JP5663855B2 - 導電性複合体およびリチウムイオン電池用負極。 - Google Patents

導電性複合体およびリチウムイオン電池用負極。 Download PDF

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Description

本発明は、微粒子、導電性付与剤、分散剤を含む導電性複合体に関する。さらに詳しくは、微粒子、導電性付与剤、分散剤を含む導電性複合体およびそれを含有するリチウムイオン電池用負極に関する。
通信システムの発展に伴ってノート型パソコンや携帯電話などの電子機器のポータブル化、コードレス化が進み、またその性能も年々向上している。このようなモバイル電子機器の性能向上に伴い、それらの電子機器の高消費電力を満たす電力源の供給、電子情報材料の実装においては高集積化などが求められている。
電子機器の電力源としては、高エネルギー密度、高出力などの向上が強く望まれており、これらの要求を満たす電池としてリチウムイオン電池が開発され、1990年代以降から広く用いられるようになった。しかしながら、近年のモバイル電子機器のさらなる高性能化に伴い、リチウムイオン電池の充放電容量や充放電サイクル特性に対する要求はさらに強いものとなっている。
これらの特性を向上させるために電極活物質・電解液などの電池構成材料や電池構造設計など様々な面から検討されており、それらの代表的なものとして電極材料である導電性付与剤がある。
リチウムイオン電池の高容量化には大量の電流を充放電する必要があるため、電極の電気抵抗の低い、つまり導電性の高い負極材料が要求されている。
特許文献1には、二層カーボンナノチューブ分散液と導電性材料を含む粒子の導電性複合体が開示されている。しかしながら、単にカーボンナノチューブ分散液中に粒子単体を添加した場合、粒子の凝集体にカーボンナノチューブが付着した構造を有する不均一な導電性複合体が得られることもある。また、カーボンナノチューブを分散させている分散剤が粒子表面上に再分配され、カーボンナノチューブの凝集を引き起こす場合もある。それゆえ二層カーボンナノチューブ分散液を用いた場合でも二層カーボンナノチューブが粒子表面を被覆せずに凝集し、局在化する場合もあり、複合体中で二層カーボンナノチューブが本来有する導電性を発現できないこともある。また、導電性付与剤であるカーボンナノチューブの含有量が多すぎると粒子が有する各種特性を損なうため、複合材料としての特性を効果的に引き出す為には、粒子とカーボンナノチューブの組成比も重要である。
また、高集積化においては電極間に導電性粒子を介在させて接続を行なう異方性導電材料によって細かいピッチの接続端子の接続を可能となっている。これまでこのような導電性粒子には、金、銀などの金属微粒子が使用されてきたが、これらはバインダー樹脂に比べて比重が大きく、導電性ペースト中で沈降したり、均一に分散させることが困難であるため接続の信頼性に欠けるという欠点があった。上記のような欠点を解消するために金属微粒子よりも比重が小さく、導電性の高い導電性粒子を有する導電性材料が強く求められている。
このような要求に応えるために有機高分子などの絶縁性粒子と導電性付与剤との導電性複合体の開発が行なわれており、特許文献2では有機ポリマー粒子表面に単層カーボンナノチューブや二層カーボンナノチューブなどの導電性繊維層を有する導電性粒子が開示されている。通常マイクロオーダー、ナノオーダーの物質は凝集する性質を有するが、これらの粒子表面の導電性繊維層の分散性については特に触れられておらず、導電性粒子調製時に導電性繊維を分散する工程も存在しないため、導電性繊維は絡み合って凝集した状態で粒子表面に存在していると考えられ、この様な状態では導電性繊維が有する導電性を十分発揮できない。
特開2009−149516号公報 特開2006−54066号公報
本発明は、上記のような事情を鑑みてなされたものであり、分散剤によって分散した導電性付与剤が微粒子の表面を被覆している導電性複合体を提供することを目的とする。 また、本発明は当該導電性複合体を用いたリチウムイオン電池用負極を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
[1]平均粒子径が1000μm以下の炭素、ケイ素およびスズから選ばれる少なくとも1種以上を含む微粒子と導電性付与剤と分散剤を含み、以下の条件を満たす導電性複合体:
(1)導電性付与剤がカーボンナノチューブを含んで成るカーボンナノチューブ集合体である。
(2)上記カーボンナノチューブ集合体において透過型電子顕微鏡で観察したときに100本中50本以上の外径が1から6nmである。
(3)分散剤によって分散した導電性付与剤が微粒子の表面を被覆している。
(4)導電性複合体中の導電性付与剤が0.1から20重量%である。
[2]カーボンナノチューブ集合体に含まれる二層カーボンナノチューブの割合が50%以上であることを特徴とする[1]に記載の導電性複合体。
[3]カーボンナノチューブ集合体の体積抵抗率が1×10−5Ω・cmから1×10−2Ω・cmであることを特徴とする[1]または[2]のいずれか一項に記載の導電性複合体。
[4]カーボンナノチューブ集合体の波長532nmのラマン分光分析によるGバンドとDバンドの高さ比(G/D比)が30以上であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の導電性複合体。
[5]カーボンナノチューブ集合体は予め酸化処理が施されていることを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の導電性複合体。
[6]酸化処理がカーボンナノチューブ集合体の燃焼温度ピーク±50℃の範囲で焼成処理することを特徴とする[5]に記載の導電性複合体。
[7][1]から[6]のいずれかに記載の導電性複合体を含有するリチウムイオン電池用負極。
本発明によれば、分散剤によって分散した導電性付与剤を粒子の表面に被覆することにより導電性の高い導電性複合体を提供することができる。また、導電性複合体中で導電性付与剤を分散させることにより、導電性付与剤の添加量を少量に抑えることができ、微粒子の各種特性を損なわずに十分な導電性を付与した導電性複合体を提供することができる。さらに、本発明の導電性複合体を用いることで導電性の高いリチウムイオン電池用負極を提供することができる。
図1は反応管断面に均一に触媒が存在している状態を示す。 図2は製造例1で使用した流動床装置の概略図である。 図3は製造例1で得られたカーボンナノチューブの高分解能透過型電子顕微鏡写真である。 図4は製造例1で得られたカーボンナノチューブのラマン分光分析チャートである。 図5は実施例1で得られた導電性複合体の走査型顕微鏡写真。 図6は実施例2で得られた導電性複合体の走査型顕微鏡写真。 図7は比較例1で得られた導電性複合体の走査型顕微鏡写真。
本発明の導電性複合体は、1000μm以下の微粒子と導電性付与剤と分散剤を含み、以下の条件を満たす導電性複合体:
(1)導電性付与剤がカーボンナノチューブを含んで成るカーボンナノチューブ集合体である。
(2)上記カーボンナノチューブ集合体において透過型電子顕微鏡で観察したときに100本中50本以上の外径が1から6nmである。
(3)分散剤によって分散した導電性付与剤が微粒子の表面を被覆している。
(4)導電性複合体中の導電性付与剤が0.1から20重量%である。
[導電性付与剤]
導電性付与剤としては透過型電子顕微鏡で観察したときに100本中50本以上の外径が1から6nmである細いカーボンナノチューブを含んでなるカーボンナノチューブ集合体を用いることができる。前記カーボンナノチューブ集合体は直径が細いため直線性が良く、カーボンナノチューブ同士が絡まりにくい。直径の太いカーボンナノチューブは筒が潰れて折れ曲がった構造をとり、複雑に絡まり合った構造をとりやすいため分散しにくい。通常カーボンナノチューブは、直径の太いものほど屈曲部分やグラファイト層に欠損の多いカーボンナノチューブができやすく、その様なカーボンナノチューブは分散剤と相互作用しにくいため分散性や分散安定性が低下する傾向がある。したがって細いカーボンナノチューブは多層カーボンナノチューブや気相法炭素繊維よりも分散性および導電性に優れている。特に直径の細い二層カーボンナノチューブは単層に比べ剛性に優れているため好ましい。さらに二層カーボンナノチューブを含んで成るカーボンナノチューブ集合体は同程度の導電性を有する単層カーボンナノチューブよりも耐久性に優れており、超音波などの外力を加えて分散を行なってもグラファイト構造の欠陥が比較的少ないことから、導電性付与剤として好ましい。また、導電性付与剤には二層カーボンナノチューブ以外に単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、グラファイト、カーボンブラックなどの炭素系材料を含んでいてもよい。
カーボンナノチューブ集合体の外径は1から6nmであることが好ましい。本発明においては、上記方法で測定したカーボンナノチューブ集合体において透過型電子顕微鏡で観察したときに100本中50本以上の外径が1から6nmである。カーボンナノチューブは直径が細いほど、直線性が増し、カーボンナノチューブ同士が絡まって生じる接点抵抗を抑制することができ、導電性がより高くなる傾向がある。さらに好ましくは1から5nmであるものが50本以上である。特に好ましくは1から3nmであるものが50本以上である。上記カーボンナノチューブの外径の測定は、次のようにして行う。カーボンナノチューブ集合体を透過型電子顕微鏡を用いて層数が見える倍率で観測し、10nmの縮尺が3cm以上となるようにA4サイズ用紙にプリントアウトし、75nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブ集合体である視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブについて外径を測定し、評価する。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。このとき、カーボンナノチューブ1本とは視野中で一部カーボンナノチューブが見えていれば1本と計上し、必ずしも両端が見えている必要はない。また視野中で2本と認識されても視野外でつながって1本となっていることもあり得るが、その場合は2本と計上する。
本発明の導電性複合体中の微粒子表面は分散剤によって分散した導電性付与剤で被覆されている。導電性付与剤が凝集した状態で存在していると複合体中で電気抵抗の偏りが生じ、場合によっては複合体全体として導電性の低下を引き起こす。一方、導電性付与剤が複合体中で分散した状態で存在し、微粒子の表面を被覆していれば、複合体中で電気抵抗の偏りは生じず、導電性を低下するような悪影響はない。ここでいう分散とは、カーボンナノチューブ集合体中のカーボンナノチューブが一本ずつほぐれている状態でも、何本かが集まってバンドルを組んだ状態でも、一本から様々な太さのバンドルが混ざっている状態でも、複合体中に均一に散らばっていれば、分散していると表現する。また、粒子表面が完全に被覆されている必要はなく、粒子間で導電パスを形成できる程度に被覆されていてればよい。たとえば、網目状に導電性付与剤で被覆されている程度でもよい。
微粒子表面への導電性付与剤の被覆方法は以下のようにして行なわれる。微粒子を分散剤および分散媒に分散させた分散液と導電性付与剤を分散剤および分散媒に分散させた分散液をそれぞれ調製し、各分散液を混合することで、分散した導電性付与剤が粒子表面を均一に被覆した導電性複合体が得られる。このとき、微粒子または導電性付与剤のどちらか一方を分散液としてではなく粉末状で混合する場合や、微粒子と導電性付与剤を乾式混合する場合、この乾式混合物を分散剤および分散媒を後から添加して分散液を調製する場合などでは微粒子または導電性付与剤が分散せずに、微粒子凝集体に導電性付与剤が付着した構造を有する不均一な導電性複合体が得られたり、導電性付与剤凝集体と微粒子凝集体がそれぞれ局在化した構造を有する導電性複合体が得られることが考えられる。ゆえに本発明の導電性複合体を得るためには、微粒子または導電性複合体の分散液をそれぞれ調製し、その分散液を混合することが好ましい。
導電性付与剤が被覆した粒子の表面状態は走査型顕微鏡(SEM)を用いて観察することができる。導電性付与剤による粒子の被覆については、SEM画像から観察可能である任意に選択した粒子50個の中に、粒子1個の画像に写っている部分の表面積の20%以上が導電性付与剤によって不可視となっている粒子が30個以上であることが好ましく、40個以上であることがより好ましい。さらに好ましくは、粒子1個の画像に写っている部分の表面積の25%以上が導電性付与剤によって不可視となっている粒子が40個以上の導電性複合体である。導電性付与剤によって粒子が被覆されている表面積の算出方法については例えばSEM画像を画像処理ソフトを用いて定量的に算出する方法がある。なお、画像処理ソフトによるSEM画像の解析が困難である場合はSEM画像の粒子表面上の導電性付与剤の被覆状態によっても好ましい被覆の形態を評価することができる。SEMで粒子表面の導電性付与剤が見える倍率で観測し、1μmの縮尺が4.5cm以上となるようにA4サイズ用紙にプリントアウトし、粒子表面上の導電性付与剤が均一に粒子表面を被覆しており、電流が流れるように導電性付与剤が配置されている状態が好ましい。上記の均一に粒子表面を被覆している状態とは、粒子表面全てを導電性付与剤が覆っている必要はなく、粒子表面のいずれの箇所でも同程度の確率で導電性付与剤が観察される状態でも良く、例えば、粒子表面上を網目状に導電性付与剤が配置していても良い。さらに好ましくは、カーボンナノチューブが単独では存在せずに、他のカーボンナノチューブと接している状態で粒子表面を被覆している形態であり、このような粒子が50個中30個以上あることが好ましく、より好ましくは40個以上であることが好適である。
本発明の導電性複合体における導電性付与剤の添加量は0.1から20重量%である。添加量が0.1重量%未満では、導電性付与剤による複合体への導電性付与効果が不十分であり、添加量が20重量%を超えると、導電性付与効果は十分であるが、微粒子が有する各種特性を損なってしまう。よって導電性付与剤の添加量は0.1から20重量%であることが好ましく、0.1から10重量%であることがより好ましい。
カーボンナノチューブ集合体は、透過型電子顕微鏡で観察したときに100本中50本以上のカーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブあることが好ましい。100本中60本以上のカーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブであることがより好ましい。上記カーボンナノチューブの観察は、次のようにして行う。カーボンナノチューブ集合体を透過型電子顕微鏡を用いて層数が見える倍率で観測し、10nmの縮尺が3cm以上となるようにA4サイズ用紙にプリントアウトし、75nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブ集合体である視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブについて評価する。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。このとき、カーボンナノチューブ1本とは視野中で一部カーボンナノチューブが見えていれば1本と計上し、必ずしも両端が見えている必要はない。また視野中で2本と認識されても視野外でつながって1本となっていることもあり得るが、その場合は2本と計上する。
カーボンナノチューブ集合体の体積抵抗率は1×10−5Ω・cmから1×10−2Ω・cmであることが好ましく、カーボンナノチューブ集合体の体積抵抗率が低いほど、複合体への導電性付与効果が高いことから、さらに好ましくは1×10−4Ω・cmから1×10−2Ω・cmである。
この体積抵抗率は以下のようにカーボンナノチューブ膜を作製し、その膜の表面抵抗値を4端子法によって測定後、表面抵抗値とカーボンナノチューブ膜の膜厚を掛けることによって算出することができる。表面抵抗値はJISK7149準処の4端子4探針法を用い、例えばロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)にて測定することが可能である。高抵抗測定の際は、ハイレスターUP MCP−HT450(ダイアインスツルメンツ製、10V、10秒)を用いて測定することが可能である。
カーボンナノチューブ20mgをN-メチルピロリドン16mLと混合し、超音波ホモジナイザー、出力20Wで超音波を20分照射した後、エタノール10mLと混合し、内径35mmφのろ過器を使用することによってろ取物を得るが、この時点でろ取物を採取するのではなく、このろ取物をろ過器とろ取に用いたフィルターごと60℃で2時間乾燥することによって作製することが出来る。作製したカーボンナノチューブ膜はピンセットなどでろ紙から剥離して測ることもできるし、剥離出来ないときはフィルターとカーボンナノチューブ膜を併せた全体の厚みを測定後、フィルターのみの厚みを全体から差し引いて算出しても良い。ろ過に使用するろ過用のフィルターはメンブレンフィルター(OMINIPOREMEMBRANE FILTERS、FILTER TYPE: 1.0μm JA、47mmφ)を使用することができる。また、フィルターの口径はろ液が通過するのであれば1.0μm以下であっても構わないが、NMPおよびエタノールに溶解しない材質である必要があり、好ましくはフッ素樹脂(PTFE)製のフィルターを使用するのが好ましい。
カーボンナノチューブ集合体の品質は、カーボンナノチューブ集合体の品質は、ラマン分光分析法により評価が可能である。ラマン分光分析法で使用するレーザー波長は種々あるが、ここでは532nmを利用する。ラマンスペクトルにおいて1590cm−1付近に見られるラマンシフトは、グラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm−1 付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。GバンドとDバンドの高さ比をG/D比として表す。このG/D比が高いカーボンナノチューブ集合体ほど、グラファイト化度が高く、高品質である。ラマンG/D比は高いほど良いが、30以上であれば高品質カーボンナノチューブ集合体と言うことができる。ラマンG/D比は高いほど好ましいが、G/D比の上限は、実質せいぜい200程度である。G/D比は、好ましくは40以上、200以下であり、さらに好ましくは50以上、150以下である。またカーボンナノチューブのような固体のラマン分光分析法はサンプリングによってばらつくことがある。そこで3カ所、別の場所をラマン分光分析することが好ましい。ラマンG/D比はその相加平均をとることで表すことが好ましい。
カーボンナノチューブ集合体は導電性付与剤として使用する前に酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理としては、気相中での焼成処理が挙げられ、気相での酸化処理の温度は300〜1000℃が好ましく、さらに好ましくは400〜900℃である。カーボンナノチューブ集合体の気相での酸化温度は雰囲気ガスに影響されるため、特に好ましい温度は雰囲気により異なる。また、主として含まれるカーボンナノチューブが単層か、多層かによっても異なる。具体的には、例えば酸素と接触させる場合には400〜900℃で行うのが好ましい。特に2層以上の多層カーボンナノチューブを主体とするカーボンナノチューブ集合体の場合には大気下、カーボンナノチューブ集合体の燃焼ピーク温度±50℃の範囲内で焼成処理をすることが好ましい。燃焼ピーク温度±50℃の範囲で焼成処理することにより、製造したカーボンナノチューブ集合体中の不純物を除去することが可能である。これにより2層等の多層カーボンナノチューブの純度を向上させることが可能である。このとき燃焼ピーク温度−50℃未満で焼成処理を行っても、不純物や耐熱性の低い単層カーボンナノチューブは焼成されにくいために、除去されず耐熱性の高い2層等多層カーボンナノチューブの純度は向上しにくい。また燃焼ピーク温度+50℃超で焼成処理を行っても、今度は生成カーボンナノチューブ集合体全てが焼成されて消失してしまう。よってカーボンナノチューブ集合体の燃焼ピーク温度付近で焼成するのが好ましい。さらに好ましくは燃焼ピーク温度±30℃の範囲である。また気相として酸素と不活性ガスなどの混合気体を用いる場合、酸素濃度が高い場合には比較的低温で、酸素濃度が低い場合には比較的高温で酸化処理することが好ましい。
前記カーボンナノチューブ集合体の燃焼ピーク温度は、カーボンナノチューブ集合体を、大気下で熱分析することで測定が可能である。約10mgの試料を示差熱分析装置(例えば島津製作所製 DTG−60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から900℃まで昇温することにより、試料の燃焼時の発熱ピーク温度を求めることが可能である。
単層カーボンナノチューブを主体とする場合も上記に準ずるが、目的とする単層カーボンナノチューブが消失しない程度、且つ不純物を除去できる条件を選択する。
焼成温度が低いときは焼成処理時間を長く、焼成温度が高いときは焼成時間を短くするなどして、反応条件を調整することができるが、いずれにしても十分に不純物を除去することが本発明の効果をより顕著に発揮させる点で好ましい。よって焼成処理時間は本発明のカーボンナノチューブが得られる限り特に限定されない。焼成処理時間は、5分から24時間が好ましく、より好ましくは10分から12時間、さらに好ましくは30分から5時間である。焼成は大気下で行うことが好ましいが、酸素濃度を調節した酸素/不活性ガス下で行っても良い。このときの酸素濃度は特に限定されない。酸素0.1%〜100%の範囲で適宜設定して良い。また不活性ガスはヘリウム、窒素、アルゴン等が用いられる。
また、酸化処理は、酸素または酸素を含む混合気体を間欠的にカーボンナノチューブに接触させて焼成処理を行なう方法によっても行なうことができる。酸素または酸素を含む混合気体を間欠的に接触させて焼成処理する場合は、比較的高温で処理が可能である。これは間欠的に酸素または酸素を含む混合気体を流すために、酸化が起きても、酸素を消費した時点ですぐに反応が停止するからである。大気下で焼成処理を行う場合は、温度範囲は、500〜1200℃程度が好ましく、600〜950℃程度がより好ましい。前述のようにカーボンナノチューブの製造時には、温度が500〜1200℃程度になる。したがって、カーボンナノチューブの製造後、すぐに焼成処理をする場合は、このような間欠的焼成処理を行うことが好ましい。
カーボンナノチューブ集合体の製造方法は、本願発明で規定したカーボンナノチューブ集合体が得られる限り限定はないが、例えば以下のように製造される。
縦型流動床反応器中、反応器の水平断面方向全面に、マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒よる流動床を形成し、該反応器内にメタンを鉛直方向に流通させ、該メタンを500〜1200℃で、該触媒に接触させ、カーボンナノチューブ集合体を製造した後、得られたカーボンナノチューブ集合体を酸化処理することにより得られる。すなわち、上記カーボンナノチューブの合成法により得られた、カーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ集合体を、気相で十分に酸化処理を行うことにより、本発明で特に好ましく用い得るカーボンナノチューブ集合体が得られる。
触媒である鉄を、担体であるマグネシアに担持させることにより、鉄の粒径をコントロールしやすく、また高密度で鉄が存在しても高温下でシンタリングが起こりにくい。そのため、高品質なカーボンチューブを効率よく多量に合成することができる。さらに、マグネシアは酸性水溶液に溶けるので、酸性水溶液で処理するだけでマグネシアおよび鉄の両者を取り除くこともできるため、精製工程を簡便化することができる。
マグネシアは、市販品を使用しても良いし、合成したものを使用しても良い。マグネシアの好ましい製法としては、金属マグネシウムを空気中で加熱する、水酸化マグネシウムを850℃以上に加熱する、炭酸水酸化マグネシウム3MgCO・Mg(OH) ・3HOを950℃以上に加熱する等の方法がある。
マグネシアの中でも軽質マグネシアが好ましい。軽質マグネシアとは、かさ密度が小さいマグネシアであり、具体的には0.20g/mL以下であることが好ましく、0.05〜0.16g/mLであることが触媒の流動性の点から好ましい。かさ密度とは単位かさ体積あたりの粉体質量のことである。以下にかさ密度の測定方法を示す。粉体のかさ密度は、測定時の温度および湿度に影響されることがある。ここで言うかさ密度は、温度20±10℃、湿度60±10%で測定したときの値である。測定は、50mLメスシリンダーを測定容器として用い、メスシリンダーの底を軽く叩きながら、予め定めた容積を占めるように粉末を加える。かさ密度の測定に際しては10mLの粉末を加えるものとするが、測定可能な試料が不足している場合には、可能な限り10mLに近い量で行う。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返した後、目視にて粉末が占める容積値の変化率が±0.2mL(試料が少ない場合は±2%)以内であることを確認し、詰める操作を終了する。もし容積値に目視にて±0.2mL(±2%)を越える変化があれば、メスシリンダーの底を軽く叩きながら粉末を追加し、再度メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返し、目視にて粉末が占める容積値に±0.2mL(±2%)を越える変化がないことを確認して操作を終了する。上記の方法で詰めた一定量の粉末の重量を求めることを3回繰り返し、その平均重量を粉末が占める容積で割った値(=重量(g)/体積(mL))を粉末のかさ密度とする。
担体に担持する鉄は、0価の状態とは限らない。反応中は0価の金属状態になっていると推定できるが、広く鉄を含む化合物または鉄種でよい。例えば、ギ酸鉄、酢酸鉄、トリフルオロ酢酸鉄、クエン酸アンモニウム鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、ハロゲン化物鉄などの有機塩または無機塩、エチレンジアミン4酢酸錯体やアセチルアセトナート錯体のような錯塩などが用いられる。また鉄は微粒子であることが好ましい。微粒子の粒径は0.5〜10nmであることが好ましい。鉄が微粒子であると外径の細いカーボンナノチューブが生成しやすい。
マグネシアに鉄を担持させる方法は、特に限定されない。例えば、担持したい鉄の塩を溶解させた非水溶液(例えばエタノール溶液)中または水溶液中に、マグネシアを含浸し、撹拌や超音波照射などにより充分に分散混合した後、乾燥させる(含浸法)。さらに空気、酸素、窒素、水素、不活性ガスおよびそれらの混合ガスから選ばれたガス中または真空中で高温(300〜1000℃)で加熱することにより、マグネシアに鉄を担持させてもよい。
鉄担持量は、多いほどカーボンナノチューブの収量が上がるが、多すぎると鉄の粒子径が大きくなり、生成するカーボンナノチューブが太くなる。鉄担持量が少ないと、担持される鉄の粒子径が小さくなり、外径の細いカーボンナノチューブが得られるが、収率が低くなる傾向がある。最適な鉄担持量は、マグネシアの細孔容量や外表面積、担持方法によって異なるが、マグネシアに対して0.1〜20重量%の鉄を担持することが好ましく、特に0.2〜10重量%であることが好ましい。
縦型流動床反応器とは、メタンが、鉛直方向(以下「縦方向」と称する場合もある)に流通するように設置された反応器である。該反応器の一方の端部から他方の端部に向けた方向にメタンが流通し、触媒層を通過する。反応器は、例えば管形状を有する反応器を好ましく用いることができる。なお、上記において、鉛直方向とは、鉛直方向に対して若干傾斜角度を有する方向をも含む(例えば水平面に対し90°±15°、好ましくは90°±10°)。なお、好ましいのは鉛直方向である。なお、メタンの供給部および排出部は、必ずしも反応器の端部である必要はなく、メタンが前記方向に流通し、その流通過程で触媒層を通過すればよい。
触媒は、縦型流動床反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させた状態にあり、反応時には流動床を形成した状態とする。このようにすることにより、触媒とメタンを有効に接触させることができる。横型反応器の場合、触媒とメタンを有効に接触させるため、メタンの流れに対して垂直方向で反応器の断面全面に存在させた状態にするには、重力がかかる関係上、触媒を左右から挟み込む必要がある。しかし、カーボンナノチューブ集合体の生成反応の場合、反応するに従って触媒上にカーボンナノチューブ集合体が生成して、触媒の体積が増加するので、左右から触媒を挟みこむ方法は好ましくない。また、横型で流動床を形成させることは難しい。本発明では反応器を縦型にし、反応器内にガスが透過できる台を設置して、その上に触媒を置くことによって、触媒を両側から挟みこむことなく、反応器の断面方向に均一に触媒を存在させることができ、メタンを鉛直方向に流通させる際に流動床を形成させることもできる。触媒を縦型流動床反応器の水平断面方向全面に存在させた状態とは、水平断面方向に全体に触媒が広がっていて触媒底部の台が見えない状態を言う。このような状態の好ましい実施態様としては、例えば、次のような態様がある。
A.反応器内にガスが透過できる触媒を置く台(セラミックスフィルターなど)を置き、そこに所定の厚みで触媒を充填する。この触媒層の上下が多少凸凹してもかまわない(図1(a))。図1(a)は、反応器1の中に触媒を置く台2が設置され、その上に触媒3が反応器の水平断面方向全体に存在している状態を示す概念図である。
B.Aと同様の触媒を置く台上に、触媒以外の物体(充填材)と触媒を混ぜて充填する。この触媒層は均一であることが好ましいが、上下が多少凸凹してもかまわない(図1(b))。図1(b)は反応器1の中に触媒を置く台2が設置され、その上に触媒以外の物体と触媒の混合物4が反応器の断面方向全体に存在している状態を示す概念図である。
C.反応器上部から触媒を噴霧などで落とし、触媒粉末がガスを介して反応器水平断面方向に均一に存在している状態(図1(c))。図1(c)は反応器1上部から噴霧した触媒5が反応器水平断面方向全体に広がった触媒状態を示す概念図である。縦型流動床反応器の一例としては上述Cのような触媒を反応器上部から噴霧などによって落とす態様や、一般に沸騰床型と言われる触媒が流動する態様(上述AやBに準ずる方法)が挙げられる。また固定床型の例としては上述AまたはBのような態様が挙げられる。
流動床型は、触媒を連続的に供給し、反応後の触媒とカーボンナノチューブ集合体を含む集合体を連続的に取り出すことにより、連続的な合成が可能であり、カーボンナノチューブ集合体を効率よく得ることができ好ましい。また本発明では触媒の担体としてマグネシアを用いるが、マグネシアはその粒子特性(比重、かさ密度、表面電荷等)から、非常に流動性が良く、特に流動床型反応器でカーボンナノチューブ集合体を合成することに適している。マグネシア担体を触媒とした場合、流動床型でカーボンナノチューブ集合体を合成すると、流動化状態が良好なことから長いカーボンナノチューブが生成しやすい。ここで定義する長いカーボンナノチューブとは平均の長さが1μm以上のカーボンナノチューブのことである。流動床型反応において流動性が良好なことから原料のメタンと触媒が均一に効率よく接触するためにカーボンナノチューブ合成反応が均一に行われ、アモルファスカーボンなどの不純物による触媒被覆が抑制され、触媒活性が長くなる。
縦型反応器とは対照的に、横型反応器は横方向(水平方向)に設置された反応器内に、石英板上に置かれた触媒が設置され、該触媒上をメタンが通過して接触、反応する態様の反応装置を指す。この場合、触媒表面ではカーボンナノチューブが生成するが、触媒内部にはメタンが到達しないためにほとんど反応しない。これに対して、縦型反応器では触媒全体に原料のメタンが接触することが可能となるため、効率的に、多量のカーボンナノチューブ集合体を合成することが可能である。
反応器は耐熱性であることが好ましく、石英製、アルミナ製等の耐熱材質からなることが好ましい。
反応器内に設置された触媒層の下部、もしくは上部からメタンを通過させて、触媒と接触させ、反応させることによりカーボンナノチューブ集合体を生成する。
触媒とメタンとを接触させる温度は、600〜950℃が好ましく、さらに好ましくは700℃〜900℃の範囲である。温度が600℃よりも低いと、カーボンナノチューブ集合体の収率が悪くなる。また温度が950℃よりも高いと、使用する反応器の材質に制約があると共に、カーボンナノチューブ同士の接合が始まり、カーボンナノチューブの形状のコントロールが困難になる。メタンを触媒に接触させながら反応器を反応温度にしてもよいし、熱による前処理終了後、反応器を反応温度にしてから、メタンの供給を開始しても良い。
カーボンナノチューブ集合体を生成させる反応の前に、触媒に熱による前処理を行ってもよい。熱による前処理の時間は、特に限定しないが、長すぎるとマグネシア上で金属の凝集が起こり、それに伴い外径の太いカーボンナノチューブが生成することがあるので、120分以内が好ましい。前処理の温度は、触媒活性が発揮されれば反応温度以下でも構わないし、反応温度と同じでも、反応温度以上でも構わない。熱による前処理を行うことにより、触媒をより活性な状態にすることもある。
熱による前処理、およびカーボンナノチューブ集合体を生成させる反応は、減圧もしくは大気圧で行うことが好ましい。
触媒とメタンの接触を減圧で行う場合は、真空ポンプなどで反応系を減圧にすることができる。また大気圧で反応を行う場合はメタンと希釈ガスを混合した、混合ガスとして触媒と接触させてもよい。
希釈ガスとしては、特に限定されないが、酸素ガス以外のものが好ましく使用される。酸素は爆発の可能性があるので通常使用しないが、爆発範囲外であれば使用しても構わない。希釈ガスとしては、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム等が好ましく使用される。これらのガスは、メタンの線速や濃度のコントロールおよびキャリヤガスとして効果がある。水素は、触媒金属の活性化に効果があるので好ましい。特に窒素およびアルゴンが好ましい。
[微粒子]
本発明において微粒子としては、その形状は球状に限らず不定形であっても良く、平均粒子径が1000μm以下の粒子が好ましく例示される。本発明における平均粒子径とはメディアン径を指し、そのメディアン径が、0.1から1000μmであり、より好ましくは、0.1から100μmである。粒径がこの範囲を超えると、例えば、この粒子を用いた導電性複合体をリチウムイオン電池用負極材料において電極を作成した際など、粒子を用いて成形体にしたとき粒子間の空隙が大きくなりすぎ、導電性付与剤による粒子間の導電パスの形成が困難となり、導電性複合体への導電性付与効果が低下することがある。一方、粒径がこの範囲を下回ると、粒子の総表面積が大きくなりすぎて、粒子の凝集が生じたり、導電性付与剤が不足して均一に粒子表面を被覆することが困難となる。メディアン径が0.1から1000μmの微粒子であれば、粒子間の導電パス形成が可能となり、十分な導電性付与効果を得ることができる。本発明におけるメディアン径とは、いわゆるミーの散乱・回折理論に基づくレーザー回折式粒度分布計で測定されるメディアン径を示す。具体的には、粒子径と固体粒子量との粒度分布を求めた場合について、全体固体粒子量に対する積算固体粒子量が50%となる粒子径(いわゆる50%粒子径)を意味するものである。
本発明で用いる微粒子としては、無機化合物粒子や熱可塑性樹脂粒子、それらを組み合わせた粒子を用いることができる。
無機化合物粒子を構成する無機化合物としては、金属酸化物(微粉末シリカ(無水物)、ホワイトカーボン(含水物)などのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化チタン、酸化鉄、酸化ストロンチウム、酸化セリウム、酸化亜鉛など)、金属水酸化物(水酸化アルミニウムなど)、金属塩(硫酸塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウム、リン酸チタンなどのリン酸塩;マイカ、珪酸カルシウム、ベントナイト、ゼオライト、麦飯石、タルク、モンモリロナイトなどのケイ酸塩;タングステン酸カルシウムなどのタングステン酸塩;チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸アルミニウムなどのチタン酸塩など)、金属窒化物(窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタンなど)、金属炭化物(炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステンなど)、金属ホウ化物(ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウムなど)、金属(金、プラチナ、パラジウムなど)、炭素(カーボンブラック、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブなど)などが例示できる。無機粒子は、粉粒状であってもよく、繊維状(例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ウィスカーなど)などであってもよい。無機粒子は、強磁性体、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属(粉末);マグネタイト、フェライトなどの強磁性合金(粉末);磁性酸化鉄などの強磁性金属酸化物(粉末)などであってもよい。これらの無機粒子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。特に炭素やケイ素、スズを構成元素とする無機化合物粒子が好ましい。これらの粒子はリチウムイオン電池用負極活物質として好適に使用されており、その中でも黒鉛微粒子はリチウムイオン電池用負極活物質として最も使用されている無機化合物粒子であるので、より好ましい。
熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、環状オレフィン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテル・エーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフィド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スチレン系樹脂、アクリル樹脂などのビニル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマーは単独あるいは二種以上を混合してもよい。特にこれらのポリマーの中でも耐熱性および靭性に優れていることから、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂などが好ましい。なかでも特にポリアミド樹脂が好ましい。これらの樹脂粒子に導電性付与剤を被覆させた導電性複合体は、異方導電性材料として好適に使用できると考えられる。より好ましいものとしては溶融成形可能な樹脂粒子が挙げられる。これらの粒子は弾性があることから電極あるいは粒子が破損することはなく、さらに加熱圧縮変形するために、十分な接触面積を与え、接続の信頼性が高いことから好ましい。
ポリアミド樹脂としては、例えば、脂肪族ポリアミド系高分子、脂環族ポリアミド系高分子、芳香族ポリアミド系高分子などが挙げられ、通常、脂肪族ポリアミド系高分子が使用される。これらのポリアミド系高分子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
脂肪族ポリアミド系高分子としては、脂肪族ジアミン成分(テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの炭素数4−10 アルキレンジアミン)と脂肪族ジカルボン酸成分(アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などのC4−20 アルキレンジカルボン酸など)との縮合物(例えば、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド1212など)、ラクタム(ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどの炭素数4−20 ラクタムなど)又はアミノカルボン酸(ω−アミノウンデカン酸などの炭素数4−20 アミノカルボン酸など)の単独又は共重合体(例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12など)、これらのポリアミド成分が共重合したコポリアミド(例えば、ポリアミド6/11,ポリアミド6/12,ポリアミド66/11,ポリアミド66/12など)などが挙げられる。
またポリアミド樹脂として非晶性ポリアミド樹脂を用いることができる。イソフタル酸、テレフタル酸、メタキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、4,4‘−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3‘−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパンから選ばれた少なくとも一種の成分を構成成分とすることが好ましい。これらは必要な特性に応じて合成するか、あるいは透明ナイロン(本発明の非晶性ポリアミド樹脂は、一般に透明ナイロンと呼ばれている)として市販されているものを用いることができる。市販品としては、‘グリルアミド(登録商標)’ TR55(エムザベルケ社製)、‘グリルアミド(登録商標)’ TR70LX(エムザベルケ社製)、‘グリルアミド(登録商標)’ TR90(エムザベルケ社製)、‘TROGAMID(登録商標)’ CX7323 (デグサ社製)などが挙げられる。また、これらのポリマーは混合して用いてもよい。
熱可塑性樹脂粒子は市販品でも調製品でもよく、その製造方法も特に限定されるものではない。市販品としては‘SP−500(登録商標)’(東レ(株)製)などが挙げられ、製造方法については次のような方法が挙げられる。
(1)ポリマーを加熱溶融させ、冷却させることにより晶析させる。
(2)ポリマーを溶媒に溶解させ、溶媒を揮発させて除去し析出させる。
(3)ポリマーを溶媒に溶解させ、霧状に飛散させ乾燥させる(スプレードライ法)。
(4)ポリマーを溶媒に溶解させ、ポリマーを溶解しない溶媒中に霧状に投入し、沈殿させる(スプレー再沈法)。
(5)ポリマーを溶媒に溶解して得られたポリマー溶液を該ポリマーの貧溶媒でかつ該ポリマーの溶媒に非相溶性の溶媒中に添加混合し、強く攪拌させ乳化、分散状態とした後、該分散液中の溶媒を除去し、ポリマーを取り出す。この際、熱硬化性樹脂もポリマーと同溶媒に溶解させ添加することもできる。
(6)ポリマーを溶媒に溶解させ、溶液を攪拌しながら該溶液に不溶あるいは難溶である分散媒を徐々に加えることにより該溶液を乳化させ、さらに加え転相乳化させる。その後、溶媒を除去したのちにコア微粒子として捕収する。
(7)ボールミル、ジェットミル等を用いる機械的粉砕機を使用し粉砕する。
(8)乳化重合、非水系分散重合、シード乳化重合及び懸濁重合等の重合法を用いて重合モノマーを粒子状に重合させる。
[分散剤]
分散剤としては、界面活性剤、各種高分子材料等を用いることができる。分散剤は、カーボンナノチューブ集合体または微粒子の分散能や分散安定化能等を向上させるのに役立つ。界面活性剤は、イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤に分けられるが、本発明ではいずれの界面活性剤を用いることも可能である。界面活性剤としては、例えば以下のような界面活性剤があげられる。かかる界面活性剤は単独でもしくは2種以上を混合して用いることができる。
イオン性界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤にわけられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などがあげられる。両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤がある。陰イオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤およびカルボン酸系界面活性剤などがあげられる。中でも、分散能、分散安定能、高濃度化に優れることから、芳香環を含むもの、すなわち芳香族系イオン性界面活性剤が好ましく、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族系イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエチルなどの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリプロピレングリコールなどのエーテル系界面活性剤、ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルジブチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキルクミルフェニルエーテル等の芳香族系非イオン性界面活性剤があげられる。上記において、アルキルとは炭素数C1−20から選択されるアルキルであって良い。中でも、分散能、分散安定能、高濃度化に優れることから、非イオン性界面活性剤が好ましく、特に芳香族系非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
各種高分子材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アミロース、シクロアミロース、キトサン等の糖類ポリマー等がある。またポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーおよびそれらの誘導体も使用できる。なかでも、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマーを使用することによりカーボンナノチューブ集合体の導電特性を効率的に発揮することができ好ましい。
カーボンナノチューブ集合体または微粒子の分散媒は特に限定されない。水系溶媒でも良いし非水系溶媒でも良い。非水系溶媒としては、炭化水素類(トルエン、キシレン等)、塩素含有炭化水素類(メチレンクロリド、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等)、エーテルアルコール(エトキシエタノール、メトキシエトキシエタノール等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、ケトン類(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、フェノール等)、低級カルボン酸(酢酸等)、アミン類(トリエチルアミン、トリメタノールアミン等)、窒素含有極性溶媒(N、N−ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、N−メチルピロリドン等)、硫黄化合物類(ジメチルスルホキシド等)などを用いることができる。
これらのなかでも分散媒としては、水、アルコール、トルエン、アセトン、エーテルおよびそれらを組み合わせた溶媒を含有する分散媒であることが好ましい。水系溶媒が必要である場合、および後述するようにバインダーを用いる場合であって、そのバインダーが無機ポリマー系バインダーの場合には、水、アルコール類、アミン類などの極性溶媒が使用される。また、後述するようにバインダーとして常温で液状のものを用いる場合には、それ自体を分散媒として用いることもできる。
カーボンナノチューブ集合体または微粒子を上記分散剤および分散媒に分散させた分散液における各成分の好ましい配合割合は、以下のとおりである。分散液中のカーボンナノチューブ集合体または微粒子の濃度は、それぞれ独立に0.01重量%以上、20重量%以下が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましい。
カーボンナノチューブ集合体または微粒子分散液を調製する際の分散液中の分散剤の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.01〜50重量%、より好ましくは、0.01〜30重量%である。上記分散剤とカーボンナノチューブ集合体または上記分散剤と微粒子の混合比は、特に限定はないが、分散剤/カーボンナノチューブ集合体または分散剤/微粒子の重量比で好ましくは0.1〜20、より好ましくは0.3〜10である。またカーボンナノチューブ集合体は、分散性に優れるため、いったん所望のカーボンナノチューブ含有量よりも高濃度の分散液を作製し、溶媒で薄めて所望の濃度として使用することも可能である。
カーボンナノチューブ集合体または微粒子は、分散媒、分散剤に分散させて分散体として使用することができる。カーボンナノチューブ集合体または微粒子を液体の分散媒に分散させたときには、分散液と呼ぶこともある。カーボンナノチューブ分散体または微粒子分散体の調整方法には特に制限はない。例えば、分散媒が溶媒である場合、カーボンナノチューブ集合体または微粒子、分散剤および溶媒を、公知の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合し、分散液を製造することができる。
[導電性複合体の製造方法]
本発明の導電性複合体は、以下のようにして製造される。カーボンナノチューブ集合体に分散媒および分散剤を添加して分散させたカーボンナノチューブ分散液と微粒子に分散媒および分散剤を添加して分散させた微粒子分散液を混合する。ここでの混合は、公知の装置を用いて行うことができる。例えば、マグネティックスターラー、ホモミキサー、リボンミキサー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカーなどの装置を使用することができる。次に、この混合液中の分散媒を除去することで導電性複合体を得ることができる。分散媒の除去方法については特に制限は無く、蒸留、凍結乾燥などが挙げられるが、加熱によって導電性複合体中のカーボンナノチューブ集合体が凝集する場合があるので、凍結乾燥が好ましい。
[用途]
かくして得られる本発明の導電性複合体は、導電助剤被覆微粒子の導電性が優れるため、重量あたりの導電性に非常に優れ、異方性導電材料等の各種用途に用いることができ、なかでも無機微粒子を用いた場合にはリチウムイオン電池用負極に好ましく用いることができる。
[リチウムイオン電池用負極]
本発明の導電性複合体は、バインダーを添加することによりリチウムイオン電池用負極材料として使用することができる。バインダーとしては、特に制限は無く、リチウムイオン電池用負極のバインダーとして従来公知の材料から適宜選択して用いることができる。このようなバインダーとしては、例えばスチレンブタジエン共重合ゴム(SBR)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などのフッ素含有高分子重合体などを好ましく挙げることができる。負極材料中のバインダーの含有量は、導電性を良好にし、バインダーとしての結着力を十分に発揮しうる観点から、リチウムイオン電池用負極材料100重量%に対して1〜10重量%の範囲であることが好ましい。
[リチウムイオン電池用負極の製造方法]
本発明のリチウムイオン電池用負極の製造方法は、リチウムイオン電池用負極材料を調製する工程と当該負極材料を集電体に塗布する工程からなる。リチウムイオン電池用負極材料の調製工程は、導電性複合体と、バインダーを含有する溶液または分散液と、溶媒とを混合する工程であり、導電性複合体調製時の分散液を所望の濃度に濃縮して導電性複合体を混合してもよい。バインダーを含有する溶液の調製に用いられる溶媒(「分散媒」を含む)としては特に制限はなく、従来リチウム系電池における電極の形成に使用されている溶媒の中から、一種又は二種以上選択することができる。このような溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。特に、バインダーとしてPVDFを用いる場合には、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いることが好ましい。
また、上記溶媒とは別に流動性を付与するためにその他の溶媒を添加することができ、かかる溶媒としても、上記のようなものを使用することが可能で、その他に水を使用することもできる。
一方、バインダーとしてSBRを用いる場合には、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン又は水を用いて、SBRを含有する溶液を調製することができる。溶媒として水を用いる場合には、得られるスラリーに粘性を付与するために、SBRの水性分散液を混練機に投入する前に、増粘剤水溶液を混練機に投入して、導電性複合体と混合しておくことが好ましい。
増粘剤としては、例えばポリエチレングリコール類、セルロース類、ポリアクリルアミド類、ポリN−ビニルアミド類、ポリN−ビニルピロリドン類等を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレングリコール類、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類等が好ましく、特にSBRに親和性の高いカルボキシメチルセルロースが好ましい。カルボキシメチルセルロースにはナトリウム塩タイプとアンモニウム塩タイプがあるがいずれでも構わない。
ここでの混合は、公知の装置を用いて行うことができる。例えば、ホモミキサー、リボンミキサー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカーなどの装置を使用することができる。
バインダーを含有する溶液として、例えば、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とするPVDF溶液またはSBR溶液を用いる場合には上記混合機により導電性複合体と、上記PVDF溶液又はSBR溶液と、場合により溶媒(好ましくはNMP)とを混合して、スラリーからなる負極材料を調製する。
一方、バインダーを含有する溶液として、例えば水を溶媒とするSBR水性分散液を用いる場合には、上記混合機により、まず導電性複合体と、前述の増粘剤の水溶液とを混合した後、この混合物と、SBR水性分散液と、場合により溶媒の水とを混練してスラリーからなる負極材料を調製する。
塗布工程は、リチウムイオン電池用負極材料の調製工程を経て得られた負極材料を集電体上に塗布する工程である。
集電体としては、例えばアルミニウム、ニッケル、チタン及びそれらの合金、ステンレス鋼、白金、カーボンシートなど、従来公知の材料を使用することができる。これらの集電体上に、電極形成材料を塗布する方法に特に制限はなく、従来公知の方法、例えばドクターブレードやバーコーターなどを用いて塗布する方法を採用することができる。このように塗布して得られた電極用シートを、公知の方法で乾燥後、ロールプレス、加圧プレスなどの公知の方法により、所望の厚み、密度になるように成形することにより本発明のリチウムイオン電池用負極が得られる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は例示のために示すものであって、いかなる意味においても、本発明を限定的に解釈するものとして使用してはならない。
実施例中、各種物性評価は以下の方法で行った。
(カーボンナノチューブ集合体評価)
[熱分析]
約1mgの試料を示差熱分析装置(島津製作所製 DTG−60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から900℃まで昇温した。そのときのDTA曲線から発熱による燃焼ピーク温度を読みとった。
[ラマン分光分析]
共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)に粉末試料を設置し、532nmのレーザー波長を用いて測定を行った。G/D比の測定に際しては、サンプルの異なる3ヶ所について分析を行い、その相加平均を求めた。
[高分解能透過型電子顕微鏡写真]
カーボンナノチューブ集合体1mgをエタノール1mLに入れて、約15分間超音波バスを用いて分散処理を行った。分散した試料をグリッド上に数滴滴下し、乾燥した。このように試料の塗布されたグリッドを透過型電子顕微鏡(日本電子社製 JEM−2100)に設置し、測定を行った。測定倍率は5万倍から50万倍である。加速電圧は120kVである。
(導電性複合体評価)
[粉体抵抗測定]
粉体抵抗測定ユニット(ダイアインスツルメンツ社製 MCP−PD51)を使用して導電性複合体の粉体抵抗測定を行った。測定セルは直径10mm、高さ50mmの円柱状であり、このセルに導電性複合体1gを入れて、上部から圧縮ロッドを用いて圧力をかけ粉体を圧縮していく。このとき、圧力と体積を測定しながら、粉体に電流を流し、JISK7149準処の4端子4探針法を用いてロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)にて抵抗値を測定した。なお、粉体抵抗は密度によって異なるので、その評価は微粒子種ごとに一定密度の値で比較する。例えば、黒鉛粒子では密度が2.1g/cmの時の値で比較する。
(リチウム電池用負極評価)
[体積抵抗測定]
リチウムイオン電池用負極の体積抵抗値は、表面抵抗値を4端子法によって測定後、表面抵抗値と負極の厚さを掛けることによって算出することができ、電極密度が1100g/cmの時の値で比較する。表面抵抗値はJISK7149準処の4端子4探針法を用い、ロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)にて測定した。
(製造例1)カーボンナノチューブ集合体の調製
(マグネシアへの触媒金属塩の担持)
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業社製)2.46gをメタノール(関東化学社製)500mLに溶解した。この溶液に、マグネシア(岩谷化学工業社製)を100g加え、室温にて60分間攪拌し、その後エバポレーターを使用して、水浴温40℃から60℃で減圧条件にてメタノールを除去した。その後、120℃乾燥機にて2時間乾燥し、マグネシア粉末に触媒金属塩が担持された固体触媒を得た。この時の触媒のかさ密度は0.58g/mLであった。
(2層カーボンナノチューブの合成)
図2に示した縦型反応器でカーボンナノチューブを合成した。
反応器100は内径75mm、長さは1700mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板101を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ライン104、上部には廃ガスライン105および、密閉型触媒供給機102および触媒投入ライン103を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器106を具備する。加熱器106には装置内の流動状態が確認できるよう点検口107が設けられている。
触媒132gを取り、触媒投入ライン103を通して、石英焼結板101上に触媒をセットした。次いで、原料ガス供給ライン104から窒素ガスを10.0L/分で供給開始した。反応器内を窒素ガス雰囲気下とした後、温度を850℃に加熱した(昇温時間30分)。
850℃に到達した後、温度を保持し、原料ガス供給ライン104の窒素流量を16.5L/分に上げ、石英焼結板上の固体触媒の流動化を開始させた。加熱炉点検口107から流動化を確認した後、さらにメタンを0.78L/分(メタン濃度4.5体積%、メタン線速6.5cm/sec)で反応器に供給開始した。該混合ガスを60分供給した後、窒素ガスのみの流通に切り替え、合成を終了させた。この時のメタンと触媒の接触時間は1.69×10−1g・min/mLであった。
加熱を停止させ室温まで放置し、反応器から触媒とカーボンナノチューブ集合体を含有する組成物を取り出した。得られたカーボンナノチューブ集合体を以下の工程に供した。
得られたカーボンナノチューブ集合体を前記の方法で熱分析した。燃焼ピーク温度は480℃であった。
(カーボンナノチューブ集合体の焼成、精製処理)
カーボンナノチューブ集合体30gを磁性皿(150φ)に取り、大気下、450℃に加熱したマッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)に入れ、3時間保持した後、自然放冷した。その後、上記のカーボンナノチューブから触媒を除去するため、次のように精製処理を行った。カーボンナノチューブを6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォーターバス内で1時間攪拌した。孔径1μmのフィルターを用いてろ過して回収物を得た。この操作をさらに2回繰り返し、最後に数回水洗した後、ろ過物を120℃のオーブンで一晩乾燥することでマグネシアおよび触媒金属を除去でき、カーボンナノチューブを精製することができた。
(カーボンナノチューブ集合体の熱分析)
得られたカーボンナノチューブ集合体の熱分析を行った。燃焼ピーク温度は664℃であった。また、200℃から400℃までの重量減少量は200℃から900℃までの重量減少の5%であることがわかった。
(カーボンナノチューブ集合体の高分解能透過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブ集合体を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、図3に示すように、カーボンナノチューブはきれいなグラファイト層で構成されており、層数が2層のカーボンナノチューブが観察された。またカーボンナノチューブ100本中の80%以上(85本)を2層のカーボンナノチューブが占めていた。また3層以上のカーボンナノチューブは10%以下(7本)であった。100本のカーボンナノチューブのうち97本が外径1〜3nmであった。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブ集合体を、ラマン分光測定した。その結果、図4に示すように、波長532nmのラマン分光分析において、G/D比は53と、グラファイト化度の高い高品質2層カーボンナノチューブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ集合体の体積抵抗率測定)
上記のようにして得たカーボンナノチューブ集合体20mgをN-メチルピロリドン16mLと混合し、超音波ホモジナイザーを用いて20Wで20分超音波照射した後、エタノール10mLと混合し、内径35mmφのろ過器を用いて吸引ろ過し、このろ取物をろ過器とろ取に用いたフィルターごと60℃で2時間乾燥機中で乾燥した。カーボンナノチューブ膜付きメンブレンフィルターを取り外し、メンブレンフィルターごと膜厚みを測定し、メンブレンフィルターの膜厚みを差し引いたところ、カーボンナノチューブ膜の厚みは65μmであった。メンブレンフィルターはOMINIPOREMEMBRANE FILTERS、FILTER TYPE: 1.0μm JA、47mmφを使用した。得られたカーボンナノチューブ膜をJISK7149準処の4端子4探針法を用いてロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)にて測定したところ、0.249Ω/□であった。したがって体積抵抗率は1.62×10―3Ω・cmである。
参考例1)二層CNT導電性複合体の調製(ナイロン12粒子)
50mLの容器に製造例1で得られたカーボンナノチューブ集合体20mgおよびカルボキシメチルセルロース水溶液(アルドリッチ社製、1重量%)2000mgを量りとり、蒸留水11.31mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力25W、20分間で氷冷下分散処理し、カーボンナノチューブ分散液を調製した。調製した液には凝集体は目視では確認できず、カーボンナノチューブ集合体はよく分散していた。
また、50mLの容器にナイロン12粒子(東レ(株)社製、SP−500、平均粒径4μm)950mgおよびカルボキシルメチルセルロース水溶液(アルドリッチ社製、1重量%)1000mgを量りとり、蒸留水4.72mLを加えてマグネティックスターラーで30分間攪拌した。調整した液をスライドガラスに一滴採取し、カバーガラスで挟んだプレパラートを光学顕微鏡で観察したところ、良好に分散していた。
このナイロン12粒子分散液にカーボンナノチューブ分散液を加えて、さらにマグネティックスターラーで30分間攪拌し、得られた混合液を凍結乾燥させて導電性複合体を得た。この導電性複合体の粉体抵抗を測定した結果を表1に、SEM画像を図5に示す。
参考例2)単層CNT導電性複合体の調製(ナイロン12粒子)
実施例1において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに単層カーボンナノチューブ((株)名城ナノカーボン製)を用いた以外は、参考例1と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に、SEM画像を図6に示す。
また、この時用いた単層カーボンナノチューブの各物性は、前記記載の方法によって測定した結果532nm光によるラマンG/D比が43、体積抵抗率が1.15×10-2Ω・cm、単層CNTの割合が100本中68本、2層CNTの割合が100本中30本、外径1〜6nmのCNTは100本中97本、1〜3nmのCNTは100本中83本であった。
(実施例)二層CNT導電性複合体の調製(シリカゲル粒子)
参考例1において、ナイロン12粒子の代わりにシリカゲル粒子(関東化学(株)社製、シリカゲル60N、平均粒径50μm)を用いた以外は、参考例1と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(実施例)単層CNT導電性複合体の調製(シリカゲル粒子)
実施例において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに単層カーボンナノチューブ((株)名城ナノカーボン製)を用いた以外は、実施例と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(実施例)二層CNT導電性複合体の調製(黒鉛粒子)
参考例1において、ナイロン12粒子の代わりに黒鉛粒子(日本黒鉛工業(株)社製、CGB−20、平均粒径20μm)を用いた以外は、参考例1と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(実施例)リチウムイオン電池用負極の調製(黒鉛粒子)
実施例において調製した導電性複合体をホモミキサーに移しかえて、SBR水分散液(JSR(株)社製、TRD2001、固形分濃度48.6重量%)を64.98mg、水を912.74mg加えて10000rpmで30分間混錬し、負極材料を調製した。この得られた負極材料を、ドクターブレードを用いてアルミ箔上に塗布し、乾燥機(120℃)で30分間乾燥を行なった。乾燥後、プレス成形機でプレスして負極サンプルを調製し、体積抵抗を測定した結果を表2に示す。
(比較例1)多層CNT複合体(ナイロン12粒子)
参考例1において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに多層カーボンナノチューブ(CNTコーポレーション製)を用いた以外は、参考例1と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に、SEM画像を図7に示す。また、この時用いた多層カーボンナノチューブの各物性は、前記記載の方法によって測定した結果532nm光によるラマンG/D比が1.3、2層CNTの割合が100本中1本以下、外径1から6nmのCNTは100本中1本以下であった。
(比較例2)気相法炭素繊維複合体(ナイロン12粒子)
参考例1において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF)を用いた以外は、参考例1と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。また、この時用いた炭素繊維中直径6nm以下の炭素繊維は100本中1本以下であった。
(比較例3)多層CNT複合体(シリカゲル粒子)
実施例において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに多層カーボンナノチューブ(CNTコーポレーション製)を用いた以外は、実施例と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(比較例4)気相法炭素繊維CNT複合体(シリカゲル粒子)
実施例において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF)を用いた以外は、実施例と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(比較例5)黒鉛粒子のみ
実施例において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに黒鉛粒子を用いた以外は、実施例と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(比較例6)多層CNT複合体(黒鉛粒子)
実施例において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに多層カーボンナノチューブ(CNTコーポレーション製)を用いた以外は、実施例と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(比較例7)気相法炭素繊維複合体(黒鉛粒子)
実施例において、カーボンナノチューブ集合体の代わりに気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF)を用いた以外は、実施例と同様に導電性複合体を調製し、粉体抵抗を測定した結果を表1に示す。
(比較例8)無添加リチウムイオン電池用負極の調製(黒鉛粒子)
実施例において、実施例で調製した導電性複合体の代わりに比較例5で調製した導電性複合体を用いた以外は、実施例と同様にリチウムイオン電池用負極を調製し、体積抵抗を測定した結果を表2に示す。
Figure 0005663855
Figure 0005663855
本発明で得られる導電性複合体は、リチウムイオン電池用負極材料、異方性導電材料などの電子部品、電子写真のトナー、航空機部品などに利用できる。
1 反応器
2 触媒を置く台
3 触媒
4 触媒以外の物体と触媒の混合物
5 触媒
100 反応器
101 石英焼結板
102 密閉型触媒供給機
103 触媒投入ライン
104 原料ガス供給ライン
105 廃ガスライン
106 加熱器
107 点検口
108 触媒

Claims (7)

  1. 平均粒子径が1000μm以下の炭素、ケイ素およびスズから選ばれる少なくとも1種以上を含む微粒子と導電性付与剤と分散剤を含み、以下の条件を満たす導電性複合体:
    (1)導電性付与剤がカーボンナノチューブを含んで成るカーボンナノチューブ集合体である。
    (2)上記カーボンナノチューブ集合体において透過型電子顕微鏡で観察したときに100本中50本以上の外径が1から6nmである。
    (3)分散剤によって分散した導電性付与剤が微粒子の表面を被覆している。
    (4)導電性複合体中の導電性付与剤が0.1から20重量%である。
  2. カーボンナノチューブ集合体に含まれる二層カーボンナノチューブの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の導電性複合体。
  3. カーボンナノチューブ集合体の体積抵抗率が1×10−5Ω・cmから1×10−2Ω・cmであることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の導電性複合体。
  4. カーボンナノチューブ集合体の波長532nmのラマン分光分析によるGバンドとDバンドの高さ比(G/D比)が30以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の導電性複合体。
  5. カーボンナノチューブ集合体は予め酸化処理が施されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の導電性複合体。
  6. 酸化処理がカーボンナノチューブ集合体の燃焼温度ピーク±50℃の範囲で焼成処理することを特徴とする請求項5に記載の導電性複合体。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の導電性複合体を含有するリチウムイオン電池用負極。
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