JP5648090B1 - 浸炭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】煤の発生を抑制し、一酸化炭素を高濃度に含む浸炭用ガスを用いて、高温迅速浸炭処理が可能な浸炭方法を提供する。【解決手段】燃焼室10に炭化水素ガスと酸素ガスとを旋回流を形成させながら導入し、燃焼室10内において、炭化水素と酸素とを旋回流火炎として燃焼させて、一酸化炭素と水素とを含む混合ガスを生成し、当該混合ガスを浸炭用雰囲気ガスとして浸炭炉3に導入し、浸炭処理をすることを特徴とする浸炭方法を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、浸炭方法に関するものである。
一般的なガス浸炭処理(単に、浸炭処理ともいう)においては、浸炭炉内で被処理材を加熱しつつ、その浸炭炉の内部に一酸化炭素及び水素を含む浸炭用雰囲気ガス(単に、浸炭用ガス、変成ガスともいう)を導入する。浸炭用雰囲気ガスを生成する方法としては、LNGやLPG等のパラフィン系炭化水素ガスと空気とを混合した後、この混合した原料ガスを高温に保持されたニッケル触媒層を有する変成炉に導入し、空気中の酸素と炭化水素とを触媒反応(変成反応)させて一酸化炭素と水素とを含む浸炭用ガスを得る空気混合法が、従来から広く用いられている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、酸素源として用いる空気には、約78%(体積%、以下同じ)の窒素が含まれているため、生成する浸炭用ガス中の一酸化炭素および水素の濃度は、所定の濃度以上にはならないという課題があった。具体的には、例えば、炭素源としてメタンガスを用いた場合には、一酸化炭素濃度は20%が限界であり、ブタンガスを用いた場合には、23.5%が限界である。
ところで、浸炭処理においては、浸炭用ガス中の一酸化炭素濃度が低いと浸炭炉内で安定した浸炭雰囲気となりにくいことが知られている。特に、高温迅速浸炭処理では、高温でのガス平衡により、この傾向が顕著となる。このため、一酸化炭素濃度が高い浸炭用ガスが求められている。
また、浸炭用ガス中の一酸化炭素濃度を高くすることで、その他の効果も得られる。例えば、被処理材として孔を有する部品の浸炭処理をする場合には、孔の奥にまで十分に且つ均一に浸炭することが可能となるというメリットがある。さらに、細かな部品を積み重ねてベルトで搬送しながら浸炭処理をする場合には、ベルト上に積み重ねる部品の厚みを増すことが可能となるというメリットがある。
ところで、浸炭用ガス中の一酸化炭素濃度を高める方法としては、炭化水素ガスに混合する空気に代えて、二酸化炭素ガスを用いた変成反応により生成する方法が知られている。理論的には、例えば、メタンと二酸化炭素とのモル比を1:1として変成反応を行う場合、2モルの一酸化炭素と2モルの水素とが生成し、両者の濃度はそれぞれ50%になる。さらに、炭化水素としてブタンを用いた場合は、4モルの二酸化炭素との反応で8モルの一酸化炭素と5モルの水素とが生成する。
また、浸炭用ガスを生成する際に、酸素源に空気を使用しない例としては、特許文献2が知られている。この特許文献2には、炭化水素系ガスと水蒸気とを混合したものに酸素系ガスを加えて原料ガスとし、電気炉内で浸炭用雰囲気ガスを生成する方法が開示されている。
特開2004−332080号公報 特開2008−290905号公報
しかしながら、浸炭用ガスを生成する際、酸素源として空気ではなく二酸化炭素ガスを用いて高濃度の一酸化炭素を生成しようとすると、浸炭炉内で煤が発生するという大きな問題があった。
例えば、酸素源として二酸化炭素ガスを用い、電気炉内で加熱したニッケル触媒により浸炭用ガスを生成する場合、炭化水素と二酸化炭素の変成反応が吸熱反応であることから、ヒーターからの熱の供給が不足し、ニッケル触媒層の一部に温度低下が生じると、その部分において変成反応が十分に進まずに煤が発生する。このように、浸炭用雰囲気ガス生成装置内で煤が大量に発生すると、ニッケル触媒層が詰まって装置の運転を継続できなくなってしまうという問題があった。
また、酸素源として酸素ガスを用いる場合、変成反応が発熱反応であることから、ニッケル触媒層における温度低下の問題は解消する。しかしながら、炭化水素と酸素との原料混合ガスが爆発限界を超えた混合比となってしまうため、酸素源として酸素ガスのみを使用する方法は、安全性の点で大きな課題があった。
したがって、酸素系の原料ガスとして空気に代えて二酸化炭素ガスや酸素ガスを使用する事で、一酸化炭素を高濃度に含む浸炭用ガスが得られるとしても、実際の装置では安全性や安定性を配慮する必要がある。具体的には、例えば、特許文献2に記載されているように、原料ガスとして予め炭化水素ガスに水蒸気を混合する方法や、空気を使用する空気添加方法を採用しているのが実状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、煤の発生を抑制し、一酸化炭素を高濃度に含む浸炭用ガスを用いて、高温迅速浸炭処理が可能な浸炭方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下の構成を備える。
請求項1に係る発明は、燃焼室に炭化水素ガスと酸素ガスとを旋回流を形成させながら導入し、前記燃焼室内において、炭化水素と酸素とを旋回流火炎として燃焼させて、一酸化炭素と水素とを含む混合ガスを生成し、
前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを、液体中に送り込むことにより当該混合ガスを洗浄し、
洗浄した前記混合ガス中に含まれる前記液体成分を除去し、
前記混合ガスを浸炭用雰囲気ガスとして浸炭炉に導入し、浸炭処理をすることを特徴とする浸炭方法である。
請求項2に係る発明は、前記浸炭炉内の温度を750℃〜970℃とすることを特徴とする請求項1に記載の浸炭方法である。
請求項3に係る発明は、前記浸炭炉から排出される排ガスを完全燃焼させることを特徴とする請求項1又は2に記載の浸炭方法である。
請求項4に係る発明は、前記旋回流が、前記燃焼室の内周壁の接線方向から当該燃焼室内に向かって前記炭化水素ガスと前記酸素ガスとを噴出させることによって形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の浸炭方法である。
請求項5に係る発明は、前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを、炭化水素を分解することが可能な触媒と接触させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の浸炭方法である。
請求項6に係る発明は、前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを、50℃以下の温度まで1000℃/sec以上で急冷することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の浸炭方法である。
請求項7に係る発明は、前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを除湿して、露点を0℃以下とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の浸炭方法である。
請求項8に係る発明は、前記燃焼室から取り出した前記混合ガスに、炭化水素ガスを添加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の浸炭方法である。
本発明の浸炭方法によれば、煤の発生を抑制しつつ、一酸化炭素を高濃度に含む浸炭用ガスを安全且つ安定して供給することができるため、高温迅速浸炭処理が可能となる。
本発明を適用した一実施形態である浸炭方法に用いる浸炭装置の一例を示す系統図である。 本発明を適用した一実施形態である浸炭方法に適用可能な浸炭用雰囲気ガスの生成装置本体の一例を示す断面図である。 図2中に示すA−A線に沿った浸炭用雰囲気ガスの生成装置本体の断面図である。 本発明を適用した一実施形態である浸炭方法に適用可能な浸炭用雰囲気ガスの生成装置本体に設けられた噴出孔の開口部の形状の例を示す断面図であり、(A)はマルチホール形状、(B)はスリット形状の図である。 原料ガス中の酸素濃度比と、生成ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示す図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である浸炭方法について、これに用いる浸炭用雰囲気ガスの生成装置及び浸炭装置とあわせて、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
先ず、本実施形態の浸炭方法に用いることが可能な浸炭装置の構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭装置1は、浸炭用雰囲気ガス生成装置(浸炭用雰囲気ガスの生成装置)2と浸炭炉3とを備えて概略構成されている。この浸炭装置1は、浸炭用雰囲気ガス生成装置2によって生成した浸炭用ガスを浸炭炉3に導入して、浸炭炉3内の被処理材(図示略)を浸炭処理するものである。
浸炭処理の対象となる被処理材としては、特に限定されるものではなく、各種の金属材料(鋼材)に対して適用することができる。特に、鉄系の金属材料が好ましく、特に好ましいのは、クロムモリブデン鋼などの合金鋼である。浸炭装置1を用いて被処理材を浸炭処理することにより、母材に炭素が固溶することで、その後の焼入処理により、少なくともその表層部に、母材より硬度の高い炭素固溶硬化層を形成することができる。
浸炭用雰囲気ガス生成装置2は、炭化水素ガスと支燃性ガスである酸素ガスとの燃焼反応によって、浸炭処理に用いる混合ガスである一酸化炭素と水素とを含む浸炭用雰囲気ガスを生成する装置である。この浸炭用雰囲気ガス生成装置2は、図1に示すように、浸炭用雰囲気ガスの生成装置本体4と、この生成装置本体4に接続される炭化水素ガス供給路(炭化水素ガスの供給路)L1、酸素ガス供給路(酸素ガスの供給路)L2及び混合ガス導出路(混合ガスの導出路)L3と、混合ガス導出路L3に設けられる熱交換器(冷却手段)5、バブラー(炭素除去手段)6及び除湿器(水分除去手段)7と、を備えている。
生成装置本体4は、図2に示すように、上側部材(第1の部材)8と下側部材(第2の部材)9とを備え、それぞれのフランジ部8A,9Aによって互いに固定されて概略構成されている。
上側部材8は、筒状の本体部8Bを有している。この本体部8Bには、燃焼室10となる筒状の内部空間(第1の内部空間)10と、燃焼室10内に向けて原料ガスを導入するための2以上の噴出孔11とが設けられている。また、本体部8Bには、それぞれの噴出孔11と連通するように、2以上の原料ガス供給管12が設けられている。
本体部8Bの内部空間、すなわち、燃焼室10は、図2に示すように、一端10aが開放され、他端10bが閉塞された筒状(好ましくは円筒状)の空間である。また、燃焼室10の内周壁10cには、噴出孔11のそれぞれの開口部11aが設けられている。
噴出孔11は、図3に示すように、燃焼室10の筒状の内周壁10cに開口部11a,11bを有している。また、各噴出孔11は、内周壁10cの接線方向から燃焼室10内に向けて原料ガス(炭化水素ガス又は酸素ガス)を噴出(導入)できるように内周壁10cの接線方向に沿った空間として形成されている。
ここで、図3に示すように、燃焼室10の内周壁10cには、この燃焼室10内に原料ガス成分の一つである炭化水素ガスを供給するための炭化水素ガス噴出孔11Aと、燃焼室10内に原料ガス成分の一つである酸素ガスを供給するための酸素ガス噴出孔11Bとが交互に接続されている。また、炭化水素ガス噴出孔11Aには炭化水素ガス供給管12Aが、酸素ガス噴出孔11Bには酸素ガス供給管12Bが、それぞれ接続されている。
炭化水素ガス噴出孔11A及び酸素ガス噴出孔11Bの数量は、それぞれ1以上有していれば、特に限定されるものではない。また、炭化水素ガス噴出孔11A及び酸素ガス噴出孔11Bの数量は、同数とすることが好ましい。
ここで、炭化水素ガス噴出孔11A及び酸素ガス噴出孔11Bの数がそれぞれ1つである場合には、炭化水素ガス噴出孔11A及び酸素ガス噴出孔11Bのそれぞれの開口部11aと開口部11bとが燃焼室10の内周壁10cにおいて互いに対向するように配置する。
一方、炭化水素ガス噴出孔11A及び酸素ガス噴出孔11Bの数がそれぞれ2以上かつ同数である場合には、燃焼室10の内周壁10cの周方向においてそれぞれの開口部11aと開口部11bとを交互に配置するとともに、隣接する開口部11aと開口部11bとの間隔がいずれも等間隔となるように配置する(図3を参照)。
なお、原料ガスとして、炭化水素ガスと酸素ガスとを分けずに、これらを予め混合したガス(予混合ガス)を、全ての原料ガス供給管12及び噴出孔11から燃焼室10に供給する場合には、隣接する開口部11aの間隔が、燃焼室10の内周壁10cの周方向においていずれも等間隔となるように配置する。
また、噴出孔11の鉛直方向の断面形状は、図2に示すように、開口部11aが筒状の燃焼室10に対して、その軸方向に有効な開口長Lが確保される形状であれば、特に限定されるものではない。噴出孔11の鉛直方向の断面形状は、具体的には、図2に示すように矩形であってもよいし、原料ガス供給管12が接続されている側から開口部11aに向かって漸次拡径された形状であってもよい。
また、図2及び図3に示すように、開口部11a,11bの形状は、内周壁10cに有効な開口面積を確保できていれば、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、開口部11a,11bは、図4(A)に示すように複数の開口を軸線方向に並べたマルチホールによって形成してもよいし、図4(B)に示すように一つのスリット状に形成してもよい。なお、開口部11a,11bをスリット状に形成する場合、開口スリットの長辺を燃焼室の中心軸方向と平行となるように形成することが好ましい。
このような構造とすることにより、内周壁10cに設けられた開口部11aから炭化水素ガスを、開口部11bから酸素ガスを、それぞれ、上記内周壁10cの接線方向から燃焼室10内に導入することができる。そして、この燃焼室10内において、炭化水素と酸素とを旋回流を形成しながら燃焼させることで、燃焼室10内に旋回流火炎を形成することができる。
ところで、上述したように燃焼室10内に、原料ガスが旋回流として導入され、旋回流火炎となるので、燃焼室10の内周壁10cの表面が火炎によって直接的に加熱されることは無い。しかし、酸素ガスを使用する事や、製作性を考慮すると、燃焼室10(すなわち、上側部材8)は、SUS等の金属製であることが望ましい。また、上側部材8(燃焼室10)には、安全性を考慮して熱伝導度の大きいCu材等を主材料とした、水冷構造を採用しても良い。ただし、生成したガスの組成に影響するため、燃焼室10内を極端に冷却しないようにすることを要する。
また、上側部材8の筒状の本体部8Bは、図2に示すように、下側部材9と接続するために、少なくとも燃焼室10の一端10a側が拡径されていることが好ましい。
下側部材9は、図2に示すように、上側部材8と隣接して設けられている。具体的には、生成装置本体4を図1及び図2に示すように配設する場合には、下側部材9は、上側部材8の鉛直方向下側に設けられている。換言すると、下側部材9は、上側部材8に対して、ガスの流れ方向の二次側(下流側)に設けられている。
下側部材9は、図2に示すように、上側部材8と結合するためのフランジ部9Aと筒状の本体部9Bとを有している。この本体部9Bには、燃焼室10よりも容積の大きな、筒状の内部空間(第2の内部空間)13が設けられている。
本体部9Bの内部空間13は、一端13a側(すなわち、フランジ部9Aが形成されている側)が、燃焼室10の一端10aよりも大きく開放されている。一方、内部空間13の他端13b側には、排出口9aが設けられている。
ここで、内部空間13は、上側部材8と下側部材9とがそれぞれのフランジ部8A,9Aによって固定されることにより、開放された一端13a側が上側部材8の底面8aによって閉塞される。換言すると、上側部材8の燃焼室(内部空間)10と下側部材9の内部空間13とは、上側部材8の底面8aによって互いの空間に区分けされるとともに、底面8aに設けられた燃焼室10の一端10a側の開口によって、互いに連通した空間となる。
また、内部空間13には、触媒層14が設けられている。この触媒層14は、燃焼室10で生成した混合ガス中に未燃の炭化水素が残っていた場合、その炭化水素を反応させるために設けられており、燃焼室10と当該触媒層14との間に所要の空間(滞留室15)を確保するように、内部空間13内の排出口9a側に設けられている。
触媒層14を構成する触媒としては、炭化水素を一酸化炭素(CO)と水素(H)とにすることが可能な触媒であれば、特に限定されるものではない。このような触媒としては、具体的には、例えば、ニッケル触媒を用いることが好ましい。なお、触媒の選定にあたっては、生成するガス温度によって触媒機能が損なわれないようなものを選定することを要する。
なお、本実施形態は、触媒層14が下側部材9の内部空間13内(すなわち、生成装置本体4内)に設けられた例を示すものであるが、これに限定されるものではない。触媒層14は、生成装置本体4と別体として、燃焼室10の後段に設けられていてもよい。
ところで、燃焼室10において、原料ガスを燃焼させて一酸化炭素と水素との混合ガスを生成する際、生成するガス流量、温度或いは組成に幾分かの変動(いわゆる脈動)が生じる場合がある。しかしながら、生成装置本体4の後段に浸炭用ガスを供給する場合、安定したガス流量、温度及び組成で供給することが好ましい。そこで、生成装置本体4には、バッファー層として機能する滞留室15が設けられている。
滞留室15は、内部空間13内に設けられた、燃焼室10よりも容積の大きな空間である。この滞留室15は、図2に示すように、燃焼室10と隣接するように、下側部材9の内部空間13の、一端13a側に設けられている。なお、内部空間13内に触媒層14が設けられている場合には、燃焼室10と触媒層14との間の空間が滞留室15となる。一方、内部空間13内に触媒層14が設けられていない場合には、内部空間13内が滞留室15として機能することになる。
なお、本実施形態は、滞留室15が下側部材9の内部空間13内(すなわち、生成装置本体4内)に設けられた例を示すものであるが、これに限定されるものではない。滞留室15は、生成装置本体4と別体として、燃焼室10の後段となるように設けられていてもよい。
滞留室15(すなわち、下側部材9)の材質は、特に限定されるものではないが、燃焼室10で生成した混合ガスの温度が低下すると、煤等の発生要因となるため、断熱性の高い材質でできていることが望ましい。具体的には、耐火性能を有する一般的に用いられる耐火材を適宜選定することができる。
また、滞留室15の容積は、特に限定されるものではない。しかしながら、滞留室15において、燃焼室10で生成したガスの滞留時間が長いとガス温度の低下の要因となりえる。このため、滞留室15の容積は、生成するガス量と、目標とするガス温度とから適切な容積を適宜決定することが好ましい。
炭化水素ガス供給路L1は、図1に示すように、生成装置本体4を構成する上側部材8に接続されている。また、炭化水素ガス供給路L1には、流量調整バルブ16が設けられている。より具体的には、炭化水素ガス供給路L1は、図1及び図3に示すように、一端が炭化水素ガス供給管12Aに接続されており、他端が図示略の炭化水素ガスの供給源に接続されている。これにより、浸炭用雰囲気ガスの生成装置2は、炭化水素ガス供給路L1、炭化水素ガス供給管12A、炭化水素ガス噴出孔11Aを介して、所要の流量の炭化水素ガスを燃焼室10に供給可能とされている。
原料となる炭化水素ガスは、特に限定されるものではなく、(メタン、プロパン、都市ガス、LPG、ブタン)等の一般的な炭化水素ガスを用いることができる。また、炭化水素ガスの供給形態についても、特に限定されるものではなく、炭化水素ガス生成装置であっても、炭化水素ガスが充填されたボンベであってもよい。
酸素ガス供給路L2は、図1に示すように、生成装置本体4を構成する上側部材8に接続されている。また、酸素ガス供給路L2には、流量調整バルブ17が設けられている。より具体的には、酸素ガス供給路L2は、図1及び図3に示すように、一端が酸素ガス供給管12Bに接続されており、他端が図示略の酸素ガスの供給源に接続されている。これにより、浸炭用雰囲気ガスの生成装置2は、酸素ガス供給路L2、酸素ガス供給管12B、酸素ガス噴出孔11Bを介して、所要の流量の酸素ガスを燃焼室10に供給可能とされている。
原料となる酸素ガスの供給形態は、特に限定されるものではなく、酸素PSA等の酸素ガス生成装置であっても、酸素ガスが充填されたボンベであってもよい。また、酸素ガスの濃度は、93〜100%の範囲が好ましい。さらに酸素ガスは、窒素ガス等の不活性ガスもしくは空気によって希釈されていてもよい。
なお、図3に示すように、それぞれ2以上の炭化水素ガス噴出孔11Aと酸素ガス噴出孔11Bとが交互に配置されている場合には、上側部材8にそれぞれ2以上の炭化水素ガス供給路L1と酸素ガス供給路L2とが交互に接続されることになる。
混合ガス導出路L3は、生成装置本体4を構成する下側部材9に接続されている。また、混合ガス導出路L3は、後述する混合ガス供給路L6を介して浸炭炉3の浸炭用雰囲気ガスの導入口3aと接続されており、浸炭用ガスを浸炭炉3に供給可能とされている。
以上の構成により、生成装置本体4は、供給された原料ガスである炭化水素ガスと酸素ガスとを燃焼室10において燃焼させて、一酸化炭素と水素とを含む混合ガス(すなわち、浸炭用ガス)を生成することができる。そして、生成装置本体4によって生成した浸炭用ガスを浸炭炉3に供給可能とされている。
なお、図1には、浸炭用雰囲気ガス生成装置2に接続された混合ガス供給路3に、熱交換器5、バブラー6、除湿機7を設けた例を示している。これら機器の機能を以下に詳述する。
熱交換器5は、図1に示すように、生成装置本体4によって生成された混合ガスを急冷するために設けられた冷却手段である。ここで、一酸化炭素と水素とを含む混合ガスは、徐々に温度が低下していくと、ブードア反応によって煤が発生してしまう。このように煤を含む混合ガスは、浸炭用ガスとしては好ましくない。そこで、生成装置本体4の滞留室15の後段(二次側)に熱交換器5を設けて、上記生成ガスを急冷することにより、ブードア反応による煤の発生を抑制することが好ましい。
熱交換器5としては、具体的には、例えば、50℃以下の温度まで2000℃/secの冷却速度で急冷する能力を有するものが好ましい。また、熱交換器5の冷却源として水を用いることが好ましい。なお、熱交換器5は、冷却手段の一例であり、混合ガスを「急冷」可能なものであれば、特に限定されるものではない。
バブラー6は、図1に示すように、生成装置本体4によって発生した混合ガス中の微量の煤(炭素)を除去するために設けられた炭素除去手段である。熱交換器5の後段にバブラー6を設けて、生成した混合ガスを水中にバブリングして水洗することにより、生成装置本体4の後段において微量の煤が発生した場合であっても、この煤を混合ガス中から除去することができる。なお、熱交換器5を設けず、混合ガス導出路L3にバブラー6を直接接続してもよい。また、バブラー6は、炭素除去手段の一例であって、これに限定されるものではない。炭素除去手段としては、具体的には、例えば、フィルター等を用いることができる。さらに、混合ガス中の微量の煤を除去することができる溶媒は、水に限定されるものではなく、酸性ガスを吸収するような水溶液であってもよい。
除湿機7は、図1に示すように、生成装置本体4によって生成された混合ガス中の水分を除去するために設けられた水分除去手段である。ここで、浸炭炉3に供給する混合ガス中に水分が含まれていると、この水分が脱炭反応を引き起こすおそれがあるため、浸炭用雰囲気ガスとして好ましくない。特に、本実施形態では、炭素除去手段としてバブラー6を設けているため、バブラー6の後段に除湿機7を設けて、可能な限り混合ガス中の水分を除去することが好ましい。なお、除湿機7は、混合ガス中の水分除去手段の一例であって、これに限定されるものではない。水分除去手段としては、具体的には、(直膨コイル式冷却器)等を用いることができる。また、ガスコンプレッサー等を用いて混合ガスを昇圧することで水分を凝縮・除去することでも除湿は可能である。
以上の構成により、本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭用雰囲気ガスの生成装置2は、生成装置本体4において一酸化炭素と水素とを含む混合ガス(すなわち、浸炭用雰囲気ガス)を生成するとともに、生成した混合ガス中の煤の発生を抑制することができる。また、混合ガス中の炭素成分及び水分が十分に除去された浸炭用雰囲気ガスを、除湿機7に接続された混合ガス供給路L6を介して浸炭炉3に供給することができる。
本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭装置1は、被処理材を収納した浸炭炉3内に、浸炭用雰囲気ガス生成装置2によって生成した浸炭用雰囲気ガスを導入し、炉内を加熱することによって被処理材を浸炭処理する装置である。この浸炭炉3は、図1に示すように、浸炭用雰囲気ガス生成装置2から供給される浸炭用雰囲気ガスの導入口3aと、浸炭炉3の外側に浸炭用雰囲気ガスを排出する排気口3bと、を有している。また、導入口3aには混合ガス供給路L6が接続されており、排気口3bには排気ガス排出路L4が接続されている。
混合ガス供給路L6は、浸炭用雰囲気ガスの生成装置2から浸炭炉3内に浸炭用雰囲気ガスを導入するために設けられている。具体的には、図1に示すように、混合ガス供給路L6の一端が除湿機7に接続されており、他端が浸炭炉3の導入口3aに接続されている。なお、本実施形態では、図1に示すように、混合ガス導出路L3と混合ガス供給路L6とが別構成の例を示しているがこれに限定されるものではなく、混合ガス導出路L3と混合ガス供給路L6とが一体とされた構成であってもよい。
排気ガス排出路L4は、浸炭炉3内に導入された浸炭用雰囲気ガスを、浸炭炉3の外部(すなわち、浸炭装置1の外部)へと排出するために設けられている。この排気ガス排出路L4には、排気ガスを燃焼させるための燃焼バーナ18が設けられている。このように、浸炭炉3の後段に燃焼バーナ18を設けて、浸炭炉3から排出された排気ガスを高温にすることにより、排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)と水素(H)とを燃焼させて二酸化炭素(CO)と水(HO)として大気に排出することができる。なお、燃焼バーナ18は、排気ガスを高温にする手段の一例であって、これに限定されるものではない。燃焼バーナ18にかえて、点火プラグ等を設けてもよい。
また、浸炭炉3は、図1に示すように、炭化水素ガスの導入口3cを有している。この炭化水素ガスの導入口3cには、流量調整バルブ19が設けられた炭化水素ガス供給路L5が接続されている。これにより、浸炭炉3は、図示略の炭化水素ガスの供給源から炭化水素ガス供給路L5を介して、所要の流量の炭化水素ガスを浸炭炉3内に供給可能とされている。
なお、浸炭炉3内に供給する炭化水素ガスは、特に限定されるものではなく、LPG、ブタン等の一般的な炭化水素ガスを用いることができる。また、炭化水素ガスの供給形態についても、特に限定されるものではなく、炭化水素ガス生成装置であっても、炭化水素ガスが充填されたボンベであってもよい。
次に、上述した浸炭用雰囲気ガス生成装置2及び浸炭装置1を用いた、本実施形態の浸炭処理について、以下に詳細に説明する。
(浸炭用雰囲気ガスの生成方法)
本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭用雰囲気ガスの生成方法は、炭化水素ガスと支燃性ガスとの燃焼反応によって、浸炭処理に用いる混合ガスである一酸化炭素と水素とを含む浸炭用雰囲気ガスを生成する方法であって、燃焼室10に炭化水素ガスと酸素ガスとを旋回流を形成させながら導入し、燃焼室10内において、炭化水素と酸素とを旋回流火炎として燃焼させて、一酸化炭素と水素とを含む混合ガスを生成するものである。
具体的には、先ず、生成装置本体4内の燃焼室10に、原料ガス(炭化水素ガス及び酸素ガス)を導入する。ここで、原料ガスのうち炭化水素ガスは、図1〜図3に示すように、図示略の炭化水素ガス供給源から、炭化水素ガス供給路L1、炭化水素ガス供給管12A及び炭化水素ガス噴出孔11Aを介して、所要の流量の炭化水素ガスを燃焼室10に導入する。一方、原料ガスのうち酸素ガスは、図示略の酸素ガス供給源から、酸素ガス供給路L2、酸素ガス供給管12B及び酸素ガス噴出孔11Bを介して、所要の流量の酸素ガスを燃焼室10に導入する。
なお、燃焼室10内における炭化水素ガスと酸素ガスとの混合比(流量比)は、混合した原料ガス中の理論酸素比が0.3〜0.8の範囲となるように調整する。これにより、例えば、炭化水素ガスがメタンである場合、メタン2モルに対し酸素ガス1モルとなる流量にすると、水素2モル、一酸化炭素2モルの混合ガスが得られる。
ここで、上述したように浸炭用雰囲気ガス生成装置2を構成する生成装置本体4は、図3に示すように、燃焼室10に炭化水素ガス噴出孔11Aと酸素ガス噴出孔11Bとが交互に接続されるとともに、これらの噴出孔11A,11B(噴出孔11)が燃焼室10の内周壁10cの接線方向に沿った空間として形成されている。したがって、炭化水素ガス及び酸素ガスは、内周壁10cの接線方向から燃焼室10内に向けて導入され、この燃焼室10内において、旋回流を形成しながら燃焼することで旋回流火炎が形成される。
このように、原料ガス(炭化水素ガス及び酸素ガス)を旋回流火炎状態で燃焼反応させることにより、一酸化炭素と水素との混合ガスを生成する。なお、本実施形態では、炭化水素ガスと酸素ガスとを別々に高速で燃焼室10内に吹き込むことで、燃焼室10の内周壁10cに近い領域で、それぞれのガスが効率よく混合される。そのため、実質的に予混合ガスが燃焼する場合とほぼ同様の火炎形状となるが、予混合ガスが燃焼する場合と異なり、噴出孔11の開口部11aへの逆火のおそれがない。したがって、原料ガス中の酸素比やガス量の変動幅を大きくとることができる。
なお、原料ガスとして、炭化水素ガスと酸素ガスとを分けずに、これらを予め混合したガス(予混合ガス)を、全ての原料ガス供給管12から燃焼室10に供給することも可能である。ただし、その場合には逆火が生じないような工夫(構造あるいは方法)が必要である。
また、本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭用雰囲気ガスの生成方法によれば、燃焼室10内に導入する炭化水素ガス量に対する酸素ガス量を任意に変化させることによって、生成する混合ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素との比率を調整する事が可能である。したがって、後述する浸炭処理を行う被処理材(鋼材)の種類によって、CP値(カーボンポテンシャル、浸炭能力)を調整する事が出来る。
また、本実施形態の浸炭用雰囲気ガス生成方法では、旋回流火炎状態での燃焼反応により混合ガスを生成するため、電気炉で炭化水素と空気とを加熱することによって生成する場合と異なり、温度のバラツキが少なく、ガス組成が均一な混合ガスを得ることができる。さらに、本実施形態の浸炭方法に用いる燃焼室10における旋回流火炎での燃焼反応は、予混合ガスによる燃焼に近い状態であるため、酸素の利用効率を高める事ができる。これにより、炭化水素ガスに対する酸素ガス量を、理論量より下げた条件(理論酸素比で0.3まで下げることが可能)でも燃焼させることができるため、浸炭用雰囲気ガスとして必要な、一酸化炭素と水素とを効率よく生成する事が出来る。例えば、プロパン(C)を原料ガスとして用いた場合には、生成ガス中の一酸化炭素と水素との混合比(H/CO)が0.65〜1.2の範囲の混合ガスを生成することができる。
また、本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭用雰囲気ガスの生成方法では、旋回流火炎を形成するための燃料ガス(炭化水素ガス)と支燃性ガス(酸素ガス)との混合性が良好であり、局所的な低温領域が出来ないため、原料ガスである炭化水素ガスの未燃分の残量も少ない。そのため、混合ガスを生成するときに、空気混合法のような触媒を必要としない。
なお、本実施形態では、原料ガスが旋回流として燃焼室10内に導入されるので、その内周壁10cが旋回流火炎によって直接的に加熱されることは無い。また、旋回流火炎の先端は、燃焼室10の一端10a側から滞留室15(内部空間13)内まで到達しても良い。そのような燃焼状態の場合には、本体部8Bの下端部側は火炎により熱せられるので、上側部材8を冷却することが好ましい。
次に、上述したように、生成装置本体4内に、燃焼室10よりも容積の大きな滞留室15を設け、この滞留室15内に生成した一酸化炭素と水素との混合ガスを一時的に貯留することにより、後段の浸炭炉3に供給する際に脈動を抑制することができる。
次に、図1及び図2に示すように、生成した一酸化炭素と水素との混合ガスを、滞留室15の後段に設けた触媒層14と接触させて反応させる。これにより、混合ガス中に残留する未燃の炭化水素ガスを除去することができる。このように、生成装置本体4の燃焼室10において生成された混合ガスを、滞留室15及び触媒層14を経た後、排出口9aから混合ガス導出路L3に供給する。
本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭用雰囲気ガスの生成方法では、滞留室15(すなわち、生成装置本体4)から混合ガス導出路L3に供給した混合ガスを、滞留室15の後段に設けた熱交換器5によって、50℃以下の温度まで1000℃/sec以上(好ましくは、2000℃/sec)の速度で急冷することが好ましい。このように、混合ガスを熱交換器5で常温まで急冷させることで、ブードア反応による混合ガス中の煤の発生を抑制する事が出来る。
また、上述の浸炭用雰囲気ガスの生成方法では、滞留室15(すなわち、生成装置本体4)から混合ガス導出路L3に供給した混合ガス中に微量の煤が発生した場合に、混合ガス導出路L3に設けられた水槽を有するバブラー6に混合ガスを送通することが好ましい。このバブラー6において、混合ガスを水中にバブリングしてガスを水洗することにより、混合ガス中に存在する微量の煤を除去することができる。
さらに、上述の浸炭用雰囲気ガスの生成方法では、バブラー6に送通することで混合ガス中の微量の煤を除去した場合、水洗によって混合ガス中に水分が含まれるため、バブラー6の後段に設けた除湿機7によって可能な限り混合ガス中の水分を除去することが好ましい。具体的には、除湿機7による除湿後の混合ガスの露点を0℃以下とすることが好ましい。
以上のように、本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭用雰囲気ガスの生成方法によれば、浸炭用雰囲気ガス生成装置2を用いることにより、煤の発生を抑制しつつ、高温迅速浸炭用ガスとして好適な一酸化炭素を高濃度に含む混合ガスを、安全且つ安定して生成して、浸炭用雰囲気ガスとして浸炭炉3に供給することができる。
(浸炭方法)
本実施形態の浸炭方法は、図1に示すように、被処理材(鋼材)を収納した浸炭炉3に上述した浸炭用雰囲気ガスの生成方法によって生成した浸炭用雰囲気ガスを導入し、この浸炭炉3内の温度を750℃〜970℃まで加熱して浸炭処理を行う。
ところで、下式(1)及び(2)は、浸炭脱炭反応を示したものである。ここで、下式(1)及び(2)において、反応が右に進めば浸炭が進行し、やがて鋼中の炭素量が増減せず一定になる。これを平衡になるといい、この反応を平衡反応と呼んでいる。このときの炭素量を平衡炭素濃度(カーボンポテンシャル)といって、浸炭性雰囲気の性能はこの形で表される。
Fe+2CO ←→ [Fe+C]+CO ・・・(1)
Fe+CO+H ←→ [Fe+C]+HO ・・・(2)
本実施形態の浸炭方法では、浸炭用雰囲気ガス生成装置2を用いるため、一酸化炭素を高濃度に含む浸炭用雰囲気ガスを浸炭炉3内に供給することができる。しかしながら、浸炭処理の対象となる鋼材の種類及び炭素含有量によっては、浸炭用雰囲気ガス生成装置2において生成された浸炭用雰囲気ガス中のCO/COの比率では、十分に浸炭処理できない場合がある。
そのような場合、本実施形態の浸炭方法では、図1に示すように、図示略の炭化水素ガスの供給源から炭化水素ガス供給路L5及び炭化水素導入口3cを介して、所要量の炭化水素ガスを浸炭炉3内に導入することが好ましい。
ここで、浸炭処理の処理温度に加熱された浸炭炉3内には浸炭用雰囲気ガスが導入されているが、高温の浸炭炉3において浸炭用雰囲気ガス中に、エンリッチガスと呼ばれる炭化水素ガスを混合すると、その炭化水素の一部が雰囲気中の脱炭性ガスである二酸化炭素(CO)や水(HO)と反応して、一酸化炭素(CO)と水素(H)とに分解する。
その結果、浸炭炉3内の浸炭炉雰囲気ガス中の二酸化炭素(CO)及び水(HO)の分圧が低下して、上記式(1)及び(2)の右側への反応が進むため、生成ガス(すなわち、浸炭炉3内の浸炭用雰囲気ガス)のカーボンポテンシャル(以下、「CP」という)を高めることができる。これにより、エンリッチガスを供給する前では浸炭処理が困難であった被処理材であっても浸炭処理が可能となる。
また、浸炭処理において、処理温度は浸炭速度を支配する因子として大きな影響を与えるため、処理温度が高いほど鋼材内における炭素の拡散速度、すなわち浸炭速度が高くなる。そのため、処理時間の短縮を目的とした場合には、より高温での浸炭処理が望まれる。なお、浸炭時には、鋼材に導入する炭素量を調整するためにCPを安定的に制御することが必要である。しかしながら、上記CPは、その性質上、温度が高くなるほど、同じ一酸化炭素(CO)濃度において平衡する二酸化炭素(CO)濃度が低くなるため、上記式(1)及び(2)の反応は左側に進むことになる。
ところで、上述した特許文献1に記載されている、炭化水素ガスと空気とを原料として生成した変成ガスの場合には、もっとも変性ガス中のCO濃度が高くなるブタンガスを原料として用いた場合であっても、その一酸化炭素(CO)濃度は約24%程度である。そのため、上記約24%の一酸化炭素(CO)を含む変成ガスを用いて、仮に1050℃での浸炭処理を行おうとして、浸炭炉内のCPを1.1%で制御しようとした場合、平衡する二酸化炭素(CO)濃度は0.043%と1ケタ低い濃度で制御する必要があり、分析精度及びエンリッチガスの流量制御の面において安定した雰囲気形成が難しいという問題があった。
これに対して、本実施形態の浸炭方法によれば、浸炭用雰囲気ガス生成装置2を用いて生成した浸炭用雰囲気ガス(エンリッチガス導入後の変成ガス)は、そのガス中に含まれる一酸化炭素(CO)の濃度が約42%である。したがって、同じ1050℃にて浸炭処理を行おうとして、浸炭炉内のCPを1.1%で制御する場合、平衡する二酸化炭素(CO)濃度は0.132%である。この値は、従来の変成炉で生成した約24%の一酸化炭素ガスを含む変成ガスを用いた場合での、935℃の処理温度における浸炭炉内のCP1.1%に相当する二酸化炭素(CO)濃度であることから、本実施形態の浸炭方法は高温での雰囲気制御が容易となるという効果が得られる。
なお、本実施形態の浸炭方法によれば、図1に示すように、浸炭炉3から排出された排ガスを排気ガス排出路L4に設けられた燃焼バーナ18によって高温にすることにより、排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)と水素(H)とを燃焼させて二酸化炭素(CO)と水(HO)として大気に排出することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の浸炭方法に用いる浸炭用雰囲気ガス生成装置2及び浸炭用雰囲気ガスの生成方法によれば、炭化水素ガスと酸素ガスとを旋回流火炎として燃焼させて、一酸化炭素と水素とを含む混合ガスを生成することにより、煤の発生を抑制しつつ、高温迅速浸炭用ガスとして好適な、一酸化炭素を高濃度に含む浸炭用ガスを安全且つ安定して生成することができる。
また、本実施形態の浸炭方法によれば、煤の発生を抑制しつつ、一酸化炭素を高濃度に含む浸炭用雰囲気ガスを安全且つ安定して浸炭炉3に供給することができるため、高温迅速浸炭処理が可能となる。
ところで、従来から浸炭用雰囲気ガス(変成ガス)の生成に用いられている変成炉では、変成ガスの生成反応が吸熱反応であるため、変成反応に必要な熱量を外部から変成炉に補給して運転する必要があった。その結果、変成炉の運転には多くの電力を消費することが一般に知られており、大気圧付近にて操業を行うガス浸炭処理においては操業時に消費する電力の増大を招く原因になっているのが実情であった。
これに対して、浸炭用雰囲気ガス生成装置2を用いた浸炭用雰囲気ガスの生成方法では、酸素系の原料ガスとして酸素ガスを使用した燃焼反応、すなわち、発熱反応を利用した変成反応であるため、反応の維持に必要な熱補給は不要である。したがって、従来型の吸熱反応を用いた変成炉と比較して、変成ガスの生成に必要なエネルギーを大幅に削減できるという効果が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態の浸炭用雰囲気ガス生成装置2では、図1に示すように、生成装置本体4内に触媒層14を設けるとともにこの生成装置本体4の後段に熱交換器5、バブラー6及び除湿機7を配設した場合を説明したが、これらの設備を省略した装置構成として、生成装置本体4の滞留室15から浸炭炉3に直接浸炭用雰囲気ガスを供給する態様としても良い。
すなわち、上記実施形態の浸炭用雰囲気ガスの生成方法により生成した浸炭用ガスは、煤もほとんど発生しないため、生成した混合ガスを、滞留室15(すなわち生成装置本体4)から直接浸炭炉3に雰囲気ガスとして導入することが可能である。この場合、燃焼排ガスとなる一酸化炭素と水素との混合ガスは、理論平衡温度に近い温度で浸炭炉3内に吹き込む事が可能であるため、浸炭炉3の熱源としても利用が可能である。
また、上記実施形態では、エンリッチガスとして浸炭用雰囲気ガス中に導入する炭化水素ガスの供給口3cを浸炭炉3に設ける場合を説明したが、浸炭用雰囲気ガス生成装置2側(例えば、混合ガス供給路L6)に設け、浸炭炉3へ導入する前に混合ガスに添加してもよい。
以下に、具体例を示す。
(実施例1)
図1〜図3に示す浸炭用雰囲気ガス生成装置2を用いて、一酸化炭素と水素とを含む混合ガスを生成した。ここで、原料の炭化水素ガスとしてプロパンを用いるとともに、炭化水素ガスと酸素ガスとを混合した原料ガス中の酸素濃度比を0.3〜0.8とした場合の、生成した混合ガス中の一酸化炭素濃度及び水素ガス濃度を測定した。この結果を図5に示す。なお、生成した混合ガス中の各成分の濃度は、触媒層14の出口において測定した。
図5は、原料ガス中の酸素濃度比と、生成ガス中の一酸化炭素濃度及び水素濃度との関係を示す図である。この図5中には、実測値(測定点)と、理論平衡値(実線)とが、記されている。図5に示すように、本発明の浸炭用雰囲気ガス生成装置2を用いて生成した一酸化炭素と水素とを含む混合ガスは、原料ガス中の酸素濃度比がいずれの場合も、理論平衡値に近いガス組成の混合ガスとなることがわかった。
(実施例2)
図1に示す浸炭装置1を用いて浸炭処理を実施した。具体的には、実施例1において、原料の炭化水素ガスとしてプロパンを用いるとともに、炭化水素ガスと酸素ガスとを混合した原料ガス中の酸素濃度比を0.40として生成した浸炭用ガスを2.0m/hの供給速度で、内容積1.0m、935℃の浸炭炉3に導入し、浸炭炉3内の雰囲気組成をコイル式カーボンポテンシャルメーター(以下、「CPメーター」という)にて測定したところ、炉内のCPは0.30%であった。この浸炭炉3に、エンリッチガスとしてプロパンガスを添加して炉内のCPを上昇させた。CPメーターにて炉内のCPを測定したところ、CPは1.15%であった。このとき、浸炭炉3内では、操業の妨げとなるような煤の発生などは確認されなかった。
次に、エンリッチガスを添加した浸炭炉3において、直径30mm、長さ50mmのSCM420H製の丸棒100kgを、幅380mm、高さ130mm、奥行き500mmのSUS310S製のバスケットに入れ、浸炭温度935℃、浸炭CP1.15%、浸炭時間210分、拡散温度935℃、拡散CP0.80%、拡散時間120分、焼入れ温度850℃、焼入れCP0.80%、焼入れ均熱時間35分にて加熱後、65℃のコールド油中にて20分の浸炭焼入れ処理を行った。浸炭焼入れ後の丸棒を切断および研磨し、切断面における有効硬化層深さ(Hv550)を、マイクロビッカース硬度計を用いて測定した結果、1.32mmであった。
(比較例1)
天然ガスを原料とし、空気を適量混ぜ、1050℃に設定した従来型の変成炉を用いて浸炭用ガス(RXガス)を生成した。変成炉出口において、このRXガスの組成をガスクロマトグラフにて測定したところ、CO:20.1%、CO:0.35%、H:39.5%(残部:N)であった。このRXガスを、実施例2と同様に、935℃に設定した浸炭炉に2.0m/hの供給速度で導入し、CPメーターにて測定したところ、炉内のCPは0.38%であった。この浸炭炉に、実施例2と同様に、エンリッチガスとしてプロパンガスを添加して炉内のCPを上昇させた。CPメーターにて炉内のCPを測定したところ、CPは1.15%であった。また、浸炭炉内では、問題となるような煤の発生は認められなかった。
次に、浸炭炉にRXガスを導入した以外は、上記実施例2と同じ条件を用いて、直径30mm、長さ50mmのSCM420H製の丸棒100kgの浸炭焼入れ処理を行った。マイクロビッカース硬度計を用いて有効硬化層深さを測定した結果、1.18mmであった。
実施例2及び比較例1の結果から、本発明の浸炭方法により浸炭処理した場合、従来から一般的に用いられているRXガスを用いた場合の浸炭処理と比較して、同じ操炉条件のもとでは約12%深い有効硬化層深さが得られることが分かった。この結果から、浸炭処理において、同じ有効硬化層深さを得る場合、本発明の浸炭方法によれば、浸炭処理時間を短くすることができることがわかった。なお、RXガスを用いて、実施例2と同様に有効硬化層深さ1.32mmが得られるように浸炭および拡散時間を調整したところ、浸炭時間260分、拡散時間150分となった。よって、従来法による浸炭用雰囲気ガスを用いて、本発明の浸炭方法を用いた場合と同様の効果を得るためには、浸炭および拡散時間の合計で約25%長く処理する必要があることがわかった。
1 浸炭装置
2 浸炭用雰囲気ガス生成装置(浸炭用雰囲気ガスの生成装置)
3 浸炭炉
3a 導入口
3c 炭化水素ガスの導入口
4 生成装置本体
5 熱交換器(冷却手段)
6 バブラー(炭素除去手段)
7 除湿機(水分除去手段)
8 上側部材(第1の部材)
9 下側部材(第2の部材)
10 燃焼室(内部空間、第1の内部空間)
10c 内周壁
11 噴出孔
11a,11b 開口部
11A 炭化水素ガス噴出孔
11B 酸素ガス噴出孔
12 原料ガス供給管
12A 炭化水素ガス供給管
12B 酸素ガス供給管
13 内部空間(第2の内部空間)
14 触媒層
15 滞留室
16,17,19 流量調節バルブ
18 燃焼バーナ
L1 炭化水素ガス供給路(炭化水素ガスの供給路)
L2 酸素ガス供給路(酸素ガスの供給路)
L3 混合ガス導出路(混合ガスの導出路)
L4 排気ガス排出路
L5 炭化水素ガス供給路(エンリッチガスの供給路)
L6 混合ガス供給路

Claims (8)

  1. 燃焼室に炭化水素ガスと酸素ガスとを旋回流を形成させながら導入し、前記燃焼室内において、炭化水素と酸素とを旋回流火炎として燃焼させて、一酸化炭素と水素とを含む混合ガスを生成し、
    前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを、液体中に送り込むことにより当該混合ガスを洗浄し、
    洗浄した前記混合ガス中に含まれる前記液体成分を除去し、
    前記混合ガスを浸炭用雰囲気ガスとして浸炭炉に導入し、浸炭処理をすることを特徴とする浸炭方法。
  2. 前記浸炭炉内の温度を750℃〜970℃とすることを特徴とする請求項1に記載の浸炭方法。
  3. 前記浸炭炉から排出される排ガスを完全燃焼させることを特徴とする請求項1又は2に記載の浸炭方法。
  4. 前記旋回流は、前記燃焼室の内周壁の接線方向から当該燃焼室内に向かって前記炭化水素ガスと前記酸素ガスとを噴出させることによって形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の浸炭方法。
  5. 前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを、炭化水素を分解することが可能な触媒と接触させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の浸炭方法。
  6. 前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを、50℃以下の温度まで1000℃/sec以上で急冷することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の浸炭方法。
  7. 前記燃焼室から取り出した前記混合ガスを除湿して、露点を0℃以下とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の浸炭方法。
  8. 前記燃焼室から取り出した前記混合ガスに、炭化水素ガスを添加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の浸炭方法。
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