図1には、本発明の実施の形態に係る車両(自動車)のシフト装置10が車両左斜め後方から見た分解斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両右方を矢印RHで示し、上方を矢印UPで示す。
図1に示す如く、シフト装置10は、設置部材としてのベース12を備えており、ベース12は車両の床にボルト等により締結固定されている。
ベース12の中央部には、略U字形板状の収容壁14が設けられている。収容壁14の内側は収容部16とされており、収容部16は車両後側に開口されている。収容壁14の車両左側壁と車両右側壁との間には、収容部16の車両後側部において、略丸棒状の連結シャフト18が掛け渡されており、連結シャフト18の一端には、円盤状のフランジ18Aが設けられて、連結シャフト18の他端には、プッシュナット20が嵌合されている。収容部16の下側壁には、矩形状の連絡孔22が貫通形成されている。ベース12には、収容壁14の車両右側において、配置面24が設けられており、配置面24は収容部16の底面より下方に配置されている(図2参照)。配置面24の車両後側部には、円柱状の支持軸26が設けられており、支持軸26は配置面24に対して上方へ突出されている。
図2にも示す如く、収容部16内には、支持部材を構成する略直方体状の下支持プレート28が配置されている。下支持プレート28の上面には、半球状の凹部30が設けられており、下支持プレート28には、凹部30の中央部において、断面円状の貫通孔32が貫通形成されている。
下支持プレート28の上方には、支持部材を構成する略直方体状の上支持プレート34が設けられている。上支持プレート34の車両前側部は、収容壁14の車両前側部に係止されている。さらに、上支持プレート34には、車両後側部分において、車幅方向(車両左右方向)に沿って断面円状の取付孔36が貫通形成されており、取付孔36に連結シャフト18が貫通されている。これにより、下支持プレート28及び上支持プレート34がベース12に固定されている。上支持プレート34の下面には、半球状の凹部38が設けられており、凹部38の曲率半径は凹部30の曲率半径と同じにされている。上支持プレート34の車両左側部には、断面略半円状の連通孔42が形成されており、凹部38は、連通孔42によって、車両左側に開放されている。上支持プレート34には、凹部38の中央部において、断面円状の貫通孔40が貫通形成されている。
ベース12の中央部には、シフト部材としての略長尺丸棒状のシフトレバー44が配置されている。シフトレバー44の下端部には、球状の支持部46が設けられており、支持部46の曲率半径は、下支持プレート28の凹部30及び上支持プレート34の凹部38の曲率半径より僅かに小さくされている。シフトレバー44の上側部分は上支持プレート34の貫通孔40に貫通されており、凹部30及び凹部38によって支持部46が回動可能に支持されている。これにより、シフトレバー44は、支持部46を中心にして車両前後方向(シフト方向)及び車両左右方向(セレクト方向)へ回動自在にされている。
シフトレバー44の支持部46には、移動部としての略円柱状のセレクトシャフト48が一体に設けられている。セレクトシャフト48の軸線は支持部46の中心に一致されており、セレクトシャフト48は支持部46に対して上支持プレート34の連通孔42を介して車両左側へ突出されている。また、セレクトシャフト48の先端部には、球状の係合部48Aが設けられており、セレクトシャフト48には、係合部48Aの車両右側において、セレクトシャフト48の周方向に沿って断面略半円状の溝48Bが設けられている。
また、シフトレバー44の支持部46には、移動部としての略円柱状のシフトシャフト50が一体に設けられている。シフトシャフト50の軸線は支持部46の中心に一致されており、シフトシャフト50は、支持部46に対して下方へ突出されて、下支持プレート28の貫通孔32及びベース12の連絡孔22を貫通している。また、シフトシャフト50の長手方向中間部には、球状の係合部50Aが設けられている。
シフトレバー44が車両右方へ回動される際には、セレクトシャフト48が上方へ回動(移動)される。また、シフトレバー44が車両前方へ回動される際には、セレクトシャフト48は自身の軸線周りに回動し、シフトシャフト50が車両後方へ回動される。さらに、シフトレバー44が車両後方へ回動される際には、セレクトシャフト48は自身の軸線周りに回動し、シフトシャフト50が車両前方へ回動される。
図1に示す如く、上支持プレート34の上方には、ガイドプレート52が配置されており、ガイドプレート52はベース12に固定されている。ガイドプレート52には、操作手段としての略E字形状のガイド溝54が貫通形成されている。ガイド溝54の車両左側部分は長尺のシフト溝56とされており、シフト溝56は車両前後方向に沿って配置されている。ガイド溝54の車両前側部分は長尺の第1セレクト溝58Aとされており、第1セレクト溝58Aは、シフト溝56対して垂直方向に沿って配置されて、シフト溝56に接続されている。ガイド溝54の中央部分は長尺の第2セレクト溝58Bとされており、第2セレクト溝58Bは、シフト溝56対して垂直方向に沿って配置されて、シフト溝56に接続されている。ガイド溝54の車両後側部分は長尺の第3セレクト溝58Cとされており、第3セレクト溝58Cは、シフト溝56対して垂直方向に沿って配置されて、シフト溝56に接続されている。ガイド溝54には、シフトレバー44の上側部分が貫通されており、シフトレバー44は、シフト溝56に沿って車両前後方向へ操作可能にされて、第1セレクト溝58A、第2セレクト溝58B、及び第3セレクト溝58Cの各々に沿って車両左右方向へ操作可能にされている。
シフト溝56の長手方向中間部は、所定位置としての「H」位置(ホーム位置)に設定されている。また、第1セレクト溝58Aの車両右側端は所定シフト位置としての「R」シフト位置(リバース位置)に設定されており、第2セレクト溝58Bの車両右側端は「N」シフト位置(ニュートラル位置)に設定されている。さらに、第3セレクト溝58Cの車両右側端は所定シフト位置としての「D」シフト位置(ドライブ位置)に設定されている。
このため、シフトレバー44が、「H」位置から車両前方(第1方向)へ操作された後に、車両右方(第2方向)へ操作されて、「R」シフト位置(所定シフト位置)に操作される。また、シフトレバー44が、「H」位置から車両後方(第3方向)へ操作された後に、車両右方(第4方向)へ操作されて、「D」シフト位置(所定シフト位置)に操作される。さらに、シフトレバー44が、「H」位置から車両右方(第5方向)へ操作されて、「N」シフト位置に操作される。これにより、ガイド溝54に沿って各シフト位置に操作されることで、シフトレバー44のシフト位置が変更される。
図2に示す如く、ベース12の下方には、検出手段としてのセンサ部60が設けられており、センサ部60はベース12に固定されている。シフトレバー44が各シフト位置に操作された際には、シフトレバー44が各シフト位置に操作されたことをセンサ部60が検出可能にされている。
図1〜図3に示す如く、ベース12の配置面24には、復帰手段を構成する復帰機構70が設けられている。復帰機構70は長尺板状のシフトリンク72を備えており、シフトリンク72の一端部がベース12の支持軸26に回動可能に支持されて、シフトリンク72は支持軸26を中心にして車両前後方向に回動可能にされている。シフトリンク72の他端部には、長尺状の溝72Aが貫通形成されており、溝72Aは車両左側へ開口している。溝72A内には、シフトレバー44のシフトシャフト50の係合部50Aが摺動可能に係合(挿入)されている。このため、シフトレバー44が車両前方へ回動されると、シフトシャフト50の係合部50Aが溝72Aの周面を押圧することで、シフトリンク72が車両後方へ回動され、シフトレバー44が車両後方へ回動されると、シフトリンク72が車両前方へ回動される。
復帰機構70は付勢部材としてのトーションスプリング74を備えており、トーションスプリング74はシフトリンク72の一端部に設けられている。トーションスプリング74の一端部はベース12に固定されており、トーションスプリング74の他端部はシフトリンク72の他端部に固定されている。シフトレバー44が「H」位置に配置される際には、トーションスプリング74は自然状態(付勢力が作用しない状態)にされている。このため、シフトレバー44が「H」位置に対し車両前後方向へ回動されて、シフトリンク72及びトーションスプリング74の他端部が車両前後方向へ回動される際には、シフトリンク72にトーションスプリング74からの付勢力が作用されて、シフトレバー44に「H」位置へ回動される復帰力が作用される。
図1と図4の(A)及び(B)とに示す如く、ベース12の車両左側には、復帰手段を構成するトーションスプリング82が配置されており、トーションスプリング82は連結シャフト18に設けられている。トーションスプリング82の一端部及び他端部はシフトレバー44のセレクトシャフト48の溝48Bに係合されており、シフトレバー44がシフト溝56に配置される際には、トーションスプリング82が自然状態にされている。このため、シフトレバー44がシフト溝56に対し車両右方へ回動されて、セレクトシャフト48及びトーションスプリング82の一端部が上方に回動される際には、セレクトシャフト48にトーションスプリング82からの付勢力が作用されて、シフトレバー44にシフト溝56へ回動される復帰力が作用される。
トーションスプリング82の一端部と他端部との間には、緩衝部材としての略直方体状のクッション84が設けられており、クッション84はベース12に固定されている。クッション84には、トーションスプリング82の一端部及び他端部が当接されており、トーションスプリング82の一端部又は他端部が回動された後に、トーションスプリング82が自然状態に復帰される際には、トーションスプリング82の一端部及び他端部がクッション84に当接されることで、シフトレバー44の動作音が低減される。
ベース12の車両左側には、阻止手段としてのシフトロック機構80が設けられている。シフトロック機構80は、連結部材としての略三角形板状のセレクトリンク86を備えている。セレクトリンク86の一端部は連結シャフト18に回動可能に支持されており、セレクトリンク86は、連結シャフト18を中心にして上下方向に回動可能にされている。セレクトリンク86の他端部には、上側部分において、断面円状の連結孔86Aが貫通形成されており、連結孔86Aにはシフトレバー44のセレクトシャフト48の係合部48Aが揺動可能に係合(挿入)している。これにより、シフトレバー44がシフト溝56に対し車両右方へ回動される際には、セレクトシャフト48の係合部48Aが上方へ回動されて、セレクトリンク86が上方へ回動される。セレクトリンク86の他端部には、下側部分において、係止部としての略矩形状の係止片86Bが設けられている。
シフトロック機構80は、駆動手段としての所謂吸引タイプのソレノイド88を備えており、ソレノイド88は、ベース12の下側かつセレクトリンク86の車両前側において、車両左右方向に沿って配置されて、ベース12に固定されている。ソレノイド88の車両左側の面には、駆動部としての円柱状のプランジャ90が設けられており、プランジャ90はソレノイド88に対して車両左側へ突出されている。
プランジャ90の先端部には、阻止部としての略直方体状のストッパ92が設けられており、ストッパ92とソレノイド88との間には、図示しないコイルスプリングが設けられている。コイルスプリングはストッパ92を車両左側へ付勢可能にされている。
ここで、ソレノイド88に電流が供給されない際には、コイルスプリングの付勢力によって、プランジャ90及びストッパ92が車両左側へ突出される(図4の(A)及び(B)に示す位置であり、以下、この位置を「阻止位置」という)。プランジャ90が阻止位置に配置される際には、ストッパ92がセレクトリンク86の係止片86Bの車両前方に配置されており、ストッパ92にセレクトリンク86の係止片86Bの先端部が当接(係止)される。このため、セレクトリンク86を介してストッパ92にセレクトシャフト48が係止される。これにより、セレクトリンク86及びセレクトシャフト48が上方へ回動不能(移動不能)にされて、シフトレバー44の車両右方の操作が阻止(ロック)される(図4の(A)及び(B)に示す状態にされる)。
一方、ソレノイド88に電流が供給される際には、プランジャ90がソレノイド88内(車両右方)へ移動(駆動)される(図5の(A)及び(B)に示す位置であり、以下、この位置を「解除位置」という)。プランジャ90が解除位置へ移動される際には、プランジャ90の移動に連動してストッパ92はセレクトリンク86の車両右方へ移動(駆動)される。このため、セレクトリンク86が上方へ回動される際には、ストッパ92にセレクトリンク86の係止片86Bの先端部が当接(係止)されない。これにより、セレクトリンク86及びセレクトシャフト48が上方へ回動可能(移動可能)にされて、シフトレバー44の車両右方の操作が許可される(図5の(A)及び(B)に示す状態にされる)。
また、ベース12の下側には、制御手段としての制御部100が設けられている。制御部100には、センサ部60、ソレノイド88、変速機(トランスミッション)(図示省略)及び車両のブレーキ(図示省略)が電気的に接続されており、ブレーキが操作されることで、車両が制動される。
シフトレバー44が「H」位置から各シフト位置に操作された際には、センサ部60がシフトレバー44のシフト位置を検出することで、シフトレバー44のシフト位置を示す信号が制御部100から変速機に出力されて、変速機のシフト位置(車両のシフト位置)が変更される。さらに、車両の変速機は、車両の走行状態等に応じて自動的に適正なシフト位置に変更される。
また、ブレーキが操作されない状態で、シフトレバー44がシフト溝56に対し車両右方へ操作される際には、制御部100の制御により、ソレノイド88に電流が供給されず、ソレノイド88のプランジャ90は阻止位置に移動される。
一方、ブレーキが操作された状態で、シフトレバー18がシフト溝56に対しに対し車両右方へ操作される際には、制御部100の制御により、ソレノイド88に電流が供給されて、ソレノイド88のプランジャ90が解除位置に移動される。
また、シフトレバー装置10には、図示しないパーキングボタンが操作可能に設けられており、パーキングボタンは制御部100に電気的に接続されている。パーキングボタンは操作されることで、変速機のシフト位置がパーキング位置に変更されて、車両のパーキングブレーキ(図示省略)が作動される。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成のシフトレバー装置10では、トーションスプリング74及びトーションスプリング83の付勢力によって、シフトレバー44は「H」位置に配置されている。
ブレーキが操作されない状態で、シフトレバー44が「H」位置から各シフト位置へ向けて操作される際には、制御部100の制御により、ソレノイド88に電流が供給されず、ソレノイド88のプランジャ90は阻止位置に配置される。このため、ストッパ92によってセレクトリンク86及びセレクトシャフト48が上方へ回動不能にされて、シフトレバー44の車両右方(セレクト方向)への操作が阻止される。これにより、シフトレバー44の各シフト位置への操作が阻止される。
一方、ブレーキが操作された状態で、シフトレバー44が「H」位置から各シフト位置へ向けて操作される際には、制御部100の制御により、ソレノイド88に電流が供給されて、ソレノイド88のプランジャ90が解除位置(車両右方)へ移動される。このため、ストッパ92がセレクトリンク86の車両右方へ移動されることで、セレクトリンク86及びセレクトシャフト48が上方へ回動可能にされて、シフトレバー44の車両右方への操作が許可される。これにより、シフトレバー44の各シフト位置への操作が許可される。
シフトレバー44が「H」位置から「R」シフト位置又は「D」シフト位置へ操作される際には、シフトレバー44が、「H」位置からガイド溝54のシフト溝56に沿ってシフト溝56の車両前方端又は車両後方端まで回動される(シフト方向へ回動される)。この際には、シフトレバー44のシフトシャフト50が車両後方又は車両前方へ回動されて、シフトリンク72及びトーションスプリング74の他端部が車両後方又は車両前方へ回動される。
この状態で、シフトレバー44が、ガイド溝54の第1セレクト溝58A又は第3セレクト溝58Cに沿って「R」シフト位置又は「D」シフト位置まで回動される(セレクト方向へ回動される)と、シフトレバー44のシフト位置が「R」シフト位置又は「D」シフト位置に変更されると共に、シフトレバー44のセレクトシャフト48が上方へ回動されて、トーションスプリング82の一端部及びセレクトリンク86が上方へ回動される。
シフトレバー44が「R」シフト位置又は「D」シフト位置に操作された後では、トーションスプリング82の付勢力によって、シフトレバー44のセレクトシャフト48が下方へ回動されて、シフトレバー44は第1セレクト溝58A又は第3セレクト溝58Cに沿ってシフト溝56の車両前側端又は車両後側端へ回動される。さらに、トーションスプリング74の付勢力によって、シフトレバー44のシフトシャフト50が車両前方又は車両後方へ回動されて、シフトレバー44がシフト溝56に沿って「H」位置へ復帰される。
また、シフトレバー44が「H」位置から「N」シフト位置へ操作される際には、シフトレバー44が、ガイド溝54の第2セレクト溝58Bに沿って「H」位置から「N」シフト位置まで回動されて、シフトレバー44のシフト位置が「N」シフト位置に変更される。この際には、シフトレバー44のセレクトシャフト48が上方へ回動されて、トーションスプリング82の一端部及びセレクトリンク86が上方へ回動される。
シフトレバー44が「N」シフト位置に操作された後では、トーションスプリング82の付勢力によって、シフトレバー44のセレクトシャフト48が下方へ回動されて、シフトレバー44が第2セレクト溝に沿って「H」位置に復帰される。
ここで、上述の如く、シフトレバー44が「H」位置から「R」シフト位置へ操作される際には、シフトレバー44が、シフト溝56に沿って車両前方へ操作された後に、第1セレクト溝58Aに沿って車両右方へ操作される。さらに、シフトレバー44が「H」位置から「D」シフト位置へ操作される際には、シフトレバー44が、シフト溝56に沿って車両後方へ操作された後に、第3セレクト溝58Cに沿って車両右方へ操作される。
すなわち、シフトレバー44が「H」位置から「R」シフト位置又は「D」シフト位置の各シフト位置へ操作される際には、シフトレバー44が、交差する2方向(シフト方向及びセレクト方向)へ操作されると共に、「H」位置から他のシフト位置を経由せずに「R」シフト位置又は「D」シフト位置へ直接的に操作される。
これにより、「H」位置から「R」シフト位置又は「H」位置から「D」シフト位置へのシフトレバー44の誤操作を抑制できる。
また、上述の如く、ブレーキが操作されない状態で、シフトレバー44が車両右方へ操作される際には、制御部100の制御により、ソレノイド88に電流が供給されない。このため、ソレノイド88のストッパ92にセレクトリンク86の係止片86Bの先端部が当接(係止)されて、セレクトリンク86及びセレクトシャフト48が上方へ回動不能(移動不能)にされる。これにより、シフトレバー44の車両右方への操作が阻止(ロック)される。したがって、シフトレバー44の各シフト位置への誤操作を一層抑制できる。
さらに、セレクトリンク86を介してソレノイド88のストッパ92にセレクトシャフト48が係止されることで、セレクトリンク86及びセレクトシャフト48が上方へ回動不能(移動不能)にされて、シフトレバー44の車両右方の操作が阻止(ロック)される。このため、各シフト位置へのシフトレバー44の操作をストッパ92で共通に阻止できる。これにより、例えば、第1セレクト溝58A、第2セレクト溝58B、第3セレクト溝58C毎にソレノイド88(ストッパ92)を設ける必要がなく、部品点数を削減でき、シフト装置10のコストアップを抑制できる。
(変形例)
図6の(A)には、本発明の変形例に係るシフト装置100のシフトロック機構80が上方から見た平面図にて示されており、図6の(B)には、当該シフトロック機構80が車両左方から見た側面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両右方を矢印RHで示し、上方を矢印UPで示す。
本変形例では、本実施の形態と同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図6の(A)と(B)とに示す如く、本変形例では、シフトロック機構80がセレクトリンク86を備えていない。
ソレノイド88は、セレクトシャフト48の車両左側において、車両前後方向に沿って配置されて、ベース12に固定されている。さらに、ソレノイド88のストッパ92には、長尺の溝92Aが貫通形成されており、溝92Aは車両前側に開口されている。溝92Aには、セレクトシャフト48の係合部48Aが係合(挿入)されている。
ブレーキ操作がされない状態で、シフトレバー44が「H」位置から各シフト位置へ向けて操作される際には、制御部100の制御により、ソレノイド88に電流が供給されず、ソレノイド88のプランジャ90は阻止位置に配置される。このため、ストッパ92の溝92Aにセレクトシャフト48の係合部48Aが係止されることで、セレクトシャフト48が上方へ回動不能にされて、シフトレバー44の車両右方(セレクト方向)への操作が阻止される。これにより、シフトレバー44の各シフト位置への操作が阻止される。
一方、ブレーキが操作された状態で、シフトレバー44が「H」位置から各シフト位置へ向けて操作される際には、制御部100の制御により、ソレノイド88に電流が供給されて、ソレノイド88のプランジャ90が解除位置(車両後方)へ移動される。このため、セレクトシャフト48の係合部48Aとストッパ92の溝92Aとの係合が解除される。これにより、セレクトシャフト48が上方へ回動可能にされて、シフトレバー44の車両右方への操作が許可される。したがって、シフトレバー44の各シフト位置への操作が許可される。
以上により、本変形例においても、本実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
なお、本実施の形態及び変形例では、ガイド溝54のシフト溝56が、長尺に形成されて、車両前後方向に沿って配置されているが、シフト溝56が「H」位置において曲げられてもよい。例えば、シフト溝56が、「H」位置において屈曲されて、「H」位置に対し車両前方へ向かうに従い車両左方へ向かう方向に傾斜されると共に、「H」位置に対し車両後方へ向かうに従い車両左方へ向かう方向へ傾斜されてもよい。
また、本実施の形態及び変形例では、ガイド溝54の第1セレクト溝58A、第2セレクト溝58B、及び第3セレクト溝58Cが平行に配置されているが、第1セレクト溝58A、第2セレクト溝58B、及び第3セレクト溝58Cの少なくとも2つが非平行に配置されてもよい。例えば、第1セレクト溝58Aが、車両右方へ向かうに従い車両前方へ向かう方向へ傾斜して配置されると共に、第3セレクト溝58Cが、車両右方へ向かうに従い車両後方へ向かう方向に傾斜して配置されてもよい。
さらに、本実施の形態及び変形例では、ガイド溝54には「R」シフト位置、「N」シフト位置、「D」シフト位置が設定されているが、シフト位置の個数は任意に設定可能である。例えば、「B」シフト位置(ブレーキ位置)を追加してもよい。この場合には、例えば、図7に示すように、「B」シフト位置をシフト溝56に対して「D」位置とは反対側に設定してもよい。
また、本実施の形態及び変形例では、ガイド溝54には「R」シフト位置、「N」シフト位置、「D」シフト位置が設定されている。これに替えて、例えば、シフトレバーの上端に設けられたシフトノブに走行モードを切替えるボタンを設けて、走行モード毎のシフト位置をガイド溝54に設定してもよい。例えば、図8に示す如く、走行モードが通常モード(オートシフトモード)の場合には、本実施の形態の「R」シフト位置、「N」シフト位置、「D」シフト位置が設定されており、走行モードをスポーツモード(マニュアルシフトモード)に切替えた場合には、シフト溝56の車両前方端を「+」シフト位置(シフトアップ位置)又は「−」シフト位置(シフトダウン位置)に設定して、シフト溝56の車両後方端を「−」シフト位置又は「+」シフト位置に設定できる。
この場合には、ガイドプレート52の上方に配置される図示しないカバーに表示部を設けて、当該表示部に走行モードと操作されたシフト位置をインジケータにより表示する。なお、上記ボタンに替えて、当該表示部にスイッチを設けてもよい。
例えば、走行モードが通常モードの際に、シフトレバー44が「H」位置に配置されて、変速機がDレンジ(ドライブレンジ)にされている状態で、走行モードを切替えるボタン又はスイッチがONされた場合には、走行モードが通常モードからスポーツモードに切り替えられて、表示部にスポーツモードであることの表示と「−」シフト位置及び「+」シフト位置への操作方向表示とが表示される。一方、走行モードがスポーツモードでの際に、走行モードを切替えるボタン又はスイッチがOFFされた場合には、走行モードがスポーツモードから通常モードに切り替えられると共に、表示部の表示が消えて、変速機がDレンジ(ドライブレンジ)にされる。
また、本実施の形態及び変形例では、ソレノイド88は吸引タイプのものにされている。これに替えて、ソレノイド88を保持タイプのソレノイドにしてもよい。この場合には、例えば、セレクトリンク86(係止片86B)とストッパ92との間に移動部材が設けられており、プランジャ90が設けられずに、ストッパ92又は移動部材にソレノイド88が固定されている。ソレノイド88に電流が供給されずに、ソレノイド88のマグネットが磁力を発生しないことで、シフトレバー44の操作によってセレクトリンク86が上方へ回動されて、移動部材が移動されても、ストッパ92が阻止位置に配置される。一方、ソレノイド88に電流が供給される際には、ソレノイド88のマグネットが磁力を発生することで、シフトレバー44の操作によってセレクトリンク86が上方へ回動されて、移動部材と共にストッパ92が解除位置に移動される。
さらに、本実施の形態及び変形例では、シフトリンク72の溝72Aが長尺に貫通形成されている。これに替えて、シフトリンク72の溝72Aの形状が、カム形状にされてもよい。例えば、図9に示す如く、シフトリンク72には、溝72Aの車両左側において、第2溝72Bが設けられている。第2溝72Bの溝幅は溝72Aに比して大きくされており、第2溝72Bと溝72Aとは、傾斜部72Cで連絡されている。これにより、シフトレバー44が、シフト溝56の車両前方端又は車両後方端(シフト方向)に操作された後に、車両右方(セレクト方向)へ操作される際には、シフトシャフト50の係合部50Aが傾斜部72Cと溝72Aとの境界部分を摺動する時(例えば、シフトレバー44が「R」シフト位置又は「D」シフト位置に到達した時)に、シフトレバー44に節度感(クリック感)を付与できる。
また、本実施の形態及び変形例では、シフト装置10が、車両の床に配置されている。これに替えて、シフト装置10、100は、車両の何れの位置に配置されてもよく、例えば、インストルメントパネルやステアリングコラム等に配置されてもよい。