JP5703177B2 - 溶接用Ni基合金および溶加材 - Google Patents
溶接用Ni基合金および溶加材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5703177B2 JP5703177B2 JP2011198122A JP2011198122A JP5703177B2 JP 5703177 B2 JP5703177 B2 JP 5703177B2 JP 2011198122 A JP2011198122 A JP 2011198122A JP 2011198122 A JP2011198122 A JP 2011198122A JP 5703177 B2 JP5703177 B2 JP 5703177B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- content
- welding
- less
- based alloy
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Arc Welding In General (AREA)
Description
Cは、強化相であるM23C6型炭化物の構成元素として有用であり、ピーニング効果によって結晶粒粗大化の抑制効果がある。Cの含有率が0.01%未満の場合には、炭化物の十分な析出量を確保することができないため、上記した効果を発揮できない。一方、Cの含有率が0.15%を超えると、製造性が低下する。そのため、Cの含有率を0.01〜0.15%とした。また、Cの含有率を0.01〜0.06%とすることがより好ましい。
Crは、Ni基合金の耐酸化性、耐食性および機械的強度を高めるのに不可欠な元素である。Crの含有率が15%未満の場合には、耐酸化性が低下する。一方、Crの含有率が25%を超えると、有害相であるσ相の析出により機械的強度が低下する。そのため、Crの含有率を15〜25%とした。また、Crの含有率を15〜21%とすることがより好ましい。
Coは、Ni母相内に固溶して母相の機械的強度を向上させる固溶強化元素である。Coの含有率が9%未満の場合には、機械的強度が低下する。一方、Coの含有率が15%を超えると、熱間加工性が低下する。そのため、Coの含有率を9〜15%とした。また、Coの含有率を9〜13%とすることがより好ましい。
Moは、Ni母相中に固溶して母相の機械的強度を向上させる固溶強化元素である。Moの含有率が8%未満の場合には、上記した効果が発揮されない。一方、Moの含有率が12%を超えると、σ相析出により機械的強度を低下させる。そのため、Moの含有率を8〜12%とした。また、Moの含有率を8〜10%とすることがより好ましい。
Alは、Niとともにγ’(Ni3Al)相を生成し、析出によるNi基合金の機械的強度を向上させる。Alの含有率が0.3%未満の場合には、Ni母相中に完全に固溶するため、γ’(Ni3Al)相による効果が得られない。一方、Alの含有率が1.8%を超えると、σ相析出が助長され、機械的強度を低下させる。さらに、γ’(Ni3Al)相の生成によって固溶温度が上昇し、熱間加工性が低下する。そのため、Alの含有率を0.3〜1.8%とした。また、Alの含有率を0.9〜1.7%とすることがより好ましい。
Tiは、Niとともにγ’(Ni3Ti)相を生成し、析出によるNi基合金の機械的強度を向上させる。Tiの含有率が0.5%未満の場合には、上記した効果が発揮されない。一方、Tiの含有率が3%を超えると、σ相析出が引き起こされ、熱間加工性が低下する。そのため、Tiの含有率を0.5〜3%とした。Tiの含有率を0.5〜2%とすることがより好ましい。
Taは、γ’(Ni3(Al,Ti))相に固溶して、γ’相を強化し、γ’相の安定化を図ることができる。Taの含有率が0.05%未満の場合には、上記した効果が発揮されない。一方、Taの含有率が1.5%を超えると、溶接性および熱間加工性が低下する。そのため、Taの含有率を0.05〜1.5%とした。また、Taの含有率を0.05〜0.1%とすることがより好ましい。
Nbは、Taと同様に、γ’(Ni3(Al,Ti))相に固容して、γ’相を強化し、安定化させる。Nbの含有率が0.4%を超えると、液化割れ感受性が高まる。そのため、Nbの含有率を0.4%以下とした。また、Nbの含有率を0.2〜0.3%とすることがより好ましい。ここで、Nbの上記効果を得るために、Nbは、少なくとも0.2%以上含有される。
Siは、湯流れを向上させる効果がある。Siの含有率が0.01%未満の場合には、この効果が得られない。一方、Siの含有率が0.5%を超えると、溶接性を低下させる。そのため、Siの含有率を0.01〜0.5%とした。また、Siの含有率を0.01〜0.25%とすることがより好ましい。
Mnは、脆性に起因するS(硫黄)とMnSとなり、脆性を防止し、湯流れを向上させる効果がある。一方,Mnの含有率が0.5%を超えると、溶接性を低下させる。そのため、Mnの含有率を0.5%以下とした。また、Mnの含有率を0.15〜0.4%とすることがより好ましい。ここで、Mnの上記効果を得るために、Mnは、少なくとも0.1%以上含有される。
Bは、粒界偏析し、高温強度を向上させる効果がある。Bの含有率が0.001%未満の場合には、上記した効果が発揮されない。一方、Bの含有率が0.006%を超えると、粒界脆化を招くとともに、溶接性が低下する。そのため、Bの含有率を0.001〜0.006%とした。また、Bの含有率を0.002〜0.005%とすることがより好ましい。
Wは、Moと同様に、Ni母相中に固溶して母相の機械的強度を向上させる固溶強化元素である。Wの含有率が5%を超えると、σ相析出が顕著になるとともに、製造性が低下する。そのため、Wの含有率を5%以下とした。また、Wの含有率を4〜4.8%とすることがより好ましい。ここで、Wの上記効果を得るために、Wは、少なくとも4%以上含有される。
P、S、CuおよびFeは、実施の形態における溶接用Ni基合金においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。また、これらの不可避的不純物のうち、少なくとも、Pは0.03%以下、およびSは0.015%以下に抑制されることが好ましい。
ここでは、実施の形態の化学組成範囲にあるNi基合金が、優れた、高温強度特性、溶接性および製造性を有することを説明する。表1は、高温強度特性、溶接性および製造性の評価に用いられた試料1〜試料10の化学組成を示す。
Claims (5)
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:15〜25、Co:9〜15、Mo:8〜12、Al:0.3〜1.8、Ti:0.5〜3、Ta:0.05〜1.5、Nb:0.4以下、Si:0.01〜0.5、Mn:0.5以下を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接用Ni基合金。
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:15〜25、Co:9〜15、Mo:8〜12、Al:0.3〜1.8、Ti:0.5〜3、Ta:0.05〜1.5、Nb:0.4以下、Si:0.01〜0.5、B:0.001〜0.006を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接用Ni基合金。
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:15〜25、Co:9〜15、Mo:8〜12、Al:0.3〜1.8、Ti:0.5〜3、Ta:0.05〜1.5、Si:0.01〜0.5、W:5以下を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接用Ni基合金。
- 前記不可避的不純物のうち、少なくとも、Pを0.03質量%以下、Sを0.015質量%以下に抑制したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の溶接用Ni基合金。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載の溶接用Ni基合金を用いて作製されたことを特徴とする溶加材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011198122A JP5703177B2 (ja) | 2011-09-12 | 2011-09-12 | 溶接用Ni基合金および溶加材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011198122A JP5703177B2 (ja) | 2011-09-12 | 2011-09-12 | 溶接用Ni基合金および溶加材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013059768A JP2013059768A (ja) | 2013-04-04 |
JP5703177B2 true JP5703177B2 (ja) | 2015-04-15 |
Family
ID=48184944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011198122A Active JP5703177B2 (ja) | 2011-09-12 | 2011-09-12 | 溶接用Ni基合金および溶加材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5703177B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111318835A (zh) * | 2020-04-03 | 2020-06-23 | 中国科学院金属研究所 | 一种高温合金熔化焊用镍基合金焊丝及其制备方法和应用 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6062326B2 (ja) * | 2013-06-27 | 2017-01-18 | 株式会社東芝 | 鋳造用Ni基合金およびタービン鋳造部品 |
DE102020106433A1 (de) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | Vdm Metals International Gmbh | Nickel-Legierung mit guter Korrosionsbeständigkeit und hoher Zugfestigkeit sowie Verfahren zur Herstellung von Halbzeugen |
JP7391533B2 (ja) * | 2019-05-13 | 2023-12-05 | 株式会社東芝 | 溶接用Ni基合金および溶加材 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5372662A (en) * | 1992-01-16 | 1994-12-13 | Inco Alloys International, Inc. | Nickel-base alloy with superior stress rupture strength and grain size control |
JP4679942B2 (ja) * | 2005-03-18 | 2011-05-11 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 熱間で使用する金型用Ni基肉盛粉末および熱間用金型 |
JP5254693B2 (ja) * | 2008-07-30 | 2013-08-07 | 三菱重工業株式会社 | Ni基合金用溶接材料 |
JP5127749B2 (ja) * | 2009-03-18 | 2013-01-23 | 株式会社東芝 | 蒸気タービンのタービンロータ用Ni基合金およびそれを用いた蒸気タービンのタービンロータ |
JP2012255424A (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-27 | Toshiba Corp | 蒸気タービンの鋳造用Ni基合金および蒸気タービンの鋳造部品 |
-
2011
- 2011-09-12 JP JP2011198122A patent/JP5703177B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111318835A (zh) * | 2020-04-03 | 2020-06-23 | 中国科学院金属研究所 | 一种高温合金熔化焊用镍基合金焊丝及其制备方法和应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013059768A (ja) | 2013-04-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6398277B2 (ja) | Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法 | |
JP5212533B2 (ja) | 継目無オーステナイト系耐熱合金管 | |
JP5236651B2 (ja) | 高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金及びそれを用いたボイラ部品並びにボイラ部品の製造方法 | |
JP6323188B2 (ja) | Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法 | |
KR101809360B1 (ko) | Ni기 내열합금 용접 조인트의 제조 방법 및 그것을 이용하여 얻어지는 용접 조인트 | |
US9878403B2 (en) | Ni-based alloy for welding material and welding wire, rod and power | |
JP2010029914A (ja) | Ni基合金用溶接材料 | |
JP6034041B2 (ja) | 高温配管物およびその製造方法 | |
JP6300941B2 (ja) | チタンを含まない合金 | |
JP5703177B2 (ja) | 溶接用Ni基合金および溶加材 | |
JP5899806B2 (ja) | Hazにおける耐液化割れ性に優れたオーステナイト系耐熱合金 | |
JP2017205800A (ja) | 溶接用Ni基合金および沸騰水型原子炉用溶加材 | |
JP6439579B2 (ja) | オーステナイト系耐熱合金溶接継手の製造方法およびそれを用いて得られる溶接継手 | |
JP4635065B2 (ja) | 蒸気タービンのタービンロータ用のNi基合金および蒸気タービンのタービンロータ | |
JP2018059135A (ja) | Ni基耐熱合金部材およびその製造方法 | |
JP7391534B2 (ja) | 溶接用Ni基合金および溶加材 | |
WO2016111249A1 (ja) | オーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品 | |
JPWO2018066573A1 (ja) | オーステナイト系耐熱合金およびそれを用いた溶接継手 | |
JP2017202493A (ja) | オーステナイト系耐熱鋼用溶接材料 | |
JP2010235985A (ja) | 高温強度特性、鍛造性および溶接性に優れた、蒸気タービンの鍛造部品用Ni基合金、並びに蒸気タービン用部材 | |
JP7391533B2 (ja) | 溶接用Ni基合金および溶加材 | |
JP6173956B2 (ja) | オーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品 | |
JP2011080107A (ja) | 蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管 | |
JP2021025096A (ja) | オーステナイト系耐熱合金溶接継手 | |
JP2021025095A (ja) | オーステナイト系耐熱合金溶接継手 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141226 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150127 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150223 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5703177 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |