JP5672734B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、半導体のヘテロ接合を利用した半導体装置の開発が進められている。このような半導体装置の1つとして、例えば、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)が知られている。また、このような半導体装置として、半導体の積層界面に沿った方向に電子を流す横型のものや、半導体の積層方向に電子を流す縦型のものが知られている。
特開2006−269825号公報 特開2003−051508号公報 特開2008−205146号公報
アプライド・フィジクス・エクスプレス(Applied Physics Express),2008年,Vol.1,No.1,011105 アプライド・フィジクス・エクスプレス(Applied Physics Express),2008年,Vol.1,No.2,021104
半導体の積層方向に電子を流す縦型の半導体装置は、横型のものに比べ、その平面サイズを小さく抑えることが可能であり、また、半導体の積層方向の厚みで耐圧を制御することも可能である。
しかし、このように半導体の積層方向に電子を流す縦型の半導体装置では、半導体の積層形態により、電流経路の抵抗が高くなったり、ヘテロ接合の特性を有効に利用した動作が行えなかったりする場合があった。
本発明の一観点によれば、基板と、前記基板の上方に形成されたn型の第1半導体層と、前記第1半導体層の上方に形成されたn型又はアンドープの第2半導体層と、前記第2半導体層内に形成されたゲート電極と、前記第2半導体層の上方に形成され、アンドープの第3半導体層と前記第3半導体層の上方n型又はアンドープの第4半導体層とを含み、前記第3半導体層内に2次元電子ガスが生成される積層半導体と、前記積層半導体に接続されたソース電極と、前記基板に接続されたドレイン電極と、を含み、前記第1半導体層及び前記第3半導体層は、それぞれ第1電子親和力及び第3電子親和力を有し、前記第2半導体層は、前記第1電子親和力及び前記第3電子親和力よりも小さい第2電子親和力を有し、前記第4半導体層は、前記第3電子親和力よりも小さい第4電子親和力を有し、前記ソース電極から前記第3半導体層内の2次元電子ガスに沿って前記ゲート電極近傍へ延び、更に前記ゲート電極近傍から前記第2半導体層を介して前記ドレイン電極へ延びる電流経路が形成される半導体装置が提供される。
開示の半導体装置によれば、用いる半導体の特性を有効に利用し、電流経路の低抵抗化を図ることが可能になる。
半導体装置の説明図である。 半導体装置の一例の要部断面模式図である。 半導体装置のレイアウト例を示す図である。 半導体装置のバンド図の一例(その1)である。 半導体装置のバンド図の一例(その2)である。 半導体装置の別例の要部断面模式図である。 半導体装置のソース電極近傍における抵抗の成分分離の説明図である。 シミュレーションに用いた半導体装置の構造を示す図である。 ゲート電圧を変化させた時のドレイン電圧とドレイン電流の関係を示す図である。
図1は半導体装置の説明図である。尚、図1には、半導体装置の一例の要部断面を模式的に図示している。
図1に示す半導体装置1は、基板2上に複数の半導体層が積層された構造を有している。ここでは、基板2上に、バッファ層3を介して、電子ドリフト層4、電子ブロック層5、電子走行層6、電子供給層7及び表面保護層8が、この順に積層された場合を例示している。
これらの層には、表面保護層8、電子供給層7、電子走行層6及び電子ブロック層5を貫通して電子ドリフト層4の内部に達する開口部9が形成されている。この開口部9には、絶縁膜10を介して、ゲート電極11が形成されている。絶縁膜10は、開口部9の内面から、表面保護層8の上面に延在されている。ゲート電極11及び絶縁膜10の上面は、絶縁膜12で覆われている。
半導体装置1は、ゲート電極11を挟むソース電極13を有している。尚、図1では、一対のソース電極13を例示している。ソース電極13は、絶縁膜10,12及び表面保護層8を貫通し、下端部が電子供給層7に達するように形成されている。各ソース電極13は、ソース配線14によって接続されている。また、半導体装置1は、基板2の裏面(ソース電極13等が配設されている側と反対側の面)に形成された、ドレイン電極15を有している。
このような半導体装置1において、電子走行層6と電子供給層7には、それらのヘテロ接合により、電子走行層6内の、電子供給層7との界面近傍に、その界面に沿って、2次元電子ガス(two-Dimensional Electron Gas:2DEG)16が生成される。
半導体装置1に含まれる各半導体層の材料選択にあたっては、例えば、電子走行層6と電子供給層7について、電子供給層7の方が電子走行層6よりも電子親和力が小さい材料を選択する。電子ブロック層5には、電子走行層6よりも電子親和力が小さい材料を選択する。電子ドリフト層4には、電子ブロック層5よりも電子親和力が大きい材料を選択する。
半導体装置1の動作時において、ソース電極13から電子供給層7に入った電子は、図1に太矢印で示したように、電子走行層6内の2DEG16にコンタクトし、更に横方向(電子走行層6と電子供給層7のヘテロ接合界面に沿った方向)に移動する。半導体装置1では、ゲート電極11の電位が0Vである時には、電子走行層6から電子ドリフト層4への電子の流れが、電子ブロック層5でブロックされるようになっている。
半導体装置1で、電子走行層6から電子ドリフト層4に電子を流し、ソース電極13とドレイン電極15の間に電流を流す場合には、ゲート電極11及びドレイン電極15にそれぞれ所定の正電圧が印加される。半導体装置1は、ゲート電極11に正電圧が印加されることで、絶縁膜10及び電子ブロック層5の電位が下げられ、電子パス(チャネル)が形成されて、図1に太矢印で示したように、電子走行層6から電子ドリフト層4に電子が流れるようになっている。電子ドリフト層4に流れた電子は、正電圧が印加されたドレイン電極15に引き抜かれる。
以下、上記のような半導体装置について、より具体的に説明する。
図2は半導体装置の一例の要部断面模式図である。
図2に示す半導体装置1aは、基板として、n型基板2aが用いられている。n型基板2aには、例えば、n型シリコン(Si)基板、n型シリコンカーバイド(SiC)基板、n型窒化ガリウム(GaN)基板を用いることができる。n型基板2aには、例えば、比較的高濃度のn型不純物がドーピングされる。
半導体装置1aでは、このようなn型基板2a上に、バッファ層であるn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層3a(n−AlGaN)が形成されている。このn型AlGaN層3a上に、電子ドリフト層となるn型GaN層4a(n−GaN)が形成され、このn型GaN層4a上に、電子ブロック層となるn型AlGaN層5a(n−AlGaN)が形成されている。そして、このn型AlGaN層5a上に、電子走行層となるアンドープGaN層6a(i−GaN)が形成され、このアンドープGaN層6a上に、電子供給層となるn型又はアンドープのAlGaN層7a(AlGaN)が形成されている。AlGaN層7a上には、表面保護層となるn型GaN層8a(n−GaN)が形成されている。このように半導体装置1aは、半導体層として、GaN及びAlGaNという、ウルツ鉱型結晶構造を採り得る窒化物半導体の層を用いて形成されている。
ここで、バッファ層となるn型AlGaN層3aには、例えば、n型不純物としてSiがドーピングされる。n型AlGaN層3aのSiのドーピング量は、例えば、1×1017/cm3〜1×1020/cm3程度とすることができる。n型AlGaN層3aの厚さは、例えば、0.1μm〜1μm程度とすることができる。n型AlGaN層3aのAl組成は、例えば、0.2(20%)とすることができる。また、n型AlGaN層3aのAl組成は、n型GaN層4a側に向かって低減するように傾斜させることもできる。例えば、n型AlGaN層3aのn型基板2aとの接合界面におけるAl組成を0.2とし、n型GaN層4a側に向かってAl組成を徐々に低下させ、n型GaN層4aとの接合界面でAl組成が0になるようにする。それにより、n型AlGaN層3aにバッファ層としての機能を持たせつつ、n型GaN層4aとの接合界面におけるエネルギーギャップを低減し、電子の蓄積を抑制することが可能になる。
電子ドリフト層となるn型GaN層4aには、例えば、n型不純物としてSiがドーピングされる。n型GaN層4aのSiのドーピング量は、例えば、1×1016/cm3〜1×1020/cm3程度とすることができる。n型GaN層4aの厚さは、例えば、1μm〜5μm程度とすることができる。尚、n型GaN層4aの厚さが1μmより薄いと、半導体装置1aを高耐圧が要求される電力デバイスに適用する場合等、半導体装置1aの動作条件によっては、十分な耐圧を確保できなくなる可能性がある。また、n型GaN層4aの厚さが5μmより厚いと、抵抗の増加により、動作時(オン時)の電流密度が低下する可能性がある。
電子ブロック層となるn型AlGaN層5aには、例えば、n型不純物としてSiがドーピングされる。n型AlGaN層5aのSiのドーピング量は、例えば、1×1017/cm3〜1×1020/cm3程度とすることができる。n型AlGaN層5aの厚さは、例えば、0.1μm〜1μm程度とすることができる。n型AlGaN層5aのAl組成は、例えば、0.3(30%)とすることができる。また、n型AlGaN層5aのAl組成は、アンドープGaN層6a側に向かって増加するように傾斜させることもできる。例えば、n型AlGaN層5aとn型GaN層4aとの接合界面でAl組成が0であり、アンドープGaN層6a側に向かってAl組成を徐々に増加させ、アンドープGaN層6aとの接合界面でAl組成が0.3になるようにする。それにより、n型AlGaN層5aに電子ブロック層としての機能を持たせつつ、n型GaN層4aとの接合界面におけるエネルギーギャップを低減し、電子の蓄積を抑制することが可能になる。
電子走行層となるアンドープGaN層6aの厚さは、例えば、0.1μm〜1μm程度とすることができる。
電子供給層となるAlGaN層7aの厚さは、例えば、30nmとすることができる。AlGaN層7aのAl組成は、例えば、0.2(20%)とすることができる。尚、AlGaN層7aをn型とする場合には、例えば、n型不純物であるSiを、1×1017/cm3〜1×1020/cm3程度ドーピングすればよい。
このアンドープGaN層6aとAlGaN層7aのようなAlGaN/GaNへテロ接合構造では、両層の結晶の非対称性より生じる自発分極電荷と、両層の界面に生じるピエゾ分極電荷に起因して、2DEG16aが生成される。2DEG16aは、アンドープGaN層6a内の、AlGaN層7aとの界面近傍に、その界面に沿って、Al組成に依存して高濃度に生成される。また、電子の存在する領域がアンドープGaN層6aとなるため、電子の散乱体が少なく、高い移動度を実現することができる。例えば、シート電子濃度2×1013/cm2、移動度1800cm2/V/sを容易に得ることができる。この時のシート抵抗は、AlGaN層7aの組成等を最適化することで、200Ω/□台まで低減することができる。また、AlGaN/GaNへテロ接合界面の近傍に2DEG16aが集中するため、体積密度では1×1020/cm3を超えるようなキャリア濃度を実現することができる。
表面保護層となるn型GaN層8aは、AlGaN層7aのAlの露出を防ぎ、半導体装置1aの信頼性向上に寄与する。n型GaN層8aは、半導体装置1aの動作時にそれ自体は空乏化して電流経路とならないように、膜厚及びドーピング濃度が設定される。n型GaN層8aには、例えば、n型不純物としてSiがドーピングされる。n型GaN層8aのSiのドーピング量は、例えば、1×1017/cm3〜1×1019/cm3程度とすることができる。n型GaN層8aの厚さは、例えば、6nm程度とすることができる。
尚、ここでは窒化物半導体としてGaN、AlGaNを用いた場合を例にしたが、インジウム(In)を含んだInGaN、InAlGaNも、同様に用いることが可能であり、同様の機能を得ることができる。
上記のような窒化物半導体層には、n型GaN層8a、AlGaN層7a、アンドープGaN層6a及びn型AlGaN層5aを貫通してn型GaN層4aの内部に達する開口部9aが形成されている。開口部9aの幅は、例えば、100nm〜100μm程度とすることができる。
開口部9aには、絶縁膜10aを介して、ニッケル(Ni)又はNiを主体とする材料、金(Au)又はAuを主体とする材料等で、ゲート電極11aが形成されている。絶縁膜10aには、窒化シリコン(SiN)膜、酸化シリコン(SiO2)膜、酸窒化シリコン膜(SiON)膜、酸化アルミニウム膜(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)膜等を用いることができる。絶縁膜10aは、開口部9aの内面から、n型GaN層8aの上面に延在されている。絶縁膜10aの厚さは、例えば、1nm〜1000nm程度とすることができる。ゲート電極11a及び絶縁膜10aの上面は、SiN膜等の絶縁膜12aで覆われている。
半導体装置1aは、ゲート電極11aを挟むソース電極13aを有している。尚、図2では、一対のソース電極13aを例示している。ソース電極13aは、絶縁膜10a,12a及びn型GaN層8aを貫通し、下端部がAlGaN層7aに達するように形成されている。ソース電極13aは、例えば、まずチタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造で形成され、その後の熱処理により合金化され、一部がAlGaN層7a内に拡散される。これにより、2DEG16aとオーミック接触するソース電極13aが形成される。
尚、ソース電極13aは、AlGaN層7aを貫通させないように形成することが好ましい。AlGaN層7aを貫通させてソース電極13aを形成すると、そのソース電極13aとアンドープGaN層6aとが接する部分には2DEG16aが生成されず、AlGaN層7aを貫通させなかった場合に比べ、キャリア濃度が低下してしまうためである。但し、たとえソース電極13aがAlGaN層7aを貫通してその下のアンドープGaN層6aに達していたとしても、2DEG16aの生成領域は減るものの、生成された2DEG16aとオーミック接触するソース電極13aを得ることは可能である。
ソース電極13aは、ゲート電極11aを挟んで複数形成され、各ソース電極13aは、ソース配線14aによって接続されている。
また、n型基板2aの裏面(ソース電極13a等が配設されている側と反対側の面)には、例えばGaN基板の場合、TiとAlの積層構造から形成されるドレイン電極15aが形成されている。ドレイン電極15aは面積が大きくとれるため、オーミック接触がとれる金属の制限は緩い。
この図2には、半導体装置1aとして、1個のGaN系縦型トランジスタを例示している。複数のGaN系縦型トランジスタを含む半導体装置1aの場合には、複数のGaN系縦型トランジスタは、1方向に配列するように、或いは互いに直交する2方向に配列するように、レイアウトされる。
図3は半導体装置のレイアウト例を示す図である。
図3(A),(B)には、半導体装置1aに含まれる複数のGaN系縦型トランジスタを、互いに直交する2方向に配列したレイアウトを例示している。尚、図3(A),(B)には、図2に示したようなソース配線14aを除いた、複数のGaN系縦型トランジスタを含む半導体装置1aを平面視で模式的に図示している。上記の図2は、図3(A),(B)のM−M線の位置に相当する断面を模式的に図示したものになる。ここでは、ソース電極13aとゲート電極11aの配置関係を中心に、半導体装置1aのレイアウトを説明する。
複数のGaN系縦型トランジスタを含む半導体装置1aでは、図3(A),(B)に示したように、複数のソース電極13aが、互いに直交する2方向S,Tに配列するように、レイアウトされる。これらのソース電極13aのうち、隣接する一対のソース電極13aが、1個のGaN系縦型トランジスタのソース電極13a(図2に示した一対のソース電極13a)となる。
ゲート電極11aは、隣接するソース電極13a間にレイアウトされる。ゲート電極11aは、例えば図3(A)に示したように、方向Sに直線的に延びる形状としたものを、方向Sに配列しているソース電極13a群同士の間を通るように、スリット状にレイアウトすることができる。また、ゲート電極11aは、例えば図3(B)に示したように、方向Sに配列しているソース電極13a群同士の間と、方向Tに配列しているソース電極13a群同士の間の、両方を通るように、格子状にレイアウトすることもできる。
続いて、上記のような構成を有する半導体装置1aの動作について説明する。
図4及び図5は半導体装置のバンド図の一例である。
尚、図4及び図5には、電子供給層としてn型のAlGaN層7aを用いた半導体装置1aのバンド図の一例を示している。また、図4及び図5に示す半導体装置1aのn型基板2aは、n型Si基板としている。n型基板2a、n型AlGaN層3a、n型GaN層4a及びn型AlGaN層5aのドーパント濃度は、n型基板2aで最も高く(n++)、次いでn型AlGaN層3aで高く(n+)、n型GaN層4a及びn型AlGaN層5aをより低く(n-)している。
図4(B),(C)には、このような構成とした場合の半導体装置1aにおける、比較的ゲート電極11aから離れた領域(ソース電極13aに近い領域)の、図4(A)に示す方向Y1のバンド図を示している。ここで、図4(B)は、ドレイン電極15に印加する電圧(ドレイン電圧Vd)を0V、ゲート電極11aに印加する電圧(ゲート電圧Vg)を0Vとした場合のバンド図である。図4(C)は、ドレイン電圧Vdを50V、ゲート電圧Vgを0Vとした場合のバンド図である。
更に、図4(D),(E)には、上記のような構成とした場合の半導体装置1aにおける、比較的ゲート電極11aに近い領域(ソース電極13aから離れた領域)の、図4(A)に示す方向Y2のバンド図を示している。ここで、図4(D)は、ドレイン電圧Vdを50V、ゲート電圧Vgを0Vとした場合のバンド図である。図4(E)は、ドレイン電圧Vdを50V、ゲート電圧Vgを4Vとした場合のバンド図である。
また、図5(B),(C)には、上記のような構成とした場合の半導体装置1aにおける、アンドープGaN層6a及びその付近(点線で囲った領域)の、図5(A)に示す方向Xのバンド図を示している。ここで、図5(B)は、ドレイン電圧Vdを50V、ゲート電圧Vgを0Vとした場合のバンド図である。図5(C)は、ドレイン電圧Vdを50V、ゲート電圧Vgを4Vとした場合のバンド図である。
このような図4及び図5を参照して半導体装置1aの動作を説明する。
まず、図4(B)に示した、ドレイン電圧Vd及びゲート電圧Vgがいずれも0Vである場合について述べる。この場合、アンドープGaN層6aには、AlGaN層7aとのヘテロ接合に起因して2DEG16aが生成されるものの、アンドープGaN層6aからn型GaN層4aへの電子移動がn型AlGaN層5aでブロックされる。そのため、ソース電極13aからドレイン電極15aへの電子の流れは抑えられる。
そして、ゲート電圧Vgは0Vで、ドレイン電圧Vdを50Vとした場合には、n型GaN層4a、n型AlGaN層3a、n型基板2aの伝導帯エネルギーEcは、図4(C),(D)に示したように、図4(B)に示した状態から大きく下がる。
この時、まず比較的ソース電極13aに近い領域では、図4(C)及び図5(B)に示したように、アンドープGaN層6aに2DEG16aが生成される。しかし、ソース電極13a、AlGaN層7aを経てアンドープGaN層6aに入った電子の、n型GaN層4aへの移動は、n型AlGaN層5aでブロックされる。そのため、ソース電極13aからドレイン電極15aへの電子の流れは抑えられる。一方、比較的ゲート電極11aに近い領域では、図4(D)及び図5(B)に示したように、絶縁膜10aの影響により、アンドープGaN層6aの伝導帯エネルギーEcがフェルミ準位Efより上に持ち上げられ、2DEG16aの生成が抑えられる。そのため、ソース電極13aからドレイン電極15aへの電子の流れが抑えられる。
このように、半導体装置1aは、ゲート電圧Vgが0Vの時には、ソース電極13aとドレイン電極15aの間の電流の流れが抑えられる。即ち、半導体装置1aは、ノーマリオフ型である。
一方、ドレイン電圧Vdを50Vとし、ゲート電圧Vgに4Vの電圧を印加した場合には、図5(C)に示したように、絶縁膜10aの伝導帯エネルギーEcが下がり、アンドープGaN層6a及びn型AlGaN層5aの伝導帯エネルギーEcが下がる。それにより、絶縁膜10a近傍のアンドープGaN層6aには、高濃度の2DEG16aが生成される。絶縁膜10a近傍のアンドープGaN層6aに高濃度の2DEG16aが生成されることで、アンドープGaN層6aの電子は、図4(E)に示したように、伝導帯エネルギーEcの下がったn型AlGaN層5aの障壁を乗り越え、n型GaN層4aへと流れる。即ち、ゲート電圧Vgを印加することで、絶縁膜10a近傍にチャネルが形成される。そして、n型GaN層4aに流れた電子は、ドレイン電圧Vdの印加によって伝導帯エネルギーEcが下がったn型AlGaN層3a及びn型基板2aを更に流れ、ドレイン電極15aに引き抜かれる。
このように、半導体装置1aは、ゲート電圧Vgを印加した時に、ソース電極13aとドレイン電極15aの間に電流が流れるようになっている。
尚、ここではGaN、AlGaNを用いた半導体装置1aを例にして動作を説明したが、InGaN、InAlGaNを用いた場合にも、その半導体装置は、ここで述べたのと同様の動作をさせることができる。
以上述べたように、半導体装置1aでは、縦方向の電流経路を形成する電子ドリフト層のn型GaN層4aの上方に、電子ブロック層のn型AlGaN層5aを介して、積層半導体層を形成する。積層半導体層として、電子走行層のアンドープGaN層6a上に電子供給層のAlGaN層7aを形成した、それらの界面近傍に2DEG16aを生成するものを用いる。これにより、半導体装置1aの動作時には、アンドープGaN層6aに高濃度の2DEG16aを発生させることができる。また、アンドープGaN層6a内には電子の散乱体が少ないため、高い移動度を得ることができる。その結果、半導体装置1aの動作時における電流経路の低抵抗化を図ることができる。また、半導体装置1aは、半導体層として、n型又はアンドープの、GaN又はAlGaNを用いて形成することができる。
ここで一例として、別形態の半導体装置について述べる。
図6は半導体装置の別例の要部断面模式図である。
図6に示す半導体装置100は、n型SiC基板等のn型基板101上に、窒化アルミニウム(AlN)層102を介して、n型GaN層103、p型GaN層104、n型GaN層105が形成された構造を有している。半導体装置100では、AlN層102がバッファ層として、n型GaN層103が電子ドリフト層として、p型GaN層104が電子ブロック層として、n型GaN層105が電子走行層として、それぞれ機能する。半導体装置100は更に、p型GaN層104を貫通するゲート電極106、n型GaN層105に接続されたソース電極107、及びn型基板101の裏面に形成されたドレイン電極108を有している。ゲート電極106の周囲は、絶縁膜109,110で覆われている。また、各ソース電極107は、ソース配線111により接続されている。
半導体装置100では、ソース電極107からn型GaN層105に入った電子の、n型GaN層103への移動を、ゲート電極106に電圧を印加して絶縁膜109近傍のp型GaN層104にチャネルを形成することにより行う。
このような縦型の半導体装置100は、内部にpn接合したGaN層、即ち、n型GaN層103とp型GaN層104、及びp型GaN層104とn型GaN層105を有している。そのため、p型GaN層104のp型ドーパントの拡散、特にn型GaN層105への上方拡散が起こることで、n型層の形成が設計通りに行えない場合がある。更に、電流経路の一部となるn型GaN層105は、ドーパントの存在により、半導体装置100内の電流経路の抵抗が大きくなる場合がある。また、半導体装置100では、GaNのようなウルツ鉱型結晶構造を採り得る窒化物半導体の特性の1つである分極電荷を有効に利用することができない。
これに対し、先に述べた半導体装置1aでは、電子ブロック層としてn型AlGaN層5aを用いるため、上記のようなp型ドーパントの拡散が起こることはない。また、半導体装置1aでは、2DEG16aを生成するAlGaN層7aとアンドープGaN層6aのへテロ接合を用いることで、低抵抗化を図ることができる。
ここで、図7は半導体装置のソース電極近傍における抵抗の成分分離の説明図である。図7(A)は、半導体装置100の場合、即ち、ソース電極107がn型GaN層105に接続されている場合の図である。図7(B)は、半導体装置1aの場合、即ち、ソース電極13aがAlGaN層7aとアンドープGaN層6aのへテロ接合におけるAlGaN層7aに接続されている場合の図である。
図7(A)における、ソース電極107のn型GaN層105内に進入している部分と絶縁膜109との距離L、図7(B)における、ソース電極13aのAlGaN層7a内に進入している部分と絶縁膜10aとの距離Lは、いずれも2μmとしている。また、R11は、図7(A)ではソース電極107とn型GaN層105との接続抵抗を示し、図7(B)ではソース電極13aとAlGaN層7a/アンドープGaN層6aヘテロ接合(2DEG16a)との接続抵抗を示している。R12は、図7(A)では電子がn型GaN層105内を横方向に移動する際の抵抗(横方向抵抗)を示し、図7(B)では電子がアンドープGaN層6a内を横方向に移動する際の抵抗(横方向抵抗)を示している。
半導体装置100,1aの接続抵抗R11及び横方向抵抗R12を表1に示す。
Figure 0005672734
まず、図7(A)の半導体装置100において、そのn型GaN層105のドナー濃度Ndを1×1018/cm3とした場合、ソース電極107とn型GaN層105との接続抵抗R11は、0.2Ωmm程度となる。この時、n型GaN層105の横方向抵抗R12は、移動度が350cm2/V/s程度であるため、3.5Ωmm程度になる。n型GaN層105のドナー濃度Ndを5×1018/cm3に上げた場合には、移動度が275cm2/V/s程度に低下するため、接続抵抗R11は0.15Ωmm程度、横方向抵抗R12は0.9Ωmm程度となる。
一方、図7(B)の半導体装置1aでは、ソース電極13aがAlGaN層7a直下の2DEG16aにコンタクトするため、接続抵抗R11は0.3Ωmm程度であり、横方向抵抗R12は0.5Ωmm程度となる。接続抵抗R11と横方向抵抗R12の合計抵抗では、図7(B)の半導体装置1aでは、図7(A)の半導体装置100に比べ、25%〜75%程度、抵抗を低減することができる。
半導体装置の分野では、しばしば、ソース電極とドレイン電極の間の、動作時の抵抗(オン抵抗)を小さく抑える試みがなされる。ここで、例えば電力デバイスのように、ドレイン電極に比較的大きな電圧が印加される半導体装置では、耐圧を確保するために、ソース電極とドレイン電極の間に一定距離を確保することがある。しかし、ソース電極とドレイン電極の間の距離が増加するのに伴い、オン抵抗は増加する。即ち、一定の耐圧を確保するために、オン抵抗を増加させてしまうことが起こり得る。一方、このような半導体装置においても、ソース電極とゲート電極の間にかかる電圧は比較的小さいため、耐圧を増加させるような工夫がなされることは少ない。しかし、このソース電極とゲート電極の間の抵抗も、半導体装置全体のオン抵抗の一部を占める。従って、ソース電極とゲート電極の間の抵抗低減は、半導体装置のオン抵抗低減に寄与する。
上記の図7及び表1の知見によれば、AlGaN層7aとアンドープGaN層6aのへテロ接合を利用した半導体装置1aでは、半導体装置100に比べ、オン抵抗の一部の抵抗(ソース電極13aとゲート電極11aの間の抵抗)を低く抑えることができる。従って、オン抵抗の低い半導体装置1aが実現可能になる。或いは、ソース電極13aとゲート電極11aの間の抵抗を低減できる分、ソース電極13aとドレイン電極15aの間の距離を増加させ、より高耐圧化した半導体装置1aが実現可能になる。
また、半導体装置1aでは、半導体装置100のようにp型GaN層104を電子ブロック層に用いず、n型AlGaN層5aを電子ブロック層に用いる。そのため、半導体装置1aでは、前述のように、p型ドーパントの拡散による不具合が生じることはない。尚、AlGaNを電子ブロック層に用いた場合のシミュレーション結果の一例を、次の図8及び図9に示す。
図8はシミュレーションに用いた半導体装置の構造を示す図である。図9はゲート電圧を変化させた時のドレイン電圧とドレイン電流の関係を示す図である。
図8に示すように、シミュレーションする半導体装置30としては、簡単のため、n型GaN層31(電子ドリフト層)上に、アンドープAlGaN層32(電子ブロック層)、及びn型GaN層33(電子走行層)を積層した構造のものを用いている。アンドープAlGaN層32のAl組成は、0.4(40%)としている。半導体装置30では、n型GaN層33及びアンドープAlGaN層32を貫通してn型GaN層31に達するように、絶縁膜34及びゲート電極35を配置し、また、n型GaN層33上にソース電極36、n型GaN層31下にドレイン電極37を配置している。尚、絶縁膜34は、ここでは、厚さ100nmのSiN膜としている。
このような半導体装置30を用いてシミュレーションを行った結果の一例を図9に示す。図9には、ゲート電圧Vgを0V〜5Vの範囲で変化させた時の、ドレイン電圧Vdとドレイン電流Idの関係を示している。
図9より、ゲート電圧Vgが0V,1V,2Vといった比較的低い値の時には、ドレイン電圧Vdが印加されている状態でも、全く或いは殆ど、ドレイン電流Idが流れない。即ち、このような条件では、ソース電極36からn型GaN層33に入った電子の、n型GaN層31への移動は、アンドープAlGaN層32によってブロックされる。
そして、ゲート電圧Vgを3V,4V,5Vといった比較的高い値とした時には、ドレイン電圧Vdが印加されている状態で、ドレイン電流Idが流れるようになる。即ち、このような条件では、ゲート電圧Vgにより、絶縁膜34の電位が下がり、接触するアンドープAlGaN層32の電位が下がって、絶縁膜34近傍のアンドープAlGaN層32にチャネルが形成される。それにより、ソース電極36からn型GaN層33に入った電子が、アンドープAlGaN層32を越えて、n型GaN層31へと移動する。
図9の結果より、図8に示したAlGaNを電子ブロック層に用いた半導体装置30であっても、ノーマリオフ動作が行えることがわかる。尚、絶縁膜34の種類や厚みを変えた場合にも、半導体装置30をオンするゲート電圧Vgの閾値は変化するものの、図9と同様の結果を得ることができる。電子ブロック層に、GaNではなく、AlGaNを用いても、ノーマリオフ動作をする半導体装置を形成することが可能である。
次に、上記のような半導体装置1aの製造方法の一例について説明する。
図2に示したような構成を有する半導体装置1aの形成では、まず、n型基板2a上に、n型AlGaN層3a、n型GaN層4a、n型AlGaN層5a、アンドープGaN層6a、AlGaN層7a及びn型GaN層8aを、順に形成する。
各層の形成は、有機金属化学気相堆積(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法を用いて行うことができる。MOCVD法において、N元素の原料ガスには、例えば、アンモニア(NH3)ガスを用いる。また、III族元素の原料ガスには、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)等の有機III族化合物原料を用いる。尚、InAlGaN層、InGaN層を形成する場合には、In元素の原料ガスに、例えば、トリメチルインジウム(TMI)を用いる。また、n型不純物をドーピングする場合には、例えば、シラン(SiH4)を用いる。
例えば、n型AlGaN層3aは、TMG流量1sccm〜50sccm、TMA流量1sccm〜50sccm、NH3流量20slm、圧力1000Torr、温度1100℃の条件で形成することができる。n型GaN層4a、n型AlGaN層5a、アンドープGaN層6a、AlGaN層7a及びn型GaN層8aについても、それぞれ所定の条件で、MOCVD法により形成することができる。
MOCVD法による各半導体層の形成後は、n型GaN層8a、AlGaN層7a、アンドープGaN層6a及びn型AlGaN層5aを貫通してn型GaN層4aに達する開口部9aを形成する。開口部9aは、まずn型GaN層8a上に、開口部9aを形成する予定の領域に開口を設けたレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクにしてエッチングを行うことで、形成することができる。開口部9aの形成後、レジストパターンは除去する。
次いで、絶縁膜10aを形成する。例えば、絶縁膜10aとしてSiN膜を形成する。SiN膜は、プラズマCVD法により形成することができる。尚、絶縁膜10aは、例えば、開口部9aを埋め、n型GaN層8a表面を覆うように、形成する。
そして、開口部9aに形成した絶縁膜10aに、開口部9a内面に絶縁膜10aを残して、ゲート電極11a用の開口部を形成する。開口部9a内面の絶縁膜10aが、ゲート絶縁膜として機能するようになる。また、ソース電極13aの形成予定領域には、絶縁膜10a及びn型GaN層8aを貫通してAlGaN層7aに達する、ソース電極13a用の開口部を形成する。
このソース電極13a用の開口部は、2DEG16生成領域の面積確保の観点では、AlGaN層7a下のアンドープGaN層6aに達しないように形成することが好ましい。また、ソース電極13a用の開口部は、その開口部底にAlGaN層7aが表出していれば、必ずしもAlGaN層7a内部にまで掘り込まれていなくても構わない。
これらゲート電極11a用及びソース電極13a用の開口部は、それぞれ所定の領域に開口を設けたレジストパターンをマスクにしてエッチングを行うことで、形成することができる。
尚、絶縁膜10aは、開口部9aの形成後、ゲート電極11a形成用の空間(上記のゲート電極11a用の開口部に相当)を残して、開口部9a内面及びn型GaN層8a表面に選択的に形成するようにしてもよい。その場合は、その後、n型GaN層8a表面の絶縁膜10a及びn型GaN層8aを貫通してAlGaN層7aに達するように、ソース電極13a用の開口部を形成すればよい。
ゲート電極11a用及びソース電極13a用の開口部を形成した後は、ゲート電極11a用の開口部にゲート電極11aを形成し、ソース電極13a用の開口部にソース電極13aを形成する。
ソース電極13aは、例えば、Ti及びAlを用いて形成することができる。その場合は、Ti膜の形成後、その上にAl膜を形成する。ソース電極13aは、例えば、フォトリソグラフィ技術と蒸着技術を用いた成膜と、その後のリフトオフにより、形成することができる。Ti膜とAl膜の形成後は、熱処理を行って合金化する。これにより、AlGaN層7aとアンドープGaN層6aのヘテロ接合により形成される2DEG16aにオーミック接触するソース電極13aを形成する。
また、ゲート電極11aは、例えば、Ni又はNiを主体とする材料を用いて形成することができる。ゲート電極11aは、例えば、フォトリソグラフィ技術と蒸着技術を用いた成膜と、その後のリフトオフにより、形成することができる。
ゲート電極11a及びソース電極13aの形成後は、ゲート電極11aの表面保護膜となる絶縁膜12aを、SiN膜等により形成する。
その後は、必要に応じてn型基板2aの裏面を研磨することにより、n型基板2aを所定の厚さにする。そして、n型基板2aの表面側に、ソース電極13aに接続されるソース配線14aを形成し、n型基板2aの裏面に、ドレイン電極15aを形成する。これにより、図2及び図3に例示したような構成を有する半導体装置1aを得ることができる。
以上、GaN系縦型トランジスタを含む半導体装置1aについて説明した。半導体装置1aは、バンドギャップの大きいGaN及びAlGaNを用いることで、例えば、電力デバイス等の、比較的高耐圧が要求されるデバイスに適用することが可能である。
高耐圧が要求される電力デバイスでは、縦型と横型のいずれの場合も、その耐圧を、ソース電極13aとドレイン電極15aの間の距離で調整することができる。縦型の半導体装置1aでは、表面側のソース電極13aと裏面側のドレイン電極15aの間に設ける電子ドリフト層等の半導体層の厚み、即ち縦方向のサイズで、耐圧を調整することができる。
一方、表面側にソース電極及びドレイン電極を設けるような横型の半導体装置では、それらの電極間距離を耐圧に基づいて確保しようとすると、横方向のサイズ(半導体装置(チップ)の平面サイズ)が大きくなってしまう場合がある。その結果、1枚のウェハから取得されるチップ数が減少し、1チップにかかる製造コストが増加する場合がある。
上記の半導体装置1aによれば、縦方向のサイズで耐圧を調整することが可能であるため、横方向のサイズの増加を抑えて、所定の耐圧を確保することができる。
また、上記の半導体装置1aでは、縦型構造を採用し、耐圧確保のためにソース電極13aとドレイン電極15aの間の距離が大きくなることによって増加し得るオン抵抗を、AlGaN/GaNへテロ接合構造を採用することで低く抑えることが可能になっている。即ち、AlGaN/GaNへテロ接合構造によって発生する高濃度のキャリアを利用し、半導体装置1aのオン抵抗低減を図っている。これにより、高耐圧、低損失、低オン抵抗の半導体装置1aが実現可能となる。
更に、半導体装置1aでは、n型又はアンドープの、GaN又はAlGaNを用いて形成するため、p型のドーパントを意図的に導入したときのような不純物拡散の不具合を抑え、高性能、高品質の半導体装置1aが実現可能となる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 基板と、
前記基板の上方に形成された第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成された第2半導体層と、
前記第2半導体層内に形成された第1電極と、
前記第2半導体層上に形成され、第3半導体層と前記第3半導体層上の第4半導体層とを含み、前記第3半導体層内に2次元電子ガスが生成される積層半導体と、
前記積層半導体に接続された第2電極と、
前記基板に接続された第3電極と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
(付記2) 前記第1半導体層及び前記第3半導体層は、それぞれ第1電子親和力及び第3電子親和力を有し、前記第2半導体層は、前記第1電子親和力及び前記第3電子親和力よりも小さい第2電子親和力を有し、前記第4半導体層は、前記第3電子親和力よりも小さい第4電子親和力を有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記第1半導体層はn型、前記第2半導体層はn型又はアンドープ、前記第3半導体層はアンドープ、前記第4半導体層はn型又はアンドープであることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記4) 前記第1半導体層及び前記第3半導体層は、構成元素として窒素及びガリウムを含み、前記第2半導体層及び前記第4半導体層は、構成元素として窒素、アルミニウム及びガリウムを含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5) 前記第2半導体層のアルミニウム組成が、前記第3半導体層に向かって高くなっていることを特徴とする付記4に記載の半導体装置。
(付記6) 前記第2半導体層は、第1開口部を有し、前記第1開口部に、絶縁膜を介して、前記第1電極が形成されることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7) 前記第1半導体層及び前記第3半導体層はそれぞれ、前記第1開口部に連なる第2開口部及び第3開口部を有し、
前記絶縁膜及び前記第1電極は、前記第1開口部、前記第2開口部及び前記第3開口部に跨って形成されることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記8) 基板の上方に第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層上に第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層上に、第3半導体層と前記第3半導体層上の第4半導体層とを含み、前記第3半導体層内に2次元電子ガスが生成される積層半導体を形成する工程と、
前記第2半導体層内に第1電極を形成する工程と、
前記積層半導体に接続された第2電極を形成する工程と、
前記基板に接続された第3電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記第2半導体層に第1開口部を形成する工程を更に含み、
形成された前記第1開口部に、絶縁膜を介して、前記第1電極を形成することを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記第1半導体層及び前記第3半導体層にそれぞれ、前記第1開口部に連なる第2開口部及び第3開口部を形成する工程を更に含み、
前記第1開口部、前記第2開口部及び前記第3開口部に跨って、前記絶縁膜及び前記第1電極を形成することを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
1,1a,30,100 半導体装置
2 基板
2a,101 n型基板
3 バッファ層
3a,5a n型AlGaN層
4 電子ドリフト層
4a,8a,31,33,103,105 n型GaN層
5 電子ブロック層
6 電子走行層
6a アンドープGaN層
7 電子供給層
7a AlGaN層
8 表面保護層
9,9a 開口部
10,10a,12,12a,34,109,110 絶縁膜
11,11a,35,106 ゲート電極
13,13a,36,107 ソース電極
14,14a,111 ソース配線
15,15a,37,108 ドレイン電極
16,16a 2DEG
32 アンドープAlGaN層
102 AlN層
104 p型GaN層

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板の上方に形成されたn型の第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上方に形成されたn型又はアンドープの第2半導体層と、
    前記第2半導体層内に形成されたゲート電極と、
    前記第2半導体層の上方に形成され、アンドープの第3半導体層と前記第3半導体層の上方n型又はアンドープの第4半導体層とを含み、前記第3半導体層内に2次元電子ガスが生成される積層半導体と、
    前記積層半導体に接続されたソース電極と、
    前記基板に接続されたドレイン電極と、
    を含み、
    前記第1半導体層及び前記第3半導体層は、それぞれ第1電子親和力及び第3電子親和力を有し、前記第2半導体層は、前記第1電子親和力及び前記第3電子親和力よりも小さい第2電子親和力を有し、前記第4半導体層は、前記第3電子親和力よりも小さい第4電子親和力を有し、
    前記ソース電極から前記第3半導体層内の2次元電子ガスに沿って前記ゲート電極近傍へ延び、更に前記ゲート電極近傍から前記第2半導体層を介して前記ドレイン電極へ延びる電流経路が形成されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1半導体層及び前記第3半導体層は、構成元素として窒素及びガリウムを含み、前記第2半導体層及び前記第4半導体層は、構成元素として窒素、アルミニウム及びガリウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第3半導体層、前記第4半導体層のうちの少なくとも1層は、インジウムを含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2半導体層は、第1開口部を有し、前記第1開口部に、絶縁膜を介して、前記ゲート電極が形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 基板の上方にn型の第1半導体層を形成する工程と、
    前記第1半導体層の上方n型又はアンドープの第2半導体層を形成する工程と、
    前記第2半導体層の上方に、アンドープの第3半導体層と前記第3半導体層の上方n型又はアンドープの第4半導体層とを含み、前記第3半導体層内に2次元電子ガスが生成される積層半導体を形成する工程と、
    前記第2半導体層内にゲート電極を形成する工程と、
    前記積層半導体に接続されたソース電極を形成する工程と、
    前記基板に接続されたドレイン電極を形成する工程と、
    を含み、
    前記第1半導体層及び前記第3半導体層は、それぞれ第1電子親和力及び第3電子親和力を有し、前記第2半導体層は、前記第1電子親和力及び前記第3電子親和力よりも小さい第2電子親和力を有し、前記第4半導体層は、前記第3電子親和力よりも小さい第4電子親和力を有し、
    前記ソース電極から前記第3半導体層内の2次元電子ガスに沿って前記ゲート電極近傍へ延び、更に前記ゲート電極近傍から前記第2半導体層を介して前記ドレイン電極へ延びる電流経路が形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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