JP5646328B2 - アゼチジノンの生産のためのケトレダクターゼポリペプチド - Google Patents

アゼチジノンの生産のためのケトレダクターゼポリペプチド Download PDF

Info

Publication number
JP5646328B2
JP5646328B2 JP2010527257A JP2010527257A JP5646328B2 JP 5646328 B2 JP5646328 B2 JP 5646328B2 JP 2010527257 A JP2010527257 A JP 2010527257A JP 2010527257 A JP2010527257 A JP 2010527257A JP 5646328 B2 JP5646328 B2 JP 5646328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
residue
amino acid
polypeptide
seq
ketoreductase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010527257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010539952A (ja
JP2010539952A5 (ja
Inventor
オノラト カンパピアノ,
オノラト カンパピアノ,
エミリー マンドルフ,
エミリー マンドルフ,
バース ボーアップ,
バース ボーアップ,
ラマ ボラドリ,
ラマ ボラドリ,
Original Assignee
コデクシス, インコーポレイテッド
コデクシス, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コデクシス, インコーポレイテッド, コデクシス, インコーポレイテッド filed Critical コデクシス, インコーポレイテッド
Publication of JP2010539952A publication Critical patent/JP2010539952A/ja
Publication of JP2010539952A5 publication Critical patent/JP2010539952A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5646328B2 publication Critical patent/JP5646328B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0006Oxidoreductases (1.) acting on CH-OH groups as donors (1.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P17/00Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
    • C12P17/10Nitrogen as only ring hetero atom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y101/00Oxidoreductases acting on the CH-OH group of donors (1.1)
    • C12Y101/01Oxidoreductases acting on the CH-OH group of donors (1.1) with NAD+ or NADP+ as acceptor (1.1.1)
    • C12Y101/01184Carbonyl reductase (NADPH) (1.1.1.184)
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

(関連する出願への相互参照)
本願は、2007年10月1日に出願された米国特許出願第60/976,555号の利益を、米国特許法§119(e)のもとに主張する。米国特許出願第60/976,555号の内容は、参考により本明細書中に援用される。
(配列表、表またはコンピュータプログラムへの参照)
米国特許法施行規則1.821のもと、ファイル名376247−022.txtとしてEFS−Webを介してコンピュータ読み取り可能形態(CRF)で本明細書と同時に提出された配列表は、その全体が参考により本明細書中に援用される。該配列表の電子コピーは、2008年10月1日に、150Kbyteのファイルサイズで作製された。
ケトレダクターゼ(KRED)またはカルボニルレダクターゼクラス(EC1.1.1.184)に属する酵素は、対応するプロ立体異性体ケトン基質または対応するラセミのアルデヒド基質から光学活性アルコールを合成するのに有用である。KREDは、典型的には、ケトンおよびアルデヒド基質を対応するアルコール生成物に変換するが、KREDはまた、逆反応(アルコール基質の対応するケトン/アルデヒド生成物への酸化反応)を触媒し得る。KREDなどの酵素によるケトンやアルデヒドの還元およびアルコールの酸化は、補因子(最も一般的には、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)または還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP))を、酸化反応のために必要とする。NADHおよびNADPHは、電子ドナーとして働き、他方で、NADおよびNADPは、電子受容体として働く。ケトレダクターゼおよびアルコールデヒドロゲナーゼは、リン酸化補因子または非リン酸化補因子のいずれか(その酸化された状態および還元された状態にある)を受け取ることが、しばしば観察される。
KRED酵素は、広範囲の細菌および酵母において見出すことができる(概観のためには:非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。いくつかのKRED遺伝子およびKRED酵素の配列が報告されている。例えば、Candida magnoliae(Genbank登録番号JC7338;GI:11360538)、Candida parapsilosis(Genbank登録番号BAA24528.1;GI:2815409)、Sporobolomyces salmonicolor(Genbank登録番号AF160799;GI:6539734)。
重要な化合物の製造のための多くの化学合成手順を回避するために、ケトレダクターゼが、様々なケト基質とアルデヒド基質をキラルアルコール生成物に変換するためにますます使用されている。これらの適用は、生体触媒的なケトンの還元のために全細胞、または全細胞中に複数のケトレダクターゼが存在する場合、所望の生成物の立体純度および収率に悪影響を与えるこうした場合の精製酵素を使用することができる。インビトロでの適用については、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、ホルメートデヒドロゲナーゼなどの酵素を再生する補因子(NADHまたはNADPH)が、ケトレダクターゼとともに使用される。有用な化学的化合物を生成するためにケトレダクターゼを用いる例としては、4−クロロアセト酢酸エステル類の不斉還元(非特許文献4;非特許文献5;米国特許第5,559,030号;米国特許第5,700,670号;米国特許第5,891,685号)、ジオキソカルボン酸類の還元(例えば、米国特許第6,399,339号)、tert−ブチル(S)クロロ−5−ヒドロキシ−3−オキソヘキサノエート(例えば、米国特許第6,645,746号および特許文献1)、ピロロトリアジン系化合物の還元(例えば、米国特許出願公開番号2006/0286646);置換アセトフェノン類の還元(例えば、米国特許第6,800,477号);およびケトチオラン類の還元(特許文献2)が挙げられる。
様々なケト基質をその対応するキラルアルコール生成物に変換するのに使用することができる他のケトレダクターゼ酵素を同定することが望まれる。
国際公開第01/40450号パンフレット 国際公開第2005/054491号パンフレット
Kraus and Waldman,Enzyme catalysis in organic synthesis Vols.1&2.VCH Weinheim 1995 Faber,K.,Biotransformations in organic chemistry,4th Ed.Springer,Berlin Heidelberg New York.2000 Hummel and Kula,1989,Eur.J.Biochem.184:1−13 Zhou,J.Am.Chem.Soc.1983 105:5925−5926 Santaniello,J.Chem.Res.(S)1984:132−133
本開示は、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート(「基質」)のラセミ混合物を2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート(「生成物」)に還元する能力を有するケトレダクターゼポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ポリペプチドを使用するための方法を提供する。2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートは、(2R,3R)−3−((R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イルアセタート(「アゼチジノン;アセトキシアゼチジノン」;CAS登録番号76855−69−1)の合成の中間体であり、そしてそれは、種々のカルバペネム抗生物質の製造において使われる中間体(最後から2番目の中間体)である。2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートから合成できるカルバペネム抗生物質は、イミペネム、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、ビオペネム、パニペネム、およびチエナマイシンに類似した他の化合物を含むが、これらに限定されるものではない。本開示の組み換えケトレダクターゼポリペプチドは、Lactobacillus kefir(「L.kefir」;配列番号4)、Lactobacillus brevis(「L.brevis」;配列番号2),またはLactobacillus minor(「L.minor」;配列番号86)から得られる天然に存在する野生型のケトレダクターゼ酵素と比較して、特定の基質を対応するキラルアルコール生成物に還元する際に改良された特性を有する。いくつかの実施形態では、組み換えケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号48などの別の組み換えケトレダクターゼポリペプチドに比べて、改良された性質を有する。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号4、2、および86の野生型L.kefir、L.brevis、またはL.minor KREDの配列に関して、少なくとも以下の特徴:残基202は、バリンまたはロイシンである、を有する。いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、配列番号4、2、および86の配列に関して、以下の特徴の少なくとも2つを有する:(1)位置94(すなわち、X94)に対応する残基は、脂肪族、または極性の残基である、(2)位置199(すなわち、X199)に対応する残基は、脂肪族、極性、または拘束性の残基である、および(3)位置202(すなわち、X202)に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号4、2、および86の配列に関して、少なくとも以下の特徴:(1)位置X94に対応する残基は、極性の残基である、(2)位置X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性、または極性の残基である、および(1)位置X202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである、を有する。
上述した特徴に加えて、ケトレダクターゼは、配列番号2、4、または86と比較して、他の残基位置で1つ以上の残基の違いを有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書のケトレダクターゼポリペプチドは、以下の特徴:X94に対応する残基は、脂肪族、または極性の残基、特にアラニンまたはトレオニンである;X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性、または極性の残基、特にアラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンである;およびX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである、を有する配列番号2、4または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより大きい同一性のアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴、すなわち、X94に対応する残基は、脂肪族、または極性の残基である;X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性、または極性の残基である;およびX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである、を有する。
いくつかの実施形態では、改良された性質が単一の残基の違い、または残基の違いの特定の組み合わせに由来するような場合には、組み換えケトレダクターゼは、参照配列と比較して、ポリペプチド中の他の位置における1つ以上の残基の違いを場合により含むことができる。いくつかの実施形態では、残基の違いは、保存的な突然変異を含む。いくつかの実施形態では、他の残基位置におけるさらなる残基の違いが取り込まれて、酵素特性でのさらなる改良を生じることができる。これらの改良は、定義された基質についての酵素活性をさらに増大し得るが、立体選択性、熱安定性、溶媒安定性、および/または還元型生成物の抑制における増大を含むこともできる。1つ以上の改良された酵素特性をもたらすことのできるいろいろな残基の違いは、詳細な説明において提供される。いくつかの実施形態では、改良されたケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、配列番号84、または配列番号87(またはその領域、例えば残基90〜211など)で配置される配列式に対応するアミノ酸配列を含む。配列番号84は、Lactobacillus kefirケトレダクターゼ(配列番号4)の野生型アミノ酸配列に基づき;配列番号83は、Lactobacillus brevisケトレダクターゼ(配列番号2)の野生型アミノ酸配列に基づき;そして配列番号87は、Lactobacillus minorケトレダクターゼ(配列番号86)の野生型アミノ酸配列に基づく。配列番号83、84、および87の配列式は、X94に対応する残基が、脂肪族、または極性の残基であり;X199に対応する残基が、脂肪族、拘束性、または極性の残基であり;そして、X202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであることを特定している。配列式は、詳細な説明において提供されるように、他の残基位置での特徴をさらに特定する。
いくつかの実施形態では、組み換えケトレダクターゼポリペプチドは、基質を生成物に還元するための野生型ケトレダクターゼ酵素と比較して、酵素活性を増大させることができた。酵素活性の改良は、ケトレダクターゼポリペプチドの特異的活性を標準的な酵素アッセイを用いて野生型ケトレダクターゼ酵素のそれと比較することによって測定することができる。改良の程度は、対応する野生型または参照ケトレダクターゼ酵素の酵素活性の1.5倍(または1.5×)から、2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、75倍、100倍、またはそれ以上の大きさまで変動することができる。特定の実施形態では、組み換えケトレダクターゼ酵素は、野生型または参照ケトレダクターゼ酵素の酵素活性よりも、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍大きい改良された酵素活性を示す。酵素活性の改良は、また、立体選択性、立体特異性、熱安定性、溶媒安定性、または還元型生成物の抑制における増大を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号4、配列番号48、および/または配列番号66と比較して,酵素活性のそれらの比率(すなわち、基質を生成物に変換するそれらの比率)に関して、改良される。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号4または配列番号90の比率に対して、少なくとも5倍、10倍、25倍、50倍、75倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、500倍、または1000倍の比率で基質を生成物に変換することができる。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、少なくとも約85%の立体異性体過剰率(%)または野生型L.Kefir KRED(配列番号4)よりも大きい立体異性体過剰率(%)で変換することができる。この性質を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、少なくとも約60〜89%の立体異性体過剰率(%)および配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約1〜15倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、46、50、52、54、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これに限定されるものではない。配列番号48のアミノ酸配列を有する参照ポリペプチドは、基質をある比率(例えば、pH8の50%IPA中、KREDの約10g/Lを用いて、1g/Lの基質を20時間で100%変換)および野生型(配列番号4)に対して改良された立体選択性でもって、生成物に変換することができるので、配列番号48に対して改良された本明細書のポリペプチドは、また、野生型に対しても改良される。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、少なくとも約90〜94%の立体異性体過剰率(%)で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、40、42、50、52、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、少なくとも約95〜99%の立体異性体過剰率(%)で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、42、50、52、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、少なくとも約99%の立体異性体過剰率(%)で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、30、32、34、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約15〜30倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、28、30、32、34、50、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約30〜40倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、30、34、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約40〜50倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、22、24、および60に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約50倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、および12に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約50倍大きい比率および少なくとも99%の立体異性体過剰率(%)で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、8、10、および12に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、本発明は、40℃で21時間、加熱処理した後に、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換する能力を保持することができるケトレダクターゼポリペプチドを提供する。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号6、10、および44に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
別の態様では、本開示は、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができるケトレダクターゼポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、これらのケトレダクターゼは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、少なくとも約85%の立体異性体過剰率(%)で変換することができる。典型的なポリペプチドは、配列番号68、72、74、76、78、および82に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、2R,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約1倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号64、68、70、72、74、76、78、80および82に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ある立体異性体過剰率および野生型L.kefir KRED(配列番号4)よりも大きい比率で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができるので、配列番号66に対して改良された任意のポリペプチドは、また、野生型L.kefir KREDに対しても改良される。
いくつかの実施形態では、2R,2R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約1〜2倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号64、68、70、72、74、76、78、および80に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、2R,2R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約5倍大きい比率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号64、70、72、76、78、および80に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、2R,2R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約5倍大きい比率および少なくとも85%の立体異性体過剰率で変換することができる。この特性を有する典型的なポリペプチドは、配列番号72および78に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。
別の態様では、本開示は、本明細書に記述された組み換えケトレダクターゼをコードするポリヌクレオチドまたは高度にストリンジェントな条件下でそのようなポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、コードされた組み換えケトレダクターゼの発現のために有用なプロモーターと他の制御エレメントを含むことができ、特定の望ましい発現系のために最適化されたコドンを利用することができる。典型的なポリヌクレオチドは、配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、および81を含むが、これらに限定されるものではない。典型的なポリヌクレオチドは、また、配列番号83、84、および87の配列式に対応するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも含む。
別の態様では、本開示は、本明細書に記述されたポリヌクレオチドおよび/または発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。宿主細胞は、L.kefirまたはL.brevisまたはL.minorを含むことができ、あるいはまた、それらは別の生物であってもよい。宿主細胞は、本明細書に記述された組み換えケトレダクターゼ酵素の発現および単離のために使用することができ、あるいはまた、それらは、基質を立体異性体生成物に変換するために直接使用することもできる。
全細胞、細胞抽出物または精製ケトレダクターゼ酵素を用いる方法を実施するかどうかに関わらず、単一のケトレダクターゼ酵素が使われてもよいし、あるいはまた、2つ以上のケトレダクターゼ酵素の混合物が使われてもよい。
上記したように、いくつかの実施形態では、本明細書に記述されるケトレダクターゼ酵素は、構造式(I):
Figure 0005646328
の化合物(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート(「基質」))中のケト基を、構造式(II):
Figure 0005646328
の対応する立体異性体アルコール生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート(「生成物」))とする還元反応を触媒することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記述されるケトレダクターゼ酵素は、構造式(I)の化合物中のケト基の還元反応を触媒して、構造式(III):
Figure 0005646328
の対応する立体異性体アルコール生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート(これはまた、「生成物」と呼ぶこともできる)とすることができる。
したがって、いくつかの実施形態では、構造式(I)の基質を構造式(II)または構造式(III)のアルコール生成物に還元するための方法が、本明細書で提供され、該方法は、基質を構造式(II)または構造式(III)の生成物に還元するのに適した反応条件下で、本開示のケトレダクターゼポリペプチドと基質を接触させるか、またはインキュベーションすることを含む。
いくつかの実施形態では、構造式(II)の生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)は、スキーム3:
Figure 0005646328
で示されるように、中間体やカルバペネム化合物を合成するのに用いることができる。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(IVa):
Figure 0005646328
(式中、RはHまたは水酸基の保護基であり、R10は、ハロゲン(例えば、Cl)、または−OAc(Acは、アセタートである)である)の中間体を合成するための方法で使用することができる。したがって、構造式(IVa)の中間体の合成のための方法では、該方法の工程は、基質を式(II)の生成物に還元するか、または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(VI):
Figure 0005646328
(式中、Rは、HまたはC1−C4アルキル(例えば、−CH)であり;Rは、Hまたは水酸基の保護基であり;Rは、H、カルボキシ基の保護基、アンモニア基、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり;そしてXは、OHまたは脱離基である)の中間体の合成に使用することができる。典型的な脱離基は、限定されるものではないが、−OP(O)(OR’)またはOS(O2)R”であり、そこではR’とR”は、C1−C6アルキル、C1−C6アルカリル、アリール、パーフルオロC1−C6アルキルである。したがって、いくつかの実施形態では、式(VI)の中間体の合成のための方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(V):
Figure 0005646328
(式中、RはHまたは−CHであり;Rは,いろいろな置換基(限定されるものではないが、置換または非置換アルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、および置換または非置換ヘテロアリールアルキルを含む)であることができ;そして、RはHまたは加水分解可能なエステル基などのプロ基である)のカルバペネム系治療化合物またはその溶媒和物、水和物、塩、およびプロドラッグを合成するためのプロセスで使用することができる。したがって、構造式(V)の化合物の合成方法では、該方法での工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含むことができる。構造式(V)の典型的なカルバペネムは、イミペネム、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、ビオペネム、およびパニペネムを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、本開示は、スロペネム化合物を合成する方法での、およびスロペネムの合成に使用される中間体でのケトレダクターゼの使用をさらに提供する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを生成物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに、少なくとも約60%の立体異性体過剰率(%)で変換することができるケトレダクターゼポリペプチド。
(項目2)
以下の特徴:X94に対応する残基がトレオニンである;X199に対応する残基がヒスチジンである;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンである、を有する配列番号2または4または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%が同一であるアミノ酸配列を含み、但し、X94に対応する残基が、脂肪族または極性残基であり;X199に対応する残基が、脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する、項目1記載のポリペプチド。
(項目3)
X94に対応する残基がトレオニンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目4)
X199に対応する残基が、アラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目5)
X94に対応する残基が、極性残基であり;X199に対応する残基が、脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目6)
X94に対応する残基が、トレオニンであり、X199に対応する残基が、アラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンであり;およびX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目7)
ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X2に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X4に対応する残基が、塩基性残基またはシステインである;
X11に対応する残基が、非極性、脂肪族、または芳香族残基である;
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;
X80に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X86に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X105に対応する残基が、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;
X129に対応する残基が、非極性、または極性残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X153に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X190に対応する残基が、芳香族、または拘束性残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X206に対応する残基が、非極性、または芳香族残基である;
X226に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X248に対応する残基が、非極性、または塩基性残基である;
X249に対応する残基が、芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有し、ここで該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目2〜6のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目8)
ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X2に対応する残基が、アラニンである;
X4に対応する残基が、システインである;
X11に対応する残基が、フェニルアラニンである;
X40に対応する残基が、アルギニンである;
X80に対応する残基が、トレオニンである;
X86に対応する残基が、イソロイシンである;
X96に対応する残基が、バリンまたはフェニルアラニンである;
X105に対応する残基が、グリシンである;
X129に対応する残基が、トレオニンである;
X147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである;
X153に対応する残基が、アラニンまたはセリンである;
X190に対応する残基が、ヒスチジンまたはプロリンである;
X195に対応する残基が、バリンである;
X196に対応する残基が、ロイシンである;
X206に対応する残基が、フェニルアラニンである;
X226に対応する残基が、バリンである;
X248に対応する残基が、リジン、またはアルギニンである;
X249に対応する残基が、トリプトファンである;
の1つ以上をさらに有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目2〜6のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目9)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;および
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
の1つ以上をさらに有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目10)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性であるか、芳香族であるか、非極性であるか、または脂肪族である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X226に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X248に対応する残基が、非極性、または塩基性残基である;
X249に対応する残基が、芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有する、項目9に記載のポリペプチド。
(項目11)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X2に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X4に対応する残基が、塩基性残基またはシステインである;
X11に対応する残基が、非極性、脂肪族、または芳香族残基である;
X80に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X86に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X105に対応する残基が、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;
X129に対応する残基が、非極性、または極性残基である;
X153に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X190に対応する残基が、芳香族、または拘束性残基である;
X206に対応する残基が、非極性、または芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有する、項目9または10に記載のポリペプチド。
(項目12)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;および
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目13)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
を有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目14)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
を有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目15)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:X40に対応する残基が、アルギニンである、を有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目16)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:X147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである、を有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目17)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:X40に対応する残基が、アルギニンである;およびX147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである、を有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目18)
前記ケトレダクターゼポリペプチドが、以下の特徴:X94に対応する残基がトレオニンである;X199に対応する残基がヒスチジンである;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンである、を有する配列番号2、4または86に基づく参照配列の残基90〜211に対して、少なくとも85%が同一であるアミノ酸配列を有する領域またはドメインを含み;但し、該ケトレダクターゼドメインまたは領域は、X94に対応する残基が、脂肪族または極性残基であり;X199に対応する残基が脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基がロイシンまたはバリンであるアミノ酸配列を有する、項目1記載のポリペプチド。
(項目19)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X94に対応する残基がトレオニンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目20)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X199に対応する残基がアラニン、ヒスチジンまたはアスパラギンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目21)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X94に対応する残基が極性残基であり;X199に対応する残基が脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目22)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X94に対応する残基がトレオニンであり;X199に対応する残基がアラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンであり;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目23)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X105に対応する残基が、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;
X129に対応する残基が、非極性、または極性残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X153に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X190に対応する残基が、芳香族、または拘束性残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X206に対応する残基が、非極性、または芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して残基90〜211に対応するドメインでの他のアミノ酸残基位置において1つ以上の違いを場合により有する、項目18〜21のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目24)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、バリンまたはフェニルアラニンである;
X105に対応する残基が、グリシンである;
X129に対応する残基が、トレオニンである;
X147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである;
X153に対応する残基が、アラニンまたはセリンである;
X190に対応する残基が、ヒスチジンまたはプロリンである;
X195に対応する残基が、バリンである;
X196に対応する残基が、ロイシンである;
X206に対応する残基が、フェニルアラニンである;
の1つ以上をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して残基90〜211に対応するドメインでの他のアミノ酸残基位置において1つ以上の違いを場合により有する、項目18〜21のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目25)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目18に記載のポリペプチド。
(項目26)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目18に記載のポリペプチド。
(項目27)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目18に記載のポリペプチド。
(項目28)
配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、46、50、52、54、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
(項目29)
少なくとも約90%の立体異性体過剰率(%)で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目30)
配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、40、42、50、52、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含む、項目29に記載のポリペプチド。
(項目31)
少なくとも約95%の立体異性体過剰率(%)で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目32)
配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、42、50、52、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含む、項目31に記載のポリペプチド。
(項目33)
少なくとも約99%の立体異性体過剰率(%)で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目34)
配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、30、32、34、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目33に記載のポリペプチド。
(項目35)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも15倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目36)
配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、28、30、32、34、50、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目35に記載のポリペプチド。
(項目37)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも30倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目38)
配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、30、34、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目37に記載のポリペプチド。
(項目39)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも40倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目40)
配列番号6、8、10、12、14、22、および60に対応するアミノ酸配列を含む、項目39に記載のポリペプチド。
(項目41)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも50倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目42)
配列番号6、8、10、および12に対応するアミノ酸配列を含む、項目41に記載のポリペプチド。
(項目43)
基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを生成物2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに、少なくとも約85%の立体異性体過剰率(%)で変換することができるケトレダクターゼポリペプチド。
(項目44)
配列番号68、72、74、76、78、および82に対応するアミノ酸配列を含む、項目43に記載のポリペプチド。
(項目45)
項目1〜42のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(項目46)
配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、45、49、51、53、55、57、59、または61に対応する配列である、項目45に記載のポリヌクレオチド。
(項目47)
項目43または44に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(項目48)
配列番号67、71、73、75、77、または81に対応する配列である、項目47に記載のポリヌクレオチド。
(項目49)
宿主細胞での発現を方向づけるのに適した制御配列に作動可能に連結された項目45または47に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
(項目50)
前記制御配列がプロモーターを含む、項目49に記載の発現ベクター。
(項目51)
前記プロモーターが、E.coliプロモーターを含む、項目50に記載の発現ベクター。
(項目52)
前記制御配列が分泌シグナルを含む、項目50に記載の発現ベクター。
(項目53)
項目49に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
(項目54)
E.coliである、項目53に記載の宿主細胞。
(項目55)
項目1〜42のいずれか1項に記載のケトレダクターゼ、および化合物メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートまたは化合物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートを含む、組成物。
(項目56)
前記化合物が、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートである、項目55に記載の組成物。
(項目57)
補因子再生系をさらに含む、項目55に記載の組成物。
(項目58)
前記補因子再生系が、グルコースデヒドロゲナーゼとグルコース;ホルメートデヒドロゲナーゼとホルメート;またはイソプロパノールと第2級アルコールデヒドロゲナーゼを含む、項目57に記載の組成物。
(項目59)
基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを、生成物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元する方法であって、該方法は、基質を生成物に還元するのに適した反応条件下で、該基質を項目1〜42のいずれか1項に記載のケトレダクターゼポリペプチドと接触させるか、またはインキュベーションすることを含む、方法。
(項目60)
前記生成物が約99%より大きい立体異性体過剰率(%)で存在する、項目59に記載の組成物。
(項目61)
ケトレダクターゼ酵素を発現する全細胞、またはそのような細胞の抽出物もしくは溶解物を用いて実施される、項目59に記載の方法。
(項目62)
ケトレダクターゼが、単離および/または精製され、還元反応が、ケトレダクターゼのための補因子および場合により補因子のための再生系の存在下で実施される、項目59に記載の方法。
(項目63)
補因子再生系が、グルコースデヒドロゲナーゼとグルコース;ホルメートデヒドロゲナーゼとホルメート;またはイソプロパノールと第2級アルコールデヒドロゲナーゼを含む、項目59に記載の方法。
(項目64)
前記第2級アルコールデヒドロゲナーゼが、ケトレダクターゼである、項目63に記載の方法。
(項目65)
式(IVa):
Figure 0005646328

(式中、R はHまたは水酸基の保護基であり、R 10 はハロゲンまたは−OAcであり、ここでAcはアセタートである)の中間体を合成する方法であって、
該方法の工程は、基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを項目1〜42のいずれか1項に記載のケトレダクターゼと、該基質を生成物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
(項目66)
構造式(IX)
Figure 0005646328

(式中、R は、HまたはC1−C4アルキルであり;R は、Hまたは水酸基の保護基であり;R は、H、カルボキシ基の保護基、アンモニア基、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり;およびXは、OHまたは脱離基である)の中間体を合成する方法であって、
該方法での工程は、基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを項目1〜42のいずれか1項に記載のケトレダクターゼと、該基質を生成物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
(項目67)
構造式(V):
Figure 0005646328

(式中、R は、Hまたは−CH であり;R は置換または非置換アルキル、置換また
は非置換アリール、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、および置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択され;およびR は、Hまたはプロ基である)のカルバペネムまたはその溶媒和物、水和物、塩もしくはプロドラッグを合成する方法であって、
該方法での工程は、基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを項目1〜42のいずれか1項に記載のケトレダクターゼと、該基質を生成物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
(項目68)
前記カルバペネムが、構造式(X):
Figure 0005646328

を有する、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記カルバペネムが、構造式(XI):
Figure 0005646328

を有する、項目67に記載の方法。
(項目70)
前記カルバペネムが、構造式(XII):
Figure 0005646328

を有する、項目67に記載の方法。
(項目71)
前記カルバペネムが、構造式(XIII):
Figure 0005646328

を有する、項目67に記載の方法。

式(I)の基質化合物の式(II)の対応する生成物への変換におけるケトレダクターゼ(KRED)の役割を示す。この還元は、本発明のKREDとNADPHなどの補因子を使用する。イソプロピルアルコール(IPA)は、NADPHへのNADPの変換/再生に使用される。
(詳細な説明)
1.1 定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有するものとする。
「ケトレダクターゼ」および「KRED」は、カルボニル基をその対応するアルコールに還元する酵素能を有するポリペプチドを意味するために本明細書では互換的に使用される。より詳しくは、本発明のケトレダクターゼポリペプチドは、式(I)(上記)の化合物を式(II)(上記)の対応する生成物に立体選択的に還元することができる。ポリペプチドは、一般的に、還元剤として補因子の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)または還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を利用する。本明細書で使用される場合、ケトレダクターゼは、天然に存在する(野生型)ケトレダクターゼのみならず、人間の操作によって生成する天然に存在しない組み換えポリペプチドを含む。
「コード配列」は、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)のその部分を意味する。
「天然に存在する」または「野生型」は、天然に見られる形態を意味する。例えば、天然に存在する、または野生型のポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然資源から単離することができ、そして人間の操作により意図的に改変されていない生物に存在する配列である。
例えば、細胞、核酸またはポリペプチドに言及して使われる場合の「組み換え」は、そうでなければ天然には存在しない方法で改変された、またはそれと同一であるが、合成材料から、および/または組み換え技術を用いる操作によって生産または誘導される材料、または材料の天然のもしくは未変性の形態に対応する材料を意味する。非限定的な例は、特に、細胞の未変性(非組み換え型)な形態では見られない遺伝子を発現する、またはそうでなければさまざまなレベルで発現される未変性の遺伝子を発現する組み換え細胞を含む。
「配列の同一性パーセント」および「パーセント相同性」は、ポリヌクレオチドとポリペプチドとの間の比較を意味するために本明細書では互換的に使用され、比較ウインドウでの2つの配列の最適配列の比較により決定されるが、そこでは比較ウインドウにおけるポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適アラインメントのために、参照配列(それは、付加または欠失を含まない)と比べて付加または欠失(つまり、ギャップ)を含み得る。パーセントは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列中に存在して一致する位置の数を与えるその位置での位置の数を決定し、一致した位置の数を比較ウインドウでの位置の総数により割り、その結果を100倍して配列の同一性のパーセントを得ることにより算出される。あるいはまた、パーセントは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基のいずれかが、両方の配列中に存在して、または核酸塩基もしくはアミノ酸残基がギャップをもって配列されて一致する位置の数を与えるその位置での位置の数を決定し、一致した位置の数を比較ウインドウでの位置の総数により割り、その結果を100倍して配列の同一性のパーセントを得ることにより算出される。当業者であれば、2つの配列を一列に並べるために利用可能な多くの確立したアルゴリズムがあることを理解する。比較のための配列の最適アラインメントは、例えば、局所相同性アルゴリズム(SmithおよびWaterman,1981,Adv.Appl.Math.2:482)、相同性アラインメントアルゴリズム(NeedlemanおよびWunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443)、類似度法の検索(PearsonおよびLipman,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444)、これらのアルゴリズムのコンピュータ化手段(GAP,BESTFIT,FASTA,and TFASTA in the GCG Wisconsin Software Package)、または視覚検査(一般的にCurrent Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc.,(1995 Supplement)(Ausubel)を参照)。配列の同一性パーセントと配列類似性を決定するのにふさわしいアルゴリズムの例としては、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムがあり、それらは、Altschulら、1990,J.Mol.Biol.215:403−410およびAltschulら、1977,Nucleic Acids Res.3389−3402にそれぞれ記載されている。BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトを通して一般に公開されている。このアルゴリズムは、データベース配列中の同一長さの単語と整列化した場合に所定の正の閾値スコアTと一致するかまたはこれを満足するクエリー配列中の長さWの短い単語を識別することによりまず高スコア配列対(HSP)を識別することを含む。Tを隣接単語スコア閾値という(Altschulら,前出)。これらの初期隣接単語ヒットは、それを含むさらに長いHSPを見出だす検索を開始するためのシードとしての機能を果たす。次に、累積アラインメントスコアが増加され得る限り、単語ヒットは各配列に沿って両方向に延長される。ヌクレオチド配列の場合には、パラメータM(1対のマッチ残基のリウォードスコア、常に>0)およびN(ミスマッチ残基のペナルティスコア、常に<0)を使用して累積スコアを計算する。アミノ酸配列の場合には、スコアリングマトリクスを使用して累積スコアを計算する。累積アラインメントスコアが、その最大到達値から量Xだけ低下するか、累積スコアが1カ所以上の負スコア残基アラインメントの累積によりゼロ以下になるか、またはどちらかの配列の末端に達したら各方向の単語ヒットの延長を停止する。BLASTアルゴリズムパラメータW、TおよびXは、アラインメントの感度と速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は語長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。アミノ酸配列用として、BLASTPプログラムは、語長(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリクスをデフォルトとして使用する(HenikoffおよびHenikoff,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915参照)。配列アライメントと%配列同一性の典型的な測定は、提供されるデフォルトパラメータを使用して、GCG Wisconsin Softwareパッケージ(Accelrys、Madison WI)で、BESTFITまたはGAPプログラムを使用することができる。
「参照配列」は、配列比較の根拠として使われる確定済み配列を指す。参照配列は、より大きな配列(例えば、全長遺伝子またはポリペプチド配列のセグメント)のサブセットである場合がある。通常、参照配列は、長さにおいて少なくとも20個のヌクレオチドまたはアミノ酸残基、長さにおいて少なくとも25個の残基、長さにおいて少なくとも50個の残基、または核酸もしくはポリペプチドの全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、それぞれ、(1)2つの配列の間で類似している配列(すなわち、完全な配列の一部)を含むことができ、そして(2)2つの配列の間で異なる配列をさらに含み得るので、2つの(またはそれより多くの)ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの間の配列比較は、「比較ウインドウ」上の2つのポリヌクレオチドの配列を比較して配列類似性の局所領域を特定し、比較することにより一般的に実行される。
いくつかの実施形態では、「参照配列」は、主要なアミノ酸配列に基づくことができ、そこでは、参照配列は主要な配列中に1つ以上の変化を有することできる配列である。例えば、「X202に対応する残基ロイシンまたはバリンを有する配列番号4に基づく参照配列」は、配列番号4のX202に対応する残基がロイシンまたはバリンに変えられた参照配列を意味する。
「比較ウインドウ」は、少なくとも約20の隣接ヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念的セグメントを意味し、そこでは、配列が少なくとも20の隣接するヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較され、そして、比較ウインドウ中の配列の部分が、2つの配列の最適アライメントのための参照配列(それは、付加または欠失を含まない)と比較して20パーセント以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。比較ウインドウは、20の隣接する残基より長くてもよく、そして、場合により、30、40、50、100またはそれより長いウインドウを含むことができる。
「実質的な同一性」は、少なくとも20残基位置の比較ウインドウに対する参照配列と比べて、しばしば少なくとも30〜50残基のウインドウに対する参照配列と比べて、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、および89〜95%の配列同一性、より通常には少なくとも99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を意味し、そこでは、配列同一性のパーセントは、比較ウインドウ上の参照配列の合計20%以下の付加または欠失を含む配列と参照配列とを比較することにより算出される。ポリペプチドに適用される特定の実施形態では、「実質的な同一性」という用語は、2つのポリペプチド配列が、例えば、デフォルト・ギャップ・ウエイトを用いるプログラムGAPまたはBESTFITなどにより、最適に一列配列される場合、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも89%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性またはそれ以上の配列同一性(例えば99%の配列同一性)を共有することを意味する。好ましくは、同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換だけ異なる。
所定のアミノ酸またはポリヌクレオチドのナンバリングの文脈において使用されるとき、「〜に対応する」、「〜を参照して」または「〜と比較して」は、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列を参照配列と比較する場合、特定の参照配列の残基のナンバリングを意味する。言い換えると、所定のポリマーの残基番号または残基位置は、所定のミノ酸またはポリヌクレオチド配列中の残基の実際の番号位置によるよりもむしろ参照配列に関して示される。例えば、所定のアミノ酸配列(組み換えケトレダクターゼなどの配列)は、2つの配列の間で残基のマッチングを最適化するためにギャップを導入することによって、参照配列に整列させることができる。これらの場合、ギャップが存在するが、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の残基のナンバリングは、それが整列した参照配列に関してなされる。
「立体選択性」は、一方の立体異性体の他方の立体異性体に対する化学反応または酵素反応における優先的な形成を意味する。立体選択性は、部分的であり、そこでは、一方の立体異性体の形成が他方に対して有利に働くか、一方の立体異性体だけが形成されて反応が終了する。立体異性体がエナンチオマーであるとき、立体選択性はエナンチオ選択性(両方の合計中の一方のエナンチオマーの分数(一般にパーセントとして報告される))と呼ばれる。あるいはまた、それは、エナンチオマー過剰率(e.e.)として、当該分野で(一般的にパーセントとして)報告されており、それは式[主要エナンチオマー−微量エナンチオマー]/[主要エナンチオマー+微量エナンチオマー]に従い、そこから計算される。立体異性体がジアステレオマーである場合、立体選択性は、ジアステレオ選択性と呼ばれ、それは2つのジアステレオマーの混合物中の1つのジアステレオマーの分数(パーセントとして一般に報告される)として、通常は互換的にジアステレオマー過剰率(d.e.)として報告されている。エナンチオマー過剰率とジアステレオマー過剰率は、立体異性体過剰率の類型である。
「高度立体選択性の」は、基質を化学式(II)または(III)を有する対応する生成物に、少なくとも約85%の立体異性体過剰率で変換または還元することができるケトレダクターゼポリペプチドを意味する。
「立体特異性」は、一方の立体異性体の別の立体異性体に対する化学反応または酵素反応における優先的な変換を意味する。立体特異性は、部分的であり、そこでは、一方の立体異性体の形成が他方に対して有利に働くか、一方の立体異性体だけが変換されて立反応が終了する。
「化学的選択性」は、一方の生成物の別の生成物に対する化学反応または酵素反応における優先的な形成を意味する。
「改良された酵素特性」は、参照ケトレダクターゼと比較して任意の酵素特性の改良を示すケトレダクターゼポリペプチドを意味する。本明細書に記述される組み換えケトレダクターゼポリペプチドに関して、比較は通常、野生型ケトレダクターゼ酵素に対してなされるが、しかし、いくつかの実施形態では、参照ケトレダクターゼは、別の改良された組み換えケトレダクターゼであってもよい。改良が望ましい酵素特性は、限定されるものではないが、酵素活性(それは、基質の変換率(%)により表記できる)、熱安定性、溶媒安定性、pH活性プロファイル、補因子要件、阻害剤(例えば、生成物阻害)に対する抵抗性、立体特異性、および立体選択性(エナンチオ選択性を含む)を含む。
「増大した酵素活性」は、組み換えケトレダクターゼポリペプチドの改良された特性を意味し、それは、参照ケトレダクターゼ酵素と比較して、特異的活性(例えば、産生された生成物/時間/タンパク質量)の増加または生成物への基質の変換率(%)の増加(例えば、特定量のKREDを使用した、特定時間に開始量の基質の生成物への変換率(%))によって表わすことができる。酵素活性を測定する典型的な方法は、実施例に提供される。酵素活性に関する任意の特性は、影響を受けるかもしれないが、それは、その変化が増加した酵素活性をもたらすことができるK、Vmaxまたはkcatの古典的な酵素特性を含む。酵素活性の改良は、対応する野生型ケトレダクターゼ酵素の酵素活性の約1.5倍から、天然に存在するケトレダクターゼまたは別の組み換えケトレダクターゼ(それからケトレダクターゼポリペプチドが誘導された)よりも、2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、75倍、100倍、またはそれより大きい酵素活性である。特定の実施形態では、組み換えケトレダクターゼ酵素は、親のケトレダクターゼ酵素のそれより1.5〜50倍、1.5〜100倍大きな範囲で、改良された酵素活性を示す。任意の酵素の活性は、触媒のターンオーバー率が、基質(任意の必要とされる補因子を含む)の拡散率を超えることができないように任意の酵素の拡散が制限されることは、当業者に理解される。拡散限界の理論的最大値、kcat/Kは、通常、約10〜10(M−1−1)である。したがって、ケトレダクターゼの酵素活性のいかなる改良も、ケトレダクターゼ酵素の作用を受ける基質の拡散率に関して上限を有する。ケトレダクターゼ活性は、ケトレダクターゼを測定するために使用される標準的なアッセイのいずれかによって測定(例えば、アルコールへのケトンの同時還元を伴うNADPHの酸化による吸光度または蛍光の減少、または共役アッセイで生じる生成物の測定)することができる。酵素活性の比較は、本明細書でさらに詳述するように、確定した酵素製剤、設定された条件下での確定したアッセイ、および1つ以上の確定した基質を用いて行われる。通常、細胞溶解物が比較されるとき、細胞の数とアッセイされるタンパク質の量が測定されるのみならず、宿主細胞によって生産され、そして細胞溶解物中に存在する酵素量における変動を最小にするために、同一の発現系と同一の宿主細胞が使用される。
「変換」は、対応する生成物に基質を酵素的に還元することを意味する。「変換率(%)」は、特定の条件下で一定期間内に生成物に還元される基質のパーセントを意味する。このように、ケトレダクターゼポリペプチドの「酵素活性」または「活性」は、生成物への基質の「変換率(%)」として表記することができる。
「熱安定性」は、未処理の酵素と比較して、一定期間(例えば、0.5〜24時間)、高い温度(例えば、40〜80℃)に曝された後、同様の活性(例えば、60%〜80%よりも大きい)を維持するケトレダクターゼポリペプチドを意味する。
「溶媒安定性」は、未処理の酵素と比較して、一定期間(例えば、0.5〜24時間)、種々の濃度(例えば、5〜99%)の溶媒(イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、メチルtert−ブチルエーテル、その他)へ曝した後、同様の活性(例えば、60%〜80%より大きい)を維持するケトレダクターゼポリペプチドを意味する。
「pH安定性」は、未処理の酵素と比較して、一定期間(例えば、0.5〜24時間)、高pHまたは低pH(例えば、4.5〜6または8〜12)に曝した後、同様の活性(例えば、60%〜80%より大きい)を維持するケトレダクターゼポリペプチドを意味する。
「熱安定性および溶媒安定性」は、熱安定性のみならず、溶媒安定性であるケトレダクターゼポリペプチドを意味する。
組み換えケトレダクターゼ酵素の文脈において本明細書で使用される「由来の」は、ケトレダクターゼ酵素起源、および/または組み換えがそれに基づくそのようなケトレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を識別する。例えば、配列番号60の組み換えケトレダクターゼ酵素は、配列番号4のLactobacillus kefirのケトレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を何世代にも渡って人工的に進化させることにより得た。このように、この組み換えケトレダクターゼ酵素は、配列番号4の野生型ケトレダクターゼに「由来」する。
「親水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergら(J.Mol.Biol.179:125−142,1984)の標準化された共通疎水性度スケールに従ってゼロ未満の疎水性度を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を意味する。遺伝的にコードされる親水性アミノ酸は、L−Thr(T)、L−Ser(S)、L−His(H)、L−Glu(E)、L−Asn(N)、L−Gln(Q)、L−Asp(D)、L−Lys(K)およびL−Arg(R)を含む。
「酸性アミノ酸または残基」は、アミノ酸がペプチドまたはポリペプチドに含まれるとき、約6未満のpK値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を意味する。酸性アミノ酸は、水素イオンの喪失により、生理的pHで負に帯電した側鎖を一般的に有する。遺伝的にコードされる酸性アミノ酸は、L−Glu(E)およびL−Asp(D)を含む。
「塩基性アミノ酸または残基」は、アミノ酸がペプチドまたはポリペプチドに含まれるとき、約6より大きいpK値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を意味する。塩基性アミノ酸は、ヒドロニウムイオンとの会合により、生理的pHで正に帯電した側鎖を一般的に有する。遺伝的にコードされる塩基性アミノ酸は、L−Arg(R)およびL−Lys(K)を含む。
「極性アミノ酸または残基」は、生理的pHで帯電されていないが、しかし、2つの原子によって共通して共有される電子対が原子のうちの1つによってより密接に保持される少なくとも1つの結合を有する側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を意味する。遺伝的にコードされる極性アミノ酸は、L−Asn(N)、L−Gln(Q)、L−Ser(S)およびL−Thr(T)を含む。
「疎水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergら(J.Mol.Biol.179:125−142,1984)の標準化された共通疎水性度スケールに従ってゼロより大きい疎水性度を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を意味する。遺伝的にコードされる疎水性アミノ酸は、L−Pro(P)、L−Ile(I)、L−Phe(F)、L−Val(V)、L−Leu(L)、L−Trp(W)、L−Met(M)、L−Ala(A)およびL−Tyr(Y)を含む。
「芳香族アミノ酸または残基」は、少なくとも1つの芳香環またはヘテロ芳香環を含む側鎖を有する親水性もしくは疎水性のアミノ酸または残基を意味する。遺伝的にコードされる芳香族アミノ酸は、L−Phe(F)、L−Tyr(Y)およびL−Trp(W)を含む。そのヘテロ芳香族窒素原子のpKaのために、L−His(H)は、しばしば塩基性アミノ酸として、あるいはその側鎖がヘテロ芳香族環を含んでいるので芳香族残基として分類されるけれども、本明細書でのヒスチジンは、親水性残基として、または「拘束性残基」として分類される(下記を参照のこと)。
「拘束性アミノ酸または残基」は、拘束幾何形状を有するアミノ酸または残基を意味する。本明細書では、拘束性アミノ酸は、L−pro(P)およびL−his(H)を含む。ヒスチジンは、拘束幾何形状を有するが、これは、比較的小さなイミダゾール環を有するからである。プロリンは、拘束幾何形状を有するが、これは、5員環をも有するからである。
「非極性アミノ酸または残基」は、生理的pHで帯電しないで、2つの原子によって共通して共有される電子対が2つの原子のうちのそれぞれによって平等に保持される結合を有する側鎖(すなわち、側鎖は、極性ではない)を有する疎水性アミノ酸または残基を意味する。遺伝的にコードされる非極性アミノ酸は、L−Gly(G)、L−Leu(L)、L−Val(V)、L−Ile(I)、L−Met(M)およびL−Ala(A)を含む。
「脂肪族アミノ酸または残基」は、脂肪族炭化水素側鎖を有する疎水性アミノ酸または残基を意味する。遺伝的にコードされる脂肪族アミノ酸は、L−Ala(A)、L−Val(V)、L−Leu(L)およびL−Ile(I)を含む。
「システイン」またはL−Cys(C)は、それが他のL−Cys(C)アミノ酸または他のスルファニル−またはスルフヒドリル−含有アミノ酸とでジスルフィド橋を形成することができるという点で珍しい。「システイン様残基」は、システインおよびジスルフィド橋の形成に使えるスルフヒドリル部分を含む他のアミノ酸を含む。還元型遊離−SHまたは酸化型ジスルフィド橋のいずれかの形態でペプチド中に存在するL−Cys(C)(および−SH含有側鎖を有する他のアミノ酸)の能力は、L−Cys(C)が、正味の疎水性または親水性の性質をペプチドに与えるかどうかに影響を及ぼす。L−Cys(C)は、Eisenberg(Eisenbergら、1984、上記)の標準化共通スケールによって0.29の疎水性度を示すけれども、本開示の目的のために、L−Cys(C)は、それ自身のユニークなグループに分類されることを理解すべきである。
「小さなアミノ酸または残基」は、合計3個以下の炭素原子および/またはヘテロ原子(α−炭素と水素を除く)から成る側鎖を有するアミノ酸または残基を意味する。小さなアミノ酸または残基は、上記の定義に従って、脂肪族の、非極性の、極性の、または酸性の小さなアミノ酸または残基にさらに分類され得る。遺伝的にコードされる小さなアミノ酸は、L−Ala(A)、L−Val(V)、L−Cys(C)、L−Asn(N)、L−Ser(S)、L−Thr(T)およびL−Asp(D)を含む。
「水酸基含有アミノ酸または残基」は、ヒドロキシル(−OH)部分を含むアミノ酸を意味する。遺伝的にコードされる水酸基含有アミノ酸は、L−Ser(S)、L−Thr(T)およびL−Tyr(Y)を含む。
「保存的」アミノ酸置換または変異は、類似した側鎖を有し、したがってポリペプチド中のアミノ酸が同一または類似した定義済みクラス内でのアミノ酸による置換を一般に含む残基の互換性を意味する。しかし、本明細書で使用される場合、いくつかの実施形態では、保存的な変異が、その代わりに、脂肪族残基から脂肪族残基への、非極性残基から非極性残基への、極性残基から極性残基への、酸性残基から酸性残基への、塩基性残基から塩基性残基への、芳香族残基から芳香族残基への、または拘束性残基から拘束性残基への置換であるならば、保存的な変異は、親水性残基から親水性残基への、疎水性残基から疎水性残基への、水酸基含有残基から水酸基含有残基への、または小さな残基から小さな残基への置換を含まない。さらに、本明細書で使用される場合、A、V、L、またはIは、別の脂肪族残基に、または別の非極性残基に保存的に変異することができる。下記の表は、典型的な保存的置換を表す。
Figure 0005646328
「非保存的置換」は、著しく異なる側鎖特性を有するアミノ酸でポリペプチド中のアミノ酸を置換または変異させることを意味する。非保存的な置換は、上にリストされた定義済みグループ内よりもむしろ、グループ間のアミノ酸を使用することができる。1つの実施形態では、非保存的な変異は、(a)置換領域でのペプチド骨格の構造(例えば、グリシンに対するプロリン)(b)疎水性度の変化、または(c)側鎖の嵩に影響を及ぼす。
「欠失」は、参照ポリペプチドから1つ以上のアミノ酸の除去によるポリペプチドの改変を意味する。欠失は、1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、10以上のアミノ酸、15以上のアミノ酸、または20以上のアミノ酸の除去を含むことができ、そして、それは酵素活性を保持および/または組み換えケトレダクターゼ酵素の改良された特性を保持しながら、ポリペプチドを構成するアミノ酸の総数の最高10%の欠失、アミノ酸の総数の最高20%の欠失、またはアミノ酸の総数の最高30%の欠失である。欠失は、ポリペプチドの内部の部分および/または終端の部分に向けることができる。いろいろな実施形態では、欠失は連続セグメントから成ることができるか、あるいは非連続的であり得る。
「挿入」は、参照ポリペプチドからの1つ以上のアミノ酸の付加によるポリペプチドの改変を意味する。いくつかの実施形態では、改良された組み換えケトレダクターゼ酵素は、天然に存在するケトレダクターゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入のみならず、他の改良されたケトレダクターゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入を含む。挿入は、ポリペプチドの内部の部分、またはカルボキシ末端もしくはアミノ末端に対してである。本明細書で使用される場合、挿入は、当該分野で知られているように、融合タンパク質を含む。挿入はアミノ酸の隣接セグメントであってもよく、あるいは天然に存在するポリペプチド中の1つ以上のアミノ酸により分離されていてもよい。
「断片」は、アミノ末端欠失および/またはカルボキシ末端欠失を有するポリペプチドを意味するが、残存するアミノ酸配列は、配列中の対応する位置が同一である。断片は、少なくとも14個のアミノ酸の長さ、少なくとも20個のアミノ酸の長さ、少なくとも50個のアミノ酸の長さ、またはそれより長い長さであることができ、全長ケトレダクターゼポリペプチド(例えば、配列番号2、4、または86のポリペプチド)の最大70%、80%、90%、95%、98%、および99%を占める。
「単離ポリペプチド」は、生来的にそれを伴う他の汚染物質(例えば、タンパク質、脂質、およびポリヌクレオチド)から実質的に分離されるポリペプチドを意味する。この用語は、それらの天然に存在する環境または発現系(例えば、宿主細胞またはインビトロ合成)から除去または精製されたポリペプチドを包含する。改良されたケトレダクターゼ酵素は、細胞内に存在するか、細胞媒体に存在するか、またはいろいろな形態(例えば、細胞溶解物または単離製剤など)で調製され得る。このように、いくつかの実施形態においては、改良されたケトレダクターゼ酵素は、単離ポリペプチドであり得る。
「実質的に純粋なポリペプチド」は、ポリペプチド種が、存在する優勢な種(すなわち、モルベースまたは重量ベースで、それが他のどの個々の高分子種よりもその組成物中で豊富である)であり、対象種が高分子種の少なくとも約50%(モル%または重量%)から成るとき、一般に実質的に精製された組成物である組成物を意味する。一般に、実質的に精製されたケトレダクターゼ組成物は、モル比または%重量で、組成物中に存在するすべての高分子種の約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、および約98%以上を含むであろう。いくつかの実施形態では、対象種は、本質的な均一性(すなわち、汚染物質種が従来の検出方法ではその組成物中に検出できない)まで精製され、そこでは、組成物は単一の高分子種から本質的に成る。溶媒種、小分子(<500ダルトン)、および元素イオン種は、高分子種とはみなされない。いくつかの実施形態では、単離され、改良されたケトレダクターゼポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチド組成物である。
「ストリンジェントハイブリダイゼーション」は、その下で核酸ハイブリッドが安定である条件に言及するために本明細書では使用される。当業者に知られているように、ハイブリッドの安定性は、ハイブリッドの融点(T)で反映される。一般に、ハイブリッドの安定性は、イオン強度、温度、G/C含量およびカオトロピック剤の存在の関数である。ポリヌクレオチドのためのT値は、融点を予測する既知の方法を使用して算出することができる(参照:例えば、Baldinoら、Methods Enzymology 168:761−777;Boltonら、1962,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:1390;Bresslauerら、1986,Proc.Natl.Acad.Sci USA 83:8893−8897;Freierら、1986,Proc.Natl.Acad.Sci USA 83:9373−9377;Kierzekら、Biochemistry 25:7840−7846;Rychlikら、1990,Nucleic Acids Res 18:6409−6412(誤植,1991,Nucleic Acids Res 19:698);Sambrookら、上記);Suggsら、1981,In Developmental Biology Using Purified Genes(Brownら,編集),pp.683−693,Academic Press;およびWetmur,1991,Crit Rev Biochem Mol Biol 26:227−259。全ての刊行物は、引用により本明細書に取り込まれる)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に開示されるポリペプチドをコードして、本開示の組み換えケトレダクターゼ酵素をコードする配列の相補体と適度のストリンジェンシー条件下または高ストリンジェンシー条件下などの定義済みの条件下でハイブリダイズする。
「ハイブリダイゼーションストリンジェンシー」は、核酸のハイブリダイゼーションでの洗浄条件などのハイブリダイゼーション条件を意味する。通常、ハイブリダイゼーション反応は、低ストリンジェンシーの条件下で行われ、次いで種々の、高ストリンジェンシーで洗浄される。「適度のストリンジェントハイブリダイゼーション」という用語は、標的DNAに対して約60%の同一性、好ましくは約75%の同一性、約85%の同一性を有する相補的核酸を標的DNAに結合することを可能とする条件を意味する;標的ポリヌクレオチドに対しては約90%超の同一性を有する。典型的な適度のストリンジェンシー条件は、42℃における50%ホルムアミド、5×Denhart溶液、5×SSPE、0.2%SDS中でのハイブリダイゼーションに等価な条件であり、次いで、42℃において0.2×SSPE、0.2%SDS中で洗浄される。「高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション」は、定義されたポリヌクレオチド配列の溶液条件下で測定される、約10℃または熱融解温度Tより低い条件を一般に意味する。いくつかの実施形態では、高ストリンジェンシー条件は、65℃で0.018MのNaCl中に安定なハイブリッドを形成するこれらの核酸配列だけのハイブリダイゼーションを可能とする条件を意味する。(つまり、ハイブリッドが65℃での0.018MのNaCl中で安定でないならば、本明細書で考察されるように、それは高ストリンジェンシー条件の下で安定でない)。高ストリンジェンシー条件は、例えば、42℃における50%ホルムアミド、5×Denhart溶液、5×SSPE、0.2%SDSに等価な条件でのハイブリダイゼーション、次いで、65℃での0.1×SSPEと0.1%SDSでの洗浄により提供される。別の高ストリンジェンシー条件は、65℃での0.1%(w:v)SDSを含む5×SSCにおけるハイブリダイゼーションに等価な条件でのハイブリダイゼーションおよび65℃での0.1%SDSを含む0.1×SSCによる洗浄である。他の高ストリンジェンシー条件は、適度のストリンジェンシー条件と同様に、上記の引用文献に記載されている。
「異種」ポリヌクレオチドは、実験室的技術によって宿主細胞に導入される任意のポリヌクレオチドを意味し、宿主細胞から除去され、実験室的操作を受けて、それから宿主細胞に再導入されるポリヌクレオチドを含む。
「最適化されたコドン」は、コードされたタンパク質が関心のある生物で効率的に発現されるように、特定の生物で優先して使われるコドンへの、タンパク質をコードするポリヌクレオチドにおけるコドンの変化を意味する。遺伝子暗号は、大部分のアミノ酸がいくつかのコドン(「同義語」または「同義の」コドンと呼ばれる)によって表わされる点で縮重するけれども、特定の生物によるコドン使用頻度は、無作為でなくて、特定のコドントリプレットに偏ることは周知である。このコドン使用頻度の偏りは、所定の遺伝子、共通機能または先祖起源の遺伝子、高発現タンパク質対低コピー数のタンパク質、および生物ゲノムの集積タンパク質コード領域に関してより高い場合がある。いくつかの実施形態において、ケトレダクターゼ酵素をコードするポリヌクレオチドは、発現のために選択された宿主生物から最適生産のために最適化されたコドンであり得る。
「好ましい最適の高いコドン使用頻度偏りコドン」は、同じアミノ酸をコードする他のコドンより、タンパク質コード領域で高い頻度で使われるコドンを互換的に意味する。好ましいコドンは、1つの遺伝子、共通機能または起源の一組の遺伝子、高発現遺伝子、全生物の集積タンパク質コード領域のコドン頻度、関連生物の集積タンパク質コード領域のコドン頻度、またはそれらの組合せで、コドン使用頻度に関して決定され得る。頻度が遺伝子発現レベルとともに増加するコドンは、一般に発現のための最適コドンである。いろいろな方法が、特定の生物でコドン頻度(例えば、コドン使用頻度、相対的同義コドン使用頻度)およびコドン選択を決定することに関して知られており、例えば、クラスタ分析または対応分析および遺伝子で使われる有効数のコドンを用いる多変量解析を含む(参照:GCG Codon Preference,Genetics Computer Group Wisconsin Package;Codon W,John Peden,University of Nottingham;McInerney,J.O,1998,Bioinformatics 14:372−73;Stenicoら、1994,Nucleic Acids Res.222437−46;Wright,F.,1990,Gene 87:23−29)。コドン使用頻度表は、生物の成長リストに利用できる(参照:例えば、Wadaら、1992,Nucleic Acids Res.20:2111−2118;Nakamuraら、2000,Nucl.Acids Res.28:292;Duretら、前出;HenautおよびDanchin,“Escherichia coli and Salmonella,”1996,Neidhardtら、編集、ASM Press,Washington D.C.,p.2047−2066。コドン使用頻度を得るためのデータソースは、タンパク質をコードできる任意の利用できるヌクレオチド配列に依拠することができる。これらのデータセットは、発現されたタンパク質(例えば、完全タンパク質コード配列−CDS)、発現された配列タグ(ESTS)、またはゲノム配列の予測コード領域をコードすることが実際に知られている核酸配列を含む(参照:例えば、Mount,D.,Bioinformatics:Sequence and Genome Analysis,Chapter 8,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2001;Uberbacher,E.C.,1996,Methods Enzymol.266:259−281;Tiwariら、1997,Comput.Appl.Biosci.13:263−270)。
「制御配列」は、本開示のポリペプチドの発現のために必要かまたは有利な全ての構成要素を含むことが、本明細書中で規定される。各制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対して生来的であっても外来性であってもよい。このような制御配列としては、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、および転写ターミネーターが挙げられるが、これらに限定されない。
「作動可能に連結された」は、制御配列が関心のあるポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を方向づけるか、または制御するように、制御配列が関心のあるポリヌクレオチドに対する位置に適切に配置される(つまり、機能的関係で)構成として本明細書に定義される。
「プロモーター配列」は、関心のあるポリヌクレオチド(例えばコード配列)の発現のために宿主細胞によって認識される核酸配列である。制御配列は、適切なプロモーター配列を含むことができる。プロモーター配列は、転写制御配列を含み、それは関心のあるポリヌクレオチドの発現を媒介する。プロモーターは、選択された宿主細胞において転写活性を示す任意の核酸配列であって、これらの核酸配列としては、変異プロモーター、トランケートプロモーターおよびハイブリッドプロモーターが挙げられ、そしてこれらの核酸配列は、その宿主細胞に対して相同性または異種性のいずれかの細胞外ポリペプチドまたは細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
1.2 ケトレダクターゼ酵素
1つの態様では、本開示は、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート(「基質」)のラセミ混合物を2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート(「2S,3R生成物」)に立体選択的に還元または変換することができる組み換えケトレダクターゼ(「KRED」)酵素を提供する。これらのケトレダクターゼポリペプチド(また、「2S,3R選択的ケトレダクターゼ」とも本明細書では称する)は、L.kefir(配列番号4)、L.brevis(配列番号2)またはL.minor(配列番号86)から得られる天然に存在する、野生型KRED酵素と比較したとき、あるいは他の組み換えケトレダクターゼ酵素と比較したとき、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元または変換するための改良された特性を有する。
いくつかの実施形態では、野生型または別の組み換えポリペプチド(例えば、配列番号64)と比べて、改良された特性は、基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元または変換するための立体選択性の増大、すなわち、本明細書では、生成物の立体異性体過剰率の増加に関する。いくつかの実施形態において、ケトレダクターゼポリペプチドの改良された特性は、より大きなパーセントの基質を生成物へ変換または還元するその能力における増加に関するものである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドの改良された特性は、基質の生成物へのその変換率における増加に関し、そして、それは生成物の同じ量の変換または還元するために野生型または他の参照配列と比較して、改良されたポリペプチドのより少ない量を使う能力によって明らかにすることができる。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドの改良された特性は、その安定性または耐熱性に関するものである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、複数の改良された特性(例えば増加した立体選択性と改良された酵素活性)を有する。
本開示は、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート(「基質」)のラセミ混合物を2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート(「2R,3R生成物」)に立体選択的に還元または変換することのできる組み換えケトレダクターゼ酵素をさらに提供する。2S,3R生成物を生産する組み換えケトレダクターゼポリペプチドと同様に、2R,3R生成物(また、本明細書では、2R,3R選択的ケトレダクターゼとしても記載される)を生産することのできる組み換えケトレダクターゼは、野生型または別の組み換えポリペプチド(例えば、配列番号66など)と比較して改良された特性を有する。いくつかの実施形態では、改良された特性は、基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元または変換するための立体選択性に関する。いくつかの実施形態では、改良された特性は、基質を2R,3R生成物に還元するための酵素活性に関する。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドの改良された特性は、その安定性または熱安定性に関する。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、複数の改良された特性(例えば、増加した立体選択性や改良された酵素活性)を有する。
以下により詳細に記述するように、基質を2S,3R生成物に変換することができるケトレダクターゼポリペプチドは、アミノ酸配列を含み、そこでは、配列番号2、4、または86のX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、アミノ酸配列を含み、そこでは、配列番号2、4、または86のX94に対応する残基は、脂肪族または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンである;そして、配列番号2、4または86のX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、アミノ酸配列を含み、そこでは、配列番号2、4、または86のX94に対応する残基は、脂肪族または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンであり;配列番号2、4、または86のX199に対応する残基は、拘束性、極性、または脂肪族残基、特にヒスチジン、アスパラギン、またはアラニンであり;そして、配列番号2、4、または86のX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。
上記のように、本開示のケトレダクターゼは、L.kefir、L.brevis、またはL.minorの天然に存在するケトレダクターゼ(また、「ADH」または「アルコールデヒドロゲナーゼ」とも呼ばれる)または他の組み換えケトレダクターゼのアミノ酸配列を参照して記述することができる。このように、アミノ酸残基位置は、開始メチオニン(M)残基(すなわち、Mは残基位置1を表す)から始まるケトレダクターゼで測定されるが、この開始メチオニン残基は、生物学的処理機構(例えば、宿主細胞またはインビトロ翻訳系において)で除去されて、開始メチオニン残基を欠く成熟タンパク質を生成することが当業者には理解される。特定のアミノ酸またはアミノ酸変化がアミノ酸配列に存在するアミノ酸残基位置は、時々、「Xn」または「位置n」により記述され、そこでは、nは残基位置を指す。同じ残基位置のアミノ酸残基が、ケトレダクターゼの間で異なるとき、異なる残基は、「kefir残基/brevis残基/minor」の配置の「/」によって示される。異なるアミノ酸残基との置換変異(それは参照配列中のアミノ酸残基、例えば配列番号2、配列番号4、および配列番号86の野生型ケトレダクターゼの置換である)は、シンボル「→」によって示される。ここに、いくつかの実施形態では、変異は時々、アミノ酸の「あるタイプへ」の変異として記述される。例えば、配列番号4の残基199は、極性残基へ変異させることができる。しかし、「〜へ」のフレーズの使用は、あるクラスの1つのアミノ酸から同じクラスの別のアミノ酸への変異を除外するものではない。例えば、配列番号4の残基199は、脂肪族残基(ロイシン)であるが、しかし、それは異なる脂肪族残基に変異させることができ、例えば、その変異は、「L199A」(199→A)変異である。L.kefir、L.brevis、またはL.minorの天然に存在するケトレダクターゼ(また、「ADH」または「アルコールデヒドロゲナーゼ」と呼ばれる)のアミノ酸配列は、ケトレダクターゼ活性をコードすることが知られているポリヌクレオチドから得ることができる(例えば、Genbank登録番号AAP94029 GI:33112056またはL.kefirに関する配列番号3;Genbank登録番号CAD66648 GI:28400789またはL.brevisに関する配列番号1;およびL.minorに関する配列番号86)。
いくつかの態様では、本明細書のケトレダクターゼポリペプチドは、参照配列(例えば、天然に存在するポリペプチドまたは組み換えポリペプチド)に対して、多数の改変を有することができ、改良されたケトレダクターゼ特性をもたらす。本明細書で使用されるように、「改変」は、アミノ酸の置換、欠失、および挿入を含む。改変の任意の1つまたは組み合わせは、天然に存在するまたは組み換えポリペプチドに導入することができ、組み換え酵素を生成する。そのような実施形態では、アミノ酸配列に対する改変の数は、1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、3つ以上のアミノ酸、4つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、6つ以上のアミノ酸、8つ以上のアミノ酸、10以上のアミノ酸、15以上のアミノ酸、または20以上のアミノ酸を含むことができ、それは参照ポリペプチド配列のアミノ酸の総数の10%まで、アミノ酸の総数の10%まで、アミノ酸の総数の15%まで、アミノ酸の総数の20%まで、またはアミノ酸の総数の30%までを構成する。いくつかの実施形態では、改良されたケトレダクターゼ特性を生じる天然ポリペプチドまたは組み換えポリペプチドへの改変の数は、参照配列の約1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、または約1〜40の改変を含む。いくつかの実施形態では、改変の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、または約40のアミノ酸残基である。改変は、挿入、欠失、置換、またはそれらの組合せを含むことができる。
いくつかの実施形態では、改変は、参照配列に対するアミノ酸置換を含む。改良されたケトレダクターゼ特性を生じることができる置換は、1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、3つ以上のアミノ酸、4つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、6つ以上のアミノ酸、8つ以上のアミノ酸、10以上のアミノ酸、15以上のアミノ酸、または20以上のアミノ酸においてであり、それは参照酵素配列のアミノ酸の総数の10%まで、アミノ酸の総数の10%まで、アミノ酸の総数の20%まで、またはアミノ酸の総数の30%までを構成する。いくつかの実施形態では、改良されたケトレダクターゼ特性を生じる天然ポリペプチドまたは組み換えポリペプチドに対する置換の数は、参照配列の約1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、または約1〜40のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、または約40のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態では、改良されたケトレダクターゼポリペプチドは、X202に対応する残基においてロイシンまたはバリンを有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、または99%超が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼポリペプチドは、X202に対応する残基がロイシンまたはバリンであるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、X202に対応する残基がロイシンである。いくつかの実施形態では、これらのケトレダクターゼポリペプチドは、参照アミノ酸配列と比べて、他の残基の位置に1つ以上の残基の違いを有することができる。その違いは、置換、欠失、および挿入などのさまざまな改変を含む。置換は、非保存的置換、保存的置換、または非保存的置換と保存的置換の組み合わせである。いくつかの実施形態では、これらのケトレダクターゼポリペプチドは、参照配列と比較して、他のアミノ酸残基において、約1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いを場合により有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、参照配列と比較して、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30,35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号48である。
いくつかの実施形態では、改良されたケトレダクターゼポリペプチドは、以下の特徴:X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンであり;X202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである、を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、または99%超が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも前記の特徴(すなわち、X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基であり;そしてX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、X94に対応する残基が、極性残基であり、そして、X202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、X94に対応する残基が、トレオニンであり、そして、X202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、これらのケトレダクターゼポリペプチドは、参照配列と比べて、他のアミノ酸残基位置において、約1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いを場合により有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号26または28である。
いくつかの実施形態では、改良されたケトレダクターゼポリペプチドは、以下の特徴:X94に対応する残基が、脂肪族、または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンである;X199に対応する残基が、脂肪族、拘束性、または極性残基、特にアラニン、アスパラギン、またはヒスチジンである;およびX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンである、を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、または99%超が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも前記の特徴(すなわち、X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基である;X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性、または極性残基である;およびX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである)を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、X94に対応する残基は、極性残基であり、X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性、または極性残基であり;そして、X202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、X94に対応する残基が、トレオニンであり;X199に対応する残基が、アラニン、アスパラギン、またはヒスチジンであり;そして、X202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、これらのケトレダクターゼポリペプチドは、参照アミノ酸配列と比べて、他の残基の位置に1つ以上の残基の違いを有することができる。その違いは、置換、欠失、および挿入などのさまざまな改変を含む。置換は、非保存的置換、保存的置換、または非保存的置換と保存的置換の組み合わせである。いくつかの実施形態では、これらのケトレダクターゼポリペプチドは、参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、約1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いを場合により有することができる。いくつかの実施形態では、残基の違いの数は、参照配列と比較して、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30,35または約40残基の違いである。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号22,24または30である。
前記を考慮して、2S,3R選択的ケトレダクターゼは、X94、X199、およびX202に対応する残基のいろいろな組合せの特徴に関して記述されることができる。例えば、X94とX202に対応する残基における特徴によって特徴づけられる2S,3R選択的ポリペプチドは、特定の残基位置の組合せについて本明細書に提供される記述を参照する。同様に、X94、X199、およびX202に対応する残基における特徴によって特徴づけられる2S,3R選択的ポリペプチドは、特定の残基位置の組合せについて本明細書に提供される記述を参照する。さらに以下に記すように、これらのケトレダクターゼは、参照配列と比較してアミノ酸配列で1つ以上のさらなる特徴を有することができる。
いくつかの実施形態では、2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、配列番号84、または配列番号87(または残基90〜211などのその領域)に記載される配列式に基づくアミノ酸配列を含む。配列番号84は、L.kefirのケトレダクターゼの野生型アミノ酸配列(配列番号4)に基づき、配列番号83は、L.brevisのケトレダクターゼ(配列番号2)のアミノ酸配列(配列番号2)に基づき、そして配列番号87は、L.minorのケトレダクターゼの野生型アミノ酸配列(配列番号86)に基づく。配列番号83、84または87は、X94に対応する残基が、脂肪族または極性残基であり;X199に対応する残基が脂肪族、拘束性、または極性残基であり;そして、X202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであることを特定する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書に記載されたようにX94、X199およびX202に対応する残基の様々な組み合わせに関しての特定された特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下から選択される1つ以上のさらなる特徴を有することができる:X2に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基である;X4に対応する残基は、塩基性残基またはシステインである;X11に対応する残基は、非極性、脂肪族、または芳香族残基である;X40に対応する残基は、拘束性、または塩基性残基である;X80に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基である;X86に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基である;X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;X105に対応する残基は、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;X129に対応する残基は、非極性または極性残基である;X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基である;X190に対応する残基は、芳香族、または拘束性残基である;X195に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基である;X196に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基である;X206に対応する残基は、非極性、または芳香族残基である;X226に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基である;X248に対応する残基は、非極性、または塩基性残基である;X249に対応する残基は、芳香族残基である。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多い特徴を有することができる。いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87(またはその領域)に基づくアミノ酸配列を含むポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、上記のXで特定されない残基位置で、さらに1つ以上の残基の違いを有することができる。いくつかの実施形態では、違いは、上記のXで特定されない他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含むポリペプチドは、配列番号2、4または86のアミノ酸配列と比較して、1つ以上の保存的な変異を有することができる。典型的な保存的な変異は、アミノ酸置換を含み、例えば、X21のバリン(V)に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、イソロイシン)で置換すること;X78のグルタミン酸(E)に対応する残基を別の酸性残基(例えば、アスパラギン酸)で置換すること;X145のグルタミン酸(E)に対応する残基を別の酸性残基(例えば、アスパラギン酸)で置換すること;X153のロイシン(L)に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、アラニン)で置換すること;X195のロイシン(L)に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、バリン)で置換すること;X196に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、ロイシン)で置換すること;X226のイソロイシン(I)に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、バリン)で置換すること、を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で上記したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下から選択される1つ以上のさらなる特徴を有することができる:X2に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミン、もしくはアスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にセリン、トレオニン、またはアラニン)である;X4に対応する残基は、アルギニン、もしくはリジン、またはシステイン(特にアルギニンまたはシステイン)である;X11に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にイソロイシン、ロイシン、またはフェニルアラニン)である;X40に対応する残基は、プロリン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン(特にヒスチジンまたはアルギニン)である;X80に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、グルタミン、またはアスパラギン(特にアラニンまたはトレオニン)である;X86に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にトレオニンまたはイソロイシン)である;X96に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にセリン、アスパラギン、バリン、またはフェニルアラニン)である;X105に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸(特にグルタミン酸、リジン、アラニン、またはグリシン)である;X129に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、グルタミン、またはアスパラギン(特にメチオニンまたはトレオニン)である;X147に対応する残基は、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にフェニルアラニン、メチオニン、またはロイシン)である;X153に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にロイシン、アラニン、またはセリン)である;X190に対応する残基は、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、またはプロリン(特にチロシン、ヒスチジンまたはプロリン)である;X195に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にロイシンまたはバリン)である;X196に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にロイシン)である;X206に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にメチオニンまたはフェニルアラニン)である;X226に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシンまたはイソロイシン(特にイソロイシンまたはバリン)である;X248に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、またはアルギニン(特にグリシン、リジン、またはアルギニン)である;およびX249に対応する残基は、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にチロシンまたはトリプトファン)である。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多い特徴を有することができる。いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列(またはその領域)を含むポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、上記Xで特定されない残基位置において、さらに1つ以上の残基の違いを有することができる。いくつかの実施形態では、違いは上記のXで特定されない他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で上記したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下の特徴から選択される1つもしくは複数、または少なくともすべてをさらに有することができる:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基(特にアルギニン)であり;X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にメチオニンまたはロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴に加えて、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にフェニルアラニンまたはバリン)である;X195に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)である;X196に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にロイシン)である;X226に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)である;X248に対応する残基は、非極性または塩基性残基(特にアルギニンまたはリジン)である;およびX249に対応する残基は、芳香族残基(特にトリプトファン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴に加えて、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X2に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基(特にアラニン)である;X4に対応する残基は、塩基性残基またはシステイン(特にシステイン)である;X11に対応する残基は、非極性、脂肪族、または芳香族残基(特にフェニルアラニン)である;X80に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性の残基(特にトレオニン)である;X86に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基(特にイソロイシン)である;X105に対応する残基は、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基(特にグリシン)である;X129に対応する残基は、非極性または極性残基(特にトレオニン)である;X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基(特にアラニン)である;X190に対応する残基は、芳香族、または拘束性残基(特にヒスチジンまたはプロリン)である;およびX206に対応する残基は、非極性、または芳香族残基(特にフェニルアラニン)である。当業者にとって明らかであるように、前記の特徴のいろいろな組み合わせは、本開示のケトレダクターゼを形成するのに用いることができる。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記載したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下の特徴の1つもしくは複数、または少なくともすべてをさらに有することができる:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基(特にアルギニン)であり;そしてX147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にメチオニンまたはロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、X94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下の特徴の1つ以上または少なくともすべてをさらに有することができる:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にバリンまたはフェニルアラニン)であり;そしてX147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にメチオニンまたはロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、X94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下の特徴の1つ以上または少なくともすべてをさらに有することができる:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基(特にアルギニン)であり;X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にバリンまたはフェニルアラニン)であり;そしてX147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にメチオニンまたはロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、X94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下の特徴の1つ以上または少なくともすべてをさらに有することができる:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にバリンまたはフェニルアラニン)であり;X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にメチオニンまたはロイシン)であり;X195に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)であり;およびX196に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X2に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基(特にアラニン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X4に対応する残基は、システインまたは塩基性残基(特にシステイン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X11に対応する残基は、非極性、脂肪族、または芳香族残基(特にフェニルアラニン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基(特にアルギニン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X80に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基(特にトレオニン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X86に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基(特にイソロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にフェニルアラニンまたはバリン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X105に対応する残基は、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基(特にグリシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X129に対応する残基は、非極性または極性残基(特にトレオニン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にメチオニンまたはロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基(特にアラニンまたはセリン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X190に対応する残基は、芳香族、または拘束性残基(特にヒスチジンまたはプロリン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X195に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X196に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X206に対応する残基は、非極性、または芳香族残基(特にフェニルアラニン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X226に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X248に対応する残基は、非極性、または塩基性残基(特にリジンまたはアルギニン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X249に対応する残基は、芳香族残基(特にトリプトファン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、以下の特徴の1つ以上または少なくともすべてをさらに有することができる:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基(特にアルギニン)であり;およびX147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にメチオニンまたはロイシン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴に加えて、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)である;X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)である;X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基(特にロイシン)である;X226に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基(特にバリン)である;X248に対応する残基が、非極性、または塩基性残基(特にアルギニンまたはリジン)である;およびX249に対応する残基が、芳香族残基(特にトリプトファン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴に加えて、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X2に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基である;X4に対応する残基は、塩基性残基またはシステインである;X11に対応する残基は、非極性、脂肪族、または芳香族残基である;X80に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基である;X86に対応する残基は、非極性、脂肪族、極性残基である;X105に対応する残基は、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;X129に対応する残基は、非極性、または極性残基である;X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基である;X190に対応する残基は、芳香族、または拘束性残基である;およびX206に対応する残基は、非極性、または芳香族残基である。当業者にとって明らかであるように、前記の特徴のいろいろな組合せは、本開示のケトレダクターゼを形成するのに用いることができる。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX202に対応する残基(すなわち、バリンまたはロイシン)において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基(特にアラニンまたはセリン)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号46、52または54)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号46、52または54)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基、特にメチオニンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号44)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号44)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X80に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基であり;そしてX153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基、特にアラニンまたはセリンである;いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号18)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号18)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94とX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基、特にフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号16)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号16)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX199とX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基、特にアラニンまたはセリンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号42、50、56)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号42、50、56)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基、特にアルギニンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号12)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号12)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基、特にメチオニンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号6)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号6)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基、特にアラニンまたはセリンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号34または36)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号34または36)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基、特にアルギニンであり;そしてX147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基、特にメチオニンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号10)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号10)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X105に対応する残基は、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基、特にグリシンであり;X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基、特にアラニンであり;そしてX206に対応する残基は、非極性、または芳香族残基、特にフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号38)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号38)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式に基づくアミノ酸配列、またはその領域(例えば、残基90〜211)を含み、本明細書で記述したようにX94、X199およびX202に対応する残基において特定の特徴を有する改良されたケトレダクターゼは、少なくとも以下のさらなる特徴をさらに含む:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基、特にセリン、バリン、またはフェニルアラニンであり;X129に対応する残基は、非極性、または極性残基、特にトレオニンであり;そしてX206に対応する残基は、非極性、または芳香族残基、特にフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号40)を有する配列番号2、4または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(例えば、配列番号40)を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも前記の特徴を有する。
いくつかの実施形態では、本開示の改良されたケトレダクターゼは、X202に対応する残基が、バリンまたはロイシンである配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応する領域またはドメインを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、残基90〜211に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、または1〜20の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、または約20の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、X202に対応する残基において前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列の残基90〜211に対応するドメインまたは領域に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼのドメインまたは領域は、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の改良されたケトレダクターゼは、配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応する領域またはドメインを有するアミノ酸配列を含み、そこでは、領域またはドメインは、以下の特徴を有する:X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンであり;そしてX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、X94に対応する残基が、極性残基であり、そしてX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、X94に対応する残基が、トレオニンであり;そしてX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、残基90〜211に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、他のアミノ酸残基位置において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、または1〜20残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、または約20の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列の残基90〜211に対応するドメインまたは領域に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼのドメインまたは領域は、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の改良されたケトレダクターゼは、以下の特徴を有する配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応する領域またはドメインを有するアミノ酸配列を含む:X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンであり;X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性または極性残基、特にアラニン、アスパラギンまたはヒスチジンであり;そしてX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、X94に対応する残基は、極性残基であり;X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性、または極性残基であり;そしてX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、X94に対応する残基が、トレオニンであり;X199に対応する残基が、アラニン、アスパラギン、またはヒスチジンであり;そしてX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、残基90〜211に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、他のアミノ酸残基位置において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、または1〜20残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、または約20の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列の残基90〜211に対応するドメインまたは領域に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼのドメインまたは領域は、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応するドメインまたは領域を有し、本明細書で記述されるようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有する本開示の改良されたケトレダクターゼは、以下のものから選択される1つ以上の特徴を領域またはドメインにさらに含むことができる:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基であり;X105に対応する残基は、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基であり;X129に対応する残基は、非極性、または極性残基であり;X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基であり;X153に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基であり;X190に対応する残基は、芳香族、または拘束性残基であり;X195に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基であり;X196に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基であり;そしてX206に対応する残基は、非極性、または芳香族残基である。いくつかの実施形態では、残基90〜211に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、上記Xで特定されない他のアミノ酸残基において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、または1〜20残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、ドメインでの他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、または約20の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。
いくつかの実施形態では、上記したように、配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応するアミノ酸配列を有するドメインまたは領域を有するケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4または86の対応するドメインのアミノ酸配列と比較して、1つ以上の保存的な変異をドメインまたは領域に有することができる。そのような保存的な変異の例としては、アミノ酸置換を含み、例えば、X145のグルタミン酸(E)に対応する残基を別の酸性残基(例えば、アスパラギン酸)で置換すること;X153のロイシン(L)に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、アラニン)で置換すること;X195のロイシン(L)に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、バリン)で置換すること;そしてX196に対応する残基を別の脂肪族残基(例えば、ロイシン)で置換することを含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応するドメインまたは領域を有し、本明細書で記述されるようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有するケトレダクターゼポリペプチドは、以下のものから選択される1つ以上の特徴を領域またはドメインにさらに含むことができる:X96に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にアスパラギン、セリン、バリン、またはフェニルアラニン)であり;X105に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸(特にグルタミン酸、リジン、アラニン、またはグリシン)であり;X129に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、グルタミン、またはアスパラギン(特にメチオニンまたはトレオニン)であり;X147に対応する残基は、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にフェニルアラニン、メチオニン、またはロイシン)であり;X153に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にロイシン、アラニン、またはセリン)であり;X190に対応する残基は、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、またはプロリン(特にチロシン、ヒスチジンまたはプロリン)であり;X195に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にロイシンまたはバリン)であり;X196に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にロイシン)であり;X206に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にメチオニンまたはフェニルアラニン)である。いくつかの実施形態では、残基90〜211に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、上記Xで特定されない他のアミノ酸残基位置において約1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、または1〜20残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、ドメインでの他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、または約20の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応するドメインまたは領域を有し、本明細書で記述されるようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有するケトレダクターゼポリペプチドは、領域またはドメインに以下の特徴をさらに含むことができる:X147に対応する残基は、芳香族、非極性、または脂肪族残基、特にメチオニンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、残基90〜211に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、他のアミノ酸残基位置において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、または1〜20残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、または約20の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列の残基90〜211に対応するドメインまたは領域に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるドメインまたは領域を有するアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼのドメインまたは領域は、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基90〜211に対応するドメインまたは領域を有し、本明細書で記述されるようにX94、X199およびX202に対応する残基のいろいろな組み合わせのために特定の特徴を有するケトレダクターゼポリペプチドは、領域またはドメインで以下の特徴をさらに含むことができる:X96に対応する残基は、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基、特にバリンまたはフェニルアラニンであり;およびX147に対応する残基は、芳香の、非極性、または脂肪族残基、特にメチオニンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、残基90〜211に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、他のアミノ酸残基位置において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、または1〜20残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、または約20の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列の残基90〜211に対応するドメインまたは領域に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるドメインまたは領域を有するアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼのドメインまたは領域は、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、84または87の配列式の残基1〜89に対応するドメインまたは領域をさらに含むことができ、そこでは、ドメインまたは領域は、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X2に対応する残基は、極性、非極性、または脂肪族残基であり;X4に対応する残基は、塩基性残基またはシステインであり;X11に対応する残基は、非極性、脂肪族、または芳香族残基であり;X40に対応する残基は、拘束性、または塩基性残基であり;X80に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基であり;およびX86に対応する残基は、非極性、脂肪族、または極性残基である。いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基1〜89に対応する領域またはドメインを含むポリペプチドは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない残基位置において、1つ以上の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない他のアミノ酸残基位置において、対応するドメインと比較して、他のアミノ酸残基位置において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、または1〜16残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、または16の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、84または87の配列式の残基1〜89に対応するドメインまたは領域をさらに含むことができ、そこでは、ドメインまたは領域は、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X2に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミンもしくはアスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にセリン、トレオニン、またはアラニン)であり;X4に対応する残基は、アルギニンもしくはリジン、またはシステイン(特にアルギニンまたはシステイン)であり;X11に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にイソロイシン、ロイシン、またはフェニルアラニン)であり;X40に対応する残基は、プロリン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン(特にヒスチジンまたはアルギニン)であり;X80に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、グルタミン、またはアスパラギン(特にアラニンまたはトレオニン)であり;およびX86に対応する残基は、セリン、トレオニン、グルタミン、アスパラギン、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシン(特にトレオニンまたはイソロイシン)である。いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基1〜89に対応する領域またはドメインを含むポリペプチドは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない残基位置において、1つ以上の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない他のアミノ酸残基位置において、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、または1〜16残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、または16の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、84または87の配列式の残基1〜89に対応するドメインまたは領域をさらに含むことができ、そこでは、ドメインまたは領域は、少なくとも以下の特徴を有することができる:X40に対応する残基は、拘束性または塩基性残基、特にアルギニンである。いくつかの実施形態では、配列番号111、112、または139の配列式の残基1〜89に対応する領域またはドメインを含むポリペプチドは、配列番号2、4、または114の参照配列と比較して、他の残基位置において、1つ以上の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、残基1〜89に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインまたは領域と比較して、他のアミノ酸残基位置において1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、または1〜16残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、ドメインでの他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、または16の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼの領域またはドメインは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を含み、そこでは、アミノ酸配列は、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列の残基1〜89に対応するアミノ酸配列と比較して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、84または87の配列式の残基212〜252に対応するドメインまたは領域をさらに含むことができ、そこでは、ドメインまたは領域は、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X226に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基であり;X248に対応する残基は、非極性、または塩基性残基であり;およびX249に対応する残基は、芳香族残基である。いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基212〜252に対応する領域またはドメインを含むポリペプチドは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない残基位置において、1つ以上の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、または1〜10の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、84または87の配列式の残基212〜252に対応するドメインまたは領域をさらに含むことができ、そこでは、ドメインまたは領域は、以下の特徴の1つ以上を有することができる:X226に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシンまたはイソロイシン(特にバリン)であり;X248に対応する残基は、グリシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、またはアルギニン(特にグリシン、リジン、またはアルギニン)であり;およびX249に対応する残基は、チロシン、フェニルアラニン、またはトリプトファン(特にチロシンまたはトリプトファン)である。いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基212〜252に対応する領域またはドメインを含むポリペプチドは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない残基位置において、他の残基位置において、1つ以上の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いは、配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、上記Xによっては特定されない他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、または1〜10の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基位置において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号83、84または87の配列式の残基212〜252に対応するドメインまたは領域をさらに含むことができ、そこでは、ドメインまたは領域は、少なくとも以下の特徴を有する:X226に対応する残基は、非極性、または脂肪族残基、特にバリンである。いくつかの実施形態では、配列番号83、84または87の配列式の残基212〜252に対応する領域またはドメインを含むポリペプチドは、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86の参照配列と比較して、他の残基位置において、1つ以上の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、残基212〜252に対応する領域またはドメインは、配列番号2、4、または86に基づく参照配列の対応するドメインと比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、または1〜10の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、ドメインでの他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的変異を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼの領域またはドメインは、少なくとも前記の特徴を有するアミノ酸配列を含み、そこでは、アミノ酸配列は、前記の特徴を有する配列番号2、4、または86に基づく参照配列の残基212〜252に対応するアミノ酸配列と比較して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。
下記の表2は、典型的な2S,3R選択的ケトレダクターゼ(配列番号1〜62)をそれらの関連活性とともに提供する。下記の配列は、特に明記しない限り、野生型L.kefirのケトレダクターゼ配列(配列番号3と4)に由来する。下記の表2において、各々の列は、2つの配列番号を記載し、そこでは、奇数は、偶数により提供されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を意味する。変異の番号(♯)を記載する欄は、配列番号4のL.kefir KREDアミノ酸配列と比較したアミノ酸置換の数に関し、そして、特定の置換は、「kefirからの変異」の欄に記載される。活性欄では、1つの「+」は、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドの基質を式(II)の生成物に変換するための能力と比較して、1〜15倍の改良に対応する。2つのプラス記号「++」は、配列番号48と比較して、ポリペプチドが約15〜30倍改良されることを示す。3つのプラス記号「+++」は、配列番号48と比較して、ポリペプチドが30〜40倍改良されることを示す。4つのプラス記号「++++」は、配列番号48と比較して、ポリペプチドが40〜50倍改良されることを示す:および5つのプラス記号「+++++」は、配列番号48と比較して、ポリペプチドが50倍より大きく改良されることを示す。安定性の欄の下の「+」記号は、ポリペプチドが40℃、21時間の加熱処理の後、基質を式(II)の生成物に変換するための酵素活性を保持することができることを示す。選択性の欄について、1つのプラス記号「+」は、ポリペプチドが、約60〜89%の立体異性体過剰率で基質を式(II)の生成物に変換することができることを示す;2つのプラス記号「++」は、ポリペプチドが、約90〜94%の立体異性体過剰率で基質を式(II)の生成物に変換することができることを示す;3つのプラス記号「+++」は、ポリペプチドが、約95〜99%の立体異性体過剰率で基質を式(II)の生成物に変換することができることを示す;および4つのプラス記号「+++」は、ポリペプチドが、約99%を超える立体異性体過剰率で基質を式(II)の生成物に変換することができることを示す。したがって、いくつかの実施形態では、2S,3R選択的ケトレダクターゼは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60または62に対応する配列を含むことができる。
Figure 0005646328
Figure 0005646328
Figure 0005646328
いくつかの実施形態では、改良された2S,3R選択的ケトレダクターゼは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、または62に基づく参照配列に対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、少なくとも以下の特徴を有する:X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンであり;X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性または極性残基、特にアラニン、ヒスチジンまたはアスパラギンであり;およびX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。
いくつかの実施形態では、改良された2S,3R選択的ケトレダクターゼは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、または62に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、配列番号2、4、または86と比較して、表2にリストされたポリペプチド配列のいずれか1つに含まれる変異の組のいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも約85%の立体異性体過剰率(%)または野生型L.kefir KRED(配列番号4)より大きい立体異性体過剰率(%)で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むことができる。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも約60〜89%の立体異性体過剰率(%)および配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率より少なくとも約1〜15倍大きい比率で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、46、50、52、54、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。配列番号48のアミノ酸配列を有する参照ポリペプチドは、一定の比率(例えば、pH8の50%IPA中、KREDの約10g/Lを用いて、1g/Lの基質を20時間で100%変換)および野生型(配列番号4)に対して改良された立体選択性で、基質を生成物に変換することができるので、配列番号48に対して改良された本明細書のポリペプチドは、野生型に対しても改良される。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも約90〜94%の立体異性体過剰率(%)で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、40、42、50、52、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも約95〜99%の立体過剰率(%)で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、42、50、52、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも約99%の立体異性体過剰率(%)で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、30、32、34、60、または62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約15〜30倍大きい比率で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、28、30、32、34、50、60、または62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約30〜40倍大きい比率で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、30、34、60、または62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約40〜50倍大きい比率で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、22、または60に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約50倍大きい比率で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、または12に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約50倍大きい比率および少なくとも約99%の立体異性体過剰率(%)で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、および12に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を、40℃で21時間処理した後に、生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換する能力を保持することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、10、または44に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
上記したように、いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、式(I)の基質を式 (III)の生成物へ立体選択的に還元または変換することができる。下記の表3は、典型的な2R,3R特異的ケトレダクターゼ(配列番号63〜82)をそれらの関連活性とともに提供する。下記の配列は、特に明記しない限り、野生型L.kefirのケトレダクターゼ配列(配列番号3および4)に由来する。下記の表3では、各々の列は、2つの配列番号を記載し、そこでは、奇数番号は、偶数番号により提供されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を意味する。変異数を記載する欄は、配列番号4のL.kefir KREDアミノ酸配列と比較したアミノ酸置換の数に関し、そして、「配列−コード変異」の欄は、配列番号4と比較した置換をリストする。活性欄では、1つの「+」は、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドの基質を式(III)の生成物に変換するための能力と比較して、約1倍の改良に相当する。2つのプラス記号「++」は、配列番号66と比較して、ポリペプチドが約1〜2倍より大きく改良されることを示す。3つのプラス記号「+++」は、配列番号66と比較して、ポリペプチドが約5倍より大きく改良されることを示す。選択性の欄に関して、1つのプラス[+)記号は、ポリペプチドが約85%未満の立体異性体過剰率で基質を式(III)の生成物に変換することができることを示す;2つのプラス記号「++」は、ポリペプチドが、約85%より大きい立体異性体過剰率で基質を式(III)の生成物に変換することができることを示す。したがって、いくつかの実施形態では、2S,3R選択的ケトレダクターゼは、配列番号64、66、68、70、72、74、76、78、80、または82に対応する配列を含むことができる。
Figure 0005646328
Figure 0005646328
いくつかの実施形態では、改良された2R,3R選択的ケトレダクターゼは、配列番号64、66、68、70、72、74、76、78、80、または82に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が同一であるアミノ酸配列を含むが、但し、ケトレダクターゼアミノ酸配列は、配列番号2または4または86と比較して、表3にリストされたポリペプチド配列のいずれか1つに含まれる変異の組のいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼポリペプチドは、参照配列と比較して、他のアミノ酸残基位置において、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35または約1〜40の残基の違いをさらに有することができる。いくつかの実施形態では、違いの数は、他のアミノ酸残基において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40の残基の違いである。いくつかの実施形態では、違いは、保存的な変異を含む。
いくつかの実施形態では、2R,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、少なくとも約85%の立体過剰率(%)で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号68,72,74、76,78、または82に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、2R,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約1倍大きい比率で、生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号64、68,70、72、74,76,78、80、または82に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ある立体異性体過剰率および野生型L.kefir KRED(配列番号4)よりも大きい比率で、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができるので、配列番号66に対して改良された任意のポリペプチドは、また、野生型L.kefir KREDに対しても改良される。
いくつかの実施形態では、2R,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約1〜2倍大きい比率で、生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号64、68、70、72、74、76、78、または80に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、2R,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約5倍大きい比率で、生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号64、70、72、76、78、または80に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、2R,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、基質(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート)を、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドによる可能な比率より少なくとも約5倍大きい比率および少なくとも85%の立体異性体過剰率で、生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)に変換することができる。有能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号72または78に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2または配列番号4または配列番号86(またはその領域もしくはドメイン、例えば、残基90〜211など)に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%が同一であるアミノ酸配列を含むことができるが、但し、配列番号2または配列番号4または配列番号86の残基202に対応する残基は、バリンまたはロイシンであり、配列番号2または4または86の残基94に対応する残基は、トレオニンであり;および配列番号2または4または86の残基199に対応する残基は、ヒスチジンであり、さらに、ポリペプチドが野生型kefirケトレダクターゼまたは別の組み換えケトケトレダクターゼ(例えば、配列番号48など)に対してさらに改良(立体選択性、酵素活性および/または熱安定性に関して)されるような以下の置換の1つ以上をさらに有する:2→A;4→C;11→F;40→H;80→T;86→I;96→F、V;105→G;129→T;147→M、L;153→A、S;195→V;196→L;206→F;226→V;248→K;および249→W。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2、4もしくは86(またはその領域もしくはドメイン、例えば、残基90〜211など)に対して、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%が同一であるアミノ酸配列を含むことができるが、但し、配列番号2、4または86の残基202に対応する残基は、バリンまたはロイシンであり、配列番号2、4または86の残基94に対応する残基は、トレオニンであり;そして、配列番号2、4または86の残基199に対応する残基は、ヒスチジンであり、さらに、ポリペプチドが野生型kefirケトレダクターゼまたは別の組み換えケトケトレダクターゼ(例えば、配列番号48など)に対してさらに改良(立体選択性、酵素活性および/または熱安定性に関して)されるような以下の置換の1つ以上をさらに有する:40→H;および147→L、M。
当業者に理解されるように、特別に他に明示しない限り、アミノ酸残基の上で定義されたカテゴリのいくつかは、互いに排他的ではない。したがって、2つ以上の物理化学的特性を示す側鎖を有するアミノ酸は、複数のカテゴリに含まれることができる。任意のアミノ酸または残基の適切な分類は、特に本明細書に提供される詳細な開示に照らして当業者には明らかとなろう。
いくつかの実施形態では、改良された組み換えケトレダクターゼ酵素は、天然に存在するケトレダクはターゼポリペプチドの欠失または他の組み換えケトレダクターゼポリペプチドの欠失を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記述された改良された組み換えケトレダクターゼポリペプチドの各々は、本明細書に記述されたポリペプチドの欠失を含むことができる。したがって、本開示のケトレダクターゼポリペプチドの各実施形態および全ての実施形態に関して、欠失は、1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸、5個以上のアミノ酸、6個以上のアミノ酸、8個以上のアミノ酸;10個以上のアミノ酸、15個以上のアミノ酸、または20個以上のアミノ酸を含むことができ、それは、ケトレダクターゼ活性の機能的活性が維持される限り、ケトレダクターゼポリペプチドのアミノ酸の総数の最大10%、アミノ酸の総数の最大10%、アミノ酸の総数の最大20%、またはアミノ酸の総数の最大30%までを占める。いくつかの実施形態では、欠失は、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35または約1〜40のアミノ酸残基を含むことができる。いくつかの実施形態では、欠失の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35または約40個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、欠失は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、または20のアミノ酸残基の欠失を含むことができる。
本明細書に記述されるように、本開示のケトレダクターゼポリペプチドは、融合ペプチドの形態であることができ、そこでは、ケトレダクターゼポリペプチドが他のポリペプチドに融合している(例えば、例示として、限定されるものではないが、抗体タグ(例えば、mycエピトープ)、精製配列(例えば、ヒスチジンタグ)および細胞局在化シグナル(例えば、分泌シグナル))。したがって、ケトレダクターゼポリペプチドは、他のポリペプチドとの融合の有無にかかわらず使うことができる。
本明細書に記述されるポリペプチドは、遺伝的にコード化されたアミノ酸に制限されない。遺伝的にコード化されたアミノ酸に加えて、本明細書に記述されるポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸および/または合成非コード化アミノ酸の全体または一部を含むことができる。本明細書に記述されるポリペプチドが構成され得る特定の一般的に遭遇する非コード化アミノ酸は、限定されるものではないが、以下のものを含む:遺伝的にコード化されたアミノ酸のD−立体異性体;2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr);α−アミノイソ酪酸(Aib);ε−アミノヘキサン酸(Aha);δ−アミノ吉草酸(Ava);N−メチルグリシンまたはサルコシン(MeGlyまたはSar);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t−ブチルアラニン(Bua);t−ブチルグリシン(Bug);N−メチルイソロイシン(Melle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle);ナフチルアラニン(Nal);2−クロロフェニルアラニン(Ocf);3−クロロフェニルアラニン(Mcf);4−クロロフェニルアラニン(Pcf);2−フルオロフェニルアラニン(Off);3−フルオロフェニルアラニン(Mff);4−フルオロフェニルアラニン(Pff);2−ブロモフェニルアラニン(Obf);3−ブロモフェニルアラニン(Mbf);4−ブロモフェニルアラニン(Pbf);2−メチルフェニルアラニン(Omf);3−メチルフェニルアラニン(Mmf);4−メチルフェニルアラニン(Pmf);2−ニトロフェニルアラニン(Onf);3−ニトロフェニルアラニン(Mnf);4−ニトロフェニルアラニン(Pnf);2−シアノフェニルアラニン(Ocf);3−シアノフェニルアラニン(Mcf);4−シアノフェニルアラニン(Pcf);2−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Otf);3−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Mtf);4−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Ptf);4−アミノフェニルアラニン(Paf);4−ヨードフェニルアラニン(Pif);4−アミノメチルフェニルアラニン(Pamf);2,4−ジクロロフェニルアラニン(Opef);3,4−ジクロロフェニルアラニン(Mpcf);2,4−ジフルオロフェニルアラニン(Opff);3,4−ジフルオロフェニルアラニン(Mpff);ピリド−2−イルアラニン(2pAla);ピリド−3−イルアラニン(3pAla);ピリド−4−イルアラニン(4pAla);ナフト−1−イルアラニン(1nAla);ナフト−2−イルアラニン(2nAla);チアゾリルアラニン(taAla);ベンゾチエニルアラニン(bAla);チエニルアラニン(tAla);フリルアラニン(fAla);ホモフェニルアラニン(hPhe);ホモチロシン(hTyr);ホモトリプトファン(hTrp);ペンタフルオロフェニルアラニン(5ff);スチリルアラニン(sAla);アウスリル(authryl)アラニン(aAla);3,3−ジフェニルアラニン(Dfa);3−アミノ−5−フェニルペンタン酸(Afp);ペニシラミン(Pen);1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic);β−2−チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(Mso);N(w)−ニトロアルギニン(nArg);ホモリジン(hLys);ホスホノメチルフェニルアラニン(pmPhe);ホスホセリン(pSer);ホスホトレオニン(pThr);ホモアスパラギン酸(hAsp);ホモグルタミン酸(hGlu);1−アミノシクロペンタ−(2または3)−エン−4カルボン酸;ピペコリン酸(PA)、アゼチジン−3−カルボン酸(ACA);1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸;アリルグリシン(aOly);プロパルギルグリシン(pgGly);ホモアラニン(hAla);ノルバリン(nVal);ホモロイシン(hLeu)、ホモバリン(hVal);ホモイソロイシンhIle);ホモアルギニン(hArg);N−アセチルリジン(AcLys);2,4−ジアミノ酪酸(Dbu);2,3−ジアミノ酪酸(Dab);N−メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys);ホモセリン(hSer);ヒドロキシプロリン(Hyp)およびホモプロリン(hPro)。本明細書に記述されるポリペプチドが構成され得るさらなる非コード化アミノ酸は、当業者に明らかであろう(例えば、Fasmanの1989,CRC Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology,CRC Press,Boca Raton,FLの3〜70頁およびその中で引用されている参考文献を参照されたい。なお、これらの全ては引用により取り込まれる)。これらのアミノ酸は、L−配置またはD−配置のいずれであってもよい。
当業者であれは、側鎖保護基を有するアミノ酸または残基もまた本明細書に記載されたポリペプチドを構成し得ることを認識するであろう。そのような保護アミノ酸(それはこの場合、芳香族の範疇に属する)の非限定的な例は、以下のもの(保護基は括弧内に記載)を含むが、これらに限定されない。Arg(トシル)、Cys(メチルベンジル)、Cys(ニトロピリジンスルフェニル)、Glu(δ−ベンジルエステル)、Gln(キサンチル)、Asn(N−δ−キサンチル)、His(bom)、His(ベンジル)、His(トシル)、Lys(fmoc)、Lys(トシル)、Ser(O−ベンジル)、Thr(O−ベンジル)、およびTyr(O−ベンジル)。
本明細書に記載されたポリペプチドを構成し得る、立体配置的に拘束性の非コードアミノ酸は、N−メチルアミノ酸(L−配置):1−アミノシクロペンタ−(2または3)−エン−4−カルボン酸;ピペコリン酸;アゼチジン−3−カルボン酸;ホモプロリン(hPro);および1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸を含むが、これらに限定されるものではない。
上述したように、組み換えケトレダクターゼ酵素を生成するために天然に存在するポリペプチドに導入される種々の改変は、酵素の特定の性質を標的とすることができる。
1.3 組み換えケトレダクターゼをコードするポリヌクレオチド
別の態様では、本開示は、組み換えケトレダクターゼ酵素をコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現することができる組み換え型ポリヌクレオチドを作製するために遺伝子発現を制御する1つ以上の異種制御配列に作動的に連結され得る。組み換えケトレダクターゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む発現構築物は、適切な宿主細胞に導入されて対応するケトレダクターゼポリペプチドを発現することができる。
様々なアミノ酸に対応するコドンに関する知識により、タンパク質配列の有用性は、対象をコード化できるすべてのポリヌクレオチドの記述を提供する。遺伝暗号の変質(そこでは、同じアミノ酸が代替または同義のコドンによってコード化される)は、非常に多くの核酸が作られるのを可能にし、それらのすべては、本明細書に開示される改良されたケトレダクターゼ酵素をコード化する。したがって、特定のアミノ酸配列を同定して、当業者は、タンパク質のアミノ酸配列を変えない方法で1つ以上のコドンの配列を単に改変することによって異なる任意の数の核酸を作製することができた。この点に関しては、本開示は、可能なコドン選択に基づく組み合わせを選択することによって作ることができるポリヌクレオチドのありとあらゆる可能な変化を具体的に考慮し、そして、そのようなすべての変化は、本明細書に開示された任意のポリペプチドに対して具体的に開示されたとみなすべきであり、それは表1にリストされたアミノ酸配列を含む。
いろいろな実施形態では、コドンはタンパク質が生産される宿主細胞に適合するように望ましくは選択される。例えば、細菌で使われる好ましいコドンは、細菌で遺伝子を発現するのに用いられる;酵母で使われる好ましいコドンは、酵母の発現のために使われる;そして、哺乳類で使われる好ましいコドンは、哺乳類の細胞の発現のために使われる。例示として、配列番号1のポリヌクレオチドは、E.coliでの発現のために最適化されたコドンであったが、別の状況では、Lactobacillus kefirの天然に存在するケトレダクターゼをコードする。
ある実施形態では、ケトレダクターゼのコドン使用頻度を最適化するためにすべてのコドンを置換する必要はなく、それは、天然の配列が好ましいコドンから成り、そして、好ましいコドンの使用がすべてのアミノ酸残基のために必要とされるというわけではないからである。従って、ケトレダクターゼ酵素をコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、全長コード領域のコドン位置の約40%、50%、60%、70%、80%で、または90%超で好ましいコドンを含むことができる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記述された参照組み換えケトレダクターゼポリペプチドのいずれかに対して、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%を超える配列の同一性を有するアミノ酸配列を有するケトレダクターゼポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。したがって、いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、以下の特徴:X94に対応する残基が、脂肪族、または極性残基、特にアラニンまたはトレオニンであり;X199に対応する残基が、脂肪族、拘束性または極性残基、特にアラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンであり;そしてX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンである、を有する配列番号2、4または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%超が同一であるアミノ酸配列をコードするが、但し、コード化されたケトレダクターゼポリペプチドは、前記の特徴(すなわち、X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基であり;X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性または極性残基であり;そしてX202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである)を有するアミノ配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、X94に対応する残基が、トレオニンであり;X199に対応する残基が、アラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンであり;そして、X202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有するケトレダクターゼをコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号6、8、10、12、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58に対応するアミノ酸配列をコードする。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号14、60、または62に対応するアミノ酸を含むポリペプチドに対して、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の、または99%超の配列が同一であるアミノ酸配列を有するケトレダクターゼポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号64、66、68、70、72、74、76、78、80または82に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドに対して、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の、または99%超の配列が同一であるアミノ酸配列を有するケトレダクターゼポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、または81から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、または81を含むポリヌクレオチドに高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、そこでは、高ストリンジェントにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、式(I)の基質を式(II)の生成物に立体選択的に還元または変換する、あるいは式(I)の基質を式(III)の生成物に立体選択的に還元または変換することのできるケトレダクターゼをコードする。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記述されて、組み換えケトレダクターゼをコードする参照ポリヌクレオチドに対して、ヌクレオチドレベルで、約80%、または80%超の配列同一性を有し、約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の、または99%超の配列の同一性を有するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、参照ポリヌクレオチドは、配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、または81から選択される。
改良されたケトレダクターゼポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、いろいろな方法で操作してポリペプチドの発現を提供する。ベクターへの挿入前に、単離されたポリヌクレオチドを操作することは、発現ベクターに依存して、望ましいか、または必要である場合がある。組み換えDNA法を利用して、ポリヌクレオチドおよび核酸配列を改変するための技術は、当該分野でよく知られている。指針は、Sambrookらの、2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press;and Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel.F.ed.,Greene Pub.Associates,1998(2006年改訂版)に提供されている。
細菌の宿主細胞については、本開示の核酸構築物の転写を方向づけるための適切なプロモーターは、E.coli lacオペロン、E.coli trpオペロン、バクテリオファージλ、Streptomyces coelicolorのアガラーゼ遺伝子(dagA)、Bacillus subtilisのレバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、Bacillus licheniformisのα−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bacillus stearothermophilusのマルトジェニックアミラーゼ遺伝子 (amyM)、Bacillus amyloliquefaciensのα−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、Bacillus licheniformisのペニシリナーゼ遺伝子(penP)、Bacillus subtilis xylA and xylB遺伝子、および原核生物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa−Kamaroffら、1978,Proc.Natl Acad.Sci.USA 75:3727−3731)のみならず、tacプロモーター(DeBoerら、1983,Proc.Natl Acad.Sci.USA 80:21−25)を含む。さらに、プロモーターは、Scientific American,1980,242:74−94の“Useful proteins from recombinant bacteria”およびSambrookら(上記)に記載されている。
糸状菌類の宿主細胞については、本開示の核酸構築物の転写を方向づけるための適切なプロモーターは、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus nigerの中性α−アミラーゼ、Aspergillus nigerの耐酸性α−アミラーゼ、Aspergillus nigerまたはAspergillus awamoriのグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor mieheiのリパーゼ、Aspergillus oryzaeのアルカリ性プロテアーゼ、Aspergillus oryzaeのトリオースホスファートイソメラーゼ、Aspergillus nidulansのアセトアミダーゼ、およびFusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼ(WO 96/00787)に対する遺伝子から得られたプロモーターのみならず、NA2−tpiプロモーター(Aspergillus nigerの中性α−アミラーゼおよびAspergillus oryzaeのトリオースホスファートイソメラーゼに対する遺伝子からのプロモータ−のハイブリッド)、ならびにそれらの変異体、トランケーション体、およびハイブリッドプロモーターを含む。
酵母宿主においては、有用なプロモーターは、Saccharomyces cerevisiaeのエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiaeのガラクトキナーゼ(GAL1)、Saccharomyces cerevisiaeのアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−ホスファートデヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、およびSaccharomyces cerevisiaeの3−ホスホグリセラートキナーゼのための遺伝子由来である。酵母宿主細胞に対する他の有用なプロモーターは、Romanosら、1992、Yeast 8:423−488に記載されている。
制御配列は、また、適切な転写終結配列(転写を終結するために宿主細胞によって認識される配列)である。終結配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結されている。選択された宿主細胞で機能的である任意のターミネーターは、本発明で使用することができる。
例えば、糸状菌類の宿主細胞のための典型的な転写ターミネーターは、Aspergillus oryzae TAKAのアミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansのアントラニル酸合成酵素、Aspergillus nigerのα−グルコシダーゼ、およびFusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼに関する遺伝子から得ることができる。
酵母宿主細胞のための典型的なターミネーターは、Saccharomyces cerevisiaeのエノラーゼ、Saccharomyces cerevisiaeのシトクロムC(CYC1)、およびSaccharomyces cerevisiaeのグリセルアルデヒド−3−ホスファートデヒドロゲナーゼのための遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞に対する他の有用なターミネーターは、Romanosら、(1992、上記)に記載されている。
制御配列は、また、適切なリーダー配列(宿主細胞による翻訳にとって重要であるmRNAの非翻訳領域)でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結されている。選択された宿主細胞で機能的である任意のリーダー配列は、使用することができる。糸状菌類の宿主細胞のための典型的なリーダーは、Aspergillus oryzae TAKAのアミラーゼ、およびAspergillus nidulansのトリオースホスファートイソメラーゼに関する遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、Saccharomyces cerevisiaeのエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiaeの3−ホスホグリセラートキナーゼ、Saccharomyces cerevisiaeのα−因子、およびSaccharomyces cerevisiaeのアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−ホスファートデヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)に関する遺伝子から得られる。
制御配列は、また、ポリアデニル化配列(核酸配列の3’末端に作動可能に連結された配列)であってもよく、そして、それは、転写されたとき、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するシグナルとして宿主細胞によって認識される。選択された宿主細胞で機能的である任意のポリアデニル化配列は、本発明で使用することができる。糸状菌宿主細胞のための典型的なポリアデニル化配列は、Aspergillus oryzae TAKAのアミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansのアントラニル酸合成酵素、Fusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼ、およびAspergillus nigerのα−グルコシダーゼに対する遺伝子から由来することができる。酵母宿主細胞のための有用ポリアデニル化配列は、GuoおよびSherman(1995,Mol Cell Bio 15:5983−5990)により記載されている。
制御配列は、また、ポリペプチドのアミノ末端に連結したアミノ酸配列をコードし、細胞の分泌経路にコード化されたポリペプチドを方向づけるシグナルペプチドコード領域であってもよい。核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌ポリペプチドをコード化するコード領域のセグメントと翻訳読み枠で生来的に連結されたシグナルペプチドコード領域を固有に含み得る。あるいはまた、コード配列の5’末端は、コード配列に外因性のシグナルペプチドコード領域を含むことができる。コード配列が生来的にシグナルペプチドコード領域を含まない場合には、外因性のシグナルペプチドコード領域が必要とされる。
あるいはまた、外因性のシグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの分泌を強化するために、天然のシグナルペプチドコード領域を単に置き換えることが可能である。しかし、選択された宿主細胞の分泌経路に発現されたポリペプチドを方向づけるどんなシグナルペプチドコード領域でも、本発明において使用され得る。
細菌の宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード領域は、Bacillus NCIB 11837のマルトジェニックアミラーゼ、Bacillus stearothermophilusのα−アミラーゼ、Bacillus licheniformisのサブチリシン、Bacillus licheniformisのβ−ラクタマーゼ、Bacillus stearothermophilusの中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)、およびBacillus subtilisのprsAの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。さらなるシグナルペプチドは、SimonenおよびPalva(1993,Microbiol Rev 57:109−137)により記述されている。
糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード領域は、Aspergillus oryzae TAKAのアミラーゼ、Aspergillus nigerの中性アミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humicola insolensのセルラーゼ、およびHumicola lanuginosaのリパーゼの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、Saccharomyces cerevisiaeのα−因子およびSaccharomyces cerevisiaeのインベルターゼの遺伝子由来である。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanosら(1992、上記)によって記述されている。
制御配列は、また、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域でもある。得られるポリペプチドは、プロ酵素またはプロポリペプチド(またはある場合にはチモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは、通常、不活性であり、プロポリペプチドからプロペプチドへの触媒的または自己触媒的な解裂によって、成熟活性ポリペプチドに変換され得る。プロペプチドコード領域は、Bacillus subtilisのアルカリプロテアーゼ(aprE)、Bacillus subtilisの中性プロテアーゼ(nprT)、Saccharomyces cerevisiaeのα−因子、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、およびMyceliophthora thermophilaのラクターゼ(WO95/33836)の遺伝子から得ることができる。
シグナルペプチドおよびプロペプチド領域の両方が、ポリペプチドのアミノ末端に存在する場合は、プロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の隣に位置し、そして、シグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の隣に位置する。
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の制御を可能にする制御配列を付加することがまた所望される。制御系の例は、制御化合物の存在を包含する、化学的または物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始または停止を引き起こすそれらの系である。原核生物の宿主細胞では、適切な制御系は、lac、tacおよびtrpオペレータ系を含む。酵母宿主細胞においては、適切な制御系は、例えば、ADH2システムまたはGAL1システムを含む。糸状菌においては、適切な制御配列は、TAKA α−アミラーゼプロモーター、Aspergillus nigerグルコアミラーゼプロモーターおよびAspergillus oryzaeグルコアミラーゼプロモーターを含む。
制御配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核系においては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、および重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子を含む。これらの場合、本発明のKREDポリペプチドをコードする核酸配列は、制御配列と作動可能に連結される。
したがって、別の実施形態では、本開示はまた、組み換えケトレダクターゼポリペプチドまたはその変異体をコードするポリヌクレオチドと1つ以上の発現制御領域(例えばプロモーターおよびターミネーター)、複製起源、その他を含む組み換え発現ベクターに、それらが導入される宿主のタイプに依存して、向けられる。上記の種々の核酸および制御配列は、1つ以上の便利な制限部位でポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にするためにそれらの部位で含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。あるいはまた、本開示の核酸配列は、核酸配列または前記配列を含む核酸構築物を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創製する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列と作動可能に連結される。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に好都合に付すことができ、そしてポリヌクレオチド配列の発現をもたらすことができるいずれかのベクター(例えば、プラスミドまたはウィルス)であり得る。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞とベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状または閉環された環状プラスミドであってもよい。
発現ベクターは、自律複製するベクター、すなわち染色体外の実体として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、例えばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム、または人工染色体であり得る。ベクターは、自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。あるいはまた、ベクターは、宿主細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体(複数を含む)と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNAまたはトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクターもしくはプラスミド、または2つ以上のベクターもしくはプラスミドを使用することができる。
本発明の発現ベクターは、好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1つ以上の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤またはウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、および同様のものを提供する。細菌選択マーカーの例は、Bacillus subtilisまたはBacillus licheniformisからのdal遺伝子、または抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール(実施例1)またはテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、およびURA3である。
糸状菌宿主細胞に使用するための選択マーカーは、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、およびtrpC(アントラニル酸合成酵素)、ならびにそれらの均等物を含むが、これらに限定されない。アスペルギルス属細胞に使用するための実施形態は、Aspergillus nidulansまたはAspergillus oryzaeのamdS遺伝子およびpyrG遺伝子、ならびにStreptomyces hygroscopicusのbar遺伝子を含む。
本発明の発現ベクターは、好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの組み込み、またはゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素(複数可)を含む。宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同または非相同組換えによるゲノム中へのベクターの組み込みのためのポリペプチドまたはベクターのいずれか他の要素をコードする核酸配列に依存する。
あるいはまた、発現ベクターは、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるためのさらなる核酸配列を含むことができる。そのさらなる核酸配列は、染色体(複数を含む)における正確な位置(複数を含む)での宿主細胞ゲノム中へのベクターの組み込みを可能にする。正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は、好ましくは、相同組換えの可能性を高めるために対応する標的配列と高い相同性を示す十分な数の核酸、例えば100〜10,000個の塩基対、好ましくは400〜10,000個の塩基対、および最も好ましくは800〜10,000個の塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配列と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コードまたはコード核酸配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞におけるベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の細菌起点の例は、P15A ori(図5のプラスミドに示される)またはE.coliにおける複製を可能にするプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177(当該プラスミドは、P15A oriを有する)、またはpACYC184、およびBacillusにおける複製を可能にするpUB110、pE194、pTA1060、またはpAMβ1の複製の起点である。酵母宿主細胞への使用のための複製の起点の例は、複製の2ミクロン起点、すなわちARS1、ARS4、ARS1およびCEN3の組み合わせ、ならびにARS4およびCEN6の組み合わせである。複製の起点は、宿主細胞においてその機能を感温性にする突然変異を有する起点である(例えば、Ehrlich,1978,Proc.Natl.Acad Sci.USA 75:1433を参照のこと)。
本発明の核酸配列の2つ以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。核酸配列のコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、または核酸配列と共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、核酸配列の追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
本発明に用いられる発現ベクターの多くは、市販され入手可能である。適切な市販の発現ベクターは、Sigma−Aldrich Chemicals,St.Louis MOからのp3xFLAGTM(商標)発現ベクターを含み、これは 哺乳類の宿主細胞での発現のためのCMVプロモーターおよびhGHポリアデニル化部位およびE.coliでの増幅のための複製のpBR322起点およびアンピシリン耐性マーカーを含む。他の適切な発現ベクターは、pBluescriptII SK(−)およびpBK−CMV(それらはStratagene,LaJolla CAから商業的に入手可能である)、ならびにpBR322(Gibco BRL)、pUC(Gibco BRL)、pREP4、pCEP4(Invitrogen)またはpPoly(Latheら、1987、Gene 57:193−201)に由来するプラスミドである。
1.4 ケトレダクターゼポリペプチド発現のための宿主細胞
別の態様において、本開示は、本開示の改良されたケトレダクターゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供し、このポリヌクレオチドは、宿主細胞でのケドレダクターゼ酵素の発現のために、1つ以上の制御配列に作動可能に連結される。本発明の発現ベクターによってコードされるKREDポリペプチドの発現における使用のための宿主細胞は、当該分野において周知であり、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Lactobacillus kefir細胞、Lactobacillus brevis細胞、Streptomyces細胞およびSalmonella typhimurium細胞;真菌細胞(例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastoris(ATCC登録番号201178));昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、BHK細胞、293細胞、およびBowesメラノーマ細胞);ならびに植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培地および増殖条件は、当該分野において周知である。
ケトレダクターゼの発現のためのポリヌクレオチドは、当該分野において公知のいろいろな方法で細胞に導入することが可能である。技術としては、中でも、エレクトロポーレーション、遺伝子銃を用いる方法、リポソーム媒介トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合を含む。細胞にポリヌクレオチドを導入する種々の方法が当業者には明らかであろう。
典型的な宿主細胞は、Escherichia coli W3110である。発現ベクターは、改良されたケトレダクターゼをコードするポリヌクレオチドをlacIリプレッサーの制御下でlacプロモーターに作動可能に連結されたプラスミドpCK110900に作動可能に連結することによって作製した。この発現ベクターはまた、複製のP15a起点およびクロラムフェニコール耐性遺伝子を含んでいた。Escherichia coli W3110で対象ポリヌクレオチドを含む細胞は、細胞をクロラムフェニコールによる選択に付すことによって単離された。
1.5 組み換えケトレダクターゼポリペプチドの生成方法
いくつかの実施形態では、本開示の改良されたKREDポリヌクレオチドとポリペプチドを作製するために、還元反応を触媒する天然に存在するケトレダクターゼ酵素は、Lactobacillus kefir、Lactobacillus brevis、またはLactobacillus minorから得られる(または派生する)。いくつかの実施形態では、親のポリヌクレオチド配列は、特定の宿主細胞でケトレダクターゼの発現を強化するために最適化されたコドンである。具体例として、Lactobacillus kefirの野生型KREDポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチド配列は、Genbankデータベース(Genbank登録番号AAP94029 GI:33112056)で利用できるLactobacillus kefir KRED配列の既知のポリペプチド配列に基づいて製造されたオリゴヌクレオチドから構築された。親のポリヌクレオチド配列(配列番号1として示される)は、E.coliでの発現のために最適化されたコドンであり、コドン最適化ポリヌクレオチドは、発現ベクターにクローン化されて、ケトレダクターゼ遺伝子の発現をlacプロモーターとlacI抑制遺伝子の制御下に置いた。E.coliで活性ケトレダクターゼを発現するクローンは、同定され、そして、遺伝子がそれらの同一性を確認するために配列決定された。示される配列(配列番号1)は、大部分の実験およびLactobacillus kefirケトレダクターゼから進化した組み換えケトレダクターゼのライブラリーの構築の起点として利用された親配列であった。
組み換えケトレダクターゼは、上で議論したように、天然に存在するケトレダクターゼをコードするポリヌクレオチドを突然変異誘発および/または定方向進化法(directed evolution method)に付すことにより得ることができる。典型的な定方向進化技術は、Stemmer,1994,Proc Natl Acad Sci USA 91:10747−10751;WO95/22625;WO97/0078;WO97/35966;WO98/27230;WO00/42651;WO01/75767および米国特許第6,537,746号に記載されたような突然変異誘発および/またはDNAシャッフリングである。使用することができる他の定方向進化手順は、中でも、付着伸長法(StEP)、インビトロ組み換え(Zhaoら、1998、Nat.Biotechnol.16:258−261)、突然変異誘発性PCR(Caldwellら、1994、PCR Methods Appl.3:S136−S140)、およびカセット突然変異誘発(Blackら、1996、Proc Natl Acad Sci USA 93:3525−3529)を含む。
突然変異誘発処置後に得られたクローンは、所望の改良された酵素活性を有する組み換えケトレダクターゼについてスクリーニングされる。発現ライブラリーからの酵素活性の測定は、NADまたはNADPに変換されるのに伴うNADHまたはNADPH濃度の減少比率(吸光度または蛍光の減少を介した)をモニタリングする、標準的な生物化学的技術を用いて実施できる(例えば、実施例7を参照のこと)。この反応において、NADHまたはNADPHは、ケトレダクターゼがケトン基質を対応する水酸基に還元するにつれて、そのケトレダクターゼによって消費される(酸化される)。単位時間あたりのNADHまたはNADPH濃度の減少比率は、吸光度または蛍光の減少により測定される場合、一定量の上記細胞溶解物(またはそれから作製された凍結乾燥粉末)における、KREDポリペプチドの相対的(酵素)活性を示す。改良された所望の酵素活性特性が熱安定性である場合、酵素活性は、酵素製剤を一定の温度に曝し、加熱処理後に残存する酵素活性の量を測定することにより、測定される。ケトレダクターゼをコードするポリヌクレオチドを含むクローンは、次いで単離され、ヌクレオチド配列変化(もし、あるならば)を同定するために配列決定され、宿主細胞で酵素を発現するのに使用される。
組み換えポリペプチドの配列が既知である場合、酵素をコードするポリヌクレオチドは、既知の合成方法に従って標準的な固相法により製造することができる。いくつかの実施形態では、約100個までの塩基の断片は、個々に合成することができ、そして任意の所望の連続配列を形成するために結合することができる(例えば、酵素的または化学的連結方法またはポリメラーゼ媒介法により)。例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、例えば、Beaucageら(1981、Tet Lett 22:1859−69)またはMatthesら(1984、EMBO J.3:801−05)により記述された古典的なホスホルアミダイト法(例えば、典型的には自動化合成法で実施されるように)を用いて、化学的合成により製造することができる。ホスホルアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動化DNAシンセサイザーで合成され、精製され、アニーリングされ、連結され、そして適切なベクターにクローン化される。さらに、基本的に、任意の核酸は、任意のいろいろな民間の供給元(例えば、The Midland Certified Reagent Company,Midland,TX, The Great American Gene Company,Ramona,CA,ExpressGen Inc.Chicago,IL,Operon Technologies Inc.,Alameda,CA、および多くの他の供給元)から得ることができる。
宿主細胞で発現される組み換えケトレダクターゼ酵素は、細胞および/または培地から、タンパク質精製のための1つ以上の周知の技術(特に、リゾチーム処理、超音波処理、濾過、塩析、超遠心分離、およびクロマトグラフィを含む)を用いて採取することができる。溶解用の適切な溶液および細菌(例えば、E.coli)からのタンパク質の高効率抽出物は、Sigma−Aldrich(St.Louis MO)のCelLytic B(商標)の商品名で市販されている。
ケトレダクターゼポリペプチドの単離のためのクロマトグラフィ技術は、特に、逆相クロマトグラフィ高速液体クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、および親和性クロマトグラフィを含む。特定の酵素を精製するための条件は、部分的には、実効電荷、疎水性、親水性、分子量、分子形、その他などの要因に依存し、当業者にとって明らかである。
いくつかの実施形態では、親和性技術は、改良されたケトレダクターゼ酵素を単離するのに用いることが可能である。親和性クロマトグラフィ精製のために、特にケトレダクターゼポリペプチドに特異的に結合する任意の抗体が使用され得る。抗体の生産のために、ウサギ、マウス、ラット、他を含むが、これに限らない、いろいろな宿主動物は、組み換えポリペプチドを用いて注射されて免疫化され得る。ポリペプチドは、適切なキャリア(例えばBSA)に側鎖官能基または側鎖官能基に結合したリンカーによって結合されてもよい。いろいろなアジュバントは、宿主種に依存して、免疫学的応答を増大するに用いることができ、限定されるものではないが、フロイントアジュバント(完全および不完全)、鉱物ゲルアジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性剤アジュバント(例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性エマルジョン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、ジニトロフェノール、および潜在的に有用なヒトのアジュバント(例えば、BCG(bacilli Calmette−Guerin)およびコリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)を含む。
1.6 組み換えケトレダクターゼ酵素の使用方法とそれを用いて製造された化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に記述されるケトレダクターゼ酵素は、構造式(I):
Figure 0005646328
の化合物(メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラート(「基質
」))のケト基の還元反応を触媒することができ、構造式(II):
Figure 0005646328
の対応する立体異性体アルコール生成物(2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート(「生成物」))とすることができる。
いくつかの実施形態では、構造式(I)の基質は、式(Ia):
Figure 0005646328
で示されるように、ラセミ混合物であり、そして、2S,3R選択的ケトレダクターゼは、下記のスキーム1:
Figure 0005646328
で示される反応においてラセミの基質を還元または変換するのに用いることができ、式(II)の生成物を製造することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(I)の基質を構造式(II)の対応する生成物に少なくとも約60%の立体異性体過剰率で立体選択的に還元する方法において使用することができ、この方法は、式(I)または式(Ia)の基質を本開示の2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドと、基質を式(II)の生成物へ還元または変換するのに適した反応条件下で、接触またはインキュベーションすることを含む。本方法のいくつかの実施形態では、式(II)の生成物は、少なくとも約85%の立体異性体過剰率で製造される。本方法のいくつかの実施形態では、2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号4、2、および86の野生型L.kefir、L.brevis、またはL.minorのKRED配列に関して、少なくとも以下の特徴:残基202は、バリンまたはロイシンである、を有する。いくつかの実施形態では、2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号4、2、および86の野生型L.kefir、L.brevis、またはL.minorのKRED配列に関して、少なくとも以下の特徴:(1)X94に対応する残基は、脂肪族、または極性残基であり;(2)X199に対応する残基は、脂肪族、拘束性、または極性残基であり;および(3)X202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである、を有する。いくつかの実施形態では、2S,3R選択的ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号4、2、および86の野生型L.kefir、L.brevis、またはL.minorのKRED配列に関して、少なくとも以下の特徴:(1)94に対応する残基は、極性残基であり;(2)199に対応する残基は、拘束性残基であり;および(3)X202に対応する残基は、バリンまたはロイシンである、を有する。
基質を構造式(II)の生成物に変換する方法のいくつかの実施形態では、基質は構造式(II)の生成物に、少なくとも約60〜89%の立体異性体過剰率(%)および配列番号48のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約1〜15倍大きい比率で変換される。この方法で使用することが可能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、46、50、52、54、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
基質を構造式(II)の生成物に変換する方法のいくつかの実施形態では、基質は、少なくとも約90〜94%の立体異性体過剰率(%)で、生成物に変換される。この方法で使用することが可能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、40、42、50、52、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
基質を構造式(II)の生成物に変換する方法のいくつかの実施形態では、基質は、少なくとも約95〜99%の立体異性体過剰率(%)で生成物に変換される。この方法で使用することが可能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、42、50、52、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記述されるケトレダクターゼ酵素は、構造式(I)の化合物のケト基の、構造式(III):
Figure 0005646328
の対応する立体異性体アルコール生成物(2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート)(これは、「生成物」とも称することができる)への還元反応を触媒することができる。
いくつかの実施形態では、(I)の基質は、式(Ia)で示されるように、ラセミ混合物であり、そして、2R,3R選択的ケトレダクターゼは、下記のスキーム3:
Figure 0005646328
で示される反応において、ラセミの基質を還元または変換するのに用いて式(III)の生成物を製造することができる。
基質を構造式(III)の生成物に変換する方法のいくつかの実施形態では、基質は、少なくとも約85%の立体異性体過剰率(%)で、生成物に変換される。この方法で使用することが可能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号68、72、74、76、78、および82に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
基質を構造式(III)の生成物に変換する方法のいくつかの実施形態では、基質は、配列番号66のアミノ酸配列を有するポリペプチドにより可能な比率よりも少なくとも約1倍大きい比率で生成物に変換される。この方法で使用することが可能な典型的なポリペプチドは、限定されるものではないが、配列番号64、68、70、72、74、76、78、80、および82に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記述されるケトレダクターゼは、カルバペネムを合成する方法で使用することができ、該方法は、下記(スキーム3):
Figure 0005646328
で示される一般的なプロセスを含み、ここで、KREDは、本明細書に開示されたケトレダクターゼポリペプチドのいずれか1つであり得る。一般式(V)のカルバペネムは、以下にさらに詳細に記載される。いろいろなカルバペネム系治療剤の合成のために、重要な中間体は、構造式(IVa):
Figure 0005646328
(式中、Rは、Hまたは水酸基の保護基であり、そしてR10は、ハロゲン(例えば、Cl)、または−OAc(Acは、アセテートである))の化合物である。いろいろな水酸基の保護基は、当該分野で公知であり、例示として、限定されるものではないが、シリルエーテル(例えば、t−ブチルジメチルシリル)および置換ベンジルエーテル(Green and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley−Interscience,New York,1999を参照のこと)が挙げられる。したがって、構造式(IVa)の中間体を合成するための方法では、この方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を、本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。R10が−OAcである式(IVa)の中間体の合成は、Tetrahedron Lett.23:2293(1982);Tetrahedron Lett.39:2399(1983);Tetrahedron Lett.39:2505(1983);EP0290385;およびEP0369691に記載されており;すべてのこれらの参考文献は、引用により本明細書に取り込まれる。いくつかの実施形態では、R10が−OAcである式(IVa)の中間体は、スキーム4:
Figure 0005646328
で示されるように合成することができる。
スキーム4において、この方法は、(a)基質を式(II)の生成物に還元するのに適した反応条件下で、基質を本開示の2S,3R選択的ケトレダクターゼと接触または反応させることにより、式(I)の基質を式(II)の生成物に還元すること;(b)−C(O)C基を除去して化合物(VI)を形成すること;(c)式(VI)の化合物を、トリフェニルホスフィンとN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドと反応させることにより式(VII)のβ−ラクタムに変換すること(例えば、Tetrahedron Lett.1995,36(21):3703を参照のこと);(d)tert−ブチルジメチルクロロシラン(TBDMS−Cl)と反応させて式(VIII)の化合物を形成すること;および(e)式(VIII)の化合物を過酢酸とルテニウムの存在下でアセトキシル化して式(IV)の中間体を形成すること(例えば、Murahashiら、1990、J.Am.Chem.Soc.112(21):7820−7822を参照のこと)を含む。
いくつかの実施形態では、カルバペネム系治療剤の合成における別の中間体は、構造式(IX):
Figure 0005646328
(式中、Rは、HまたはC1−C4アルキル(例えば、−CH)であり;Rは、Hまたは水酸基の保護基であり;Rは、H、カルボキシ保護基、アンモニア基、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり;およびXは、OHまたは脱離基である)の中間体である。典型的な脱離基としては、限定されるものではないが、−OP(O)(OR’)またはOS(O2)R”(ここで、R’およびR”は、C1−C6アルキル、C1−C6アルカリル、アリール、パーフルオロC1−C6アルキルである)が挙げられる。Rのための保護基は、限定されるものではないが、ベンジル、p−ニトロベンジル、およびメトキシメチルである。構造式(IX)の中間体の説明とその合成は、いろいろな参考文献(例えば、米国特許第5,317,016号、米国特許第4,933,333号;およびWO0236594に示される;これらの開示は、引用により本明細書に取り込まれる。したがって、いくつかの実施形態では、式(IX)の中間体の合成のための方法において、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(V):
Figure 0005646328
(式中、Rは、Hまたは−CHであり;Rは、いろいろな置換基(限定されるものではないが、置換または非置換アルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、および置換または非置換ヘテロアリールアルキルを含む)であり;およびRは、Hまたはプロ基(例えば、加水分解性エステル基)である)のカルバペネム系治療化合物またはそれらの溶媒和物、水和物、塩、およびプロドラッグの合成のためのプロセスに使うことができる。本明細書で使用されるように、プロ基は、活性薬剤中の官能基をマスクしてプロモエティ(promoiety)を形成するのに使用されるとき、薬剤をプロドラッグに変換する保護基の種類を指す。プロ基は、使用される特定の条件下で切断される結合を介して薬剤の官能基に一般的に結合している。このように、プロ基は、使用される特定の条件下で官能基を放出するために切断するプロモエティの部分である。カルボキシル基は、エステル(シリルエステルおよびチオエステルを含む)、アミドまたはヒドラジドプロモエティとしてマスクされることができ、そして、それはインビボで加水分解されてカルボキシル基を提供する。適切なプロ基とそれらのそれぞれのプロモエティの他の特定の例は、当業者には明らかであろう。したがって、構造式(V)の化合物の合成のための方法では、この方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含むことができる。いろいろなカルバペネム系治療化合物の合成は、特に、米国特許第4,925,836号;同5,317,016号;WO02/036594;WO2004/067532;およびWO2007/104221に記述されており;これらの開示は、引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、以下の構造(X):
Figure 0005646328
のイミペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成のために使用することができる。イミペネムは、好気性および嫌気性のグラム陽性菌とグラム陰性菌に対して広域活性スペクトルを有する。それは、緑膿菌と腸球菌種に対して特に有効である。したがって、構造式(X)のイミペネムの合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。構造式(VI)の中間体からイミペネムを製造するプロセスは、WO0236594で記述されており、これは引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XI):
Figure 0005646328
のドリペネム、またはその溶媒和物、水和物、または塩の合成に使用することができる。ドリペネムは、イミペネムまたはエルタペネムと同様に、グラム陽性球菌に対するスペクトルと力価、およびメロペネムと同様のグラム陰性菌に対する活性を有する。したがって、構造式(XI)のドリペネムの合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。式(VI)の中間体からドリペネムを製造するプロセスは、米国特許第5,317,016号に記述されており、これは引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XII):
Figure 0005646328
のメロペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成に使用することができる。メロペネムは、腹腔内感染症(例えば、虫垂炎および腹膜炎)の治療;細菌性髄膜炎の治療;および感受性の微生物に起因する皮膚及び皮膚構造の感染症の治療に対して適応される。したがって、構造式(XII)のメロペネムの合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。メロペネムを製造するプロセスは、WO2007/104221に記述されており、これは引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XIII):
Figure 0005646328
のエルタペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成に使用することができる。エルタペネムは、グラム陰性菌に対して有効であるが、MRSA、アンピシリン耐性腸球菌、緑膿菌またはAcinetobacter種に対しては活性ではない。エルタペネムはまた、嫌気性菌に対して臨床的に有用な活性を有する。エルタペネムは、主に、基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生−および高レベルAmpC産生−グラム陰性菌に対して使用される。したがって、構造式(XIII)のエルタペネムの合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。エルタペネムを製造するプロセスは、米国特許第5,478,820号および米国特許第7,342,005号に記述されており、これは引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XIV):
Figure 0005646328
のビアペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、または塩の合成に使用することができる。ビアペネムは、広域グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対しての抗菌活性を有し、ヒト腎臓デヒドロペプチダーゼ−I(DHP−I)に対して安定である。それはまた、嫌気性菌に対してインビトロで活性を示す。したがって、式(XIV)のビアペネムの合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。中間体(IVa)からビアペネムを製造するプロセスは、米国特許第4,925,836号に記述されており、これは引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XII):
Figure 0005646328
のパニペネム、またはその溶媒和物、水和物、および塩の合成に使用することができる。したがって、式(XV)のパニペネムの合成のための方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。式(II)の中間体からパニペネムを製造するプロセスは、Miyaderaらの1983,J Antibiotic(Tokyo)36(8):1034−1039およびHiraiらの1999,J.Synth Org.Chem.57(5):382−386に記述されており、これらは引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XVI):
Figure 0005646328
のスロペネム化合物(式中、Rは、Hまたはプロ基であり;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、または−SR(ここで、Rは、Rに対して記述された置換基である)である)の合成方法で使用することができる。生物学的に活性なスロペネムの治療化合物においてのRに対する他の置換基は、当該分野で公知であり、それらのいくつかは、さらに以下に詳細に記述される。スロペネムについての記載は、特に、米国特許第3,951,954号;米国特許第4,234,579号、米国特許第4,287,181号;米国特許第4,452,796号;米国特許第4,343,693号;米国特許第4,348,264号;米国特許第4,416,891号;米国特許第4,457,924号;および米国特許第5,013,729号;米国特許第5,506,225号;Volkmannら、1992,J.Org.Chem.57:4352−4361;およびVolkmann and O’Neill,1991,Strategies and Tactics in Organic Synthesis,Vol 13,pg 485−534に見ることができ;それらの開示は、引用により本明細書に取り込まれる。したがって、構造式(XVI)のスロペネムの合成のための方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XVII):
Figure 0005646328
(式中、Rは、Hまたはプロ基である)のスロペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成方法で使用することができる。したがって、構造式(XVII)の化合物の合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。式(XVII)のスロペネムの合成のためのプロセスは、米国特許第5,013,729号に記述されている。Rに対するいろいろなプロ基は、米国特許出願公開番号2008/0009474,米国特許出願公開番号2008/0125408、およびWujcikら、2008,Rapid Commun.Mass Spectrom.22:3195−3206に記載されており、それらの開示は、引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XVIII):
Figure 0005646328
(式中、Rは、Hまたはプロ基である)のスロペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成方法で使用することができる。したがって、式(XVIII)のパニペネムの合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。式(XVIII)のスロペネムの合成のためのプロセスは、米国特許第5,506,225号、およびWO2007/039885に記載されている。
本明細書に開示されたケトレダクターゼを使用して合成することができる別のスロペネム化合物は、式(XIX):
Figure 0005646328
のスロペネムである。したがって、式(XIX)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成方法において、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。構造式(XIX)のリチペネムは、米国特許第4,482,565号に記述されている。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XX):
Figure 0005646328
のスロペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成方法で使用することができる。したがって、式(XX)の化合物の合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。構造式(XX)の化合物は、EP1336612に記載されており;引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XXI):
Figure 0005646328
の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成方法で使用することができる。したがって、式(XXI)の化合物の合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。構造式(XXI)の化合物は、JP2002114788に記載されており;引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XXII):
Figure 0005646328
のスロペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成方法で使用することができる。したがって、式(XXII)の化合物の合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。構造式(XXII)の化合物は、米国特許第6,924,279号および米国特許第7,034,150号に記載されており、その開示は引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、構造式(XXIII):
Figure 0005646328
のスロペネム、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、および塩の合成方法で使用することができる。したがって、式(XXIII)の化合物の合成方法では、該方法における工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む。構造式(XXIII)の化合物は、WO2008/047909および米国特許第5,659,043号に記載されており、その開示は引用により本明細書に取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のケトレダクターゼは、組成物として、例えば、ケトレダクターゼにより作用を受ける基質および/またはケトレダクターゼ反応により生産される生成物とともに反応組成物として存在することができる。したがって、いくつかの実施形態では、組成物は、本開示の2S,3R選択的ケトレダクターゼと構造式(I)の基質を含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、本開示の2S,3R選択的ケトレダクターゼと構造式(II)の生成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、本開示の2S,3Rケトレダクターゼ、式(I)の基質、および式(II)の生成物を含むことができる。
いくつかの実施形態では、組成物は、本開示の2R,3R選択的ケトレダクターゼと構造式(I)の基質を含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、本開示の2R,3R選択的ケトレダクターゼと構造式(III)の生成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、本開示の2R,3Rケトレダクターゼ、式(I)の基質、および式(III)の生成物を含むことができる。
ケトレダクターゼ反応は、補因子(NADHまたはNADPH)再生系の存在下に実施することができるので、反応条件は補因子再生系の要素をさらに含むことができ、それらは下記に詳細に記述される。したがって、いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼの前述の組成物は、グルコースデヒドロゲナーゼとグルコース;ホルメートデヒドロゲナーゼとホルメート;またはイソプロパノールと第2級アルコールデヒドロゲナーゼから成る補因子再生系をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第2級アルコールデヒドロゲナーゼは、組み換えケトレダクターゼである。補因子再生のために使うことができる他の酵素と基質は、当業者にはよく知られている。
当業者に知られているように、ケトレダクターゼ−触媒還元反応は、一般に補因子を必要とする。本明細書に記述された組み換えケトレダクターゼ酵素により触媒される還元反応もまた、一般に補因子を必要とするが、しかし、組み換えケトレダクターゼの多くの実施形態は、野生型ケトレダクターゼ酵素で触媒される反応より、はるかに少ない補因子を必要とする。本明細書で使用されるように、「補因子」という用語は、ケトレダクターゼ酵素と組み合わされて作用する非タンパク質化合物を指す。本明細書に記載される組み換えケトレダクターゼ酵素の使用に適した補因子は、NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、NADPH(NADPの還元型)、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)およびNADH(NADの還元型)を含むが、これに限定されるものではない。通常、補因子の還元型は、反応混合物に加えられる。還元型NAD(P)Hは、補因子再生系を用いて、場合により酸化型NAD(P)から再生することができる。
「補因子再生系」という用語は、補因子(例えば、NADPHへのNADP)の酸化型を還元する反応に関与する一連の反応物質を指す。ケト基質のケトレダクターゼ−触媒還元により酸化された補因子は、補因子再生系によって還元型で再生される。補因子再生系は、還元性水素等価物の供給源であり、補因子の酸化型を還元し得る化学量論的還元剤を含む。補因子再生系は、還元剤によって補因子の酸化型の還元を触媒する触媒(例えば、酵素触媒)をさらに含んでもよい。NADまたはNADPからそれぞれNADHまたはNADPHを再生する補因子再生系は、当該分野で公知であり、本明細書に記述された方法において使用することができる。
使用され得る典型的な補因子再生系は、グルコースとグルコースデヒドロゲナーゼ、ホルメートとホルメートデヒドロゲナーゼ、グルコース−6−ホスフェートとグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、第2級アルコール(例えば、イソプロピルアルコール)と第2級アルコールデヒドロゲナーゼ、亜リン酸と亜リン酸デヒドロゲナーゼ、分子状水素とヒドロゲナーゼなどを含むが、これらに限定されない。これらの系は、補因子としてNADP/NADPHまたはNAD/NADHのいずれかと組み合わせて使用され得る。ヒドロゲナーゼを使用した電気化学的再生もまた、補因子再生系として使用され得る。例えば、米国特許第5,538,867号および同第6,495,023号を参照のこと(これらの両方は、引用により本明細書に取り込まれる)。金属触媒および還元剤(例えば、分子状水素またはホルメート)を含む化学的な補因子再生系もまた適切である。例えば、PCT公開番号WO2000/053731を参照のこと(これは、引用により本明細書に取り込まれる)。
本明細書中では、用語「グルコースデヒドロゲナーゼ」および「GDH」は、D−グルコースとNADまたはNADPのグルコン酸とNADHまたはNADPHへの変換をそれぞれ触媒するNAD依存性酵素またはNADP依存性酵素を言及するために互換的に使用される。下記の式(1)は、グルコースによるNADまたはNADPのグルコースデヒドロゲナーゼ触媒還元を記載する。
Figure 0005646328
本明細書に記載の方法の実施において使用するのに適切なグルコースデヒドロゲナーゼは、天然に存在するグルコースデヒドロゲナーゼと同様に天然に存在しないグルコースデヒドロゲナーゼの両方を含む。遺伝子をコードする天然に存在するグルコースデヒドロゲナーゼは、文献に報告されている。例えば、Bacillus subtilis 61297GDH遺伝子は、E.coli中で発現され、その天然の宿主中で生成される酵素と同一の物理化学的特性を示すことが報告された(Vasanthaら、1983、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:785)。Genbank登録番号M12276に相当するB.subtilisのGDH遺伝子の遺伝子配列は、Lampelらによって報告(1986、J.Bacteriol.166:238−243)され、YamaneらによってGenbank登録番号D50453として訂正型が報告された(1996,Microbiology 142:3047−3056)。天然に存在するGDH遺伝子はまた、B.cereus ATCC 14579由来のGDHをコードする遺伝子(Nature 2003,423:87−91;Genbank登録番号AE017013)およびB.megaterium由来のGDHをコードする遺伝子(Eur.J.Biochem.1988,174:485−490、Genbank登録番号X12370;J.Ferment.Bioeng.,1990,70:363−369、Genbank登録番号GI216270)を含む。Bacillussp.由来のグルコースデヒドロゲナーゼは、配列番号10および12として、PCT公開番号WO2005/018579に提供される(それぞれ、該PCT公開公報の配列番号9および11に対応するポリヌクレオチド配列によってコードされる)が、その開示は、引用により本明細書に取り込まれる。
天然に存在しないグルコースデヒドロゲナーゼは、例えば、変異誘発、定方向進化などの公知の方法を使用して生成され得る。天然に存在するか、または天然に存在しないかにかかわらず、適切な活性を有するGDH酵素は、PCT公開番号WO2005/018579の実施例4に記載されたアッセイを使用して容易に同定することができ、そのPCT出願の開示は、引用により本明細書に取り込まれる。例示的な天然に存在しないグルコースデヒドロゲナーゼは、配列番号62、64、66、68、122、124、および126として、PCT公開番号WO2005/018579に提供される。これらをコードするポリヌクレオチド配列は、PCT公開番号WO2005/018579で、それぞれ、配列番号61、63、65、67、121、123、および125として提供される。これらの配列の全ては、引用により本明細書に取り込まれる。本明細書で開示されるケトレダクターゼ−触媒還元反応で使用されるのに適した、さらなる、天然に存在しないグルコースデヒドロゲナーゼは、米国特許出願公開番号2005/0095619および同2005/0153417に提供され、それらの開示は、引用により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載されたケトレダクターゼ−触媒還元反応で使用されるグルコースデヒドロゲナーゼは、PCT公開番号WO2005/018579の実施例4に記載されるアッセイにおいて、少なくとも約10μmol/分/mg、時には少なくとも約10μmol/分/mgまたは約10μmol/分/mg、最大約10μmol/分/mg、あるいはそれを超える活性を示し得る。
本明細書に記載されるケトレダクターゼ−触媒還元反応は、一般に、溶媒中で実施される。適切な溶媒としては、水、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−オクタノール、ヘプタン、オクタン、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、トルエンなど)、イオン性液体(例えば、1−エチル4−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートなど)が挙げられる。いくつかの実施形態では、水性溶媒(水および水性共溶媒系を含む)が使用される。
代表的な水性共溶媒系は、水および1種以上の有機溶媒を有する。一般に、水性共溶媒系の有機溶媒成分は、その有機溶媒成分が、ケトレダクターゼ酵素を不活化しないように選択される。適切な共溶媒系は、本明細書に記載される酵素活性アッセイを利用して、候補溶媒系において、目的の定義済み基質で特定された組み換えケトレダクターゼ酵素の酵素活性を測定することによって容易に同定することができる。
水性共溶媒系の有機溶媒成分は、水性成分と混和性であり、単一の液体相を提供するか、または水性成分と部分的に混和性または非混和性であり、2つの液体相を提供する。一般的には、水性共溶媒系が使用される場合、2相であるように選択され、水が有機溶媒中に分散されるか、またはその逆である。一般的に、水性共溶媒系が利用される場合、水相から容易に分離され得る有機溶媒を選択することが望ましい。一般的に、共溶媒系中の水:有機溶媒の比は、典型的には、約90:10〜約10:90(v/v)の範囲の有機溶媒:水、および80:20と20:80(v/v)との間の有機溶媒:水である。共溶媒系は、反応混合物に添加する前に予め形成され得るか、または反応容器中、インシチュで形成され得る。
水性溶媒(水または水性共溶媒)は、pH緩衝化されていてもpH緩衝化されていなくてもよい。一般的に、還元は、約pH10以下、通常、約5から約10の範囲内のpHで実施され得る。いくつかの実施形態では、還元は、約9以下のpH、通常は、約5〜約9の範囲内で実施される。いくつかの実施形態では、還元は、約8以下のpHで、しばしば約5〜約8の範囲内で、通常は約6〜約8の範囲内で実施される。また、還元は、約7.8以下のpHまたは7.5以下のpHで実施される。あるいはまた、還元は、中性のpH、すなわち、約7で実施され得る。
還元反応の過程で、反応混合物のpHは変わるかもしれない。反応混合物のpHは、還元反応の過程で酸または塩基を添加することにより望ましいpHまたは望ましいpH範囲内に維持され得る。あるいはまた、pHは、緩衝剤を含む水性溶媒を用いて制御し得る。望ましいpH範囲を維持する適切な緩衝剤は、当該分野で公知であり、例えば、リン酸緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤などを含む。緩衝化および酸または塩基の添加の組み合わせも、また、使用し得る。
グルコース/グルコースデヒドロゲナーゼ補因子再生系が使用される場合、式(3)に示されるようなグルコン酸(pKa=3.6)の共生成は、生じる水性グルコン酸が、他に中和されない場合に、反応混合物のpHを低下させる。反応混合物のpHは、標準的な緩衝化技術(ここで、緩衝液は、提供される緩衝能までグルコン酸を中和する)により、または変換の経過と共に塩基を添加することによって所望のレベルに維持され得る。緩衝化と塩基添加の組み合わせも、使用されてよい。望ましいpH範囲を維持するための適切な緩衝剤は、上記される。グルコン酸の中和のための適切な塩基は、有機塩基(例えば、アミン、アルコキシドなど)、無機塩基(例えば、水酸化物塩(例えば、NaOH)、炭酸塩(例えば、NaHCO)、重炭酸塩(例えば、KCO)、塩基性リン酸塩(例えば、KHPO、NaPOなど)などである。変換経過と同時の塩基の添加は、手動で行われ、その間、反応混合物のpHがモニタリングされ、あるいは、より便利には、pHスタットとして自動滴定器が用いられる。部分的緩衝能と塩基の添加の組み合わせは、また、プロセス制御のために使用することができる。
塩基の添加が、ケトレダクターゼ−触媒還元反応中に放出されるグルコン酸を中和するために使用される場合、変換の進行は、pHを維持するために添加される塩基の量によってモニターされ得る。一連の還元過程にわたって緩衝化されていないかまたは部分的に緩衝化された反応混合物に添加される塩基は、典型的には水溶液に添加される。
いくつかの実施形態では、補因子再生系は、ホルメートデヒドロゲナーゼを含むことができる。用語「ホルメートデヒドロゲナーゼ」および「FDH」は、それぞれ、ホルメートおよびNADまたはNADPの二酸化炭素およびNADHまたはNADPHへの変換を触媒するNAD依存性酵素またはNADP依存性酵素を指すために、本明細書では互換的に使用される。本明細書で記述されるケトレダクターゼ−触媒還元反応での補因子再生系として使用するために適切なホルメートデヒドロゲナーゼは、天然に存在するホルメートデヒドロゲナーゼ、および天然に存在しないホルメートデヒドロゲナーゼの両方を含む。ホルメートデヒドロゲナーゼとしては、PCT公開番号WO2005/018579の配列番号70(Pseudomonas sp.)および72(Candida boidinii)に対応するものが挙げられ、それらは、PCT公開番号WO2005/018579の配列番号69および71にそれぞれ対応するポリヌクレオチド配列によってコードされ、それらの開示は、引用により本明細書に取り込まれる。天然であるか、非天然であるかに関係なく、本明細書で記述される方法で使用されるホルメートデヒドロゲナーゼは、少なくとも約1μmol/分/mg、時折少なくとも約10μmol/分/mg、または少なくとも約10μmol/分/mg、最大約10μmol/分/mg、あるいはそれ以上の活性を示すことができ、そしてPCT公開番号WO2005/018579の実施例4に記載されるアッセイで活性について容易にスクリーニングできる。
本明細書中で使用されるように、用語「ホルメート」とは、ホルメートアニオン(HCO )、ギ酸(HCOH)、およびそれらの混合物を指す。ホルメートは、塩の形態(代表的には、アルカリ塩またはアンモニウム塩(例えば、HCONa、KHCONHなど))、ギ酸の形態(代表的には、水性ギ酸)、またはそれらの混合物の形態で提供され得る。ギ酸は、中程度の酸である。そのpKa(水中でpKa=3.7)に関していくつかのpH群の範囲内の水溶液中で、ホルメートは、平衡濃度においてHCO およびHCOHの両方として存在する。約4より上のpHにて、ホルメートは、HCO として優先的に存在する。ホルメートがギ酸として提供される場合、反応混合物は、典型的には所望のpH(典型的には、約5以上のpH)を提供するために塩基を添加することによって緩衝化されるかまたは酸性が弱められる。ギ酸の中和のために適切な塩基は、有機塩基(例えば、アミン、アルコキシドなど)、無機塩基(例えば、水酸化物塩(例えば、NaOH)、炭酸塩(例えば、NaHCO)、重炭酸塩(例えば、KCO)、塩基性リン酸塩(例えば、KHPO、NaPOなど)であるが、これらに限定されるものではない。
ホルメートがHCO として優先的に存在する約pH5より上のpH値について、下記の式(2):
Figure 0005646328
は、ホルメートによるNADまたはNADPのホルメートデヒドロゲナーゼ−触媒還元反応を説明する。
ホルメートおよびホルメートデヒドロゲナーゼが、補因子再生系として使用される場合、反応混合物のpHは、標準的な緩衝化技術(ここで、緩衝液は、提供される緩衝能までプロトンを放出する)により、または変換の経過と共に塩基を添加することによって所望のレベルに維持され得る。pHを維持するために反応の過程で添加する適切な酸としては、有機酸(例えば、カルボン酸、スルホン酸、リン酸など)、鉱酸(例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸)、硫酸、リン酸など)、酸性塩(例えば、リン酸2水素塩(例えば、KHPO)、重硫酸塩(例えば、NaHSO)などが挙げられる。いくつかの実施形態は、ギ酸(それによってギ酸塩濃度と溶液のpHが維持される)を利用する。
酸の添加が、ホルメート/ホルメートデヒドゲナーゼ補因子再生系を使用して、還元反応の過程でのpHを維持するために使用される場合、変換の進行は、pHを維持するために添加された酸の量によってモニターされ得る。典型的には、一連の変換にわたって緩衝化されていないかまたは部分的に緩衝化された反応混合物に添加される酸は、典型的には水溶液として添加される。
用語「第2級アルコールデヒドロゲナーゼ」および「sADH」は、第2級アルコールおよびNADまたはNADPをケトンおよびNADHまたはNADPHへそれぞれ変換するのを触媒するNAD依存性酵素またはNADP依存性酵素を指すために本明細書では互換的に使用される。下記の式(3):
Figure 0005646328
は、イソプロパノールで例示される第2級アルコールによるNADまたはNADPの還元を説明する。
本明細書に記述されるケトレダクターゼ−触媒反応での補因子再生系としての使用に適した第2級アルコールデヒドロゲナーゼは、天然に存在する第2級アルコールデヒドロゲナーゼと同様に天然に存在しない第2級アルコールデヒドロゲナーゼの両方を含む。天然に存在する第2級アルコールデヒドロゲナーゼは、Thermoanerobium brockii、Rhodococcus etythropolis、Lactobacillus kefir、およびLactobacillus brevis由来の既知アルコールデヒドロゲナーゼを含み、そして、天然に存在しない第2級アルコールデヒドロゲナーゼは、それに由来する組み換えアルコールデヒドロゲナーゼを含む。天然に存在するかまたは天然に存在しないかを問わず、本明細書で開示される方法で使用される第2級アルコールデヒドロゲナーゼは、少なくとも約1μmol/分/mg、時折少なくとも約10μmol/分/mg、または少なくとも約10μmol/分/mg、最大約10μmol/分/mgあるいはそれ以上の活性を示すことができる。
適切な第2級アルコールは、低級の第2級アルカノールおよびアリールアルキルカルビノールを含む。低級の第2級アルコールの例としては、イソプロパノール、2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノールなどが挙げられる。1つの実施形態では、第2級アルコールは、イソプロパノールである。適切なアリールアルキルカルビノールは、非置換および置換の1−アリールエタノールを含む。
第2級アルコールと第2級アルコールデヒドロゲナーゼが、補因子再生系として使用される場合、得られるNADまたはNADPは、第2級アルコールデヒドロゲナーゼによる第2級アルコールのケトンへの連結酸化により還元される。いくつかの組み換えケトレダクターゼはまた、第2級アルコール還元剤を脱水素する活性を有する。第2級アルコールを還元剤として用いるいくつかの実施形態では、組み換えケトレダクターゼと第2級アルコールデヒドロゲナーゼは、同じ酵素である。
補因子再生系を使用する、本明細書に記述されるケトレダクターゼ−触媒還元反応の実施形態を実施する際に、補因子の酸化型または還元型のいずれかが、最初に提供され得る。上記したように、補因子再生系は、酸化型補因子をその還元型に変換し、それは次にケトレダクターゼ基質の還元において利用される。
いくつかの実施形態では、補因子再生系は、使用されない。補因子再生系を使わずに実施される還元反応については、補因子は、還元型で反応混合物に添加される。
いくつかの実施形態では、プロセスが宿主生物の全細胞を使って実施されるとき、全細胞は、先天的に補因子を提供し得る。代替的に、または組み合わせて、細胞は先天的に、または組み換えられてグルコースデヒドロゲナーゼを提供し得る。
本明細書に記載された立体選択的還元反応を実施する際には、組み換えケトレダクターゼ酵素および場合により補因子再生系を含む任意の酵素は、精製した酵素、酵素をコードする遺伝子(複数可)で形質転換された全細胞、および/または細胞抽出物および/またはそのような細胞の溶解物の形態で、反応混合物に添加することができる。組み換えケトレダクターゼ酵素および場合により補因子再生酵素をコードする遺伝子(複数可)は、別個に宿主細胞に、または同じ宿主細胞に一緒に形質転換することができる。例えば、いくつかの実施形態において、一組の宿主細胞は、組み換えケトレダクターゼ酵素をコードする遺伝子(複数可)で形質転換することができ、そして別の組は、補因子再生酵素をコードする遺伝子(複数可)で形質転換されることができる。形質転換細胞の両方の組は、全細胞、またはそこから由来する細胞溶解物もしくは細胞抽出物の形態で反応混合物中で一緒に使用することができる。他の実施形態では、宿主細胞は、組み換えケトレダクターゼ酵素および補因子再生系の酵素の両方をコードする遺伝子(複数可)で形質転換することができる。
組み換えケトレダクターゼ酵素および/または場合により補因子再生酵素をコードする遺伝子(複数可)で形質転換された全細胞、またはその細胞溶解物および/または細胞抽出物は、様々な異なる形態で用いることが可能であり、その形態は、固体(例えば、凍結乾燥された形態、噴霧乾燥された形態、その他)または半固体(例えば、粗製のペースト)を含む。
細胞抽出物または細胞溶解物は、沈殿(硫酸アンモニウム、ポリエチレンイミン、加熱処理またはその他により部分的に精製され、凍結乾燥の前に脱塩処理(例えば、限外濾過、透析、その他)される。細胞調整物のいずれもが、既知の架橋剤(例えば、グルタルアルデヒドなど)を用いる架橋化または固相(例えば、Eupergit Cなど)への固定化により安定化され得る。
固体反応物(例えば、酵素、塩など)は、種々の異なる形態(粉末(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥など)、溶液、エマルジョン、懸濁液などを含む)で反応に供することができる。この反応物は、当業者に公知の方法および装置を用いて、容易に凍結乾燥または噴霧乾燥することができる。例えば、そのタンパク質溶液は、少量の一定分量で−80℃に凍結することができ、次いで、予め冷却した凍結乾燥室に入れ、続いて、真空にする。サンプルから水分を除去した後、温度は、典型的には、真空を解徐して凍結乾燥サンプルを回収する前に、2時間にわたって4℃まで昇温させる。
還元反応で使用される反応物質の量は、一般的に、望まれる生成物の量、および同時に、使用されるケトレダクターゼ基質の量によって変化する。以下の指針は、使用されるケトレダクターゼ、補因子、および随意の補因子再生系の量を決定するために使用することができる。一般的に、ケト基質は、約50mg〜約5gのケトレダクターゼおよび約10mg〜約150mgの補因子を使用して、約20〜300グラム/リットルの濃度で使用することができる。当業者は、これらを所望のレベルの生産性および生成スケールに調整するために、これらの量を変化させる方法を理解している。随意の補因子再生系の適切な量は、使用される補因子および/またはケトレダクターゼの量に基づくルーチンの実験によって容易に決定され得る。一般的に、還元剤(例えば、グルコース、ホルメート、イソプロパノール)は、ケトレダクターゼ基質の実質的に完全な変換または完全に近い変換を達成するために、ケトレダクターゼ基質の等モルレベルより上のレベルで使用される。
反応物質の添加の順序は、重要ではない。反応物質は、溶媒(例えば、単相溶媒、2相水性共溶媒系など)中に同時に一緒に添加され得るか、あるいは、反応物質のうちいくつかは別個に添加でき、そしていくつかは異なる時間に一緒に添加され得る。例えば、補因子再生系、補因子、ケトレダクターゼ、およびケトレダクターゼ基質は、最初に溶媒に添加してもよい。
水性共溶媒系が使用される場合の改良された混合効率のために、補因子再生系、ケトレダクターゼ、および補因子は、最初に水相に添加されて混合され得る。次いで、有機相が、添加されて混合され、その後、ケトレダクターゼ基質が添加され得る。あるいはまた、ケトレダクターゼ基質は、水相に添加される前に、有機相中で予備混合されてもよい。
本明細書に記述されたケトレダクターゼ−触媒還元反応を行うための適切な条件は、ルーチン実験で容易に最適化できる広範囲の条件を含み、限定されるものではないが、組み換えケトレダクターゼ酵素と基質を実験的pHおよび温度で接触させ、生成物を、例えば、本明細書で提供される実施例に記述された方法を用いて検出することを含む。
ケトレダクターゼ触媒還元反応は、典型的には、約15℃〜約75℃の範囲の温度で実施される。いくつかの実施形態については、反応は、約20℃〜約55℃の範囲の温度で実施される。さらに別の実施形態では、反応は、約20℃〜約45℃の範囲の温度で実施される。反応はまた、周囲条件下で実施されてもよい。
還元反応は、一般に、本質的に完全な、またはほぼ完全な基質の還元が得られるまで進行させる。生成物への基質の還元は、基質および/または生成物を検出する既知の方法を使用してモニターできる。適切な方法には、ガスクロマトグラフィ、HPLCなどが挙げられる。反応混合物中に生じたアルコール還元生成物の変換収率は、一般に約50%より大きく、また、約60%より大きく、また、約70%より大きい場合があり、また、約80%より大きい場合があり、また、90%より大きい場合があり、そして、しばしば約97%より大きい場合がある。
本開示の様々な特徴と実施形態は、以下の代表的な実施例で示されるが、これらは例示的なものであり、限定するものではない。
実施例1:ケトレダクターゼ粉末の生産;フラスコ振とう法手順
目的のケトレダクターゼ遺伝子を有するプラスミドを含むE.coliの単一微生物コロニーを、30μg/mlのクロラムフェニコールと1%のグルコースを含む50mlのトリプシンブロス(12g/Lのバクトトリプトン、24g/Lの酵母エキス、4ml/Lのグリセリン、65mMのリン酸カリウム、pH7.0)に、250mlのエルレンマイヤーフラスコ中で、接種した。細胞を、孵卵器中、30℃、250rpmで振とうしながら一晩(少なくとも16時間)増殖させた。培養物を250mlのテリフィックブロス(1リットルフラスコ中に1mMのMgSO、30μg/mlのクロラムフェニコールを含む)に600nmでの光学密度(OD600)が0.2となるまで希釈し、30℃で増殖させた。ケトレダクターゼ遺伝子の発現を、培養物のOD600が0.6〜0.8であるときに、1mM IPTGで誘導し、一晩(少なくとも16時間)インキュベーションした。細胞を遠心分離(5000rpm、、15分、4℃)により採取し、上清液は廃棄した。細胞ペレットをpH7.0の冷たい(4℃)100mMトリエタノールアミン(塩化物)緩衝剤(ADH−LKおよびADH−LBの場合、1mM MgSOおよびそれから由来する組み換えケトレダクターゼを含む)の等容積で再懸濁し、上記のように遠心分離して採取された。洗浄された細胞を、冷たいトリエタノールアミン(塩化物)緩衝剤の12mlに再懸濁し、4℃に維持しながら、12000psiでフレンチプレスを2回通過させた。細胞破片を遠心分離(9000rpm、45分、4℃)により除去した。透明な細胞溶解上清液を回収し、−20℃で保存した。凍結された透明な細胞溶解液の凍結乾燥は、粗製のケトレダクターゼ酵素の乾燥粉末を与えた。
実施例2:ケトレダクターゼの生産;発酵手順
通気攪拌されている15L発酵槽中で、0.88g/Lの硫酸アンモニウム、0.98g/Lのクエン酸ナトリウム、12.5g/Lのリン酸水素2カリウム3水和物、6.25g/Lのリン酸2水素カリウム、6.2g/LのTastone−154酵母エキス、0.083g/Lのクエン酸第2鉄アンモニウム、および8.3ml/Lの微量元素溶液(2g/Lの塩化カルシウム2水和物、2.2g/Lの硫酸亜鉛7水和物、0.5g/Lの硫酸マンガン1水和物、1g/Lの硫酸第1銅の7水和物、0.1g/Lのモリブデン酸アンモニウム4水和物、および0.02g/Lの4ホウ酸ナトリウム10水和物を含む)を含む成長培地の6.0Lを30℃の温度とした。発酵槽に、目的のケトレダクターゼ遺伝子を有するプラスミドを含むE.coli W3110の後期指数増殖期の培養物(実施例3に記載されているように振とうフラスコ中で0.5〜2.0の開始OD600まで増殖)を接種した。発酵槽を500〜1500rpmで攪拌し、空気を発酵槽に1.0〜15.0L/分で供給して30%飽和以上の溶存酸素レベルを維持した。培養物のpHは、20%(v/v)の水酸化アンモニウムを添加して7.0に制御した。培養物の成長は、500g/Lのセレロース、12g/Lの塩化アンモニウム、および10.4g/Lの硫酸マグネシウム7水和物を含む供給溶液の添加により維持された。培養物が50のOD600に達した後に、ケトレダクターゼの発現は、1mMの最終的な濃度までイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を添加することにより誘導された。培養物は、さらに14時間増殖させた。次いで、培養物を4℃に冷却し、採取するまで4℃に維持した。細胞は、Sorval RC12BP遠心分離機で遠心分離(5000G,40分間、4℃)して採取した。採取した細胞は、以下の下流での採取プロセスで直接使用されるか、または4℃でそのような使用まで保存された。
細胞ペレットを、湿潤細胞ペーストの各容量に対して2容量の100mMのトリエタノールアミン(塩化物)緩衝液(pH6.8)に4℃で再懸濁した。細胞内ケトレダクターゼは、12000psigの圧力を使用して2段均質化弁アセンブリを装備したホモジナイザを通過させることにより細胞から放出された。細胞ホモジネートは、破砕直後に4℃に冷却された。10%(w/v)ポリエチレンイミン溶液(pH7.2)を、0.5%(w/v)の最終的な濃度となるように細胞溶解液へ添加し、30分間攪拌した。得られた懸濁液を標準の実験室遠心分離機中、30分間、5000Gで遠心分離して澄明化した。透明な上澄み液をデカンテーションし、30Kdの分子量カットオフを有するセルロース限外濾過膜を使用して10倍に濃縮した。最終的な濃縮物を浅い容器中に分配し、−20℃に凍結し、粉末に凍結乾燥した。ケトレダクターゼ粉末は、−80℃で保存された。
実施例3:メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート立体異性体の検出のための分析方法
ルーチン分析のため、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの2つの立体異性体、およびメチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートの4つの立体異性体を、Chiralpak IAカラム(4.6×150mm (Chiral technologies、カタログ番号80324);均一濃度(92%ヘプタン、8%エタノール);40℃;流速1.5mL/分;検体容量:10μL;検出:254nmでのUV吸収)上で順相のキラルHPLCにより分離した。保有時間:2S,3R−立体異性体:6.8分、2R,3S−ジアステレオマー:8.1分、2R,3R−立体異性体:9.3分、2S,3S−ジアステレオマー:10.1分、基質立体異性体:11.6分および13.5分。
実施例4:イソプロピルアルコール(IPA)に活性な変異体を同定するハイスループットNADPH蛍光プレスクリーニング
定方向進化によって得られた、そして、進化したケトレダクターゼ遺伝子を含むプラスミドライブラリーを、E.coli中で形質転換し、1%のグルコースと30μg/mLのクロラムフェニコール(CAM)を含むLuria−Bertani(LB)ブロス上にプレーティングした。30℃で少なくとも16時間、インキュベーションした後に、コロニーを、Q−bot(登録商標)ロボットによるコロニー採取器(Genetix USA,Inc.,Beaverton,OR)で、96穴の浅いウェルのマイクロタイタープレート(180μLのLuria−Bertani(LB)、1%のグルコース、30μg/mLのクロラムフェニコール(CAM)、および2mMのMgSOを含む)に釣り上げた。細胞を一晩200rpmで振とうしながら30℃で増殖させた。次いで、この培養物の20μLを96−ディープ・ウェル・プレート(380μLのテリフィックブロス(TB)、2mMのMgSO、および30μg/mLのCAMを含む)に移した。ディープ・ウェル・プレートを30℃で250rpm、2.5〜3時間(OD600 0.6〜0.8)振とうしながらインキュベーションした後、細胞培養物による組み換え遺伝子発現が、最終濃度1mMのイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)により誘導された。次いで、プレートを30℃で、250rpm、15〜30時間振とうさせながらインキュベーションした。
細胞を遠心分離によりペレット化し、400μLの細胞溶解緩衝液に再懸濁して、室温で少なくとも1時間振とうすることによって溶解させた。細胞溶解緩衝液は、100mMのトリエタノールアミン(硫酸塩)緩衝剤(pH7.0〜7.2)、1mg/mLのリゾチーム、200μg/mLのポリミキシンB硫酸塩、および2mMのMgSOを含んでいた。次に、プレートを、4℃において4000RPMで10分間、遠心分離機で回転させ、澄明な上澄み液(透明な上清液)は、蛍光アッセイで使用される。
96穴の黒いマイクロタイタープレートで、20μlの細胞溶解物(100mMのトリエタノールアミン(硫酸塩)緩衝剤(pH7.0)で10倍に希釈)を、100mMのトリエタノールアミン(硫酸塩)緩衝剤(pH7.0)、1mMのMgSO、1g/LのNADP、および50%イソプロピルアルコールから成るアッセイ混合物の180μlに添加し、反応の進行は、Flexstation(Molecular Devices,USA)での330nmにおける励起後、445nmでのNADPHの蛍光の増加を追跡することにより測定された。
実施例5:補因子再生のためのイソプロピルアルコールを使用するメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートに関するケトレダクターゼ活性のためのハイスループットHPLCアッセイ
細胞溶解物は、実施例4に記載されたように調製された。ケトレダクターゼ活性は、細胞溶解物の測定量をCostarのディープ・ウェル・プレート(カタログ番号3961)に移すことによって測定された。100mMのトリエタノールアミン(硫酸塩)緩衝剤(pH7.0)中の3mg/mlのNa−NADPの50μl、IPA中の3.3mg/mlのメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの150μlに、100μLの透明な細胞溶解液を加えた。プレートは、アルミニウム/ポリプロピレンラミネート熱シールテープ(Velocity 11(Menlo Park,CA)、カタログ番号06643−001)で熱シールし、室温で24時間振とうしながらインキュベーションした。反応終了時に、990μLのMTBEを各ウェルに加え、プレートを再シールし、20分間振とうした。遠心分離(4000rpm、5分、4℃)により、有機層を水相から分離し、実施例3に記載された方法を用いて、200μLの有機層を新しい浅いウェル(分析用96穴プレート)に移した。
実施例6:補因子再生に対する高基質濃度でのイソプロピルアルコールを使用するメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートに関するケトレダクターゼ活性のためのハイスループットHPLCアッセイ
96穴マイクロタイタープレートのウェルに、100mMのトリエタノールアミン(硫酸塩)緩衝剤(pH7.0)中の0.6mg/mlのNa−NADPの10μL、IPA中の100mg/mlのエチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの150μL、10μLの透明な細胞溶解液および100mMのTEAの130μLを添加した。プレートを、熱シールし、室温で24時間振とうしながらインキュベーションした。反応終了時に、990μLのMTBEを各ウェルに加え、プレートを再熱シールし、20分間振とうした。遠心分離(4000rpm、5分、4℃)により、有機層を水相から分離し、実施例3に記載された方法を用いて、200μLの有機層を新しい浅いウェル(分析用96穴プレート)に移した。
この実施例は、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの立体選択的還元のために改良されたKRED変異体を同定するために使用された方法を説明する。
実施例7:メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの還元のためのADH−LK変異体の評価
いくつかのADH−LK変異体は、実施例5に記載されたメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの立体選択的還元について評価された。検体は、実施例3に記載されるように分析された。
表4は、ケトレダクターゼに対応する配列番号、ADH−LKからのアミノ酸変異数、所望の(2S,3R)−立体異性体の変換率(%)およびパーセントを記載する。
Figure 0005646328
配列番号90のADH−LK変異体は、(2S,3R)−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートの生産のための効率的なKREDのさらなる進化のために使用された。同様に、主として(2R,3R)立体異性体を与えたADH−LKと比較して、10個の変異を含む配列番号94のADH−LK変異体は、(2R,3R)−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートの生産のための効率的なKREDのさらなる進化のために使用された。
この実施例は、ADH−LKの変異体が、メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの立体選択的還元に有用であることを示す。配列番号90と94の新しい変異体が生成されたが、そこでは、内部のBglI部位が取り除かれた。対応する新しい配列は、それぞれ配列番号48と配列番号66である。
実施例8:ADH−LK由来のさらなる組み換えケトレダクターゼによるメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの(2S,3R)−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートへの還元
配列番号48を有するADH−LK変異体由来の改良されたケトレダクターゼは、実施例6に記載された方法により、増加した活性および(2S,3R)−立体選択性について評価された。
Figure 0005646328
Figure 0005646328
実施例9:ADH−LK由来組み換えケトレダクターゼによるメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートの(2R,3R)−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートへの還元
配列番号66を有するADH−LK変異体由来の改良されたケトレダクターゼは、実施例6に記載された方法により、増加した活性および(2R,3R)−立体選択性について評価された。
Figure 0005646328
Figure 0005646328
実施例10:(2S,3R)−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートの分取規模生産
オーバーヘッドの撹拌器を備えた250mlの3頸フラスコに、メチル2−ベンズアミドメチル−3−ケトブチラート(25g)、イソプロピルアルコール(37.5ml)および0.1Mのトリエタノールアミン(塩化物)/0.04MのMgSO緩衝剤(pH7.2;30ml)を充填した。反応混合物を攪拌し、油浴を用いて温度を37℃とした。反応は、19g/LのNADP−Na(0.5ml)の添加から開始し、次いで配列番号10の30g/LのKRED(2.5ml)を加えた;両方とも0.1Mのトリエタノールアミン(塩化物)/0.04MのMgSO緩衝剤(pH7.2)中の溶液である。反応進展の後に、反応の過程で5μlの一定分量を取り、それを1mlのアセトニトリルで希釈し、0.25μmのシリンジフィルタで濾過し、実施例3に記載されているように分析した。変換率が96%を超えたとき、飽和塩化ナトリウム水溶液(12.5ml)を反応混合物に加え、次いで、40mlの酢酸エチルを添加した。反応混合物をさらに15分間攪拌し、真空下、セライトパッド(フリットガラスフィルタに5g)を通して濾過した。濾過ケーキを20mlの酢酸エチルで洗浄し、濾液の2相を分離させた。有機層を20mlの水で3回洗浄し、ロータリーエバポレータで恒量の油まで濃縮した。酢酸エチルを除去した後、トルエン(10ml)を加え、真空下で蒸留した。(2S,3R)−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラート(26.47g)を、H−NMR−CDClで決定した〜10%トルエンを含む油として得た。
本出願で引用された全ての刊行物、特許、特許出願および他の文献は、それぞれの個々の刊行物、特許、特許出願または他の文献が、引用によりあらゆる目的のために取り込まれることが個別にあたかも示されると同じ程度に、引用することによりその全体があらゆる目的のためにそれにより取りこまれる。
(項目1)
基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを生成物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに、少なくとも約60%の立体異性体過剰率(%)で変換することができるケトレダクターゼポリペプチド。
(項目2)
以下の特徴:X94に対応する残基がトレオニンである;X199に対応する残基がヒスチジンである;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンである、を有する配列番号2または4または86に基づく参照配列に対して、少なくとも約85%が同一であるアミノ酸配列を含み、但し、X94に対応する残基が、脂肪族または極性残基であり;X199に対応する残基が、脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する、項目1記載のポリペプチド。
(項目3)
X94に対応する残基がトレオニンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目4)
X199に対応する残基が、アラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目5)
X94に対応する残基が、極性残基であり;X199に対応する残基が、脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目6)
X94に対応する残基が、トレオニンであり、X199に対応する残基が、アラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンであり;およびX202に対応する残基が、バリンまたはロイシンである、項目2に記載のポリペプチド。
(項目7)
ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X2に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X4に対応する残基が、塩基性残基またはシステインである;
X11に対応する残基が、非極性、脂肪族、または芳香族残基である;
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;
X80に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X86に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X105に対応する残基が、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;
X129に対応する残基が、非極性、または極性残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X153に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X190に対応する残基が、芳香族、または拘束性残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X206に対応する残基が、非極性、または芳香族残基である;
X226に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X248に対応する残基が、非極性、または塩基性残基である;
X249に対応する残基が、芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有し、ここで該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目2〜6のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目8)
ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X2に対応する残基が、アラニンである;
X4に対応する残基が、システインである;
X11に対応する残基が、フェニルアラニンである;
X40に対応する残基が、アルギニンである;
X80に対応する残基が、トレオニンである;
X86に対応する残基が、イソロイシンである;
X96に対応する残基が、バリンまたはフェニルアラニンである;
X105に対応する残基が、グリシンである;
X129に対応する残基が、トレオニンである;
X147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである;
X153に対応する残基が、アラニンまたはセリンである;
X190に対応する残基が、ヒスチジンまたはプロリンである;
X195に対応する残基が、バリンである;
X196に対応する残基が、ロイシンである;
X206に対応する残基が、フェニルアラニンである;
X226に対応する残基が、バリンである;
X248に対応する残基が、リジン、またはアルギニンである;
X249に対応する残基が、トリプトファンである;
の1つ以上をさらに有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目2〜6のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目9)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;および
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
の1つ以上をさらに有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目10)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性であるか、芳香族であるか、非極性であるか、または脂肪族である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X226に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X248に対応する残基が、非極性、または塩基性残基である;
X249に対応する残基が、芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有する、項目9に記載のポリペプチド。
(項目11)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
X2に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X4に対応する残基が、塩基性残基またはシステインである;
X11に対応する残基が、非極性、脂肪族、または芳香族残基である;
X80に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X86に対応する残基が、非極性、脂肪族、または極性残基である;
X105に対応する残基が、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;
X129に対応する残基が、非極性、または極性残基である;
X153に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X190に対応する残基が、芳香族、または拘束性残基である;
X206に対応する残基が、非極性、または芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有する、項目9または10に記載のポリペプチド。
(項目12)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;および
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目13)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:
X40に対応する残基が、拘束性、または塩基性残基である;
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
を有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目14)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
を有し、ここで、該アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目15)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:X40に対応する残基が、アルギニンである、を有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目16)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:X147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである、を有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目17)
前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下のさらなる特徴:X40に対応する残基が、アルギニンである;およびX147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである、を有する、項目7に記載のポリペプチド。
(項目18)
前記ケトレダクターゼポリペプチドが、以下の特徴:X94に対応する残基がトレオニンである;X199に対応する残基がヒスチジンである;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンである、を有する配列番号2、4または86に基づく参照配列の残基90〜211に対して、少なくとも85%が同一であるアミノ酸配列を有する領域またはドメインを含み;但し、該ケトレダクターゼドメインまたは領域は、X94に対応する残基が、脂肪族または極性残基であり;X199に対応する残基が脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基がロイシンまたはバリンであるアミノ酸配列を有する、項目1記載のポリペプチド。
(項目19)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X94に対応する残基がトレオニンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目20)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X199に対応する残基がアラニン、ヒスチジンまたはアスパラギンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目21)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X94に対応する残基が極性残基であり;X199に対応する残基が脂肪族、拘束性、または極性残基であり;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目22)
前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、X94に対応する残基がトレオニンであり;X199に対応する残基がアラニン、ヒスチジン、またはアスパラギンであり;およびX202に対応する残基がバリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を含む、項目18に記載のポリペプチド。
(項目23)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X105に対応する残基が、非極性、脂肪族、塩基性、または酸性残基である;
X129に対応する残基が、非極性、または極性残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X153に対応する残基が、極性、非極性、または脂肪族残基である;
X190に対応する残基が、芳香族、または拘束性残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X206に対応する残基が、非極性、または芳香族残基である;
の1つ以上をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して残基90〜211に対応するドメインでの他のアミノ酸残基位置において1つ以上の違いを場合により有する、項目18〜21のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目24)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、バリンまたはフェニルアラニンである;
X105に対応する残基が、グリシンである;
X129に対応する残基が、トレオニンである;
X147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである;
X153に対応する残基が、アラニンまたはセリンである;
X190に対応する残基が、ヒスチジンまたはプロリンである;
X195に対応する残基が、バリンである;
X196に対応する残基が、ロイシンである;
X206に対応する残基が、フェニルアラニンである;
の1つ以上をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して残基90〜211に対応するドメインでの他のアミノ酸残基位置において1つ以上の違いを場合により有する、項目18〜21のいずれか1項に記載のポリペプチド。
(項目25)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目18に記載のポリペプチド。
(項目26)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目18に記載のポリペプチド。
(項目27)
残基90〜211に対応する前記ケトレダクターゼドメインまたは領域が、以下の特徴:
X96に対応する残基が、極性、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X147に対応する残基が、芳香族、非極性、または脂肪族残基である;
X195に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
X196に対応する残基が、非極性、または脂肪族残基である;
をさらに有し、ここで、前記アミノ酸配列は、参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを場合により有する、項目18に記載のポリペプチド。
(項目28)
配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、46、50、52、54、56、58、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
(項目29)
少なくとも約90%の立体異性体過剰率(%)で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目30)
配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、40、42、50、52、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含む、項目29に記載のポリペプチド。
(項目31)
少なくとも約95%の立体異性体過剰率(%)で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目32)
配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、42、50、52、56、58、60、または62に対応するアミノ酸配列を含む、項目31に記載のポリペプチド。
(項目33)
少なくとも約99%の立体異性体過剰率(%)で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目34)
配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、30、32、34、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目33に記載のポリペプチド。
(項目35)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも15倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目36)
配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、28、30、32、34、50、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目35に記載のポリペプチド。
(項目37)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも30倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目38)
配列番号6、8、10、12、14、20、22、24、26、30、34、60、および62に対応するアミノ酸配列を含む、項目37に記載のポリペプチド。
(項目39)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも40倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目40)
配列番号6、8、10、12、14、22、および60に対応するアミノ酸配列を含む、項目39に記載のポリペプチド。
(項目41)
配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも50倍大きい比率で、基質を生成物に変換することができる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目42)
配列番号6、8、10、および12に対応するアミノ酸配列を含む、項目42に記載のポリペプチド。
(項目43)
基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを生成物2R,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに、少なくとも約85%の立体異性体過剰率(%)で変換することができるケトレダクターゼポリペプチド。
(項目44)
配列番号68、72、74、76、78、および82に対応するアミノ酸配列を含む、項目43に記載のポリペプチド。
(項目45)
項目1〜44のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(項目46)
配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、45、49、51、53、55、57、59、または61に対応する配列である、項目45に記載のポリヌクレオチド。
(項目47)
項目43または44に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(項目48)
配列番号67、71、73、75、77、または81に対応する配列である、項目47に記載のポリヌクレオチド。
(項目49)
宿主細胞での発現を方向づけるのに適した制御配列に作動可能に連結された項目44または47に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
(項目50)
前記制御配列がプロモーターを含む、項目49に記載の発現ベクター。
(項目51)
前記プロモーターが、E.coliプロモーターを含む、項目50に記載の発現ベクター。
(項目52)
前記制御配列が分泌シグナルを含む、項目50に記載の発現ベクター。
(項目53)
項目49に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
(項目54)
E.coliである、項目53に記載の宿主細胞。
(項目55)
項目1〜42のいずれか1項に記載のケトレダクターゼ、および式(I)の化合物メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートまたは式(II)の化合物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートを含む、組成物。
(項目56)
基質が、式(I)の化合物および式(II)の化合物である、項目55に記載の組成物。
(項目57)
補因子再生系をさらに含む、項目55に記載の組成物。
(項目58)
前記補因子再生系が、グルコースデヒドロゲナーゼとグルコース;ホルメートデヒドロゲナーゼとホルメート;またはイソプロパノールと第2級アルコールデヒドロゲナーゼを含む、項目57に記載の組成物。
(項目59)
式(I)の基質メチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを、式(II)の生成物2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元する方法であって、該方法は、基質を式(II)の生成物に還元するのに適した反応条件下で、該基質を項目1〜44のいずれか1項に記載のケトレダクターゼポリペプチドと接触させるか、またはインキュベーションすることを含む、方法。
(項目60)
前記生成物が約99%より大きい立体異性体過剰率(%)で存在する、項目59に記載の組成物。
(項目61)
ケトレダクターゼ酵素を発現する全細胞、またはそのような細胞の抽出物もしくは溶解物を用いて実施される、項目59に記載の方法。
(項目62)
ケトレダクターゼが、単離および/または精製され、還元反応が、ケトレダクターゼのための補因子および場合により補因子のための再生系の存在下で実施される、項目59に記載の方法。
(項目63)
補因子再生系が、グルコースデヒドロゲナーゼとグルコース;ホルメートデヒドロゲナーゼとホルメート;またはイソプロパノールと第2級アルコールデヒドロゲナーゼを含む、項目59に記載の方法。
(項目64)
前記第2級アルコールデヒドロゲナーゼが、ケトレダクターゼである、項目63に記載の方法。
(項目65)
式(IVa):
Figure 0005646328
(式中、RはHまたは水酸基の保護基であり、R10はハロゲンまたは−OAcであり、ここでAcはアセタートである)の中間体を合成する方法であって、
該方法の工程は、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
(項目66)
構造式(IX)
Figure 0005646328
(式中、Rは、HまたはC1−C4アルキル(例えば、−CH)であり;Rは、Hまたは水酸基の保護基であり;Rは、H、カルボキシ基の保護基、アンモニア基、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり;およびXは、OHまたは脱離基である)の中間体を合成する方法であって、
該方法での工程は、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
(項目67)
構造式(V):
Figure 0005646328
(式中、Rは、Hまたは−CHであり;Rは置換または非置換アルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、および置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択され;およびRは、Hまたはプロ基である)のカルバペネムまたはその溶媒和物、水和物、塩もしくはプロドラッグを合成する方法であって、
該方法での工程は、基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、式(I)の基質を本開示のケトレダクターゼと接触または反応させることを含む、方法。
(項目68)
前記カルバペネムが、構造式(X):
Figure 0005646328
を有する、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記カルバペネムが、構造式(XI):
Figure 0005646328
を有する、項目67に記載の方法。
(項目70)
前記カルバペネムが、構造式(XII):
Figure 0005646328
を有する、項目67に記載の方法。
(項目71)
前記カルバペネムが、構造式(XIII):
Figure 0005646328
を有する、項目67に記載の方法。

Claims (19)

  1. 基質であるメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを生成物である2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに、少なくとも60%の立体異性体過剰率(%)で変換することができるケトレダクターゼポリペプチドであって、該ケトレダクターゼポリペプチドは、配列番号2または4または86に基づく参照配列に対して、少なくとも90%が同一であるアミノ酸配列を含み、ここで該参照配列は、以下の特徴:
    X94に対応する残基がトレオニンである;
    X199に対応する残基がヒスチジンである;および
    X202に対応する残基がバリンまたはロイシンである、
    を有し、但し、該ケトレダクターゼポリペプチドは、X94に対応する該残基が、アラニンまたはトレオニンであり;X199に対応する該残基が、アラニン、ヒスチジンまたはアスパラギンであり;およびX202に対応する該残基が、バリンまたはロイシンであるアミノ酸配列を有する、ポリペプチド。
  2. X94に対応する前記残基がトレオニンである、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記ケトレダクターゼアミノ酸配列が、以下の特徴:
    X2に対応する残基が、アラニンである;
    X4に対応する残基が、システインである;
    X11に対応する残基が、フェニルアラニンである;
    X40に対応する残基が、アルギニンである;
    X80に対応する残基が、トレオニンである;
    X86に対応する残基が、イソロイシンである;
    X96に対応する残基が、バリンまたはフェニルアラニンである;
    X105に対応する残基が、グリシンである;
    X129に対応する残基が、トレオニンである;
    X147に対応する残基が、メチオニンまたはロイシンである;
    X153に対応する残基が、アラニンまたはセリンである;
    X190に対応する残基が、ヒスチジンまたはプロリンである;
    X195に対応する残基が、バリンである;
    X196に対応する残基が、ロイシンである;
    X206に対応する残基が、フェニルアラニンである;
    X226に対応する残基が、バリンである;
    X248に対応する残基が、リジン、またはアルギニンである;
    X249に対応する残基が、トリプトファンである;
    の1つ以上をさらに有する、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  4. 前記アミノ酸配列は、前記参照配列と比較して他のアミノ酸残基位置において1つ以上の残基の違いを有する、請求項3に記載のポリペプチド。
  5. 配列番号6、8、10、12、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、46、50、52、54、56、または58からなるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  6. 請求項1に記載のポリペプチドであって、
    a)少なくとも90%の立体異性体過剰率(%)で、前記基質を前記生成物に変換することができるか;または
    b)少なくとも95%の立体異性体過剰率(%)で、該基質を該生成物に変換することができるか;または
    c)少なくとも99%の立体異性体過剰率(%)で、該基質を該生成物に変換することができるか;または
    d)配列番号48の参照ポリペプチドよりも少なくとも15倍大きい比率で、該基質を該生成物に変換することができるか;または
    e)配列番号48の該参照ポリペプチドよりも少なくとも30倍大きい比率で、該基質を該生成物に変換することができるか;または
    f)配列番号48の該参照ポリペプチドよりも少なくとも40倍大きい比率で、該基質を該生成物に変換することができるか;または
    g)配列番号48の該参照ポリペプチドよりも少なくとも50倍大きい比率で、該基質を該生成物に変換することができる、
    ポリペプチド。
  7. a)のポリペプチドが、配列番号6、8、10、12、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、40、42、50、52、56、または58からなるアミノ酸配列を含むか、
    b)のポリペプチドが、配列番号6、8、10、12、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、42、50、52、56、または58からなるアミノ酸配列を含むか、
    c)のポリペプチドが、配列番号6、8、10、12、20、22、24、30、32、または34からなるアミノ酸配列を含むか、
    d)のポリペプチドが、配列番号6、8、10、12、20、22、24、26、28、30、32、34、または50からなるアミノ酸配列を含むか、
    e)のポリペプチドが、配列番号6、8、10、12、20、22、24、26、28、30、または34からなるアミノ酸配列を含むか、
    f)のポリペプチドが、配列番号6、8、10、12、または22からなるアミノ酸配列を含むか、または
    g)のポリペプチドが、配列番号6、8、10、または12からなるアミノ酸配列を含む、請求項6に記載のポリペプチド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  9. 配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、45、49、51、53、55、57、59、61、67、71、73、75、77、または81からなる配列である、請求項8に記載のポリヌクレオチド。
  10. 宿主細胞において発現を指図するのに適した制御配列に作動可能に連結された請求項8に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  11. 請求項10に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のケトレダクターゼ、および式(I)の化合物であるメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートまたは式(II)の化合物である2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートを含む、組成物。
  13. 前記基質が、式(I)の化合物であり、前記生成物が、式(II)の化合物である、請求項12に記載の組成物。
  14. 式(I)の基質であるメチル−2−ベンズアミドメチル−3−オキソブチラートを、式(II)の生成物である2S,3R−メチル−2−ベンズアミドメチル−3−ヒドロキシブチラートに還元する方法であって、該方法は、該基質を式(II)の生成物に還元するのに適した反応条件下で、該基質を請求項1〜7のいずれか1項に記載のケトレダクターゼポリペプチドと接触させるか、またはインキュベーションすることを含む、方法。
  15. 前記生成物が99%より大きい立体異性体過剰率(%)で存在する、請求項14に記載の方法。
  16. 式(IVa):
    Figure 0005646328
    (式中、RはHまたは水酸基の保護基であり、R10はハロゲンまたは−OAcであり、ここでAcはアセタートである)の中間体を合成する方法であって、
    該方法での工程は、式(I)の基質を請求項1〜7のいずれか1項に記載のケトレダクターゼと、該基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
  17. 構造式(IX)
    Figure 0005646328
    (式中、Rは、HまたはC1−C4アルキル(例えば、−CH)であり;Rは、Hまたは水酸基の保護基であり;Rは、H、カルボキシ基の保護基、アンモニア基、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり;およびXは、OHまたは脱離基である)の中間体を合成する方法であって、
    該方法での工程は、式(I)の基質を請求項1〜7のいずれか1項に記載のケトレダクターゼと、該基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
  18. 構造式(V):
    Figure 0005646328
    (式中、Rは、Hまたは−CHであり;Rは置換または非置換アルキル、置換また
    は非置換アリール、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、および置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択され;およびRは、Hまたは加水分解可能なエステル基である)のカルバペネムまたはその溶媒和物、水和物、および塩を合成する方法であって、
    該方法での工程は、式(I)の基質を請求項1〜6のいずれか1項に記載のケトレダクターゼと、該基質を式(II)の生成物に還元または変換するのに適した反応条件下で、接触または反応させることを含む、方法。
  19. a)前記カルバペネムが、構造式(X):
    Figure 0005646328
    を有するか:または
    b)該カルバペネムが、構造式(XI):
    Figure 0005646328
    を有するか:または
    c)該カルバペネムが、構造式(XII):
    Figure 0005646328
    を有するか:または
    d)該カルバペネムが、構造式(XIII):
    Figure 0005646328
    を有する、請求項18に記載の方法。
JP2010527257A 2007-10-01 2008-10-01 アゼチジノンの生産のためのケトレダクターゼポリペプチド Active JP5646328B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US97655507P 2007-10-01 2007-10-01
US60/976,555 2007-10-01
PCT/US2008/078513 WO2009046153A1 (en) 2007-10-01 2008-10-01 Ketoreductase polypeptides for the production of azetidinone

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010539952A JP2010539952A (ja) 2010-12-24
JP2010539952A5 JP2010539952A5 (ja) 2011-11-10
JP5646328B2 true JP5646328B2 (ja) 2014-12-24

Family

ID=40262027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010527257A Active JP5646328B2 (ja) 2007-10-01 2008-10-01 アゼチジノンの生産のためのケトレダクターゼポリペプチド

Country Status (10)

Country Link
US (14) US7883879B2 (ja)
EP (1) EP2205727B1 (ja)
JP (1) JP5646328B2 (ja)
KR (1) KR20100065387A (ja)
CN (1) CN101883846A (ja)
ES (1) ES2547528T3 (ja)
HU (1) HUE027683T2 (ja)
IL (2) IL204379A (ja)
SI (1) SI2205727T1 (ja)
WO (1) WO2009046153A1 (ja)

Families Citing this family (45)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101472250B1 (ko) 2005-10-12 2014-12-11 모르포시스 아게 인간 cd38에 특이적인 완전 인간 hucal gold-유도 치료 항체들의 생성 및 프로파일링
KR101502634B1 (ko) * 2007-02-08 2015-03-16 코덱시스, 인코포레이티드 케토 환원 효소 및 이의 용도
US7977078B2 (en) 2007-08-24 2011-07-12 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the production of (R)-3-hydroxythiolane
WO2009036404A2 (en) 2007-09-13 2009-03-19 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the reduction of acetophenones
KR20100061571A (ko) * 2007-09-28 2010-06-07 코덱시스, 인코포레이티드 케토리덕타제 폴리펩티드 및 이의 용도
SI2205727T1 (sl) 2007-10-01 2015-09-30 Codexis, Inc. Polipeptidi ketoreduktaze za izdelavo azetidinona
HUE026181T2 (en) 2008-08-27 2016-05-30 Codexis Inc Ketoreductase polypeptide for the preparation of 3-aryl-3-hydroxypropanamine from 3-aryl-3-ketopropanamine
WO2010027710A2 (en) 2008-08-27 2010-03-11 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides and uses thereof
WO2010025287A2 (en) 2008-08-27 2010-03-04 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the production of 3-aryl-3-hydroxypropanamine from a 3-aryl-3-ketopropanamine
CN102186972B (zh) 2008-08-29 2014-08-20 科德克希思公司 用于立体选择性生产(4s)-3-[(5s)-5-(4-氟苯基)-5-羟基戊酰基]-4-苯基-1,3-噁唑烷-2-酮的酮还原酶多肽
SG178456A1 (en) * 2009-08-19 2012-04-27 Codexis Inc Ketoreductase polypeptides for the preparation of phenylephrine
SG181535A1 (en) 2009-12-08 2012-07-30 Codexis Inc Synthesis of prazole compounds
WO2011100265A2 (en) 2010-02-10 2011-08-18 Codexis, Inc. Processes using amino acid dehydrogenases and ketoreductase-based cofactor regenerating system
EP2566497B1 (en) 2010-05-04 2015-07-29 Codexis, Inc. Biocatalysts for ezetimibe synthesis
EP2649187B1 (en) 2010-12-08 2017-11-22 Codexis, Inc. Biocatalysts and methods for the synthesis of armodafinil
WO2012142302A2 (en) 2011-04-13 2012-10-18 Codexis, Inc. Biocatalytic process for preparing eslicarbazepine and analogs thereof
WO2013074650A1 (en) 2011-11-18 2013-05-23 Codexis, Inc. Biocatalysts for the preparation of hydroxy substituted carbamates
WO2013170050A1 (en) 2012-05-11 2013-11-14 Codexis, Inc. Engineered imine reductases and methods for the reductive amination of ketone and amine compounds
CN103045504B (zh) * 2012-12-05 2014-06-04 浙江工业大学 微生物催化制备(2s, 3r)-2-苯甲酰氨甲基-3-羟基丁酸酯及菌株
WO2014150633A1 (en) 2013-03-15 2014-09-25 Merck Sharp & Dohme Corp. Immobilized ketoreductases and process for making and using immobilized ketoreductase
CN103373934A (zh) * 2013-06-14 2013-10-30 苏州汇和药业有限公司 碳青霉烯和青霉烯类药物的手性中间体的催化合成方法
MX2016001587A (es) 2013-08-06 2016-08-05 Imago Biosciences Inc Inhibidores de kdm1a para el tratamiento de enfermedades.
CN104342412B (zh) * 2013-08-09 2018-12-21 南京朗恩生物科技有限公司 用于生产(s)-4-氯-3-羟基丁酸乙酯的酮还原酶突变体
RU2016116253A (ru) 2013-09-27 2017-11-01 Кодексис, Инк. Автоматизированный скрининг вариантов фермента
WO2015073555A1 (en) 2013-11-13 2015-05-21 Codexis, Inc. Engineered imine reductases and methods for the reductive amination of ketone and amine compounds
EP3134519B1 (en) 2014-04-22 2018-06-06 c-LEcta GmbH Ketoreductases
SG11201703258PA (en) 2014-11-25 2017-05-30 Codexis Inc Engineered imine reductases and methods for the reductive amination of ketone and amine compounds
CN104531627B (zh) * 2014-12-23 2017-07-21 浙江大学 羰基还原酶、工程菌及其应用
EP3256577B1 (en) 2015-02-10 2020-08-26 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the synthesis of chiral compounds
WO2016130952A1 (en) 2015-02-12 2016-08-18 Imago Biosciences, Inc. Kdm1a inhibitors for the treatment of disease
CN104846025B (zh) * 2015-03-31 2018-06-01 浙江大学 一种制备(2s,3r)-2-苯甲酰氨甲基-3-羟基丁酸甲酯的方法
WO2017001907A1 (en) 2015-06-29 2017-01-05 Teva Pharmaceuticals International Gmbh Biocatalytic processes for the preparation of vilanterol
CN106811491B (zh) * 2015-12-01 2022-07-19 焦作健康元生物制品有限公司 光学活性的β-羟基酯类化合物的制备方法及其中间体
CN107354179B (zh) * 2016-05-09 2021-02-19 上海医药工业研究院 一种制备含有羟基的手性化合物的方法
WO2018035259A1 (en) 2016-08-16 2018-02-22 Imago Biosciences, Inc. Methods and processes for the preparation of kdm1a inhibitors
WO2018035249A1 (en) * 2016-08-16 2018-02-22 Imago Biosciences, Inc. Compositions and methods for producing stereoisomerically pure aminocyclopropanes
CA3061133A1 (en) 2017-04-27 2018-11-01 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides and polynucleotides
WO2019012095A1 (en) 2017-07-14 2019-01-17 C-Lecta Gmbh TCO-reductase
WO2019217972A1 (en) 2018-05-11 2019-11-14 Imago Biosciences, Inc. Kdm1a inhibitors for the treatment of disease
CN109295019B (zh) * 2018-10-29 2021-01-12 浙江大学 一种醇脱氢酶突变体及其应用
CA3130132A1 (en) 2019-03-15 2020-09-24 Morphosys Ag Anti-cd38 antibodies and pharmaceutical compositions thereof for the treatment of autoantibody-mediated autoimmune disease
CN111363730A (zh) * 2020-03-23 2020-07-03 焦作健康元生物制品有限公司 一种用于生产4-aa的酮还原酶制备方法
CN111378704A (zh) * 2020-03-23 2020-07-07 焦作健康元生物制品有限公司 一种酮还原酶生产4-aa中间体的方法
CN114634957A (zh) * 2020-12-15 2022-06-17 苏州引航生物科技有限公司 一种生物催化合成4aa中间体的方法
CN112941043B (zh) * 2021-05-17 2021-09-10 中国科学院天津工业生物技术研究所 羰基还原酶突变体及在制备手性β’-羟基-β-氨基酸酯中的应用

Family Cites Families (45)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4619924A (en) 1984-05-18 1986-10-28 Pfizer Inc. 2-alkylthiopenem derivatives
EP0290385B1 (de) 1987-05-04 1992-10-21 Ciba-Geigy Ag Neues Verfahren zur Herstellung von 4-Acyloxy-3-hydroxyethyl-azetidinonen
JPH0623150B2 (ja) 1988-11-15 1994-03-30 高砂香料工業株式会社 光学活性3−ヒドロキシブタン酸類の製造方法
DE4014573C1 (ja) 1990-05-07 1991-10-10 Forschungszentrum Juelich Gmbh, 5170 Juelich, De
US5225339A (en) 1992-02-26 1993-07-06 The Scripps Research Institute Lactobacillus kefir alcohol dehydrogenase
JP3155107B2 (ja) 1993-01-12 2001-04-09 ダイセル化学工業株式会社 光学活性4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの製造方法
US6335160B1 (en) 1995-02-17 2002-01-01 Maxygen, Inc. Methods and compositions for polypeptide engineering
US6117679A (en) 1994-02-17 2000-09-12 Maxygen, Inc. Methods for generating polynucleotides having desired characteristics by iterative selection and recombination
US5491077A (en) 1994-07-20 1996-02-13 Merck & Co., Inc. Microbial method
US5427933A (en) 1994-07-20 1995-06-27 Merck & Co., Inc. Reduction of phenylalkyl ketones to the corresponding (S)-hydroxy derivatives using mucor hiemalis IFO 5834
JPH08336393A (ja) 1995-04-13 1996-12-24 Mitsubishi Chem Corp 光学活性なγ−置換−β−ヒドロキシ酪酸エステルの製造法
JP2948504B2 (ja) 1995-05-11 1999-09-13 高砂香料工業株式会社 光学活性アゼチジン−2−オン誘導体の製造方法
DE19610984A1 (de) 1996-03-21 1997-09-25 Boehringer Mannheim Gmbh Alkohol-Dehydrogenase und deren Verwendung zur enzymatischen Herstellung chiraler Hydroxyverbindungen
US5891685A (en) 1996-06-03 1999-04-06 Mitsubishi Chemical Corporation Method for producing ester of (S)-γ-halogenated-β-hydroxybutyric acid
DE19812004A1 (de) 1998-03-19 1999-09-30 Forschungszentrum Juelich Gmbh Dehydrogenasen mit verbesserter NAD-Abhängigkeit, deren Herstellung und Verwendung
DE19857302C2 (de) 1998-12-14 2000-10-26 Forschungszentrum Juelich Gmbh Verfahren zur enantioselektiven Reduktion von 3,5-Dioxocarbonsäuren, deren Salze und Ester
US6376246B1 (en) 1999-02-05 2002-04-23 Maxygen, Inc. Oligonucleotide mediated nucleic acid recombination
CA2360376C (en) 1999-12-03 2005-04-26 Noriyuki Kizaki Novel carbonyl reductase, gene thereof and method of using the same
DE10037101A1 (de) 2000-07-27 2002-02-07 Degussa Rekombinant hergestellte Enzyme mit verbesserter NAD(H)-Akzeptanz
US7202070B2 (en) 2000-10-31 2007-04-10 Biocatalytics, Inc. Method for reductive amination of a ketone using a mutated enzyme
PL364577A1 (en) 2001-03-22 2004-12-13 Bristol-Myers Squibb Company Stereoselective reduction of substituted acetophenone
DE10119274A1 (de) 2001-04-20 2002-10-31 Juelich Enzyme Products Gmbh Enzymatisches Verfahren zur enantioselektiven Reduktion von Ketoverbindungen
US20050084907A1 (en) 2002-03-01 2005-04-21 Maxygen, Inc. Methods, systems, and software for identifying functional biomolecules
JP4213524B2 (ja) 2003-04-17 2009-01-21 ダイセル化学工業株式会社 新規なカルボニル還元酵素、その酵素をコードするdnaを含むポリヌクレオチド、その製造方法、およびこれを利用した光学活性アルコールの製造方法
JP2007502124A (ja) * 2003-08-11 2007-02-08 コデクシス, インコーポレイテッド 改良ケトレダクターゼポリペプチドおよび関連ポリヌクレオチド
AU2004266100A1 (en) 2003-08-11 2005-03-03 Codexis, Inc. Enzymatic processes for the production of 4-substituted 3-hydroxybutyric acid derivatives and vicinal cyano, hydroxy substituted carboxylic acid esters
DE10345772A1 (de) 2003-10-01 2005-04-21 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von 3-Methylamino-1-(thien-2-yl)-propan-1-ol
WO2005054491A1 (ja) 2003-12-02 2005-06-16 Mercian Corporation 光学活性テトラヒドロチオフェン誘導体の製造方法、および、光学活性テトラヒドロチオフェン-3-オールの晶析方法
US7393667B2 (en) 2005-05-31 2008-07-01 Bristol-Myers Squibb Company Stereoselective reduction process for the preparation of pyrrolotriazine compounds
WO2007010944A1 (ja) * 2005-07-20 2007-01-25 Kaneka Corporation 光学活性2-(n-置換アミノメチル)-3-ヒドロキシ酪酸エステル類の製造方法
AT502395B1 (de) 2005-07-27 2007-03-15 Iep Gmbh Oxidoreduktasen zur stereoselektiven reduktion von ketoverbindungen
EP2066788B1 (en) 2006-10-02 2014-07-23 Codexis, Inc. Compositions and methods for producing stereoisomerically pure statins and synthetic intermediates therefor
KR101502634B1 (ko) * 2007-02-08 2015-03-16 코덱시스, 인코포레이티드 케토 환원 효소 및 이의 용도
US7977078B2 (en) * 2007-08-24 2011-07-12 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the production of (R)-3-hydroxythiolane
WO2009036404A2 (en) 2007-09-13 2009-03-19 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the reduction of acetophenones
KR20100061571A (ko) 2007-09-28 2010-06-07 코덱시스, 인코포레이티드 케토리덕타제 폴리펩티드 및 이의 용도
SI2205727T1 (sl) 2007-10-01 2015-09-30 Codexis, Inc. Polipeptidi ketoreduktaze za izdelavo azetidinona
US20090312196A1 (en) 2008-06-13 2009-12-17 Codexis, Inc. Method of synthesizing polynucleotide variants
HUE026181T2 (en) * 2008-08-27 2016-05-30 Codexis Inc Ketoreductase polypeptide for the preparation of 3-aryl-3-hydroxypropanamine from 3-aryl-3-ketopropanamine
WO2010025287A2 (en) * 2008-08-27 2010-03-04 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the production of 3-aryl-3-hydroxypropanamine from a 3-aryl-3-ketopropanamine
WO2010027710A2 (en) * 2008-08-27 2010-03-11 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides and uses thereof
CN102186972B (zh) * 2008-08-29 2014-08-20 科德克希思公司 用于立体选择性生产(4s)-3-[(5s)-5-(4-氟苯基)-5-羟基戊酰基]-4-苯基-1,3-噁唑烷-2-酮的酮还原酶多肽
SG178456A1 (en) * 2009-08-19 2012-04-27 Codexis Inc Ketoreductase polypeptides for the preparation of phenylephrine
WO2012142302A2 (en) * 2011-04-13 2012-10-18 Codexis, Inc. Biocatalytic process for preparing eslicarbazepine and analogs thereof
EP3256577B1 (en) * 2015-02-10 2020-08-26 Codexis, Inc. Ketoreductase polypeptides for the synthesis of chiral compounds

Also Published As

Publication number Publication date
US9719071B2 (en) 2017-08-01
US8980606B2 (en) 2015-03-17
US20130034895A1 (en) 2013-02-07
US8257952B2 (en) 2012-09-04
US9382519B2 (en) 2016-07-05
SI2205727T1 (sl) 2015-09-30
US10597641B2 (en) 2020-03-24
IL232707A (en) 2015-11-30
JP2010539952A (ja) 2010-12-24
IL204379A (en) 2014-06-30
US20150337271A1 (en) 2015-11-26
US8470572B2 (en) 2013-06-25
US20170121689A1 (en) 2017-05-04
US9133442B2 (en) 2015-09-15
HUE027683T2 (en) 2016-10-28
US20240141304A1 (en) 2024-05-02
US20170002333A1 (en) 2017-01-05
US20090162909A1 (en) 2009-06-25
CN101883846A (zh) 2010-11-10
EP2205727A1 (en) 2010-07-14
US7883879B2 (en) 2011-02-08
US20140057330A1 (en) 2014-02-27
WO2009046153A4 (en) 2009-06-25
EP2205727B1 (en) 2015-06-24
US10329540B2 (en) 2019-06-25
US20200172880A1 (en) 2020-06-04
US11078466B2 (en) 2021-08-03
IL232707A0 (en) 2014-07-31
US9580694B2 (en) 2017-02-28
WO2009046153A1 (en) 2009-04-09
US20190256825A1 (en) 2019-08-22
US20110159567A1 (en) 2011-06-30
US20160281067A1 (en) 2016-09-29
ES2547528T3 (es) 2015-10-07
US9476034B2 (en) 2016-10-25
KR20100065387A (ko) 2010-06-16
US20150197731A1 (en) 2015-07-16
US20210324347A1 (en) 2021-10-21
US20170313992A1 (en) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11078466B2 (en) Ketoreductase polypeptides for the production of azetidinone
US10927351B2 (en) Ketoreductase polypeptides for the reduction of acetophenones
US9394552B2 (en) Ketoreductase polypeptides for the production of (R)-3-hydroxythiolane
US8617853B2 (en) Ketoreductase polypeptides for the production of (S,E)-methyl 2-(3-(3-(2-(7-chloroquinolin-2-yl)vinyl)phenyl)-3-hydroxypropyl)benzoate
EP2446025B1 (en) Ketoreductase-mediated stereoselective route to alpha chloroalcohols

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110916

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130530

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130829

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141014

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5646328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250