JP7358967B2 - カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液およびその利用 - Google Patents

カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液およびその利用 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノチューブに関する。さらに詳しくは、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ分散液と樹脂とを含む樹脂組成物、カーボンナノチューブ分散液と樹脂と活物質とを含む合材スラリー、それを膜状に形成してなる電極膜、電極膜と電解質とを具備してなる非水電解質二次電池に関する。
電気自動車の普及や携帯機器の小型軽量化及び高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有する二次電池、さらに、その二次電池の高容量化が求められている。このような背景の下で高エネルギー密度、高電圧という特徴から非水系電解液を用いる非水電解質二次電池、特に、リチウムイオン二次電池が多くの機器に使われるようになっている。
これらリチウムイオン二次電池に用いられる負極材料としては、リチウム(Li)に近い卑な電位で単位質量あたりの充放電容量の大きい黒鉛に代表される炭素材料が用いられている。しかしながらこれらの電極材料は質量当たりの充放電容量が理論値に近いところまで使われており、電池としての質量当たりのエネルギー密度は限界に近づいている。従って、電極としての利用率を上げるため、放電容量には寄与しない導電助剤やバインダーを減らす試みが行われている。
導電助剤としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、フラーレン、グラフェン、微細炭素材料等が使用されている。特に微細炭素繊維の一種であるカーボンナノチューブが多く使用されている。例えば、黒鉛やシリコン負極にカーボンナノチューブを添加することにより、電極抵抗を低減したり、電極強度や膨張収縮性を向上させることで、リチウム二次電池のサイクル寿命を向上させている。(例えば、特許文献1、2および3参照)また、正極にカーボンナノチューブを添加することにより、電極抵抗を低減する検討も行われている。(例えば、特許文献4および5参照)中でも、外径10nm~数10nmの多層カーボンナノチューブは比較的安価であり、実用化が期待されている。
平均外径が小さいカーボンナノチューブを用いると、少量で効率的に導電ネットワークを形成することができ、リチウムイオン二次電池の正極および負極中に含まれる導電助材量を低減することができる。また、繊維長が大きいカーボンナノチューブを用いた場合も同様の効果があることが知られている。(例えば、特許文献6参照)しかしながら、これらの特徴を有するカーボンナノチューブは凝集力が強く分散が困難である。
そこで、様々な方法により、分散性に優れたカーボンナノチューブが作製されている。例えば、特許文献7では、水酸化コバルトを触媒として用いて、多層カーボンナノチューブを製造することにより、平均外径が小さく、分散性の良好なカーボンナノチューブが得られることが提案されている。しかしながら、細径のカーボンナノチューブを得るために多量の触媒を使用しているため、製造されたカーボンナノチューブには絶縁材料が多く含まれてしまい、カーボンナノチューブの体積抵抗率が高い問題があった。また、特許文献8では、カーボンナノチューブを酸素濃度が0.1%以下の高温条件下で塩素ガスを導入して、純化処理を行うことにより、カーボンナノチューブに含まれる触媒を除去して、分散性と導電性に優れたカーボンナノチューブが得られることが提案されている。しかしながら、高密度のカーボンナノチューブを純度99.9%以上にするために、長時間の純化処理を行うことで、カーボンナノチューブの体積抵抗率が上昇してしまう問題があった。
また、特許文献9では、超音波ホモジナイザーで分散した際のメジアン径D50値が0.1~8μmのカーボンナノチューブを作製し、分散液とすることで分散安定性に優れたカーボンナノチューブ分散液が得られることが提案されている。しかしながら、カーボンナノチューブのBET比表面積が100m/g以下であり、カーボンナノチューブの外径が25~26nmと大きく、電極抵抗が高い問題があった。そして、特許文献10では、嵩密度が0.01~0.05g/ccであり、粉体抵抗率が小さく、繊維長の大きいカーボンナノチューブを作製し、分散液とすることで、分散性および導電性に優れたカーボンナノチューブ分散液が得られることが提案されているが、導電性が良好な電極膜を得るために多量のカーボンナノチューブを添加する必要があった。したがって、少ない添加量で電極抵抗を低減でき、リチウムイオン二次電池のレート特性およびサイクル特性の向上に寄与できるカーボンナノチューブを得ることが、用途拡大に向けた重要な課題であった。
特開平4-155776号公報 特開平4-237971号公報 特開2004-178922号公報 特開2011-70908号公報 特開2014-19619号公報 特開2012-221672号公報 特許第6380588号公報 特許第6586197号公報 国際公開第2016/024525号 特表2018-534747号公報
本発明が解決しようとする課題は、密着性および導電性の高い電極膜を得るために高い分散性を有するカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ樹脂組成物および合材スラリーを提供することである。さらに詳しくは、優れたレート特性およびサイクル特性を有する非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の物性を満たすカーボンナノチューブを使用することにより、導電性及び密着性に優れた電極膜が得られること、優れたレート特性およびサイクル特性を有する非水電解質二次電池が得られることを見出した。発明者らは、かかる発見をもとに、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)~(6)を満たすことを特徴とするカーボンナノチューブに関する。
(1)平均外径が、5~25nmであること
(2)BET比表面積が、150~400m/gであること
(3)繊維長が、0.5~5.0μmであること
(4)ラマンスペクトルにおいて1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際にG/D比が、0.7~2.0であること
(5)体積抵抗率が1.0×10-2~1.5×10-2Ω・cmであること
(6)真密度が、1.7~2.1g/ccであること
また、本発明は、半価幅が、2~6°であることを特徴とする前記カーボンナノチューブに関する。
また、本発明は、炭素純度が、95%以上であることを特徴とする前記カーボンナノチューブに関する。
また、本発明は、安息角が、40~70°であることを特徴とする前記カーボンナノチューブ。
また、本発明は、前記カーボンナノチューブと、溶媒と、分散剤とを含むカーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、分散剤が、カーボンナノチューブ100質量部に対して、20~100質量部含まれることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ分散液100質量部中に0.5質量部以上3.0質量部以下のカーボンナノチューブを含む分散液であって、25℃におけるB型粘度計のローター回転速度60rpmで測定した粘度が、10mPa・s以上2000mPa・s未満であることを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、溶媒が、水を含むことを特徴とする前記カーボンナノチューブ分散液に関する。
また、本発明は、前記カーボンナノチューブ分散液と、バインダーとを含むことを特徴とするカーボンナノチューブ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、バインダーが、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタエンゴムおよびポリアクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする前記カーボンナノチューブ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記カーボンナノチューブ樹脂組成物と活物質とを含むことを特徴とする合材スラリーに関する。
また、本発明は、前記合材スラリーを膜状に形成してなる電極膜に関する。
また、本発明は、正極と、負極と、電解質とを具備してなる非水電解質二次電池であって、正極または負極の少なくとも一方が、前記電極膜を含むことを特徴とする非水電解質二次電池に関する。
本発明のカーボンナノチューブを使用することにより、導電性および密着性に優れた樹脂組成物、合材スラリー、電極膜が得られる。また、レート特性およびサイクル特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。よって高い導電性、密着性、耐久性が求められる様々な用途分野において、本発明のカーボンナノチューブを使用することが可能である。
以下、本発明のカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液、樹脂組成物、合材スラリーおよびそれを膜状に形成してなる電極膜、非水電解質二次電池について詳しく説明する。
(1)カーボンナノチューブ
本実施形態のカーボンナノチューブは、平面的なグラファイトを円筒状に巻いた形状を有している。カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブが混在するものであってもよい。単層カーボンナノチューブは一層のグラファイトが巻かれた構造を有する。多層カーボンナノチューブは、二又は三以上の層のグラファイトが巻かれた構造を有する。また、カーボンナノチューブの側壁はグラファイト構造でなくともよい。例えば、アモルファス構造を有する側壁を備えるカーボンナノチューブをカーボンナノチューブとして用いることもできる。
本実施形態のカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブの層数が3層以上30層以下であることが好ましく、3層以上20層以下であることがさらに好ましく、3層以上10層以下であることがより好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの形状は限定されない。かかる形状としては、針状、円筒チューブ状、魚骨状(フィッシュボーン又はカップ積層型)、及びコイル状を含む様々な形状が挙げられる。また、円筒チューブ状のカーボンナノチューブをビーズを用いて乾式処理を行って得られた、板状またはプレートレット状の2次凝集体であってもよく、カーボンナノチューブがランダムに絡みあった糸まり状の2次凝集体や、配向性を有する束状の2次凝集体であっても良く、配向性を有する束状の2次凝集体であることがより好ましい。カーボンナノチューブは、単独の形状、または2種以上の形状の組合せであってもよい。
本実施形態のカーボンナノチューブの形態は、例えば、グラファイトウィスカー、フィラメンタスカーボン、グラファイトファイバー、極細炭素チューブ、カーボンチューブ、カーボンフィブリル、カーボンマイクロチューブ及びカーボンナノファイバーを挙げることができるが、これらに限定されない。カーボンナノチューブは、これらの単独の形態又は二種以上を組み合わせられた形態を有していてもよい。
本実施形態のカーボンナノチューブの平均外径は5~25nmであり、5~20nmであることがより好ましく、7~18nmであることがさらに好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの外径の標準偏差は1~5nmであることが好ましく、1~4nmであることがより好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの外径および平均外径は次のように求められる。まず透過型電子顕微鏡によって、カーボンナノチューブを観測するとともに撮像する。次に観測写真において、任意の300本のカーボンナノチューブを選び、それぞれの外径を計測する。次に外径の数平均としてカーボンナノチューブの平均外径(nm)を算出する。
本実施形態のカーボンナノチューブのBET比表面積は150~400m/gであり、180~350m/gであるものがより好ましく、180~300m/gであるものがさらに好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの繊維長は0.5~5.0μmであり、0.8~4.0μmであるものがより好ましく、0.8μm~3.0μmであるものがさらに好ましい。
カーボンナノチューブは、G/D比(G-bandとD-bandのピーク比)で評価される。本実施形態のカーボンナノチューブのG/D比はラマン分光分析法により求められる。本実施形態のカーボンナノチューブは、ラマンスペクトルにおいて1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際に、G/D比が、0.7~2.0であり、0.7~1.5であることがより好ましい。
ラマン分光分析法で使用するレーザー波長は種々あるが、ここでは532nmおよび632nmを利用する。ラマンスペクトルにおいて1590cm-1付近に見られるラマンシフトは、グラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm-1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。このG/D比が高いカーボンナノチューブほど、グラファイト化度が高い。
本実施形態のカーボンナノチューブの体積抵抗率は1.0×10-2~1.5×10-2Ω・cmであり、1.0×10-2~1.4×10-2Ω・cmであることがより好ましく、1.0×10-2~1.2×10-2Ω・cmであることがさらに好ましい。カーボンナノチューブの体積抵抗率は粉体抵抗率測定装置((株)三菱化学アナリテック社製:ロレスターGP粉体抵抗率測定システムMCP-PD-51))を用いて測定することができる。
本実施形態のカーボンナノチューブの真密度は1.7~2.1g/ccであり、1.7~2.0g/ccであることより好ましく、1.7~1.9g/ccであることがさらに好ましい。カーボンナノチューブの真密度は、乾式自動密度計(島津製作所社製、アキュピック1330)を用いて測定することができる。
本実施形態のカーボンナノチューブは、粉末X線回折分析を行った時に回折角2θ=25°±2°にピークが存在し、そのピークの半価幅が2°~6°であることが好ましく、2°~4°であることがより好ましく、2°~3°であることがさらに好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの炭素純度はカーボンナノチューブ中の炭素原子の含有率(%)で表される。炭素純度はカーボンナノチューブ100質量%に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上がさらに好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブ中に含まれる金属量はカーボンナノチューブ100質量%に対して、10質量%未満が好ましく、5質量%未満がより好ましく、2質量%未満がさらに好ましい。カーボンナノチューブに含まれる金属としては、カーボンナノチューブを合成する際に触媒として使用される金属や金属酸化物が挙げられる。具体的には、コバルト、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、シリカ、マンガンやモリブデン等の金属、金属酸化物やこれらの複合酸化物が挙げられる。
本実施形態のカーボンナノチューブの水の接触角は120°以下であることが好ましく、90°以下であることがより好ましく、70°以下であることがさらに好ましい。カーボンナノチューブの水の接触角は、カーボンナノチューブに圧力を加えて密度1.0g/ccのカーボンナノチューブ基板を作製した後、液滴法にて算出することができる。カーボンナノチューブの水の接触角は、例えば、自動接触角計(共和界面科学社製、DM-501Hi)を用いて測定することができる。
本実施形態のカーボンナノチューブの嵩密度は0.005~0.1g/ccであることが好ましく、0.01~0.06g/ccであることがさらに好ましい。カーボンナノチューブの嵩密度は、嵩密度測定装置(筒井理化学器械社製、JISカサ比重測定器)を用いて、JIS-K-5101にて測定することができる。
本実施形態のカーボンナノチューブの安息角は40~90°であることが好ましく、45~85°であることがさらに好ましく、45~70°であることがさらに好ましい。安息角は、注入法で測定することができる。注入法は、円盤状の上面を有する台の上に粉体を堆積させて測定する方法で、台の材質の影響を受け難く、円錐状に堆積した粉体と水平面とのなす角は、分度器等を用いて測定することができる。また、市販の測定機を用いて安息角を測定することもできる。
本実施形態のカーボンナノチューブは、表面処理を行ったカーボンナノチューブでもよい。またカーボンナノチューブは、カルボキシル基に代表される官能基を付与させたカーボンナノチューブ誘導体であってもよい。また、有機化合物、金属原子、又はフラーレンに代表される物質を内包させたカーボンナノナノチューブも用いることができる。
本実施形態のカーボンナノチューブはどのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。カーボンナノチューブは一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法及び燃焼法で製造できるが、これらに限定されない。例えば、酸素濃度が1体積%以下の雰囲気中、500~1000℃にて、炭素源を触媒と接触反応させることでカーボンナノチューブを製造することができる。炭素源は炭化水素及びアルコールの少なくともいずれか一方でもよい。
カーボンナノチューブの炭素源となる原料ガスは、従来公知の任意のものを使用できる。例えば、炭素を含む原料ガスとしてメタン、エチレン、プロパン、ブタン及びアセチレンに代表される炭化水素、一酸化炭素、並びにアルコールを用いることができるが、これらに限定されない。特に使いやすさの観点から、炭化水素及びアルコールの少なくともいずれか一方を原料ガスとして用いることが望ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの純化処理方法としては、従来公知の様々な方法を用いることができる。例えば、酸処理、黒鉛化処理や塩素化処理が挙げられる。
本実施形態のカーボンナノチューブを酸処理する際に使用する酸としては、カーボンナノチューブに含まれる金属および金属酸化物を溶解できるものであればよいが、無機酸やカルボン酸が好ましく、無機酸の中でも、塩酸、硫酸や硝酸が特に好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの酸処理は液相中で行われることが好ましく、液相中でカーボンナノチューブを分散および/または混合することがさらに好ましい。酸処理後のカーボンナノチューブは水洗し、乾燥することが好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブの黒鉛化処理は、酸素濃度0.1%以下の不活性雰囲気下、カーボンナノチューブを1500℃~3500℃で加熱することにより行うことができる。
本実施形態のカーボンナノチューブの塩素化処理は、酸素濃度0.1%以下の不活性雰囲気下、塩素ガスを導入し、カーボンナノチューブ(A)を800℃~2000℃で加熱することにより行うことができる。
(2)分散剤
本実施形態の分散剤は、カーボンナノチューブを分散安定化できる範囲で特に限定されず、界面活性剤、樹脂型分散剤を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性に分類される。カーボンナノチューブの分散に要求される特性に応じて適宜好適な種類の分散剤を、好適な配合量で使用することができる。
アニオン性界面活性剤を選択する場合、その種類は特に限定されない。具体的には脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル及びポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩及びβ-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
またカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩類及び第四級アンモニウム塩類がある。具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4-アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)-ドデシルブロマイド及びドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。また両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
またノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びアルキルアリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
選択される界面活性剤は単独の界面活性剤に限定されない。このため二種以上の界面活性剤を組み合わせて使用することも可能である。例えばアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせ、又はカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせが利用できる。その際の配合量は、それぞれの界面活性剤成分に対して好適な配合量とすることが好ましい。組み合わせとしてはアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせが好ましい。アニオン性界面活性剤はポリカルボン酸塩であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤はポリオキシエチレンフェニルエーテルであることが好ましい。
また樹脂型分散剤として具体的には、セルロース誘導体(セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチレート、シアノエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドンが挙げられる。特にメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドンが好ましい。
カルボキシメチルセルロースは、カルボキシメチルセルロースのヒドロキシ基をカルボキシメチルナトリウム基で置換したカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩等の塩も使用することができる。
また、本実施形態の分散剤に加えて、無機塩基および無金属塩を含んでも良い。無機塩基および無機金属塩としては、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属の少なくとも一方を有する化合物であることが好ましく、詳しくは、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属の、塩化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、モリブデン酸塩、ニオブ酸塩、ならびにホウ酸塩等が挙げられる。また、これらの中でも容易にカチオンを供給できる面でアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩化物、水酸化物、炭酸塩が好ましい。アルカリ金属の水酸化物は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属の水酸化物は、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。アルカリ金属の炭酸塩は、例えば、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属の炭酸塩は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが挙げられる。これらの中でも水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムがより好ましい。
(3)溶媒
本実施形態の溶媒は、カーボンナノチューブが分散可能な範囲であれば特に限定されないが、水、及びまたは、水溶性有機溶媒のいずれか一種、若しくは二種以上からなる混合溶媒であることが好ましく、水を含むことがより好ましい。水を含む場合は、溶媒100質量部に対して95質量部以上であることが好ましく、98質量部以上であることがさらに好ましい。
水溶性有機溶媒としては、アルコール系(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコールなど)、多価アルコール系(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコールなど)、多価アルコールエーテル系(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなど)、アミン系(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミンなど)、アミド系(N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルカプロラクタムなど)、複素環系(シクロヘキシルピロリドン、2-オキサゾリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、γ-ブチロラクトンなど)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシドなど)、スルホン系(ヘキサメチルホスホロトリアミド、スルホランなど)、低級ケトン系(アセトン、メチルエチルケトンなど)、その他、テトラヒドロフラン、尿素、アセトニトリルなどを使用することができる。
(4)カーボンナノチューブ分散液
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液は、カーボンナノチューブと分散剤と溶媒を含むものである。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液中のカーボンナノチューブの繊維長は、0.8~3.5μmであることが好ましく、0.8~2.5μmであることがより好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液の累積粒径D50は、400~4000nmであることが好ましく、1000~3000nmであることがより好ましい。カーボンナノチューブ分散液の累積粒径D50は粒度分布計(マイクロトラック・ベル株式会社製、Nanotrac UPA、model UPA-EX)を用いて測定することができる。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液を得るには、カーボンナノチューブを溶媒中に分散させる処理を行うことが好ましい。かかる処理を行うために使用される分散装置は特に限定されない。
分散装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機を使用することができる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(BRANSON社製Advanced Digital Sonifer(登録商標)、MODEL 450DA、エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等、シルバーソン社製「アブラミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液の固形分の量は、カーボンナノチューブ分散液100質量部に対して、0.2~20質量部が好ましく、0.5~10質量部が好ましく、1~3質量部がより好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液中の分散剤の量は、カーボンナノチューブ100質量部に対して、20~100質量部使用することが好ましく、20~80質量部使用することがより好ましく、20~50質量部使用することがさらに好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液のpHは6~12であることが好ましく、7~12であることがより好ましく、8~12であることがさらに好ましく、9~12であることが特に好ましい。カーボンナノチューブ分散液のpHはpH計(株式会社堀場製作所社製、pH METER F-52)を用いて測定することができる。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液は、カーボンナノチューブ分散液100質量部中に0.5質量部以上3.0質量部以下のカーボンナノチューブを含み、粘度は、25℃においてB型粘度計を用いて、60rpmで測定した粘度が10mPa・s以上10000mPa・s未満であることが好ましく、10mPa・s以上2000mPa・s未満であることがさらに好ましい。
(5)バインダー
バインダーとは、カーボンナノチューブなどの物質間を結着するための樹脂である。
本実施形態のバインダーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルピロリドン等を構成単位として含む重合体または共重合体;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂;カルボキシメチルセルロースのようなセルロース樹脂;スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムのようなゴム類;ポリアニリン、ポリアセチレンのような導電性樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂の変性体や混合物、および共重合体でも良い。この中でも、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸が好ましい。
バインダーの種類や量比は、カーボンナノチューブ、活物質など共存する物質の性状に合わせて、適宜選択される。例えば、カルボキシメチルセルロースを使用する量については、活物質の質量を100質量部とした場合、カルボキシメチルセルロースの割合が0.5~3.0質量部が好ましく、1.0~2.0質量部がさらに好ましい。
バインダーとしてのカルボキシメチルセルロースは、1%水溶液を作製した際の粘度が500~6000mPa・sであることが好ましく、1000~3000mPa・sであることがさらに好ましい。カルボキシメチルセルロース1%水溶液の粘度は25℃の条件下で、B型粘度計ローター回転速度60rpmで測定することができる。
バインダーとしてのカルボキシメチルセルロースのエーテル化度は0.6~1.5であることが好ましく、0.8~1.2であることがさらに好ましい。
スチレンブタジエンゴムは、水中油滴エマルションであれば、一般に電極の結着材として用いられているものを使用することができる。スチレンブタジエンゴムを使用する量については、活物質の質量を100質量部とした場合、スチレンブタジエンゴムの割合が0.5~3.0質量部が好ましく、1.0~2.0質量部がさらに好ましい。
ポリアクリル酸を使用する量については、活物質の質量を100質量部とした場合、ポリアクリル酸の割合が1~25質量部が好ましく、5~20質量部がさらに好ましい。
(5)カーボンナノチューブ樹脂組成物
本実施形態のカーボンナノチューブ樹脂組成物は、カーボンナノチューブと分散剤と溶媒とバインダーとを含むものである。
本実施形態のカーボンナノチューブ樹脂組成物を得るには、カーボンナノチューブ分散液とバインダーとを混合し、均一化することが好ましい。混合方法としては、従来公知の様々な方法を行うことができる。カーボンナノチューブ樹脂組成物は前記カーボンナノチューブ分散液で説明した分散装置を用いて作製することができる。
(6)合材スラリー
本実施形態の合材スラリーとは、カーボンナノチューブと分散剤と溶媒とバインダーと活物質とを含むものである。
<活物質>
本実施形態の活物質とは、電池反応の基となる材料のことである。活物質は起電力から正極活物質と負極活物質に分けられる。
正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
負極活物質としては、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属Li、その合金であるスズ合金、シリコン合金、鉛合金等の合金系、LiXFe23、LiXFe34、LiXWO2(xは0<x<1の数である。)、チタン酸リチウム、バナジウム酸リチウム、ケイ素酸リチウム等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ-p-フェニレン等の導電性高分子系、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素材料、気層成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素系材料が挙げられる。これら負極活物質は、1種または複数を組み合わせて使用することもできる。
本実施形態の負極活物質としては、シリコン合金やケイ素酸リチウム等のシリコンを含む負極活物質であるシリコン系負極活物質が好ましい。
シリコン系負極活物質としては、例えば、二酸化珪素を炭素で還元して作製される所謂冶金グレードシリコンや、冶金グレードシリコンを酸処理や一方向凝固などで不純物を低減した工業グレードシリコン、そしてシリコンを反応させて得られたシランから作製される高純度の単結晶、多結晶、アモルファスなど結晶状態の異なる高純度シリコンや、工業グレードシリコンをスパッタ法やEB蒸着(電子ビーム蒸着)法などで高純度にすると同時に、結晶状態や析出状態を調整したシリコンなどが挙げられる。
また、シリコンと酸素の化合物である酸化珪素や、シリコンと各種合金及びそれらの結晶状態を急冷法などで調整したシリコン化合物も挙げられる。中でも、外側がカーボン皮膜で被覆された、珪素ナノ粒子が酸化珪素中に分散した構造を有するシリコン系負極活物質が好ましい。
本実施形態の負極活物質は、シリコン系負極活物質に加えて、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末を使用することが好ましい。その中でも、人造黒鉛や天然黒鉛等の炭素質粉末を使用することが好ましい。
シリコン系負極活物質の量は、人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末100質量部とした場合、3~50質量部であることが好ましく、5~25質量部であることがより好ましい。
本実施形態の活物質のBET比表面積は0.1~10m2/gのものが好ましく、0.2~5m2/gのものがより好ましく、0.3~3m2/gのものがさらに好ましい。
本実施形態の活物質の平均粒子径は0.5~50μmの範囲内であることが好ましく、
2~20μmであることがより好ましい。本明細書でいう活物質の平均粒子径とは、活物質を電子顕微鏡で測定した粒子径の平均値である。
(7)合材スラリーの製造方法
本実施形態の合材スラリーは従来公知の様々な方法で作製することができる。例えば、カーボンナノチューブ樹脂組成物に活物質を添加して作製する方法や、カーボンナノチューブ分散液に活物質を添加した後、バインダーを添加して作製する方法が挙げられる。
本実施形態の合材スラリーを得るには、カーボンナノチューブ樹脂組成物に活物質を加えた後、分散させる処理を行うことが好ましい。かかる処理を行うために使用される分散装置は特に限定されない。合材スラリーは前記カーボンナノチューブ分散液で説明した分散装置を用いて、合材スラリーを得ることができる。
本実施形態の合材スラリー中の活物質の量は合材スラリー100質量部に対して、20~85質量部であることが好ましく、30~75質量部であることがより好ましく、40~70質量部であることがさらに好ましい。
本実施形態の合材スラリー中のカーボンナノチューブの量は活物質100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましく、0.02~5質量部であることが好ましく0.03~1質量部であることが好ましい。
本実施形態の合材スラリー中のバインダーの量は活物質100質量部に対して、0.5~30質量部であることが好ましく、1~25質量部であることがさらに好ましく、2~20質量部であることが特に好ましい。
本実施形態の合材スラリーの固形分の量は、合材スラリー100質量%に対して、30~90質量%であることが好ましく、30~80質量%であることがより好ましく、40~75質量%であることが好ましい。
(8)電極膜
本実施形態の電極膜とは、合材スラリーを膜状に形成してなるものである。例えば、集電体上に合材スラリーを塗工乾燥することで、電極合材層を形成した塗膜である。
本実施形態の電極膜に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
集電体上に合材スラリーを塗工する方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法または静電塗装法等が挙げる事ができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、塗布後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行っても良い。電極合材層の厚みは、一般的には1μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、300μm以下である。
(8)非水電解質二次電池
本実施形態の非水電解質二次電池とは正極と、負極と、電解質とを含むものである。
正極としては、集電体上に正極活物質を含む合材スラリーを塗工乾燥して電極膜を作製したものを使用することができる。
負極としては、集電体上負極活物質を含む合材スラリーを塗工乾燥して電極膜を作製したものを使用することができる。
電解質としては、イオンが移動可能な従来公知の様々なものを使用することができる。例えば、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、Li(CFSOC、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN、又はLiBPh(ただし、Phはフェニル基である)等リチウム塩を含むものが挙げられるが、これらに限定されず、ナトリウム塩やカルシウム塩を含むものも使用できる。電解質は非水系の溶媒に溶解して、電解液として使用することが好ましい。
非水系の溶媒としては、特に限定はされないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、及びγ-オクタノイックラクトン等のラクトン類;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、1,2-メトキシエタン、1,2-エトキシエタン、及び1,2-ジブトキシエタン等のグライム類;メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
本実施形態の非水電解質二次電池には、セパレーターを含むことが好ましい。セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びこれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本実施形態の非水電解質二次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例中、「カーボンナノチューブ」を「CNT」を略記することがある。なお、特に断らない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
<物性の測定方法>
後述の各実施例及び比較例において使用されたCNTの物性は以下の方法により測定した。
<CNTの平均外径>
CNTを電子天秤(sartorius社製、MSA225S100DI)を用いて、450mLのSMサンプル瓶(株式会社三商社製)に0.2gを計量し、トルエン200mLを加えて、超音波ホモジナイザー(Advanced Digital Sonifer(登録商標)、MODEL 450DA、BRANSON社製)を使用し、振幅50%で5分間氷冷下分散処理を行い、CNT分散液を調整した。その後、CNT分散液を適宜希釈し、コロジオン膜状に数μL滴下し、室温で乾燥させた後、直接透過型電子顕微鏡(H-7650、株式会社日立製作所社製)を用いて、観察した。観察は5万倍の倍率で、視野内に10本以上のCNTが含まれる写真を複数撮り、任意に抽出した300本のCNTの外径を測定し、その平均値をCNTの平均外径(nm)とした。
<CNTのBET比表面積>
CNTを電子天秤(sartorius社製、MSA225S100DI)を用いて、0.03g計量した後、110℃で15分間、脱気しながら乾燥させた。その後、全自動比表面積測定装置(MOUNTECH社製、HM-model1208)を用いて、CNTのBET比表面積(m/g)を測定した。
<CNTの繊維長>
CNTを電子天秤(sartorius社製、MSA225S100DI)を用いて、450mLのSMサンプル瓶(株式会社三商社製)に0.2gを計量し、トルエン200mLを加えて、超音波ホモジナイザー(Advanced Digital Sonifer(登録商標)、MODEL 450DA、BRANSON社製)を使用し、振幅50%で5分間氷冷下分散処理を行い、CNTの繊維長測定用サンプルを調整した。その後、CNTの繊維長測定用サンプルをマイカ基板上に数μL滴下した後、80℃のオーブンで乾燥して、CNTの繊維長測定用基板を作製した。さらにその後、CNTの繊維長測定用基板を白金スパッタリングし、SEMを用いて観察した。観察はCNTの繊維長に合わせて5000倍または2万倍の倍率で、視野内に10本以上のCNTが含まれる写真を複数撮り、任意に抽出した100本のCNTの繊維長を測定し、その平均値をCNTの平均繊維長(μm)とした。
<CNTのG/D比>
ラマン顕微鏡(XploRA、株式会社堀場製作所社製)にCNTを設置し、532nmのレーザー波長を用いて測定を行った。測定条件は取り込み時間60秒、積算回数2回、減光フィルタ10%、対物レンズの倍率20倍、コンフォーカスホール500、スリット幅100μm、測定波長は100~3000cm-1とした。測定用のCNTはスライドガラス上に分取し、スパチュラを用いて平坦化した。得られたピークの内、スペクトルで1560~1600cm-1の範囲内で最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内で最大ピーク強度をDとし、G/Dの比をCNTのG/D比とした。
<CNTの体積抵抗率>
粉体抵抗率測定装置((株)三菱化学アナリテック社製:ロレスターGP粉体抵抗率測定システムMCP-PD-51)を用い、試料質量1.2gとし、粉体用プローブユニット(四探針・リング電極、電極間隔5.0mm、電極半径1.0mm、試料半径12.5mm)により、印加電圧リミッタを90Vとして、種々加圧下の導電性粉体の体積抵抗率[Ω・cm]を測定した。1g/cmの密度におけるCNTの体積抵抗率の値について評価した。
<CNTの真密度>
乾式自動密度計(島津製作所社製、アキュピック1330)を用いて、CNTの真密度を測定した。真密度の測定は、ヘリウムガスを用い、25℃の条件下で行った。
<CNTの半価幅>
アルミ試料板(外径φ46mm、厚さ3mm、試料部φ26.5mm、厚さ2mm)の中央凹部にCNTをのせ、スライドガラスを用いて、平坦化した。その後、試料を載せた面に薬包紙をのせ、さらにアルミハイシートパッキンをのせた面に対して、1トンの荷重をかけて平坦化した。その後、薬包紙とアルミハイシートパッキンを除去して、CNTの粉末X線回折分析用サンプルを得た。その後、X線回折装置(Ultima2100、株式会社リガク社製)にCNTの粉末X線回折分析用サンプルを設置し、15°から35°まで操作し、分析を行った。サンプリングは0.02°毎に行い、スキャンスピードは2°/min.とした。電圧は40kV、電流は40mA、X線源はCuKα線とした。この時得られる回折角2θ=25°±2°に出現するプロットをそれぞれ11点単純移動平均し、そのピークの半価幅をCNTの半価幅とした。ベースラインは2θ=16°および2θ=34°のプロットを結んだ線とした。
<CNTの炭素純度>
CNTをマイクロ波試料前処理装置(マイルストーンゼネラル社製、ETHOS1)を使用し、酸分解し、CNTに含まれる金属を抽出した。その後、マルチ型ICP発光分光分析装置(Agilent社製、720-ES)を用いて分析を行い、抽出液に含まれる金属量を算出した。CNTの炭素純度は次のようにして計算した。
(式1)炭素純度(%)=((CNT質量-CNT中の金属質量)÷CNT質量)×100%
<CNTの嵩密度および安息角>
嵩密度測定装置(筒井理化学器械社製、JISカサ比重測定器)を用いて、JIS-K-5101にてCNTの嵩密度を測定した。まず、受器の質量を計量し、その後嵩密度測定装置を水平にして漏斗台に漏斗を取り付け、漏斗上にふるいを載せ、受器を受器台に重ねた。その後、薬さじを用いてCNTをふるい上に載せ、CNTをはけでふるいの全面に均等に軽くはき、ふるいを通った試料を受器に受けた。この作業をCNTが受器に山盛りとなるまで、繰り返し行った。山盛りになった際の円錐状に堆積した粉体と水平面とのなす角を、分度器を用いて計測し、CNTの安息角とした。さらにその後、ヘラを用いて山の部分を削り取り、試料の入った受器を計量した。CNTの嵩密度は、CNTの入った受器質量から受器質量を引いた後、受器容量で除して算出した。
<CNT分散液のpH測定>
CNT分散液を25℃の恒温槽に1時間以上静置した後、CNT分散液を十分に撹拌してから、pH計(株式会社堀場製作所社製、pH METER F-52)を用いて測定した。
<CNT分散液の粘度>
CNT分散液を25℃の恒温槽に1時間以上静置した後、CNT分散液を十分に撹拌してから、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて直ちに行った。測定に使用したローターは、粘度値が100mPa・s未満の場合はNo.1を、100以上500mPa・s未満の場合はNo.2を、500以上2000mPa・s未満の場合はNo.3を、2000以上10000mPa・s未満の場合はNo.4のものをそれぞれ用いた。
<CNT分散液中のCNT繊維長> 後述の実施例および比較例で作製したCNT分散液をCNT濃度が0.01質量%となるようにCNT分散液を作製する際に使用した溶媒で希釈し、マイカ基板上に数μL滴下した後、120℃の電気オーブン中で乾燥して、CNT繊維長観察用の基板を作製した。その後、CNT繊維長観察用の作製した基盤表面を白金でスパッタリングした。さらにその後、SEMを用いて、観察した。観察はCNTの繊維長に合わせて5000倍または2万倍の倍率で、視野内に10本以上のCNTが含まれる写真を複数撮り、任意に抽出した100本のCNTの繊維長を測定し、その平均値をCNTの平均繊維長(μm)とした。
<負極用の電極膜の体積抵抗率>
負極用合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の単位当たりの目付量が8mg/cmとなるように銅箔上に塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間、塗膜を乾燥させた。その後、(株)三菱化学アナリテック社製:ロレスターGP、MCP-T610を用いて乾燥後の塗膜の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定後、銅箔上に形成した電極合材層の厚みを掛けて、負極用の電極膜の体積抵抗率(Ω・cm)とした。電極合材層の厚みは、膜厚計(NIKON社製、DIGIMICRO MH-15M)を用いて、電極膜中の3点を測定した平均値から、銅箔の膜厚を引き算し、電極膜の体積抵抗率(Ω・cm)とした。
<負極用の電極膜の剥離強度>
負極用合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の単位当たりの目付量が8mg/cmとなるように銅箔上に塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間、塗膜を乾燥させた。その後、塗工方向を長軸として90mm×20mmの長方形に2本カットした。剥離強度の測定には卓上型引張試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフE3)を用い、180度剥離試験法により評価した。具体的には、100mm×30mmサイズの両面テープ(No.5000NS、ニトムズ(株)製)をステンレス板上に貼り付け、作製した電池電極合材層を両面テープのもう一方の面に密着させ、一定速度(50mm/分)で下方から上方に引っ張りながら剥がし、このときの応力の平均値を剥離強度とした。
<標準正極の作製>
後述の実施例および比較例で使用した標準正極は以下の方法により作製した。
まず、正極活物質(BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社製、HED(登録商標)NCM-111 1100)93質量部、アセチレンブラック(デンカ株式会社製、デンカブラック(登録商標)HS100)4質量部、PVDF(株式会社クレハ・バッテリー・マテイラルズ・ジャパン社製、クレハKFポリマー W#1300)3質量部を容量150cmのプラスチック容器に加えた後、ヘラを用いて粉末が均一になるまで混合した。その後、NMPを20.5質量部添加し、自転・公転ミキサー(シンキー社製あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。その後、プラスチック容器内の混合物をヘラを用いて、均一になるまで混合し、前記自転・公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらにその後、NMPを14.6質量部添加し、前記自転・公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。最後に、高速攪拌機を用いて、3000rpmで10分間撹拌し、正極用合材スラリーを得た。その後、正極用合材スラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にアプリケーターを用いて塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間乾燥して電極の単位面積当たりの目付量が20mg/cmとなるように調整した。さらにロールプレス(株式会社サンクメタル社製、3t油圧式ロールプレス)による圧延処理を行い、合材層の密度が3.1g/cmとなる標準正極を作製した。
<リチウムイオン二次電池のレート特性評価>
ラミネート型リチウムイオン二次電池を25℃の恒温室内に設置し、充放電装置(北斗電工社製、SM-8)を用いて充放電測定を行った。充電電流11mA(0.2C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流1.1mA(0.02C))を行った後、放電電流11mA(0.2C)にて、放電終止電圧2.5Vで定電流放電を行った。この操作を3回繰り返した後、充電電流11mA(0.2C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流(1.1mA0.02C))を行い、放電電流0.2Cおよび3Cで放電終止電圧2.5Vに達するまで定電流放電を行って、それぞれ放電容量を求めた。レート特性は0.2C放電容量と3C放電容量の比、以下の式2で表すことができる。
(式2) レート特性 = 3C放電容量/3回目の0.2C放電容量 ×100 (%)
<リチウムイオン二次電池のサイクル特性評価>
ラミネート型リチウムイオン二次電池を25℃の恒温室内に設置し、充放電装置(北斗電工社製、SM-8)を用いて充放電測定を行った。充電電流55mA(1C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流1.38mA(0.025C))を行った後、放電電流55mA(1C)にて、放電終止電圧2.5Vで定電流放電を行った。この操作を200回繰り返した。1Cは正極の理論容量を1時間で放電する電流値とした。サイクル特性は25℃における3回目の1C放電容量と200回目の1C放電容量の比、以下の式3で表すことができる。
(式3)サイクル特性 = 3回目の1C放電容量/200回目の1C放電容量×100(%)
<CNT合成用触媒の製造例>
後述の各実施例及び比較例において使用されたCNT合成用触媒は以下の方法により作製した。
<CNT合成用触媒(A)>
酢酸マグネシウム4水和物1000質量部を耐熱性容器に秤取り、電気オーブンを用いて、170±5℃の雰囲気温度で6時間乾燥させた後、粉砕機(サンプルミルKIIW-I型、株式会社ダルトン社製)を用いて、1mmのスクリーンを装着し、粉砕し、酢酸マグネシウム乾燥粉砕品を得た。酢酸マグネシウム乾燥粉砕品45.8部、モリブデン酸アンモニウム4水和物7部、酸化珪素(SiO、日本アエロジル社製:AEROSIL(登録商標)200)1.0部、スチールビーズ(ビーズ径2.0mmφ)200部をSMサンプル瓶(株式会社三商製)に仕込み、レッドデビル社製ペイントコンディショナーを用いて、30分間粉砕混合処理を行った。その後、ステンレスふるいを使用し、粉砕混合した粉末とスチールビーズ(ビーズ径2.0mmφ)を分離し、CNT合成用触媒担持体を得た。その後、水酸化コバルト(II)30質量部を耐熱性容器に秤取り、170±5℃の雰囲気温度で2時間乾燥させ、CoHOを含むコバルト組成物を得た。さらにその後、CNT合成用触媒担持体54.9質量部とコバルト組成物29質量部を粉砕機(ワンダークラッシャーWC-3、大阪ケミカル株式会社製)に仕込み、標準フタを装着し、SPEEDダイヤルを2に調節し、30秒間粉砕混合し、CNT合成用触媒前駆体を得た。CNT合成用触媒前駆体を耐熱性容器に移し替え、マッフル炉(FO510、ヤマト科学株式会社製)を使用し、空気雰囲気、450±5℃の条件で30分間焼成した後、乳鉢で粉砕してCNT合成用触媒(A)を得た。
<CNT合成用触媒(B)>
モリブデン酸アンモニウム4水和物の添加量を7部から11.2部に変更した以外はCNT合成用触媒(A)と同様の方法にて、CNT合成用触媒(B)を得た。
<CNT合成用触媒(C)>
モリブデン酸アンモニウム4水和物の添加量を7部から16.8部に変更した以外はCNT合成用触媒(A)と同様の方法にて、CNT合成用触媒(C)を得た。
<CNT合成用触媒(D)>
モリブデン酸アンモニウム4水和物の添加量を7部から0部に変更した以外はCNT合成用触媒(A)と同様の方法にて、CNT合成用触媒(D)を得た。
<CNT合成用触媒(E)>
水酸化コバルト60部の代わりに酢酸コバルト4水和物160部を使用した以外はCNT合成用触媒(A)と同様の方法にて、CNT合成用触媒(E)を得た。
(実施例1)CNT(A1)の合成
加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10Lの横型反応管の中央部に、前記CNT合成用触媒(A)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。窒素ガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気を窒素ガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心温度が680℃になるまで加熱した。680℃に到達した後、炭素源としてエチレンガスを毎分2Lの流速で反応管内に導入し、1時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスを窒素ガスで置換し、反応管内のガスを窒素ガスで置換し、反応管の温度を100℃以下になるまで冷却し取り出すことで、CNT組成物を得た。
その後、CNT組成物10gをカーボン製の耐熱性容器に計量し、CNT組成物が入ったカーボン製の耐熱性容器を炉内に設置した。さらにその後、炉内を1Torr(133Pa)以下に真空排気し、更にカーボン製ヒーターに通電を行い、炉の内部を1000℃まで昇温させた。次に、アルゴンガスを炉内に導入して、炉内の圧力が70Torr(9.33kPa)となるように調整し、その後毎分1Lのアルゴンガスを炉内に導入した。その後、アルゴンガスに加えて塩素ガスを導入し、炉内の圧力が90Torr(11.99kPa)となるように調整し、当該圧力となった後は毎分0.3Lの塩素ガスを炉内に導入した。そのままの状態で、1時間保持した後に通電を停止し、さらにアルゴンガスと塩素ガスとの導入を停止して、真空冷却した。最後に1Torr(133Pa)以下の圧力で真空冷却を12時間行った後、炉内が室温まで冷却されていることを確認したうえで大気圧になるまで窒素ガスを炉内に導入し、耐熱性容器を取り出し、CNT(A1)を得た。
(実施例2~5)CNT(B1)~(E1)
CNT合成用触媒(A)をCNT合成用触媒(B)~(E)に変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT(B1)~(E1)を得た。
(実施例6)CNT(C2)
塩素ガスを炉内に導入する前の炉内温度を1000℃から1500℃に変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT(C2)を得た。
(実施例7)CNT(C3)
塩素ガスを炉内に導入する前の炉内温度を1000℃から1800℃に変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT(C3)を得た。
(実施例8)CNT(C4)
CNT合成用触媒(A)をCNT合成用触媒(C)に変更し、接触反応時間を1時間から2時間に変更させた以外は実施例1と同様の方法により、CNT(C4)を得た。
(実施例9)CNT(C5)
CNT合成用触媒(A)をCNT合成用触媒(C)に変更し、接触反応時間を1時間から3時間に変更させた以外は実施例1と同様の方法により、CNT(C5)を得た。
(実施例10)CNT(D2)の合成
加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10Lの横型反応管の中央部に、前記CNT合成用触媒(D)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。窒素ガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気を窒素ガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心温度が680℃になるまで加熱した。680℃に到達した後、炭素源としてエチレンガスを毎分2Lの流速で反応管内に導入し、1時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスを窒素ガスで置換し、反応管内のガスを窒素ガスで置換し、反応管の温度を100℃以下になるまで冷却し取り出すことで、CNT(D2)を得た。
(比較例1)CNT(A2)の合成
実施例1で得られたCNT組成物10gをカーボン製の耐熱性容器に計量し、CNT組成物が入った耐熱性容器を炉内に設置した。その後、炉内に窒素ガスを導入して、陽圧を保持しながら、炉内中の空気を排出した。炉内の酸素濃度が0.1%以下になった後、炉内を2900℃まで30時間かけて昇温した後、2900℃を3時間保持した。その後、炉内の加熱を停止し、試料を冷却して、CNT(A2)を得た。
(比較例2~5)CNT(F)~(I)
カーボンナノチューブ(VGCF-H、昭和電工社製)をCNT(F)、多層カーボンナノチューブ(NC7000、ナノシル社製)をCNT(G)、単層カーボンナノチューブ(TUBALL、OCSiAl社製)をCNT(H)、多層カーボンナノチューブ(Flotube9000、Cnano社製)をCNT(I)とした。
(比較例6)CNT(J)
特許第6380588号公報の段落[0121]記載の方法により、CNT合成用触媒を作製し、段落[0124]記載の方法により、CNT(J)を得た。
表1にCNT(A1)~(J)の評価結果を示す。CNT(H)はふるい通しできなかったため、嵩密度および安息角は測定不可であった。
Figure 0007358967000001
表2に実施例および比較例で使用した分散剤を示す。
Figure 0007358967000002
(実施例11)
ステンレス容器にイオン交換水98.45部、分散剤(A)0.5部、消泡剤(日信化学工業株式会社製 サーフィノール104E)0.05部を加えて、ディスパーで均一になるまで撹拌した。その後、ディスパーで撹拌しながら、CNT(A1)1部を加えてさらにディスパーで均一になるまで撹拌した。さらにその後、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト10)により分散処理を行った。分散処理はシングルノズルチャンバーを使用し、ノズル径0.17mm、圧力100MPaにて、5パス処理を行い、CNT分散液(A1a)を得た。
(実施例12~26)、(比較例7~12)
表3に掲載したCNT種類、CNT添加量、分散剤種類、分散剤添加量、消泡剤添加量、イオン交換水添加量、パス回数に変更した以外は実施例11と同様の方法により、CNT分散液(B1a)~(Ja)を得た。CNT分散液(Ha)は高圧ホモジナイザーでの分散時にノズルが閉塞し、分散処理を行うことができなかった。
Figure 0007358967000003
表4に実施例11~26および比較例7~12で作製したCNT分散液の評価結果を示す。CNT分散液の粘度評価は、500mPa・s未満のものを+++(優良)、500以上2000mPa・s未満のものを++(良)、2000以上10000mPa・s未満のものを+(可)、10000mPa・s以上、沈降または分離を-(不良)とした。CNT分散液中のCNT繊維長の評価は、1.5μm以上のものを+++(優良)、1.2μm以上1.5μm未満のものを++(良)、0.8μm以上1.2μm未満のものを+(可)、0.8μm未満のものを-(不可)とした。
Figure 0007358967000004
(実施例27)
容量150cmのプラスチック容器にCNT分散液(A1a)7.5質量部、CMC(ダイセルファインケム株式会社製、#1190)を2質量%溶解した水溶液を12.5質量部、イオン交換水4.9質量部計量した。その後、自転・公転ミキサー(シンキー社製あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで30秒間撹拌し、CNT樹脂組成物(A1a)を得た。その後、一酸化珪素(株式会社大阪チタニウムテクノロジー社製、SILICON MONOOXIDE、SiO 1.3C 5μm)を2.4質量部添加し、自転・公転ミキサー(シンキー社製あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらに、人造黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、CGB-20)を21.9質量部添加し、自転・公転ミキサー(シンキー社製あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらにその後、スチレンブタジエンエマルション(JSR株式会社製、TRD2001)0.78質量部を加えて、自転・公転ミキサー(シンキー社製あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで30秒間撹拌し、負極用合材スラリー(A1a)を得た。
(実施例28~42)、(比較例13~17)
表5に掲載したCNT分散液に変更し、合材スラリー100質量部中のCNTが0.3質量部となるようにCNT分散液の添加量を調節した以外は実施例27と同様の方法により、負極用合材スラリー(B1a)~(Ja)を得た。
Figure 0007358967000005
(実施例43)
負極用合材スラリー(A1a)を、アプリケーターを用いて、電極の単位当たりの目付量が8mg/cmとなるように銅箔上に塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間、塗膜を乾燥させ電極膜(A1a)を得た。
(実施例44~58)、(比較例18~22)
表6に掲載した負極用合材スラリーに変更した以外は実施例43と同様の方法により、電極膜(B1a)~(Ja)を得た。
Figure 0007358967000006
表7に実施例43~58、比較例18~22で作製した合材スラリーの評価結果を示す。導電性評価は電極膜の体積抵抗率(Ω・cm)が0.15未満を+++(優良)、0.15以上0.2未満を++(良)、0.2以上0.3未満を+(可)、0.3以上を-(不可)とした。密着性評価は剥離強度(N/cm)が0.5以上を+++(優良)、0.4以上0.5未満を++(良)、0.3以上0.4未満を+(可)、0.3未満を-(不可)とした。
Figure 0007358967000007
(実施例59)
電極膜(A1a)をロールプレス(株式会社サンクメタル社製、3t油圧式ロールプレス)による圧延処理を行い、合材層の密度が1.6g/cmとなる負極を作製した。
(実施例60~74)、(比較例23~27)
表8に掲載した電極膜に変更した以外は実施例59と同様の方法にて、負極を作製した。
Figure 0007358967000008
(実施例75)
負極(A1a)と標準正極を各々50mm×45mm、45mm×40mm、に打ち抜き、その間に挿入されるセパレーター(多孔質ポリプロプレンフィルム)とをアルミ製ラミネート袋に挿入し、電気オーブン中、60℃で1時間乾燥した。その後、アルゴンガスで満たされたグローブボックス内で、電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートを3:5:2(体積比)の割合で混合した混合溶媒を作製し、さらに添加剤として、VC(ビニレンカーボネート)とFEC(フルオロエチレンカーボネート)を混合溶媒100質量部に対してそれぞれ1質量部加えた後、LiPFを1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を2mL注入した後、アルミ製ラミネートを封口してラミネート型リチウムイオン二次電池(A1a)を作製した。
(実施例76~実施例90)、(比較例28~32)
表9に掲載された負極に変更した以外は同様の方法により、ラミネート型リチウムイオン二次電池(B1a)~(Ja)を作製した。
Figure 0007358967000009
表10に実施例75~90、比較例28~32で作製したラミネート型リチウムイオン二次電池の評価結果を示す。レート特性は、レート特性が80%以上のものを+++(優良)、70%以上80%未満のものを++(良)、60%以上70%未満のものを+(可)、60%未満のものを-(不可)とした。サイクル特性は、サイクル特性が90%以上を+++(優良)、85%以上90%未満を++(良)、80%以上85%未満を+(可)、80%未満を-(不可)とした。
Figure 0007358967000010

上記実施例では、外径が5~25nmであり、BET比表面積が150~400m/gであり、CNTの繊維長が0.5~5.0μmであり、G/D比が0.8~2.0であり、体積抵抗率が1.0×10-2~1.5×10-2Ω・cmであり、真密度が1.7~2.1g/ccのカーボンナノチューブを用いた。実施例では、比較例に比べてレート特性およびサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られた。よって、本発明により、従来のカーボンナノチューブでは実現しがたい高容量、高出力かつ高耐久性を有するリチウムイオン二次電池を提供できることが明らかとなった。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

Claims (13)

  1. 下記(1)~(7)を満たすことを特徴とするカーボンナノチューブ。
    (1)平均外径が、5~25nmであること
    (2)BET比表面積が、150~400m/gであること
    (3)繊維長が、0.5~5.0μmであること
    (4)ラマンスペクトルにおいて1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際にG/D比が、0.7~2.0であること
    (5)体積抵抗率が1.0×10-21.4×10-2Ω・cmであること
    (6)真密度が、1.7~2.1g/ccであること
    (7)安息角が、40~70°であること
  2. 半価幅が、2~6°であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ。
  3. 炭素純度が、95%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のカーボンナノチューブ。
  4. 嵩密度が、0.005~0.1g/ccであることを特徴とする請求項1~3いずれか記載のカーボンナノチューブ。
  5. 請求項1~4いずれか記載のカーボンナノチューブと、溶媒と、分散剤とを含むカーボンナノチューブ分散液。
  6. 分散剤が、カーボンナノチューブ100質量部に対して、20~100質量部含まれることを特徴とする請求項5記載のカーボンナノチューブ分散液。
  7. カーボンナノチューブ分散液100質量部中に0.5質量部以上3.0質量部以下のカーボンナノチューブを含む分散液であって、25℃におけるB型粘度計のローター回転速度60rpmで測定した粘度が、10mPa・s以上2000mPa・s未満であることを特徴とする請求項5または6記載のカーボンナノチューブ分散液。
  8. 溶媒が、水を含むことを特徴とする請求項5~7いずれか記載のカーボンナノチューブ分散液。
  9. 請求項5~8いずれか記載のカーボンナノチューブ分散液と、バインダーとを含むことを特徴とするカーボンナノチューブ樹脂組成物。
  10. バインダーが、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタエンゴムおよびポリアクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項9記載のカーボンナノチューブ樹脂組成物。
  11. 請求項10記載のカーボンナノチューブ樹脂組成物と活物質とを含むことを特徴とする合材スラリー。
  12. 請求項11記載の合材スラリーを膜状に形成してなる電極膜。
  13. 正極と、負極と、電解質とを具備してなる非水電解質二次電池であって、正極または負極の少なくとも一方が、請求項12記載の電極膜を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
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