JP5605792B2 - 減圧鋳造用給湯装置および給湯方法 - Google Patents

減圧鋳造用給湯装置および給湯方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5605792B2
JP5605792B2 JP2010015058A JP2010015058A JP5605792B2 JP 5605792 B2 JP5605792 B2 JP 5605792B2 JP 2010015058 A JP2010015058 A JP 2010015058A JP 2010015058 A JP2010015058 A JP 2010015058A JP 5605792 B2 JP5605792 B2 JP 5605792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
water supply
ladle
molten metal
pouring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010015058A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011152556A (ja
Inventor
詔一 土屋
恭行 荒川
慎一 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Machinery Corp Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Ube Machinery Corp Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Machinery Corp Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Ube Machinery Corp Ltd
Priority to JP2010015058A priority Critical patent/JP5605792B2/ja
Publication of JP2011152556A publication Critical patent/JP2011152556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5605792B2 publication Critical patent/JP5605792B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本発明は、減圧鋳造用給湯装置、およびこの装置による給湯方法に係り、特に注湯口を含む射出スリーブの一部を閉塞部材で取り囲み減圧室を構成した上で減圧を行う減圧鋳造装置において、射出スリーブへの注湯から射出までに要する時間を短縮する場合に好適な給湯装置、および給湯方法に関する。
鋳造により高品質な製品を量産するための特殊鋳造の1つとして、減圧鋳造法(真空ダイカスト法)が知られている。減圧鋳造法としては一般的に、特許文献1に開示されているような、MFT法と呼ばれる方法が行われてきた。MFT法とは、溶湯を注湯した射出スリーブの注湯口を射出チップが塞いだ後から、射出が完了するまでの間に金型および射出スリーブ内の真空引きを行った上で、鋳造を行うという方法である。
ところがこの方法では、真空引きに供される時間が非常に短く、十分な真空度を得ることが難しいという問題があった。このため、特許文献2、3に開示されているように、予め、射出スリーブや金型内の真空引きを行った後に溶湯を注湯する方法や装置が開発されてきた。
しかし、特許文献2や3に開示されている方法を実施するための装置では、溶湯を貯留するラドルや、その駆動機構をも減圧室内に配置する必要が生ずるため、装置構成が大掛かりとなり、装置コストが嵩んでしまうといった問題が生ずることとなった。
このため、注湯口を含む射出スリーブの後端側、すなわち金型に接続された側の端部と反対側の端部側を覆う閉塞部材を設け、注湯口からの注湯が終了した後に閉塞部材により射出スリーブの一部を閉塞し、金型のキャビティや射出スリーブ内部の真空引きを開始するという技術が開発されている(特許文献4)。このような技術であれば、特許文献1に開示されている装置よりも長時間の真空引きが可能となり、高い真空度を得ることが可能となると共に、特許文献2、3に開示されている装置よりも既存の設備にこの真空法を適用する際に、小型かつ安価に設備を製造することが可能となる。
特開平9−66351号公報 特開2004−74167号公報 特開2006−26725号公報 特開2008−93712号公報 特開2008−110372号公報
鋳造法では溶湯が冷える事により初期凝固や流動性の悪化が生ずることとなり、製造製品の品質悪化を招く虞がある。このため、上記いずれの文献に開示された技術であっても、素早く高真空を得て、射出を完了させる必要がある。
ここで問題となるのは、鋳造に用いる溶湯を搬送する給湯装置と射出を行う減圧鋳造装置との協働性である。つまり、注湯から射出までの動作をいかに短時間で行うことができるかが問題となる。
上記特許文献4に開示されているような構成の減圧鋳造装置では一般に、特許文献5に開示されているようなリンク機構を用いたアームを有する給湯装置を採用している。このようなアームを有する給湯装置を採用した場合、溶湯を注湯した後に閉塞部材の移動により減圧室を構成しようとすると、注湯を行うためのラドルや、ラドルを支持するアームと閉塞部材が干渉してしまう。このため、ラドルを退避させた後でなければ閉塞部材により射出スリーブを覆うことができない。また、ラドルの退避は、注湯状態が終了した後に、湯切りを行い、場合によってはその後にラドルを傾動させて注湯状態を解除した上で行われる。このため、射出スリーブへの溶湯の注湯から射出実行までに要する時間を比較すると、特許文献1に開示したMFT法による減圧鋳造装置の方が、ラドルの退避に要する時間だけ早いこととなる。
そこで本発明では、注湯口を含む射出スリーブの一部を覆って減圧室を構成することが可能な減圧鋳造装置であっても、注湯から射出までの時間を短縮することのできる減圧鋳造用給湯装置および給湯方法を提供することを目的とする。
上記課題について検討すると、ラドルと閉塞部材が干渉しないような高い位置から溶湯の給湯を行うようにすれば良いと考えられる。しかし、このような手段を採った場合には、注湯口からラドルまでの距離が長くなり、溶湯に空気が巻き込まれ、製品品質の悪化を招く虞や溶湯の落下の勢いが増すことによる溶湯の跳ね返り、湯こぼれの虞が生じてしまう。
よって、上記目的を達成するための本発明に係る減圧鋳造用給湯装置は、金型に溶湯を射出する射出スリーブと、前記射出スリーブに設けられた注湯口を含む前記射出スリーブの一部を覆う閉塞部材と、前記金型のキャビティ、前記射出スリーブ内部、および前記閉塞部材により覆われた領域を真空引きする減圧機構とを備えた減圧鋳造装置用の給湯装置であって、前記注湯口へ溶湯を搬送して注ぐ役割を担うラドルと、溶湯が溜められた溶湯槽と前記注湯口との間で前記ラドルを往復させるアームと、給湯動作後の前記ラドルを前記アームを駆動させることなく前記注湯口の上部側へ離間させ、前記注湯口と前記ラドルとの間に前記閉塞部材を介入させる隙間を形成する上昇機構を備えたことを特徴とする。
また、上記のような特徴を有する減圧鋳造用給湯装置において前記アームは、1節を支持フレームに固定された4節リンク機構から成り、前記上昇機構は、前記支持フレームを傾倒させる機構であることを特徴とすると良い。
4節リンク機構から成るアームを備える給湯装置では、アームの退避は、アームを引き戻す動作のみとなってしまう。このため、上昇機構によりアームを注湯口の上側へ上げることを可能とすることで、湯切り動作と退避動作を同時に行うことが可能となり、閉塞部材による減圧室の形成を早め、給湯から射出までの時間を短縮することができる。
さらに、上記のような特徴を有する減圧鋳造用給湯装置において前記上昇機構は、前記支持フレームの傾倒方向端部を回転可能に支持する支持手段と、前記支持フレームの底面に備えられた傾斜板と、前記傾斜板の傾斜面に沿って摺動するスライダとを有するようにすると良い。
このような構成とすることにより、少ないスペースで傾転機構を付加することができ、既設の鋳造装置に、前記給湯装置を適用する場合に、改造の範囲を少なくすることができる。
また、上記目的を達成するための減圧鋳造用給湯方法は、金型に溶湯を射出する射出スリーブに設けられた注湯口から、ラドルにより溶湯を注ぎ、前記溶湯の湯切りを行った後に閉塞部材により前記注湯口を含む前記射出スリーブの一部を閉塞し、真空引きを行う減圧鋳造装置用の給湯方法であって、前記溶湯の注湯動作もしくは湯切り動作同時に、前記ラドルと前記注湯口との間に前記閉塞部材を介入させる隙間を形成する第1退避動作と、前記閉塞部材により前記注湯口を閉塞する工程、もしくは前記真空引きを行う工程と同時に前記ラドルを溶湯槽側へ退避させる第2退避動作と、を有することを特徴とする。
また、上記特徴を有する減圧鋳造用給湯方法において前記第1退避動作は、前記ラドルを前記溶湯槽側へ移動させることなく前記注湯口の上方へ移動させる動作とすると良い。
このような方法を採ることにより、溶湯の湯切り動作とラドルの退避動作とを同時に行うことができ、注湯から射出までの時間短縮に寄与することが可能となる。
上記のような特徴を有する減圧鋳造用給湯装置によれば、注湯口を含む射出スリーブの一部を覆って減圧室を構成することが可能な減圧鋳造装置であっても、注湯から射出までの時間を短縮することができる。これにより、溶湯の初期凝固等の影響が少なくなり、製品品質の安定的向上を図ることができる。また、上記のような特徴を有する減圧鋳造用給湯方法では、注湯口を含む射出スリーブの一部を覆って減圧室を構成する減圧鋳造装置に対する給湯を行う場合であっても、注湯から射出までの時間を短縮することができる。
減圧鋳造装置と給湯装置との配置関係および構成を示す正面図である。 減圧鋳造装置と給湯装置との配置関係および構成を示す平面図である。 給湯装置におけるアームとラドルの運動軌道を示す図である。 給湯装置における支持フレームの傾倒の様子を示す図である。 注湯工程から射出工程までの進行工程を示すフロー図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の減圧鋳造用給湯装置および給湯方法に係る実施の形態について詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の減圧鋳造用給湯装置(以下、単に給湯装置10と称す)が併設される減圧鋳造装置(以下、単に鋳造装置50と称す)について説明する。本実施形態に採用される鋳造装置50は、金型52、射出スリーブ58、射出チップ64、閉塞部材70、および減圧機構74を有する。
金型52は、少なくとも2つの型の組み合わせにより製品の形を構成するキャビティ54を有する。金型52には射出スリーブ58が付設されており、射出スリーブ58内にて射出チップ64を摺動させ、金型52に設けたキャビティ54内に溶湯(不図示)を射出する構造としている。
射出スリーブ58の外周には、フランジ部60が設けられている。このフランジ部60は、詳細を後述する閉塞部材70における開放端部を閉塞する役割を担い、射出チップ64の支持軸68と略直交する方向に延設された平面を主面として構成される。また、このフランジ部60の位置は、注湯口62が配置される位置よりも射出チップ64が溶湯を射出する際に移動する側、即ち、金型52を配置した側としている。
閉塞部材70は、射出スリーブ58の開放端部の周囲を取り囲むことで、減圧室(チャンバ)を構成する役割を担い、本実施形態に係る鋳造装置50では、射出チップ64の支持軸68と同軸上に設けられる。
閉塞部材70は、一端側を閉塞し、他端側を開放した、いわゆるキャップ状を成す筒状体である。閉塞部材70は、開放端である他端側を射出スリーブ58におけるフランジ部60と対向させ、閉塞端である一端には、射出チップ64の支持軸68を挿通させる貫通孔を設ける。このような構成とすることにより、閉塞部材70を支持軸68に対して摺動させることが可能となる。
また、筒状に構成される閉塞部材70の内寸は、射出スリーブ58の外寸よりも大きく構成されており、閉塞部材70を金型52側へ移動させることで、閉塞部材70の内部へ射出スリーブ58の開放端部が挿入可能な構成とされている。
このような構成とすることにより、閉塞部材70の開放端部を射出スリーブ58のフランジ部60に圧接させることで、射出スリーブ58の一部を覆い、減圧室(チャンバ)を形成することができる。
上記構成において射出チップ64の支持軸68は、エアシリンダや油圧シリンダ等からなる図示しないアクチュエータによって進退するように制御される。これにより、先端に設けられた射出チップ64が射出スリーブ58内にて進退することが可能となる。
また、閉塞部材70は、エアシリンダや油圧シリンダ等からなるアクチュエータ72によって、射出チップ64と同軸上の位置を保ったまま移動するように構成されている。
このように、構成、配置された閉塞部材70は、注湯口62に触れることなく、減圧室を形成することが可能となる。これにより、注湯口62に付着し得る溶湯等によって減圧室のシール性能が損なわれるといった不具合が生じない。これにより、目標とされる真空度を確実に確保することが可能となる。さらに、シール性能に関連するメンテナンスフリーを実現することが可能となる。
減圧機構74は、真空ポンプ76、減圧タンク78、および吸引口80,82を基本として構成される。真空ポンプ76は、真空引きを行うためのポンプである。減圧タンク78は、真空引きを安定的に行うためのバッファタンクであり、前述した真空ポンプ76と接続されると共に、詳細を後述する吸引口80,82に接続されている。吸引口82は、閉塞部材70に配置されており、フランジ部60と接合することにより構成される減圧室内の空気を吸引する役割を担う。吸引口80は、金型52に配置されており、金型52の内部に形成されるキャビティ54内の空気を吸引する役割を担う。なお、キャビティ54と吸引口80を結ぶ経路には、空気の逆流による真空度の低下を防止するためのシャットバルブ56が設けられている。このような役割を担う減圧タンク78と吸引口80,82とを結ぶ経路には、開閉バルブ84が配置され、減圧の開始と停止を制御可能な構成としている。
次に、図1〜図4を参照して、本実施形態に係る給湯装置について説明する。本実施形態に係る給湯装置10は、支持フレーム12とベース26、上昇機構14、アーム29、およびラドル40を基本として構成される。
支持フレーム12は、詳細を後述するアーム29を支持すると共に、アーム29駆動用のモータ(不図示)や減速ギア(不図示)などの駆動機構を収容する役割を担う。
ベース26は、支持フレーム12を支える土台であり、支持フレーム12とベース26との間に上昇機構14が備えられる。ベース26と支持フレーム12とは、鋳造装置50配置側と反対側、すなわち注湯動作側と反対側において、蝶番28などの回転リンク機構により接続されており、支持フレーム12は、接続部を中心として、ベース26に対して傾倒可能な構成とされている。つまり支持フレーム12は、傾倒方向端部を回転可能に支持される支持手段を有するといえる。
上昇機構14は、本実施形態の場合、傾斜板16とリニアガイドから成る。傾斜板16は、支持フレーム12の底面に配置され、上述した蝶番28配置側から、鋳造装置50配置側にかけて、その厚みが厚くなるように構成されている。リニアガイドは、対を成す軸受け18a,18b間に架け渡されたボールネジ19と、このボールネジ19上を摺動するボールナットを備えたスライダ20から成る。ボールネジ19の一端側には、ボールネジ19を回転させるための駆動手段としてのモータ24が備えられている。スライダ20は、回転駆動されるボールネジ19にボールナットが螺合することにより、ボールネジ19の配置方向に沿ってスライドすることとなる。スライダ20と傾斜板16の傾斜面とは対向配置され、両者が当接状態を維持することで支持フレーム12を支える構成とされている。スライダ20における傾斜板16との当接部には、傾倒板22が配置され、傾斜板16との当接角度の変化に追従可能な構成とされている。
傾斜板16の厚み変化方向と、リニアガイドのボールネジ19の配置方向とを等しく配置することにより、モータ24の駆動によりスライダ20を摺動させることで、支持フレーム12が蝶番28を中心として傾倒することとなる。ここで、傾斜板16とスライダ20との関係は、スライダ20が蝶番28近傍に位置している状態において、支持フレーム12が水平となるように傾斜板16の厚みを設定し、スライダ20が蝶番28から離間するに従って、傾斜板16の厚みが厚くなるように設定すると良い。このような設定とすることで、スライダ20が蝶番28から離間する方向へ摺動することで、水平状態であった支持フレーム12が、蝶番28を中心として後方(鋳造装置50配置側を前方とした場合における後方)へ傾倒することとなり、詳細を後述するアーム29が注湯動作時にある場合には、アーム29全体を上方へ持ち上げることとなるからである。
また、注湯動作時において最後端となる蝶番28を基点としてアーム29を回動させることにより、梃子の原理が作用し、支持フレーム12の前方側を僅かに上昇させることで、アーム29の回動距離(上昇距離)を稼ぐことが可能となる。このため、支持フレーム12全体を上昇させる場合よりも僅かな時間で、アーム29を所定量上昇させることが可能となる。
アーム29は、第1リンク30から第4リンク36により構成される4節リンク機構と、この4節リンク機構を駆動させるための駆動リンク38を組み合わせることにより構成されている。4節リンク機構を構成する第1リンク30は、一端を支持フレーム12に回転自在に支持され、他端に第2リンク32が接続されている。第2リンク32は、一端を第1リンク30の他端に対して回転自在に接続され、他端に詳細を後述するラドル40を配置される構成とされている。第3リンク34は、一端を第2リンク32の中間点に対して回転自在に接続され、他端に第4リンク36が接続されている。第4リンク36は、一端を第3リンク34の他端に対して回転自在に接続されると共に、他端を第1リンク30の一端、すなわち支持フレーム12に対して回転自在に支持されることとなる。そして駆動リンク38は、一端を支持フレーム12に対して回転自在に支持され、他端を第3リンク34の中間点に対して回転自在に接続される構成を採る。ここで、駆動リンク38の一端は、第1リンク30の一端が支持される位置よりも下方側に設けられている。
ラドル40は上述したように、第2リンク32の他端に、回転自在に支持される柄杓である。なお、ラドル40の回動は、図示しない駆動機構によって成される。
上述したような鋳造装置50と、本実施形態に係る給湯装置10とは通常、図2に示すように、いずれか一方の装置(鋳造装置50、または給湯装置10)の長手方向中心線(軸芯)に対して、他方の装置(給湯装置10または鋳造装置50)は、所定の角度(平行を0°とした場合において90°以下)を持って配置されることとなる。これにより、給湯装置10による給湯動作時の干渉と、2つの装置の設置スペースの低減を図ることが可能となるからである。
このような構成、配置形態とされた給湯装置10のアーム29、およびアーム29における第2リンク32の他端に支持されたラドル40は、駆動リンク38の一端を基点として駆動リンク38を回動させることにより、図3(A)〜(G)に示すような軌道で運動することとなる。
まず、駆動リンク38の一端が支持フレーム12の左側に位置している状態では、アーム29における第2リンク32が略垂直となり、ラドル40は支持フレーム12下部に設けられた溶湯槽90に浸漬されることとなる(図3(A)参照)。次に、駆動リンク38を時計回り(図中)に僅かに回動させることで、第1リンク30から第4リンク36により長方形に近似した形状が形成されることで、第2リンク32が上方へと持ち上げられ、ラドル40が溶湯槽90から引き上げられる(図3(B)参照)。そのまま駆動リンク38を時計回りに回動させることで、第2リンク32の一端がさらに上方へ引き上げられると共に、第2リンク32の他端は駆動リンク38側へ引き付けられる方向へと移動する(図3(C)参照)。駆動リンク38の他端が上部に位置するまで駆動リンク38を回動させると、4節リンク機構は、第1リンク30と第3リンク34が近接位置となるように折り畳まれた状態となり、ラドル40が支持された第2リンク32の他端は、駆動リンク38の一端近傍を通過することとなる(図3(D)参照)。駆動リンク38を垂直位置からさらに時計回りに回動させると、第4リンク36の一端が上方へ持ち上げられることに伴って、第2リンク32が水平位置を通過することとなる(図3(E)参照)。さらに、駆動リンク38を時計回りに回動させると、第2リンク32は、ラドル40を支持する他端を下方へ傾けるようにしながら、支持フレーム12の右側(図中)まで移動する(図3(F)参照)。この状態で、ラドル40を時計回りに回動させることで、ラドル40に貯留した溶湯を射出スリーブ58(図1参照)へ注ぐことができる(注湯動作時:図3(G)参照)。
ラドル40を回動させて溶湯を射出スリーブ58に注いだ後には、ラドル40に残留する溶湯を湯切りするための時間が設けられる。この湯切り時間を利用して、上昇機構14におけるリニアガイドのスライダ20を、蝶番28から離間する方向(図4(A)中右側)へ移動させる。この動作によりアーム29を備える支持フレーム12は、蝶番28の回転軸を中心として、反時計回り(図中)に傾倒することとなる。この傾倒により、支持フレーム12に支持されるアーム29も回動し、第2リンク32の他端に支持されるラドル40は、射出シリンダ58における注湯口62から離間する方向へと持ち上げられる(図4(B)参照)。このように、ラドル40の支持位置が上昇した場合であっても、上昇距離は僅かであるため、湯切りにより射出スリーブ58に注いだ溶湯にエアが混入する虞は無く、製品品質の劣化を招く事は無い。
支持フレーム12の傾倒によりラドル40を含むアーム29が上昇することで、湯切り工程直後に、閉塞部材70をフランジ部60側へ移動させた場合であっても、閉塞部材70とラドル40またはアーム29が干渉することが無くなる。これにより図5(A)に示すように、湯切り工程と、給湯装置10(アーム29)の上昇工程を同時に行うことが可能となり、かつ、湯切り工程後にそのまま、注湯口閉塞工程へと移行することが可能となる。そして、注湯口閉塞工程を経た後には、射出シリンダ58や金型52、および閉塞部材70内部の真空引きを行う真空引き工程を行い、射出工程へと移る。ここで、上昇後のラドル40の退避は、注湯口閉塞工程や真空引き工程と同時に行うこととなるため、他の工程時間に影響を与えない。
従来は給湯装置10(アーム29)を上昇させることが出来なかったため、図5(B)に示すように、湯切り工程と注湯口閉塞工程との間に、アーム29やラドル40と閉塞部材との干渉を避けるための、給湯装置10を退避させるための工程を介入せざるを得なかった。このため、注湯から射出に至るまでの時間が長くなり、初期凝固片の増加を招いていた。
これに対して、上述したような本実施形態に係る注湯方法では、湯切り工程直後に注湯口閉塞工程を実施することが可能となるため、注湯から射出までに要する時間を短縮することができ、初期凝固の影響による品質劣化を防ぐことができる。なお、給湯装置10を退避させるための工程としては、回動させたラドル40を戻すラドル回動工程と、アーム29によるラドル40の実質的な退避であるラドル退避工程とを有する。ここで、湯切り工程に要する時間を1.5秒、ラドル回動工程に要する時間を1秒、ラドル退避工程に要する時間を1.5秒、注湯口閉塞工程に要する時間を0.5秒とすると、注湯後から注湯口閉塞工程終了時までの間に、約2.5秒の時間を短縮することができる。
なお、上記実施形態に係る給湯装置10では、支持フレーム12とベース26との関係において、支持フレーム12底面の蝶番28配置側と反対側は、開放構造として支持フレーム12の傾倒を可能としている。しかし、支持フレーム12底面の蝶番28配置側と反対側には、支持フレーム12とベース26を結ぶ鎖などの安全機構(不図示)を設けるようにしても良い。安全機構を鎖とした場合における鎖の長さは、支持フレーム12が最大傾倒した際の支持フレーム12とベース26との間隔よりも若干長くなるように設定すれば良い。このような安全装置を設けることにより、支持フレーム12が必要以上に傾倒してしまうことを防ぐことが可能となるからである。
また、上記実施形態では、上昇機構14の構成について、傾斜板16とリニアガイドを採用する旨記載した。しかしながら、湯切り工程時間内に、支持フレーム12を所定量傾倒させることが可能であれば、傾斜板16とリニアガイドに替えて、エアジャッキや油圧ジャッキ等を支持フレーム12とベース26との間に配置するようにしても良い。
また、上記実施形態において給湯装置10は、4節リンク機構と、駆動リンク38を組み合わせたアーム29を有する旨記載した。しかしながら本発明に係る給湯装置10は、給湯動作時に前方(鋳造装置配置側)に延びるアーム29を備える構成であれば、上昇機構14の配置により、同様な効果を得ることができる。なお、上記実施形態では、ラドルの退避動作は、湯切り動作と同時に行う旨記載した。しかしながら、注湯動作と湯切り動作とは連続的な動作である。このため、ラドルの退避動作は注湯動作中(具体的には、注湯動作における後半動作中)に成されるようにしても、本実施形態に係る給湯方法の一部とみなすことができる。
10………給湯装置、12………支持フレーム、14………上昇機構、16………傾斜板、18a、18b………軸受け、19………ボールネジ、20………スライダ、22………傾倒板、24………モータ、26………ベース、28………蝶番、30………第1リンク、32………第2リンク、34………第3リンク、36………第4リンク、38………駆動リンク、40………ラドル、50………減圧鋳造装置(鋳造装置)、52………金型、54………キャビティ、56………シャットバルブ、58………射出スリーブ、60………フランジ部、62………注湯口、64………射出チップ、68………支持軸、70………閉塞部材、74………減圧機構。

Claims (5)

  1. 金型に溶湯を射出する射出スリーブと、前記射出スリーブに設けられた注湯口を含む前記射出スリーブの一部を覆う閉塞部材と、前記金型のキャビティ、前記射出スリーブ内部、および前記閉塞部材により覆われた領域を真空引きする減圧機構とを備えた減圧鋳造装置用の給湯装置であって、
    前記注湯口へ溶湯を搬送して注ぐ役割を担うラドルと、
    溶湯が溜められた溶湯槽と前記注湯口との間で前記ラドルを往復させるアームと、
    給湯動作後の前記ラドルを前記アームを駆動させることなく前記注湯口の上部側へ離間させ、前記注湯口と前記ラドルとの間に前記閉塞部材を介入させる隙間を形成する上昇機構を備えたことを特徴とする減圧鋳造用給湯装置。
  2. 前記アームは、1節を支持フレームに固定された4節リンク機構から成り、
    前記上昇機構は、前記支持フレームを傾倒させる機構であることを特徴とする請求項1に記載の減圧鋳造用給湯装置。
  3. 前記上昇機構は、前記支持フレームの傾倒方向端部を回転可能に支持する支持手段と、
    前記支持フレームの底面に備えられた傾斜板と、
    前記傾斜板の傾斜面に沿って摺動するスライダとを有することを特徴とする請求項2に記載の減圧鋳造用給湯装置。
  4. 金型に溶湯を射出する射出スリーブに設けられた注湯口から、ラドルにより溶湯を注ぎ、前記溶湯の湯切りを行った後に閉塞部材により前記注湯口を含む前記射出スリーブの一部を閉塞し、真空引きを行う減圧鋳造装置用の給湯方法であって、
    前記溶湯の注湯動作もしくは湯切り動作同時に、前記ラドルと前記注湯口との間に前記閉塞部材を介入させる隙間を形成する第1退避動作と、
    前記閉塞部材により前記注湯口を閉塞する工程、もしくは前記真空引きを行う工程と同時に前記ラドルを溶湯槽側へ退避させる第2退避動作と、を有することを特徴とする減圧鋳造用給湯方法。
  5. 前記第1退避動作は、前記ラドルを前記溶湯槽側へ移動させることなく前記注湯口の上方へ移動させる動作であることを特徴とする請求項4に記載の減圧鋳造用給湯方法。
JP2010015058A 2010-01-27 2010-01-27 減圧鋳造用給湯装置および給湯方法 Expired - Fee Related JP5605792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010015058A JP5605792B2 (ja) 2010-01-27 2010-01-27 減圧鋳造用給湯装置および給湯方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010015058A JP5605792B2 (ja) 2010-01-27 2010-01-27 減圧鋳造用給湯装置および給湯方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011152556A JP2011152556A (ja) 2011-08-11
JP5605792B2 true JP5605792B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=44538888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010015058A Expired - Fee Related JP5605792B2 (ja) 2010-01-27 2010-01-27 減圧鋳造用給湯装置および給湯方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5605792B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5770062B2 (ja) * 2011-10-21 2015-08-26 本田技研工業株式会社 シール構造、シール方法、それを用いた鋳造システム、及び、鋳造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0244922Y2 (ja) * 1989-08-31 1990-11-28
JP3900422B2 (ja) * 2002-08-09 2007-04-04 晃由 梅村 真空ダイカスト法における給湯方法及びそれに用いる給湯装置
JP2006026725A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Akiyoshi Umemura 真空ダイキャスト給湯装置
JP4442598B2 (ja) * 2006-10-12 2010-03-31 トヨタ自動車株式会社 減圧鋳造方法、及び、減圧鋳造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011152556A (ja) 2011-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201622847A (zh) 鑄造裝置及鑄造裝置之模具交換方法
MX2015006030A (es) Aparato de fundicion y metodo de fundicion.
US9162282B2 (en) Casting apparatus
JP4442598B2 (ja) 減圧鋳造方法、及び、減圧鋳造装置
EP3626363B1 (en) Casting mold shaping device and casting mold shaping method
JP5605792B2 (ja) 減圧鋳造用給湯装置および給湯方法
WO2015151701A1 (ja) 鋳造方法及び鋳造装置
JP5647552B2 (ja) 傾動式重力鋳造法
JP2007253168A (ja) 竪型鋳造装置及び竪型鋳造方法
JPS602948B2 (ja) 真空ダイカスト成型装置
JP2006116598A (ja) ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法
TW201919795A (zh) 鑄造裝置及鑄造方法
JP4524682B2 (ja) ダイカスト鋳造方法および装置
Uchida Development of vacuum die-casting process
TWI529053B (zh) 旋轉式吹瓶機的吹塑成形裝置
JP6183272B2 (ja) 鋳造装置及び鋳造方法
JP6596921B2 (ja) 鋳造装置の溶湯充填制御方法
JP3900422B2 (ja) 真空ダイカスト法における給湯方法及びそれに用いる給湯装置
JP7172765B2 (ja) 鋳造装置および鋳造方法
JP5729239B2 (ja) 射出成形装置及び射出成形方法
WO2008088064A1 (ja) 鋳造方法及びダイカストマシン
JP7434007B2 (ja) 鋳造装置及び鋳造方法
KR101258576B1 (ko) 용융금속 자동 주입 장치
JP5646378B2 (ja) 傾動式重力鋳造装置及び傾動式重力鋳造法
JP7301563B2 (ja) 給湯装置およびダイカストマシン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130121

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20131016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5605792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees