JP5236651B2 - 高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金及びそれを用いたボイラ部品並びにボイラ部品の製造方法 - Google Patents
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Description
従来の発電用ボイラの主蒸気温度は、超々臨界圧発電プラントであってもせいぜい600℃前後であったが、今後、主蒸気温度を650℃、更には700℃を越える温度まで上げようとする計画が進められつつある。
従来の主蒸気温度600℃前後の場合、ボイラ管等や配管のような大径厚肉管の材料としてフェライト系耐熱鋼が使用されてきた。これはフェライト系耐熱鋼が600℃前後までの高い高温強度を有し、かつ熱膨張係数が小さく、比較的安価である等の利点をもっているからである。しかし、650℃以上ではフェライト系耐熱鋼では高温強度と耐酸化性が不足するため、より高い高温強度と耐酸化性を有するオーステナイト系ステンレス鋼が提案されている(特許文献1参照)。
このような材料を管寄や配管に用いる場合、高温強度だけでなく、起動や停止時の熱伸びが従来のフェライト系耐熱鋼に比べて増加するため、設計上の大きな課題となる。火炉内の過熱器伝熱管の場合は、高温の燃焼ガスに直接晒されることから、より高温での高い強度が要求される。
本発明の目的は、Ni基超耐熱合金の高温強度を向上させ、かつ熱膨張係数を低減し、更に溶接施工可能なボイラ用に適用可能な高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金及びそれを用いたボイラ部品並びにボイラ部品の製造方法を提供することである。
かくして、本発明の第一の観点によれば、以下の組成を有する高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金が提供される。
質量%で、C:0.2%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:10〜24%、式「Mo+0.5W」で規定される量で、Mo、Wの1種または2種を5〜17%、Al:0.5〜2.0%、Ti:1.0〜3.0%、Fe:10%以下、及び、B:0.02%以下(0%は含まず)とZr:0.2%以下(0%は含まず)の1種または2種を含有し、残部はNi及び不可避的不純物でなり、ビッカース硬さが240以下であるNi基超耐熱合金。
さらに好適な実施形態としての前記ボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金は、質量%で、0.5〜1.7%のAl、1.2〜1.8%のTi、2%以下のFe、50〜75%のNiを含む。
さらに好適な実施形態としての前記ボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金では、式Al/(Al+0.56Ti)で規定される値が0.45〜0.70である。
前記高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金を用いたボイラ部品であって、溶接部及び溶接熱影響部を除く基材の金属組織に、20nm以上の析出γ'相が存在しないボイラ部品。
本発明の第三の観点によれば、以下の高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金を用いたボイラ部品の製造方法が提供される。
前記Ni基超耐熱合金を溶解し、これを鋳造して得たインゴットに、熱間加工と冷間加工のうち少なくとも一方の塑性加工を施した後、得られた加工品に温度980〜1100℃で溶体化処理を施し、最終製品であるボイラ部品が、未時効状態であって、ビッカース硬さ240以下を有するボイラ部品の製造方法。
通常、Ni基超耐熱合金は、溶解、鋳造、塑性加工、溶体化処理の後、高温強度を高めるために、時効熱処理を行ってγ’と呼ばれる析出相を10〜数10%析出させて硬化させる。そのため、時効処理後の硬さを高めたNi基超耐熱合金に溶接を行うと、高硬度化されたことにより、Ni基超耐熱合金の靭性や延性が低下し、高温割れや再熱割れが生じ易いという問題があった。
ボイラ部材の溶接は必須であるが、通常のNi基合金と同様に時効処理を施すと、硬さが高くなり過ぎてボイラ用の部品に供するには不向きとなる。
本発明者の検討によれば、溶接時に割れを生じやすい硬さはビッカース硬さで240以下の範囲である。更に好ましくは、ビッカース硬さで220以下であり、ビッカース硬さが205以下であると更に好ましい。この範囲であれば、溶接時の割れの問題を抑制する効果の他、ボイラ管とする場合の加工性も向上させることができる。
そのため、本発明では、未時効の状態で溶接が可能で、且つ、未時効の状態でボイラ用途に使用している最中に、蒸気温度を利用して時効処理と同様な効果を得るに最適な化学組成を提案するものである。
本発明のボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金において、以下の範囲で各化学組成を規定した理由は以下の通りである。なお、特に記載のない限り質量%として記す。
Cは、炭化物形成により結晶粒粗大化を防止する効果を有する。しかし、多すぎると、炭化物がストリンガー状に析出しやすくなり、加工方向に対する直角方向の延性が低下し、更にTiと結合して炭化物を形成するため、本来Niと結び付いて析出強化相となるγ’を形成するTi量が確保できなくなり強度が低下するため、Cは0.2%以下に限定する。好ましくは、Cは0.005〜0.15%であり、更に好ましいCの範囲は0.005〜0.10%であり、より望ましくは0.005〜0.08%であり、更に好ましくは0.005〜0.05%がよい。
Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下
SiとMnは、合金溶製時に脱酸剤として用いられるが、過度に含有すると熱間加工性の低下や使用時の靭性を損なうため、それぞれSi:0.5%以下、Mn:0.5%以下に限定する。好ましくは、Si、Mnそれぞれ0.3%以下、より0.1%以下が好ましく、0.01%以下が最も好ましい。
Crは、マトリックスに固溶して、合金の耐酸化性を向上させる効果を有する。特に700℃を超える高温では、10%未満では上記効果が十分には得られず、また過度の添加は合金の塑性加工が困難となるため、Crは10〜24%に限定する。好ましいCrは15〜24%の範囲であり、好ましいCrの下限は18%以上であり、上限は22%以下である。より好ましい範囲は19〜21%である。
Mo+0.5W:5〜17%
Mo及びWは、合金の熱膨張係数を下げる効果がある重要な元素であり、1種または2種を必須添加する。Mo+W/2量で5%未満では上記効果が得られず、また17%を超えると、合金の塑性加工が困難となるため、MoとWの1種または2種を、式「Mo+0.5W」で規定される量=5〜17%に限定する。
MoとWの好ましい範囲はMo+0.5W=5〜15%であり、更に好ましくは5〜12%である。更には、Wの比率が高いとLAVES相が形成されやすく延性や熱間加工性が低下するため、Mo単独添加が好ましく、8〜12%がよい。より好ましくは9〜11%である。
Alは、時効処理によりγ’相と呼ばれる金属間化合物(Ni3Al)を形成し、合金の高温強度を高める効果を有する。本発明の場合、使用温度が700℃以上と高いため、使用中に時効処理と同様な効果が得られてγ’相の析出強化が起こる。
そこで本発明では、700℃以上の超々臨界圧ボイラの使用中での時効析出強化を狙ってAlを添加する。上記効果を得るため0.5%以上が必要であるが、2%を越えると熱間加工が困難となるのでAlは0.5〜2.0%に限定する。望ましいAlの範囲は0.5〜1.7%である。
Ti:1.0〜3.0%
Tiは、Alと共にγ’相(Ni3(Al,Ti))を形成する。Al単独のγ’相よりもAl,Tiからなるγ’の方が、更に高い高温強度が得られる。そのためTiは、1%以上が必要であるが、3%を越えるとγ’相が不安定になり、高温においてγ’相からη相への変態が起こり易くなって高温強度が低下するとともに、熱間加工性の面でも好ましくないので、1.0〜3.0%に限定する。望ましいTiの範囲は、1.2〜2.5%であり、更に望ましいTiの範囲は1.2〜1.8%である。
前述のように、本合金においてAlとTiのバランスは重要である。γ’相中のAlの割合が多くなるほど、延性は向上するが、逆に強度は低下する。本発明合金においては、十分な延性を確保することが重要であり、γ’相中のAlの割合を原子量の比として表わすため、Al/(Al+0.56Ti)なる数値を設定した。この値が0.45より低いと十分な延性が得られない。逆に0.7を越えると強度が不足する。望ましくは、0.45〜0.60である。
Fe:10%以下
Feは、必ずしも添加する必要はないが、合金の熱間加工性を改善する作用があるため、必要に応じて添加することができる。10%を越えると、合金の熱膨張係数が大きくなり、また耐酸化性が劣化するため、上限を10%に限定するのがよい。望ましくは5%以下がよく、更に望ましくは2%以下である。
B及びZrは、粒界を強化し、合金の高温における延性を高める効果があるため、1種または2種を添加する。しかし過度に添加すると、かえって熱間加工性を劣化させるため、Bは0.02%以下、Zrは0.2%以下に限定した。望ましいBの範囲は、0.002〜0.02%であり、望ましいZrの範囲は、0.01〜0.2%である。
残部Ni
残部はNi及び不可避的不純物である。残部から不可避的不純物を除いたNiについて、Ni量は48%未満では高温強度が不足するので、48%以上とするのが良い。また、78%を超えると延性が低下するので、78%以下とする。好ましいNiの下限は50%以上であり、54%以上が更に好ましい。また、好ましいNiの上限は75%以下であり、72%以下が更に好ましい。
P:0.05%以下、S:0.01%以下、Nb:0.8%以下、Co:5%以下、Cu:5%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下、O:0.02%以下、N:0.05%以下、REM:0.1%以下
上記の発明合金を超々臨界圧ボイラ用途に使用する場合、溶解、鋳造後、熱間加工を行うか、熱間加工後に冷間加工を行い、所定の形状に塑性加工する。所定の形状とは、ほとんどの場合が管形状である。溶解、鋳造、熱間加工、冷間加工の各工程の間には、必要に応じて溶体化処理や焼鈍等の熱処理工程が入る。
これらの製造工程は、ボイラ用途の部材、部品形状に加工するために必要な工程である。必要に応じ、更に機械加工により加工する場合もある。いずれにしても所定の形状に加工した後の熱処理状態は、最後の溶体化処理後の未時効状態である。
溶体化処理後の未時効状態とする理由は、ボイラを組み立てる場合に溶接施工を使う場合が多いため、溶接施工によって割れないように軟化状態にしておく必要があるためである。この時の硬さは、ビッカース硬さで240以下である。
また、700℃以上の超々臨界圧ボイラ用途に本発明合金を使用する場合には、使用中での微細なγ’相粒子の時効析出強化が期待できるため、溶体化処理のままで使用開始しても、時効処理した状態で使用する場合に近い高いクリープ破断強度が得られるので、時効処理は必要なく、溶体化処理のままで使用することが可能である。
しかし、溶体化処理温度が980℃より低いと析出に寄与する元素の十分な固溶ができないため、十分な高温強度が得られず、一方1100℃を超えて溶体化処理を行うと結晶粒の粗大化により強度、延性が低下するため、溶体化処理温度は980〜1100℃とした。
また、本発明で言う未時効状態とは650℃以上800℃未満の温度で1時間以上保持する時効処理を実施しない状態を言う。すなわち、金属組織としては、時効処理によって大きな強度上昇を伴う20nm以上の粗大なγ’相粒子が母相のオーステナイト相中に析出していない状態を指す。
20nm以上の粗大なγ’相粒子が母相のオーステナイト相中に析出すると、母相の硬さが高くなって溶接性を阻害するおそれがある。
なお、本発明の低熱膨張Ni基超耐熱合金を用いて、例えば、低熱膨張Ni基超耐熱合金を適当な大きさに調整し、溶接を行い管形状のボイラ部品とした場合でも、溶接部及び溶接熱影響部を除く基材(母相)において、20nm以上のγ’相が析出していない状態を維持している特徴が見て取れる。
(実施例1)
本発明合金No.1、No.3〜9、比較合金No.11〜12及び従来合金No.13を真空誘導炉にて溶製し、10kgのインゴットを作製した。
表1に、作製した本発明合金、及び比較合金、従来合金の組成を示す。
また、同じく表1に示す本発明合金No.2については、真空誘導炉にて溶解後、更に真空アーク再溶解を実施して約1トンのインゴットを作製した。続いて1140℃にて均質化焼鈍を行い、熱間加工により75mm×130mmの断面形状に仕上げ、1066℃で4時間加熱後空冷の溶体化処理を実施した。
また、比較として、本発明合金No.2について1066℃で4時間加熱後空冷の溶体化処理後、安定化処理として850℃で4時間加熱後空冷し、更に時効処理として、760℃で16時間加熱後、空冷の熱処理を実施した。これらの素材から試験片を切り出し、硬さの測定及び、以下の各種試験を行った。
まず、直径5mm、長さ19.5mmの円柱試験片について、示差熱膨張測定装置を用い、Arガス中で昇温速度10℃/minで加熱し、30〜750℃までの長さ方向の熱膨張係数を測定した。次に引張試験片、クリープ破断試験片を採取し、750℃で引張試験を、750℃、200MPaでクリープ破断試験を行った。溶体化処理状態でのこれらの特性評価結果を表2に、本発明合金No.2の時効処理まで実施した後のこれらの特性評価結果を表3に示す。
更に、本発明合金のビッカース硬さは、最大でも208Hvであり、溶接時の割れの発生を抑制することができる。
本発明合金のクリープ破断延性も比較合金No.11より大きいことから、本発明合金は、比較合金、従来合金にない良好なクリープ破断強度とクリープ破断延性を兼備していることが分る。
また、表2、表3より、本発明合金No.2は、時効処理後に比べて、溶体化処理状態で750℃の引張強度はやや低いものの、同等の熱膨張係数及び同等のクリープ破断強度、延性を有していることがわかる。したがって、熱膨張係数、クリープ破断強度、延性が重視されるボイラ用途に本発明合金を溶体化処理のままで使用すると、時効処理材と遜色ない良好な特性が得られ、また従来合金より優れた特性を示すことがわかる。
本発明合金No.2について、外径30mm、肉厚8mmの管形状に加工したものを準備し、1066℃で4時間加熱後空冷の溶体化処理を行った後、突合せ溶接試験を実施し、ボイラ部品とした。溶接熱影響部のビッカース硬さは239Hvであった。溶接材料には市販の高強度Ni基合金の溶接ワイヤを用い、自動TIG溶接によって溶接を行った。溶接材料の化学組成は表4に、実際の溶接条件は表5に示した。溶接後熱処理は行っていない。
さらに溶接部断面の組織観察も行ったが、微小欠陥や割れは観察されず、良好な溶接施工ができたことが確認された。また、溶接部及び溶接熱影響部を除く基材(母相)において、20nm以上のγ’相の析出を電子顕微鏡を用いて確認したが、20nm以上の粗大なγ’相は確認できなかった。
次に、溶接継手部分をはさんで引張試験片、クリープ破断試験片を採取し、引張試験、クリープ破断試験を実施した。試験温度は、主蒸気温度700℃級のボイラの過熱器を想定し、750℃で行った。
引張試験結果を表6に示す。溶接継手試験片の破断位置は溶接金属で、その破断強度は表2に示した母材強度よりやや低めとなったが、実用上問題のない強度であり、溶接に起因した溶融境界部や熱影響部での割れは生じていないことから、溶接性は問題のないことが示された。
引張試験の場合と同様、溶接継手試験片の破断位置は溶接金属のもの(試験温度750℃、応力200MPa)、母材で破断したもの(試験温度750℃、応力140MPa及び試験温度800℃、応力100MPa)となった。
その破断時間は溶体化処理のままの母材強度よりやや短めとなったが、クリープの特性上、母材とほぼ同等の強度とみなせるものである。また、破断位置が母材で破断した試験片もあることから、溶接部に機械的特性の劣化も見られず、健全な溶接が可能であることも分る。さらに、溶接に起因した溶融境界部や熱影響部での割れは生じておらず、クリープ強度の観点からも溶接性に問題のないことが示された。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.2%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:10〜24%、式「Mo+0.5W」で規定される量で、Mo、Wの1種または2種を5〜17%、Al:0.5〜2.0%、Ti:1.0〜3.0%、Fe:10%以下、及び、B:0.02%以下(0%は含まず)とZr:0.2%以下(0%は含まず)の1種または2種を含有し、残部はNi及び不可避的不純物でなり、ビッカース硬さが240以下である高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金。
- 請求項1に記載のボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金において、質量%で、C:0.005〜0.15%、Cr:15〜24%、Ti:1.2〜2.5%、Fe:5%以下、及びB:0.002〜0.02%、Zr:0.01〜0.2%の1種または2種を含有し、残部が48〜78%のNi及び不可避的不純物でなる高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金。
- 質量%で、Al:0.5〜1.7%、Ti:1.2〜1.8%、Fe:2%以下、Niが50〜75%を満たす請求項1または請求項2に記載の高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金。
- Al/(Al+0.56Ti)で表される値が0.45〜0.70である請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の高温強度に優れたボイラ用低熱膨張Ni基超耐熱合金。
- 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の高温強度に優れた低熱膨張Ni基超耐熱合金を用いたボイラ部品であって、溶接部及び溶接熱影響部を除く基材の金属組織に、20nm以上の析出γ’相が存在ないボイラ部品。
- 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の高温強度に優れた低熱膨張Ni基超耐熱合金を用いたボイラ部品の製造方法であって、
前記Ni基超耐熱合金を溶解し、これを鋳造して得たインゴットに、熱間加工と冷間加工のうち少なくとも一方の塑性加工を施した後、得られた加工品に温度980〜1100℃で溶体化処理を施し、最終製品であるボイラ部品が、未時効状態であって、ビッカース硬さ240以下を有するボイラ部品の製造方法。
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