JP5588257B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バンド層を構成する帯状プライの巻付け位置を改善することにより、タイヤのユニフォミティ−、特にRFV及びカップルバランスを向上させた空気入りタイヤの製造方法に関する。
図8には、空気入りラジアルタイヤのトレッド部の内部構造の展開図が示される。該ラジアルタイヤは、カーカスaと、その外側に配された2枚のベルトプライb1、b2からなるベルト層bと、該ベルト層bの外側に配されたバンド層dとを具えている。このようなバンド層dは、ベルト層bのリフティング等を抑え、高速耐久性及び操縦安定性を向上させる。
また、図8に示されるように、前記バンド層dとして、長尺の帯状プライpを、タイヤ赤道C上からタイヤ軸方向の一方向側及び他方側へ各々タイヤ周方向に対して小角度で螺旋状に巻き付けられることにより形成されるジョイントレスプライjが提案されている。このようなジョイントレスプライjは、左右のジョイントレスプライj1、j2を同時に形成することができるため、生産効率に優れる。
しかしながら、従来のジョイントレスプライj1、j2の始端m1、m2は、タイヤ赤道C上かつタイヤ周方向のほぼ同じ位置に設けられていた。このため、巻き付けられたジョイントレスプライj1、j2には、帯状プライpが前記ベルト層bの外側に形成されない略三角形状の間隙部eが設けられる。このような間隙部eは、ベルト層bに対する拘束力が小さくなる。とりわけ間隙部eのタイヤ軸方向長さが大となる部分e1では、高速走行時に局部的なせり出しが生じ易く、ユニフォミティ、特にRFV(ラジアルフォースバリエーション)及びカップルバランスが悪化するという問題があった。関連する技術としては次のものがある。
特開平08−142226号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ジョイントレスプライを形成する帯状プライの第1及び第2の始端をタイヤ周方向に所定の角度範囲で位置ずれさせて巻き付けることを基本として、前述の間隙部をタイヤ周方向に分散させてタイヤのユニフォミティを向上させ得る空気入りタイヤの製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されるとともにタイヤ赤道に対し15〜35°の角度で傾けられたコードを有するベルトプライからなるベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向外側に配されるバンド層とを具え前記バンド層は、平行に配列された複数本のバンドコードをトッピングゴムにより被覆した長尺の帯状プライを前記ベルト層の外側にタイヤ周方向に対して5°以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたジョイントレスプライを含み、前記ジョイントレスプライは、タイヤ赤道上の第1の始端から前記ベルト層の一方のタイヤ軸方向の外端までタイヤ軸方向外側に巻き付けられる第1プライと、前記第1の始端とはタイヤ周方向に対して150〜210°の角度で位置ずれしたタイヤ赤道上の第2の始端から前記第1プライと同方向にかつ前記ベルト層の他方のタイヤ軸方向の外端までタイヤ軸方向外側に巻き付けられる第2プライとから構成された空気入りタイヤの製造方法であって、前記カーカスと前記ベルト層とを含み、かつ、前記カーカス及び前記ベルト層の各々の継ぎ目の相対位置を同一とすることにより、実質的に同一のカップルバランスを有するタイヤ基体を複数個成形するタイヤ基体成形工程と、前記タイヤ基体の前記ベルト層の外側に少なくとも前記バンド層を形成するとともに、前記タイヤ基体のタイヤ周方向の任意の位置に定めた基準位置から前記ジョイントレスプライの前記第1の始端の位置をタイヤ周方向に異ならせた複数種類の生カバーを成形する生カバー成形工程と、前記複数種類の生カバーをそれぞれ加硫成形し複数種類の加硫済みタイヤを得る加硫成形工程と、前記複数種類の加硫済みタイヤのカップルバランスをそれぞれ測定し、最もカップルアンバランスの小さい良タイヤを特定するカップルバランス測定工程と、前記良タイヤの前記第1の始端の位置に従って生カバーを成形し、加硫する本成形工程とを含むことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記第1プライの巻付け終端は、前記第1の始端と実質的にタイヤ周方向の同じ位置にあるとともに、前記第2プライの巻付け終端は、前記第2の始端と実質的にタイヤ周方向の同じ位置にある請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項3記載の発明は、前記カップルバランス測定工程は、前記ジョイントレスプライを除くタイヤ部材によって生じたカップルバランスと、前記ジョイントレスプライによるカップルバランスとを測定する請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法である。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、バンド層が、平行に配列された複数本のバンドコードをトッピングゴムにより被覆した長尺の帯状プライをベルト層の外側にタイヤ周方向に対して5°以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたジョイントレスプライを含む。また、このジョイントレスプライは、タイヤ赤道上の第1の始端から前記ベルト層の一方のタイヤ軸方向の外端までタイヤ軸方向外側に巻き付けられる第1プライと、前記第1の始端とはタイヤ周方向に対して150〜210°の角度で位置ずれしたタイヤ赤道上の第2の始端から前記第1プライと同方向にかつ前記ベルト層の他方のタイヤ軸方向の外端までタイヤ軸方向外側に巻き付けられる第2プライとから構成された空気入りタイヤを、カーカスとベルト層とを含み、かつ、カーカス及びベルト層の各々の継ぎ目の相対位置を同一とすることにより、実質的に同一のカップルバランスを有するタイヤ基体を複数個成形するタイヤ基体成形工程と、タイヤ基体のベルト層の外側に少なくともバンド層を形成するとともに、タイヤ基体のタイヤ周方向の任意の位置に定めた基準位置からジョイントレスプライの第1の始端の位置をタイヤ周方向に異ならせた複数種類の生カバーを成形する生カバー成形工程と、複数種類の生カバーをそれぞれ加硫成形し複数種類の加硫済みタイヤを得る加硫成形工程と、複数種類の加硫済みタイヤのカップルバランスをそれぞれ測定し、最もカップルアンバランスの小さい良タイヤを特定するカップルバランス測定工程と、良タイヤの第1の始端の位置に従って生カバーを成形し、加硫する本成形工程とを含む製造方法で製造する。タイヤ赤道上に位置する第1、第2の始端が、タイヤ周方向に対して150〜210°の角度で位置ずれすることにより、第1プライ及び第2プライ間に形成される略三角形状の間隙部をタイヤ周方向に分散させ、かつ各々のタイヤ軸方向長さを小とできる。また、最もカップルアンバランスの小さい良タイヤの第1の始端の位置に従って生カバーが成形される。このため、タイヤのユニフォミティが向上し、とりわけRFV及びカップルバランスが有意に改善される。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤを示す断面図である。 帯状プライの一実施形態を示す斜視図である。 本実施形態のバンド層の展開平面図である。 (a)は、静的アンバランス、(b)は、動的アンバランスを説明する図である。 本発明の製造工程を説明する図である。 (a)は、JLB要因以外のカップルバランス及びタイヤ周方向角度からカップルバランスベクトルを算出した表、(b)は、(a)で求めたカップルバランスベクトルをX−Y座標にプロットしたグラフである。 (a)は、JLB要因のカップルバランス及びタイヤ周方向調整角度からカップルバランスベクトルを算出した表、(b)は、(a)で求めたカップルバランスベクトルをX−Y座標にプロットしたグラフである。 従来のバンド層を説明するトレッド部の内部平面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部2の内部に配されたベルト層7と、このベルト層7のタイヤ半径方向外側に配されたバンド層8とを有し、本実施形態では、乗用車用のものが示されている。
前記カーカス6は、一対のビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部6aの両側に連なりかつ前記ビードコア5の回りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する少なくとも1枚(本実施形態では1枚)のカーカスプライ6Aからなる。前記カーカスプライ6Aは、例えば有機繊維からなるカーカスコードがタイヤ赤道C方向に対して例えば80〜90°の角度で配列されている。
前記ベルト層7は、本実施形態では、内、外2枚のベルトプライ7A、7Bからなり、内のベルトプライ7Aが、外のベルトプライ7Bに比べて幅広に形成されている。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道Cに対して15〜35°の角度で傾けられた例えばスチールコード等の高弾性のベルトコードを有する。そして、各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きで重ねられている。これによって、ベルト層7は、トレッド部2の略全幅に亘ってカーカス6をタガ締めし、トレッド部2の剛性を高めている。
前記バンド層8は、図2に示されるように、長尺の帯状プライ11を前記ベルト層7の外側かつタイヤ周方向に対して5°以下の角度αで螺旋状に巻き付けることにより形成された1層のジョイントレスプライ12から構成される。
前記帯状プライ11は、略等間隔で平行に配列された複数本のバンドコード9…をトッピングゴム10によって被覆した略長方形状断面を有する小幅リボン状の長尺体である。前記バンドコード9としては、特に限定されないが、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリアミド又はPENなどの有機繊維コードが好適に用いられる。また、必要に応じてスチールコードが採用されても良い。
また、帯状プライ11の幅W1は、例えば5〜20mmが望ましい。前記幅W1が5mm未満では、ジョイントレスプライ12を形成する際に帯状プライ11の巻付け回数が多くなって生産性が悪化しやすく、逆に20mmを超えると、巻付け作業性が悪化する傾向がある。なお、1本の帯状プライ13に含まれるバンドコード9は、2本以上10本以下が好適であり、その配列密度は8〜12本/cmが望ましい。
また、ジョイントレスプライ12を形成するために、帯状プライ11は種々の方法で巻き付けることができる。例えば、図3の実施形態では、タイヤ軸方向で隣り合う帯状プライ11の側縁Fが互いにオーバーラップするように巻き付けられている。これにより、バンド層8は、ベルト層7の全幅に亘ってコード層を形成し、ほぼ均一な拘束力を発揮してタイヤのユニフォミティを向上させるのに役立つ。
バンド層8の平面展開図が図3に示される。図3の縦軸はタイヤ周方向の角度、横軸はタイヤ軸方向(ベルト層7の幅方向)を示している。図3の実施形態のジョイントレスプライ12は、図においてタイヤ赤道Cの左側を形成する第1プライ12Aと、同じくタイヤ赤道Cの右側を形成する第2プライ12Bとから構成される。
前記第1プライ12Aは、タイヤ赤道C上の第1の始端S1からベルト層7の一方のタイヤ軸方向の外端G1までタイヤ軸方向外側に連続して巻き付けられる。また、第2プライ12Bは、前記第1の始端S1とはタイヤ周方向に対して150〜210°の角度θで位置ずれしたタイヤ赤道C上の第2の始端S2から前記第1プライ12Aと同方向にかつ前記ベルト層7の他方のタイヤ軸方向の外端G2までタイヤ軸方向外側に連続して巻き付けられる。なお、前記「タイヤ赤道C上の第1の始端S1」及び「タイヤ赤道C上の第2の始端S2」とは、第1の始端S1及び第2の始端S2が、タイヤ赤道Cと交差することを意味するが、製造上のバラツキ等を考慮すると、前記内のベルトプライ7Aのタイヤ軸方向幅の3%以内のズレがあってもよい。
本実施形態のジョイントレスプライ12は、前記第1の始端S1と第2の始端S2とがタイヤ周方向に対し前記角度θで大きく位置ずれしているため、第1プライ12Aと第2プライ12Bとの間に、ベルト層7が露出する略三角形状の間隙部14がタイヤ周方向に分散して形成される。これらの間隙部14のタイヤ軸方向の最大の長さL1は、第1の始端S1と第2の始端S2とのタイヤ周方向の位置ずれ角度θが180°に近づくほど小さくなる。このような観点より、前記位置ずれ角度θは、好ましくは160°以上、より好ましくは175°以上が望ましく、また好ましくは200°以下、より好ましくは185°以下が望ましい。なお本実施形態では、前記略三角形状の間隙部14がタイヤ1周長さに2つ形成されたものが示される。
特に好ましい態様では、前記第1プライ12Aの巻付け終端E1が、前記第1の始端S1と実質的にタイヤ周方向の同じ位置に設けられるとともに、前記第2プライ12Bの巻付け終端E2は、前記第2の始端S1と実質的にタイヤ周方向の同じ位置に設けられることが望ましい。これにより、タイヤ周方向のいずれの位置においても、前記第1プライのタイヤ軸方向長さWaと第2プライのタイヤ軸方向長さWbは等しくなるため、RFVがさらに改善される。なお、前記「実質的に」タイヤ周方向の同じ位置にあるとは、タイヤ製造時のバラツキを考慮したもので、完全に同一の位置にある場合の他、周方向のズレ量が5mm以内の範囲であってもよい。
このように、本実施形態のジョイントレスプライ12は、従来のような、タイヤ軸方向の長さL1の大きい間隙部14が形成されることを抑制するとともに、前記長さL1を従来に比して約1/2としうるため、ベルト層7の中央部に対する拘束力を高く維持し得る。これにより、本実施形態の空気入りタイヤ1は、タイヤのユニフォミティ、とりわけRFV及びTFV(タンジェンシャルフォースバリエーション)が優位に改善される。
また、タイヤの性能評価は、静的アンバランスや動的アンバランスを用いて行うこともできる。この静的アンバランスの大きいタイヤは、図4(a)に示されるように、タイヤ周方向の重量バランスが悪いため、ユニフォミティが低下する。とりわけRFVが低下するため好ましくない。また、動的アンバランスの大きいタイヤは、図4(b)に示されるように、タイヤの回転軸に“すりこぎ”運動を起こさせ、乗り心地や操縦安定性が低下するため好ましくない。この動的アンバランスは、静的アンバランスとカップル(偶)アンバランスとをベクトル合成して得ることができる。従って、静的アンバランスとカップルアンバランスとを抑制できれば、動的アンバランスについても抑制し得ることが理解できる。
カップルアンバランスを抑制するためには、ジョイントレスプライ12を除くタイヤの部材(少なくともビードコア5、カーカス6及びベルト層7は含まれる)によって生じたカップルバランス(以下「JLB要因以外のカップルバランス」という場合がある)を、前記ジョイントレスプライ12によるカップルバランス(以下「JLB要因のカップルバランス」という場合がある)によって打ち消すことで総合的にカップルバランスを良くすることが考えられる。
このような、総合的にカップルバランスが良い空気入りタイヤの製造方法は、次の通りである。先ず、例えば、図5(a)に示されるように、周知の成形ドラム15の外表面にカーカス6を巻付け、その後、該カーカス6の外側にベルト層7を巻付けてなるタイヤ基体1Aを複数個成形するタイヤ基体成形工程が行われる。タイヤ基体1Aは、前記カーカス6及び前記ベルト層7の各々の継ぎ目6t、7tの相対位置が同一となるように形成される。従って、本実施形態のタイヤ基体1Aは、実質的に同一のカップルアンバランスを有する。なお、本実施形態では、カーカス6及びベルト層7は、タイヤ周方向に180度位置ずれした位置に継ぎ目6t及び7tが設けられる。
次に、図5(b)に示されるように、タイヤ基体1Aのベルト層7の外側に少なくとも前記バンド層8を形成する生カバー16が成形される生カバー成形工程が行われる。生カバー16は、タイヤ基体1Aのタイヤ周方向の任意の位置に定めた基準位置17から前記ジョイントレスプライ12の前記第1の始端S1の位置がタイヤ周方向にそれぞれ異なった複数種類を含んで形成される。このような生カバー16は、「JLB要因のカップルバランス」が異なった状態にある。また、前記基準位置17とは、特に限定されるものではないが、例えば、前記カーカス6又は前記ベルト層7の継ぎ目18を基準位置17とするのが望ましい。
次に、前記生カバー成形工程の後、その複数種類の生カバーを加硫成形して加硫済タイヤを得る加硫成形工程が行われる。
次に、前記加硫済みタイヤのカップルバランスをそれぞれ測定し、最もカップルアンバランスの小さい良タイヤを特定するカップルバランス測定工程が行われる。
前記良タイヤを特定するカップルバランス測定工程について、具体的に説明する。図6(a)及び7(a)の左側には、カップルバランスと該カップルバランスが生ずるタイヤ周方向角度との測定結果が示される。次に、図6(a)(1)に示されるように、この測定結果からJLB要因以外のカップルバランスベクトルが算出される。ここで、カップルバランスと前記タイヤ周方向角度とは、円座標の関係で表されるため、容易にJLB要因以外のカップルバランスベクトルを算出することができる(図6(a)のX1、Y1及び図6(b)に示される)。次に、図7(a)(1)に示されるように、カップルバランスが生じた前記タイヤ周方向角度から前記第1の始端S1の貼り付け位置(角度)と基準位置との角度差を相殺したタイヤ周方向調整角度と、前記カップルバランスとからJLB要因のカップルバランスベクトルを算出する。カップルバランスと前記タイヤ周方向調整角度とは、円座標の関係で表されるため、容易にJLB要因のカップルバランスベクトルを算出することができる(図7(a)のX2、Y2及び図7(b)に示される)。なお、本実施形態では、タイヤ基体1Aの第1の始端S1がタイヤ周方向に90度ずつ位置ずれされた4種類のタイヤ基体が設けられ、夫々の位置ずれ個所について4本ずつの計16本のタイヤ基体1Aが形成された例が示される。
次に前記JLB要因のカップルバランスベクトルの平均値及びJLB要因以外のカップルバランスベクトルの平均値を算出し、この値から、JLB要因及びJLB要因以外の両カップルバランスの平均の前記基準位置からのタイヤ周方向位置(角度)が求められる(図6(a)(2)には、JLB要因以外のカップルバランスの平均のタイヤ周方向位置は98°及び図7(a)(2)には、JLB要因のカップルバランスの平均のタイヤ周方向位置は143°であることが示される)。
そして、両カップルバランスのタイヤ周方向位置を180度離間する位置が、前記両カップルバランスを最も相殺できる位置として表される。即ち、本例では、前記基準位置から98+180−143=135°を位置ずれさせて、ジョイントレスプライ12の第1の始端S1の貼り付け位置とすることで、最もカップルアンバランスの小さい良タイヤが特定される。
なお、カップルバランスの測定は、慣例のバランス試験機(図示せず)により動バランスと静バランスが測定される。また、タイヤ基体成形工程で製造されるタイヤ基体1Aの種類数は、大ければ製造コストが増加し、逆に、少なければ精度良く良バランス生カバーを特定しづらい。このような観点より、前記タイヤ基体1Aは、4〜8種類程度が望ましい。
最後に、前記良タイヤの前記第1の始端の位置に従って生カバーを成形し、加硫する本成形工程が行われる。
このように製造された空気入りタイヤ1は、前記間隙部14を小さくできるためタイヤのRFV及びTFVが優位に改善されるとともに、総合的なカップルアンバランスが向上する。
また、帯状プライ11の他の巻き付け方法としては、その側縁F、Fが互いに離間しても良いし、これとは逆にその側縁Fを接するように巻き付けても良いが、前記ベルト層7に対する拘束力を大きくかつ均一に発揮させる点で、その側縁Fがオーバーラップするように巻き付けられるのが好ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づいてサイズ215/45R17の空気入りラジアルタイヤが試作された。各タイヤは、バンド層を除いて図1に示した共通の内部構造を持っている。また、ジョイントレスプライの巻付け態様は図3に示される。なお、実施例において、巻付方向で隣り合う帯状プライは、いずれもタイヤ周方向に等ピッチでタイヤ赤道上からベルト層の外端まで形成されている。
主な共通仕様は以下の通りである。
<カーカス>
カーカスプライ数:1枚
カーカスコード材料:ポリエステル
カーカスコード角:88度
<ベルト層>
プライ数:2枚
ベルトコード:スチール
ベルトコード角:+22度/−22度
<バンド層>
プライ数:1枚
バンドコード材料:ナイロン
バンドコード角α:90°
帯状プライの幅:1cm
帯状プライのコード配設本数:10本
帯状プライのオーバーラップの幅:0mm
テストの方法は、次の通りである。
<タイヤのFV試験>
テストタイヤについて、フォースバリエーション試験機を用い、JASO C607:2000のユニフォミティ試験条件に準拠して、RFV及びTFVが下記の条件で測定された(試験本数20本の平均値)。評価は、比較例1を100とする指数で評価した。数値が小さいほど良好である。
リム:17×7.5J
内圧:200kPa
荷重:4.08kN
速度:7km/h(低速)
速度:120km/h(高速)
テストの結果を表1に示す。
Figure 0005588257
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べてユニフォミティが有意に向上していることが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 バンド層
9 バンドコード
10 トッピングゴム
11 帯状プライ
12 ジョイントレスプライ
12A 第1プライ
12B 第2プライ
G1 一方のタイヤ軸方向の外端
G2 他方のタイヤ軸方向の外端
S1 第1の始端
S2 第2の始端

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されるとともにタイヤ赤道に対し15〜35°の角度で傾けられたコードを有するベルトプライからなるベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向外側に配されるバンド層とを具え
    前記バンド層は、平行に配列された複数本のバンドコードをトッピングゴムにより被覆した長尺の帯状プライを前記ベルト層の外側にタイヤ周方向に対して5°以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたジョイントレスプライを含み、
    前記ジョイントレスプライは、タイヤ赤道上の第1の始端から前記ベルト層の一方のタイヤ軸方向の外端までタイヤ軸方向外側に巻き付けられる第1プライと、
    前記第1の始端とはタイヤ周方向に対して150〜210°の角度で位置ずれしたタイヤ赤道上の第2の始端から前記第1プライと同方向にかつ前記ベルト層の他方のタイヤ軸方向の外端までタイヤ軸方向外側に巻き付けられる第2プライとから構成された空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記カーカスと前記ベルト層とを含み、かつ、前記カーカス及び前記ベルト層の各々の継ぎ目の相対位置を同一とすることにより、実質的に同一のカップルバランスを有するタイヤ基体を複数個成形するタイヤ基体成形工程と、
    前記タイヤ基体の前記ベルト層の外側に少なくとも前記バンド層を形成するとともに、前記タイヤ基体のタイヤ周方向の任意の位置に定めた基準位置から前記ジョイントレスプライの前記第1の始端の位置をタイヤ周方向に異ならせた複数種類の生カバーを成形する生カバー成形工程と、
    前記複数種類の生カバーをそれぞれ加硫成形し複数種類の加硫済みタイヤを得る加硫成形工程と、
    前記複数種類の加硫済みタイヤのカップルバランスをそれぞれ測定し、最もカップルアンバランスの小さい良タイヤを特定するカップルバランス測定工程と、
    前記良タイヤの前記第1の始端の位置に従って生カバーを成形し、加硫する本成形工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記第1プライの巻付け終端は、前記第1の始端と実質的にタイヤ周方向の同じ位置にあるとともに、
    前記第2プライの巻付け終端は、前記第2の始端と実質的にタイヤ周方向の同じ位置にある請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記カップルバランス測定工程は、前記ジョイントレスプライを除くタイヤ部材によって生じたカップルバランスと、前記ジョイントレスプライによるカップルバランスとを測定する請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法。
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