するように、図19の列領域j1の指令階調値Sb(濃度40%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sc(濃度50%)の測定値に基づいて算出される。一方、列領域j2の指令階調値Sb(濃度40%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sa(濃度30%)の測定値に基づいて算出される。
図20Aは、列領域j1における指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域では、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも小さい階調値を示す(この列領域では、濃度30%の帯状パターンの平均濃度よりも淡い)。仮に、プリンタドライバが、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタ1に形成させるならば、次式(直線BCに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよい。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Cbt−Cb)/(Cc−Cb)}
図20Bは、列領域j2における指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域では、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも大きい階調値を示す(この列領域では、濃度30%の帯状パターンの平均濃度よりも淡い)。仮に、プリンタドライバが、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタ1に形成させるならば、次式(直線ABに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよい。
Sbt=Sb−(Sb−Sa)×{(Cbt−Cb)/(Ca−Cb)}
このようにして目標指令階調値Sbtを算出した後、補正値設定プログラムは、次式により、この列領域における指令階調値Sbに対する補正値Hbを算出する。
Hb = (Sbt−Sb)/Sb
コンピュータ110の補正値設定プログラムは、列領域毎に、階調値Sb(濃度40%)に対する補正値Hbを算出する。また、同様に、補正値設定プログラムは、階調値Sc(濃度50%)に対する補正値Hcを、各列領域の測定値Ccと、測定値Cb又はCdと、指令階調値Sb又はSdとに基づいて、列領域毎に算出する。また、同様に、補正値設定プログラムは、階調値Sd(濃度60%)に対する補正値Hdを、各列領域の測定値Cdと、測定値Cc又はCeと、指令階調値Sc又はSeとに基づいて、列領域毎に算出する。また、他の色についても、列領域毎に、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)を算出する。
ところで、通常印刷領域には、図12に示すように、56個の列領域があるが、前述したように、これら列領域に割り当てられたノズルの並びは、7個の列領域を1周期として変化する。すなわち、図8に示すように、通常印刷領域の最初から7番目までの列領域には、それぞれ、ノズル♯3、ノズル♯5、ノズル♯7、ノズル♯2、ノズル♯4、ノズル♯6、ノズル♯8によってドット列が形成され、次の8番目以降の7個の列領域にも、これと同じ順序の各ノズルでドット列が形成されている。よって、図12に示す通常印刷領域の補正値の算出では、この規則性が考慮される。
補正値設定プログラムは、通常印刷領域の1番目の列領域(印刷領域全体の31番目の列領域)における補正値を算出するとき、前述の測定値Caには、通常印刷領域においてノズル#3で形成される1、8、15、22、29、36、43、50番目の8個の列領域の濃度30%の測定値の平均値Caaveが用いられる。同様に、通常印刷領域の1番目の列領域(印刷領域全体の31番目の列領域)における補正値を算出するとき、前述の測定値Cb〜Ceには、通常印刷領域においてノズル#3が割り当てられる1、8、15、22、29、36、43、50番目の8個の列領域の各濃度の測定値の平均値Cbave〜Ceaveがそれぞれ用いられる。そして、前述の測定値Ca〜Ceの代わりに平均値Caave〜Ceaveに基づいて、前述の通りに、通常印刷領域の1番目の列領域の補正値(Hb、Hc、Hd)が算出される。このように、通常印刷領域の列領域の補正値は、7個おきの8個の列領域の各濃度の測定値の平均値に基づいて算出される。この結果、通常印刷領域では、1番目〜7番目の7個の列領域に対してだけ補正値が算出され、8番目〜56番目の列領域に対する補正値の算出は行なわれない。言い換えると、通常印刷領域の1番目〜7番目の7個の列領域に対する補正値が、8番目〜56番目の列領域に対する補正値にもなる。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S110)。
図21は、シアンの補正値テーブルの説明図である。補正値テーブルは、先端印刷領域用、通常印刷領域用、後端印刷領域用の3種類ある。各補正値テーブルには、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)が、列領域毎に対応付けられている。例えば、各列領域のn番目のドット列には、3つの補正値(Hb_n、Hc_n、Hd_n)が対応付けられている。3つの補正値(Hb_n、Hc_n、Hd_n)は、それぞれ、指令階調値Sb(=102)、Sc(=128)及びSd(=153)に対応する。なお、他の色の補正値テーブルも同様である。
このようにプリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させた後、補正値設定処理は終了する。そして、プリンタ1とコンピュータ110との接続が外され、プリンタ1には、プリンタドライバを記憶したCD−ROMも同梱される。
<ユーザー下での処理について>
図22は、ユーザー下で行なわれる処理のフロー図である。
プリンタ1を購入したユーザーは、所有するコンピュータ110(もちろん、プリンタ製造工場のコンピュータとは別のコンピュータ)に、プリンタ1を接続する(S201、S301)。なお、ユーザーのコンピュータ110には、スキャナ150は接続されていなくても良い。
次に、ユーザーは、同梱されているCD−ROMを記録再生装置140にセットし、プリンタドライバをインストールする(S202)。コンピュータ110にインストールされたプリンタドライバは、コンピュータ110に、プリンタ1に対して補正値の送信を要求する(S203)。この要求に応じて、プリンタ1は、メモリ63に記憶されている補正値テーブルをコンピュータ110へ送信する(S302)。プリンタドライバは、プリンタ1から送られてくる補正値をメモリに記憶する(S204)。これにより、コンピュータ側に補正値テーブルが作成される。ここまでの処理を終えた後、プリンタドライバは、ユーザーからの印刷命令があるまで、待機状態になる(S205でNO)。
プリンタドライバは、ユーザーからの印刷命令を受けると(S205でYES)、補正値に基づいて印刷データを生成し(S206)、印刷データをプリンタ1に送信する。プリンタ1は、印刷データに従って印刷処理を行う(S303)。
図23は、印刷データ生成処理のフロー図である。これらの処理は、プリンタドライバによって行われる。
まず、プリンタドライバは解像度変換処理を行う(S210)。解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。
なお、この解像度変換処理後の画像データは、前記解像度に対応して画素毎に設定された多数の画素データから構成され、また、各画素データは、RGB色空間により表される256階調のデータ(以下、RGB画素データと言う)である。よって、以下では、この画像データのことをRGB画像データと言う。
次に、プリンタドライバは色変換処理を行う(S230)。色変換処理は、前記RGB画像データの各RGB画素データを、インク色に対応するCMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値の画素データ(以下、CMYK画素データと言う)に変換する処理である。この色変換処理は、RGB画素データの階調値とCMYK画素データの階調値とを対応付けてなる色変換ルックアップテーブルLUTをプリンタドライバが参照することによって行われる。以下では、色変換処理後の画像データのことをCMYK画像データと言う。
ちなみに、このCMYK画像データは、シアン(C)に関するC画像データ、マゼンダ(M)に関するM画像データ、イエロ(Y)に関するY画像データ、及びブラック(K)に関するK画像データに分けることができ、更に、これらC,M,Y,K画像データは、それぞれに、シアン(C)の濃度の階調値を有するC画素データ、マゼンダ(M)の濃度の階調値を有するM画素データ、イエロ(Y)の濃度の階調値を有するY画素データ、ブラック(K)の濃度の階調値を有するK画素データから構成されている。よって、前述したCMYK画素データは、C画素データと、M画素データと、Y画素データと、K画素データとを合わせて構成された画素データと言うこともできる。
そして、これらC,M,Y,K画像データは、基本的には、互いにインク色の点で相違するのみであって、データ構造は同じである。従って、以下の説明においてその内容が共通する場合には、C,M,Y,K画像データを代表してシアン(C)に関するC画像データについて説明する。
次に、プリンタドライバは階調値補正処理を行う(S250)。階調値補正処理は、CMYK画像データの各画素データの階調値を、その画素データの属する列領域に対応する補正値に基づいて補正する処理である。なお、この処理は、C,M,Y,K画像データの何れについても当てはまるので、以下では、シアン(C)に関するC画像データの処理についてだけ説明する。
図24は、シアン(C)のn番目の列領域の階調値補正処理の説明図である。同図は、シアンのn番目の列領域に属する画素のC画素データの階調値S_inを補正する様子を示している。なお、補正後の階調値はS_outである。
仮に補正前のC画素データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、プリンタドライバは、階調値S_inを目標指令階調値Sbtに補正すれば、そのC画素データの対応する単位領域に目標濃度Cbtの画像を形成することができる。つまり、補正前のC画素データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、指令階調値Sbに対応する補正値Hbを用いて、階調値S_in(=Sb)をSb×(1+Hb)に補正するのが良い。同様に、補正前のC画素データの階調値Sが指令階調値Scと同じであれば、階調値S_in(=Sc)をSc×(1+Hc)に補正するのが良い。
これに対し、補正前の階調値S_inが指令階調値とは異なる場合、図24に示すような直線補間によって、出力すべき階調値S_outが算出される。図中の直線補間では、各指令階調値(Sb、Sc、Sd)に対応する補正後の各階調値S_out(Sbt、Sct、Sdt)の間を直線補間している。但し、これに限られるものではない。例えば、各指令階調値に対応する各補正値(Hb、Hc、Hd)の間を直線補間して階調値S_inに対応する補正値Hを算出し、算出された補正値Hに基づいて補正後の階調値をS_in×(1+H)として算出しても良い。
先端印刷領域の1番目〜30番目の各列領域に対応するC画素データに対しては、プリンタドライバは、先端印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、階調値補正処理を行う。例えば、先端印刷領域の1番目の列領域のC画素データに対しては、プリンタドライバは、先端印刷用の補正値テーブルの1番目の列領域の補正値(Hb_1、Hc_1、Hd_1)に基づいて、階調値補正処理を行う。
同様に、通常印刷領域の1番目〜7番目の各列領域(印刷領域全体の31番目〜38番目の各列領域)に対応するC画素データに対しては、プリンタドライバは、通常印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、階調値補正処理を行う。但し、通常印刷領域には数千個の列領域が存在するが、通常印刷領域用の補正値テーブルには、7個分の列領域に対応する補正値しか記憶されていない。そこで、通常印刷領域の8番目〜14番目の各列領域のC画素データに対しては、プリンタドライバは、通常印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、階調値補正処理を行う。このように、通常印刷領域の列領域に対しては、プリンタドライバは、7個の列領域毎に、1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値を繰り返して用いる。通常印刷領域では7個の列領域毎に規則性があるため、濃度ムラの特性も同じ周期で繰り返されると考えられ、もって、同じ周期で補正値を繰り返し用いることにより、記憶すべき補正値のデータ量を削減している。
なお、補正用パターンの通常印刷領域の列領域は56個であったが、ユーザー下で印刷される印刷画像の通常印刷領域の列領域の数は、これよりも多く、数千個にも及ぶ。このような通常印刷領域の搬送方向上流側(紙の後端側)に30個の列領域からなる後端印刷領域が形成される。
後端印刷領域では先端印刷領域と同様に、後端印刷領域の1番目〜30番目の各列領域のC画素データに対しては、プリンタドライバは、後端印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、階調値補正処理を行う。
以上の階調値補正処理により、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応するC画素データの階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応するC画素データの階調値が高くなるように補正される。なお、上述した階調値補正処理は、シアン(C)以外の色に関する画像データ、すなわち、M,Y,K画像データに対しても同様に行われる。
次に、プリンタドライバはハーフトーン処理を行う(S270)。ハーフトーン処理は、CMYK画像データ上において多段階の階調値で示された各CMYK画素データを、プリンタ1が表現可能な少段階の階調値で示されたCMYK画素データへと変換する処理である。
以下、シアン(C)に関するC画像データに代表させて説明すると、例えば、256段階の階調値を示すC画素データが、ハーフトーン処理によって4段階の階調値を示す2ビットのC画素データに変換される。この2ビットのC画素データは、例えば「ドットの形成なし」(2進数の値として「00」)、「小ドットの形成」(同じく「10」)、「中ドットの形成」(同じく「01」)、「大ドットの形成」(同じく「11」)を示すデータであって、各サイズのドットの生成率は、階調値に応じて定められる。
図25は、この階調値とドットの生成率との対応関係を規定するドット生成率テーブルの説明図である。横軸は、ハーフトーン処理前のC画素データの階調値(0〜255)を示しており、縦軸はドットの生成率(%)を示している。ここで、「ドットの生成率」とは、一定の階調値に応じて一様な領域が再現されるときに、その領域内の画素のうちでドットが形成される画素の割合を意味する。また、このドット生成率テーブルは、コンピュータ110のメモリに予め記憶されている。
同図に示すように、階調値とドットの生成率との対応関係は、ドットのサイズ毎に規定されている。すなわち、図示例のドット生成率テーブルには、零よりも大きく第1階調値gr1以下の階調値の範囲では、前記小ドットの生成率のみが正値であり、前記第1階調値gr1よりも大きく第2階調値gr2以下の階調値の範囲では、前記小ドット及び前記中ドットの生成率のみが正値であり、前記第2階調値gr2よりも大きい階調値の範囲では、前記大ドットの生成率が正値であることが規定されている。よって、例えば、前記第2階調値gr2よりも大きい階調値grが指定された画素では、図示のように、小ドットとなる確率が1d(%)、中ドットとなる確率が2d(%)、大ドットとなる確率が3d(%)、そしてドット無しとなる確率が、100−1d−2d−3d(%)となる。つまり、この画素に対応するC画素データは、1d(%)、2d(%)、3d(%)、及び100−1d−2d−3d(%)の確率で、前記「10」、「01」、「11」、及び「00」のうちの何れかの2ビットデータに変換される。
ちなみに、このようなハーフトーン処理は、上記階調値補正処理(S250)を実行済みのC画素データに対して行われる。よって、濃く視認されやすい列領域に形成されるべきドットの生成率は、前記階調値を補正した分だけ概ね低くなり、逆に、淡く視認されやすい列領域に形成されるべきドットの生成率は、逆に、前記階調値を補正した分だけ比べて概ね高くなる。
次に、プリンタドライバは、ラスタライズ処理を行う(S290)。ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタ1に出力される。
このようにして生成された印刷データに基づいてプリンタ1が印刷処理を行えば、最終的には、前述の各列領域に形成されるべきドットの生成率の変更を通じて、列領域の画像片の濃度が補正されて印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
なお、以上の説明では、説明の簡略化のためノズル数や列領域の数(ドット列の数)を少なくしているが、実際には、ノズル数は180個であり、例えば先端印刷領域の列領域の数は360個になる。但し、補正値設定プログラムやプリンタドライバ等が行なう処理は、ほぼ同様である。
===本実施形態のハーフトーン処理(S270)===
<上述のハーフトーン処理(S270)の問題点>
上述したように、ハーフトーン処理は、ステップS250の階調値補正処理後のCMYK画像データに対して行われる。このため、列領域に対応付けられた補正値及び画素データの階調値によっては、小中大ドットのうちの、あるサイズのドットの生成率が、前記階調値補正処理に伴って正値から零に変わってしまうことが起こり得る。
つまり、階調値補正前の階調値であれば前記列領域に形成されていたはずの前記あるサイズのドットが、階調値補正後の階調値においては全く形成されなくなることが起こり得る。そして、その場合には、その列領域に、前記あるサイズのドットが全く形成されなくなることに起因して、その列領域が濃度ムラの如く見えてしまう虞があった。
図26A及び図26Bは、この現象の一例を説明するための図であって、シアン(C)のドットが紙に形成された状態のイメージ図である。図26Aは、階調値補正前のC画像データに基づいて印刷した場合であり、図26Bは、階調値補正後のC画像データに基づいて印刷した場合である。図中の各格子は、それぞれに単位領域(画素)を示しており、また、各列領域には第1番から第10番までの番号を付している。以下ではC画像データについて説明するが、同様の現象は、他の色の画像データでも起こり得る。
なお、ここでは、説明の便宜上、階調値補正前のC画素データの階調値は全てのC画素データに亘って29の一定値であるものとする。また、図26Aの第6列領域には、前記階調値補正の補正値として、絶対値が大きい負値の補正値が対応付けられているとともに、それ以外の列領域には、絶対値が小さい負値の補正値が対応付けられているものとし、その結果として、前記第6列領域に対応するC画素データは、前記階調値補正処理によって階調値が前記29から24へと補正される一方、前記第6列領域以外の列領域に対応するC画素データにあっては、階調値は前記29から27へと補正される前提で説明する。
階調値補正前のC画像データに基づいて紙にドットが形成される場合には、全てのC画素データに亘って階調値が29であることから、前記ドット生成率テーブルに基づいて、図27に示すように小ドットは40%の生成率で、また中ドットは3%の生成率で紙に形成される。つまり、図26Aに示すように、何れの列領域にも、中ドットは概ね100ヶ中3ヶの割合で単位領域に形成される一方、小ドットは概ね100ヶ中40ヶの割合で単位領域に形成される。そして、その結果、各列領域には小ドットと中ドットとが混在し、そのドットの構成は、全ての列領域に亘って同じであるために、これらドットの形成状態は巨視的には、ほぼ濃度ムラの無い一様な状態に見える。
一方、階調値補正後のC画像データに基づいてドットが形成される場合には、前記第6列領域以外の列領域に対応するC画素データにあっては、階調値補正処理によって階調値が29から27に補正されているので、図27の前記ドット生成率テーブルに基づけば小ドットの生成率は40%となり、また中ドットの生成率は2%となる。よって、図26Bに示すように、前記第6列領域以外の各列領域には、それぞれ、階調値補正前とほぼ同様に小ドットと中ドットとが混在して形成される。ところが、前記第6列領域にあっては、階調値補正処理によって階調値が29から24に補正されているので、図27の前記ドット生成率テーブルに基づけば、小ドットの生成率は微減して38%であるが、中ドットの生成率は3%から0%へと変化する。つまり、図26B中に太枠で囲って示すように、前記第6列領域には小ドットのみが形成されて、中ドットは全く形成されなくなる。そして、この場合には、ドット構成の点で、当該第6列領域は、それ以外の列領域との連続性を欠いてしまい、その結果として当該第6列領域は濃度ムラの如く見えてしまう。すなわち、濃度ムラの抑制のために階調値補正処理を行っているにもかかわらず、逆に濃度ムラを誘発してしまう虞があった。
そこで、以下で説明する本実施形態のハーフトーン処理にあっては、このような階調値補正に伴って生じ得る濃度ムラを抑制すべく、中ドットの生成率が、前記階調値補正によって正値から零に変わるか否かの判定を行い、この判定の結果に基づいて、使用するドット生成率テーブルを変更している。
つまり、本実施形態に係るコンピュータ110のメモリには、常用される正規のドット生成率テーブル(図25)以外に、補助用のドット生成率テーブルも用意されている。そして、正規のドット生成率テーブル上において、中ドットの生成率が前記階調値補正によって正値から零に変わるとの判定が下された場合には、使用するドット生成率テーブルを正規のドット生成率テーブルから補助用のドット生成率テーブルへと変更するようにしている。
ここで、この補助用のドット生成率テーブルにあっては、後述するように、前記階調値補正後の階調値に対しても、中ドットの生成率が正値となるように工夫して予め設定されている。よって、前記列領域の中ドットの生成率は、階調値補正後の階調値においても正値に維持されて、その列領域には中ドットが形成されるので、その周囲の列領域との構成ドットの連続性は概ね維持さる。そして、その結果として、前記列領域が濃度ムラの如く見えてしまうことは有効に防止される。
<本実施形態のハーフトーン処理>
図28は本実施形態に係るハーフトーン処理のフロー図である。ここでも、CMYK画像データのうちのC画像データに対する処理について説明するが、これ以外のM,Y,K画像データについても同じように処理される。
先ず、ステップS271において、プリンタドライバは、階調値補正処理後のC画像データを取得する。そして、次のステップS272では、前記C画像データの中から一つのC画素データを処理対象のC画素データとして指定し、そのC画素データの階調値を取得する。なお、この階調値は、勿論、階調値補正後の階調値である。
そうしたら、この階調値に基づいて正規のドット生成率テーブルを参照し、前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わるか否かを判定する(S273)。
この判定は、例えば次のようにして行われる。先ず、プリンタドライバは、図29Aの正規のドット生成率テーブルを参照して、前記C画素データの階調値graに対応する中ドットの生成率が零であるかをチェックし、更に、階調値補正前の階調値grbに対応する中ドットの生成率が正値であるかもチェックする。そして、図29Aに示すように、これら両者の何れにも該当する場合には、「前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わる」との判定を下す一方、図29Bに示すように、少なくともいずれか一方に該当しない場合には、「前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わらない」との判定を下す。ちなみに、階調値補正前の階調値grbは、このC画素データが属する列領域の補正値Hを前記補正値テーブルから取得し、前記補正値Hに1を加算した値によって前記C画素データの階調値graを除算して求められる。
そして、上記判定の結果が、「前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わらない」という場合には(S273にてNo)、ステップS274bへ移行し、プリンタドライバは、そのまま当該正規のドット生成率テーブルに基づいて前記階調値graに対応する生成率を、小中大ドットの各々について取得する。
一方、ステップS273において、「前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わる」と判定した場合には(S273にてYes)、ステップS274aへ移行し、補助用のドット生成率テーブル(図30B)を参照して前記階調値graに対応する生成率を、小中大ドットの各々について取得する。つまり、正規のドット生成率テーブルに基づいて生成率を取得すると、階調値補正前には形成されるはずの中ドットが形成されなくなるので、この場合には、補助用のドット生成率テーブルを参照するのである。
図30A及び図30Bは、補助用のドット生成率テーブルを、前記正規のドット生成率テーブルと対比して示す図である。これらの図からわかるように、図30Bの補助用のドット生成率テーブルにあっては、中ドットの生成率が零から正値へと変化する階調値(以下、第1階調値gr1と言う)が、図30Aの正規のドット生成率テーブルよりも小さい値に設定されている。例えば、図30Aの正規のドット生成率テーブルでは第1階調値gr1が25であるが、図30Bの補助用のドット生成率テーブルでは19になっている。よって、図30Aに示すように、正規のドット生成率テーブルにおいて階調値補正後の階調値gra(例えば24)に対応する中ドットの生成率が零になる場合であっても、図30Bに示す当該補助用のドット生成率テーブルによれば、中ドットの生成率は正値に維持される。
ちなみに、補助用のドット生成率テーブルの第1階調値gr1と、正規のドット生成率テーブルの第1階調値gr1との偏差Δgr1は、前記階調値補正処理(S250)によって補正され得る階調値の補正量(階調値補正前後の階調値の差(=grb−gra)の最大値よりも大きな値に設定されている。例えば、ここでは、サンプル調査の結果、前記補正量の最大値は5であることが判明したので、前記Δgr1は6に設定されている。よって、当該補助用のドット生成率テーブルにおいて階調値補正後の階調値graには、必ず中ドットに関して正値の生成率が対応付けられることになる。
そして、上記のステップS274a及びステップS274bの何れかの分岐ステップを経て、小中大ドットの各々について生成率を取得したら、プリンタドライバはステップS275へ進み、取得された各生成率に基づいてC画素データの階調値を2ビットデータに変換する。すなわち、C画素データの階調値は、前記各生成率の確率に基づいて、「小ドットの形成」を示す2ビットデータ「10」、「中ドットの形成」を示す2ビットデータ「01」、及び「大ドットの形成」を示す2ビットデータ「11」、「ドットの形成なし」を示す2ビットデータ「00」のうちのいずれかの2ビットデータに変換される。
そうしたら、プリンタドライバはステップS276へ移行して、全てのC画素データに対してハーフトーン処理が終了したか否かの判定を行い、終了していない場合には、処理対象を未処理のC画素データに変更して(S277)、上述のステップS272へ戻る。一方、ステップS276において、全てのC画素データに対してハーフトーン処理が終了している場合には、C画像データに対するハーフトーン処理は終了する。
以上、本実施形態のハーフトーン処理について説明したが、ここで、上述の補助用のドット生成率テーブルについて若干補足説明する。
図30Bに示す補助用のドット生成率テーブルは、図30Aの正規のドット生成率テーブルと同様に、階調値とドットの生成率との対応関係を次のように規定している。零よりも大きく第1階調値gr1以下の階調値の範囲では、前記小ドットの生成率のみが正値であり、前記第1階調値gr1よりも大きく第2階調値gr2以下の階調値の範囲では、前記小ドット及び前記中ドットの生成率のみが正値であり、前記第2階調値gr2よりも大きい階調値の範囲では、前記大ドットの生成率が正値である。
しかしながら、前記第1階調値gr1を正規のドット生成率テーブルの第1階調値gr1よりも小さい値に設定しているため、これに伴って、補助用のドット生成率テーブルの第1階調値gr1以降の階調値では、正規のドット生成率テーブルよりも中ドットの生成率が高くなっている。よって、このままの補助用のドット生成率テーブルでは、中ドットの生成率の増加分だけ紙に印刷された際の巨視的濃度が濃くなってしまうが、図30Bの補助用のドット生成率テーブルでは、前記中ドットの生成率の増加分だけ、正規のドット生成率よりも小ドットの生成率を下げている。よって、当該補助用のドット生成率テーブルに基づいて紙にドットを形成した際にも、巨視的には、その階調値に対応する濃さの濃度が表現される。
<本実施形態のハーフトーン処理のディザ法による実施例>
本実施形態のハーフトーン処理を行う手法としては、例えば、ディザ法、γ補正法、誤差拡散法等が用いられるが、ここでは、その一例としてディザ法で行う場合について説明する。
図31は、本実施形態のハーフトーン処理をディザ法で行う場合のフロー図である。なお、ここでもC画像データについてのみ説明するが、これ以外のM,Y,K画像データについても同様に処理される。
先ず、ステップS501において、プリンタドライバは、階調値補正処理後のC画像データを取得する。そして、次のステップS502では、前記C画像データの中から一つのC画素データを処理対象のC画素データとして指定し、そのC画素データの階調値を取得する。
そうしたら、ステップS503及びS504へ進んで、前記階調値に基づいて正規のドット生成率テーブルを参照し、前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わるか否かを判定するが、このディザ法においては、前記生成率の代わりにレベルデータを用いて以降の処理を行う。
図32A及び図32Bは、レベルデータを説明するための前記正規のドット生成率テーブルの図である。なお、前述した図29Aのドット生成率テーブルとの相違点は、左側の縦軸に設定されたドットの生成率(%)に対応させて、右側の縦軸にレベルデータが設定されている点にあり、これ以外は同じである。
このレベルデータとは、0〜100%の生成率を0〜255の256段階の値に均等に割り振って変換したデータのことをいい、例えば、0%の生成率には零のレベルデータが対応し、100%の生成率には255のレベルデータが対応する。そして、図32Aに示すように、ドット生成率テーブルには、小中大の各ドットの生成率に対応して、小中大の各ドットのレベルデータLVS,LVM,LVLが規定されている。
そして、このようなレベルデータを用いた場合には、上記の「階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わるか否かの判定」は、次のようにして行われる。先ず、図32Bの正規のドット生成率テーブルを参照して、その階調値graに対応する中ドットのレベルデータLVMが零であるかをチェックし、更に、階調値補正前の階調値grbに対応する中ドットのレベルデータLVM’が正値であるかもチェックする。そして、これら両者の何れにも該当する場合には、「前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わる」との判定を下す一方、少なくともいずれか一方に該当しない場合には、「前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わらない」との判定を下す。
そして、上記判定の結果が、「前記中ドットの生成率が正値から零へと変わらない」という場合には(S504にてNo)、ステップS505bへ移行し、そのまま当該正規のドット生成率テーブルを参照して前記階調値graに対応する小中大ドットの各レベルデータLVS,LVM,LVLを取得する。
一方、「前記中ドットの生成率が正値から零へと変わる」と判定した場合には(S504にてYes)、ステップS505aへ移行し、補助用のドット生成率テーブル(図33B)を参照して前記階調値に対応する小中大ドットの各レベルデータLVS,LVM、LVLを取得する。つまり、正規のドット生成率テーブルでは、中ドットのレベルデータLVMが零となって、階調値補正前には形成されるはずの中ドットが形成されなくなるので、この場合には、補助用のドット生成率テーブルを参照するのである。
図33A及び図33Bは、補助用のドット生成率テーブルを、前記正規のドット生成率テーブルと対比して示す比較図である。これらの対比からわかるように、補助用のドット生成率テーブルにあっては、中ドットのレベルデータLVMが零から正値へと変化する階調値(第1階調値gr1)が、正規のドット生成率テーブルの場合よりも小さい値に設定されている。よって、図33Aに示すように、正規のドット生成率テーブルにおいて階調値補正後の階調値graに対応する中ドットのレベルデータLVMが零になる場合であっても、当該補助用のドット生成率テーブルによれば、図33Bに示すように、中ドットのレベルデータLVMは正値に維持される。
そして、上記ステップS505a及びステップS505bの何れかの分岐ステップを経て、小中大ドットの各々についてレベルデータLVS,LVM,LVLを取得したら、取得された各レベルデータLVS,LVM,LVLに基づいて、以降のステップS506乃至ステップS513を順次実行して、C画像データを2ビットデータに変換する。
先ず、ステップS506では、大ドットのレベルデータLVLが閾値THL以上か否かを判定する。すなわち、ディザ法によるドットのオン・オフ判定を行う。閾値THLは、所謂ディザマトリクスの各画素ブロックに対して異なる値が設定されている。本実施形態では16×16の正方形の画素ブロックに、1〜255までの値が概ね均等に現れるマトリックスを用いている。
図34は、ディザ法によるドットのオン・オフ判定の様子を示す図である。図示の都合上、図34には、一部のC画素データについてのみ示している。まず、図示するように、各C画素データのレベルデータLVLを、当該C画素データに対応するディザマトリクス上の画素ブロックの閾値THLと比較する。そして、前記レベルデータLVLが前記閾値THL以上の場合にはドットをオンにし、前記閾値THL未満の場合にはドットをオフにする。図中で網掛けを施したC画素データが、ドットをオンにするC画素データである。すなわち、ステップS506において、レベルデータLVLが閾値THL以上の場合には、ステップS507に進み、それ以外の場合にはステップS508に進む。ここで、ステップS507に進んだ場合には、プリンタドライバは、当該処理対象のC画素データに対して、大ドットを示す2ビットデータ「11」を対応付けて記録し、ステップS513に進む。そして、このステップS513において、全てのC画素データについて処理を終了したか否かを判定し、終了している場合には、ハーフトーン処理を終了し、終了していない場合には、処理対象を未処理のC画素データに移して(S514)、ステップS502に戻る。
一方、ステップS508に進んだ場合には、中ドットのレベルデータLVMと閾値THMの大小関係が比較されて、中ドットのオン・オフの判定が行われる。オン・オフの判定方法は、大ドットの場合と同じであるが、判定に用いる閾値THMを次に示す通り大ドットの場合の閾値THLとは異なる値にしている。すなわち、大ドットと中ドットで同じディザマトリクスを用いてオン・オフの判定を行った場合、ドットがオンになりやすい画素ブロックが両者で一致する。つまり、大ドットがオフとなるときには中ドットもオフになる可能性が高くなる。その結果、中ドットの生成率は所望の生成率よりも低くなる虞がある。このような現象を回避するため、ここでは、両者でディザマトリクスを変えている。つまり、オンになりやすくなる画素ブロックを、大ドットと中ドットとで変えることで、それぞれが適切に形成されることを確保している。
図35Aは、大ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図であり、図35Bは、中ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図である。この例では、大ドットについては、図35AのディザマトリクスTMを用い、中ドットについては、この各閾値を、ディザマトリクスTMの中心線に関して線対称に移動した図35BのディザマトリクスUMを用いている。ここでは先に述べたように16×16のマトリクスを用いているが、図35A及び35Bには図示の都合上4×4のマトリクスで示している。なお、大ドットと中ドットで全く異なるディザマトリクスを用いるようにしても良い。
そして、ステップS508において、中ドットのレベルデータLVMが、中ドットの閾値THM以上の場合には、中ドットをオンにすべきと判定して、ステップS509に進み、それ以外の場合にはステップS510に進む。ここで、ステップS509に進んだ場合には、プリンタドライバは、当該処理対象のC画素データに対して、中ドットを示す2ビットデータ「01」を対応付けて記録し、前述したステップS513に進む。
一方、ステップS510に進んだ場合には、このステップS510において、小ドットのレベルデータLVSと閾値THSの大小関係が比較されて、小ドットのオン・オフの判定が行われる。そして、小ドットのレベルデータLVSが、小ドットの閾値THS以上の場合にはステップS511に進み、それ以外の場合にはステップS512に進む。ここで、ステップS511に進んだ場合には、当該処理対象のC画素データに対して、小ドットを示す2ビットデータ「10」を対応付けて記録し、前述したステップS513に進む。 一方、ステップS512に進んだ場合には、プリンタドライバは、当該処理対象のC画素データに対して、ドット無しを示す2ビットデータ「00」を対応付けて記録し、前述したステップS513に進む。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタ1を備えた印刷システム100について記載されているが、その中には、印刷方法等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ1等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタ1について>
前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出していたが、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<ヘッド41の移動方向について>
前述の実施形態では、往復のいずれの移動方向にヘッド41が移動する際に、インクを吐出するのか述べていないが、往路のみ、復路のみ、又は往復の両方のいずれにおいてインクを吐出するようにしても良い。
<印刷に用いるインク色について>
前述の実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色のインクを紙上に吐出してドットを形成する多色印刷を例に説明したが、インク色はこれに限るものではない。例えばこれらインク色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)及びライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)等のインクを用いても良い。
また、逆に、上記4つのインク色のいずれか一つだけを用いて単色印刷を行っても良い。
<前記あるサイズについて>
前述の実施形態では、前記あるサイズとして中ドットの場合を例に説明した。すなわち、階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わるか否かの判定に基づいて、前記ドット生成率テーブルを変更する場合を例示したが、何等これに限るものではない。例えば、階調値補正によって大ドットの生成率が正値から零へと変わるか否かの判定に基づいて、前記ドット生成率テーブルを変更するようにしても良い。但し、大ドットの生成率が零から正値となる前記第2階調値gr2は、一般に、濃度ムラが視認され易い所謂中間調領域の階調値(例えば0〜77の階調値の範囲)の範囲外であるため、上述した中ドットの例ほどの効果は期待できない。
印刷システム100の構成の説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図であり、図3Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。 ヘッド41の下面におけるノズルの配列の説明図である。 前記ピエゾ素子を駆動するための駆動回路220の説明図である。 原駆動信号発生部221の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、実駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。 図5Aは、スキャナ150の縦断面図であり、図5Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。 印刷時の動作のフロー図である。 図7A及び図7Bは、通常印刷の説明図である。 先端印刷及び後端印刷の説明図である。 図9Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図であり、図9Bは、ノズルの加工精度のばらつきの影響の説明図であり、図9Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。 プリンタ1の製造後に行われる補正値取得処理のフロー図である。 テストパターンの説明図である。 補正用パターンの説明図である。 シアンの補正用パターンの読み取り範囲の説明図である。 図14Aは、傾き検出の際の画像データの説明図であり、図14Bは、上罫線の位置の検出の説明図であり、図14Cは、回転処理後の画像データの説明図である。 図15Aは、トリミングの際の画像データの説明図であり、図15Bは、上罫線でのトリミング位置の説明図であり、図15Cは、下罫線でのトリミング位置の説明図である。 解像度変換の説明図である。 図17Aは、左罫線の検出の際の画像データの説明図であり、図17Bは、左罫線の位置の検出の説明図であり、図17Cは、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。 シアンの5種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。 シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの測定値のグラフである。 図20Aは、列領域Aにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図であり、図20Bは、列領域Bにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。 シアンの補正値テーブルの説明図である。 ユーザー下で行なわれる処理のフロー図である。 印刷データ生成処理のフロー図である。 シアンのn番目の列領域の濃度補正処理の説明図である。 ドット生成率テーブルの説明図である。 図26A及び図26Bは、階調値補正に伴って濃度ムラが生じる現象の一例を説明するための図であって、それぞれ、シアン(C)のドットが紙に形成された状態のイメージ図である。 図25のドット生成率テーブルの一部を拡大して示す図である。 本実施形態に係るハーフトーン処理のフロー図である。 図29A及び図29Bは、前記階調値補正によって中ドットの生成率が正値から零へと変わるか否かを判定する方法の説明図である。 図30Aは正規のドット生成率テーブルであり、図30Bは補助用のドット生成率テーブルである。 本実施形態のハーフトーン処理をディザ法で行う場合のフロー図である。 図32A及び図32Bは、レベルデータを説明するための前記正規のドット生成率テーブルの図である。 図33Aは正規のドット生成率テーブルであり、図33Bは補助用のドット生成率テーブルである。 ディザ法によるドットのオン・オフ判定の様子を示す図である。 図35Aは、大ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図であり、図35Bは、中ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、5 原稿、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51、リニア式エンコーダ、52、ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、
64 ユニット制御回路、
100 印刷システム、110 コンピュータ、120 表示装置、
130 入力装置、140 記録再生装置、150 スキャナ、
151 上蓋、152 原稿台ガラス、153 読取キャリッジ、154 案内部材、
155 移動機構、157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系

Claims (11)

  1. 濃度の階調値とドットの生成率との対応関係を複数サイズのドットについて規定した対応関係情報を参照することによって、画像データの濃度の階調値に対応する前記ドットの生成率を取得し、前記生成率に基づいて媒体に前記ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
    既定の濃度の補正値に基づいて前記画像データの前記階調値の補正を行う場合に、前記複数サイズのうちのあるサイズのドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わるか否かの判定を行うステップと、
    前記判定の結果に基づいて前記対応関係情報を変更するステップと、を備えたことを特徴とする印刷方法。
  2. 請求項1に記載の印刷方法において、
    前記複数サイズのドットは、小ドット、前記小ドットよりも大きい中ドット、及び、前記中ドットよりも大きい大ドットであり、
    前記対応関係情報は、前記階調値と前記ドットの生成率との対応関係を、前記サイズ毎に規定するドット生成率テーブルであることを特徴とする印刷方法。
  3. 請求項2に記載の印刷方法において、
    前記ドット生成率テーブルには、
    零よりも大きく第1階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドットの生成率のみが正値であることと、
    前記第1階調値よりも大きく第2階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドット及び前記中ドットの生成率のみが正値であることと、
    前記第2階調値よりも大きい階調値の範囲では、前記大ドットの生成率が正値であることと、が規定されていることを特徴とする印刷方法。
  4. 請求項3に記載の印刷方法において、
    前記あるサイズのドットは、前記中ドットであることを特徴とする印刷方法。
  5. 請求項4に記載の印刷方法において、
    前記ドット生成率テーブルとしては、常用される正規のドット生成率テーブル以外に、前記判定の結果が零である場合に、前記正規のドット生成率テーブルの代わりに使用される補助用のドット生成率テーブルが用意され、
    前記補助用のドット生成率テーブルでは、前記正規のドット生成率テーブルの場合よりも前記第1階調値が小さい値に設定されていることを特徴とする印刷方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷方法において、
    前記画像は、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、
    前記画像データの階調値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に設定されており、
    前記判定は、前記単位領域毎に行われることを特徴とする印刷方法。
  7. 請求項6に記載の印刷方法において、
    前記画像は、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、
    前記列領域毎に、前記補正値が設定されていることを特徴とする印刷方法。
  8. 請求項7に記載の印刷方法において、
    前記補正値は、所定濃度で印刷されたテストパターンから前記列領域毎に読み取られた濃度の読み取り値に基づいて設定されていることを特徴とする印刷方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の印刷方法において、
    複数の単位領域において前記生成率がα%の場合には、前記複数の単位領域のうちのα%の単位領域に対して前記ドットが形成されることを特徴とする印刷方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれかに記載の印刷方法において、
    前記画像は、複数の色のドットによって構成され、
    前記画像データは、前記色毎に前記階調値を有し、
    前記対応関係情報は、前記色毎に用意され、
    同色の対応関係情報に基づいて、同一の前記単位領域に2つ以上のドットが重複形成されないように規制されていることを特徴とする印刷方法。
  11. 濃度の階調値とドットの生成率との対応関係を複数サイズのドットについて規定した対応関係情報を参照することによって、画像データの濃度の階調値に対応する前記ドットの生成率を取得し、前記生成率に基づいて媒体に前記ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
    既定の濃度の補正値に基づいて前記画像データの前記階調値の補正を行う場合に、前記複数サイズのうちのあるサイズのドットの生成率が、前記補正によって正値から零に変わるか否かの判定を行うステップと、
    前記判定の結果に基づいて前記対応関係情報を変更するステップと、を備え、
    前記複数サイズのドットは、小ドット、前記小ドットよりも大きい中ドット、及び、前記中ドットよりも大きい大ドットであり、前記対応関係情報は、前記階調値と前記ドットの生成率との対応関係を、前記サイズ毎に規定するドット生成率テーブルであり、
    前記ドット生成率テーブルには、零よりも大きく第1階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドットの生成率のみが正値であることと、前記第1階調値よりも大きく第2階調値以下の階調値の範囲では、前記小ドット及び前記中ドットの生成率のみが正値であることと、前記第2階調値よりも大きい階調値の範囲では、前記大ドットの生成率が正値であることと、が規定されており、
    前記あるサイズのドットは、前記中ドットであり、
    前記ドット生成率テーブルとしては、常用される正規のドット生成率テーブル以外に、前記判定の結果が零である場合に、前記正規のドット生成率テーブルの代わりに使用される補助用のドット生成率テーブルが用意され、前記補助用のドット生成率テーブルでは、前記正規のドット生成率テーブルの場合よりも前記第1階調値が小さい値に設定されており、
    前記画像は、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、前記画像データの階調値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に設定されており、前記判定は、前記単位領域毎に行われ、
    前記画像は、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、前記列領域毎に、前記補正値が設定されており、
    前記補正値は、所定濃度で印刷されたテストパターンから前記列領域毎に読み取られた濃度の読み取り値に基づいて設定されており、
    複数の単位領域において前記生成率がα%の場合には、前記複数の単位領域のうちのα%の単位領域に対して前記ドットが形成され、
    前記画像は、複数の色のドットによって構成され、前記画像データは、前記色毎に前記階調値を有し、前記対応関係情報は、前記色毎に用意され、同色の対応関係情報に基づいて、同一の前記単位領域に2つ以上のドットが重複形成されないように規制されていることを特徴とする印刷方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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