JP2019168118A - 排気利用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱処理炉から可燃性ガスを含んだ排気が排出される際に、その排気の燃焼処理に伴って発生する燃焼熱を有効に利用することができる排気利用システムを提供する。【解決手段】金属材料を連続的に熱処理する連続炉よりなる熱処理炉9から排出される、可燃性ガスを含んだ排気を導入され、その可燃性ガスを燃焼させることで、水を加熱して水蒸気を生成するボイラ10を有し、ボイラ10において、可燃性ガスへの着火後は、バーナを用いた熱処理炉9以外から供給される燃料の燃焼を行わない。【選択図】図1

Description

本発明は、排気利用システムに関し、さらに詳しくは、金属材料を熱処理する熱処理炉から排出される排気を用いて水の加熱を行う排気利用システムに関する。
熱処理炉において、金属材料の熱処理を行う際に、金属材料の組成や特性を制御する観点から、炉内に所定の雰囲気ガスが導入されることが多い。金属材料の熱処理を連続的に行う連続炉においては、雰囲気ガスが、連続的に、炉内に導入されて炉内を流動し、炉外に排出される。雰囲気ガスとして、水素を含む吸熱型変性ガス(RXガス)等、可燃性ガスを含んだガスが用いられることも多いが、この場合には、排気も可燃性ガスを含んでおり、熱処理炉を出た直後に燃焼されてから、排出される。
熱処理炉から排出される排気を有効に利用する方法として、高温の排気をボイラに導入し、熱交換によって水を加熱することが行われている。例えば、特許文献1においては、焼結機と焼結鉱クーラーを備える焼結設備において、焼結鉱クーラーの排ガスおよび焼結機の排ガスをそれぞれボイラに導入して水蒸気を発生させている。そして、それらの水蒸気を、2段式フラッシャーを含む所定の経路を経て、発電機と結合した多段式水蒸気タービンに供給し、発電を行っている。
特開2012−193909号公報
特許文献1に記載されるように、熱処理炉からの高温の排気を用いて、ボイラにて熱交換を行うことで、高温の排気を水等の加熱に利用することができる。しかし、この場合、ボイラにおいて水の加熱に利用できる熱量は、排気の温度によって制約される。また、排気を水の加熱に効率よく利用するためには、熱処理炉のすぐ近くにボイラを設置する必要があり、排気利用システムの設計に制約が生じてしまう。
また、上記のように、熱処理炉内の雰囲気ガスとして可燃性ガスを用いる場合には、排気を燃焼処理してから排出する必要があり、この燃焼によって、大きな燃焼熱が発生する。しかし、その燃焼熱は、大気等に散逸され、有効に利用されていない。
本発明が解決しようとする課題は、熱処理炉から可燃性ガスを含んだ排気が排出される際に、その排気の燃焼処理に伴って発生する燃焼熱を有効に利用することができる排気利用システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる排気利用システムは、金属材料を連続的に熱処理する連続炉よりなる熱処理炉から排出される、可燃性ガスを含んだ排気を導入され、前記可燃性ガスを燃焼させることで、水を加熱して水蒸気を生成するボイラを有し、前記ボイラにおいて、前記可燃性ガスへの着火後は、バーナを用いた前記熱処理炉以外から供給される燃料の燃焼を行わない、というものである。
ここで、前記可燃性ガスは、水素ガスを含むとよい。また、前記ボイラに空気を導入し、前記可燃性ガスの燃焼に用いるとよい。
前記ボイラにおいて、前記可燃性ガスへの着火は、着火プラグによって行うとよい。また、前記ボイラは、前記熱処理炉以外から供給される燃料を燃焼させるバーナを備えないものであるとよい。
前記熱処理炉から前記排気が排出される経路に、切替弁が設けられ、前記切替弁は、前記排気を、前記ボイラと、直接排出経路とに、比率を選択して導入可能であり、前記直接排出経路に導入された前記排気は、前記直接排出経路に設けられた排気用バーナによって燃焼され、前記排気利用システムの外部に排出されるとよい。
前記ボイラで生成された水蒸気は、前記熱処理炉で熱処理される金属材料を酸処理するための酸処理液の加熱に用いられるとよい。
上記発明にかかる排気利用システムにおいては、可燃性ガスを含む排気をボイラ内で燃焼させ、その燃焼熱で水を加熱する。よって、排気を燃焼処理して、単に大気中等に排出する場合とは異なり、排気に含まれる可燃性ガスの燃焼によって生じる燃焼熱を、水の加熱に有効に活用することができる。また、熱処理炉から排出された排気をボイラに導入して、排気との直接の熱交換によって水を加熱する場合とは異なり、ボイラ内で、排気に含まれる可燃性ガスを燃焼させて水を加熱するため、ボイラに導入される排気の温度に制約されず、燃焼によって得られる大きな熱量を水の加熱に利用することができる。
そして、熱処理炉が連続炉よりなり、可燃性ガスを含む排気が、熱処理炉から連続的に排出され、ボイラに導入されるため、一旦、ボイラ内の可燃性ガスに着火すると、外部から燃料を供給して燃焼させなくても、燃焼による水の加熱を継続することができる。よって、ボイラは、外部から供給される燃料を燃焼させるバーナを備える必要がなく、また、備えていたとしても、着火時にのみ用いて、着火後は用いる必要がない。
ここで、可燃性ガスが、水素ガスを含む場合には、ボイラにおける水の加熱を、効果的に行うことができる。水素ガスを含む雰囲気ガスは、RXガスなど、金属材料の熱処理に多用されている。
また、ボイラに空気を導入し、可燃性ガスの燃焼に用いる場合には、熱処理炉からボイラに導入される排気が、可燃性ガスの燃焼に十分な量の支燃性ガスを含んでいない場合でも、排気に含まれる可燃性ガスを、安定して、また効率的に燃焼させることができる。
ボイラにおいて、可燃性ガスへの着火を、着火プラグによって行う場合には、着火プラグを用いて可燃性ガスの燃焼を開始すれば、熱処理炉からボイラに連続的に供給される排気によって、燃焼を安定に継続することができるので、外部から燃料を供給して、バーナによる燃焼を行う必要が生じない。
また、ボイラが、熱処理炉以外から供給される燃料を燃焼させるバーナを備えない場合には、ボイラの構成を簡素化することができる。そのようなバーナがボイラに備えられなくても、着火プラグ等、バーナ以外の手段によって、可燃性ガスに着火し、燃焼を開始すれば、燃焼を安定に継続することができる。
熱処理炉から排気が排出される経路に、切替弁が設けられ、切替弁が、排気を、ボイラと、直接排出経路とに、比率を選択して導入可能であり、直接排出経路に導入された排気が、直接排出経路に設けられた排気用バーナによって燃焼され、排気利用システムの外部に排出される場合には、ボイラにおいて、燃焼による水の加熱に必要とされる熱量に応じて、ボイラに供給する排気の流量を調整することができる。ボイラに導入されない排気は、直接排出経路において、排気用バーナによって燃焼処理を行ったうえで、大気中等、排気利用システムの外部に排出することができる。
ボイラで生成された水蒸気が、熱処理炉で熱処理される金属材料を酸処理するための酸処理液の加熱に用いられる場合には、熱処理炉での熱処理と酸処理液を用いた酸処理を含む金属材料の製造工程において、熱処理炉からの排気に含まれる可燃性ガスの燃焼によって生じる燃焼熱を、定常的に利用し、製造工程全体の省エネルギー化を図ることができる。
本発明の一実施形態にかかる排気利用システムの構成を、熱処理炉とともに示す図である。 上記排気利用システムを、熱処理炉および水蒸気利用装置とともに示すブロック図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる排気利用システムについて、図面を参照しながら説明する。
[排気利用システムの構成]
図1,2に、本発明の一実施形態にかかる排気利用システム1を、熱処理炉9とともに示す。排気利用システム1は、金属材料の熱処理を行う熱処理炉9に接続して設けられ、熱処理炉9から排出される可燃性ガスを含んだ排気Eを利用して、水の加熱による水蒸気の生成を行う。
まず、排気利用システム1が接続される熱処理炉9、および熱処理炉9から排出される排気Eについて、簡単に説明する。熱処理炉9は、連続炉として構成されている。図示しない搬送装置等によって、熱処理炉9に金属材料が連続的に搬入され、熱処理炉9の中を移動する間に熱処理を受けて、炉外に搬出される。熱処理中、熱処理炉9の内部の雰囲気を一定に制御するために、雰囲気ガスGが熱処理炉9に連続的に供給され、熱処理炉9の内部空間を流動する。そして、使用済みの雰囲気ガスGが、排気Eとして、排出口92を経て、炉排出経路91から排出される。雰囲気ガスGが連続的に熱処理炉9に導入されるのに対応して、排気Eは、炉排出経路91から連続的に排出される。
熱処理炉9に導入される雰囲気ガスGは、所望される熱処理の種類や、熱処理を経て製造すべき金属材料に所望される組成や物性等に応じて適宜選択することができる。本実施形態においては、雰囲気ガスGが熱処理炉9で利用された後に排出される排気Eに、可燃性ガスが含有される形態を扱うが、雰囲気ガスGに可燃性ガスが含有される場合に、雰囲気ガスGとして供給した可燃性ガスの少なくとも一部が、そのまま排気Eに含有されて、排気Eとして排出される場合が多い。そのように、雰囲気ガスGに含有され、排気Eとして排出される可燃性ガスとしては、水素ガス(H)や一酸化炭素(CO)、メタン(CH)等の炭化水素ガスを例示することができる。これらのうち、特に水素ガスが、排気Eとして排気利用システム1に導入され、利用されるに際し、燃焼において得られる熱量の大きさ等において、優れている。
可燃性ガスを含む雰囲気ガスGとして、吸熱型変性ガス(RXガス)を例示することができる。RXガスは、炭化水素ガスと空気中の酸素の吸熱反応によって製造されるものであり、一酸化炭素(CO)と水素(H)、窒素(N)を含んでいる。このうち、水素と一酸化炭素が可燃性ガスである。RXガスは、鋼材等の金属材料の浸炭にしばしば用いられ、浸炭において、RXガス中の一酸化炭素が消費されるため、炉排出経路91から排出される排気Eに含まれる可燃性ガスは、主に水素ガスとなる
本実施形態にかかる排気利用システム1は、熱処理炉9の炉排出経路91に接続して設けられ、熱処理炉9から排出された排気Eを導入される。排気利用システム1は、ボイラ10と、排気燃焼部20と、切替弁30を有している。また、それらを結ぶ配管として、排気導入経路41、ボイラ経路42、直接排出経路43を有している。
熱処理炉9の炉排出経路91に、逆止弁93を介して、排気利用システム1の排気導入経路41が、接続されている。排気導入経路41は、切替弁30を介してボイラ経路42と直接排出経路43に分岐されている。切替弁30は、三方弁として構成されており、熱処理炉9の炉排出経路91から排気導入経路41に導入された排気Eを、ボイラ経路42と直接排出経路43とに比率を選択して導入することができる。切替弁30は、ボイラ経路42と直接排出経路43の両方に同時に、排気Eを所定の流量比率で分配して導入することも、ボイラ経路42と直接排出経路43のいずれか一方にのみ選択的に、排気Eを導入することもできる。
ボイラ10は、貫流ボイラとして構成されており、水導入路12から導入された水Wを加熱して水蒸気Vを生成する。生成された水蒸気Vは、水蒸気経路44から取り出される。ボイラ10において、水Wの加熱は、ボイラ経路42を介して導入された熱処理炉9からの排気Eに含まれる可燃性ガスを燃焼させ、その燃焼熱によって行う。ボイラ10には、空気導入路13が設けられ、空気Aを取り込んで可燃性ガスの燃焼に用いることができる。ボイラ10における可燃性ガスの燃焼の形態と、燃焼のためにボイラ10に設けられる設備については、後に詳しく説明する。
ボイラ10から水蒸気経路44を介して取り出された水蒸気Vは、高温の水蒸気を利用する任意の水蒸気利用装置100に供給することができる。ボイラ経路42からボイラ10に導入されて燃焼された後の排気Eは、適宜フィルタ等を通過させて、排出路(不図示)から、大気中等、排気利用システム1の外部に排出することができる。また、排気Eに含まれる可燃性ガスの燃焼によって水蒸気が生じる場合に、その水蒸気は、熱交換時にボイラ10内で凝縮し、凝縮水として、適宜ドレイン(不図示)等を介して、ボイラ10から外部に排出される。
直接排出経路43の出口には、排気燃焼部20が設けられている。排気燃焼部20には、排気用バーナ21として、パイロットバーナが設けられている。直接排出経路43に導入された熱処理炉9からの排気Eに含まれる可燃性ガスが、排気用バーナ21によって着火され、燃焼される。燃焼後の排気E1は、排気燃焼部20に接続された燃焼後排気経路45から、適宜フィルタ等を通過して、大気中等、排気利用システム1の外部に排出される。
以上のように、本排気利用システム1においては、熱処理炉9から排出される可燃性ガスを含んだ排気Eを、ボイラ10に導入して燃焼させ、発生する燃焼熱によって、水Wを加熱し、水蒸気Vを生成する。熱処理炉9から排出される排気Eが可燃性ガスを含む場合に、大気中等に排気Eを排出するためには、可燃性ガスを燃焼させる処理を排気Eに対して行っておく必要があるが、単に排気Eを処理するために燃焼させ、燃焼熱を散逸させるのとは異なり、排気Eを用いてボイラ10で水蒸気Vを生成し、水蒸気利用装置100に供給することで、熱処理炉9から排出される排気E、そしてその排気Eに含まれる可燃性ガスを燃焼した際に発生する燃焼熱を、有効に利用することができる。水蒸気利用装置100に供給するための水蒸気を生成するのに、熱処理炉9とは独立して専用のボイラを設け、LNG等の燃料を外部から供給して燃焼させる必要がなくなるため、省エネルギーに資することができる。
熱処理炉9から排出される高温の排気Eをボイラ10に導入し、特許文献1に記載されるように、燃焼させることなく、熱媒としての排気Eと水Wの間の直接の熱交換によって、水Wを加熱して水蒸気Vを生成する形態も考えらえる。しかし、その場合には、水Wに与えることができる熱量は、排気Eの温度によって制約され、生成すべき水蒸気Vの量が多い場合や温度が高い場合等に、十分な熱量を賄えない可能性がある。しかし、上記のように、排気Eに含まれる可燃性ガスをボイラ10で燃焼させることで、燃焼によって発生する大きな熱量を水Wの加熱に用いることができ、水蒸気Vを多量に、また高温で生成しやすくなる。また、図1に示した形態では、ボイラ10を熱処理炉9のすぐ近くに配置しているが、熱処理炉9から出た排気Eの温度が下がらないようにするという観点から、そのようにボイラ10を熱処理炉9の近くに配置することは、必須ではなく、熱処理炉9および排気利用システム1の配置における自由度が高くなる。
上記のように、熱処理炉9に供給する雰囲気ガスGとしてRXガスを用いる場合には、排気Eに含まれる可燃性ガスは、主に水素ガスであるが、熱処理炉9で浸炭等に利用されなかった一酸化炭素も、排気Eに含まれる。一酸化炭素も可燃性ガスであり、燃焼により、ボイラ10における水Wの加熱に寄与する。水素ガスのみを可燃性ガスとして燃焼を行う場合には、燃焼が不安定化する場合があるが、排気Eに、一酸化炭素が含有されることで、水素ガスのみが可燃性ガスとして含有される場合よりも、ボイラ10において、燃焼が安定に進行しやすくなる。
ボイラ10において、排気Eに含まれる可燃性ガスを燃焼させることで、大きな熱量を水Wの加熱に利用できるため、水蒸気Vの需要量が小さい場合等には、熱処理炉9から排出される排気Eを全てボイラ10に導入して燃焼させると、発生する熱量が過剰となる場合もある。しかし、排気利用システム1に、直接排出経路43を設け、切替弁30によって、ボイラ経路42と直接排出経路43に、熱処理炉9からの排気Eを所望の比率で分配できるように構成することで、ボイラ10に導入して燃焼させる排気Eの量を調整することができる。熱処理炉9から排出される排気Eの量が、ボイラ10において、所望の量および温度の水蒸気Vを燃焼によって生成するのに必要な量に比べて多すぎる場合には、熱処理炉9から排気導入経路41に導入された排気Eのうちの余剰分を、直接排出経路43に導入し、排気燃焼部20で燃焼させて、排出すればよい。
図示した形態では、排気用バーナ21で燃焼された排気E1が排出される燃焼後排気経路45は、独立した経路として形成されているが、燃焼後排気経路45を、ボイラ10の水蒸気経路44と合流させ、水蒸気利用装置100に導く形態も考え得る。そのような形態は、熱処理炉9から排出される排気Eに含まれる可燃性ガスの主成分が水素ガスであり、かつ、燃焼後排気経路45から排出される排気E1に、水蒸気利用装置100において悪影響を生じる成分が含まれない場合に、採用することができる。これにより、熱処理炉9からの排気Eのうち、ボイラ10で利用することができず、直接排出経路43に導入され、排気用バーナ21で燃焼される部分についても、単に燃焼処理して排気利用システム1の外部に排出するのではなく、有効に活用することができる。
ボイラ10から水蒸気経路44を介して取り出された水蒸気Vは、任意の水蒸気利用装置100に供給することができる。水蒸気利用装置100として、金属材料の酸処理を行う酸処理装置を例示することができる。酸処理は、熱処理炉9で熱処理される金属材料に対して、洗浄や表面不純物の除去、表面処理等を施すことを目的として、熱処理の前および/または後に、金属材料を酸処理液に接触させるものである。例えば、酸洗槽に貯留した水溶液よりなる酸処理液に、ボイラ10から水蒸気経路44を介して供給される高温の水蒸気Vを、直接接触させることで、酸処理液の昇温や温度維持を行うことができる。酸洗は、60〜80℃程度に加熱した水性の酸処理液を用いて行われることが多く、ボイラ10からの水蒸気Vを用いて、好適に酸処理液の温度管理を行うことができる。
熱処理炉9が運転され、金属材料の熱処理を連続的に行っている間は、基本的には、酸処理装置100も連続的に稼働して、金属材料の酸処理を行っている。よって、熱処理炉9から排出される排気Eを利用してボイラ10で得た水蒸気Vを、酸処理装置100において、連続的に利用することができる。つまり、熱処理炉9の運転中は、ボイラ10の運転と、酸処理装置100への水蒸気Vの供給を継続することができ、熱処理炉9からの排気Eを、定常的に有効利用することができる。また、酸処理装置100に、酸処理液を加熱するための専用のボイラ等、熱源を設ける必要がなくなり、熱処理炉9と酸処理装置100を含む金属材料の製造設備の全体を、簡素に構成することができる。そして、熱処理炉9による熱処理と酸処理装置100による酸処理を含む金属材料の製造工程において、高い省エネルギー性を達成することができる。
[ボイラにおける可燃性ガスの燃焼とボイラの構成]
次に、ボイラ10における、排気Eに含まれる可燃性ガスの燃焼について、説明する。
本実施形態にかかる排気利用システム1では、熱処理炉9から排出された排気Eに含まれる可燃性ガスをボイラ10で燃焼させる際に、可燃性ガスに着火した後は、バーナを用いて、外部から供給される燃料、つまり熱処理炉9以外から供給される燃料の燃焼を行わない。換言すると、ボイラ10での可燃性ガスの燃焼には、着火時を含め、外部から供給される燃料を燃焼させるバーナを、全く使用しない。あるいは、着火時の短時間のみ、その種のバーナを使用し、着火後の可燃性ガスの定常燃焼にはバーナを使用しない。
本実施形態においては、水素ガス等の可燃性ガスを含んだ排気Eが、熱処理炉9からボイラ10に連続的に導入されるため、ボイラ10の中で可燃性ガスに着火し、一旦可燃性ガスの燃焼が開始されれば、可燃性ガスの定常燃焼を継続し、水Wの加熱を連続的に行うことができる。よって、水Wの加熱のために、外部から燃料を供給して燃焼させるバーナを用いる必要がない。
可燃性ガスへの着火は、例えば、ボイラ10に着火プラグ11を設けておき、それを用いて行えばよい。着火プラグ11としては、スパークプラグやグロープラグを例示することができる。あるいは、ボイラ10に、小型のパイロットバーナを設けておき、そのバーナを用いて、着火を行えばよい。ボイラ中に導入した排気Eに含まれる可燃性ガスに着火し、可燃性ガスの定常燃焼が開始されると、バーナの運転は停止される。この場合に、バーナとしては、LNG等、燃料を外部から供給するものを用いることができる。
従来一般の貫流ボイラは、LNG等、外部から供給した燃料を燃焼させるバーナを備え、そのバーナで燃料を燃焼させることで、水Wの加熱を行っている。本実施形態にかかる排気利用システム1を構成するボイラ10としても、そのような従来一般の貫流ボイラを用いることができるが、その場合には、貫流ボイラに備えられるバーナを使用しないか、使用するとしても、可燃性ガスへの着火時のみとする。
このように、ボイラ10がバーナを備える場合には、従来一般の貫流ボイラを利用して、排気利用システム1を簡便に構築することができる。また、熱処理炉9が停止されている等の理由により、ボイラ10に熱処理炉9からの排気Eが供給されない時にも、外部から燃料を供給してバーナで燃焼させることで、ボイラ10で水Wの加熱を行うことができる。熱処理炉9からの可燃性ガスの供給量が十分ではなく、安定に燃焼が継続できない場合等に、外部から供給される燃料を、熱処理炉9から導入される排気Eと併用して、燃焼を行うこともできる。
あるいは、本実施形態にかかる排気利用システム1を構成するボイラ10として、従来一般の貫流ボイラとは異なり、外部から供給される燃料を燃焼させるバーナを備えないものを用いることができる。この場合には、着火用に、一般にバーナより小型であり、配管や配線も簡素である着火プラグ11を設けるだけでよく、ボイラ10の構成を簡素なものとすることができる。なお、熱処理炉9から排出された排気Eの温度が、ボイラ10に導入された時点で十分に高ければ、着火プラグ11もバーナも用いず、自然発火を利用して着火を行ってもよい。
熱処理炉9から排出される排気Eの中に、可燃性ガスに加えて、酸素等の支燃性ガスが十分に含まれていれば、ボイラ10に連続的に排気Eを導入し続けるだけで、一旦着火した後、安定に燃焼を継続することができる。しかし、排気Eの中に支燃性ガスが含有されない、あるいは含有されていても少量である場合には、ボイラ10に、排気Eとは別に、支燃性ガスを含むガスを導入し、可燃性ガスの燃焼に用いればよい。支燃性ガスを含むガスとして、ボイラ10に設けた空気導入路13から取り込んだ空気(外気)Aを利用するのが簡便である。RXガスは、空気を原料として製造されるため、ある程度の酸素を含有するが、一般には、RXガスを雰囲気ガスGとして使用した後の排気Eにおける酸素の含有量は、排気Eに含まれる水素ガスの燃焼を安定に進めるのに十分な量ではない。よって、熱処理炉9の雰囲気ガスGとしてRXガスを用いる場合には、ボイラ10に、空気A等、支燃性ガスを含むガスを導入しながら、燃焼を行うことが好ましい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 排気利用システム
10 ボイラ
11 着火プラグ
20 排気燃焼部
21 排気用バーナ
30 切替弁
41 排気導入経路
42 ボイラ経路
43 直接排出経路
44 水蒸気経路
45 燃焼後排気経路
9 熱処理炉
91 炉排出経路
100 水蒸気利用装置(酸処理装置)
A 空気
E 排気
G 雰囲気ガス
V 水蒸気
W 水

Claims (7)

  1. 金属材料を連続的に熱処理する連続炉よりなる熱処理炉から排出される、可燃性ガスを含んだ排気を導入され、前記可燃性ガスを燃焼させることで、水を加熱して水蒸気を生成するボイラを有し、
    前記ボイラにおいて、前記可燃性ガスへの着火後は、バーナを用いた前記熱処理炉以外から供給される燃料の燃焼を行わないことを特徴とする排気利用システム。
  2. 前記可燃性ガスは、水素ガスを含むことを特徴とする請求項1に記載の排気利用システム。
  3. 前記ボイラに空気を導入し、前記可燃性ガスの燃焼に用いることを特徴とする請求項1または2に記載の排気利用システム。
  4. 前記ボイラにおいて、前記可燃性ガスへの着火は、着火プラグによって行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の排気利用システム。
  5. 前記ボイラは、前記熱処理炉以外から供給される燃料を燃焼させるバーナを備えないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の排気利用システム。
  6. 前記熱処理炉から前記排気が排出される経路に、切替弁が設けられ、前記切替弁は、前記排気を、前記ボイラと、直接排出経路とに、比率を選択して導入可能であり、
    前記直接排出経路に導入された前記排気は、前記直接排出経路に設けられた排気用バーナによって燃焼され、前記排気利用システムの外部に排出されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の排気利用システム。
  7. 前記ボイラで生成された水蒸気は、前記熱処理炉で熱処理される金属材料を酸処理するための酸処理液の加熱に用いられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の排気利用システム。
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CN113654018A (zh) * 2021-08-24 2021-11-16 吴正锋 一种炼钢用余热回收利用装置

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