JP2004035056A - キャップ付ボトル缶、ボトル缶、およびキャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属製のボトル缶の口金部にキャップが被着され、キャップの内側に貼着されたシール材により密封性が確保されるキャップ付ボトル缶であって、ボトル缶の開口部20の内側に設けられた平坦部21とシール材24に設けられたシール部25がとが密着していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、口金部が形成されたボトル缶と、シール材が貼着されたキャップと、ボトル缶の口金部にキャップが被着されて密封されるキャップ付ボトル缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、飲料用の缶として広く使われているボトル缶は、アルミニウムやアルミニウム合金製の金属板を絞り加工(Drawing)と、次いで行われるしごき加工(Ironing)とによって形成される、一般にDI缶と呼ばれている缶の上部に、口金部が形成されて製造されている。このボトル缶に内容物を充填した後、ボトル缶の口金部にキャップが被着されて、キャップ付ボトル缶とされる。
【0003】
従来、図4に示すようなキャップ付ボトル缶1は、ボトル缶2にキャップ3が被着されて密閉されている。ボトル缶2に設けられた口金部4には、雄ねじ部5と膨出部6とカール部7とが形成されている。キャップ3には、天面部8と雌ねじ部9とピルファープルーフ部10とブリッジ部11とが形成されており、天面部8の内面にはシール材であるライナー12が貼着されている。ボトル缶2の雄ねじ部5とキャップ3の雌ねじ部9とが嵌合し、膨出部6の下方にピルファープルーフ部10の下端部が巻き込む状態で、キャップ3はボトル缶2に被着しており、カール部7とライナー12とが密着することで密封されている。
【0004】
図5に、キャップ3が被着されたボトル缶2の開口部13の部分断面図が示されている。ボトル缶2の開口端にカール部7が形成されており、開口部13の外側になるカール部7に平坦部14が形成されている。そして、カール部7の上端部から平坦部14の一部までの間とライナー12とが密着している。このようにカール部7とライナー12とを構成することで、良好な密着性が得られている。
【0005】
また、キャップ付ボトル缶1を開封する時は、ボトル缶2に対しキャップ3を回転させると、雌ねじ部9が雄ねじ部5に案内されてキャップ3を上方に移動させると共に、膨出部6とピルファープルーフ部10との係合によりブリッジ部11が切断され、カール部7とライナー12とが離間される。さらにキャップ3を回転させることで、ボトル缶2からキャップ3が外される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記キャップ付ボトル缶1において、一度キャップ付ボトル缶1を開栓して、内容物が残った状態でキャップ3が再栓された場合、その後の保管状況によってはキャップ付ボトル缶1の内部でガスが発生し、このガスによって内圧が上昇し、雌ねじ部9と雄ねじ部5との嵌合力以上まで内圧が上昇した場合、キャップ3がねじ山を乗り越えて、ずれてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような背景の下になされたものであって、キャップ付ボトル缶の開封前の密封性を確保すると共に、再栓後の内圧の上昇によってもキャップがずれることなく、ボトル缶に被着されているキャップ付ボトル缶を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、金属製のボトル缶の口金部にキャップが被着され、該キャップの内側に貼着されたシール材により密封性が確保されるキャップ付ボトル缶であって、前記ボトル缶の開口部の内側と前記シール材に設けられたシール部とが密着していることを特徴とする。
【0009】
この発明に係るキャップ付ボトル缶によれば、ボトル缶の開口部の内側とキャップに貼着されたシール材のシール部とが密着するように、ボトル缶にキャップが被着されて密封されているので、再栓後の内圧の上昇によってキャップが変形すると、開口部の内側とシール部との密着性が低下し、内部のガスが排出される構成とされている。内圧によりキャップに加えられる力が、ねじ部の嵌合力より大きくなる前にガスを排出するように設定することで、内圧によるキャップのずれが防止される。これにより、再栓後に内圧が過剰に上昇した場合においても確実にボトル缶にキャップが被着される、キャップ付ボトル缶を構成することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のキャップ付ボトル缶であって、前記ボトル缶の中心軸を通る平面で断面視したときに、開口部の内側に平坦部が設けられており、該平坦部と前記シール部とが密着することによって、該ボトル缶が密封されていることを特徴とする。
【0011】
この発明に係るキャップ付ボトル缶によれば、ボトル缶の中心軸を通る平面で断面視したときに、直線となるような平坦部が開口部の内側に設けられ、平坦部とキャップのシール部とが密着する構成とされているので、この密着面の面積を設定することで、ガスを排出する内圧が設定される。密着面積は、平坦部に密着するシール部の長さで決められるので、容易にガス排出の内圧を設定することができる。これにより、設定内圧まで圧力が上昇した時に確実にガスが排出されるキャップ付ボトル缶を構成することができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、キャップが被着される口金部が形成されたボトル缶であって、その中心軸を通る平面で断面視したときに、開口部の内側に平坦部が設けられていることを特徴とする。
この発明に係るボトル缶によれば、開口部の内側に平坦部が設けられているので、キャップが被着されたときに確実に密封することができると共に、キャップが再栓された後に、内圧が過剰に上昇した場合には確実にガスを排出することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、ボトル缶の口金部に被着され、内側にシール材が貼着されたキャップであって、前記シール材には、前記ボトル缶の口金部の内側と密着するシール部が設けられていることを特徴とする。
この発明に係るキャップによれば、ボトル缶の口金部の内側に密着するシール部を有するシール材が貼着されているので、ボトル缶に被着されたときに確実に密封することができると共に、キャップを再栓した後、内圧が過剰に上昇した場合には確実にガスを排出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1に、キャップ付ボトル缶1の開口部の部分断面拡大図を示す。ボトル缶2の開口部20は、先端が外側に折り曲げられてカール部22が形成されている。カール部22は、開口部20の内側が平坦部21となるように形成されており、平坦部21は、ボトル缶2の中心軸Oと平行になるように形成されている。キャップ3の天面23の内側に貼着されたシール材であるライナー24にシール部25が設けられており、シール部25は天面23から下方に向けて凸状で、開口部20の内側に密着するように環状に形成されている。
【0015】
また、シール部25の中心軸側は天面23の方向に向かうに従い幅が広がるような曲面を持って形成され、外側はカール部22の曲面に合わせて形成されている。また、ライナー24はカール部22の上方から外側の一部にかけてまで設けられており、カール部22の上方から外側の一部においても密着する構成とされている。この状態で、カール部22とライナー24とが密着するとともに、平坦部21とシール部25とが密着して、ボトル缶2の開口部20が密封されている。
【0016】
このようなキャップ付ボトル缶1において、一度開栓されて内容物の残った状態でキャップ3が再栓された後の保管状況によっては、キャップ付ボトル缶1の内部でのガスの発生により内圧が過剰に上昇することがある。再栓されたキャップ付ボトル缶1の内圧が上昇する場合として、内容物が炭酸飲料で車のダッシュボードの上など高温状態とされる場所に置かれる場合や、内容物が糖分の多い乳製品で高温状態とされたときに2次発酵が起こってガスの発生する場合がある。
【0017】
図2に、キャップ付ボトル缶1の内圧が過剰に上昇し、キャップ3の天面23に加えられた圧力により、天面23が上方に変形した状態について示す。図において、変形する前の天面23およびライナー24の形状が2点鎖線で示されており、天面23の中心部において変形量が大きくなっていることが分かる。天面23およびライナー24の変形により、シール部25はボトル缶2の中心軸方向、つまり平坦部21から離れる方向に力が加えられ、平坦部21とシール部25とが密着性が低下する。
【0018】
そして、さらなる内圧上昇により平坦部21とシール部25との密着性がさらに低下すると、平坦部21とシール部25との間に発生したガスが侵入し、この間を通りガスが外部に排出される。このようにガスが排出されると、内圧が低下して天面23およびライナー24が元の形状(図1の状態)に戻り、平坦部21とシール部25との密着性も元に戻る。
【0019】
このようなガスの排出される内圧は、平坦部21とシール部25との密着面積によって設定される。この密着面積は、シール部25の下方への長さによって決められ、シール部25を長くすると高い圧力に設定され、シール部25を短くすると低い圧力に設定される。
【0020】
上述したように本実施の形態のキャップ付ボトル缶1によれば、内圧が過剰に上昇した場合には、シール性が低下してガスが外部に排出される構成とされているので、内圧の上昇によってキャップ3がずれることを防止することができる。また、ガスが排出される時の内圧は、シール部25の長さによって設定されるので、容易に設定することができる。また、開口部20の内側に平坦部21が形成されているので、開口部20の内側を精度良く成形することができ、開封前においても良好な密封性を有することができる。
【0021】
また、図3(a),(b)に示されている本実施の形態の変形例のように、平坦部21がボトル缶2の中心軸Oに対して傾斜するように形成されていてもよい。図3(a)において、平坦部21aは、中心軸Oの下方に向かうに従って漸次ボトル缶2の内方向に縮径するように傾斜して形成され、シール部25aも同様に傾斜して形成されている。このような構成とすることで、キャップ3を再栓する時にシール部25aが開口部20の内側に案内されやすくなる。
【0022】
また、図3(b)において、平坦部21bは、中心軸Oの下方に向かうに従って漸次、ボトル缶2の外方向に拡径するように傾斜して形成され、シール部25bも同様に傾斜して形成されている。このような構成とすることで、ガスが排出される時の内圧をより高い圧力に設定することができる。いずれの構成においても、平坦部21a,21bおよびシール部25a,25bの傾斜は中心軸Oに対して10°以内の傾斜とされている。
【0023】
なお、本実施の形態においては、開口部20の内側にのみ平坦部21が設けられた形状とされているが、開口部20の外側にも平坦部が設けられ、カール部22の両側が平坦部とされた形状としてもよい。また、シール部25の長さも、周方向に渡って一様でなくてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ボトル缶の開口部の内側に設けられた平坦部とキャップに貼着されたシール材のシール部とが密着するように、ボトル缶にキャップが被着されて密封されているので、開封前において良好な密封性を有することができると共に、一度キャップを外して再栓した後にガスの発生により内圧が過剰に上昇した場合には、確実に内部のガスが排出され、キャップのずれを防止することができる。また、ガスの排出される内圧は、容易に設定することができる。これにより、再栓後に確実にボトル缶にキャップが被着される、キャップ付ボトル缶を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるキャップ付きボトル缶の開口部の部分断面図である。
【図2】図1に示されたキャップが変形した状態を示す説明図である。
【図3】キャップ付きボトル缶の開口部の変形例である。
【図4】キャップ付きボトル缶の説明である。
【図5】従来のキャップ付きボトル缶の開口部の部分断面図である。
【符号の説明】
1 キャップ付きボトル缶
2 ボトル缶
3 キャップ
4 口金部
20 開口部
21 平坦部
24 シール材
25 シール部
O 中心軸
Claims (4)
- 金属製のボトル缶の口金部にキャップが被着され、該キャップの内側に貼着されたシール材により密封性が確保されるキャップ付ボトル缶であって、
前記ボトル缶の開口部の内側と前記シール材に設けられたシール部とが密着していることを特徴とするキャップ付ボトル缶。 - 請求項1に記載のキャップ付ボトル缶であって、
前記ボトル缶の中心軸を通る平面で断面視したときに、開口部の内側に平坦部が設けられており、
該平坦部と前記シール部とが密着することによって、該ボトル缶が密封されていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。 - キャップが被着される口金部が形成されたボトル缶であって、
その中心軸を通る平面で断面視したときに、開口部の内側に平坦部が設けられていることを特徴とするボトル缶。 - ボトル缶の口金部に被着され、内側にシール材が貼着されたキャップであって、
前記シール材には、前記ボトル缶の口金部の内側と密着するシール部が設けられていることを特徴とすることを特徴とするキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002194770A JP2004035056A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | キャップ付ボトル缶、ボトル缶、およびキャップ |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004035056A true JP2004035056A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31703383
Family Applications (1)
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JP2002194770A Pending JP2004035056A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | キャップ付ボトル缶、ボトル缶、およびキャップ |
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JP (1) | JP2004035056A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006076575A (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-23 | Mitsubishi Materials Corp | キャップ材、キャップ及びキャップ付ボトル缶 |
JP2009161227A (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-23 | Daiwa Can Co Ltd | キャップ |
-
2002
- 2002-07-03 JP JP2002194770A patent/JP2004035056A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006076575A (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-23 | Mitsubishi Materials Corp | キャップ材、キャップ及びキャップ付ボトル缶 |
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