JP5641484B2 - グラフェン薄膜とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グラフェン薄膜とその製造方法およびグラフェン薄膜に関するものであり、さらに詳しくは、触媒としての金属膜を用いたグラフェン薄膜とその製造方法に関するものである。
グラフェンは、グラファイトを一枚ないし複数枚取り出したもので、sp2炭素から構成された理想的な二次元構造を有する。その層数によって、単層グラフェン、二層グラフェン、多層グラフェンなどと呼ばれる。
グラフェンは、電子とホールの非常に高い移動度(10,000-200,000 cm2/Vs)が報告されており、この移動度はシリコンやGaAsなどを上回る。二次元シートであるため、リソグラフィやエッチングなど半導体の作製技術を適用でき、様々な構造体を得ることができる。さらに、透明性に優れ、機械的にも柔軟であることから、フレキシブルトランジスタや透明電極など多様なデバイスへの応用の可能性を有している。
従来、グラフェン薄膜を得るために、HOPGなどのグラファイトをスコッチテープなどで機械的に剥離・転写する方法が行われてきたが、サイズや厚さがバラバラであり、実際の応用には利用することができない。
それに代わる方法として、SiCの熱分解によるグラフェン膜の生成や、超高真空中での金属単結晶上での炭化反応などが報告されてきた。しかし、これらの方法で用いられるSiC単結晶基板やNi(111)単結晶基板は非常に高価で、しかも限られたサイズのものしか入手できないという問題がある。
そのような中で、グラフェンを大面積に低コストで合成する方法として、最近では化学気相成長(CVD)法によって遷移金属膜上で炭化反応を行う技術が提案されている(非特許文献1〜3、特許文献1、2参照)。
Nano Letters, vol. 9, p. 30 (2009). Nature, vol. 457, p. 706 (2009). Science, vol. 324, p. 1312 (2009).
特開2009−143799号公報 特開2009−107921号公報
しかし、従来のCVD法で利用されている触媒金属は、金属箔(ホイル)のような薄膜や、スパッタリングや電子ビーム蒸着で作製された薄膜などの多結晶のものであり、小さな結晶子径しかもたない。そのため、触媒上に析出生成するグラフェンも結晶サイズが小さく、また、結晶ドメインごとにその六員環の向き(グラフェンの格子の向き)はランダムであると考えられている。
グラフェンは触媒金属の結晶粒界や欠陥から析出生成すると考えられていることから、多結晶触媒上では多くの場所からグラフェンが生成してしまう。その結果、ドメインが小さく、厚さが不均一、そしてドメインの方向がランダムなグラフェン膜が生成する。
このドメインの境界はドメインバンダリーと呼ばれるが、CVD法で合成されるグラフェンにはドメインバンダリーが多数存在している。このドメインバンダリーの存在のため、CVD法で合成されるグラフェンでは、グラファイトを剥離して作るものほど高い移動度を得ることができていない。従って、ドメインバンダリーの低減、ならびにグラフェンの格子の向きを均一に揃えて合成する技術の開発が求められている。さらにグラフェンの層数を均一にして生成することも望まれる。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、大面積で、均質かつドメインバンダリーの少ないグラフェン薄膜、さらには結晶方位の向きが揃ったグラフェン薄膜を安価に製造することができる、エレクトロニクスへの応用などの工業的な利用に適した新規なグラフェン薄膜の製造方法とグラフェン薄膜を提供することを課題としている。
本発明のグラフェン薄膜は、グラフェン薄膜が多数のグラフェンドメインから構成され、各ドメインの面積が0.000001μm2〜100000mm2であり、かつドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いていることを特徴とする。
このグラフェン薄膜における好ましい態様では、六員環の方位の面内のずれは、±10°以内、好ましくは±5°以内に揃っているドメインが90%以上存在する。
このグラフェン薄膜における好ましい態様では、多数のドメインからなるグラフェン薄膜の全体としての大きさが1mm2〜50000mm2である。
このグラフェン薄膜における好ましい態様では、単層グラフェン、二層グラフェン、または三層グラフェンの割合が50%以上である。特に、好ましい態様では、層数が同一のグラフェンの割合が90%以上であり、特に、単層のグラフェンの割合が90%以上である。
本発明のグラフェン薄膜の複合体は、前記のグラフェン薄膜が基板に転写されたものであり、大きさが10nm2〜1m2であることを特徴とする。
本発明のグラフェン薄膜の複合体は、金属膜と、この金属膜の表面に成長した前記のグラフェン薄膜とを有することを特徴とする。また本発明のグラフェン薄膜の複合体は、単結晶基板と、この単結晶基板上に成膜したエピタキシャルな金属膜と、この金属膜の表面に成長した前記のグラフェン薄膜とを有することを特徴とする。このグラフェン薄膜の複合体において、グラフェン薄膜を含む複合体のLEED(低速電子回折)像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットを有すること、あるいは、6個の等間隔に並んだ回折スポットと当該スポットを中心に強度が偏在するリング状の回折パターンを有すること、あるいは、グラフェン薄膜を含む複合体のLEED像が、12個のスポットに偏在するリング状の回折パターンを有することが好ましい。
本発明のグラフェン薄膜は、エピタキシャルな金属膜の表面に形成されたピット内に成長して得られたものであることを特徴とする。また本発明のグラフェン薄膜の複合体は、金属膜と、この金属膜の表面に形成されたピット内に成長した前記のグラフェン薄膜とを有することを特徴とする。また本発明のグラフェン薄膜の複合体は、単結晶基板と、この単結晶基板上に成膜したエピタキシャルな金属膜と、この金属膜の表面に形成されたピット内に成長した前記のグラフェン薄膜とを有することを特徴とする。
本発明のグラフェン薄膜は、三角形、四角形、六角形、八角形または円形の面積0.0001〜1000000μm2の平面形状を有し、厚さが1〜20層であることを特徴とする。また本発明のグラフェン薄膜は、辺がジグザグ構造またはアームチェア構造を有する面積0.0001〜1000000μm2の平面形状を有し、厚さが1〜20層であることを特徴とする。また本発明のグラフェン薄膜の複合体は、前記のグラフェン薄膜が基板に転写されたものであることを特徴とする。
本発明のグラフェン薄膜の製造方法は、単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜した基板を用いて、このエピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることによりグラフェン薄膜を成長させる工程を含むことを特徴とする。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは全面にグラフェン薄膜を成長させる。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の50%以上、好ましくは80%以上の領域にグラフェン薄膜を成長させる。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、層数が同一のグラフェンの割合が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上のグラフェン薄膜を成長させる。層数が同一のグラフェンは、単層、二層、および三層から選ばれるいずれかであることが好ましい。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、グラフェン薄膜を構成するドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いているグラフェン薄膜を成長させる。特に、グラフェン薄膜および金属膜を含む複合体のLEED像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットを有すること、あるいは、当該スポットと当該スポットを中心に強度が偏在するリング状の回折パターンを有すること、あるいは、当該スポットと12個のスポットに偏在するリング状の回折パターンを有することが好ましい。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、グラフェン薄膜のドメインサイズの平均が0.0001μm2以上である。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、単結晶基板がα-Al2O3、MgO、または水晶(SiO2)の単結晶基板である。また、エピタキシャルな金属膜がCo、Ni、Fe、Cu、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Ti、Al、Ag、Mg、Mn、Cr、およびSnから選ばれる少なくとも1種の膜であることが好ましい。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、エピタキシャルな金属膜に大気圧から減圧下の圧力下で気体状の炭素含有分子を供給して化学気相成長(CVD)によりグラフェン薄膜を成長させることが好ましい。この場合、グラフェン薄膜の合成前に、グラフェン薄膜の合成時の温度よりも低い温度で基板の水素アニールを行うことが好ましい。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、エピタキシャルな金属膜の表面に有機高分子膜を形成し、次いで有機高分子を真空中で熱分解することによりグラフェン薄膜を成長させる。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、エピタキシャルな金属膜の表面にグラフェン薄膜を成長させた後、酸処理または触媒金属の還元電位の差を利用した方法によりグラフェン薄膜を分離する工程をさらに含む。
このグラフェン薄膜の製造方法における好ましい態様では、エピタキシャルな金属膜の表面に形成されたピット内に優先的にグラフェン薄膜を成長させる。
本発明によれば、サファイア(α-Al2O3)やMgO、あるいは水晶などの比較的安価な単結晶基板を用いて、単結晶基板を高温にして金属膜原料をスパッタすることで単結晶基板の表面から金属膜をエピタキシャル成長させて結晶構造を形成させ、このエピタキシャルな金属膜を成膜した基板を用いて、金属膜表面に炭素原料を接触させて反応させることにより、エピタキシャル膜の性質を反映してグラフェンがエピタキシャル的に成長し、大面積で、均質かつドメインバンダリーの少ないグラフェン薄膜、さらには結晶方位の向きが揃ったグラフェン薄膜を得ることができる。
このように本発明によれば高い移動度をもつ高品質なグラフェンを大面積かつ低コストに得ることができ、エレクトロニクスへの応用などの工業的な利用に適した新規なグラフェン薄膜が提供される。
(a)はc面サファイア基板へのCo金属スパッタ後のXRD測定結果、(b)はNi金属スパッタ後のXRD測定結果である。スパッタ時の基板温度は300℃である。 水素アニールおよびCVD合成を含む昇温過程から冷却過程までの温度と使用ガスの標準的な条件を示す。 低温水素アニール後のCo/c面サファイア表面の光学顕微鏡像である。 低温水素アニール後に900℃まで昇温して、室温まで冷却した後のCo/c面サファイアのXRD測定結果である。 (a)Co/c面サファイア、(b)Ni/c面サファイアについて120分の間低温水素アニールを行った後のXRD測定結果である。 (a)Co/c面サファイア、(b)Ni/c面サファイアについて180分の間低温水素アニールを行った後のXRD測定結果である。 900℃での水素アニール後に同じ温度でCVD合成を行った場合のCo/c面サファイア基板表面の光学顕微鏡像である。 900℃での水素アニール後に同じ温度でCVD合成を行った場合のCo/c面サファイアのXRD測定結果である。 Co/c面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像である((a) 水素アニール時間180分 低倍率、(b) 水素アニール時間180分 高倍率)。 Co/c面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンのラマンスペクトルである。Gバンドは1585cm-1付近、2Dバンドは2675cm-1付近のバンドを指す。 Co/c面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンのラマンマッピング測定結果を示す((a) 水素アニール時間180分 Gバンド、(b) 水素アニール時間180分 2Dバンド)。 Ni/c面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像である((a) 水素アニール時間180分 低倍率、(b) 水素アニール時間180分 高倍率)。 Ni /c面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンのラマンスペクトルである。 Ni /c面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンのラマンマッピング測定結果を示す((a) 水素アニール時間180分 Gバンド、(b) 水素アニール時間180分 2Dバンド)。 CH4=3vol%(H2-450sccm,CH4-15sccm)として合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像である((a) Co触媒 低倍率、(b) Co触媒 高倍率、(c) Ni触媒 低倍率、(d) Ni触媒 高倍率)。 CH4=3vol%(H2-450sccm,CH4-15sccm)として合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンのラマンスペクトルである。 CH4=3vol%(H2-450sccm,CH4-15sccm)として合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンのラマンマッピング測定結果である((a) Co触媒 Gバンド、(b) Co触媒 2Dバンド、(c) Ni触媒 Gバンド、(d) Ni触媒 2Dバンド)。 図2の条件で合成したグラフェンにおけるグラフェン/Co/c面サファイアのLEED像である。 図2の条件で合成したグラフェンにおけるグラフェン/Ni/c面サファイアのLEED像である。 LEED像から推測される下地の金属触媒上のグラフェンの構造を模式的に示した図である。 Co/c面サファイアを用いて合成したグラフェンのSEM像である((a) 低倍率、(b) 高倍率)。 Ni/c面サファイアを用いて合成したグラフェンのSEM像である((a) 低倍率、(b) 高倍率)。 合成したグラフェンのSTM像(10nm×10nm)である。 Co/a面サファイア、Co/c面サファイアCo/r面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像である。 Co/a面サファイア、Co/c面サファイア、Co/r面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像(左)と同位置のラマンマッピングデータ(中央)、ならびに代表的なラマンスペクトル(右)を示す。 エタノールを原料として、Co/r面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像である。 エタノールを原料として、Co/r面サファイアを用いて合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像とその位置に対応するラマンスペクトルである。 Ni/MgO(100)基板を用いてポリスチレンの熱分解により合成し、シリコン基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像である。 図28を拡大した光学顕微鏡写真と、各点でのラマンスペクトルである。 (a)はCo/c面サファイアを用いて1000℃で合成したグラフェンの断面TEM像、(b)はシリコン基板(SiO2(300nm)/Si)上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像、(c)はそのグラフェンのGバンド(1585cm-1付近)のラマンマッピング画像、(d)は2Dバンド(2675cm-1付近)のラマンマッピング画像((c)、(d)のマッピングエリアは(b)の四角で囲った領域を測定)、(e)は(d)でマークした領域のラマンスペクトルである。 (a)は、Co/c面サファイアのLEED像(ビームエネルギー180eV)、(b)、(c)は、グラフェン/Co/c面サファイアのLEED像((b):900℃で成長、(c):1000℃で成長、ビームエネルギー180eV)、(d)は900℃および1000℃で成長したサンプルの(10)、(11)、(12)回折スポットの強度変化の比較、(e)、(f)はビームエネルギーを変更して(e)900℃および(f)1000℃で成長したサンプルについて測定したLEED像である。(g)、(h)はLEEDパターンから推測されるCo原子とグラフェンの相対的な方位関係である((f):900℃で成長、(g):1000℃で成長)。 (a)はCu/c面サファイアを用いて1000℃で合成したグラフェンのSEM像、(b)はそのAFM像、(c)はシリコン基板上に転写したグラフェンの写真、(d)はその光学顕微鏡像((d)中の楕円で囲った領域はシリコン基板を示す。)、(e)はCu/c面サファイアからシリコン基板上に転写後のグラフェンのIG/I2Dのラマンマッピング画像、(f)は2Dバンドの半値幅(FWHM)のラマンマッピング画像、(g)は(e)と(f)の丸で囲ったスポットの典型的なラマンスペクトルである。 グラフェン/Cu/c面サファイアのLEED像((a):900℃で成長、(b):1000℃で成長、ビームエネルギー140eV)である。(a)の丸で囲った領域がCo格子の回折スポットである。(b)の丸で囲った領域はCo格子とグラフェンの両方の回折スポットである。(c)はこれらのLEED像の説明図である。 1000℃での合成におけるLEED像から推測される下地の金属触媒上のグラフェンの構造を模式的に示した図である。 六員環の方位の面内のずれの測定方法を説明する図である。 (a)はポリスチレンを塗布したCo膜の表面に生成したピットの光学顕微鏡像、(b)はそのSEM像である。 (a)はCo膜の表面に生成したピットのAFM像、(b)は高さプロファイルである。 ポリスチレンを塗布して熱分解したCo膜表面のEBSDの測定結果である。 (a)は単層グラフェンのラマンスペクトル、(b)は二層もしくは数層のグラフェンのラマンスペクトルである。 (a)、(b)はピット内に生成したグラフェンのラマンマッピングの結果を示し、(a)はGバンド、(b)は2Dバンドの強さの分布を示す。(c)は対応する視野の光学顕微鏡像、(d)は典型的なラマンスペクトルである。 Co/MgO(111)基板に生成した三角形のピットのラマンマッピングの結果を示し、(a)はGバンド、(b)は2Dバンドの強さの分布を示す。(c)は対応する視野の光学顕微鏡像である。 電子ビームリソグラフィと化学エッチングにより、位置を指定してピットを作製した例を示す光学顕微鏡像である。丸で囲んだ位置がパターニングした箇所である。 シリコン基板に転写された四角形のグラフェン薄膜のAFM像である。 Ni/MgO基板のポリスチレン塗布および熱処理後の基板表面のSEM像を示す。 Ni金属表面のピット内に生成したグラフェンのラマンマッピングの結果を示し、(a)はGバンド、(b)は2Dバンドの強さの分布を示す。 図45の典型的なラマンスペクトルである。 (a)はα-Al2O3の単結晶基板を用いてc面にCo金属をスパッタリングした場合における、ポリスチレンを塗布したCo膜の表面に生成したピットの光学顕微鏡像、(b)はα-Al2O3の単結晶基板を用いてa面にCo金属をスパッタリングした場合の同様の光学顕微鏡像である。(c)はMgO(100)の単結晶基板を用いてCo金属をスパッタリングした場合の同様の光学顕微鏡像である。 (a)はα-Al2O3の単結晶基板を用いてc面にNi金属をスパッタリングした場合における、ポリスチレンを塗布したNi膜の表面に生成したピットの光学顕微鏡像、(b)はα-Al2O3の単結晶基板を用いてa面にNi金属をスパッタリングした場合の同様の光学顕微鏡像である。(c)はMgOの単結晶基板を用いてNi金属をスパッタリングした場合の同様の光学顕微鏡像である。 α-Al2O3の単結晶基板を用いてa面またはc面にNi金属をスパッタリングした場合における、ポリスチレンを塗布したNi膜の表面に900℃で合成により生成したピットのSEM像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明では、単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜した基板を用いて、このエピタキシャルな金属膜に炭素原料を接触させることによりグラフェン薄膜を成長させる。
そしてこのような方法により得られるグラフェン薄膜において、一つの態様では、グラフェン薄膜が多数のグラフェンドメインから構成され、各ドメインの面積が0.000001μm2〜100000mm2、好ましくは0.000001μm2〜50000mm2、より好ましくは0.000001μm2〜100mm2であり、かつドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いている。
ここで「ドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いている」とは、グラフェン薄膜を形成した基板のLEED(低速電子回折)像が、6個の等間隔に並んだ回折スポット、あるいはやや幅をもった当該スポット、あるいは当該スポットからややずれた位置に強度が偏って観測されるリング状の回折パターンを有することを含む。例えば、グラフェン薄膜を含む複合体のLEED像は、6個の等間隔に並んだ回折スポット、あるいは当該スポットと当該スポットを中心に強度が偏在するリング状の回折パターンを有し、あるいは当該スポットと12個のスポットに偏在するリング状の回折パターンを有する。
特に本発明では、六員環の方位の面内のずれが±10°以内、さらには±5°以内に揃っているドメインが90%以上存在するグラフェン薄膜が提供される。ここで、六員環の方位の面内のずれは、後述の実施例に示されるような方法によりLEED像から算出することができる。
また、上記において各ドメインの面積は、例えば、SEM観察によるコントラストに基づいて確認される各ドメインの面積として定義される。ドメインサイズの平均は、好ましくは100nm2(0.0001μm2)以上、より好ましくは0.01μm2以上、さらに好ましくは1μm2以上、特に好ましくは100μm2以上である。ここでドメインサイズの平均は、例えば、合成したグラフェン薄膜より無作為に抽出した部分において、SEM観察によるコントラストに基づいて確認される各ドメインの面積の平均値として定義される。
本発明における一つの態様では、グラフェン薄膜の大部分の領域における層数が同一のグラフェンが提供される。
ここで「層数が同一」とは、グラフェン薄膜をラマン分光のマッピングにおいて2DバンドのピークとGバンドと強度の比から評価される層数、あるいは光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)による観察によりコントラストから評価される層数に基づくものである。そして本発明では、層数が同一のグラフェンの割合がグラフェン薄膜全体の30%以上(例えば30〜100%ないし30〜80%)、好ましくは50%以上(例えば50〜100%ないし50〜90%)、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上の面積を占めるグラフェン薄膜が提供される。ここで層数が同一のグラフェンには、例えば、2Dバンドの強度がGバンドの強度よりも大きな単層グラフェン、2Dバンドの強度がGバンドの強度とほぼ等しい二層グラフェン、あるいは三層グラフェンが含まれる。
本発明における一つの態様では、炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の大部分の領域にグラフェン薄膜を成長させる。例えば、炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の面積のうち30%以上、好ましくは50%以上(例えば50〜100%ないし50〜80%)、より好ましくは80%以上(例えば80〜100%ないし80〜90%)、さらに好ましくは全面(すなわち、例えば90%以上)の領域にグラフェン薄膜を形成することを含む。面積の評価は、必要に応じて走査型電子顕微鏡(SEM)による観察や、SiO2/Si等の基板に転写した後の光学顕微鏡観察により行うことができる。
以下、上記に例示されるようなグラフェン薄膜を製造する方法について説明する。
単結晶基板としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属などの金属酸化物単結晶を用いることができる。具体的には、例えば、MgO(酸化マグネシウム)、α-Al2O3(サファイア)、SiO2(水晶)、LaAlO3(LAO)、TiO2(二酸化チタン)などが挙げられる。
単結晶基板のサイズは、特に限定されないが、良好なグラフェン薄膜を得ることやその他の条件も考慮すると、例えば1〜1,000,000mm2であり、好ましくは100〜10,000mm2である。
金属膜の金属種としては、Co、Ni、Fe、Cu、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Ti、Al、Ag、Mg、Mn、Cr、Snなどの遷移金属や貴金属が挙げられる。
単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜する際には、例えば、単結晶基板の上にスパッタリングを行う。高温でスパッタリングした方が、より高品質な膜が得られる。この高温でのスパッタリングにより、単結晶基板の方位に配向したエピタキシャルな金属膜が得られる。
スパッタするときの単結晶基板の熱処理温度は、単結晶基板や金属膜の種類にもよるが、20〜800℃が好ましく、より好ましくは200〜500℃である。
エピタキシャルな金属膜の膜厚は、良好なグラフェン薄膜を得ることやその他の条件も考慮すると、0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.02〜0.5μmである。
例えば、サファイアの単結晶基板の種類にはc面(0001)、a面(11-20)、r面(1-102)がある。また、MgO(001)面の表面にCo膜を成膜するとfcc-Co(001)が形成される。この場合、エピタキシャル関係はfcc-Co{001}//MgO{001}で、面内の配向はfcc-Co<100>//MgO<100>である。また、MgO(111)面の表面にCo膜を成膜するとfcc-Co(111)またはhcp-Co(0001)膜が形成される。Niを金属に用いた場合には、fcc構造しか取らないため、Ni(001)//MgO(001)やNi(111)//MgO(111)の構造を取る。
なお、グラフェンは六角形の構造を持つため、グラフェンのエピタキシャル的成長にはこの六角形構造に良くマッチする結晶構造を持った金属膜を作製することが望ましく、例えばグラフェンと同様の表面周期構造を有していることが好ましい。
このエピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることによりグラフェン薄膜を成長させる。炭素原料を接触させる方法としては、まず、気体状の炭素含有分子を接触させ、炭化反応を行う方法が挙げられる。
炭素含有分子としては、炭化水素、ヘテロ原子含有分子等を用いることができる。
炭化水素としては、好ましくは炭素数10以下の化合物、より好ましくは炭素数5以下の化合物を用いることができる。具体的には、例えば、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、ペンタン、ペンテン、シクロペンタジエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヘテロ原子含有分子としては、好ましくは炭素数10以下の化合物、より好ましくは炭素数5以下の酸素、窒素、ホウ素等のヘテロ原子を含有する化合物を用いることができる。具体的には、例えば、メタノール、エタノール等のアルコールや一酸化炭素等が挙げられる。
このような炭素含有分子は、単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜した基板を配置したチャンバ内に一定の圧力で供給することが好ましい。このとき、チャンバ内に、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスや水素ガスと共に供給してもよい。
チャンバ内の炭素含有分子の圧力は、大気圧ないし減圧下、好ましくは105〜10-5Pa、より好ましくは105〜10-3Paである。熱処理温度は、グラフェンの形成速度や良好なグラフェン薄膜を得る点からは、好ましくは300〜1200℃、より好ましくは500〜1000℃である。熱処理時間は、好ましくは1〜300分間、より好ましくは10〜60分間である。
熱処理のための加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、誘導加熱、輻射熱、レーザ、赤外線、マイクロ波、プラズマ、紫外線、表面プラズモンによる加熱などを用いることができる。
また、CVDでグラフェンを合成する前に、CVD合成温度よりも低温での水素アニールによって触媒の金属膜表面を還元することで、CVD合成時の高温においても金属膜表面の結晶性を改善することができる。具体的には、低温での水素アニールを行うことで触媒金属の凝集や金属膜表面におけるピットの生成を抑制し、これにより大面積なグラフェンのエピタキシャル的な成長が可能とされる。この低温での水素アニール後、CVD温度での水素アニールを行うことも有効である。
この水素アニールは、CVDを行うチャンバ内に試料を設置し、CVD合成の直前に行うことができる。水素アニールの温度は、例えば400〜600℃で行うことができ、アニール時間を長くするほど触媒の結晶性が向上し、合成されるグラフェンの質も向上する。水素アニール時におけるガスの供給は、例えば、400〜600sccmの水素を不活性ガスとともに流しながら行うことができる。
また、エピタキシャルな金属膜に炭素原料を接触させる別の方法としては、エピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料として有機高分子膜を形成し、次いで有機高分子を真空中で熱分解する方法が挙げられる。
有機高分子としては、炭素原子を主鎖、あるいは側鎖にもつ高分子を用いることができる。その具体例としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。中でも、ポリスチレンが好ましい。
有機高分子膜の形成方法は、特に限定されないが、例えば、有機高分子を必要に応じて溶媒に溶解し、スピンコート等により形成できる。なお、フラーレン等の有機分子も真空蒸着によって堆積して用いることも可能である。
有機高分子膜の厚さは、炭素原料の導入量を制御し、グラフェン薄膜の膜厚を制御する点から調整される。有機高分子膜の厚さを薄くすることで、単層のグラフェン薄膜も合成できる。有機高分子膜の膜厚は、1〜30層、中でも1〜20層の良好なグラフェン薄膜を得る点からは、有機高分子の種類にもよるが、0.001〜50μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μmである。さらに、スパッタ等により堆積させたアモルファスカーボン、グラファイト状カーボン、ダイアモンドライクカーボンを薄く堆積させて用いることもできる。
エピタキシャルな金属膜の表面に形成した有機高分子を熱分解してグラフェン薄膜を成長させる際には、大気圧ないし減圧下、好ましくは105〜10-9Pa、より好ましくは105〜10-5Paの圧力下で、昇温条件、冷却条件にも留意しつつ、好ましくは300〜1200℃、より好ましくは500〜1000℃の範囲に、好ましくは1〜300分間、より好ましくは10〜60分間保持して行う。この熱処理は、不活性ガスや還元性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。また、加熱方法としては、例えば、赤外線、マイクロ波、誘導加熱、輻射熱、レーザ、プラズマ、紫外線、表面プラズモンによる加熱などを用いることができる。
以上に説明したような方法によってエピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることにより、金属膜の表面にグラフェン薄膜が合成される。このグラフェン薄膜は、前述したような基板全体を覆う大面積のものであり、層数の均一性が高く、ドメインバンダリーが少なく、結晶方位には一定の秩序(配向性)が見られる。グラフェン薄膜の厚さは、例えば1〜30層、好ましくは1〜20層、より好ましくは1〜10層である。
(第2の実施形態)
本発明のグラフェン薄膜において、一つの態様では、面積0.0001〜1000000μm2の三角形、四角形、六角形、八角形または円形の平面形状を有するグラフェン薄膜、あるいは、平面形状のグラフェン薄膜の辺がジグザグ構造またはアームチェア構造を有するグラフェン薄膜が提供される。
このようなグラフェン薄膜は、前述の第1の実施形態において説明したような方法によってエピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることにより、金属膜の表面に合成される。典型的には、加熱時にエピタキシャル膜に四角形や三角形のピットが形成され、その中に優先的にグラフェン薄膜が生成する。従って本発明のグラフェン薄膜は、主に三角形や四角形など特徴的な形状を有する。このグラフェン薄膜は、例えば0.0001〜1000000μm2、好ましくは0.001〜10000μm2の上記のような平面形状を有し、厚さは1〜30層、好ましくは1〜20層、より好ましくは1〜10層である。
このようなグラフェン薄膜は、前述の第1の実施形態と同様な方法により、エピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることで得ることができるが、基板の上に金属膜を成膜する際においてスパッタリングの温度などによる金属膜の結晶性が変化し、このことが得られるグラフェン薄膜の状態に影響する要因となると考えられる。
以上に説明した第1および第2の実施形態のグラフェン薄膜は、単結晶基板と、この単結晶基板上に成膜したエピタキシャルな金属膜と、この金属膜の表面に成長したグラフェン薄膜とを有する複合体として得ることができるが、この複合体よりグラフェン薄膜を酸処理により基板から分離することができる。酸処理は、例えば、塩酸などの酸性エッチング溶液に、基板を例えば0〜100℃の温度で、10分〜1週間の間浸漬することにより行うことができる。
また、触媒金属の還元電位の差を利用した方法によりグラフェン薄膜を基板から分離することもできる。例えば、塩化鉄等の還元電位の小さな金属のエッチング溶液に浸すことによりグラフェン薄膜から金属を除去する方法が知られている(非特許文献2参照)。
このようにして分離したグラフェン薄膜は、例えば、このグラフェンを含有する液をSiO2/Si基板や、フレキシブル基板に例示されるプラスチック基板などに接触させることでこれらの基板に転写することができ、このグラフェン薄膜が基板に転写された複合体は、デバイス等としての応用が可能となる。例えば、大きさ(平面面積)が10nm2〜1m2である複合体を得ることができる。
例えば、簡便な方法としては、長時間基板をエッチング溶液に浸しておくことで、グラフェン薄膜がエッチング溶液の液面に浮いてくるので、それをシリコン基板(例えば300nmの酸化膜をつけたSiO2/Si基板)ですくい取ることで転写することができる。
あるいは、PMMA等の高分子をグラフェン膜の生成した基板表面にスピンコートし、必要に応じて熱で剥離するサーマルテープを高分子の上に貼り付ける。そして高分子で覆われた基板をエッチング溶液に浸漬すると、高分子とグラフェンが(サーマルテープを使用している場合はサーマルテープ/高分子/グラフェンが)、液面に浮遊する。それをピンセット等で回収し、純水、もしくは塩酸に浸した後に純水で数回洗浄し、シリコン基板に移す。ゆっくり乾燥させた後、サーマルテープを用いた場合には加熱して剥がし、基板をアセトンに浸して高分子を溶解させ、基板上にグラフェンだけを残す。この転写方法によれば、PMMA等の高分子(あるいはサーマルテープと高分子)によって、グラフェンの形状を乱すことなく回収でき、洗浄も可能である。最後に、アセトン等の有機溶媒、もしくは加熱処理により高分子を除去させてグラフェンを得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
1.単結晶基板表面へのスパッタリングによるエピタキシャル金属膜の成膜
下記の実施例において、単結晶基板としてサファイア(α-Al2O3)のc面(0001)、a面(11-20)、r面(1-102)、およびMgOの(100)面、(111)面などを用いた。
上記の単結晶基板を例えば10mm角程度に切断し、この単結晶基板をRFマグネトロンスパッタリング装置のチャンバ内に装着して、300〜400℃に加熱した状態で単結晶基板表面にCo金属またはNi金属をスパッタリングした(Ar雰囲気、真空度は0.6 Paが標準)。
これにより、膜厚30〜500nmのCo膜またはNi膜をエピタキシャル的に堆積させた。スパッタ後のXRD測定結果の一例を図1に示す。Co金属またはNi金属をc面サファイア上に堆積させた基板からはそれぞれ図1(a)、(b)に示されるようにfcc(111)面による回折線のピークが得られた。このように、c面サファイア上でCo金属とNi金属のfcc(111)面の薄膜がエピタキシャル的に成長していることが確認された。
2.転写
下記の実施例において、合成したグラフェンの詳細な評価を行うために、単結晶基板上に形成したグラフェン薄膜をSiO2/Si基板上に転写した。グラフェン薄膜をSiO2/Si基板上に転写することで、光学顕微鏡によりグラフェンの層数の違いによるコントラストを容易に観察することができ、ラマン分光においてもグラフェンから得られるピークが強くなり正確な評価が可能となる。
典型的には次の方法で転写を行った。合成後の単結晶基板にPMMAをスピンコートして170℃で1時間ベーキングを行い、グラフェンを保護するためのPMMA膜を形成した。PMMA上から四角形の枠の形に切ったサーマルテープ(日東電工社製Revalpha)を貼り付け、サーマルテープの外周に沿ってカッターで切れ目を入れた。FeCl3溶液(1mol/L)に基板を浸し、触媒が十分にエッチングされてグラフェンがサーマルテープとPMMAごと溶液表面に浮き上がった後、これをピンセットで拾い上げた。純水を用いてFeCl3溶液を洗い流した後、SiO2/Si基板上に置いて1時間程度自然乾燥させた。その後130℃まで加熱し、サーマルテープの粘着性を無くしてPMMA膜上から取り除き、最後にアセトンでPMMA膜を除去した。
<実施例1>
CVD法によるグラフェンの合成を行った。水平型の管状炉を用い、管状炉に取り付けた石英管の中央部に触媒金属を成膜した単結晶基板を設置した。この基板の試料台の端には磁石を組み込み、電気炉の石英管の外から磁石でスライドさせることで試料の基板を電気炉の高温部と低温部との間で移動させ、試料の急冷却等を行った。
基板には上記のようにして作製したCo/c面サファイアまたはNi/c面サファイアを用いた。炭素原料にはメタンガスを用い、900℃でのCVD合成の前に石英管内で基板に対して500℃での水素アニールを行った。昇温過程から冷却過程までの温度と使用ガスの標準的な条件を図2に示す。
図2に示すような標準的な条件では、アルゴンガスを流して500℃に昇温した後、水素でアニールし、再度アルゴンに置換した後、900℃に昇温してメタンと水素を流してグラフェンを合成した。その後アルゴンに切り替え、すばやく基板を加熱ゾーンから取り出して急冷した。
昇温過程と冷却過程では常にアルゴンガスを200sccm流し続け、60分で室温から900℃まで到達するように電気炉を設定した。水素アニールはアルゴンガス600sccm、水素ガス500sccmを流しながら180分間行い、CVD合成はメタンガス50sccm、水素ガス1500 sccmを流しながら20分間行った。以上の標準的な条件より、水素アニールの時間等を適宜に変更して試験を行った。
なお、低温での水素アニールにより触媒表面の結晶性が大幅に改善される。これを示すものとして、別途に次の試験を行った。Co/c面サファイアを用いて、図2に示したようなプロセスの昇温途中で電気炉を500℃に保ち、アルゴンガス600sccm、水素ガス500sccmを流しながら120分間の水素アニールを行った後、合成温度である900℃まで加熱した。900℃でCVD合成時間である20分間加熱した後、基板を図2と同様の条件で冷却した。水素アニール中以外は常にアルゴンガス200sccmのみを流した。
このように処理した基板について光学顕微鏡とXRDを用いて評価を行った。図3は処理後の触媒表面の光学顕微鏡像、図4はXRD測定結果を示す。図3に示すように触媒表面にはほとんどピットが観察されず、図4のXRDの測定結果より、900℃に加熱した後でもfcc(111)面のピークのみが確認された。
低温水素アニールの時間(120分、180分)と金属触媒(Co、Ni)の種類を変更して同様の試験を行った。XRD測定の結果を図5および図6に示す。Co触媒とNi触媒ともに、fcc(111)面のピークのみが得られ、結晶性が高温でも保たれていると考えられる。また、アニール時間が長くなるにつれてfcc(111)面のピーク強度が強くなるとともに線幅が狭くなり、結晶性が向上していると考えられる。
これに対して、900℃で水素アニールを行いそれ以外は図2と同様にCVD合成を行ったところ、図7に示すようにCo触媒上に大量の黒点が見られた。AFMを用いて基板表面の測定を行ったところ、この黒点部分は数百nmのピットであることが判明した。ピットの深さは触媒薄膜の厚さよりも深いものとなっており、触媒薄膜を900℃まで加熱することで金属がより安定な構造をとろうとして凝集した可能性が考えられる。
図8にXRDで基板を測定した結果を示す。成膜直後は図1に示すようにfcc(111)面のピークしか得られていなかったのに対し、CVDを行った後ではfcc(111)面以外にもfcc(200)面やサファイア基板からのピークが見られた。
900℃前後に加熱することで触媒がfcc(111)面以外の構造をとっていてはグラフェンを均質にエピタキシャル的に成長させることは難しいと考えられる。また、100nm単位のピットが数μm間隔で多数存在している触媒表面上ではfcc(111)面が有効に働く領域が少なく、大面積なグラフェンの合成を阻害することが考えられる。
このように、fcc(111)のピーク強度がCVD前後で極端に弱くなっていることから、触媒薄膜の結晶性が十分でないために、基板を高温に加熱することで触媒がより安定な構造をとろうとして凝集した結果、fcc(111)面が崩れ、大量のピットもその過程で生成しているのではないかと考えられる。これに対して、基板を900℃まで加熱する前の段階でCVD合成温度よりも低温で長時間水素アニールを行うことで、触媒表面を還元すると同時により結晶性の良いfcc(111)面を得ることができ、均質なグラフェンのエピタキシャル的な成長に適した高い結晶性を持つ触媒表面を高温でも保つことができる。
次に、図2の条件でグラフェンを合成し、その評価を行った。グラフェンの評価は上記の方法によりグラフェンをc面サファイア上からSiO2/Si基板上に転写してから行った。
CVD合成後のグラフェンの観察のために光学顕微鏡(ニコン ECLIPSE ME600)を用いた。またグラフェンの層数を評価するためにラマン分光装置(JASCO NRS-2100)を用いた。ラマン分光装置によりグラフェンを測定すると、アモルファス由来のDバンド、グラファイト構造由来のGバンド(1580-1590cm-1付近)、グラフェン由来の2Dバンド(2675-2715cm-1付近)を得ることができ、これらを用いてグラフェンの層数を評価することが可能である。得られたピークにおいて、IG(Gバンド強度)<I2D(2Dバンド強度)であれば単層グラフェン、IG≒I2Dであれば2層グラフェン、IG>I2Dであれば3層以上のグラフェンであると判断することができる。また、どの程度の領域を単層グラフェンが占めているかを調べるためにラマン分光装置のマッピング機能を用いて測定を行った。
図9にCo/c面サファイアを用いて合成したグラフェンの光学顕微鏡像を示す(水素アニール時間180分)。低倍率の光学像(図9(a))より、転写後も数百μm以上のグラフェンが確認され、十分な面積を持ったグラフェンが合成されたと考えられる。さらに倍率を上げて観察を行ったところ(図9(b))、単層グラフェンに近いと思われる領域が存在しているのが観察された。
Co/c面サファイアを用いて合成したグラフェンのラマンスペクトルを図10に示す(水素アニール時間120分、180分)。このように単層グラフェンの存在が確認された。
次に、どの程度の領域を単層グラフェンが占めているかを調べるためにラマン分光装置のマッピング機能を用いて測定を行った。この測定ではグラフェン上の20×20μmの範囲を1μm刻みで合計400点測定した。図11に測定結果を示す(水素アニール時間180分)。この図はGバンドと2Dバンドが測定可能なそれぞれのラマンシフト範囲にわけて測定を行い、各点におけるピーク強度の強さによって色分け図を作成したものである。
測定結果より、多層グラフェンも存在してはいるが、単層グラフェンの領域が測定範囲内に均質に広範囲で存在していた。単層の領域は全体の50%以上を占めていると考えられる。水素アニール時間120分の場合も同様に単層の領域は全体の50%以上を占めていると考えられる。
図12にNi/c面サファイアを用いて合成したグラフェンの光学顕微鏡像を示す(水素アニール時間180分)。Co触媒を用いた場合と同様に低倍率の光学像から転写後も数百μm以上のグラフェンを確認することができ(図12(a))、十分な面積を持ったグラフェンが合成されていると考えられる。倍率を上げて観察を行ったところ(図12(b))、所々に多層グラフェンと思われる部分が見られはしたが、それ以外の部分は単層グラフェンの領域となっており、均質な膜が観察された。
Ni/c面サファイアを用いて合成したグラフェンのラマンスペクトルを図13に示す(水素アニール時間120分、180分)。Co触媒を用いた場合と同様に光学顕微鏡で単層グラフェンと考えられた領域から単層グラフェンのピークが得られた。
次に、どの程度の領域を単層グラフェンが占めているかを調べるためにラマン分光装置のマッピング機能を用いて測定を行った。図14に測定結果を示す(水素アニール時間180分)。
測定結果より、測定範囲のほとんどの領域に単層のグラフェンが存在し、大面積に単層のグラフェンを得ることができた。
次に、図2の条件からCVD合成時の条件のみ変更し、メタンガスを15sccm、水素ガスを450sccm流してメタンガスの濃度が3vol%になるように調節して合成を行った。基板はCo/c面サファイア、Ni/c面サファイアを用いた。
合成したグラフェンをSiO2/Si基板に転写して光学顕微鏡で観察した結果を図15に示す。
低倍率の光学像から(図15(a))、Co触媒を用いた場合では全体の70-80%程度にグラフェンが析出していると考えられる。この確認は、光学顕微鏡像のRGB成分のうち、G成分だけを抽出し、その強度の空間分布(ピクセル分布)を解析することで行った。倍率を上げて観察を行ったところ(図15(b))、析出しているグラフェンには多層と思われる場所がほとんど存在しておらず、10mmの範囲では単層の割合は全体の90%を超えていると考えられる。
Ni触媒を用いた場合ではグラフェンは全面に、しかも多層部分をほとんど含まない状態で合成できていると考えられる(図15(c)、(d))。
これらのグラフェンのラマンスペクトルを測定した結果を図16に示す。いずれのグラフェンからもシャープな単層グラフェンのピークを得ることができており、光学顕微鏡像とあわせて広範囲に単層のグラフェンを合成することができていると考えられる。
単層グラフェンの領域を調べるためにグラフェン上でラマンマッピング測定を行った結果を図17に示す。どちらのグラフェンにおいても測定範囲のほとんどの領域で2DバンドのピークがGバンドのピークよりも強くなっており、少なくとも単層領域が全体の70%以上を占めるグラフェンを合成することができたと考えられる。
次に、合成したグラフェンの結晶方位を評価するために図2の条件で合成したグラフェンの低速電子回折(LEED:Low-energy electron diffraction)を測定した。
LEED法では、典型的な結晶の原子間隔と同程度の大きさの波長を持つ数十から数百eVの低エネルギー電子を物質の表面に入射することで、表面の原子を回折格子とした回折像(LEED像)を得る。この回折像は表面の2次元的な周期性を反映し、さらに表面原子の逆格子図形となるため、回折像を得ることで表面原子の構造を解析することが可能となる。
CVD合成後の基板表面を測定することで、グラフェンが触媒であるCoまたはNiのfcc(111)面上にエピタキシャル的に成長し、結晶方位の揃ったものとなっているかどうかを確認した。具体的には、基板に垂直に電子線を照射し、その散乱を観測してLEED像を測定し、基板表面の対称性を解析した。
Co/c面サファイアから図2の条件で合成したグラフェンにおけるグラフェン/Co/c面サファイアのLEED像を図18に、Ni/c面サファイアから図2の条件で合成したグラフェンにおけるグラフェン/Ni/c面サファイアのLEED像を図19に示す。
図18、図19に示されるように、6点の回折スポットに加えて、リング状の回折パターンが観察された。
Co/c面サファイア、Ni/c面サファイアともに、グラフェンと同じ6回対称性を有することから、いずれの場合もLEED像は6個の等間隔に並んだスポットを与えると考えられる。そして金属のfcc(111)面上にグラフェンがエピタキシャル的に成長している場合には、その回折パターンは6点のスポットに重なると考えられる。
一方、図18、図19では、それらのスポットからややずれた位置にグラフェン由来と推測されるリング状の回折パターンが観測された。このリング状のパターンは、完全なリングではなく、リングに強弱があり、スポットから30°ずれたところが比較的強くなっている。このことから、整合性を持たせたモデル構造から判断すると、図20に示すように下地の金属触媒から30°程度(より正確には25°と35°と考えられる)ずれた構造でグラフェンが析出し、その構造は1mmのビーム径の中で比較的向きが揃っていることを示していると解釈できる。すなわち、CVDで合成したグラフェンの向きは下地の金属触媒とある秩序をもって成長していると考えられる。
次に、走査型電子顕微鏡(SEM: Scanning electron microscope)を用いてグラフェンの表面構造を観察し、合成したグラフェンがどのようなドメインを持っているかについて評価を行った。SEMを用いることで、グラフェンの層数の違いによるコントラスト変化を観察することができ、合成直後のグラフェンのドメインサイズを測定することができる。
メタンガス濃度3vol%において合成した基板から得られたSEM像を図21、22に示す。なお、SEM像ではグラフェンが厚い場所ほど濃い像を示すようになる。
いずれの触媒を用いた場合でも多層グラフェンと思われる濃い領域はほとんど見られず、白い層、薄い灰色の層、濃い灰色の層の3種類のコントラストが基板上のほとんどを占めた。白い層のコントラストが他のコントラストからの差が大きく見られることから、白い層は触媒金属が露出している領域であると考えられ、薄い灰色の領域が単層グラフェンと考えられる。そして図21、22より、グラフェンが平均で1μm2程度のドメインサイズを持って広範囲に存在していると考えられる。
従って、基板全体の70%の領域は単層グラフェンで覆われているのではないかと考えられる。コントラストの種類も抑えられており、ドメイン数も少ないことから、層数と結晶構造が制御されていることが示唆された。
図23に合成したグラフェンのSTM(走査型トンネル顕微鏡)像を示す(10nm×10nm)。膜がつながったきれいなドメインであることが確認された。
<実施例2>
サファイアのa面、c面、またはr面上にCo触媒を成膜した基板を用いて、実施例1に準じてグラフェンを合成した。得られたグラフェンをSiO2/Si基板上に転写した。その光学顕微鏡像を図24に示す。また、図25に光学顕微鏡像(左)と同位置のラマンマッピングデータ(中央)、ならびに代表的なラマンスペクトル(右)を示す。a面、c面、r面のいずれの場合も広範な領域に均質なグラフェンが合成された。
<実施例3>
炭素原料にエタノールを用いて真空下でのCVD合成を行った。基板はサファイアのr面を用いた。真空チャンバ内に基板を設置し、10-5Paにて室温から30分で750℃まで昇温した。昇温後、エタノールを供給して2Paで60分間CVD合成を行い、その後10-5Paにて放冷した。
得られたグラフェンをSiO2/Si基板上に転写した。その光学顕微鏡像を図26に示す。1mmサイズ以上の大きな膜を得ることができた。図27は、SiO2/Si基板上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像とその位置A〜Dに対応するラマンスペクトルである。このように広範な領域にグラフェンが合成された。
<実施例4>
高分子の熱分解によるグラフェン合成を行った。Ni/MgO(100)基板を用い、そのNi膜にポリスチレンをスピンコートした後、これを真空中で加熱した。10-4Pa程度の真空に保ち、5分で900℃まで昇温し、30分保持した後に、室温まで冷却した。加熱には赤外線ゴールドイメージ炉を用い、冷却が十分な速さで起こるようにした。均一なグラフェン膜を合成するためには、Ni等の金属触媒を比較的厚く、かつ高温でスパッタ堆積させることが好ましい。具体的には100 nm以上の膜厚と350℃以上の堆積温度が好ましい。
得られたグラフェンをSiO2/Si基板上に転写した。その光学顕微鏡像を図28に示す。なお、グラフェン膜が全面に形成しているのを示すために、視野内に転写時に破れた部分を含んでいる。写真内の正方形の形状は、ピット内に形成されたグラフェンを示す。このように、ピット内のグラフェンは孤立せず、基板全面にほぼ同じ厚さのグラフェンが形成された。
図29は、図28を拡大した光学顕微鏡写真と、各点でのラマンスペクトルである。光学顕微鏡のコントラストはピットの周囲を除いて均一であることから層数は均一であると推測できる。さらにラマンスペクトルは2DバンドがGバンドよりも強いことから、ほぼ全体に単層または二層のグラフェンが生成・転写されていると考えられる。
なお、Ni/MgO(100)基板の作製時においてやや高い温度(300℃よりも400℃)でスパッタリングをすると金属触媒の結晶性が高くなり、より良好な質のグラフェン膜を得るこことができた。
<実施例5>
実施例1において、成長温度を1000℃に変更した。また、CVD中はCH4 5sccm、H2300sccmと900℃に比べてメタン濃度を低くして反応を行った。その後の急冷時においてはガスと流量をAr 800sccm、H2 35sccmにして、それ以外は実施例1と同様にしてグラフェンの合成を行った。
得られたグラフェンの各種測定結果を図30に示す。(a)は、Co/c面サファイアを用いて1000℃で合成したグラフェンの断面TEM像、(b)はシリコン基板(SiO2(300nm)/Si)上に転写したグラフェンの光学顕微鏡像、(c)はそのグラフェンのGバンド(1585cm-1付近)のラマンマッピング画像、(d)は2Dバンド(2675cm-1付近)のラマンマッピング画像((c)、(d)のマッピングエリアは(b)の四角で囲った領域を測定)、(e)は(d)でマークした領域のラマンスペクトルである。このように、より均質な単層グラフェンが成長し、特に2Dバンドが実施例1に比べてシャープになった。
また、LEED像に関する測定結果を図31に示す。(a)は、Co/c面サファイアのLEED像(ビームエネルギー180eV)、(b)、(c)は、グラフェン/Co/c面サファイアのLEED像((b):900℃で成長、(c):1000℃で成長、ビームエネルギー180eV)、(d)は900℃および1000℃で成長したサンプルの(10)、(11)、(12)回折スポットの強度変化の比較、(e)、(f)はビームエネルギーを変更して(e)900℃および(f)1000℃で成長したサンプルについて測定したLEED像である。(g)、(h)はLEEDパターンから推測されるCo原子とグラフェンの相対的な方位関係である((f):900℃で成長、(g):1000℃で成長)。測定は真空中(8×10-9Pa以下)80Kで行った。
水素アニーリングのみ行いグラフェン成長を行わなかったCo/c面サファイアのLEED像はLEED像がほとんど観測されなかった(図31(a))。これは空気曝露によりCo表面が酸化し周期的な表面構造が存在しなくなったためと考えられる。一方、実施例1の900℃での合成では、LEED像はCo格子からの回折によると考えられる6個の等間隔に並んだシャープな回折スポットと、グラフェンからの回折によると考えられる12個のスポットに偏在するリング状のブロードな回折パターンを示した。これはCoの格子から22°回転したグラフェンが多数のドメインで存在していることに対応している(図31(g))。
これに対して1000℃の合成では(図31(c))、6個の強いスポットがリング状のストリークを伴わずに観察された。図示はしないがI-V曲線の分析より、これら6個のスポットはCo格子とグラフェンの両方に由来することが分かった。この結果より、1000℃の合成ではCo格子からの回転が0°で(図31(h))グラフェンがCo fcc(111)面により良い方向が制御なされた形でエピタキシャル成長していることが分かった(図34)。
1000℃での合成により得られたグラフェンについて六員環の方位の面内のずれを次の方法で測定した。図35の100eVでの測定例を参照して±5°の範囲を例として説明すると、2つの円で囲われた範囲のピーク強度を積分し(積分強度A)とする。次にこのピークから、±5°の範囲のピーク強度を積分し、(積分強度B)とする。そして(積分強度B)×6個/(積分強度A)×100の式で算出した値を六員環の方位の面内のずれ(%)として評価した。その結果、1000℃での合成により得られたグラフェンでは六員環の方位の面内のずれが±5°以内に揃っているドメインが90%以上存在し、結晶配向が非常に良く制御されていた。また、実施例1の900℃での合成により得られたグラフェンも、その六員環の方位の面内のずれの分布は±8°であり、結晶配向の方向制御がなされていた。なお、100eVの電子エネルギーを用いると、図31(d)の矢印で示したようにLEEDの6個のスポットの強度はほぼグラフェンからの回折のみとなり、上記の算出が可能となる。また、上記の六員環の方位の面内のずれは、金属膜上のグラフェンを他の基板に転写した後にも測定できる。
そして、900℃で合成した実施例1に比べて1000℃で合成した場合の方が単層の割合がさらに高くなる傾向が見られた。具体的には900℃の合成では概ね単層の割合が70%であるのに対し、1000℃の合成では、サンプルごとにバラツキはあるが80〜90%程度が単層になった。
<実施例6>
実施例5において、金属膜にCoの代わりに銅(Cu)を用い、それ以外は実施例5と同様にしてグラフェンを合成した。図32、図33にその結果を示す。図32の(a)はCu/c面サファイアを用いて1000℃で合成したグラフェンのSEM像、(b)はそのAFM像、(c)はシリコン基板上に転写したグラフェンの写真、(d)はその光学顕微鏡像((d)中の楕円で囲った領域はシリコン基板を示す。)、(e)はCu/c面サファイアからシリコン基板上に転写後のグラフェンのIG/I2Dのラマンマッピング画像、(f)は2Dバンドの半値幅(FWHM)のラマンマッピング画像、(g)は(e)と(f)の丸で囲ったスポットの典型的なラマンスペクトルである。図33は、グラフェン/Cu/c面サファイアのLEED像((a):900℃で成長、(b):1000℃で成長、ビームエネルギー140eV)である。(a)の丸で囲った領域がCo格子の回折スポットである。(b)の丸で囲った領域はCo格子とグラフェンの両方の回折スポットである。(c)はこれらのLEED像の説明図である。
実施例5の場合と同様に均質な単層グラフェンが成長し、また、1000℃での合成により得られたグラフェンでは六員環の方位の面内のずれが±5°以内に揃っているドメインが90%以上存在し、結晶配向が非常に良く制御されていた。
なお、1000℃の合成ではCu(111)格子に対してグラフェン格子の回転が0°、900℃の合成では回転が30°であった。また、Cu/SiO2(300nm/)Siを用いてもグラフェンが成長した。
<実施例7>
次のようにしてグラフェンを合成した。
1)単結晶基板表面へのスパッタリングによるエピタキシャル金属膜の成膜
MgOの(001)面または(111)面を利用した単結晶基板を10mm角程度に切断し、この単結晶基板をRFマグネトロンスパッタリング装置のチャンバ内に装着して、300℃に加熱した状態で単結晶基板表面にCo金属をスパッタリングした。
これにより、膜厚50nmのCo膜を成膜した。また、比較のため別途に、単結晶基板を室温のままスパッタリングした。
2)グラフェン薄膜の合成と熱処理後の金属膜
次に、このCo膜にポリスチレンをスピンコートし、真空中で加熱した。10-4Pa程度の真空に保ち、5分で900℃まで昇温し、30分保持した後に、室温まで冷却した。加熱には赤外線ゴールドイメージ炉を用い、冷却が十分な速さで起こるようにした。
熱処理後の基板表面の性状を図36、図37に示す。図36(a)はポリスチレンを塗布したCo膜の表面に生成したピットの光学顕微鏡像、図36(b)はそのSEM像である。図37(a)はCo膜の表面に生成したピットのAFM像、図37(b)は高さプロファイルである。図37より、Co膜の表面に穴が生成し、その周辺はCo金属が盛り上がっていることが分かる。
このポリスチレンを塗布して熱分解したCo膜が単結晶に近いことは、図38のEBSD(Electron Back Scatter Diffraction Patterns)や、詳細は省略するがXRDからも明らかになった。図38に示したEBSDでは、基板全面が赤色で、右の三角形から(001)面が上を向いていることが分かる。このように結晶全体が(001)方向を向いており、詳細な解析から面内方向にも方位が揃っていることが明らかになった。
3)グラフェン薄膜
ポリスチレンを塗布して熱分解したCo膜の表面に生成したグラフェン薄膜の解析を行った。グラフェンの解析には、主にRaman分光が用いられている。Raman分光では、グラファイト構造に由来する1583cm-1付近に現れるGバンド、2700cm-1付近に現れる2Dバンド、そして欠陥に由来する1350cm-1付近に現れるDバンドが代表的なものである。参考として図39に、(a)単層グラフェンと(b)二層グラフェンのラマンスペクトルを示す。
グラフェンの厚さは、2D/Gのピーク比や2Dの位置や形状から推測されることが多い。例えば、2D/Gが1よりも大きければ単層グラフェンで、1程度であれば二層グラフェン、1よりも小さければ三層以上の多層グラフェンと考えられている。
このようなグラフェンの空間的な広がりを知るためには、サンプルをのせたステージを動かしながらラマン散乱を測定する、二次元マッピングが有効である。そこで、図36、図37に示すように四角形のピットが形成されたサンプルに対してラマンマッピングを行った。その結果を図40に示す。(a)はGバンド、(b)は2Dバンドの強さを示す。(c)は対応する視野の光学顕微鏡像、(d)は典型的なラマンスペクトルである。
図40から明らかにピット内に優先的にグラフェン膜が生成していることが分かる。このピットのサイズは、5μm-10μmであり、大きい場合は20μmまで発達する。このサイズや密度は、高分子(PS)の厚さ、Coの厚さ、熱処理温度と時間により制御することができる。
また、図40よりピット内に生成したグラフェン薄膜は二層から五層程度と推測される。詳細は省略するが、本発明者らの試験によれば、二層あるいはそれより厚いものが多いと推測されるデータが多く得られている。しかし、この膜厚は高分子(PS)の厚さに依存し、PSを薄くすることで、単層のグラフェンも合成できる。
MgO(001)上では四角形のピットが生成するが、MgO(111)面上のCo膜では三角形のピットが現れる。その結果を図41に示す。(a)はGバンド、(b)は2Dバンドの強さの分布を示す。(c)は対応する視野の光学顕微鏡像である。
4)パターニング
このピットは、基板を電子ビームリソグラフィ等によりパターニングした後、HClによる化学エッチングやRIEによるドライエッチングにより、またはFIBによる直接描画により、制御して作り出すことも原理的に可能である。図42はその一例であり、電子ビームリソグラフィと化学エッチングにより、位置を指定してピットを作製した例を示す光学顕微鏡像である(丸で囲んだ位置がパターニングした箇所である)。
4)転写
四角形または三角形のピット内に生成したグラフェン薄膜は、Coを溶解させることにより、SiO2/Si基板やフレキシブル基板などに転写が可能である。図43は、塩酸にグラフェン/Co/MgO(001)基板を浸しCoを溶解させた後に、シリコン基板にすくいとった後のAFM像である。この像から、ピット内にグラフェンが生成し、その形状はピットの形状と一致することが分かる。このようなグラフェンは、ボトムゲート構造や、絶縁膜の堆積によるトップゲート構造またはダブルゲート構造によりトランジスタの作製が可能である。
この転写されたグラフェン薄膜の高さは約1nmであり、数層のグラフェンであることが確認された。また、これはRaman分光の測定結果とも一致する(データは示していない)。
<実施例8>
実施例7において、Co金属の代わりにNi金属を用いてMgO単結晶基板の(001)面にスパッタリングした。これにより、膜厚50nmのNi膜を成膜した。このNi膜にポリスチレンをスピンコートし、実施例7と同様に真空中で熱処理を行った。
図44(a)〜(d)は熱処理後の基板表面のSEM像を示す。図45はピット内に生成したグラフェンのラマンマッピングの結果を示し、(a)はGバンド、(b)は2Dバンドの強さの分布を示す。図46は典型的なラマンスペクトルである。Ni金属を用いた場合にも実施例7と同様に四角形のピット内にグラフェン薄膜が生成した。
<実施例9>
実施例1において、MgO単結晶基板の代わりにα-Al2O3の単結晶基板を用い、c面またはa面にCo金属をスパッタリングした。これにより、膜厚50nmのCo膜を成膜した。このCo膜にポリスチレンをスピンコートし、実施例1と同様に真空中で熱処理を行った。
また、Co金属の代わりにNi金属を用いて同様の試験を行った。
図47(a)はα-Al2O3の単結晶基板を用いてc面にCo金属をスパッタリングした場合における、ポリスチレンを塗布したCo膜の表面に生成したピットの光学顕微鏡像、図47(b)はα-Al2O3の単結晶基板を用いてa面にCo金属をスパッタリングした場合の同様の光学顕微鏡像である。図47(c)に参照のために実施例1と同様にMgOの単結晶基板を用いてCo金属をスパッタリングした場合の同様の光学顕微鏡像を示す。図48(a)〜(c)は、Ni金属を用いた場合の図47と同様の光学顕微鏡像である。図49は、900℃で合成した場合におけるこれらのSEM像である。
α-Al2O3の単結晶基板を用いた場合にも実施例1と同様にピット内にグラフェン薄膜が生成した。
また、ポリスチレン塗布後の熱処理温度を500〜1000℃の範囲で変更し、単結晶基板(MgO、α-Al2O3)と金属膜(Co、Ni)を用いて、それ以外は実施例1と同様の条件で試験を行ったところ。これらの条件においてグラフェン薄膜が生成し、多くの場合においてピット内に選択的にグラフェンが生成していた。
そしてピット内に成長したグラフェンの形状の多くは、図36以降の写真等に示されるような三角形、四角形、六角形、八角形、円形、あるいは図47(a)、図48(a)、図49下段に示されるような、辺がジグザグ構造またはアームチェア構造を有する平面形状を有していた。

Claims (41)

  1. グラフェン薄膜が多数のグラフェンドメインから構成され、各ドメインの面積が0.000001μm2〜100000mm2であり、かつドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いていることを特徴とするグラフェン薄膜。
  2. 六員環の方位の面内のずれが±5°以内に揃っているドメインが90%以上存在することを特徴とする請求項1に記載のグラフェン薄膜。
  3. 六員環の方位の面内のずれが±10°以内に揃っているドメインが90%以上存在することを特徴とする請求項1に記載のグラフェン薄膜。
  4. 多数のドメインからなるグラフェン薄膜の全体としての大きさが1mm2〜50000mm2であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
  5. 層数が同一のグラフェンの割合が90%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
  6. 単層のグラフェンの割合が90%以上であることを特徴とする請求項5に記載のグラフェン薄膜。
  7. 単層グラフェンの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
  8. 二層グラフェンの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
  9. 三層グラフェンの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のグラフェン薄膜が基板に転写されたものであり、大きさが10nm2〜1m2であることを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
  11. 金属膜と、この金属膜の表面に成長した請求項1から9のいずれかに記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
  12. 単結晶基板と、この単結晶基板上に成膜したエピタキシャルな金属膜と、この金属膜の表面に成長した請求項1から9のいずれかに記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
  13. グラフェン薄膜を含む複合体のLEED(低速電子回折)像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットを有することを特徴とする請求項11または12に記載のグラフェン薄膜の複合体。
  14. グラフェン薄膜を含む複合体のLEED像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットと当該スポットを中心に強度が偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項11または12に記載のグラフェン薄膜の複合体。
  15. グラフェン薄膜を含む複合体のLEED像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットと12個のスポットに偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項11または12に記載のグラフェン薄膜の複合体。
  16. エピタキシャルな金属膜の表面に形成されたピット内に成長して得られたものであることを特徴とするグラフェン薄膜。
  17. 金属膜と、この金属膜の表面に形成されたピット内に成長した請求項16に記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
  18. 単結晶基板と、この単結晶基板上に成膜したエピタキシャルな金属膜と、この金属膜の表面に形成されたピット内に成長した請求項16に記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
  19. 三角形、四角形、六角形、八角形または円形の面積0.0001〜1000000μm2の平面形状を有し、厚さが1〜20層であることを特徴とするグラフェン薄膜。
  20. 辺がジグザグ構造またはアームチェア構造を有する面積0.0001〜1000000μm2の平面形状を有し、厚さが1〜20層であることを特徴とするグラフェン薄膜。
  21. 請求項16、19または20に記載のグラフェン薄膜が基板に転写されたものであることを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
  22. 単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜した基板を用いて、このエピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることによりグラフェン薄膜を成長させる工程を含むことを特徴とするグラフェン薄膜の製造方法。
  23. 炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の全面にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  24. 炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の80%以上の領域にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  25. 炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の50%以上の領域にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  26. 層数が同一のグラフェンの割合が90%以上のグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から25のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  27. 層数が同一のグラフェンの割合が70%以上のグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から25のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  28. 層数が同一のグラフェンの割合が50%以上のグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から25のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  29. 層数が同一のグラフェンは、単層、二層、および三層から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項26から28のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  30. グラフェン薄膜を構成するドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いているグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から29のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  31. グラフェン薄膜および金属膜を含む複合体のLEED(低速電子回折)像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットを有することを特徴とする請求項30に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  32. グラフェン薄膜を形成した基板のLEED像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットと当該スポットを中心に強度が偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項30に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  33. グラフェン薄膜を形成した基板のLEED像が、12個のスポットに偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項30に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  34. グラフェン薄膜のドメインサイズの平均が0.0001μm2以上であることを特徴とする請求項22から33のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  35. 単結晶基板がα-Al2O3、MgO、または水晶(SiO2)の単結晶基板であることを特徴とする請求項22から34のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  36. エピタキシャルな金属膜がCo、Ni、Fe、Cu、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Ti、Al、Ag、Mg、Mn、Cr、およびSnから選ばれる少なくとも1種の膜であることを特徴とする請求項22から35のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  37. エピタキシャルな金属膜に大気圧から減圧下の圧力下で気体状の炭素含有分子を供給して化学気相成長(CVD)によりグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から35のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  38. グラフェン薄膜の合成前に、グラフェン薄膜の合成時の温度よりも低い温度で基板の水素アニールを行うことを特徴とする請求項37に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  39. エピタキシャルな金属膜の表面に有機高分子膜を形成し、次いで有機高分子を真空中で熱分解することによりグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から36のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  40. エピタキシャルな金属膜の表面にグラフェン薄膜を成長させた後、酸処理または触媒金属の還元電位の差を利用した方法によりグラフェン薄膜を分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項22から39のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
  41. エピタキシャルな金属膜の表面に形成されたピット内に優先的にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
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