JP2008214165A - 可燃ガス混合方法及び混合器 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆火や自発火等の異常燃焼を誘起させることがなく、高圧・高温の可燃ガスと酸素含有ガスとを均一に混合して改質用混合ガス等を生成させることができる可燃ガス混合方法及び可燃ガス混合器を提供する。
【解決手段】可燃原料ガスと酸素含有ガスとの混合により、可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成する可燃ガス混合方法であって、可燃原料ガスの噴流J1に沿って酸素含有ガスを供給し、酸素含有ガスの一部を、噴流J1に伴って生じるエジェクタ効果によって当該噴流に取り込んで噴流に混合させ、 噴流J1の下流に形成される混合領域MX1の混合ガス中の燃料濃度を、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持する。
【選択図】図2
【解決手段】可燃原料ガスと酸素含有ガスとの混合により、可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成する可燃ガス混合方法であって、可燃原料ガスの噴流J1に沿って酸素含有ガスを供給し、酸素含有ガスの一部を、噴流J1に伴って生じるエジェクタ効果によって当該噴流に取り込んで噴流に混合させ、 噴流J1の下流に形成される混合領域MX1の混合ガス中の燃料濃度を、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持する。
【選択図】図2
Description
本発明は、合成ガス製造プラントの反応器等に組み込み、使用されて好適な可燃ガス混合方法及び混合器に関する。
天然ガスの有効利用を図るために、天然ガスを一旦反応性の高い合成ガス(例えば、メタンを一酸化炭素と水素)に変換した後、FT合成(フィッシャー・トロプシュ合成)等により分子構造を組み替えて軽油や灯油、或いはDME(ジメチルエーテル)と言った液体燃料を製造するGTL(ガス・トゥ・リキッド)転換技術が活発に研究されている。このGTL技術は、気体の天然ガスを液化して運搬や取扱いを容易にする他、石油由来の製品に比べ、燃料中の硫黄成分や、排気ガス中の一酸化炭素、窒素酸化物などの有害物質を減少させることができ、環境負荷が小さい燃料を得る技術として注目されている。
GTL技術を普及させるためには、高効率で、事業性に見合った合成ガス製造プラントの開発が求められている。従来、合成ガス製造方法の一つとして、ATR法(Auto Thermal Reforming法)が知られている。ATR法は、天然ガス、石油、石炭、バイオマス等の合成ガス原料(メタンガス等)の一部を酸素バーナによる燃焼で発熱反応を起こし、その後、先の反応で生成された高温の水蒸気や二酸化炭素ガスを利用し、触媒層における吸熱改質反応により、メタンガス等を改質して合成ガスを生成させるものである。
このATR法は、原料ガスの一部と酸素とを反応させるために、全体として燃料過剰(フューエルリッチ)状態で燃焼させることになり、多量の煤の発生を伴うという問題がある。また、反応器を大型化して大規模に合成ガスを生成させようとすると、反応器に複数の酸素バーナを装着することが必要になるが、焼損がなく、安全操業可能な複数バーナの開発が難しく、これがネックとなって、反応器大型化が困難になっている。複数酸素バーナによる大型化に代えて、反応器の基数を多くして大規模製造の問題を解決しようとすると、設備コストが大となり、また、多数の反応器を安全且つ円滑に運転することにも問題があり、プラント運転性の点で解決すべき問題が生じる。
合成ガス製造の別の方法として、CPO法(Catalytic Partial Oxidation法)が知られている。CPO法は、原料ガス(メタン等)に酸素含有ガスを予め混合させた予混合ガスを、4MPaG、300degC程度に加圧、加熱して反応器内の触媒層に導き、予混合ガスの一部を部分酸化させて発熱させ、その発熱をその後の改質反応(吸熱反応)の熱源として合成ガス(一酸化炭素と水素)を生成させる。すなわち、CPO法は、ATR法がバーナによる酸化反応で原料ガスを一気に高温に晒すものとは異なり、反応器内での触媒による部分酸化反応で高温状態を維持するので、ATR法に比べて安全操業が可能であり、部分酸化反応と、その後段で改質反応を同時に進行させ、連続操業可能な合成ガス製造方法といえる。
CPO法は、一つの反応器で連続操業可能な合成ガス製造方法である点で、特許文献1に記載されるサイクル式炭化水素改質方法と異なる。特許文献1の改質方法は、改質工程と再生工程とを行い得る一対の反応器を備えており、炭化水素燃料と水蒸気とを反応させて水素含有ガスを生成する工程と、再生用ガスを触媒燃焼することで、改質工程で低下した触媒温度を上昇させる再生工程とを交互に繰り返す。すなわち、サイクル式炭化水素改質方法では、一方の反応器が改質工程を行っている間に他方の反応器が再生工程を行うことで、サイクル式(バッチ式)に炭化水素改質を行いながら水素含有ガスを連続的に製造するようしている。このようなサイクル式炭化水素改質方法では、合成ガス製造の効率が悪く、大規模ガス製造には不向きである。
なお、CPO法では、上述のように触媒の助けを得て部分酸化反応が進行していると考えられているが、触媒層内の空間において、触媒の助けを得ずに(無触媒反応により)燃焼反応(部分酸化反応)や改質反応、水性シフト反応が生じているとも考えられている。いずれにしても、CPO法はATR法とは異なりバーナが不要であるから、この点で反応器の大型化を可能にさせる。反応器の大型化は、設備コストを低減させると共に、プラント運転性の改善に大いに寄与する。
特開2006−282470号公報
CPO法により合成ガスを生成するに際して、原料ガス(メタン等)と酸素含有ガス(特に酸素ガス)とが均一に混合されないで反応域に供給されると、反応域内での昇温に偏りが生じ、触媒層の一部が異状に高温になり、焼損する等の問題が生じる。混合ガスの濃度の偏りによる過熱を防止するためには、原料ガス(メタン等)と酸素含有ガスとを予め均一に混合させ、このような予混合ガスを反応器内の反応域に供給すればよく、上述のような過熱の問題は解消される。しかしながら、この場合の予混合ガスは、上述したCPO法による合成ガス製造においては、4MPaG、300degC程度に加圧、加熱しておく必要がある。
加圧、加熱された予混合ガス中の酸素は強い支燃性を持つため、酸素を予め燃料と混合することは出来る限り避け、可能な限り反応域(反応場)で混合させなければならないと考えられている。混合中に自発火や触媒層からの逆火による予期せぬ燃焼を発生させないためである。反応域での混合は、燃料濃度の不均一な混合ガスを反応域に供給することを意味する。可燃ガスの混合中に一旦燃焼を起こすと、その混合ガス条件によっては、反応器を含む系内の圧力が急激に上昇してしまう状態、所謂、非常に危険な爆轟(デトネーション)状態に遷移する虞がある。
従って、CPO法による合成ガス製造プラントにおいては、高圧・高温の均一予混合ガスが必要であるが、このような予混合ガスは自発火や逆火の危険を伴うという二律相反するような問題点を解決する必要があり、合成ガス製造プラントを長期間に亘って安全且つ安定的に操業するためには、上述の問題点を解決した混合器を必要とし、そのような混合器が備わって初めて製造装置の大型化が実現できる。
また、プラントの作動条件を変更するような場合、操作上の問題として、原料ガス及び酸素含有ガスの流量を同時に調整して燃料/酸素含有ガスの割合を常に所望の値に維持させることが困難な場合があり、プラント操作の過渡期に自発火や逆火が生じ易いという問題もある。
上述した特許文献1に開示されるサイクル式炭化水素改質装置には、反応器とは独立して再生ガス混合器が設けられており、この混合器は、再生用ガスと酸素含有ガスとを混合して、再生工程を行う反応器に均一な再生用混合ガスを供給する。混合器を設けることで、再生工程への切り換えの初期に、再生用混合ガスの不均一に起因して反応器内で局所的に触媒燃焼温度が高くなる部分が生じることを防止し、結果的に局所的な高温部への接触又は接近に伴う再生用ガスの自己発火、気相燃焼の発生を防止できるとしている。
上述した特許文献1に開示されるサイクル式炭化水素改質装置には、反応器とは独立して再生ガス混合器が設けられており、この混合器は、再生用ガスと酸素含有ガスとを混合して、再生工程を行う反応器に均一な再生用混合ガスを供給する。混合器を設けることで、再生工程への切り換えの初期に、再生用混合ガスの不均一に起因して反応器内で局所的に触媒燃焼温度が高くなる部分が生じることを防止し、結果的に局所的な高温部への接触又は接近に伴う再生用ガスの自己発火、気相燃焼の発生を防止できるとしている。
特許文献1が開示する再生ガス混合器は、反応器内へ燃焼ガスと酸素含有ガスとを均一に混合した混合ガスを供給しなければならないという点で、本発明と目的を同一にしているが、特許文献1の混合器は、改質反応によって温度が低下した触媒の温度を上げて触媒能力を再生することだけを目的に、触媒再生のために別途準備される再生ガスと酸素含有ガスとの均一混合ガスを生成すればよい。
一方、CPO法による大規模合成ガス製造プラントにおいては、反応器内の触媒層に供給する予混合ガスは、4MPaG、300degC程度に加圧、加熱されていなければならず、その予混合ガスは、改質反応の原料ガスであり、改質反応(吸熱反応)の熱源を供給する、部分酸化反応のための原料ガスでもある。このような予混合ガスを生成するための混合器として、特許文献1が開示するような単純な構成の混合器を適用することはできない。
なお、本発明は、天然ガスばかりでなく、石油、石炭、バイオマス等の合成ガス原料(可燃ガス)と、酸素(支燃性ガス成分)の他、水蒸気、CO2 、CO等を含む酸素含有ガスとの混合に用いる混合器として広く適用することができる。
本発明は、上記の二律相反する問題を解決するために提案されたものであり、逆火や自発火等の異常燃焼を極力誘起させずに、特に、燃料供給量を変更するような、プラント操作過渡状態時においても異常燃焼を起こさせずに安全操業に有効で、且つ、生成された高圧・高温の予混合ガスを、例えば、改質用混合ガスとして、大型反応器等に好適に使用することができる可燃ガス混合方法及び可燃ガス混合器を提供することを目的にする。
本発明は、上記の二律相反する問題を解決するために提案されたものであり、逆火や自発火等の異常燃焼を極力誘起させずに、特に、燃料供給量を変更するような、プラント操作過渡状態時においても異常燃焼を起こさせずに安全操業に有効で、且つ、生成された高圧・高温の予混合ガスを、例えば、改質用混合ガスとして、大型反応器等に好適に使用することができる可燃ガス混合方法及び可燃ガス混合器を提供することを目的にする。
請求項1の本発明の、可燃原料ガスと酸素含有ガスとの混合により、可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成する可燃ガス混合方法に依れば、前記可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか一方を噴出させ、前記噴出させた噴流に沿って、可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか他方を供給し、前記供給された他方のガスの一部を、前記噴流に伴って生じるエジェクタ効果によって当該噴流に取り込んで噴流に混合させ、斯く混合して当該噴流の下流に形成される混合領域の混合ガス中の燃料濃度を、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持することを特徴とする。
請求項2の本発明の、可燃原料ガスと酸素含有ガスとの混合により、可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成する可燃ガス混合器に依れば、前記可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか一方のガスを噴流として噴出させるガスノズルと、前記一方のガスの噴流に沿って、前記可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか他方を供給するガス供給手段と、前記ガスノズルの下流側に配設されて前記噴流に伴うエジェクタ効果を生じさせ、前記他方のガスの一部を当該噴流に取り込ませて、前記噴流の下流に混合領域を形成させるダクト手段とを備え、当該ダクト手段は、前記混合領域を前記ダクト手段内に形成し、当該混合領域における混合ガス中の燃料濃度は、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持されることを特徴とする。
請求項3の発明に依れば、請求項2記載の可燃ガス混合器において、前記ダクト手段は、当該ダクト手段の後流混合領域において、前記混合領域で生成される混合ガスの噴流と前記他方のガスの残部とを混合させて前記予混合ガスを生成することを特徴とする。
請求項4の発明に依れば、請求項3記載の可燃ガス混合器において、前記ダクト手段の後流位置に配設される、更に少なくとも一つの後流ダクト手段を備え、当該少なくとも一つの後流ダクト手段は、前記混合領域で生成される混合ガスの噴流に伴うエジェクタ効果を生じさせ、当該噴流に前記他方のガスの更なる一部を取り込ませて、後流ダクト手段内に第2の混合領域を形成し、前記混合領域、少なくとも一つの第2の混合領域、及び後流混合領域でそれぞれ生成される混合ガス中の原料ガス成分濃度を変化させ、後流混合領域において前記可燃濃度範囲域に到達させた予混合ガスを生成することを特徴とする。
請求項4の発明に依れば、請求項3記載の可燃ガス混合器において、前記ダクト手段の後流位置に配設される、更に少なくとも一つの後流ダクト手段を備え、当該少なくとも一つの後流ダクト手段は、前記混合領域で生成される混合ガスの噴流に伴うエジェクタ効果を生じさせ、当該噴流に前記他方のガスの更なる一部を取り込ませて、後流ダクト手段内に第2の混合領域を形成し、前記混合領域、少なくとも一つの第2の混合領域、及び後流混合領域でそれぞれ生成される混合ガス中の原料ガス成分濃度を変化させ、後流混合領域において前記可燃濃度範囲域に到達させた予混合ガスを生成することを特徴とする。
請求項5の発明に依れば、請求項2又は3記載の可燃ガス混合器において、前記ガスノズル及びダクト手段を支持する支持手段と、前記一方のガスの噴流及び他方のガス流れの外周を覆う混合容器セルとを備え、当該混合容器セルの内部に、前記支持手段により支持されたガスノズル及びダクト手段を収容させて混合器ユニットを形成させたことを特徴とする。
請求項6の発明に依れば、請求項4記載の可燃ガス混合器において、前記ガスノズル、ダクト手段及び少なくとも一つの後流ダクト手段を支持する支持手段と、前記一方のガスの噴流及び他方のガス流れの外周を覆う混合容器セルとを備え、当該混合容器セルの内部に、前記支持手段により支持されたガスノズル、ダクト手段及び少なくとの一つの後流ダクト手段を収容させて混合器ユニットを形成させたことを特徴とする。
請求項7の発明に依れば、これら請求項5又は6記載の可燃ガス混合器の混合器ユニットを複数備えることを特徴とする。
改質プロセス等で使用する可燃原料ガスと酸素含有ガスとをそれらの全量を一時に混合してしまうと、局所的に可燃濃度範囲に入る危険があるため、請求項1の発明に依れば、一方のガスの噴流に伴って生じるエジェクタ効果によって当該噴流に他方のガスの一部を取り込んで噴流に混合させる。噴流に取り込む一部のガス量は、好ましくは、局所的にも可燃濃度範囲に入ることのない量に設定するのがよい。そして、エジェクタ効果は、噴流の有する運動量(質量×速度)に比例してその効果が得られるので、ガス量が増加すればそれに伴って噴流に取り込まれる他方のガス量も増加するので、噴流の下流に形成される混合領域の混合ガス中の燃料濃度を、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持することができる。このようにして混合された混合ガスに他のガスの残部を加えると、最終的に所望の可燃濃度範囲域に到達させることができ、予混合ガスを安全に生成することができる。
天然ガスやメタンガスの改質プロセスのような多くのプロセスでは、通常、可燃原料ガス濃度が燃料リッチ側にあって可燃濃度範囲域を外れる可燃原料ガスをガスノズルから噴出させ、可燃原料ガスの噴流に沿って、酸素含有ガスを供給し、先ずはその一部を噴流に取り込んで噴流に混合させ、最終的に所望の可燃濃度範囲域に到達させることが望ましいが、プロセスによっては、可燃原料ガス濃度が燃料リーン側にあって可燃濃度範囲域を外れる酸素含有ガスの噴流に、先ずは可燃原料ガスの一部を混合し、最終的に所望の可燃濃度範囲域に到達させることが好ましい場合もあり、プロセスに応じて所望の混合方法を選択することが出来る。
請求項2の本発明の可燃ガス混合器に依れば、上記請求項1による混合方法が実現される。すなわち、ダクト手段が、ガスノズルの下流側に配設されて噴流に伴うエジェクタ効果を生じさせる機能を有しているので、ガスノズルによって可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか一方のガスを噴流として噴出させると、噴流による負圧が発生してダクト手段内に他方のガスの一部を当該噴流に取り込ませることができ、そこに混合領域が形成される。この混合領域は、噴流による強い剪断混合層によって形成されるので、2つのガスが均一に混合されることになる。
そして、上述したとおり、エジェクタ効果は、噴流の有する運動量(質量×速度)に比例してその効果が得られるので、ガス量が増加すればそれに伴って噴流に取り込まれる他方のガス量も増加し、その結果、混合領域における混合ガス中の燃料濃度は、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持させることができる。
最終的にはダクト手段の後流混合領域において、前記混合領域で生成される混合ガスの噴流と前記他方のガスの残部とを混合させて可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成することになるが(請求項3)、上述のような混合領域において均一混合を得ることは、局所的に可燃濃度域の存在を排除することになり、自発火や逆火等による予期せぬ燃焼が局所的に発生しても、その火炎の伝播を防止することができる。
最終的にはダクト手段の後流混合領域において、前記混合領域で生成される混合ガスの噴流と前記他方のガスの残部とを混合させて可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成することになるが(請求項3)、上述のような混合領域において均一混合を得ることは、局所的に可燃濃度域の存在を排除することになり、自発火や逆火等による予期せぬ燃焼が局所的に発生しても、その火炎の伝播を防止することができる。
請求項4の発明に依れば、更に少なくとも一つの後流ダクト手段が追加され、エジェクタ効果を利用した混合領域が後流ダクト手段内にも多段に形成され(第2の混合領域)、これらの各混合領域において混合ガス中の原料ガス成分濃度を順次変化させることにより、後流混合領域において均一な所望の可燃濃度範囲域に到達させた予混合ガスを得ることができる。
請求項5及び請求項6の発明に依れば、混合容器セルの内部に、前記支持手段により支持されたガスノズル及びダクト手段(並びに少なくとも一つの後流ダクト手段)を収容させて混合器ユニットを形成させ、このような混合器ユニットを必要に応じた数だけ形成させることができ、混合器セルユニットを複数組み合わせて混合器を形成すれば(請求項7)、合成ガス製造プラント等のプロセス装置の大型化に対応させて混合器の容量を大きくしても、均一な濃度の予混合ガスの供給が可能になり、プロセス装置の大型化が実現できる。
以下、本発明に係る可燃ガス混合方法及び可燃ガス混合器の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明に係る可燃ガス混合方法及び混合器が使用されて好適なCPO法による合成ガス製造プロセスについて説明する。図1に示す製造プロセスでは、理解を容易にし、説明を簡略化するために、天然ガス中の主燃料成分であるメタンから水素ガスを合成するプロセスが示されている。
まず、図1を参照して、本発明に係る可燃ガス混合方法及び混合器が使用されて好適なCPO法による合成ガス製造プロセスについて説明する。図1に示す製造プロセスでは、理解を容易にし、説明を簡略化するために、天然ガス中の主燃料成分であるメタンから水素ガスを合成するプロセスが示されている。
水素ガスを合成する高圧反応器1内には、触媒層(反応域)2が装着されており、この触媒層2において、後述する部分酸化反応、改質反応、及び水性シフト反応により、水素ガスを主成分とする合成ガスが生成される。そして、反応器1内の触媒層2の直ぐ上流には、本発明に係る可燃ガス混合器10が備えられている。反応器1には、可燃原料ガスであるメタンガス(CH4)と、酸素(O2)及び水蒸気(H2O)から成る酸素含有ガスとが供給され、これらの供給ガスは、詳細は後述する方法によって、混合器10において均一に混合されて上述の触媒層2に供給される。
反応器1に供給されるメタンガス(CH4)、酸素(O2)及び水蒸気(H2O)の成分比や、供給ガスの圧力・温度は、得ようとする合成ガス成分比等によって適宜値に設定することができるが、これらの供給ガス設定条件が変わると、反応器1内の触媒層温度も大きく変化するので、反応器等の耐久性や安全性を考慮してこれらの供給ガス設定条件が設定される。
図1には、供給ガス設定条件が例示されており、供給ガス成分比を、触媒層2への供給時点で、例えば10:6:6に調整し、供給ガス圧力及び温度を例えば、4MPaG、300degCにそれぞれ設定すると、触媒にもよるが、触媒層2の上流触媒層温度は850degC程度に維持され、改質後の下流触媒層温度は700degC程度になり、水素(H2)と一酸化炭素(CO)の合成ガスが成分比で2:1の割合で得られると予測されている。触媒層2での反応速度(触媒温度)の確保や、改質反応温度の設定のために、供給ガス圧力及び温度を、図示しない圧縮機及び熱交換器によって、上述のように高圧、高温に設定している。
上述のように供給ガス成分比、ガス圧力・温度等を調整した可燃原料ガス(メタンガス)と酸素含有ガス(酸素と水蒸気)の予混合ガスが触媒層2に供給されると、反応式1及び2で示す、酸化反応と部分酸化反応(いずれも発熱反応)が生じ、同時に反応式3乃至5で示す、改質反応(吸熱反応)が生じると考えられる。
CH4+2O2=CO2+2H2O+891kJ (反応式1)
CH4+1/2O2=CO+2H2+36kJ (反応式2)
CH4+H2O=CO+3H2−250kJ (反応式3)
CH4+CO2=2CO+2H2−247kJ (反応式4)
CO+H2O=CO2+H2−3kJ (反応式5)
CPO法による合成ガス製造方法では、供給ガス中の酸素成分割合がATR法に比較して低く、触媒層2において行われる酸化反応は、主として反応式2で示す部分酸化反応が支配的であるが、反応式1で示すメタンと酸素の酸化反応も一部行われる。そして、吸熱量の大きい反応式3の改質反応が同時に行われ、反応式4,5で示す改質反応、水性シフト反応も一部行われる。
CH4+2O2=CO2+2H2O+891kJ (反応式1)
CH4+1/2O2=CO+2H2+36kJ (反応式2)
CH4+H2O=CO+3H2−250kJ (反応式3)
CH4+CO2=2CO+2H2−247kJ (反応式4)
CO+H2O=CO2+H2−3kJ (反応式5)
CPO法による合成ガス製造方法では、供給ガス中の酸素成分割合がATR法に比較して低く、触媒層2において行われる酸化反応は、主として反応式2で示す部分酸化反応が支配的であるが、反応式1で示すメタンと酸素の酸化反応も一部行われる。そして、吸熱量の大きい反応式3の改質反応が同時に行われ、反応式4,5で示す改質反応、水性シフト反応も一部行われる。
供給ガスの酸素がすべて消費されるまで、部分酸化反応や酸化反応が継続するが、上述したとおり、供給ガスの酸素含有量が少ないために、反応式2で示す部分酸化反応、及び反応式3で示す改質反応が支配的に行われ、触媒層温度はせいぜい850degCにしか上昇しない。
酸素成分がすべて消費されて部分酸化反応や酸化反応が終ると、以後は反応式3乃至5の改質反応(水性シフト反応)が支配的になる。これらの反応はいずれも吸熱反応であることから、触媒層2の後流部分に行けば行くほど触媒温度は低下し、触媒出口ではほぼ700degCになる。上述のような供給ガス設定条件では、水素(H2)と一酸化炭素(CO)の合成ガスが成分比で2:1の割合で得られる。
酸素成分がすべて消費されて部分酸化反応や酸化反応が終ると、以後は反応式3乃至5の改質反応(水性シフト反応)が支配的になる。これらの反応はいずれも吸熱反応であることから、触媒層2の後流部分に行けば行くほど触媒温度は低下し、触媒出口ではほぼ700degCになる。上述のような供給ガス設定条件では、水素(H2)と一酸化炭素(CO)の合成ガスが成分比で2:1の割合で得られる。
酸素含有ガス中の酸素量を増加させると、反応式1の酸化反応が支配的になるので、触媒温度が上昇し、吸熱反応である改質反応(式3,4,5)が活発となり、水素の収量が増加することになる。しかしながら、酸素含有ガス中の酸素量を増加させると、従来技術によれば、製造プラント、特に反応器の耐久性や触媒寿命に問題が生じるが、本発明の可燃ガス混合器は、詳細は後述するように、触媒層2への均一な予混合ガスの供給が可能になり、触媒の部分的な(局所的な)過熱が防止できるので、本発明に係る混合器10で得られる混合ガスの混合特性(均一混合度合い等)にも依るが、達成可能な限度において触媒温度を上げることができ、合成ガスを効率よく製造することができる。
図2は、本発明に係る混合器10による可燃ガスの混合方法を説明するための概念図であり、例えばメタンのような可燃原料ガス(燃料)と、酸素及び水蒸気からなる酸素含有ガスとの混合により、可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成する混合方法を示している。
予混合ガスを生成するための混合器10は、可燃原料ガス(燃料)を噴流J1として噴出させるガスノズル12と、酸素含有ガスを供給するガス供給手段(図示せず)と、ガスノズル12の下流側に配設されて噴流J1に伴うエジェクタ効果を生じさせ、酸素含有ガスの一部を当該噴流に取り込ませて、噴流の下流に混合領域MX1を形成させるバッフル管(ダクト手段)14とを備えている。そして、ガスノズル12及びバッフル管14は、噴流J1の流れ方向に適宜離間して同軸に配設されており、図2においては、説明を簡略化するために、ガスノズル12は、直管パイプとして示されているが、そのノズル先端形状やパイプ径、バッフル管14との位置関係等については、より顕著なエジェクタ効果を得るために、適宜好適な形状等に形成してもよい。
予混合ガスを生成するための混合器10は、可燃原料ガス(燃料)を噴流J1として噴出させるガスノズル12と、酸素含有ガスを供給するガス供給手段(図示せず)と、ガスノズル12の下流側に配設されて噴流J1に伴うエジェクタ効果を生じさせ、酸素含有ガスの一部を当該噴流に取り込ませて、噴流の下流に混合領域MX1を形成させるバッフル管(ダクト手段)14とを備えている。そして、ガスノズル12及びバッフル管14は、噴流J1の流れ方向に適宜離間して同軸に配設されており、図2においては、説明を簡略化するために、ガスノズル12は、直管パイプとして示されているが、そのノズル先端形状やパイプ径、バッフル管14との位置関係等については、より顕著なエジェクタ効果を得るために、適宜好適な形状等に形成してもよい。
バッフル管14は、上流に向かってラッパ状に拡開し、下流に向かって縮径されている。このバッフル管14の管径、縮径度合等も、より顕著なエジェクタ効果を得るために、適宜好適な形状等に形成してもよく、本発明のダクト手段としては、エジェクタ効果が得られるものであれば、バッフル管でなく2枚の板を対向させたバッフルプレート、ディフューザ等でもよく、燃料及び酸素含有ガスの外周流路を規定する混合容器セル18の壁形状や触媒層2の形状等に応じて適宜選択される。いずれにしても、バッフル管14の形状等は、後述するように、混合領域MX1に生成される混合ガスの燃料濃度が可燃濃度範囲外に維持されなければならないので、噴流J1によるエジェクタ効果によって噴流に取り込む酸素含有ガス量によって決定される。
ガスノズル12には、所要量の燃料ガス(メタン)が供給され、先端ノズルから燃料噴流J1をバッフル管14に向かって噴出させている。そして、混合容器セル18には、図示しない酸素水蒸気供給装置から酸素及び水蒸気からなる酸素含有ガスが供給され、供給された酸素含有ガスは、噴流J1に沿って下流に向かって流れる。この酸素含有ガスの流れがバッフル管14に到達すると、その一部f1がバッフル管14の内壁面に沿ってスムーズに流れるが、バッフル管14の外側を流れる流れf2は、バッフル管の上流エッジで剥離し、渦流f3を形成する。
混合器10に供給される燃料ガス及び酸素含有ガスは、前述したとおりの圧力・温度に予め加圧と加熱がされており、これらが均一に混合されると可燃濃度域にある予混合ガスが生成される。
燃料噴流J1がバッフル管14に向かって噴出されると、バッフル管14内部は、エジェクタ効果によって外側流れf2に対して負圧になり、酸素含有ガス流れの一部がバッフル管14内部に引き込まれ、噴流J1に取り込まれてこれと混合することになる。そして、噴流J1の下流で、且つ、バッフル管14内部に、燃料ガスと酸素含有ガスの2つの流れの間に剪断層が形成され、混合領域MX1が形成される。混合領域MX1では強い乱れが発生して燃料ガスと酸素含有ガスの激しい混合が生じ、これらのガスの均一混合ガスが生成される。
燃料噴流J1がバッフル管14に向かって噴出されると、バッフル管14内部は、エジェクタ効果によって外側流れf2に対して負圧になり、酸素含有ガス流れの一部がバッフル管14内部に引き込まれ、噴流J1に取り込まれてこれと混合することになる。そして、噴流J1の下流で、且つ、バッフル管14内部に、燃料ガスと酸素含有ガスの2つの流れの間に剪断層が形成され、混合領域MX1が形成される。混合領域MX1では強い乱れが発生して燃料ガスと酸素含有ガスの激しい混合が生じ、これらのガスの均一混合ガスが生成される。
混合領域MX1に流入する燃料ガス量と酸素含有ガス量の割合は、上述したとおり、ガスノズル12やバッフル管16の形状等で決定されることになるが、この領域で生成される混合ガス中の燃料濃度が、上述の可燃濃度範囲より十分に離れた値になるようにバッフル管14の形状等が決定される。
バッフル管14の外側には、酸素含有ガスの流れが剥離して形成された渦流領域f3が存在しており、この渦流領域によって激しい乱流混合が生じて後流混合領域MXが形成される。この後流混合領域MXは、混合領域MX1からの混合ガスと酸素含有ガスの残部とが混合して、最終的に可燃濃度範囲域にある均一予混合ガスが生成される。
バッフル管14の外側には、酸素含有ガスの流れが剥離して形成された渦流領域f3が存在しており、この渦流領域によって激しい乱流混合が生じて後流混合領域MXが形成される。この後流混合領域MXは、混合領域MX1からの混合ガスと酸素含有ガスの残部とが混合して、最終的に可燃濃度範囲域にある均一予混合ガスが生成される。
本発明は、ガスノズル12とバッフル管14を使用することにより、エジェクタ効果が生じ、ガスノズル12に供給される燃料ガス量が変動しても、噴流J1の流量や噴流J1が有する運動量に比例してバッフル管14に引き込まれる酸素含有ガス量も自動的に変動するので、混合領域MX1に生成される混合ガスの燃料濃度が、可燃濃度範囲域から十分に離れた略一定値に維持される。そして、混合領域MX1,MXでは上述したとおり渦流等による強い剪断境界層が生じ、それぞれで均一な混合ガスが生成される。
可燃原料ガスには、メタン以外にもCOやエタン等の可燃ガスが含まれてもよいことは勿論であり、その他CO2、窒素等のガス成分が含まれていてもよい。同様に、酸素含有ガスも酸素や水蒸気以外にもCO2、窒素等のガス成分が含まれていてもよいことは勿論である。
また、上記実施形態では、ガスノズル12に可燃原料ガスを噴出させ、酸素含有ガスをそのガス噴流に沿って供給したが、逆に、ガスノズル12から酸素含有ガスを噴出させ、可燃原料ガスをそのガス噴流に沿って供給するようにしてもよく、本発明の混合器が使用されるプロセス装置に適合する態様を選択すればよい。
また、上記実施形態では、ガスノズル12に可燃原料ガスを噴出させ、酸素含有ガスをそのガス噴流に沿って供給したが、逆に、ガスノズル12から酸素含有ガスを噴出させ、可燃原料ガスをそのガス噴流に沿って供給するようにしてもよく、本発明の混合器が使用されるプロセス装置に適合する態様を選択すればよい。
図3及び図4は、図1に示す反応器1に組み込まれた混合器10の一実施形態を示す。この混合器10は、反応器1内の触媒層2の直ぐ上流に配設され、混合器10は、反応器の大型化に対応して、多数の混合器セルユニット10Aを有している。すなわち、混合器10は、複数の混合器セルユニット10A、これらの混合器セルユニット10Aを取り付け、反応器内に燃料ガス室10aを区画する隔壁板10c、当該隔壁板10cと協働して酸素含有ガス室10bを区画する隔壁板10d等を備えて構成される。そして、隔壁板10cに取り付けられる混合器セルユニット10Aは、触媒層2の入口形状等に応じて適宜位置に、例えば千鳥格子状に整列させて、必要個が配置されている。
反応器1に収容される各隔壁板10c及び隔壁板10dは、反応器1の内部形状に合致させて略円盤状をなしており、内部に形成される燃料ガス室10a及び酸素含有ガス室10bを互いに気密に画成している。燃料ガス室10aには、反応器1の燃料供給ポート1aから燃料(メタン)が供給される。また、酸素含有ガス室10bには、反応器1の酸素含有ガスポート1bから酸素含有ガスが供給され、燃料ガス室10a、ポート1a、酸素含有ガス室10b、ポート1b等は、図示しない燃料ポンプや酸素含有ガス加熱装置等と共に本発明のガス供給手段の一部を構成する。
個々の混合器セルユニット10Aの構成の詳細を、図4を参照して説明する。なお、図2において、本発明に係る可燃ガス混合方法の理解のために混合器10の概略構成要素を説明したが、これらの構成要素と対応し、実質的に同じ機能を有するものには、同じ符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
図4に示す混合器セルユニット10Aは、図2に示す構成要素であるバッフル管14に加え、その後流ダクト手段として後流バッフル管16を一つ多く備えており、これらのバッフル管14、16及びガスノズル12が後述するような支持手段に支持されて円筒状の混合容器セル18に収容されている。
図4に示す混合器セルユニット10Aは、図2に示す構成要素であるバッフル管14に加え、その後流ダクト手段として後流バッフル管16を一つ多く備えており、これらのバッフル管14、16及びガスノズル12が後述するような支持手段に支持されて円筒状の混合容器セル18に収容されている。
混合容器セル18は、隔壁板10cに吊設されるようにその上端が隔壁板10cに固設されており、容器セル18の容器壁のほぼ中間位置で隔壁板10dに穿設された穴に嵌合させて取り付けられている。容器セル18の下端18bは、上記触媒層2に望んで開口し、内部で生成される予混合ガスが触媒層2の入口端面に向かって均一に拡散するように下端18b近傍で拡開している。容器セル18の上端近傍の周壁にそって、周方向均等位置に多数の開口18aを有しており、容器セル18内部は、この開口18aを介して酸素含有ガス室10bと連通している。そして、酸素含有ガス室10bから多数の開口18aを介して酸素含有ガスが燃料噴流J1の回りに、且つ、噴流J1に沿って供給される。
混合容器セル18の中心軸位置に、隔壁板10cを貫通させてガスノズル12が固着されており、隔壁板10cはガスノズル12を支持する支持手段として機能している。ガスノズル12の上端12aは、燃料ガス室10aに望んで開口しており、ガス流れの圧力損失を抑制するためにラッパ状に拡開して、燃料ガス室10aからの燃料ガスを容器セル18内に導いている。
ガスノズル12の下端には、支持手段であるストラット14a、16aを介して14及び後流バッフル管16が同軸上に連設され、これらのバッフル管が支持手段によって、ガスノズル12に吊下されている。後流バッフル管16は、機能としてバッフル管14と同様に、上流の混合領域MX1から噴出する混合ガスの噴流J2に伴うエジェクタ効果を生じさせ、当該噴流に酸素含有ガスの更なる一部を取り込ませて、後流バッフル管16内に第2の混合領域MX2を形成させている。そして、図2で示したバッフル管14と同様に、後流バッフル管16の外側を流れる流れが、バッフル管16の上流エッジで剥離し、渦流f3を形成している。すなわち、渦流f3は、図4に示す実施形態では、バッフル管14の外側ではなく、後流バッフル管16の外側に形成され、後流混合領域MXが形成される。
図4に示す実施態様の混合器10においては、バッフル管14及び後流バッフル管16によって、混合領域MX1、後流混合領域MXに加えて混合領域MX2が形成される。それぞれの混合領域に供給する酸素含有ガス量は、前述したとおり、バッフル管14及び後流バッフル管16の形状等を適宜設定することによって、各混合領域で生成される混合ガス中の燃料濃度割合を所望の値に設定することができる。そして、バッフル管の形状等が設定されると、前述したとおり、エジェクタ効果によって、ガスノズル12に供給される燃料ガス量が変動しても、噴流J1の流量や噴流J1が有する運動量に比例してバッフル管14に引き込まれる酸素含有ガス量も自動的に変動し、同様に後流バッフル管16に引き込まれる酸素含有ガス量も自動的に変動するので、混合領域MX1、MX2に生成される混合ガスの燃料濃度が、略設定とおりの一定値に維持される。そしてこれらの燃料濃度割合を順次可燃濃度範囲内の値に近づくものの、可燃濃度範囲域から十分に離れた略一定値にそれぞれ設定することができ、自発火や逆火による火炎伝播を有効に阻止することができる。
また、後流混合領域MXにおいて最終的に可燃濃度範囲域にある予混合ガスが生成された場合でも、上流の各混合領域MX1、MX2において、上述したとおり渦流等による強い剪断境界層が生じ、それぞれで均一な混合ガスが生成される。このような混合ガスが最終混合領域MXに供給されるので、燃料ガスと酸素含有ガスを一気に混合する場合と比べ、局所的に見て燃料過濃領域の発生を抑制することができ、自発火や逆火を抑制することができる。
なお、図4に示す上述の実施形態では、後流バッフル管16を1個だけ追加したものを例示したが、必要に応じて後流バッフル管の数を増減することができ、後流バッフル管の追加によりより均一な予混合ガスを得ることができる。
大型の合成ガス製造プラントでは、1個の混合器では触媒層2の上流で均一な予混合ガスを生成することが困難であり、触媒層2の入り口投影面積に応じて必要な個数の混合器セルユニット10Aを配置することが必要である。本発明の混合器10のように、ユニット10Aを多数配置することによって、触媒入口端面の全域に亘って均一な予混合ガスを容易に供給することができ、触媒層2の局所的な過熱を防止することができる。また、合成ガス製造プラントの製造規模に応じ、混合器セルユニット10Aの増減が容易であり、合成ガスの製造規模に関わらず触媒層に均一な予混合ガスを供給することができる。
大型の合成ガス製造プラントでは、1個の混合器では触媒層2の上流で均一な予混合ガスを生成することが困難であり、触媒層2の入り口投影面積に応じて必要な個数の混合器セルユニット10Aを配置することが必要である。本発明の混合器10のように、ユニット10Aを多数配置することによって、触媒入口端面の全域に亘って均一な予混合ガスを容易に供給することができ、触媒層2の局所的な過熱を防止することができる。また、合成ガス製造プラントの製造規模に応じ、混合器セルユニット10Aの増減が容易であり、合成ガスの製造規模に関わらず触媒層に均一な予混合ガスを供給することができる。
1 反応器
2 触媒
10 混合器
10A 混合器セルユニット
12 ガスノズル
14 バッファ管(ダクト手段)
16 後流バッファ管(後流ダクト手段)
18 混合容器セル
J1 噴流
MX 後流混合領域
MX1 混合領域
MX2 第2の混合領域
2 触媒
10 混合器
10A 混合器セルユニット
12 ガスノズル
14 バッファ管(ダクト手段)
16 後流バッファ管(後流ダクト手段)
18 混合容器セル
J1 噴流
MX 後流混合領域
MX1 混合領域
MX2 第2の混合領域
Claims (7)
- 可燃原料ガスと酸素含有ガスとの混合により、可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成する混合方法であって、
前記可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか一方を噴出させ、
前記噴出させた噴流に沿って、可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか他方を供給し、
前記供給された他方のガスの一部を、前記噴流に伴って生じるエジェクタ効果によって当該噴流に取り込んで噴流に混合させ、
斯く混合して当該噴流の下流に形成される混合領域の混合ガス中の燃料濃度を、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持することを特徴とする可燃ガス混合方法。 - 可燃原料ガスと酸素含有ガスとの混合により、可燃濃度範囲域にある予混合ガスを生成する混合器であって、
前記可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか一方のガスを噴流として噴出させるガスノズルと、
前記一方のガスの噴流に沿って、前記可燃原料ガス及び酸素含有ガスのいずれか他方を供給するガス供給手段と、
前記ガスノズルの下流側に配設されて前記噴流に伴うエジェクタ効果を生じさせ、前記他方のガスの一部を当該噴流に取り込ませて、前記噴流の下流に混合領域を形成させるダクト手段とを備え、
当該ダクト手段は、前記混合領域を前記ダクト手段内に形成し、
当該混合領域における混合ガス中の燃料濃度は、噴流が有する運動量の変化に関わらず前記可燃濃度範囲外に維持されることを特徴とする可燃ガス混合器。 - 前記ダクト手段は、当該ダクト手段の後流混合領域において、前記混合領域で生成される混合ガスの噴流と前記他方のガスの残部とを混合させて前記予混合ガスを生成することを特徴とする、請求項2記載の可燃ガス混合器。
- 前記ダクト手段の後流位置に配設される、更に少なくとも一つの後流ダクト手段を備え、
当該少なくとも一つの後流ダクト手段は、前記混合領域で生成される混合ガスの噴流に伴うエジェクタ効果を生じさせ、当該噴流に前記他方のガスの更なる一部を取り込ませて、後流ダクト手段内に第2の混合領域を形成し、
前記混合領域、少なくとも一つの第2の混合領域、及び後流混合領域でそれぞれ生成される混合ガス中の原料ガス成分濃度を変化させ、後流混合領域において前記可燃濃度範囲域に到達させた予混合ガスを生成することを特徴とする、請求項3記載の可燃ガス混合器。 - 前記ガスノズル及びダクト手段を支持する支持手段と、
前記一方のガスの噴流及び他方のガス流れの外周を覆う混合容器セルとを備え、
当該混合容器セルの内部に、前記支持手段により支持されたガスノズル及びダクト手段を収容させて混合器ユニットを形成させたことを特徴とする、請求項2又は3記載の可燃ガス混合器。 - 前記ガスノズル、ダクト手段及び少なくとも一つの後流ダクト手段を支持する支持手段と、
前記一方のガスの噴流及び他方のガス流れの外周を覆う混合容器セルとを備え、
当該混合容器セルの内部に、前記支持手段により支持されたガスノズル、ダクト手段及び少なくとの一つの後流ダクト手段を収容させて混合器ユニットを形成させたことを特徴とする、請求項4記載の可燃ガス混合器。 - 前記混合器ユニットを複数備えることを特徴とする、請求項5又は6記載の可燃ガス混合器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-03-07 JP JP2007057107A patent/JP2008214165A/ja active Pending
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