JP5631666B2 - 平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の製造方法 - Google Patents

平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の製造方法に関する。
従来、平版印刷版原版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版が広く用いられる。その製版方法として、通常は、リスフィルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去する方法が挙げられる。近年、画像情報をコンピューターを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、デジタル化技術が広く普及してきている。そして、そのようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきた。その結果レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフィルムを介することなく、直接印刷版を製造するコンピューター トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題となっている。このような平版印刷版原版としては、特許文献1〜3に記載された平版印刷版原版が挙げられる。
特開平10−228109号公報 特公平7−103171号公報 特開平11−38633号公報
平版印刷版原版には、形成された画像を確認しやすくするために、上記平版印刷版原版の画像記録層に検版剤(着色剤、染料や顔料)を含有させることが一般的である。中でも光重合型の平版印刷版原版の画像記録層に含有させる検版剤としては、光重合を阻害しないという利点を有することから顔料がよく用いられている。この顔料の分散性を上げるために顔料をポリマー(高分子顔料分散剤)で被覆することが一般的である。しかしながら、従来の高分子分散剤を使用した場合に、平版印刷版原版の自然経時により、現像後の非画像部に微小残膜が発生するという問題点があった。
本発明は、自然経時により発生する微小残膜を抑制した平版印刷版原版、及び、前記平版印刷版原版の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題は以下の手段により解決された。
<1>(成分f)イオン性重合開始剤、(成分a)顔料、(成分b)複素環を有する顔料分散剤、及び、(成分c)極性基を有する顔料分散剤を含有する感光層を親水性表面を有する支持体上に設けたことを特徴とする、平版印刷版原版、
<2>前記感光層が、(成分d)バインダーポリマー、(成分e)増感色素、及び、(成分g)ラジカル重合性化合物を更に含有する、<1>に記載の平版印刷版原版、
<3>成分aが、フタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、及び、ジケトピロロピロール顔料よりなる群から選択された少なくとも1種である、<1>又は<2>に記載の平版印刷版原版、
<4>成分bが、式(b−2)〜式(b−4)で表される基の少なくとも1つを有する、<1>〜<3>いずれか1つに記載の平版印刷版原版、
Figure 0005631666
式(b−2)〜式(b−4)中、Xは、単結合、又は、アルキレン基、−O−、−S−、−NRA−、若しくは、−C(=O)−を表し、
Aは、水素原子、又は、アルキル基を表し、
Y及びZは、各々独立に、−N=、−N(RB)−、−S−、又は、−O−を表し、
Bは、水素原子、又は、アルキル基を表し、
少なくともY又はZが、−N=又は−N(RB)−であり、
環A、環B、環C及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。
<5>成分bが、式(A−4)で表される基を有する、<4>に記載の平版印刷版原版、
<6>成分bが、重量平均分子量1,000以上100,000以下のグラフト型高分子化合物である、<1>〜<5>いずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<7>成分cの極性基が、塩基性基である、<1>〜<6>いずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<8>成分cの極性基が、アミノ基である、<1>〜<7>いずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<9>成分b及び成分cの総重量に対する成分cの割合が1〜50重量%である、<1>〜<8>いずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<10>成分fが、オニウム塩である、<1>〜<9>いずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<11><1>〜<10>いずれか1つに記載の感光層を構成する成分を含む組成物を支持体上に塗設する工程を含むことを特徴とする、平版印刷版原版の製造方法。
本発明により、自然経時により発生する微小残膜を抑制した平版印刷版原版が得られ、前記平版印刷版原版の製造方法も得られた。
本発明に使用される支持体の作製に用いる機械的粗面化装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に使用される支持体の作製における電気化学的粗面化処理に用いる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
本発明の平版印刷版原版は、(成分f)イオン性重合開始剤、(成分a)顔料、(成分b)複素環を有する顔料分散剤、及び、(成分c)極性基を有する顔料分散剤を含有する感光層を親水性表面を有する支持体上に設けたことを特徴とする。
以下、本発明の平版印刷版原版について詳細に説明する。なお、数値範囲を表す「X〜Y」の記載は、「X以上、Y以下」と同義であり、数値範囲の両端を含む。
(成分f)イオン性重合開始剤
イオン性重合開始剤は、後述する重合性化合物の硬化反応を開始、進行させる機能を有する。成分fは、熱により分解してラジカルを発生する熱分解型のラジカル発生剤、赤外線吸収剤の励起電子を受容してラジカルを発生する電子移動型のラジカル発生剤、又は、励起した赤外線吸収剤に電子移動してラジカルを発生する電子移動型のラジカル発生剤など、エネルギー(例えば熱又は光)を付与することでラジカルを生成させるものであって、イオン構造の化合物であればいかなる化合物を用いてもよい。例えば、オニウム塩、ボレート化合物などが好ましく、これらは併用してもよい。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
Figure 0005631666
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシ基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 -は1価の陰イオンを表し、具体的には、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン及びスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21及びAr22はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシ基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
21 -は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシ基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
31 -は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
本発明において、成分fとして、ボレート化合物(有機ホウ素塩)も好適に使用できる。イオン性重合開始剤として使用できるボレート化合物は、特開2009−168907号公報の段落0057〜0064に記載されている。
(成分a)顔料
感光層は、その着色を目的として、顔料を含有する。これにより、印刷版としての製版後の画像の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させることができる。顔料の具体例としては、色相的に限定されるものではなく、黒色顔料、黄色顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、ジスアゾ縮合系顔料、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、アントアントロン系顔料、アミノアントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、インダントロン系顔料、トリアリールカルボニウム系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソビオラントロン系顔料、ピラントロン系顔料、キノフタロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、チオインジゴ系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
中でも、成分aがフタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、及びジケトピロロピロール顔料よりなる群から選択された染料であることが好ましい。
顔料は、露光・現像処理した後、印刷する前の平版印刷版の原稿(文字・絵)の視認性(検版性)を付与するために使用する。視認性付与のためには、顔料が500nm以上の波長領域で光吸収するもの、すなわち、マゼンタ・レッド・シアン・ブルー・グリーン顔料が好ましく用いられる。逆に、たとえば500nm以下の波長領域でしか光吸収しないイエローは適さない。フタロシアニン顔料はブルー、グリーン、ジオキサジン顔料はバイオレット、ジケトピロロピロール顔料はレッド、キナクリドン顔料はマゼンタ、といずれも500nm以上の波長領域で光吸収する特性を有し、視認性付与に適している。
顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料を利用することができる。
更に詳しくは、例えば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号71140)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料;C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、又はC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料;C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、又はC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料;C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、又はC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料;C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料;C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料;C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、又はC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料;C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、又はC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料;C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、又はC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094) 等のジスアゾ系顔料;C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、又はC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料;C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料;C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、又は15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料;C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、又はC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料;C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、又はC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料;C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料;C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264 、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料;C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料;C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料;C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、又はC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料;C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、又はC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料;又はC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
この中で特に好ましいものは、ピグメントブルー15(C.I.番号74160)、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)が挙げられる。これらの好ましい顔料は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲において、染料を併用することができる。染料の具体例としては、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などが挙げられる。
また、上記のような検版性に加え重合禁止効果の観点から、吸収極大を500〜700nmの範囲に有する染料を用いることもできる。当該染料としては、特開2005−107389号公報の段落0013〜0017に記載のものが挙げられる。
顔料(染料を併用する場合は、当該染料も含む。)の添加量は、感光層中の不揮発性成分に対して0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは、0.8〜10質量%であり、更に好ましくは、1.0〜10質量%である。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が含まれる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
(成分b)複素環を有する顔料分散剤
本発明の平版印刷版原版は、感光層に(成分b)複素環を有する顔料分散剤を含有する。成分bの顔料分散剤を使用することにより、非画像部に発生する経時残膜を抑制することができ、これは従来のアミン系顔料分散剤と比較し、アルミ支持体への吸着性が抑制したためと推定している。顔料分散剤成分bとしては、主鎖又は側鎖に複素環を有する高分子化合物であることが好ましく、側鎖に複素環を有する高分子化合物がより好ましい。このような高分子化合物としては、式(b−1)で表される単量体、マレイミド、又は、マレイミド誘導体からなる単量体に由来する構成単位を含む重合体であることが好ましく、式(b−1)で表される単量体に由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。
Figure 0005631666
(式(b−1)中、R1は、水素原子、又は、アルキル基を表し、R2は、単結合、又は、2価の連結基を表し、Yは、−CO−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NH−、又は、フェニレン基を表し、Zは含窒素複素環を有する基を表す。)
1は、水素原子、又は、アルキル基を表す。前記アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。R1で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3、更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。)、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
1で表される好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられ、中でも、水素原子又はメチル基がより好ましい。
Yは、*−C(=O)−、*−C(=O)O−、*−OC(=O)−、*−C(=O)NH−、又は、フェニレン基を表す。なお、式(b−1)中、Yは、*が付された側で、R1が結合した炭素原子に結合する。Yとしては、*−C(=O)O−、及び、フェニレン基が好ましい。
2は、単結合、又は、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、チオ基(−S−)、エーテル性酸素原子(−O−)、エステル結合(−C(=O)O−又は−OC(=O)−)、アミド結合(−C(=O)NH−又は−NHC(=O)−)、ウレイレン基(−NHC(=O)NH−)、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
式(b−1)中、Yに結合する第1の2価の連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基、又は、チオ結合(−S−)が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基がより好ましい。アルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基等が挙げられる。
2で表される2価の連結基としては、アルキレン基のYと結合する側とは反対側の末端において、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は、硫黄原子)、又は、ヘテロ原子を含む部分構造と結合するものも好ましい。R2で表される2価の連結基としては、上記のアルキレン基の末端において、−O−、−S−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)S−、−NH(=O)NH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−、及び−NHC(=O)−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有するものが好ましく、アルキレン基の末端において、−O−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)S−と結合するものがより好ましい。また、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介してZと連結するものが好ましい。
Zは複素環構造を有する基を表す。複素環構造を有する基としては、複素環から水素原子を1つ取り除いた基が好ましい。複素環としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、コハク酸イミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、ピラジン、テトラゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、ナフタレンジカルボイミド、環状アミド、環状ウレア、環状イミド等の複素環が挙げられる。これらの複素環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子で置換した1,3−インダンジオニル基等が挙げられる。
Zは、炭素数が6以上である含窒素複素環を有する基であることが好ましく、炭素数が6以上18以下である含窒素複素環を有する基がより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環を有する基が特に好ましい。
前記炭素数が6以上である含窒素複素環を有する基としては、式(b−2)、式(b−3)又は式(b−4)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0005631666
(式(b−2)〜式(b−4)中、Xは、単結合、又は、アルキレン基、−O−、−S−、−NRA−、若しくは、−C(=O)−を表し、RAは、水素原子、又は、アルキル基を表し、Y及びZは、各々独立に、−N=、−N(RB)−、−S−、又は、−O−を表し、RBは、水素原子、又は、アルキル基を表し、少なくともY又はZが、−N=又は−N(RB)−であり、環A、環B、環C及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。)
式(b−2)〜式(b−4)の上部の*において、式(b−1)におけるR2と結合することが好ましい。
Xは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NRA−、及び、−C(=O)−よりなる群から選ばれたいずれかの基を表す。ここでRAは、水素原子又はアルキル基を表す。RAがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。中でも、Xとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
Y及びZは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(RB)−、−S−、又は、−O−を表し、少なくともY又はZが、−N=又は−N(RB)−を表す。RBは、水素原子、又は、アルキル基を表し、RBがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。中でも、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(RB)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせが好ましい。式(A−3)で表される基としては、イミダゾリル基が好ましく挙げられる。
環A、環B、環C、及び、環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
式(b−2)における環A及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が好ましく挙げられる。式(b−3)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環等が好ましく挙げられる。式(b−4)における環Dとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環等が好ましく挙げられる。中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、式(b−2)又は式(b−4)においては、ベンゼン環が更に好ましく、式(b−3)においては、ナフタレン環が更に好ましい。
また、式(b−2)、式(b−3)、及び、式(b−4)の中でも、式(b−4)で表される構造が更に好ましい。
式(b−2)で表される基としては、カルバゾール、アクリドン、フェノキサジン、フェノチアジンから水素原子を1つ引き抜いた基が好ましく挙げられる。式(b−3)で表される基としては、フタルイミド、ナフタルイミド、ナフタレンジカルボイミドから水素原子を1つ引き抜いた基が好ましく挙げられる。式(b−4)で表される基としては、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾールから水素原子を1つ引き抜いた基が好ましく挙げられる。
マレイミド誘導体としては、炭素数1〜3のアルキル基を有するN−アルキルマレイミド、炭素数6〜12のアリール基を有するN−アリールマレイミドが挙げられ、具体的には、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドが好ましい。
式(b−1)で表される単量体、マレイミド、及び、マレイミド誘導体の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005631666
Figure 0005631666
Figure 0005631666
成分bは、式(b−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する構成単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
成分bにおいて、式(b−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する構成単位の含有量は、特に制限はないが、成分bに含有される全構成単位を100質量%とした場合に、式(b−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する構成単位を5質量%以上含有することが好ましく、5〜50質量%含有することがより好ましく、10〜20質量%含有することが更に好ましい。式(b−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体の中でも、式(b−1)で表される単量体が顔料への吸着性が高いことから好ましい。
成分bは、グラフト型高分子化合物(グラフトポリマー)、すなわち、主鎖(幹鎖)に、所定の分子量を有する側鎖(枝鎖)が結合してなる構造を有する高分子化合物であることが好ましい。
成分bの主鎖は、前記式(b−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する構成単位を含み、後述するマクロモノマーに由来する構成単位や、後述する酸性基を有する構成単位むことが好ましい。
複素環を有する高分子顔料分散剤の側鎖としては、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等により構成されるものが好適に挙げられる。なお、本発明において、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれか又は双方を指す場合、それぞれ「(メタ)アクリル」等とも記載する。
グラフト型高分子化合物は、側鎖を有する構造であれば、主鎖と側鎖とは同じポリマー種で形成されたものであってもよく、互いに異なっていてもよい。また、主鎖、側鎖には、目的に応じて種々の部分構造を含むことができる。例えば、主鎖に顔料吸着性に優れた官能基を導入することで、成分bの顔料表面への吸着性をより向上させることができる。
成分bを合成する際、主鎖を形成するモノマーとともに、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマーを共重合させることが、導入される側鎖の鎖長や特性を制御し、顔料への吸着性に優れ、また、経時的な安定性に優れた成分bを得られるという観点から好ましい。
側鎖の形成に有用な、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマーは、所定の分子量を有する化合物であることからマクロモノマーとも呼ばれる。以下の説明では、本発明における「末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマー」を、適宜、「重合性オリゴマー」又は「マクロモノマー」と称する場合がある。
本発明において所望により用いられる重合性オリゴマーは、オリゴマー鎖部分とその末端のエチレン性不飽和結合を有する重合可能な官能基の部分を有する。このようなエチレン性不飽和結合を有する基は、オリゴマー鎖の一方の末端にのみ有することが、所望のグラフト型高分子化合物を得るという観点から好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
成分bの合成に用いられるマクロモノマーは、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500〜10,000の範囲であることが好ましく、1,000〜9,000の範囲であることがより好ましい。
マクロモノマーにおけるオリゴマー鎖の部分は、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、及び、ブタジエンよりなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマーから形成される単独重合体又は共重合体、あるいは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はポリカプロラクトンであってもよい。
これらのオリゴマー鎖は更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としてはハロゲン原子、アルケニル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基等が挙げられる。
なお、ポリマー鎖を形成するアルキル(メタ)アクリレート、N−アルキル(メタ)アクリルアミド等におけるアルキル基の具体的な例としては、アルキル基、又は、置換アルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、2−ブロモプロピル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、ビシクロ〔3.2.1〕オクト−2−イル基、1−アダマンチル基、ジメチルアミノプロピル基、アセチルアミノエチル基、N,N−ジブチルアミノカルバモイルメチル基などが挙げられる。このようなアルキル基のうち、無置換アルキル基、又は、ハロゲン原子、アリール基、若しくは水酸基で置換されたアルキル基が好ましく、特に無置換アルキル基が好ましい。
これらのオリゴマー鎖の中でも、成分bの分散安定性、現像性の観点からは、無置換又は置換基として水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、無置換又は置換基として炭素数1〜4のアルキル基を有するN−アルキル(メタ)アクリルアミド、無置換又は置換基として炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N’−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、無置換又は置換基として炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するスチレン、(メタ)アクリロニトリルよりなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーから形成される単独重合体あるいは共重合体、ポリカプロラクトン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドが好ましく、無置換又は置換基として水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレート、無置換又は置換基として炭素数1〜4のアルキル基を有するN,N’−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、無置換又は置換基として炭素数1〜4のアルコキシ基を有するスチレン、(メタ)アクリロニトリルよりなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーから形成される単独重合体あるいは共重合体、ポリカプロラクトンが特に好ましい。
成分bを合成するのに有用なマクロモノマーとしては、式(b−5)で表されるマクロモノマーが好ましく挙げられる。
Figure 0005631666
式(b−5)中、R11及びR13は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R12は炭素原子数1〜12のアルキレン基を含む連結基を表し、Y11は、フェニル基、−COOR14、シアノ基、又は−CONR1516を表し、R14は炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基又は又は炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表し、R15及びR16は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、qは10〜200の整数を表す。
12は炭素原子数1〜12のアルキレン基を含む連結基を表し、該連結基は、炭素原子数1〜12のアルキレン基であってもよいし、複数の当該アルキレン基がエステル結合、エーテル結合、アミド結合等を介して連結したものであってもよい。R12におけるアルキレン基として好ましくは、炭素原子数2〜4のアルキレン基である。R12におけるアルキレン基は、更に、水酸基、アルコキシ基の如き置換基を有していてもよい。
11は、置換基を有してもよいフェニル基、−COOR14、シアノ基、−CONR1516を表す。ここで、R14は、炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表す。R15、R16は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す。R14、R15、R16、及び、Y11がアルキル基、フェニル基を表す場合、これらは更に置換基を有してもよく、ここで導入可能な置換基としては、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。Y11は、好ましくは、フェニル基、シアノ基又は−COOR14であり、ここでR14は炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。Y11は、分散安定性、現像性の点から、−COOR14、又は、シアノ基であることが最も好ましい。
式(b−5)のマクロモノマーにおいてq個連結される構成単位は1種のみでもよく、2種以上の構成単位を含む共重合体であってもよいが、複数種の構成単位を含む場合、R13、Y11として、互いに異なる2種以上が存在することもできる。
上記重合性オリゴマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミドの単独重合体又はこれらの共重合体であって、オリゴマーの末端の一個に(メタ)アクリロイル基を含む構造(式(b−5)におけるH2C=C(R11)C(=O)O−R12−S−)が結合したマクロモノマーが好適に挙げられる。
上記重合性オリゴマーは、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよく、該市販品としては、例えば、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AS−6、東亞合成(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AA−6、東亞合成(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AB−6、東亞合成(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7,000、商品名:AA−714、東亞合成(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7,000、商品名:707S、東亞合成(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7,000、商品名:AY−707S、AY−714S、東亞合成(株)製)などが挙げられる。
成分bは、重合性オリゴマーに由来する構成単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
成分bにおけるマクロモノマーに由来する構成単位の含有量は、成分bに含まれる全構成単位を100質量%として、20〜80質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。
成分bは、未露光部の現像除去性を向上させるため酸性基を有することが好ましい。このため、成分bの合成の際に、酸性基を有するモノマーを共重合させることが好ましい。
前記「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が特に好ましい。
合成に用い得る酸性基を有するモノマーの例としては、カルボキシ基を有するエチレン性不飽和化合物やスルホン酸基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
カルボキシ基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシ基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。中でも、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するエチレン性不飽和化合物として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するエチレン性不飽和化合物として、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
成分bは、酸性基を有するモノマーに由来する構成単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
成分bにおける酸性基の含有量としては、カルボキシ基に代表される酸基を50mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲で含むことが好ましい。
成分bの好ましい態様は、前記式(b−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する構成単位、及び、前記マクロモノマーに由来する構成単位を含み、より好ましくは、更に酸性基を有するモノマーに由来する構成単位を含む態様である。
成分bの重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましく、10,000〜30,000が更に好ましい。
また、成分bの数平均分子量(Mn)は、2,500〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、5,000〜15,000が更に好ましい。
成分bは、重量平均分子量1,000以上100,000以下のグラフト型高分子化合物であることが好ましい。
成分bの添加量は特に制約されないが、顔料粒子100質量部に対して1〜200質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜150質量部の範囲であり、特に好ましくは15〜75質量部の範囲である。上記範囲とすることで、画像部の硬度、感度及び耐刷性の観点から良好であり、かつ、顔料粒子の凝集沈降が抑制される。
(成分c)極性基を有する顔料分散剤
本発明の平版印刷版原版において、その製造に使用する塗布液中に(成分a)顔料を安定に分散するために、(成分b)複素環を有する顔料分散剤に、(成分c)極性基を有する顔料分散剤を併用する。
本発明に用いる極性基を有する顔料分散剤として、好ましくはアミノ基を有する化合物、カルボン酸基を有する化合物、スルホン酸基を有する化合物、リン酸基を有する化合物などの極性基を有する化合物が好ましい。赤外線レーザ用ネガ型感光層は、重合開始剤としてオニウム塩などの高極性化合物、また塗布液用溶媒として、親水性(重合開始剤他を溶解)と疎水性(バインダー等を溶解)の中間特性の溶媒を用いる。このような溶媒中で顔料粒子を安定に分散するには、従来の疎水性立体反発機能のみ有する分散剤に対し、極性反発機能と疎水性立体反発機能の両方の機能を有する分散剤が必須である。極性反発機能を有する基として極性基があげられ、上記のような極性基を有する化合物を用いることが好ましい。
本発明に用いる極性基を有する分散剤の極性基としては、アミノ基、アンモニウム基等の塩基性基が好ましく、アミノ基がより好ましい。
本発明の平版印刷版原版において、残膜抑制効果をもたらす成分bの分散剤のみでは塗布液中で顔料を安定に分散することができないため成分cを併用する。しかし、成分cを多く含むことにより、アルミ支持体への吸着が発生し、残膜の故障が発生するため、2成分の併用比が重要となる。
成分bと成分cの配合比の好ましい範囲を記載すると、(成分b)複素環を有する高分子顔料分散剤、及び(成分c)極性基を有する顔料分散剤の総重量に対する成分cの割合は1〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜30重量%であり、最も好ましくは5〜20重量%である。
また、本発明の顔料分散物は、(成分b)複素環を有する高分子顔料分散剤、及び(成分c)極性基を有する顔料分散剤を混合して用いることが好ましい。混合する顔料分散剤は2種以上であってもよく、用いる顔料分散剤種は2〜10種が好ましく、更に好ましくは2〜4種である。
本発明において顔料分散液の調製に用い得る分散溶媒の例としては、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。またこれらの溶媒を水系溶媒(例えば、水、又は塩酸水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、界面活性剤を溶解した水溶液など水を主体とする溶液)と混合して使用してもよい。
本発明の平版印刷版原版の感光層には、前記顔料を顔料分散物として含むことが好ましく、顔料分散物の調製方法は、公知の方法でよく、例えば、顔料に所望により用いられる顔料分散剤、及び前記混合溶剤の一部を添加し、よく混練したのち、残りの溶剤を加え、分散させる方法が挙げられる。
混合溶剤に顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の重量平均粒径は、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜1μmより好ましく、0.1〜1μmが更に好ましい。この好ましい粒径の範囲において、感光層中における顔料の優れた分散安定性が得られ、均一な感光層が得られる。
複素環を有する高分子顔料分散剤を用いた顔料分散物は、ネガ型、ポジ型の感光層に含有することでき、特にネガ型の感光層に含有することが好ましい。
本発明の平版印刷版原版の感光層には、成分fのイオン性重合開始剤、及び、成分a〜cに加えて、(成分d)バインダーポリマー、(成分e)増感色素、及び、(成分g)ラジカル重合性化合物、を更に含有することが好ましい。
以下にこれらの任意成分d、成分e及び成分gについて順次説明する。
(成分d)バインダーポリマー
本発明の平版印刷版原版における感光層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
本発明に用いることができるバインダーポリマーの化学構造は、特に限定されないが、アルカリ性処理液への溶解性、すなわち現像性の観点から酸基を有する有機高分子が好ましく、特にカルボン酸又はその塩を含有する有機高分子がより好ましい。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとしては、カルボン酸含有のアルカリ水可溶又は膨潤性の有機高分子が例示できる。この様な有機高分子としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が有用である。バインダーポリマーとして、カルボン酸(塩)基を含有する(メタ)アクリル酸エステルに由来するモノマー単位を含む共重合体が好ましい。
また、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなども有用である。更に、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号の各公報に記載のポリウレタン樹脂もアルカリ水可溶又は膨潤性バインダーとして有用である。本発明に使用できるバインダーポリマーとして、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、又は、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとして好適な材料の一例は、(a)カルボン酸基(その塩を含む。)を含有するモノマー単位及び(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位を有する共重合体である。
(a)カルボン酸基を含有するモノマー単位としては、特に限定されないが、特開2002−40652号公報、特開2005−300650号公報の段落0059〜0075に記載の構造が好ましく用いられる。
(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位としては、特に限定されないが、特開2007−248863号公報の段落0041〜0053に記載の構造が好ましく用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、(a)カルボン酸基を含有するモノマー単位も、(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位も含まないエチレン性不飽和化合物に由来するモノマー単位を共重合成分として有していてもよい。
このようなモノマー単位としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましい。特に、特開2007−272134号公報の段落0061〜0084に記載のアミド基(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましく用いられる。このモノマーの含有量は、総モノマー単位数を100とした場合、そのうちの5〜50単位であることが好ましく、5〜35単位であることがより好ましく、5〜25単位であることが更に好ましい。
本発明における感光層には、バインダーポリマーとして、前述のモノマー単位の組み合わせを有する付加重合体以外に、側鎖に架橋性基を有するウレタン樹脂も使用することができる。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に画像形成層中で起こる化学反応によりバインダーポリマーを架橋することができる基のことである。このような機能を有する基であれば特にその化学構造は限定されないが、例えば、付加重合し得る官能基としてエチレン性不飽和基が好ましい。また、特開2007−17948号公報の段落0130〜0139に記載された官能基が例示できる。
本発明で特に好ましく用いられる側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂は、(i)ジイソシアネート化合物、(ii)カルボキシ基を有するジオール化合物、(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物、及び、必要であれば、(iv)カルボキシ基を有さないジオール化合物、(v)アミノ基を有する化合物を重付加反応させることにより得ることができる。
上記(i)、(ii)及び(iii)の化合物は、特開2007−17948号公報の段落0142〜0167に記載された式(4)〜(10)及び具体例が挙げられる。(iv)の化合物は、特開2007−17948号公報の段落0180〜0225に記載された一般式(A’)、式(a)〜(e)、式(11)〜(22)及び具体的化合物が挙げられる。(v)の化合物は特開2007−17948号公報の段落0227〜0230に記載された式(31)及び式(32)及び具体的化合物が挙げられる。上記のポリウレタン樹脂のほかに、特開2003−270775号公報に記載されるようなカルボキシ基を有するポリウレタンに高分子反応で架橋性基を導入して得られるポリウレタン樹脂も例示できる。
感光層の現像性を維持するためには、使用されるバインダーポリマーは、適当な分子量を有することが好ましく、重量平均分子量が5,000〜300,000であることがより好ましく、20,000〜150,000であることが更に好ましい。
これらのバインダーポリマーは、感光層中に任意な量で含有させることができるが、前記感光層中におけるバインダーポリマーの含有量は、10〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
(成分e)増感色素
本発明の平版印刷版原版における感光層は、増感色素を含有することが好ましい。本発明に用いることができる増感色素としては、特に制限はなく、公知の増感色素を用いることができる。例えば、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素や、500〜600nmに極大吸収を有する増感色素、750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素(赤外線吸収剤)を添加することで、各々、当業界で通常用いられている405nmのバイオレットレーザ、532nmのグリーンレーザ、830nmのIRレーザに対応した高感度な平版印刷版原版を提供することができる。
本発明にて好適に用いられる750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素について詳述する。なお、本発明においては、「750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素」を、「赤外線吸収剤」ともいう。赤外線吸収剤は、750〜1,400nmの波長に吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
染料としては、市販の染料、及び、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。
具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記式(a)で表されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 0005631666
式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xa -は後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。なお、Phはフェニル基を表す。
Figure 0005631666
1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。感光層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、また、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることも好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を表す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za -は、対アニオンを表す。ただし、式(a)で表されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa -は必要ない。好ましいZa -は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及び、スルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及び、アリールスルホン酸イオンである。なお、対イオンとして、ハロゲン化物イオンを含有してないものが特に好ましい。
その他の赤外線吸収剤としては、特開2002−40638号公報の段落0013〜0035、特開2005−91617号公報の段落0231〜0260、特開2005−250158号公報の段落0145〜0173、特開2007−47742号公報の段落0275〜0304、特開2007−249036号公報の段落0115〜0124、特開2008−242093号公報の段落0116〜0145に記載のものを好ましく用いることができる。
次に、300〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について説明する。
この様な増感色素としては、例えば、メロシアニン色素類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類、等を挙げることができる。
300nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記式(IX)で表される色素である。
Figure 0005631666
(式(IX)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又はNR3を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR1及びR2とR3はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。)
1、R2及びR3はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、好ましくは、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の芳香族複素環残基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、又は、ハロゲン原子を表す。
次に、式(IX)におけるAは、置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、式(IX)中のR1、R2及びR3で記載したものと同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては、特開2007−58170号公報の段落0047〜0053に記載の化合物が好ましく用いられる。
更に、特開2005−91617号公報の段落0178〜0230、特開2005−250438号公報の段落0202〜0250、特開2005−300817号公報の段落0170〜0176、特開2007−17948号公報の段落0058〜0081、特開2007−47742号公報の段落0230〜0265、特開2007−171406号公報の段落0033〜0036、特開2007−206216号公報の段落0023〜0055、特開2007−225701号公報の段落0018〜0037、特開2007−248863号公報の段落0208〜0243、特開2007−249036号公報の段落0077〜0112、特開2007−316582号公報の段落0037〜0046、特開2007−328243号公報の段落0027〜0113に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
これらの増感色素は、他の成分と同一の感光層に添加してもよいし、別の感光層を設けそこへ添加してもよい。
前記感光層におけるこれらの増感色素の含有量は、感光層中における均一性や感光層の耐久性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し、0.01〜50質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることが更に好ましい。
(成分g)ラジカル重合性化合物
本発明の平版印刷版原版における感光層は、重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明における感光層に用いることができる重合性化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(「エチレン性不飽和化合物」ともいう。)であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物、更に好ましくは2個有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においては、これらを特に限定なく用いることができる。
エチレン性不飽和化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸とアルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸とアミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類又はチオール類との付加反応物、更にハロゲノ基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類又はチオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
不飽和カルボン酸エステルの例としては、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号の各公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、アミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されているビニルウレタン化合物等が挙げられる。
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
本発明においては、ビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレートが好ましい。ビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレートとしては、水添ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも、ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートが好ましく、ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートとしては、1分子あたり1〜6のエチレンオキサイド基を付加したものが更に好ましい。
前記感光層における重合性化合物は、単独又は2種以上併用してもよい。
前記感光層における重合性化合物の含有量は、感光層の全固形分に対して、5〜75質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがより好ましく、25〜60質量%であることが更に好ましい。
<その他の感光層成分>
本発明の平版印刷版原版における感光層には、更に、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、感光層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機微粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上のための共増感剤や連鎖移動剤、可塑性向上のための可塑剤等を添加することができる。これらの化合物はいずれも公知のものを使用でき、例えば、特開2007−171406号、特開2007−206216号、特開2007−206217号、特開2007−225701号、特開2007−225702号、特開2007−316582号、特開2007−328243号の各公報に記載の化合物を使用することができる。
<感光層の形成>
本発明の平版印刷版原版における感光層は、必要な上記各成分を溶剤に分散及び/又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成することができる。ここで使用する溶剤としては、イオン性重合開始剤の溶解性の観点から溶解パラメーター(SP値)が11以上の有機溶剤と、溶解パラメーター(SP値)が11未満の有機溶剤との混合溶剤が好ましい。
溶解パラメーター(SP値)が11以上の好ましい溶剤としては、メタノール(沸点65℃、SP値14.5〜14.8)、エタノール(沸点79℃、SP値12.7)、1−プロパノール(沸点97℃、SP値12.1)、2−プロパノール(沸点82℃、SP値11.5)、ベンジルアルコール(沸点205℃、SP値12.1)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃,SP値11.9)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃、SP値12.9)が挙げられる。
溶解パラメーター(SP値)が11未満の好ましい溶剤としては、酢酸エチル(沸点77℃、SP値8.7)、アセトン(沸点56℃、SP値9.9)、メチルエチルケトン(MEK)(沸点79.5℃、SP値9.3)、テトラヒドロフラン(沸点66℃、SP値9.1)、アセトニトリル(沸点82℃、SP値11.9)、ヘキサン(沸点69℃、SP値7.3)、シクロヘキサノン(沸点156℃、SP値9.9)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)(沸点121℃、SP値10.2)、トルエン(沸点111℃、SP値8.8)、等をあげることができる。
これらのうち、SP値が11以上の少なくとも1種の有機溶剤と、SP値が11未満の少なくとも1種の有機溶剤と、を組み合わせて用いる。SP値が11以上の少なくとも1種の有機溶剤とSP値が11未満の少なくとも1種の有機溶剤は、ともに沸点が100℃以上のものでも構わないが、100℃未満であることが、塗布後の乾燥の観点から好ましい。
上述したSP値が11以上の有機溶剤の中で、より好ましいのは、メタノール及びエタノール等のアルコール溶剤である。
上述したSP値が11未満の有機溶剤の中で、より好ましいのは、メチルエチルケトン及び酢酸エチルである。
SP値が11以上の有機溶剤とSP値が11未満の有機溶剤との配合比は任意に選択できるが、溶剤総重量に占めるSP値が11以上の有機溶剤の割合が、10〜30重量%であることが好ましい。
上述したとおり、SP値が11以上の少なくとも1種の有機溶剤、及び、SP値が11未満の少なくとも1種の有機溶剤のほか、上述したように、塗布性向上の観点から、更に沸点が100℃以上の有機溶剤を併用することが好ましい態様である。沸点が100℃以上の有機溶剤のSP値は特に限定されないが、SP値は11未満の溶剤がより好ましい。SP値が11以上の有機溶剤は、溶剤の特性としては極性が高く感光層の重合開始剤と相互作用しやすい。更に沸点が100℃以上となると、塗布液を塗布した後の乾燥に長い時間または多大なエネルギーが必要となる、または乾燥が不十分な場合は感光層中に溶剤が残存して性能劣化を引き起こすなどの弊害が生じる。このため、沸点が100℃以上の有機溶剤は、SP値が11未満で極性が低いことがより好ましい。
沸点が100℃以上の好ましい有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びシクロヘキサノンが挙げられる。
塗布液の固形分濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層の乾燥塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、0.3〜3.0g/m2が好ましい。上記範囲であると、良好な感度と感光層の良好な皮膜特性が得られる。
<保護層>
本発明の平版印刷版原版は、感光層における傷等の発生防止、酸素遮断、高照度レーザー露光時のアブレーション防止のため、必要に応じて、感光層の上に保護層を設けてもよい。
本発明においては、好ましくは露光を大気中で行うが、保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光による画像形成反応の阻害を防止する。したがって、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものであることが好ましい。このような特性を有する保護層については、以前より種々検討がなされており、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に詳細に記載されている。また、保護層としては、特開2008−15503号、特開2008−89916号、特開2008−139813号の段落0200〜0261の各公報に記載されている保護層を好適に用いることができる。
<支持体>
平版印刷版原版に用いることができる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な支持体であればよいが、親水性支持体であることが好ましく、アルミニウム板がより好ましい。
支持体としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、前記金属がラミネートされ若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム支持体と処理方法としては、具体的には、特開2005−88300号公報に記載されているアルミニウム支持体及び処理方法が好ましく例示できる。
<下塗り層(中間層)>
平版印刷版原版においては、支持体上に下塗り層(「中間層」ともいう。)を設けることが好ましい。下塗り層が用いられるときは、感光層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と感光層との密着性を強化し、また、未露光部においては、感光層の支持体からの剥離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
前記下塗り層としては、重合性基を含有する化合物を含むことが好ましい。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の乾燥塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であることが好ましく、1〜30mg/m2であることがより好ましい。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後、又は、下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
なお、バックコート層を設けた場合、本発明の平版印刷版原版の積層体における「支持体裏面」とは、バックコート層を含む。すなわち、その場合は、本発明の平版印刷版原版の積層体は、本発明の平版印刷版原版を、第3保護層とバックコート層(支持体裏面)とを直接接触させて複数枚積層してなる。
〔平版印刷版の製版方法〕
本発明の平版印刷版の製版方法は、本発明の平版印刷版原版を使用した方法であれば、特に制限はないが、平版印刷版原版を画像露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)、現像液により現像処理する工程(以下、「現像工程」ともいう。)を含む製版方法であることが好ましく、版面処理剤を用いて版面処理する工程(以下、「版面処理工程」ともいう。)を含む製版方法であることがより好ましい。
<露光工程、及び、現像工程>
本発明の平版印刷版の製版方法は、平版印刷版原版を画像露光する工程、及び、現像液により現像処理する工程を含むことが好ましい。
ここで、現像処理とは、現像液により、感光層の非露光部を除去して、露光部に対応する画像を形成することをいう。
本発明において、平版印刷版原版から平版印刷版を製造する製版プロセスにおいては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、平版印刷版原版の全面を加熱してもよい。このような加熱により、画像形成層中の画像形成反応が促進され、感度の向上、耐刷性の向上及び感度の安定化という利点が得られる。更に、画像強度及び耐刷性の向上を目的として、現像により得られた画像を後加熱したり、全面露光することも有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。現像後の加熱にはより強い条件を利用する。200〜500℃の温度範囲が好ましい。
本発明の平版印刷版の製版方法に用いることができる平版印刷版原版としては、前述したものを好適に用いることができる。本発明に用いることができる平版印刷版原版は、可視光レーザー、赤外線レーザーなどのレーザーで記録できる平版印刷版原版であることが好ましい。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。
本発明に用いることができる露光光源は、感光層の態様に応じて適宜選択し得るが、350nm以上450nm以下の可視光レーザー、波長760nm以上1,200nm以下の赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーであることが好ましく、これらにより平版印刷版原版が画像露光されることが好ましい。
本発明の平版印刷版原版は、露光した後、現像液(好ましくは水又はアルカリ性水溶液)にて現像することが好ましい。平版印刷版原版の現像液及び補充液としては、従来公知のアルカリ水溶液が使用できる。
アルカリ水溶液の調製に用いる無機アルカリ塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
これらのアルカリ剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
現像液又は補充液のpHとしては、14以下であることが好ましく、8〜13であることがより好ましく、11〜13であることが更に好ましい。
更に、自動現像機を用いて現像する場合には、現像液と同じもの、又は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の平版印刷版原版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤等を添加できる。
好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。
好ましい有機溶剤としては、ベンジルアルコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール若しくはその誘導体、又は、ポリプロピレングリコール若しくはその誘導体等の添加も好ましい。また、アラビット、ソルビット、マンニット等の非還元糖を添加することもできる。
更に、現像液及び補充液には、必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸又は亜硫酸水素酸のナトリウム塩及びカリウム塩等の無機塩系還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
<版面処理工程>
本発明の平版印刷版原版の製造方法は、版面処理剤を用いて版面処理する工程を含むことが好ましい。
版面処理剤の使用態様は、特に制限されるものではないが、自動ガム塗布機などを使用すると、均一に塗布することができ、好ましい。
版面処理剤による処理は、現像工程の後、無水洗で直ちに行うこともできるし、現像処理後(水洗工程、流水循環水洗あるいは少量の塗りつけ水洗を含む。)あるいは界面活性剤を含有するリンス液で処理した後に行うこともできる。
版面処理剤としては、ガム液が例示できる。
本発明に用いることができるガム液は、特に限定なく、公知のものが使用できるが、水溶性高分子化合物や界面活性剤が含まれていることが好ましい。
ガム液における水溶性高分子化合物としては、特に限定はなく、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ガム液に用いることができる界面活性剤は、特に限定なく、公知の化合物を使用することができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアリールエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などカチオン系界面活性剤;ソルビトール及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム等の両性界面活性剤が挙げられる。
本発明におけるガム液処理は、現像工程の後、無水洗で直ちに行うこともできるし、現像処理後(水洗工程、流水循環水洗あるいは少量の塗りつけ水洗を含む。)あるいは界面活性剤を含有するリンス液で処理した後に行うこともできる。ガム液処理は、自動現像機を用いて行うことも適している。
また本発明では、保護層の除去、現像処理及びガム液処理を1浴で行うことも好ましい。
版面処理剤による版面処理は、自動現像機を用いて行うことも適している。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、平版印刷版原版を搬送する装置と、各処理液槽及びスプレー装置からなり、露光済みの平版印刷版原版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像及び後処理するものである。また、処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって浸漬搬送させて現像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<複素環を有する高分子顔料分散剤の合成>
〔合成例1:重合体No.1の合成〕
M−11 10.0部、末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート〔数平均分子量6,000:AA−6:東亞合成(株)製、表1中に(MM−1)と記載〕75.0部、メタクリル酸15.0部、及び1−メトキシ−2−プロパノール334.0部を、窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温した。
これに、2、2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製の「V−65」)を0.5部加え、90℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、更にV−65を0.5部加え、3時加熱撹拌の後、メチルメタクリレート、メタクリル酸由来の主鎖に、MM−1由来の側鎖を有するグラフト型高分子化合物(重合体No.1)の30%溶液を得た。
得られた高分子化合物(重合体No.1)の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、20,000であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定によれば、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。
〔合成例2:重合体No.2の合成〕 以下、出発物質である単量体として下記表1に記載のものを用い、重合開始剤の添加量を適宜変更した他は合成例1と同様にして特定グラフト型高分子化合物重合体2を合成した。
Figure 0005631666
表1に記載の、顔料分散剤の合成に用いた単量体及びマクロモノマーの詳細を以下に示す。
Figure 0005631666
・MM−1:末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(数平均分子量 6,000)
・MM−3:末端メタクリロイル化メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体(60/40質量%)(数平均分子量 5,000)
・MAA:メタクリル酸
(実施例1)
〔顔料分散物の調製〕
C.I.ピグメントブルー15:6 15.0部に、下記表2に記載の分散剤7.5部、溶媒としてメチルエチルケトン31.0部、メタノール15.5部、1−メトキシ−2−プロパノール31.0部の合計100部を混合し、ダイノミルで30分間分散し、顔料分散物(No.1)の顔料分散物を調製した。
(顔料分散物2〜10)
顔料分散物2〜10は、表2に記載の顔料、分散剤に変更した以外は実施例1と同様にして、顔料分散物を調製した。表2における各成分の仕込量は、実施例1の各成分と同量である。
Figure 0005631666
表2に記載の分散剤を下記に示す。
・アジスパーPB822:ポリアリルアミン/ポリカプロラクトン顔料分散剤(味の素ファインテクノ(株)製)
・ヒノアクトT−8000:ポリアルキレンポリアミン系分散剤(川研ファインケミカル(株)製)
・表2に記載の染料(エチルバイオレットEV−1)の構造について下記に示す。
Figure 0005631666
〔支持体の作製〕
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(j)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後には、ニップローラで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
図1に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、21はアルミニウム板、22及び24はローラ状ブラシ、23は研磨スラリー液、25、26、27及び28は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板を苛性ソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気
量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流さ
せた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水
酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源の波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気
量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水
酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、下記中間層塗布液(B)を乾燥塗布量が10mg/m2になるように上記の表面
処理を施したアルミニウム支持体上に塗布して、乾燥した。
<中間層塗布液(B)>
・下記構造の高分子化合物A(重量平均分子量:3万) 0.017部
・メタノール 9.00部
・水 1.00部
Figure 0005631666
なお、上記高分子化合物Aにおける各単量体単位を表す括弧の右下の数字は、モル比を表す。
(感光層の形成)
下記感光層形成用塗布液1を調製し、上記のように形成された下塗り層上(中間層上)にワイヤーバーを用いて塗布した。乾燥は、温風式乾燥装置にて125℃で34秒間行った。乾燥後の被覆量は1.0g/m2であった。
<感光層形成用塗布液1>
・赤外線吸収剤(IR−1:下記構造式) 0.038部
・重合開始剤A(S−1:下記構造式) 0.061部
・重合開始剤B(I−1:下記構造式) 0.094部
・メルカプト化合物(E−1:下記構造式) 0.015部
・重合性化合物(A−BPE−4:下記構造式)(商品名:A−BPE−4 新中村化学工業(株)) 0.425部
・バインダーポリマーA(B−1:下記構造式) 0.311部
・バインダーポリマーB(B−2:下記構造式) 0.250部
・バインダーポリマーC(B−3:下記構造式) 0.062部
・添加剤(増感助剤)(T−1:下記構造式) 0.079部
・重合禁止剤(Q−1:下記構造式) 0.0012部
・顔料分散物2 0.137部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780−F 大日本インキ化学工業(株)、メチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%溶液) 0.0081部
・メチルエチルケトン(MEK) 6.000部
・メタノール(MA) 3.000部
・1−メトキシ−2−プロパノール(MFG) 6.000部
なお、上記感光層形成用塗布液Aに用いた、赤外線吸収剤(IR−1)、重合開始剤A(S−1)、重合開始剤B(I−1)、メルカプト化合物(E−1)、重合性化合物(M−1)、バインダーポリマーA(B−1)、バインダーポリマーB(B−2)、バインダーポリマーC(B−3)、添加剤(T−1)及び重合禁止剤(Q−1)の構造を以下に示す。
Figure 0005631666
Figure 0005631666
(感光層形成用塗布液)
実施例2〜7、比較例1〜8は、表3に記載の顔料分散物、混合溶剤種に変更した以外は実施例1と同様にして、感光層形成用塗布液を調製した。表3における各成分の仕込量は、実施例1の各成分と同量である。
(下部保護層の形成)
形成された感光層上に、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS−50:ケン化度99モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)、界面活性剤A(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)、及び、界面活性剤B(アデカプルロニックP−84、(株)ADEKA製)の混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)中の合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/界面活性剤A/界面活性剤Bの含有量割合は、7.5/89/2/1.5(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
(上部保護層の形成)
下部保護層上に、有機フィラー(アートパールJ−7P、根上工業(株)製)、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(L−3266:ケン化度87モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業(株)製)、増粘剤(セロゲンFS−B、第一工業製薬(株)製)、及び、界面活性剤(日本エマルジョン(株)製、エマレックス710)の混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)中の有機フィラー/合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/増粘剤/界面活性剤の含有量割合は、4.8/2.9/69.0/19.0/4.3(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は1.2g/m2であった。
(バックコート層の形成、及び製版処理)
保護層を設けた側と反対の面には以下のバックコート塗布液組成物をワイヤーバー塗布し、100℃70秒間乾燥し、有機高分子化合物を含むバックコート層を得た。塗布量は0.46g/m2であった。
<バックコート塗布液>
・テトラエトキシシラン 2.17部
・ジブチルマレイン酸エステル 0.16部
・ピロガロール樹脂(重量平均分子量3,000:下記構造式) 0.16部
・メガファックF−780−F(DIC(株)製) 0.005部
・メチルエチルケトン 22.5部
・1−メトキシ−2−プロパノール 2.5部
Figure 0005631666
こうして得られた平版印刷版原版をセッティング部分からオートローダーにて、Creo社製Trendsetter3244に搬送し、解像度2,400dpiで50%平網画像を、出力7W、外面ドラム回転数150rpm、版面エネルギー110mJ/cm2で露光した。露光後、加熱処理、水洗処理は行わず、富士フィルム(株)社製自動現像機LP−1310HIIを用い搬送速度(ライン速度)2m/分、現像温度30℃で現像処理した。なお、現像液は富士フイルム(株)製DH−Nの1:4水希釈液を用い、現像補充液は富士フイルム(株)製FCT−421の1:1.4水希釈を用いた。
(1−1)感光層形成用塗布液中開始剤溶解性の評価
前記した実施例、及び比較例の感光層形成用塗布液を調製後、25℃で1時間撹拌を行い、撹拌終了後の開始剤の溶解性を評価した。開始剤が溶解し、残渣が見られないものを○、開始剤が溶解せず、残渣が見られるものを×と評価した。
(1−2)感光層形成用塗布液中顔料沈降性の評価
前記した実施例、及び比較例の感光層形成用塗布液を25℃,5日間静置し、調液直後の液と5日間静置後の上澄み液との顔料由来の吸光度の差を測定し、顔料沈降性を評価した。吸光度測定は吸光度測定器 日立ハイテクノロジー(株)製 U−3010を使用し、顔料由来の波長600nmの吸光度値を使用し、評価を行った。吸光度測定液は塗布液を1cc採取し、MEKで500倍希釈後の液を用いた。評価は1〜5段階で行い、3が実用下限レベル、2以下は実用不可レベルとした。
5:調液直後と5日後上澄み液吸光度差0〜1%
4:調液直後と5日後上澄み液吸光度差1〜5%
3:調液直後と5日後上澄み液吸光度差5〜10%
2:調液直後と5日後上澄み液吸光度差10〜30%
1:調液直後と5日後上澄み液吸光度差30〜100%
(1−3)画像濃度・感度の評価
現像して得られた各平版印刷版の画像部濃度を、マクベス反射濃度計RD−918を使用し、該濃度計に装備されている赤フィルターを用いてシアン濃度を測定した。測定した濃度が0.9を得るのに必要な露光量の逆数を感度の指標とし表3に記載した。なお、評価結果は、実施例1で得られた平版印刷版の感度を100とし、他の平版印刷版の感度はその相対評価とした。値が大きいほど、感度が優れていることになる。
(1−4)微小残膜の評価
室温自然経時6ヶ月経過した各平版印刷版を現像し、非画像部をマイクロスコープ(KEYENCE VHX−100F)により1,000倍で観察することにより、経時により発生する微小残膜の観察を行った。その結果を表3に記載した。評価は1〜5の官能評価で行い、3が実用下限レベル、2以下は実用上不可レベルとした。評価基準は下記の通りである。
5:観察視野に微小残膜なし
4:観察視野に微小残膜2〜5個
3:観察視野に微小残膜5〜20個
2:観察視野に微小残膜20〜100個
1:観察視野に微小残膜100個以上
Figure 0005631666
表3に示す結果から明らかなように、成分aに対して成分b及び成分cを併用し、SP値が11以上の有機溶剤と、SP値が11未満の有機溶剤との混合溶剤を使用した感光層形成用塗布液を使用することにより、高感度で、イオン性重合開始剤の溶解性、塗布液中の顔料沈降安定性、自然経時微小残膜抑制を両立できることがわかる。
更に、顔料分散剤成分b、及び成分cの総重量に対する成分cの割合を最も好ましい範囲である5〜20重量%にすることにより、塗布液中の顔料沈降安定性を維持し、微小残膜抑制性能がより向上することがわかる。
これに対し、顔料分散剤成分bのみを使用したものは、残膜抑制に対し有効であるが、顔料沈降安定性に乏しく、また、成分cのみを使用したものは、顔料沈降安定性に対し有効であるが、微小残膜が発生する。また、SP値11以上である溶剤を使用しない塗布液を作成することにより、顔料沈降性は大幅良化するが、イオン性重合開始剤溶解性が劣化する。
21:アルミニウム板
22,24:ローラ状ブラシ
23:研磨スラリー液
25,26,27,28:支持ローラ

Claims (11)

  1. (成分f)イオン性重合開始剤、(成分a)顔料、(成分b)複素環を有する顔料分散剤、及び、(成分c)極性基を有する顔料分散剤を含有する感光層を親水性表面を有する支持体上に設け
    成分bが、式(b−2)〜式(b−4)で表される基の少なくとも1つを有し、
    成分cの極性基が、塩基性基であることを特徴とする、
    平版印刷版原版。
    Figure 0005631666
    式(b−2)〜式(b−4)中、Xは、単結合、又は、アルキレン基、−O−、−S−、−NR A −、若しくは、−C(=O)−を表し、
    A は、水素原子、又は、アルキル基を表し、
    Y及びZは、各々独立に、−N=、−N(R B )−、−S−、又は、−O−を表し、
    B は、水素原子、又は、アルキル基を表し、
    少なくともY又はZが、−N=又は−N(R B )−であり、
    環A、環B、環C及び環Dは、各々独立に、芳香族環を表す。
  2. 前記感光層が、(成分d)バインダーポリマー、(成分e)増感色素、及び、(成分g)ラジカル重合性化合物を更に含有する、請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. 成分aが、フタロシアニン顔料、ジオキサン顔料、キナクリドン顔料、及び、ジケトピロロピロール顔料よりなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の平版印刷版原版。
  4. 成分bが、式(b−4)で表される基を有する、請求項1〜3いずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  5. 式(b−4)におけるY及びZのいずれか一方が−N=であり、他方が−NHである、請求項4に記載の平版印刷版原版。
  6. 成分bが、重量平均分子量1,000以上100,000以下のグラフト型高分子化合物である、請求項1〜5いずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  7. 成分bが、末端にエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマーに由来する構成単位を含む、請求項6に記載の平版印刷版原版。
  8. 成分cの極性基が、アミノ基である、請求項1〜7いずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  9. 成分b及び成分cの総重量に対する成分cの割合が1〜50重量%である、請求項1〜8いずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  10. 成分fが、オニウム塩である、請求項1〜9いずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  11. 請求項1〜10いずれか1つに記載の感光層を構成する成分を含む組成物を支持体上に塗設する工程を含むことを特徴とする、平版印刷版原版の製造方法。
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