JP5541741B2 - グラフェンを主成分とする透明導電膜を備えた転写シートとその製造方法 - Google Patents

グラフェンを主成分とする透明導電膜を備えた転写シートとその製造方法 Download PDF

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本発明は、透明導電膜層を有する転写シートに関し、特に透明導電膜層としてグラフェンを主成分とする透明導電膜を備えた転写シートとその製造方法、に関するものである。
携帯電話などの通信機器、電子情報機器、液晶ディスプレイ、太陽電池などにおいては、透明性および導電性にすぐれた透明導電フィルムが必要とされている。
透明導電フィルムの透明な導電材料には、主に酸化インジウムスズ(ITO)が使用されている。ただし、ITOはレアアースであるインジウムを含むことから、安定供給、環境負荷等の面から代替材料の検討がなされている。
ITO代替材料としてはカーボンナノチューブ(CNT)、金属ナノワイヤー等が候補として挙げられている。その一つにグラフェン(Graphene)がある。グラフェンは、炭素原子が隣接する3つの炭素原子と結合し、蜂の巣構造を有する2次元物質である。2004年、A.GeimとK.Novoselovが粘着テープによる高配向グラファイトの機械的剥離により初めて単離し、今まで理論的に予測されたグラフェンの特異な物性が実験的に立証されて以来、多くの研究がなされている(例えば、非特許文献1)。
グラフェンの成膜は、触媒であるシート状のCuの基板(厚み15μm、25μm)を円柱形の反応器に巻きつけ、1000℃で化学気相成長(CVD)によりCu基板上に成膜した後、ロール・ツー・ロール方式が可能な長尺状の基板と貼り付け、そのCu基板をエッチングにより除去する等、多くの工程がかかった(例えば、非特許文献2)。これにより、コストがかかるとともに、生成したグラフェン膜がしわ、破れ等のダメージを受け、グラフェンの品質が低下する問題があった。また、一貫したロール・ツー・ロールによって、基材上にグラフェン膜を形成する作製手法はなかった。
K.S.Novoselov,A.K.Geim et al.,Science,306,666(2004) S.Bae et al.,Nature Nanotech.5,574(2010)
本発明は上記問題を解消するためになされ、その目的は、品質の高いグラフェンを導電材料とする透明導電性フィルムを作製するための転写シートを提供することにある。
上記目的を達成するために、発明者は鋭意検討した結果、グラフェンを導電材料とする透明導電フィルムを作製するための転写シートは、平滑性ある基体シートの上に、基体シートの平滑性を反映する金属薄膜層を形成し、その上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成した。
本発明の第1態様は、平滑性を備える基体シートと、前記基体シートの平滑性を反映するように基体シートの上に部分的又は全面に形成される金属薄膜層と、前記金属薄膜層の上に形成されグラフェンを主成分とする透明導電膜層と、前記透明導電膜層の上に形成される引き回し回路パターン層とを備える転写シートである。
本発明の第2態様は、平滑性を備える基体シートと、前記基体シートの上に部分的に形成される引き回し回路パターン層と、前記引き回し回路パターン層の上と、前記基体シート上の引き回し回路が形成されていない領域に前記基体シートの平滑性を反映するように部分的又は全面的に形成される金属薄膜層と、前記金属薄膜層の上に形成されグラフェンを主成分とする透明導電膜層と、前記透明導電膜層の上に形成される引き回し回路パターン層とを備える転写シートである。
本発明の第3態様は、平滑性を備える基体シートと、前記基体シートの平滑性を反映するように基体シートの上に部分的に形成される金属薄膜層と、前記金属薄膜層の上に形成され、グラフェンを主成分とする透明導電膜層と、前記透明導電膜層と前記金属薄膜層の端面形状に沿うようにして、前記透明導電膜層の端部から前記基体シートに亘って連続的に形成される引き回し回路パターン層とを備える転写シートである。
本発明の第4態様は、平滑性を備える基体シートと、前記基体シートの平滑性を反映するように基体シートの上に部分的に形成される金属薄膜層と、前記金属薄膜層の上に部分的に形成され、グラフェンを主成分とする透明導電膜層と、前記透明導電膜層の端面形状に沿うようにして、前記透明導電膜層の端部から前記金属薄膜層に亘って連続的に形成される引き回し回路パターン層とを備える転写シートである。
本発明の第5態様は、平滑性を備える基体シートと、前記基体シートの平滑性を反映するように基体シートの上に部分的又は全面に形成される金属薄膜層と、前記金属薄膜層の一部分に形成される引き回し回路パターン層と、前記引き回し回路パターン層と並設するよう前記金属薄膜層上に形成されるグラフェンを主成分とする透明導電膜層とを備える転写シートである。
本発明の第6態様は、前記金属薄膜層の厚さが、0.01〜1μmの転写シートである。
本発明の第7態様は、前記基体シート表面の算術平均粗さ(Ra)が20nm以下の転写シートである。
本発明の第8態様は、前記基体シートの上に離型層を備える転写シートである。
本発明の第9態様は、前記金属薄膜層の上に接着層を備える転写シートである。
本発明の第10態様は、平滑性を備える基体シート上の一部分にマスク層をパターン形成する工程と、前記基体シートの前記マスク層の形成されていない領域の一部に引き回し回路パターン層を形成する工程と、前記基体シートの前記マスク層と前記引き回し回路パターン層の形成されていない領域に金属薄膜層を形成する工程と、前記マスク層をその上に形成された金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、金属薄膜層を基体シート上に部分的に形成する工程と、前記部分的に形成された金属薄膜層と前記引き回し回路パターン層の上とにグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第11態様は、平滑性を備える基体シート上の一部分に引き回し回路パターン層を形成する工程と、前記基体シート上の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域と前記引き回し回路パターン層上、又は前記基体シート上の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域のみにマスク層を部分的に形成する工程と、前記基体シート上の前記マスク層と前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域と、前記マスク層上と、前記引き回し回路パターン層の上に金属薄膜層を形成する工程と、前記マスク層をその上に形成された前記金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、前記部分的に形成した金属薄膜層上と前記透明導電膜層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第12態様は、平滑性を備える基体シート上にマスク層を部分的に形成する工程と、前記基体シート上のマスク層が形成されていない領域と、前記マスク層に金属薄膜層を形成する工程と、前記金属薄膜層が形成された基体シート上の前記マスク層が形成されていない領域に引き回し回路パターン層を形成する工程と、前記マスク層をその上に形成された金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、前記部分的に形成された金属薄膜層上と前記透明導電膜上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第13態様は、平滑性を備える基体シート上にマスク層を部分的に形成する工程と、前記基体シート上の前記マスク層が形成されていない領域と、前記マスク層上に金属薄膜層を形成する工程と、前記マスク層をその上に形成された金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を基体シート上に部分的に形成する工程と、前記部分的に形成した金属薄膜層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、前記透明導電膜層の上に引き回し回路パターン層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第14態様は、平滑性を備える基体シート上にマスク層を部分的に形成する工程と、前記基体シート上のマスク層が形成されていない領域と、前記マスク層に金属薄膜層を形成する工程と、前記マスク層をその上に形成された前記金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、前記基体シート上の前記剥離除去されたマスク層が形成されていた領域、又は前記領域と前記基体シートの上に部分的に形成された前記金属薄膜層に引き回し回路パターン層を形成する工程と、前記基体シートの上に部分的に形成された前記金属薄膜層であって前記引き回し回路パターン層が形成されていない箇所にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第15態様は、平滑性を備える基体シート上に引き回し回路パターン層を部分的に形成する工程と、前記基体シートの前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域と前記引き回し回路パターン層の上に金属薄膜層を形成する工程と、前記金属薄膜層上の一部分にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層が形成されていない部分の金属薄膜層を除去したのち、前記レジスト層を剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シートまたは前記引き回し回路パターン層の上に部分的に形成する工程と、前記基体シートまたは前記引き回し回路パターン層の上に部分的に形成された前記金属薄膜層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第16態様は、平滑性を備える基体シート上に金属薄膜層を形成する工程と、前記金属薄膜層の上に引き回し回路パターン層を部分的に形成する工程と、前記金属薄膜層の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域にレジスト層を部分的に形成する工程と前記レジスト層が形成されていない箇所の金属薄膜層を除去したのち、前記レジスト層を剥離除去し、金属薄膜層を基体シート上に部分的に形成する工程と、前記部分的に形成した金属薄膜層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第17態様は、平滑性を備える基体シート上に金属薄膜層を形成する工程と、前記金属薄膜層上にレジスト層を部分的に形成する工程と、前記金属薄膜層の前記レジスト層が形成されていない箇所の金属薄膜層を除去したのち、レジスト層を剥離除去して、前記基体シートの上に前記金属薄膜層を部分的に形成する工程と、前記基体シートの上に部分的に形成された前記金属薄膜層の上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、前記透明導電膜層の上に引き回し回路パターン層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の第18態様は、平滑性を備える基体シート上に金属薄膜層を形成する工程と、前記金属薄膜層の上にレジスト層を部分的に形成する工程と、前記金属薄膜層の前記レジスト層が形成されていない箇所の金属薄膜層を除去したのち、前記レジスト層を剥離除去して、前記金属薄膜層を前記基体シートの上に部分的に形成する工程と、前記金属薄膜層の上に引き回し回路パターン層を部分的に形成する工程と、前記金属薄膜層の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを備える転写シートの製造方法である。
本発明の転写シートは、平滑性を有する基体シートと、その基体シートの上に形成される金属薄膜層の膜厚も極めて薄いため、基体シート表面の平滑性が反映されて必然的に金属薄膜層表面も極めて平滑となる。したがって、その下地となり触媒でもある金属薄膜層表面が極めて平滑であるから、その上に形成する透明導電膜層はピンホール等の発生が少なく、非常に薄膜の透明導電膜層を形成する場合であっても安定して形成できる効果がある。また、透明導電膜層自体の厚みの均一性も向上する効果がある。これに加え、透明導電膜層を構成するグラフェンは非常に透明性が高いという機能も備える。
その結果、本発明の転写シートを用いれば、導電性、透明性に優れた透明導電体を製造できる効果がある。また、厚みの均一性が向上すれば、転写時における透明導電膜層のしわ等の発生も軽減される。さらに、金属薄膜層の膜厚が極めて薄いため、基材に接着した後の金属薄膜層の除去工程が簡易となるため、生産性よく高品質の透明導電体を製造できる効果もある。
本発明の転写シートは、柔軟性があるグラフェンを主成分とする透明導電膜層を用いているため、柔軟性のある被転写体上に形成できるほか、三次元形状の被転写体にも形成できる効果がある。さらに、転写シートの形成段階において金属薄膜層をパターン化できるので、被転写体上に形成した後に金属薄膜層を除去するだけで、パターン化された透明導電膜層が得られる。したがって、被転写体に形成した後の透明導電膜層のパターン化工程が不要となり工程が大幅に簡略化できる効果がある。
また、本発明の転写シートには、引き回し回路もパターンで形成されている。したがって、被転写体に形成した後の引き回し回路の形成およびパターン化工程が不要となり工程が大幅に簡略化できる効果がある。また、転写シート上に予め形成しているため、柔軟性のある被転写体上に形成できるほか、三次元形状の被転写体にも形成できる効果がある。さらに、非常に平滑な離型性を有する基体シート表面上に転写層の一部として形成しているので、被転写体上に転写形成した後の表面が面一であり、耐摩耗性などの性能が向上し、またデザイン性も向上する効果が得られる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る転写シートの断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る転写シートの変形例の断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る転写シートの断面図である。 図4は、本発明の第3実施形態に係る転写シートの断面図である。 図5は、本発明の第3実施形態に係る転写シートの変形例の断面図である 図6は、本発明の第4実施形態に係る転写シートの断面図である。 図7は、本発明の第5実施形態に係る転写シートの断面図である。 図8は、本発明に係る転写シートの製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 図9は、本発明に係る転写シートの製造方法の第2実施形態を示す断面図である。 図10は、本発明に係る転写シートを用いて作成された透明導電体示す断面図である。 図11は、実施例1〜5、および比較例1〜5の転写シートの評価結果を示した図である。
下記で、本発明に係る実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明の実施例に記載した部位や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、この発明の第1実施形態に係る転写シートを示した図である。図1を参照して、本発明の転写シート1は、基体シート2、金属薄膜層3、透明導電膜層4、引き回し回路パターン層5、離型層6および接着層7から構成されている。本発明の転写シート1は、基体シート2の上に離型層6が全面的に形成され、その離型層6の上に金属薄膜層3が部分的に形成されている。そして、上記金属薄膜層3に沿って透明導電膜層4が形成され、透明導電膜層4の端部から基体シート2に亘って、透明導電膜層4と金属薄膜層3の端面形状に沿うようにして連続的に引き回し回路パターン層が形成されている。また、接着層7が全面的に転写シート1上に形成されている。このように、転写シート1が構成されていると、転写後の引き回し回路パターン層5上には、金属薄膜層3および透明導電膜層4が形成されている部分と離型層6に接して形成される部分が存在することになる。前者の部分においては、透明導電膜層4が引き回し回路パターン層5を保護することとなるので金属薄膜層3をエッチングなどで除去する際、引き回し回路パターン層5が腐食されるなどの不具合が生じにくいというメリットがある。後者の部分においては、転写すると引き回し回路パターン層5が露出され、外部回路と直接的に電気接続できるメリットがある。
[基体シート]
基体シート2は、金属薄膜層3や透明導電膜層4を支持するためのものである。基体シートの2の表面は優れた平滑性と離型性を備えている。基体シート2の表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.1nm≦Ra≦20nmであることが好ましい。これは基体シート2の算術平均粗さ(Ra)が20nmを超えると、基体シート2の上に形成される金属薄膜層3の凹凸形状が大きくなり、金属薄膜層3上に生成するグラフェンのグレインサイズが比較的小さくなる等により結晶性が低下し、グラフェンを主成分とする透明導電膜層4の導電性が低下するといった問題が発生し、反対に、算術平均粗さ(Ra)が0.1nm未満になると基体シート2表面の凹凸形状を均一にすることができず、基体シート2の離型性能が低下する問題が発生するため、被転写体に透明導電膜層を転写できなくなるといった問題が発生するからである。なお、該算術平均粗さ(Ra)は、日本工業規格(JIS)B0601−1994に準拠したものである。
基体シートの厚みは、10μm〜500μmであることが好ましい。基体シート2の厚みが、10μm未満であると、基体シート2の剛性が失われるので、基体シート2の上に金属薄膜層3や透明導電膜層4を形成したとき、金属薄膜層3や透明導電膜層4を支持できなくなるといった問題が生じる。しかし、基体シートの厚みとその表面の凹凸に相関性があるので、基体シートの厚みが一定以上に厚くなると、つまり、基体シート2の厚みが500μmを超えると、基体シート2表面の形状が算術平均粗さ(Ra)で20nmを超えてしまい、上述のような問題が生じてしまうためである
基体シート2の材質は、後述の透明導電膜層4の形成時において生じる熱に耐えうる耐熱性を有する材質であれれば、特に制限はない。そのような耐熱性を有する材質の例としては、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルフィッド、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリアリレート、高密度ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビル、ポリ塩化ビニリデン、液晶ポリマー等の樹脂や、ソーダガラスなどのガラスなどが挙げられる。
基体シート2を構成する材質が、離型性を備えていない場合、基体シート2を離型処理するとよい。基体シート2を離型処理する方法としては(1)基体シート2にフッ化炭化水素系化合物の雰囲気で、低圧プラズマ処理する方法、(2)アルゴンとアセトン及び/又はヘリウムからなる雰囲気下で、基体シートに放電プラズマを行う方法、(3)フッ素原子含有ガスと不活性ガスからなる混合ガスの大気圧下で、対向電極面に固体誘電体を設置し、この対向電極間に電界を印加することにより発生させた放電プラズマで、基体シートを離型処理する方法が挙げられる。
[金属薄膜層]
本発明の金属薄膜層3は、透明導電層4の主成分であるグラフェンを基体シート2上に生成するための触媒機能と、基体シート2の平滑性を金属薄膜層3に反映させる機能を備えた層である。金属薄膜層3の材質は、銅、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト、イリジウム、白金等の金属、これらの合金などが用いられる。基体シート2の平滑性を金属薄膜層3に反映させるという観点から、本発明の金属薄膜層3の厚みは、0.01〜1μmが好ましい。
金属薄膜層3の厚みが0.01μm〜1μmの範囲にあると、基体シート2の平滑性を反映できるため、金属薄膜層3の表面が平滑となり、透明導電膜層4を構成するグラフェンのグレインサイズが比較的大きくなり、導電性の良いグラフェン膜が形成されると思われる。また、金属薄膜層3の厚みが0.01μm〜1μmの範囲にあると、転写シート1を用いて、被転写体と、透明導電膜層4とからなる透明導電体を作成する場合、その一工程である転写シート1から被転写体に金属薄膜層3、透明導電膜層4を転写し、被転写体から金属薄膜層3のみを除去する工程で、金属薄膜層の厚みが従来の厚み(15μm、25μm)に比べ遥かに薄いので、金属薄膜層3の除去が短時間で除去することができる。なお、金属薄膜層3の厚みが0.01μmより薄く均一な膜に形成することは技術的に難しく、反対に金属薄膜層3の厚みを1μmより厚いと、基体シート2の平滑性を反映しにくくなり、凹凸の大きい金属薄膜層3となりやすくなる。その結果、金属薄膜層3上に形成される透明導電層4の厚みのバラツキが大きくなって導電性が不安定になったり、ピンホールなどの欠陥が発生しやすくなるという問題が生じるためである。また、転写シート1を用いて、被転写体と、透明導電膜層4とからなる透明導電体を作成する場合、その一工程である転写シート1から被転写体に金属薄膜層3、透明導電膜層4を転写し、被転写体から金属薄膜層3のみを除去する工程で、金属薄膜層3の厚みが1μmより厚いと、金属薄膜層3の除去に手間が掛かるといった問題が発生するためである。
金属薄膜層3を上記のように構成すると、金属の触媒作用により化学反応が促進され、グラフェン膜が生成するため、金属の表面の形状に沿ったグラフェン膜が生成されると考えられる。さらに、上記のように金属薄膜層3が構成されていないと、下地の金属薄膜層の平滑性はグラフェン膜の平滑性に影響を及ぼすので、平滑でないグラフェン膜は、エネルギー安定化のために、屈曲部等に5員環等が発生し、導電性が低下すると考えられる。
また、上記のように金属薄膜層3が構成されていないと、金属薄膜層2の表面が物理的に平面でなくなるの、キャリアである電子が散乱し、導電性が低下すると考えられる。金属薄膜層3の形成方法としては、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
[透明導電膜層]
本発明の透明導電膜層4は、主成分がグラフェンから構成される層である。主成分がグラフェンから構成されるとは、透明導電膜層を構成する物質のうちで、1層又は複数層のグラフェン膜が重量比で最も多くを占めることを意味する。透明導電膜層4には不純物がふくまれていてもよい。不純物としては、アモルファスカーボン、金属薄膜層4の金属等が挙げられる。金属薄膜層4の金属とは、被転写体への転写後のエッチング工程で残留する成分である。また、透明導電膜層4は、導電性を有し、可視領域の波長の光線透過率が全体として80パーセント以上となるように構成されている。なお、透明導電膜層4の厚みは、2nm以上200nm以下であることが好ましい。200nm以上であると透明導電膜層4の透明性が阻害され、反対に2nm以下であると透明導電膜層4の導電性が低下するためである。透明導電膜層4は、パターンニングされた金属薄膜層3上にのみ化学気相成長法(CVD)などにより形成される。
[引き回し回路パターン層]
引き回し回路パターン層5は、透明導電膜層4で検出した電気信号を外部回路に伝えるための層であり、材質としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウムなどの金属や、該金属の粉を含む導電性インキのほか、カーボンなどの有機系導電体などを含む導電性物質が挙げられる。引き回し回路パターン層5の形成方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、凸版印刷等の印刷法が挙げられる。引き回し回路パターン層5が、透明導電膜層4と接着層7との間に形成されていることにより、転写後の引き回し回路パターン層5上には、外部回路と電気接続するために表面に露出させる端子箇所を除き透明導電膜層4が形成されているため、透明導電膜層4が引き回し回路パターン層5を保護することとなるので、金属薄膜層3をエッチングなどで除去する際、引き回し回路パターン層5が腐食されるなどの不具合が生じにくいというメリットがある。
[離型層]
離型層とは、転写シート1を用いて、透明導電膜層4などを基材に転写し、基材から基体シート2を剥離するとき、基体シート2とともに基材から剥離される層であり、必要に応じて基体シート2の上に形成される。離型層6を基体シート2の上に形成することにより、基体シート2の剥離重さ(剥離に必要な力)を調整することができる。これに加えて、離型層6を基体シート2の上に形成することにより、基体シート2の表面が凹凸となっている場合であっても、離型層6が基体シート2表面の凹凸を埋めるように基体シート上に被覆するので、金属薄膜層3が形成される離型層表面の算術表面粗さ(Ra)を1nm≦Ra≦20nmとすることができる。その結果、第1実施形態に係る転写シートの場合と同様に、グラフェンを主成分とする透明導電膜層4の導電性が低下するといった問題や、離型層の離型性能が低下する問題が発生することがなくなる。離型層6の材質は、透明導電膜層4の形成時において生じる熱に耐えうる耐熱性と所定の離型性を有し、離型層6を基体シート2の上に形成したときに、離型層6の表面が平滑性に優れるようになるものであれば、特に制限はない。離型層6の材質としては、熱硬化性アクリル、熱硬化性ポリエステル、熱硬化性ウレタン、アクリル、エポキシ、メラミン、シリコン、フッ素等の樹脂が挙げられる。離型層6の形成方法としては、ロールコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ダイコート法等による塗布などが挙げられる。
[接着層]
接着層7は、基材と転写シート1とを接着するための層であり、必要に応じて転写シート1の表面に形成される。接着層7は、アクリル系またはビニル系樹脂などで構成され、絶縁性を有する。ここでいう絶縁性とは、例えば、本発明により作製した透明導電体11につき、透明導電体11をタッチパネルにした場合の入力操作において、位置検出の誤作動の原因となる、短絡を発生させない程度以上の絶縁性のことをいう。接着層7は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等により転写シート1上に形成される。
図2は、この発明の第1実施形態に係る転写シートの変形例を示した図である。この実施形態における転写シート1の基本的な構成は、第1実施形態に係る転写シートによるものと同様であるので、ここでは相違点についてのみ説明する。
再び、図2を参照して、この発明の第1実施形態の変形例に係る転写シート1は、透明導電膜層4の端部から金属蒸着層3に亘って、透明導電膜層4の端面形状に沿って引き回し回路パターン層5が形成されている。このように、転写シート1が構成されていると、転写後の引き回し回路パターン層5上には、金属薄膜層3および透明導電膜層4が形成されている部分と金属薄膜層3のみが形成される部分が存在することになる。前者の部分においては、透明導電膜層4が引き回し回路パターン層5を保護することとなるので金属薄膜層3をエッチングなどで除去する際、引き回し回路パターン層5が腐食されるなどの不具合が生じにくいというメリットがある。後者の部分においては、金属薄膜層3をエッチングなどで除去すると、引き回し回路パターン層5が露出され、外部回路と直接的に電気接続できるメリットがある。
図3は、この発明の第2実施形態に係る転写シートを示した図である。この転写シート1の構成は、基体シート1の上に、離型層6、金属蒸着層3、透明導電膜層4とが全面的に形成され、引き回し回路パターン層5が透明導電膜層4の上に部分的に形成されている。また、接着層7が転写シート1に全面に亘って形成されている。図3を参照して、このように、転写シート1が構成されていると、転写後の引き回し回路パターン層5上には、すべて透明導電膜層4が形成されているため、透明導電膜層4が引き回し回路パターン層5を保護することとなるので金属薄膜層3をエッチングなどで除去する際、引き回し回路パターン層5が腐食されるなどの不具合が生じにくいというメリットがある。ただし、外部回路との電気接続には透明導電膜層4が介することになるので、接触抵抗値が高くならないよう留意する必要がある。
図4は、この発明の第3実施形態に係る転写シート1を示した図である。この実施形態における転写シート1の基本的な構成は、第2実施形態に係る転写シートによるものと同様であるので、ここでは相違点についてのみ説明する。
再び、図4を参照して、この発明の第3実施形態に係る転写シート1は、引き回し回路パターン層5が離型層6と金属薄膜層3の間に形成されている点で第2実施形態に係る転写シート1と異なる。このように、引き回し回路パターン層5が、離型層6と金属薄膜層3の間に形成されていることにより、転写後の引き回し回路パターン層5は、全面露出することになる。したがって、転写後の引き回し回路パターン層5全部を外部回路と電気接続させるための端子とすることができるため、端子の位置選択の余地が大きく電気接続がしやすいというメリットがある。
図5は、この発明の第3実施形態に係る転写シート1の変形例を示した図である。変形例の転写シート1の基本的な構成は、第3実施形態に係る転写シートによるものと同様であるので、ここでは相違点についてのみ説明する。
再び、図5を参照して、この発明に係る転写シート1は、金属薄膜層3と透明導電膜層4とが、基体シート2の上に部分的に形成されている点で第4実施形態に係る転写シート1と異なる。このように、転写シート1が構成されていると、転写後に金属薄膜層3を除去するだけでパターン化された透明導電層4が得られるので、転写後に透明導電膜層4をパターン化する必要がなくなり、生産性が大幅に向上できるメリットがある。
図6は、この発明の第4実施形態に係る転写シートを示した図である。この実施形態における転写シート1の基本的な構成は、第3実施形態に係る転写シートによるものと同様であるので、ここでは相違点についてのみ説明する。
再び、図6を参照して、この発明の第4実施形態に係る転写シート1は、基体シート2と、離型層6と、金属薄膜層3、透明導電膜層4、引き回し回路パターン層5、および接着層7から構成されている。第4実施形態に係る転写シート1は、引き回し回路パターン層5が金属薄膜層3の上に形成されていることと、透明導電膜層4が引き回し回路パターン層5と並設するように金属薄膜層3の上に形成されている点で第3実施形態に係る転写シート1と異なる。このように、引き回し回路パターン層5が金属薄膜層3の上に形成され、透明導電膜層4が引き回し回路パターン層5と並設するように金属薄膜層3の上に形成されていることにより転写後に金属薄膜層3を除去するだけでパターン化された透明導電層4が得られるので、転写後に透明導電膜層4をパターン化する必要がなくなり、生産性が大幅に向上できるメリットがあり、かつ転写後に金属薄膜層3を除去するだけで外部回路と電気接続させるための端子とすることができるため、端子の位置選択の余地が大きく電気接続がしやすいというメリットがある。
図7は、この発明の第5実施形態に係る転写シートを示した図である。この実施形態における転写シート1の基本的な構成は、第2実施形態に係る転写シートによるものと同様であるので、ここでは相違点についてのみ説明する。
再び、図7を参照して、この発明の第5実施形態に係る転写シート1は、基体シート2と、離型層6と、金属薄膜層3、透明導電膜層4、引き回し回路パターン層5、および接着層7から構成されている。第5実施形態に係る転写シート1は、透明導電膜層4が引き回し回路パターン層5と並設するように金属薄膜層3の上に形成されている点で第2実施形態に係る転写シート1と異なる。
このように、転写シート1が構成されていると、転写後の引き回し回路パターン層5は、金属薄膜層3をエッチングなどで除去すると全面露出することになる。したがって、転写後の引き回し回路パターン層5全部を外部回路と電気接続させるための端子とすることができるため、端子の位置選択の余地が大きく電気接続がしやすいというメリットがある。
次に、上記転写シート1の製造方法について説明する。上述の転写シートは、主に2通りの実施形態で製造することができる。その製造方法の説明については、まず第1実施形態を説明したのちに、第2実施形態を説明する。
図8は、本発明に係る転写シート1の製造方法の第1実施形態を示すものである。図8を参照して、本発明に係る転写シート1の製造方法の第1実施形態は、基体シート2の上にマスク層8を部分的に形成する工程と、マスク層8が形成されていない基体シート2上の領域に引き回し回路パターン層5を形成する工程と、マスク層8と引き回し回路パターン層5と基体シート2の上に金属薄膜層3を形成する工程と、マスク層8と、マスク層8の上に形成された金属薄膜層3を溶媒により剥離除去して、基体シート2の上と引き回し回路パターン層5の上に金属薄膜層3を形成する工程と、基体シート2と引き回し回路パターン層5の上に形成した金属薄膜層3の上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層4を形成する工程とを備えている。
図8(a)を参照して、本発明に係る転写シート1の製造方法の第1工程では、上記基体シート2上の一部分にマスク層8を部分的に形成する。
[マスク層]
本発明のマスク層は、溶媒に可溶な層である。マスク層7の材質としては、ポリビニルアルコール(PVA)や水溶性アクリル樹脂などが挙げられる。そして溶媒としては水溶液やアルコール溶液などが挙げられる。形成方法としては、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、凸版印刷等の印刷法が挙げられる。後述するフォトレジスト法に比べ、工程数が少ない点が特徴である。
図8(b)を参照して、第2工程では、マスク層8が形成されていない基体シート2上の領域に引き回し回路パターン層5を形成する。引き回し回路パターン層5の形成方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、凸版印刷等の印刷法が挙げられる。引き回し回路パターン層5の材質としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウムなどの金属や、該金属の粉を含む導電性インキのほか、カーボンなどの有機系導電体などを含む導電性物質が挙げられる。
図8(c)を参照して、第3工程では、基体シート2とマスク層8と引き回し回路パターン層5の上に金属薄膜層3を形成する。透明導電膜層4を形成する場合においては、基体シート2上に全面にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等により金属薄膜層3を形成する。
図8(d)を参照して、第4工程では、マスク層8の上に形成された金属薄膜層3を溶媒により剥離除去して、基体シート2と引き回し回路パターン層5の上に金属薄膜層3を形成する。マスク層8などを剥離除去する溶媒としては、水溶液やアルコール類が良く用いられる。
図8(e)を参照して、第5工程では、基体シート2と引き回し回路パターン層5の上に形成した金属薄膜層3の上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層4を形成する。金属薄膜層3の上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層4を形成する方法としては、化学気相法(CVD法)を用いるが、化学気相法の中でも、マイクロ波プラズマCVD法を用いることが好ましい。
マイクロ波プラズマCVDを用いると、比較的低圧・低温条件でマイクロ波プラズマを用いてグラフェンの成膜を行うことができるので、発生するプラズマのエネルギー密度の分布を制御することができ、透明導電膜層4を支持する基体シート2に与えるダメージを減らすことができる。さらに、基体シート2のグラフェンが成膜される側の反対側は、冷却されるので、これによっても、基体シート2のダメージを減らすことができる。このように温度が比較的低い条件下で上記透明導電膜層4を金属薄膜層3を介して基体シート2の上に形成できるため、基体シート2として柔軟性のあるフィルムを用いることができる。その結果、透明導電膜層4形成においてロール・ツー・ロール方式を採用することができるようになり、転写シートを作製する工程をすべてロール・ツー・ロール方式とすることができるため、転写シートの生産性が飛躍的に向上する。
マイクロ波プラズマCVDの原料ガスは炭化水素と希ガスの混合ガス等であり、炭化水素としては、例えば、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、アセチレン(C2H2)等があり、希ガスとしては、例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)等がある。CVD装置のチャンバーを減圧した状態で、装置内の混合ガスによる全圧が1〜1000Pa、好ましくは10〜400Paとなるようにする。この混合ガスに少量の水素ガスを混ぜても良い。CVD装置のチャンバー内の温度は、25〜400℃、好ましくは300〜400℃で行う。
上記第1工程から第5工程までの工程を経ることによって転写シート1を得ることができる。
なお、必要に応じて第5工程後に、透明導電膜層4の上に接着層7を形成してもよい。接着層7の材質、形成方法は上述の通りである。
なお、必要に応じて第1工程前に、基体シート2の上に離型層6を形成してもよい。離型層6の材質、形成方法は上述の通りである。
なお、必要に応じて引き回し回路パターン層5を形成する工程を、マスク層8を形成する工程の前に行ってもよい。このように構成することで、マスク層が透明または半透明で引き回し回路パターン層5との位置あわせが難しい場合に不透明な引き回し回路パターン層5を先に設けることで位置あわせがしやすくできる。
なお、必要に応じて引き回し回路パターン層5を形成する工程を、金属薄膜層3を形成する工程とマスク層8を剥離除去する工程との間に行ってもよい。この場合、引き回し回路パターン層5は、基体シート2の上に形成された金属薄膜層3上であって、その下にマスク層が形成されていない金属薄膜層3上に形成される。このように構成することで、金属薄膜層3を除去するだけで、引き回し回路パターン層5を露出させることができるので、外部回路との電気接続が容易にできる。
なお、必要に応じて引き回し回路パターン層5を形成する工程を、マスク層8を剥離除去する工程と透明導電膜層4を形成する工程の間に行ってもよい。この場合、引き回し回路パターン層5は、基体シート2から剥離除去されなかった金属薄膜層3上の一部に形成される。このように構成することで、引き回し回路パターン層5はマスク層8を剥離除去する工程において使用する溶媒の影響を直接受けないので、引き回し回路パターン層5は腐食などの不具合を考慮にいれることなく形成できる。
なお、必要に応じて引き回し回路パターン層5を形成する工程を、透明導電膜層4を形成する工程の後に行ってもよい。この場合、引き回し回路パターン層5は、透明導電膜層4上に形成される。このように構成することで、転写後の引き回し回路パターン層5上には透明導電膜層4が形成されるので、引き回し回路パターン層5は透明導電膜層4によって保護される。
図9は、本発明に係る転写シート1の製造方法の第2実施形態を示すものである。この実施形態における転写シートの製造方法における基本的な構成は、第1実施形態に係る転写シート1の製造方法によるものと同様であるので、ここでは相違点についてのみ説明する。
図9を参照して、本発明に係る転写シート1の製造方法の第2実施形態は、基体シート2上の一部分に引き回し回路パターン層5を形成する工程と、引き回し回路パターン層5と基体シート2の上に金属薄膜層3を形成する工程と、引き回し回路パターン層5の上に形成された金属薄膜層3の上にレジスト層9を形成するとともに、基体シート2の上に形成された金属薄膜層3の上にレジスト層9を部分的に形成する工程と、レジスト層9が形成されない箇所の金属薄膜層3を溶媒により剥離除去して、基体シート2の上に部分的に金属薄膜層とレジスト層9を形成する工程と、溶媒を用いてレジスト層9を除去し、金属薄膜層3を表面に露出させる工程と、表面に露出した金属薄膜層3の上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層4を形成する工程とを備えている。
図9(a)を参照して、本発明に係る転写シート1の製造方法の第1工程では、上記基体シート2上の一部分に引き回し回路パターン層5を形成する。
図9(b)を参照して、本発明に係る転写シート1の製造方法の第2工程では、引き回し回路パターン層5と基体シート2の上に金属薄膜層3を形成する。
[レジスト層]
図9(c)を参照して、第3工程では、引き回し回路パターン層5の上に形成された金属薄膜層3の上にレジスト層9を形成するとともに、基体シート2の上に形成された金属薄膜層3の上にレジスト層9を部分的に形成する。レジスト層9の材質としては、アクリル、ビニル系など各種の樹脂で形成可能でありとくに限定はない。レジスト層9の形成方法は、まずスクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、凸版印刷等の印刷法により全面形成、または上記レジスト層を備えるレジストフィルムを上記基体シート2の上に形成された金属薄膜層3に加熱と加圧で貼り合せることにより形成する。
但し、微細パターン化する場合は、レジスト層9としてフォトレジストにできる樹脂、たとえばノボラック樹脂やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどを用いることが好ましい。この場合、レジスト層9を上記方法で形成したのち、上記レジスト層9に光を照射し照射した部分が反応硬化する露光工程を経たのち、光照射されていない部分を除去する現像工程を経て、レジスト層9を部分的に形成する。
図9(d)を参照して、第4工程ではレジスト層9が形成されない箇所の金属薄膜層3を溶媒により剥離除去して、基体シート2の上に部分的に金属薄膜層3とレジスト層9を形成する。レジスト層9が形成されない箇所の金属薄膜層3を剥離除去する溶媒としては、酸またはアルカリの水溶液を用いるとよい。酸としては塩酸、硫酸、硝酸など、アルカリの水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液などを用いると良い。
図9(e)を参照して、第5工程では溶媒を用いてレジスト層9を除去し、金属薄膜層3を表面に露出させる。レジスト層9を除去する溶媒としては、有機第4級塩基を用いることができる。有機第4級塩基としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムを挙げることができる
上記第1工程から第5工程までの工程を経ることによって、マスク層8で金属薄膜層3をパターンニングする場合と比較して、精細なパターニングが可能となる。
なお、必要に応じて第5工程後に、接着層7を形成してもよい。接着層7の材質、形成方法は上述の通りである。
なお、必要に応じて第1工程前に、基体シート2の上に離型層6を形成してもよい。離型層6の材質、形成方法は上述の通りである。
なお、必要に応じて引き回し回路パターン層5を形成する工程を、金属薄膜層3を形成する工程とレジスト層9を形成する工程の間に行ってもよい。この場合、引き回し回路パターン層5は、基体シート2の上に形成された金属薄膜層3上の一部分に形成される。レジスト層9は、引き回し回路パターン層5の上と、金属薄膜層3の上に部分的に形成される。このように構成することで、レジスト層9が透明または半透明で引き回し回路パターン層5との位置あわせが難しい場合に、不透明な引き回し回路パターン層5を先に設けることで位置あわせがしやすくできる。
なお、必要に応じて引き回し回路パターン層5を形成する工程を、レジスト層9を除去して金属薄膜層3を表面に露出させる工程と透明導電膜層4を形成する工程の間に行ってもよい。この場合、引き回し回路パターン層5は、基体シート2の上に部分的に形成された金属薄膜層3の一部に形成される。このように構成することで、金属薄膜層3を除去するだけで、引き回し回路パターン層5を露出させることができるので、外部回路との電気接続が容易にできる。
なお、必要に応じて引き回し回路パターン層5を形成する工程を、透明導電膜層4を形成する工程の後に行ってもよい。この場合、引き回し回路パターン層5は、透明導電膜層4の上に形成される。このように構成することで、転写後の引き回し回路パターン層5上には透明導電膜層4が形成されるので、引き回し回路パターン層5は透明導電膜層4によって保護される。
図10は、この発明の第1〜第5の実施形態に係る転写シート1を用いて製造された透明導電体11を示した図である。図10を参照して、本発明の透明導電体11は、基材10と、基材10の上に形成された、接着層7、引き回し回路パターン層5、透明導電膜層4から構成されている。
[基材]
基材10は、透明で、導電性を有さず、ある程度の硬さを有する限り、特に制限はなく、フィルム形状のものの他、三次元形状の成形品であっても構わない。基材10の材質として、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル、アクリル等がある。フィルム形状の基材10の厚みは、30〜200μmであることが好ましい。
上記透明導電体11は、本発明の転写シート1の透明導電膜層4、金属薄膜層3と引き回し回路パターン層5とを接着層7を介して基材10に転写したのち、基材10から金属薄膜層3のみを除去することで得られる。すなわち、本発明の転写シート1と基材10を、加圧または加熱等の条件下で一体化した後、基体シート2を基材10から剥離し、金属薄膜層3をエッチング液などを用いて除去することで得られる。
実施例1
表面の算術平均粗さ(Ra)が7nmである厚み25μmのポリアラミドフィルムからなる基体シート((製品名)ミクトロン (会社名)東レ株式会社)の上にポリビニルアルコール樹脂を用いて、マスク層をオフセット印刷法で部分的に形成した。上記マスク層を乾燥した後、スパッタリング法を用いて金属薄膜層(厚み100nmのCu層)を上記基体シートと上記マスク層の上に形成した。その後、水洗により上記マスク層と、上記マスク層の上に形成された金属薄膜層を除去することにより、部分的に形成された金属薄膜層を得た。そして得られたシートをチャンバー内に設置し、チャンバー内のメタンとアルゴンからなる原料ガス(分圧比メタン:アルゴン=1:1)の圧力が一定(360Pa)となるように、チャンバー内への当該原料ガスの流入速度とポンプによる排気速度を調整した。この状態で、マイクロ波プラズマCVDにより380℃、40秒の条件で、グラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成した。そして、((製品名)銀ペーストSAP−15 (会社名) サンワ化学工業株式会社)を用いて引き回し回路パターン層を透明導電膜層の上に形成し、最後に全面に接着層を形成し、転写シートを得た。
実施例2
表面の算術平均粗さ(Ra)が17nmである基体シートを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作をして、転写シートを得た。
実施例3
金属薄膜層の厚みを0.01μmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をして、転写シートを得た。
実施例4
金属薄膜層の厚みを0.8μmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をして、転写シートを得た。
実施例5
厚み25μmのポリアラミドフィルムからなる基体シート((製品名)ミクトロン (会社名)東レ株式会社)の上にマスク層を形成する前に、上記基体シートの上にフッ素系樹脂を用いて、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2nmである離型層を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作をして、転写シートを得た。
比較例1
表面の算術平均粗さ(Ra)が20nmである離型層を形成し、金属薄膜層の厚みを0.9μmとしたこと以外は、実施例5と同様の操作をして、転写シートを得た。
比較例2
表面の算術平均粗さ(Ra)が22nmである基体シートを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作をして、転写シートを得た。
比較例3
金属薄膜層の厚みを0.007μmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をして、転写シートを得た。
比較例4
表面の算術平均粗さを20nmとし、金属薄膜層の厚みを0.9μmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作をして、転写シートを得た。
比較例5
金属薄膜層の厚みを1.3μmとしたこと以外は、実施例5と同様の操作をして、転写シートを得た。
次に、実施例1〜5及び実施例1〜5で得られた転写シートを被転写物である200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに貼着したのち、転写シートの一部である基体シートまたは基体シートと離型層を、被転写物から剥離し、被転写物の表面に形成されている金属薄膜層のみをエッチング液により除去して、被転写物と透明導電膜層からなる透明導電物を得た。
基体シートまたは離型層の表面粗さの測定
基体シートまたは離型層の表面粗さは、株式会社小坂研究所製F3500D)を用いて、(JIS)B0601−1994に準ずる方法により測定した。その結果を図11に示す。
転写シートの離型性評価
実施例1〜5、および比較例1〜5で得られた転写シートの離型性について、透明導電物について以下のように評価した。評価方法は、また、実施例1〜5及び実施例1〜5の転写シートを200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに貼着し、基体シート又は基体シートおよび離型層を上記ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離したのち、基体シート又は離型層の上に残存していた金属薄膜層の割合を測定することにより行った。その結果を図11に示す。
○:1cm中0.02cm未満で金属薄膜層が基体シート又は離型層に付着していた。
△:1cm中0.02cm以上0.1cm未満で金属薄膜層が基体シート又は離型層に付着していた。
透明導電体の安定性評価
実施例1〜5、および比較例1〜5の転写シートを用いて作成した透明導電物について、導電性のばらつき度合いを以下のように評価した。評価方法は、パターンニングした透明導電膜層において同一形状の任意の端子間抵抗を10回測定し、得られた抵抗値の標準偏差を算出し、以下のように評価した。その結果を図11に示す。
○:平均値±1σ(標準偏差)以内
△:平均値±2σ(標準偏差)以内
×:平均値±2σ(標準偏差)を超える
透明導電体の導電性評価
実施例1〜5、および比較例1〜5の転写シートを用いて作成した透明導電物の導電性について以下のように評価した。評価方法は、三菱油化(株)製表面抵抗計(ロレスタIP)により膜表面の表面抵抗値を測定した。その結果を図11に示す。
○:表面抵抗値が200Ω/□未満
△:表面抵抗値が200Ω/□以上、500Ω/□以下
×:表面抵抗値が500Ω/□を越える
透明導電体の透明性評価
実施例1〜5、および比較例1〜5の転写シートを用いて作成した透明導電物の透明性について以下のように評価した。評価方法は、JIS−K−7361に順じ、全光線透過率を(株)村上色彩技術研究所のヘイズメータHR−100で評価した。その結果を図11に示す。
○:全光線透過率90%以上
△:全光線透過率80%以上90%未満
1 転写シート
2 基体シート
3 金属薄膜層
4 透明導電膜層
5 引き回し回路パターン層
6 離型層
7 接着層
8 マスク層
9 レジスト層
10 基材
11 透明導電体

Claims (16)

  1. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シートと、
    前記基体シートの上に部分的又は全面に形成され厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層と、
    前記金属薄膜層の上に形成されグラフェンを主成分とする透明導電膜層と、
    前記透明導電膜層の一部上に形成される引き回し回路パターン層と、
    を備える転写シート。
  2. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シートと、
    前記基体シートの上に部分的又は全面に形成され厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層と、
    前記金属薄膜層の上に形成され、グラフェンを主成分とする透明導電膜層と、
    前記透明導電膜層と前記金属薄膜層の端面形状に沿うようにして、前記透明導電膜層の端部から前記基体シートに亘って連続的に形成される引き回し回路パターン層と、
    を備える転写シート。
  3. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シートと、
    前記基体シートの上に部分的又は全面に形成され厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層と、
    前記金属薄膜層の上に部分的に形成され、グラフェンを主成分とする透明導電膜層と、
    前記透明導電膜層の端面形状に沿うようにして、前記透明導電膜層の端部から前記金属薄膜層に亘って連続的に形成される引き回し回路パターン層と、
    を備える転写シート。
  4. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シートと、
    前記基体シートの上に部分的に形成される引き回し回路パターン層と、
    前記引き回し回路パターン層の上と、前記基体シート上の引き回し回路が形成されていない領域に前記基体シートの平滑性を反映するように部分的又は全面的に形成され、厚さが0.01〜1μmである金属薄膜層と
    記金属薄膜層の上に形成されグラフェンを主成分とする透明導電膜層と、
    を備える転写シート。
  5. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シートと、
    前記基体シートの上に部分的又は全面に形成され厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層と、
    前記金属薄膜層の一部分に形成される引き回し回路パターン層と、
    前記引き回し回路パターン層と並設するよう前記金属薄膜層の上に形成されるグラフェンを主成分とする透明導電膜層と、
    を備える転写シート。
  6. 前記基体シートの上に離型層を備える請求項1〜のいずれかに記載される転写シート。
  7. 前記金属薄膜層の上に接着層を備える請求項1〜のいずれかに記載される転写シート。
  8. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上の一部分にマスク層をパターン形成する工程と、
    前記基体シートの前記マスク層の形成されていない領域の一部に引き回し回路パターン層を形成する工程と、
    前記基体シートの前記マスク層と前記引き回し回路パターン層の形成されていない領域に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記マスク層をその上に形成された前記金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、
    前記部分的に形成された金属薄膜層と前記引き回し回路パターン層の上とにグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを、
    備える転写シートの製造方法。
  9. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上の一部分に引き回し回路パターン層を形成する工程と、
    前記基体シート上の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域と前記引き回し回路パターン層上、又は前記基体シート上の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域のみにマスク層を部分的に形成する工程と、
    前記基体シート上の前記マスク層と前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域と、前記マスク層上と、前記引き回し回路パターン層の上に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記マスク層をその上に形成された前記金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金
    属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、
    前記部分的に形成した金属薄膜層上と前記引き回し回路パターン層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程とを、
    備える転写シートの製造方法。
  10. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上にマスク層を部分的に形成する工程と、
    前記基体シート上のマスク層が形成されていない領域と、前記マスク層に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記金属薄膜層が形成された基体シート上の前記マスク層が形成されていない領域に引き回し回路パターン層を形成する工程と、
    前記マスク層をその上に形成された前記金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、
    前記部分的に形成された金属薄膜層上と前記引き回し回路パターン層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、
    を備える転写シートの製造方法。
  11. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上にマスク層を部分的に形成する工程と、
    前記基体シート上の前記マスク層が形成されていない領域と、前記マスク層上に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記マスク層をその上に形成された前記金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、
    前記部分的に形成した前記金属薄膜層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、
    前記透明導電膜層の上に引き回し回路パターン層を形成する工程と、
    を備える転写シートの製造方法。
  12. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上にマスク層を部分的に形成する工程と、
    前記基体シート上のマスク層が形成されていない領域と、前記マスク層に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記マスク層をその上に形成された前記金属薄膜層の一部とともに剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、
    前記基体シート上の前記剥離除去された前記マスク層が形成されていた領域、又は前記領域と前記基体シートの上に部分的に形成された前記金属薄膜層に引き回し回路パターン層を形成する工程と、
    前記基体シートの上に部分的に形成された前記金属薄膜層であって前記引き回し回路層が形成されていない箇所にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、
    を備える転写シートの製造方法。
  13. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上に引き回し回路パターン層を部分的に形成する工程と、
    前記基体シートの前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域と前記引き回し回路パターン層の上に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記金属薄膜層上の一部分にレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層が形成されていない部分の前記金属薄膜層を除去したのち、前記レジスト層を剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シートまたは前記引き回し回路パターン層の上に部分的に形成する工程と、
    前記基体シートまたは前記引き回し回路パターン層の上に部分的に形成された前記金属薄膜層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、
    を備える転写シートの製造方法。
  14. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記金属薄膜層の上に引き回し回路パターン層を部分的に形成する工程と、
    前記金属薄膜層の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域にレジスト層を部分的に形成する工程と
    前記レジスト層が形成されていない箇所の前記金属薄膜層を除去したのち、前記レジスト層を剥離除去し、前記金属薄膜層を前記基体シート上に部分的に形成する工程と、
    前記部分的に形成した前記金属薄膜層上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、
    を備える転写シートの製造方法。
  15. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記金属薄膜層上にレジスト層を部分的に形成する工程と、
    前記金属薄膜層の前記レジスト層が形成されていない箇所の前記金属薄膜層を除去したのち、前記レジスト層を剥離除去して、前記基体シートの上に前記金属薄膜層を部分的に形成する工程と、
    前記基体シートの上に部分的に形成された前記金属薄膜層の上にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、
    前記透明導電膜層の上に引き回し回路パターン層を形成する工程と、
    を備える転写シートの製造方法。
  16. 表面の算術平均粗さ(Ra)が17nm以下である基体シート上に厚さが、0.01〜1μmである金属薄膜層を形成する工程と、
    前記金属薄膜層の上にレジスト層を部分的に形成する工程と、
    前記金属薄膜層の前記レジスト層が形成されていない箇所の前記金属薄膜層を除去したのち、前記レジスト層を剥離除去して、前記金属薄膜層を前記基体シートの上に部分的に形成する工程と、
    前記金属薄膜層の上に引き回し回路パターン層を部分的に形成する工程と、
    前記金属薄膜層の前記引き回し回路パターン層が形成されていない領域にグラフェンを主成分とする透明導電膜層を形成する工程と、
    を備える転写シートの製造方法。
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