以下、図面を参照して本発明に係る情報処理システムの好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る情報処理システム100の構成について説明する。図1に示すように、情報処理システム100は、センターサーバ1と、被撮影車両である車両2Aと、撮影実行車両である車両2Bと、を備えている。情報処理システム100は、道路に沿って設けられている路側カメラ3を備えていてもよいが、当該路側カメラ3が無くとも撮影を実行可能である。被撮影車両2A、撮影実行車両2B、路側カメラ3は、それぞれセンターサーバ1と通信を行っている。センターサーバ1と路側カメラ3の通信は、無線通信であっても有線通信であってもよい。なお、車両2A,2Bは被撮影車両にも撮影実行車両にもなることができる。撮影実行車両2Bは一台の被撮影車両2Aに対して一台ではなく、多数存在している。勿論、被撮影車両2Aも多数存在してよい。また、ある車両が、被撮影車両2Aとして撮影を要求していると同時に、撮影実行車両2Bとして他車両の撮影にも協力するように設定されてもよい。なお、本実施形態では、理解のために、一台の被撮影車両2Aに複数の撮影実行車両2Bが存在するという状態を前提として説明する。車両2A,2Bは、車両外部を撮影することによって画像データや動画データを取得するとこができる車載カメラ4と、他の通信機器とデータの送受信を行うことができる通信機6と、各種演算を実行することができる情報処理装置7と、を備えている。情報処理装置7として、例えば、表示部を有する車両位置・方位特定装置(カーナビの発展版ECUなど)を用いることができる。情報処理システム100では、被撮影車両2Aが、センターサーバ1に対して良い背景などの地点での自車両の撮影を要求し、センターサーバ1を介して当該要求を受けた撮影実行車両2Bが被撮影車両2Aに近付いたところで撮影を実行することができる。また、撮影実行車両2Bは撮影した画像や動画などのデータをセンターサーバ1へ送信する。また、被撮影車両2Aは、センターサーバ1から自己の写真などを受信する。なお、撮影実行車両2Bに加え、路側カメラ3も被撮影車両2Aを撮影してよい。
図2を参照して、情報処理システム100の構成をより詳細に説明する。図2に示すように、センターサーバ1は、位置情報管理部11と、ステータス管理部12と、撮影実行指示部13と、通信部14と、地図データベース16と、背景データ蓄積部17と、ユーザ情報学習・蓄積部18と、写真蓄積データベース19と、を備えている。
位置情報管理部11は、各車両から現在位置、方向、(これから向かう)経路情報など、車両の位置に関する情報を通信部14を介して取得すると共に、当該情報を管理する機能を有している。位置情報管理部11は、多数の車両の位置に関する情報を管理することができる。ステータス管理部12は、各車両のステータスを管理する機能を有している。ステータス管理部12は、多数の車両のステータスを管理することができる。車両のステータスとは、車両がどのようなモードに設定されているかを示している。被撮影車両でのステータスとして、撮影されることを要求していないモードや、撮影されることを要求するモードに設定されている状態がある。また、撮影要求の中でも、良い背景など特定の地点で撮影されることを要求するモードや、背景などに関わらず自車両の外観を撮影されることを要求するモードがある。撮影実行車両でのステータスとして、他車両の要求に応じて撮影に協力してもよいモードや、撮影に協力しないモードがある。
撮影実行指示部13は、被撮影車両2Aの要求に応じて、撮影実行車両2Bに被撮影車両2Aの撮影を実行するように、指示を出す機能を有している。例えば、撮影実行指示部13は、エリア内の多数の撮影実行車両Bに対して、どの車両が撮影を要求している被撮影車両2Aであるかや、当該被撮影車両2Aの位置に関する情報を通知することによって、撮影実行車両2Bが被撮影車両2Aに近付いたときに、撮影を実行できるようにする。なお、撮影を実行するタイミングは、例えば、撮影を要求している被撮影車両2Aの位置と(背景まで指定している場合は、当該背景の地点において)撮影実行車両2Bの位置が接近する(または重なる)地点に両車両が来たときである。この両車両の位置が接近する地点とは、被撮影車両2Aが少なくとも撮影実行車両2Bの車載カメラ4の撮影範囲に入る程度まで近付く地点である。
通信部14は、各車両との間でデータの送受信を行う機能を有している。地図データベース16は、地図に関する情報を蓄積したデータである。当該地図データベース16の地図データを用いて、各車両の位置に関する情報の管理を行うことができる。背景データ蓄積部17は、良い背景や人気の高い背景に関する情報のPOIや地図データベースを蓄積する機能を有している。ユーザ情報学習部・蓄積部18は、本サービスを用いる個々のユーザの傾向を学習し、蓄積する機能を有している。例えば、本サービスで頻繁に自車両の撮影を行うユーザは、自己の車両の外観を気に入っていると仮定し、ユーザ情報学習部・蓄積部18は、各ユーザがどの程度車両の外観を気に入っているか学習し、蓄積することができる。あるいは、自車両の撮影を頻繁に行う背景は、そのユーザが気に入っている背景であると仮定し、ユーザ情報学習部・蓄積部18は、各ユーザがどの背景を気に入っているかを学習し、蓄積することができる。このような各ユーザの嗜好の傾向を学習・蓄積することで、情報処理に役立てることができる。写真蓄積データベース19は、各車両が撮影した写真や動画などを大量に蓄積しておく機能を有している。写真蓄積データベース19は、撮影実行車両2Bからアップロードされた撮影データを蓄積し、被撮影車両2Aに所望の撮影データを提供する。
車両2A,2Bは、表示部21と、ステータス設定部22と、自車両現在位置特定部23と、車両位置送受信部24と、撮影実行部26と、撮影要求部27と、写真蓄積部28と、背景データ蓄積部29と、を備えている。被撮影車両2Aも撮影実行車両2Bも構成は同じであるが、役割に応じて各要素の動作が異なる場合、動作しない場合がある。
表示部21は、ディスプレイなどによって構成されており、ユーザに各種情報を表示すると共に、ユーザからのタッチパネルなどによる入力が可能である。ステータス設定部22は、各車両のステータスを設定する機能を有しており、ユーザの操作により、あるいは自動的に、上述で示したようなモードを切り替えることができる。自車両現在位置特定部23は、GPSやセンサなどを用いて、自車両の現在位置や方向などを地図中で特定する機能を有している。車両位置送受信部24は、自車両の位置に関する情報を送信すると共に、他車両の位置に関する情報を受信する機能を有している。
撮影実行部26は、自車両が撮影実行車両2Bである場合に、撮影要求に基づいて、被撮影車両2Aに近付いたときに撮影を実行する機能を有している。撮影要求部27は、自車両が被撮影車両2Aである場合に、撮影して欲しい旨の撮影要求や、背景などの撮影条件の要求をセンターサーバ1に対して行う機能を有している。写真蓄積部28は、撮影実行車両として撮影した撮影データを蓄積すると共に、被撮影車両として撮影された撮影データを蓄積する機能を有している。背景データ蓄積部29は、どの地点が良い背景であるかなどを示す背景データを蓄積する機能を有している。背景データは、センターサーバ1から取得することが可能であり、あるいはユーザが自由に設定しておくことも可能であり、ユーザのサービス利用状況に応じてユーザ独自のデータを作成しておくことも可能である。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理システム100の情報処理の一例について説明する。図3の処理は、被撮影車両2Aが撮影されることを要求してから、所望の撮影データを受信するまでの間において、被撮影車両2A、センターサーバ1、撮影実行車両2Bのそれぞれにおいて実行される。図3の処理が実行される状況としては、車両2A,2Bはそれぞれの目的地に向かって走行しており、当該目的地へ向かっている途中で被撮影車両2Aが撮影されることを要求した、という状況を例に挙げている。なお、図3の処理の間、車両Aは、自車両の現在位置、方向、これらから向かう経路情報をセンターサーバ1に送信し続けている。また、撮影実行車両2Bは、「他車両の撮影に協力してもよいモード」に設定されていることが前提であり、自車両の現在位置、方向、これらか向かう経路情報をセンターサーバ1に送信し続けている。
まず、被撮影車両2Aは、ステータス設定部22でステータス設定を行うと共に、撮影要求部27が当該ステータス情報をセンターサーバ1に送信することによって、他車両が自車両を撮影することを要求する(ステップS100)。具体的に、ユーザが表示部21の画面を操作するなどによって撮影を要求したときに、ステータス設定部22は、「他車両から自車両を撮影してもらいたい」という被撮影モードの設定をON状態とする。このとき、良い背景で撮影して欲しい旨など、撮影条件を指定(ユーザが指定してもよく、自動的に選定された良い背景が指定されてもよい)することもできる。あるいは、背景データ蓄積部29に蓄積されているような良い背景でなくとも、ユーザが撮影して欲しい地点を自由に設定することもできる。なお、既に当該モードがONの状態で被撮影車両2Aが走行開始した場合は、特にユーザの操作によらず自動的にステータス情報がセンターサーバ1に送信される。
ステータス情報を送信した後、被撮影被撮影車両2Aは、目的地に向かって走行を継続する(ステップS110)。このとき、自車両現在位置特定部23は、特定した現在位置に基づいて、自車両が良い背景の地点(あるいは、ユーザが自分で撮影して欲しいと設定した地点)に間もなく到達するか否かを判定し(ステップS120)、到達しない場合は走行を継続する。撮影ポイントに到達したら、被撮影車両2Aが自車両側で特に何らかの処理をすることなく、すれ違ったり併走したりする撮影実行車両2Bによって撮影される(ステップS130)。ただし、S130は、被撮影車両2A自身が行う処理ではない。被撮影車両2Aの自車両現在位置特定部23は、撮影ポイントを通過したか否かを判定し、あるいは目的地に到達したか否かを判定する(ステップS140)。撮影ポイントを通過していない場合、目的地に到着していない場合は、S130の状態が維持される。
一方、センターサーバ1のステータス管理部12は、S100で送信された被撮影車両2Aからのステータス情報を、被撮影車両2Aからの撮影の要求として受信する(ステップS200)。これにより、センターサーバ1は、被撮影車両2Aが「他車両から自車両を撮影してもらいたい」という被撮影モードの設定をON状態とし、当該情報をステータス管理部12にて管理する(ステップS210)。また、センターサーバ1は、位置情報管理部11にて、被撮影車両2Aや撮影ポイントなどの情報や、撮影実行車両2Bの位置に関する情報などに基づいて、到達可能範囲内の多数の撮影実行車両2B(ただし、「撮影に協力してもよいモード」に設定されているものに限る)を特定する。また、センターサーバ1の撮影実行指示部13は、特定された多数の撮影実行車両2Bに対し、被撮影車両2Aが「他車両から自車両を撮影してもらいたい」という被撮影モードに設定されたことを通知することにより、被撮影車両2Aの撮影要求を各撮影実行車両2Bへ送信する(ステップS220)。これにより、撮影実行指示部13は、多数の撮影実行車両2Bを、撮影を実行できる状態にすることができる。あわせて、センターサーバ1のステータス管理部12は、撮影要求を送信した撮影実行車両2Bについて、車両Aを撮影する撮影実行モードに設定されているものとして、ステータス管理を行う。
撮影実行車両2Bは、S220で送信されたセンターサーバ1からの撮影要求を受信し、ステータス設定部22は、「車両Aを撮影する」という被撮影車両2Aを対象とする撮影実行モードに設定する(ステップS300)。このとき、被撮影車両2Aが撮影地点を指定している場合は、「指定された地点において、車両Aに近付いたときに自動で撮影する」というモードに設定され、特に撮影地点が指定されていない場合は、「車両Aに近付いたときに自動で撮影する」というモードに設定される。
自車両現在位置特定部23によって取得された撮影実行車両2Bの位置に関する情報と、車両位置送受信部24によって取得された被撮影車両2Aの位置に関する情報に基づいて、撮影実行部26は、自車両が被撮影車両2Aと接近したか否かを判定する(ステップS310)。具体的には、撮影実行部26は、被撮影車両2Aが撮影範囲に入ることによって、車載カメラ4で被撮影車両2Aを撮影可能となったか否か(あるいは、良い背景がしっかりと写るような角度になったかなども考慮してよい)を判定する。被撮影車両2Aに接近していないと判定された場合は、S300へ戻り再びS310を繰返す。
撮影実行車両2Bの撮影実行部26は、被撮影車両2Aに接近したとき(また撮影ポイントであるとき)、自動的に被撮影車両2Aの撮影を実行する(ステップS320)。これによって、撮影実行車両2Bは被撮影車両2Aの撮影データを取得し、写真蓄積部28に蓄積する。撮影実行車両2Bは取得した画像や動画などの撮影データを確認し、撮影に成功したか否かを判定する(ステップS330)。例えば、ブレが発生していないか否かや、画像内に被撮影車両2Aが写っているか否かなどを判定する。S330において撮影に失敗したと判定された場合、撮影データを写真蓄積部28から破棄する(ステップS340)。破棄した後は、被撮影車両2Aの撮影要求には答えられなかったものとして、撮影実行モードを解除して、図3の処理を終了し、撮影実行車両2B自身の走行を継続する。あるいは、再度撮影の機会がある場合は、再び310から処理を繰り返し、撮影を行う。なお、被撮影車両2Aと撮影実行車両2Bが接近したかどうかの判断や、撮影実行の指示についての指示などを、全てセンターサーバ1内で演算し、撮影実行車両2Bはセンターサーバ1から撮影指示を取得したタイミングで車載カメラ4を作動させてもよい。
なお、被撮影車両2Aと接近することなく、撮影の機会が得られないまま、S300とS310の繰り返しを行っている間に被撮影車両2Aが撮影ポイントを通過してしまったり、目的地に到着してしまった場合は、撮影実行車両2Bも撮影実行モードを解除し、図3の処理を終了し、自身の走行を継続する。一方で、S330において撮影が成功したと判定された場合、撮影実行車両2Bは撮影データをセンターサーバ1に送信することによって撮影データをセンターサーバ1にアップロードする(ステップS350)。その後、撮影実行モードを解除して、図3の処理を終了し、撮影実行車両2B自身の走行を継続する。
センターサーバ1は、撮影実行車両2Bからアップロードされた撮影データを受信し、写真蓄積データベース19に蓄積すると共に、要求元の被撮影車両2Aへ撮影データを送信する(ステップS230)。センターサーバ1は、複数の撮影実行車両2Bが撮影に成功した場合、各撮影実行車両2Bから撮影データを受信して被撮影車両2Aへ送信する。センターサーバ1のステータス管理部12は、撮影が完了した撮影実行車両2Bや、撮影に失敗した撮影実行車両2Bや、撮影することなくエリアを外れた撮影実行車両2Bなどの撮影実行モードを解除し、元のステータスに設定する。当該ステータスの設定変更は、各撮影実行車両2B側からのステータス情報の通知に基づいて行ってもよい。センターサーバ1は、撮影データを送信した後、図3の処理を終了し、サーバ稼働を継続する。
被撮影車両2Aは、撮影ポイントを通過した後や目的地に到着した後に、センターサーバ1からの撮影データを受信し、写真蓄積部28に蓄積する(ステップS150)。ただし、撮影ポイントを走行中に撮影されたものから順次受信してもよい。被撮影車両2Aのステータス設定部22は、撮影ポイントを通過した後、または目的地に到着した後、被撮影モードを解除し、元のステータスに設定する。その後、図3の処理を終了し、(到着していない場合は)目的地まで走行を継続する。全ての撮影実行車両2Bで撮影が失敗した場合や、全ての撮影実行車両2Bが被撮影車両2Aと接近しなかったときなどは、撮影データを取得することなく終了する場合もある。
次に、本実施形態に係る情報処理システム100の作用・効果について説明する。
ここで、被撮影車両2Aの撮影を路側カメラ3のみで行うようなシステムを採用した場合、次のような課題が生じる。すなわち、特定の場所に固定された路側カメラのみでの撮影であるため、固定の位置でしか撮影を行えないという問題が生じる。また、例えば被撮影車両2Aを追いかけるような形で撮影することはできず、撮影スタイルの自由度が少ないという問題がある。一方で、ユーザが意図する位置に路側カメラ3を設置することは困難であり、極めてコストが高くなるという問題もある。例えば、既存の路側カメラ3は、道路管理用や行政などが管理するカメラである場合があり、エンターテインメントサービスを目的とする場合に、撮影データを提供してもらうことが運用的に困難である可能性もある。一方、当該目的用に専用の路側カメラ3を設定しようとする場合、多大なコストがかかる可能性がある。
一方、本実施形態に係る情報処理システム100では、車載カメラ4を有する撮影実行車両2Bも用いて、被撮影車両2Aの撮影を実行している。すなわち、被撮影車両2Aは、他車両である撮影実行車両2Bに撮影を行ってもらうことができる。撮影実行車両2Bは、路側カメラ3とは異なり、あらゆる位置に移動可能であるため、撮影エリアは限定されることなく、被撮影車両2Aのユーザの要求に従ったあらゆるエリアでの撮影が可能となる。また、センターサーバ1と通信可能で車載カメラ4などの撮影部を有する車両であれば、どのようなものであっても撮影実行車両2Bとして機能させることができる。すなわち、路側カメラ3を別途設置する場合と異なり、既に道路を走行している多数の車両をそのまま撮影実行車両2Bとして機能させることができるため、容易に撮影が可能となる。以上より、撮影エリアが限定されることなく、容易に被撮影車両2Aを撮影することが可能となる。
また、本実施形態に係る情報処理システム100では、センターサーバ1は、被撮影車両2Aからの撮影要求を取得し、撮影可能な撮影実行車両2Bを特定し、当該特定された撮影実行車両2Bに撮影要求を送信する。特定された撮影実行車両2Bは、撮影要求があった被撮影車両2Aを車載カメラ4にて撮影することができる。これにより、撮影実行車両2Bは、被撮影車両2Aからの撮影要求に応じて、撮影を実行できる。また、全ての撮影実行車両2Bに撮影要求を送信するのではなく、撮影可能な撮影実行車両2Bを特定することにより、センターサーバ1での演算の負荷を少なくすることができる。
[第2実施形態]
図4〜図9を参照して第2実施形態に係る情報処理システム200について説明する。第2実施形態に係る情報処理システム200は、被撮影車両2Aに対して推奨経路を提供する点、更に、撮影可能性に応じた推奨経路を提供する点で、第1実施形態に係る情報処理システム100と主に相違する。
図4に示すように、情報処理システム100は、センターサーバ201が、第1実施形態の構成に加え、撮影ポイント演算部202と、撮影可能性演算部203と、すれ違い地点演算部204と、ルート探索部206と、推奨出発時間算出部207と、を備えている。
撮影ポイント演算部202は、路側カメラ3の位置や車載カメラ4を有する撮影実行車両2Bの位置などに基づいて、(例えば、近隣の良い背景や人気の高い背景の中から)撮影してもらえる撮影ポイントを演算によって認定する機能を有している。撮影ポイント演算部202は、路側カメラ3が存在するポイントや、撮影実行車両2Bの将来の経路などから当該撮影実行車両2Bが通過すると推定されるポイントを、撮影ポイントとして認定できる。撮影ポイント演算部202は、認定した撮影ポイントに関する各種情報を、被撮影車両2Aに送信する。
撮影可能性演算部203は、撮影手法に基づいて、撮影を要求している被撮影車両2Aが撮影ポイントで撮影される可能性を演算する機能を有する。撮影手法が路側カメラ3である場合、撮影可能性演算部203は、高い確率で撮影可能であると演算することができる。撮影手法が撮影実行車両2Bの車載カメラ4である場合、撮影可能性演算部203は、路側カメラ3に比して低い確率で撮影可能であると演算することができる。また、撮影可能性演算部203は、撮影実行車両2Bのユーザの運転傾向を考慮して、撮影可能性を変動させることができる。すなわち、システムが提供するルートを忠実に走行する傾向が高いユーザの撮影実行車両2Bについては、撮影可能性を高く設定し、ルートに沿って走行しない傾向が高いユーザの撮影実行車両2Bについては、撮影可能性を低く設置する。
すれ違い地点演算部204は、撮影実行車両2Bのルートなどを考慮し、被撮影車両2Aと撮影実行車両2Bとがすれ違う可能性の高い地点を演算する機能を有している。例えば、すれ違い地点演算部204は、被撮影車両2Aが何時にどこに存在しているのかという情報と、撮影実行車両2Bが何時にどこに存在しているのかという情報に基づいて、両者がすれ違う可能性のある地点を特定できる。
ルート探索部206は、撮影を要求している被撮影車両2Aの推奨ルートを検索する機能を有する。また、ルート探索部206は、撮影を要求している被撮影車両2Aが目的地(最終的な目的地)を設定している場合は、撮影ポイント(目的地へ行く途中で通過するポイントである)で撮影できるルートであって、一番早く目的地に到着できるルートを検索する。一方、ルート探索部206は、撮影を要求している撮影実行車両2Bが目的地を設定していない場合は、単純に撮影ポイントに一番早く到着できるルートを検索する。ルート探索部206は、撮影可能性などを考慮し、更に遠回りの距離なども考慮して推奨ルートを演算する機能を有している。
推奨出発時間算出部207は、撮影を要求している被撮影車両2Aが、推奨ルートに従った走行を行うに際して、推奨される出発時間を算出する機能を有している。例えば、推奨出発時間算出部207は、撮影ポイントに撮影実行車両2Bが遅く着く場合は、所定時間待機してから出発することを推奨する。
次に、図5〜図9を参照して、本実施形態の情報処理システム200の具体的な情報処理の一例について説明する。図5の処理は、図3に示されるS100付近の処理内容、すなわち被撮影車両2Aが撮影要求を行う前後の処理内容を示している。なお、被撮影車両2Aに推奨ルート等が示された後は、図3と同様の処理がなされる。
図5に示すように、被撮影車両2Aを運転しているユーザが、自己の車両の撮影を要求すべく、撮影ボタンを押すことから処理が開始される(ステップS400)。このような撮影ボタンは、表示部21に表示されているカーナビ画面の隅などに「ベストショットボタン」などとして表示することができ、当該ベストショットボタンを被撮影車両2Aのユーザが押下することで、処理の開始のトリガとして認識される。次に、被撮影車両2Aの情報処理装置7の撮影要求部27は、現在の自車両位置や目的地の設定状況などを、センターサーバ1に送信してアップロードする(ステップS410)。
次に、センターサーバ1の撮影ポイント演算部202は、S410で送信された情報に基づき、被撮影車両2Aが撮影してもらえる撮影ポイントを演算によって認定し、認定した撮影ポイントと当該撮影ポイントに関する詳細情報を被撮影車両2Aに送信する(ステップS420)。例えば、撮影ポイント演算部202は、被撮影車両2Aの周辺、または目的地までの間に存在する良い背景や人気の撮影スポットなどを背景データ蓄積部17から読み出すと共に、それらの撮影ポイントでの路側カメラ3の設置状況や撮影実行車両2Bの通過状況などに基づいて、被撮影車両2Aが撮影してもらえるかを演算する。例えば、撮影ポイント演算部20は、路側カメラ3が設置されているポイントや、いずれかの撮影実行車両2Bが将来通過すると推定されるポイントを撮影ポイントとして認定する。また、撮影ポイント演算部202は、認定した撮影ポイントに関する詳細情報、例えば撮影手法(路側カメラ3による撮影か、車載カメラ4による撮影かなど)、撮影可能時間、撮影イメージ図、撮影依頼ボタンなどの各種情報を、被撮影車両2Aに送信する。
被撮影車両2Aの情報処理装置7は、S420で送信された撮影ポイントを表示部21に表示する。具体的には、表示部21に、図8に示すような画面が表示される。図8(a)に示すように、自車両の周辺の地図上に、S420でセンターサーバ1が認定した撮影ポイントが、「A、B、C…」などのマークで示される。日によっては図8(a)のように、四箇所の撮影ポイントが表示されるが、交通状況が異なる別の日では、図8(b)でNDで示されるように、図8(a)で撮影ポイントCとして表示されていたポイントが(例えば、ちょうどいい時間帯に当該ポイント周辺を走行する撮影実行車両が存在しないなどの理由により)表示されなくなる。このように候補として示された複数の撮影ポイントのうち、何れかをユーザが画面上で押すことができる。
被撮影車両2Aの情報処理装置7は、画面上の撮影ポイントをユーザが押下したか否かを判定する(ステップS440)。S440において押下されなかったと判定された場合、情報処理装置7は、画面上の現在地ボタン(図8において「2A」で示されるポイント)をユーザが押下したか否かを判定する(ステップS500)。S500において現在地ボタンが押下されないと判定された場合、押下されない状態で規定秒数以上経過したか否かを判定する(ステップS520)。なお、この間に撮影ポイントのボタンが押された場合は、S450の処理へ移行してよい。現在地ボタンが押下された場合、または押下されずに規定秒数以上経過した場合、ユーザが撮影要求を取りやめたものとして、S400以降に表示されたものを全て消去し、ベストショットボタンが押される前の状態の画面に戻す(ステップS510)。これにより図5に示す処理が終了し、被撮影車両2Aは通常の運転に戻る。なお、センターサーバから撮影ポイントとして提示されたものがユーザにとって興味が無かったものであるが、ユーザが別なポイントで撮影を希望していたり、特に背景を気にせずに単純に撮影だけを希望している場合は、ユーザの操作により撮影要求を行い、図3のS100以降の処理を続けてもよい。
一方、S440において何れかの撮影ポイントが画面上で押下されたと判定された場合、被撮影車両2Aの情報処理装置7は、画面上に、POI名称、撮影可能カメラ情報、当該撮影ポイントのイメージ図、撮影依頼ボタンを表示する(ステップS450)。例えば図9(a)に示すような画面が表示される。図9(a)の画面では、地図の横に、POI名称、当該撮影ポイントでの路側カメラ3の有無、何時頃に当該撮影ポイントにいれば他の撮影実行車両の車載カメラ4によって撮影してもらえるか、イメージ図、及び「撮影依頼」のボタンが表示されている。イメージ図としては、過去に誰かが撮影した画像が存在する場合は、それを用いてもよく、無ければPOIの風景画像を表示してもよい。情報処理装置7は、画面上の撮影依頼ボタン(図9(a)に示されるようなボタン)をユーザが押下したか否かを判定し(ステップS460)、押下されなかった場合は、S500へ移行し、上述と同様の処理が行われる。
一方、S460において撮影依頼ボタンが画面上で押下されたと判定された場合、被撮影車両2Aの情報処理装置7の撮影要求部27は当該撮影依頼ボタンの押下をトリガとして、センターサーバ1へ撮影要求及び各種情報を送信する。なお、当該送信を図3でのS100に対応するものとしてよい。この場合、センターサーバ1は後述の推奨ルートの提供を行うと共に、図3のS200以降の処理を行うことができる。その後、センターサーバ1は、被撮影車両2Aに目的地の設定がなされているか否かを判定し、(ステップS460)目的地の設定がなされている場合はS480の処理へ移行し、されていない場合はS490の処理へ移行する。
S480では、センターサーバ1が、撮影可能性に応じた遠回り許容距離を考慮して、撮影できるルートであって最も早く目的地に到着できるような推奨ルートと時間を演算し、当該演算結果を被撮影車両2Aに提供する。当該処理の具体的な内容について図6を参照して詳細に説明する。また、S480の処理(すなわち図6の処理)によって、被撮影車両2Aの表示部21に、例えば図9(b)に示すような画面が表示される。図9(b)に示す画面では、地図上に、推奨ルートと、当該推奨ルート上の撮影地点(ここでは、路側カメラによる撮影地点1と、撮影実行車両2Bの車載カメラによる撮影地点2が示されている)と、先ほどユーザが選んだ撮影ポイントと、目的地(推奨ルートの終着地点で図では「G」と示されている)と、が表示されている。また、地図の横の欄には、撮影ポイントの名称と、撮影チャンスの回数と、撮影地点における撮影手法(路側カメラか車載カメラのいずれか)と、撮影地点における撮影実行車両2Bとのすれ違い時間(路側カメラは当該撮影地点に固定されているのでいつでもすれ違うことができるため、表示されない)と、撮影実行車両2Bに撮影してもらうための推奨出発時間と、目的地への到着予測時間と、遠回り時間(本来のルートを走行したときの到着予測時間と、撮影のための推奨ルートを通ったときの到着予測時間との差分)と、が表示されている。
図6に示すように、センターサーバ1が被撮影車両2Aからの撮影要求を取得した後(ステップS600)、すれ違い地点演算部204は、被撮影車両2Aと、他車両である撮影実行車両2Bとの、すれ違いリンクとすれ違い時間を算出する(ステップS610)。S610の演算方法として、例えば次のような方法を採用できる。例えば、撮影実行車両2Bが目的地設定をしてルートを作成した際に、当該ルートのリンク列をセンターサーバ1にアップしておき、センターサーバ1にて当該撮影実行車両2Bが何時にどのリンクに存在するかを演算しておき予め記憶しておく。一方、S610の演算時には、すれ違い地点演算部204は、撮影実行車両2Bが何時にどのリンクに存在するかという情報と、撮影を要求している被撮影車両2Aの現在位置とから、すれ違う可能性のあるリンクを算出する。また、可能性があるとしたリンクでのすれ違い時間(撮影実行車両2Bが当該リンクに到着する時間)も演算する。このとき、すれ違い地点演算部204は、撮影を依頼した被撮影車両2Aが、すれ違い時間の規定時間前からすれ違い時間の間に、当該リンクに到着できるか否かによって、当該リンクを「撮影地点」として採用するか否かを判定する。例えば、被撮影車両2Aがすれ違い時間までに当該リンクに到着できない場合は、当該リンクは撮影地点として採用できない。また、被撮影車両2Aがリンクにあまりにも早く着き過ぎてしまう場合は、長時間待機しなければならなくなってしまうため、当該リンクは撮影地点として採用できない。一方、例えば、被撮影車両2Aが撮影実行車両2Bよりもリンクに僅かに早く(例えば0〜5分早く)到達できる場合は、当該リンクを撮影地点として採用できる。また、被撮影車両2Aが撮影実行車両2Bよりもリンクに早く(例えば、5分〜規定時間早く)到着できる場合も、被撮影車両2Aの出発時間を少し遅らせることによって撮影が可能となるため、当該リンクを撮影地点として採用できる(この場合、推奨出発時間を演算するが、詳細は後述)。なお、この規定時間はセンターサーバ1やユーザが自由に設定でき、5分という時間も自由に変更してよい。
次に、撮影可能性演算部203は、S610で求めたすれ違いリンク(すなわち撮影地点)を被撮影車両2Aが通るための遠回り度が、撮影可能性に基づいて定めた遠回り許容可能距離の範囲内であるか否かを判定する(ステップS620)。ここでは、撮影のための遠回りが、ユーザにとって許容できるものであるか否かが判定できる。また、「大きく遠回りしなくてはならないにも関わらず、撮影される可能性が低い」状況や「多少遠回りになるが、そこに行けば撮影される可能性が非常に高くなる」状況などがあるため、撮影可能性も考慮し、撮影可能性が高い場合は許容可能性距離を大きく設定し、撮影可能性が低い場合は、許容可能性距離を小さく設定する。
撮影手法が路側カメラ3である場合は、そこを通れば確実に撮影してもらえるので、撮影可能性を高く設定できる。例えば、路側カメラ3の場合は、撮影可能性が最大であり、遠回り許容可能距離を1500m(時間換算で8分としてもよい)と設定できる。一方、撮影手法が車載カメラ4である場合は、被撮影車両2Aが他車両である撮影実行車両2Bと決められた時間ですれ違わなくてはならないため、撮影可能性は路側カメラ3よりも小さく設定される。また、車載カメラ4の場合は、システムで設定されたルートを忠実に従って走行するユーザもいれば、設定されたルートに従わずに走行するユーザもいる。撮影実行車両2Bの運転者がルートに従わないユーザであった場合は、S610の演算結果の信頼性が落ちてしまい、予測したすれ違い時間に撮影地点に到着しても、撮影実行車両2Bが予測どおりに来ない可能性が高くなってしまう。従って、車載カメラ4の場合は、撮影実行車両2Bのユーザによって撮影可能性を変動させ、それにともなって遠回り許容可能距離を増減させる。例えば、車載カメラの場合は、撮影実行車両2Bのユーザの信頼性が高く撮影可能性が大きいときは遠回り許容可能距離を1000m(時間換算で5分としてもよい)と設定し、撮影可能性が中くらいであるときは遠回り許容可能距離を500m(時間換算で3分としてもよい)と設定し、撮影可能性が小さいときは遠回り許容可能距離を200m(時間換算で1分としてもよい)と設定できる。
ここで、ユーザごとの撮影可能性の演算方法の一例について、図7を参照して説明する。撮影可能性の演算処理は、図6の演算を実行する前に、予め行っておくことで各ユーザの撮影可能性をデータベースとして蓄積しておき、日々の運転を通じて随時更新して管理してよい。あるいは、必要になったタイミングのみで、演算してもよい。図7(a)はセンターサーバ1内での処理を示し、図7(b)は撮影実行車両2B内での処理を示している。
図7(a)に示すように、センターサーバ1の撮影可能性演算部203は、演算対象となる撮影実行車両2Bに車載カメラ4が付いているか否かを判定する(ステップS700)。演算対象の撮影実行車両2Bに車載カメラ4が付いていなければ撮影自体ができないので、図7(a)に示す処理が終了する。車載カメラ4が付いている場合は、演算対象の撮影実行車両2Bが目的地設定をしているか否かを判定する(ステップS710)。目的地設定がされていない場合、撮影実行車両2Bが提供されたルートにどの程度従って走行しているか判定することができないので、図7(a)に示す処理が終了する。目的地が設定されている場合、撮影可能性演算部203は、演算対象となる撮影実行車両2Bから送信されたデータに基づいて、どの程度ルートに従っているかを示す合致率を算出する(ステップS720)。
図7(b)を用いて撮影実行車両2Bで合致情報を演算する方法について説明する。図7(b)に示すように、撮影実行車両2Bは、目的地を設定すると共にナビゲーションシステムからルートを提供された状態にて走行を行う(ステップS800)。走行の間、撮影実行車両2Bは実際の走行リンクとナビが提供したルートが合致しているか否かを判定し(ステップS810)、合致していない場合はルートから外れた箇所でのリンクIDとリンク長を記録する(ステップS820)。走行が終了したら(S830)、撮影実行車両2Bは、センターサーバ1に、総リンク本数、総リンク長、不合致リンク本数、不合致リンク長を送信する(ステップS840)。
センターサーバ1の撮影可能性演算部203は、図7(b)で送信された情報を用いて図7(a)のS720で撮影実行車両2Bでのユーザの合致率を演算する。また、撮影可能性演算部203は、当該合致率に応じ撮影可能性を算出する(ステップS730)。合致率が高い場合は、忠実にナビゲーションシステムからのルートに従って走行していると判断できるので、撮影可能性を高く設定できる。一方、合致率が低い場合は、ルートに従わずに走行していると判断できるので、撮影可能性を低く設定できる。
図6に戻り、S620において遠回り度が遠回り許容可能距離より大きいと判定された場合、センターサーバ1は、他車両である撮影実行車両2Bにとって負荷なく(例えば撮影のために撮影実行車両2Bがわざわざルート変更するなど)撮ってもらえるルートを算出できないという情報を、撮影を要求した被撮影車両2Aに送信する。
一方、S620において遠回り度が遠回り距離可能距離以下であると判定された場合、ルート探索部206は、すれ違いリンク(すなわち撮影地点)を通るルートと、当該ルートでの遠回り時間を算出する(ステップS630)。なお、複数のルートを作成することができる場合は、所定の優先順位に従って、最も優先順位の高いものを推奨ルートとして採用すればよい。
次に、推奨出発時間算出部207は、撮影を要求した被撮影車両2Aが直ちに推奨ルートの走行を開始した場合、すれ違い時間よりも早く撮影地点に到着する時間が、規定値以上であるか否かを判定する(ステップS640)。規定値より小さい場合は、被撮影車両2Aが直ちに推奨ルートの走行を開始しても、撮影地点にて撮影実行車両2Bとすれ違うことができると判断し、推奨出発時間を演算することなく、センターサーバ1は、推奨ルート、到着予想時間、撮影チャンス、遠回り時間を被撮影車両2Aに送信する(ステップS670)。一方、規定値以上である場合は、直ちに推奨ルートの走行を開始しても、被撮影車両2Aが撮影実行車両2Bよりも早く着きすぎてしまって撮影してもらえないと判断し、推奨出発時間算出部207は、推奨出発時間を算出する(ステップS650)。例えば、規定値を5分に設定した場合、撮影実行車両2Bより被撮影車両2Aの方が0〜5分早く撮影地点に到着すると予測される場合は、S650の処理を行わず、S670へ移行する。一方、撮影実行車両2Bより被撮影車両2Aの方が5分以上早く撮影地点に到着すると予測される場合は、推奨出発時間算出部207は、「撮影実行車両2Bの到着時間−被撮影車両2Aの到着時間+5分」を推奨出発時間として設定する。S650の処理の後、センターサーバ1は、推奨ルート、到着予想時間、撮影チャンス、遠回り時間に加え、推奨出発時間を被撮影車両2Aに送信する(ステップS660)。
S660、S670、S680の何れかの処理が終了すると、図6に示す処理が終了し、図5のS480の処理が終了する。ただし、S680が実行された場合は、推奨ルートは提供されない。
一方、撮影を要求した被撮影車両2Aに目的地が設定されていない場合のS490の処理では、センターサーバ1は、単純に一番早く撮影地点へ行くための推奨ルートと時間を演算し、当該演算結果を被撮影車両2Aに提供する。S490の処理によって、被撮影車両2Aの表示部21に、例えば図9(c)に示すような画面が表示される。図9(c)に示す画面では、地図上に、推奨ルートと、当該推奨ルート上の撮影地点(ここでは、路側カメラによる撮影地点1と、撮影実行車両2Bの車載カメラによる撮影地点2が示されている)と、先ほどユーザが選んだ撮影ポイントと、が表示されている。また、地図の横の欄には、撮影ポイントの名称と、撮影チャンスの回数と、撮影地点における撮影手法(路側カメラか車載カメラのいずれか)と、撮影地点における撮影実行車両2Bとのすれ違い時間(路側カメラは当該撮影地点に固定されているのでいつでもすれ違うことができるため、表示されない)と、撮影実行車両2Bに撮影してもらうための推奨出発時間と、が表示されている。なお、S490の処理においても、S480と同様に図6に示す処理が行われる(ただし、目的地が設定されていないので、遠回りに関する演算は省略される)。S490の処理が終了すると、図5の処理は終了する。
以上より、本実施形態に係る情報処理システム200では、撮影実行車両2Bの経路情報に基づいて、被撮影車両2Aの推奨経路を特定している。撮影実行車両2Bの経路情報に基づいた推奨経路に従うことにより、被撮影車両2Aは、より確実に撮影してもらうことができる。
また、情報処理システム200では、撮影実行車両2Bにより被撮影車両2Aが撮影される可能性を演算し、当該演算結果に基づいて、推奨経路を特定することができる。このように撮影される可能性に基づいた推奨経路を特定することにより、例えば、撮影される可能性が高い推奨経路を提供することが可能になり、あるいは、撮影される可能性が低い場合に必要以上に遠回りしてしまうような推奨経路の提供を防止できる。
また、情報処理システム200では、撮影実行車両2Bの経路情報に基づいて、被撮影車両2Aの推奨出発時間を演算することができる。例えば、被撮影車両2Aが直ちに推奨経路に従って走行したときに、所望の撮影場所に撮影実行車両2Bより被撮影車両2Aが早く到着する場合もある。その場合、推奨出発時間を被撮影車両2Aに提供することで、撮影場所に被撮影車両2Aが到着する時間と撮影実行車両2Bが到着する時間を合わせることができる。これにより、被撮影車両2Aは、より確実に撮影してもらうことができる。
また、情報処理システム200では、被撮影車両2Aの撮影が実行される撮影ポイントが、被撮影車両2Aにて設定される。また、設定された撮影ポイントに基づいて、撮影可能な被撮影車両2Bが特定される。被撮影車両2Aで撮影ポイントを設定することで、ユーザが撮影して欲しい位置での撮影が可能となる。また、当該撮影ポイントで撮影可能な被撮影車両2Bを特定することで、演算の負荷を低減することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。例えば、各車両に搭載される装置は特に限定されず、演算機能、撮影機能、通信機能、表示機能を有するものであれば特に限定されない。例えば、図10(a)に示す情報処理300システムでは、車両2A,2Bにスマートフォン301等の携帯型の情報端末が搭載されている。また、車両2A,2Bに搭載される撮影部も特に限定されず、図10(b)に示すように回転可能カメラ401を採用してもよく、図10(c)に示すように、全周囲撮影可能カメラ402を採用してもよい。
また、移動体の一例として、車両を例示したが、撮影部を有しセンターサーバと通信できればどのようなものでもよく、二輪車などで撮影を行ってもよい。